JP2010523130A - Rna干渉タグ - Google Patents

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Abstract

本発明は、RNA干渉により真核細胞内の標的遺伝子の発現を阻害する組成物、遺伝子作成物及び前記作成物により真核細胞に導入されている標的遺伝子を含む組成物、並びに第1標的遺伝子及び第1siRNAタグを有する作成物に関する。本発明は、また、RNA干渉により真核細胞内の1つ以上の標的遺伝子の発現を阻害する組成物に関する。組成物は、少なくとも2つの遺伝子作成物を含み、標的遺伝子は、前記作成物により真核細胞に導入され、a)第1作成物は、第1標的遺伝子及び第1siRNAタグを含有し、b)第2作成物は、第2標的遺伝子及び第2siRNAタグを含有し、第1と第2のsiRNAタグが異なる核酸配列を有する。最後に、本発明は、真核細胞内の標的遺伝子の発現を阻害する方法に関する。前記方法は、以下の工程:a)RNA干渉が可能な少なくとも1つの真核細胞を準備する工程、b)細胞に本発明の組成物を形質移入する工程及びc)siRNAタグと一緒に転写単位を形成する標的遺伝子の発現を阻害するために、形質移入された作成物のsiRNAタグに相補的な少なくとも1つのsiRNAを導入する工程を含む。

Description

本発明は、RNA干渉により真核細胞内の1つ以上の標的遺伝子の発現を阻害する組成物及び適切な組成物の使用、並びにRNA干渉により真核細胞内の1つ以上の標的遺伝子の発現を阻害する方法に関する。
「RNA干渉」(RNAi)として文献において知られている現象は、短RNA分子(siRNA、小型干渉RNA)が細胞内でメッセンジャーRNA(mRNA)と相互作用することができることに基づいている(非特許文献1)。酵素により制御されている複雑な機構は、mRNAの破壊(分解)をもたらし、したがってmRNAの発現を阻害し、したがってタンパク質の発現も阻害する(遺伝子サンレンシングと呼ばれ、すなわち遺伝子をスイッチオフすること又は遺伝子不活性化である)。
siRNAの他に、更なる小型RNA種が発見されており、例えばマイクロRNA(miRNA)又は短ヘアピン型RNA(shRNA)であり、これらも関連する機構によってタンパク質の発現を阻害することができる。
特許文献1は、細胞において自然に生じる遺伝子の発現を阻害するためにsiRNAを細胞に導入することを開示する。特許文献1は、更に、外来性標的遺伝子を細胞に導入することを開示する。導入した標的遺伝子の発現は、導入した標的遺伝子の配列から常に誘導される、発現中のsiRNAの追加的な導入によって阻害することができる。
全ての配列がRNA阻害機構に同等に適してはいないことが明らかになっている。効率的なsiRNAの組成物についての幾つかの基準が確認されている。レイノルズ(Reynolds)らは、非特許文献2において選択された基準を発表した。2004年2月1日には、「非特許文献3」で電子出版している。
従来の実施は、それぞれの阻害される遺伝子に特異的なsiRNAを配列から個別に誘導することである。そのような手順は、誘導されたsiRNAが多くの場合に試験されたときにのみ十分に遺伝子発現を阻害できないことを実証するので、時間がかかり、効率が悪い。加えて、それぞれの個別のsiRNA配列は、それ自体が非特異的遺伝子調節プロフィール、いわゆるオフターゲット効果を有する危険性を伴う。
WO02/44321
ファイアー(Fire)A.、スー(Xu)S.、モンゴメリー(Montgomery)M.K.、コスタス(Kostas)S.A.、ドライバー(Driver)S.E.、メロー(Mello)C.C.、ネイチャー(Nature)1998年2月19日:391(6669):744〜745 ネイチャー・バイオテクノロジー(Nat. Biotechnol.)2004年3月号、22(3):326〜330 RNA干渉のための合理的siRNA設計("Rational siRNA design for RNA interference")
従来技術は、それぞれのsiRNAが阻害される遺伝子から個別に精巧な方法で直接的に誘導される組成物及び方法だけを開示しているので、本発明の目的は、RNA干渉(「RNAi」)により、細胞に導入された標的遺伝子の発現を簡素で効率が良く汎用的に阻害することを可能にすることである。
したがって、本発明は、本発明の組成物が作成物(construct)を含み、標的遺伝子がこの作成物によって真核細胞に導入され、作成物が少なくとも1つの第1標的遺伝子及び少なくとも1つの関連するいわゆる「siRNAタグ」を含むことであるということが分かる。siRNAタグは、標的遺伝子と転写単位を形成する及び相補的siRNAにより特異的に認識される遺伝子エレメントとして本明細書において定義される。したがって、siRNAタグを含有する遺伝子作成物は、RNA干渉又は別の遺伝子阻害プロセスに付される。特定の細胞に特に強力なRNA干渉をもたらし、理想的には最小限のオフターゲット効果を引き起こす可能性があることが知られているsiRNAタグを使用することが、本発明において好ましい。
本発明は、特に、特異的に設計されたsiRNA及びそれらの関連する標的配列による、複数の導入された標的遺伝子の同時ではあるが互いに独立した調節も可能にする。
