JP2011055331A - スピーカ組み込み家具および室内音響再生装置 - Google Patents

スピーカ組み込み家具および室内音響再生装置 Download PDF

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Sakuji Ito
作二 伊東
Takashi Oyaba
隆史 大矢場
Sanekado Shimodaira
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Abstract

【課題】音の広がりを感じさせる。
【解決手段】マルチチャンネルのうち、少なくともサブウーファーチャンネル以外のチャンネルを再生するスピーカ5〜9が組み込まれ、且つスピーカ5〜9の全てが室内の反射体に向けられて反射音を同室のリスナーに聴かせるようにしている。各チャンネルのスピーカを鳴らすと、各チャンネルの音はスピーカから各々が対向する反射体に向けて発せられる。ここで、反射体は例えば部屋の壁、仕切、タンス等の家具など室内に存在する音を反射させるものである。各スピーカから発せられた各チャンネルの音は反射体に反射してリスナーに届く。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピーカ組み込み家具および室内音響再生装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、サラウンドシステムを構成する各スピーカが組み込まれたスピーカ組み込み家具および室内音響再生装置に関するものである。
音響装置として、ハイバックタイプの椅子の背もたれ上部,ヘッドレストなどに左右一対のスピーカを埋め込んで着座者(リスナー)の身体のすぐそばで音を発生させ、音に包まれるような音場再生を目的としたものがある(特開平10−285678号、特開平5−137630号)。
特開平10−285678号公報 特開平5−137630号公報
しかしながら、上記の音響装置はリスナーが直接音を聴く方式であるため、音源の位置がスピーカの位置あるいは身体のすぐ近くにあると感じることになり、音場の広がりを感じ難い。
本発明は、音場の広がりを感じさせることができるスピーカ組み込み家具および室内音響再生装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載のスピーカ組み込み家具は、マルチチャンネルのうち、少なくともサブウーファーチャンネル以外のチャンネルを再生するスピーカが組み込まれ、且つスピーカの全てが室内の反射体に向けられて反射音を同室のリスナーに聴かせるようにしたものである。
各チャンネルのスピーカはリスナーの居る室内に置かれている家具に組み込まれている。各チャンネルのスピーカを鳴らすと、各チャンネルの音はスピーカから各々が対向する反射体に向けて発せられる。ここで、反射体は例えば部屋の壁、仕切、タンス等の家具など室内に存在する音を反射させるものである。各スピーカから発せられた各チャンネルの音は反射体に反射してリスナーに届く。なお、サブウーファーチャンネルについてはそのスピーカを他のチャンネルのスピーカと一緒に家具に組み込んでも良いし、組み込まずに別に設けても良い。
スピーカ組み込み家具としては、例えば請求項2記載の発明のように椅子、請求項3記載の発明のようにテーブル、請求項4記載の発明のように天井に設置された照明装置であることが好ましい。
また、請求項5記載の室内音響再生装置は、マルチチャンネルのうち、少なくともサブウーファーチャンネル以外のチャンネルを再生するスピーカが1つの家具に組み込まれており、且つスピーカの全てが室内の反射体に向けられて反射音を同室のリスナーに聴かせるようにしたものである。
室内音響再生装置は家具としてリスナーの居る室内に設置されている。各チャンネルのスピーカを鳴らすと、各チャンネルの音はスピーカから各々が対向する反射体に向けて発せられる。ここで、反射体は例えば部屋の壁、仕切、タンス等の家具など室内に存在する音を反射させるものである。各スピーカから発せられた各チャンネルの音は反射体に反射してリスナーに届く。なお、サブウーファーチャンネルについてはそのスピーカを他のチャンネルのスピーカと一緒に家具に組み込んでも良いし、組み込まずに別に設けても良い。
各スピーカを組み込む家具としては、例えば請求項6記載の室内音響再生装置のように椅子、請求項7記載の室内音響再生装置のようにテーブル、請求項8記載の室内音響再生装置のように天井に設けられた照明装置であることが好ましい。
本発明のスピーカ組み込み家具および室内音響再生装置では、マルチチャンネルのうち、少なくともサブウーファー以外のチャンネルを再生するスピーカを1つの家具に纏めているので、スピーカの数が多いマルチチャンネルスピーカシステムにおいて、数多くのスピーカを別個に設ける場合の配線や施工の煩わしさを解消することができると共に、引っ越しやレイアウト変更等による場所移動を容易にすることができる。
また、家具でもあるので、スピーカシステムを別個に置くような特別の場所が不要になる。家具としては、どの家庭にも一般的に備えられている椅子、テーブル、天井に設置された照明装置であることが好ましい。
各スピーカを組み込んだ家具はリスナーの身近に置かれることになるが、リスナーには反射体に反射させた音を聴かせるようにしているので、各チャンネルのスピーカが比較的離れた位置に設置されていると錯覚させることができ、広がりのある音場・サラウンド空間を創り出すことができる。
