JP2011039969A - 故障診断支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】故障現象、故障要因及び対処法に関する3つの項目情報のうち少なくとも2つの項目情報の要素間において、それぞれの関連性を視覚的に把握することができる故障診断支援システムを得る。
【解決手段】ノード集合間関連性解析手段1cは、第1対象ノード群に含まれる各フリーノードとアンカーノード集合に含まれる各ノードとの関連性R(R(X,Y))を算出する。ノード配置位置演算手段1eは、配置ノード抽出手段1dにより抽出された各ノードの配置位置を、ノード集合間関連性解析手段1cにより算出された関連性Rに基づき算出してノード配置位置を得る。ノード配置手段1fはノード配置位置演算手段1eにより算出されたノード配置位置に基づき、グラフ上に各抽出ノードを配置し、その配置状態を指示するグラフ表示情報を表示装置2に出力する。
【選択図】図1
【解決手段】ノード集合間関連性解析手段1cは、第1対象ノード群に含まれる各フリーノードとアンカーノード集合に含まれる各ノードとの関連性R(R(X,Y))を算出する。ノード配置位置演算手段1eは、配置ノード抽出手段1dにより抽出された各ノードの配置位置を、ノード集合間関連性解析手段1cにより算出された関連性Rに基づき算出してノード配置位置を得る。ノード配置手段1fはノード配置位置演算手段1eにより算出されたノード配置位置に基づき、グラフ上に各抽出ノードを配置し、その配置状態を指示するグラフ表示情報を表示装置2に出力する。
【選択図】図1
Description
この発明は、故障診断を行うために入力される故障現象の情報に基づき、故障原因、及び対処法の候補等の提示を行う故障診断支援システムに関するものである。
従来の故障診断支援システムでは、知識ベースの検索・推論エンジンへの入力等により、ネットワーク構造やマトリクス表、あるいは三次元グラフ上に故障現象、故障要因、あるいは対処法を配置することで各要素間の関連性を可視化し、システム利用者による故障診断を支援している。このような、故障診断支援システムは、例えば特許文献1、あるいは特許文献2に開示されている。
このような従来の故障診断支援システムにあっては、故障現象、故障要因、及び対処法間の関連性は、「関係ある」か「関係ない」かのいずれかのみで表現され、関連性の程度を表現することができなかった。
加えて、診断対象となる一般のシステムにおいて、例えばある故障要因に対して同じ対処法が常に有効であるとは限らない。そのため、従来の故障診断支援システムによる診断結果は、提示された対処法が有効でなかった場合、次に試みるべき対処法の優先順位が把握し難いという問題点があった。
さらに、故障現象同士の関係、故障要因同士の関係、あるいは対処法同士の関連性を表現することができないという問題点もあった。また、複数の要素間の関連性を把握する際の視認性が不十分であるという問題点もあった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、故障現象、故障要因及び対処法に関する3つの項目情報のうち少なくとも2つの項目情報の要素間において、それぞれの関連性を視覚的に把握することができる故障診断支援システムを得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の故障診断支援システムは、各々が複数の要素からなる故障現象、故障要因及び対処法に関する3つの項目情報のうち少なくとも2つの項目情報からなる履歴情報である故障診断情報履歴を含む故障診断情報データベースを記憶する記憶装置を備え、前記少なくとも2つの項目集合に含まれる要素はノードとして規定され、前記少なくとも2つの項目情報はそれぞれ少なくとも2つのノード集合として規定され、前記記憶装置内の前記故障診断情報データベースを参照して、表示用故障診断情報を出力する演算処理装置と、前記表示用故障診断情報を視覚認識可能に表示する表示装置とをさらに備え、前記演算処理装置は、前記少なくとも2つのノード集合のうち、一のノード集合における少なくとも一つのノードを含む第1対象ノード群及び、前記第1対象ノード群との関連性診断対象となる他の一ノード集合である第2対象ノード集合とを入力する対象情報入力手段と、前記故障診断情報履歴に基づき、前記第1対象ノード群に含まれるノードそれぞれと前記第2対象ノード集合に含まれるノードそれぞれとの関連性を解析する関連性解析手段と、前記関連性解析手段による解析結果に基づき、前記第1対象要素ノード群に含まれるノードそれぞれと前記第2対象ノード集合に含まれるノードそれぞれとを、互いの関連性に基づく距離を隔てた位置関係で配置するようにノード配置位置を決定し、該ノード配置位置に基づく前記表示用故障診断情報を得るノード配置位置決定手段とを含む。
この発明における請求項1記載の本願発明である故障診断支援システムにおいて、表示装置にて表示される表示用故障診断情報は、第1対象要素ノード群に含まれるノードそれぞれと第2対象ノード集合に含まれるノードそれぞれとを、互いの関連性に基づく距離を隔てた位置関係で配置して視覚認識可能に示している。
したがって、請求項1記載の故障診断支援システムのユーザ(システムユーザ)は、故障現象、故障要因及び対処法に関する3つの項目情報のうち少なくとも2つの項目情報における、第1対象ノード群に含まれるノードと第2対象ノード集合に含まれるノードとの関連性を、表示装置に表示される表示様故障診断情報から視覚的に容易に把握することができる。
その結果、請求項1記載の本願発明は、システムユーザによる上記少なくとも2つの項目情報それぞれに含まれる要素間の優先順位付けを視覚的に支援することができる。例えば、第1対象ノード群は故障要因に関するノード群であり、第2対象ノード集合が対処法に関するノード集合の場合、システムユーザによる故障要因の特定や対処法の推定を視覚的に支援することができる。
<実施の形態1>
図1はこの発明の実施の形態1である故障診断支援システム(故障診断情報可視化装置)の構成を示すブロック図である。
図1はこの発明の実施の形態1である故障診断支援システム(故障診断情報可視化装置)の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、実施の形態1における故障診断支援システムは、演算処理装置11、表示装置2、記憶装置31及び一次記憶装置6から構成されている。一次記憶装置6は演算処理装置1で処理する対象データを一次的に保存する。表示装置2は演算処理装置1によって作成されたグラフ表示情報(表示用故障診断情報)を視覚認識可能に表示する。
