JP2011101776A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
磁気共鳴イメージング装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011101776A JP2011101776A JP2009258752A JP2009258752A JP2011101776A JP 2011101776 A JP2011101776 A JP 2011101776A JP 2009258752 A JP2009258752 A JP 2009258752A JP 2009258752 A JP2009258752 A JP 2009258752A JP 2011101776 A JP2011101776 A JP 2011101776A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power supply
- supply voltage
- magnetic resonance
- converter
- resonance imaging
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
Abstract
【課題】 磁気共鳴信号を検出してデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器に混入するデジタルノイズの影響によって画像中心に発生する輝点アーチファクトを低減して、高画質の画像を得る。
【解決手段】 被検体1から発生する磁気共鳴信号を受信コイル14bで受信して増幅器15、16で増幅し、この増幅したアナログ信号をデジタル/アナログ変換器(ADC)17を含む受信系6でデジタル信号に変換する。このデジタル信号を信号処理系7とCPU8で構成された画像処理部により前記被検体1の画像を生成する。前記受信系6は、前記ADC17の直流の電源電圧を調整する電圧調整機構26を備え、この電圧調整機構26により前記ADC17の電源電圧を最適値に調整して設定する。前記ADC17の電源電圧の最適値は、前記ADC17に入力される磁気共鳴信号が0におけるノイズレベルがバックグランドレベル以下となる電圧である。
【選択図】 図1
【解決手段】 被検体1から発生する磁気共鳴信号を受信コイル14bで受信して増幅器15、16で増幅し、この増幅したアナログ信号をデジタル/アナログ変換器(ADC)17を含む受信系6でデジタル信号に変換する。このデジタル信号を信号処理系7とCPU8で構成された画像処理部により前記被検体1の画像を生成する。前記受信系6は、前記ADC17の直流の電源電圧を調整する電圧調整機構26を備え、この電圧調整機構26により前記ADC17の電源電圧を最適値に調整して設定する。前記ADC17の電源電圧の最適値は、前記ADC17に入力される磁気共鳴信号が0におけるノイズレベルがバックグランドレベル以下となる電圧である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁気共鳴現象を利用して被検体の所望箇所を画像化する磁気共鳴イメージング装置(以下MRI装置という)に関し、特に被検体をスキャンして取得した磁気共鳴信号の受信系に混入するノイズを低減して高画質化を図る技術に関する。
磁気共鳴イメージング装置は、核磁気共鳴現象を利用して被検体中の所望の検査部位における原子核スピンの密度分布、緩和時間分布を計測して、その計測データから被検体の断面を画像表示するものである。均一で強力な磁場発生装置内に置かれた被検体の原子核スピンは磁場の強さによって定まる周波数(ラーモア周波数)で磁場の方向を軸として歳差運動を行う。そこで、このラーモア周波数に等しい周波数の高周波パルスを外部より照射すると、スピンが励起され高いエネルギー状態に遷移する(核磁気共鳴現象)。この照射を打ち切ると、スピンはそれぞれの状態に応じた時定数でもとの低いエネルギー状態にもどり、このときに外部に電磁波(NMR信号)を放出する。これをその周波数に同調した受信コイルで検出する。このとき、空間内に位置情報を付加する目的で、X,Y,Zの3軸の傾斜磁場を磁場空間に印加する。この結果、空間内の位置情報を周波数情報として捕らえることが可能となる。
前記受信コイルで受信した信号を前段増幅器で増幅し、さらには受信した信号レベルに従い、可変増幅器で適正に増幅を行った後、アナログデジタルコンバータ(以下ADC)にアナログ信号が送られる。ADCは、デジタルデータに変換し、この変換されたデジタルデータは画像処理側へ送られ、FFT等の処理を経て画像に変換される。この場合、ADCで変換前には、アナログ信号状態で周波数変換、信号増幅等の受信回路が含まれることになり、ADCへの入力段階では、定常状態においても、回路素子によって直流オフセット成分が存在する。
このような構成のMRI装置において、受信コイルが多チャンネル化されるに伴い、ADCの使用数は増加し、また、三次元(以下、3Dと記す)画像を取得するようなシーケンスにおいて、多くの画像の加算処理を行う傾向にある。