本発明のスピーカ組み込み家具の第1の実施形態を示し、幅の広いソファーに適用した場合の斜視図である。 同スピーカ組み込み家具を幅の広いソファーに適用した場合の平面図である。 同スピーカ組み込み家具を幅の広いソファーに適用した場合の正面図である。 同スピーカ組み込み家具の電気系統結線図である。 同スピーカ組み込み家具を部屋のほぼ中央に置いた状態を示す平面図である。 同スピーカ組み込み家具を幅の狭いソファーに適用した場合の平面図である。 同スピーカ組み込み家具を幅の狭いソファーに適用した場合の正面図である。 適用するソファーの幅によって脚部の向きを調節する様子を説明するための図である。 反射音による音源の鏡像効果を説明するための平面図である。 本発明のスピーカ組み込み家具をソファーに適用した場合の変形例を示す斜視図である。 本発明のスピーカ組み込み家具をソファーに適用した場合の更に別の変形例を示す側面図である。 同変形例の左側の脚部を示す斜視図である。 本発明のスピーカ組み込み家具をソファーに適用した場合の更に別の変形例を示す側面図である。 同変形例の右側の脚部を示す斜視図である。 本発明のスピーカ組み込み家具の第2の実施形態を示し、テーブルに適用した場合の平面図である。 同スピーカ組み込み家具の背面図である。 同スピーカ組み込み家具を部屋のほぼ中央に置いた状態を示す平面図である。 リアスピーカのクロストークを防止する概念を示す斜視図である。 リアスピーカのクロストークの防止を説明するためのもので、(a)は比較のためのものであって、リアスピーカを前方に置く方式におけるクロストークの概念を示す平面図、(b)は本発明のスピーカ組み込み家具におけるクロストークの概念を示す平面図である。 リアスピーカのクロストークの防止を説明するためのもので、(a)は比較のためのものであって、リアスピーカを前方に置く方式におけるクロストークの概念を示す側面図、(b)は本発明のスピーカ組み込み家具におけるクロストークの概念を示す側面図である。 反射音による音源の鏡像効果を説明するための平面図である。 本発明のスピーカ組み込み家具の第3の実施形態を示し、天井に設置された照明装置に適用した場合の側面図である。 本発明のスピーカ組み込み家具を照明装置に適用した場合の変形例を示す側面図である。 本発明のスピーカ組み込み家具の第4の実施形態を示し、7.1チャンネルサラウンドシステムをテーブルに適用した場合の平面図である。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5に、本発明のスピーカ組み込み家具および室内音響再生装置の第1の実施形態を示す。このスピーカ組み込み家具1は、マルチチャンネルのうち、少なくともサブウーファーチャンネル以外のチャンネルを再生するスピーカが組み込まれ、且つスピーカの全てが室内の反射体2に向けられて反射音を同室のリスナー3に聴かせるようにしたものである。また、このスピーカ組み込み家具1は室内音響再生装置としてとらえることができ、室内音響再生装置1は、マルチチャンネルのうち、少なくともサブウーファーチャンネル以外のチャンネルを再生するスピーカが1つの家具に組み込まれており、且つスピーカの全てが室内の反射体2に向けられて反射音を同室のリスナー3に聴かせるようにしたものである。
本実施形態では、マルチチャンネルスピーカシステムとして、5.1チャンネルサラウンドシステムを採用し、家具1としての椅子例えばソファー(以下、ソファー1という)の脚部4に各チャンネルのスピーカ5〜10が組み込まれている。即ち、センターチャンネルの音を再生するセンタースピーカ5と、左フロントチャンネルの音を再生する左フロントスピーカ6と、右フロントチャンネルの音を再生する右フロントスピーカ7と、左リアチャンネルの音を再生する左リアスピーカ8と、右リアチャンネルの音を再生する右リアスピーカ9と、サブウーファーチャンネルの音を再生するサブウーファースピーカ10がソファー1の脚部4に組み込まれている。ただし、採用できるマルチチャンネルスピーカシステムとしては、5.1チャンネルサラウンドシステムに限るものではなく、例えば6.1チャンネルサラウンドシステム、7.1チャンネルサラウンドシステムでも良く、その他のチャンネル数のシステムでも良い。
本実施形態では、サブウーファースピーカ10も他のスピーカ5〜9と一緒に脚部4に組み込まれている。ただし、サブウーファースピーカ10を他のスピーカ5〜9と一緒に組み込まずに、別に設けても良い。
各チャンネルのスピーカ5〜10として、単一のスピーカを使用しても良いし、複数のスピーカを使用しても良い。
ソファー1としては、複数人が一度に座ることが可能な幅の広いものでも、一人用の幅の狭いものでも良い。本実施形態のソファー1は複数人が一度に座ることが可能なものである。また、本実施形態のソファー1は、映像を映し出すディスプレイ、スクリーン等の映像表示装置11に向かい合わせに配置されている。
本実施形態のソファー1は、座12と背もたれ13から成るソファー本体14に対して脚部4が別体に形成され、脚部4がソファー本体14から独立したスピーカボックス15となっている。即ち、各スピーカ5〜10が組み込まれたスピーカボックス15がソファー1の脚部4として機能している。脚部4をソファー本体14に固定しても良いし、固定せずに脚部4の上にソファー本体14を載せるだけでも良い。また、必ずしも脚部4をソファー本体14に対して別体にする必要はなく、ソファー本体14と脚部4を一体に形成しても良い。
脚部4は左右にそれぞれ設けられている。ただし、必ずしも脚部4を左右に設ける必要はなく、例えば図10に示すように、脚部4を一纏めのものにしても良い。
右側の脚部4には右側のチャンネルの音を再生するスピーカが組み込まれ、左側の脚部4には左側のチャンネルの音を再生するスピーカが組み込まれている。また、センタースピーカ5及びサブウーファースピーカ10は、左右の脚部4にそれぞれ組み込まれている。
センタースピーカ5、左右のフロントスピーカ6,7、左右のリアスピーカ8,9は、後述するように反射体2による反射音をソファー1に座っているリスナー3が聴き取りやすい方向に反射させることができる方向に向けて取り付けられている。
