JP2011086765A - 自己組織化単分子膜有機トランジスタとその製造方法、及びそれを用いたバイオセンサ及びその製造方法 - Google Patents

自己組織化単分子膜有機トランジスタとその製造方法、及びそれを用いたバイオセンサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機トランジスタを用いたバイオセンサが溶液中で使用できるように、水の分解電圧より低い電圧で駆動できる有機トランジスタを提供すること。
【解決手段】自己組織化単分子膜有機トランジスタ1を用いたバイオセンサが、絶縁基板2上に形成されたゲート電極3と、ゲート電極3とシランカップリングとなる末端基10を介して結合するスペーサ5とスペーサ5に一端で結合する有機半導体6とを含む一体の有機半導体単分子4が自己組織化作用によりゲート電極3上に形成された有機半導体単分子膜40と、有機半導体単分子膜40上に形成されたソース電極8及びドレイン電極9と、有機半導体単分子4の一部のものに結合した抗体7とを備えるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機トランジスタを用いたバイオセンサに関し、特に、自己組織化単分子膜有機トランジスタを用いたバイオセンサ及びその製造方法に関する。
医療分野においても、近年飛躍的に集積度が改善され、高機能で低価格化を実現してきたSiを用いた半導体トランジスタセンサが多く利用されてきた。しかし、Siを用いた半導体チップセンサは、医療分野の検査用センサとしては依然として高価であり、低価格化が求められている。
一方、ゲート絶縁膜上に有機半導体薄膜を形成し、有機半導体薄膜上にソース電極及びドレイン電極を形成した構造の有機半導体を用いたバイオセンサ(特許文献1)及び、導電性層上に生体分子に対して感応性表面を備えた構造のバイオセンサ(特許文献2)が提案されている。
また、有機トランジスタの特性の改善に関して、自己組織化による有機半導体膜を用いた有機トランジスタにおいて、キャリア移動度を改善した有機トランジスタ(非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3)及び、低電圧で駆動する有機トランジスタ(非特許文献4)が報告されている。
さらに、シリコンゲート酸化膜上に、有機半導体とスペーサと末端基とを一体に結合した単分子を自己組織化により有機半導体の単分子膜として形成した有機トランジスタ(非特許文献5)、低電圧で駆動する有機トランジスタ(非特許文献6)及び、ゲート絶縁膜上に自己組織化作用により有機半導体膜を形成した有機トランジスタ(非特許文献7)が報告されている。
特開2006−258661号公報 特開2003−329638号公報
Chem.Lett.,38,(6)550−551(2009) Appl.Phys.Lett.,94,023305−1−23305−3(2009) Chem.Lett.,37,(1)44−45(2008) Phys.Stat.Soli.(a)205,2970−2974(2008) Nature,455,956−959,2008 Science,283,822−824,1999 Adv.Funct.Mater.2007,17,597−604
有機トランジスタを用いたバイオセンサを形成するためには、バイオセンサが溶液中で使用しても有機半導体が剥離しないことが必要である。また、有機トランジスタを用いたバイオセンサが溶液中で正常に駆動するためには、有機トランジスタが水の電気分解する電圧より低い電圧で駆動できることが必要である。
したがって、有機トランジスタが溶液中で使用でき、使用中に有機半導体が剥離しないように、基板に強固に固定されており、また、有機トランジスタが溶液中で使用できるように、水が電気分解する電圧より低くなる程度の電圧(1V程度)で駆動できる有機トランジスタを用いたバイオセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の自己組織化単分子有機トランジスタを用いたバイオセンサにおいて、絶縁基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極とシランカップリングとなる末端基を介して結合するスペーサと前記スペーサに一端で結合する有機半導体とを含む一体の有機半導体単分子が自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成された有機半導体単分子膜と、前記有機半導体単分子膜上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記有機半導体単分子の一部のものに結合した抗体とを備えるようにした。
さらに、前記有機半導体は、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン、ピレン、ターフェニル、クォーターフェニル、キンキフェニルなどの芳香族化合物およびその誘導体;チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェンの4ないし8量体;ペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体;フタロシアニン誘導体のいずれかから構成されようにし、また、前記有機半導体は、ペンタセン、チオフェン6量体、またはペリレンテトラカルボン酸ジイミドのいずれかからなるようにすることが好適である。
また、前記抗体は、前立腺癌マーカー(PSA、PAP、γ−セミノプテイン)、肺癌マーカー(SLX、SCC、シフラ、NSE)、肝臓癌マーカー(AFP、PIVKA−II)、子宮癌マーカー(SCC)、乳癌マーカー(CA15−3、BCS225、NCC−ST−439)、胆嚢・膵臓癌マーカー(CA19−9、DUPAN−2、SPAN−1)、卵巣癌マーカー(CA125、CA72−4、STN、SLX)のいずれか1つの癌マーカーに対して選択的に結合するようにし、また、前記抗体は、複数の異なる種類の抗体を含み、前記異なる種類の抗体はそれぞれ、異なる癌マーカーに対して選択的に結合するものとすることができ、さらに、前記抗体は、前記前立腺癌マーカー(PSA、PAP、γ−セミノプテイン)に対して選択的に結合するようにすることが好適である。
また、前記抗体は、ポリペプチドリンカーにより前記有機半導体と結合されるようにした。
また、前記スペーサは、アルキレン基、ポリアルキルエーテル基、ポリシロキサン基、ポリエステル基、ポリアミド基またはポリイミド基に属するいずれかの基からなるようにし、また、前記スペーサは、アルキレン基であるようにし、さらに、前記スペーサは、ドデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基のいずれかとすることが好適である。
また、前記ゲート電極と前記スペーサとは、SiRR123の一般式で表される末端基により結合されるようにし、また、前記末端基の前記一般式のSiRR123のR1、R2,R3が塩素、メトキシ基又はエトキシ基のいずれかとした。ここで、SiRR123のRは前記スペーサであって、SiRR123のR1、R2,R3の1つ以上には、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素などのハロゲン基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基を含むことができる。
上記課題を解決するために、本発明の自己組織化単分子有機トランジスタを用いたバイオセンサの製造方法では、絶縁基板上にゲート電極を形成する工程と、一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサと、前記スペーサの他端と結合した有機半導体からなる一体の有機半導体単分子から有機半導体単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程と、前記有機半導体単分子膜の一部に抗体を結合する工程と、前記有機半導体単分子膜上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを備えるようにした。