この目的は、独立クレーム1及び2に記載されている組成物、独立クレーム37に記載されている使用及び独立クレーム38に記載されている方法を介して、本発明により達成される。本発明の更なる有利な態様、詳細及び実施態様が、従属クレーム、記載及び図面から明らかである。
したがって、本発明の組成物は、RNA干渉により真核細胞内の1つ以上の標的遺伝子の発現(例えば、異所性発現)を阻害することに適しており、また、対応する組成物の使用及びRNA干渉により真核細胞内の1つ以上の標的遺伝子の発現を阻害する方法に関する。
定義
siRNAは、本発明の文脈において、RNA干渉が可能な、すなわち転写物の発現に阻害をもたらすことができる、全てのRNA種を意味する。阻害は、通常、siRNAによるsiRNAタグの配列特異的認識により生じる。siRNAは、好ましくは関連するsiRNAタグと100%の相同性を有する。しかし、相同性の程度が低くても特定のsiRNA阻害効果において十分でありうる例も知られている。この現象は、いわゆるマイクロRNA(miRNA)の作用様式においても記載されている、翻訳阻害に基づいていることもできる。
siRNAタグは、siRNAと相補的な配列である。これらは、標的遺伝子と転写単位を形成し、転写物の5′非コード又は3′非コード領域に位置している、及び/又はこれらは転写物のコード領域と重複している。siRNAタグが独立配列であるという事実は、これらが汎用的に使用可能であるという利点を有することを意味する。siRNAタグは、人工又は天然プロモーター/エンハンサー/サイレンサーの構成成分であることもできる。このように仲介される遺伝子サイレンシングは、「転写阻害」の項目の関連する技術において当業者に知られている。
標的遺伝子は、機能性RNA(例えば、tRNA、rRNAなど)又はタンパク質をコードする核酸配列を意味し、その発現又は翻訳は、転写物の破壊を介してsiRNAにより阻害される。
組成物は、本発明の文脈において、1つ以上の異なる組み換え核酸を含む水溶液を意味する。溶液は、好ましくは、核酸の形質移入を可能にする更なる構成成分を含む。対応する組成物は、従来技術から当業者には十分に周知のものである。
多くの生物学的な問題は、絶対値を記述することによって意味のある解決を得ることができない。例えば、遺伝子の発現の生物学的効果を直接比較することがより有益であると、多くの場合に考慮される。この目的に特に適しているものは、少なくとも2つの遺伝子作成物を含み、標的遺伝子がこれらの作成物により真核細胞に導入され、(a)第1作成物が第1標的遺伝子及び第1siRNAタグを含み、(b)第2作成物が第2標的遺伝子及び第2siRNAタグを含み、第1及び第2siRNAタグが互いに異なることを特徴とする、RNA干渉により真核細胞内の1つの標的遺伝子又は複数の標的遺伝子の発現を阻害する本発明の組成物である。
比較される2つの遺伝子発現を修飾することは、2つの異なるシRNAタグの使用によって可能である。この目的のために、2つの異なる標的遺伝子を、使用される2つの作成物において用いる。
更に、同じ標的遺伝子を2つの作成物に使用することが、この方法において、遺伝子及びsiRNAの用量効果についての情報を得るために有益である。
更なる可能性は、本発明の組成物を用いて2つの作成物により細胞における同じ標的遺伝子の2つの対立遺伝子を研究することである。異なるsiRNAタグは、2つの対立遺伝子の発現を個別に修飾することを可能にし、したがって、異なる対立遺伝子、例えば優性ネガティブ形態及び野生型変種あるいは多様なスプライス変種の機能についての情報を得ることが可能になる。
本発明の組成物は、1又は2つの作成物に限定されない。第3の作成物、第4の作成物及び任意の数の更なる作成物を加えることが可能であり、標的遺伝の他に、常にsiRNAタグを含む。このことは、遺伝子の複雑な相互作用を調査すること及びsiRNAを導入することによって、修飾的に、個別の標的遺伝子又は標的遺伝子群の発現を阻害することを可能し、したがって、標的遺伝子あるいは細胞遺伝子に関する指針を得ることを可能にする。
標的遺伝子を、発現の簡単なモニタリングのためにマーカー遺伝子と融合することができる。融合タンパク質が発現し、個別の標的遺伝子を特異的に検出することを可能にするので、異なる標的遺伝子を異なるマーカー遺伝子と融合することは、特に有益である。既知のマーカー遺伝子の群において融合に適しているマーカー遺伝子は、(増強)緑色蛍光タンパク質及びその誘導体((E)GFP;YFP;CFP)、また、dsRed、Mycタグ、Eタグ、FLAGタグ、Glu−Gluタグ、GSTタグ、HAタグ、Hisタグ、HSVタグ、ルシフェラーゼ、MBP、タンパク質Cタグ、Sタグ、T7タグ、V5タグ、VSV−gタグ、アビジン/ストレプトアビジン/strepタグ、チオレドキシン、Hisパッチチオレドキシン、β−ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、セルロース結合ドメイン(CBD)、キチン結合ドメイン、ブドウ球菌タンパク質A、ブドウ球菌タンパク質G、neo、hyg、pac、zeo、gpt、ble、dhfr、hpt及びnpt IIである。標的遺伝子の検出を可能にする融合のための更なるマーカー遺伝子を同様に使用することができる。
蛍光発生タンパク質の群からのマーカー遺伝子は、その検出が複雑ではないので好ましい。この種類の検出の利点は、生細胞の測定が非侵襲的蛍光測定又は蛍光顕微鏡検査法により可能であるということである。波長の異なる蛍光を発生する異なる蛍光発生タンパク質をコードする2つの識別可能なマーカー遺伝子が、特に好ましい。