このような構成のMRI装置において、受信コイルが多チャンネル化されるに伴い、ADCの使用数は増加し、また、三次元(以下、3Dと記す)画像を取得するようなシーケンスにおいて、多くの画像の加算処理を行う傾向にある。
この場合、NMR信号に前記直流オフセット成分が含まれると、画像処理側でFFT等の処理を行った際、画像中心に輝点アーチファクトを持つ画像が得られる場合が生じる。この問題に対して、前記直流オフセット成分を補正して前記輝点アーチファクトを低減するMRI装置が特許文献1に開示されている。
近年のMRI装置においては、画像をさらに高画質なものにすることが要望されている。このためには、受信コイルを多チャンネル化し、3Dのシーケンスを用いて、さらに加算処理を多くすることが必要となる。多チャンネル化すると、使用するADC数が増加して、ADC単体毎の特性差も大きくなってくる。
MRIシステム内には、スイッチング電源、基準クロック等様々なノイズ要因が含まれたシステムになっており、基板接地、システム接地に画像ノイズとなり得る成分が混入する。また、MRI装置の受信系において、ADCの前には、アナログ信号状態で500kHzを中心とする信号になるように、受信信号の周波数を変換しており、システム内に発生する500kHzの高調波となるノイズ成分が、ナイキスト定理によって折り返えされる。したがって、3Dシーケンスにおける加算回数が多くなるほど前記ノイズ成分によって画像中心にアーチファクト(輝点アーチファクト)が発生することが考えられる。
このように、ADC単体毎の特性差、及び高調波ノイズ成分によって発生する、いわゆるデジタルノイズの影響による輝点アーチファクトが無視できないものとなってきた。この輝点アーチファクトは、画像診断に影響を及ぼさない程度まで低減若しくは除去する必要がある。
そこで、本発明の目的は、NMR信号受信系のシステムノイズによるデジタルノイズの影響によって画像中心に発生する輝点アーチファクトを低減して、高画質の画像を得ることができるMRI装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、受信コイルで受信したアナログの磁気共鳴信号をデジタル信号に変換するA/D変換器の直流電源電圧を調整することによって上記課題を解決するもので、具体的には以下により達成される。
被検体から発生する磁気共鳴信号を受信する受信コイル及び受信された前記磁気共鳴信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換器を含む受信手段と、前記A/D変換器によりデジタル信号に変換された磁気共鳴信号に基づいて、前記被検体の画像を生成する画像生成手段と、この画像生成手段で生成した画像を表示する表示手段と、前記受信手段、画像生成手段及び前記表示手段の動作を制御する制御手段と、装置を操作する操作手段と、を備えた磁気共鳴イメージング装置であって、前記受信手段は、前記A/D変換器の電源電圧を調整する電源電圧調整手段を備えたものである。
被検体から発生する磁気共鳴信号を受信する受信コイル及び受信された前記磁気共鳴信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換器を含む受信手段と、前記A/D変換器によりデジタル信号に変換された磁気共鳴信号に基づいて、前記被検体の画像を生成する画像生成手段と、この画像生成手段で生成した画像を表示する表示手段と、前記受信手段、画像生成手段及び前記表示手段の動作を制御する制御手段と、装置を操作する操作手段と、を備えた磁気共鳴イメージング装置であって、前記受信手段は、前記A/D変換器の電源電圧を調整する電源電圧調整手段を備えたものである。
前記電源電圧調整手段は、前記A/D変換器に供給する直流電源の電圧を調整するための電源電圧調整パラメータを設定する手段である。
前記電源電圧調整パラメータを設定する手段によって調整される前記A/D変換器の直流電源電圧は、前記A/D変換器に入力される磁気共鳴信号が0におけるノイズレベルがバックグランドレベル以下となる電圧である。
前記直流電源は、入力された直流電圧が調整可能な半導体スイッチング手段を用いたスイッチングレギュレータであって、このスイッチングレギュレータは、前記半導体スイッチング手段のスイッチング周期に占める導通時間の割合であるデューティ比率を調整するデューティ比率調整手段を備え、このデューティ比率調整手段により前記電源電圧調整パラメータを設定する。
前記電源電圧調整パラメータを設定する手段による電源電圧調整パラメータの設定値は、前記A/D変換器に入力される磁気共鳴信号が0の場合におけるノイズレベルがバックグランドレベル以下となる前記A/D変換器の直流電源電圧に対応する設定値である。この設定値は、デジタル値により設定することが好ましい。
前記電源電圧調整手段は、デジタルポテンショメータを含み、前記デジタル値に対応する抵抗値を前記デジタルポテンショメータに設定し、この設定された抵抗値により前記デューティ比率を設定する。
