JP2011096537A - 透明導電膜及びその製造方法並びに透明導電膜を用いたタッチパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】着色がなく、低抵抗な透明導電膜を提供すること。
【解決手段】重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと前記重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとを混合した分散液を塗布することにより、波長450nmでの透過率T1と波長750nmでの透過率T2との比T1/T2が0.5〜2.0である透明導電膜を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明電極などに用いられる透明導電膜やインク、及びその製法、並びに透明導電膜を用いたタッチパネルに関する。
近年、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、太陽電池、タッチパネルなどに透明電極が用いられている。透明電極に用いられる透明導電膜の材料としては、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との高分子錯体が主流となっている。このPEDOT:PSSは成膜性がよく、種々の用途で使用できるので、期待されている材料である。
PEDOT:PSSの製造方法については、例えば、特許文献1などに開示されている。
特表2009−523869号公報
PEDOT:PSSはバンドギャップが1.5 eV で可視域吸収波長800nmを有し、赤色が吸収される為、青色を呈する。この青色の着色があると視認性が高くなる為、PEDOT:PSS透明導電膜を液晶ディスプレイ材料などに用いた場合、電極パターンが見えやすくなるなどの不都合が発生する。このため、透明導電膜は、透明性が高いことに加え無色であることが望ましい。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、着色がない透明導電膜を提供することを目的とする。
本発明の透明導電膜は、PEDOT:PSSを含む透明導電膜であって、前記PEDOT:PSSを構成するPEDOTの重合度が複数のピークをもって分布しており、波長450nmでの透過率T1と波長750nmでの透過率T2との比T1/T2が0.5〜2.0であるものである。
この構成によれば、短波長(波長450nm)での吸光度と長波長(波長750)での吸光度との差が低減されるので、無着色の透明導電膜を得ることができる。
また,本発明の透明導電膜においては、複数のピークのうち一つが、重合度3にあるように前記PEDOTの重合度が分布していることが好ましい。或いは、複数のピークのうち一つが、重合度11にあるようにPEDOTの重合度が分布していることが好ましい。このような重合度分布を取ることにより、透明導電膜の着色の程度をより小さくすることが出来る。
また本発明の透明導電膜においては、PEDOT:PSSが、重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合物であることが好ましい。更に、重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合比が1:0.5〜2.0であることを特徴とすることが好ましい。
この構成によれば、重合度の分布ピークが11のPEDOTによる特徴的な青色や重合度の分布ピークが3のPEDOTによる特徴的黄色が緩和され着色問題が回避される。
また本発明の透明導電膜形成用インクは、PEDOT:PSSを含むものであり、波長450nmでの透過率T1と波長750nmでの透過率T2との比T1/T2が0.5〜2.0であるものである。
また、本発明の透明導電膜形成用インクは、PEDOT:PSSを構成するPEDOTの重合度が複数のピークをもって分布していることを特徴とする。
本構成によれば、無色の透明導電膜を成膜するインクとすることができる。
前記透明導電膜形成用インクは、PEDOT:PSSが重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合物であることを特徴とする。更に、前記透明導電膜形成用インクは、重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと前記重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合比が1:0.5〜2.0であることを特徴とすることが好ましい。
この構成によれば、波長450nmでの透過率T1と波長750nmでの透過率T2との比T1/T2が0.5〜2.0である透明導電膜を成膜することが出来、ほぼ無着色の透明導電膜となる。

また本発明の透明導電膜の製造方法は、PEDOTの重合度の分布ピークがそれぞれ異なる複数のPEDOT:PSSを混合した分散液を塗布することを特徴とする。本構成によれば無着色の透明導電膜を成膜できる。
また本発明の透明導電膜の製造方法においては、前記複数のPEDOT:PSSが、重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとを含むことが好ましい。
