JP2011014798A - 半導体検査装置および半導体検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
半導体製造工程で発生した欠陥の特性を正確に推定することのできる半導体検査装置および半導体検査方法を提供する。
【解決手段】
先ず、構成が既知の欠陥部を有する参照試料を用いて、電位コントラストと、前記欠陥部の電気特性との対応関係(第1の検量線)を求める(S120-S125)。また、被検査ウエハにおける正常部の電気特性を測定する。次に、被検査ウエハの正常部の電気特性と先の第1の検量線に基づいて、被検査ウエハが有する正常部に、構成が既知の欠陥を付加して、被検査ウエハにおける欠陥部の電位コントラストと電気特性との関係(第2の検量線)を算出する(S126-S131)。欠陥部の電位コントラストを実測することにより、第2の検量線を用いて被検査ウエハに実際に含まれる欠陥部の電気特性を推定することができる(S132-S133)。
【選択図】図1
半導体製造工程で発生した欠陥の特性を正確に推定することのできる半導体検査装置および半導体検査方法を提供する。
【解決手段】
先ず、構成が既知の欠陥部を有する参照試料を用いて、電位コントラストと、前記欠陥部の電気特性との対応関係(第1の検量線)を求める(S120-S125)。また、被検査ウエハにおける正常部の電気特性を測定する。次に、被検査ウエハの正常部の電気特性と先の第1の検量線に基づいて、被検査ウエハが有する正常部に、構成が既知の欠陥を付加して、被検査ウエハにおける欠陥部の電位コントラストと電気特性との関係(第2の検量線)を算出する(S126-S131)。欠陥部の電位コントラストを実測することにより、第2の検量線を用いて被検査ウエハに実際に含まれる欠陥部の電気特性を推定することができる(S132-S133)。
【選択図】図1
Description
本発明は、荷電粒子線を用いて半導体ウエハ上の欠陥部位を検査する半導体検査装置および半導体検査方法に関する。
荷電粒子線の一つである電子線を用いた回路パターンを有する半導体ウエハの評価方法として、ウエハの大口径化と回路パターンの微細化に対応して高スループットかつ高精度な検査を行う技術が実用化されている。例えば、製造工程中の半導体ウエハに電子線を照射することによって前記半導体ウエハから放出される二次電子及び反射電子を検出し、検出した二次電子および反射電子から前記半導体ウエハに形成された構造の電位コントラストを取得することにより、前記半導体ウエハに形成された構造の欠陥検査を行う方法が特許文献1に開示されている。
さらに、ウエハを所望の帯電電圧に帯電させ、取得した電位コントラストから電気抵抗値の算出を行なう方法が特許文献2に開示されている。この方法では、ウエハ表面に電子線を照射したときの帯電電圧を評価し、所望の帯電電圧になるように電子ビーム照射条件の調整を行う。パターン表面を所望の帯電電圧にした後、電位コントラストを取得し、その信号から電気抵抗値の算出を行なっている。これにより、素子の抵抗−電圧特性の算出を可能とし、ウエハ全面の電気特性の分布や欠陥の種類別の分布を求めることができる。
なお、電子線照射時における欠陥部の帯電電圧を測定する方法については、例えば特許文献3に開示されている。
しかし、これらの方法で電気特性を求める場合は、シリコン基板上の第1層目に形成されたプラグ等の単純な構造のサンプルにしか適用できず、シリコン基板にウェル等が形成されている場合には、正確な抵抗値を算出することは困難であった。
また、シリコン基板に形成される拡散層やウェル等の電位コントラストに影響を与える構造がデバイスによって異なる場合に、正確に電気特性を求めることが困難であった。これは、従来の方法では、1つの孤立したパターンを単純化して求めた等価回路を仮定し、取得した電位コントラストから欠陥の抵抗値の算出を行なっているためである。従って、従来の手法で算出した欠陥の抵抗値は、実際の欠陥の抵抗値と異なる場合が多く、検査するウエハと同種のパターン回路において、一度、欠陥の抵抗値をオフラインで解析した後に校正する必要があった。
図8には、実際にコンタクトプラグの導通不良の抵抗値-電圧特性15をオフラインで取得した結果の一例を示す。電圧はプラグ表面とウエハ裏面間の電圧であり、抵抗値はプラグ表面とウエハ裏面間に流れた電流から抵抗値を求めた値である。プラグに与える電圧によって、欠陥の抵抗値15は大きく変化することが本発明者らの検討の結果明らかになった。
従って、電子線を照射している際の欠陥の抵抗値は、プラグの帯電電圧とウエハ裏面間の電圧との差で決定されるので、パターン表面の帯電電圧によって欠陥の抵抗値は大きく変化することとなる。このため、欠陥の抵抗値が電圧により変化することを従来の方法で考慮するためには、被検査ウエハ(被検査試料)の欠陥の抵抗値を校正する際に、電子線照射時における欠陥部の帯電電圧Vcを精密に測定し、その電圧での抵抗値Rdを求める必要が生じる。
また、従来の方法では、検査する欠陥毎に帯電電圧を測定しなければならないという問題が生じる。また、電子線照射時の欠陥部の帯電電圧を測定する従来の手法では一つの欠陥の帯電電圧を測定するために、エネルギーフィルタの設定値を変えて何度も二次電子画像を取得しなければならず、多大な時間がかかるという問題が生じる。
さらに、同じ場所の二次電子像を取得するため、電子線照射によって回路パターンに付着物等のダメージを与え、製造した回路パターンの特性が劣化するという課題が新たに発生する。また、検出した欠陥の抵抗値を、一度オフラインにて、プローブ等を用いて測定することによって、電位コントラストと欠陥の抵抗値との対応関係を評価しておいた場合でも、シリコン基板に形成される拡散層やウェルの特性、さらに、一つの拡散層およびウェルに接続されるコンタクトホールの種類や数等が検査されるデバイスによって異なるので、デバイスや回路パターンの種類毎に電位コントラストと欠陥の抵抗値との対応関係を評価しておく必要があり、被検査ウエハの電位コントラストから正確に電気特性を求めるには、多大な時間と費用がかかるという課題が生じる。
本発明の目的は、半導体製造工程で発生する欠陥を、荷電粒子を用いて検査する半導体検査装置および半導体検査方法において、被検査試料の帯電電圧の変動に起因する欠陥の各種特性の変動を低減し、正確にその特性を推定することのできる半導体検査装置および半導体検査方法を提供することにある。また、被検査試料がウェル等の複雑な構造を有している場合であっても、正確に欠陥特性を推定することのできる半導体検査装置および半導体検査方法を提供することにある。
上記目的を達成するための一形態として、所定のパターンが形成された被検査試料の所定領域に荷電粒子を照射する荷電粒子照射部と、前記被検査試料表面からの荷電粒子を検出する検出部と、検出した荷電粒子の信号から前記所定領域のパターンの電位コントラストを取得する画像処理部と、前記パターンの第1欠陥部位を検出する検出部と、前記第1欠陥部位における前記電位コントラストから前記第1欠陥部位の電気特性を推定する演算部と、推定された前記電気特性を表示する表示部とを備え、前記演算部は、前記被検査試料の正常部において、予め所定の範囲で電圧を変化させて測定したときの電気特性を入力する正常部電気特性入力部と、構成が既知の第2欠陥部を有する参照試料の前記第2欠陥部において、前記所定の範囲で電圧を変化させて測定したときの電気特性を入力する電気特性入力部と、前記第2欠陥部での電位コントラストと前記電気特性入力部に入力された電気特性と、前記正常部電気特性入力部に入力された電気特性とを用いて、前記被検査試料の正常部に前記第2欠陥部を付加したときの電位コントラストと電気特性とを対応付ける対応関係を作成する二次電子信号算出部と、前記画像処理部で取得された前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記電位コントラストを入力する電位コントラスト入力部と、前記対応関係を用いて、前記電位コントラスト入力部に入力された前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記電位コントラストから、前記被検査試料の前記第1欠陥部位の電気特性を求める算出部と、を有することを特徴とする半導体検査装置とする。
また、所定のパターンが形成された被検査試料の所定領域に荷電粒子を照射する荷電粒子照射部と、前記被検査試料表面からの荷電粒子を検出する検出部と、検出した荷電粒子の信号から前記所定領域のパターンの電位コントラストを取得する画像処理部と、前記パターンの第1欠陥部位を検出する検出部と、前記第1欠陥部位における前記電位コントラストから前記第1欠陥部位の絶縁膜の膜厚または寸法を推定する演算部と、推定された前記絶縁膜の膜厚または寸法を表示する表示部とを備え、前記演算部は、前記被検査試料の正常部において、予め所定の範囲で電圧を変化させて測定したときの電気特性を入力する正常部電気特性入力部と、絶縁膜の膜厚又は寸法が既知の第2欠陥部を有する参照試料の前記第2欠陥部において、前記所定の範囲で電圧を変化させて測定したときの電気特性を入力する電気特性入力部と、前記第2欠陥部での電位コントラストと前記電気特性入力部に入力された電気特性と、前記正常部電気特性入力部に入力された電気特性とを用いて、前記被検査試料の正常部に第2欠陥部を付加したときの電位コントラストと膜厚又は寸法とを対応付ける対応関係を作成する二次電子信号算出部と、前記画像処理部で取得された前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記電位コントラストを入力する電位コントラスト入力部と、前記対応関係を用いて、前記電位コントラスト入力部に入力された前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記電位コントラストから前記被検査試料の前記第1欠陥部位の絶縁膜の膜厚又は寸法を求める算出部と、を有することを特徴とする半導体検査装置とする。
