JP2011081373A - ブラインド信号分離方法およびその装置 - Google Patents

ブラインド信号分離方法およびその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011081373A
JP2011081373A JP2010222751A JP2010222751A JP2011081373A JP 2011081373 A JP2011081373 A JP 2011081373A JP 2010222751 A JP2010222751 A JP 2010222751A JP 2010222751 A JP2010222751 A JP 2010222751A JP 2011081373 A JP2011081373 A JP 2011081373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal separation
matrix
signal
square
blind
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010222751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5509481B2 (ja
Inventor
Shinya Saito
晋哉 齋藤
Kunio Oishi
邦夫 大石
Hajime Kubota
一 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2010222751A priority Critical patent/JP5509481B2/ja
Publication of JP2011081373A publication Critical patent/JP2011081373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5509481B2 publication Critical patent/JP5509481B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

【課題】最小2乗型同時対角化問題の解法と隣接周波数ビンの相関を利用したパーミュテーション問題の解法を用いて観測信号から未知信号源信号を推定するブラインド信号分離方法とその装置を提供する。
【解決手段】窓関数を乗算した観測信号の短時間離散フーリエ変換後、指数関数的に重み付けられた観測信号の空間相関行列の逆行列をブロック毎に求め、複数のブロックを最小2乗型同時対角化問題の対象にする。周波数ビン毎に最小2乗法、累乗法、反復法を組み合わせて最小2乗型同時対角化問題の近似解を適応的に求め、信号分離性能の高い分離行列を生成する。信号分離精度が高い周波数ビンでは、同一信号源から発生した信号の隣接周波数ビンに相関があることを利用してパーミュテーション問題を適応的に解法し、信号分離精度が著しく低い周波数ビンでは、近接周波数ビンのパーミュテーションをコピーして、信号分離性能を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、未知の畳み込み混合系により混在した互いに統計的に独立な未知信号源信号を、観測信号のみから推定するブラインド信号分離方法に係わり、特に、最小2乗型同時対角化問題の解法を用いて高い精度で信号を分離することができるバックワードモデル型ブラインド信号分離方法及びバックワードモデル型ブラインド信号分離装置に関する。
複数の未知信号源信号が未知の畳み込み混合系により混在されて観測されるとき、観測信号を分離して混在前の未知信号源信号を推定する処理をブラインド信号分離という。ブラインド信号分離では、未知信号源信号間の統計的独立性のみを条件として、観測信号から未知信号源信号を推定する方法であり、信号源の位置或いは観測信号の到来方向の推定を必ずしも必要としない方法である。
勾配法に基づく周波数領域の信号分離方法が非特許文献1で提案されている。勾配法に基づき周波数ビン毎に観測信号を分離した後、パーミュテーション問題を解くことによって信号源を割り付ける。
非特許文献2により観測信号の相関行列の特異値分解に基づく信号分離と線形予測分析を組み合わせた方法も提案されている。この方法は線形予測フィルタによって信号分離精度の向上を目的としている。
最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたフォワードモデル型ブラインド信号分離方法が非特許文献3で提案されている。この方法は、最小2乗型同時対角化問題の解法による混合行列の推定、最小2乗型一般化逆行列を用いた混合行列からの分離行列の推定、スケーリング問題の解法、パーミュテーション問題の解法の4つの手順から成る。
S.Araki,R.Mukai,S.Makino,T.Nishikawa,and H.Saruwatari,"The fundamental limitation of frequency domain blind source separation for convolutive mixtures of speech",IEEE Transactions on Speech and Audio Processing,vol.11,no.2,pp.109−116,Mar.2003 中川、高橋、"漏話音声の聞取り防止に重点を置いたBSS後処理法",電子情報通信学会論文誌,vol.J90−A,no.8,pp.633−645,2007 K.Rahbar and J.P.Reilly,"A frequency domain method for blind source separation of convolutive audio mixtures",IEEE Transactions on Speech and Audio Processing,vol.13,no.5,pp.832−844,Sept.2005
従来のブラインド信号分離方法で使用されている勾配法は演算量が少ないが、収束が遅く、実環境下で十分な信号分離性能を得ることができない。
また、特異値分解による信号分離と線形予測分析を組み合わせた方法では、未知信号源信号の品質と信号分離性能にトレードオフの関係が存在するので、両立は難しい。
更に、最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたフォワードモデル型ブラインド信号分離方法では、混合行列の最小2乗型一般化逆行列を用いた分離行列の推定に加法性雑音が考慮されていないため、雑音の影響を無視できない。
