JP2011092379A - 気管チューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】安全かつ円滑な気管挿管を行うことができる安価で簡易な構造が組み込まれた気管チューブを提供する。
【解決手段】チューブ本体と、観察対象物の照明用の光ファイババンドルと観察対象物の観察用の光ファイババンドルとを束ねる光ファイババンドル管と、観察用の光ファイババンドルの先端に配置され、観察対象物の像を観察用の光ファイババンドルの先端面に結ぶ対物光学系とを備える気管チューブであって、光ファイババンドル管はチューブ本体内の気密を保持した状態でチューブ本体内に挿入され、チューブ本体内に挿入された照明用および観察用の光ファイババンドルの先端は、チューブ本体の先端に設けられた開口を介して観察対象物に対向する位置に設けられ、対物光学系は接眼レンズ部によって視認可能な位置に設けられた中空の透明な環状管を有し、環状管内には液体が任意の割合で密封されていることを特徴とする気管チューブを提供する。
【選択図】図4
【解決手段】チューブ本体と、観察対象物の照明用の光ファイババンドルと観察対象物の観察用の光ファイババンドルとを束ねる光ファイババンドル管と、観察用の光ファイババンドルの先端に配置され、観察対象物の像を観察用の光ファイババンドルの先端面に結ぶ対物光学系とを備える気管チューブであって、光ファイババンドル管はチューブ本体内の気密を保持した状態でチューブ本体内に挿入され、チューブ本体内に挿入された照明用および観察用の光ファイババンドルの先端は、チューブ本体の先端に設けられた開口を介して観察対象物に対向する位置に設けられ、対物光学系は接眼レンズ部によって視認可能な位置に設けられた中空の透明な環状管を有し、環状管内には液体が任意の割合で密封されていることを特徴とする気管チューブを提供する。
【選択図】図4
Description
本発明は気管チューブに関し、特に施術時に患者の体腔内における位置を把握することが可能な気管チューブに関する。
従来から、気管挿管において患者の口または鼻から喉頭を経由して気管チューブを挿入して気道を確保する方法が採られている。気管挿管は、確実な気道確保を行うことができ誤嚥を防止することもできるため、さまざまな医学的状況において用いられている。例えば、患者の意識レベルが低下して昏睡状態や酩酊状態、特に心肺停止状態になった場合、咽頭筋の活動が低下して上気道が閉塞され、空気が肺に届かなくなることがある。また、分泌物や異物から下気道を保護するための咳反射や嚥下反射に障害が出ることもある。このような場合に気管挿管を行うことで、患者は気道を回復し、異物から下気道を保護することができる。また、手術時の全身麻酔においては、麻酔薬やオピオイド、筋弛緩剤等の作用により、患者の自発呼吸が減少したり停止したりすることがある。そこで、機械的な人工呼吸を可能にするために気管チューブが使用される。この他、気管チューブは、気管支鏡検査時や、レーザ治療や気管支へのステント留置を行う際、また人工呼吸が必要な集中治療時にも用いられることがある。
なお、気管挿管においては合併症が発生する可能性を踏まえて施術を行う必要がある。例えば、挿管の際に咽喉頭内を肉眼で確認しながら気管チューブを挿入するための機器として喉頭鏡を用いる場合があり、このとき患者の前歯を損傷してしまったり軟部組織を裂傷してしまったりすることがある。場合によっては、折れた歯が気管あるいは食道内に迷入することもある。また、喉頭を目視できない場合は、誤って食道に挿管してしまうことがある。聴診器等により患者の肺の換気音や排気内の二酸化炭素量を監視することで、食道挿管が発生しないように注意しながら施術することはできるが、誤挿管した場合は即座に抜去する必要がある。気管チューブを気管の奥に挿入しすぎると、気管チューブの先端が片方の気管支に挿入されることで片側の肺のみ換気を行うことになる片肺挿管が発生する場合もある。片肺挿管は、聴診器等にて両肺の換気音を確認することにより防止する対策が採られているが、これは間接的な防止対策にすぎない。そこで、気管挿管においてこれらの合併症をより確実に未然に防ぐことが可能な構成を有する気管チューブが求められている。