また本発明の透明導電膜の製造方法においては、前記重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと前記重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合比が1:0.5〜2.0であることを特徴とすることが好ましい。
本構成によれば、ほぼ無着色の透明導電膜を成膜出来る。
以上のように、本発明の透明導電膜は、着色のない透明導電膜とすることが出来る。
また、本発明の透明導電膜形成用インクは、着色のない透明導電膜を形成することができる透明導電膜形成用インクとすることが出来る。
また、本発明の透明導電膜の製造方法によれば、着色の無い透明導電膜を形成することが出来る。
PEDOTの重合度とバンドギャップの関係を示す図である。 重合度11のPEDOTのシミュレーション結果の模式図である。 本発明の透明導電膜の概念図である。 本発明の実施例の透明導電膜の透過スペクトルを示す図である。
現在一般に流通するPEDOT:PSSは1.5eVのバンドギャップを有し、可視光の波長800nm付近の光を吸収する。このため、PEDOT:PSSを用いた透明導電膜は、可視光の赤色部分を吸収して補色である青色を呈する。
本願発明者は、PEDOT:PSSを構成するPEDOTの重合度に着眼した。図1に分子軌道シミュレーションにより求めたPEDOTの重合度とバンドギャップの関係を示す。図1に示す様にPEDOTは重合度の違いによりバンドギャップ幅(吸収波長)が著しく変化する。PEDOTの重合度が3〜11に変化するとEDOTオリゴマーのバンドギャップは、2.5eV(吸収波長が450nmで黄色を呈する)から1.5eV(吸収波長が800nmで青色を呈する)に変化する。現在一般に用いられているPEDOT:PSSはPEDOTの重合度分布のピークが11程度の物が多く、シミュレーションと一致する。本願発明者は、これらの知見に基づき、重合度の異なるPEDOTからなるPEDOT:PSSを適当量混合することで、透明導電膜を無色化できること、を見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、分子軌道シミュレーションに当たっては、PSSによりドーピングされて帯電(イオン化)したPEDOTをモデル分子として実施した。本来PEDOT:PSSのフラグメントをモデル分子として採用すべきとも考えられるが、ドーパントであるPSSの働きはPEDOTに+電荷を注入することであり、電気特性や光特性は全てPEDOTのみに起因しているためこの取り扱いで十分と考えられる。ハミルトニアンはPM3(パラメトリック3)とし富士通製MOCOMPACTを用いた。図2にシミュレーションの結果得られた、重合度11のPEDOT:PSSの電子分布を示す。
また、PEDOT:PSSの電気伝導機構メカニズムは、PEDOT内の電子移動と、PEDOT間のホッピング伝導とがあるが、PEDOT間のホッピング伝導の方が抵抗が大きく、支配的である。本発明においては、重合度の小さいPEDOTよりなるPEDOT:PSSを重合度の大きいPEDOTよりなるPEDOT:PSSと混合して用いるが、互いの相溶性、或いは、分子レベルの相互作用については、単一重合度分布ピークのPEDOTよりなるPEDOT:PSSと違いがない。これにより、PEDOT間のホッピング伝導の影響は小さく、導電性を低下させることがほとんどない。従って、本発明では、低抵抗のまま無色化が図れる。
図3に、本発明の透明導電膜の概念図を示す。図3(a)に、重合度分布が11にピークを有するPEDOT:PSS微粒子1の概念図を示す。PSS13の高分子鎖の一部に重合度11のPEDOT11が結合し、全体として球状の粒子となっている。図3(b)には、重合度分布が3にピークを有するPEDOT:PSS微粒子2の概念図を示す。図3(a)と同様に、PSS13の高分子鎖の一部に重合度3のPEDOT12が結合し、全体として球状の粒子となっている。これらの重合度分布が11にピークを有するPEDOT:PSS微粒子1および重合度分布が3にピークを有するPEDOT:PSS微粒子2を所定の割合で混合して基材上に成膜することにより、透明導電膜を得る。図3(c)に透明導電膜の概念図を示す。重合度分布が11にピークを有するPEDOT:PSS微粒子1に由来する重合度11のPEDOT11が多数を占める領域と、重合度分布が3にピークを有するPEDOT:PSS微粒子2に由来する重合度3のPEDOT12が多数を占める領域とが混在する透明導電膜となる。なお、図3(c)はあくまでも概念図であって、実際にはこのような構造が複数層重なりあったり、PSS13が絡み合ったりするため、より複雑な構造となっていると考えられる。
この透明導電膜にあっては、それぞれドープされイオン化したPEDOTが、重合度11のPEDOT1が800nmを中心とする光を、重合度3のPEDOT2が450nmを中心とする光を吸収する。そのため所定の割合で450nmと800nmが吸収されると分光特性がフラットになり、無色化される。
