本発明は、RPPXのドーパミン受容体親和性が、以前に仮定されたものより実際にははるかに低い証拠を提供し、これはその組成物の臨床上の有用性を大きく増す。PPXエナンチオマーとRPPXエナンチオマーの間の機能的親和性差(例えば、10,000−20,000倍)が以前に報告されたものよりはるかに大きいことも本明細書において論証する。これらのデータは、エナンチオマー間でドーパミン受容体親和性が離れていると仮定することにより課せられる理論上の制限を伴わずに、RPPXを、この化合物のより作用強度の低い神経保護能力をより完全におよび予想外に活用することができるレベルで、投薬できることを明示している。この投薬は、用量漸増を必要とせずに行うことができる。これらのデータは、少量のPPXでの純粋なRPPXの組成物の汚染が、その組成物のオフターゲット活性の劇的なシフトを生じさせる結果となることも示している。本出願は、RPPXのよりキラル的に純粋な放出調節組成物を、この薬物を利用できないと以前には考えられていた急性および慢性神経変性疾患において、即時完全強度でおよび/または用量漸増を伴わずに使用するための方法を提供する。
一部の実施形態において、本発明は、有意な副作用、特にドーパミン作動活性に関連した副作用を同時に生じさせることなく神経保護作用、抗酸化作用、抗アポトーシス作用または他の有益な細胞性作用を達成するために十分な用量のRPPXを含む放出調節薬学的組成物を提供する。用量制限性副作用を伴わずに臨床的に有効な用量を送達する能力は、2つの基本的発見によって可能になる:(i)本明細書において論じる検出限界で純粋であるRPPXの合成;および(ii)RPPXが以前に報告されたものよりドーパミン受容体に対して実質的に低い親和性を有するという発見。一部の実施形態において、本発明の放出調節薬学的組成物は、その組成物に使用されるRPPXの光学純度およびその組成物に使用されるキラル的に純粋なRPPXの限られたドーパミン作動活性のいずれかまたは両方に依存し得る。
本組成物および方法を説明する前に、本発明は、説明する特定のプロセス、組成物または方法論に、これらは変わることがあるので、限定されないことを理解しなければならない。説明の中で用いる専門用語は、特定の変型または実施形態の説明のみを目的とするものであり、本発明の範囲を限定する意図のものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることも理解しなければならない。本明細書中で言及するすべての刊行物は、本発明を証拠立てる程度にそれら全体が参照により取り込まれている。
化合物2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールは、下に示す構造を有する2つのエナンチオマーを有する、合成アミノベンゾチアゾール誘導体である。その(S)エナンチオマーは、D3受容体サブタイプに対して特別な親和性を有する、ドーパミン受容体のD2ファミリーの強力なアゴニストである。ドーパミンアゴニストとして、PPXはドーパミン受容体を活性化し、そのようにして神経伝達物質ドーパミンの作用を模倣する。PPX立体異性体は、ドーパミンの強力なアゴニストであり、患者に必要とされ、実際に許容される日用量はほんの少しである。両方のエナンチオマーが、脳、脊髄およびミトコンドリアにそれらが蓄積できることにより、ならびにミトコンドリアの機能の正常化、および/またはドーパミンアゴニスト活性に依存しない、おそらく脂質過酸化の阻害による、酸素ラジカルの解毒により神経保護作用をもたらすと考えられる。従って、これらの化合物は、神経変性疾患において観察される細胞死カスケードおよび細胞生存力喪失の阻害剤として有用であり得る。
ある分子の投与が、特定の受容体または他の薬として有効なタンパク質(pharmaco−effective protein)に対する親和性に起因する明白な表現型性活性を、この活性が未知のターゲットに対する親和性に起因する場合でさえ、有する程度は、この活性が、特定の所望される治療効果にプラスの方向で寄与するか(「オンターゲット」活性)、マイナスの方向で寄与するか(「オフターゲット」活性)という観点で操作可能に定義することができる。いずれの所与の分子についても、理論的には多数の「オフターゲット」活性を確認できるが、「オンターゲット」活性は、所望の治療効果に限られる。これらの活性を測定および定量できる、または既知標準物質との比較を行う程度に、これらのカテゴリーのそれぞれについて活性指数(「活性当量、すなわちAE」)を生成し、分子間の潜在的損益比の比較に有用な「オフターゲット」活性を「オンターゲット」活性と比較する、1つ以上の比を生成することができる。
RPPXの場合、2つの活性をこの状況で定義することができる。先ず、ヒトドーパミン受容体のサブセットおよび結果として生ずる行動/毒物学的表現型に対してアゴニスト活性であるのは、大部分の神経変性障害には「オフターゲット」活性である。この活性は、ドーパミン受容体アゴニスト活性に起因する用量制限副作用を生じさせる結果となり、この論述のためにドーパミン活性当量、すなわちDAEであると定義することができる。本出願を通して、用語「ドーパミン作動活性当量」(DAE)は、ドーパミン受容体に対する1mgのPPXの活性と等価のドーパミン受容体に対する活性の測度を意味するものを表す。例えば、0.01のDAEを有するRPPXの投薬量は、0.01mgのPPXの活性と等価である、ドーパミン受容体に対する活性を有するであろう。DAEは、最大耐用量(MTD)、無毒性量(NOAEL)および理解しやすいように非有効投与量を含む、様々な製剤学的用語とも関係があり得る。例えば、IMMEDIATE RELEASEにおけるPPXについてのNOAEL投与量は、好ましくは0.05mg未満である。そしてまた、これは、0.05未満のDAEに相当する。従って、0.01のDAEを有するRPPXの投与量は、0.05mgの最も好適なPPX NOAEL投与量についてのDAEより下であろう。一部の実施形態において、DAEは、D2および/またはD3受容体に対する結合親和性(IC50)または活性(EC50)を測定することにより、1mgのPPXについての同じパラメータを基準にして決定される。一部の実施形態において、DAEは、D2受容体に対する結合親和性または活性によって決定される。一部の実施形態において、DAEは、D3受容体に対する結合親和性または活性によって決定される。一部の実施形態において、DAEは、D2受容体に対する結合親和性によって決定される。一部の実施形態において、DAEは、D3受容体に対する結合親和性によって決定される。一部の実施形態において、DAEは、Schneider,C.S.;Mierau,J.,「Dopamine Autoreceptor Agonists:Resolution and Pharmacological Activity of 2,6−Diaminotetrahydrobenzothiazole and an Aminothiazole Analogue of Apomorphine」,(1987).J.Med.Chem.30:494−498;またはWong,S.K.−F.;Shrikhande,A.V.,S.K.−F. Wong,「Activation of Extracellular Signal−Regulated Kinase by Dopamine D2 and D3 Receptors」,.(2003)Society for Neuroscience Abstractsによって説明されているものをはじめとする、D2またはD3受容体についてのIC50結合親和性アッセイなどの適するインビトロアッセイによって決定される。神経変性疾患(パーキンソン病以外)におけるRPPXについてのこの「オフターゲット」活性は、PDおよび関連下肢症候群を治療するために使用される、そのエナンチオマーPPXについては「オンターゲット」活性となるだろう。
本発明者らの研究は、RPPXについてのDAEが、以前に認識されていたであろうよりはるかに低いことを示唆している。例えば、本発明者らの研究によって、D2およびD3ドーパミン受容体に対するRPPXについての結合親和性が、高キラル純度RPPXを使用すると、PPXよりそれぞれ約290および649倍低いことが明らかになった。比較すると、文献には、D2ドーパミン受容体に対するRPPXについての結合親和性は、PPXより約9−21倍低く、一方、D3ドーパミン受容体に対するRPPXについての結合親和性は、PPXより約50倍低いと報告されている。
さらにいっそう興味を引くことに、ビーグル犬での本発明者らの研究は、RPPXのPPXに対するMTD用量比が10,000であり、一方、RPPXのPPXに対するNOAEL用量比が20,000であることを示す。生物学的アッセイの場合、イヌにおけるMTDおよびNOAELは、これまでは完全には予測できなかったインビボ許容量を明らかにする。標準的な定量分析での制約のため、イヌにおけるインビボMTDおよびNOAELは、0.005%の最もわずかな不純物でさえ現実にドーパミンアゴニスト関連副作用の原因となることを実際に示唆することがある。これらの比較研究は、RPPXについてのDAEが、以前に認識されていたであろうよりはるかに低いことを示唆する。
RPPXおよびPPXのその他の活性は、神経保護である。神経保護は、メカニズムに依存しない現象であり、それ故、活性のカテゴリーとしての資格がある。神経変性疾患の治療についてのRPPXのこの「オンターゲット」活性は、測定可能であり、両方のエナンチオマーに関してほぼ等価であり、神経保護活性当量、すなわちNAEという関連用語で定義することができる。神経保護活性当量(NAE)は、1mgのPPXに固有の神経保護活性を指す。DAEとは異なり、NAEは、多数のインビトロ試験において両方のエナンチオマーに関して等しいことが証明されている。この例において、DAEは、有害作用についての可能性の単位測度と見られ、一方、NAEは、治療的有用性についての可能性の単位測度と見られる。この例については、RPPXとMirapex(登録商標)両方のNAEを、インビトロアッセイにおいて神経保護を生じさせるために必要とされる濃度から決定することができる。
一部の実施形態において、NAEは、標準的なインビトロ神経保護アッセイにおいて神経保護活性を測定することにより、1mgのPPXの該活性を基準にして決定することができる。一部の実施形態において、前記神経保護活性は、ドーパミン作動性および/または非ドーパミン作動性細胞においてMPP+および/またはロテノンの存在下で細胞死を測定することによって決定される(非限定的な例としては、M.Gu,Journal of Neurochemistry,91:1075−1081(2004)におけるアッセイを参照のこと)。
本発明の好ましい目的は、患者に送達されるNAEを最大にすると同時に、有害事象を示唆する活性当量、この場合はDAE、の数値を最小にすることである。
PPXは、高いドーパミン親和性に起因して、高いDAE/NAE比を有するが、RPPXについての対応する比率は有意に低い。実際面では、本発明の実施形態は、以前に予測することができたより有意に大きいNAEレベルおよび大きいNAE/DAEレベルを提供し、その結果、神経保護物質の治療有効投与量を必要としている患者に投与できる確率を最大にする。NAEおよびDAEは、特に有益作用の有害作用に対する比のような比率の点から有用であり得、および特定の組成物を投与できる範囲を定義するために有用であり得る。
しかし、PPXの投薬量は、「無毒性量」(NOAEL投与量)より上の投薬量で有害副作用をもたらすことがある(S)エナンチオマーのドーパミン作動活性による制限を受ける。本明細書において用いる場合、NOAEL用量は、暴露集団とその適切な対照の間で有害作用の頻度および重症度の統計学的にまたは生物学的に有意な増加を生じさせない活性化合物または医薬品の量を指し;このレベルで何らかの作用を生じさせるが、それらは有害と、または有害作用の前兆と見なされない。前記暴露集団は、研究者、獣医、医師または他の臨床家による治療を受けている系、組織、動物、個体またはヒトであり得る。PPXに関して、具体例としての有害事象は、回転性めまい、幻覚、悪心、低血圧、傾眠、便秘、頭痛、振戦、背部痛、体位性低血圧、筋緊張亢進、うつ病、腹痛、不安、消化不良、鼓腸、下痢、発疹、運動失調症、口内乾燥、錐体外路症候群、下肢痙攣、攣縮、咽頭炎、副鼻腔炎、発汗、鼻炎、尿路感染、血管拡張、インフルエンザ様症候群、唾液増加、歯の病気、呼吸困難、咳増加、歩行異常、頻尿、嘔吐、アレルギー反応、高血圧、そう痒、運動低下症、神経質、夢異常、胸痛、頚部痛、知覚異常、頻脈、浮遊性めまい、音声変調、結膜炎、麻痺、耳鳴、流涙症、散瞳、および複視であり得る。
例えば、PPXの1.5mgの即放性用量は、ヒト被験者において傾眠を引き起こすことが証明された(欧州医薬品審査庁(the European Agency for the Evaluation of Medicinal Products)からのPublic Statement on Mirapex(登録商標),Sudden Onset of Sleep;その薬を一日3回分として投与することを示すMirapex(登録商標)についてのBoehringer Ingelheim製品添付文書)。さらに、本明細書に提示するようなイヌで行われた研究(実施例、および表11に示す結果を参照のこと)は、NOAEL即放性用量が、0.00125mg/kgほども低い場合があることを示し、これは、0.0007mg/kgのヒト用量または70kgの個体に対する0.05mgと等価である。従って、PPXに関して、NOAEL即放性投与量は、1.5mg未満、0.50mg未満、またはさらに好ましくは0.05mg未満の量であり得る。本明細書において定義するとおりのDAEに関して、NOAEL用量は、1.5未満、0.5未満、またはさらに好ましくは0.05未満のDAEを有し得る。放出調節組成物に関して、NOAEL投与量は、3.0mg未満、1.5mg未満、またはさらに好ましくは0.15mg未満の量であり得る。
一般に、ドーパミンアゴニスト活性によって緩和される疾病を治療する際に治療効果を及ぼすには、PPXの非有効投与量より多い量が必要である。しかし、この量は、説明した有害副作用をもたらす場合があるので、神経保護効果が求められるときには望ましくないことがある。本明細書において用いる場合、「非有効投与量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家による治療を受けている組織、系、動物、個体またはヒトにおいて観察されるようなプラシーボの生体反応または医学的反応に類似した生体反応または医学的反応を惹起する活性化合物または医薬品の量を指す。従って「非有効投与量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家による治療を受けている組織、系、動物、個体またはヒトにおいて観察されるようなプラスの効果に関してプラシーボとの識別可能な相違を惹起するはずがない。従って、「非有効投与量」は、(1)疾病を予防すること;例えば、ある疾病、状態もしくは疾患を、その疾病、状態もしくは疾患の素因を有し得るがその疾病の病状もしくは総体的徴候をまだ経験もしくは表示していない個体において予防すること;(2)疾病を抑制すること;例えば、ある疾病、状態もしくは疾患を、その疾病、状態もしくは疾患の病状もしくは総体的症状を経験もしくは表示している個体において抑制すること(すなわち、その病状および/もしくは総体的症状のさらなる進展を阻止または遅速すること)、または(3)疾病を改善すること;例えば、ある疾病、状態もしくは疾患を、その疾病、状態もしくは疾患の病状もしくは総体的症状を経験もしくは表示している個体において改善すること(すなわち、その病状および/もしくは総体的症状を逆転もしくは低減すること)が期待されない。
一例として、MPTP(1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)、公知ドーパミン作動性神経毒、で治療したサルにおいて、PPXは、0.053mg/kgである最低有効経口即放性用量で用量依存的に運動障害およびパーキンソン様症状に拮抗することが証明された(http://www.emea.europa.eu/humandocs/PDFs/EPAR/Sifrol/059197EN6.pdfでScientific Discussionを参照のこと)。これは、0.017mg/kg、または70kgの個体に対する1.2mg、のヒト即放性用量と等価であろう。ヒトでの試験において、パーキンソン病の治療の際にプラシーボと比較して有意な効果を有するPPXの最低有効経口即放性用量は、1.1mg/日であることが判明した。個々の患者は、プラシーボ効果より高い十分な効果を得るために1.1mg/日より高い用量を必要とする場合もある(欧州医薬品審査庁からのInitial Scientific Discussion for the Approval of Mirapex)。ヒトでの試験において、下肢静止不能症候群の治療の際にプラシーボと比較して有意な効果を有する最低有効用量は、0.25mg/日であることが判明した(Mirapex(登録商標)についてのBoehringer Ingelheim製品添付文書)。従って、PPXに関して、非有効用量は、1.0mg/日未満、0.75mg/日未満、0.5mg/日、0.25mg/日、または好ましくは0.125mg/日未満であり得る。DAEに関して、1日あたりの非有効投与量は、1.0未満、0.75未満、0.5未満、0.25未満、または好ましくは0.125未満の1日あたりのDAEを有し得る。
患者に投与することができるPPXの量の他の制限としては、最大推奨治療用量および最大耐用量も挙げられる。「最大推奨治療用量」(MRTD)は、FDAの医薬品評価研究センター、薬学室(Office of Pharmaceutical Science)、Informatics and Computational Safety Analysis Staff‘sMaximum Recommended Therapeutic Doseによって編集された投薬量、およびMatthewsら,「Assessment of the Health Effects of Chemicals in Humans:I.QSAR Estimation of the Maximum Recommended Therapeutic Dose(MRTD) and No Effect Level(NOEL)of Organic Chemicals Based on Clinical Trial Data」,Current Drug Discovery Technologies,2004,1:61−76)に記載されているような投薬量を指す。FDAのMRTDデータベースには、0.1mg/kg/日または70ポンドの人に対して7.0mg/日のPPXのMRTDが挙げられている。そしてまた、Matthewsは、NOEL(無有害作用量)が通常はそのMRTDの約十分の一であると推定しており、これは0.01mg/kgまたは70ポンドの人に対して約0.7mg/日に相当する。
ナイーブ患者に対するその有害な影響のため、PPXは、用量制限有害作用(例えば、Mirapex(登録商標)についてのBoehringer Ingelheimの製品添付文書に詳細に記録されているもの)を伴わずにこれらの投薬量に達するには数週間にわたって用量漸増しなければならない。例えば、下肢静止不能症候群の場合、即放性組成物であるMirapex(登録商標)の1日あたりの推奨開始投与量は、就寝時刻の2−3時間前に1日1回摂取される0.125mgである。さらなる症状軽減を求める患者については、その日用量を4〜7日間にわたって0.25mgに増加させ、その後、第2の4〜7日間にわたって0.5mgに増加させることができる。パーキンソン病の治療のために、前記添付文書は、Mirapex(登録商標)について下記の用量漸増スケジュールを推奨している。
本明細書において用いる場合、「最大耐用量」(MTD)は、研究者、獣医、医師または他の臨床家による治療を受けている組織、系、動物、個体またはヒトにおいて有意な毒性を惹起する活性化合物または医薬品の量を指す。経口投与後のPPXの単回用量毒性は、齧歯動物、イヌ、サルおよびヒトにおいて調査されている。齧歯動物の場合、70−105mg/kg以上の即放性用量で死亡が発生した(欧州医薬品審査庁からのInitial Scientific Discussion for the Approval of Mirapex)。これは、7−12mg/kg、または70kgの個体に対するおよそ500−850mgのヒト用量と等価である。ヒト被験者の場合、0.20mgより多いPPXの開始日用量は、ナイーブ患者に投与したとき許容されなかった。イヌの場合、0.0007mg/kg以上で嘔吐が発生し、一方、サルは、3.5mg/kgで大興奮を示した。さらに、Mirapex(登録商標)についての製品添付文書は、ヒトに対する最大耐用量を、3回の1.5mg単回投薬量として投与される4.5mg/日に設定している。しかし、この4.5mg/日の投薬量をナイーブ患者には投与せず、その代わり、用量漸増レジメン(例えば、Mirapex(登録商標)についての製品添付文書に詳細に記録されているもの)後に該投薬量に到達する。一般に、ナイーブ患者への投与のための開始日用量は、1日3回投与される0.125mgの即放性用量であり、1日3回投与される1.5mgの用量に到達するために7週間用量漸増スケジュールが推奨される。すべての種は、PPXに対する過度の薬力学的反応に関連した毒性の徴候を示した。例えば、活動亢進をはじめとする行動変化は共通しており、多数の二次的効果、例えば、体重減少および他のストレス誘発症状をもたらした。ミニブタおよびサルの場合、PPXは、心血管パラメータに中等度の影響を及ぼした。ラットの場合、プラミペキソールの強力なプロラクチン阻害効果が生殖器官に影響を及ぼし(例えば、黄体肥大、子宮留膿症)、長期暴露中に用量関連網膜変性を示した(欧州医薬品審査庁からのInitial Scientific Discussion for the Approval of Mirapex)。イヌにおける研究は、ヒト被験者についてのPPXのMTD量が4.5mg/日未満、好ましくは1.5mg/日未満の量であり得ることを示す。さらに、ヒト被験者についてのMTD量は、本明細書に開示する研究の結果に基づき0.3mg/(即放性用量)未満、および好ましくは0.2mg/(即放性用量)未満の量であり得る(表11参照)。DAEに関して、MTD量は、1.5、0.9および0.6未満のDAEを有し得る。
患者に投与することができるPPXの量に対する制限を考え合わせると、本発明の実施形態の使用は、新規神経保護療法の開発のための臨床的に重要な選択肢を提示する。D2受容体に対するRPPXの結合親和性はPPXのものについてよりおよそ9〜21倍小さく、一方、D3受容体に対するRPPXの結合親和性はPPXのものについてよりおよそ50倍小さいと以前に文献に報告されている(表10)。これらの文献由来の比較結合親和性比は、RPPXをPPXよりほんの幾分か多い投薬量で投与できることを示唆している。この制限は、ドーパミン作動作用の影響を受ける組織、系、動物およびヒトの繊細な感受性によって、2つのエナンチオマーについての文献由来の比較結合親和性比より大きな率でPPXの耐用量を上回る用量でのRPPXの使用が除外されるために、発生し得る。
より高いRPPX用量のこの見せかけの除外は、理論的50mgER錠剤への参照よって論証することができる。結合親和性の9倍の差を仮定すると、99.95%である50mgER錠剤は、およそ5.575のDAE(RPPXから5.55のDAE、およびPPXから0.025のDAE)を有することとなる。同様に、25mg錠剤は、2.79のDAE(RPPXから2.78、およびPPXから0.0125のDAE)を示すと予想される。7週間用量漸増レジメン後のPPXのMTDは、4.5mg、または1日3回1.5mgであり、これは1日に4.5のDAEと等価である。さらに、PPXのNOAEL投与量は、4.5mg未満、好ましくは1.50mg未満、またはさらに好ましくは0.15mg未満であり、これらはそれぞれDAE、DAEおよびDAEとそれぞれに等価である。PPXについての1日あたりのMTDが4.5のDAEを有し、PPXのNOAELが、約4.5未満のDAEを有すると仮定して、文献由来の比較結合親和性比のみを参照すると、50mgのER投薬量は5.55のDAEを有する。さらに、この理論投薬量において用いられるような99.95%の高いキラル純度の使用は、5.55という許容できないほど高いDAE、4.5mgの日用量MTD DAEを生じさせ、1.5DAEおよび0.15DAEの好適NOAELをはるかに超える結果となる。
相反して、一部の実施形態において、本発明の態様は、達成された予想外に高いキラル純度を含む。これらの純度は、前記文献由来の比較結合親和性に基づき、以前に認識されていたものより高いRPPXについてのMTDまたはNOAELをもたらす。一部の実施形態において、本発明は、高キラル純度のRPPXを含む放出調節薬学的組成物、開始用量、治療方法およびキットを提供する。上で論じたことに準じて、99.95%の類似したキラル純度を有する50mg放出調節投薬量は、PPXについてのMTDまたはNOAELより十分高くなると予測され、従って、観察できる有害副作用をもたらす結果となる。しかし、イヌでの研究は、高キラル純度RPPXが、認識されているであろうものより予想外に高いNOAEL投与量を生じさせる結果となることを示唆している(表10)。信じられないことに、PPXの検出可能な量(0.05%検出限界)を有さないRPPXの25mg/kg即放性投薬量は、イヌにおいて観察可能な作用をもたらさなかった。これは、文献結合親和性データに基づくと予想外である。
さらに、イヌにおける前記研究は、(R)−エナンチオマーについての前記組成物の高い(ほぼ純粋な)キラル純度を明示する。本明細書に開示する研究ではRPPXが高い投与レベル(1,000mg〜3,000mgのヒト用量と等価;実施例参照)で投与され、そのため最少量のPPXでさえ、観察されるNOAELおよびMTDに寄与することになる。例えば、イヌにおいて得られたデータに基づくヒト等価用量に関して、その(R)−エナンチオマーについてのMTDは、70kgのヒト被験者に対する約3,000mgと等価であることが明らかになったが、(S)−エナンチオマーについての対応するMTDは、同被験者に対するたった0.30mgと等価となる(表11)。これは、10,000倍の違いである。(R)−エナンチオマーについてのNOAEL用量は、(S)−エナンチオマーについてのものより20,000倍多い(表11)。従って、これらの研究において使用したRPPXは、観察される副作用が(S)−エナンチオマーによる汚染のみに起因すると仮定するなら、少なくとも99.99%純粋でなければならない。一方、これらのデータは、安全に投与することができるプラミペキソールの(R)−エナンチオマーの高い投与レベルを明示している。これらのデータは、本発明の様々な実施形態におけるRPPXについての高いキラル純度の有用性を強調する。
本発明は、より高い投薬量およびより高いキラル純度を有するRPPXを含む放出調節薬学的組成物、開始用量、方法およびキットをさらに提供する。上で論じたように、D2およびD3受容体に対する比較結合親和性比は、それぞれ、およそ9〜21および50であると以前に文献に提案されている(以下の実施例1および表10参照)。D2およびD3受容体に対するPPX:RPPXの比較結合親和性比は、高キラル純度RPPXを使用すると、およそ290および649であることが意外にも判明した。
下でより詳細に論じるように、これは、前記比較結合親和性比が、文献に報告されている比較結合親和性比の約13〜32倍であることを示唆している。前記文献にはPPXの有害な影響の論議が満載されている。前記インビトロデータおよび結合親和性は、本発明の裏づけで提示するものであり、説得力はあるが、本明細書に提示するインビトロおよびインビボデータを比較すると、経済的で効率的な合成の重要性が明らかになる。ビーグル犬におけるインビボ臨床観察は、RPPXのPPXに対するMTD用量比が10,000であり、一方、RPPXのPPXに対するNOAEL用量比が20,000であることを示す。本明細書に報告するキラル純度は検出レベルに制限されるため、絶対MTD用量比は、より高くなり得る(実施例2および表11参照)。キラル純度およびインビトロ比較結合親和性比、臨床NOAEL用量比、または臨床MTD用量比(本明細書では「比較比」)に基づき、今や、RPPXの所与の投薬量についてのDAEを予測することができる。表1は、RPPXの25mgER用量についてのDAEを比較比およびキラル純度の関数として示すものである。これらのデータは、文献由来の比較比に比べて低い本明細書に記載する比較比のため、以前に認識されていたであろうDAEよりはるかに低いDAEをRPPXの25mgER投薬量から意外にも得ることができることを示している。
表1は、25mg単回経口投薬量ででさえ純度と親和性の両方の重要性を例証しようとするものである。ドーパミン受容体に対するRPPXのドーパミン作動活性に関する仮定は、見たところでは、高純度の25mgRPPX錠剤でさえ(100%純粋なものでさえ)除外するだろう。本発明の開示に基づき、この点を例証するために、非常に多くの錠剤を直ちに思い浮かべることができるであろう。下の表1Aおよび1Bは、PPXによる組成物に対する最少といえども汚染の影響を例証することにより、RPPXの単一経口剤形にとっての純度の重要性を例証するためのものである。
典型的な検出限界を超える純度を達成するために合成方法論を必要とすることを認識し、表現した者はいない。さらに、この単回投薬量がその所期の目的に適するために99.95%以上の純度でなければならないことを提案した者はいない。