前記A/D変換器に入力される磁気共鳴信号が0の場合におけるノイズレベルがバックグランドレベル以下となる前記A/D変換器の直流電源電圧に対応する設定値を記憶する電源電圧設定値記憶手段を更に備え、磁気共鳴イメージング装置の電源投入時、前記受信コイルの変更時、磁気共鳴イメージング装置の長時間使用時等の、前記A/D変換器の直流電源電圧電圧の調整が必要な都度、前記設定値を前記電源電圧設定値記憶手段から取得して前記A/D変換器の電源電圧を調整する。
前記電源電圧調整パラメータの設定は、以下のいずれかによって行う。
(1)前記電源電圧調整パラメータを設定する手段を少なくとも前記操作手段と前記表示手段のいずれか一方に設け、これらの手段を用いて設定する。
(1)前記電源電圧調整パラメータを設定する手段を少なくとも前記操作手段と前記表示手段のいずれか一方に設け、これらの手段を用いて設定する。
(2)前記A/D変換器を搭載する基板に、マイクロコンピュータを搭載し、このマイクロコンピュータに前記電源電圧調整パラメータを設定する手段を設け、この手段で電源電圧調整パラメータを設定する。
(3)外部にパーソナルコンピュータを備え、このパーソナルコンピュータから前記電源電圧調整パラメータを設定する手段に前記電源電圧調整パラメータを設定する。
前記受信手段は、複数の受信コイルと、この複数の受信コイルで検出した複数の磁気共鳴信号に対応する複数のA/D変換器を備え、前記電源電圧調整手段は、前記複数のA/D変換器に対応して該A/D変換器の電源電圧を個別に調整する複数の電源電圧調整機能を備えた手段である。
本発明によれば、被検体から発生した磁気共鳴信号をデジタル信号に変換するA/D変換器の電源電圧を前記A/D変換器に入力される磁気共鳴信号が0におけるノイズレベルをバックグランドレベル以下となる電圧に調整して設定することにより、磁気共鳴信号受信系のシステムノイズによるデジタルノイズを低減することができる。これにより、画像中心に発生する輝点アーチファクトが低減されて、高画質の画像を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されたMRI装置の全体概略構成図である。図1において、このMRI装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検体1の断層画像を得るものであり、静磁場発生系2により静磁場が発生されるが、図面の都合上、静磁場発生手段は省略してある。
図1は、本発明が適用されたMRI装置の全体概略構成図である。図1において、このMRI装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検体1の断層画像を得るものであり、静磁場発生系2により静磁場が発生されるが、図面の都合上、静磁場発生手段は省略してある。
MRI装置は、静磁場発生系2と、CPU(Central ProCessing Unit)8と、シーケンサ4と、送信系5と、傾斜磁場発生系3と、受信系6と、信号処理系7と、操作系25と、を備える。
静磁場発生系2の静磁場発生手段は、ベッド26上の被検体1に強く均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りのある広がりをもった空間に永久磁石方式あるいは超電導磁石方式等の静磁場発生手段である。
傾斜磁場発生系3の傾斜磁場コイル9は、X、Y、Zの3軸に3組配置され、シーケンサ4により制御される傾斜磁場電源10の出力電流によって被検体1の周りに必要な傾斜磁場空間を形成し、NMR信号に位置情報を与える。
送信系5の変調器12は、シーケンサ4のコントロールに従って高周波発振器11からの高周波信号を変調し、高周波増幅器13を介して高周波コイル14aに供給する。高周波コイル14aは、被検体1にスピン励起のための高周波パルスを照射する。
送信系5の変調器12は、シーケンサ4のコントロールに従って高周波発振器11からの高周波信号を変調し、高周波増幅器13を介して高周波コイル14aに供給する。高周波コイル14aは、被検体1にスピン励起のための高周波パルスを照射する。
この結果生じるNMR信号は、受信系6の受信コイル14bで検出され、前段増幅器15、入力増幅器16を介してADC(A/D変換器)17に供給される。ADC17でアナログ信号からデジタル信号に変換されたNMR信号は、FPGA(Field Programmable Gate Array)27に供給される。
なお、受信コイル14bは、多チャンネル化に対応するために複数の受信コイルから成り、これに対応して複数の前段増幅器15、入力増幅器16、及びADC17を有する。
前記FPGA27は、受信系6に入力信号が無い定常状態のADC17の出力信号をモニタし、解析することができる。FPGA27は、ADC17からの出力されたデジタル信号に基づいて、電圧調整機構(電源電圧調整手段)26に、ADC17に供給する電源28の電圧を調整するための電源電圧調整パラメータを設定する。つまり、FPGA27は、前記電圧調整機構26と共にADC17の電源電圧調整手段として機能し、電圧調整機構26には、電源28の出力電圧が入力され、該電圧調整機構26の出力電圧がADC17の電源電圧となる。