この透明導電膜について、アルカリに浸してPEDOTを遊離させ、逆相クロマトグラフィーを用いてPEDOTの分子量、すなわち重合度を測定すると、重合度11に対応する部分と重合度3に対応する部分のピークが、他の重合度に対応するピークよりも多く確認された。横軸に重合度、縦軸に観察されたピーク強度をプロットして重合度の分布を確認すると、重合度3と重合度11にピークを有する分布となる。本明細書中でいう重合度分布とは、このようにして確認される。
本発明の実施の形態に係る重合度の分布ピークが異なるPEDOTよりなるPEDOT:PSSの製造方法について説明する。モノマーであるエチレンジオキシチオフェン(EDOT)と、ドーパントとなるPSSと、反応触媒である酸化剤、例えば、硫酸第2鉄と過硫酸ナトリウムや過ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム等を用意し、これらを混合した水溶液を加熱攪拌しながらPSSのスルホン基を介してEDOTをPEDOTに重合成長させる。この時の反応の進行(すなわち重合化の度合)は、使用する酸化剤の種類や加熱温度や反応時間で変化する。一般に制御し易いパラメータは反応時間であり、重合度の分布ピークが異なるPEDOTを得る時にも反応時間を変えて重合の度合を制御する。
次に、図4を参照して、透明導電膜の可視光領域の透過スペクトルについて説明する。図4に実線で示すのは、本実施の形態に係る透明導電膜の吸収スペクトルであり、重合度分布のピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSS100重量部に対して重合度分布のピークが11にあるPEDOTよりなるPEDOT:PSS110重量部添加し、塗布した場合における透明導電膜の可視光領域の吸収スペクトルを示している。この透明導電膜は、波長400〜800nmの範囲で概ねフラットな分光特性を示しており、透明導電膜が無色化される。
一方、図4に破線で示すのは、重合度分布のピークが11にあるPEDOTよりなる通常のPEDOT:PSSの吸収スペクトルである。同図に示すように、波長450nm付近に透過率のピークを有し、PEDOT:PSSに由来する波長800nmの赤色領域の吸光が波長450nmの青色領域の吸光より大きいので、透明導電膜は青色に着色する。
本実施の形態において、PEDOT:PSSを構成するPEDOTの重合度が複数のピークをもって分布しており、波長450nmでの透過率T1と波長750nmでの透過率T2との比T1/T2が0.5〜2.0となる様に調節する。T1/T2が0.5を下回ると青色の吸収が大きくなり、透明導電膜は黄色を呈する。また、T1/T2が2を上回ると赤色の吸収が大きくなり、透明導電膜は青色を呈する。これを達成する重合度分布のピークが3にあるPEDOT:PSSと重合度分布のピークが11にあるPEDOT:PSSの混合比は1:0.5〜2.0である。より好ましい透過率比は、T1/T2が0.9〜1.2であるが、これに対応する重合度分布のピークが3にあるPEDOT:PSSと重合度分布のピークが11にあるPEDOT:PSSの混合比は1:0.9〜1.2である。
本実施の形態に係る透明導電膜の製造工程についてより詳しく説明する。
本実施の形態に係る透明導電膜は、まず、重合度分布ピークの異なるPEDOTからなるPEDOT:PSSの合成から始まり、次に重合度分布のピークが異なるPEDOTよりなるPEDOT:PSS分散液を調製する調合工程と、PEDOT:PSS分散液を基材上へ塗布する塗布工程と、基材ごと加熱処理するベーク工程などからなる。
重合度分布ピークの異なるPEDOTよりなるPEDOT:PSSは、それぞれ反応時間を変えて合成する。EDOTとPSS、更に、酸化剤である硫酸第2鉄と過硫酸ソーダを混合した水溶液を80℃に加熱して反応させる。重合度分布のピークが11にあるPEDOTよりなるPEDOT:PSSは1.5時間の反応でほぼ収束した状態で回収される。この水溶液中には、種々の不要イオンが含まれているので、イオン交換樹脂を添加し、約4時間不要イオンを吸着させた後、ろ紙でイオン交換樹脂を除去する。この状態のPEDOT:PSSからPEDOTを遊離させて逆相クロマトグラフィーにて測定すると、重合度が11に対応するピークが最も多く確認された。
一方、重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSは、重合度分布ピークが11の場合に比べ、短時間で反応を停止させる必要がある。その方法は、1時間経過後、素早く急冷すると同時に、イオン交換樹脂を添加し、酸化剤の回収を行う。これにより、ほぼ狙いの3に重合度分布のピークを持つPEDOTよりなるPEDOT:PSSを得ることが出来る。この状態のPEDOT:PSSからPEDOTを遊離させて逆相クロマトグラフィーにて測定すると、重合度が3に対応するピークが最も多く確認された。
重合度分布のピークが異なる分散液の調合では、まず、それぞれを蓋付きビーカ等に分取した状態で長時間攪拌する。その後、添加される溶液は引き続き攪拌した状態で、もう一方の溶液を徐々に滴下する。ここまでの工程により、透明導電膜形成用のインク(塗布液)が作製されたことになる。
