JP2011031157A - 淡水製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温室内に設置された海水貯槽内の海水から効率よく多量の淡水を得ることのできる淡水製造装置が望まれている。
【解決手段】淡水製造装置1は、太陽光Sを取り入れる透明天井板13を有する温室2と、温室2内に設置された海水貯槽3と、水を毛細管現象により吸い上げる吸水シート4と、吸水シート4の少なくとも一部が海水貯槽3中の海水に浸漬するように吸水シート4を吊持する吊持部材5と、温室2内で生じた水蒸気を凝縮させて淡水Wを得る凝縮器6とを具備している。また、透明天井板13を透過した太陽光Sを黒色塗装面14Aで受けるように、金属板14が温室2内に配置されている。そして、加熱室16と、海水貯槽3内に配置される散気ノズル43と、加熱室16内の空気を送気管路42から散気ノズル43に送る空気圧縮機40とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、原料の海水から淡水を製造する淡水製造装置に関するものである。
近年、熱帯地方、アフリカ、中東湾岸諸国、インドなどのように、生活水に日々事欠き、不衛生な水の飲用が病気の発生原因となっている国が多々ある。一方で、石油産油国のようにオイルマネーをふんだんに使用して、多段フラッシュ方式、逆浸透方式あるいは逆浸透膜方式などの淡水化システムを採用し、高エネルギー、高コストにより淡水を製造している国もあるが、石油埋蔵量には限りがあり、地球温暖化の一因とされているCO2を大量に排出する。
他方、熱帯地方では日中温度が40〜45℃となるため、太陽熱を効率よく利用して淡水を製造することで、50世帯程度の小集落の生活用水の確保が可能であり、自作農業の潅水にも利用できると考えられる。
そこで、熱帯の海上に、透明材を用いた温室風の海洋構造物を建設し、温室内の海上から発生した水蒸気を集め、集めた水蒸気を送気管から凝縮淡水化プラントへ継続的に送るようにした海水淡水化装置が、下記の特許文献1に記載されている。
特開2009−56343号
ところで、前記文献1開示の海水淡水化装置では、自然界の海面自体に太陽エネルギーを集めて海水から水蒸気を発生させるようにしている。しかしながら、自然界の海は非常に広いことから、海面に太陽エネルギーを集中させたとしてもそのエネルギーは膨大な量の海水に直ちに拡散してしまい、海水温度はほとんど上昇しない。従って、海面上に設置された温室で実用的な量の水蒸気を集めることは極めて困難であり、遠く離れた凝縮淡水化プラントに水蒸気を送ることは尚更困難であると考えられる。
一方で、陸上に設けた温室内に海水貯槽を設置し、温室内を太陽光で加温することにより、海水貯槽に貯留した海水から水蒸気を発生させることが考えられるが、海水貯槽内の海水面の面積をさほど大きくとれないため、多大な水蒸気発生量は見込めない。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、温室内に設置された海水貯槽内の海水から効率よく多量の淡水を得ることのできる淡水製造装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る淡水製造装置は、太陽光を取り入れる半透明ないし透明な透明材を有する温室と、温室内に設置された海水貯槽と、水を毛細管現象により吸い上げる吸水シートと、吸水シートの少なくとも一部が海水貯槽中の海水に浸漬するように吸水シートを吊持する吊持部材と、温室内で生じた水蒸気を凝縮させて淡水を得る凝縮器とを具備して成るものである。
また、前記構成において、片面が黒色に塗装された金属板が、透明材を透過した太陽光を黒色塗装面で受けるように温室内に配置されているものである。
そして、前記した各構成において、透明材と金属板を含んで温室内に形成される加熱室と、海水貯槽の海水中に配置される散気ノズルと、加熱室と散気ノズルとを連結する送気管路と、加熱室内の空気を送気管路から散気ノズルに送る空気圧縮機とを有するものである。
更に、前記した各構成において、海水貯槽に連結された送水管と、送水管から抜き出された海水貯槽の海水より水分を蒸発させて塩を製造する塩製造装置とを有するものである。
本発明に係る淡水製造装置によれば、温室内が太陽光を取り入れて加温されていることと、温室内に設置された海水貯槽内の海水が毛細管現象により吸水シートの上部に向かって吸い上げられることを併せて、海水から水蒸気を効率よく多量に生成することができる。これにより、多量の淡水を得ることができる。