同一信号源から発生した信号の隣接周波数ビンに相関があることを利用した従来のパーミュテーション問題の解法では、1度誤りが生じると、これ以降の解法が誤り続ける確率が非常に高くなる。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、観測信号の空間相関行列の逆行列を最小2乗型同時対角化問題の対象にすることによって信号分離性能の向上と手順の半減の両立、更に、信号分離精度が低い周波数ビンを除き、隣接周波数ビンの相関を利用してパーミュテーション問題を適応的に解法することを目的とする。
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係るブラインド信号分離方法は、未知の畳み込み混合系により混在した互いに統計的に独立な未知信号源信号を、観測信号のみからブラインドで推定する方法であって、観測信号に窓関数を乗算した後、これに点数Kの短時間離散フーリエ変換を適用して観測信号ベクトルに最小2乗型同時対角化問題の解法を適用して信号分離性能の高い分離行列を求めることを特徴とする。
本発明(請求項2記載の発明)に係るブラインド信号分離方法は、周波数ビン毎に忘却係数によって指数関数的に重み付けられた観測信号の空間相関行列を求めることを特徴とする。
本発明(請求項3記載の発明)に係るブラインド信号分離方法は、ブロック処理に基づき観測信号の空間相関行列の逆行列をブロック毎に求め、これを正規化した後、1つのブロック又は複数のブロックを当該周波数ビンの最小2乗型同時対角化問題の対象にすることを特徴とする。
本発明(請求項4記載の発明)に係るブラインド信号分離方法は、最小2乗法、累乗法、反復法を組み合わせることによって最小2乗型同時対角化問題の近似解を適応的に求めることを特徴とする。
本発明(請求項5記載の発明)に係るブラインド信号分離方法は、累乗法に含まれる正規化によって分離行列の各列ベクトルを正規化するスケーリング問題を代用することができることを特徴とする。
本発明(請求項6記載の発明)に係るブラインド信号分離方法は、短いブロック長でセンサの個数が多い応用においてブロック毎の逆行列の演算量が多い場合には、周波数ビン毎に指数関数的に重み付けられた観測信号の空間相関行列の算出とブロック毎の逆行列の演算の代わりに逆行列の補題を用いることを特徴とする。
本発明(請求項7記載の発明)に係るブラインド信号分離方法離は、ブロック長がLでM個のブロックを対象区間とした最小2乗型同時対角化問題の解法をn回適用して分離行列を推定した後、同一周波数ビンにおける各分離信号の相関に基づき、周波数ビンω(k=0、1、…、K−1)におけるN個の分離信号のペリオドグラムの逆数の2乗和の平方根による正規化を用いて当該周波数ビンにおける信号分離精度μ(ω(n)を式(4)で求めることを特徴とする。Tr(・)は行列のトレースを表す。また、Qは行列の各行に1となる要素が1箇所、その他の要素は0で、1となる要素の位置が他の行と重複しない行列の集合である。行列E(ω(n)と行列Γ−1(ω,nΨL+τL)はそれぞれ式(5)、(6)で与えられ、τ=1、2、…、MにおいてΓ−1(ω,nΨL+τL)は、分離信号のペリオドグラムλ(ω,nΨL+τL)の逆数を対角要素とする対角行列Λ−1(ω,nΨL+τL)を正規化した行列で、対角要素γ −1(ω,nΨL+τL)を有する。尚、M個のブロックが最小2乗型同時対角化問題の対象区間であるので、Ψは連続する2組の対象区間の重複シフトサイズとなる。
Figure 2011081373
本発明(請求項8記載の発明)に係るブラインド信号分離方法は、信号分離精度が著しく低い周波数ビンを検出して、該当周波数ビンを間引いた後、これらの周波数ビンを詰めてパーミュテーション問題を適応的に解法することを特徴とする。
本発明(請求項9記載の発明)に係るブラインド信号分離方法は、信号分離精度が著しく低い周波数ビンを詰めた状態で同一信号源から発生した信号の隣接または近接周波数ビンに相関があることを利用してパーミュテーション問題を適応的に解法することを特徴とする。
本発明(請求項10記載の発明)に係るブラインド信号分離方法は、信号分離精度が著しく低い周波数ビンに該当するパーミュテーションに、近接周波数ビンのパーミュテーションをコピーすることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば観測信号の空間相関行列の逆行列を最小2乗型同時対角化問題の対象にすることにより、最小2乗法、累乗法、反復法を組み合わせることによって最小2乗型同時対角化問題の近似解、即ち、分離行列を適応的に求めることができ、スケーリング問題を解法することなく信号分離性能の向上と演算量の削減を両立させる。
また、本発明によれば、低い信号分離精度の周波数ビンを除き、近接周波数ビンの相関を利用してパーミュテーション問題を解法し、信号分離性能を向上させる。
本発明によれば、忘却係数を用いて指数関数的に重み付けられた観測信号の空間相関行列の逆行列を求め、これを最小2乗型同時対角化問題に適用する。最小2乗型同時対角化問題の解法では、スケーリング問題を解法することなく最小2乗法、累乗法、反復法を組み合わせることによって最小2乗型同時対角化問題の近似解、即ち、分離行列を適応的に求める。最小2乗型同時対角化問題を適用した従来のフォワードモデル型ブラインド信号分離が混合行列の推定、混合行列の最小2乗型一般化逆行列を用いた分離行列の推定、スケーリング問題の解法、パーミュテーション問題の解法の4つの手順から成っていたものを、本発明に係るブラインド信号分離方法及びブラインド信号分離装置では、バックワードモデル型を用いて分離行列の各列ベクトルを正規化するスケーリング問題の解法を累乗法に含まれる正規化で代用することによって分離行列の推定とパーミュテーション問題の解法の2つの手順に半減できるという効果がある。
また、同一信号源から発生した信号の隣接周波数ビンに相関があることを利用してパーミュテーション問題を解法する前に、信号分離精度が著しく低い周波数ビンを検出して当該周波数ビンを間引いた後、これらの周波数ビンを詰めてパーミュテーション問題を適応的に解法する。信号分離精度が著しく低い周波数ビンに該当するパーミュテーションに、近接周波数ビンのパーミュテーションをコピーすることによって、本発明に係るブラインド信号分離方法及びブラインド信号分離装置には、未知信号源信号の品質に影響を与えることなく信号分離性能を高めるという効果がある。
更に、本発明に係るブラインド信号分離方法及びブラインド信号分離装置では観測信号の空間相関行列の逆行列を最小2乗型同時対角化問題の対象にすることによって雑音の影響を最小にする分離行列を推定できるという効果がある。
本発明に係るブラインド信号分離方法の実施の形態について図面を参照して説明する。
1.畳み込み混合モデル
