JP2011093907A - 新規ハチ毒液ポリペプチドおよびその使用の方法 - Google Patents

新規ハチ毒液ポリペプチドおよびその使用の方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハチ毒液由来の新規のポリペプチド、およびその使用の方法、ハチの花粉に対する免疫応答を調節するために有用な薬学的組成物を提供すること。
【解決手段】Api m 6ポリペプチドのアミノ酸配列に対して、少なくとも70%同一である、そしてより好ましくは少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、実質的に純粋なポリペプチド。Api m 6タンパク質に結合する抗体。Api m 6タンパク質のポリペプチドフラグメントを含む組成物。
【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、ハチ毒液由来の新規のポリペプチド、およびその使用の方法に関する。これは、ハチの花粉に対する免疫応答を調節するために有用な薬学的組成物を含む。
(発明の背景)
ハチの毒液(BV)は、1つ以上の毒性のポリペプチドを含み得る、抗原の複雑な混合物である。これらのポリペプチドの多くは過敏性化試薬であり、そしてさらに、溶血性または神経毒性の効果を有し得る。
いくつかの個体は、BVポリペプチドに対して過敏性である。BV過敏性の個体に由来するIgE抗体は、いくつかのBV毒性のポリペプチドを認識する。しばしば、アレルゲンと呼ばれ、BV過敏性の個体中のIgEによって認識されるBVポリペプチドとして、例えば、ホスホリパーゼA(PLA)、酸性ホスファターゼ、ヒアルロニダーゼ、アレルゲンC、および他の高分子量(MW)のタンパク質が挙げられ得る。
BV過敏性の個体は、ハチの刺創に対する有害な反応の危険性が高いことがあり得る。ハチの刺創によって生じる重篤な有害な反応を防ぐかまたは最少にするための1つの認識された方法は、BV中に存在しているアレルゲンに対して個体を脱感作させることである。この防御は、毒液の免疫治療(VIT)と呼ばれるプロセスによって誘導され得る。
(発明の要旨)
本発明は、一部、Api m 6と命名された新規のハチの毒液タンパク質の発見に基づく。Api m 6ポリペプチドに由来するポリペプチドは、例えば、ハチの刺創の有害な影響から過敏な個体を防御するための毒液の免疫治療において、使用され得る。
従って、1つの局面においては、本発明は、Api m 6ポリペプチドのアミノ酸配列に対して、少なくとも70%同一である、そしてより好ましくは少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、実質的に純粋なポリペプチド(例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド)を提供する。いくつかの実施形態において、このポリペプチドは、ヒトのIgE抗体に結合する。
他の実施形態において、このポリペプチドは、配列番号2〜4のアミノ酸配列の1つ以上に対して少なくとも70%同一な配列を含む。好ましくは、このポリペプチドは、Apis spp.のハチ毒液タンパク質(例えば、Apis melliferaのハチ毒液タンパク質)のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、このポリペプチドはグリコシル化される。
このポリペプチドは、いくつかの実施形態において、T細胞の増殖を刺激し得る。
好ましくは、ポリペプチドは、モノクローナル抗体5E11(登録番号 )に結合する。
本発明はまた、Api m 6タンパク質に結合する抗体を特徴とする。この抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得る。いくつかの実施形態において、この抗体は、ハイブリドーマ5E11(登録番号 )によって生成されるモノクローナル抗体が結合するエピトープと同じエピトープに結合する。好ましい実施形態において、この抗体は、ハイブリドーマ5E11(登録番号 )によって生成されるモノクローナル抗体である。本発明はまた、5E11(登録番号 )によって生成されるモノクローナル抗体に対するのと同じエピトープに結合する抗体を生成するハイブリドーマを含む。好ましくは、このハイブリドーマは、ハイブリドーマ5E11(登録番号 )である。
本発明はまた、Api m 6タンパク質のポリペプチドフラグメントを含む組成物を特徴とし、ここで、このポリペプチドフラグメントは、6〜72の間のアミノ酸の長さである。好ましい実施形態において、このポリペプチドフラグメントは、20〜100の間、30〜70の間、40〜60の間のアミノ酸の長さである。好ましくは、組成物中の少なくとも1つのポリペプチドは、組成物中の少なくとも1つの他のポリペプチドと少なくとも3アミノ酸が重複するアミノ酸配列(例えば、5アミノ酸と10アミノ酸の間が重複するApi m 6のポリペプチドフラグメント)を有する。最も好ましい実施形態において、この組成物は、Api m 6タンパク質の全長に位置(map)するポリペプチドフラグメントの組を含む。
本発明はまた、Api m 6ポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物を特徴とする。いくつかの実施形態において、この薬学的組成物は、さらなるポリペプチド(例えば、第2、第3、第4、またはそれ以上のハチの毒液のポリペプチドを含む。
さらなるハチの毒液のポリペプチドとしては、例えば、ホスホリパーゼA、ヒアルロニダーゼ、アレルゲンC、メリチン、アドラピン(adolapin)、ミニミン(minimine)、酸性ホスファターゼ、プロテアーゼインヒビター、およびグリコシル化IgE結合タンパク質、またはこれらのアナログもしくは誘導体が挙げられ得る。
別の局面において、本発明は、免疫応答を調節する方法を特徴とする。この方法は、ポリペプチドに対する被験体による免疫反応を阻害するために十分な量で、それを必要としている被験体にApi m 6ポリペプチドを投与する工程を包含する。所望される場合には、1つ以上のさらなるハチの毒液のポリペプチドもまた、被験体に投与され得る。さらなるハチの毒液のポリペプチドとしては、例えば、ホスホリパーゼA、ヒアルロニダーゼ、アレルゲンC、メリチン、アドラピン、ミニミン、酸性ホスファターゼ、プロテアーゼインヒビター、およびグリコシル化IgE結合タンパク質、またはこれらのアナログもしくは誘導体が挙げられ得る。
さらなる局面において、本発明は、ハチ毒液過敏性の危険性のある個体を同定する方法を含む。この方法は、Api m 6ポリペプチドを個体に投与する工程、およびこのポリペプチドに対して惹起された免疫応答を測定する工程を包含する。検出可能な免疫応答は、この個体がハチ毒液過敏性のリスクがあることを示す。好ましい実施形態において、このApi m 6ポリペプチドは、皮内投与される。好ましくは、このApi m 6ポリペプチドは、約1μg/ml未満の濃度で投与される。
Api m 6ポリペプチドを精製する方法もまた、提供される。この方法は、このApi m 6ポリペプチドを発現する細胞を提供する工程を包含する。この細胞は、次いで、ポリペプチド−抗体複合体の形成を可能にする条件下で、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する抗体と接触させられる。抗体−ポリペプチド複合体が次いで単離され、そしてこのApi m 6ポリペプチドがこの複合体から回収される。
1つ以上の容器中に、Api m 6ポリペプチド、Api m 6ポリペプチドの重複するポリペプチドフラグメント、抗Api m 6ポリペプチド抗体(例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体)、あるいはこれらのポリペプチドまたは抗体の組合せを含むキットもまた、本発明によって提供される。
・本発明はさらに、以下を提供し得る:
・(項目1) 配列番号1のアミノ酸配列に少なくとも70%同一なアミノ酸配列を含む、実質的に純粋なポリペプチド。
・(項目2) 上記ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸配列に少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目3) 上記ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸配列を含む、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目4) 上記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも70%同一なアミノ酸配列を含む、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目5) 上記ポリペプチドが、配列番号3のアミノ酸配列に少なくとも70%同一なアミノ酸配列を含む、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目6) 上記ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸配列に少なくとも70%同一なアミノ酸配列を含む、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目7) 上記ポリペプチドが、Apis melliferaハチ毒液タンパク質である、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目8) 上記ポリペプチドが、グリコシル化される、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目9) 上記ポリペプチドが、ヒトIgE抗体に結合する、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目10) 上記ポリペプチドが、T細胞の増殖を刺激する、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目11) 上記ポリペプチドが、モノクローナル抗体5E11(登録番号 )に結合する、項目1に記載のポリペプチド。
・(項目12) 項目1に記載のポリペプチドに結合する、抗体。
・(項目13) 上記抗体が、モノクローナル抗体である、項目12に記載の抗体。
・(項目14) 上記抗体が、ポリクローナル抗体である、項目12に記載の抗体。
・(項目15) 上記抗体が、ヒト化抗体である、項目12に記載の抗体。
・(項目16) 上記抗体が、ハイブリドーマ5E11(登録番号 )によって生成されるモノクローナル抗体が結合するエピトープと同じエピトープに結合する、項目13に記載の抗体。
・(項目17) 上記抗体が、上記ハイブリドーマ5E11(登録番号 )によって生成される抗体である、項目16に記載の抗体。
・(項目18) 上記5E11(登録番号 )によって生成されるモノクローナル抗体が結合するエピトープと同じエピトープに結合する抗体を生成する、ハイブリドーマ。