記憶装置31は、故障診断情報データベース4とプログラム5とを格納している。故障診断情報データベース4には、故障現象、故障要因、及び対処法からなる情報を有する故障診断情報履歴4aが蓄積されている。すなわち、故障診断情報履歴4aは各々が複数の要素からなる故障現象、故障要因及び対処法に関する3つの項目情報から構成される。
具体的には、「どのような故障現象が生じて」、「その故障要因が何であったか」、さらに「その故障に対してどのような対処法を講じ、復旧したか否か」等の過去の履歴情報が故障診断情報履歴4aとして蓄積されている。故障診断情報履歴4aに含まれる情報(データ)は、例えば、過去に実際に行ったトラブルシューティングに基づいて作成される。
図2は、本発明の実施の形態1における故障診断情報履歴4aの具体例を表形式で示す説明図である。同図に示すように、例えば、一列目のデータは、「故障現象」として「入力信号エラー」が生じ、「故障要因」が「外部機器の漏れ電流」であり、「対処法」として「コンデンサを追加した」場合に有効であったことを示す履歴データであることを表している。
図3は故障現象例を模式的に示す説明図である。同図に示すように、故障現象例として、誤動作、運転開始異常、運転停止異常、運転継続異常、データ不整合、プロセス異常、WDT(Watch Dog Timer)エラー、破損、状態検出エラー、通信エラー、入力信号エラー、出力信号エラー、及びチャタリングが示されている。
図4は故障要因例を模式的に示す説明図である。同図に示すように、故障要因例として、破損、温度異常、電源異常、回路ミス、回路不足、不要モジュール残留、モジュール異常、配線エラー、タイミングエラー、アドレスエラー、通信配線エラー、チャタリング、ノイズ、I/O割付エラー、不要回路残留、過電圧、過電流、漏れ電流、及びパラメータ設定エラーが示されている。
図5は対処法例を模式的に示す説明図である。同図に示すように、対処法例として1行目に、CPUモジュール(追加/修正/削除)、メモリモジュール(追加/修正/削除)、通信モジュール(追加/修正/削除)、タイマ(追加/修正/削除)、カウンタ(追加/修正/削除)、及びデータ変換回路(追加/修正/削除)が示されている。
さらに、対処法例として2行目に、入力モジュール(追加/修正/削除)、出力モジュール(追加/修正/削除)、オプションモジュール(追加/修正/削除)、ディレイタイマ(追加/修正/削除)、インターロック(追加/修正/削除)、及び自己保持回路(追加/修正/削除)が示されている。
加えて、対処法例として3行目に、配線(追加/修正/削除)、通信配線(追加/修正/削除)、電源(追加/修正/削除)、緊急停止回路(追加/修正/削除)、通信回路(追加/修正/削除)、及びバックアップ(追加/修正/削除)が示されている。
また、対処法例として4行目に、チャタリング対策H/W(追加/修正/削除)、ノイズ対策H/W(追加/修正/削除)、抵抗(追加/修正/削除)、WDT(追加/修正/削除)、条件回路(追加/修正/削除)、及びその他回路(追加/修正/削除)が示されている。
さらに、対処法例として5行目に、コンデンサ(追加/修正/削除)、変換器(追加/修正/削除)、ダイオード(追加/修正/削除)、入力接点逆転、アドレス変更及びパラメータ設定(追加/修正/削除)が示されている。
そして、対処法例として6行目に、その他H/W(追加/修正/削除)、スキャンタイム変更、リフレッシュタイム変更、入出力タイミング変更、再起動、及び再インストールが示されている。
本実施の形態では、故障現象、故障要因及び対処法に関する項目情報それぞれに含まれる要素一つ一つを「ノード」と呼ぶことにする。そして、故障現象に関する全要素、故障要因に関する全要素、対処法に関する全要素をそれぞれ「ノード集合」と呼ぶことにする。グラフ上には前述した3種類のノード集合より2種類を選択し、配置する。この際、選択した2種類のノード集合のうち、予め設定された定位置に配置する一方のノード集合をアンカーノード集合(第2対象ノード集合)、他方のノード集合をフリーノード集合(第1対象ノード集合)と呼ぶことにする。そして、アンカーノード集合内における各ノードをアンカーノード、フリーノード集合内における各ノードをフリーノードと呼ぶことにする。
図1に戻って、演算処理装置11はパラメータ設定手段1a、対象情報入力手段1b、ノード集合間関連性解析手段1c、配置ノード抽出手段1d、ノード配置位置演算手段1e、及びノード配置手段1fを備えて構成される。
演算処理装置11は、故障現象、故障要因及び対処法の3つの項目情報のうち、2つの項目情報におけるノード間に関して、それぞれの関連性を演算により解析し、その関連性の解析結果に基づき、配置すべきノードの抽出、及び各ノードのグラフ上の配置位置を演算する装置であり、例えば、コンピュータ装置で構成されている。この場合、プログラム5として各手段1a〜1fの処理内容が記述されることにより、演算処理装置11は記憶装置32からプログラム5を読み出して実行することにより、各手段1a〜1fの処理が実行可能となる。
演算処理装置11は、故障診断情報データベース4に蓄積されている各種データを一次記憶装置6に読み出した上で2つのノード集合間における関連性解析、ノード配置位置演算における各種演算を行う。なお、各種演算結果も一次記憶装置6の所定の記憶領域に記憶される。
以下、演算処理装置11を構成するパラメータ設定手段1a、対象情報入力手段1b、ノード集合間関連性解析手段1c、配置ノード抽出手段1d、ノード配置位置演算手段1e及びノード配置手段1fそれぞれについて説明する。
パラメータ設定手段1aは、ノード集合間関連性解析手段1cにおけるデータ数の閾値αや、アンカーノードの定位置規則等の各種パラメータ等を設定するパラメータ設定処理を行う。
対象情報入力手段1bは、3つのノード集合のうち、一のノード集合に含まれる少なくとも一つのフリーノードを含む第1対象ノード群及び、上記第1対象ノード群との関連性診断対象となる他の一のノード集合(アンカーノード集合)である第2対象ノード集合とを入力する。
ノード集合間関連性解析手段1cは、第1対象ノード群に含まれる各フリーノードとアンカーノード集合に含まれる各ノードとの関連性R(R(X,Y))を算出する。なお、関連性Rについては後に詳述する。