FPGA27からのデジタル信号は、CPU8に供給され、画像再構成演算等が行なわれる。そして、再構成された画像が、信号処理系7のディスプレイ(表示手段)20に表示される。
なお、信号処理系7は、ディスプレイ20の他に、光ディスク19、磁気ディスク18、ROM21、RAM22を備える。また、操作系(操作手段)25は、トラックボール又はマウス23、キーボード24を備える。
次に、本発明における第1の実施形態の要部である受信系6について、図2を参照して説明する。
図2において、受信系6は、複数の受信コイル14b、及びこれら複数の受信コイル14bで受信したNMR信号を増幅する複数の前段増幅器15とから成る受信増幅群6aと、この受信増幅群6aで増幅した受信信号を増幅する複数の増幅器16を複数備えた前置増幅群6bと、この前置増幅群6bのアナログ出力信号をデジタル信号に変換する複数のADC17を備えたADC群6Cと、このADC群6Cで変換されたデジタル信号を入力して画像処理部8に出力するFPGA27及びこのFPGA27に設定したパラメータに対応してADC17の電源電圧を調整する電圧調整機構26を有するADC電源電圧調整機構群6dと、を備えて構成される。
図2において、受信系6は、複数の受信コイル14b、及びこれら複数の受信コイル14bで受信したNMR信号を増幅する複数の前段増幅器15とから成る受信増幅群6aと、この受信増幅群6aで増幅した受信信号を増幅する複数の増幅器16を複数備えた前置増幅群6bと、この前置増幅群6bのアナログ出力信号をデジタル信号に変換する複数のADC17を備えたADC群6Cと、このADC群6Cで変換されたデジタル信号を入力して画像処理部8に出力するFPGA27及びこのFPGA27に設定したパラメータに対応してADC17の電源電圧を調整する電圧調整機構26を有するADC電源電圧調整機構群6dと、を備えて構成される。
前記電圧調整機構26には、周知の直流入力を電圧の異なる直流出力に変換するDC−DCコンバータによるスイッングレギュレータを用いる。このスイッチングレギュレータは、半導体スイッチング手段によって入力直流電圧を高周波交流電圧に変換し、整流手段とインダクタと平滑コンデンサによって整流平滑して直流電圧を出力する。この出力直流電圧は、半導体スイッチング手段のスイッチング周期に占めるオン時間の割合(デューティ比率と称する。)を調整することによって制御することができる。このデューティ比率は、スイッチングレギュレータに設けられている出力電圧調整用抵抗値を可変して調整するものである。
図3は、前記電圧調整機構26の詳細図で、前記スイッチングレギュレータ26aと、このスイッチングレギュレータ26aの出力電圧を調整するための固定抵抗26bに直列に接続されたデジタルポテンショメータ26cによる可変抵抗と、を備える。デジタルポテンショメータ26cは、FPGA27で設定したデジタル値に対応した抵抗値となって、この抵抗値に対応してスイッチングレギュレータ26aのデューティ比率が設定され、スイッチングレギュレータ26aは設定されたデューティ比率に対応した電圧を出力する。このように構成することによって、スイッチングレギュレータ26aは、デジタルポテンショメータ26cで前記デューティ比率に対応した抵抗値に調整されて、電源28から供給された入力電圧を、後述するADC17の最適な電源電圧に変換された電圧を出力し、この出力電圧をADC17の電源電圧とする。
ここで、ADC17の最適な電源電圧について説明する。ADC17の電源電圧には定格電圧が定められているが、この定格電圧の範囲内におけるADCの使用可能の範囲内で、微小に電源電圧を変化させることで、画像に現われる画像ノイズが変化するという現象がみられた。この現象は、ADCそれぞれに最適のリファレンス電圧があり、それによって高調波成分が軽減され、もしくは、デジタルフィルターの形状がノイズに対応できるようになっているが、電源電圧を可変すると前記リファレンス電圧、デジタルフィルターの形状が変化して、これによって画像ノイズが変化するものと推定される。
そこで、電源電圧を変化させてノイズのない状態のバックグランドレベルとノイズレベルとの比と電源電圧の関係を画像上で対比すると、図4に示すように、ノイズレベルが一番小さい電源電圧が現れた。したがって、この電圧をADCの電源電圧に設定することにより、画像ノイズを最小にすることができるので、この電圧をADCの最適な電源電圧とした。
FPGA(若しくはCPU等)27は、上述したように、ADC17から出力された信号に基づいて、デジタルポテンショメータ26cに最適電源電圧を得るための電圧調整機構26のパラメータ(スイッチングレギュレータ26aのデューティ比率)を設定する。この設定は、ADC17へのNMR入力信号が0の場合の電源電圧を変化させて、ノイズのない状態のバックグランドレベルとノイズレベルとの比と電源電圧の関係を画像上で対比して、ノイズレベルがバックグランドレベル以下となるノイズレベルが一番小さい電源電圧に調整して設定する。これにより、ADC17で変換されたデジタル信号に重畳されるデジタルノイズを低減することが可能になる。