また、上記課題を解決するために、本発明の自己組織化単分子有機トランジスタを用いたバイオセンサの製造方法において、絶縁基板上にゲート電極を形成する工程と、一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に結合した第1有機半導体単分子と、一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に一端で結合し他端で抗体と結合した第2有機半導体単分子とからなる有機半導体単分子膜とを、自己組織化作用によりゲート電極上に形成する工程と、前記有機半導体単分子膜上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを備えるようにした。
また、上記課題を解決するために、本発明の有機トランジスタにおいて、絶縁基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極と結合するスペーサと前記スペーサに一端で結合する有機半導体とからなる一体の有機半導体単分子が自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成された有機半導体単分子膜と、前記有機半導体単分子膜上に形成されたソース電極及びドレイン電極とを備えるようにした。
また、上記課題を解決するために、本発明の有機トランジスタの製造方法において、絶縁基板上にゲート電極を形成する工程と、スペーサと前記スペーサに一端で結合する有機半導体とからなる一体の有機半導体単分子から有機半導体単分子膜を自己組織化作用によりゲート電極上に形成する工程と、前記有機半導体単分子膜上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを備えるようにした。
本発明のバイオセンサにおいては、有機半導体単分子膜を構成する有機半導体単分子は、末端基のシランカップリングにより、基板に強固に固定されている。したがって、有機トランジスタをバイオセンサとして水溶液中で使用したときに、相互に結合した末端基とスペーサと有機半導体とからなる一体の有機半導体単分子から形成された有機半導体単分子膜の層状の有機半導体は層状のスペーサから剥離することなく、有機トランジスタとして安定に動作する。
また、ゲート電極上に自己組織化作用により形成された有機半導体単分子膜の層状のスペーサがゲート絶縁膜として機能する。そして、ゲート絶縁膜として機能する層状のスペーサは非常に薄く(数nm程度)できるから、有機トランジスタの駆動電圧は低電圧となり、有機トランジスタは、水の電気分解の生ずる電圧より低い1V程度で駆動できる。
また、有機半導体単分子に直接に結合された抗体に癌マーカーが結合した際に、有機トランジスタのチャネルを構成する、有機半導体単分子膜の層状の有機半導体において電気伝導特性が変化し、チャネル抵抗が大きく変化するから、有機トランジスタへの癌マーカーの結合を高感度で直接検出できる。
本発明のバイオセンサの製造方法においては、末端基のシランカップリングによる自己組織化作用により、層状のスペーサ及び層状の有機半導体からなる有機半導体単分子膜をゲート電極上に形成できるから、層状のスペーサをゲート絶縁膜とする有機トランジスタを用いたバイオセンサを簡単な工程により低コストで製造することが可能である。
本発明の有機トランジスタにおいては、ゲート電極上に自己組織化作用により形成された有機半導体単分子膜の層状のスペーサがゲート絶縁膜として機能する。そして、ゲート絶縁膜として機能する層状のスペーサは非常に薄く(数nm)できるから、有機トランジスタの駆動電圧を低電圧にできる。
本発明の有機トランジスタの製造方法においては、自己組織化作用を利用して、層状のスペーサ及び層状の有機半導体からなる有機半導体単分子膜をゲート電極上に形成できるから、層状のスペーサをゲート絶縁膜とする有機トランジスタを簡単な工程により低コストで製造することが可能である。
本発明の実施形態1を示した図である。 (a)(b)(c)は、本発明の実施形態1の有機半導体単分子膜を構成する有機半導体単分子を説明する図である。 本発明の実施形態1の有機半導体単分子を合成する工程の1例を説明する図である。 (a)(b)(c)は、本発明の実施形態1の有機半導体単分子膜中での電気伝導のメカニズムを説明する図である。 (a)ないし(f)は、本発明の有機半導体単分子膜トランジスタを製造する方法の工程を説明する図である。 (a)(b)(d)ないし(h)は、本発明の実施形態1の有機半導体単分子膜トランジスタを製造する方法の工程を説明する図である。 (a)ないし(f)は、本発明の実施形態1の有機半導体単分子膜トランジスタを製造する方法の他の工程を説明する図である。
[実施形態1]
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態1であるバイオセンサに使用する有機トランジスタを示す図である。有機トランジスタ1のゲート電極3は、金属薄膜として、ガラスまたはプラスチックなどの絶縁基板2上に形成される。そして、末端基10、スペーサ5と一体に結合した有機半導体6からなる第1有機半導体単分子4を自己組織化作用により規則正しく配列した有機半導体単分子膜40としてゲート電極3上に形成し、さらに、有機半導体単分子膜40上にソース電極8及びドレイン電極9を形成して有機トランジスタ1を構成する。なお、絶縁基板2として、表面に絶縁層を形成した半導体基板も使用できる。また、ゲート電極3、ソース電極8及びドレイン電極9には金属薄膜以外の導電性の薄膜も使用できる。
第1有機半導体単分子4の少数のものは、スペーサ5が結合される端部と反対側の第1有機半導体単分子4の端部に、抗体7が結合されている。ここで、第1有機半導体単分子4に結合された抗体7に標的分子と選択的に結合することにより、標的分子を検出する。したがって、有機トランジスタ1の有機半導体単分子膜40は、抗体7の結合された有機半導体単分子と、抗体の結合されていない第1有機半導体単分子4とで構成されている。
ここで、自己組織化単分子膜とは、分子が物質表面に自発的に化学吸着し、単分子の層を形成することによってできる膜のことである。有機トランジスタ1の製造工程では、有機半導体6と一体に結合したスペーサ5の端部に末端基10が接続された第1有機半導体単分子4を水に溶かし、その水溶液にゲート電極3の表面を浸漬する。その結果、単純な付着現象とは異なり、第1有機半導体単分子4がゲート電極3の表面に自発的に化学吸着して、第1有機半導体単分子4がゲート電極3の表面に2次元的な細密構造の膜を自発的に形成する。このようにして、本発明の有機半導体単分子膜40が形成される。
有機トランジスタ1には、有機半導体単分子膜40のゲート電極3側に、有機半導体単分子膜の一部である、層状のスペーサ50が形成される。この層状のスペーサ50が有機トランジスタのゲート絶縁膜の働きをする。スペーサ5として、例えば、ドデシレン基(C12)ないしオクタデシレン基(C18)を用いると、それらの分子構造から分子長が決定されるので、層状のスペーサ50の厚さは、ドデシレン基で1.8nm、オクタデシレン基で2.7nmとなる。したがって、ドデシレン基(C12)ないしオクタデシレン基(C18)を用いると、層状スペーサの厚さは、2ないし3nm程度に薄く形成できる。
ここで、非特許文献3には、350nmのSiO2膜をゲート絶縁膜とした有機半導体の駆動電圧は約50Vの負電圧であることが記載されている。SiO2膜の比誘電率は3.8程度であり、また、ドデシレン基及びオクタデシレン基を含むアルキレン基などの有機物の比誘電率は約3である。したがって、非特許文献3に記載されるSiO2膜をゲート絶縁膜とする有機半導体体の駆動電圧を参考にして計算すると、本発明の有機半導体のゲート絶縁膜の働きをする層状スペーサの厚さが2ないし3nm程度のとき、本発明の有機半導体の駆動電圧は0.36Vないし0.54Vとなると予測される。よって、層状のスペーサ50をゲート絶縁膜とした有機トランジスタの駆動電圧の低電圧化が図れる。また、ゲート絶縁膜の働きをする層状のスペーサ50の厚さは、トランジスタの駆動電圧が1V程度またはそれ以下となるように選択することができる。