図1に示すように、時刻tにおいてN個の信号源11、12、…、1Nから発せられた信号源信号s(t)が畳み込み混合されてx(t)として観測される。s(t)は平均0で互いに統計的独立な非定常信号である。また、n(t)はセンサ2iに加わる平均0、分散σのガウス性白色雑音で、s(t)と統計的独立である。時刻tにおいてJ個のセンサ21、22、…、2Jで観測される観測信号x(t)は式(7)で表される。ここで、J≧N≧2とする。
Figure 2011081373
ここで、*は畳み込み演算、hij(t)は信号源1jからセンサ2iまでの信号経路のインパルス応答、Aはインパルス応答長をそれぞれ表す。観測信号x(t)を連続して31で短時間離散フーリエ変換すると、フレームmにおける観測信号は式(8)により表される。
Figure 2011081373
上式(8)において、win(t)は窓関数、Kは短時間離散フーリエ変換の点数、Tは2つの重複窓間のシフトサイズ、ω=2πk/K、k=0,1,…,K−1、をそれぞれ表す。hij(t)のK点離散フーリエ変換をhij(ω)、s(t)に窓関数を乗算した後、K点短時間離散フーリエ変換で周波数領域に変換したフレームmの信号源信号をs(ω,m)、同様に、n(t)に窓関数を乗算した後、K点短時間離散フーリエ変換で周波数領域に変換したフレームmの雑音をn(ω,m)とそれぞれ表記すると、点数Kがhij(t)のインパルス応答長Aより十分に大きいとき観測信号は式(9)により近似される。
Figure 2011081373
上式(9)において、S(ω,m)はフレームmに各信号源から出力される信号ベクトルである。信号ベクトルS(ω,m)、混合ベクトルh(ω)はそれぞれ式(10)、(11)により表される。
Figure 2011081373
観測信号ベクトルX(ω,m)、混合行列H(ω)、雑音ベクトルN(ω,m)をそれぞれ式(12)、(13)、(14)により定義すると、X(ω,m)は式(15)によって表される。
Figure 2011081373
信号を分離するには51、52、…、5Kで周波数ビン毎に式(16)を満足する分離行列W(ω)を推定し、60で信号源の割り当てを定めるパーミュテーション行列Π(ω)を決定する。周波数ビン毎に独立にパーミュテーション行列Π(ω)を決定しても信号が完全に分離する保証はなく、同一信号源から発生した信号の隣接または近接周波数ビンに相関があることを利用してパーミュテーション行列Π(ω)を決定する。
Figure 2011081373
上式(16)においてD(ω)は周波数ビン毎に異なる任意の対角行列である。
スケーリング問題とパーミュテーション問題を順に解法した後、71、72、…、7KでX(ω,m)に左から分離行列W(ω)を乗算すると、周波数ビンωにおける分離信号Y(ω,m)は式(17)で表される。尚、スケーリング問題の解法については後述する。
Figure 2011081373
上式(17)を80で逆離散フーリエ変換と重複加算によって時間領域に変換すると分離信号y(t)が求められる。雑音の分散σが十分に小さいとき、y(t)≒s(t)になる。尚、分離信号ベクトルY(ω,m)は式(18)により表される。
Figure 2011081373
本発明に関するブラインド信号分離方法について、図1乃至図4を参照して詳細に説明する。図2乃至図4は、図1の31における短時間離散フーリエ変換後、ブラインド信号分離システム40において本発明により周波数ビン毎に推定される分離行列の算出手順を示したものである。図4は、分離行列の算出後、ブラインド信号分離システム40において本発明によりパーミュテーション行列の算出手順を示したものである。
2.最小2乗型同時対角化問題
ブロック長Lが短く、センサの個数Jが多い場合、逆行列の演算と逆行列の算出頻度が増加してフレーム当たりの演算量は増加する。そこで、ステップS101においてLが短くJが大きい場合、ステップS102で式(19)の逆行列の補題を用いて逆行列P−1(ω,m)を再帰的に求め、ブロック処理に基づきLフレーム毎に記憶したP−1(ω,nΨL+τL)をステップS105で式(21)によって正規化する。ただし、Iは単位行列、cは正の定数、P−1(ω,0)=c−1Iである。忘却係数βの値は0<β≦1から選択される。また、M個のブロックを最小2乗型同時対角化問題の対象区間とすると、Ψは連続する2組の対象区間の重複シフトサイズを表し、[1、M]から選択される。更に、τ=1,2,…,M、nは最小2乗型同時対角化問題の適用回数を表し、n=0,1,2,…とする。
Figure 2011081373
ステップS101においてLが長い、またはJが少ない場合、忘却係数βを導入してX(ω,m)X(ω,m)を指数関数的に重み付け、行列P(ω,m)をステップS103において式(20)に基づき求める。
Figure 2011081373
ここで、上付き添字は複素共役転置をそれぞれ表す。また、初期値をP(ω,0)=cIのように設定する。ステップS104においてブロック処理に基づきLフレーム毎にP(ω,nΨL+τL)の逆行列P−1(ω,nΨL+τL)を求め、ステップS105で式(21)によって正規化する。
Figure 2011081373
ここで、‖・‖はフロベニウスノルムを表す。
2.1 対角化行列の解法
ブロック処理を導入して、ブロック長がL個のフレームで、M個のブロックを最小2乗型同時対角化問題の対象区間にする。
‖W(ω(n)=1を条件に式(22)の評価関数が最小になるように対角化行列W(ω(n)、即ち、分離行列とM個の対角行列Λ−1(ω,nΨL+τL)を最小2乗法、累乗法、反復法を併用して求める。ただし、W(ω(n)はW(ω(n)のi番目の列ベクトル、‖・‖はユークリッドノルムをそれぞれ表す。式(22)は最小2乗型同時対角化問題として知られている。上付き添字(n)は最小2乗型同時対角化問題の解法の適用回数を表す。
Figure 2011081373
式(22)のように‖W(ω(n)=1を条件に最小2乗型同時対角化問題を解法することは分離行列W(ω(n)の各列ベクトルW(ω(n)を正規化するスケーリング問題の解法を同時に実行していることと等価であり、別途、スケーリング問題を解法する必要はない。条件‖W(ω(n)=1は最小2乗型同時対角化問題の解法で使用する累乗法の正規化によって満たされる。
ベクトル表現を用いると、式(22)の評価関数は式(23)のように表現することができる。ここで、r−1(ω,nΨL+τL)、G(ω(n)、d(ω,nΨL+τL)、G(ω(n)d(ω,nΨL+τL)はそれぞれ式(24)〜(27)により表される。ただし、vec{A}は行列Aの列を積み重ねることによって行列Aをベクトルに変換すること、
Figure 2011081373
Figure 2011081373