配置ノード抽出手段1dは、今回グラフに配置するノード(アンカーノード及びフリーノード)を抽出する。
ノード配置位置演算手段1eは、配置ノード抽出手段1dにより抽出された各ノードの配置位置を、ノード集合間関連性解析手段1cにより算出された関連性Rに基づき算出してノード配置位置を得る。
ノード配置手段1fはノード配置位置演算手段1eにより算出されたノード配置位置に基づき、グラフ上に各抽出ノードを配置し、その配置状態を指示するグラフ表示情報(表示用故障診断情報)を表示装置2等の演算処理装置11の外部に出力する。すなわち、ノード配置手段1fは、ノード配置位置演算手段1eで得られたノード配置位置を規定したグラフ表示情報を得る。
このような構成において、実施の形態1の故障診断支援システムの動作について説明する。
図6は本発明の実施の形態1の故障診断支援システムの演算処理内容を示すフローチャートである。
同図を参照して、まず、ステップS100において、パラメータ設定手段1aは、ノード集合間関連性解析手段1cにおけるデータ数の閾値α(他の閾値β、閾値γ等を含む)や、アンカーノードの定位置規則等の各種パラメータ等を設定するパラメータ設定処理を行う。
次に、ステップS200において、対象情報入力手段1bは、上述した3つのノード集合のうち、一のノード集合における少なくとも一つのノードを含む第1対象ノード群及び、上記第1対象ノード群との関連性診断対象となる他の一のノード集合である第2対象ノード集合とを入力する。なお、第1対象ノード群及び第2対象ノード集合の指定は、例えば図示しないキーボード等の入力手段を用いたユーザの操作による外部入力により行うことが可能である。
すなわち、対象情報入力手段1bは、まず、故障現象、故障要因、及び全対処法からなる3つのノード集合うち、対象とする2つのノード集合(第1及び第2対象ノード集合)を選択し、アンカーノード集合(第2対象ノード集合)とフリーノード集合(第1対象ノード集合)に割り当てる。
さらに、対象情報入力手段1bは、今回対象とする少なくとも一つのノードを含む対象ノード群(第1対象ノード群)をフリーノード集合から選択する。対象ノード群とは、例えば今回関連性を調査したいノードを指す。対象ノード群に含まれる少なくとも一つのノードは複数のノードを含むが、全てフリーノード集合から選択するものとする。
その後、ステップS300において、ノード集合間関連性解析手段1cは、各アンカーノードとステップS200で選択した各フリーノードとの関連性を算出する。すなわち、ノード集合間関連性解析手段1cは、第1対象ノード群に含まれるフリーノードそれぞれとアンカーノード集合に含まれるノードそれぞれとの関連性を算出する。
各関連性は、例えば、次のように算出することができる。ここで、アンカーノード集合に「故障要因」、フリーノード集合に「故障現象」を選択したと仮定する。故障現象Xの故障診断情報データベース4(故障診断情報履歴4a)内の全データ中におけるデータ数を|X| と表す。故障現象Xに対する故障要因が故障要因Yであったデータ数を |X∩Y| と表す。このとき、ノードXとノードYとの関連性R(X,Y)を、次の式(1)で算出する。
なお、式(1)において、αはデータ数の閾値であり、前述したように、パラメータ設定手段1aにより設定される。閾値αが小さい場合、データ数が少なくてもグラフを作成することが可能となるが、その信頼性は低くなる。逆に閾値αが大きい場合、グラフの信頼性は高くなるが、十分なデータ数が必要となる。閾値αの設定の際には、データ全体の数とグラフの信頼性との兼ね合いを考慮して決定される。
以下、図2の故障診断情報履歴4aの具体例として示された4つのデータが全データであると仮定して、上述した式(1)の具体例を説明する。ここで、式(1)のXを「故障現象」における「入力信号エラー」、Yを「故障要因」における「外部機器の漏れ電流」とする。上記仮定によれば、「故障現象」における「入力信号エラー」(X)のデータ数は“3”、「故障要因」における「外部機器の漏れ電流」(Y)のデータ数は“3”、「故障現象」が「入力信号エラー」で、かつ「故障要因」が「外部機器の漏れ電流」(X∩Y)であるデータ数は“2”となる。そのため、「故障現象」における「入力信号エラー」(X)と「故障要因」における「外部機器の漏れ電流」(Y)とにおける関連性R(X,Y)は、式(1)を用いて以下の式(2)に示すように算出され、「2/3」が得られる。なお、式(1)において、「α<3」とする。
上述した式(1)によれば、ノード間の共通要素と非共通要素の両方を考慮して、ノード間の関連性Rを算出することができる。但し、式(1)以外の方法でノード間の関連性を決定するようにしても良い。式(1)以外の方法として、例えば以下のような式(3)〜式(6)のいずれかを用いて関連性Rを算出しても良い。なお、式(3)は共起頻度と呼ばれる式であり、式(4)はDice係数と呼ばれる式であり、式(5)はJaccard係数と呼ばれる式であり、式(6)はCosine係数と呼ばれる式である。
このうち、式(4)〜式(6)で示されたDice 係数、Jaccard 係数、Cosine 係数と呼ばれる式は、|X|と|Y|の値に大きな開きがあるとき、値が小さくなりやすいという問題がある。例えば、|X| = 100、|Y|= 10、|X∩Y| = 10 とする。|Y|に関連するデータが全て|X|にも関連しているにも関わらず、このとき式(4)のDice 係数は「0.18」、式(5)のJaccard 係数は「0.1」、式(6)のCosine 係数は「0.32」という小さな値をとってしまう。このように、各(関連性R(R(X,Y))を算出する)方法によって特徴があるため、データ全体の数と各方法の特徴を併せて考慮し、決定する。ノード集合間関連性解析手段1cは、今回対象とする第1対象ノード群における各フリーノードと全アンカーノードに関して、関連性Rを算出する。
ここで、2種類のノード集合の組合せにおいて、一方のノード集合(アンカーノード集合)を円周上の定位置に配置し、他方のノード集合(フリーノード集合)を適切な位置に配置したノード集合との関連性に基づき配置するグラフ描画手法として、一般的にアンカーマップと呼ばれるものが存在する。
アンカーマップについては、例えば、参考文献「(Misue., K. (2006). Drawing Bipartite Graphs as Anchored Maps. In APVIS2006, Proceedings of Asia Pacific Symposium on Information Visualization 2006 (pp. 169-177).)」等に開示されている。