ところで、末端基10、スペーサ5と有機半導体6とは一体の第1有機半導体単分子4を構成するのであって、層状のスペーサ50と層状の有機半導体60とが独立に形成されるのではない。そして、末端基10、スペーサ5と有機半導体6とは一体の第1有機半導体単分子4を構成要素として、末端基10のシランカップリングを利用した自己組織化作用により、層状のスペーサ50と層状の有機半導体60とが一体となった有機半導体単分子膜40が形成される。
また、有機半導体6の材料としては、芳香族化合物およびその誘導体;チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェンの4ないし8量体;ペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体;フタロシアニン誘導体が使用でき、中でも、溶媒への溶解性が高く、キャリア移動度が高いペンタセン、チオフェン6量体、ペリレンテトラカルボン酸ジイミドが特に好ましい。
さらに、スペーサとしては、アルキレン基、ポリアルキルエーテル基、ポリシロキサン基、ポリエステル基、ポリアミド基、ポリイミド基が使用でき、中でも溶媒への溶解性と自己組織化能に優れたドデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基が特に好ましい。
また、スペーサがゲート電極とシランカップリングにより結合する端部には、末端基として、SiRR123の一般式で表される末端基が使用される。ここで、Rはスペーサであって、R1、R2,R3の1つ以上に、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素などのハロゲン基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基を含む末端基が使用される。このうち、溶媒への溶解性が高く、反応性の抑制が比較的容易な塩素、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
したがって、これらの末端基を用いることにより、スペーサ5はゲート電極3に強固に固定され、第1有機半導体単分子4がゲート電極3上に自己組織化作用により規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を形成できる。
さらに、有機半導体6の端部に結合する抗体7は、標的分子と選択的に結合するものである。標的分子として、癌マーカーを選択すると、有機半導体6の端部に結合する抗体7は、検出する癌マーカーと選択的に結合する。そして、癌マーカーとしては、前立腺癌マーカー(PSA、PAP、γ−セミノプテイン)、肺癌マーカー(SLX、SCC、シフラ、NSE)、肝臓癌マーカー(AFP、PIVKA−II)、子宮癌マーカー(SCC)、乳癌マーカー(CA15−3、BCS225、NCC−ST−439)、胆嚢・膵臓癌マーカー(CA19−9、DUPAN−2、SPAN−1)、卵巣癌マーカー(CA125、CA72−4、STN、SLX)などが使用できる。
ところで、抗体7については、第1有機半導体単分子4に抗体7を結合する際、抗体7の活性を維持したまま第1有機半導体単分子4に固定できるようにする。そのため、例えば、抗体7として前立腺癌抗体を用いた場合には、前立腺癌抗体に対して高い親和性を有するポリペプチドリンカーを用いることにより、選択性及び収率が高く、抗体の活性を失うことなく、抗体7を第1有機半導体単分子4に固定することができる。
図2(a)(b)(c)は、本発明のバイオセンサの実施形態1の有機半導体単分子膜40を構成する第1有機半導体単分子4を説明する図である。
図2(a)は、スペーサ5と有機半導体6とからなる第1有機半導体単分子4に、末端基10が結合された第1有機半導体単分子4であり、図1で説明した有機半導体単分子膜40の構成要素である。そして、第1有機半導体単分子4は、末端基とスペーサ5と有機半導体6とからなる一体の単分子である。
図2(b)は、末端基10とスペーサ5と有機半導体6とからなる第1有機半導体単分子4に、さらに抗体7が結合した第2有機半導体単分子12である。そして、第2有機半導体単分子12は、末端基10とスペーサ5と有機半導体6及び抗体7とからなる一体の単分子である。
図2(c)は、第2有機半導体単分子12の抗体に、マーカー11が結合した状態を説明するものである。有機半導体単分子膜40の一部の第2有機半導体単分子12に結合した抗体7に、溶液中に導入された検出されるべきマーカー11が、選択的な生体分子認識反応により結合することにより、マーカー11が検出される。
[有機半導体単分子の合成]
図3(a)(b)(c)は、実施形態1の有機半導体単分子の合成の工程の1例を説明するものである。図3(a)ないし(c)の上側には、一部分子の構造を示し、下側には、各構成要素の概念図を示した。
図3(a)(b)(c)により、ゲート電極3に固定するための末端基10と、末端基10と有機半導体6と結合するスペーサ5と、有機半導体6と、抗体7とから構成される第2有機半導体単分子12の合成方法について説明する。
図3(a)は、末端基10と結合したスペーサ5と、有機半導体6とを合成する工程を説明するものである。有機半導体6として、共役π電子系の電子の多い、6つのチオフェン環(C4H4S)を備えた有機半導体61を用い、有機半導体61の一端に、ピリジン環(C5H5N)62を結合する。次いで、ピリジン環62に、スペーサ5の一端を結合する。さらに、スペーサ5の他端に、ゲート電極3に固定するための末端基10が結合される。末端基10には、SiRR123の一般式で表される末端基が用いられ、末端基10は、シランカップリングによりゲート電極3表面に固定される。
図3(b)は、図3(a)の工程で合成された第1有機半導体単分子4である。そして、第1有機半導体単分子4は、6つのチオフェン環61(有機半導体)の端部に結合したピリジン環62と結合したスペーサ5と、更にゲート電極3に固定するための末端基10とからなる一体の単分子である。
スペーサ5として、例えば、ドデシレン基(C12)ないしオクタデシレン基(C18)を用いると、層状のスペーサ50の厚さは、それらの分子構造から分子長が決定されて、ドデシレン基で1.8nm、オクタデシレン基で2.7nmとなる。したがって、ドデシレン基(C12)ないしオクタデシレン基(C18)を用いると、層状スペーサ50の厚さは、2ないし3nm程度に薄く形成できる。そのため、層状のスペーサ50をゲート絶縁膜としたトランジスタの駆動電圧は低電圧化される。ここで、ゲート絶縁膜の働きをする層状のスペーサ50の厚さは、トランジスタの駆動電圧が1V程度またはそれ以下となるように選択することができ、層状のスペーサ50の厚さは、2nmないし数nm程度が望ましい。
図3(c)は、第1有機半導体単分子4に抗体7を結合してなる第2有機半導体単分子12を合成する工程を説明するものである。スペーサ5と結合したチオフェン環61(有機半導体)に抗体7を結合するために、チオフェン環61の一端に抗体7との反応性を示す官能基を結合し、その後、抗体7と官能基との反応により、チオフェン環61(有機半導体)に抗体7を結合する。このようにして、有機トランジスタ1を製造するために必要である、スペーサ5を介して末端基10と結合し、抗体7とも結合した第2有機半導体単分子12が合成される。
有機半導体単分子に抗体7を結合する際に、抗体7が前立腺癌抗体である場合、前立腺癌抗体に高い親和性を有するポリペプチドリンカーを用いると、選択性がよく、合成における収率も高く、抗体7の活性を失うことなく有機半導体6に結合できる。
[キャリア電導のメカニズムについて]
図4は、第1有機半導体単分子4及び第2有機半導体単分子12から自己組織化作用により形成された有機半導体単分子膜40内のπ電子雲の状態を説明するものである。また、図4を参照して、本発明の有機トランジスタ1においてキャリア電導が生ずるメカニズム及び抗体7によりマーカー11の結合の有無を検出するメカニズムについて説明する。
図4には、ゲート電極3上に、末端基10、スペーサ5を介して、第2有機半導体単分子12と第1有機半導体単分子4に含まれる有機半導体6が層状の有機半導体60として形成されている。さらに、ゲート電極3上に規則正しく配列して形成された有機半導体単分子膜40のπ電子雲13が示されている。