(ω(n)∈Ωを条件に式(23)の評価関数を最小にするG(ω(n)とd(ω,nΨL+τL)は、式(22)の評価関数を最小にする分離行列W(ω(n)と対角行列Λ−1(ω,nΨL+τL)に等しい。ここで、g(ω(n)はG(ω(n)のi番目の列ベクトルである。また、空間Ωは式(28)により表される。ただし、CJ×1はJ×1の複素空間を表す。
Figure 2011081373
反復法によって分離行列W(ω(n)と対角行列Λ−1(ω,nΨL+τL)を求めるためにz(ω(n)とT(ω(n)を式(29)、(30)によって定義する。
Figure 2011081373
(ω(n)とT(ω(n)を用いると,式(23)は式(31)のように表現できる。
Figure 2011081373
(ω(n)とz(ω(n)をステップS106において式(32)、(34)により初期化する。
Figure 2011081373
ただし、g(ω(n)は最小2乗型同時対角化問題の解法をn回適用して求められた近似解である。また、初期値g(ω(0)は式(33)で設定する。
Figure 2011081373
ここで、aを任意の実数定数、1=[1,1,…,1]である。
Figure 2011081373
ただし、z(ω(n)は最小2乗型同時対角化問題の解法をn回適用して求められた近似解である。また、初期値z(ω(0)は式(35)で設定する。
Figure 2011081373
ここで、bを任意の実数定数、1=[1,1,…,1]である。
(ω(n)を求める際、g(ω(n)(j≠i)を式(32)のように、z(ω(n)を式(34)のようにそれぞれ定数として設定して、F(ω(n)を計算する。
Figure 2011081373
式(37)の評価関数を最小にする近似解g(ω(n,φ)の算出時には、ステップS107において対象外のg(ω(n)とz(ω(n)(i≠j)を定数として固定する。近似解g(ω(n,φ)は反復によって求めるため、反復対象g(ω(n)に反復回数φを上付き添字で示している。
Figure 2011081373
(ω(n,φ)∈Ωを条件に式(37)を最小化する。条件g(ω(n,φ)∈Ωを課すこ
Figure 2011081373
8において式(38)により求められる。
Figure 2011081373
空間Ωで最小2乗法により式(38)の解を求めると、g(ω(n,φ)∈Ωを条件に式(37)を最小化する解g(ω(n,φ)と一致する。
Figure 2011081373
上式(39)においてV(ω(n,φ)、W(ω(n,φ) (ω(n,φ)はそれぞれ式(40)、(41)により表される。
Figure 2011081373
ここで、mat{A}は、J×1の列ベクトルAをJ×Jの行列に変換することを表す。
Figure 2011081373
(ω(n,φ) (ω(n,φ)の列ベクトルによって張られる空間の次元はdim(W(ω(n,φ) (ω(n,φ))=1であるので、ステップS109において、累乗法によって求めたV(ω(n,φ)の第1固有ベクトルはW(ω(n,φ)に一致する。
累乗法の初期値をu(0)と表記すると、誤差の限界εが式(44)を満足するまで、l=1から式(42)〜(44)の累乗法を繰り返し、近似解W(ω(n,φ)=u(1)を得る。
Figure 2011081373
式(43)から明らかなように‖W(ω)‖=1であるので、累乗法に含まれる正規化によって分離行列の各列ベクトルを正規化するスケーリング問題を解いていることになる。
ステップS110においてj=1,2,…,Nの順にjを変えて式(36)、(38)、累乗法によるV(ω(n,φ)の第1固有ベクトルの計算を繰り返す。
ステップS111において誤差の限界がεの近似解を求めるために、式(45)を満足するまでj=1,2,・・・,Nの順にjを変えて式(36)、(38)、累乗法によるV(ω(n)の第1固有ベクトルの計算を繰り返す。
Figure 2011081373
2.2 対角行列の解法
式(46)を最小にすることによって対角行列は求められる。
Figure 2011081373
式(24)、(26)、(27)を用いると、式(46)はベクトル表現によって式(47)のように表される。
Figure 2011081373
式(47)の評価関数に最小2乗法を適用して、ステップS112において式(48)で解を求める。
Figure 2011081373
ここで、G(ω(n)は行列G(ω(n)の擬似逆行列である。
ステップS113において誤差の限界がεの近似解を求めるために、式(49)を満足するまで式(36)、(38)、V(ω(n)の第1固有ベクトルによるg(ω(n)の計算、式(48)によるd(ω,nΨL+τL)の計算を繰り返す。ただし、|・|は絶対値を表す。
Figure 2011081373
3.パーミュテーション問題の解法
周波数ビンωにおける信号分離精度を評価するために、分離信号のペリオドグラムλ(ω,nΨL+τL)の逆数λ −1(ω,nΨL+τL)を用いてΛ−1(ω,nΨL+τL)を式(50)によってステップS114で構成する。ただし、diag(・)は対角行列を表す。
Figure 2011081373
分離信号の周波数成分は周波数ビン毎に異なるので、この影響を低減するために、ステップS115でΛ−1(ω,nΨL+τL)を式(51)によって正規化する。γ −1(ω,nΨL+τL)はΓ−1(ω,nΨL+τL)のj行j列の対角要素とする。
Figure 2011081373
周波数ビン間の相関に基づき信号分離精度を評価するためにE(ω(n)を式(52)によりステップS116で算出する。
Figure 2011081373
周波数ビンωにおける信号分離精度μ(ω(n)を式(53)によりステップS117で計算する。
Figure 2011081373
ここで、Tr(・)は行列のトレースを表す。また、Qは行列の各行に1となる要素が1箇所、その他の要素は0で、1となる要素の位置が他の行と重複しない行列の集合である。
ステップS118において全周波数ビンを対象に式(53)を用いて信号分離精度μ(ω(n)を求め、信号分離精度の下位x%を検出する。
ステップS119において下位x%に該当した周波数ビンを間引き、該当周波数ビンは間を詰める。
間引いた状態で、隣接周波数ビンにおいて既に定められた信号源の割り当て結果Eη(ωη±|φ|(n)をステップS120で式(54)により求める。尚、基準周波数ビンωηにおけるパーミュテーション行列はΠ(ωη(n)=Iに設定する。
Figure 2011081373
隣接する周波数ビンωη±|φ+1|におけるパーミュテーション行列Π(ωη±|φ+1|(n)を式(55)によりステップS121で決定する。
Figure 2011081373
ステップS122において下位x%の周波数ビンを除く、他の全ての周波数ビンを対象に式(54)、(55)を繰り返し、Π(ωη±|φ+1|(n)を求める。