このような気管挿管に用いられる気管チューブとして、特許文献1に示すような経口兼経鼻用の長尺な気管チューブが知られている。この気管チューブでは、該気管チューブ内に挿通されたプラスチック製の照明用および観察用の光ファイババンドルを用いて、気道内に挿入された気管チューブの先端と対向する気道内の映像を取得することができる。気管チューブの基端側には、光源部と接眼レンズ部が設けられている。光源部から発生する光は、照明用の光ファイババンドルにより気管チューブ先端に伝搬され、観察対象物を照明する。観察対象物からの反射光は、気管チューブ先端に設けられた対物光学系を介して観察用の光ファイババンドルの先端面に入射する。対物光学系によって観察用の光ファイババンドルの先端面に結ばれた観察像は、光ファイババンドルを伝搬し、気管チューブ基端に設けられている接眼レンズに入射する。したがって、施術者は、該接眼レンズを介して患者の気道を目視しながら気管チューブを気管に安全に挿入し、適切な気管挿管を施行することができる。
ところが、上記の構成を有する気管チューブを用いる場合、救急時等、気管チューブを患者の気道に挿入しにくい状況下において、気管チューブを気道に挿入する際に気管チューブが捻れてしまうと、気管チューブ先端からの映像について上下左右を見分けることが困難になる。この結果、気管チューブを誤って食道側へ進行させてしまい、適切な気管挿管を行うことができなくなるおそれがある。また、気管チューブの上下左右を把握するための構造を気管チューブに組み込む場合、使い捨てにするという理由から、できるかぎり安価で簡易な構造である必要がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、気管チューブ挿入時にどのような状況においても気管チューブ先端からの映像を正しく認識し、より安全かつ円滑な気管挿管を行うことが可能な、安価で簡易な構造が組み込まれた気管チューブを提供することである。
本発明の一実施形態に係る気管チューブは、中空管状部材であるチューブ本体と、光源部からの照明光を伝搬して観察対象物を照明する照明用の光ファイババンドルと、観察対象物からの反射光を接眼レンズ部に伝搬する観察用の光ファイババンドルと、該観察用の光ファイババンドルの先端に配置され、観察対象物の像を該観察用の光ファイババンドルの先端面に結ぶ対物光学系とを備える気管チューブであって、照明用の光ファイババンドルおよび観察用の光ファイババンドルは、チューブ本体内に挿入され、チューブ本体内に挿入された照明用の光ファイババンドルおよび前記観察用の光ファイババンドルの先端は、該チューブ本体の先端に設けられた開口を介して観察対象物に対向する位置に設けられ、対物光学系は、接眼レンズ部によって視認可能な位置に設けられた、中空の透明な環状管を有し、環状管内には液体が任意の割合で密封されている。
好ましくは、液体は着色されている。環状管内には、さらに液体とは比重の異なる物質からなる粒状物が密封されている。そして、環状管の前側または後側に、反射光の一部を遮光する突起が設けられている。また、環状管の一部が着色されていたり、対物光学系によって観察対象物の像が結ばれる観察用の光ファイババンドルおいて、外縁に位置する光ファイババンドルの一部が欠損したりしている。これにより、接眼レンズ部における環状管の視認性を向上し、指標となる環状管と観察対象物とをより明確に区別して観察を行うことができる。
さらに好ましくは、対物光学系は、観察対象物側から順に、対物レンズ、コリメータレンズ、環状管、フィールドレンズ、リレーレンズの順で配置されている。あるいは、環状管が観察用の光ファイババンドルの直前に配置されている。また、チューブ本体にはR加工が施されており、突起が対物光学系の光軸中心から見て該チューブ本体の曲率中心方向を指す方向に位置する。このように、種々の構成によって、患者の体腔内の映像から気管チューブの上下左右を把握することができる。
そして、照明用の光ファイババンドルと観察用の光ファイババンドルは、チューブ本体内の気密を保持した状態で該チューブ本体内に挿入される。また、照明用の光ファイババンドルと観察用の光ファイババンドルは、光ファイババンドル管に束ねられており、光ファイババンドル管は、チューブ本体内の気密を保持した状態で該チューブ本体内に挿入される。これにより、光ファイババンドル管とチューブ本体との接続部から空気が漏れ出ないように防止して気管挿管を適切に行いつつ、患者の体腔内の観察対象物と環状管の指標とを組み合わせたより効率的な観察を実現することができる。
本発明の気管チューブによれば、常に患者の体腔内の映像から気管チューブの捻れや屈曲等の状態や位置を容易かつ確実に把握することができるため、施術者による気管挿管の安全性と効率が向上する。また、気管チューブに組み込まれている環状管や種々の方向指標は安価で簡易な構造であるため、チューブ本体や対物光学系等の他の部材とともに使い捨てにすることができるため、洗浄や消毒の手間やコストを省くことができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における気管チューブについて説明する。なお、複数の図にまたがって同じ部材を示す場合は同じ番号を付すこととする。また、気道内に挿入される気管チューブの一端を先端とし、挿入されない他端を基端とする。