また、所定のパターンが形成された被検査試料の所定領域に荷電粒子を照射する工程と、前記被検査試料表面からの荷電粒子を検出する工程と、検出した荷電粒子の信号から前記所定領域のパターンの第1電位コントラストを取得する工程と、前記パターンの第1欠陥部位を検出する工程と、前記第1欠陥部位における前記第1電位コントラストから前記第1欠陥部位の電気特性を推定する工程と、推定された前記電気特性を表示する工程とを備え、前記第1欠陥部位における前記第1電位コントラストから前記第1欠陥部位の電気特性を推定する工程は、前記被検査試料の正常部において、所定の範囲で電圧を変化させて第1の電気特性を測定する工程と、構成が既知の第2欠陥部を有する参照試料の前記第2欠陥部において、前記所定の範囲で電圧を変化させて第2の電気特性を測定する工程と、前記第2の電気特性と前記第1の電気特性とを用いて、前記被検査試料の正常部に前記第2欠陥部を付加したときの第2電位コントラストと電気特性とを対応付ける対応関係を作成する工程と、前記対応関係を用いて、前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記第1電位コントラストから、前記被検査試料の前記第1欠陥部位の電気特性を求める工程と、を有することを特徴とする半導体検査方法とする。
帯電電圧を考慮した所定の範囲で電圧を変化させて測定した電気特性を用いることにより、被検査試料の帯電電圧の変動に起因する欠陥の各種特性の変動を低減し、正確にその特性を推定することのできる半導体検査装置および半導体検査方法を提供できる。また、被検査ウエハ(被検査試料)の正常部の電気特性と、構成が既知の欠陥部を有する参照試料の電気特性とを用いることにより、被検査試料がウェル等の複雑な構造を有している場合であっても、正確に欠陥特性を推定することのできる半導体検査装置および半導体検査方法を提供できる。
本発明を実施するための形態の概要は次の通りである。
先ず、構成が既知の欠陥部を有する標準ウエハ(参照試料)を用いて、電位コントラスト(二次電子信号量)と、前記欠陥部の電気特性との対応関係(第1の検量線)を求める。また、被検査ウエハ(被検査試料)における正常パターンの電気特性を測定する。これら電気測定に際しては、荷電粒子線を用いて被検査ウエハを検査する際に帯電する電圧範囲(−50Vから100V程度)で電気特性を測定しておく。
先ず、構成が既知の欠陥部を有する標準ウエハ(参照試料)を用いて、電位コントラスト(二次電子信号量)と、前記欠陥部の電気特性との対応関係(第1の検量線)を求める。また、被検査ウエハ(被検査試料)における正常パターンの電気特性を測定する。これら電気測定に際しては、荷電粒子線を用いて被検査ウエハを検査する際に帯電する電圧範囲(−50Vから100V程度)で電気特性を測定しておく。
次に、被検査ウエハの正常パターンの電気特性に基づいて正常パターンの等価回路を生成し、標準ウエハの欠陥部を付加した等価回路を生成する。そして、被検査ウエハにおける欠陥部の電位コントラスト(二次電子信号量)と電気特性または特徴的物理量との関係(第2の検量線)を算出する。欠陥部の電位コントラスト(二次電子信号量)を実測することにより、第2の検量線を用いて被検査ウエハに実際に含まれる欠陥部の電気特性、または、特徴的物理量を推定することができる。
以下に上記を実現するための手段の概要を述べる。
まず、標準的な電気的欠陥を持つテストパターンを用いて、予め電位コントラスト(二次電子信号量)と欠陥部の電気特性または特徴的物理量との対応関係(第1の検量線)を算出するための演算部と、求めた対応関係を保存するための記憶手段とを設けた。標準的な電気的欠陥の電気特性として、−50Vから100Vの範囲内での電気特性を入力する手段を設けた。
電位コントラスト(二次電子信号量)と欠陥部の電気特性または特徴的物理量との関係(第1の検量線)は、電子線の照射エネルギー、照射電流値、ウエハ上面に形成される電界等の検査条件によって変化するため、前記電位コントラスト(二次電子信号量)と電気特性との対応関係は検査条件毎に求め、保存することができる。前記対応関係(第1の検量線)は、予めデータベース化して保存しておくこともできるし、被検査ウエハを検査する条件で前記対応関係を求めて保存しておくこともできる。
さらに、演算部に被検査ウエハの正常部の電気特性を入力する手段を設け、前記テストパターンの欠陥を用いて求めた電気特性と、入力した前記被検査ウエハの正常部の電気特性から、被検査ウエハの欠陥部の電位コントラスト(二次電子信号量)と電気特性との対応関係(第2の検量線)を算出する機能を演算部に設けた。
このとき、被検査ウエハの正常部の電気特性として、−50Vから100Vの範囲内での電気特性を入力する手段を設けた。欠陥の電気特性と電位コントラスト(二次電子信号量)の対応関係を算出する際には、被検査ウエハを検査したときの検査条件を入力パラメータに変換し、演算部に自動的に入力する手段を設けた。
さらに、被検査ウエハに電子線を実際に照射したときに生じる欠陥部の電位コントラスト(二次電子信号量)を求め、前記算出した被検査ウエハでの欠陥部の電位コントラスト(二次電子信号量)と電気特性との対応関係(第2の検量線)を用い、被検査ウエハの欠陥部の電気特性を演算部で算出し、算出した電気特性を表示する機能を設けた。
本実施の形態によれば、工程途中(工程と工程との間)の半導体ウエハ(被検査試料)を検査する技術として、Si基板に作りこまれたウェルや拡散層、pn接合、及び、下地のパターンの有る被検査ウエハにおいても、被検査ウエハの欠陥の抵抗値と電位コントラストとの対応関係を一度オフラインにて解析することなく、非破壊、非接触で欠陥部の電気特性または特徴的物理量を精密に検査可能となった。
また、前記の効果によって、ウエハ上に発生した欠陥の有無、抵抗値の分布、および不良発生原因を効率的、高速に、且つ高精度に把握できるので、半導体製造プロセスの最適化や早期の異常対策処理が可能となり、その結果半導体装置その他の基板の不良率を低減し生産性を高めることができる。
さらに、上記検査を適用することにより、異常発生をいち早く検知して、従来よりも早期に対策を講ずることが可能となったので、多量の不良発生を未然に防止し、半導体装置等の信頼性を高めることができるようになった。また、欠陥部を特定することにより、欠陥を発生し易いパターンの特徴を把握できるので、不良を発生しにくいデバイス設計や、プロセス設計が可能となった。この結果、新製品等の開発効率が向上し、且つ、製造コストが削減できるようになった。
以下、実施例により詳細に説明する。
本実施例では、電位コントラストから導通不良欠陥の抵抗値を検査する方法の一例について説明する。
まず、本実施例における検査で用いる電位コントラスト形成の原理について説明する。例えば、図2は、半導体基板1上に形成されたプラグパターンに電子線を照射し、電子線照射領域が正に帯電した場合を示すプラグパターン断面の模式図である。プラグパターン2が形成されている半導体基板1に一次電子3を入射すると、半導体ウエハ1から二次電子4および反射電子が放出される。
この入射電子数に対する放出電子数の割合である電子放出効率σは、電子線の照射エネルギーとパターン表面の材料によって決定される。電子放出効率σが1よりも大きい場合、電子線照射領域は正に帯電し、電子放出効率σが1より小さい場合、電子線照射領域は負に帯電する。
電子線照射領域が正に帯電した場合、半導体基板1表面に図2に示したような等電位面5が形成され、この正帯電が一度放出した低エネルギーの二次電子6を引き戻す働きをする。従って、ウエハ1上面に形成された電界に従って二次電子は引き戻されるので、実効的な二次電子放出効率σeffは、ウエハ1表面の帯電とウエハ上面の電極電圧によって決定される。
引き戻される電子数をN1とし、放出電子数をN2として、引き戻されずに放出する二次電子および後方散乱電子の割合をσSEとすれば、σSE=N2/(N1+N2)であり、実質上の放出効率σeffは、σeff=σSE×σであらわされる。電子ビーム照射と共に帯電電圧は上昇し、引き戻される二次電子6および後方散乱電子の割合は増加していく。そのため、σeffは徐々に減少し、最終的には、σeffが1になる帯電電圧で安定することとなる。
図3は電子線照射時間に対する帯電電圧16の変化の一例を示した図である。電子線照射により、ウエハ1表面の帯電電圧16が変化し、最終的にσeffが1になる帯電電圧Vcで安定する。従って、ウエハ上に形成されたパターンによって帯電が変わり、電位コントラストが変化する。特に、欠陥部位があると帯電状態が変化し電位コントラストが変化する。この電位コントラストの変化を検出することで欠陥部位を検出することができる。
具体的に、正帯電の電位コントラストを利用してパターン検査を行う原理について、例えば、プラグのパターンで説明する。図4は半導体基板1上に標準的欠陥部を形成したプラグパターン7を示す断面図である。
図4に示すパターンに二次電子放出効率σが1よりも大きい条件で電子線を照射すると、プラグ7a〜7cには正の電荷が蓄積される。正常なプラグ7a、7cは半導体基板1と繋がっているため、正帯電は中和される。