ただし、従来のアンカーマップではノード集合間の関連性は、「関係ある」か「関係ない」かのいずれかのみで表現している。本手法は上述のように関連性Rを連続する実数値で表現するため、この点で従来のアンカーマップとは明確に異なる。関連性Rを連続する実数値で表現することにより、アンカーマップより正確に各ノード間の関連性Rを、グラフ上のノード間の距離としてはじめて表現することが可能となる。
図6に戻って、ステップS400において、配置ノード抽出手段1dは、今回グラフに配置するノードを抽出する。全アンカーノードのうち、今回対象とするi個のフリーノードとの関連性の総和ΣRiが、予めパラメータ設定手段1aにより設定された閾値βより大きいアンカーノードのみを抽出する。一方、第1対象ノード群に含まれるフリーノードはそのまま抽出される。
次に、ステップS500において、ノード配置位置演算手段1eは、配置ノード抽出手段1dにより抽出された各ノードの配置位置を算出する。各ノードの配置位置は、ノード集合間関連性解析手段1cにより算出された関連性Rを用いて算出される。
各フリーノードに対して、関連性Rが“0”より大きいアンカーノードを直線状のエッジを用いて接続する。これはグラフ上に複数のフリーノードを配置する場合に、どのフリーノードとアンカーノードが関連しているかを分かりやすくするためである。但し、表示装置2にてグラフを表示する際に、必ずしもエッジを表示する必要はない。そして、ノード配置位置演算手段1eは、各ノードの配置位置を次の規則(a) 〜規則(c) からなる配置ルールに従う様に決定する。
(配置ルール)
規則(a) マップ上の全てのエッジを対象とし、エッジの総線長を最も短くする、
規則(b) マップ上の全てのエッジを対象とし、エッジの交差数を最も少なくする、
規則(c) 各々が同じフリーノードに接続する複数のアンカーノードを近くに配置する。
規則(a) マップ上の全てのエッジを対象とし、エッジの総線長を最も短くする、
規則(b) マップ上の全てのエッジを対象とし、エッジの交差数を最も少なくする、
規則(c) 各々が同じフリーノードに接続する複数のアンカーノードを近くに配置する。
ここで、今回グラフに配置するフリーノードの数をn個、アンカーノードの数をm個、フリーノードiとアンカーノードjの関連性をR(i,j)、あるノードiのXY平面上の配置位置の座標(Xi,Yi)で表すと、配置位置は、例えば、以下に示すように算出される。
図7はノード配置位置演算手段1eにおける演算処理例を示すフローチャートである。すなわち、図7で示す演算処理は全てノード配置位置演算手段1eの制御下で行われる。
同図を参照して、ステップS510において、アンカーノードを初期配置位置に仮配置する。アンカーノードは予めパラメータ設定手段1aにより設定された複数の定位置に一つずつ配置する。このため、アンカーノードの配置位置に関しては、どのアンカーノードを、どの定位置に配置するかを決定することになる。複数の定位置は、例えば正多角形の頂点になるような座標を選択する。ステップS400で抽出されたアンカーノードがm個の場合は、正m角形の頂点に配置する。正多角形の大きさは、フリーノードの数と表示装置2等における出力表示部の大きさとの兼ね合いを考慮して決定する。初期配置では、各アンカーノードをランダムに正m角形の頂点座標に配置する。
次に、ステップS520において、配置された各アンカーノードとの関連性Rに基づき、各フリーノードを配置する。あるフリーノードFに対して、関連性Rが“0”より大きいアンカーノードが2個以上(仮にl(≧2)個とする)あり、それぞれの関連性をR(F,A1)、R(F,A2)、…、R(F,Al)とする。また、それぞれの配置位置を(XA1,YA1)、(XA2,YA2)、…、(XAl,YAl)とする。このとき、フリーノードFの配置位置(XF,YF)を次の式(7)で算出する。
フリーノードFに対して、関連性Rが“0”より大きいアンカーノードが1個のみ存在する場合は、関連するアンカーノードの近くに、関連性Rの大きさに応じて配置する。具体的には、例えば、関連性Rの値が大きい場合はアンカーノードの近くに、また小さい場合は遠くに配置することとし、他のアンカーノードから遠ざかる方向に配置する。
また、フリーノードFに対して、関連性Rが“0”より大きいアンカーノードが2個以上有る場合でも、上述した式(7)以外の方法で各フリーノードの配置位置を決定するようにしても良い。このようにして、全アンカーノードと全フリーノードの配置位置を仮決定する。
次に、ステップS530において、現在の仮配置状態に関して、上述した配置ルール(規則(a) 〜規則(c) )に基づいて評価を行う。この際、全エッジの総線長Lと全エッジの総交差数Cと、全てのアンカーノードに対して、同じフリーノードに接続するアンカーノード間に挟まれ、かつ当該同じフリーノードに接続されていないアンカーノード数をGとすると、評価値Evalは、例えば、L,C,Gそれぞれに重み付けした和(例:Eval=w1・L+w2・C,w3・G(w1〜w3は重み付け係数))で算出される。
そして、ステップS540において、この評価値Evalが予めパラメータ設定手段1aにより設定された閾値γ以下であるかを判定する。評価値Evalが閾値γより大きく(ステップS540でNo)、ステップS541で繰り返し指定回数に達していない場合(No)、ステップS542において、アンカーノードの配置順を変更し、ステップS520に戻り配置変更を行う。なお、ステップS542のアンカーノードの配置変更は、例えば、ランダムで配置順を変更する等が考えられる。ただし、今まで試していない配置順とする。また、他の方法で配置順を変更してもよい。
ただし、全てのアンカーノード配置パターンが閾値γより大きい可能性もある。このため予めパラメータ設定手段1aにより設定された指定回数だけ上述した処理を繰り返し行う(ステップS541でNo後のステップS542,S520〜S541)。
ステップS541の指定回数の中で閾値γ以下である配置パターンが見つからない場合は、ステップS541でYesとなり、それまでの配置パターンで評価値Evalが最も小さい配置順を算出する。このようにして、最適な配置パターンを算出する。