図1は、第1の実施形態における気管チューブ1の構成の概略を示す図である。図2は、図1に示す気管チューブ1の先端部の拡大図である。気管チューブ1のチューブ本体2は、ポリ塩化ビニルやシリコーンゴム等の生体適合性を有する樹脂材からなる長尺な中空円筒形状の管状部材である。チューブ本体2は、患者の口または鼻から気管に挿入しやすいようにR加工がなされている。チューブ本体2の外周面には、挿入長さを確認することができるように長手方向に沿ってデプスマーク(図示せず)が付されている。
患者の気管に挿入する側のチューブ本体2の先端に設けられた開口部4は、気管内組織を損傷しないように傾斜面を有し、かつ組織を圧迫しないように柔軟性を持たせた構造となっている。開口部4付近のチューブ本体には、気道閉塞防止用のマーフィー孔(図示せず)が設けられている。よって、例えばチューブ本体2の先端が気管壁に密着したり、チューブ本体2の先端に分泌物や血液塊が付着したりして、施術中にチューブ本体2の先端に設けられた開口部4が塞がってしまった場合でも、マーフィー孔から換気を行うことができる。また、チューブ本体2の基端には、患者に酸素を送気する際に用いるスリップジョイント10が取り付けられている。酸素送気時は、まずスリップジョイント10にT型アダプタやT字コネクタ等のTピース(図示せず)を接続する。Tピースにより、酸素の流入口と患者の呼気の出口を確保することができる。そして、Tピースに酸素ボンベ(図示せず)等を接続して、患者に酸素を送気するとともに患者の呼吸を促す。
患者の気管に挿入する側のチューブ本体2の先端部付近には、チューブ本体2の外周面を覆うポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂からなるバルーン3が設けられている。バルーン3にはバルーン用送気チューブ8を介してバルーン用送気部9が接続されている。バルーン用送気部9にはシリンジ(図示せず)を差し込み、シリンジの操作によりバルーン3に空気を送り込む。バルーン用送気部9にはバルーン3の圧力制御用の弁やバルブ(図示せず)が設けられており、バルーン3が膨張した状態を維持することができる。なお、バルーン3の排気を行う際は、シリンジおよび弁またはバルブを操作して行う。また、シリンジによって空気を送り込みバルーン3を膨張させることにより、バルーン3の外面を気管に押し付ける。これによって、バルーン3は、気管チューブ1を患者の気管内の所望の位置に固定したり、気道を確保したりすることができる。さらに、気管チューブ1を患者に挿入した後に、患者の気管の輪状軟骨付近においてバルーン3を膨張させたり、空気の出し入れを行ったりすることで、触診により気管チューブ1が適切に患者の気管に挿入されているかどうかを確認することもできる。なお、図には示さないものの、チューブ本体2の長手方向にわたって造影ラインを設けることにより、施術時に胸部レントゲン写真を撮ることでチューブ本体2の先端位置を確認することができる。チューブ本体2の先端が気管分岐部より2〜3cm上方、すなわち気管の中央にある位置が適切であると考えられる。図ではバルーンを1つのみ設けた構成としているが、チューブ本体2の長手方向に複数個設け、チューブ本体2の基端側に最も近い方のバルーンを膨張させて食道を閉塞し、胃内への空気の流入及び胃の内容物の逆流を確実に防ぐこともできる。
また、チューブ本体2の中途部において、光源部13からの照明光をチューブ本体2の先端に伝搬する照明用の光ファイババンドルと観察対象物からの反射光を接眼レンズ部12に伝搬する観察用の光ファイババンドルとを束ねた光ファイババンドル管11の中途部が、チューブ本体2に気密的に挿入されている。このため、送気時に光ファイババンドル管11とチューブ本体2との接合部から空気が漏れ出ることがない。光ファイババンドル管11は、照明用の光ファイババンドルと、観察用の光ファイババンドルと、これらの光ファイババンドルを被覆する被覆管とからなる。便宜上、照明用の光ファイババンドルと観察用の光ファイババンドルとを光ファイババンドル管11にまとめているが、それぞれ別個の光ファイババンドル管を用いて構成してもよい。照明用の光ファイババンドルの基端には、患者の気管内を確認するための照明光を発生する光源部13が設けられ、観察用の光ファイババンドルの基端には、施術者が患者の気管内の観察対象物の像を目視するための接眼レンズ部12が設けられている。