なお、定常状態(ADC17へのNMR入力信号が0)における画像ノイズの確認になるので、MRI装置の電源投入時、及び受信コイル14bの変更時、MRI装置の長時間の使用時等に確認して、ポテンショメータ26cの設定を行えるようにすることが望ましい。
この最適電源電圧の調整は非常に微小な調整になるため、ボリューム抵抗を手動で調整するよりは、デジタルで設定する方がきめ細かく短時間に設定できるので、図3に示したように、固定抵抗26bをデジタルポテンショメータ26aと直列に接続し、デジタルポテンショメータ26aの抵抗ステップよりもさらにより精度を細かく設定できるようにすることで、より最適な電圧に調整することが可能になる。
なお、定常状態(ADC17へのNMR入力信号が0)における画像ノイズの確認になるので、MRI装置の電源投入時、及び受信コイル14bの変更時、MRI装置の長時間の使用時等に確認して、ポテンショメータ26cの設定を行えるようにすることが望ましい。
この最適電源電圧の調整は非常に微小な調整になるため、ボリューム抵抗を手動で調整するよりは、デジタルで設定する方がきめ細かく短時間に設定できるので、図3に示したように、固定抵抗26bをデジタルポテンショメータ26aと直列に接続し、デジタルポテンショメータ26aの抵抗ステップよりもさらにより精度を細かく設定できるようにすることで、より最適な電圧に調整することが可能になる。
このようにして、ADC群6Cの複数のチャンネルに対応したADC17の電源電圧を、それぞれのADC17に対応する電圧調整機構群6dの電圧調整機構26により調整して、この調整された電源電圧を前記ADC群6CのADC17に供給する。この場合、前記ADC群6Cの複数のADC17には個別の特性差があっても、前記電圧調整機構26によりADC17の電源電圧をそれぞれ個別に最適な電源電圧に調整することができる。
これにより、ADC17の電源電圧が最適値に調整されて、図5に示すように、アーチファクトのない良好な画像を得ることが可能になる。なお、図5の(a)は、ADC17の電源電圧が最適値に調整されていない、デジタルノイズの影響を受けて、画像29にアーチファクト30が発生している場合であり、図5の(b)は、本発明によるADC17の出力に重畳されたデジタルノイズ成分が低減されて、画像31にアーチファクトが発生していない状態を示す。
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、デジタルポテンショメータ26cの設定値により、ADC17の電源電圧が画像にノイズが現れない最適な電源電圧に調整されてデジタルノイズが低減されるので、輝点アーチファクトの発生を防止し、高画質の画像を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することができる。
図6は、本発明における第2の実施形態の要部である受信系6を示す図で、受信系6は多チャンネルから成るが、図においては1チャンネル分を示してある。
この図6に示した受信系6の構成以外の部分は、第1の実施形態と同等であるので、図示及び詳細な説明は省略する。
図6は、本発明における第2の実施形態の要部である受信系6を示す図で、受信系6は多チャンネルから成るが、図においては1チャンネル分を示してある。
この図6に示した受信系6の構成以外の部分は、第1の実施形態と同等であるので、図示及び詳細な説明は省略する。
上記第1の実施形態においては、電圧調整機構26のデジタルポテンショメータ26cの調整パラメータをFPGA27に記憶させるようにしたが、第2の実施形態においては、FPGA27を搭載する基板内部にマイクロコンピュータを構成するCPU、メモリ等を搭載し、これに外部のパーソナルコンピュータ(PC)32を接続して、このPC32でデジタルポテンショメータ26cのパラメータを設定するようにしても良い。このように構成することにより、デジタルポテンショメータ26cのパラメータの設定を必要に応じていつでも簡単に設定することができる。
図7は、本発明における第3の実施形態の要部である受信系6を示す図で、受信系6は多チャンネルから成るが、図においては1チャンネル分を示してある。この図7に示した受信系6の構成以外の部分は、第1の実施形態と同等であるので、図示及び詳細な説明は省略する。
上記第1、第2の実施形態においては、デジタルポテンショメータ26cにADC17の最適電源電圧を調整する設定値を設定するようにしたが、第3の実施形態においては、ADC27の電源電圧の供給源である電源28aに電圧調整手段を設け、この手段により最適電源電圧を設定するものである。これにより、より安価にADCの電源電圧を最適に調整することができる。
なお、望ましくは、画像UI(ユーザインターフェイス)上に、ADC27の電源電圧調整のサービスツールを設け、このサービスツールによりADC27の電源電圧を調整可能にすることである。そして、調整されたADC27の電源電圧設定値をMRIシステムに保存し、システム稼動時に、前記電源電圧設定値に対応した電源電圧にてMRI装置を動作させれば良い。