なお、上記対応を可能にするには、例えば、ステップS530の直後において、それまでの配置パターンで評価値Evalが最も小さい場合の配置パターンを一次記憶装置6等に保存するという仮保存処理を行う必要がある。
また、図7で示したフローではなく、全てのアンカーノード配置パターンについて評価値Evalを計算し、評価値Evalが最も小さい配置パターンを算出しても良い。この対応を実現するためにも、上述した仮保存処理を行う必要がある。
図6に戻って、ステップS600において、ノード配置手段1fは、ノード配置位置演算手段1eにより算出されたノード配置位置(各ノードの配置パターン)に基づき各ノードを配置、さらに関連性Rが“0”より大きいノード同士をエッジで接続し、グラフを作成する。そして、この作成グラフを指示するグラフ表示情報を表示装置2に出力する。また、グラフ作成の際、アンカーノードとフリーノード、及びエッジ等を判断し易いように、色や形を変えて表示することも可能である。
このように、配置ノード抽出手段1d、ノード配置位置演算手段1e及びノード配置手段1fにより、対象要素ノード群に含まれるノードそれぞれと、アンカー対象ノード集合に含まれ配置ノード抽出手段1dによって抽出されたアンカーノードそれぞれとが、互いの関連性に基づく距離を隔てた位置関係で配置するようにノード配置位置が決定され、該ノード配置位置を規定したグラフ表示情報(表示用故障診断情報)を得る。すなわち、配置ノード抽出手段1d、ノード配置位置演算手段1e及びノード配置手段1fはノード配置位置決定手段として機能する。
そして、ステップS700において、表示装置2により、ノード配置手段1fにより作成されたグラフを指示するグラフ表示情報について視覚認識可能な表示が行われる。
図8はノード配置手段1fより作成され、表示装置2より表示されるグラフ表示情報による作成グラフ例を模式的に示す説明図である。
同図において、アンカーノード6個(アンカーノード20a〜20f)、フリーノード3個(フリーノード21a〜21c)の場合の作成グラフ例を示している。アンカーノード20a〜20fとフリーノード21a〜21cとの間において関連性R(>0)の有するノード間がエッジ10により接続される。
同図によれば、例えば、フリーノード21aは3つのアンカーノード20a,20b及び20fと関連性R(>0)を持っており、より距離が近い20a→20f→20bの順に関連性が強いということが視覚的に容易に認識することができる。
図9はノード配置手段1fより作成され、表示装置2より表示される作成グラフ例を具体的に示す説明図である。同図に示すように、アンカーノード20a〜20gとフリーノード21a〜21gとの間において、関連性R(>0)の有するノード間がエッジ10により接続される。なお、アンカーノード20g,フリーノード21gの関係のように領域が一部重複しているノード間はエッジ10の図示を省略している。
同図において、「対処法」をアンカーノード、「故障要因」をフリーノードとした作成グラフ例を示している。同図に示すように、例えば、「故障要因」における「(配線ケーブルの)漏れ電流」(フリーノード21a)や「(外部機器の)漏れ電流」(フリーノード21b)には「対処法」における「H/Wの追加(抵抗)」(アンカーノード20a)や「H/Wの追加(コンデンサ)」(アンカーノード20b)が有効である可能性が高いことが視覚的に認識できる。
なお、図9において、故障要因「アドレスエラー」(21g)に関連性がある対処法「アドレス変更」(20g)が示され、故障要因「電源異常(電源容量不足)」(21f)に関連性がある対処法「H/W変更(電源)」(20f)が示される。
さらに、故障要因「破損」(21e)に関連性がある対処法「H/W追加(入力モジュール)」(20e)が示され、故障要因「タイミングエラー(送受信間)」(21d)に関連性がある対処法「H/W追加(電源)」(20d)及び「H/W追加(入力モジュール)」(20e)が示される。
加えて、故障要因「漏れ電流(回り込み)」(21c)に関連性がある対処法「H/W追加(電源)」(20d)及び「H/W追加(ダイオード)」(20c)が示される。
このように、実施の形態1である故障診断支援システムにおいて、表示装置2にて表示されるグラフ表示情報は、対象要素ノード群に含まれるフリーノードそれぞれと、アンカーノード集合に含まれ配置ノード抽出手段1dで抽出されたアンカーノードそれぞれとを、互いの関連性に基づく距離を隔てた位置関係で配置して視覚認識可能に示している。したがって、関連性の強い要素同士が近くに、関連性の弱い要素同士が遠くに、グラフ上にノードとして配置される。
したがって、実施の形態1の故障診断支援システムのユーザ(システムユーザ)は、故障現象、故障要因及び対処法に関する3つの項目情報のうちの2つの項目情報における、対象ノード群に含まれるフリーノードとアンカーノード集合に含まれるアンカーノードとの関連性を、表示装置2に表示されるグラフ表示情報から視覚的に容易に把握することができる。
その結果、実施の形態1の故障診断支援システムは、システムユーザによる上記2つの項目情報それぞれに含まれる要素間の優先順位付けを視覚的に支援することができる。例えば、対象ノード群は故障要因に関するノード群であり、アンカーノード集合が対処法に関するノード集合の場合、システムユーザによる故障要因の特定や対処法の推定を視覚的に支援することができる。
<実施の形態2>
上述した、実施の形態1では、故障現象、故障要因、及び対処法からなる故障診断情報のみでグラフを作成した場合、データの十分な分類ができずに、故障診断に対して有効でない可能性がある。そこで、本実施の形態2では、故障診断情報に付随した詳細情報に基づいて、グラフ上のノードを自動的に分割する機能について説明する。
上述した、実施の形態1では、故障現象、故障要因、及び対処法からなる故障診断情報のみでグラフを作成した場合、データの十分な分類ができずに、故障診断に対して有効でない可能性がある。そこで、本実施の形態2では、故障診断情報に付随した詳細情報に基づいて、グラフ上のノードを自動的に分割する機能について説明する。
図10は本発明の実施の形態2による故障診断支援システム(故障診断情報可視化装置)の構成を示すブロック図である。図10で示す実施の形態2の構成において、図1で示した実施の形態1と同一の構成部分は同一符号を付し、説明を適宜省略する。
実施の形態2における故障診断支援システムは、演算処理装置12、記憶装置32、演算処理装置12で処理する対象データを一次的に保存する一次記憶装置6、及び演算処理装置12によって作成されたグラフを表示する表示装置2を備えている。