センタースピーカ5はその放射軸が例えば平面視において前方又は前方よりも僅かに内向きで、且つ斜め上向きになるように設けられている。本実施形態では、センタースピーカ5をその放射軸が平面視において前方よりも僅かに内向きで且つ斜め上向きになるように設けている。そのため、センタースピーカ5の取付部位である脚部4の前面の内側半部は当該向きを向く傾斜面45となっている。
フロントスピーカ6,7はそれらの放射軸が例えば平面視において前方又は前方よりも僅かに外向きで、且つ斜め上向きになるように設けられている。本実施形態では、フロントスピーカ6,7をそれらの放射軸が平面視において前方よりも僅かに外向きで且つ斜め上向きになるように設けている。そのため、フロントスピーカ6,7の取付部位である脚部4の前面の外側半部は当該向きを向く傾斜面46となっている。
リアスピーカ8,9はそれらの放射軸が例えば平面視において前方から外側後ろ向きに90度〜180度の範囲で、且つ斜め上向きになるように設けられている。本実施形態では、平面視において前方から外側後ろ向きに135度且つ斜め上向きになるように設けられている。そのため、リアスピーカ8,9の取付部位である脚部4の背面の外側半部は当該向きを向く傾斜面47となっている。
また、本実施形態のサブウーファースピーカ10は脚部4の底面に下向きに設けられている。ただし、サブウーファースピーカ10の取付位置と向きはこれに限るものではない。
図4に各スピーカ5〜10への電気系統結線を示す。信号源装置17からの信号は例えば右側の脚部4内に収容された電気信号調整装置16に入力され、各スピーカ5,7,9に分配されると共に、例えば左側の脚部4内の分岐装置18から各スピーカ5,6,8に分配される。信号調整装置16と右側の脚部4の入力コネクタ19、右側の脚部4の出力コネクタ20と左側の脚部4の入力コネクタ22はそれぞれ1本のマルチチャンネル伝送ケーブル23によって接続されている。信号源装置17に接続されたマルチチャンネル伝送ケーブル21のコネクタ21aと入力コネクタ19の接続、出力コネクタ20とマルチチャンネル伝送ケーブル23のコネクタ23aの接続、マルチチャンネル伝送ケーブル23のコネクタ23bと入力コネクタ22との接続は、それぞれワンタッチ接続可能となっている。したがって、配線の接続は極めて容易である。
各スピーカ5〜10への電気信号は電気信号調整装置16によって周波数特性が所望の特性となるようにコントロールされる。
本実施形態では、室内の反射体2としてソファー1正面の映像表示装置11、前後左右の壁24,25,26,26、床27等を利用する。ただし、反射体2としてはこれらに限るものではなく、室内に設けられたパーテーション、家具類等でも良く、音を反射するものであれば特に限定されない。
各スピーカ5〜10と反射体2とリスナー3との位置関係は、ソファー(室内音響再生装置1)を置く部屋の間取り、反射体2となる物の配置、リスナー3の座る位置や姿勢等によって異なる。本実施形態では、最も一般的であると想定される位置関係に基づいて各スピーカ5〜10の向きが予め決められている。つまり、より多くのケースで良好になるように各スピーカ5〜10の向きが決定されている。なお、ソファー1を実際に置く部屋の間取り等が想定する位置関係と多少ずれても、左側のチャンネルの音は左側から、右側のチャンネルの音は右側から、前側のチャンネルの音は前側から、後側のチャンネルの音は後側からそれぞれ聞えてくるので、大きな支障はない。ただし、必ずしも基準にする位置関係を最も一般的であると想定されるものにする必要はなく、例えばモデルケースを定めてこれにあう位置関係に基づくようにしても良い。
本実施形態では、図5に示ように、ソファー1は、前の壁際に置かれた映像表示装置11に対向し、後壁25を背にして設置されている。したがって、左右の脚部4は映像表示装置11の両側部又は映像表示装置11の両側方の壁24に対向して配置されることになる。センタースピーカ5から斜め前方内側に向けて発せられた音は例えば映像表示装置11で反射してソファー1に座っているリスナー3に届くことになる。フロントスピーカ6,7から斜め前方外側に向けて発せられた音は例えば前壁24及び横壁26で反射してソファー1に座っているリスナー3に届くことになる。リアスピーカ8,9から斜め後方外側に向けて発せられた音は例えば横壁26及び後壁25で反射してソファー1に座っているリスナー3に届くことになる。サブウーファースピーカ10から発せられた音は回折して広がり直接又は床27やソファー1を伝わってリスナー3に届くことになる。
ここで、サブウーファースピーカ10以外のスピーカ5〜9が指向性の低いもの、例えば口径60mm程度のフルレンジスピーカユニット1個で構成されている場合には、発せられた音が拡散するために、直進して反射体2に反射してリスナー3へ届く音のエネルギーよりもスピーカ5〜9から回折して直接リスナー3へ届く音(図5に符号28で示すクロストーク)のエネルギーが大きくなり、全ての音声がソファー1に近接した周囲から発せられているように感じてしまうことがある。そこで、サブウーファースピーカ10以外のスピーカ5〜9として指向性の高いものを使用する。例えば、極力放射軸方向にだけ音のエネルギーを集中して放射できるように出来るだけ大きな口径のスピーカユニットを用いたり、複数のスピーカユニットによるアレイを構成して指向性を強化しておく。その上で、サブウーファースピーカ10以外のスピーカ5〜9にはそれぞれあらかじめ振幅周波数特性や位相周波数特性を所望の効果が得られるように調整された入力信号が入力される。
一般的に反射音は中低音域の勝った明瞭度の低い音となってしまう特徴があるが、これは一般的な部屋の壁の表面は中、高音域において吸音作用が大きいためである。そこでスピーカ5〜9から発せられる音を予め高音域を強めるか又は低音域を弱めておくことが必要になる。そのための信号処理を電気信号調整装置16によって行なう。ただし、電気信号調整装置16による信号処理に代えて、例えば高音域再生専用のスピーカを追加するようにしても良い。