結合親和性、NOAELおよびMTD値についての比較比に基づいて、投与することができるRPPXの量(これはPPXの非有効投与量と等価であろう)を予測することができる。表2は、RPPXの投薬量(左手縦列)および比較比(一番上の横行)の関数としてDAEを示すものである。表2を参照して、PPXの非有効量と等しいDAEを有するRPPXの量に備える単位用量を選択することができる。実際、DAE/NAE二重作用が望まれない限り、薬学的組成物ではDAEは避けられるか最小限にされることだろう。従って、50ミリグラムより多いいずれのER用量もオフターゲット活性を避けるとは予想されず、当業者はそれを特に避けることだろう。これは、本発明におけるように200を超える比較比の場合、当てはまらない。表2は、この最もよい例証となる。
同様に、投与することができるRPPXの量(これは、PPXの無毒性量投与量と等価であろう)を突きとめることができる。表3は、RPPXの投薬量(左手縦列)および比較比(一番上の横行)の関数としてDAEを示すものである。表3を参照して、PPXのNOAEL投与量に等しいDAEを有するRPPXの量に備える単位用量を選択することができる。0.125によって望ましくない作用が避けられるが、0.15未満はNOAELを避ける。表3では文献報告と実際の結果の差がさらにいっそう著しい。
さらに、表4は、RPPXの投薬量(左手縦列)および比較比(一番上の横列)の関数としてDAEを示すものである。表4を参照して、特定のDAEを有するRPPXの投与量を可能にする単位用量を選択することができる。
本明細書に記載する、より高い比較比は、RPPXの所与の用量が、許容可能なDAEを超える前に一定の量のPPX不純物を含有できることをさらに示唆している。例えば、表3は、RPPXの100%キラル純度を仮定して、イヌの研究におけるRPPXのPPXに対するNOAEL比によって示唆されるように20,000の比較比で0.00125のDAEがRPPXの25mg用量によって得られることを示している。理論的には、PPXの単回投与MTDについてのDAEを超えずに追加の1.4mgのPPXを添加することができ、一方、PPXの好適なNOAEL投与量を超える前に追加の0.045mgのPPXを添加することができる。これらの組成物は、96%純粋および99.8%純粋であろう。対照してみると、前記文献からの9の比較結合親和性比を用いると、25mgの100%純粋なRPPXは、2.78のDAEを生じさせる結果となり、これは、100%の純度であっても有害副作用を避けるには不十分であろうことを示唆している。それ故、本発明は、少量のPPX不純物を意外にも許容するRPPXの特別な用量をさらに提供する。
さらなる定義
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、その文脈が明確に別様に示していない限り、複数表示を包含する。従って、例えば、単数形の「塩」への言及は、当業者に公知の1つ以上の有機溶媒および等価物などへの言及である。
本明細書において用いる場合、用語「約」は、使用されている数のプラスまたはマイナス10%の数値を意味する。従って、約50%は、45%−55%の範囲内を意味する。別様に定義されていない限り、本明細書において用いるすべての技術および科学用語は、通常の当業者が一般に理解しているのと同じ意味を有する。
本明細書において用いる場合、用語「比較結合親和性比」は、PPXのD2またはD3ドーパミン受容体に対する結合親和性(IC50値)で割ったRPPXのD2またはD3ドーパミン受容体に対する結合親和性(IC50値)を指す。一部の実施形態において、比較結合親和性比は、D2受容体に対するIC50値の比を指す。一部の実施形態において、比較結合親和性比は、D3受容体に対するIC50値の比を指す。
本明細書において用いる場合、用語「比較比」は、次のうちの1つを指す:1)RPPXについてのD2もしくはD3受容体に対するIC50値の、PPXについてのD2もしくはD3受容体に対するIC50値に対する比;2)RPPXについてのMTD量の、PPXについてのMTD量に対する比;3)RPPXについてのNOAEL投与量の、PPXについてのNOAEL投与量に対する比。
本明細書において用いる場合、用語「制御放出」は、長期間、好ましくは約12時間より長く、さらに好ましくは約24時間にわたって制御された速度で薬物を放出する剤形を指す。
本明細書において用いる場合、用語「1日用量」は、患者に投与または処方される1日あたりの薬物の量を指す。この量を、多数の単位用量または単一の単位用量で、その日中に1回またはその日中に多数の回数で投与することができる。好ましくは、1日用量は、放出調節薬学的組成物で投与される。
本明細書において用いる場合、用語「ドーパミン作動活性当量」(DAE)は、ドーパミン受容体に対する1mgのPPXの活性と等価である、ドーパミン受容体に対する活性の測度を指す。
本明細書において用いる場合、「投与量」は、一般に、活性成分の投薬量に等しく、これは、1日に1回投与される場合もあり、または1日に数回投与される(例えば、単位用量が所望の日用量の小部分である)場合もある。例えば、PPXの0.5mg/日の非有効投与量を1回の0.5mg用量、2回のそれぞれ0.25mg用量、または4回の0.125mg用量として投与することができる。本明細書において用いる場合、用語「単位用量」は、所定量の活性化合物を含む治療用組成物の個別量を示すと考えることができる。活性成分の量は、一般に、活性成分の投薬量に等しく、これは、1日1回投与される場合もあり、または1日数回投与される(例えば、単位用量が所望の日用量の小部分である)場合もある。単位用量は、全日用量を示すと考えることもでき、これは、1日1回投与される場合もあり、またはそうした用量の適便な小部分として投与される(例えば、単位用量が、例えば投薬量の二分の一または三分の一などの分数的増分で与えることができる、全日用量である)場合もある。
本明細書において用いる場合、用語「エナンチオマー」、「立体異性体」および「光学異性体」は、交換可能に用いることができる用語であり、不斉またはキラル中心を有し、互いに重ね合わせることができない鏡像である分子を指す。本明細書において用いる場合、用語「キラル的に純粋な」または「エナンチオマー的に純粋な」は、その化合物が単一の光学異性体を少なくとも99.95%を含有すること示すと考えることができる。用語「エナンチオマー的に濃縮された」は、数値が述べられていない限り、その材料の少なくとも51%が単一のエナンチオマーであることを示すと考えることができる。本明細書において用いる場合、用語「エナンチオマー濃縮」は、一方のエナンチオマーの他方と比較した場合の量の増加を指す。本明細書において用いる場合、用語「ラセミ」混合物は、キラル分子の(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーの等量の混合物である。
本明細書において用いる場合、「徐放」および/または「持続放出」は、即放性剤形と比較して投与頻度を減少させることができるような長期間にわたって薬物(単数または複数)を放出する剤形、特に、従来の剤形として(例えば、溶液または迅速に薬物を放出する従来の固体剤形として)提供される薬物のものと比較して薬物の投与頻度を少なくとも2倍減少させることができる剤形を指す。例えば、徐放性剤形は、約12時間より長くの、好ましくは約24時間の長期間にわたって薬物を放出することができる。本明細書では、徐放を持続放出および遅速放出と交換可能に用いている。
本明細書において用いる場合、「キット」は、1つ以上の薬学的組成物、および該1つ以上の組成物の投与または処方のための説示を指す。前記説示は、製品添付文書、1つ以上の薬学的組成物のパッケージ上の説示、または任意の他の説示から成り得る。
本明細書において用いる場合、用語「Mirapex(登録商標)」は、化学名、(S)−2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール二塩酸塩一水和物を有する、プラミペキソール二塩酸塩を含有する錠剤を指す。
本明細書において用いる場合、「放出調節」は、従来の剤形、例えば溶液、軟膏または迅速に溶解する剤形によって提供されない治療上のまたは適便な目的を遂行するように時間経過および/または位置についての薬物放出特性が選択される剤形を指す。活性成分(単数または複数)の放出調節は、推奨された1日の摂取量を減少させることによって患者の投与計画を単純化することができ、患者のコンプライアンスを改善し、有害事象、例えば高血漿ピークに関連した有害事象を減弱する。放出調節医薬製剤は、組み込まれている活性成分(単数または複数)の放出を経時的に調整し、また、制御放出、長期放出、持続放出、遅速放出または徐放を伴う製剤を含み、そのためそれらは、溶液または迅速に溶解する剤形などの従来の剤形によって提供されない治療上のまたは適便な目的を遂行する。好ましくは、前記放出調節製剤は、長期間、好ましくは12時間より長く、さらに好ましくは約24時間にわたって治療有効量の薬物、RPPXを放出することができる。制御放出、徐放、および持続放出剤形ならびにそれらの組み合わせは、放出調節剤形のタイプである。別の指示がない限り、すべてのそうした用語を交換可能に用いている。
本明細書において用いる場合、用語「ナイーブ患者」は、以前に治療(RPPXもしくはPPXのいずれか)を受けていない患者、または開始用量を受ける前に用量漸増レジメンを受けていない患者を指す。
本明細書において用いる場合、用語「神経保護物質」は、ニューロン変性の進行を予防もしくは遅速することができる、および/またはニューロン細胞死を予防することができる任意の薬剤を指す。
用語「患者」および「被験者」は、交換可能であり、また、本発明の化合物で治療することができる任意の生物を意味すると考えることができる。従って、用語「患者」および「被験者」は、任意の非ヒト哺乳動物、霊長類またはヒトを含むことができるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、「患者」または「被験者」は、哺乳動物、例えば、マウス、ラット、他の齧歯動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類またはヒトである。一部の実施形態において、患者または被験者は、成人、小児または乳児である。一部の実施形態において、患者または被験者は、ヒトである。
本明細書において用いる場合、用語「薬学的に許容可能な塩」は、堅実な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび下等動物の組織と接触させる使用に適し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴なわず、妥当な損益比に見合ったものである塩を示す意味を持つ。化合物の薬学的に許容可能な塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分と酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形と理論量の適切な塩基または酸とを水もしくは有機溶媒またはこれら2つの混合物(一般に、ジエチルエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒質が好ましい)中で反応させることによって調製することができる。適する塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,Md.,p.704(2000)and Berge et al.(1977)J.Pharm.Sciences,Vol 6.1−19において見つけられる。
用語「薬学的組成物」は、少なくとも1つの活性成分を含み、それによって、具体的に挙げる効能のある結果についての哺乳動物(例えば、限定ではないが、ヒト)における調査の対象となる組成物を意味するものとする。当業者は、活性成分が、その当業者の必要に基づく所望の効能のある結果を有するかどうかを判定するために適切な技術を理解および認識していることであろう。
本明細書において用いる場合、用語「RPPX」は、プラミペキソールの(R)−エナンチオマーまたはその薬学的に許容可能な塩、好ましくは、プラミペキソールのR(+)エナンチオマーまたはその薬学的に許容可能な塩を指す。「RPPX」は、プラミペキソールの(R)−エナンチオマーの水和物、またはその薬学的に許容可能な塩も包含し得る。一部の実施形態において、RPPXは、RPPX二塩酸塩一水和物である。
本明細書において用いる場合、用語「PPX」は、(S)−エナンチオマーであるプラミペキソール、またはその薬学的に許容可能な塩を指す。「PPX」は、プラミペキソールの水和物、またはその薬学的に許容可能な塩も包含し得る。
本明細書において用いる場合のRPPXの「塩」という用語は、本明細書において用いる場合、ハロゲン酸塩、例えば、臭化水素酸塩、塩酸塩、フッ化水素酸塩およびヨウ化水素酸塩など;無機酸塩、例えば、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩およびリン酸塩など;有機酸塩、例えば、スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩)、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、粘液酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、シュウ酸塩およびマレイン酸塩など;ならびにアミノ酸塩、例えば、アスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩をはじめとする(しかし、これらに限定されない)、任意の酸付加塩、好ましくは薬学的に許容可能な酸付加塩である。前記酸付加塩は、一または二塩基酸付加塩、例えば、二ハロゲン化水素酸塩、二硫酸塩、二リン酸塩または二有機酸塩であり得る。すべての場合、前記酸付加塩は、アキラル試薬として使用され、これは、(例えば、RPPXを優先的に沈殿させることができる、先行技術分野におけるD(+)酒石酸の特定の使用とは対象的に)本発明の生成物の特定の光学異性体との相互作用または該異性体の沈殿に関する任意の予想されるまたは公知の優先性に基づいて選択されない。
本明細書において用いる場合、用語「1日あたりの開始投薬量」は、プラミペキソールの用量漸増レジメンを以前に受けたことがない、プラミペキソール治療を始める患者に投与または処方される1日あたりのプラミペキソールの量を指す。この量を、多数の単位用量または単一の単位用量で、その日中に1回またはその日中に多数の回数で投与することができる。
本明細書において用いる場合、「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家によって捜し求められている組織、系、動物、個体またはヒトにおいて生体反応または医学的反応を惹起する活性化合物または医薬品の量を指し、前記反応は、次のうちの1つ以上を含む:(1)疾病の予防;例えば、ある疾病、状態もしくは疾患を、その疾病、状態もしくは疾患の素因を有し得るがその疾病の病状もしくは総体的徴候をまだ経験もしくは表示していない個体において予防すること;(2)疾病の抑制;例えば、ある疾病、状態もしくは疾患を、その疾病、状態もしくは疾患の病状もしくは総体的症状を経験もしくは表示している個体において抑制すること(すなわち、その病状および/もしくは総体的症状のさらなる進展を阻止または遅速すること)、および(3)疾病の改善;例えば、ある疾病、状態もしくは疾患を、その疾病、状態もしくは疾患の病状もしくは総体的症状を経験もしくは表示している個体において改善すること(すなわち、その病状および/もしくは総体的症状を逆転もしくは低減すること)。
用語「治療すること」は、特定の疾患、疾病もしくは状態の予防法、特定の疾患、疾病もしくは状態に随伴する症状の軽減、および/または特定の疾患、疾病もしくは状態に随伴する症状の予防を意味すると解することができる。一部の実施形態において、前記用語は、疾患、疾病もしくは状態の進行の遅速、またはその特定の疾患、疾病もしくは状態に随伴する症状の軽減を指す。一部の実施形態において、前記用語は、その疾患、疾病または状態の進行の遅速を指す。一部の実施形態において、前記用語は、その特定の疾患、疾病または状態に随伴する症状の軽減を指す。一部の実施形態において、前記用語は、特定の疾患、疾病または状態に起因して損なわれたまたは失われた機能の回復を指す。
用語「トリチュレーション」は、化合物を固める方法を示すと解することができる。トリチュレーションは、その化合物が結晶質固体または沈殿を形成するまで、攪拌、叩解またはその種の他の方法によってその化合物をかきまぜることを含む。この固体は、溶液中の残りの化合物の種結晶としての役割を果たして、それを溶液から沈殿または晶出させることができる。
本明細書に記載するものと類似のまたは等価の任意の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験の際に使用することができるが、好ましい方法、装置および材料を説明する。
放出調節薬学的組成物
ここで使用するプラミペキソールのR−(+)エナンチオマー、すなわちRPPX、の高いキラル純度は、幅広い個別的日用量範囲を有することができる治療用組成物に備えるものである。従って、第一の態様において、本発明は、RPPXを含む放出調節薬学的組成物を提供する。前記組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む場合がある。
簡潔にするために本明細書において別々に説明する、放出調節組成物中のRPPXの量、キラル純度、NOAEL、NOEL、DAE、NAEおよび剤形についての実施形態は、任意の適する組み合わせで結び付けることができる。
一部の実施形態において、RPPXの量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、RPPXの量は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日である。一部の実施形態において、RPPXの量は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日である。一部の実施形態において、RPPXの量は、約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日である。一部の実施形態において、前記投薬量は、10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。前記放出調節組成物中のRPPXの量は、好ましくは、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記放出調節組成物中のRPPXの量は、約25mg〜約5,000mg、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約600mg〜約900mgである。好ましくは、これらの用量は、好ましくは約12時間より長く、およびさらに好ましくは約24時間にわたってRPPXの用量の放出をもたらす放出調節薬学的組成物で投与され得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約50mg〜約5000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約100mg〜約3000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約300mg〜約1500mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約500mg〜約1000mgである。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、固体経口剤形である。
前記放出調節組成物は、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.9%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.95%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。
一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、固体経口剤形である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、カプセルである。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、錠剤である。
もう1つの態様において、本発明は、RPPXについてのキラル的に純粋である放出調節組成物に関する。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記投薬量は、RPPXの10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。一部の実施形態において、前記組成物は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、または約500mg〜約1,000mgの用量で投与される。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、RPPXの50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgの用量で投与される。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約600mg〜約900mgである。好ましくは、これらの用量は、12時間より長く、およびさらに好ましくは少なくとも24時間にわたってRPPXの用量の放出をもたらす放出調節薬学的組成物で投与され得る。これらの用量は、好ましくは、97%以上のキラル純度および99.6%以上、99.7%以上、99.8%以上、99.9%以上、好ましくは99.95%以上および最も好ましくは99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する調製品で存する。好ましい実施形態において、前記放出調節組成物は、100%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。前記放出調節組成物は、さらに担体を含む場合がある。本発明の放出調節組成物は、経口投与することができ、好ましくは、固体経口用量として、およびさらに好ましくは、カプセルまたは錠剤であり得る固体経口用量として投与することができる。好ましい実施形態において、本発明の放出調節組成物は、経口投与用の錠剤として調合することができる。
もう1つの態様において、本発明は、RPPXの治療有効量含む放出調節組成物をさらに提供する。前記組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む場合がある。
一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記投薬量は、10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。前記放出調節組成物中のRPPXの治療有効量は、好ましくは、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記放出調節組成物中のRPPXの治療有効量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約600mg〜約900mgである。好ましくは、これらの用量は、好ましくは約12時間より長く、およびさらに好ましくは約24時間にわたってRPPXの用量の放出をもたらす放出調節薬学的組成物で投与され得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約50mg〜約5000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約100mg〜約3000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約300mg〜約1500mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約500mg〜約1000mgである。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、固体経口剤形である。
前記放出調節組成物は、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.9%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.95%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。
一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、固体経口剤形である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、カプセルである。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、錠剤である。
追加の態様において、本発明は、RPPXについてのキラル純度が99.9%以上である、RPPXの治療有効量から本質的に成る放出調節組成物を提供する。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.99%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。
一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、固体経口剤形である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、カプセルである。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、錠剤である。
さらなる態様において、本発明は、RPPXの治療有効量およびPPXの非有効投与量を含む、放出調節組成物を提供する。前記組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む場合がある。
一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記投薬量は、10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。前記放出調節組成物中のRPPXの量は、好ましくは、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記放出調節組成物中のRPPXの量は、約25mg〜約5,000mg、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgであり得る。好ましくは、これらの用量は、約12時間より長く、およびさらに好ましくは約24時間にわたってRPPXの用量の放出をもたらす放出調節薬学的組成物で投与され得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約50mg〜約5000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約100mg〜約3000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約300mg〜約1500mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約500mg〜約1000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約600mg〜約900mgである。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記組成物は、固体経口剤形である。
前記放出調節組成物は、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.9%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.95%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。
一部の実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、約1.0mgを超えない量である。さらに好ましい実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、約0.75mg、約0.5mg、約0.25mg、または約0.125mgを超えない量である。一部の実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、約0.125mg未満である
一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、固体経口剤形である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、カプセルである。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、錠剤である。