信号分離精度の下位x%に該当する周波数ビンのパーミュテーション行列は、ステップS123において最も近い周波数ビンのパーミュテーション行列をコピーする。
ステップS124において式(56)のように観測信号X(ω,m)に分離行列W(ω(n)を左から乗算した後、更にパーミュテーション行列Π(ω(n)を左から乗算して分離信号Y(ω,m)を得る。
Figure 2011081373
4.1 評価データ
図5のように、3個のセンサ(マイクロホン)21、22、23と半径1.5mの円の円周上に3個の信号源(スピーカ)11、12、13を残響時間のある会議室に配置した。尚、図5は3個の信号源(スピーカ)11、12、13と3個のセンサ(マイクロホン)21、22、23の位置関係を示す平面図である。信号源1jとセンサ2iの間の伝達関数hij(t)は、残響時間を100msに設定し、信号源(スピーカ)から発したTSP信号をセンサ(マイクロホン)で受音することによって測定した。音声データは男性3名と女性2名から異なる3名を選択して、3分間の混合データを2組作成した。実験条件は、信号源(スピーカ)とセンサ(マイクロホン)の個数はJ=N=3、標本化周波数8kHz、量子化ビット数16ビット、短時間離散フーリエ変換の点数K=2048、シフトサイズT=30、窓関数はハニング窓である。忘却係数β=0.99、ブロック長L=32フレーム,Ψ=1ブロックでM=1500ブロックを最小2乗型同時対角化問題の対象にした。本発明に係るブラインド信号分離方法では、初期値a=b=1、ε=10−5、ε=10−5、ε=10−15を用いている。パーミュテーション問題の解法において基準周波数ビンはfη=1.5kHzに設定している。また、信号分離精度の下位20%または下位50%に該当する周波数ビンは間引いている。SNRは10dB間隔で10〜30dBの範囲で変化させた。ここで、センサ21、22、23のSNRは式(57)によってそれぞれ算出した。ここで、E[・]は期待値を表す。
Figure 2011081373
4.2 評価指標
ブラインド信号分離方法の信号分離性能を次の方法で評価した.式(58)によって観測信号における所望信号源信号と干渉信号の電力の比、式(59)によって出力信号における所望信号源信号と干渉信号の電力の比をそれぞれ計算した後、式(60)のようにSIRyiとSIRxiの差によってブラインド信号分離装置の各出力の信号分離性能を求める。式(61)による各出力の平均を信号分離性能とした。cij(t)(n)は式(62)のC(ω(n)の要素を、wij(t)(n)はW(ω(n)の要素をそれぞれ逆離散フーリエ変換したものである。
Figure 2011081373
4.3 評価対象
最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたフォワードモデル型ブラインド信号分離方法(非特許文献3)を比較対象とする。なお、非特許文献3ではN=32,M=1500エポックを最小2乗型同時対角化問題の対象とした。
4.4 評価結果
図6の信号分離性能から明らかなように、本発明に係るブラインド信号分離方法が従来のフォワードモデル型ブラインド信号分離方法よりも高いSIRを得ることができた。この要因は信号の統計的性質を反映する為に忘却係数βを導入し、空間相関行列の逆行列を最小2乗型同時対角化問題を適用することによって雑音の影響を最小にすると同時に、分離行列が精度良く推定でき、パーミュテーション問題の正答率が高いためと考えられる。
5.1 評価データ
2個の信号源(スピーカ)12、14と2個のセンサ(マイクロホン)21、22を図5のように残響のある会議室に配置した。尚、図5は2個の信号源(スピーカ)12、14と2個のセンサ(マイクロホン)21、22の位置関係を示す平面図である。2個の信号源(スピーカ)12、14は直線上に配置されている。2名の男性による3分間の音声を音声データとして使用した。実験条件は、信号源(スピーカ)とセンサ(マイクロホン)の個数はJ=N=2、標本化周波数8kHz、量子化ビット数16ビット、短時間離散フーリエ変換の点数K=4096、シフトサイズT=60、窓関数はハニング窓である。忘却係数β=0.99、ブロック長L=40フレーム,Ψ=1ブロックでM=500ブロックを最小2乗型同時対角化問題の対象にした。本発明に係るブラインド信号分離方法では、初期値a=b=1、ε=10−4、ε=10−4、ε=10−15を用いている。信号源1jとセンサ2iの間の伝達関数hij(t)は、残響時間を300msに設定し、信号源(スピーカ)から発したTSP信号をセンサ(マイクロホン)で受音することによって測定した。パーミュテーション問題の解法において基準周波数ビンはfη=1.5kHzに設定している。また、信号分離精度の下位17.4%に該当する周波数ビンは間引いている。
5.2 評価指標
式(63)で最適なパーミュテーション行列Πopt(ω(n)、本発明に係るブラインド信号分離方法でパーミュテーション行列Π(ω(n)をそれぞれ求め、誤差‖Πopt(ω(n)−Π(ω(n)を計算する。誤差が零のときは、本発明に係るブラインド信号分離方法で正しくパーミュテーション問題が解法されたことになり、誤差が零でない場合は正しいパーミュテーション行列が求められなかったことになる。
Figure 2011081373
5.3 評価対象
同一信号源から発生した信号の隣接周波数ビンに相関があることを利用したパーミュテーション問題の解法(非特許文献3)を比較対象とする。
5.4 評価結果
誤差‖Πopt(ω(n)−Π(ω(n)が零になる周波数ビンを白、零にならない周波数ビンを黒で描くと図7、8の上段のグラフを得る。灰色は白と黒が交互に現れる領域である。図7、8の上段のグラフの縦軸は周波数、横軸は最小2乗型同時対角化問題の解法の適用回数nをそれぞれ表す。図中で白の面積が多くなると、パーミュテーション問題の正答率が高くなる。本発明に係るブラインド信号分離方法で適応的にパーミュテーション問題を解法すると、適用回数の増加に伴い白の面積が増大する。図7の下段のグラフより最小2乗型同時対角化問題の解法の適用回数nの増加とともに誤り率が減少することから、パーミュテーション問題の正答率が高くなることがわかる。一方、従来のパーミュテーション問題の解法では、図8の上段のグラフより適用回数を増しても、白の面積は増加も減少もしないばかりでなく灰色の領域が多く本発明に係るブラインド信号分離方法に比べ不安定である。また、図8の下段のグラフより誤り率は約50%である。これはランダムにパーミュテーション行列を割り当てた結果と変わらないことから、本発明に係るブラインド信号分離方法に比べパーミュテーション問題の正答率は向上しないことがわかる。
6.1 評価データ