・(項目19) 上記ハイブリドーマが、ハイブリドーマ5E11(登録番号 )である、項目18に記載のハイブリドーマ。
・(項目20) Api m 6タンパク質のポリペプチドフラグメントを含む組成物であって、ここで当該ポリペプチドフラグメントが、長さ6〜72アミノ酸の間である、組成物。
・(項目21) 上記ポリペプチドフラグメントが長さ20〜100アミノ酸の間である、項目20に記載の組成物。
・(項目22) 上記ポリペプチドフラグメントが長さ30〜70アミノ酸の間である、項目20に記載の組成物。
・(項目23) 上記ポリペプチドフラグメントが長さ40〜60アミノ酸の間である、項目20に記載の組成物。
・(項目24) 上記組成物中の少なくとも1つのポリペプチドが、当該組成物中の少なくとも1つの他のポリペプチドと少なくとも3アミノ酸重複するアミノ酸配列を有する、項目20に記載の組成物。
・(項目25) 上記Api m 6のポリペプチドフラグメントが、5アミノ酸と10アミノ酸との間で重複する、項目20に記載の組成物。
・(項目26) 上記組成物が、上記Api m 6タンパク質の全長に位置(map)する1組のポリペプチドフラグメントを含む、項目20に記載の組成物。
・(項目27) 項目1に記載のポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
・(項目28) 第二のハチ毒液ポリペプチドをさらに含む、項目27に記載の薬学的組成物。
・(項目29) 項目28に記載の薬学的組成物であって、ここで、上記第二のハチ毒液ポリペプチドが、ホスホリパーゼA 、ヒアルロニダーゼ、アレルゲンC、メリチン、アドラピン、ミニミン、酸性ホスファターゼ、プロテアーゼインヒビター、およびグリコシル化IgE結合タンパク質、あるいはこれらのアナログまたは誘導体を含む群より選択される、薬学的組成物。
・(項目30) 免疫応答を調節する方法であって、当該方法が、項目1に記載のポリペプチドに対する被験体による免疫反応を阻害するのに十分な量で、当該ポリペプチドを、それを必要とする当該被験体に投与する工程を包含する、方法。
・(項目31) 上記被験体に第二のハチ毒液ポリペプチドを投与する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
・(項目32) 項目31に記載の方法であって、上記第二のハチ毒液ポリペプチドが、ホスホリパーゼA 、ヒアルロニダーゼ、アレルゲンC、メリチン、アドラピン、ミニミン、酸性ホスファターゼ、プロテアーゼインヒビター、および酸性ホスファターゼ、およびグリコシル化IgE結合タンパク質、あるいはこれらのアナログまたは誘導体を含む群より選択される、方法。
・(項目33) ハチ毒液過敏性の恐れのある個体を同定する方法であって、当該方法が、以下:
項目1に記載のポリペプチドを当該個体に投与する工程;および
当該ポリペプチドに対して惹起された免疫応答を測定する工程であって、ここで、検出可能な免疫応答が、当該個体がハチ毒液過敏性の恐れがあることを示す、工程、
を包含する、方法。
・(項目34) 上記ポリペプチドが、上記被験体に皮内投与される、項目33に記載の方法。
・(項目35) 上記ポリペプチドが、約1μg/ml未満の濃度で投与される、項目34に記載の方法。
・(項目36) 項目1に記載のポリペプチドを精製する方法であって、
当該方法が、以下:
項目1に記載のポリペプチドを発現する細胞を提供する工程;
配列番号1のアミノ酸配列に少なくとも70%同一なアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合する抗体と当該細胞を接触させて、ポリペプチド−抗体複合体を形成する工程;
当該抗体−ポリペプチド複合体を単離する工程;および
当該抗体−ポリペプチド複合体から当該ポリペプチドを回収し、それによって当該ポリペプチドを精製する工程、
を包含する、方法。
・(項目37) 1個以上の容器中に、Api m 6ポリペプチド、Api m 6ポリペプチドの重複するポリペプチドフラグメント、当該Api m 6ポリペプチドに対する抗体からなる群より選択される物質を含む、キット。
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書中に記載されているものと同様であるかまた等価である方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料が以下に記載される。本明細書中に記載される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参考として援用される。相容れない場合には、本明細書(定義を含む)が支配する。さらに、材料、方法、および実施例は、例示的なだけであり、そして限定するようには意図されない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
図1は、Api m 6アイソフォームの模式図である。括弧の中のアミノ酸の順序は決定しなかった。
(発明の詳細な説明)
本発明は、Api m 6と命名された、新規の8kDのハチの毒液のタンパク質を提供する。このタンパク質は、ハチの毒液に対して過敏性の個体に由来するIgE抗血清に対するその反応性に基づいて同定された。Api m 6ポリペプチドの4個のアイソフォームが同定されている。これらは、以下である:Api m 6.01(配列番号1に示されているアミノ酸配列を含み、そして7,190Daの推定分子量を有する);Api m 6.02Da(配列番号2のアミノ酸配列を含み、そして7,400の推定分子量を有する);Api m 6.03Da(配列番号3のアミノ酸配列を含み、そして7,598Daの推定分子量を有する);およびApi m 6.04(配列番号4のアミノ酸配列を有し、そして7,808Daの分子量を有する)。
・4個のアイソフォームは、ほぼ等モル量で存在する。アイソフォームは、67残基の共通の中心的アミノ酸配列を共有し、そしてそれらのアミノ末端およびカルボキシル末端においてのみ、6アミノ酸まで異なる(図1)。共通の67個のアミノ酸のコア配列は、Api m 6.01(配列番号1)として示される。Api m 6.03(配列番号3)およびApi m 6.04(配列番号4)は、Api m 6.01(配列番号1)およびApi m 6.02(配列番号2)の両方と比較して、さらなるN末端「Phe−Gly−Gly−Phe」を有する。さらに、Api m 6.02およびApi m 6.04は、C末端に2個のさらなる残基、ProおよびLeuを有する。これらのアミノ酸の相対的な順序はまだ決定されていない。
この新規のApi m 6タンパク質は、免疫治療のためのアレルゲンとして有用である。重複するペプチドに基づく新規のハチ毒液の免疫治療ストラテジーの開発もまた、記載される。
(配列および対応する配列番号)
本明細書中で考察される配列および対応する配列番号としては、以下が挙げられる:
配列番号1 Api m 6.01(7,190Da)のアミノ酸配列(67aa)
配列番号2 Api m 6.02(7,400Da)のアミノ酸配列(69aa)
配列番号3 Api m 6.03(7,598Da)のアミノ酸配列(71aa)
配列番号4 Api m 6.04(7,808Da)のアミノ酸配列(73aa)
(Api m 6ポリペプチド)
本発明の1つの局面は、単離されたApi m 6ポリペプチドおよびタンパク質(その生物学的に活性な部分のような変異体を含む)に関する。1つの実施形態において、天然のApi m 6タンパク質は、標準的なタンパク質精製技術を使用して適切な精製スキームによって単離され得る。あるいは、Api m 6タンパク質またはポリペプチドは、標準的なペプチド合成技術を使用して化学的に合成され得るか、または組換えDNA技術によって生成され得る。
「単離された」もしくは「精製された」タンパク質、またはその生物学的に活性な部分は、細胞懸濁物、組織供給源、またはApi m 6が由来する毒液調製物に由来する材料(例えば、他の混入タンパク質)を実質的に含まないか、あるいは、化学的に合成される場合には化学的な前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。語「他の材料を実質的に含まない」は、Api m 6タンパク質の調製物を含み、ここでこのタンパク質は、それが単離される細胞の細胞性成分から分離されるか、または組換えによって生成される。1つの実施形態において、語「他の材料を実質的に含まない」は、約30%未満(乾燥重量で)の非Api m 6タンパク質(本明細書中では「混入タンパク質」ともまた呼ばれる)、より好ましくは、20%未満の非Api m 6タンパク質、なおより好ましくは、約10%未満の非Api m 6タンパク質、そして最も好ましくは、約5%未満の非Api m 6タンパク質を有するApi m 6タンパク質の調製物を含む。Api m 6タンパク質またはその生物学的に活性な部分が組換えによって生成される場合、これはまた、好ましくは、培養培地を実質的に含まない。すなわち、培養培地は、このタンパク質調製物の、約20%未満、より好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは約5%未満の容量を示す。
語「化学的な前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、このタンパク質が、タンパク質の合成に関与する化学的な前駆体または他の化学物質から分離される、Api m 6タンパク質の調製物を含む。1つの実施形態において、語「化学的な前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、約30%未満(乾燥重量で)の化学的な前駆体または非Api m 6化学物質、より好ましくは、20%未満の化学的な前駆体または非Api m 6化学物質、なおより好ましくは、約10%未満の化学的な前駆体または非Api m 6化学物質、そして最も好ましくは、約5%未満の化学的な前駆体または非Api m 6化学物質を有するApi m 6タンパク質の調製物を含む。
「Api m 6の生物学的に活性な部分を有するポリペプチド」は、用量依存性を伴うかまたは伴わず、特定の生物学的アッセイにおいて測定された場合に、本発明のポリペプチドの活性と類似だが必ずしも同一でない活性を示すポリペプチド(成熟形態を含む)をいう。Api m 6タンパク質の生物学的に活性な部分としては、Api m 6タンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号1〜4のいずれかに示されているアミノ酸配列)と十分に相同であるか、またはそれに由来するアミノ酸配列を含むペプチドが挙げられる。これらは、Api m 6タンパク質の全長よりも少ないアミノ酸を含み、そしてApi m 6タンパク質の少なくとも1つの活性(例えば、T細胞の増殖を刺激する能力、またはIgE抗体(例えば、ハチの毒液に敏感性の個体に由来する)に結合する能力)を示す。代表的には、生物学的に活性な部分は、Api m 6タンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。Api m 6タンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、10、15、25、35、45、55、60、または65以上のアミノ酸の長さのポリペプチドであり得る。