記憶装置32は、故障診断情報データベース4、詳細情報データベース7、及びプログラム5を格納している。詳細情報データベース7には、故障診断情報データベース4に蓄積される故障診断情報履歴4aに付随する故障詳細情報履歴7aが蓄積されている。より具体的には、例えば、いつ故障が発生したかを記録した「故障発生日時情報」、あるいは故障が発生した機器種別を記録した「故障機器種別情報」、あるいは誰が対処法を行ったかを記録した「対処法処置者情報」等の各種情報が、1種類以上含まれているデータが故障詳細情報履歴7aとして蓄積されている。
すなわち、故障詳細情報履歴7aは、故障現象、故障要因及び対処法に関する3つの項目情報のうち、少なくとも1つの項目情報に付随する履歴情報からなり、この故障詳細情報履歴7aは、例えば、過去に実際に行ったトラブルシューティングに基づき作成される。
図11はこの発明の実施の形態2における故障診断情報履歴に故障詳細情報が付随した総合故障診断情報15の例を表形式で示す説明図である。図11において、例えば、図中一列目のデータは、「故障現象」として「入力信号エラー」が生じ、「故障要因」が「外部機器の漏れ電流」であり、「対処法」として「コンデンサを追加した」情報が得られている。これらの情報は故障診断情報履歴4aに基づく情報である、さらに、総合故障診断情報15は、「故障機器種別」は「弁」であったというデータである情報を有している。この情報は故障詳細情報履歴7aに基づく情報である。
なお、故障診断情報履歴4aにおける情報と、故障詳細情報履歴7aにおける情報とは、共通の識別符号で関連付けられているため、図11に示すような、故障診断情報履歴4a及び故障詳細情報履歴7aの組合せによる総合故障診断情報15を得ることができる。
実施の形態2において、演算処理装置12は、実施の形態1の演算処理装置11の構成に加え、さらに、ノード自動分割手段1gを備えている。
ノード自動分割手段1gは、ノード配置位置演算手段1eにより、フリーノードとアンカーノードについてのノード配置位置を算出した後、故障診断情報データベース4及び詳細情報データベース7に蓄積されている故障診断情報履歴4a及び故障詳細情報履歴7aから得られる総合故障診断情報15に基づき、各ノードの分割必要性を判断し、その結果に基づいて各ノードを分割し、分割判断後ノード配置位置を算出する。
ノード配置手段1fは、ノード自動分割手段1gより得た分割判断後ノード配置位置を規定したグラフ表示情報を得る。
すなわち、配置ノード抽出手段1d、ノード配置位置演算手段1e、ノード配置手段1f、及びノード自動分割手段1gは、ノード配置位置決定手段として機能する。
次に動作について説明する。図12は本発明の実施の形態2の故障診断支援システムにおける演算処理装置12による演算処理手順を示すフローチャートである。図中、図6で示したと実施の形態1の演算処理装置11による演算処理と同様な処理については同一符号を付して適宜説明を省略する。なお、パラメータ設定手段1aは後述する閾値ε1,ζ1等も設定する。
同図に示すように、実施の形態2の演算処理装置12は、図6で示した実施の形態1と同様、ステップS100〜S400を経て、ステップS500によるノード配置位置演算手段1eによる各ノードの配置位置を算出した後、ステップS550に移行する。
ステップS550において、ノード自動分割手段1gは、ノード集合間関連性解析手段1c及びノード配置位置演算手段1eと連動して、各ノードの分割必要性を判断し、必要に応じて分割し、配置位置を算出するという各ノードの自動分割処理を行う。
次に、ノード自動分割手段1gの各ノードの自動分割処理内容について説明する。ここで、グラフ上の任意のノードNを対象とする。例えば、詳細情報データベース7の故障詳細情報履歴7aとして故障機器種別情報が蓄積されているとする。ノードNに関連する各データに対して、故障機器種別が「a」であるデータ数、および「a」以外のデータ数のいずれもが、予めパラメータ設定手段1aにより設定された閾値ε1以上であった場合、このノードNを、故障機器種別が「a」であるノードNaとそれ以外のノードNoに、仮に分割する。そして、ノード集合間関連性解析手段1cにより、分割したノードNaとノードNoと、ステップS400で抽出された全アンカーノードとの関連性Rを算出する。
そして、分割したノードNa及びノードNoに関する関連性Rに基づき、ノード配置位置演算手段1eによりノードNaとノードNoの配置位置を算出する。このとき、ノードNaとノードNoとの配置位置間の距離が、予めパラメータ設定手段1aにより設定された閾値ζ1より大きい場合に、ノード自動分割手段1gはノードNを、ノードNaとノードNoに分割し、それぞれの配置位置を分割判断後ノード配置位置として算出する。
図13はノードの分割必要性の判断例を模式的に示す説明図である。同図で示す分割前グラフ41及び分割後グラフ42,43において、「対処法」をアンカーノード(アンカーノード20a〜20d)とし、「故障要因」をフリーノード(フリーノード21a,21a1〜21a4)として配置している。
ここで、「故障要因」である「(外部機器の)漏れ電流」を分割必要性の判断を行う対象ノードNとする。このノードNを、故障詳細情報履歴7aにおける故障機器種別情報を用いて、故障機器種別が「弁」であるノードと「弁以外」のノードに分割したときに、分割後グラフ42のように、分割後の各ノード(フリーノード21a1,21a2)間の距離が小さい場合(閾値ζ1以下の場合)、分割不要(×)と判断する。
逆に、分割後グラフ43のように、分割後の各ノード(フリーノード21a3,21a4)間の距離が大きい場合(閾値ζ1より大きい場合)、分割必要(○)と判断する。
図12に戻って、ステップS550の処理が終了すると、図6で示した実施の形態1と同様、ステップS600,S700を経て処理を終了する。
このように、本願発明の実施の形態2は、配置ノード抽出手段1d及びノード配置位置演算手段1eと連動するノード自動分割手段1gによって、故障診断情報履歴4a及び故障診断情報履歴4aに付随する故障詳細情報履歴7aに基づき、ノード配置位置によって配置されたノードを必要に応じてさらに分割して分割判断後ノード配置位置を得ることができる。その結果、実施の形態2の故障診断支援システムは、必要十分なノード(要素)の分類を行うことができるため、故障診断に対してより有効なグラフ表示情報を得ることができる効果を奏する。