本発明の組成物は、異なる真核細胞の研究を可能にする。細胞は、例えば動物由来のものであることができる。更に、細胞を動物のインビボに残したままにすること、動物から取り出すこと、動物の単細胞生物に含めること、あるいは動物細胞の細胞培養から誘導することが可能である。動物の細胞は、例えば、哺乳動物から誘導することができる(哺乳類細胞と呼ばれる)。
一方、細胞は植物由来であることもできる。細胞を、植物のインビボに残したままにすること、植物から取り出すこと、植物の単細胞生物に含めること、あるいは植物細胞の細胞培養から誘導することができる。
細胞は更には真菌(fungal)細胞であることができる。これらの真菌(mycotic)由来の細胞には、RNA干渉が可能な全ての真菌が含まれる。例えば酵母菌は、従来技術においてモデル生物として知られている。例えば、サッカロミセス属の種はRNA干渉が可能ではないことが、文献によって知られている。対照的に、例えば、分裂酵母シゾサッカロミセス・ポンベはRNA干渉を受けやすいことが知られている。
本発明によってsiRNAタグとして選択される配列は、それら自体は阻害される転写物の構成成分ではなく、又は部分的にしか重複していない。驚くべきことに、siRNAタグはコード配列の構成成分である必要がなく、それどころか、siRNAタグは実は単に転写物の構成成分であること、つまり標的遺伝子と転写単位を形成することが効率的なRNA干渉にとって十分であることが見出された。
siRNAタグとして有利に使用される配列は、形質移入される細胞において自然に生じるものではない。これらは、当然のことながら、利用可能な配列データベースに提示されていない又は現在のところまだ提示されていない配列であることもできる。更なる可能性は、また、天然に対応するものを有さない配列を使用することであり、したがって、これらは人工(又は合成)配列と呼ばれる。
siRNAタグに向けられているsiRNAと、siRNAタグの配列を誘導することにより形質移入される標的細胞の遺伝子産物との相互作用、したがって、形質移入される標的細胞において生じない核酸配列セグメントからのsiRNAの遺伝子産物との相互作用を避けることが可能であり、好ましい。この目的のためには、特に、本発明のsiRNAタグは原核生物又は古細菌のゲノムから誘導されることが好ましい。これらの核酸配列は、特に好ましくは、古細菌のゲノムから誘導される、例えば、サーモガ属(例は、サーモガ・マリティマなど)、メタノサルシナ属(例は、メタノサルシナ・マゼイなど)、パイロコッカス属(例は、パイロコッカス・フリオサス、パイロコッカス・ホリコシイ、パイロコッカス・ヴェッセイなど)、ハロバクテリウム属(例は、ハロバクテリウム・クチルブルム、ハロバクテリウム・デニトリフィカンス、ハロバクテリウム・ハロビウムなど)、メタノロブス属(例は、メタノロブス・ボンバイエンシス、メタノロブス・オレゴネンシス、メタノロブス・シシリアなど)、スルフォロブス属(例は、スルフォロブス・アシドカルダリウス、スルフォロブス・ブリエルレイ、スルフォロブス・ハコネンシスなど)又はアシジロブス属(例えば、アシジロブス・アセチクス)から誘導される。更なる対応する古細菌属が当業者に知られている。
本発明のsiRNAタグは、とりわけ好ましくは、表1に提示され、図2において再度示されている配列を有するが、本発明のsiRNAタグの使用はこれらに限定されない。したがって、表1は本明細書において例として使用される3つのsiRNAタグの配列及びそれぞれの関連するsiRNAの配列の概要を示す。
Figure 2010523130
本発明の組成物のsiRNAタグは、その発現が阻害されるmRNAのコード領域の3′下流又は5′上流に位置することができる。3′下流に位置するsiRNAタグの場合及び5′上流に位置するsiRNAタグの場合では、siRNAタグがコード領域の配列と重複することが可能である。例えば、RNA干渉それ自体の選択的機構を更に調査するために、スプライシングされていないmRNAのイントロンに位置しているsiRNAタグの位置についての特定の問題は、注目に値する。
標的遺伝子によりコードされているタンパク質の精製及び検出も促進するために、標的遺伝子は、好ましくは、タンパク質精製のためのペプチドタグに融合される。例えば、Hisタグは、タンパク質をコードする標的遺伝子への融合に使用され、それはこのタグが小型であり、例えば6つのヒスチジンアミノ酸から構成されるからである。ニッケルNTAカラムによる精製は、複雑になることなく可能である。これらのニッケルNTAカラムは市販されている。タンパク質精製のためのタグを含む組成物は、標的遺伝子及びマーカー遺伝子の融合産物と適合性がある。Hisタグのほかに、タンパク質精製のために他の多くのタグを使用することが可能であり、例えば、HAタグ、ERKタグ、GFP及び関連する融合タグ、Mycタグ、FLAGタグ、GSTタグ、Strepタグ、β−Galタグ、MBPタグ、並びに他のタグも適している。
細胞は、1つの作成物又は複数の作成物により本発明に従って形質移入される。これに関連して、それぞれの作成物がそれ自体のベクターの構成成分であることが可能であるか、又は2つ以上の作成物が1つのベクターに存在することができる。それによって、2つ以上の作成物が化学量論的定率で細胞に導入されることを確実にする。プラスミドが作成物にとって特に適しているベクターである。トランスポゾン又はウイルスベクター又はベクターとして他の自律性核酸を用いることも可能である。最も簡単な場合では、ベクターは省かれ、作成物は、増幅核酸の一部、例えばPCR産物の一部である。
