JP2011050666A - 靴 - Google Patents

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JP2011050666A JP2009204314A JP2009204314A JP2011050666A JP 2011050666 A JP2011050666 A JP 2011050666A JP 2009204314 A JP2009204314 A JP 2009204314A JP 2009204314 A JP2009204314 A JP 2009204314A JP 2011050666 A JP2011050666 A JP 2011050666A
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香織 厚東
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Abstract

【課題】 人の足というものは厳密には形状はさまざまであるし完全に左右対称というわけではないので、既成靴の中から選択するという場合どうしても最適な大きさサイズのものが見つかりにくかった。
【解決手段】 可撓性はあるが伸縮性の小さい甲被と本底を外殻とする靴であって、その内面全面には、常温硬度がアスカーC硬度表示で17〜30の低硬度ゴム状弾性体が塗布又は貼着されている、或いはその内面全面には、60〜70℃以上で粘度が減少して変形自在となり低温となるとその自然状態形状が固定される低硬度ゴム状弾性体が塗布又は貼着されている。

【選択図】 図1

Description

本発明は、足のサイズや形状に追従して内面形状が変わるという特性のある靴の構造に関するものである。
靴は、足の長さ、幅、甲の高さによって、適正なものが選択されるわけであるが、人の足というものは厳密には形状はさまざまであるし完全に左右対称というわけではない。従って既製品の中から選択する場合には、どうしても最善の靴ではあるが理想的な靴ではない、ということとなっている。
高さやサイズを微調整できる方策自体はこれまでにも提案されている。例えば特開2002−306208はそのようなものの一つであるが、それとて靴用中敷きが複数枚、分離可能に重ねられたものであり、あるサイズと次のサイズの間に中間的なサイズを設定したのと同等のものでしかなく、足指関節の大きさや形状に関する個人差に自在に対応し得るというような形態のものではなかった。
特開2002−306208
従って既述したように、このようにして手に入れた靴は言ってみれば、足の長さ、幅、甲の高さ、のいずれについてもワンサイズ違っていれば大きすぎるか小さすぎるものである。即ち、最善の靴ですらそれを好ましいと思わない者にとって、それを理想的な靴へ改良するための簡便な方策は従来存在していなかったと言える。
そこで本発明者は、この点に鑑み鋭意研究の結果、装用者の足の形状の非常に繊細な部分にまで追従してその形状を合わせる靴を開発するに至ったものでありその特徴とするところは、可撓性はあるが伸縮性の小さい甲被と本底を外殻とする靴であって、その内面全面には、常温硬度がアスカーC硬度表示で17〜30の低硬度ゴム状弾性体が塗布又は貼着されている点、或いは、その内面全面には、60〜70℃以上で粘度が減少して変形自在となり低温となるとその自然状態形状が固定される低硬度ゴム状弾性体が塗布又は貼着されている点、にある。
即ち本発明は、可撓性はあるが伸縮性の小さい甲被と本底を外殻とする靴、即ち革靴に代表される「曲がるけれども伸びにくい材質で甲被と本底が形成された靴」の内面全面に非常に硬度の小さいゴム状弾性体が塗布又は貼着されている点にある。このゴム状弾性体は、足を靴に挿入した時に容易にその形状を変えるものであるので、足と靴の形状が僅かに異なっている場合、靴内面形状を足に適合させるという効果がある。この適合のための変形は、可逆的であっても、非可逆的であっても良いものとする。
可逆的変形の場合、ゴム状弾性体には常温硬度がアスカーC硬度表示で17〜30という低硬度のものが採用される。「アスカーC」は、通常はスポンジ等の硬度を数値化する場合に採用されている硬度表示法の一つである。硬度測定は通常、決められた形の押針をスプリングの力で試料に押し付けてこれを変形させ、試料の抵抗力とスプリングの力が釣り合った状態での該押針の「押し込み深さ」を数値化したものである。即ち、全く押圧していない(押針の変位0の)状態を0度、最大に押圧した状態を100度として測定するものである。スプリング荷重が、指示0度の時には55グラム、100度の時には855グラムに設定されている。一般にはゴム状弾性体の硬度は、JIS・K・6301におけるA型規格の測定方法(Shore A)による場合が多いが、本発明におけるゴム状弾性体は「Shore A」では数値化しきれない高軟性の領域を含んでいるので敢えて「アスカーC」を採用している。詰まり、アスカーC硬度表示で17〜30という硬度幅の中で、「17〜20」程度の部分は、「Shore A」では押針を全く押し込まず、値0となってしまうためである。