本実施形態ではセンタースピーカ5を左右の脚部4に設けており、左右のセンタースピーカ5からは同じチャンネルの音が同時に発せられる。センターチャンネルの音は本来リスナー3正面中央部に定位することが望ましい。ここで、左右のセンタースピーカ5を正面に向けた場合を考える。この場合、リスナー3がソファー1の中央に座っているときには左右のセンタースピーカ5から均等な音量の反射音が得られるので、センターチャンネルの音は中央に定位する。しかしながら、リスナー3が例えば右側に偏って座っているときは、右側の反射音が左側の反射音よりも強くなるので、センターチャンネルの音が右側に偏って定位する。
これに対し、本実施形態では、左右のセンタースピーカ5を斜め前方内側に向けているため、センターチャンネルの反射音はソファー1の中央に最も強く戻ってくることになる(図5の符号29)。つまり、リスナー3が例えば右側に偏って座っている場合は、相対的に反対側の左側の反射音が強くなり、右側の反射音は弱くなるため、センターチャンネルの音の定位は中央付近に補正されることになる。同様に、リスナー3が左側に偏って座っている場合は、相対的に右側の反射音が強くなり、左側の反射音は弱くなるため、センターチャンネルの音の定位は中央付近に補正されることになる。ただし、例えばセンターチャンネルの音が左右のいずれかに偏って定位しても良い場合や、左右の脚部4の間隔が狭くセンターチャンネルの放射軸を正面に向けてもセンターチャンネルの音が中央に定位する場合等には、センタースピーカ5の放射軸を平面視において前方に向けても良い。
また、スピーカの放射音の指向性は高音域ほど鋭くなり、人間の聴覚も3kHz以上の高音域で音の方向感の感度が高くなるので、センタースピーカ5として高音用スピーカを設けた場合には、当該高音用スピーカの放射軸のみ内側に向けても良い。
室内音響再生装置1を左右の脚部4に分けたことで、脚部4の上に載せるソファー本体14の幅にかかわらず脚としての役割を果たすことが可能となる。つまり、ソファー本体14の幅に応じて左右の脚部4の間隔を調節することで、幅の異なるソファー1に対して対応可能になる。即ち、図1〜図3に示すように幅が広いソファー本体14を載せる場合には左右の脚部4の間隔を広げ、図6,図7に示すように幅が狭いソファー本体14を載せる場合には左右の脚部4の間隔を狭くする。このように、左右の脚部4の間隔を調節することで、ソファー本体14の幅の変化に対応することができ、ソファー本体14を幅の異なるものに交換する場合に便利である。
また、左右の脚部4の間隔に応じて脚部4の向きを変化させても良い。図8に実線で示すように、幅の狭いソファー1例えば1人用ソファー1に適用する場合には、即ち左右の脚部4の間隔が狭い場合には、センタースピーカ5を内向きに配置する必要はなく、フロントスピーカ6,7を外向きに配置する必要がある。そのため、左右の脚部4を若干外向きに配置する。また、図8に仮想線で示すように、幅の広いソファー1例えば複数人用のソファー1に適用する場合には、即ち左右の脚部4の間隔が広い場合には、センタースピーカ5をより内向きに配置する必要があり、フロントスピーカ6,7を外向きに配置する必要はない。そのため、左右の脚部4を内向きに配置する。このように、左右の脚部4の間隔に応じて脚部4の向きを調節することで、1種類の室内音響再生装置1で幅の狭い1人用のソファー1から幅の広い3人以上用のソファー1まで対応することができる。
このように室内音響再生装置1を部屋のほぼ中央に置き、サブウーファー以外のチャンネルの音を周囲の壁24〜26(反射体2)に向かって放射し、壁24〜26によって反射された音を聴く本発明では、図9に示すように原理的に音源位置が壁からの距離のほぼ2倍の壁の向こう側に存在することと等価(鏡像効果)であり、リスナー3はあたかも部屋の広さが4倍になったかのように感じることになる。
本実施形態では、サブウーファースピーカ10は脚部4(スピーカボックス15)の底面に設けられており、サブウーファースピーカ10から発せられた音は脚部4と床27との間の隙間を通じて全方向に放射される。サブウーファーの再生帯域では指向性がつかないため、リスナー3は反射音ではなく主として直接音を聴くことになる。しかもサブウーファースピーカ10とリスナー3の距離が近いため、例えばサブウーファースピーカ10を別に準備して部屋の前方においた場合に比べて少ない電気入力でも聴感上は同じ音量に感じることになり、効率が良いと共に不要な騒音を少なくする効果がある。また、他のチャンネルの音よりもサブウーファーチャンネルの音の方が時間的に早くリスナー3に到達するので、サブウーファーに必用不可欠なローパスフィルターのグループディレイによる信号の時間遅れを結果的に補正することになり、スピード感のある低音再生が可能となる。加えて、音のみならず反作用としての振動が脚部4からソファー1に伝わるため、映画ソフトなどの重低音成分の再生時にリスナー3が心地よい振動を感じる効果も生じる。
本実施形態では、マルチチャンネル音声再生用の複数のスピーカ5〜10を左右一対の脚部4に組み込み、それらをソファー1の脚部4として一体化したので、各スピーカ5〜10を各チャンネル毎に独立して設置する方式に較べて、設置が簡単である。
また、リスナー3へはセンターチャンネル、左右のフロントチャンネル、左右のリアサイドチャンネルの音を反射させて届かせているので、各反射音が伝わる距離が殆ど等しくなり、センターチャンネル、左右のフロントチャンネル、左右のリアサイドチャンネルの音がほぼ同時にリスナー3に到達することになる。そのため、音のつながりや広がりなどが自然である。また音質の違和感を生じさせることがない。
また、サブウーファースピーカ10をソファー1に組み込むことで、直接音を聴くことになるサブウーファースピーカ10をリスナー3に近い場所に設置することになる。そのため、サブウーファーチャンネルの信号レベルをあまり大きくしなくてもリスナー3にとって十分なレベルの音圧を得ることができ、駆動用アンプのサブウーファーチャンネルの出力を他のチャンネルの出力に比べて小さくすることが可能となり、サブウーファーチャンネルの音の他の部屋への音漏れを少なくできる。