もう1つの態様において、本発明は、単位用量形で投与されるRPPXの治療有効量およびPPXの非有効投薬量を含む放出調節薬学的組成物を提供する。好適な単位用量形としては、カプセル、錠剤などをはじめとする(しかし、これらに限定されない)、経口投与に適するものが挙げられる。表5は、様々な具体例としての実施形態を示すものである。非有効投与量で共同投与することができるPPXの量を、プラミペキソールの(R)−エナンチオマーについてのその組成物のキラル純度の関数として、表5のそれぞれの縦列に示す。前記RPPXの治療有効量は、好ましくは、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgあたりであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約 600mg〜約900mgである。
前記PPXの非有効投与量は、好ましくは、1.0mg/日未満、0.5mg/日未満、および0.125mg/日未満であり得る。従って、非限定的な例として、単回単位用量として患者に投与される500mg/日の用量は、PPXの非有効投与量が1.0mg/日未満のままであることができるように少なくとも約99.80%、さらに好ましくは、PPXの非有効投与量が0.5mg/日未満のままであることができるように少なくとも約99.90%、およびさらに好ましくは、PPXの非有効投与量が0.125mg/日未満のままであることができるように少なくとも約99.975%というプラミペキソールのR(+)エナンチオマーについてのキラル純度を有することができる。本明細書に列挙するRPPXの治療有効量についての実施形態、PPXの非有効投与量、およびキラル純度の実施形態は、任意の適する組み合わせで組み合わせることができる。表5を参照して、本明細書中で述べるようなRPPXの治療有効量とPPXの非有効投与量の所望の組み合わせに備える、キラル純度と単位用量の任意の組み合わせを用いることができる。
一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、経口投与に適し、ならびに100mgより多いRPPXの量および約0.125mg未満であるPPXの非有効投与量を含む。もう1つの好ましい実施形態は、250mgより多いRPPXの量および約0.125mg未満であるPPXの非有効投与量を含む、経口投与に適する放出調節薬学的組成物である。本発明のさらにもう1つの好ましい実施形態は、500mgより多いRPPXの量および約0.125mg未満であるPPXの非有効投与量を含む、経口投与に適する放出調節薬学的組成物である。経口投与のための好ましい放出調節薬学的組成物としては、錠剤、カプセルなどが挙げられる。
一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、経口投与に適する錠剤として調合され、50mgより多いRPPXの量および約0.50mg未満であるPPXの非有効投与量、好ましくは、100mgより多いRPPXの量および約0.50mg未満であるPPXの非有効投与量、およびさらに好ましくは250mgより多いRPPXの量および約0.50mg未満であるPPXの非有効投与量を含む。もう1つの好ましい実施形態は、500mgより多いRPPXの量および約0.50mg未満であるPPXの非有効投与量を含む、経口投与に適する錠剤として調合された放出調節薬学的組成物である。
本発明のもう1つの実施形態は、50mgより多いRPPXの量および約0.25mg未満であるPPXの非有効投与量、好ましくは、100mgより多いRPPXの量および約0.25mg未満であるPPXの非有効投与量、およびさらに好ましくは250mgより多いRPPXの量および約0.25mg未満であるPPXの非有効投与量を含む、経口投与に適する錠剤として調合された放出調節薬学的組成物である。もう1つの好ましい実施形態は、500mgより多いRPPXの量および約0.25mg未満であるPPXの非有効投与量を含む、経口投与に適する錠剤として調合された放出調節薬学的組成物である。
もう1つの態様において、本発明は、RPPXの治療有効量およびPPXの無毒性量(NOAEL)投与量を含む、放出調節組成物を提供する。前記治療用組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む場合がある。
一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記投薬量は10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。前記放出調節組成物中のRPPXの量は、好ましくは約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記放出調節組成物中のRPPXの量は、約25mg〜約5,000mg、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約 3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000 mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約600mg〜約900mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約50mg〜約5000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約100mg〜約3000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約300mg〜約1500mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約500mg〜約1000mgである。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、固体経口剤形である。
前記放出調節組成物は、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.9%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.95%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。
一部の実施形態において、前記PPXの無毒性量投与量は、約4.50mg未満である。一部の実施形態において、前記PPXの無毒性量投与量は、約0.15mg未満である。一部の実施形態において、前記PPXの無毒性量投与量は、約0.15mg未満である。
一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、固体経口剤形である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、カプセルである。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、錠剤である。
追加の態様において、本発明は、単位用量形でのRPPXの治療有効量およびPPXのNOAEL投与量を含む放出調節薬学的組成物を提供する。好適な単位用量形としては、カプセル、錠剤などをはじめとする(しかし、これらに限定されない)、経口投与に適するものが挙げられる。表6は、様々な具体例としての実施形態を示すものである。NOAEL投与量で共同投与することができるPPXの量を、プラミペキソールのR(+)エナンチオマーについてのその放出調節組成物のキラル純度の関数として、表6のそれぞれの縦列に示す。前記RPPXの治療有効量は、好ましくは、約50mg〜約5,000mg、好ましくは、約100mg〜約3,000mg、好ましくは、約300mg〜約1,500mg、さらに好ましくは、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約600mg〜約900mgである。
前記PPXのNOAEL用量は、好ましくは4.5mg未満、好ましくは1.5mg未満、またはさらに好ましくは0.15mg未満であり得る。従って、非限定的な例として、本発明の実施形態は、PPXの非有害用量が0.50mg/用量未満のままであることができるように少なくとも約99.967%であるプラミペキソールのR(+)エナンチオマーについてのキラル純度を有することができる、単回単位用量として患者に投与される1,500mg/日の用量であり得る。あるいは、3回の個々の500mg用量として患者に投与される1,500mg/日の用量は、PPXの日有害用量が0.50mg/用量未満または1.5mg/日未満のままであることができるように少なくとも約99.90%であるRPPXのキラル純度を有する。本明細書に列挙する、RPPXの治療有効量の実施形態、PPXのNOAEL投与量、およびキラル純度の実施形態は、任意の組み合わせで組み合わせることができる。表6を参照して、本明細書において述べるようなRPPXの治療有効量とPPXの非有害作用投与量の所望の組み合わせに備える、キラル純度と単位用量の任意の組み合わせを用いることができる。
一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、経口投与に適する錠剤として調合され、ならびに50mgより多いRPPXの量および約0.15mg未満であるPPXのNOAEL投与量、好ましくは、100mgより多いRPPXの量および約0.15mg未満であるPPXのNOAEL投与量、およびさらに好ましくは250mgより多いRPPXの量および約0.15mg未満であるPPXのNOAEL投与量を含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、経口投与に適する錠剤として調合され、ならびに500mgより多いRPPXの量および約0.15mg未満であるPPXのNOAEL投与量を含む。
一部の実施形態において、本発明は、RPPXの治療有効量およびPPXの治療有効量を含む、神経保護物質として使用するための放出調節組成物を提供する。前記放出調節組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む場合がある。前記放出調節組成物は、神経保護物質の作用によって緩和され得る疾病の治療に有用であり得る。本発明の追加の実施形態は、RPPXの治療有効量およびPPXの治療有効量を含む、神経保護物質として使用するための治療用組成物である。前記放出調節組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む場合がある。前記治療用組成物は、ニューロン変性またはニューロン細胞死に関連した疾病の治療に有用である。
1つの実施形態において、前記RPPXの放出調節組成物は、成人および小児におけるニューロン、網膜および筋肉機能を回復または向上させるために使用することができる。さらに、前記RPPXの組成物は、神経変性疾患、またはミトコンドリア機能不全もしくは酸化ストレス増加に関連した他の疾病を治療するために使用することができる。一部の実施形態において、前記RPPXの組成物は、成人および小児における神経変性認知症、神経変性運動障害および運動失調症、発作障害、運動ニューロン障害または疾患、および炎症性脱髄障害を治療することができる。本発明の組成物は、本明細書に列挙されていない他の疾患の治療にも有用であり、本発明に提供する任意のリストは、単に例示のためのものであり、非限定的である。
一部の実施形態において、RPPXを含む放出調節組成物は、酸化ストレスの阻害剤、脂質過酸化の阻害剤として、酸化ラジカルの解毒およびミトコンドリア機能の正常化において有効であり得る。酸化ストレスは、酸素および他のフリーラジカルの増加によって引き起こされることがあり、致死性神経変性疾患筋萎縮性側索硬化症(ALS)と関係付けられている。ALSは、皮質、脳幹および脊髄の運動神経にかかわる進行性神経変性疾患である。全ALS患者の約10%は、家族性症例であり、そのうち20%は、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD−1)遺伝子に突然変異を有する。SOD−1酵素は、家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)の病理発生および進行において中枢的役割を果たし得る。最近の研究は、ALSに関連した時期尚早のニューロン死を、ミトコンドリアにおけるエネルギー生産経路の機能化の異常をもたらす突然変異ミトコンドリア遺伝子と関連付けてもいる。
RPPXを含む放出調節組成物は、加齢性黄斑変性の治療にも有効であり得る。従って、本発明の実施形態は、全身投与、眼球投与または目への局所投与に適する、RPPXを含む放出調節組成物であり得る。
従って、本発明の放出調節組成物の神経保護作用は、3つのメカニズムのうちの少なくとも1つによる神経細胞死を予防するプラミペキソールの(R)−エナンチオマーの能力に少なくとも一部は由来し得る。第一に、プラミペキソールの(R)−エナンチオマーは、ミトコンドリアエネルギー生産障害を伴う細胞における反応性酸素化学種の形成を減少させる能力があり得る。第二に、プラミペキソールの(R)−エナンチオマーは、アルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症との相関関係が立証されているミトコンドリア膜電位低下を一部回復させることができる。第三に、プラミペキソールの(R)−エナンチオマーは、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症およびミトコンドリア機能障害の薬理学的モデルによって産生される細胞死経路を遮断することができる。
RPPXを活性薬剤として含むこれらの幾つかの実施形態の放出調節組成物は、酸化ストレスの阻害剤、脂質過酸化の阻害剤として、酸素ラジカルの解毒およびミトコンドリアの機能の正常化において有効であり得る。さらに、それらは、運動機能障害のための治療薬として、ならびに心筋、横紋筋および網膜組織に影響を及ぼし得る変性疾患に有効であり得る。従って、それらは、神経変性疾患、例えばALS、パーキンソン病およびアルツハイマー病、ならびに黄斑変性の治療に有効であり得る。
本発明のもう1つの実施形態は、RPPXの治療有効量およびPPXの非有効投与量から本質的に成る放出調節組成物である。本発明のもう1つの実施形態は、RPPXの治療有効量およびPPXのNOAEL投与量から本質的に成る放出調節組成物である。本発明のもう1つの実施形態は、RPPXの治療有効量およびPPXの非有効投与量から本質的に成る放出調節である。そのような組成物は、好ましくは、治療用組成物または薬学的組成物であり得る。本発明のもう1つの実施形態は、RPPXの治療有効量およびPPXのNOAEL投与量から成る放出調節組成物である。そのような組成物は、好ましくは、治療用組成物または薬学的組成物であり得る。
もう1つの態様において、本発明は、少なくとも約100mgのRPPXおよび約4.5mg以下のPPXから成る放出調節錠剤を提供する。一部の実施形態において、前記錠剤は、約150mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約200mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約250mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約500mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約1000mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約3.0mg以下のRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約0.1mg以下のRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約0.9mg以下のRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約0.6mg以下のRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約0.375mg以下のRPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む。
一部の実施形態において、前記放出調節錠剤は、約150mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約150mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約150mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約150mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約150mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
一部の実施形態において、前記放出調節錠剤は、約200mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約200mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約200mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約200mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約200mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
一部の実施形態において、前記放出調節錠剤は、約250mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約250mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約250mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約250mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約250mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
一部の実施形態において、前記放出調節錠剤は、約500mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約500mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約500mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約500mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約500mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
一部の実施形態において、前記放出調節錠剤は、約1000mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約1000mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約1000mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約1000mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記錠剤は、約1000mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
前記放出調節錠剤は、少なくとも99.5%、 好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有し得る。一部の実施形態において、前記RPPXのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記錠剤は、99.9%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記錠剤は、99.95 %以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記錠剤は、99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。
もう1つの態様において、本発明は、少なくとも約100mgのRPPXおよび約4.5mg以下のPPXを含む放出調節カプセルを提供する。一部の実施形態において、前記カプセルは、約150mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約200mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約250mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約500mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約1000mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、0.375mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、薬学的に許容可能な担体をさらに含む。
一部の実施形態において、前記放出調節カプセルは、約150mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約150mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約150mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約150mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約150mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
一部の実施形態において、前記放出調節カプセルは、約200mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約200mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約200mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約200mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約200mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
一部の実施形態において、前記放出調節カプセルは、約250mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約250mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約250mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約250mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約250mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
一部の実施形態において、前記放出調節カプセルは、約500mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約500mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約500mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約500mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約500mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
一部の実施形態において、前記放出調節カプセルは、約1000mgのRPPXおよび約3.0mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約1000mgのRPPXおよび約0.1mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約1000mgのRPPXおよび約0.9mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約1000mgのRPPXおよび約0.6mg以下のPPXを含む。一部の実施形態において、前記カプセルは、約1000mgのRPPXおよび約0.375mg以下のPPXを含む。
前記放出調節カプセルは、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記カプセルは、99.9%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記カプセルは、99.95%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記カプセルは、99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。
さらなる態様において、本発明は、少なくとも約25mgのRPPXおよび約4.5未満のドーパミン作動活性当量(「DAE」)を含む放出調節薬学的組成物を提供する。表1は、RPPXの25mg用量についてのDAEをその用量中のRPPXの特定のキラル純度および比較結合親和性比の関数として示すものである。
一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、約1.5未満のドーパミン作動活性当量(DAE)を含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、約0.15未満のドーパミン作動活性当量を含む。これらのDAE値は、本明細書において論ずるようなRPPXの無毒性量から導出される。一部の実施形態において、前記組成物は、PPXのMTD量または非有効投与量から計算した場合のDAEより少ないDAEを有する。PPXの非有効投与量に関して、一部の実施形態において、前記DAEは、約1.0を超えない、約0.75を超えない、約0.5を超えない、約0.25を超えない、または約0.125を超えない。MTD量に関して、前記放出調節組成物は、4.5未満、0.9未満、または0.6未満のDAEを有し得る。
一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約50mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約75mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約125mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約150mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約200mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約250mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約300mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、少なくとも400mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約500mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約600mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約750mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約1000mgのRPPXを含む。
一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記組成物は、固体経口剤形である。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、錠剤である。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、カプセルである。