以上、本発明の磁気共鳴イメージング装置について、第1、第2、及び第3の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定するものでは無く、受信コイルで検出したNMR信号を増幅したアナログ信号をデジタル信号に変換するADCの電源電圧を、MRIシステムのデジタルノイズによって発生する画像に現れる輝点アーチファクトを診断する上で問題のないレベルまで低減できる最適な電源電圧に調整することができるものであれば、どのような手段、方法でも良い。
また、上記実施形態は、受信チャンネルが多チャンネルで、高速でAD変換するために、複数のADCを用いた例について説明したが、本発明は、1個のADCを備えた受信系を有するMRI装置にも適用することができる。
さらにまた、前記電圧調整機構26のスイッチングレギュレータ26aのデューティ比率を調整する手段にデジタルポテンショメータ26cを用いた例について説明したが、デジタルポテンショメータ26cに替えてボリューム抵抗を用い、このボリューム抵抗を調整するようにしても良い。
2 静磁場発生系、3 傾斜磁場発生系、5 送信系、6 受信系、6a 受信増幅群、6b 前置増幅群、6C ADC(アナログ/デジタル変換器)群、6d ADC電源電圧調整機構群、7 信号処理系、8 CPU、14b 受信コイル、17 ADC、20 ディスプレイ、25 操作系、26 電圧調整機構、26a スイッチングレギュレータ、26c デジタルポテンショメータ、27 FPGA、28 電源、32 パーソナルコンピュータ(PC)
Claims (12)
- 被検体から発生する磁気共鳴信号を受信する受信コイル及び受信された前記磁気共鳴信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換器を含む受信手段と、前記A/D変換器によりデジタル信号に変換された磁気共鳴信号に基づいて、前記被検体の画像を生成する画像生成手段と、この画像生成手段で生成した画像を表示する表示手段と、前記受信手段、画像生成手段及び前記表示手段の動作を制御する制御手段と、装置を操作する操作手段と、を備えた磁気共鳴イメージング装置であって、前記受信手段は、前記A/D変換器の電源電圧を調整する電源電圧調整手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 前記電源電圧調整手段は、前記A/D変換器に供給する直流電源の電圧を調整するための電源電圧調整パラメータを設定する手段であることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記電源電圧調整パラメータを設定する手段によって調整される前記A/D変換器の直流電源電圧は、前記A/D変換器に入力される磁気共鳴信号が0におけるノイズレベルがバックグランドレベル以下となる電圧であることを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記直流電源は、入力された直流電圧が調整可能な半導体スイッチング手段を用いたスイッチングレギュレータであって、このスイッチングレギュレータは、前記半導体スイッチング手段のスイッチング周期に占める導通時間の割合であるデューティ比率を調整するデューティ比率調整手段を備え、このデューティ比率調整手段により前記電源電圧調整パラメータを設定することを特徴とする請求項2または3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記電源電圧調整パラメータを設定する手段による電源電圧調整パラメータの設定値は、前記A/D変換器に入力される磁気共鳴信号が0におけるノイズレベルをバックグランドレベル以下にする前記A/D変換器の直流電源電圧に対応する設定値であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記電源電圧調整パラメータの設定値は、デジタル値であることを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記電源電圧調整手段は、デジタルポテンショメータを含み、前記デジタル値に対応する抵抗値を前記デジタルポテンショメータに設定し、この設定された抵抗値により前記デューティ比率を設定することを特徴とする請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記A/D変換器に入力する磁気共鳴信号が0の場合におけるノイズレベルがバックグランドレベル以下となる前記A/D変換器の直流電源電圧に対応する設定値を記憶する電源電圧設定値記憶手段を更に備え、磁気共鳴イメージング装置の電源投入時、前記受信コイルの変更時、磁気共鳴イメージング装置の長時間使用時等の、前記A/D変換器の直流電源電圧の調整が必要な都度、前記設定値を前記電源電圧設