2個の信号源(スピーカ)12、14と2個のセンサ(マイクロホン)21、22を図5のように残響のある会議室に配置した。尚、図5は2個の信号源(スピーカ)12、14と2個のセンサ(マイクロホン)21、22の位置関係を示す平面図である。1名の男性による3分間の音声を音声データ、3分間のクラシック音楽を音楽データとしてそれぞれ使用した。実験条件は、信号源(スピーカ)とセンサ(マイクロホン)の個数はJ=N=2、標本化周波数8kHz、量子化ビット数16ビット、短時間離散フーリエ変換の点数K=4096、シフトサイズT=40、窓関数はハニング窓である。忘却係数β=0.99、ブロック長L=40フレーム,Ψ=1ブロックでM=900ブロックを最小2乗型同時対角化問題の対象にした。本発明に係るブラインド信号分離方法では、初期値a=b=1、ε=10−4、ε=10−4、ε=10−15を用いている。信号源1jとセンサ2iの間の伝達関数hij(t)は、残響時間を300msに設定し、信号源(スピーカ)から発したTSP信号をセンサ(マイクロホン)で受音することによって測定した。パーミュテーション問題の解法において基準周波数ビンはfη=1.5kHzに設定している。また、信号分離精度の下位20%に該当する周波数ビンは間引いている。
6.2 評価指標
5〜9秒の範囲の信号源信号s(t)、s(t)、観測信号x(t)、x(t)、本発明に係るブラインド信号分離方法で観測信号x(t)、x(t)を分離した信号y(t)、y(t)をそれぞれスペクトログラムで表示する。信号源信号s(t)、s(t)と分離信号y(t)、y(t)については、発音内容と信号波形も示す。
6.3 評価結果
図9の上段は信号源信号、中段は観測信号、下段は分離信号のスペクトログラムをそれぞれ示す。本発明に係るブラインド信号分離方法による分離信号のスペクトログラムy(ω,m)とy(ω,m)はそれぞれ、遅延させた信号源信号のスペクトログラムs(ω,m)とs(ω,m)に類似しており、信号が分離できていることが確認できる。
本発明に係るブラインド信号分離方法の実施の形態を示す図である。 本発明に係るブラインド信号分離方法において最小2乗型同時対角化問題の対角化行列の解法について説明するためのフローチャートである。 本発明に係るブラインド信号分離方法において最小2乗型同時対角化問題の対角行列の解法について説明するためのフローチャートである。 本発明に係るブラインド信号分離方法のパーミュテーション行列の解法について説明するためのフローチャートである。 本発明に係る信号分離方法の実施例1〜3における信号源(スピーカ)とセンサ(マイクロホン)の位置関係を表す平面図である。 本発明に係る信号分離方法の実施例1における信号分離性能を示す図である。 本発明に係る信号分離方法の実施例2におけるパーミュテーション問題の解法結果と誤り率を示す図である。 実施例2における従来のパーミュテーション問題の解法結果と誤り率を示す図である。 本発明に係る信号分離方法の実施例3における発音内容、信号波形、スペクトログラムを示す図である。
11〜1N…信号源、21〜2J…センサ、31…短時間離散フーリエ変換、40…ブラインド信号分離システム、51、52、…、5K…最小2乗型同時対角化問題の解法、60…パーミュテーション問題の解法、71、72、…、7K…畳み込み演算、80…逆離散フーリエ変換と重複加算

Claims (11)

  1. 未知の畳み込み混合系により混在した互いに統計的に独立な未知信号源信号を、観測信号のみからブラインドで推定する方法であって、観測信号に窓関数を乗算した後、これに点数Kの短時間離散フーリエ変換を適用して得られる観測信号ベクトルに最小2乗型同時対角化問題の解法を適用して信号分離精度の高い分離行列を求めることを特徴とするブラインド信号分離方法。
  2. 請求項1記載の最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたブラインド信号分離方法において、周波数ビン毎に忘却係数によって指数関数的に重み付けられた観測信号の空間相関行列を求めることを特徴とするブラインド信号分離方法。
  3. 請求項1乃至請求項2のいずれか1項に記載の最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたブラインド信号分離方法において、ブロック処理に基づき観測信号の空間相関行列の逆行列をブロック毎に求め、これを正規化した後、1つのブロック又は複数のブロックを当該周波数ビンの最小2乗型同時対角化問題の対象にすることを特徴とするブラインド信号分離方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたブラインド信号分離方法において、最小2乗法、累乗法、反復法を組み合わせることによって最小2乗型同時対角化問題の近似解を適応的に求めることを特徴とするブラインド信号分離方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたブラインド信号分離方法において、累乗法に含まれる正規化によって分離行列の各列ベクトルを正規化するスケーリング問題を代用することができることを特徴とするブラインド信号分離方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたブラインド信号分離方法において、短いブロック長でセンサの個数が多い応用においてブロック毎の逆行列の演算量が多い場合には、周波数ビン毎に指数関数的に重み付けられた観測信号の空間相関行列の算出とブロック毎の逆行列の演算の代わりに逆行列の補題を用いることを特徴とするブラインド信号分離方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたブラインド信号分離方法において、ブロック長がLでM個のブロックを対象区間とした最小2乗型同時対角化問題の解法をn回適用して分離行列を推定した後、同一周波数ビンにおける各分離信号の相関に基づき、周波数ビンω(k=0、1、…、K−1)におけるN個の分離信号のペリオドグラムの逆数の2乗和の平方根による正規化を用いて当該周波数ビンにおける信号分離精度μ(ω(n)を式(1)で求めることを特徴とするブラインド信号分離方法。Tr(・)は行列のトレースを表す。また、Qは行列の各行に1となる要素が1箇所、その他の要素は0で、1となる要素の位置が他の行と重複しない行列の集合である。行列E(ω(n)と行列Γ−1(ω,nΨL+τL)はそれぞれ式(5)、(6)で与えられ、τ=1、2、…、MにおいてΓ−1(ω,nΨL+τL)は、分離信号のペリオドグラムλ(ω,nΨL+τL)の逆数を対角要素とする対角行列Λ−1(ω,nΨL+τL)を正規化した行列で、対角要素γ −1(ω,nΨL+τL)を有する。尚、M個のブロックが最小2乗型同時対角化問題の対象区間であるので、Ψは連続する2組の対象区間の重複シフトサイズとなる。
    Figure 2011081373