電流が半導体基板1から供給されるとき、半導体基板1に拡散層やウェル等が形成されている場合、電流は拡散層やウェルの抵抗値および容量の影響を受ける。一方、非導通となっているプラグ7bの場合、プラグ7bと半導体基板1の間には絶縁膜8が存在する。従って、絶縁膜8の抵抗値によってプラグ7bへ供給される電流が変化し、それに伴ってプラグ7bの帯電が変化して、電位コントラストが変化する。
例えば、図4に示すプラグパターンを正に帯電させて検査した場合、その電位コントラストは図5に示すようになる。すなわち、絶縁膜9が形成されている領域には暗部10が形成され、正常なプラグが形成されている領域は明部11a、11cが形成される。
一方、プラグ7bが欠陥部位になって半導体基板1と非導通となっている場合は、欠陥部位のプラグ7bの形成領域は暗部11bとなる。このように欠陥部位の電位コントラストが変化するので、電位コントラストを検出することにより、欠陥部位を特定することができる。
このようなメカニズムによってパターンの電位コントラストから欠陥部位を検出することができる。このとき、欠陥部位の位置だけでなく種類も特定することができる。例えば、正常なプラグは正に帯電しにくく明部として検出されるが、正に帯電して暗部として検出される場合、プラグが電気的に接続されていない非導通の欠陥部位と判明する。一方、正常時に正に帯電している領域が中和している場合、導通してしまうショート不良あるいはリーク不良であることがわかる。
電位コントラストから欠陥部位の位置と種類を特定することができる他の例として、例えば、プラグ7bに非導通の欠陥部位が生じる場合、極端には電気的に絶縁されていることになる。しかし、プラグ7bと半導体基板1の間に介在する絶縁膜8の厚さdなどによって欠陥部位は様々な抵抗値をとっていることがある。つまり、非導通の欠陥部位といってもその欠陥の特性は様々な状態をとっている。このため、欠陥部位の抵抗値などの電気特性を知ることが、欠陥部位の解析には重要となっている。
ここで、欠陥部位の抵抗値を算出するための従来の方法としては、1つの孤立したパターンを単純化して求めた等価回路を仮定し、取得した電位コントラストから欠陥の抵抗値の算出を行なっていた。従来の方法で用いた等価回路の一例を図6に示す。
図6(a)は図4で示した正常なプラグ7a、7cの等価回路を示し、図6(b)は図4で示した欠陥部位のプラグ7bの等価回路を示す。正常なプラグ7a、7cの等価回路は、半導体基板1の抵抗Rsubと容量Csubと、プラグ部分の抵抗値Rpと容量Cpで構成され、電子線照射により、電荷Qが注入される。
一方、欠陥部位のプラグ7bの等価回路は、半導体基板1の抵抗Rsubと容量Csubと、プラグ部分の抵抗値Rpと容量Cpと、欠陥部位の絶縁膜8の抵抗値Rdと容量Cdで構成される。このとき、絶縁膜8の抵抗値として、ある一定の抵抗値Rdを仮定して電位コントラストと電気特性の関係を求めていたが、実際の欠陥の抵抗値はパターンが帯電し得る電圧範囲において、抵抗値が大幅に変化していることを見出した。このため、一定の抵抗値Rdを仮定して算出した抵抗値は実際の抵抗値と一致しない場合が多かった。
一例として、図4に示したプラグパターンにおいて、プラグ表面にプローブを接触させて、プラグ表面と半導体基板1裏面間の電流−電圧(I−V)特性を測定した結果を図7に示す。正常なプラグ7a、7cの電流−電圧(I−V)特性12は、電圧を上げると電流は急に増加し、ある電流値で飽和することが分かった。一方、欠陥部位のあるプラグ7cの電流−電圧(I−V)特性13では、電圧を上昇させると徐々に電流が増加していく傾向が評価された。このとき、欠陥を流れる電流値は電圧に依存して大きく変化していることが分かる。
図7に示した電流−電圧(I−V)特性を抵抗−電圧(R−V)特性に書き換えた図を図8に示す。正常なプラグ7a、7cの抵抗値14は電圧が上昇すると抵抗は急に低下し、ある値で一定になることが分かった。一方、欠陥部位のあるプラグ7bの抵抗値15、電圧を上昇させると徐々に抵抗値が低下していく傾向が評価された。パターンに電子線を照射した際には、図3に示したようにパターン表面の帯電電圧16は変化していくので、電子線照射中に欠陥部位の抵抗値は電圧に依存して大きく変化していくことになる。
従って、パターンの等価回路において、一定の抵抗値Rdを仮定して電位コントラストと電気特性の対応関係を求め、その後実際に電子線照射して得られた電位コントラストから抵抗値を求めようとした場合、欠陥部位の抵抗値を正確に算出することはできない。
また、欠陥部位の抵抗値を正確に算出する際には、電子線照射によってプラグに注入される電荷量Qとプラグの帯電電電圧Vcを正確に算出することが必要である。図2で上述したように、プラグに注入される電荷量は実質上の放出効率σeffによって決定される。
実質上の放出効率σeffは二次電子放出効率σ、および、ウエハ上面の電界5によって決定される。電子放出効率σは文献に示されているが、文献による値の相違が大きく、また、パターン材料の微量含有物や表面状態にも大きく影響される。さらに、ウエハ上面の電界5は装置の調整誤差等によって変化するので、計算のみによってプラグに注入される電荷量Qを正確に算出することは困難であった。
そこで、本実施例における一つの特徴は、被検査ウエハ(被検査試料)を検査する前に、標準的な欠陥を予め作り込んだ標準ウエハ(参照試料)の画像を予め取得し、実質上の放出効率σeffを求めておく点に特徴がある。
これにより、装置固有の二次電子検出誤差を反映した実質上の放出効率σeffを求め、正確な注入電荷量Qを求めることが可能となり、精密に欠陥部位の電気特性を算出できる特徴を持つ。ここで、標準的な欠陥を予め作り込んだウエハとしては、例えば、図4において、欠陥部位に既知の膜厚dを持つ酸化膜8を予め作り込んだウエハである。例えば、欠陥部位の膜厚dを数種類変えたウエハを作成することにより、電気特性を変えた欠陥を作り込んだ標準ウエハを用意することができる。
さらに、本実施例における他の一つの特徴は、標準的な欠陥を予め作り込んだ標準ウエハ(参照試料)の電気特性を予め測定しておき、測定した電気特性を電位コントラスト算出部の等価回路に入力し、この等価回路を使用して電位コントラストを計算することを特徴とする。また、実際に標準ウエハに電子線を照射して取得した電位コントラストと等価回路を使用して算出した電位コントラストが一致するように、演算部のパラメータを調整することを特徴とする。これにより、欠陥の抵抗-電圧特性の影響を考慮して精密に被検査ウエハの欠陥部位の電気特性を算出できる。
次に、実際に半導体製造工程途中のウエハを検査する場合の一例について、図9を用いて説明する。図9は半導体製造工程途中のプラグパターンの一例を示す断面図である。
図9に示すように、半導体基板1上には素子分離領域17が形成されており、素子分離領域17によって区分けされた活性領域には半導体領域であるウェル18が形成されている。ウェル18内には、半導体領域である拡散層19が形成されており、ウェル18上には絶縁膜20が形成されている。
絶縁膜20には、絶縁膜20を貫通するプラグ21a〜21cが形成されている。プラグ21a、21cは拡散層19に電気的に接続されているが、プラグ21bは拡散層19には接続されずに、拡散層19とプラグ21bの間に絶縁膜8が残っており、導通不良の欠陥部位となっている。
図9に示すパターンに電子放出効率σが1よりも大きい条件で電子線を照射すると、プラグ21a〜21cには正の電荷が蓄積される。正常なプラグ21a、21cは拡散層19およびウェル18を介して半導体基板1と繋がっているため、正帯電は中和されるが、電流が半導体基板1から供給されるとき、電流は拡散層19やウェル18の抵抗値および容量の影響を受ける。従って、拡散層19やウェル18の抵抗値および容量によってプラグ21bへ供給される電流が変化し、それに伴ってプラグ21a、21cの帯電が変化して、電位コントラストが変化する。
一方、非導通となっているプラグ21bの場合、プラグ21bと半導体基板1の間には絶縁膜8が存在する。従って、拡散層19やウェル18の抵抗値、および、絶縁膜8の抵抗値によってプラグ21bへ供給される電流が変化し、それに伴ってプラグ21bの帯電が変化して、電位コントラストが変化する。従って、半導体基板にウェル18や拡散層19等が形成されているときには、ウェル18や拡散層19の抵抗値や容量等のプラグ下のpn接合および回路も考慮しないと欠陥の抵抗値を正確に算出することはできない。
欠陥部位の抵抗値を検査するための従来の方法としては、被検査ウエハと同等の回路パターンを検査し、検出された欠陥に一度プローブ等を接触させて電気特性と電位コントラストの対応関係を取得しておき、この対応関係を用いて、被検査ウエハの電位コントラストから欠陥部の電気特性を評価していた。あるいは、他の従来の方法として、1つの孤立したパターンを単純化して求めた等価回路を仮定し、取得した電位コントラストから欠陥の抵抗値の算出を行っていた。
図10には、従来の方法で用いていた等価回路の一例を示す。図10(a)は図9で示した正常なプラグ21a、21cの等価回路を示し、図10(b)は図9で示した欠陥部位のプラグ21bの等価回路を示した。
このとき、欠陥部位のみの抵抗値として、ある一定の抵抗値Rdを算出していた。プラグ下の拡散層19の抵抗値Rjおよび容量Cj、ウェル18の抵抗値Rwおよび容量Cw、Si基板の抵抗値Rsubおよび容量Csubを一定値として入力していた。ここで、プラグ下のウェル18や拡散層19等の電気特性(抵抗値、容量)は、例えば、デバイスシミュレータを用いて算出した値、あるいは、完成したデバイスの設計値等の値を入力することができる。
しかし、デバイスの設計値における電気特性は、完成したデバイスの動作電圧での値であり、また、デバイスシミュレータで電子線照射時における帯電電圧での電気特性を正確に算出することは困難であった。