少なくとも1つの作成物を含む組成物を本発明に従って使用して、細胞内の導入された標的遺伝子の発現を阻害することを可能にする。細胞は、この目的のための組成物により形質移入される。同時、その前又はその後に、細胞には作成物の転写物のsiRNAタグと相互作用するsiRNAを形質移入し、RNA干渉によって標的遺伝子の発現に阻害をもたらす。
代替的な実施態様において、標的遺伝子が導入された真核細胞は、溶解産物の形態であることもできる。
少なくとも1つの真核細胞内の標的遺伝子の発現を阻害する方法は、本発明によれば、以下の工程:
(a)RNA干渉が可能な少なくとも1つの真核細胞を準備する工程、
(b)少なくとも1つの真核細胞に本発明の少なくとも1つの組成物を形質移入する工程、及び
(c)形質移入された作成物のsiRNAタグと相補性がある少なくとも1つのsiRNAを導入する工程
を含み、
これによって、標的遺伝子の発現が阻害される。
本発明に従って、標的遺伝子の転写物を細胞に導入するには、多様な可能性を利用することができる。一方では、細胞には、RNAの形態、例えばmRNAそれ自体の形態の本発明の作成物を直接形質移入することができる。他方では、細胞には、核酸増幅産物、例えばPCR産物又は核酸フラグメントを形質移入することもでき、この場合では、これらは、細胞内の標的遺伝子のmRNAの転写をもたらすプロモーターを有する。細胞は、好ましくは、ベクターで形質移入されるが、この場合、ベクターは、細胞内で活性である及び標的遺伝子の転写をもたらすプロモーターを含む。
細胞がプロモーターを含むPCR産物又はベクターで形質移入される場合、一つの実施態様では、プロモーターはエフェクターの制御下にある。エフェクター制御されたプロモーターは、発現の更なる制御を可能にする。
本発明により用いられるsiRNAタグの配列は、好ましくは、真核生物において知られていない配列を含む。したがって、本発明のsiRNAタグは、原核生物から誘導することができるか、又はデータベースの既知の配列と対応しない人工配列を表すことができる。siRNAタグが標的遺伝子の配列の構成成分ではないという事実は、これらを汎用的に用いることができることを意味する。顕著な利点は、siRNAタグを、mRNAをコードするそれぞれの配列又は例えばtRNA、rRNAなどのような機能性配列の前後において、DNAのレベルでクローン化できることである。したがって、それぞれのsiRNAタグは、例えばクローニングベクターの成分でありうるカセットを表す。
本発明の更なる利点は、どのsiRNAタグがどの細胞において特に強力にRNA干渉をもたらすかについての経験を蓄積することが、可能であることである。次に、まさにこれらのsiRNAタグを、異なる標的遺伝子に繰り返し用いることができる。
本発明のsiRNAタグの機能及び使用の例示的概略図を示す。 本発明のsiRNAタグの機能及び使用の例示的概略図を示す。 siRNAタグ配列を含み、プラスミドへのクローニングに適している例示的なDNAカセットを示す。 siRNAタグ配列を含み、プラスミドへのクローニングに適している例示的なDNAカセットを示す。 それぞれの場合において特異的なsiRNAを有する及び有さない、siRNAタグを用いるpEGFP作成物の例示的な免疫蛍光アッセイ画像を示す。 それぞれの場合において特異的なsiRNAを有する及び有さない、siRNAタグを用いるpEGFP作成物の例示的な免疫蛍光アッセイ画像を示す。 それぞれの場合において特異的なsiRNAを有する及び有さない、siRNAタグを用いるpEGFP作成物の例示的な免疫蛍光アッセイ画像を示す。 異なるsiRNAタグ及びそれぞれのsiRNAを用いる、本発明の作成物を含む(ここでは、蛍光タンパク質EGFP及びDsRedをコードする配列を有する)2つの発現プラスミドの同時形質移入による選択的遺伝子サイレンシングの例を示す。
図1Aは、siRNAが、標的遺伝子(「目的の遺伝子」)に融合している相補的siRNAタグを介して、完全作成物の発現の減少をもたらす、基本的スキームの原理を示す。図1Bは、例として、タンパク質をコードする遺伝子作成物の3′領域におけるsiRNAタグの詳細な位置を表す。この場合、siRNAタグは、3′非翻訳領域(3′UTR)の翻訳終止コドンシグナルとポリ−Aシグナルの間に導入された。この場合、siRNAタグは、更なる機能性遺伝子エレメント(タンパク質の精製又は検出のためのタンパク質タグ、終止コドン配列、ポリ−Aシグナル配列など)を含み、転写単位として作成物にクローンされている、より大型のDNA作成物の成分であることができる。
siRNAタグ配列の他に、組み換え産物のクローニング及び続く発現のための更なる特性も含む3つの異なるDNAカセットを、それぞれの場合、例として確認されている3つのsiRNAに特異的に設計した(図2を参照すること)。これらのDNAカセットは、意図されるベクターへの連結のための付着末端を有する。Hisタグをコードする配列が、後の融合タンパク質の検出のために、図2AのDNAカセットに表されている。対照的に、Hisタグの導入は、図2Bに表されているDNAカセットでは省かれている。三重終止シグナル及びポリアデニル化シグナルは、後の遺伝子作成物の正しい発現に必要なDNAカセットの特性を補う。