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたブラインド信号分離方法において、信号分離精度が著しく低い周波数ビンを検出して、該当周波数ビンを間引いた後、これらの周波数ビンを詰めてパーミュテーション問題を適応的に解法することを特徴とするブラインド信号分離方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたブラインド信号分離方法において、信号分離精度が著しく低い周波数ビンを詰めた状態で同一信号源から発生した信号の隣接または近接周波数ビンに相関があることを利用してパーミュテーション問題を適応的に解法することを特徴とするブラインド信号分離方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の最小2乗型同時対角化問題の解法を用いたブラインド信号分離方法において、信号分離精度が著しく低い周波数ビンに該当するパーミュテーションに、近接周波数ビンのパーミュテーションをコピーすることを特徴とするブラインド信号分離方法。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のブラインド信号分離方法を用いて信号源分離を行うように構成されていることを特徴とするブラインド信号分離方法を用いたブラインド信号分離装置。
JP2010222751A 2009-09-14 2010-09-10 ブラインド信号分離方法およびその装置 Active JP5509481B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010222751A JP5509481B2 (ja) 2009-09-14 2010-09-10 ブラインド信号分離方法およびその装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009212010 2009-09-14
JP2009212010 2009-09-14
JP2010222751A JP5509481B2 (ja) 2009-09-14 2010-09-10 ブラインド信号分離方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011081373A true JP2011081373A (ja) 2011-04-21
JP5509481B2 JP5509481B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=44075433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010222751A Active JP5509481B2 (ja) 2009-09-14 2010-09-10 ブラインド信号分離方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5509481B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104934041A (zh) * 2015-05-07 2015-09-23 西安电子科技大学 基于多目标优化联合块对角化的卷积盲信号分离方法
JP2015210512A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 晋哉 齋藤 ブラインド信号分離方法およびその装置
CN105355212A (zh) * 2015-10-14 2016-02-24 天津大学 一种稳健的欠定盲分离源数及混合矩阵估计方法及装置
CN114114001A (zh) * 2021-11-24 2022-03-01 国网安徽省电力有限公司电力科学研究院 一种gis设备隔离开关机械状态监测方法及系统

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104636313B (zh) * 2014-12-16 2017-12-29 成都理工大学 一种冗余扩展单源观测信号的盲信号分离方法
CN110010148B (zh) * 2019-03-19 2021-03-16 中国科学院声学研究所 一种低复杂度的频域盲分离方法及系统

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004523752A (ja) * 2001-01-30 2004-08-05 トムソン ライセンシング ソシエテ アノニム 幾何学的音源分離による信号処理装置、システムおよび方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004523752A (ja) * 2001-01-30 2004-08-05 トムソン ライセンシング ソシエテ アノニム 幾何学的音源分離による信号処理装置、システムおよび方法

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CSNG200701104010; 齋藤 晋哉 Shinya SAITO: '逆行列の補題を用いた適応ALSアルゴリズムにおけるブラインド音源分離 Blind source separation of ada' 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.106 No.570 IEICE Technical Report , 20070227, p.63-67, 社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electro *
JPN6013027425; 牧野 昭二,荒木 章子,向井 良,澤田 宏: '独立成分分析に基づくブラインド音源分離' 第18回ディジタル信号処理シンポジウム , 20031105, 社団法人電子情報通信学会 *
JPN6013027428; 齋藤 晋哉 Shinya SAITO: '逆行列の補題を用いた適応ALSアルゴリズムにおけるブラインド音源分離 Blind source separation of ada' 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.106 No.570 IEICE Technical Report , 20070227, p.63-67, 社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electro *