一例として、図9に示したプラグパターンにおいて、従来の方法で用いていた等価回路を図11に示す。プラグ下の拡散層19が例えば、(a)P−typeである場合、(b)N−typeである場合、および、(c)プラグ21がゲート電極上に形成された場合について示した。
一方、プラグ表面に実際にプローブ等を接触させて抵抗−電圧(R−V)特性を測定した結果を図12に示す。プラグの表面とSi基板裏面との間に電圧をかけたときの抵抗値の変化を示した。プラグ下の拡散層が(a)P−typeである場合22、(b)N−typeである場合23、(c)プラグがゲート電極上に形成された場合24について示した。どのプラグにおいても、抵抗値は電圧に依存して大きく変化していることが分かる。
パターンに電子線を照射した際には、図3に示したようにパターン表面の帯電電圧16は変化していくので、電子線照射中に被検査パターンの抵抗値は電圧に依存して大きく変化していくことになる。従って、パターンの等価回路において、図11に示したような単純化した等価回路では、欠陥プラグの抵抗値を正確に算出することはできない。
そこで、本実施例における一つの特徴は、被検査ウエハの正常部の電気特性を予め測定しておき、測定した電気特性を電位コントラスト算出部の等価回路に入力し、この等価回路を使用して電位コントラストを計算することを特徴とする。これにより、本発明者らは、被検査ウエハのパターン下に形成されたpn接合や回路パターンの電気特性の影響を考慮し、欠陥箇所の電位コントラストから精密に被検査ウエハの欠陥部位の電気特性を算出できることを見出した。
すなわち、本実施の形態における1つの特徴は、電子線照射によってウエハが帯電し得る範囲の電圧範囲において被検査ウエハ正常部の電気特性を実測し、実測した電気特性に基づいて、ウエハに形成されたパターンに対応する等価回路を形成する点に特徴がある。これにより、単純化された等価回路ではなく、パターンの帯電電圧範囲に対応する精密な等価回路を使用することができる。
そして、検査装置で実測された電位コントラストによりウエハに形成された構造にある欠陥プラグを検出すると、欠陥プラグの帯電電圧範囲における電気特性変化を考慮した等価回路に基づいて欠陥部位のみの電気特性を変えたときの電位コントラストを算出し、欠陥部位のみの電気特性と電位コントラストとの対応関係を算出する。そして、欠陥部位のみの電気特性と電位コントラストとの対応関係を用いて、検査装置で実測された電位コントラストから欠陥部位のみの電気特性を推定する。これにより、欠陥部位のみの電気特性を正確に算出することができる。
この欠陥検出工程で使用する検査装置の構成について説明する。本実施例に係る検査装置の概略を図23に示す。半導体装置の検査装置26は、電子光学系27、ステージ機構系28、ウエハ搬送系29、真空排気系30、光学顕微鏡31、制御系32、操作部33より構成されている。電子光学系27は、電子銃34、コンデンサレンズ35、対物レンズ36、検出器37、電極38、偏向器39、ウエハ高さ検出器40より構成されている。
ステージ機構系28はXYステージ41およびウエハ42を保持するためのホルダ43、ホルダ43およびウエハ42に負の電圧を印加するためのリターディング電源44より構成されている。ウエハ42としては、標準ウエハの場合と被検査ウエハの場合がある。XYステージ41には、レーザ測長による位置検出器が取りつけられている。ウエハ搬送系29はカセット載置部45とウエハローダ46とXYステージ41間をウエハ42が行き来するようになっている。
制御系32は、信号検出系制御部47、ブランキング制御部48、ビーム偏向補正制御部49、電子光学系制御部50、ウエハ高さセンサ検出系51、ステージ制御部52より構成されている。操作部33は、操作画面および入出力部53、画像処理部54、画像・検査データ記憶部55、演算部56より構成され、操作画面および入出力部53は外部サーバ58に接続されている。なお、符号57は欠陥部位検出部である。
次に、本実施例における検査工程を実現するための機能の構成について説明する。図13は操作部33の一部である演算部56とデータ記憶部55の構成を示すブロック図である。演算部56は、標準ウエハ情報入力部59、標準ウエハ電気特性入力部60、被検査ウエハ情報入力部61、被検査ウエハ正常部電気特性入力部62、等価回路算出部63、二次電子信号量算出部64、電位コントラスト入力部65、検査情報入力部66、等価回路入力値補正部67、対応関係算出部68、電気特性推定部69および電気特性出力部70を有している。
次に、演算部56の動作について図面を参照しながら説明する。図14は本実施例の検査工程における二次電子画像取得工程の流れを示すフローチャートの一例である。本二次電子画像取得工程は、電位コントラスト校正に使用する標準ウエハの二次電子画像を取得する工程と、被検査ウエハの二次電子画像を取得して欠陥を判定する工程で使用している。
図14において、まず、ウエハを検査装置26の載置部45にセットする(S101)。次に、検査レシピの作成を開始する(S102)。操作画面および入出力部53を用いて検査レシピ作成画面を開き、まず、被検査ウエハの情報を入力する(S103)。被検査ウエハの情報として、ウエハマトリックス、検査領域等を入力する。被検査ウエハの情報として、レイアウトデータをCADデータとして入力しても良い。このレイアウトデータは予め画像・検査データ記憶部55に記憶させておき、検査レシピ作成時にレイアウトデータを読み出すこともできる。
引き続き、操作画面および入出力部53から検査条件を入力する(S104)。図15に、検査条件入力画面71の一例を示す。検査条件として、電子ビームの照射エネルギー72、ビーム電流73、ウエハ42と対物レンズ36との間に配置された上面電極38の電圧74、電子線走査速度75および信号検出するためのサンプリングクロックである検出クロック76、画像サイズ77、1画面あたりの視野サイズ、1画面あたりの画像取得回数(加算回数)78、画像処理に用いる取得画像、検査領域等の内容を入力する。
検査条件入力が完了したら、検査をスタートする(S105)。まず、載置部45にセットされたウエハ42を、ウエハローダ46を介してXYステージ41のホルダ43上に設定し、電子光学系27内に搬送する(S106)。ウエハ42がロードされたら、入力された検査条件に基づき、電子光学系制御部32より各部に電子線照射条件が設定される。このとき、電子線の照射位置を校正用パターン位置に移動し(S107)、ビーム校正、アライメントおよびキャリブレーションを行なう(S108)。
その後、検査を開始し、電子線(電子ビーム)の照射を開始したら(S109)、指定された検査条件で指定された領域に電子線を照射して走査しながら(S110)、二次電子画像(電位コントラスト)を取得する(S111)。このとき、リアルタイムで画像処理を実施し、欠陥判定を行なう(S112)。
画像処理においては、同等パターン同士を比較検査する方法と、良品のリファレンス画像を予め取得してこれと比較検査する方法と、パターンの明るさの絶対値より良否判定をする方法がある。これらのいずれの方法でも、指定された領域の欠陥発生位置、欠陥部位の種類および欠陥部位の電気特性(抵抗値)等の情報を得ることができる。
欠陥判定を行なったら、次に、欠陥発生位置については自動的に画像を保存する。このとき比較検査を行った場合は、欠陥発生位置について、リファレンスとして正常部の画像も同時に保存する。次に、取得した二次電子画像から電位コントラストを取得する(S113)。取得した電位コントラストから、演算部56にて電気特性を算出する(S114)。そして、検査状況を操作画面および入出力部53に表示し、且つ、検査結果を演算部56から外部に出力する(S115)。
検査方法として、ステップアンドリピートで検査を行うこともできる。この場合、指定された領域に電子線を走査し、二次電子画像を取得する。その後、次に指定された領域にステージを移動して、さらに、電子線照射して画像取得することを繰り返して検査を行うこともできる。取得した二次電子画像を画像・検査データ記憶部55に保存してから外部記憶部および演算部に転送し、オフラインで画像処理を実施し、欠陥判定および抵抗値の算出を行っても良い。このようにして、検査を完了したら、ウエハ42をアンロードして検査を終了する(S116)。
次に、本実施例における特徴の1つである欠陥部位の抵抗値算出方法を図1で説明する。図1は、本実施例における欠陥部位の抵抗値等の電気特性の算出方法を示すフローチャートである。このフローチャートは図14に示した検査工程において、電気特性の算出(S114)で行なわれる処理である。
図1において、処理80は演算部56で行なわれる処理の流れを示しており、入力データ81は欠陥部位の電気特性算出で使用するデータを示している。本実施例における演算部56として回路シミュレータを用いることができる。本実施例では欠陥部位の電気特性を算出する方法の一例として、図9に示す断面構造のプラグの抵抗値を算出する方法を説明する。電位コントラスト校正用の標準ウエハとしては、図4に示した断面構造のプラグパターン7a〜7cを形成したウエハを用いることができる。
まず、電位コントラスト校正用標準ウエハに形成された構造のパターン情報を演算部56にある標準ウエハ情報入力部59に入力する(S120)。標準ウエハの情報として、プラグ径、プラグ材料、プラグのパターン密度、プラグ周囲を構成する絶縁膜9の材料、欠陥部位の膜厚d、検査領域等を入力する。入力したレイアウトデータは、操作画面および入出力部53の検査レシピ作成画面に反映され、検査レシピ作成時の補助ツールとしても使用できる。