π電子雲を備えたπ電子結合とは、π軌道に属する電子により形成された結合をいう。π軌道とは、分子内の電子を収容する軌道の一種であって、一つの結合の原子核を結ぶ結合軸に対して、垂直な方向に分布する軌道同士が分子面の上下にそれぞれ横方向に重なってつくる電子軌道である。
第1有機半導体単分子4と第2有機半導体単分子12のいずれにおいても、ほぼ同様に、π共役系電子の電子雲は、チャネル長方向(図4の左右方向)に伸びており、隣接する一対の有機半導体単分子のπ電子雲13の重なり部分14で電子を共有している。ここで、隣接する一対の有機半導体単分子とは、第1有機半導体単分子4と第2有機半導体単分子12との内のいずれか2つの有機半導体単分子である。そして、電気伝導に寄与する部分は、π電子雲13の重なり部分14の電子であって、π電子雲13の重なり部分14の体積が大きいほど、隣接する有機半導体単分子のπ電子雲相互で電子をやり取りする確率が高くなり、キャリア(電子)の移動度が高くなる。なお、図4では、第1有機半導体単分子4と第2有機半導体単分子12とが交互に記載されているが、実際は、第2有機半導体単分子12は、まばらに分布している。
また、抗体7は大きな分子であるので、抗体7と結合した第2有機半導体単分子12と、抗体7と結合していない第1有機半導体単分子4とにおいて、π電子雲13の広がりは多少異なる。また、抗体7と結合した第2有機半導体単分子12又はその近傍の、抗体7と結合していない第1有機半導体単分子4においては、抗体7によるπ電子雲の広がりに対する影響は、抗体7との結合部分に近いほど大きく、抗体7から離れるほど小さい。なお、抗体7との結合によるπ電子雲の広がりの変動は図4には記載していない。
次に、隣接する有機半導体単分子間に形成されるπ電子雲の重なりとキャリア電導について説明する。π電子雲とは、π電子系の電子の空間的な存在確率を示すものである。そして、π電子系の電子には、隣接したπ電子系を持たないπ電子系(「孤立したπ電子系」)と、互いに隣接したπ電子系を持つπ電子系(「共役π電子系」)とがある。ここで、共役π電子系は孤立したπ電子系に比較してエネルギーが安定化する(共鳴安定化)ので、π電子系の電子雲が孤立して存在する場合よりも、共役π電子系の電子雲として存在する場合の方が、より安定である。また、π電子雲の重なり部分14が大きいほど、π電子雲13の重なり部分14を介して電子が動きやすくなり、電子の移動度が大きくなる。さらに、有機半導体6が長い(層状の有機半導体60が厚い)ほど、即ち、共役π電子系の電子雲が、有機半導体6の長さ方向に多く存在しているほど、π電子雲を介する電気伝導が大きくなる。
さらに、第1有機半導体単分子4及び第2有機半導体単分子12のいずれにおいても、有機半導体単分子の長さ方向(図4の上下方向)において、有機半導体単分子の、スペーサ5と接続する端部と、抗体7と接続する側の端部との近傍のスペーサ5及び抗体7には、有機半導体単分子を構成するπ電子系の電子と同様に電気伝導に寄与するπ電子系の電子は存在しないので、電子は孤立したπ電子系となる。これら端部より内側の構成要素、例えば、有機半導体6を構成する複素環式化合物の直鎖化合物(分子構造が直鎖をなす化合物)の「1つの環」(例えば、6つのチオフェン環(C4H4S)からなる有機化合物の「1つ」のチオフェン環)においては、電子は共役π電子系の電子に近い挙動を示す。したがって、有機半導体6の長さが長い(層状の有機半導体60が厚い)ほど、共役π電子系の電子の比率が高くなり、電気伝導に寄与する電子が多くなる。
また、有機半導体6が短すぎる(層状の有機半導体60が薄い)と、π電子雲13の中の孤立したπ電子系の電子雲の割合が相対的に高くなり、電気伝導に寄与する共役π電子系の電子の割合が少なくなるので、層状の有機半導体60内の電子を全体的に見ると、電子が比較的動きにくい状態となっている。したがって、電子の動きうる範囲が限定され、また、層状の有機半導体60と結合された層状のスペーサ50との結合部近傍及び、層状の有機半導体60と抗体7との結合部近傍において、電子雲が影響を受け、影響を受けた電子(電子雲)は電気伝導に寄与しないか、電気伝導への寄与が減少する。
ここで、直鎖化合物において、共役が長くなるほど、言い換えると、直鎖化合物の長さが長くなるほど、共役π電子系の電子により、電気伝導が高まることについて電子の軌道のエネルギーの観点から検討する。
電子が入っている軌道の中で最もエネルギーの高い軌道を最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital、HOMO)といい、電子が入っていない軌道のうちで最もエネルギーの低い軌道を最低空軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、LUMO)という。ここで、LUMOのエネルギーレベルは、HOMOのエネルギーレベルより高い。
共役が長くなると、共役電子の特性により、HOMOのエネルギーはより高くなり、LUMOのエネルギーはより低くなる。したがって、共役が長くなるほど、HOMOとLUMOのエネルギーの差ΔEは少しずつ減少する。したがって、共役が長いほど、素子に同一の電圧が印加された場合においては、HOMOのエネルギーレベルの電子がLUMOのエネルギーレベルに遷移する確率が増大し、電気伝導に寄与する電子の数が増加する。本発明においては、共役が長いほど、有機半導体単分子層40を構成する有機半導体単分子に関して、共役π電子系の電子が、隣接する有機半導体単分子へ移動する確率が増加することになる。言い換えれば、共役π電子系の電子の中でより多くの電子が電気伝導に寄与することになる。
有機半導体単分子膜40内の層状の有機半導体60の厚さが薄すぎる(有機半導体6を構成する、例えば、複素環式化合物の直鎖化合物の環の数が少ない)と、十分なキャリア移動度が得られない。したがって、有機半導体単分子膜40を用いた有機トランジスタ1のマーカー11に対する感度が十分でなく、その結果、有機トランジスタ1を用いたバイオセンサとして十分な感度が得られない。
また、層状の有機半導体60が厚すぎる(例えば、複素環式化合物の直鎖化合物の環の数が多い)と、溶解性が低下する。そのために、有機半導体単分子を自己組織化作用によりゲート電極上に規則正しく配列して有機半導体単分子膜40を形成しようとする際に、溶液中に十分な有機半導体単分子が溶解せず、自己組織化作用を利用しても、ゲート電極3上に規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を形成することが困難となる。したがって、有機半導体単分子膜40を用いた有機トランジスタ1の信頼性の高い特性が得られず、その結果、有機トランジスタ1を用いたバイオセンサとして、十分な感度が得られない。
[マーカーを検出するメカニズム]
本実施形態1の有機トランジスタ1を用いたバイオセンサは、前立腺癌等の癌センサとして用いた場合、癌マーカーが抗体7に結合することにより癌マーカーを検出する。癌マーカー等のマーカー11が抗体7に結合すると、大きな分子である抗体7に分子量が大きなマーカー11が結合することになる。すると、有機半導体単分子膜40の構造に乱れが生じ、また、マーカー11と有機半導体単分子膜40との間で電子のやり取りが発生する。
そして、有機半導体単分子膜40の層状の有機半導体60をチャネルとする有機トランジスタ1において、層状の有機半導体60を構成する分子構造に乱れが生じ、その影響により、構成元素間の距離、π電子雲13の分布に変動が生ずる。また、分子構造に乱れが生じた場所での構造変動はその近傍での分子構造に影響を与え、近傍の分子構造に変動が生ずるとともに、近傍のπ電子雲13の分布にも変動が生ずる。
その結果、ソース電極8及びドレイン電極9間のチャネルを構成する層状の有機半導体60において、その分子構造の均一性が乱れる。そして、分子構造の均一性が低下することにより、有機トランジスタ1のチャネルを構成する層状の有機半導体60の移動度が低下し、有機トランジスタ1の特性が変化する。