常温硬度がアスカーC硬度表示で17〜30のゴム状弾性体の材質については特に限定するものではなく、ウレタン系エラストマーゲル、軟質シリコーンラバー、等々種々の材質のものが採用可能である。この数mm厚さのシート状体の片面に粘着性を持たせ、靴内面に貼着するようにしても良いし、溶融状態のゴム状弾性体を塗布して固化させ靴内面にゴム状弾性体層を形成するようにしても良い。
このように低硬度ゴム状弾性体を設ける方法ではなく、温かい(60℃程度以上)の温度で流動性を示し、常温或いは体温程度以下となると流動性を失うという特性のプラスチックを用いるという方法も好適である。例えば、スポーツ用簡易マウスピースにおいて用いられるゲルフィット素材と呼ばれる材質のものが代表的である。靴の場合には湯に漬けておくという手法は採用し難いので、ヘアドライヤーなどを用いて昇温させ、流動性が確認できた時点で、足を差し込み固化を待つということになるかと思われる。
なお低硬度ゴム状弾性体は、靴内面全面に塗布又は貼着されるものであるが、ここで言う「内面全面」とは、「足部が概ね、低硬度ゴム状弾性体によって包まれる」ということを意味する。例えば靴ヒモを有する靴の場合、ヒモ掛け部材(羽根と呼ばれる部材)の内側に、「タング」と呼ばれる保護部材が配置されていることが多く、羽根とタングとは離反自在に重複している。この場合にはタングの内面に低硬度ゴム状弾性体が配置されていれば羽根内面には不必要であることは勿論であるが、タング上端まで低硬度ゴム状弾性体が配置されている必要もない。また例えばロングブーツの場合、外殻は足部のみならず、ふくらはぎ辺りまで達していることも少なくないが、低硬度ゴム状弾性体によって包むべき箇所は「足部」であるので、足部以外の部分に低硬度ゴム状弾性体を配置する必要はないものとする。
本発明に係る靴は、以下述べる如き効果を有する極めて高度な発明である。
(1) 5mmピッチの足長を基本に、2mmピッチの足幅で揃えられる既成靴でありながら、足に負担を掛けることなく理想的な形状とできる。
(2) 靴装用時、足が非常に柔らかいゴム状弾性体に包まれることになるので装用感が良好となる。
本発明に係る靴の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る靴の使用状態の一例を示す概略断面図である。
図1は、本発明に係る靴1(以下本発明靴1という)の一例を示すものであり、甲被2と本底3及び中敷4を有するいわゆる紳士靴である。本例ではこれら各部材の材質は、甲被2は合成皮革、本底3には接地面に発泡ラバー層を配したEVA樹脂、中敷4はEVA軟質発泡体を採用したが他の材質を採用しても良い。
そして本発明靴1の内面には、厚さ0.4mmの低硬度ゴム状弾性体5のシート体が全面にわたって貼着されている。本例の低硬度ゴム状弾性体5シート体は、ウレタン系エラストマーゲルであり、このシート体は、「アスカーC」硬度表示で20前後の主体部の片面のみに「アスカーC」硬度表示で30の薄いフィルムを貼着することでフィルム側のベタ付きをなくしたものである。或いは、シート体を貼着するという方法ではなく、本発明靴1の内面に同等の弾性体層が形成されるように、例えばシリコーンラバー溶融液を塗布し固化させるといったものでも良い(図示は省略する)。
更に、低硬度ゴム状弾性体5のシート体の代わりに例えば機能性EVA樹脂の一つで「ゲルフィット素材」呼ばれるものを用いるようにしても良い。これは、60℃程度以上の温度では流動しゴム状弾性を失い、冷えると流動性を失って固化しゴム状弾性が回復されるという性質のエラストマーであり、スポーツ用マウスピースにおいて歯形に合わせるための材料としてしばしば採用されている。この素材を用いた本発明靴1の場合には、靴内部をヘアドライヤーなどで温め、流動性を確認した段階で足を挿入してこの素材の固化を待つということとなる。一度ドライヤー等によるこれら一連の作業を行なえば、次回の靴装着時からは自分の足サイズに合った内部形状となっていることになる。
図2は、本発明靴1の使用状態を概略的に示すものであり、低硬度ゴム状弾性体5が負荷なく足Fの形状に沿った変形をすることで、理想的なフィット感が得られるものとなっている。
なおここまで本発明靴1を、紳士靴を例に挙げて説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、パンプスやブーツその他の婦人靴、ゴルフシューズを始めとするスポーツシューズ、或いは安全靴や長靴等においても好適に採用可能である。
1 本発明に係る靴
2 甲被
3 本底
4 中敷
5 ゴム状弾性体シート
F 足

Claims (2)

  1. 可撓性はあるが伸縮性の小さい甲被と本底を外殻とする靴であって、その内面全面には、常温硬度がアスカーC硬度表示で17〜30の低硬度ゴム状弾性体が塗布又は貼着されていることを特徴とする靴。
  2. 可撓性はあるが伸縮性の小さい甲被と本底を外殻とする靴であって、その内面全面には、60〜70℃以上で粘度が減少して変形自在となり低温となるとその自然状態形状が固定される低硬度ゴム状弾性体が塗布又は貼着されていることを特徴とする靴。
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