図3は、pEFGP作成物(EFGPをコードするプラスミド)のsiRNAタグ仲介遺伝子サイレンシングを示す。それぞれ相補的siRNAを有するか又は有さない、siRNAタグ配列247、1248又は2904(SEQ ID 1、2又は3、表1を参照すること)を含むpEGFP作成物で形質移入されているHeLa S3細胞を使用した。図3A及び図3Bは、一方は、記述された波長の光で励起させた同じ切片の蛍光及び透照写真であり、他方は、対照目的の対比画像である。示されたクローンは、Hisタグを有さない(図3A)か又はHisタグを有する(図3B)。図3Cは、形質移入された細胞の溶解産物のHisタグの検出を用いる、Hisタグによる作成物の発現の免疫学的検出を示す。相補的siRNAが同じ時に同時形質移入されると、融合タンパク質の遺伝子サイレンシングが生じる。pEGFPベクターで形質移入された細胞及び非形質移入細胞を対照として使用した。
最後に、図4は、異なるsiRNAタグ及びそれぞれのsiRNAを有する2つの発現プラスミドの同時形質移入による選択的遺伝子サイレンシングを示す。pDsRed 274、pEGFP 1248、並びに配列274及び1248のsiRNA(SEQ ID 1及び2、表1を参照すること)で形質移入されたHeLa細胞の蛍光及び透照写真である。画像は、それぞれの場合に示されている波長の光で励起された同一の切片を表す。
本発明は、タグ特異的siRNA分子を、siRNAが特異的に向けられている個別の転写物、例としてはmRNA又は例えばtRNA、rRNAなどのような別の機能性RNAを設計及び調製する必要なく、転写物の特異的遺伝子不活性化(遺伝子サイレンシング)に用いる手法を記載する。この手法の基礎となる原理を以下に記載することができる。
調査される機能性RNAをコードするDNAフラグメントを真核生物発現プラスミドにクローンして、例えばコード化タンパク質の組み換え発現を可能にするか又は機能性RNAの効果を発見することができる。調査される機能性RNAのリーディングフレームにおける特異的siRNAのためのsiRNAタグを含む二本鎖DNAの融合は、この修飾ベクターを特異的siRNAと一緒に同時形質移入することによって、機能性RNAの遺伝子不活性化を可能にする。二本鎖DNA分子は、siRNA(siRNAタグ)の認識部位の他に、例えば短タンパク質タグ(例は、Hisタグ、Strepタグ)のコード配列、終止コドン、ポリアデニル化シグナル又は二本鎖分子の直接クローニングのための制限酵素により生成されるオーバーハングのような更なる特異的な特性を含む。これは図1において図式的に表されている。
遺伝子作成物に組み込まれるsiRNAタグは、好ましくは原核生物から誘導され、特に好ましくは古細菌遺伝子配列から誘導され、真核生物遺伝子配列と最小限の相同性を有し、好ましくは全く相同性を有さない。このことは、siRNAタグに向けられているsiRNAが非特異的効果を引き起こすことを最小限にする。原核生物遺伝子配列は、本発明のsiRNAタグ、特に古細菌の配列、例えば、サーモガ属(例は、サーモガ・マリティマなど)、メタノサルシナ属(例は、メタノサルシナ・マゼイなど)、パイロコッカス属(例は、パイロコッカス・フリオサス、パイロコッカス・ホリコシイ、パイロコッカス・ヴェッセイなど)、ハロバクテリウム属(例は、ハロバクテリウム・クチルブルム、ハロバクテリウム・デニトリフィカンス、ハロバクテリウム・ハロビウムなど)、メタノロブス属(例は、メタノロブス・ボンバイエンシス、メタノロブス・オレゴネンシス、メタノロブス・シシリアなど)、スルフォロブス属(例は、スルフォロブス・アシドカルダリウス、スルフォロブス・ブリエルレイ、スルフォロブス・ハコネンシスなど)又はアシジロブス属(例は、アシジロブス・アセチクス)の配列に特に適していることが証明されている。更なる対応する古細菌属が当業者に知られている。
例えば改変スミス−ウォーターマン(Smith−Waterman)アルゴリズムのような、特定の原核生物の配列が以前から知られている真核生物の配列と相同性を有するかを調べる多様な生命情報科学的方法が存在し、本発明において用いられた。
本発明の文脈における実験では、3つのsiRNAを例として選択し、一方は、所望の結果に至る非常に高い可能性をもたらし、他方は、スミス−ウォーターマン(Smith−Waterman)アルゴリズムによると、既知の真核生物遺伝子と最小の一致を示した。これらのsiRNAの機能は、適切な相補的siRNA結合部位(siRNAタグ)を有する合成二本鎖(ds)DNA分子を、EGFPレポータープラスミド(pEGFP−C1)のEGFP発現カセットの3′末端と融合させることによって調査した。
siRNAタグ配列の他に、組み換え産物のクローニング及び続く発現のための更なる特性も含む3つの異なるDNAカセット(図2を参照すること)を、本発明の文脈における例として確認されている3つのsiRNA分子(表1を参照すること)それぞれについて設計した。これらのDNAカセットは、意図されるベクターへの連結のための付着末端を有する。Hisタグをコードする配列が、後のDNAカセットの融合タンパク質の検出のために、図2Aにおいて表されている。他方では、図2Bに表されているDNAカセットには、Hisタグは導入されなかった。三重終止コドン及びポリアデニル化シグナルは、後の遺伝子作成物の正しい発現に必要なDNAカセットの特性を補う。
次に、示されているDNAカセット(図2を参照すること)を、制限酵素EcoRI及びBamHIを使用して直線化されたpEGFP−C1発現プラスミドにクローンした。