したがって、抗体7にマーカー11が結合すると、有機トランジスタ1の特性が変動するので、マーカー11が抗体7に結合する前後の有機トランジスタ1の特性を比較することにより抗体7にマーカー11が結合したか否かが判断できる。抗体7が癌マーカーと選択的に結合することにより、癌マーカーを検出できるから、有機トランジスタ1を用いた癌センサとして利用できる。また、マーカー11が結合する量と有機トランジスタ1の特性との関連性を事前に測定し、そのデータを蓄積しておいて、実測データと蓄積データとを比較することにより、マーカー11の結合した量を定量的に評価することも可能である。
また、異なる癌マーカーに対してマーカー11が結合する量と有機トランジスタ1の特性の変動との関連性を事前にデータとして蓄積することにより、有機トランジスタ1を様々な癌マーカー等の各種マーカー11に対して利用することができる。
さらに、癌マーカー以外の生体分子(抗原)と選択的に結合する抗体を用いることにより、癌マーカー以外の生体分子(抗原)を検出できるバイオセンサとして用いることも可能である。
抗体7の分子量は相対的に大きいので、抗体7と結合された第2有機半導体単分子12の割合が多すぎると、立体障害のために、自己組織化作用により規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を形成することが困難となり、十分な特性の有機トランジスタ1が得られない。また、抗体7の結合した第2有機半導体単分子12の割合が少なすぎると、抗体7がマーカー11を結合することにより生ずる、有機トランジスタの特性変化が十分でなく、特性変化を検出することが困難となる。
これまで、有機トランジスタとして、有機半導体単分子の一部のものが抗体と結合した第2有機半導体単分子12を含む、バイオセンサ用の有機トランジスタを前提として説明している。しかしながら、有機半導体単分子が抗体と結合していない第1有機半導体単分子4のみで有機半導体単分子膜40が形成された有機トランジスタを形成できることも明らかである。
[有機トランジスタの形成]
図5(a)ないし(f)は、有機半導体単分子膜40が抗体と結合していない有機トランジスタを製造する工程を説明したものである。
図5(a)ないし(c)は、第1有機半導体単分子4を規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を備えた有機トランジスタの製造方法1を説明するものである。
図5(d)ないし(f)と(c)は、スペーサ5からなる単分子膜51を形成し、その後、単分子膜51上に有機半導体分子16を結合して規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を備えた有機トランジスタを製造する製造方法2を説明するものである。
[製造方法1]
[工程1−1]
図5(a)に示すように、まず、ゲート電極3に固定できる末端基10、スペーサ5及び有機半導体6を備えた第1有機半導体単分子4(図2(a)参照)を、水溶液中に溶解する。その後、絶縁基板2上に形成したゲート電極3の表面を水溶液に浸漬させる。すると、スペーサ5に結合した末端基10が、自己組織化作用によりゲート電極3に固定される。このようにして、ゲート電極3上に第1有機半導体単分子4が、自己組織化作用により順次固定され、最終的に、第1有機半導体単分子4が、ゲート電極3上に隙間なく固定される。図5(b)は、第1有機半導体単分子4が自己組織化作用により規則正しくゲート電極3上に配列して形成された有機半導体単分子膜40を示す。
[工程1−2]
図5(c)に示すように、有機半導体単分子膜40上にソース電極8及びドレイン電極9となる金属薄膜を蒸着等で形成することにより、有機トランジスタ1が形成される。ここで、ゲート電極3、ソース電極8及びドレイン電極9には金属薄膜以外の導電性の薄膜も使用できる。
[製造方法2]
[工程2−1]
図5(d)に示すように、ゲート電極3に固定できる末端基10及びスペーサ5を備えた単分子15を、水溶液中に溶解する。そして、絶縁基板上に形成したゲート電極3の表面を水溶液に浸漬させる。すると、スペーサ5に結合した末端基10が、自己組織化作用によりゲート電極3に固定される。このようにして、ゲート電極3上に末端基10及びスペーサ5を備えた単分子15が、自己組織化作用により順次固定され、最終的に、末端基10及びスペーサ5を備えた単分子15が、ゲート電極3上に隙間なく固定される。図5(e)は、スペーサ5を備えた単分子15が自己組織化作用により規則正しくゲート電極3上に配列して形成された単分子膜51を示す。
[工程2−2]
スペーサ5と反応する官能基を備えた有機半導体単分子16を、水溶液中に溶解する。ゲート電極3に固定できる末端基10及びスペーサ5の単分子膜51の表面を水溶液に浸漬させる。すると、スペーサ5と反応する官能基がスペーサ5と反応・結合して、単分子膜51の単分子15に有機半導体単分子16が結合する。
このようにして、順次、単分子膜51の、有機半導体単分子16と結合していない単分子15に有機半導体単分子16が結合する。図5(f)は、有機半導体単分子16の有機半導体6が、単分子膜51のスペーサ5と結合することにより、有機半導体単分子がゲート電極上に規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を示す。
[工程2−3]
前述した製造方法1の[工程1−2]に示した工程により、図5(c)に示すように、有機半導体単分子膜40上に、ソース電極8及びドレイン電極9となる金属薄膜を蒸着等で形成することにより、有機トランジスタ1が形成される。
図6(a)(b)(d)ないし(h)及び、図7(a)ないし(f)は、バイオセンサ用の有機トランジスタを製造する工程を説明したものである。
図6(a)(b)(g)(h)は、第1有機半導体単分子4を規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を形成する工程を備えた製造方法3を説明するものである。
図6(d)ないし(h)は、スペーサ5からなる単分子膜51を形成し、その後、単分子膜51上に有機半導体分子16を結合して規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を形成する工程を備えた製造方法4を説明するものである。
[製造方法3]
[工程3−1]
前述した製造方法1の[工程1−1]に示した工程により、有機半導体単分子膜40を形成する。図6(b)は、第1有機半導体単分子4が自己組織化作用により規則正しくゲート電極3上に配列して、形成された有機半導体単分子膜40を示す。
[工程3−2]
有機半導体単分子膜40を少量の抗体7が溶解された水溶液に浸漬すると、抗体は、第1有機半導体単分子4に結合する。図6(g)は、第1有機半導体単分子4の一部に抗体7を結合された有機半導体単分子膜40を示す。その後、図6(h)に示すように、有機半導体単分子膜40上にソース電極8及びドレイン電極9となる金属薄膜を蒸着等で形成することにより、有機トランジスタ1が形成される。なお、ゲート電極3、ソース電極8及びドレイン電極9には金属薄膜以外の導電性の薄膜も使用できる。
また、ソース電極8及びドレイン電極9となる金属薄膜を形成する際に、有機半導体単分子膜40の第1有機半導体単分子4が、金属薄膜の形成時に抗体7との反応活性を失わない場合には、ソース電極8及びドレイン電極9となる金属薄膜を蒸着等により形成した後に、有機半導体単分子膜40の中で露出する一部の第1有機半導体単分子4に対して抗体7を結合して、有機トランジスタ1を形成できる。
[製造方法4]
[工程4−1]
前述した製造方法2の[工程2−1]に示した工程により、ゲート電極3上に単分子膜51を形成する。図6(e)は、スペーサ5を備えた単分子15が自己組織化作用により規則正しくゲート電極3上に配列して、形成された単分子膜51を示す。
[工程4−2]
前述した製造方法2の[工程2−2]に示した工程により、ゲート電極3上に有機半導体単分子膜40を形成する。図6(f)は、有機半導体単分子16の有機半導体6が、単分子膜51のスペーサ5と結合することにより、有機半導体単分子がゲート電極上に規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を示す。
[工程4−3]
前述した製造方法3の[工程3−2]に示した工程により、図6(g)に示す、第1有機半導体単分子4の一部に抗体7を結合された有機半導体単分子膜40が形成される。その後、図6(h)に示すように、ソース電極8及びドレイン電極9を備えた有機トランジスタ1が形成される。