いくつかの実施形態において、このApi m 6タンパク質は、配列番号1〜4のいずれかに示されるアミノ酸配列を有する。好ましくは、このApi m 6タンパク質は、Apis spp.(例えば、Apis mellifera)由来のハチ毒液から単離されたタンパク質のアミノ酸配列を有する。
他の実施形態において、このApi m 6タンパク質は、配列番号1〜4に示される配列に対して実質的に相同であり、そして配列番号1〜4のタンパク質の機能的活性を保持しており、以下に詳細に記載されているように、天然の対立遺伝子のバリエーションまたは変異誘発に起因して、アミノ酸配列においてなお異なる。従って、他の実施形態において、このApi m 6タンパク質は、配列番号1〜4のいずれかまたはこれらのフラグメント(例えば、Api m 6タンパク質の1つ以上の活性を有するフラグメント)に対して、少なくとも約45%、55%、65%、75%、85%、90%、95%、97%、98%、またはまさに99%相同であるアミノ酸配列を含むタンパク質である。
このApi m 6タンパク質または本明細書中に記載される改変体に由来するペプチドが、タンパク質アレルゲンに対して敏感性の個体を(例えば、皮内投与によって)寛容化するために使用される場合、このペプチドは好ましくは、Apis属のタンパク質アレルゲンに由来する。ApisアレルゲンであるホスホリパーゼAの少なくとも1つのエピトープを含む長い重複ペプチドが、記載されてきた。例えば、Kammererら、Clin and Exp Allergy 27:1016−1026(1997)およびKammererら、J Allergy Clin Immunol 100:96−103(1997)を参照のこと。
種々のApi m 6タンパク質、ならびにこれらの誘導体、フラグメント、およびアナログが、細胞性機能を変更および/または調節する能力についてスクリーニングされ得る。これは、免疫応答(例えば、T細胞の増殖、およびIgE媒介免疫反応)の調節に関係しているものを含む。所望される免疫原性および/または抗原性を有する誘導体、フラグメント、またはアナログは、イムノアッセイにおいて、免疫化のために、上記のペプチドの活性の阻害などのために利用され得る。例えば、目的の所定の特性を有する(あるいは、欠くかまたは阻害する)誘導体、フラグメント、またはアナログは、そのような特性のインデューサー(またはインヒビター)およびその生理学的な相関物として利用され得る。上記のペプチドの誘導体、フラグメント、およびアナログは、当該分野で公知の手順によって、所望される活性について分析され得る。
本発明の範囲内に含まれる配列の操作は、ペプチドのレベルでなされ得る。翻訳または合成の間または後に(例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質溶解性の切断、抗体分子もしくは他の細胞性リガンドに対する連結などにより)別々に改変される上記のペプチド(またはこれらのフラグメント、誘導体、もしくはアナログ)が、本発明の範囲内に含まれる。以下を含むがそれらに限定されない、当該分野で公知である任意の多数の化学的改変方法が、利用され得る:臭化シアン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBHによる特異的な化学的切断、アセチル化、ホルミル化、酸化、還元、チュニカマイシンの存在下での代謝的な合成など。特定の実施形態において、上記のペプチドの配列は、蛍光標識を含むように改変される。別の特定の実施形態において、上記のペプチドは、ヘテロ官能性の試薬の取り込みによって改変される。ここで、このようなヘテロ官能性の試薬は、複合体のメンバーを架橋するために使用され得る。
Api m 6タンパク質および変異体のアナログおよび誘導体の複合体は、化学的に合成され得る。例えば、所望のドメインを含むかまたは所望の活性をインビトロで媒介する上記のペプチドの一部に対応するペプチドは、ペプチド合成機の使用によって合成され得る。天然の産物が変異体であると疑われるかまたは新種から単離される場合、天然の供給源から単離された上記のタンパク質のアミノ酸配列は、例えば、単離されたタンパク質の直接的な配列決定によって決定され得る。このペプチドはまた、親水性分析(例えば、HoppおよびWoods、Proc Natl Acad Sci USA 78:3824−3828(1981)を参照のこと)によって分析され得る。この分析は、ペプチドの疎水性領域および親水性領域を同定するために使用され得、従って、結合実験、抗体合成などにおけるような、実験操作のための基質の設計において補助する。二次構造の分析もまた、特異的な構造モチーフを採用するペプチドの領域を同定するために実行され得る。例えば、ChouおよびFasman、Biochem 13:222−223(1974)を参照のこと。操作、翻訳、二次構造の推定、親水性および疎水性プロフィール、オープンリーディングフレームの推定および作図(plotting)、ならびに配列相同性の決定は、当該分野で利用可能なコンピューターソフトウェアプログラムを使用して達成され得る。以下を含むがこれらに限定されない他の構造分析の方法もまた、使用され得る:X線結晶学(例えば、Engstrom、Biochem Exp Biol 11:7−13(1974)を参照のこと);質量分析法およびガスクロマトグラフィー(例えば、Methods in Protein Science、1997、J.Wiley and Sons、New York、NYを参照のこと),ならびにコンピューターモデリング(例えば、Current Communications in Molecular Biology、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY中の、FletterickおよびZoller編、1986、Computer Graphics and Molecular Modelingを参照のこと)。
いくつかの実施形態において、1つ以上のApi m 6ペプチドが、1つのApi m 6ペプチドが組成物中の少なくとも1つの他のApi m 6ポリペプチドと少なくとも3個のアミノ酸が重複する組成物中に存在する。最も好ましい実施形態において、このペプチドは、5アミノ酸と10アミノ酸の間が重複する。特定の実施形態において、寛容化のために使用される組成物は、Api m 6タンパク質の全長に位置(map)するポリペプチドフラグメントの組を含む。さらなる実施形態において、1つ以上のペプチドのアミノ酸配列が生成され得、そしてリンカーによって連結されて抗原提示細胞によるプロセシングに対する感受性を増大させる。このようなリンカーは、任意の非エピトープのアミノ酸配列、または他の適切な連結剤もしくは結合剤であり得る。
変更されたアミノ酸配列を有するApi m 6タンパク質は、例えば、化学的な合成技術によって構築され得る。いくつかの実施形態において、この変化は、出発Api m 6タンパク質(例えば、配列番号1〜4のいずれかのアミノ酸配列を有するApi m 6タンパク質)と比較して、改変体タンパク質の機能を変更しない。アミノ酸置換は、好ましくは、「必須ではない」アミノ酸残基で、である。「必須ではない」アミノ酸残基は、Api m 6の野生型の配列(例えば、配列番号1〜4のいずれかの配列)から、その生物学的活性を変更することなく変更され得る残基である。一方、「必須な」アミノ酸残基は、生物学的活性のために必要である。例えば、種々の種(例えば、異なるApts spp.)由来のApi m 6タンパク質の間で保存されているアミノ酸残基は特に、変更に容易には従わないと予測される。
本発明はまた、活性のために必須ではないアミノ酸残基における変化を含む改変体Api m 6タンパク質を含む。このようなApi m 6タンパク質は、配列番号1〜4の任意のものまたは全てとはアミノ酸配列において異なるが、なお生物学的活性は保持している。改変体Api m 6タンパク質は、1つ以上のアミノ酸の置換、付加、または欠失がタンパク質中に導入されている改変体を含む。
好ましくは、保存的なアミノ酸置換は、1つ以上の推定される必須ではないアミノ酸残基で行われる。「保存的なアミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有しているアミノ酸残基で置換されているものである。類似の側鎖を有しているアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で定義されている。これらのファミリーとして、以下が挙げられる:塩基性の側鎖を有しているアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性の側鎖を有しているアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、荷電していない極性側鎖を有しているアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性の側鎖を有しているアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖を有しているアミノ酸(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有しているアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)。従って、Api m 6中の推定される必須ではないアミノ酸残基は、好ましくは、同じ側鎖のファミリーに由来する別のアミノ酸残基で置きかえられる。あるいは、別の実施形態においては、変異は、活性を保持している改変体を同定するために、Api m 6のコード配列の全てまたは一部の間にランダムに導入され得る。
いくつかの実施形態においては、改変体Api m 6タンパク質は、以下についてアッセイされ得る:(1)Api m 6タンパク質、他のタンパク質、またはそれらの生物学的に活性な部分とのタンパク質:タンパク質相互作用を形成する能力、(2)変異体Api m 6タンパク質とApi m 6リガンドとの間での複合体の形成;(3)T細胞の増殖を刺激する能力;または(4)IgE抗体(例えば、ハチの毒に対して過敏である個体の血清に由来する)に結合する能力。
タンパク質アレルゲンに由来するペプチドは、ペプチドがアレルゲンについて特異的なIgEに結合し、そして肥満細胞または好塩基球からのメディエーター(すなわち、ヒスタミン)の放出を生じさせるかどうかを決定するために試験され得る。