組み換えクローンを、挿入断片の境界領域における挿入断片それ自体とベクターの両方を配列決定することによって特徴決定した。
siRNAタグによりRNAを発現する組み換えpEGFPプラスミドを分子特徴決定した後、これらの作成物を適切なsiRNAの機能性分析に使用することができる。
最初の実験において、全ての作成物を、修飾発現カセットの正しい転写及び翻訳の指標としてそれぞれのクローンのEGFP発現を分析するために、一過性形質移入実験に使用した。このことを調べるために、HeLa S3細胞には個別の組み換えプラスミドpEGFP−274(EGFP−siRNAタグ SEQ ID 1をコードする)、pEGFP−1248(EGFP−siRNAタグ SEQ ID 2をコードする)及びpEGFP−2904(EGFP−siRNAタグ SEQ ID 3をコードする)を形質移入し、EGFP発現を、形質移入の48時間後に蛍光顕微鏡検査法により測定した。DNA作成物を、それぞれのsiRNAタグに向けられている適切なsiRNAと一緒に同時形質移入することによって、その機能性の特徴決定を可能にした。同時形質移入の48時間後、DNA作成物及び特異的siRNAを形質移入した細胞は、プラスミド単独を形質移入した細胞と比較して有意に低減したEGFP発現を示した(図3Aを参照すること)。
C末端Hisタグ融合をコードする遺伝子作成物の場合では、EGFP−His融合タンパク質の正しい発現を、ウエスタンブロッティングにより調査した。HeLa S3細胞には、pEGFP−274−hs(EGFP−Hisタグ−siRNAタグ SEQ ID 1をコードする)、pEGFP−1248−hs(EGFP−Hisタグ−siRNAタグ SEQ ID 2をコードする)、pEGFP−2904−hs(EGFP−Hisタグ−siRNAタグ SEQ ID 3をコードする)又はpEGFP−C1(挿入断片を有さない初期プラスミド)のプラスミドを形質移入した。この場合も、DNA作成物を、それぞれのsiRNAタグに向けられている適切なsiRNAと一緒に同時形質移入することによって、その機能性の特徴決定を可能にした。同時形質移入の48時間後、DNA作成物及び特異的siRNAを形質移入した細胞は、プラスミド単独を形質移入した細胞と比較して有意に低減したEGFP発現を示した(図3Bを参照すること)。実験の更なる部分において、細胞を形質移入の48時間後に溶解し、タンパク質を抽出し、Hisタグを発現するかを見出すため、Hisタグに特異的なPenta−Hisモノクローナル抗体を使用してウエスタンブロッティングにより調査した。EGFP−His融合タンパク質(分子量約28kDa)は、組み換えEGFP作成物を形質移入した細胞でのみ検出可能であり、一方、融合タンパク質は、非形質移入細胞及びpEGFP−C1形質移入細胞では生じなかった。個別のpEGFP作成物とそれぞれのsiRNAタグへ向けられているsiRNAとの同時形質移入は、それぞれの場合において、効率的な遺伝子サイレンシング効果をもたらした(これに関して、図3Cに示されているウエスタンブロットを参照すること)。
タグ特異的siRNAを用いる本発明の系の最も重要な利点の一つは、1つ以上のベクター、例えばプラスミドに位置している2つ以上のsiRNAタグ発現作成物を、適切な機能的に確認されているsiRNAと一緒に使用することができる可能性である。この系は、複数の組み換え遺伝子を同時発現することを可能にし、これらの成分を適切なsiRNAの同時形質移入によってそれぞれ特異的にスイッチオフすることを可能にする。
2つのsiRNAタグ−レポーター作成物と、発現遺伝子に向けられたそれぞれのタグ特異的siRNAとを一緒にした同時形質移入を調査するために使用した重要な実験を、図4に例として表す。並行形質移入細胞において1つ又は同時に両方のプラスミド作成物の遺伝子サイレンシングを調査するために、HeLa細胞には、pDsRed 274(DsRed−siRNAタグ SEQ ID 1をコードする)及びpEGFP 1248(EGFP−siRNAタグ SEQ ID 2をコードする)のプラスミドを同時形質移入した。別の手法では、非特異的対照siRNA又はそれぞれの特異的siRNAタグのうちの1つ(siRNAタグ SEQ ID 1に特異的な配列274又はsiRNAタグ SEQ ID 2に特異的な配列1248)を、これら2のプラスミドに加えて、形質移入した。更なる手法において、両方の特異的siRNAが形質移入混合物においてプラスミドと一緒に存在した。これらの実験により、実験における発現差異制御の基礎を表す、それぞれのsiRNAタグに用いられたsiRNAの特異性を実証することが可能であった。同時形質移入は、48時間のインキュベーションの後、蛍光顕微鏡により分析した。
図4に示されているように、両方のプラスミド作成物のレポーター遺伝子は、非機能性対照siRNAの同時形質移入にもかかわらず、細胞において発現している(カラムA)。両方のプラスミドが形質移入されたHeLa細胞は、対照siRNAの同時の形質移入によっても、蛍光タンパク質の並行発現を示す。配列274(siRNAタグ SEQ ID 1に特異的、表1を参照すること)を用いるsiRNAによるDsRed発現の選択的阻害において、蛍光シグナルの大きな減少が明白であり、一方、EGFPタンパク質の発現は、損なわれていない(カラムB)。逆に、配列1248(siRNAタグSEQ ID 2に特異的、表1を参照すること)を用いるsiRNAによるEGFPタンパク質の選択的阻害は、この場合ではDsRedシグナルの減少を伴わずに示されている(カラムC)。最後に、両方のプラスミドとそれぞれの特異的siRNAの同時形質移入は、両方のレポーター遺伝子の発現を、蛍光シグナルが細胞により実質的に何も発光されないほど強力に阻害している(カラムD)。