一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記投薬量は、10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。前記放出調節組成物中のRPPXの量は、好ましくは約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記放出調節組成物中のRPPXの量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約600mg〜約900mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約50mg〜約5000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約100mg〜約3000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約300mg〜約1500mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約500mg〜約1000mgである。一部の実施形態において、前記組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記組成物は、固体経口剤形である。
前記放出調節組成物は、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.9%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.95%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。
もう1つの態様において、本発明は、少なくとも約25mgのRPPXというRPPX開始日用量を提供する。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも50mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも75mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも125mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも150mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも200mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも300mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも400mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも500mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも600mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも750mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、少なくとも1000mgのRPPXを含む。一部の実施形態において、前記開始日用量は、約600mg〜約900mgのRPPXを含む。
1つの実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投薬量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。1つの実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投与量は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日であり得る。1つの実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投与量は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日であり得る。1つの実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投与量は、約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記1日あたりの開始投与量は、10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。前記放出調節組成物中のRPPXの1日あたりの開始投与量は、50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記放出調節組成物中のRPPXの1日あたりの開始投与量は、約25mg〜約5,000mg、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投与量は、約600mg〜約900である。一部の実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投与量は、約50mg〜約5000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投与量は、約100mg〜約3000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投与量は、約300mg〜約1500mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投与量は、約500mg〜約1000mgである。
前記放出調節組成物は、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記組成物は、99.9%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記組成物は、99.95%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記組成物は、99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。
一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記組成物は、固体経口剤形である。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、錠剤である。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、カプセルである。
もう1つの実施形態において、本発明は、放出調節医薬製剤を提供し、これの製剤は、該製剤の20重量%〜50重量%の量の微結晶性セルロース;該製剤の約10重量%〜約30重量%のマンニトール;該製剤の約2%〜6%の量のクロスポビドン;該製剤の約0.01%〜約2%の量のステアリン酸マグネシウム;およびRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、前記製剤の約20重量%〜約50重量%の量の希釈剤;場合によっては、前記製剤の約10重量%〜約30重量%の量の第二の希釈剤;場合によっては、前記製剤の約2%〜約6%の量の崩壊剤;場合によっては、前記組成物の約0.01%〜約2%の量の滑沢剤;およびRPPXを含む。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、微結晶性セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、またはこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態において、前記薬学的に許容可能な担体は、微結晶性セルロース、マンニトールまたはこれらの組み合わせを含み;場合によっては、クロスカルメロースナトリウムもしくはステアリン酸マグネシウム、またはこれらの組み合わせをさらに含む。
前記放出調節製剤は、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記製剤は、99.9%以上というRPPXのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記製剤は、99.95%以上というRPPXのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記製剤は、99.99%以上というRPPXのキラル純度を有する。
前記放出調節製剤中のRPPXの量は、好ましくは約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記製剤中のRPPXの1日あたりの開始投与量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの製剤は、約600mg〜約900mgである。
一部の実施形態において、本発明は、薬学的組成物(これは、該組成物の約20重量%〜約50重量%の量の微結晶性セルロース;該組成物の約10重量%〜約30重量%の量のマンニトール;該組成物の約2%〜約6%の量のクロスポビドン;該組成物の約0.01%〜約2%の量のステアリン酸マグネシウム;およびRPPXを含む)を含む、放出調節薬学的組成物を提供する。一部の実施形態において、前記放出調節組成物は、経口投与に適する。一部の実施形態において、前記組成物は、固体経口剤形である。
前記放出調節組成物は、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%、またはさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、100%である。一部の実施形態において、前記組成物は、99.9%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記組成物は、99.95%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。一部の実施形態において、前記組成物は、99.99%以上というRPPXについてのキラル純度を有する。
前記放出調節組成物中のRPPXの量は、好ましくは約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記放出調節組成物中のRPPXの1日あたりの開始投与量は、約25mg〜約5,000mg、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、450mg〜約5,000mg、約200mg〜約 3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、約450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または450mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの量は、約600mg〜約900mgである。一部の実施形態において、本発明は、約25の神経保護活性当量および約4.5未満のドーパミン作動活性当量を有するRPPXを含む放出調節薬学的組成物をさらに提供する。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、約1.5未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、約0.15未満のドーパミン作動活性当量を有する。
一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、少なくとも約50、少なくとも約75、少なくとも約125、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約750、少なくとも約750、または少なくとも約100の神経保護活性当量を有する。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、約50〜約5,000、約100〜約3,000、約300〜約1,500、約500〜約1,000、約25〜約5,000、約100〜約5,000、約200〜約5,000、約250〜約5,000、約300〜約5,000、約400〜約5,000、450〜約5,000、約200〜約3,000、約250〜約3,000、約300〜約3,000、約400〜約3,000、450〜約3,000、約100〜約1,000、約200〜約1,000、約250〜約1,000、約300〜約1,000、約400〜約1,000、約600〜約1,000、450〜約1,000、または約600〜約900の神経保護活性当量を有する。
一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、約50〜約5,000の神経保護活性当量;および約1.5未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、約100〜約3,000の神経保護活性当量;および約1.5未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、約200〜約3,000の神経保護活性当量;および約1.5未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、約300〜約1,500の神経保護活性当量;および約1.5未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、約500〜約1,000の神経保護活性当量;および約1.5未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、約50〜約5,000の神経保護活性当量;および約0.15未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、約100〜約3,000の神経保護活性当量;および約0.15未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、約200〜約3,000の神経保護活性当量;および約0.15未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、約300〜約1,500の神経保護活性当量;および約0.15未満のドーパミン作動活性当量を有する。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、約500〜約1,000の神経保護活性当量;および約0.15未満のドーパミン作動活性当量を有する。
一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、固体経口剤形である。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、錠剤である。一部の実施形態において、前記薬学的組成物は、カプセルである。
徐放性製剤。薬物およびプロドラッグをはじめとする多くの活性医薬品は、1日1回の投与を可能にするために有効な期間にわたってそのような薬剤の持続放出(別様には、遅速放出または徐放として知られている)をもたらす経口送達可能な剤形として調合されている。そのような剤形を調合するための周知のシステムは、薬剤が分散される親水性ポリマーを含むマトリックスを含み;その薬剤は、そのマトリックスの溶解または侵食によって胃腸管内で一定の期間にわたって放出される。そのようなマトリックスシステムを含む持続放出剤形は、「マトリックス錠」と記載されることが多い圧縮錠剤として適便に作製される。
水への比較的高い溶解度、例えば、約10mg/mL以上の溶解度を有する薬物およびプロドラッグは、持続放出剤形を生じさせることを望む調合者に難題を呈し、その溶解度が高いほどその難題は大きい。これらの難題は、約200mg/mLの水への溶解度を有するプラミペキソール二塩酸塩のケースでよく説明される。
即放性プラミペキソール二塩酸塩錠剤についての1日3回の投与レジメンは十分許容されるが、もし1日1回のレジメンが可能であれば、患者のコンプライアンスは、はるかに向上されるであろう。
徐放性製剤は、例えば「Remington−The Science and Practice of Pharmacy」(20th ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,Md.,2000)に記載されているような、拡散または浸透圧システムとして一般に作製される。拡散システムは、典型的に、2つのタイプのデバイス、レザバーデバイスとマトリックスデバイス、から成り、これらの両方が当該技術分野において周知であり、記載されている。前記マトリックスデバイスは、一般に、薬物と溶解速度の遅いポリマー担体とを錠剤形に圧縮することによって作製される。マトリックスデバイスの作製に使用される材料の3つの主要なタイプは、不溶性プラスチック、親水性ポリマー、および脂肪化合物である。プラスチック材料としては、メチルアクリレート−co−メチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、およびポリエチレンが挙げられるが、これらに限定されない。親水性ポリマーとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびCARBOPOL 934、およびポリエチレンオキシドが挙げられるが、これらに限定されない。脂肪化合物としては、様々な蝋、例えば、カルナウバ蝋およびトリステアリン酸グリセリンが挙げられるが、これらに限定されない。
あるいは、徐放性製剤は、浸透圧システムを使用して、または半透性コーティング剤をその剤形に塗布することによって、作製することができる。後者の場合、低透過性コーティング材料と高透過性コーティング材料を適する比率で併せることによって所望の薬物放出プロフィールを達成することができる。
本発明のRPPXの放出調節製剤の一定の実施形態において使用することができる1つの具体例としての徐放性錠剤は、「Sustained−release tablet composition of pramipexole」と題する米国特許公開第20050226926号(その全体が参照により本明細書に取り込まれている)に開示されており、これには、錠剤を表す固形分で少なくとも約0.15kNcm−2の引張強度を有する親水性ポリマーとデンプンとを含むマトリックスに分散されたPPXの水溶性塩を含む、経口送達可能な錠剤の形態の持続放出性薬学的組成物が記載されている。本発明のRPPXの放出調節製剤の一定の実施形態において使用することができるもう1つの具体例としての徐放性錠剤は、「Extended release pellet formulation containing pramipexole or a pharmaceutically acceptable salt thereof」と題する米国特許公開第20060051419号(その全体が参照により本明細書に取り込まれている)に開示されており、これには、PPXまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する徐放性ペレット製剤、その製造方法およびその使用が記載されている。
長期間にわたって実質的に一定した放出速度で薬物放出をもたらす徐放性経口剤形を提供することが特に望ましいと考えられる。このように、多くの薬物の場合、血漿中薬物濃度は、薬物放出が始まると最初に短期間で上昇し、その後、一定速度での薬物放出が続くと長期間にわたって実質的に一定を保つ。多くの薬物の場合、この実質的に一定の血漿中薬物濃度は、長期治療期間にわたる実質的に一定の薬効と相関する。加えて、最初の比較的高いピーク血漿中薬物濃度が避けられるため、副作用はさほど問題とならないだろう。従って、定常放出剤形の利点としては、ある期間にわたって投与することを必要とする薬物の投与回数を減らすこと、およびその薬物の望ましい薬理効果と望ましくない薬理効果のよりよいバランスをもたらすことが挙げられる。
特に、浸透圧剤形は、長期間にわたる薬物の一定した放出をもたらすことに顕著に成功している。一般に、浸透圧剤形は、存在する場合には薬物および浸透圧剤(単数または複数)ではない流体の自由拡散を可能にする半透性壁によって、少なくとも一部、構成された区画に流体を吸収させるための駆動力を生じさせるために浸透圧を利用する。薬物放出の実質的に一定した放出は、比較的一定した浸透圧をもたらすシステムであって、その比較的一定した浸透圧の結果として吸収される流体の速度に対応する速度で製剤を放出することができるその製剤に適する流出手段を有するシステムを設計することによって達成することができる。浸透圧システムの有意な利点は、動作がpH依存性でなく、従って、その剤形が胃腸管を通過し、有意に異なるpH値を有する種々の微小環境に遭遇した場合でさえ長期間を通じて浸透圧によって決まる速度で動作し続ける点である。
その区画内に、浸透圧活性成分(単数または複数)を場合によっては含む、賦形剤との混合物の状態の薬物を含む、驚くほど単純だが非常に有効な浸透圧デバイスが、当該技術分野において公知である。多くの薬物には有効であるが、これらのデバイスにおける放出速度は経時的に低下することが多く、薬物負荷の完全送達は発生し得ない。浸透圧デバイスのより高性能なタイプは、半透性壁によって構成された区画内に2つの成分層を含む。1つの成分層は、その区画内の送達可能な製剤を構成するであろう、浸透圧活性成分(単数または複数)を場合によっては含む、賦形剤との混合物の状態の薬物を含み、ならびに第二の成分層は、浸透圧活性成分(単数または類複数)を含むが、薬物を含有しない。第二の成分層内の浸透圧活性成分(単数または複数)は、比較的大きな分子量を有するオスモポリマーを含み、これは、流体を吸収すると「膨潤」を示すので、その製剤流出手段を通ってこれらの成分の放出が発生することはない。この第二の成分層は、流体が吸収されるとその(それらの)オスモポリマーが膨潤し、第一成分層の送達可能な製剤を押して、それによって実質的に一定した速度でのその製剤の放出を助長するので、「プッシュ」層と呼ばれる。上で説明したデバイスは、例えば、Alza Corporationが所有する次の米国特許から、公知である:米国特許第4,327,725号;同第4,612,008号;同第4,783;337号;および同第5,082,668号(これらは、その全体が参照により本明細書に取り込まれている)。例えば、Alza CorporationのOros(商標)持続放出技術プラットフォーム を利用する他の適する製剤は、例えば、米国特許第6,919,373号;同第6,930,129号;同第5,024,843号;同第5,091,190号;同第5,545413号;同第5,591,454号;同第5,674,895号;同第5,840,754号;同第5,912,268号;同第6,262,115号;および同第6,919,092号に記載されおり、これらは、前記RPPXの放出調節製剤に有用であり得る。
上で説明した異なる薬物放出メカニズムを有するデバイスを、単一または複合ユニットを含む最終剤形に兼備することができる。複合ユニットの例としては、多層錠剤ならびに錠剤、ビーズ、顆粒などを含有するカプセルが挙げられる。
コーティングもしくは圧縮プロセスを用いる徐放性コアの上への即放性層の塗布、またはカプセルなどの複合ユニットシステムの場合は徐放性ビーズおよび即放性ビーズの含有、いずれかの手段によって、即放性部分を徐放システムに加えることができる。
親水性ポリマーを含有する徐放性錠剤は、当該技術分野において一般に公知の技術、例えば、直接圧縮、湿式造粒または乾式造粒プロセスによって作製される。それらの製剤には、通常、活性医薬成分ばかりでなくポリマー、希釈剤、結合剤および滑沢剤が組み込まれる。通常の希釈剤としては、不活性粉末物質、例えば、多くの異なる種類のうちのいずれかのデンプン、粉末セルロース、特に結晶性および微結晶性セルロース、糖、例えばフルクトース、マンニトールおよびスクロース、穀粉ならびに類似の可食粉末が挙げられる。典型的な希釈剤としては、例えば、様々なタイプのデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸または硫酸カルシウム、無機塩、例えば塩化ナトリウム、および粉糖が挙げられる。粉末セルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤結合剤としては、デンプン、ゼラチンならびに糖、例えばラクトース、フルクトースおよびグルコース、などの物質が挙げられる。アラビアゴム、アルジネート、メチルセルロースおよびポリビニルピロリドンをはじめとする天然および合成ゴムも使用することができる。ポリエチレングリコール、親水性ポリマー、エチルセルロースおよび蝋も結合剤として役立つことがある。錠剤製剤の場合、錠剤およびパンチがダイの中で粘着しないようにするために滑沢剤が必要である。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ならびに硬化植物油のようなよく滑る固体から選択される。
蝋材料を含有する徐放性錠剤は、一般に、当該技術分野において公知の方法、例えば、直接ブレンド法、凝固法および水性分散法を用いて作製される。凝固法では、薬物を蝋材料と混合し、噴霧凝固させるか、凝固させ、篩いにかけて加工する。
放出調節または徐放性経皮製剤。経皮剤形は、活性薬剤の時限放出および持続放出に特に有用である。多種多様な薬物または他の有益な薬剤を送達するための経皮システムが、米国特許第3,598,122号;同第3,598,123号;同第3,731,683号;同第3,797,494号;同第4,031,894号;同第4,144,317号;同第4,201,211号;同第4,286,592号;同第4,314,557号;同第4,379,454号;同第4,435,180号;同第4,559,222号;同第4,568,343号;同第4,573,995号;同第4,588,580号;同第4,645,502号;同第4,698,062号;同第4,704,282号;同第4,725,272号;同第4,781,924号;同第4,788,062号;同第4,816,258号;同第4,849,226号;同第4,904,475号;同第4,908,027号;同第4,917,895号;同第4,938,759号;同第4,943,435号;同第5,004,610号;同第5,071,656号;同第5,122,382号;同第5,141,750号;同第5,284,660号;同第5,314,694号;同第5,342,623号;同第5,411,740号;同第5,635,203号、同第20080026043号;および同第20080020028号(これらは、それら全体が参照により本明細書に取り込まれている)に記載されている。最も一般的な経皮剤形は、流体レザバーまたは薬物溶解型粘着剤(drug−in−adhesive)マトリックスシステムを使用する、拡散誘導型経皮システム(diffusion−driven transdermal system)(特に、パッチの形態のもの)である。他の経皮剤形としては、局所ゲル、ローション、軟膏、経粘膜システムおよびデバイス、ならびにイオン導入(電気拡散)送達システムが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、哺乳動物循環系へのオピオイドの経皮送達に有用であるといわれている薬学的組成物を開示している、Aungstらの米国特許第4,626,539号;裏層と、接着ポリマー層と、モルフィナン麻薬性鎮痛剤またはアンタゴニストおよび皮膚浸透増進剤を含有する固体ポリマーの隣接層とを含む、経皮吸収投薬ユニットを開示している、Chienらの米国特許第4,806,341号;および積層複合パッチからの経皮送達を用いるブプレノルフィンの継続投与のための方法を開示している、Sharmaらの米国特許第5,069,909号を参照のこと。Yamanakaらの米国特許第5,830,497号には、プラスター剤組成物が経皮吸収のための剤形として開示されており、この組成物は、(1)塩基性薬物および酸性物質;(2)塩基性薬物の塩および塩基性物質;または(3)塩基性薬物および塩基性薬物の塩、のいずれかを含有する。Cubbageらの米国特許第5,804,215号には、接着剤がコーティングされた軟質で引裂き抵抗性の支持体を具備する薬物を含有する経皮パッチのための使い捨てシステムが開示されている。伝えられるところによると、使用した経皮パッチは支持体に接着して、その経皮パッチを封入し、それに接触させないようにする。ゴム系接着剤が好ましいと開示されている。
放出調節製剤は、他の活性化合物、例えば、鎮痛薬、抗炎症薬、解熱薬、抗うつ薬、抗癲癇薬、抗ヒスタミン薬、抗偏頭痛薬、抗ムスカリン薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、抗精神病薬、気管支拡張薬、抗喘息薬、心血管薬、コルチコステロイド、ドーパミン作動薬または他のドーパミンアゴニスト(Requip IR(ロピニロール)、Stalevo(カルビドパ、レボドパ、エンタカポン)、COMtan(エンタカポン)、Eldepryyl(セレギリン)、Neupro(ロチゴチン)およびAzilect(ラサガリン)を含む)、電解質、胃腸薬、筋弛緩剤、栄養剤、ビタミン、副交感神経様作用薬、興奮薬、食欲抑制薬および抗ナルコレプシー薬を随伴して投与することもできる。本発明の化合物は、他の活性成分、例えば、アジュバント、プロテアーゼ阻害剤、または他の相溶性薬物もしくは化合物と併用で投与することもでき、これは、そのような併用が、本明細書に記載する方法の所望の効果の達成に望ましいまたは有利であると思われる場合である。随伴投与とは、それらの化合物の同じ剤形での同時投与、別々の剤形での同時投与、およびそれらの化合物の別々の投与を意味する。
放出調節製剤の製造方法