次に、標準ウエハの情報として、欠陥部の電気特性を標準ウエハ電気特性入力部60に入力する(S121)。一例として、欠陥部の抵抗−電圧特性を入力する場合について示す。図16には標準ウエハの導通不良部の電気特性を数種類に変化させた場合の抵抗−電圧特性の一例を示す。この標準ウエハとして、図4に示した欠陥部位8の膜厚dを数種類変化させて作成したウエハを用いた。
欠陥部位の膜厚dが例えば、1,2,3,5,8,10nmの数種類の場合について説明する。欠陥プラグ7b表面と半導体基板1裏面間の電圧を増加するに従って、欠陥の抵抗は減少している。また、欠陥部位の膜厚dが厚くなるに従って、抵抗は大きくなっている。このような抵抗−電圧特性を入力する場合について、図17に、抵抗−電圧(R−V)特性入力画面83の一例を示す。数種類の電気特性を持つ欠陥に対して、電子線照射によって標準ウエハが帯電し得る電圧範囲に対して、電圧と抵抗値を入力する。欠陥部位の膜厚dも入力することができる。
本実施例はウエハを正に帯電して検査する場合について示しており、ウエハを負に帯電して検査する場合には、負極性の電圧に対する電気特性を入力する。入力する電気特性として、電流−電圧特性、抵抗−電圧特性、容量−電圧特性等も入力できる。入力する電圧の範囲としては、検査時にウエハが帯電しえる範囲、例えば−50V〜100Vの範囲で入力できる。
図16に示した抵抗−電圧特性の代表値を、操作画面および入出力部53に表示される抵抗電圧特性入力画面83上から入力しても良いし、ファイル選択84を用いて電気特性のデータファイルを指定してデータファイルを読み込むこともできる。入力した電気特性に基づいて、等価回路算出部63で等価回路を生成する。
ここで、電位コントラスト校正用の標準ウエハとしては、図4に示した断面構造のプラグパターンを形成したウエハ以外に、図9に示したような、プラグ下にpn接合を含むような製品と同等の構造を持つウエハを用いることもできる。この場合には、実際にウエハ上に形成された欠陥をいくつか検出し、電位コントラスト校正用の画像を取得した後、欠陥の電気特性を測定することにより、導通不良部の電気特性を取得することができる。
プラグ下に拡散層やウェル等のpn接合を持つウエハを電位コントラスト校正用ウエハとして用いる場合、導通不良部の電気特性は、例えば、以下のように求めることができる。一例として、正常部の抵抗−電圧特性を入力する場合について示す。
図12(a)には、校正用ウエハ正常部の抵抗−電圧特性の例を示す。この特性には、プラグ下の拡散層19、ウェル18、半導体基板1の電気特性の情報が全て含まれており、拡散層19がP−typeである場合の一例を示している。他の例として、プラグ下の拡散層19が(b)N−typeである場合、(c)プラグがゲート電極上に形成された場合において、プラグ表面に実際にプローブ等を接触させて抵抗−電圧特性を測定した結果の一例を図12に示す。
また、図12には、欠陥部のプラグ表面と半導体基板間の抵抗−電圧特性の一例25を示す。この特性には、導通不良部の抵抗だけでなく、プラグ下の拡散層19、ウェル18、半導体基板1の電気特性の情報が全て含まれている。従って、導通不良部のみの抵抗−電圧特性は、抵抗−電圧特性25から、正常部の抵抗−電圧特性を差し引くことで得られる。
例えば、導通不良部がP-typeの拡散層19上のプラグである場合は、抵抗−電圧特性25から図12(a)の抵抗−電圧特性を差し引くことにより導通不良部のみの抵抗−電圧特性を得ることができる。従って、電位コントラスト校正用ウエハとして、図9に示したような、プラグ下にpn接合を含むような製品と同等の構造を持つウエハを用いて、導通不良部の電気特性を推定し、等価回路算出部63で等価回路を生成することもできる。
次に、標準ウエハの二次電子画像を取得する際に操作画面および入出力部53の検査条件入力画面71から入力された入射電子線照射条件等の検査条件を演算部56の検査情報入力部66に入力する(S122)。
検査条件は、変換部82で演算部56への入力値に変換される。例えば、電子線照射エネルギー72と標準ウエハの情報として入力されたプラグ材料の情報から、電子放出効率σに変換される。本演算部56で二次電子信号量を算出する際には、演算部56への入力値として、例えば、入力電荷Qは次の様に変換できる。
検査のビーム電流値I0、回路パターンへの照射時間s、戻り二次電子6を考慮した二次電子放出効率σeffから求められる。回路パターンへの照射時間sは、電子線の走査速度75、走査回数(画像取得回数)78、及びプラグ径等の回路パターンのレイアウトによって決定できる。また、戻り二次電子を考慮した電子放出効率σeffはパターン上面に形成される電界(等電位面)5によって決定されるので、上面電極電圧74、プラグ径等の回路パターンのレイアウト、パターンの帯電電圧で決定される。
これらの入力した検査条件とウエハ情報、標準ウエハの電気特性に基づいて、二次電子信号量算出部64で標準ウエハの正常部および欠陥部からの二次電子信号量を計算する(S123)。算出した二次電子信号量は同一画像内でのコントラストに変換される。例えば、図4に示したプラグパターンからの二次電子信号量は、例えば、((正常プラグ7a、7cからの信号)−(欠陥プラグ7bからの信号))/((正常プラグ7a、7cからの信号)−(絶縁膜9領域からの信号))(%)で定義された電位コントラストに変換される。
計算による電位コントラストを算出したら、実際に電子線を照射することにより検査装置26で取得した標準ウエハの画像の電位コントラストを演算部56の電位コントラスト入力部65に入力する(S124)。
まず、検査結果を記憶した記憶部55から、検出した欠陥部位の欠陥位置および実測された欠陥部の二次電子画像を画像処理部54に転送する。画像処理部54では、転送された二次電子画像から正常部からの信号、欠陥部からの信号、基準部からの信号を抽出し、電位コントラストに変換する。例えば、図5に示した二次電子画像における電位コントラストは、((正常プラグ領域11a、11cからの信号)−(欠陥プラグ領域11bからの信号))/((正常プラグ領域11a、11cからの信号)−(絶縁膜領域10からの信号))(%)で定義することができる。
そして、二次電子信号算出部64で計算された標準ウエハの電位コントラストと、実測に基づき画像処理部54で変換された標準ウエハの電位コントラストと比較し、計算値と実測値の相違が無くなるよう入力値補正部67で演算パラメータを最適化する(S125)。
例えば、二次電子信号量算出部64に入力する二次電子放出効率σ、戻り二次電子を考慮した二次電子放出効率σeff、上面電極電圧74を調整することで、計算値と実測値が一致するように最適化することができる。最適化された演算パラメータは記憶部55に転送し、記憶しておくことができる。電位コントラストと欠陥部の電気特性とを対応させることにより、第1の検量線を作成することができる。
上記の標準ウエハ情報入力から演算パラメータ最適化までの工程(S120−S125)は、被検査ウエハの検査前に予め行なっておくことができる。例えば、検査装置26のメンテナンス後に一度行って、上記工程で使用した入力データ、等価回路、及び最適化した入力パラメータを記憶部55に記憶させておけば、被検査ウエハ検査時に随時読み出して検査を開始することができる。
標準ウエハによる入力パラメータ最適化が終了したら、被検査ウエハの検査を開始する。被検査ウエハの検査は図14で上述したフローで検査する。次に、本実施例における特徴の1つである被検査ウエハの欠陥部位の電気特性算出方法を図1の被検査ウエハパターン情報入力の工程(S126)以降の工程で説明する。このフローチャートは、図14に示した検査工程において、電気特性の算出(S114)で行なわれる処理である。一例として、図9に示す断面構造のプラグの抵抗値を算出する方法を説明する。
まず、被検査ウエハのパターン情報を演算部56にある被検査ウエハ情報入力部61に入力する(S126)。被検査ウエハの情報として、プラグ径、プラグ材料、プラグのパターン密度、プラグ周囲を構成する絶縁膜材料、検査領域等を入力する。入力したレイアウトデータは、操作画面および入出力部53の検査レシピ作成画面に反映され、検査レシピ作成時の補助ツールとしても使用できる。
次に、被検査ウエハ上に標準ウエハに形成した欠陥と同等の欠陥が形成されている場合を想定して、被検査ウエハ上での欠陥部の電気特性を推定する(S127)。一例として、図9に示すプラグパターンの場合、標準ウエハと被検査ウエハのプラグ径が同じ場合、標準ウエハ欠陥部位のみの電気特性を変換することなく、被検査ウエハの欠陥部位のみの電気特性として等価回路算出部63に入力する。
次に、被検査ウエハの情報として、正常部の電気特性を被検査ウエハ電気特性入力部62に入力する(S128)。一例として、正常部の抵抗-電圧特性を入力する場合について示す。図12(a)には被検査ウエハ正常部の抵抗-電圧特性の一例を示す。この特性には、プラグ下の拡散層19、ウェル18、半導体基板1の電気特性の情報が全て含まれている。
図18には、被検査ウエハ正常部21a、21cの抵抗-電圧特性入力画面85の一例を示す。この画面は、操作画面および入出力部53に表示することができる。電子線照射によって標準ウエハが帯電し得る電圧範囲に対して、電圧と抵抗値を入力する。例えば、0〜100Vの範囲の抵抗―電圧特性を入力する。本実施例はウエハを正に帯電して検査する場合について示しており、ウエハを負に帯電して検査する場合には、負極性の電圧に対する電気特性を入力する。
入力する電気特性として、電流-電圧特性、抵抗-電圧特性、容量-電圧特性等も入力できる。図12(a)に示した抵抗-電圧特性の代表値を抵抗電圧特性入力画面85上から入力しても良いし、ファイル選択86により電気特性のデータファイルを指定してデータファイルを読み込むこともできる。