Claims (53)

  1. RNA干渉により真核細胞内の標的遺伝子の発現を阻害する組成物であって、前記組成物が遺伝子作成物を含み、標的遺伝子がこの作成物によって真核細胞に導入され、作成物が第1遺伝子及び第1siRNAタグを含むことを特徴とする、組成物。
  2. RNA干渉により真核細胞内の1つ以上の標的遺伝子の発現を阻害する組成物であって、前記組成物が少なくとも2つの遺伝子作成物を含み、標的遺伝子がこれらの作成物により真核細胞に導入され、
    a)第1作成物が、第1標的遺伝子及び第1siRNAタグを含み、
    b)第2作成物が、第2標的遺伝子及び第2siRNAタグを含み、
    第1及び第2のsiRNAタグでは核酸配列が異なる
    ことを特徴とする、組成物。
  3. 第1標的遺伝子及び第2標的遺伝子では核酸配列が異なることを特徴とする、請求項2記載の組成物。
  4. 第1標的遺伝子が第1対立遺伝子を表し、第2標的遺伝子が同じ遺伝子の第2対立遺伝子を表すことを特徴とする、請求項2又は3記載の組成物。
  5. 第1標的遺伝子及び第2標的遺伝子では核酸配列が同一であることを特徴とする、請求項2記載の組成物。
  6. 組成物が第3作成物を含み、第3作成物が、第3標的遺伝子及び第3siRNAタグを含み、第3siRNAタグの配列が第1及び第2のsiRNAタグの配列と異なることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項記載の組成物。
  7. 組成物が、第4標的遺伝子及び第4siRNAタグを含む第4作成物を含み、第4siRNAタグの配列が第1、第2及び第3のsiRNAタグの配列と異なることを特徴とする、請求項6記載の組成物。
  8. 少なくとも1つの標的遺伝子が1つのマーカー遺伝子と融合しており、そのことが融合遺伝子により発現される融合タンパク質の発現の検出を可能にすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
  9. 少なくとも2つの標的遺伝子が1つのマーカー遺伝子と融合しており、そのことが融合遺伝子により発現される融合タンパク質の発現の検出を可能にすることを特徴とする、請求項2〜8のいずれか1項記載の組成物。
  10. マーカー遺伝子が、(増強)緑色蛍光タンパク質及びその誘導体((E)GFP;YFP;CFP)、また、dsRed、Mycタグ、Eタグ、FLAGタグ、Glu−Gluタグ、GSTタグ、HAタグ、Hisタグ、HSVタグ、ルシフェラーゼ、MBP、タンパク質Cタグ、Sタグ、T7タグ、V5タグ、VSV−gタグ、アビジン/ストレプトアビジン/strepタグ、チオレドキシン、Hisパッチチオレドキシン、β−ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、セルロース結合ドメイン(CBD)、キチン結合ドメイン、ブドウ球菌タンパク質A、ブドウ球菌タンパク質G、neo、hyg、pac、zeo、gpt、ble、dhfr、hpt及びnpt IIの既知のマーカー遺伝子の群から選択されることを特徴とする、請求項8又は9記載の組成物。
  11. 第1マーカー遺伝子及び第2マーカー遺伝子が蛍光発生タンパク質をコードすることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項記載の組成物。
  12. 真核細胞が動物由来であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
  13. 真核細胞が哺乳類細胞であることを特徴とする、請求項12記載の組成物。
  14. 真核細胞が植物由来であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
  15. 真核細胞が真菌由来であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
  16. 真核細胞が、RNA干渉が可能な酵母菌細胞であることを特徴とする、請求項15記載の組成物。
  17. 真核細胞が溶解産物の形態であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項記載の組成物。
  18. 少なくとも1つのsiRNAタグが、標的遺伝子の配列の構成成分ではない配列から誘導されることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項記載の組成物。
  19. siRNAタグが人工核酸配列から誘導されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項記載の組成物。
  20. siRNAタグが、標的細胞に生じない核酸配列から誘導されることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項記載の組成物。
  21. 少なくとも1つのsiRNAタグが、RNA干渉が可能ではない生物の核酸配列から誘導されることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項記載の組成物。