また、片面が黒色に塗装された金属板が温室内に配置されているものでは、温室の透明材を透過した太陽光を黒色塗装面で受けられる。これにより、多量の太陽光エネルギーを金属板に蓄熱することができ、ひいては温室内の温度を高くすることができる。
そして、加熱室内の空気を散気ノズルから海水貯槽の海水中に散気するようにしたものでは、加熱室内で加熱された空気が空気圧縮機の作動により散気ノズルから海水貯槽内の海水中に散気されるので、加熱空気自体の持つ熱量と散気による撹拌効果により、よりいっそう多量の水蒸気を生成することができる。
更に、塩製造装置を有しているものでは、送水管から抜き出された海水貯槽の海水より水分を蒸発させて塩を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る淡水製造装置の正断面を含む構成図である。 図1におけるA−A線矢視断面図である。 本発明の別の実施形態に係る淡水製造装置の側断面図である。 本発明の他の実施形態に係る淡水製造装置の多くの断面を含む構成図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係る淡水製造装置の正断面を含む構成図、図2は図1におけるA−A線矢視断面図である。
各図において、この実施形態に係る淡水製造装置1は、温室2と、温室2内の底面上に設置された海水貯槽3と、水を毛細管現象により吸い上げる多数枚の吸水シート4,4,4,・・・と、塩製造装置30と、温室2と接続された凝縮器6と、凝縮器6液出側の出水管25と接続された淡水貯槽26とを備えている。吸水シート4は例えば耐候性の高い合成繊維製の不織布シートで構成されている。
海水貯槽3は例えば上面が開口した平面視長方形状の水槽であり、基礎コンクリート7上に設置されている。海水貯槽3の左右辺の上面には前後に延びる溝条3F,3Fが形成されており、前後辺の上面には左右に延びる溝条3G,3Gが形成されている。温室2は海水貯槽3の上面に構築されており、四方を囲んで立設された透明な側壁9,10,11,12と、側壁9,10,11,12の上端に設置された2枚の透明屋根板13,13とから構成されている。側壁9,10の下部は海水貯槽3の溝条3F,3Fに装入され支持されている。また、側壁11,12の下部は海水貯槽3の溝条3G,3Gに装入され支持されている。これらの側壁9,10,11,12および透明屋根板13,13は、太陽光Sを取り入れ可能な、例えばポリカーボネートやガラスなどの透明材で構成されている。尚、側壁9,10,11,12は、海水貯槽3の上面でなく、海水貯槽3の外方に配置して基礎コンクリート7上に直に構築しても構わない。
また、温室2内の上部には、対向する2枚の金属板14,14が側壁9,10の上端部に架け渡されている。これらの金属板14,14により、温室2内が上側の加熱室16と、下側の蒸発室15とに区画される。すなわち、加熱室15は、温室2内で透明屋根板13,13と金属板14,14との間に形成される。各金属板14は例えばアルミニウム板で構成され、その上面は黒色塗料で塗装されている。これにより、金属板14,14は、透明屋根板13、13を透過した太陽光Sを黒色塗装面14Aで効率よく受けて加熱室16内および蒸発室15内の空気を十分に加熱するようになっている。但し、本発明の金属板の材質としては、アルミニウム以外に熱伝導率の高い金属であれば特に限定されない。そして、蒸発室15内に温度センサ46が配備され、加熱室16内に温度センサ47が配備されている。また、側壁9と透明屋根板13との間には、外気を加熱室16内に取り入れるための給気口24が設けられている。
そして、海水貯槽3の内壁面には、貯留された海水SWの水位や、海水SWから水分が蒸発して塩濃度が高くなった濃縮水SW1の水位を検出する水位センサ45が設置されている。海水貯槽3内の底部近傍位置、すなわち貯留された海水SWに浸る位置には、多数の噴出口44,44,44,・・・を有する散気ノズル43が配置されている。散気ノズル43は先端が閉塞しており末端が送気管路42の一端と連結されている。送気管路42の他端は加熱室16内に配備された空気圧縮機40の吐出口と連結されている。空気圧縮機40はモータ41の駆動により作動し、加熱室16内で加熱された空気を送気管路42から散気ノズル43に送るようになっている。