次に、スピンコーターにより、基材上に塗布液を塗布する。この時に、スピンコートの条件により透明導電膜の膜厚を調整することができる。本実施の形態においては、スピンコートを3秒間かけて400rpmとし、400rpmで10秒間保持する。次いで、5秒間かけて1000rpmとしたのち、1000rpmで20秒間保持して塗膜する。このような条件で成膜することにより、200nm程度の膜厚に調整することができる。
次いで、塗膜をホットプレート90℃10分間プリベークし、最後にオーブン120℃で20分間ベーク処理して透明導電膜を製造する。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
<評価方法>
透明導電膜の評価は、下記の条件に従って実施した。
<面積抵抗試験>
面積抵抗試験は、透明導電膜の表面抵抗を4端子式面積抵抗計(三菱化学社製、LORESTA EP MCP−1360)を用いて測定した。
<比抵抗の測定>
比抵抗は、前出の面積抵抗値と膜厚から求めた。膜厚は、接触式膜厚計(アルバック製DEKTAK 6M)で計測した。
<分光特性の測定>
分光特性の測定は、吸光光度計(UV可視スペクトルメータ、日本分光社製、V−570)を使用し、波長450nmでの透過率T1と波長750nmでの透過率T2を測定し、分光特性(透過率比T1/T2)を測定して評価した。
<視認性>
視認性は、成膜された透明導電膜をパターニングし、白色光下で目視観察してパターンがよく見えてしまうものを×とし、それよりみえづらい物をみえづらい順に◎○△とした。
(実施例1)
<PEDOT:PSS合成工程>
エチレンジオキシチオフェン(EDOT)とPSS、更に、酸化剤である硫酸第2鉄と過硫酸ソーダを混合した水溶液を80℃に加熱して反応させた。重合度分布のピークが11にあるPEDOTよりなるPEDOT:PSSは反応時間を1.5時間とした。反応終了後、不要イオンの除去の為に、イオン交換樹脂を添加し、約4時間攪拌した。その後、ろ紙でろ過してイオン交換樹脂を除去した。
一方、重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSは、反応時間を1時間とし、反応時間経過後に素早く急冷すると同時にイオン交換樹脂を添加して酸化剤の回収を行った以外は重合度分布のピークが11にあるPEDOTよりなるPEDOT:PSSと同様に行った。
<PEDOT:PSS液調整工程>
上項に基づき作製した重合度分布のピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSS水溶液を100重量部と重合度分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSS水溶液を120重量部の割合で混合する。共に、同一材料であるので、混合は容易に行える。次にエンハンサーとして、この溶液100重量部に対して5重量部のDMSOを添加した。混合溶解した後、クリーンルーム内で孔径0.45μmのフィルターでろ過して塗布液を調製した。
<基材の調整>
クリーンルーム内でPETフィルムをカットした(長さ60mm×幅60mm)。次いで、このPETフィルムをガラスウェハー(外径φ100mm厚さ1.1mm)に貼り付けて導電薄膜の基材を調製した。
<塗布工程>
スピンコーター(ミカサ社製)を用いて回転数1400rpm、回転時間20秒の条件下、基材上に塗布液を塗布した。
<ベーク工程>
得られた薄膜を90℃で10分プリベークし、次いで、120℃で20分間本ベークした。得られた透明導電膜の分光特性(透過率比T1/T2)は、0.8、比抵抗は2.3E−3 Ωcm、膜厚は、0.21μmであった。
(実施例2)
重合度分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度分布ピークが11のPEDOT:PSSの混合比を100重量部に対して40重量部としたことを以外は、実施例1と同様にして透明導電膜を得た。
(実施例3)
重合度分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度分布ピークが11のPEDOT:PSSの混合比を100重量部に対して50重量部としたことを以外は、実施例1と同様にして透明導電膜を得た。
(実施例4)
重合度分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度分布ピークが11のPEDOT:PSSの混合比を100重量部に対して90重量部としたことを以外は、実施例1と同様にして透明導電膜を得た。
(実施例5)
重合度分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度分布ピークが11のPEDOT:PSSの混合比を100重量部に対して200重量部としたことを以外は、実施例1と同様にして透明導電膜を得た。
(実施例6)
重合度分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度分布ピークが11のPEDOT:PSSの混合比を100重量部に対して220重量部としたことを以外は、実施例1と同様にして透明導電膜を得た。
(比較例1)
重合度分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度分布ピークが11のPEDOT:PSSの混合比を100重量部に対して0重量部としたことを以外は、実施例1と同様にして透明導電膜を得た。