他の例として、プラグ下の拡散層19が(b)N−typeである場合、(c)プラグがゲート電極上に形成された場合において、プラグ表面に実際にプローブ等を接触させて抵抗−電圧特性を測定した結果を図12に示す。このような電気特性を持つプラグにおいても、図12に示した抵抗-電圧特性の代表値を抵抗電圧特性入力画面85上から入力しても良いし、ファイル選択86により電気特性のデータファイルを指定してデータファイルを読み込むこともできる。上述のように入力した被検査ウエハの電気特性に基づいて、等価回路算出部63で等価回路を生成する。
等価回路算出部63では、入力された被検査ウエハの電気特性と標準ウエハ欠陥部位のみの電気特性から得られた被検査ウエハ欠陥部位のみの電気特性から、被検査ウエハの欠陥プラグの等価回路を生成することができる。被検査ウエハの欠陥プラグの等価回路を生成する際には、被検査ウエハの正常部の等価回路上において、欠陥部位が発生していると予想される部分に、標準ウエハ欠陥部位のみの電気特性から推定した被検査ウエハ欠陥部位のみの電気特性を挿入することによって生成できる。図9に示したプラグパターンの場合では、正常なプラグの等価回路のプラグ部分に直列に被検査ウエハ欠陥部位のみの電気特性(等価回路)を挿入することによって生成できる。
他の一例として、標準ウエハと被検査ウエハのプラグ径が異なる場合、標準ウエハのプラグの面積をS0、被検査ウエハのプラグの面積をS1とすると、被検査ウエハの電気特性は、標準ウエハでの電流値をS1/S0倍したものを被検査ウエハ欠陥部の電気特性として等価回路算出部63に入力できる。
例えば、図16に示した標準ウエハの欠陥部位の膜厚を1、2、3、5、8、10nmと変えた抵抗−電圧特性を変換すると、被検査ウエハの欠陥部の電気特性として、欠陥部位の膜厚を1、2、3、5、8、10nmと変えた場合の電気特性を推定できる。このとき、標準ウエハのプラグの面積をS0、被検査ウエハのプラグの面積をS1は、図13に示した演算部の構成において、標準ウエハ情報入力部59と被検査ウエハ情報入力部61から入力されたウエハ情報である。
このように、標準ウエハと被検査ウエハのパターン構造が全く同一でない場合でも、パターンの設計データに基づいて欠陥部位の電気特性を補正することができる。補正できるパラメータとして、例えば、プラグ径、ホール径、プラグの抵抗値、プラグの容量、配線寸法、配線幅、配線の厚さ、配線抵抗値、配線の長さ、pn接合の耐圧、pn接合の逆バイアス特性、ゲート酸化膜等の薄い絶縁膜の膜厚、薄い絶縁膜の抵抗値、薄い絶縁膜のリーク電流、薄い誘電膜の膜厚、薄い誘電膜の抵抗値、薄い誘電膜のリーク電流、薄い誘電膜の容量等が挙げられる。
また、プラグ材料、配線材料、層間絶縁膜等の材料が標準ウエハと被検査ウエハで異なる場合にも、標準ウエハと被検査ウエハの正常部の信号強度を比較して、信号強度を補正することによって、計算によって二次電子信号強度を補正することもできる。上述のように推定した被検査ウエハ欠陥部位のみの電気特性に基づいて、等価回路算出部63で欠陥プラグの等価回路を生成する。
次に、実際に被検査ウエハに電子線を照射して二次電子画像を取得する際に検査条件入力画面71から入力された電子線照射条件等の検査条件を演算部56の検査情報入力部66に入力する(S129)。検査条件は変換部82で演算部56への入力値に変換される。例えば、電子線照射エネルギー72と標準ウエハの情報として入力されたプラグ材料の情報から、電子放出効率σに変換される。
本演算部56の二次電子信号算出部64で二次電子信号量を算出する際には、演算部56への入力値として、例えば、入力電荷Qは次の様に変換できる。検査の電流値I0、回路パターンへの照射時間s、戻り二次電子を考慮した二次電子放出効率σeffから求められる。回路パターンへの照射時間sは、電子線の走査速度、走査回数、プラグ径等の回路パターンのレイアウトによって決定できる。
また、戻り二次電子を考慮した二次電子放出効率σeffはパターン上面に形成される電界によって決定されるので、上面電極電圧74、プラグ径等の回路パターンのレイアウト、パターンの帯電電圧で決定される。
これらの入力した検査条件とウエハ情報、標準ウエハの電気特性に基づいて、二次電子信号量算出部64で標準ウエハの正常部および欠陥部からの二次電子信号量を計算する。算出した二次電子信号量は、二次電子信号量算出部64で電位コントラストに変換される(S130)。
そして、欠陥部位となっているプラグ21bの電気特性を変化させたときの電位コントラスト変化の対応関係を作成する。例えば、欠陥部位の膜厚dを1、2、3、5、8、10nmと変えた場合の電流−電圧特性に対応した電位コントラストを算出し、抵抗値と電位コントラストとの対応関係(第2の検量線)を示すコントラストテーブルを作成し、記憶部55に記憶しておく(S131)。
図19(第2の検量線の一例)には、欠陥部位となっているプラグの欠陥部位のみの抵抗値を1E4(Ω)から1E16(Ω)まで変化させたときの電位コントラスト変化87の一例を示す。この関係を用いることにより、検査装置26の欠陥部位検出部57から送られた実測の欠陥部電位コントラストIdから、欠陥部位のみの抵抗値Rdを算出できる。
他の一例として、欠陥部位の膜厚dと電位コントラストとを対応(第2の検量線)させたコントラストテーブルを作成することもできる。図20(第2の検量線の一例)には、欠陥部位の膜厚dを0nmから10nmまで変化させたときの電位コントラスト変化88の一例を示す。この関係を用いることにより、検査装置26の欠陥部位検出部57から送られた実測の欠陥部電位コントラストIdから、欠陥部位の膜厚d0を算出できる。
上記のように、電位コントラストと電気特性の対応関係(第2の検量線)を作成したら、検査装置26で取得した被検査ウエハ欠陥部の電位コントラストIdを演算部56の電位コントラスト入力部65に入力する(S132)。
まず、検査結果を記憶した記憶部55から、検出した欠陥部位の欠陥位置および実測された欠陥部の二次電子画像を画像処理部54に転送する。画像処理部54では、転送された二次電子画像から正常部からの信号、欠陥部からの信号、基準部からの信号を抽出し、電位コントラストに変換する。このように画像から評価した電位コントラストIdを電位コントラスト入力部65に入力する。そして、上述のように算出した被検査ウエハ欠陥部の電位コントラストと上記電気特性の対応関係(第2の検量線(図19))を用いて、電気特性推定部69で欠陥部位の電気特性を算出する(S133)。
ここで、検査装置26の欠陥部位検出部57で検出された被検査ウエハ欠陥部位の欠陥情報は、検査装置26で被検査ウエハの二次電子画像を取得している時にリアルタイムで演算部56に転送され、処理部で電気特性への換算を行なっても良いが、欠陥部位および正常部位の二次電子画像情報を一度、画像・検査データ記憶部55に保存しておき、オフラインで画像処理及び電気特性への変換を行なっても良い。
このようにして求められた欠陥部位の電気特性は、実測された欠陥部電位コントラスト、欠陥座標、帯電電圧等の情報と共に出力され(S134)、画像・検査データ記憶部55に記憶される。このようにして、すべての欠陥について、実測された欠陥部電位コントラストから電気特性の推測が可能となる。
推測された欠陥部位の抵抗値は他の欠陥情報と共に画像・検査データ記憶部55に記憶される。この結果、ウエハに作りこまれたウェルや拡散層、および周囲のパターン等のレイアウトの影響を考慮して、欠陥部位の電位コントラストから欠陥部位の抵抗値を始めとする欠陥の特性を正確に算出可能となる。
以上述べたような検査工程を経て算出された欠陥部位の抵抗値は、例えば検査装置26の操作画面および入出力部53にウエハ面内分布として表示できる。求めた抵抗値のウエハ面内分布を表示した検査結果表示画面89の一例を図21に示す。欠陥部位のウエハ面内分布90は、抵抗値91の程度によって分類して表示される。あるいは、設定したある範囲の抵抗値を持つ欠陥のみのウエハ面内分布を表示することができ、所望の特性を持つ欠陥部位のみの情報を得ることが可能となる。図21では、欠陥部位の電気特性として、抵抗値91の場合について示したが、欠陥部位の残膜厚の分布として表示することもできる。 算出された欠陥部位の抵抗値を表示する他の一例として、例えば検査装置26の操作画面および入出力部53に電気特性のばらつきの分布として表示できる。プラグ抵抗値の分布をヒストグラム表示した検査結果表示画面89の一例を図22に示す。プラグの抵抗値はヒストグラム表示され、例えば、正常プラグの分布92、欠陥プラグの分布93、欠陥プラグの分布94として表示される。正常プラグと欠陥プラグは設定したしきい値1によって分離され、欠陥プラグの分布93と欠陥プラグの分布94はしきい値2によって分離できる。しきい値によって分離される欠陥分布は必要に応じて、2つ以上の分布以上に分離することができ、しきい値と分布の個数は画面表示および入出力部53より入力することができる。さらに、正常部の分散、欠陥部の分散等、電気特性のばらつき情報95を表示することができる。
以上より、本実施例によれば、工程途中の半導体ウエハを検査する技術として、ウエハに作りこまれたウェルや拡散層および周囲のパターン等の電気特性の影響を考慮して、欠陥部の正確な抵抗値等の欠陥特性を算出することができる。この結果、様々な種類の製品ウエハに対して、一度オフラインで電気特性と欠陥部位の電位コントラストの対応関係を把握することなく、計算によって電位コントラストと電気特性との対応関係を明確にし、欠陥部の電気特性を検査することができるようになった。