蒸発室15の一部、すなわちこの例で金属板14,14の上端部には排気口23が設けられ、この排気口23に排気管22の一端が接続されている。温室2外には、温室2からの空気および水蒸気を冷却して水蒸気を凝縮し淡水化させる凝縮器6が設置されている。この凝縮器6は多数の管内に温室2からの空気および水蒸気を流通させ、管外に冷却空気が送風される例えば多管空冷式となっている。管外の冷却空気は、モータ49により回転駆動されるファン48により凝縮器6の外表面に送風される。但し、この空冷式に替え、水冷式で凝縮器6の外表面を冷やすようにしても構わない。前記した排気管22の他端は凝縮器6の管内入側に接続されている。凝縮器6の管内出側には、出水管25が連結されている。出水管25の先端は、凝縮器6からの淡水Wを貯留する淡水貯槽26内で開口している。淡水貯槽26には、空気出入用のベント管27と、淡水W取り出し用のコック29が設けられている。また、淡水貯槽26槽内には、淡水Wの水位を検出する水位センサ28が設置されている。
基礎コンクリート7の海側の部分は、立ち上がった堤防8となっている。そして、導水管35が堤防8および側壁9を貫通し海水貯槽3に連結されている。導水管35の途中には電磁開閉弁36が配備されている。また、堤防8よりも海側の導水管35の途中には海水SW中の夾雑物を捕捉するストレーナ37が配備されている。ストレーナ37は上部の交換用蓋39を開けてストレーナ内の濾し籠(図示省略)を交換できるようになっている。そして、例えばストレーナ37の側面に海面の水位を検出する水位センサ38が設置されている。
そして、吸水シート4,4,4,・・・を吊持する吊持部材5は、矩形枠状に形成された前後2枚の挟持枠17,17と、挟持枠17,17を一体に吊持する横架杆18とから主として構成されている。この例では、前後2枚の挟持枠17,17間に、6枚の吸水シート4,4,4,・・・が左右横並びに配置された状態で前後2枚の挟持枠17,17間に挟持されている。1枚の吸水シート4は例えば横寸法が2m、縦寸法が10mである。前後の挟持枠17,17は複数箇所でビス19,19,19,・・・により固定される。このように挟持枠17,17と吸水シート4,4,4,・・・を一体化したものの上面に横架杆18がビス21,21,21,・・・で取り付けられる。そして、海水貯槽3に貯留された海水中に吸水シート4,4,4,・・・の下部を浸漬し得る高さ位置で、横架杆18の両端部が側壁9,10の内面にビス20,20,20,・・・で固定、支持される。
また、この淡水製造装置1は、海水貯槽3内で濃縮された濃縮水SW1から天然塩を製造する塩製造装置30を有している。塩製造装置30は、上面が開口して形成された蒸発皿31と、蒸発皿31内に置かれた多数の棕櫚32,32,32,・・・とから構成されている。海水貯槽3と蒸発皿31との間は送水管33を介して連結されている。送水管33の途中には電磁開閉弁34が配備されている。
また、この淡水製造装置1は各種制御機器を制御する制御器50を備えている。制御器50は、中央演算処理装置CPUおよびメモリなどで構成される制御ユニット51と、各種データを制御ユニット51に取り入れる入力部52と、制御機器に制御指令信号を出力する出力部53とから主に構成されている。入力部52には、温度センサ46、温度センサ47、水位センサ38、水位センサ28、および水位センサ45からの信号線が接続され、出力部53には、電磁開閉弁34,電磁開閉弁36、モータ41、およびモータ49を駆動させるそれぞれのドライバとつながった信号線が接続されている。
上記のように構成された淡水製造装置1の作用を次に説明する。制御器50は、水位センサ45により検出された海水貯槽3内の海水SWまたは濃縮水SW1の水位と、水位センサ38により検出された海面の水位とに基づいて、電磁開閉弁36を開くべきか否かを判断する。例えば、海水貯槽3内の水位が所定高位レベルよりも高い場合、または海面の水位が海水貯槽3内の水位より低い場合は、電磁開閉弁36を開かない。逆に、海水貯槽3内の水位が所定低位レベルよりも低く、且つ海面の水位が海水貯槽3内の水位より高い場合に、電磁開閉弁36を開いて海水SWを海水貯槽3内に取り込むのである。
一方、太陽光Sは温室2の透明屋根板13を透過し、加熱室16内の空気を加温するとともに、黒色塗装面14Aで吸収されて金属板14を昇温させる。同時に、側壁9,10,11,12を透過して蒸発室15内の空気を加温する。そして、前記のように昇温した金属板14により、加熱室16内の空気温度が更に高められるとともに、蒸発室15の空気温度も更に高められる。そして、制御器50は、温度センサ47および温度センサ46により検出された加熱室16および蒸発室15の温度が、水分の蒸発を大きく促進させる所定温度(例えば50℃)以上であるか否かを判断する。所定温度以上であれば、モータ41を駆動して空気圧縮機40を作動させるとともに、モータ49を駆動してファン48を作動させる。