図7(a)ないし(c)は、第1有機半導体単分子4と、少量の第2有機半導体単分子12とを規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を形成する工程を備えた製造方法5を説明するものである。
図7(d)ないし(f)と(c)は、スペーサ5からなる単分子膜51を形成し、その後、単分子膜51上に、抗体7と結合していない有機半導体単分子16と、抗体7と結合した少量の有機半導体単分子17とを結合して、規則正しく配列した有機半導体単分子膜40を形成する工程を備えた製造方法6を説明するものである。
[製造方法5]
[工程5−1]
図7(a)に示すように、ゲート電極3に固定できる末端基10、スペーサ5及び有機半導体6を備え、抗体7と結合した第2有機半導体単分子12(図2(b)参照)少量と、ゲート電極3に固定できる末端基10、スペーサ5及び有機半導体6を備え、抗体7と結合していない第1有機半導体単分子4(図2(a)参照)を、水溶液中に溶解する。次に、絶縁基板2上に形成したゲート電極3の表面を水溶液に浸漬させる。すると、スペーサ5に結合した末端基10が、自己組織化作用によりゲート電極3に固定される。
このようにして、ゲート電極3上に第1有機半導体単分子4及び第2有機半導体単分子12が、自己組織化作用により順次固定され、最終的に、第1有機半導体単分子4と少量の第2有機半導体単分子12が、ゲート電極3上に隙間なく固定される。その際、少量の第2有機半導体単分子12は、ゲート電極3上にまばらに分布して固定される。図7(b)は、ゲート電極3上に第1有機半導体単分子4及び第2有機半導体単分子12からなる有機半導体単分子膜40が形成されたものである。
[工程5−2]
その後、図7(c)に示すように、有機半導体単分子膜40上にソース電極8及びドレイン電極9となる金属薄膜を蒸着等で形成することにより、有機トランジスタ1が形成される。ここで、ゲート電極3、ソース電極8及びドレイン電極9には金属薄膜以外の導電性の薄膜も使用できる。
[製造方法6]
[工程6−1]
前述した製造方法2の[工程2−1]に示した工程により、ゲート電極3上に単分子膜51を形成する。図7(e)は、スペーサ5を備えた単分子15が自己組織化作用により規則正しくゲート電極3上に配列して、形成された単分子膜51を示す。
[工程6−2]
前述した製造方法2の[工程2−2]に示した工程において、図7(f)に示すように、スペーサ5と反応する官能基と抗体7とを備えた有機半導体単分子17少量と、スペーサ5と反応する官能基を備え、抗体7を備えていない有機半導体単分子16とを、水溶液中に溶解する。すると、スペーサ5と反応する官能基がスペーサ5と反応・結合して、単分子膜51の単分子15に、有機半導体単分子16及び有機半導体単分子17が結合する。図7(f)は、自己組織化作用により形成されたスペーサを備えた単分子膜51上に層状の有機半導体60が形成された有機半導体単分子膜40を示す。
[工程6−3]
前述した製造方法5の[工程5−2]に示した工程により、図7(c)に示すような、有機半導体単分子膜40上にソース電極8及びドレイン電極9を備えた有機トランジスタ1が形成される。
[有機半導体について]
有機半導体6は、有機半導体単分子層を用いたバイオセンサの最も重要な構成要素であり、有機半導体6が十分に電気伝導性を示さなければバイオセンサの機能を果たさない。したがって、その材料の選択は非常に重要である。有機半導体6の材料の長さが短いと、前述したとおり、有機トランジスタに十分な伝導電子が供給されず、有機トランジスタの特性が不十分となる。また、有機半導体6の材料の長さが長すぎると、溶液中への溶解度が低下し、自己組織化の際、十分に規則正しく配列した有機半導体単分子層40を形成することが困難となる。したがって、適切な長さの材料で、十分な伝導電子が確保できる材料を選択することが必要である。
そして、有機半導体6の材料としては、以下のものが好適である。
ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン、ピレン、ターフェニル、クォーターフェニル、キンキフェニルなどの芳香族化合物およびその誘導体;チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェンの4ないし8量体;ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジメチルイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジエチルイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジプロピルイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジブチルイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジペンチルイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジヘキシルイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジヘブチルイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジフェニルイミドなどのペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体;フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、銅フタロシアニン、酸化チタンフタロシアニン、ヘキサデカフルオロ銅フタロシアニンなどのフタロシアニン誘導体が好ましい。
さらに、有機半導体材料としては、上記の材料の中で、溶媒への溶解性が高く、キャリア移動度が高いペンタセン、チオフェン6量体、ペリレンテトラカルボン酸ジイミドが、特に好ましい。
[癌マーカーと抗体について]
本発明のバイオセンサにおいては、有機半導体単分子に結合される抗体7は、標的分子、例えば、癌マーカーを検出するための重要な構成要素である。そして、抗体7は検出する癌マーカーに対して選択的に結合するので、様々な癌マーカーに対して選択的に結合する抗体を選択する。選択した抗体を有機半導体単分子に結合することにより、各種癌マーカーの検出が可能である。また、1つの癌マーカーのみでなく、複数の癌マーカーにそれぞれ選択的に結合する、異なる複数の抗体を有機半導体単分子膜に結合させれば、一度に複数の癌マーカーを検出することも可能である。1回に複数の癌マーカーを検出することにより検査コストを低コスト化できる。
また、有機半導体単分子に結合する抗体を適宜選択することにより、自由に検出できる癌マーカーを変更できるから、多様な癌に対して本発明のバイオセンサは広く適用できる。
本発明のバイオセンサで用いる抗体により検出可能な癌マーカーの例として以下のものが例示できる。
さまざまな癌に対する癌マーカーとして、前立腺癌マーカー(PSA、PAP、γ−セミノプテイン)、肺癌マーカー(SLX、SCC、シフラ、NSE)、肝臓癌マーカー(AFP、PIVKA−II)、子宮癌マーカー(SCC)、乳癌マーカー(CA15−3、BCS225、NCC−ST−439)、胆嚢・膵臓癌マーカー(CA19−9、DUPAN−2、SPAN−1)、卵巣癌マーカー(CA125、CA72−4、STN、SLX)が知られている。
[スペーサについて]
スペーサ5は、末端基10と有機半導体6とともに一体に結合して有機半導体単分子となることが必要であり、長さが短すぎると分子集合体ができにくい。そのため、末端基を備えた有機半導体単分子を、ゲート電極3上に自己組織化作用により規則正しく配列する際に、その長さが短すぎると、自己組織化に不具合が生ずる。また、長さが長すぎると、溶液への溶解性が低下し、同様に、自己組織化に不具合が生ずる。
したがって、適切な長さを考慮すると、以下の材料が適切である。
スペーサとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシレン基、ヘネイコシレン基、ドコシレン基、トリコシレン基、テトラコシレン基、ペンタコシレン基、ヘキサコシレン基、などのアルキレン基;ポリオキシメチレン基、ポリエチレングリコール基、プリプロピレングリコール基などのポリアルキルエーテル基;ポリジメチルシロキサン基、ポリハイドロジェンメチルシロキサン基、ポリメチルシロキサン基、ポリメチルフェニルシロキサン基、ポリジフェニルシロキサン基などのポリシロキサン基;ポリエチレンテレフタレエート基、ポリプロピレンテレフタレート基、ポリメチレンテレフタレート基などのポリエステル基;ポリカプロラクタム基、ポリヘキサメチレンジアミンアジペート基、ポリフェニレンジアミンテレフタルアミド基、ポリフェニレンジアミンイソフタルアミド基などのポリアミド基;ピロメリット酸二無水物とジアミノジフェニルエーテルの重縮合により製造されるポリイミド基などが使用できる。
さらに、スペーサとしては、上記の材料の中で、特に、溶媒への溶解性と自己組織化能に優れたドデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基が好適である。
[末端基について]
末端基としては、スペーサ5と結合した末端基、第1有機半導体単分子4又は第2有機半導体単分子12の構成要素である末端基として、電極3表面上に、自己組織化作用により規則正しく配列して、有機半導体単分子膜40及び単分子膜51が形成できるような材料が、選択できる。
また、有機半導体単分子を自己組織化作用により、ゲート電極3上に有機半導体単分子膜40として形成するためには、有機半導体単分子に接続された末端基10のシランカップリングにより、有機半導体単分子がゲート電極3に強く結合することが必要である。
そして、末端基として、SiRR123の一般式で表される物質が利用できる。ここで、Rはスペーサである。また、SiRR123のR1、R2,R3の1つ以上に、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素などのハロゲン基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基が含まれる。
これらの中で、塩素、メトキシ基又はエトキシ基が、溶媒への溶解性が高く、反応性の抑制が比較的容易であるので、特に、好ましい。
また、SiRR123の一般式で表される末端基は、シランカップリングにより固定される。
本発明は、癌検診に利用するバイオセンサを低価格で提供することができる。また、癌検査用のセンサを低価格で提供することにより、癌検診の普及を促進できるとともに、健康管理のための情報の収集・蓄積がローコストで可能となる。
1 有機トランジスタ
2 基板
3 ゲート電極
4 第1有機半導体単分子
40 有機半導体単分子膜
5 スペーサ
50 層状のスペーサ
51 スペーサの単分子膜
6 有機半導体
60 層状の有機半導体
7 抗体
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 末端基
11 マーカー
12 第2有機半導体単分子
13 π電子雲
14 π電子雲の重なり部分
15 末端基とスペーサを備えた単分子
16 抗体と結合していない有機半導体単分子
17 抗体と結合した有機半導体単分子

Claims (24)

  1. 絶縁基板上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極とシランカップリングとなる末端基を介して結合するスペーサと前記スペーサに一端で結合する有機半導体とを含む一体の有機半導体単分子が自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成された有機半導体単分子膜と、
    前記有機半導体単分子膜上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記有機半導体単分子の一部のものに結合した抗体とを備えた自己組織化単分子膜有機トランジスタを用いたバイオセンサ。
  2. 前記有機半導体は、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン、ピレン、ターフェニル、クォーターフェニル、キンキフェニルなどの芳香族化合物およびその誘導体;チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェンの4ないし8量体;ペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体;フタロシアニン誘導体のいずれかから構成されることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記有機半導体は、ペンタセン、チオフェン6量体、またはペリレンテトラカルボン酸ジイミドのいずれかからなることを特徴とする請求項2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記抗体は、前立腺癌マーカー(PSA、PAP、γ−セミノプテイン)、肺癌マーカー(SLX、SCC、シフラ、NSE)、肝臓癌マーカー(AFP、PIVKA−II)、子宮癌マーカー(SCC)、乳癌マーカー(CA15−3、BCS225、NCC−ST−439)、胆嚢・膵臓癌マーカー(CA19−9、DUPAN−2、SPAN−1)、卵巣癌マーカー(CA125、CA72−4、STN、SLX)のいずれか1つの癌マーカーに対して選択的に結合することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  5. 前記抗体は、複数の異なる種類の抗体を含み、前記異なる種類の抗体は、それぞれ異なる癌マーカーに対して選択的に結合するものであることを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサ。
  6. 前記抗体は、ポリペプチドリンカーにより前記有機半導体と結合されていることを特徴とする請求項4または5に記載のバイオセンサ。
  7. 前記抗体は、前記前立腺癌マーカー(PSA、PAP、γ−セミノプテイン)のいずれか1つの癌マーカーに対して選択的に結合するものであることを特徴とする請求項4から6までのいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  8. 前記スペーサは、アルキレン基、ポリアルキルエーテル基、ポリシロキサン基、ポリエステル基、ポリアミド基またはポリイミド基に属するいずれかの基からなることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  9. 前記スペーサは、アルキレン基であることを特徴とする請求項8に記載のバイオセンサ。
  10. 前記スペーサは、ドデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基のいずれかであることを特徴とする請求項9に記載のバイオセンサ。
  11. 前記ゲート電極と前記スペーサとは、SiRRの一般式で表される前記末端基により結合されていることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一項に記載のバイオセンサ。
    ここで、SiRRのRは前記スペーサであって、SiRRのR、R,Rの1つ以上には、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素などのハロゲン基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基が含まれる。
  12. 前記末端基の前記一般式のSiRRのR、R,Rが塩素、メトキシ基又はエトキシ基のいずれかであることを特徴する請求項11に記載のバイオセンサ。
  13. 絶縁基板上にゲート電極を形成する工程と、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサと、前記スペーサの他端と結合した有機半導体からなる一体の有機半導体単分子から有機半導体単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程と、
    前記有機半導体単分子膜の一部に抗体を結合する工程と、