定値記憶手段から取得して前記A/D変換器の電源電圧を調整することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記電源電圧調整パラメータを設定する手段を少なくとも前記操作手段と前記表示手段のいずれか一方に設けたことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記A/D変換器を搭載する基板に、マイクロコンピュータを搭載し、このマイクロコンピュータに前記電源電圧調整パラメータを設定する手段を設け、この手段で前記直流電源電圧を調整して前記A/D変換器の直流電源電圧を設定することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 外部にパーソナルコンピュータを備え、このパーソナルコンピュータから前記電源電圧調整パラメータを設定する手段に前記電源電圧調整パラメータを設定することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記受信手段は、複数の受信コイルと、この複数の受信コイルで検出した複数の磁気共鳴信号に対応する複数のA/D変換器を備え、前記電源電圧調整手段は、前記複数のA/D変換器に対応して該A/D変換器の電源電圧を個別に調整する複数の電源電圧調整機能を備えた手段であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009258752A JP2011101776A (ja) | 2009-11-12 | 2009-11-12 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009258752A JP2011101776A (ja) | 2009-11-12 | 2009-11-12 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011101776A true JP2011101776A (ja) | 2011-05-26 |
Family
ID=44192410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009258752A Pending JP2011101776A (ja) | 2009-11-12 | 2009-11-12 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011101776A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114114111A (zh) * | 2020-08-26 | 2022-03-01 | 西门子(深圳)磁共振有限公司 | 一种局部线圈、磁共振成像系统的功率控制系统和方法 |
WO2023089883A1 (ja) | 2021-11-19 | 2023-05-25 | スミダコーポレーション株式会社 | 核磁気共鳴センシング装置および核磁気共鳴センシング方法 |
WO2023089942A1 (ja) | 2021-11-19 | 2023-05-25 | スミダコーポレーション株式会社 | デジタイズ装置およびデジタイズ方法 |
-
2009
- 2009-11-12 JP JP2009258752A patent/JP2011101776A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114114111A (zh) * | 2020-08-26 | 2022-03-01 | 西门子(深圳)磁共振有限公司 | 一种局部线圈、磁共振成像系统的功率控制系统和方法 |
US11782109B2 (en) | 2020-08-26 | 2023-10-10 | Siemens Healthcare Gmbh | Wireless power feedback loop and control system for wireless coil in MRI system |
CN114114111B (zh) * | 2020-08-26 | 2024-02-20 | 西门子(深圳)磁共振有限公司 | 一种局部线圈、磁共振成像系统的功率控制系统和方法 |
WO2023089883A1 (ja) | 2021-11-19 | 2023-05-25 | スミダコーポレーション株式会社 | 核磁気共鳴センシング装置および核磁気共鳴センシング方法 |
WO2023089942A1 (ja) | 2021-11-19 | 2023-05-25 | スミダコーポレーション株式会社 | デジタイズ装置およびデジタイズ方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5481163B2 (ja) | 磁気共鳴映像装置 | |
US9547064B2 (en) | Method for the control of a magnetic resonance system | |