T細胞を刺激する活性は、Api m 6タンパク質および本明細書中に記載されている改変体に対して敏感である個体(すなわち、タンパク質アレルゲンまたはタンパク質抗原に対する免疫応答を有する個体)から得られたT細胞を、Api m 6タンパク質または改変体とともに培養すること、ならびに、例えば、トリチウム化されたチミジンの取り込みによって測定されるような、ペプチドに対する応答におけるT細胞による増殖の存在または非存在を決定することによって、試験され得る。本発明の方法において有用であるペプチドに対するT細胞による応答についての刺激指数(indicies)は、コントロールの培地のCPMによって除算された、ペプチドに対する応答において取り込まれた1分間あたりの最大計数(CPM)として計算され得る。例えば、タンパク質アレルゲンに由来するペプチドは、約2.0の刺激指数を有し得る。少なくとも2.0の刺激指数が、一般的には、免疫治療薬として有用であるペプチドを定義する目的についてポジティブであると考えられる。好ましいペプチドは、少なくとも2.5、より好ましくは、少なくとも3.5、そして最も好ましくは、少なくとも5.0の刺激指数を有する。
配列番号1〜4のいずれかのアミノ酸配列の一部を有しているタンパク質のフラグメントもまた、本発明に含まれる。フラグメントは、好ましくは、Api m 6タンパク質の本明細書中に記載されている活性の1つ以上を有する。フラグメントは、例えば、6〜72、20〜90、30〜70、または40〜60個のアミノ酸の長さであり得る。
2つのアミノ酸配列、または2つの核酸のパーセント相同性を決定するために、配列は最適な比較の目的のためにアラインメントされる(例えば、ギャップが、第2のアミノ酸または核酸配列との最適なアラインメントのために、第1のアミノ酸または核酸配列の配列中に導入され得る)。対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドが、次いで、比較される。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応している位置で同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占有されている場合には、分子はその位置で相同である(すなわち、本明細書中で使用される場合には、アミノ酸または核酸の「相同性」は、アミノ酸または核酸の「同一性」と等価である)。2つの配列間でのパーセント相同性は、配列によって共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、パーセント相同性は、同一の位置の数/位置の総数×100に等しい)。
Api m 6タンパク質、フラグメント、および本明細書中に記載されている他の改変体は、改変され得る。従って、本発明は、例えば、ミリスチル化された、グリコシル化された、およびリン酸化されたApi m 6タンパク質およびそれらの誘導体を含む。
本発明はまた、Api m 6のキメラまたは融合タンパク質を提供する。本明細書中で使用される場合には、Api m 6の「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、非Api m 6ポリペプチドに対して作動可能に連結されたApi m 6ポリペプチドを含む。「Api m 6ポリペプチド」は、Api m 6に対応しているアミノ酸配列を有しているポリペプチドをいうが、「非Api m 6ポリペプチド」は、Api m 6タンパク質に対して実質的には相同ではないタンパク質(例えば、Api m 6タンパク質とは異なるタンパク質、および同じまたは異なる生物体に由来するタンパク質)に対応しているアミノ酸配列を有しているポリペプチドをいう。Api m 6融合タンパク質中では、Api m 6ポリペプチドは、Api m 6タンパク質の全てまたは一部に対応し得る。好ましい実施形態においては、Api m 6融合タンパク質は、Api m 6タンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性な部分を含む。別の好ましい実施形態においては、Api m 6融合タンパク質は、Api m 6タンパク質の少なくとも2つの生物学的に活性な部分を含む。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結された」は、Api m 6ポリペプチドおよび非Api m 6ポリペプチドが互いにインフレームで融合されていることを示すように意図される。非Api m 6ポリペプチドは、Api m 6ポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。
例えば、1つの実施形態においては、Api m 6融合タンパク質は、サイトカイン活性に関与することが公知である第2のタンパク質の細胞外ドメインに対して作動可能に連結された、Api m 6のT細胞増殖を誘導するドメインを含む。このような融合タンパク質は、Api m 6活性を調節する化合物についてのスクリーニングアッセイにおいてさらに利用され得る。
本発明はまた、Api m 6アゴニスト(模倣物)またはApi m 6アンタゴニストのいずれかとして機能する、Api m 6タンパク質の改変体に関する。Api m 6タンパク質の改変体は、アゴニストまたはアンタゴニストに対応しているアミノ酸配列を有しているポリペプチドを化学的に合成することによって生成され得る。あるいは、変異体は、変異誘発(例えば、Api m 6タンパク質の不連続な点変異または短縮)によって構築され得る。Api m 6タンパク質のアゴニストは、天然に存在している形態のApi m 6タンパク質の生物学的な活性と実質的に同じ活性を保持し得るか、またはそのサブセットを保持し得る。Api m 6タンパク質のアンタゴニストは、天然に存在している形態のApi m 6タンパク質の1つ以上の活性を、例えば、Api m 6タンパク質を含む細胞性のシグナル伝達カスケードの下流または上流のメンバーに対する競合的な結合によって)阻害し得る。従って、特定の生物学的な効果は、限定された機能の改変体での処理によって誘発され得る。1つの実施形態においては、天然に存在している形態のタンパク質の生物学的活性のサブセットを有している改変体での被験体の処置は、天然に存在している形態のApi m 6タンパク質での処理と比較して、被験体においてより少ない副作用を有する。
例えば、Api m 6アゴニスト(模倣物)またはApi m 6アンタゴニストのいずれかとして機能するApi m 6タンパク質の改変体は、Api m 6タンパク質の変異体(例えば、短縮型変異体)のコンビナトリアルライブラリーを、Api m 6タンパク質のアゴニストまたはアンタゴニスト活性についてスクリーニングすることによって同定され得る。
(Api m 6タンパク質に対する抗体)
単離されたApi m 6タンパク質、またはその一部もしくはフラグメントは、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の調製のための標準的な技術を使用して、Api m 6に結合する抗体を作製するための免疫原として使用され得る。全長のApi m 6タンパク質が使用され得るか、あるいは、本発明は、免疫原としての使用のためにApi m 6の抗原性のペプチドフラグメントを提供する。Api m 6の抗原性ペプチドは、配列番号1〜4のいずれかに示されているアミノ酸配列の少なくとも8個のアミノ酸残基を含み、そして抗体がApi m 6との特異的な免疫複合体を形成するペプチドに対して惹起されるように、Api m 6のエピトープを含む。好ましくは、抗原性ペプチドは、少なくとも10個のアミノ酸残基、より好ましくは、少なくとも15個のアミノ酸残基、なおより好ましくは、少なくとも20個のアミノ酸残基、そして最も好ましくは、少なくとも30個のアミノ酸残基を含む。抗原性ペプチドに含まれる好ましいエピトープは、タンパク質の表面上に配置されるApi m 6の領域(例えば、親水性領域)である。
Api m 6免疫原は、実施例において以下に説明されるように、抗体を調製し得る。あるいは、Api m 6免疫原は、免疫原を用いて適切な被験体(例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、または他の哺乳動物)に免疫することによって抗体を調製するために使用される。適切な免疫原性の調製物は、例えば、化学的に合成されたApi m 6ポリペプチドを含み得る。調製物はさらに、アジュバント(例えば、フロイントの完全なまたは不完全アジュバント)あるいは類似の免疫刺激薬を含み得る。適切な被験体の免疫原性のApi m 6調製物での免疫は、ポリクローナル抗Api m 6抗体応答を誘導する。
従って、本発明の別の局面は、Api m 6抗体に関する。用語「抗体」は、本明細書中で使用される場合には、イムノグロブリン分子、およびイムノブログリン分子の免疫学的に活性な部分(すなわち、Api m 6のような抗原に対して特異的に結合する(抗原と免疫反応性である)抗原結合部位を含む分子)をいう。イムノグロブリン分子の免疫学的に活性な部分の例として、F(ab)およびF(Ab’)フラグメント(これらは、ペプシンのような酵素で抗体を処理することによって作製され得る)が挙げられる。本発明は、Api m 6に結合するポリクローナルおよびモノクローナル抗体を提供する。用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、本明細書中で使用される場合には、Api m 6の特定のエピトープと免疫反応し得る抗原結合部位の1つの種のみを含む、抗体分子の集団をいう。従って、モノクローナル抗体組成物は、代表的には、それと免疫反応する特定のApi m 6タンパク質について単一の結合親和性を提示する。
ポリクローナル抗Api m 6抗体は、Api m 6免疫原で適切な被験体を免疫することによって、上記のように調製され得る。免疫された被験体中の抗Api m 6抗体力価は、標準的な技術によって、例えば、固定されたApi m 6を使用する抗体結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて経時的にモニターされ得る。所望される場合には、Api m 6に対して指向された抗体分子は、哺乳動物から(例えば、血液から)単離され得、そしてさらに、IgG画分を得るために、プロテインAクロマトグラフィーのような周知技術によって精製され得る。免疫後の適切な時点(例えば、抗Api m 6抗体力価が最も高い時点)で、抗体を産生する細胞が被験体から得られ得、そして標準的な技術(例えば、KohlerおよびMilstein、Nature 256:495−497(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ技術)によってモノクローナル抗体を調製するために使用され得る。Brownら、J.Immunol.127:539−46(1981);Brownら、J.Biol.Chem.255:498−83(1980);Yehら、PNAS 76:2927−31(1976);ならびにYehら、Int.J.Cancer 29:269−75(1982)をもまた参照のこと。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、Immunol Today 4:72(1983))、EBV−ハイブリドーマ技術(Coleら、(1985)、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R、Liss,Inc.,77〜96頁)またはトリオーマ技術もまた参照のこと。モノクローナル抗体ハイブリドーマを産生するための技術は、周知である(一般的には、R.H.Kenneth、Monoclonal Antibodies:A New Dimension In Biological Analyses、Plenum Publishing Corp.,New York、N.Y.(1980);Lerner、Yale J.Biol.Med.,54:387−402(1981);Gefterら、Somatic Cell Genet.3:231−36(1977))を参照のこと)。簡潔には、不死化細胞株(代表的には、骨髄腫)が、上記のようにApi m 6免疫原で免疫された哺乳動物に由来するリンパ球(代表的には、脾臓細胞)と融合され、そして得られたハイブリドーマ細胞の培養上清が、Api m 6に結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを同定するためにスクリーニングされる。