さらに、照明用の光ファイババンドルの先端は、光ファイババンドル管11とともにチューブ本体2内に挿し通されて先端の開口部4まで延びており、観察対象物と対向する位置に配置固定される。したがって、光源部13からの照明光は、照明用の光ファイババンドルを伝搬してその射出端5から観察対象物に向けて射出される。一方、観察用の光ファイババンドルの先端側も、同様に、光ファイババンドル管11とともにチューブ本体2内に挿し通されて先端の開口部4まで延びており、照明用の光ファイババンドルの先端に設けられた対物光学系6は、開口部4を介して、観察対象物に対峙する。そして、照明用の光ファイババンドルから射出された照明光によって照明された観察対象物からの反射光は対物光学系6を経由して観察用の光ファイババンドルの先端面に結像され、先端面に結ばれた観察像は、観察用の光ファイババンドルを伝搬して接眼レンズ部12に到達し、施術者は、接眼レンズ部12を介して観察対象物の観察像を目視することができる。
図3は、本実施形態における対物光学系6の構成の概略を示す図である。対物光学系6は、対物レンズ6a、コリメータレンズ6b、フィールドレンズ6c、リレーレンズ6d、指標管7からなる。対物光学系6を構成するこれらの各光学部材は、中空円筒形状の金属部材である保護管11bの内周面に、観察用の光ファイババンドル11aとともに固定されている。保護管11bは、被覆管11cによって被覆されている。観察対象物からの反射光は、対物レンズ6aに入射する。対物レンズ6aからの光はコリメータレンズ6bによって平行光に変換される。コリメータレンズ6bから射出した平行光は、方向指標としての環状管が設けられた透明な指標管7に入射する。指標管7は、光軸に垂直な平面内に設けられており、指標管7に入射した光は、平行光として射出され後段のフィールドレンズ6cに入射する。フィールドレンズ6cを透過した光はリレーレンズ6dを経由して光ファイババンドル11aの先端面に入射する。以上により、対物レンズ6aの射出瞳がリレーレンズ6dの入射瞳に結像され、観察対象物の像の光は、指標管7上に設けられた環状管の像とともに光ファイババンドル11aの先端面に導かれる。
図4は、指標管7の構成の概略を示す図である。指標管7は、透明部材からなり、該指標管の中心を中心点とする中空の環状管7bを有する。環状管7bは、対物光学系の光軸と直交する面に設けられている。環状管7bは透明部材であるが、患者の体腔内の観察をできるだけ阻害しないようにするためにも、図に示すように環状管7bは保護管11bの内周面上に設けるのが好ましい。環状管7bには液体7cが密封されており、液体7cの滞留状態から本体チューブ2の重力方向を判断することができる。液体7cは、着色したものを用いて重力方向の視認性を高めるようにしてもよい。環状管7bの前側または後側には、三角形の平板部材からなる突起7aが設けられている。突起7aは環状管7bに固定されており、突起7aは視認性を高めるために着色されていると好ましい。
観察対象物からの反射光は、対物レンズ6aだけでなく環状管7bも透過して光ファイババンドル11aの先端面に入射するため、接眼レンズ部12では観察対象物とともに環状管7b内の液体7cの滞留状態も確認することができる。したがって、取得した観察映像における液体7cの滞留状態から、観察対象物とチューブ本体2との位置関係を把握し、施術を確実に行うことができる。さらに、液体7cの滞留状態だけでなく突起7aの位置も確認することにより、突起7aの位置と液体7cの滞留位置との相対的な位置関係から、チューブ本体2の捻れや屈曲等の状態を瞬時に的確に判断して、施術をより円滑かつ確実に行うことができる。これにより、開口部4を介して体腔内へ導出された処置具の操作を円滑に行うこともできる。なお、環状管7bの内周部7dは、中空でもよいし、コリメータレンズ6bからの平行光に対して光学的な変化を与えない光透過部材によって構成してもよい。そのような光透過部材によって内周部7dを構成すると、指標管7の強度を高めることができる。突起7aは、チューブ本体2の捻れや屈曲等の状態を把握するために用いるため、映像から例えば造影ラインが設けられている方向を認識できるようにする等、本体チューブ2と突起7aとの相対的位置を容易に把握することができる位置に設ける。他にも、突起7aを、対物光学系6の光軸中心から見て、チューブ本体2に対するR加工における曲率中心方向に位置するように設けることもできる。