また、サブウーファーチャンネル以外のチャンネルは反射音をリスナー3に聴かせることになり、サブウーファーチャンネルは直接音をリスナー3に聴かせることになる。リスナー3に近い位置にサブウーファースピーカ10が設置されることになるので、リスナー3に対してサブウーファースピーカの音が他のチャンネルの音よりも時間的に早く到達することになる。そのため、結果的にサブウーファーに必要不可欠なローパスフィルターのグループディレイによる時間遅れが補正されることになり、スピード感のある(遅れ感のない)低音再生が可能となる。
また、脚部4にスピーカを組み込んでも、ソファー1の外観が一般的なインテリア家具としてのソファーと殆ど変わらないので、室内に置いておいても違和感が少なく、また、実際にソファーとして使用することができるので、スピーカとして使用しない場合でも邪魔にならない。
なお、本実施形態では室内音響再生装置1及びスピーカ組み込み家具1を椅子としてのソファー1に適用していたが、適用可能な椅子としてはソファに限るものではなく、例えば安楽椅子でも良く、その他の椅子でも良い。
また、本実施形態では、左右一対の脚部4に適用していたが、必ずしも左右一対に分割されている脚部4に限るものではなく、例えば図10に示すように、1つに纏められた脚部4に適用しても良い。この場合には、各スピーカ5〜10を一纏めにしているので、取り扱いや場所移動がより便利である。
また、上述の説明では、スピーカボックス15を脚部4として使用していたが、脚部4として使用しなくても良い。例えば、左右の脚の間の空間にスピーカボックス15を収容したり、左右の脚の外側にスピーカボックス15を置くようにしても良い。なお、左右の脚の間の空間にスピーカボックス15を収容する場合には、左右のフロントスピーカ6,7の間隔が狭くなるので、フロントチャンネルの音の左右への広がり感を得にくい。そのため、左右のフロントスピーカ6,7の放射軸を外向きに開くことが好ましい。あるいは入力電気信号に予め信号処理を行ってリスナー3の左右の耳に到達する反射音が音の広がり感を感じられるような周波数特性を持たせる方法によって、左右への音の広がり感を得るようにしても良い。
また、スピーカボックス15の周囲を音が透過する織布や編み物などのメッシュ状の表皮部材で覆い、スピーカを隠すようにしても良い。
また、上述の説明では、電気信号調整装置16をスピーカボックス15(脚部4)内に収納していたが、必ずしもこの構成に限るものではなく、電気信号調整装置16をスピーカボックス15と別に設けても良い。例えば邪魔になりにくい部屋の片隅に設置しても良い。この場合には、電気信号調整装置16と各スピーカとを接続するスピーカケーブルは長くなってしまうが、スピーカボックス15を軽量化することができる。
また、本実施形態では、脚部4の向きを変えることでスピーカの向きを変えるようにしていたが、必ずしもこの構成に限るものではなく、例えば脚部4を構成する筐体に対して向きを変えることができるようにスピーカを取り付けておき、脚部4全体の向きを変えずにスピーカの向きを変えるようにしても良い。
また、例えば図11,図12に示すソファー1のように、脚部4を構成するスピーカボックス15を筐体48に収容しても良い。筐体48内にスピーカボックス15を収容した場合には、ソファー本体14の重量を筐体48で受けることができる。このとき、サブウーファースピーカ10を左右の脚部4の間の空間に直接向けて設置することができる場合には、図11,図12に示すソファー1の脚部4のようにスピーカボックス15の内側面にサブウーファースピーカ10を取り付けるようにする。一方、サブウーファースピーカ10を左右の脚部4の間の空間に直接向けて設置することができない場合には、図13,図14に示すソファー1の脚部4のように斜め上方に向けてサブウーファースピーカ10を取り付けるようにする。
図15〜図17に、本発明のスピーカ組み込み家具および室内音響再生装置の第2の実施形態を示す。なお、第1の実施形態に示す部材と同一の部材には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。本実施形態の家具1はテーブル(以下、テーブル1という)であり、天板30を載せる台部31に各スピーカ5〜10が組み込まれている。即ち、台部31となるスピーカボックス15の上に天板30を載せている。
センタースピーカ5は台部31の前面中央にその放射軸5aが例えば平面視において前方且つ斜め上向きになるように設けられている。左右のフロントスピーカ6,7は台部31の前面両側部にそれらの放射軸6a,7aが例えば平面視において前方且つ斜め上向きになるように設けられている。つまり、センタースピーカ5と左右のフロントスピーカ6,7は台部31前面に水平に並べられた状態で設けられている。本実施形態では、これら3つのスピーカ5〜7を等間隔で配置している。左右のリアスピーカ8,9は左右のフロントスピーカ6,7の後方に配置され、それらの放射軸8a,9aが例えば平面視において斜め後外向き且つ斜め上向きになるように設けられている。サブウーファースピーカ10は、左右のセンタースピーカ5の間に下向きに設けられている。即ち、第1の実施形態ではセンタースピーカ5とサブウーファースピーカ10を2つずつ設けていたが、本実施形態ではこれらを1つずつ設けている。また、本実施形態では、全てのスピーカを1つのスピーカボックス15(台部31)に纏めて組み込んでいる。天板30は、全てのスピーカ5〜10を覆うように台部31の上に載せられている。