当業者に認識されているであろうように、ならびに関連テキストおよび文献に記載されているように、様々な薬物放出プロフィールをもたらす薬物含有錠剤、ビーズ、顆粒または粒子の作製に多数の方法を利用することができる。そのような方法としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:適切なコーティング材料(しかし、一般に、必ずしもポリマー材料が組み込まれているとは限らない)での薬物または薬物含有組成物のコーティング、薬物粒径の増大、マトリックス内への薬物の配置、および適する複合体形成剤での薬物の複合体の形成。
徐放性錠剤を作製するために好ましい方法は、直接ブレンドを用いて作製した薬物含有ブレンド、例えば顆粒のブレンド、の圧縮、湿式造粒、または乾式造粒プロセスによる方法である。徐放性錠剤は、適する水溶性滑沢剤を含有する湿性材料で開始して、圧縮するのではなく成型することもできる。しかし、錠剤は、好ましくは、成型ではなく圧縮を用いて製造される。徐放性薬物含有ブレンドを形成するための好ましい方法は、薬物粒子を1つ以上の賦形剤、例えば希釈剤(または充填剤)、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤および着色剤、と直接混合する方法である。直接ブレンド法の代案として、湿式造粒または乾式造粒プロセスを用いることにより、薬物含有ブレンドを作製することができる。一般には分散液から始める、多数の従来技術のうちのいずれか1つにより、活性薬剤を含有するビーズも作製することができる。例えば、薬物含有ビーズを作製するための典型的な方法は、製薬用賦形剤、例えばポリビニルピロリドン、メチルセルロース、タルク、ステアリン酸金属塩、二酸化ケイ素、可塑剤など、を含有するコーティング用懸濁液または溶液に活性薬剤を分散または溶解することを含む。その混合物を使用して、およそ60〜20メッシュのサイズを有する糖球(すなわち、いわゆる「ノンパレイユ」)などのビーズコアをコーティングする。
薬物ビーズを作製するための代替手順は、薬物を1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤、例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、セルロース、ポリビニルピロリドン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、崩壊剤などとブレンドし、そのブレンドを押出し、その押出物を球状化し、乾燥させ、場合によってはコーティングして、即放性ビーズを形成することによる手順である。
治療方法、使用、ならびに使用のための組成物および化合物
もう1つの態様において、本発明は、治療有効量のRPPXを投与することによる神経変性疾患の治療方法を提供する。この実施形態に従って、RPPXを、1つ以上の薬学的に許容可能な担体と併せることにより、放出調節医薬または治療用組成物として調合することができる。実施形態は、経口的に、好ましくは、固体経口用量として、およびさらに好ましくは、カプセルまたは錠剤であり得る固体経口用量として投与することができる放出調節医薬または治療用組成物を含む。好ましい実施形態において、前記放出調節医薬または治療用組成物は、経口投与経路で使用するための錠剤またはカプセル形態で調合される。そのような製剤中の非活性成分の組成物および量は、その活性成分の量に、ならびにその錠剤またはカプセルのサイズおよび形状に依存し得る。当業者はそのようなパラメータを容易に認識および理解することができる。前記治療有効量のRPPXは、酸化ストレスの阻害剤、脂質過酸化の阻害剤として、または酸素ラジカルの解毒において、または細胞死経路の阻害剤として有効であり得る。
一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記投薬量は、10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、好ましくは約300mg〜約1,500mg、またはさらに好ましくは約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、約450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、約450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または約450mg〜約1,000mg、であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの治療有効量は、約600mg〜約900mgである。
前記実施形態は、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%およびさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。好ましい実施形態において、前記プラミペキソールのR(+)エナンチオマーについてのキラル純度は、100%であり得る。
さらなる態様において、本発明は、RPPXの約50mg〜約5,000mgの1日用量を患者に投与することを含む、その必要がある患者において急性神経変性疾患を治療する方法をさらに提供する。一部の実施形態において、本発明は、患者における急性神経変性疾患を治療する方法において使用するための薬物を調製するための、RPPXの約50mg〜約5,000mgの1日あたりの投薬量の使用を提供する。もう1つの態様において、本発明は、患者における急性神経変性疾患を治療する方法において使用するための、RPPXの約50mg〜約5,000mgの1日量投薬量を提供する。
一部の実施形態において、前記急性神経変性疾患は、発作、神経外傷、急性代謝機能不全、脳性発作の後遺症、てんかん重積状態、および急性脳炎から選択される。
一部の実施形態において、前記患者は、ナイーブ患者である。
一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記1日用量は、10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日当たりの投薬量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、または約500mg〜約1,000mgであり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日当たりの投薬量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、約450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、約450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または約450mg〜約1,000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの1日辺りの投薬量は、約600mg〜約900mgである。一部の実施形態において、前記1日あたりの投薬量は、RPPX約500mg〜約1,000mgである。一部の実施形態において、前記1日あたりの投薬量は、RPPX約50mg〜約5,000mgである。一部の実施形態において、前記1日あたりの投薬量は、RPPX約100mg〜約3,000mgである。一部の実施形態において、前記1日あたりの投薬量は、RPPX約200mg〜約3,000mgである。一部の実施形態において、前記1日あたりの投薬量は、RPPX約300mg〜約1,500mgである。一部の実施形態において、前記1日あたりの投薬量は、RPPX約500mg〜約1,000mgである。
一部の実施形態において、前記RPPXのキラル純度は、99.5%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXのキラル純度は、99.6%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXのキラル純度は、99.7%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXのキラル純度は、99.8%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXのキラル純度は、99.9%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXのキラル純度は、99.95%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXのキラル純度は、99.99%以上である。
一部の実施形態において、前記1日あたりの投薬量は、PPXの無毒性量をさらに含む。一部の実施形態において、PPXの有効性観察不能投与量は、1日あたり4.5mg未満、1.5mg未満、または0.15mg未満である。
一部の実施形態において、前記1日あたりの投薬量は、PPXの非有効投薬量をさらに含む。一部の実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、1日あたり1.0mgの総用量を超えない量である。一部の実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、0.75mg/日、0.5mg/日、0.25mg/日、または0.125mg/日の総用量を超えない量である。一部の実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、0.125mg/日の総用量を超えない。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約100mg〜約3,000mgであり、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約200mg〜約3,000mgであり、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約300mg〜約1,500mgであり、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約500mg〜約1,000mgであり、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約100mg〜3,000mgであり、該1日用量は、PPX約0.05mg未満をさらに含む。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約200mg〜3,000mgであり、該1日用量は、PPX約0.05mg未満をさらに含む。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約300mg〜1,500mgであり、該1日用量は、PPX約0.05mg未満をさらに含む。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約500mg〜1,000mgであり、該1日用量は、PPX約0.05mg未満をさらに含む。
もう1つの実施形態において、本明細書に記載する方法実施形態のそれぞれにおけるRPPXは、放出調節薬学的組成物として投与される。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、錠剤である。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、カプセルである。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体を含む。
簡潔のために本明細書に別々に記載する、本発明の方法に関する疾病状態、患者のタイプ(ナイーブタイプ対ナイーブでないタイプ)、1日用量、無毒性量投与量、非有効投与量およびキラル純度についての実施形態は、任意の適する組み合わせで結び付けることができる。これらの方法について本明細書に記載する任意の実施形態は、急性神経変性疾患を治療する方法おいて使用するための薬物の調製におけるRPPXの使用にも、または急性神経変性疾患を治療する方法において使用するためのRPPXの日用量に関しても用いることができる。
さらなる態様において、本発明は、RPPXの約50mg〜約5,000mgの1日用量を患者に投与することを含む、その必要がある患者において慢性神経変性疾患を治療する方法をさらに提供する。一部の実施形態において、本発明は、患者における慢性神経変性疾患を治療する方法において使用するための薬物を調製するための、RPPXの約50mg〜約5,000mgの1日用量の使用を提供する。一部の実施形態において、本発明は、患者における慢性神経変性疾患を治療する方法において使用するための、RPPXの約50mg〜約5,000mgの1日用量を提供する。
一部の実施形態において、慢性神経変性疾患は、原発性神経変性疾患、ハンチントン舞踏病、代謝誘発型神経障害、アルツハイマー型老年性認知症、加齢性認知機能障害、血管性認知症、多発梗塞性認知症、レヴィ小体認知症、神経変性認知症、神経変性運動障害、運動失調症、フリードライヒ運動失調症、多発性硬化症、脊髄性筋萎縮症、原発性側索硬化症、発作障害、運動ニューロン障害または疾患、炎症性脱髄疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、肝性脳症、および慢性脳炎から選択される。
一部の実施形態において、前記患者は、ナイーブ患者である。
一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約0.01mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日、約1,000mg/kg/日〜約10,000mg/kg/日、または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約3mg/kg/日〜約50mg/kg/日であり得る。一部の実施形態において、前記1日用量は、10mg/日〜1,500mg/日、さらに好ましくは100mg/日〜600mg/日であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、約300mg〜約1,500mg、または約500mg〜約1,000mgである。一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、約450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、または約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、約450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、約450mg〜約1,000mg、である。一部の実施形態において、前記RPPXの1日用量は、約600mg〜約900mgである。一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約500mg〜約1,000mgである。一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約50mg〜約5,000mgである。一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約100mg〜約3,000mgである。一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約200mg〜約3,000mgである。一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約300mg〜約1,500mgである。一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約500mg〜約1,000mgである。
一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.5%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.6%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.7%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.8%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.9%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.99%以上である。
一部の実施形態において、前記1日用量は、PPXの無毒性量をさらに含む。一部の実施形態において、PPXの有効性観察不能投与量は、1日あたり4.5mg未満、1.5mg未満、または0.15mg未満である。
一部の実施形態において、前記1日あたりの投薬量は、PPXの非有効投与量をさらに含む。一部の実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、1日あたり1.0mgの総用量を超えない量である。一部の実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、0.75mg/日、0.5mg/日、0.25mg/日、または0.125mg/日の総用量を超えない量である。一部の実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、0.125mg/日の総用量を超えない。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約100mg〜約3,000mgであり、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約200mg〜約3,000mgであり、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約300mg〜約1,500mgであり、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約500mg〜約1,000mgであり、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約100mg〜3,000mgであり、該1日用量は、PPX約0.05mg未満をさらに含む。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約200mg〜3,000mgであり、該1日用量は、PPX約0.05mg未満をさらに含む。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約300mg〜1,500mgであり、該1日用量は、PPX約0.05mg未満をさらに含む。
本発明の方法の一部の実施形態において、前記1日用量は、RPPX約500mg〜1,000mgであり、該1日用量は、PPX約0.05mg未満をさらに含む。
もう1つの実施形態において、本明細書に記載する方法実施形態のそれぞれにおけるRPPXは、放出調節薬学的組成物として投与される。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、錠剤である。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、カプセルである。一部の実施形態において、前記放出調節薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体を含む。
簡潔のために本明細書に別々に記載する、本発明の方法に関する疾病状態、患者のタイプ(ナイーブタイプ対ナイーブでないタイプ)、1日用量、無毒性量投与量、非有効投与量およびキラル純度についての実施形態は、任意の適する組み合わせで結び付けることができる。これらの方法について本明細書に記載する任意の実施形態は、急性神経変性疾患を治療する方法において使用するための薬物の調製におけるRPPXの使用にも、または急性神経変性疾患を治療する方法において使用するためのRPPXの日用量に関しても用いることができる。
キット
もう1つの態様において、本発明は、RPPXを含む1つ以上の放出調節薬学的組成物と該1つ以上の薬学的組成物の投与または処方のための説示とを含むキットを提供し、該説示は、RPPXの少なくとも約50mg〜約5,000mgの開始日用量を投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。加えて、一部の実施形態において、本発明は、本明細書に記載する組成物についての任意の前の実施形態またはそれらの組み合わせによる1つ以上の放出調節薬学的組成物と該1つ以上の放出調節薬学的組成物の投与または処方のための説示とを含むキットを提供し、該説示は、 本明細書に記載する方法の実施形態またはそれらの任意の組み合わせに従って前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。
本発明のキットは、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.6%、好ましくは少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%、好ましくは少なくとも99.9%、好ましくは少なくとも99.95%およびさらに好ましくは少なくとも99.99%というRPPXについてのキラル純度を有することができる。一部の実施形態において、前記プラミペキソールのR(+)エナンチオマーについてのキラル純度は、100%であり得る。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.9%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.95%以上である。一部の実施形態において、前記RPPXについてのキラル純度は、99.99%以上である。
一部の実施形態において、前記説示は、約0.1mg/kg/日〜約1,000mg/kg/日または約1mg/kg/日〜約100mg/kg/日のRPPXの開始日用量を投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。一部の実施形態において、前記説示は、約3mg/kg/日〜約70mg/kg/日のRPPXの開始日用量を投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。一部の実施形態において、前記説示は、約7mg/kg/日〜約40mg/kg/日のRPPXの開始日用量を投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。一部の実施形態において、前記説示は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約3,000mg、好ましくは約300mg〜約1,500mg、またはさらに好ましくは約500mg〜約1,000mgのRPPXの開始日用量を投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。一部の実施形態において、前記説示は、約50mg〜約5,000mg、約100mg〜約5,000mg、約200mg〜約5,000mg、約250mg〜約5,000mg、約300mg〜約5,000mg、約400mg〜約5,000mg、約450mg〜約5,000mg、約200mg〜約3,000mg、約250mg〜約3,000mg、約300mg〜約3,000mg、約400mg〜約3,000mg、約450mg〜約3,000mg、約100mg〜約1,000mg、約200mg〜約1,000mg、約250mg〜約1,000mg、約300mg〜約1,000mg、約400mg〜約1,000mg、約600mg〜約1,000mg、または約450mg〜約1,000mgのRPPXの開始日用量を投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。一部の実施形態において、前記RPPXの1日あたりの開始投与量は、約600mg〜約900mgである。
一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約100mg〜約3,000mgの開始日用量を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約200mg〜約3,000mgの開始日用量を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。一部の実施形態において、前記説示は、約300mg〜約1,500mgのRPPXを患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。一部の実施形態において、前記説示は、約500mg〜約1,000mgのRPPXを患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。
一部の実施形態において、前記用法は、PPXの非有効投与量の投与をさらにもたらす。一部の実施形態において、前記PPXの非有効投与量は、1.0mg/日の総用量を超えない量である。さらに好ましい実施形態において、前記PPXの非有効用量は、0.75mg/日、0.5mg/日、0.25mg/日、および好ましくは0.125mg/日の総用量を超えない量である。一部の実施形態において、前記非有効投与量は、PPX約0.125mg未満である。
一部の実施形態において、前記用法は、PPXの無有害作用レベル(NOAEL)用量の投与をさらにもたらす。一部の実施形態において、PPXの用量の有効性観察不能投与量は、4.5mg未満、好ましくは1.5mg未満、またはさらに好ましくは0.15mg未満であり得る。一部の実施形態において、前記無毒性量投与量は、1日あたり約0.05mg未満である。もう1つの好ましい実施形態において、前記PPXのNOAEL投与量は、単位用量あたり0.0007mg/kgを超えない量である。一部の実施形態において、前記用法は、1日あたり約4.5未満のドーパミン作動活性当量の投与をさらにもたらす。一部の実施形態において、前記用法は、1日あたり約1.5未満のドーパミン作動活性当量の投与をさらにもたらす。一部の実施形態において、前記用法は、1日あたり約0.15未満のドーパミン作動活性当量の投与をさらにもたらす。
一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約100mg〜3,000mgの開始日用量を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含み;前記RPPXのキラル純度は、99.95%以上である。
一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約200mg〜3,000mgの開始日用量を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含み;前記RPPXのキラル純度は、99.95%以上である。
一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約300mg〜1,500mgの開始日用量を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含み;前記RPPXのキラル純度は、99.95%以上である。
一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約500mg〜1,000mgの開始日用量を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含み;前記RPPXのキラル純度は、99.95%以上である。
一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約100mg〜3,000mgの開始日用量およびPPX0.05mg未満を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。
一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約200mg〜3,000mgの開始日用量およびPPX0.05mg未満を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。
一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約300mg〜1,500mgの開始日用量およびPPX0.05mg未満を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。
一部の実施形態において、前記説示は、RPPXの約500mg〜1,000mgの開始日用量およびPPX0.05mg未満を患者に投与する結果となるために十分な量の前記1つ以上の放出調節薬学的組成物を投与または処方するための用法を含む。
本発明の放出調節医薬または治療用組成物は、単一単位用量として、または多数の単位用量として、大量に調製、包装、販売することができる。本組成物は、経口投与、眼科的投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、髄内投与、髄腔内投与、脳室内投与、経皮投与、皮下投与、腹腔内投与、膀胱内投与、鼻腔内投与、経腸投与、局所投与、舌下投与または直腸内投与することができる。本発明の放出調節組成物は、経口的に、好ましくは固体経口用量として、およびさらに好ましくは、カプセルまたは錠剤であり得る固体経口用量として投与することができる。一部の実施形態において、本発明の放出調節組成物は、経口投与用の錠剤として調合することができる。