図5に、接眼レンズ部12において確認することができる画像の一例を示す。なお、この例では、突起7aは、対物光学系6の光軸中心から見て、チューブ本体2に対するR加工における曲率中心方向に位置するように設けている。突起7aはチューブ本体2の捻れや屈曲等に応じてその位置を異にし、環状管7b内の液体7cはチューブ本体2の捻れや屈曲等に関係なく常に重力に従って移動する。したがって、突起7a、液体7c、観察対象物の像の相対的な位置関係から、患者の気管内における本体チューブ2の位置を把握することや患者の観察対象物の診断を迅速に行うことができる。図5に示す画像では、液体7dの状態から鉛直下向きが重力方向であり、突起7aが液体7dに対して時計回りの方向にずれていることから、本体チューブ2が時計回りの方向に捻れていることがわかる。このようにして、観察画像から容易に体腔内における上下左右を把握することができる。
図6(a)及び(b)に、第2の実施形態における気管チューブの対物光学系の構成の概略を示す。本実施形態の気管チューブの対物光学系以外の部材については、上記の第1の実施形態における気管チューブと同じであるため、詳細な説明は省略する。図6(a)に示すように、本実施形態においては、指標管7を光ファイババンドル11aの直前に配置している。従って、光ファイババンドル11aのうち端部が指標管7と対向する光ファイババンドルは、対物光学系6を経由した観察対象物からの反射光を、指標管7を通過させて受光する。このため、接眼レンズ部12において、第1の実施形態と同様に、図5に示すものと同じ画像を確認することができる。画像は図5と同じであるため、詳細な説明は省略する。
接眼レンズ部12は接眼レンズを有し、接眼レンズを光軸方向に移動して像焦点距離を調整することもできる。また、接眼レンズ部12に撮像素子(CCDやCMOS等)を有するカメラを取り付けて患者の体腔内を撮像することも可能である。なお、チューブ本体2と光ファイババンドル管11との接合部はチューブ本体2の任意の位置に設けることができ、チューブ本体2の中途部に限らず、開口部4付近の先端やスリップジョイント10付近の基端に設けて光ファイババンドル管11をチューブ本体2内に移行させる構成であってもよい。
上記のように液体7cの滞留状態から重力方向を判断する際は、液体7cの表面の位置を基準にしているが、環状管7bに液体7cを気泡とともに密封し、気泡の位置を基準にして重力方向を判断するように構成することもできる。気泡の代わりに液体とは比重の異なる物質からなる粒状物を用いて、粒状物の浮上あるいは沈降を利用して重力方向を判断してもよい。したがって、環状管7bに密封する液体の割合は任意に設定して、それぞれの割合に応じて重力方向を判断する基準を液体にするか気泡等の液体以外のものにするかを決定することができる。
また、突起7aは、図に示す三角形の平板部材に限らず、任意の厚さおよび形状の部材を用いてもよいし、複数の異なる部材を任意に組み合わせて用いてもよい。例えば、光ファイババンドル11aにおいて外縁に位置する光ファイババンドルのうちの一部を欠損させたり、環状管7bの一部を着色したりしても、突起7aを設けた場合と同様に観察映像において気管チューブ1の状況を把握することができる。上記の説明では、突起7aは環状管7bに固定しているが、保護管11bの内周面に固定してもよい。
ところで、接眼レンズ部12および光源部13とチューブ本体2とが近すぎると、施術時に患者の体腔内を観察する際に患者の体勢によっては施術者と患者が接近するために気管チューブ1の操作に支障を及ぼす可能性がある。そこで、接眼レンズ部12および光源部13がチューブ本体2からおよそ5cm以上離れるように、光ファイババンドル管11を設ける。このように光ファイババンドル管11の長さを設定することにより、例えば患者を側臥位の状態にして気管挿管をする場合に、接眼レンズ部12から患者の体腔内を観察する際、施術者が患者と同じように側臥位の体勢を取る必要はなくなる。このため、施術者は患者の体勢に合わせて体勢を変える必要がなく、気管挿管をより円滑に行うことができる。
また、バルーン用送気チューブ8と光ファイババンドル管11がそれぞれ独立して延びていると、まとまりが悪くなって気管チューブ1の操作が阻害されて気管挿管の施術効率が低下する可能性がある。そこで、バルーン用送気チューブ8と光ファイババンドル管11を1つにまとめることによって気管チューブ1の操作性を向上させることができる。なお、バルーン用送気チューブ8と光ファイババンドル管11を1つのチューブにまとめる場合、チューブ内におけるバルーン用送気チューブ8と光ファイババンドル管11による充填率を90%以下にする。充填率を90%以下にするのは、チューブ内においてバルーン用送気チューブ8と光ファイババンドル管11の自由度を確保するためである。また、バルーン3への送気を行う際に、バルーン用送気チューブ8が膨張して光ファイババンドル管11への押圧力が大きくなり光ファイバの折れ等が発生しないようにするためでもある。なお、バルーン用送気チューブ8と光ファイババンドル管11に限らず、その他の部材を1つのチューブにまとめてもよい。