<実施の形態3>
実施の形態1では、対象とするノードが多数選択された場合、グラフ上に配置するアンカーノード、及びフリーノードの数が多数となり、視認性が低下する可能性がある。そこで、実施の形態3では、故障診断情報に付随した詳細情報に基づいて、グラフ上のノードを自動的に結合する機能有する故障診断支援システムを提供している。
実施の形態1では、対象とするノードが多数選択された場合、グラフ上に配置するアンカーノード、及びフリーノードの数が多数となり、視認性が低下する可能性がある。そこで、実施の形態3では、故障診断情報に付随した詳細情報に基づいて、グラフ上のノードを自動的に結合する機能有する故障診断支援システムを提供している。
図14はこの発明の実施の形態3である故障診断支援システム(故障診断情報可視化装置)の構成を示すブロック図である。図14で示す実施の形態3の構成において、図1あるいは図10で示した実施の形態1あるいは実施の形態2と同一の構成部分は同一符号を付し、説明を適宜省略する。
この実施の形態3における故障診断支援システムは、演算処理装置13、故障診断情報データベース4、詳細情報データベース7及びプログラム5を格納する記憶装置32、演算処理装置13で処理する対象データを一次的に保存する一次記憶装置6、演算処理装置13によって作成されたグラフを表示する表示装置2を備えている。
実施の形態3の故障診断支援システムにおける演算処理装置13は、演算処理装置11の構成に加え、さらに、ノード自動結合手段1hを備えている。
ノード自動結合手段1hは、ノード配置位置演算手段1eにより、フリーノードとアンカーノードのノード配置位置を算出した後、故障診断情報履歴4a及び故障詳細情報履歴7aに基づき、各ノードの結合必要性を判断し、その結果に基づいて各ノードを結合し、それぞれの配置位置を示す結合判断後ノード位置を算出するという、ノードの自動結合処理を実行する。
すなわち、ノード自動結合手段1hは、配置ノード抽出手段1d及びノード配置位置演算手段1eと連動して、ノード配置位置演算手段1eより得たノード配置位置と故障診断情報履歴4a及び故障詳細情報履歴7aに基づき、2つのノードの結合必要性を判断し、その判断結果に応じて2つのノードを結合し、結合後の配置位置を結合判断後ノード配置位置として得ている。
ノード配置手段1fは、ノード自動結合手段1hより得た結合判断後ノード配置位置を規定したグラフ表示情報を得る。
すなわち、配置ノード抽出手段1d、ノード配置位置演算手段1e、ノード配置手段1f及びノード自動結合手段1hはノード配置位置決定手段として機能する。
次に動作について説明する。図15は本発明の実施の形態3の故障診断支援システムにおける演算処理装置13による演算処理手順を示すフローチャートである。図中、図6で示したと実施の形態1の演算処理装置11による演算処理と同様な処理については同一符号を付して適宜説明を省略する。なお、パラメータ設定手段1aは後述する閾値ε1,ε2,ζ2,ζ3等も設定する。
同図に示すように、実施の形態3では、図6で示した実施の形態1と同様、ステップS100〜S400を経て、ステップS500によるノード配置位置演算手段1eによってノード配置位置を算出した後、ステップS580に移行する。
ステップS580において、ノード自動結合手段1hは、ノード集合間関連性解析手段1c及びノード配置位置演算手段1eと連動して、各ノードの結合必要性を判断し、必要に応じて結合し、その配置位置を示す結合判断後ノード配置を算出するという、ノードの自動結合処理を実行する。
次にノード自動結合手段1hのノードの自動結合処理動作について説明する。グラフ上の任意のノードAとノードBを対象とする。例として、詳細情報データベース7の故障詳細情報履歴7aに「故障機器種別情報」が蓄積されているとする。ノードAとノードBに関連する各データ数が、それぞれ予めパラメータ設定手段1aにより設定された閾値ε2以上であり、かつノードAとノードBの配置位置間の距離が、予めパラメータ設定手段1aにより設定された閾値ζ2より小さい場合のみ、結合必要性の判定を行う。
ノードAとノードBを、それぞれ故障機器種別が「a」であるノードAaとノードBaとそれ以外のノードAoとノードBoに、仮に分割する。すなわち、ノードAに関連する各データに対して、故障機器種別が「a」であるデータ数、および「a」以外のデータ数のいずれもが、予めパラメータ設定手段1aにより設定された閾値ε1以上であった場合、このノードAを、故障機器種別が「a」であるノードAaとそれ以外のノードAoに、仮に分割する。なお、ノードBに関しても同様にしてノードBaとノードBoとに仮に分割する。
ノード集合間関連性解析手段1cにより、分割した各ノードと、ステップS400で抽出した全アンカーノードとの関連性Rを算出する。算出された関連性Rに基づき、ノード自動結合手段1hにより仮分割した各ノード(Aa,Ao,Ba,Bo)の配置位置を算出する。このとき、全ノードの配置位置間の距離が、予めパラメータ設定手段1aにより設定された閾値ζ3より小さい場合に、ノード自動結合手段1hはノードAとノードBを一つのノードに結合して配置する。
図16はノードの結合必要性の判断例を模式的に示す説明図である。同図で示す結合前グラフ51、中間グラフ52及び結合後グラフ53において、「対処法」をアンカーノード(アンカーノード20a〜20d)とし、「故障要因」をフリーノード(フリーノード21a,21a1,21a2,21b,21b1,21b2,21ab)として配置している。
ここで、「故障要因」である「(外部機器の)漏れ電流」と「(外部機器の)リーク電流」とを結合必要性の判断を行う対象ノード(ノードA,ノードB)とする。この2つのノードに関して、それぞれ十分なデータ数を持ち、2つのノード間の距離が小さい場合に、中間グラフ52を作成する処理に進む。
中間グラフ52の作成処理において、対象の2つのフリーノード21a,21bを、故障詳細情報履歴7a内の「故障機器種別情報」を用いて、故障機器種別が「弁」であるノードと「弁以外」のノードに分割する。すなわち、フリーノード21aをフリーノード21a1,21a2に仮分割し、フリーノード21bをフリーノード21b1,21b2に仮分割する。