本発明の化合物は、それらが活性である任意の経路によって従来の手法で投与することができる。投与は、全身投与、局所投与または経口投与であり得る。例えば、投与は、非経口投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、経皮投与、経口投与、口腔内投与、または眼経路での投与、または経膣投与、膀胱内投与、吸入による投与、蓄積注射による投与、またはインプラントによる投与であり得るが、これらに限定されない。従って、(単独での、または他の医薬と併用での)本発明の化合物についての投与方式は、舌下投与方式、注射可能な投与方式(皮下または筋肉内注射される短時間作用性、デポー、インプラントおよびペレット形態を含む)、または膣用クリーム、坐剤、ペッサリー、膣リング、肛門坐剤、子宮内器具ならびに経皮形態、例えばパッチおよびクリーム、の使用による投与方式であり得るが、これらに限定されない。
その必要がある患者に投与することができるRPPXの用量は、1日あたり約0.1mg/kgと1日あたり約1,000mg/kgの間の範囲であり得る。投与経路としては、経口経路、舌下経路、経皮経路、直腸内経路、または任意の利用可能な非経口経路を挙げることができる。その必要がある患者に投与する投薬量および投薬のタイミングは、通常の当業者に理解および認識されていることであろう。用量および治療期間は変わることがあり、それらは、ニューロンおよび非ニューロン組織の改善のモニタリングおよび測定に基づく通常の当業者による評定に基づき得る。この評定は、筋肉制御増加などの改善の外面的身体的徴候に基づいて行われる場合もあり、または内面的生理的徴候もしくはマーカーに基づいて行われる場合もある。用量は、治療する状態または疾病、治療する状態または疾病の程度、ならびにさらに患者の年齢および体重にも依存し得る。
具体的な投与方式は、適応症に依存するであろう。臨床家は、最適な臨床反応を得るために、その臨床家が知っている方法に従ってその具体的な投与経路および投与レジメンの選択を調整して、または用量漸増することができる。投与する化合物の量は、治療的に有効である量であり得る。投与する投薬量は、治療する被験者の特徴、例えば、治療する特定の動物またはヒト被験者、年齢、体重、健康状態、もしあれば同時治療のタイプ、および治療の頻度に依存し得、当業者(例えば、臨床家)はそれを容易に決めることができる。
本発明の放出調節組成物の好適な投与経路は、経口経路であり得るが、より好適な経路は、錠剤、カプセル、ロゼンジなどの形態でのものである。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、経口投与用の錠剤として調合することができる。錠剤は、1つ以上の補助材料を場合によっては用いて、圧縮または成型によって作ることができる。圧縮錠剤は、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、潤滑剤、界面活性剤または分散剤と場合によっては混合した易流動性形態、例えば錠剤または顆粒、の活性成分を適する機械で圧縮することによって調製することができる。圧縮錠剤は、不活性希釈液で湿らせた粉末化合物の混合物を適する機械で成型することによって作ることができる。
錠剤は、未コーティングであってもよいし、または場合によっては、胃腸管内での崩壊または吸収を遅らせて、それによって長期間にわたって持続作用をもたらすために、コーティングしてもよい。前記コーティングは、(例えば、制御放出製剤を獲得するために)所定のパターンで活性化合物を放出することに適している場合もあり、または胃の通過後まで活性化合物を放出しないことに適している場合もある(腸溶コーティング)。前記コーティングは、糖衣であってもよいし、フィルムコーティング(例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリレートコポリマー、ポリエチレングリコールおよび/もしくはポリビニルピロリドンに基づくもの)であってもよいし、または腸溶コーティング(例えば、メタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、シェラックおよび/もしくはエチルセルロースに基づくもの)であってもよい。さらに、例えばモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンのような、時間遅延材料(time delay material)を利用してもよい。前記固体錠剤組成物は、望ましくない化学変化(例えば、活性薬物の放出前の化学分解)からその組成物を守ることに適したコーティングを含む場合がある。
本発明の化合物および適する担体を含有する放出調節医薬製剤は、本発明のポリマーまたはコポリマーの有効量を含む、任意の数の固体剤形(錠剤、カプセル、カシェ剤、ペレット、ピル、粉末および顆粒が挙げられるが、これらに限定されない);局所剤形(溶液、粉末、乳濁液、懸濁液、半固体、軟膏、ペースト、クリーム、ゲルおよびゼリー、ならびに発泡体が挙げられるが、これらに限定されない);および非経口剤形(溶液、懸濁液、エマルジョンおよび乾燥粉末が挙げられるが、これらに限定されない)であってもよい。そのような製剤に、活性成分を、薬学的に許容可能な希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、疎水性ビヒクル、水溶性ビヒクル、乳化剤、緩衝液、保湿剤、モイスチャー、可溶化剤、保存薬などと共に含めることができることも公知である。投与の手段および方法は、当該技術分野において公知であり、当業者は、ガイダンス用の様々な薬理学の参考文献を参照することができる。例えば、Modern Pharmaceutics,Banker & Rhodes,Marcel Dekker,Inc.(1979);およびGoodman & Gilman’s The Pharmaceutical Basis of Therapeutics,6th Edition, MacMillan Publishing Co.,New York(1980)を調べることができる。
本発明の化合物は、注射による、例えば大量瞬時注射または持続注入による、非経口投与用に調合することができる。約15分〜約24時間の期間にわたって持続注入により本化合物を投与することができる。注射用の製剤は、保存薬を添加した、例えばアンプル内または多回投与用容器内の、単位剤形で提供することができる。本放出調節組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンのような形態をとる場合もあり、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの調合剤を含有する場合もある。
経口投与のために、前記化合物は、これらの化合物と当該技術分野において周知の薬学的に許容可能な担体とを併せることによって容易に調合することができる。そのような担体によって、本発明の化合物を、治療を受ける患者が経口摂取するための錠剤、ピル、糖衣丸、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして調合することができる。経口使用のための医薬製剤は、固体賦形剤を添加し、結果として得られた混合物を場合によっては粉砕し、所望される場合には適する助剤を添加した後にその顆粒混合物を加工して、錠剤または糖衣丸コアを得ることにより、得ることができる。適する賦形剤としては、充填剤、例えば、糖(ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトールが挙げられるが、これらに限定されない);セルロース調製品、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、馬鈴薯デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびポリビニルピロリドン(PVP)(しかし、これらに限定されない)が挙げられるが、それらに限定されない。所望される場合には、崩壊剤、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天もしくはアルギン酸またはそれらの塩、例えばアルギン酸ナトリウム(しかし、これらに限定されない)を添加してもよい。
糖衣丸コアに適するコーティングを施すことができる。このために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液ならびに適する有機溶媒または溶媒混合物を場合によっては含有することがある濃縮糖溶液を使用することができる。識別のために、または活性化合物の種々の組み合わせを特性を表すために、染料または色素を錠剤または糖衣丸コーティングに添加してもよい。
経口使用できる医薬製剤としては、ゼラチン製のプッシュ−フィットカプセル、ならびにゼラチンと可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールで作られた密封カプセルが挙げられるが、これらに限定されない。プッシュ−フィットカプセルは、例えばラクトースなどの充填剤、例えばデンプンなどの結合剤、および/または例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および場合によっては安定剤との混合物で、活性成分を含有し得る。ソフトカプセルの場合、活性成分を適する液体、例えば、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁させることができる。加えて、安定剤を添加してもよい。経口投与用のすべての製剤が、そのような投与に適する投薬量で存在しなければならない。
口腔内または舌下投与の場合に、本組成物は、任意の従来の手法で調合された錠剤、フラッシュメルトまたはロゼンジの形態をとることができる。
吸入による投与の場合、本発明に従って使用するための化合物は、適する噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適するガスを使用して、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー押し出しの形態で適便に送達される。加圧エアロゾルの場合、計量された量を送達するための弁を設けることにより、投薬単位を決めることができる。本化合物と適する粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプン、の粉末混合物を含有する、例えば吸入器または注入器で使用するためのゼラチンの、カプセルおよびカートリッジを計画することができる。
本発明の化合物は、例えばカカオ脂または他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含有する、坐剤または停留浣腸などの直腸用組成物に調合することもできる。
前に記載した製剤に加えて、本発明の化合物は、デポー製剤として調合することもできる。そのような長時間作用性製剤は、移植(例えば、皮下にもしくは筋肉内に)によってまたは筋肉内注射によって投与することができる。蓄積注射は、約1〜約6ヶ月またはそれより長い間隔で注射することができる。従って、例えば、本化合物を、適するポリマーもしくは疎水性材料を用いて(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂を用いて、あるいはあまり可溶性でない誘導体として、例えばあまり可溶性でない塩として調合することができる。
経皮投与の場合、本発明の化合物を、例えば、プラスターに塗布することができ、または経皮的、治療システムによって塗布することができ、その結果としてそれらは生物に供給される。
本化合物の医薬および治療用組成物は、適する固体またはゲル相担体または賦形剤を含む場合もある。そのような担体または賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリマー(例えば、ポリエチレングリコールなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、他の活性成分、例えば、アジュバント、プロテアーゼ阻害剤、または他の相溶性薬物もしくは化合物と併用で投与することもでき、これは、そのような併用が、本明細書に記載する方法の所望の効果の達成に望ましいまたは有利であると思われる場合である。
(R)−およびPPXの調製
プラミペキソールの調製のためのプロセスは、Grissらの米国特許第4,843,086号および米国特許第4,886,812号に記載されている(これらのそれぞれはその全体が参照により本明細書に取り込まれている)。本発明のRPPXは、2007年3月14日に出願された「Methods of Synthesizing and Purifying R(+) and (S)−pramipexole」と題する米国特許同時係属仮出願第60/894,829号、および2007年3月14日に出願された「Methods of Enantiomerically Purifying Chiral Compounds」と題する米国特許仮出願第60/894,814号およびこれと共に同時に出願された_______________に記載されている(これらはそれら全体が参照により本明細書に取り込まれている)。具体的には、二分子求核置換(SN2)反応を用いて、R(+)エナンチオマーについてキラル的に純粋である調製品を製造することができる。ジアミン、2,6ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール、を極性溶媒中でスルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルと反応させて、ワンポット合成スキームで不溶性プラミペキソール塩を生成する。その2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩反応生成物は、反応物より高い化学純度および増された光学純度を呈示し、これは、その反応混合物の極性溶媒への2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩の限られた溶解性に起因し得る。従って、その反応混合物からのその最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール合成生成物の精製は、揮発性溶媒、例えばアルコールまたはヘプタン、中での沈殿した2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの単純なトリチュレーションおよび洗浄、その後の真空乾燥を含む。
一部の実施形態において、前記RPPXは、有機溶媒に式2,6ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾールのジアミンを溶解すること、そのジアミンとスルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルとを、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩を生成し沈殿させるために十分な条件下で反応させること、およびその2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩を回収することによって調製される。好ましい実施形態において、前記スルホン酸プロピルは、トシル酸プロピルである。さらなる実施形態において、前記ハロゲン化プロピルは、臭化プロピルである。このプロセスの2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩反応生成物は、反応物より高い化学純度および増された光学純度を呈示する。理論に拘束されるつもりはないが、この増された光学純度は、その反応混合物中の極性溶媒への2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩反応生成物の限られた溶解性に起因し得る。従って、その反応混合物からのその最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール反応生成物の精製は、揮発性溶媒、例えばアルコールまたはヘプタン、中での沈殿した2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの単純なトリチュレーションおよび洗浄、その後の真空乾燥を含む。
このプロセルの実施形態において、前記ジアミンはR(+)ジアミンである場合もあり、またはR(+)ジアミンとSジアミンの混合物である場合もある。最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩の化学純度は、少なくとも約97%以上、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上であり得る。このプロセスを用いて生成される2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のR(+)エナンチオマーは、少なくとも55%の光学純度、好ましくは70%の光学純度、およびさらに好ましくは90%より高い光学純度であり得る出発ジアミンから生成される。最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物を、99.6%以上の光学純度、99.7%以上の光学純度、好ましくは99.8%以上の光学純度、およびさらに好ましくは99.9%以上の光学純度、99.95%以上の光学純度、99.99%以上の光学純度に濃縮することができる。一部の実施形態において、前記光学純度は、100%であり得る。
前記プロセスの実施形態において、有機溶媒は、極性非プロトン溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、またはヘキサメチルリン酸トリアミドであり得る。前記有機溶媒は、低分子量アルコール、例えば、エタノール、1−プロパノール、またはn−ブタノールであってもよい。さらに、前記有機溶媒は、極性非プロトン溶媒と低分子量アルコールの任意の組み合わせであってもよい。前記有機溶媒は、約0〜約10容量パーセントの含水量を有し得る。好ましくは、本発明の実施の際に使用する溶媒は、標準ACSグレード溶媒である。さらに、前記スルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルは、前記ジアミンの約1.0〜約2.0モル当量で添加することができる。
前記プロセスのさらなる実施形態において、前記2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩を生成し沈殿させるために十分な条件は、その溶解したジアミンを高温で加熱すること、スルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピル(これは、ジ−イソプロピルエチルアミンおよび有機溶媒に溶解されていることがある)を添加して混合物を形成すること、およびその混合物を約4時間攪拌することを含む場合がある。あるいは、ジ−イソプロピルエチルアミンをそのジアミンと共に反応物に添加してもよく、スルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルを有機溶媒に溶解して混合物を形成してもよく、それを約4時間にわたって攪拌しながらその反応物に添加してもよい。
この実施形態において、前記反応物の高温は、その反応物の沸騰温度より下、具体的にはその反応混合物の有機溶媒(単数または複数)の沸騰温度より下であり得る。前記高温は、約125℃より低い、好ましくは約100℃より低い、およびさらに好ましくは約95℃より低い場合がある。前記反応に必要な時間は、反応物、溶媒系の素性および選択される温度によって変わり得る。
代替実施形態において、前記2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩を生成し沈殿させるために十分な条件は、有機溶媒としてジメチルホルムアミドを使用すること、溶解したジアミンを高温で加熱すること、ジメチルホルムアミドに溶解されているスルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルを添加して混合物を形成すること、およびその混合物を約4時間攪拌することを含む場合がある。前記反応物の高温は、その反応物の沸騰温度より下、具体的には、その反応混合物中の有機溶媒(単数または複数)の沸騰温度より下であり得る。前記高温は、約125℃より低い、好ましくは約100℃より低い、およびさらに好ましくは約75℃より低い場合がある。前記反応に必要な時間は、反応物、溶媒系の素性および選択される温度によって変わり得る。
好ましい代替実施形態において、前記2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩を生成し沈殿させるために十分な条件は、ジメチルホルムアミドを溶媒として使用すること、およびその溶解したジアミンを高温で加熱することを含む。ジメチルホルムアミド(好ましくは、10容量)に溶解したスルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピル(好ましくは、1.25モル当量)とジ−イソプロピルエチルアミン(好ましくは、1.25モル当量)の混合物をその加熱したジアミンに約4時間にわたって加熱しながら添加する。あるいは、ジ−イソプロピルエチルアミンをそのジアミンと共に反応物に添加してもよく、スルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルをジメチルホルムアミドに溶解して混合物を形成してもよく、それを約4時間攪拌しながらその反応物に添加してもよい。前記反応物の高温は、その反応物の沸騰温度より下、具体的には、その反応混合物中の有機溶媒(単数または複数)の沸騰温度より下であり得る。前記高温は、約125℃より低い、好ましくは約100℃より低い、およびさらに好ましくは約65℃より低い場合がある。前記反応に必要な時間は、反応物、溶媒系の素性および選択される温度によって変わり得る。
前記プロセスの実施形態は、ほぼ室温、約25℃、の温度に反応物を冷却すること、およびその反応物を約2時間攪拌することをさらに含む。前記プロセスは、その反応物を濾過して固体沈殿物を単離すること、その沈殿物をアルコールで洗浄すること、およびその沈殿物を真空下で乾燥させることをさらに含む場合がある。このプロセスの2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩反応生成物は、反応物より増された光学純度を呈示することができる。
あるいは、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールスルホン酸塩またはハロゲン化物塩を、約0℃〜約5℃の温度で、アルコールなどの有機溶媒中の濃HClと反応させてもよい。メチルt−ブチルエーテル(MTBE)などの有機溶媒を添加してもよく、その反応物をさらなる時間にわたって攪拌してもよい。そのRPPX二塩酸塩生成物を濾過によってその反応混合物から回収し、アルコールで洗浄し、真空乾燥させてもよい。
表7および実施例において条件Aと呼ばれる前記プロセスの実施形態において、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物を生成するために十分であり得る反応条件は、式IIの溶解したジアミンを継続的に攪拌しながら高温に加熱することをさらに含む場合がある。前記高温は、好ましくは、選択した有機溶媒の融点未満であり、約125℃より低く、好ましくは約100℃より低く、およびさらに好ましくは約95℃である。ジ−イソプロピルエチルアミンおよび有機溶媒に溶解して混合物を形成しているスルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルの溶液を、数時間かけてゆっくりと添加する。その後、この反応混合物を、例えば約4時間などのさらなる期間にわたってその温度で攪拌してもよい。その反応に必要な時間は、反応物および溶媒系の素性、ならびに選択された温度によって変わることがあり、当業者には理解されるであろう。
代替実施形態では、ジ−イソプロピルエチルアミンをそのジアミンと共に反応物に添加してもよく、スルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルを有機溶媒に添加して混合物を形成してもよく、それを数時間にわたって攪拌しながらその反応物に添加してもよい。その後、この反応混合物を例えば少なくとも4時間などのさらなる期間にわたってその温度で攪拌してもよい。その反応を完了まで進めるために必要な時間は、反応物および溶媒系の素性、ならびに選択された温度によって変わることがあり、当業者には理解されるであろう。
表7において条件Bと呼ばれるプロセスの代替実施形態において、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物を生成するために十分である反応条件は、ジメチルホルムアミドを有機溶媒として使用すること、および式IIの溶解したジアミンを継続的に攪拌しながら高温に加熱することを含む場合がある。前記高温は、好ましくは、選択した有機溶媒の融点未満であり、約125℃より低く、好ましくは約100℃より低く、およびさらに好ましくは約75℃である。ジメチルホルムアミドに溶解されているスルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルの溶液を、数時間かけてゆっくりと添加してもよい。その後、この反応混合物を、例えば約4時間などのさらなる期間にわたってその温度で攪拌してもよい。その反応を完了まで進めるために必要な時間は、反応物および溶媒系の素性、ならびに選択された温度によって変わることがあり、当業者には理解されるであろう。
表7において条件Cと呼ばれる、好ましい代替実施形態において、前記反応は、前記ジアミンの溶解用の有機溶媒としてジメチルホルムアミドを使用することを含む。その後、式IIのジアミンを継続的に攪拌しながら高温に加熱してもよい。前記高温は、好ましくは、選択した有機溶媒の融点未満であり、約125℃より低く、好ましくは約100℃より低く、およびさらに好ましくは約65℃である。スルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルの溶液(好ましくは約1.25モル当量)を、ジメチルホルムアミド(好ましくは、約10容量)およびジ−イソプロピルエチルアミン(好ましくは、約1.25モル当量)に溶解して、混合物を形成してもよい。この混合物を、加熱されたジアミンに、数時間かけてゆっくりと添加してもよい。その後、この反応混合物を、例えば約4時間などのさらなる期間にわたってその温度で攪拌してもよい。あるいは、ジ−イソプロピルエチルアミンをそのジアミンと共にその反応物に添加してもよく、ならびにスルホン酸プロピルまたはハロゲン化プロピルをジメチルホルムアミドに溶解して混合物を形成してもよく、それを数時間にわたって攪拌しながらその反応物に添加してもよい。その後、この反応混合物を、例えば約4時間などのさらなる期間にわたってその温度で攪拌してもよい。その反応を完了まで進めるために必要な時間は、反応物および溶媒系の素性、ならびに選択された温度によって変わることがあり、当業者には理解されるであろう。
最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物の精製は、上で開示した反応物を約25℃の温度に冷却すること、および例えば約2時間などの期間にわたってそのそれらの反応物を攪拌することを含む場合がある。前記精製は、その反応物を濾過して固体沈殿物を単離すること、その沈殿物をアルコールで洗浄すること、およびその沈殿物を真空下で乾燥させることをさらに含む場合がある。その反応の最終生成物を、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、化学およびキラル純度について分析することができる。
さらに、1H NMRおよび13C NMRを使用して、その生成物2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを確認することができる。本開示の実施形態である幾つかの条件のそれぞれを用いる合成例の結果を表7に列挙する。本開示の条件AおよびCを用いる2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの幾つかの合成例を実施例5〜7において詳述する。
2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのスルホン酸塩またはハロゲン化物塩は、エタノール中のHClの濃厚溶液を用いてHCl塩に転化させることができる。p−TSA 2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩をエタノールなどのアルコールに再び溶解し、その混合物を継続的に攪拌しながら約0℃と約5℃の間に冷却してもよい。その後、濃HCl、続いてメチルt−ブチルエーテル(MTBE)などの溶媒を添加してもよく、その混合物を1時間、約0℃と約5℃の間で攪拌してもよい。その後、その反応混合物を濾過し、MTBE/アルコール溶液で洗浄し、真空下で乾燥させてもよい。その最終生成物は、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール二塩酸塩である。この合成の詳細な例は、実施例8において見つけることができる。