以下の実施例に記載されているプロトコールは、本明細書中に記載されているApi m 6ポリペプチドに対するモノクローナル抗体を調製するために使用され得る。このような抗体の一例は、ハイブリドーマ細胞株5E11によって分泌されるモノクローナル抗体である。一般的には、リンパ球と不死化された細胞株とを融合するために使用される任意の多くの周知のプロトコールが、抗Api m 6モノクローナル抗体を作製する目的のために適用され得る。例えば、Galfreら、Nature 266:550−552(1977)を参照のこと。さらに、当業者は、このような方法の多くのバリエーションが存在し、それらもまた有用であることを理解する。代表的には、不死化細胞株(例えば、骨髄腫細胞株)は、リンパ球と同じ哺乳動物種に由来し得る。例えば、マウスのハイブリドーマは、本発明の免疫原性調製物で免疫されたマウスに由来するリンパ球を、不死化されたマウスの細胞株と融合させることによって、作製され得る。好ましい不死化細胞株は、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含有している培養培地(「HAT培地」)に対して過敏である、マウスの骨髄腫細胞株である。任意の多数の骨髄腫細胞株(例えば、P3−NS1/1−Ag4−1、P3−x63−Ag8.653、またはSp2/O−Ag14骨髄腫細胞株)が、標準的な技術にしたがって融合パートナーとして使用され得る。代表的には、HAT感受性のマウス骨髄腫細胞は、ポリエチレングリコール(「PEG」)を使用してマウスの脾臓細胞に対して融合させられる。融合によって得られたハイブリドーマ細胞は、次いで、HAT培地を使用して選択される。HAT培地は、融合されていない骨髄腫細胞および非生産性の融合された骨髄腫細胞を死滅させる(融合されていない脾臓細胞は、それらが形質転換されていないことに起因して数日後に死滅する)。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、例えば、標準的なELISAアッセイを使用してApi m 6に結合する抗体についてハイブリドーマの培養上清をスクリーニングすることによって検出される。
モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを調製する代わりに、モノクローナル抗Api m 6抗体は、Api m 6を用いて組換えコンビナトリアルイムノグロブリンライブラリー(例えば、抗体ファージディスプレイライブラリー)をスクリーニングし、それによってApi m 6に結合するイムノグロブリンライブラリーのメンバーを単離することによって、同定され得、そして単離され得る。ファージディスプレイライブラリーを作製およびスクローニングするためのキットは、商業的に入手することが可能である(例えば、Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、Catalog No.27−9400−01;およびStratagene SurfZAPTM Phage Display Kit.,Catalog No.240612)。さらに、抗体ディスプレイライブラリーを作製することおよびスクリーニングすることにおける使用に特に従いやすい方法および試薬の例は、例えば、以下において見出され得る:米国特許第5,223,409号;PCT国際公開番号第WO92/18619号;同第WO91/17271号;同第WO92/20791号;同第WO92/15679号;同第WO93/01288号;同第WO92/01047号;同第WO92/09690号;同第WO90/02809号;およびFuchsら、Bio/Technology 9:1370−1372(1991);Hayら、Hum.Antibod.Hybridomas 3:81−85(1992);Huseら、Science 246:1275−1281(1989);Griffithsら、EMBO J 12:725−734(1993);Hawkinsら、J.Mol.Biol.226:889−896(1992);Clarksonら、Nature 352:624−628(1991);Gramら、PNAS 89:3576−3580(1992);Garradら、Bio/Technology 9:1373−1377(1991);Hoogenboomら、Nuc.Acid Res.19:4133−4137(1991);Barbasら、PNAS 88:7978−7982(1991);ならびにMcCaffertyら、Nature 348:552−554(1990)。
さらに、標準的な組換えDNA技術を使用して作製され得る、ヒトおよび非ヒト部分の両方を含む組換え抗Api m 6抗体(例えば、キメラおよびヒト化モノクローナル抗体)は、本発明の範囲内である。用語「抗体」は、本明細書中で使用される場合には、キメラ、ヒト、単鎖、およびヒト化抗体、ならびにそのような抗体の結合フラグメントまたはそのような抗体の改変されたバージョンを含むようにも意図される。「キメラ抗体」は、可変領域が動物の1つの種に由来し、そして定常領域が別の種の動物に由来する抗体を含むように意図される。例えば、キメラ抗体は、マウスのモノクローナル抗体に由来する可変領域、およびヒトである定常領域を有している抗体であり得る。「ヒト化抗体」またはフラグメントは、非ヒト超可変領域(相補性決定領域(CDR)ともまた呼ばれる)を保持し得る任意のヒト抗体(例えば、CDRは1つの種の動物に由来し、そして抗体のフレームワーク領域および定常領域は異なる動物種に由来する、抗体)を含む。ヒト化抗体においては、CDRは、マウスのモノクローナル抗体に由来し得、そして抗体の他の領域はヒトである。
キメラのマウス−ヒトモノクローナル抗体(すなわち、キメラ抗体)は、当該分野で公知の組換えDNA技術によって産生され得る。例えば、マウス(または他の種)のモノクローナル抗体分子のFc定常領域をコードする遺伝子が、マウスのFcをコードする領域を除去するために制限酵素で消化され、そしてヒトのFc定常領域をコードする遺伝子の同等の部分が置換される。Robinsonら、国際特許公開番号第PCT/US86/02269号;Akiraら、欧州特許出願番号第184,187号:Taniguchi、欧州特許出願番号第171,496号;Morrisonら、欧州特許出願番号第173,494号;Neubergerら、国際出願第WO86/01533号;Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許出願番号第125,023号;Betterら(1988 Science 240:1041−1043);Liuら(1987)PNAS 84:3439−3443;Liuら、1987、J.Immunol.139:3521−3526;Sunら(1987)PNAS 84:214−218;Nishimuraら、1987、Canc.Res.47:999−1005;Woodら(1985)Nature 314:446−449;およびShawら、1988、J.Natl Cancer Inst.80:1553−1559を参照のこと。
被験体中での免疫応答を排除するかまたは最少にするために、キメラ抗体誘導体(すなわち、非ヒトFab可変領域結合決定基を、ヒトの定常領域(Fc)と組合せた、「ヒト化」抗体分子)を操作することが所望される。このような抗体は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体と同等の抗原特異性および親和性によって特徴づけられ、そしてヒトに投与される場合には免疫原性が低く、従って、患者によって寛容化される可能性がより高い。
キメラ抗体はさらに、ヒトのFv可変領域に由来する同等の配列との抗原の結合には直接は関係していない、Fv可変領域の配列を置きかえることによって、ヒト化され得る。ヒト化されたキメラ抗体の一般的な概要については、Morrison、1985、Science 229:1202−1207によって、そしてOiら、1986、BioTechniques 4:214によって提供されている。これらの方法は、少なくとも1つの重鎖または軽鎖に由来するイムノグロブリンのFv可変領域の全てまたは一部をコードする核酸配列を、単離すること、操作すること、および発現させることを含む。このような核酸の供給源は当業者に周知であり、そして例えば、7E3(抗GPIIIII抗体を産生するハイブリドーマ)から得ることができる。キメラ抗体をコードする組換えDNAまたはそのフラグメントは、次いで、適切な発現ベクター中にクローン化され得る。適切なヒト化抗体は、あるいは、CDR置換(米国特許第5,225,539号;Jonesら、1986、Nature 321:552−525;Verhoeyanら、1988 Science 239:1534;およびBeidlerら、1988 J.Immunol.141:4053−4060)によって産生され得る。
ヒトのタンパク質に対して指向されたヒトmAb抗体は、マウス系ではなく完全なヒトの免疫系を保有しているトランスジェニックマウスを使用して作製され得る。目的の抗原で免疫されたこれらのトランスジェニックマウスに由来する脾臓細胞が、ヒトタンパク質に由来するエピトープについて特異的な親和性を有しているヒトmAbを分泌するハイブリドーマを産生するために使用される(例えば、Woodら、国際出願第WO91/00906号、Kucherlapatiら、PCT公開第WO91/10741号;Lonbergら、国際出願第WO92/03918号;Kayら、国際出願第92/03917号;Lonbergら、1994、Nature 368:856−859;Greenら、1994、Nature Genet.7:13−21;Morrisonら、1994、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851−6855;Bruggermanら、1993 Year Immunol 7:33−40;Tuaillonら、1993 PNAS 90:3720−3724;Bruggemanら、1991 Eur J Immunol 21:1323−1326を参照のこと)。