JP2019535426A (ja) | ポータブルな低磁場磁気共鳴撮像方法および装置 | |
CN106918794B (zh) | 磁共振系统及成像的方法 | |
US10451701B2 (en) | Magnetic resonance imaging device, and determination method for high-frequency magnetic field conditions | |
JP6133124B2 (ja) | 医療用撮像システムにおけるノイズ制御システム | |
JP6261928B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置およびその高周波出力測定装置 | |
US9547062B2 (en) | Method and magnetic resonance apparatus to generate an artifact-free magnetic resonance image data set | |
JP2011101776A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
US20130082704A1 (en) | Method and magnetic resonance apparatus for non-selective excitation of nuclear spin signals in an examination subject | |
US20150177354A1 (en) | Magnetic resonance method and apparatus for obtaining a scout scan of a patient containing a metallic implant | |
JP5127310B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP6411063B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置及びsar算出方法 | |
CN103874457B (zh) | 磁共振摄像装置以及高频磁场照射方法 | |
US9335394B2 (en) | Method and magnetic resonance scanner for hyperintense display of areas in the vicinity of dipole fields | |
US20140320128A1 (en) | Method and magnetic resonance apparatus to acquire image data sets of an examination subject | |
US9678188B2 (en) | Magnetic resonance system and method to acquire at least two measurement data sets from an examination subject | |
US9506999B2 (en) | Method and magnetic resonance system to generate raw data sets in a double echo acquisition sequence | |
US9506998B2 (en) | Method and magnetic resonance apparatus to generate raw data sets from double echo data acquisitions | |
US9329253B2 (en) | Method to generate magnetic resonance measurement data with image contrast selected and produced by preparation pulses | |
WO2009104116A1 (en) | Magnetic resonance imaging apparatus having a switched-mode power supply | |
JP2009189442A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
US11500047B2 (en) | Power control apparatus for radio-frequency power amplifier and radio-frequency transmission system for MRI system | |
JP6181374B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP4783039B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 |