2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのスルホン酸塩またはハロゲン化物塩のHCl塩への転化のための代替法は、HClと酢酸イソプロピル(IPAC)の濃厚溶液の使用を含む。2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのスルホン酸塩またはハロゲン化物塩をIPACに吸収させ、15℃に冷却してもよい。HCl(ガス)でそのスラリーを約1時間バブリングしてもよく、その後、その混物を濾過し、IPACで洗浄し、真空下、室温で乾燥させて、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール二塩酸塩を生じさせてもよい。この合成の詳細な例は、実施例9において見つけることができる。
あるいは、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのスルホン酸塩またはハロゲン化物塩を、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの遊離塩基形態に転化させることができる。p−TSA 2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩をジクロロメタン(DCM)および水に溶解してもよい。その後、結果として生ずる溶液を、NaOHを使用して、約11−12のpHにしてもよい。二相を生成することができ、その水性相をDCMで抽出し、硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させ、Celite(登録商標)で濾過し、濃縮してもよい。その濃縮残留物をMTBEに再び溶解し、スラリーとして数時間攪拌してもよい。その後、固体を濾過し、MTBEで洗浄し、真空下、約35℃の温度で乾燥させてもよい。その最終生成物は、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール遊離塩基である。この合成の詳細な例は、実施例10において見つけることができる。
あるいは、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのスルホン酸塩またはハロゲン化物塩を、第二のプロセスによって2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの遊離塩基形態に転化させることができる。この第二のプロセスでは、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのp−TSA塩を水に溶解し、約10℃の温度に冷却する。このスラリーをNaOHの添加によって塩基性化し、ブラインで希釈し、DCM中で数回抽出する。その後、併せた有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させる。この合成の詳細な例は、実施例11において見つけることができる。
2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの遊離塩基形態は、IPAC中の2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール遊離塩基の冷却溶液をHClガスでバブリングすることによって、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール二塩酸塩に転化させることができる。あるいは、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの遊離塩基形態は、室温で一晩、濃HClと混合することによって、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール二塩酸塩に転化させることができる。上述の合成スキームの詳細な例は、それぞれ実施例12および13において見つけることができる。
あるいは、その2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの遊離塩基形態を、2モル当量のフマル酸の添加によって、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールフマル酸塩に転化させることができる。
RPPXとPPXの混合物からエナンチオマー的に純粋な材料を調製するための代替プロセスは、酸添加、および結果として生ずるアキラル塩溶液へのエナンチオマー(R(+)およびS(−))の不溶性に基づくエナンチオマー的に純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのトリチュレーション(沈殿)の使用を含む。このプロセルの実施形態では、エナンチオマー的に純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを、結果として生ずるアキラル塩試薬へのそれらのエナンチオマーの不溶性に基づいて、酸添加溶液からトリチュレートする。この実施形態、エナンチオマー的に純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを調製するためのプロセス、は、エナンチオマー的に濃縮された2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを高温で有機溶媒に溶解すること、選択された酸を添加すること、その反応物を室温に冷却すること、冷却された反応物を室温で長期間攪拌すること、およびエナンチオマー的に純粋なRPPXを回収することを含む。好ましい実施形態において、前記選択された酸は、エナンチオマー濃縮された2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの約1モル当量〜約2モル当量で添加することができる。
前記プロセスの実施形態において、前記選択された酸は、p−トルエンスルホン酸(p−TSA)であり、前記有機溶媒は、エタノールである。前記プロセスのもう1つの実施形態において、前記高温は、約65℃〜約85℃であり得、前記冷却は、1時間につき約25℃の速度で行われる。前記高温は、125℃より低い、好ましくは100℃より低い、およびさらに好ましくは約75℃より低い温度であってもよい。この反応に必要な時間は、反応物、溶媒系の素性、および選択される温度によって変わることがあり、当業者はそれを容易に認識することができる。前記プロセスのさらにもう1つの実施形態において、エナンチオマー純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの回収は、その反応物を約25℃の温度に冷却すること、その反応物を少なくとも約2時間攪拌することを含む。前記回収は、その反応物を濾過して固体沈殿物を単離すること、その沈殿物をアルコールで洗浄すること、およびその沈殿物を真空下で乾燥させることをさらに含む場合がある。
前記プロセスの様々な実施形態における有機溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、エタノール、酢酸エチル、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピルおよびイソプロピルアルコールを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、エタノールである。酸としては、ハロゲン酸、例えば、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸およびヨウ化水素酸など;無機酸、例えば、硝酸、過塩素酸、硫酸およびリン酸など;有機酸、例えば、スルホン酸(メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸)、酢酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、粘液酸、パモ酸、パントテン酸、シュウ酸およびマレイン酸など;ならびにアミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸を挙げることができるが、これらに限定されない。前記酸は、一塩基酸または二塩基酸、例えば、二ハロゲン化水素酸、二硫酸、二リン酸または二有機酸であり得る。すべての場合、前記酸は、アキラル試薬として使用され、これは、本開示の生成物の特定の光学異性体との相互作用または該光学異性体の沈殿についての任意の予想されるまたは公知の優先性に基づいて選択されない。好ましい実施形態において、選択される酸は、p−トルエンスルホン酸である。
前記プロセスの実施形態において、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのR(+)エナンチオマーについての最終キラル純度は、その出発混合物が、R(+)エナンチオマーについて少なくとも55%の光学純度、好ましくはR(+)エナンチオマーについて少なくとも80%の光学純度、好ましくはR(+)エナンチオマーについて少なくとも85%光学的に純粋、さらに好ましくはR(+)エナンチオマーについて少なくとも90%光学的に純粋、および最も好ましくはR(+)エナンチオマーについて少なくとも95%光学的に純粋である2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを含有するとき、99%より高くなり得る。2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のS(−)エナンチオマーについての最終キラル純度は、その出発混合物が、S(−)エナンチオマーについて少なくとも55%光学的に純粋、好ましくはS(−)エナンチオマーについて少なくとも80%光学的に純粋、好ましくはS(−)エナンチオマーについて少なくとも85%光学的に純粋、さらに好ましくはS(−)エナンチオマーについて少なくとも90%光学的に純粋、および最も好ましくはS(−)エナンチオマーについて少なくとも95%光学的に純粋である2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを含有するとき、99%より高くなり得る。最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のキラル純度は、好ましくは99.6%以上、99.7%以上、好ましくは99.8%以上、および少なくとも99.9%以上であり得る。一部の実施形態において、前記最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のキラル純度は、100%であり得る。
実施形態では、エナンチオマー的に濃縮された2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを高温の有機溶媒に溶解し、前記酸を添加した後、その反応物を約25℃/時の速度で室温に冷却する場合がある。その後、その反応物を少なくとも約2時間攪拌し、その反応物を濾過して固体沈殿物を単離し、その沈殿物をアルコールで洗浄し、その沈殿物を真空下で乾燥させることによって、反応溶液からエナンチオマー的に純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを回収することができる。冷却速度および追加の攪拌に必要な時間は、選択される有機溶媒および酸によって変わることがあり、当業者は容易にそれを認識することができる。加えて、それらの反応容量が、最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物の光学的精製度および総合的収量を左右する場合がある。これらの容量は、当業者に理解および認識されていることだろう。本発明の実施を可能にする具体的な時間、温度および容量の例を実施例に与える。
実施形態において、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩生成物のR(+)エナンチオマーについてのキラル純度は、その出発2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール混合物のR(+)エナンチオマーについてのキラル純度が、55%より高い、好ましくは70%より高い、またはさらに好ましくは90%より高いとき、99%より高くなり得る。最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のキラル純度は、99.6%以上、99.7%以上、好ましくは99.8%以上、およびさらに好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.95%以上、さらにいっそう好ましくは99.99%以上であり得る。一部の実施形態において、その最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のキラル純度は、100%であり得る。
キラル的に純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールは、また、酸の添加によるRPPXとPPXの混合物からの2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの単一エナンチオマーのトリチュレーションプロセスにより、結果として生ずるアキラル塩溶液へのそれらのエナンチオマーの不溶性に基づいて、調製することができる。前記プロセスは、エナンチオマー的に濃縮された2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを高温の有機溶媒に溶解すること、約1.05モル当量〜約2.05モル当量の選択された酸を添加すること、その反応物を室温に冷却すること、冷却された反応物を室温で長期間攪拌すること、およびエナンチオマー的に純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを回収することを含む。
実施形態において、前記反応物の高温とは、その反応物の沸騰温度より下、具体的には、その反応混合物の有機溶媒(単数または複数)の沸騰温度より下であり得る。前記高温は、約125℃より低い、さらに好ましくは約100℃より低い、およびさらに好ましくは約75℃より低い場合がある。前記反応に必要な時間は、それらの反応物、溶媒系の素性および選択される温度によって変わる場合があり、当業者に認識されているだろう。
実施形態において、前記有機溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、エタノール、酢酸エチル、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピルおよびイソプロピルアルコールを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、エタノールである。この実施形態における酸としては、ハロゲン酸、例えば、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸およびヨウ化水素酸など;無機酸、例えば、硝酸、過塩素酸、硫酸およびリン酸など;有機酸、例えば、スルホン酸(メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸)、酢酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、粘液酸、パモ酸、パントテン酸、シュウ酸およびマレイン酸など;ならびにアミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸を挙げることができるが、これらに限定されない。前記酸は、一塩基酸または二塩基酸、例えば、二ハロゲン化水素酸、二硫酸、二リン酸または二有機酸であり得る。すべての場合、前記酸は、アキラル試薬として使用され、これは、本開示の生成物の特定の光学異性体との相互作用または該光学異性体の沈殿についての任意の予想されるまたは公知の優先性に基づいて選択されない。好ましい実施形態において、選択される酸は、p−トルエンスルホン酸である。
追加の実施形態では、エナンチオマー的に濃縮された2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを高温の有機溶媒に溶解し、前記酸を添加した後、その反応物を約25℃/時の速度で室温に冷却する場合がある。その後、その反応物を少なくとも約2時間攪拌し、その反応物を濾過して固体沈殿物を単離し、その沈殿物をアルコールで洗浄し、その沈殿物を真空下で乾燥させることによって、キラル的に純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを回収することができる。冷却速度および追加の攪拌に必要な時間は、選択される有機溶媒および酸によって変わることがあり、当業者は容易にそれを認識することができる。加えて、それらの反応容量が、最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物の光学的精製度および総合的収量を左右する場合がある。これらの容量は、当業者に理解および認識されていることだろう。本発明の実施を可能にする具体的な時間、温度および容量の例を実施例に与える。
実施形態において、回収される2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のR(+)エナンチオマーについてのキラル純度は、その出発2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール材料が、55%より高い、好ましくは70%より高い、またはさらに好ましくは90%より高いキラル純度を有するとき、99%より高くなり得る。最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のR(+)エナンチオマーについてのキラル純度は、99.6%以上、99.7%以上、好ましくは99.8%以上、およびさらに好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.95%以上、さらにいっそう好ましくは99.99%以上であり得る。最も好ましい実施形態において、前記最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のR(+)エナンチオマーについてのキラル純度は、100%であり得る。
前記プロセスは、高温の有機溶媒にエナンチオマー的に濃縮された2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを溶解すること、約1.05当量〜約2.05当量の選択された塩を添加すること、その反応物を室温に冷却すること、冷却された反応物を室温で長期間攪拌すること、および式Iのエナンチオマー的に純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを回収することを含む場合がある。
前記プロセスの実施形態において、前記選択された酸は、p−トルエンスルホン酸(p−TSA)であり、前記有機溶媒は、エタノールである。前記プロセスのもう1つの実施形態において、前記高温は、約65℃〜約85℃であり得、前記冷却は、1時間につき約25℃の速度で行われる。前記高温は、125℃より低い、好ましくは100℃より低い、およびさらに好ましくは約75℃より低い温度であってもよい。この反応に必要な時間は、反応物、溶媒系の素性、および選択される温度によって変わることがあり、当業者はそれを容易に認識することができる。前記プロセスのさらにもう1つの実施形態において、エナンチオマー純粋な2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの回収は、その反応物を約25℃の温度に冷却すること、その反応物を少なくとも約2時間攪拌することを含む。前記回収は、その反応物を濾過して固体沈殿物を単離すること、その沈殿物をアルコールで洗浄すること、およびその沈殿物を真空下で乾燥させることをさらに含む場合がある。
前記プロセスの様々な実施形態における有機溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、エタノール、酢酸エチル、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピルおよびイソプロピルアルコールを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、エタノールである。酸としては、ハロゲン酸、例えば、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸およびヨウ化水素酸など;無機酸、例えば、硝酸、過塩素酸、硫酸およびリン酸など;有機酸、例えば、スルホン酸(メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸)、酢酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、粘液酸、パモ酸、パントテン酸、シュウ酸およびマレイン酸など;ならびにアミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸を挙げることができるが、これらに限定されない。前記酸は、一塩基酸または二塩基酸、例えば、二ハロゲン化水素酸、二硫酸、二リン酸または二有機酸であり得る。すべての場合、前記酸は、アキラル試薬として使用され、これは、本開示の生成物の特定の光学異性体との相互作用または該光学異性体の沈殿についての任意の予想されるまたは公知の優先性に基づいて選択されない。好ましい実施形態において、選択される酸は、p−トルエンスルホン酸である。
前記プロセスの実施形態において、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのR(+)エナンチオマーについての最終キラル純度は、その出発混合物が、R(+)エナンチオマーについて少なくとも55%の光学純度、好ましくはR(+)エナンチオマーについて少なくとも80%の光学純度、好ましくはR(+)エナンチオマーについて少なくとも85%光学的に純粋、さらに好ましくはR(+)エナンチオマーについて少なくとも90%光学的に純粋、および最も好ましくはR(+)エナンチオマーについて少なくとも95%光学的に純粋である2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを含有するとき、99%より高くなり得る。2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のS(−)エナンチオマーについての最終キラル純度は、その出発混合物が、S(−)エナンチオマーについて少なくとも55%光学的に純粋、好ましくはS(−)エナンチオマーについて少なくとも80%光学的に純粋、好ましくはS(−)エナンチオマーについて少なくとも85%光学的に純粋、さらに好ましくはS(−)エナンチオマーについて少なくとも90%光学的に純粋、および最も好ましくはS(−)エナンチオマーについて少なくとも95%光学的に純粋である2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを含有するとき、99%より高くなり得る。最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のキラル純度は、好ましくは99.6%以上、99.7%以上、好ましくは99.8%以上、および少なくとも99.9%以上であり得る。さらに好ましい実施形態において、最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール塩のキラル純度は、100%であり得る。
本開示の実施形態である幾つかの条件のそれぞれを用いる精製例の結果を表8に列挙する。
RPPXの調製品の化学およびキラル純度は、少なくともHPLC、13C−NMR、1H−NMRおよびFTIRで証明することができる。好ましい実施形態では、エナンチオマー的に純粋な材料を生じさせる、上で説明した方法によって、RPPXを合成することができる。あるいは、2007に年3月14日に出願された「Methods of Synthesizing and Purifying R(+) and (S)−pramipexole」と題する米国特許同時係属仮出願第60/894,829号および2007年3月14日に出願だれた「Methods of Enantiomerically Purifying Chiral Compounds」と題する米国特許仮出願第60/894,814号(これらは、それら全体が参照により本明細書に取り込まれている)に開示されている精製スキームを用いて、RPPXとPPXの混合物からRPPXを精製することができる。
説明として、また、理論に拘束されることを望まないが、合成および精製プロセスのトリチュレーション段階におけるRPPXおよびPPXの溶解度は、同じである場合がある。例として、90グラムのR(+)ジアミンおよび10グラムのS(−)ジアミンを用いて合成プロセスを行い、その最終2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物の溶解度が、いずれかのエナンチオマーについて10グラムである場合には、80グラムのRPPX生成物および0グラムのPPX生成物が沈殿するであろう(前記ジアミンからの100%の化学転化率、および2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物になる間に分子量変化がないことを仮定)。すなわち、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのそれぞれのエナンチオマー10グラムが、溶液になると予想することができる。これは、R(+)エナンチオマーについて100%のキラル純度を有する2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物をもたらすであろう。前記合成プロセスについて反対の出発原料比(90グラムのS(−)ジアミンと10グラムのR(+)ジアミン)は、90gグラムのPPXと10グラムのRPPXとの反応生成物を生じさせ得る。この反応生成物混合物から、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの80グラムのS(−)エナンチオマーおよび0グラムのR(+)エナンチオマーが沈殿して、S(−)エナンチオマーについて100%のキラル純度を有する2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物をもたらすと予想されよう。この考えられる実験において、反応に用いられる容量が最終的な収量およびキラル純度に対して大きな潜在的影響を及ぼし得ることは想像できる。すなわち、容量が多すぎると、より多くの2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールエナンチオマー生成物が溶液になるであろうから、収量は減少する(しかし、キラル純度は上昇する)であろうし、容量が少なすぎると、溶液になる2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールがより少ないであろうから、収量は増加する(しかし、キラル純度は減少する)であろう。
本開示の方法を用いて獲得できる反応容量および光学純度の実際の限界をより良く規定するために、出発ジアミン材料についての様々なキラル純度比を試験した。表9に示すように、次の出発R(+)およびS(−)ジアミン比:80:20、20:80、85:15、15:85、90:10、10:90、95:5および5:95を用いて、合成および精製プロセスを試験した。加えて、反応容量または反応後回収段階のいずれかを変えた3つの特定の反応条件を試験した。これらの試行は、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのエナンチオマーが、本明細書に開示する合成プロセスの様々な実施形態に利用される有機溶媒に等しく不溶性(または可溶性)であることを明示した。
表9のデータは、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの両方のエナンチオマーが、同じでなかったとしても類似した溶解度を有することを明示している。さらに、これらのデータは、この合成が、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのいずれのエナンチオマーにとっても等しく効率的であることを示している。これらのデータは、これらのエナンチオマーが、一方のエナンチオマーが他方の溶液中の濃度による影響を受けないようである点で、互いに独立して挙動することも明示している。例えば、条件Cを用いて行った様々な合成反応は、すべて、出発原料の主ジアミンエナンチオマーの百分率に依存せず、約50%の化学収量を有する。その合成反応に使用した有機溶媒の容量を増加させると、化学的収量は減少されるが、キラル収量は増加される。これは条件CおよびDで行った反応の比較によって明白であり、条件CおよびDでは、85:15のR(+):S(−)ジアミンが、その反応に10容量の有機溶媒が使われたときにはR(+)エナンチオマーについて86.8%のキラル純度、およびその反応に18容量の有機溶媒が使われたときにはR(+)エナンチオマーについて99.8%のキラル純度を有する2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールを生成させた。使用する有機溶媒の用量が大きいほど、反応における化学収量が減少されたことにも留意すること(条件Cでの収量43%、および条件Dでの収量36%)。