モノクローナル抗体はまた、組換えDNA技術の分野の当業者に周知である他の方法によって作製され得る。「コンビナトリアル抗体ディスプレイ」法と呼ばれる別の方法は、特定の抗原特異性を有している抗体フラグメントを同定しそして単離するために開発されており、そしてモノクローナル抗体を産生するために利用され得る(コンビナトリアル抗体ディスプレイの記載については、例えば、Sastryら、1989 PNAS 86:5728;Huseら、1989 Science 246:1275;およびOrlandiら、1989 PNAS 86:3833を参照のこと)。免疫原での動物の免疫後、得られたB細胞のプールの抗体レパートリーがクローン化される。オリゴマーであるプライマーの混合物およびPCRを使用することによって多様な集団の可変領域のDNA配列を得るための方法は、一般的に公知である。Larrickら、1991、Biotechniques 11:152−156。ヒト抗体に由来するヒト重鎖および軽鎖の可変領域を増幅するための同様のストラテジーもまた、使用され得る。Larrickら、1991、Methods:Comparison to Methods in Enzymology 2:106−110。Winter(英国特許出願番号第GB2188538A号)は、相補性決定領域(CDR)を別の種に由来するものと置きかえることによって抗体を変更するためのプロセスを記載している。Winterによって記載された「再度形成された」または「ヒト化された」抗体は、マウスの成分が顕著に少ないことに起因して、キメラ抗体と比較してヒトにおいて顕著に少ない免疫応答を誘発する。さらに、変更された抗体の循環における半減期は、天然のヒトの抗体のものに近づけるべきである。米国特許第6,111,166号;同第5,837,243号;同第6,130,364号、同第6,091,001号、および同第5,916,771号(本明細書中で参考として援用されている)をもまた参照のこと。
抗Api m 6抗体(例えば、モノクローナル抗体)は、標準的な技術(例えば、アフィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降)によってApi m 6を単離するために使用され得る。抗Api m 6抗体は、細胞懸濁物またはハチの毒からの天然のApi m 6の精製、ならびに宿主細胞中で発現された組換え産生されたApi m 6の精製を容易にし得る。さらに、抗Api m 6抗体は、Api m 6タンパク質の発現の量およびパターンを評価するために、Api m 6タンパク質を検出する(例えば、細胞性の溶解物または細胞上清中で)ために使用され得る。検出は、検出可能な基質に対する抗体のカップリング(すなわち、物理的結合)によって促進され得る。検出可能な基質の例として、種々の酵素、補綴基、蛍光物質、発光物質、生体発光物質、および放射活性物質が挙げられる。適切な酵素の例として、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられる;適切な補綴基複合体の例として、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられる;適切な蛍光物質の例として、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロライド、またはフィコエリトリンが挙げられる;発光物質の例として、ルミノールが挙げられる。生体発光物質の例として、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられる;そして適切な放射活性物質の例として、125I、131I、35S、またはHが挙げられる。
(Api m 6に基づく薬学的組成物)
本発明のApi m 6タンパク質(アレルゲン)、ペプチド、および抗Api m 6抗体(本明細書中ではまた「活性な化合物」とも呼ばれる)は、投与のために適切な薬学的組成物中に取り込まれ得る。このような組成物は、代表的には、タンパク質、または抗体および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合には、語句「薬学的に受容可能なキャリア」は、任意のおよび全ての、薬学的な投与に適合性である、溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤、および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含むように意図される。薬学的に活性な物質についてのこのような媒体および試薬の使用は、当該分野で周知である。任意の従来の媒体または試薬が活性な化合物と不適合性である場合を除いて、組成物中でのそれらの使用が意図される。補助活性化合物もまた、組成物中に取り込まれ得る。本明細書中で使用される場合には、句「薬学的組成物」および「治療用組成物」は、交換が可能である。
Api m 6タンパク質、ペプチド、またはその改変体を含有している薬学的組成物は、タンパク質アレルゲンに対する以後の曝露の際に哺乳動物のT細胞応答の減少を生じる形態で、Api m 6に対して過敏である哺乳動物(例えば、ヒト)に対して投与され得る。本明細書中で使用される場合には、タンパク質アレルゲンに対して過敏である哺乳動物のT細胞応答の減少または改変は、標準的な臨床的な手順(例えば、Varneyら、British Medical Journal 302:265−269(1990))によって決定されるように、哺乳動物中のタンパク質アレルゲンに対する症状における非応答性または軽減として定義される。これには、アレルゲンによって誘導される喘息状態の軽減が含まれる。本明細書中で言及される場合には、アレルゲンに対する症状の軽減は、本明細書中に記載されているようなペプチドでの処置レジメ後の、アレルゲンに対する哺乳動物(例えば、ヒト)のアレルギー性応答の任意の減少を含む。症状におけるこの軽減は、ヒトにおいて主観的に決定され得る(例えば、患者が、アレルゲンに対する曝露の際により快適であると感じる)か、または例えば、標準的な皮膚試験を用いて臨床的に決定され得る。
タンパク質アレルゲンまたは他のタンパク質抗原に対して個体を脱感作させるかまたは寛容化させるための本発明の治療用組成物の投与は、タンパク質アレルゲンまたは他のタンパク質抗原に対する個体の感受性を減少させるため(すなわち、アレルギー性の応答を減少させるため)の手順を使用し、そのために有効な投与量および時間にわたり行われ得る。治療用組成物の有効量は、タンパク質アレルゲンに対する個体の感受性の程度、個体の年齢、性別、および体重、ならびに個体中で抗原性応答を誘発するペプチド(単数または複数)の能力のような因子に従って変化する。投与量レジメンは、最適な治療応答を提供するように調整され得る。例えば、数回に分けられた用量が、毎日投与され得るか、または用量は、治療の状況の緊急性によって示されるように、比例的に減少され得る。
本発明の薬学的組成物は、その意図される投与経路と適合性であるように処方される。投与経路の例として、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜、および直腸投与)が挙げられる。非経口、皮内、または皮下での適用のために使用される溶液または懸濁物は、以下の成分を含有し得る:滅菌希釈液(例えば、注射用水、生理食塩溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成の溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコール、またはメチルパラベン);抗酸化剤(例えば、アルコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム);キレート化剤(例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸);緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩);および毒性の調節のための試薬(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基を用いて調節され得る。非経口用の調製物は、ガラスもしくはプラスチック製の、アンプル、使い捨てのシリンジ、または複数個の用量のバイアル中に封入され得る。
Api m 6タンパク質または本明細書中に記載されているような改変体ペプチドの、哺乳動物(例えば、ヒト)への投与(例えば、皮下投与)によって、適切なT細胞の部分集団を寛容化し得るかまたはアネルギーにし得、その結果それらは、タンパク質アレルゲンに対して非応答性になり、そして以後の曝露の際には免疫応答を刺激することには関係しない。さらに、このようなペプチドの投与によって、天然に存在しているタンパク質アレルゲンまたはその一部に対する曝露と比較して、リンホカイン分泌プロフィールを改変し得る(例えば、IL−4の減少および/またはIL−2の増加を生じる)。さらに、ペプチドに対する曝露は、アレルゲンに対する応答に通常関係しているT細胞の部分集団に影響を与え得、その結果、これらのT細胞を、ペプチドの治療的な投与の部位に対して、アレルゲンに対する通常の曝露の部位(単数または複数)から遠ざけさせる。T細胞の部分集団のこの再分布は、アレルゲンに対する通常の曝露の部位で通常の免疫応答を刺激する個体の免疫系の能力を緩和し得るかまたは減少させ得、それによってアレルギー性の症状の減少を生じる。
さらに、上記のApi m 6タンパク質、ペプチド、またはそれらの改変体の投与は、より低いレベルのIgEの刺激活性を生じ得る。好ましくは、投与は、最少のIgEの刺激活性を生じる。本明細書中で使用される場合には、最少のIgEの刺激活性は、全Api m 6タンパク質アレルゲンによって刺激された、IgEの産生および/またはIL−4の産生の量よりも少ない、IgEの産生をいう。
注射可能な使用のために適切である薬学的組成物は、滅菌水溶液(ここでは、ペプチドまたはタンパク質は水溶性である)もしくは分散物、または滅菌の注射可能な溶液または分散物の即座の調製のための滅菌の粉末を含む。静脈内投与のためには、適切なキャリアは、生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF,Parsippany、N.J.)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を含む。全ての場合において、組成物は滅菌でなければならず、そして、容易にシリンジ中に存在可能な程度に流体であるべきである。これは、製造および貯蔵の条件下では安定でなければならず、そして細菌および真菌のような微生物の混入作用に対して防御されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール、および液体のポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適切な混合物を含有している、溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用によって、分散物の場合には必要とされる粒子の大きさの維持によって、そして界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防御は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって達成され得る。多くの場合においては、等張剤(例えば、糖、ポリアルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム)を組成物中に含むことが好ましい。注射可能な組成物の吸収期間の延長は、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンのような、吸収を遅延させる試薬を組成物中に含むことによってもたらされ得る。