(比較例2)
重合度分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度分布ピークが11のPEDOT:PSSの混合比を0重量部に対して100重量部としたことを以外は、実施例1と同様にして透明導電膜を得た。
Figure 2011096537
表1に、実施例および比較例の評価結果を示す。実施例1ないし6のいずれも、比較例と比較して比抵抗において大きく低下することなく、パターンを視認しづらくすることが出来た。
さらに本発明の透明導電膜形成用インクを用いてタッチパネルを作製した。プラスチック基板上に、本発明の透明導電膜形成用インクをスクリーン印刷して乾燥、ベークしてパターンを形成したところ、色味がない透明導電パターンが得られ、タッチパネルとしたときにも外部からパターンを視認しづらかった。
以上説明したように、本実施の形態によれば、重合度の分布ピークが異なるPEDOTよりなるPEDOT:PSSを所定の割合で混合することにより、透明導電膜の一部に青色吸収部を形成することができるので、着色のない透明導電膜を得ることができる。また、基本的に同一材料のPEDOT:PSSである為、透明導電膜の比抵抗を損なうことなく、良好な透明導電膜を得ることができる。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明は、有機EL、太陽電池など、各種透明電極を用いたデバイスに適用可能である。
11 重合度11のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)
12 重合度3のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)
13 ポリスチレンスルホン酸(PSS)

Claims (12)

  1. PEDOT:PSSを含む透明導電膜であって、前記PEDOT:PSSを構成するPEDOTの重合度が複数のピークをもって分布しており、波長450nmでの透過率T1と波長750nmでの透過率T2との比T1/T2が0.5〜2.0であることを特徴とする透明導電膜。
  2. 前記複数のピークのうち一つが、重合度3にあるように前記PEDOTの重合度が分布していることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜。
  3. 前記複数のピークのうち一つが、重合度11にあるように前記PEDOTの重合度が分布していることを特徴とする請求項1または2記載の透明導電膜。
  4. 前記PEDOT:PSSが、重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合物であることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜。
  5. 前記重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと前記重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合比が1:0.5〜2.0であることを特徴とする請求項4記載の透明導電膜。
  6. PEDOT:PSSを含む透明導電膜形成用インクであって、波長450nmでの透過率T1と波長750nmでの透過率T2との比T1/T2が0.5〜2.0であり、前記PEDOT:PSSを構成するPEDOTの重合度が複数のピークをもって分布していることを特徴とする透明導電膜形成用インク。
  7. 前記PEDOT:PSSが、重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合物であることを特徴とする請求項6記載の透明導電膜形成用インク。
  8. 前記重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと、
    前記重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合比が、
    1:0.5〜2.0であることを特徴とする請求項6記載の透明導電膜形成用のインク。
  9. PEDOTの重合度の分布ピークがそれぞれ異なる複数のPEDOT:PSSを混合した分散液を塗布することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  10. 前記複数のPEDOT:PSSが、重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとを含むことを特徴とする請求項9記載の透明導電膜の製造方法。
  11. 前記重合度の分布ピークが3のPEDOTよりなるPEDOT:PSSと前記重合度の分布ピークが11のPEDOTよりなるPEDOT:PSSとの混合比が1:0.5〜2.0であることを特徴とする請求項10記載の透明導電膜の製造方法。
  12. 請求項1ないし5のいずれかの透明導電膜が形成されたタッチパネル。
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