左右のリアスピーカ8,9と反射体2とリスナー3との位置関係は、テーブル(室内音響再生装置)1を置く部屋の間取り、反射体2となる物の配置、リスナー3の座る位置や姿勢等によって異なる。本実施形態では、最も一般的であると想定される位置関係に基づいて左右のリアスピーカ8,9の向き即ち後述する交差角θ1が予め決定されている。つまり、より多くのケースで良好になるように左右のリアスピーカ8,9の向きが決定されている。なお、テーブル1を実際に置く部屋の間取り等が想定する位置関係と多少ずれていても、左側のチャンネルの音は左側から、右側のチャンネルの音は右側から、前側のチャンネルの音は前側から、後側のチャンネルの音は後側からそれぞれ聞えてくるので、大きな支障はない。ただし、必ずしも基準にする位置関係を最も一般的であると想定されるものにする必要はなく、例えばモデルケースを定めてこれにあう位置関係に基づくようにしても良い。一般的には、図15に示すように、平面視におけるリアスピーカ8,9の放射軸8a,9aとフロントスピーカ6,7の放射軸6a,7aとの交差角θ1は外向きに例えば135度〜150度に設定される。ただし、必ずしも交差角θ1は135度〜150度の範囲内の角度にする必要はない。本実施形態では、交差角θ1=135度としている。なお、図15では右側の交差角θ1の記載を省略している。
左右のリアスピーカ8,9は、テーブル1をリスナー3の前方に置いた状態で、リスナー3に対して、左右のリアスピーカ8,9とサブウーファースピーカ10との間を仕切る垂直遮蔽板32,32の陰に隠れるように設けられている。即ち、左右のリアスピーカ8,9とサブウーファースピーカ10との間を仕切る左右の垂直遮蔽板32,32を左右のリアスピーカ8,9よりも斜め後方外側に向けて張り出させ、リスナー3に対して左右のリアスピーカ8,9を隠している。
なお、本実施形態では、電気信号調整装置16(図示省略)を台部31とは別の位置、例えば邪魔になりにくい部屋の片隅等に設置している。ただし、電気信号調整装置16を台部31内に収納しても良い。この場合は、電気信号調整装置16と各スピーカ5〜10とを接続するスピーカケーブルを短くすることができ、ケーブル抵抗による損失を軽減することができると共に、高品位の電力伝送による高品質化を図ることができる。
天板30は台部31に対して取り外し可能に取り付けられており、交換可能になっている。天板30として例えば木の板、ガラス板、金属板、大理石の板等の材質の異なるものや仕上げの異なるものなど種々のバリエーションのものを用意しておき、購入者が好みに応じて交換できるようになっている。これにより、インテリア家具としての魅力が増す。また、製造時に天板30の材質や仕上げの異なるものを選択することで、種類が異なる室内音響再生装置1を簡単に製造することができる。
この室内音響再生装置1は図17に示されるように壁際に置かれた映像表示装置11とリスナー3との間で部屋のほぼ中央付近に設置される。このとき、室内音響再生装置1は、センタースピーカ5及び左右のフロントスピーカ6,7がリスナー3に対向する映像表示装置11に真っ直ぐ向くように設置される。したがって、リスナー3には映像表示装置11又は前壁24に反射したセンタースピーカ5の音及び左右のフロントスピーカ6,7の音が届くことになる。また、左右のリアスピーカ8,9から発せられた音は、左又は右の横壁26及び後壁25に反射してリスナー3に届くことになる。
左右のフロントスピーカ6,7とセンタースピーカ5との間隔dは、スピーカボックス15(台部31)全体の外形寸法をあまり大きくしないために例えば10cm〜20cm程度とし、且つ互いの放射軸5a,6a,7aは平行になっているので、基本的に映像表示装置11又は前壁24に反射した音はそのままリスナー3に向けて反射する。即ち、リスナー3の左耳には左フロントチャンネルの音が、右耳には右フロントチャンネルの音が最も大きなエネルギーで入力されることになり、また、センターチャンネルの音は両耳に均等に入力される。そのため、そのままでは音源の広がりはスピーカ間隔程度に感じられてしまう。そこで、音源が実際のスピーカ間隔より広い間隔であるかのように感じられるようにするために、入力信号に公知又は新たに開発された信号処理を行うことが好ましい。
ここで、音の広がりを感じさせる信号処理としては、左右の耳に到達する信号成分をコントロールしてリスナー3に音源の広がりを感じさせるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、「ステレオワイド回路」として知られている互いに反対チャンネルの(左チャンネルには右チャンネルの、右チャンネルには左チャンネルの)逆位相成分をミキシングする方法や、頭部伝達関数に基づいて振幅周波数特性および位相周波数特性を変換する方法等が考えられる。
このとき左右のフロントスピーカ6,7の放射軸6a,7aを平行にしておくことが重要であり、外側に広がるように放射軸6a,7aを向けると反射波がリスナー3位置へ戻らず拡散してしまうため、ステレオのセパレーションが不足した大きなモノラル音源のように感じられてしまう。また一般的に一度壁などに反射した音波は一部の音響エネルギーが壁に吸収されて音圧レベルが低下するとともに周波数特性も変化してしまう。そこで、このような周波数特性の変化を補正する処理を上述の音の広がりを感じさせる信号処理に含めておくことが好ましい。このような補正としては、例えば周波数2kHz付近から高音域に向かって3dB/oct程度の傾斜で周波数特性を上昇させ、20kHzで平坦になるような補正特性を持たせる処理がある。
左右のリアスピーカ8,9からの放射音はリスナー3の後の壁25に反射し、拡散した音響エネルギーのうちリスナー3に戻ってきた音が聴かれることになる。このとき、フロントスピーカ6,7の音の場合と同様に反射によって音圧レベルが低下してしまう。また、人の聴覚は後方からの音声に対して感度が低い。そこで、リアスピーカ8,9への入力信号のレベルを大きくしてリアスピーカ8,9からの放射音圧を高めておく必要があるが、それは同時に垂直遮蔽板32を回折してリスナー3へ直接到達する音(クロストーク)を大きくしてしまう。そこでクロストークを極力小さくするためにリアスピーカ8,9の指向性を高めることが好ましい。リアスピーカ8,9の指向性を高める手段としては、例えばリアスピーカ8,9の口径を大きくしたり、複数のスピーカを併置したアレイとしたり、あるいはホーン形スピーカを用いるなどの手段が考えられる。また、同時に、リスナー3とリアスピーカ8,9との間に遮蔽物を置き、リアスピーカ8,9から発せられた音がリスナー3に直接届くのを妨げるようにするのが好ましい。