滅菌の注射可能な溶液は、活性な化合物(例えば、Api m 6タンパク質、ペプチド、または抗Api m 6抗体)を、適切な溶媒中に必要とされる量で、1つ以上の上記に列挙された成分の組合せとともに取り込むこと、必要とされる場合には、続いて滅菌濾過することによって調製され得る。一般的には、分散剤は、基本的な分散媒体および上記に列挙されたものから必要とされる他の有効成分を含有している。滅菌のビヒクル中に活性な化合物を取り込むことによって調製される。滅菌の注射可能な溶液の調製のための滅菌の粉末の場合においては、好ましい調製方法は、減圧乾燥および凍結乾燥である。これによって、予め滅菌濾過されたその溶液に由来する、有効成分と任意のさらなる所望される成分との粉末を生じる。
経口用の組成物は、一般的には、不活性な希釈剤および食用のキャリアを含むこれらは、ゼラチンカプセル中に封入されるか、または錠剤に圧縮され得る。経口の治療用の投与の目的のためには、活性な化合物は、賦形剤とともに取り込まれ得、そして錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形態で使用され得る。経口用の組成物はまた、うがい薬としての使用のために液体のキャリアを使用して調製され得る。ここでは、液体のキャリア中の化合物が、経口的に適用され、そして音をたてられて(swished)、吐き出されるか、または飲みこまれる。薬学的に適合性の結合剤および/またはアジュバント材料は、組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分の任意のもの、または同様の性質の化合物を含み得る:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントガム、またはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプン、またはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogel、またはコーンスターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、またはSterotes);潤滑剤(例えば、コロイド状のニ酸化ケイ素);甘味料(例えば、スクロースまたはサッカリン);あるいは香味剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香料)。
吸入による投与に関して、この化合物は、適切な高圧ガス(例えば、二酸化炭素などのガス)を含む圧縮容器もしくはディスペンサー、またはネブライザからのエーロゾルスプレーの形態で送達される。
全身投与はまた、経粘膜手段または経皮手段による投与であり得る。経粘膜投与または経皮投与に関して、浸透されるバリアに適切な浸透剤が、この処方物中に使用される。このような浸透剤は、当該分野で一般的に公知であり、このような浸透剤としては、例えば、経粘膜投与に関して、界面活性剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻のスプレーまたは坐剤の使用を介して達成され得る。経皮投与に関して、活性化合物は、当該分野で一般的に公知であるような軟膏(ointment)、膏薬(salve)、ゲル、またはクリームに処方される。
この化合物はまた、坐剤(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドなどの従来の坐剤の基剤を用いて)の形態、または直腸送達のための停留(retention)浣腸の形態に調製され得る。
1つの実施形態において、活性化合物は、体からの急速な排泄に対してこの化合物を保護するキャリアと共に調製され、例えば、徐放性処方物であり、これとしては、移植片およびマイクロカプセル化送達系が挙げられる。生物分解性の生体適合性のポリマー(例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸)が、使用され得る。このような処方物の調製のための方法は、当業者に明らかである。これらの材料はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から商業的に得られ得る。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞に標的化したリポソームが挙げられる)がまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。これらは、当業者に公知の方法、例えば、米国特許第4,522,811号に記載される方法に従って調製され得る。
投与の容易さおよび投薬量の均一性のために投薬量単位形態で経口組成物または非経口組成物を処方することが、特に有利である。本明細書中に使用されるような投薬量単位形態は、処置される被験体に対するまとまった投薬量として適切な物理的に分離した単位をいい;各単位は、必要とされる薬学的キャリアと関連して所望の治療効果を生成するように計算された予め決定された量の活性化合物を含む。本発明の投薬量単位形態に関する詳述は、活性化合物の特有の特徴および達成される特定の治療効果、ならびに個体の処置のためにこのような活性化合物を調合する分野に固有の制限によって指示され、そして直接これらに依存する。
薬学的組成物は、投与に関する指示書と一緒に、容器、パック、またはディスペンサーに含まれ得る。
本発明の方法において有用なペプチドの構造を、溶解度を増加するため、治療効力もしくは予防効力を増強するため、または安定性(例えば、エキソビボの貯蔵寿命、およびインビボでのタンパク質分解性分解に対する耐性)などの目的のために改変することがまた、可能である。アミノ酸配列が例えば、アミノ酸の置換、欠失または付加によって変更された改変されて免疫原性を改変および/またはアレルギー誘発性を減少した改変ペプチドが産生され得るか、あるいは同じ目的のためにある成分が添加された改変ペプチドが産生され得る。例えば、T細胞エピトープ機能に必須のアミノ酸残基は、公知の技術(例えば、各残基の置換およびT細胞反応性の存在もしくは非存在の決定)を用いて決定され得る。必須であることが示された残基は、改変され得(例えば、その存在がT細胞反応性を増強することが示された別のアミノ酸によって置換され得る)、同様に、T細胞反応性に必要とされないものが改変され得る(例えば、その組み込みがT細胞反応性を増強するが、関連するMHCに対する結合を減少しない別のアミノ酸によって置換されることによる)。ペプチド改変の別の例は、ジスルフィド連結を介して2量体化を最小化するための、システイン残基の、好ましくはアラニンまたはグルタミン酸による置換、あるいはセリンまたはスレオニンによる置換である。
安定性および/または反応性を増強するために、ペプチドはまた改変されて、1つ以上の多型を天然の対立遺伝子バリエーションから生じるタンパク質アレルゲンのアミノ酸配列に組込み得る。さらに、Dアミノ酸、非天然のアミノ酸、または非アミノ酸アナログが、置換または付加されて、本発明の範囲内の改変ペプチドを産生し得る。さらに、ペプチドは改変されて、ペプチド−PEG結合体を生成し得る。ペプチドの改変はまた、還元/アルキル化(Tarr:Methods of Protein Microcharacterization,J.E.Silver,編,Humana Press,Clifton,NJ,155−194頁(1986));アシル化(Tarr,前出);エステル化(Tarr,前出);適切なキャリアへの化学結合(MishellおよびShiigi,編,Selected Methods in Cellular Immunology,WH Freeman,San Francisco,CA(1980);米国特許第4,939,239号);または温和なホルマリン処理(Marsh International Archives of Allergy and Applied Immunology 41:199−215(1971))を含み得る。
ペプチドの精製を容易にするためおよびペプチドの可溶性を潜在的に増加するために、レポーター基をペプチド骨格に付加することが可能である。例えば、ポリヒスチジンが、ペプチドに添加されて、固定された金属イオンアフィニティークロマトグラフィー上でそのペプチドを精製し得る。Hochuliら、Bio/Technologv,6:1321−1235(1988)。さらに、所望される場合、特定のエンドプロテアーゼ切断部位がレポーター基とペプチドのアミノ酸配列との間に導入されて、無関係の配列を含まないペプチドの単離を促進し得る。タンパク質抗原に対して個体を首尾よく脱感作するために、官能基をペプチドに付加することかまたは疎水性T細胞エピトープもしくは疎水性エピトープ含有領域をペプチドに含めないことによってそのペプチドの可溶性を増加することが必要であり得る。
ペプチド内のT細胞エピトープの適切な抗原プロセシングを潜在的に補助するために、規範的(canonical)なプロテアーゼ感受性部位が、領域間で組換え操作され得るかまたは合成操作され得、その領域の各々は、少なくとも1つのT細胞エピトープを含む。例えば、荷電したアミノ酸対(例えば、KKまたはRR)が、合成の間にペプチド内の領域間に導入され得る。
本発明はさらに、タンパク質抗原(例えば、アレルゲン、自己抗原など)に対する免疫応答を含む疾患を処置する際に有用である少なくとも1つの治療組成物を含み、この組成物は、このタンパク質抗原に対して感受性である個体集団の実質的な割合においてこのタンパク質抗原に対するそのような個体の応答が実質的に減少されるように、このタンパク質抗原の十分な割合のT細胞エピトープを有する少なくとも1つのペプチドを含み、ただし、この少なくとも1つのペプチドは、全タンパク質抗原を含まない。
(Api m 6タンパク質またはApi m 6抗体を含む、キット)
本発明はさらに、Api m 6タンパク質またはApi m 6抗体、および必要に応じてこの抗体に対する標識結合パートナーを含む1つ以上の容器を含む、診断用途のためのキットを提供する。抗体に組込まれる標識としては、化学発光部分、酵素部分、蛍光部分、比色部分または放射性部分が挙げられ得るが、これらに限定されない。このキットは、必要に応じて、診断剤としてか、標準物質としてか、または上記アッセイにおけるコントロールとしての使用のために、予め決定された量の精製された上記ペプチドまたはその核酸をさらに含む。