これにより、外気が給気口24から加熱室16に流入するともに、加熱室16内で加熱された空気が送気管路42を経て散気ノズル43に送られ、噴出口44,44,44,・・・から海水貯槽3内の海水SW中に噴き出させる。これにより、海水SWが撹拌されるとともに、海水SWが加温されて蒸気圧が高められ、毛細管現象による吸水シート4での上昇力も高められる。その結果、海水SWの蒸発作用がいっそう促進され、蒸発室15内に水蒸気が多量に発生し、塩分濃度が上がって濃縮水SW1となる。蒸発室15内の水蒸気および空気は排気口23から排気管22を経て凝縮器6に流入し、凝縮器6でファン48からの冷却空気により冷やされて水蒸気が凝縮液化し淡水Wとなって淡水貯槽26内に溜まる。淡水Wと共に淡水貯槽26内に入った空気はベント管27から槽外に流出する。上記のようにして得られた淡水Wは低温蒸発水であって細菌が発生するおそれがあるため、減菌装置(図示省略)で減菌処理しておくことが望ましい。飲料水として使用する場合は、飲み心地を良くするミネラル等を添加するとよい。
そうしているうちに、水位センサ45からのデータ信号により、海水貯槽3内の濃縮水SW1の水位が所定の抜出レベルに達したと、制御器50が判定すると、制御器50は電磁開閉弁34を開き、海水貯槽3内の濃縮水SW1を送水管33から塩製造装置30の蒸発皿31内に流出させる。塩製造装置30では、蒸発皿31の棕櫚32,32,32,・・・上に散布された濃縮水SW1から天日により水分を蒸発させることにより、ミネラルの豊富な天然塩を生成することができる。尚、この実施形態では送水管33に勾配をつけ、自然流下式で海水貯槽3の濃縮水SW1を蒸発皿31に送るようにしたが、送水管33の途中にポンプを介設し、ポンプ駆動で海水貯槽3の濃縮水を塩製造装置30に送るようにすることも可能である。
一方で、淡水貯槽26内の淡水Wが、予め設定されている満水レベルに達したことが水位センサ28により検出されると、制御器50はコック29からの淡水Wの払出しを促す内容の画面表示を一定時間実行する。それでも、淡水貯槽26内の水位が上昇し続けた場合、制御器50はモータ41,49を駆動停止して空気圧縮機40およびファン48の作動を停止させる。これにより、凝縮器6での淡水Wの生成を止めるようになっている。
上記したように、この実施形態の淡水製造装置1は、海水SWを貯留する海水貯槽3を海岸近くに構築し、潮の干満現象を海水SWの取入れに利用するようにしたので、エネルギーを消費するポンプ等を使用することなく海水貯槽3内に海水SWを取り込むことができる。
吸水シート4,4,4,・・・の毛細管現象により、海水SWを吸水シート4の上部に向けて吸い上げることと、温室2内が加温されていることにより、水蒸気を効率よく発生させることができる。従って、吸水シート4,4,4,・・・を用いることなく、海水貯槽3内の海面のみから水を蒸発させた場合と比べて、水蒸気発生量を何十倍も多くすることができ、淡水Wの造水量を格段と増やすことができる。
そして、外気と遮断する温室2内を暖める壁体の一部に透明屋根板13を採用し、天井部分には上面を黒色塗装面14Aとした金属板14を配備し、これらの間を加熱室16としたので、昼間の温度が40〜45℃の地域では、加熱室16内の温度、ひいては蒸発室15内の温度を80℃程度まで上げることができる。
因みに、吸水シート4の寸法を横2m×縦10mとした場合、1枚の吸水シート4で20m2となり、左右14m、前後50mの温水貯槽3では、約1500枚の吸水シート4,4,4,・・・を吊り下げることが可能であり、蒸発面積は30000m2となる。1枚の吸水シート4で1日当り水5Lを蒸発させると想定されるので、5Lの淡水Wの造水が可能であり、1500枚の吸水シート4,4,4,・・・で蒸発させると、7500Lとなり、1日7.5トンの造水が可能となる。吸水シート4,4,4,・・・および吊持部材5を使用することなく、海水貯槽3の海面からのみ蒸発させた場合は、海水貯槽3の上面開口面積である700m2分の蒸発となるため、吸水シート4,4,4,・・・を用いた場合と比較すると、約43分の1の蒸発面積となり、海面からの蒸発だけでは蒸発効率が極めて悪いことが判る。
このように、本実施形態の淡水製造装置1によれば、省エネルギーにつながる太陽熱を利用した淡水製造技術を確立することができたのである。