遮蔽物の例としては、例えば18図に示すようにリアスピーカ8,9の前方に水平板30および垂直板32を張り出させ、リスナー3に対してリアスピーカ8,9を隠すことが考えられる。本実施形態では、垂直板としてスピーカボックス15の垂直遮蔽板32を利用し、水平板として天板30を利用している。このようにすることで、専用の遮蔽物をわざわざ別に設ける必要がなくなり、製造コストを安くすることができると共に、スピーカボックス15を軽量化することができる。ただし、垂直遮蔽板32や天板30とは別に遮蔽物を設けて良い。リスナー3に対し、リアスピーカ8,9を隠すことで、室内音響再生装置1全体が一般的なインテリア家具の「センターテーブル」のように見える外観となる。
ここで、図19(a)および図20(a)に、本発明とは別の方式で、映像表示装置11の両脇にリアスピーカ34(左側のみ図示)を設置した方式を示す。この方式では、リアスピーカ34とリスナー3の距離が離れているため、リアスピーカ34の向きとクロストーク35の方向との間の角度α1,α2(α1:水平方向,α2:垂直方向)が小さく、指向性によるクロストーク減少効果が少ない。また、遮蔽物を設置しても角度α1,α2が小さいために遮蔽効果は少ない。
これに対し、本実施形態では、図19(b)および図20(b)に示すように、室内音響再生装置1をリスナー3の直前に置くことになるため、リアスピーカ8,9(左リアスピーカ8のみ図示)とリスナー3の距離が近く、リアスピーカ8,9の向きとクロストーク35の方向との間の角度β1,β2(β1:水平方向、β2:垂直方向)が大きくなり、指向性によるクロストークの減少効果を大きくできると同時に遮蔽物による遮蔽効果を高めることができる。
本実施形態でも、例えば図21に示すように、第1の実施形態と同様に鏡像効果を得ることができ、リスナー3はあたかも部屋の広さが4倍になったかのように感じることになる。
本実施形態では、マルチチャンネル音声再生用の複数のスピーカ5〜10を1つのスピーカボックス15に組み込み、それをテーブル1として一体化したので、各スピーカ5〜10を各チャンネル毎に独立して設置する方式に較べて、設置が簡単である。
また、リスナー3へはセンターチャンネル、左右のフロントチャンネル、左右のリアサイドチャンネルの音を反射させて届かせているので、各反射音が伝わる距離が殆ど等しくなり、センターチャンネル、左右のフロントチャンネル、左右のリアサイドチャンネルの音がほぼ同時にリスナー3に到達することになる。そのため、音のつながりや広がりなどが自然である。また音質の違和感を生じさせることがない。
また、サブウーファースピーカ10をテーブル1に組み込むことで、直接音を聴くことになるサブウーファースピーカ10をリスナー3に近い場所に設置することになる。そのため、サブウーファーチャンネルの信号レベルをあまり大きくしなくてもリスナー3にとって十分なレベルの音圧をえることができ、駆動用アンプのサブウーファーチャンネルの出力を他のチャンネルの出力に比べて小さくすることが可能となり、サブウーファーチャンネルの音の他の部屋への音漏れを少なくできる。
また、サブウーファーチャンネル以外のチャンネルは反射音をリスナー3に聴かせることになり、サブウーファーチャンネルは直接音をリスナー3に聴かせることになる。リスナー3に近い位置にサブウーファースピーカ10が設置されることになるので、リスナー3に対してサブウーファースピーカの音が他のチャンネルの音よりも時間的に早く到達することになる。そのため、結果的にサブウーファーに必要不可欠なローパスフィルターのグループディレイによる時間遅れが補正されることになり、スピード感のある(遅れ感のない)低音再生が可能となる。
また、台部31にスピーカを組み込んでも、テーブル1の外観が一般的なインテリア家具としてのセンターテーブルと殆ど変わらないので、室内においても違和感が少なく、また、実際にテーブルとして使用することができるので、スピーカとして使用しない場合でも邪魔にならない。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上述の説明ではソファー1などの椅子、テーブルに適用していたが、適用可能な家具はこれらに限るものではない。例えば、天井に設置された照明装置に適用しても良い。図22に天井36に設置された照明装置に適用した例を示す。なお、上述の実施形態に示す部材と同一の部材には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。この例の家具1は天井36に設置された照明装置(以下、照明装置1という)であり、傘37及び照明部38を支える支持部39にスピーカ5〜10が組み込まれている。ここでは、第2の実施形態のスピーカボックス15を小型化し、照明装置1の支持部39として使用している。
支持部39は天井36に直接固定されていても良いし、天井36から吊下げられていても良い。第2の実施形態における天板30に代えて、傘37及び照明部38がスピーカボックス15の底面に取り付けられている。また、各スピーカ5〜9は斜め下向きに取り付けられている。傘37がリスナー3に対して各スピーカ5〜9を隠し、それらの音のクロストークを防止する。この場合にも、各スピーカ5〜9から発せられた音は前後左右の壁24〜26等に反射してリスナー3に届く。
なお、第2の実施形態のテーブル1では、リアスピーカ8,9の放射軸8a,9aとフロントスピーカ6,7の放射軸6a,7aとの交差角θ1を例えば135度〜150度の範囲の値にしていたが、天井36に設置された照明装置1ではリスナー3の真上にスピーカボックス15を配置することも可能であるため、テーブル1に適用する場合に比べてリアスピーカ8,9がより横向きになるような交差角θ1としても良い。例えば、交差角θ1を例えば120度〜135度の範囲の値にしても良い。