1 気管チューブ
2 チューブ本体
4 開口部
5 射出端
6 対物レンズ
7 指標管
7a 突起
7b 環状管
7c 液体
11 光ファイババンドル管
11a 観察用の光ファイババンドル
12 接眼レンズ部
13 光源部
2 チューブ本体
4 開口部
5 射出端
6 対物レンズ
7 指標管
7a 突起
7b 環状管
7c 液体
11 光ファイババンドル管
11a 観察用の光ファイババンドル
12 接眼レンズ部
13 光源部
Claims (11)
- 中空管状部材であるチューブ本体と、光源部からの照明光を伝搬して観察対象物を照明する照明用の光ファイババンドルと、観察対象物からの反射光を接眼レンズ部に伝搬する観察用の光ファイババンドルと、該観察用の光ファイババンドルの先端に配置され、観察対象物の像を該観察用の光ファイババンドルの先端面に結ぶ対物光学系とを備える気管チューブであって、
前記照明用の光ファイババンドルおよび前記観察用の光ファイババンドルは、前記チューブ本体内に挿入され、
前記チューブ本体内に挿入された前記照明用の光ファイババンドルおよび前記観察用の光ファイババンドルの先端は、該チューブ本体の先端に設けられた開口を介して観察対象物に対向する位置に設けられ、
前記対物光学系は、前記接眼レンズ部によって視認可能な位置に設けられた、中空の透明な環状管を有し、
前記環状管内には液体が任意の割合で密封されている、
ことを特徴とする気管チューブ。 - 前記液体は着色されていることを特徴とする請求項1に記載の気管チューブ。
- 前記環状管内には、さらに前記液体とは比重の異なる物質からなる粒状物が密封されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気管チューブ。
- 前記環状管の前側または後側に、前記反射光の一部を遮光する突起が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の気管チューブ。
- 前記環状管の一部が着色されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の気管チューブ。
- 前記対物光学系によって前記観察対象物の像が結ばれる前記観察用の光ファイババンドルおいて、外縁に位置する光ファイババンドルの一部が欠損していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の気管チューブ。
- 前記対物光学系は、前記観察対象物側から順に、対物レンズ、コリメータレンズ、前記環状管、フィールドレンズ、リレーレンズの順で配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の気管チューブ。
- 前記環状管が前記観察用の光ファイババンドルの直前に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の気管チューブ。
- 前記チューブ本体にはR加工が施されており、前記突起が前記対物光学系の光軸中心から見て該チューブ本体の曲率中心方向を指す方向に位置することを特徴とする請求項6に記載の気管チューブ。
- 前記照明用の光ファイババンドルと前記観察用の光ファイババンドルは、前記チューブ本体内の気密を保持した状態で該チューブ本体内に挿入されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の気管チューブ。
- 前記照明用の光ファイババンドルと前記観察用の光ファイババンドルは、光ファイババンドル管に束ねられており、
前記光ファイババンドル管は、前記チューブ本体内の気密を保持した状態で該チューブ本体内に挿入される、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の気管チューブ。
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Cited By (2)
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