このとき、分割後の各ノード(21a1,21a2,21b1,21b2)における2つのノード間の最大距離が小さい場合(閾値ζ3より小さい場合)、結合必要と判断し、結合後グラフ53のように2つのノードを結合する。すなわち、結合前グラフ51のフリーノード21a,21bを結合してフリーノード21abを有する結合後グラフ53を得る。なお、フリーノード21abの名称として、フリーノード21a,21bのうち、データ数が多いノードの名称を採用する等が考えられる。
一方、逆に分割後の各ノードにおける2つのノード間の最大距離が大きい場合(閾値ζ3以上の場合)、結合不要と判断する。結合後グラフ53に変更することなく、結合前グラフ51の状態を維持する。
このように、この発明の実施の形態3は、ノード集合間関連性解析手段1c及びノード配置位置演算手段1eと連動するノード自動結合手段1hによって、故障診断情報履歴4a及び故障詳細情報履歴7aに基づき、ノード配置位置演算手段1eより得たノード配置位置によって配置された2つのノードを必要に応じてさらに結合して結語判断後ノード配置位置が得ることができる。このため、実施の形態4の故障診断支援システムは、不必要な分類によるノード数増加に伴うグラフ表示情報の視認性低下を抑えることができる効果を奏する。
<その他>
なお、実施の形態2と実施の形態3とを組み合わせた構成も考えられる。すなわち、ノード自動分割手段1g及びノード自動結合手段1hを共に有する演算処理装置によって、以下のノード分割及びノード結合の双方が可能な故障診断支援システムを得ることも可能である。
なお、実施の形態2と実施の形態3とを組み合わせた構成も考えられる。すなわち、ノード自動分割手段1g及びノード自動結合手段1hを共に有する演算処理装置によって、以下のノード分割及びノード結合の双方が可能な故障診断支援システムを得ることも可能である。
態様としては、ノード分割及びノード結合のうち、「ノード結合を先に行うパターン」(態様1)、「ノード分割を先に行うパターン」(態様2)、「ノード分割及びノード結号を同時に得るパターン」(態様3)、「ユーザの操作要求に応じてノード結合及びノード分割のいずれかを行うパターン」(態様4)等が考えられる。例えば、態様4の場合、ユーザの選択によって、演算処理装置12及び演算処理装置13のいずれかを選択する等の構成が考えられる。
また、実施の形態1〜実施の形態3では、故障診断情報履歴4aとして、各々が複数の要素からなる故障現象、故障要因及び対処法に関する3つの項目情報からなる構成を示したが、上記3つの項目情報のうち少なくとも2つの項目情報からなる構成であっても、上述した実施の形態1〜実施の形態3それぞれで述べた効果を発揮することがきる。
1a パラメータ設定手段、1b 対象情報入力手段、1c ノード集合間関連性解析手段、1d 配置ノード抽出手段、1e ノード配置位置演算手段、1f ノード配置手段、1g ノード自動分割手段、1h ノード自動結合手段、2 表示装置、4 故障診断情報データベース、4a 故障診断情報履歴、5 プログラム、6 一次記憶装置、7 詳細情報データベース、7a 故障詳細情報履歴、11〜13 演算処理装置、31,32 記憶装置。
Claims (4)
- 各々が複数の要素からなる故障現象、故障要因及び対処法に関する3つの項目情報のうち少なくとも2つの項目情報からなる履歴情報である故障診断情報履歴を含む故障診断情報データベースを記憶する記憶装置を備え、前記少なくとも2つの項目集合に含まれる要素はノードとして規定され、前記少なくとも2つの項目情報はそれぞれ少なくとも2つのノード集合として規定され、
前記記憶装置内の前記故障診断情報データベースを参照して、表示用故障診断情報を出力する演算処理装置と、
前記表示用故障診断情報を視覚認識可能に表示する表示装置とをさらに備え、
前記演算処理装置は、
前記少なくとも2つのノード集合のうち、一のノード集合における少なくとも一つのノードを含む第1対象ノード群及び、前記第1対象ノード群との関連性診断対象となる他の一ノード集合である第2対象ノード集合とを入力する対象情報入力手段と、
前記故障診断情報履歴に基づき、前記第1対象ノード群に含まれるノードそれぞれと前記第2対象ノード集合に含まれるノードそれぞれとの関連性を解析する関連性解析手段と、
前記関連性解析手段による解析結果に基づき、前記第1対象要素ノード群に含まれるノードそれぞれと前記第2対象ノード集合に含まれるノードそれぞれとを、互いの関連性に基づく距離を隔てた位置関係で配置するようにノード配置位置を決定し、該ノード配置位置に基づく前記表示用故障診断情報を得るノード配置位置決定手段とを含む、
故障診断支援システム。 - 請求項1記載の故障診断支援システムであって、
前記表示用故障診断情報は前記ノード配置位置を規定した情報を含む、
故障診断支援システム。 - 請求項1記載の故障診断支援システムであって、
前記記憶装置は、
前記少なくとも2つの項目情報のうち、少なくとも1つの項目情報に付随する履歴情報からなる故障詳細情報履歴を含む詳細情報データベースをさらに記憶する記憶装置を含み、
前記ノード配置位置決定手段は、
前記ノード配置位置、前記故障診断情報履歴、及び前記故障詳細情報履歴に基づき、前記ノード配置位置で配置される各ノードの分割必要性を判断し、その判断結果に応じて各ノードを分割し、分割後の配置位置を分割判断後ノード配置位置として得るノード分割手段をさらに含み、
前記表示用故障診断情報は前記分割判断後ノード配置を規定した情報を含む、
故障診断支援システム。 - 請求項1記載の故障診断支援システムであって、
前記記憶装置は、
前記少なくとも2つの項目情報のうち、少なくとも1つの項目情報に付随する履歴情報からなる故障詳細情報履歴を含む詳細情報データベースをさらに記憶する記憶装置を含み、
前記ノード配置位置決定手段は、
前記ノード配置位置、前記故障診断情報履歴、及び前記故障詳細情報履歴に基づき、前記ノード配置位置で配置される2つのノードの結合必要性を判断し、その判断結果に応じて2つのノードを結合し、結合後の配置位置を結合判断後ノード配置位置として得るノード結合手段をさらに含み、
前記表示用故障診断情報は前記結合判断後ノード配置を規定した情報を含む、
故障診断支援システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
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-
2009
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