本実施例で述べた導通不良欠陥として、例えば、コンタクトホールを加工する際のドライエッチング起因の非開口不良、導通不良、ホール加工前の絶縁膜生成プロセス起因の非開口不良、導通不良、プラグ底部分に形成したシリサイド化合物形成不良による導通不良、コンタクト部の洗浄プロセス起因の導通不良、その他各種半導体製造プロセスにおける異物起因の導通不良、または各プロセス間のロット待機時間に生じた自然酸化等の材料変質によって生じた導通不良等に適用できる。
本実施例では導通不良について述べたが、同様の手段および方法を用いれは、リーク電流およびショート欠陥の電気特性を検査し、表示することもできる。リーク電流の校正用ウエハとしては、例えば、図4に示した導通不良の校正用ウエハを用いることができる。
非導通となっているプラグ7bの場合、プラグ7bと半導体基板1の間には絶縁膜8が存在する。従って、絶縁膜8の抵抗値によってプラグ7bへ供給される電流が変化し、それに伴ってプラグ7bの帯電が変化して、電位コントラストが変化する。図4に示した校正用ウエハを使用した場合の電流-電圧特性は図7に示した。図4において、例えば、欠陥部位の膜厚dを数種類変えたウエハを作成することにより、プラグからSi基板へのリーク電流を変えた欠陥を作り込んだ標準ウエハを用意することができる。
リーク電流の校正用ウエハの他の一例としては、例えば、図25に示した構造の校正用ウエハを用いることができる。基準信号となる導通プラグ96と非導通プラグ97を作成し、非導通プラグの下には電極98と薄膜絶縁膜99を形成してある。薄膜絶縁膜厚dを変化させることにより非導通プラグ97とSi基板間のリーク電流を調整できる。本ウエハはトランジスタ形成プロセスとして、ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、ゲート電極上にプラグを形成するプロセスがあるが、このトランジスタ作成プロセスを基に校正用ウエハを作成できる。
図19には、導通不良の欠陥部位となっているプラグの抵抗値を1E4(Ω)から1E16(Ω)まで変化させたときの電位コントラスト変化87の一例を示したが、リーク電流の場合にも同様にしてリーク不良の欠陥部位となっているプラグのリーク電流と電位コントラスト変化の相関を求めることができる。この関係を用いることにより、検査装置26の欠陥部位検出部57から送られた実測の欠陥部電位コントラストIdから、欠陥部位のリーク電流を算出できる。(S133)。
以上述べたような検査工程を経て算出された欠陥部位のリーク電流は、例えば検査装置26の操作画面および入出力部53にウエハ面内分布として表示できる。図21には抵抗値のウエハ面内分布を表示した検査結果表示画面89の一例を示したが、リーク電流の場合も同様に、リーク電流値のウエハ面内分布として表示できる。欠陥部位のウエハ面内分布は、リーク電流の程度によって分類して表示される。あるいは、設定したある範囲のリーク電流値を持つ欠陥のみのウエハ面内分布を表示することができ、所望の特性を持つ欠陥部位のみの情報を得ることが可能となる。あるいは、リーク電流のばらつきを検査することができる。
図24は、リーク電流の不良箇所の一例を説明するための断面図である。図24は半導体基板1上に標準的欠陥部を形成したプラグパターン7を示す断面図である。図24に示すように、半導体基板1上には素子分離領域17が形成されており、素子分離領域17によって区分けされた活性領域には半導体領域であるウェル18が形成されている。ウェル18内には、半導体領域である拡散層19が形成されており、ウェル18上には絶縁膜20が形成されている。絶縁膜20には、絶縁膜20を貫通するプラグ100a〜100cが形成されている。プラグ100a〜100cの下には拡散層19a〜19cが形成されている。また、活性領域上にゲート絶縁膜102またはトンネル絶縁膜が形成され、ゲート絶縁膜102上には、ゲート電極101a、101cが形成されている。
例えば、プラグ100a〜100cの下の拡散層19a〜cは拡散層形成プロセス、あるいはホール加工プロセス、プラグ下のシリサイド化プロセス、マスクあわせずれ、接合部への微量不純物混入、応力による接合部への結晶欠陥生成によって接合に逆バイアスを印加した場合の耐圧が低下し、接合部がリークした場合に適用できる。
他の一例として、マスク合わせずれ、または、ホール加工プロセス異常により、ゲート電極101aとプラグ100aがリーク、あるいはショートした場合に適用できる。他の一例として、ゲート酸化膜が基板の洗浄不良、不純物混入、応力によるSi基板の結晶欠陥生成、ゲート酸化膜不均一、シリサイド化プロセス異常、ドライエッチ加工不良によって、リーク、あるいはショートした場合にも適用できる。他の一例として、配線等が多層構造となっている場合に、マスク合わせずれ等によって、接続されてはならない配線へリーク、あるいはショートした場合にも適用できる。
また、本検査により、欠陥部位を発生したパターンの電気特性の値から、デバイス特性として、致命的な欠陥のみを抽出することができるようになる。この結果、製造プロセスへのフィードバックを効率的に行なうことが可能となる。例えば、ドライエッチングプロセスデータと照合され、ドライエッチングプロセスにフィードバックされる。例えば、ドライエッチング起因の非導通がプラグに生じている場合、エッチング時間の調整、エッチングガス流量の調整、エッチャーのクリーニング等にフィードバックされる。
また、上述した効果によって、ウエハ上に発生した欠陥の有無、抵抗値の分布および不良発生原因を効率的にかつ高精度に把握できるので、製造工程にいち早く異常対策処理を講ずることができる。その結果、半導体装置の不良率を低減し生産性を高めることができる。
さらに、上記検査を適用することにより、異常発生をいち早く検知して、従来よりも早期に対策を講ずることが可能となったので、多量の不良発生を未然に防止し、半導体装置等の信頼性を高めることができる。また、欠陥を発生し易いパターンの特徴を把握できるので、デバイス設計時にレイアウトパターンを変更することによって不良を発生しにくいデバイス設計やプロセス設計が可能となる。この結果、新製品等の開発効率が向上し、かつ、製造コストを削減できる。
前記実施の形態では、一例として、プラグの導通不良の抵抗値を算出する手法について述べたが、他の例として、配線パターンの導通不良の抵抗値、コンタクトホール等の開口ホールの非開口の抵抗値を算出することもできる。また、接合リークのリーク電流、ゲート電極のリーク電流、フラッシュメモリやDRAM等のメモリのリーク電流、トランジスタのソース-ドレイン間リーク電流、素子間のリーク電流等、欠陥の電気特性を前記実施の形態と同様に算出することができる。
前記実施の形態では電位コントラストを検出する際、電子を使用する例を示しているが、これに限らず、電子以外の荷電粒子を使用することもできる。
Vc:帯電電圧、Rd:欠陥の抵抗値、σ:電子線放出効率、σeff:実効的の放出効率、N1:引き戻される電子数、N2:放出電子数、d:欠陥部の絶縁膜厚、Q:プラグに注入される電荷量、Rp:プラグの抵抗、Rj:接合の抵抗、Rw:ウェルの抵抗、Rsub:基板抵抗、Cp:プラグの容量、Cj:接合の容量、Cw:ウェルの容量、Csub:基板容量、S0:標準ウエハのプラグの面積、S1:被検査ウエハのプラグの面積、Id:実測の欠陥部電位コントラスト、d0:欠陥部位の膜厚、
1:半導体基板、2:プラグ、3:一次電子、4:二次電子、5:等電位面、6:引き戻された二次電子、7a〜7c:プラグ、8:欠陥部位の絶縁膜、9:絶縁膜、10:暗部、11a、11c:明部、11b:暗部、12:正常なプラグのI−V特性、13:欠陥プラグのI−V特性、14:正常なプラグの抵抗値、150:欠陥プラグの抵抗値、16:帯電電圧、17:素子分離領域、18:ウェル、19:拡散層、20:絶縁膜、21a〜21c:プラグ、22:P−typeでのR−V特性、23:N−typeでのR−V特性、24:ゲート電極上に形成された場合のR−V特性、26:検査装置、27:電子光学系、28:ステージ機構系、29:ウエハ搬送系、30:真空排気系、31:光学顕微鏡、32:制御系、33:操作部、34:電子銃、35:コンデンサレンズ、36:対物レンズ、37:検出器、38:電極、39:偏向器、40:ウエハ高さ検出器、41:XYステージ、42:ウエハ、43:ホルダ、44:電源、45:載置部、46:ウエハローダ、47:信号検出系制御部、48:ブランキング制御部、49:ビーム偏向補正制御部、50:電子光学系制御部、51:ウエハ高さセンサ検出系、52:ステージ制御部、53:操作画面および入出力部、54:画像処理部、55:データ記憶部、56:演算部、57:欠陥部位検出部、58:外部サーバ、59:標準ウエハ情報入力部、60:標準ウエハ電気特性入力部、61:被検査ウエハ情報入力部、62:被検査ウエハ正常部電気特性入力部、63:等価回路算出部、64:二次電子信号量算出部、65:電位コントラスト入力部、66:検査情報入力部、67:等価回路入力値補正部、68:対応関係算出部、69:電気特性推定部、70:電気特性出力部、71:検査条件入力画面、72:照射エネルギー、73:ビーム電流、74:上面電極電圧、75:電子線走査速度、76:検出クロック、77:画像サイズ、78:加算回数、80:処理、81:入力データ、82:変換部、83:R−V特性入力画面、84:ファイル選択、85:R−V特性入力画面、86:ファイル選択、87:電位コントラスト変化、88:電位コントラスト変化、89:検査結果表示画面、90:ウエハ面内分布、91:抵抗値、92:正常プラグの分布、93:欠陥プラグの分布、94:欠陥プラグの分布、95:電気特性のばらつき情報、96:導通プラグ、97:非導通プラグ、98:電極、99:薄膜絶縁膜、100a〜100c:プラグ、101a:ゲート電極、101c:ゲート電極、102:ゲート絶縁膜。