(実施例)
本発明をさらに、以下の実施例(これは、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を制限しない)に記載する。以下の実施例は、Api m 6タンパク質の同定、特徴付け、および適用を例示する。
(実施例1 Api m 6アイソフォームの精製)
Api m 6タンパク質を、精製されたハチ毒液(BV)タンパク質に過敏な患者由来のIgE血清の反応性を試験する研究において同定した。
血清および末梢血単核球(PBMC)を、BV過敏患者(グレードII〜IV、Muellerの分類に従う)から得た。Mueller,J Asthma Res 3:331−333(1966)。全ての患者は、BV特異的IgE(≧0.35kU/l;CAP(登録商標)システム Pharmacia,Uppsala,Sweden)および陽性の皮内皮膚試験(≧0.1μg/ml,Pharmalgen(登録商標)、ALK、Horsholm、Denmark)を有した。
BVタンパク質を、非還元条件下で15% SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)によって分離し、そしてCAPS/メタノール緩衝液(10mM CAPS、10% メタノール、pH 11)中でPVDF膜に対してブロットした。膜を、0.1% Tween 20を含むリン酸緩衝化塩溶液(PBS−Tween)中の無脂肪乳(5%)を用いてブロックし、次いで、患者血清(PBS−Tween中で1/10)を用いて24時間4℃でインキュベートした。特異的IgE結合を、ビオチン化モノクローナルマウス抗ヒトIgE抗体(Pharmingen,Hamburg,Germany)を用い、続くストレプトアビジン結合体化西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(UBI,Lucerna Chem AG,Luzern,Switzerland)とのインキュベーションによって検出した。ペルオキシダーゼ反応性を、増感化学発光(ECL,Amersham,UK)によって可視化した。
分離されたBVタンパク質と反応性の43人である患者由来のIgE血清の分析によって、これらのサンプルのうちの18個(42%)において、以前に記載されていない約8kDaのバンドが明らかになった。観察された8kDaバンドに対応する8kDaタンパク質を、サイズ排除クロマトグラフィーによって他のBVタンパク質から精製した。クロマトグラフィーを、50%ギ酸中の全BV(Apis mellifera)(Latoxan,Rosans,France)を凍結乾燥することによって実行した。粒子を、50%ギ酸中で平衡化されたBioRad P−60カラム(2.5×100cm)(BioRad,Glattbrugg,Switzerland)へのサンプル適用の前に、遠心分離およびろ過によって取り除いた。酸性条件を使用して、メリチン4量体形成を最小化した。Belloら,Biochemistry 21:461−465(1982)。4mlの画分を6.5ml/hの流速で収集した。各画分を凍結乾燥し、0.02Nの酢酸に溶解し、そしてSDS−PAGEによって分析した。Laemmili,Nature 227:680−685(1970)。8kDaのバンドを含む画分が、2つの他のハチ毒液タンパク質(PLAおよびメリチン)のピークの間に広いピークにおいて溶出された。これらの画分のMALDI−TOF質量分析法分析によって、7,190Da、7,400Da、7,598Da、および7,808Daの分子量を有する4つのタンパク質の存在が明らかになった。
これらの4つのタンパク質を、Cカラムを通じた2つの泳動を用いる逆相HPLC(Phenomex W−Porex 5;250×46mm;Rancho Palos Verdes,CA,USA)によってさらに精製した。水−アセトニトリル勾配を分離のために使用した(緩衝液A:10% アセトニトリル、0.1% 水中のトリフルオロ酢酸;緩衝液B:90% アセトニトリル、0.1% 水中のトリフルオロ酢酸)。4つのタンパク質は全て、最初のスクリーニングにおいて8kDaタンパク質に関して陽性であったBV過敏患者由来のIgEによって認識された。これらの4つのタンパク質を、それぞれ、Api m 6.01、Api m 6.02、およびApi m 6.03、およびApi m 6.04と命名した。
(実施例2 Api m 6アイソフォームのアミノ酸配列の解明)
8kDaタンパク質アイソフォームのアミノ酸配列を、2つの手段:エドマン分解によるN末端配列分析;および質量分析法と組合わせたカルボキシペプチダーゼを用いたC末端配列決定によって決定した。
タンパク質およびタンパク質分解性フラグメントのアミノ末端配列分析を、標準的なプログラムを使用するパルス液相マイクロシークエンサー、モデル477A(Applied Biosystems,Foster City,CA)を用いて実行した。タンパク質を、C逆相カラムでの脱塩前に還元し(8M 尿素、0.15M Tris−HCl、2.5mM 1,4−ジチオスレイトール(DTT)、pH 8.6)、そしてアルキル化(7.5mM ヨード酢酸ナトリウム)した。アルキル化7.6kD(Api m 6.03)タンパク質を、トリプシン(配列決定グレード、Boehringer Mannheim AG,Rotkreuz,Switzerland)とともに室温(RT)で一晩インキュベートし(50mM Tris−HCl,pH8.6);フラグメントを、HPLC(Cカラム 5μm HAIsilTM、2.1×100mm;Higgins Analytical Inc.)によって分離した。
タンパク質およびタンパク質分解性フラグメントのカルボキシル末端配列分析を、ボイジャー−DETMRP(PerSeptive Biosystems,Framingham,MA,USA)上で、マトリックス支援レーザー脱離−イオン化飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析法によって実行した。Pattersonら,Anal Chem 67:3971−3978(1995)。V8プロテイナーゼ(エンドプロテイナーゼGlu−C)を、Promega(Zurich,Switzerland)から購入し、そして製造業者らの指示書に従って使用した。エンドプロテイナーゼArg−C配列決定グレード、エンドプロテイナーゼAsp−N配列決定グレード、カルボキシペプチダーゼY配列決定グレード、およびカルボキシペプチダーゼAを、Boehringer Mannheim AG(Rotkreuz,Switzerland)から購入した。Arg−Cを用いた酵素断片化を、室温(RT)または4℃のいずれかで、10mM DTTを含む15mM HEPES緩衝液(pH8)中で実行した。酵素対タンパク質の比は、1/50(w/w)であった。反応を、マトリックス溶液(アセトニトリル/水 30/70%(v/v)中のシナピン酸(sinapinic acid)の飽和溶液、10mg/ml)を添加することによって停止した。還元タンパク質(水中の2mM DTT、37℃で一晩)のAsp−N消化からのフラグメント(15mM 酢酸アンモニウム緩衝液(pH6.5)中1/125(w/w)の酵素対タンパク質比)を、さらなる分析のためにHPLCによって分離した。システインの遊離のSH基の決定を、N−エチルマレイミド(NEM)とのインキュベーションによって行った。C末端アミノ酸は、タンパク質の、カルボキシペプチダーゼA(15mM HEPES緩衝液(pH7.5)中、1/10〜1/100(w/w)の酵素対タンパク質比)またはカルボキシペプチダーゼY(15mM 酢酸アンモニウム(pH6)中、1/10〜4/100(w/w)の酵素対タンパク質比)との4℃または室温でのインキュベーションによって決定した。実験条件を、各基質調製物に関して最適化した。この反応を、マトリックス溶液の添加によって停止した。
最初の48アミノ酸が、還元型アルキル化タンパク質の直接的な配列決定によって解明された。重複する内部セグメントを、HPLC精製したトリプシンによって生じたペプチドの配列決定によって得た。一方、C末端配列は、カルボキシペプチダーゼを用いた配列決定によってのみ決定され得た。C末端残基は、カルボキシペプチダーゼYまたはカルボキシペプチダーゼAのいずれかを用いた独立した実験において明らかになった。N末端分析によって得られた配列データの長いストレッチを、C末端分析によってさらに確認した。Api m 6アイソフォームのアミノ酸配列を、表1に示す。
(表1 Api m 6.01、Api m 6.02、Api m 6.03、およびApi m 6.04のアミノ酸配列)
Figure 2011093907
Api m 6.03を、エンドプロテイナーゼArg−C、Asp−NまたはV8のいずれかを用いたインキュベーション後に、質量分析計法によってさらに分析した。タンパク質分解性ペプチドに関するシグナルは、予想フラグメントの理論質量と一致し、アルギニン残基、アスパラギン酸残基、およびグルタミン酸残基の位置を確かにした。
タンパク質配列相同性に関するEMBLデータベース検索およびSWISS PROTデータベース検索ならびにコンピュータによって支援されたタンパク質分析を、Wisconsin Package Version 9.1ソフトウェア(Genetics Computer Group,Madison,WI,USA)を適用して実行した。データベース検索によって、このApi m 6が上皮増殖因子様ドメインシグネチャー(これは、他の部分は関連しない多くのタンパク質によって共有される)を含むことが明らかになった。Davis,New Biol 2:410−419(1990)を参照のこと。既知タンパク質に対する明確な相同性は、特定のシステインスペーシングモチーフ(cysteine spacing motif)モチーフ「CXCXCXCXCXCXC」(ここで、Xは任意のアミノ酸である)を用いたプロフィール検索を実行した場合でさえも、見出されなかった。
(実施例3 Api m 6アイソフォームに対する抗体の作製)
モノクローナル抗Api m 6.03(配列番号3)抗体を産生するB細胞ハイブリドーマ株を、Api m 6.03(配列番号3)を用いて免疫したマウスから確立した。ハイブリドーマの培養上清を、PBS−Tween 1% ミルク中1:25,000で希釈し、メンブランとともに1時間室温でインキュベートした。特異的抗体結合を、HRP結合体化ヒツジ抗マウスIg抗体(Amersham,UK)を用いて検出し、ペルオキシダーゼ反応性を、増感化学発光によって可視化した。
(等価物)
本発明の特定の実施形態の上記の詳細な説明から、新規ハチ毒液アレルゲンが記載されたことが明らかなはずである。特定の実施形態が本明細書中に詳細に開示されるが、これは、例示目的のためのみで例としてなされ、上記の添付の特許請求の範囲の範囲に関して限定されることを意図しない。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載された発明。
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