尚、上記の実施形態では、吊持部材5により短尺の吸水シート4を多数吊持させたものを例示したが、本発明はそれに限定されるものでない。例えば、図3に示す淡水製造装置1aも本発明に含まれる。この淡水製造装置1aでは、温室2内の前後に配置した横架杆58,58が側壁9,10の内面上部間に架け渡され、側方から見て矩形枠状の左右1対の支持フレーム54,54が側壁9,10の内面近傍に配置されてそれぞれの前部および後部が横架杆58,58に固定されている。左右の支持フレーム54,54の上辺間および下辺間には多数の枢支軸56,56,56,・・・が架け渡され、これらの枢支軸56,56,56,・・・にロール55,55,55,・・・が回動自在に枢支されている。そして、原料ロールに巻かれた長尺の吸水シート4aの繰り出し端が上下のロール55,55,55,・・・に順次掛け回されて、吸水シート4aが蛇腹状に配置され、後側で支持フレーム54,54間に架設された挟持杆57に挟持される。そして、シート末端部は前側の支持フレーム54,54間に架設された挟持杆57により挟持されて留められる。この場合も、吸水シート4aの下部に位置する部分は海水貯槽3内の海水SWまたは濃縮水SW1中に浸漬している。すなわち、横架杆58,58、支持フレーム54,54、枢支軸56,56,56,・・・、ロール55,55,55,・・・、および挟持杆57,57から成る構成が、本実施形態の吊持部材5aである。ここで用いた温室2および海水貯槽3は、既述した淡水製造装置1の温室2と同じ構造である。
この淡水製造装置1aによっても、海水SWから効率よく多量の淡水Wを製造することができる。また、淡水製造装置1の吊持部材5と比べると、吊持部材5aは構成が簡素で済むし、吸水シートの展張作業も容易である。
また、図4に示す淡水製造装置1bも本発明に含まれる。この淡水製造装置1bが淡水製造装置1と構成の異なるところは、温室2の替わりに、温室2aを用いたことである。淡水製造装置1の温室2と比べ、この温室2aは、金属板14,14、空気圧縮機40、およびモータ41を省略して室内を蒸発室15bのみとし、排気管22の一端を蒸発室15b内に開口させて排気口60とし、排気口60の近傍にファン61および該ファン61を駆動するモータ62を設け、更に塩製造装置30および電磁開閉弁34を省略して送水管33の先端にコック59を設けたことが異なっている。
このような簡素な構成の淡水製造装置1bによっても、蒸発室15b内で海水SWまたは濃縮水SW1が加熱され、これらの水が吸水シート4,4,4,・・・を上昇するので、効率よく水蒸気を得ることができる。そして、得られた水蒸気はファン61の作動により排気管22から凝縮器6に送られて淡水Wとなる。
尚、上記では透明屋根板13などを透明材として用いたが、本発明の透明材は、太陽光Sを取り入れることのできる例えば擦りガラス板や半透明合成樹脂板などのような半透明のものでも構わない。
1,1a,1b 淡水製造装置
2,2a 温室
3 海水貯槽
4,4a 吸水シート
5,5a 吊持部材
6 凝縮器
9,10,11,12 側壁(透明材)
13 透明屋根板(透明材)
14 金属板
14A 黒色塗装面
15,15b 蒸発室
16 加熱室
26 淡水貯槽
30 塩製造装置
31 蒸発皿
32 棕櫚
33 送水管
40 空気圧縮機
41 モータ
42 送気管路
43 散気ノズル
44 噴出口
S 太陽光
SW 海水
SW1 濃縮水
W 淡水

Claims (4)

  1. 太陽光を取り入れる半透明ないし透明な透明材を有する温室と、
    温室内に設置された海水貯槽と、
    水を毛細管現象により吸い上げる吸水シートと、
    吸水シートの少なくとも一部が海水貯槽中の海水に浸漬するように吸水シートを吊持する吊持部材と、
    温室内で生じた水蒸気を凝縮させて淡水を得る凝縮器と
    を具備して成ることを特徴とする淡水製造装置。
  2. 片面が黒色に塗装された金属板が、透明材を透過した太陽光を黒色塗装面で受けるように温室内に配置されている請求項1に記載の淡水製造装置。
  3. 透明材と金属板を含んで温室内に形成される加熱室と、
    海水貯槽の海水中に配置される散気ノズルと、
    加熱室と散気ノズルとを連結する送気管路と、
    加熱室内の空気を送気管路から散気ノズルに送る空気圧縮機と
    を有する請求項1または請求項2に記載の淡水製造装置。
  4. 海水貯槽に連結された送水管と、
    送水管から抜き出された海水貯槽の海水より水分を蒸発させて塩を製造する塩製造装置と
    を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の淡水製造装置。
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