1:半導体基板、2:プラグ、3:一次電子、4:二次電子、5:等電位面、6:引き戻された二次電子、7a〜7c:プラグ、8:欠陥部位の絶縁膜、9:絶縁膜、10:暗部、11a、11c:明部、11b:暗部、12:正常なプラグのI−V特性、13:欠陥プラグのI−V特性、14:正常なプラグの抵抗値、150:欠陥プラグの抵抗値、16:帯電電圧、17:素子分離領域、18:ウェル、19:拡散層、20:絶縁膜、21a〜21c:プラグ、22:P−typeでのR−V特性、23:N−typeでのR−V特性、24:ゲート電極上に形成された場合のR−V特性、26:検査装置、27:電子光学系、28:ステージ機構系、29:ウエハ搬送系、30:真空排気系、31:光学顕微鏡、32:制御系、33:操作部、34:電子銃、35:コンデンサレンズ、36:対物レンズ、37:検出器、38:電極、39:偏向器、40:ウエハ高さ検出器、41:XYステージ、42:ウエハ、43:ホルダ、44:電源、45:載置部、46:ウエハローダ、47:信号検出系制御部、48:ブランキング制御部、49:ビーム偏向補正制御部、50:電子光学系制御部、51:ウエハ高さセンサ検出系、52:ステージ制御部、53:操作画面および入出力部、54:画像処理部、55:データ記憶部、56:演算部、57:欠陥部位検出部、58:外部サーバ、59:標準ウエハ情報入力部、60:標準ウエハ電気特性入力部、61:被検査ウエハ情報入力部、62:被検査ウエハ正常部電気特性入力部、63:等価回路算出部、64:二次電子信号量算出部、65:電位コントラスト入力部、66:検査情報入力部、67:等価回路入力値補正部、68:対応関係算出部、69:電気特性推定部、70:電気特性出力部、71:検査条件入力画面、72:照射エネルギー、73:ビーム電流、74:上面電極電圧、75:電子線走査速度、76:検出クロック、77:画像サイズ、78:加算回数、80:処理、81:入力データ、82:変換部、83:R−V特性入力画面、84:ファイル選択、85:R−V特性入力画面、86:ファイル選択、87:電位コントラスト変化、88:電位コントラスト変化、89:検査結果表示画面、90:ウエハ面内分布、91:抵抗値、92:正常プラグの分布、93:欠陥プラグの分布、94:欠陥プラグの分布、95:電気特性のばらつき情報、96:導通プラグ、97:非導通プラグ、98:電極、99:薄膜絶縁膜、100a〜100c:プラグ、101a:ゲート電極、101c:ゲート電極、102:ゲート絶縁膜。
Claims (11)
- 所定のパターンが形成された被検査試料の所定領域に荷電粒子を照射する荷電粒子照射部と、前記被検査試料表面からの荷電粒子を検出する検出部と、検出した荷電粒子の信号から前記所定領域のパターンの電位コントラストを取得する画像処理部と、前記パターンの第1欠陥部位を検出する検出部と、前記第1欠陥部位における前記電位コントラストから前記第1欠陥部位の電気特性を推定する演算部と、推定された前記電気特性を表示する表示部とを備え、
前記演算部は、
前記被検査試料の正常部において、予め所定の範囲で電圧を変化させて測定したときの電気特性を入力する正常部電気特性入力部と、
構成が既知の第2欠陥部を有する参照試料の前記第2欠陥部において、前記所定の範囲で電圧を変化させて測定したときの電気特性を入力する電気特性入力部と、
前記第2欠陥部での電位コントラストと前記電気特性入力部に入力された電気特性と、前記正常部電気特性入力部に入力された電気特性とを用いて、前記被検査試料の正常部に前記第2欠陥部を付加したときの電位コントラストと電気特性とを対応付ける対応関係を作成する二次電子信号算出部と、
前記画像処理部で取得された前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記電位コントラストを入力する電位コントラスト入力部と、
前記対応関係を用いて、前記電位コントラスト入力部に入力された前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記電位コントラストから、前記被検査試料の前記第1欠陥部位の電気特性を求める算出部と、を有することを特徴とする半導体検査装置。 - 所定のパターンが形成された被検査試料の所定領域に荷電粒子を照射する荷電粒子照射部と、前記被検査試料表面からの荷電粒子を検出する検出部と、検出した荷電粒子の信号から前記所定領域のパターンの電位コントラストを取得する画像処理部と、前記パターンの第1欠陥部位を検出する検出部と、前記第1欠陥部位における前記電位コントラストから前記第1欠陥部位の絶縁膜の膜厚または寸法を推定する演算部と、推定された前記絶縁膜の膜厚または寸法を表示する表示部とを備え、
前記演算部は、
前記被検査試料の正常部において、予め所定の範囲で電圧を変化させて測定したときの電気特性を入力する正常部電気特性入力部と、
絶縁膜の膜厚又は寸法が既知の第2欠陥部を有する参照試料の前記第2欠陥部において、前記所定の範囲で電圧を変化させて測定したときの電気特性を入力する電気特性入力部と、
前記第2欠陥部での電位コントラストと前記電気特性入力部に入力された電気特性と、前記正常部電気特性入力部に入力された電気特性とを用いて、前記被検査試料の正常部に第2欠陥部を付加したときの電位コントラストと膜厚又は寸法とを対応付ける対応関係を作成する二次電子信号算出部と、
前記画像処理部で取得された前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記電位コントラストを入力する電位コントラスト入力部と、
前記対応関係を用いて、前記電位コントラスト入力部に入力された前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記電位コントラストから前記被検査試料の前記第1欠陥部位の絶縁膜の膜厚又は寸法を求める算出部と、を有することを特徴とする半導体検査装置。 - 請求項1又は2に記載の半導体検査装置において、
前記二次電子信号算出部は、前記対応関係を作成するときに、前記参照試料の欠陥部の構造と前記被検査試料における欠陥部位の構造が異なる場合には、前記被検査試料における欠陥部位の構造に合うように前記参照試料の第2欠陥部の電気特性を補正し、前記被検査試料における第1欠陥部位として前記補正された前記参照試料の第2欠陥部の電気特性を用いることを特徴とする半導体検査装置。 - 請求項1又は2に記載の半導体検査装置において、
前記電圧の所定の範囲は、−50V〜100Vであることを特徴とする半導体検査装置。 - 請求項1又は2に記載の半導体検査装置において、
前記第2欠陥部での電位コントラストと前記電気特性入力部に入力された電気特性とを対応づける対応関係を記憶しておく記憶部を更に備えていることを特徴とする半導体検査装置。 - 請求項1又は2に記載の半導体検査装置において、
前記表示部は、推定された前記第1欠陥部位の電気特性や膜厚或いは寸法のばらつきを表示することを特徴とする半導体検査装置。 - 請求項1又は2に記載の半導体検査装置において、
前記表示部は、推定された前記第1欠陥部位の電気特性によって前記第1欠陥部位を分類して表示することを特徴とする半導体検査装置。 - 所定のパターンが形成された被検査試料の所定領域に荷電粒子を照射する工程と、前記被検査試料表面からの荷電粒子を検出する工程と、検出した荷電粒子の信号から前記所定領域のパターンの第1電位コントラストを取得する工程と、前記パターンの第1欠陥部位を検出する工程と、前記第1欠陥部位における前記第1電位コントラストから前記第1欠陥部位の電気特性を推定する工程と、推定された前記電気特性を表示する工程とを備え、
前記第1欠陥部位における前記第1電位コントラストから前記第1欠陥部位の電気特性を推定する工程は、
前記被検査試料の正常部において、所定の範囲で電圧を変化させて第1の電気特性を測定する工程と、
構成が既知の第2欠陥部を有する参照試料の前記第2欠陥部において、前記所定の範囲で電圧を変化させて第2の電気特性を測定する工程と、
前記第2の電気特性と前記第1の電気特性とを用いて、前記被検査試料の正常部に前記第2欠陥部を付加したときの第2電位コントラストと電気特性とを対応付ける対応関係を作成する工程と、
前記対応関係を用いて、前記被検査試料の前記第1欠陥部位の前記第1電位コントラストから、前記被検査試料の前記第1欠陥部位の電気特性を求める工程と、を有することを特徴とする半導体検査方法。 - 請求項8記載の半導体検査方法において、
前記電圧の所定の範囲は、−50V〜100Vであることを特徴とする半導体検査方法。 - 請求項8又は9に記載の半導体検査方法において、
前記第2電位コントラストは、前記被検査試料の正常部の等価回路に前記参照試料の第2欠陥部の等価回路を直列に挿入して形成される電気特性に基づいて算出されることを特徴とする半導体検査方法。 - 請求項8又は9に記載の半導体検査方法において、
前記第2電位コントラストは、前記参照試料の第2欠陥部の構造と前記被検査試料における第1欠陥部位の構造が異なる場合には、前記被検査試料における第1欠陥部位の構造に合うように補正された前記参照試料の第2欠陥部の第2電気特性を、前記被検査試料の正常部の等価回路に直列に挿入して形成される等価回路に基づいて算出されることを特徴とする半導体検査方法。
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