更に、図23に示すように、天井36に凹部44を形成し、スピーカを使用しないときにはスピーカボックス15を凹部44内に格納しておき、スピーカを使用するときにスピーカボックス15を下降させて凹部44から露出させるようにしても良い。この場合には、スピーカの不使用時にはスピーカボックス15を隠しておくことができ、通常の照明装置1との違和感を全くなくすることができる。ここで、スピーカボックス15を昇降させる装置としては、例えば既存のプロジェクター用昇降装置、音響・照明用の昇降装置と同じ構造の昇降装置が利用可能である。
また、天井36にスピーカボックス15を取り付ける場合には、照明装置1用の既存の商用電源を利用することが容易であるため、駆動用の電力増幅器や無線あるいは赤外線によるワイヤレス信号伝送の受信機を内蔵させることもできる。したがって、スピーカケーブルを外部機器からスピーカボックス15まで壁内や天井36裏へ引き回して接続する工事が不要となり、一般的な天井埋め込みスピーカの設置に較べて極めて簡単に設置できる。
天井36に設置された照明装置1に適用する場合には、スピーカボックス15を床に置く必要がないので、床面を広く使うことが可能である。
また、上述の説明では、サブウーファースピーカ10を他のスピーカ5〜9と一緒にスピーカボックス15に組み込んでいたが、サブウーファースピーカ10をスピーカボックス15に組み込まずに分離して別置きとしても良い。この場合には、重量が大きくなりがちなサブウーファースピーカ10を別置きにすることでスピーカボックス15を大幅に軽量化することができる。特に、天井36に設置される照明装置に適用する場合には、スピーカボックス15(支持部39)を大幅に軽量化することで、既存の照明装置取り付け用ローゼットあるいは引っ掛けシーリングに直に取り付けることも可能となり、有利である。
また、例えば図24に7.1チャンネルサラウンドシステムに適用した例を示す。なお、図24ではテーブル1に適用した場合の例を示しているが、椅子、照明装置等にも適用可能である。
7.1チャンネルサラウンドシステムでは、リアのチャンネルとして、左右のリアサイドチャンネルと左右のリアセンターチャンネルが設けられている。リアサイドチャンネルの音を再生するリアサイドスピーカ40,41はフロントスピーカ6,7の後方に設けられ、リアセンターチャンネルの音を再生するリアセンタースピーカ42,43はリアサイドスピーカ40,41の後方に設けられている。フロントスピーカ6,7の放射軸6a,7aとリアサイドスピーカ40,41の放射軸40a,41aとの交差角θ2(左側のみ図示)は例えば90度に設定され、フロントスピーカ6,7の放射軸6a,7aとリアセンタースピーカ42,43の放射軸42a,43aとの交差角θ3(左側のみ図示)は例えば165度に設定されている。なお、椅子に適用する場合には交差角θ3を例えば180度にして、即ち真後ろに向けても良い。ただし、交差角θ2,θ3はこれらの数値に限るものではなく、部屋の間取り等の位置関係等に応じて適宜設定される。このように7.1チャンネルサラウンドシステムに適用することで、最近の映画ソフトなどに採用されている7.1チャンネル再生ソフトに対応させることができる。
1 スピーカ組み込み家具(室内音響再生装置)
2 反射体
3 リスナー
4 ソファーの脚部
5 センタースピーカ
6,7 フロントスピーカ
8,9 リアスピーカ
10 サブウーファースピーカ
30 テーブルの天板
31 テーブルの台部
36 天井
37 照明装置1の傘
38 照明装置の照明部
39 照明装置の支持部

Claims (8)

  1. マルチチャンネルのうち、少なくともサブウーファーチャンネル以外のチャンネルを再生するスピーカが組み込まれ、且つ前記スピーカの全てが室内の反射体に向けられて反射音を同室のリスナーに聴かせるようにしたことを特徴とするスピーカ組み込み家具。
  2. 椅子であり、脚部に前記スピーカが組み込まれていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ組み込み家具。
  3. テーブルであり、天板を載せる基台に前記スピーカが組み込まれていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ組み込み家具。
  4. 天井に設置された照明装置であり、傘及び照明部を支える支持部に前記スピーカが組み込まれていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ組み込み家具。
  5. マルチチャンネルのうち、少なくともサブウーファーチャンネル以外のチャンネルを再生するスピーカが1つの家具に組み込まれており、且つ前記スピーカの全てが室内の反射体に向けられて反射音を同室のリスナーに聴かせるようにしたことを特徴とする室内音響再生装置。
  6. 前記家具は椅子であり、当該椅子の脚部に前記スピーカが組み込まれていることを特徴とする請求項5記載の室内音響再生装置。
  7. 前記家具はテーブルであり、当該テーブルの天板を載せる基台に前記スピーカが組み込まれていることを特徴とする請求項5記載の室内音響再生装置。
  8. 前記家具は天井に設けられた照明装置であり、当該照明装置の傘及び照明部を支える支持部に前記スピーカが組み込まれていることを特徴とする請求項5記載の室内音響再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102032089B1 (ko) * 2019-02-20 2019-10-16 김용형 입체음향시스템이 부가된 침대

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