  22. 少なくとも1つのsiRNAタグが原核生物の核酸配列から誘導されることを特徴とする、請求項21記載の組成物。
  23. 少なくとも1つのsiRNAタグが古細菌の核酸配列から誘導されることを特徴とする、請求項22記載の組成物。
  24. siRNAタグが配列SEQ 1を含むことを特徴とする、請求項23記載の組成物。
  25. siRNAタグが配列SEQ 2を含むことを特徴とする、請求項23記載の組成物。
  26. siRNAタグが配列SEQ 3を含むことを特徴とする、請求項23記載の組成物。
  27. siRNAタグが、プロモーター、エンハンサー又はサイレンサーの構成成分であることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項記載の組成物。
  28. 少なくとも1つのsiRNAタグが、標的遺伝子の下流若しくは上流に位置するか又は標的遺伝子と重複していること及びsiRNAタグが標的遺伝子と結合(coherent)転写単位を形成することを特徴とする、請求項1〜27のいずれか1項記載の組成物。
  29. siRNAタグが、標的遺伝子のイントロンに位置しているか又はイントロンと重複していることを特徴とする、請求項1〜28のいずれか1項記載の組成物。
  30. 少なくとも1つの作成物が、タンパク質精製のための標的遺伝子に融合しているタグを含む、請求項1〜29のいずれか1項記載の組成物。
  31. タンパク質精製のためのタンパク質タグが、Hisタグ、HAタグ、ERKタグ、GFP及び関連する融合タグ、Mycタグ、FLAGタグ、GSTタグ、Strepタグ、β−Galタグ、並びにMBPタグの群から選択されることを特徴とする、請求項30記載の組成物。
  32. 少なくとも1つの作成物がベクターに位置していることを特徴とする、請求項1〜31のいずれか1項記載の組成物。
  33. 2つの作成物が2つの異なるベクターに位置していることを特徴とする、請求項2〜31のいずれか1項記載の組成物。
  34. 少なくとも2つの作成物が1つのベクターに位置していることを特徴とする、請求項2〜31のいずれか1項記載の組成物。
  35. 少なくとも1つのベクターがプラスミドであることを特徴とする、請求項32〜34のいずれか1項記載の組成物。
  36. 少なくとも1つのベクターがトランスポゾンであることを特徴とする、請求項32〜34のいずれか1項記載の組成物。
  37. 少なくとも1つのベクターがウイルスであることを特徴とする、請求項32〜34のいずれか1項記載の組成物。
  38. 少なくとも1つの作成物がPCR産物の構成成分であることを特徴とする、請求項1〜31のいずれか1項記載の組成物。
  39. 真核細胞における少なくとも1つの標的遺伝子の発現を阻害するための、請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物のうちの1つの使用。
  40. 少なくとも1つの真核細胞において標的遺伝子の発現を阻害する方法であって、以下の工程:
    a)RNA干渉が可能な少なくとも1つの真核細胞を準備する工程、
    b)少なくとも1つの真核細胞に請求項1〜38のいずれか1項記載の組成物を形質移入する工程、及び
    c)形質移入された作成物のsiRNAタグと相補性がある少なくとも1つのsiRNAを導入する工程
    を含む方法。
  41. 真核細胞が溶解産物の形態であることを特徴とする、請求項40記載の方法。
  42. siRNAが、このsiRNAをコードする核酸の形態で細胞に導入され、このsiRNAの合成がプロモーターの制御下にあることを特徴とする、請求項40又は41記載の方法。
  43. プロモーターがエフェクターの制御下にあることを特徴とする、請求項42記載の方法。
  44. siRNAの時間制御合成をもたらすためにエフェクターが一過的に適用されることを特徴とする、請求項43記載の方法。
  45. siRNAが、配列274、配列1248又は配列2904を有することを特徴とする、請求項40〜44のいずれか1項記載の方法。
  46. 標的遺伝子の阻害がsiRNAの配列導入により制御されることを特徴とする、請求項40〜45のいずれか1項記載の方法。
  47. 組成物の使用が、1つの細胞又は複数の細胞において異なる発現パターンを一過的に生じるために使用されることを特徴とする、請求項46記載の方法。
  48. 少なくとも1つの標的遺伝子の発現が少なくとも40%低減されることを特徴とする、請求項40〜47のいずれか1項記載の方法。
  49. 少なくとも1つの標的遺伝子の発現が少なくとも70%低減されることを特徴とする、請求項48記載の方法。
  50. 少なくとも1つの標的遺伝子の発現が少なくとも90%低減されることを特徴とする、請求項49記載の方法。
  51. 少なくとも1つの標的遺伝子の阻害の程度が融合マーカー遺伝子のシグナルの定量化によって決定されることを特徴とする、請求項40〜50のいずれか1項記載の方法。
  52. 細胞の形質移入が一過的に実施されることを特徴とする、請求項40〜51のいずれか1項記載の方法。
  53. 細胞が安定して形質移入されることを特徴とする、請求項40〜52のいずれか1項記載の方法。
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