    前記有機半導体単分子膜上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを備えた自己組織化単分子膜有機トランジスタを用いたバイオセンサの製造方法。
  14. 請求項13に記載されるバイオセンサの製造方法において、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサと、前記スペーサの他端と結合した有機半導体からなる一体の有機半導体単分子から有機半導体単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程の前に、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサと、前記スペーサの他端と結合した有機半導体からなる一体の有機半導体単分子を形成する工程を備えたことを特徴とするバイオセンサの製造方法。
  15. 請求項13に記載されるバイオセンサの製造方法において、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサと、前記スペーサの他端と結合した有機半導体からなる一体の有機半導体単分子から有機半導体単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程が、
    一端で前記端末基と結合したスペーサを備えた単分子を形成する工程と、
    一端で前記端末基と結合したスペーサを備えた単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程と、
    スペーサと結合していない有機半導体単分子を形成する工程と、
    前記スペーサを備えた単分子膜を構成する前記スペーサを備えた単分子に、前記スペーサと結合していない有機半導体単分子を結合する工程とを備えたことを特徴とするバイオセンサの製造方法。
  16. 請求項13から15までのいずれか一項に記載されるバイオセンサの製造方法において、
    前記有機半導体と前記抗体とは、ポリペプチドリンカーにより結合されることを特徴とするバイオセンサの製造方法。
  17. 絶縁基板上にゲート電極を形成する工程と、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に結合した第1有機半導体単分子と、一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に一端で結合し他端で抗体と結合した第2有機半導体単分子とからなる有機半導体単分子膜とを、自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程と、
    前記有機半導体単分子膜上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを備えた自己組織化単分子膜有機トランジスタを用いたバイオセンサの製造方法。
  18. 請求項17に記載されるバイオセンサの製造方法において、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に結合した第1有機半導体単分子と、一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に一端で結合し他端で抗体と結合した第2有機半導体単分子とからなる有機半導体単分子膜とを、自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程の前に、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に結合した第1有機半導体単分子を形成する工程と、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に一端で結合し他端で抗体と結合した第2有機半導体単分子を形成する工程とを備えたことを特徴とするバイオセンサの製造方法。
  19. 請求項17に記載されるバイオセンサの製造方法において、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に結合した第1有機半導体単分子と、一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサの他端に一端で結合し他端で抗体と結合した第2有機半導体単分子とからなる有機半導体単分子膜とを、自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程が、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサを備えた単分子を形成する工程と、
    一端でシランカップリングとなる末端基と結合したスペーサを備えた単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程と、
    抗体と結合していない有機半導体単分子を形成する工程と、
    一端で抗体と結合した有機半導体単分子を形成する工程と、
    前記抗体と結合していない有機半導体単分子と、前記一端で抗体と結合した有機半導体単分子とを、前記スペーサを備えた単分子膜を構成する前記スペーサを備えた単分子に結合する工程とを備えたことを特徴とするバイオセンサの製造方法。
  20. 請求項17から19までのいずれか一項に記載されるバイオセンサの製造方法において、
    前記有機半導体と前記抗体とは、ポリペプチドリンカーにより結合されることを特徴とするバイオセンサの製造方法。
  21. 絶縁基板上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極と結合するスペーサと前記スペーサに一端で結合する有機半導体とからなる一体の有機半導体単分子が自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成された有機半導体単分子膜と、
    前記有機半導体単分子膜上に形成されたソース電極及びドレイン電極とを備えた自己組織化単分子膜有機トランジスタ。
  22. 絶縁基板上にゲート電極を形成する工程と、
    スペーサと前記スペーサに一端で結合する有機半導体とからなる一体の有機半導体単分子から有機半導体単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程と、
    前記有機半導体単分子膜上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程とを備えた自己組織化単分子膜有機トランジスタの製造方法。
  23. 請求項22に記載される自己組織化単分子膜有機トランジスタの製造方法において、
    スペーサと前記スペーサに一端で結合する有機半導体とからなる一体の有機半導体単分子から有機半導体単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程の前に、
    前記スペーサと前記スペーサに一端で結合する有機半導体とを含む一体の前記有機半導体単分子を形成する工程を備えたことを特徴とする自己組織化単分子膜有機トランジスタの製造方法。
  24. 請求項22に記載される自己組織化単分子膜有機トランジスタの製造方法において、
    スペーサと前記スペーサに一端で結合する有機半導体とからなる一体の有機半導体単分子から有機半導体単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程が、
    前記スペーサを備えた単分子を形成する工程と、
    前記スペーサを備えた単分子からスペーサを備えた単分子膜を自己組織化作用により前記ゲート電極上に形成する工程と、
    スペーサと結合していない有機半導体単分子を形成する工程と、
    前記スペーサを備えた単分子膜を構成する前記スペーサを備えた単分子に前記スペーサと結合していない有機半導体単分子を結合する工程とを備えたことを特徴とする自己組織化単分子膜有機トランジスタの製造方法。
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