JPN7013002107; Andreas Ziehe, Pavel Laskov, Klaus-Robert Muller, Guido Nolte: 'A Linear Least-Squares Algorithm for Joint Diagonalization' ICA2003 , 200304, p.469-474, ICA2003 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015210512A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 晋哉 齋藤 ブラインド信号分離方法およびその装置
CN104934041A (zh) * 2015-05-07 2015-09-23 西安电子科技大学 基于多目标优化联合块对角化的卷积盲信号分离方法
CN105355212A (zh) * 2015-10-14 2016-02-24 天津大学 一种稳健的欠定盲分离源数及混合矩阵估计方法及装置
CN114114001A (zh) * 2021-11-24 2022-03-01 国网安徽省电力有限公司电力科学研究院 一种gis设备隔离开关机械状态监测方法及系统
CN114114001B (zh) * 2021-11-24 2023-10-31 国网安徽省电力有限公司电力科学研究院 一种gis设备隔离开关机械状态监测方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP5509481B2 (ja) 2014-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Erdogan et al. Improved mvdr beamforming using single-channel mask prediction networks.
US20210089967A1 (en) Data training in multi-sensor setups
Mandel et al. Model-based expectation-maximization source separation and localization
JP5509481B2 (ja) ブラインド信号分離方法およびその装置
JP6288561B2 (ja) ブラインド信号分離方法およびその装置
WO2016130885A1 (en) Audio source separation
Comanducci et al. Time difference of arrival estimation from frequency-sliding generalized cross-correlations using convolutional neural networks
Traa et al. Multichannel source separation and tracking with RANSAC and directional statistics
Scheibler et al. Separake: Source separation with a little help from echoes
Wood et al. Binaural codebook-based speech enhancement with atomic speech presence probability
Weiss et al. Combining localization cues and source model constraints for binaural source separation
Li et al. An EM algorithm for audio source separation based on the convolutive transfer function
Asaei et al. Binary sparse coding of convolutive mixtures for sound localization and separation via spatialization
Liu et al. Head‐related transfer function–reserved time‐frequency masking for robust binaural sound source localization
JP2017191309A (ja) ブラインド信号分離方法およびその装置
KR101658001B1 (ko) 강인한 음성 인식을 위한 실시간 타겟 음성 분리 방법
CN116052702A (zh) 一种基于卡尔曼滤波的低复杂度多通道去混响降噪方法
Kounades-Bastian et al. Exploiting the intermittency of speech for joint separation and diarization
Zohny et al. Modelling interaural level and phase cues with Student's t-distribution for robust clustering in MESSL
Wu et al. Spatial feature learning for robust binaural sound source localization using a composite feature vector
Brutti et al. On the use of early-to-late reverberation ratio for ASR in reverberant environments
Ji et al. Coherence-Based Dual-Channel Noise Reduction Algorithm in a Complex Noisy Environment.
Wood et al. Blind Speech Separation with GCC-NMF.
Hammer et al. FCN approach for dynamically locating multiple speakers
Nishikawa et al. Stable learning algorithm for blind separation of temporally correlated acoustic signals combining multistage ICA and linear prediction

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130611

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5509481

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250