表9において、条件Eは、回収段階にMTBEでの希釈が組み込まれていないことを除き、条件Cと同じである。MTBEは、合成反応からの2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの回収率(収量)を増加させることが観察されるが、総合的キラル純度を減少させ得る。85:15のR(+):S(−)ジアミン比で行った試行についての結果の比較がこの証拠となる。当該試行では、反応がMTBE有機溶媒を含んでいたときにはR(+)について86.8%のキラル純度、および反応がMTBE有機溶媒を含まなかったときにはR(+)エナンチオマーについて99.9%のキラル純度を有する2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾール生成物を生成させた。回収段階にMTBE希釈を含めないことによって化学収量は減少された;条件Eにおける収量39%に対して条件Cにおける収量43%。
上の方法のいずれかによって調製したキラル的に純粋なRPPXをRPPXの薬学的に許容可能な塩に転化させることができる。例えば、RPPX二塩酸塩は、その高い水溶性のため、好ましい製薬学的塩である。RPPX二塩酸塩は、RPPX、またはRPPX塩、を低温でアルコールなどの有機溶媒中の濃HClと反応させることを含む一段法で、RPPXの他の塩から調製することができる。一部の実施形態において、前記低温は、約0℃〜約5℃の温度である。メチルt−ブチルエーテルなどの有機溶媒を添加してもよいし、反応物をさらなる時間攪拌してもよい。そのRPPX二塩酸塩生成物を濾過によってその反応混合物から回収し、アルコールで洗浄し、真空乾燥させてもよい。
RPPXまたはその薬学的に許容可能な塩の製造および精製のための本明細書に開示する方法のそれぞれを、工業規模の量および収量をもたらすように規模を変えて、高い化学およびキラル純度を有する生成物を供給することができる。一部の実施形態において、前記エナンチオマー的に純粋なRPPXは、大規模な製薬用途の必要に見合うように求められることがあれば、大きなバッチ量で製造することができる。
以下の非限定的実施例を参照して、本発明の様々な態様を例証する。
実施例
実施例1 2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのR(+)およびS(−)エナンチオマーについてのドーパミン受容体親和性の測定。
2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのS(−)エナンチオマーは、歴史的にD2(SアイソフォームとLアイソフォームの両方)、D3およびD4受容体に対する高親和性ドーパミン受容体リガンドとして特製付けされているが、D3受容体サブタイプに対して最も高い親和性が見られる。機関紙刊行物からのPPXおよびRPPXのドーパミン受容体リガンド親和性は、表にされている(データを表10に複写する)。それぞれの試験または実験を行った条件はわずかに異なり、また、異なる放射性リガンドを使用したが、データは、様々なドーパミン受容体に対して同等の親和性を示している。本発明者らが2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのS(−)およびR(+)エナンチオマーのドーパミン受容体親和性に関して行った試験も表10に示す。これらのデータは、すべてのドーパミン受容体に対する2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの2つのエナンチオマーの親和性の予想外に大きな差を明示している。表10は、文献から得られるようなD2受容体親和性について予想される10−20倍の結合親和性差、およびD3受容体親和性についての50倍の結合親和性差ではなく、本発明者らが見出した値のほうが、概して10倍高かった(それぞれ、290倍および649倍)。
RPPXおよびPPXは、製造業者AMRIによって本発明者らの関係研究パートナーCerepに乾燥粉末として供給されたものである。RPPXおよびPPXの溶液は、DMSO中の保存溶液から調製した。RPPXまたはPPXの8つの濃度(0.01nM、0.1nM、1nM、10nM、100nM、1mM、10mMおよび100mM)を用いて標準対照放射性標識ドーパミンアゴニストを置換した。選択したヒトクローン化ドーパミン受容体(D2S、D3)を発現する細胞系列において、これらの濃度を試験した。文献中の以前の研究および本発明者らのデータは、D1およびD5ドーパミン受容体との有意な相互作用を明示しなかった。RPPXまたはPPXとそれぞれの受容体の相互作用についての結果群を表10にIC50として表示する。
これらのデータは、これらの受容体に関するRPPXのIC50値が、PPXについてのIC50値のおよそ290〜649倍であることを示している。さらに、これらのデータは、少なくともキラル純度が検出限界(LOD 0.05%)を超えたとき(99.95%より高いキラル純度)、D2受容体に関するRPPXについてのIC50値のPPXについてのIC50値に対する比率が、文献によって提案されている比より約14〜32倍大きいことを示唆している。類似して、これらのデータは、少なくともキラル純度が検出限界を超えたとき(99.95%より高いキラル純度)、D3受容体に関するRPPXについてのIC50値のPPXについてのIC50値に対する比率が、文献によって提案されている比よりおよそ13倍大きいことを示唆している。これらのデータは、ドーパミン受容体親和性が、S(−)エナンチオマーの用量許容度を制限する主寄与因子である場合には、R(+)エナンチオマーの純粋な調製品は、S(−)エナンチオマーのMTDおよび/またはNOAELより少なくとも290倍多い最大耐用量(MTD)および/または無毒性量(NOAEL)用量を有するはずであることも示唆している。従って、0.5%以下ほどもの低いレベルのS(−)エナンチオマーによる本発明のRPPX組成物の小さな汚染でさえ、観察されるMTDおよびNOELに影響を及ぼし得る。
実施例2 イヌにおけるR(+)およびS(−)エナンチオマーの100%純粋なIR調製品ならび混合物(R 99.5%/S 0.5%)についてのMTDおよびNOAELを決定するためのインビボ試験。RPPXの形態は、RPPX二塩酸塩一水和物であった。
R(+)およびS(−)エナンチオマーについての受容体結合親和性の大きな実測差が、それら2つのエナンチオマーの実測細大耐用量(MTD)および/または無毒性量(NOAEL)の大きな実測差につながるという仮説を検証するために、ビーグル犬での以下のインビボ試験を企てた。高精製化合物として調製したそれぞれのエナンチオマーのIR調製品((分析検出可能限界の範囲内で)100%純粋な調製品)、または0.5%のS(−)エナンチオマーによって汚染されているR(+)エナンチオマーの調製品を犬に投与した。
非ナイーブ雄ビーグル犬4匹の3群をこの試験では使用した。高精製化合物として調製したR(+)もしくはS(−)エナンチオマーのいずれか、または2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールの0.5%のS(−)エナンチオマーによって汚染されているR(+)エナンチオマーの調製品の様々な用量をそれぞれの群に投与した。強制栄養法によって用量を経口投与し、投与後、臨床観察値を継続的に取った:最初の4時間は1時間ごと、その後、投与間または投与後の間の期間に1日2回のケージ側面から観察。臨床徴候、死亡率、損傷、ならびに食餌および水利用率の観察を行った。投与前24時間、犬を絶食させた。それぞれの群の犬を1つだけの薬物または組み合わせ暴露した。それぞれの用量を1回だけ投与し、4日の回復期間後に後続の用量を投与した。データを表11にまとめる。
非ナイーブ犬に投与したとき、R(+)エナンチオマーについて25mg/kgの投与レベルでNOAELが確認され、一方、75mg/kgの投与レベルを非ナイーブ犬におけるMTDと見なすことができる。S(−)エナンチオマーの場合、0.00125mg/kgのNOAELおよび0.0075mg/kgのMTDを非ナイーブ犬において見出した。2つのエナンチオマーの混合物(99.5% RPPXおよび0.5% PPX)を含有する組成物の場合、NOAELは、S(−)エナンチオマーの00125mg/kgの用量に対応する0.25mg/kgであると判明し、一方、MTDは、S(−)エナンチオマーの0.0075mg/kgの用量に対応する1.5mg/kgである。これらのデータは、非ナイーブ犬において2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのR(+)エナンチオマーについてのNOAELが、S(−)エナンチオマーについてのものよりおよそ20,000倍大きく、一方、MTDは、約10,000倍多いことを示している。
表11に示したデータは、確認された受容体親和性(表10参照)が、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのR(+)およびS(−)エナンチオマーについてのMTDおよびNOAELの実測差に直接的に寄与することを示している。これらのデータは、PPXの有害副作用を避けるために、本発明の組成物の実施形態におけるプラミペキソールのR(+)エナンチオマーについてのキラル純度(表5および6参照)が、最終総用量に依存して、99.9%を超える必要があり得ることも示している。
さらに、表11のデータは、併用組成物(99.5%RPPXおよび0.5%PPX)についてのNOAELおよびMTDをその組成物中のS(−)エナンチオマーの用量によって直接決めることができることを明示している。従って、PPXによるRPPXの組成物の小さな(わずかな百分率)汚染が、その組成物のMTDおよびNOELを減少させ得る。例えば、この実験において、プラミペキソールのMTDは、R(+)エナンチオマーについての75mg/kgから混合組成物の1.5mg/kgの総用量に減少され(50分の1)、NOAELは、25mg/kgから0.25mg/kgにそれぞれ減少された(100分の1)。MTDおよびNOAELにおけるこのシフトは、その混合物中の2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(プロピルアミノ)ベンゾチアゾールのS(−)エナンチオマーの用量によって予測できるので、任意の未知混合物についてのシフトを、PPXについてのMTDおよびNOAELを基準にしたPPXによるRPPXの汚染率に基づいて計算することができる。これは、PPXでのRPPX投与溶液の一切の汚染が、用量許容度のこれらの指標に対して無視できない影響を及ぼすであろうことを示している。
実施例3.1−ラットおよびミニブタにおける毒性試験および健常成人ボランティアにおける第I相試験。ラットおよびミニブタにおいてRPPXの2週間および3ヶ月毒性試験を終えた。ラットについては2週間で150mg/kgおよび3ヶ月で100mg/kg、ならびにミニブタについては2週間で75mg/kgおよび3ヶ月で50mg/kgのNOAEL投与レベルが確認された。健常成人ボランティアの第I相試験は、RPPXが、4と1/2日間に1日あたりの単回用量を300mgまでおよび多回用量を200mgまで上昇した場合、安全であり、十分に許容されることを明示した。Mirapex(登録商標)ラベルには、0.125mgの開始用量および4.5mgの最大総日用量が明記されている。従って、これらの第I相データは、(1)Mirapex(登録商標)開始用量より少なくとも2400倍高い開始用量で、および(2)Mirapex(登録商標)の最高推奨用量より少なくとも44倍高い定常状態用量で、RPPXを安全に投与できることを明示している。このRPPXの形態は、RPPX二塩酸塩一水和物であった。
前記臨床試験および毒性試験の予備的結果を論じる。ラット、ミニブタおよびヒトにおける定常状態での暴露は、試験したすべての用量にわたって線形である。3ヶ月の投与後、ラットにおける現無毒性量(NOAEL)を100mg/kgであると判定し;ミニブタにおける現NOAELを50mg/kgであると判定した。100mg/kgのNOAEL用量でのラットにおける平均定常状態AUCは、雄および雌についてそれぞれ61,299および61,484時*ng/mLであり、ミニブタについては50mg/kgのNOAELで、雄および雌についてそれぞれ91,812および131,731時*ng/mLであった。100mg Q12Hの用量(200mgの総日用量)でのヒトにおける平均定常状態AUCは、2,574時*ng/mLであった。この薬物は、300mgまでの単回投与量および100mg Q12Hまでの多回投与量で健常成人被験者において安全であり、十分に許容され、臨床的に有意な有害事象がなかった。250mg Q12Hの日用量を伴う計画ヒト暴露は、13週間の投与後、雄ミニブタではNOAELで見られる暴露より13倍を超えて低く、雄および雌ラットではNOAELで見られる暴露よりおよそ9倍低いと予想される。
3.2−臨床試験。健常な成人ボランティアにおいて、4と1/2間、50、150および300mgの単回IR日用量ならびに50および100mgの1日2回のIR用量で、RPPXを試験した。この薬物は、両方の試験において安全であり、十分に許容され、いずれの試験においても、重篤有害事象、有害事象に起因する中止、ならびに用量に関連したおよび臨床的に重大な有害事象は無かった。最も多い有害事象は、浮遊性めまいおよび頭痛であったが、これらのすべてが軽度から中等度の重症度であり、介入なしに解消された。
3.2.1 − RPPXの(盲検)安全性および薬物動態の結果の概要(単回用量上昇試験)。8人の被験者の3つの逐次パネルそれぞれが、50、150および300mgの上昇するIR投与レベルでRPPXの単回用量(6人の被験者)またはプラシーボの単回用量(2人の被験者)を受けた。安全性観察事項は、生命徴候、身体検査、臨床検査、ECG、および有害事象の報告を含んだ。血液および尿サンプルを投与前および投与後72時間、回収して、薬物動態を評定した。24人すべての被験者がこの試験を計画通りに完了した。重篤有害事象は無かった;全被験者の46%が、少なくとも1つの非重篤有害事象(AE)を報告した。大部分のAEは軽度であり;最も多いAEは、被験者の21%における軽度の浮遊性めまいであった。いずれの投与レベルでも臨床的に有意な安全性観察事項はなかった。
薬物動態データは、RPPXが急速に吸収され、50、150および300mg用量群について投与後約2時間の時点でそれぞれ125、360および781ng/mLの平均最大濃度に達したことを示した(下の図1および表12参照)。平均暴露(AUC0−∞)は、50、150および300mg用量群についてそれぞれ1254、3815および8623時*ng/mLであった。CmaxとAUCの両方が、試験した投与レベルすべてにわたって用量に比例して増加した。不変薬物の尿中排泄が、投与レベルすべてにわたって薬物除去のおよそ70%を占めた。平均T1/2は、6−7時間であり、用量に依存しなかった。高脂肪/高カロリー朝食後の単回150mg投与後の平均血漿中濃度(図2)および平均薬物動態パラメータ(表12)と、絶食条件下での150mg投与後のものの比較によって、RPPXの吸収および除去に対して食餌の影響が本質的に無いことが立証される。
この試験の結果は、50、150および300mgのRPPXの単回IR経口用量が安全であり、十分に許容されることを明示している。この薬物は、経口で生物学的に利用可能であり、薬物動態は、線形である。吸収および除去は、高脂肪/高カロリー食による影響を受けない。
3.2.2−RPPXの(盲検)安全性および薬物動態の結果の概要(多回用量上昇試験)。この試験は、進行中であり、治療割り当てに関して未だ開鍵されておらず、臨床観察事項および薬物動態データのみを最初の2つのパネルに利用できる。今日までに、8人の被験者の2つの逐次パネルが、IR RPPX(6人の被験者)またはプラシーボ(2人の被験者)の多回用量を受けるために登録した。第一のパネルに50mgの単回IR用量を投与し、48時間後、50mg Q12時間での4と1/2日の多回IR投与(1日2回)を続けた。第二のパネルには100mgの単回IR用量を投与し、48時間後、100mg Q12時間での4と1/2日の多回IR投与(1日2回)を続けた。安全性観察事項は、生命徴候、身体検査、臨床検査、ECG、および有害事象の報告を含んだ。第一日の投与前および投与後48時間、逐次的に血液サンプルを採取して、単回用量薬物動態を評定した。第5、6および7日の投与前に血液サンプルを採取して、定常状態を達成したことを確認し、第7日の投与後72時間にわたって逐次的に血液サンプルを採取して、RPPXの定常状態薬物動態を評定した。尿サンプルを第7日の投与後12時間採取して、尿中排泄を評定した。
今日まで登録した16人すべての被験者が計画通りこの試験を完了した。この試験中に、死亡、重篤有害事象の報告、および有害事象のための中止は無かった。両方の投与レベルが十分に許容された。コホート1では、2人の被験者によって報告された中等度頭痛を除き、すべての有害事象の強度は軽度であった。コホート2では、1人の被験者で報告された中等度「背部硬直」および中等度血管迷走神経反応を除き、すべての有害事象の強度は軽度であった。コホート1(50mgコホート)において投与した8人の被験者のうちの1人およびコホート2(100mgコホート)において投与した8人の被験者のうちの2人について、(血圧の変化を伴わない)起立時心拍数に関する無症状性で軽度の増加が治験責任医師により報告された。いずれの投与レベルでも臨床的に有意な安全性観察事項は無かった。
薬物動態データを表13および図3に示す。50mg Q12Hを受けた被験者の場合、第1日から第7日までにCmaxおよびAUC(0−12)がそれぞれ37%および40%増加したが、Tmaxは本質的に変わらなかった。50mg Q12H用量群についての第7日における平均暴露AUC(0−12)は、1449時*ng/mLであった。100mg Q12Hを受けた被験者については、第1日から第7日までにCmaxおよびAUC(0−12)がそれぞれ24%および38%増加したが、Tmaxは本質的に変わらなかった。100mg Q12H用量群についての第7日における平均暴露AUC(0−12)は、2465時*ng/mLであった。この試験の結果は、1日2回投与される50および100mgのRPPXの多回経口用量が、安全であり、十分に許容されることを明示している。この薬物は、経口で生物学的に利用可能であり、薬物動態は定常状態で線形であり、有意な蓄積はない。
3.3−毒性試験。ラットにおける2週間反復投与毒性試験において、動物は、14日間、RPPXの50、150および500mg/kgのIR用量を受けた。RPPXは、500mg/kgの高用量で死亡の原因となり、最終的に犠牲にするまで生き残った動物では両方の性別に関して体重増加量および摂食量の統計学的に有意な変化が観察された。いずれの用量でも病理組織学的試験によりターゲット器官毒性は確認されなかった。ラットにおけるこの2週間試験についてのNOAELは、150mg/kgであると判定した。この試験後、3ヶ月および6ヶ月の反復投与毒性試験を30、100および300mg/kgの用量で終えた。3ヶ月試験の結果は、病理組織学的試験により最高用量(300mg/kg)では多少のターゲット器官毒性を含み、高用量ラットでのおよそ2分間続く数回の痙攣発生を除き、試験品に関連した死は無く、有意な臨床観察事項も無かった。動物の健康状態は、これらの痙攣による別様の有害作用を受けるようは見えなかった。試験品に関連した顕微鏡的変化が、肝臓(総ビリルビン増加に相関する最小グレードの胆汁うっ滞)、回腸小腸(最小グレードの石灰化)、および胸腺(対照と比較して低い胸腺重量群と相関する最小グレードのリンパ系枯渇)において観察された。ラットにおける3ヶ月試験についてのNOAELは、100mg/kgであると考えられる。100mg/kgのNOAEL用量での第13週における全身暴露(AUC0−最後)は、雄において61,299時*ng/mLおよび雌において61,484時*ng/mLであった。6ヶ月毒性試験の生存期を最近終え、病理組織学的試験中である。いずれの投与レベルでも13週での犠牲と26週での犠牲の間に死亡は無かった。
ミニブタにおける2週間反復投与毒性試験において、動物は、14日間、RPPXの7.5、25および75mg/kgのIR用量を受けた。いずれの用量でも病理組織学的試験によりターゲット器官毒性は確認されなかった。臨床観察事項は、唾液分泌過多、活動減少、嘔吐および食欲不振を含み、嘔吐の発生率は、雄より雌において、および主として75mg/kg群において高かった。75mg/kgでの嘔吐の発生(75mg/kgで投与した8匹の動物のうちの5匹において少なくとも1回のエピソード)は、この用量が、ミニブタにおける慢性投与についてのRPPXに対する許容度の限界に近いことを示唆していた。試験品に関連した毒性変化が高用量で観察されなかったので、この2週間試験についてのNOAELは、75mg/kg以上であると考えられた。この試験に基づき、ミニブタにおけるRPPXの3ヶ月、6ヶ月および9ヶ月反復投与試験を7.5、25および75mg/kgの投与レベルで開始した。第2ヶ月において、75mg/kgレベルでの死亡率のため、投与レベルを7.5、25および50mg/kgに減少させた。7.5、25および50mg/kg投薬レベルでの3ヶ月および6ヶ月反復投与試験を終え、9ヶ月反復投与試験は進行中である。3ヶ月の暴露後に動物を犠牲にした後、病理組織学的試験により、いずれの投与レベルにおいてもターゲット器官毒性は確認されなかった。ミニブタにおける3ヶ月試験についてのNOAELは、50mg/kgであると考えられる。50mg/kg/日のNOAEL用量での第13週における全身暴露(AUC0−24)は、雄において91,812時*ng/mLであり、雌において131,731時*ng/mLであった。ミニブタにおける6ヶ月毒性試験の生存相を最近終え、病理組織学的試験中である。13週での犠牲と26週での犠牲の間にいずれの投与レベルにおいても試験品に起因する死亡または有意な臨床観察事項は無かった。ミニブタにおいて進行中の9ヶ月毒性試験は、現在、第7ヶ月を過ぎたところであり、試験品に起因する死または有意な臨床観察事項はいずれの投与レベルにおいても発生していない。
3.4.ヒトへの投薬。ALSの治療薬としてのRPPXの開発は、ヒトでの試験からの許容性もしくは安全性データからまたは動物毒性試験の結果から得られた、最大耐用量戦略に基づく。今日までに、ヒトにおいて用量制限許容度観察事項は無い。従って、ヒトにおける投薬を進めるために、ラットおよびミニブタにおいて毒性が観察された暴露を綿密に試験する必要がある。今日までの得られた薬物動態データは、ヒトにおける薬物動態が、より高い用量では用量に比例し続けるであろうこと、および蓄積率が一定であろうことを示唆している。ラットおよびミニブタにおける3ヶ月毒性試験からの安全性および毒物動態の結果は、ラットでは100mg/kgおよびミニブタでは50mg/kgまでの慢性投薬に有害作用がないことを示している。従って、ミニブタについてのNOAELとヒト暴露計画の間のRPPX暴露の安全限度の分析よって、ヒトにおいて少なくとも500mgまでの総日用量の進行が裏づけられる。250mg Q12Hとして投与される500mgの総日用量でのRPPXの計画定常状態暴露は、約7,000時*ng/mLであり、これは、13週間の投与後、雄ミニブタにおいてNOAELで見られる暴露より13倍を超えて低く、雄および雌ラットにおいてNOAELで見られる暴露よりおよそ9倍低い。
図4および5は、ヒトと比較した、ラットおよびミニブタそれぞれについての暴露対用量のプロットである。それぞれのグラフは、2週間評価と13週間評価の両方においてそれぞれの種に投与したすべての投与レベルでの、AUC(時*ng/mL)によって表される暴露と体表面積(mg/m2)によって表される用量との関係を表示するものである。エラーバーを伴う個々のデータ点は、平均±SDである。両方のチャートの底部の断続水平線は、250mg Q12Hでのヒトにおける外挿定常状態AUC(7,000*ng/mL)を示す。表17Aおよび表17Bは、2つの第I相試験において得られたすべてのヒト薬物動態推定値の統合概要である。
ラット、ミニブタおよびヒトにおける定常状態での暴露は、試験したすべての用量にわたって線形である。投与の3ヵ月後、ラットにおけるNOAELを100mg/kgであると判定し;およびミニブタにおけるNOAELを50mg/kgであると判定した。NOAELでのラットにおける平均AUCは、雌および雄それぞれについて61,299および61,484時*ng/mLであり、ならびにミニブタの場合は雄および雌それぞれについて91,812および131,731時*ng/mLであった。100mg Q12Hの用量(200mgの総日用量)で定常状態でのヒトにおける平均AUCは、2,574時*ng/mLであった。
実施例4−RPPXを有するカプセルの作製。RPPX二塩酸塩一水和物を賦形剤なしでハードゼラチンカプセルに充填する。この薬品に使用したカプセルは、Hawkins Chemical Groupからの#00青色不透明ゼラチンカプセルである。50および500mgの用量強度を製造する。対応するプラシーボカプセルには微結晶性セルロースを充填する。個々の空カプセルを計量し、その重量(We)を記録することによってカプセルの準備を整える。活性薬物の具体的な量を個々に計量し、Torpac(登録商標)充填用漏斗を使用してそれらをカプセルの下半分に手で充填する。1.0638の純度調整係数を用いて、その塩形態中の水の重量(一水和物)について調整する。すなわち、50mg用量は、50×1.0638 = 53.16mgの目標充填物を有さなければならない。充填されたカプセル下半分と、カプセル上半分を連結させる。その後、それらの充填されたカプセルを計量し、その重量(Wf)を記録する。そのカプセル中の薬物の算出重量(Wf−We)を記録する。この算出重量が、呼び重量の+/−5%以内である場合には、そのカプセルを清浄にし、磨き、容器に入れてその容器に適切なラベルを貼る。その算出重量が規定範囲外である場合、そのカプセルを廃棄する。カプセルあたりの遊離塩基重量(充填物重量を掛けたカプセル内容物のmgあたりの遊離塩基重量)は、算出されたラベル記載事項の90%〜100%である。全不純物は、≦2%である。その外観は、白色からオフホワイトの粉末が入っている青色カプセルである。
実施例4B−RPPXを有する錠剤の作製。125mgの用量強度を有するカプセルを表17に示す組成で作成する。カプセルは、一般に、60〜74oFおよび30〜60%の相対湿度の条件下で作製する。微結晶性セルロース、マンニトール、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウムおよびRPPX(磨砕したもの)を、表14の縦列「量/バッチ」に示されている量で量り取る。その後、微結晶性セルロース、マンニトール、クロスポビドンおよびRPPXを#20メッシュのステンレス鋼スクリーンによって手で選別し、4クォートシェルを有するMaxiblend V型ブレンダーに移す。その後、そのMaxiblend V型ブレンダーを使用して、10分間、それらの材料を混合する。その後、30メッシュのステンレス鋼ハンドスクリーンを使用してステアリン酸マグネシウムを 選別し、前記ブレンダーに移す。その後、それらの粉末を5分間混合する。その後、ラベルを貼った二重PE裏張りドラムにその最終ブレンドを移し、総重量、風袋重量および正味重量を記録する。
3/8"円形、標準、凹形成形型および重力送り枠(gravity feed frame)の5つのステーションを有するMinipress II Bを使用して、錠剤を作製する。前記最終ブレンドをそのホッパーに入れ、表15の明細に従って打錠機機構を実行する。
実施例5−RPPX p−TSA塩の作製:条件A:すべての試薬は、CNH technologies、Fisher、Aldrich、G.J. Chemicals、Puritan、TCIおよびSpectrumから購入し、供給されたまま使用した。プロトン核磁気共鳴スペクトルは、Bruker AC 300スペクトロメーターを用いて300MHzで得た。キラル純度のためのHPLC分析は、ヘプタン/エタノール/ジエチルアミン(80:20:2 v/v/v)の移動相を使用して30℃でChiralpak(登録商標)IAカラム(5μM、250×4.6mm)を用いて行った。化学純度のためのHPLC分析は、2つの移動相:A − 水中0.5%のTFA;およびB − メタノール中0.5%のTFAを使用して30℃でSunfire(登録商標)カラム(3.5μM、150×4.6mm)を用いて行った。5%B〜80%Bの勾配を用いて、ジアミンピークとプラミペキソールピークを分離した。265nmの検出波長を両方のHPLC分析に用いた。
実施例5−14において詳述するプロセスのそれぞれは、実施例15−17に示すように、工業製造プロセス用に規模を変えることもできる。化学およびキラル収量が合成の規模に依存しないことを立証するために、実験室規模と工業製造規模の両方で一定の実施例を詳述する。
2.0リットル3つ口フラスコに、オーバーヘッドスターラー、温度プローブ、加熱マントル、クライゼン形連結管、還流冷却器および500mL添加漏斗を装備した。そのフラスコに、45グラムのR(+)−2,6−ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール、続いて750mLのn−プロパノールを充填した。継続的に攪拌しながら、その混合物を15分かけて95℃の温度に加熱して、透明溶液を生成した。添加漏斗に、250mLのn−プロパノール中の74グラムのトシル酸プロピルおよび60mLのジイソプロピルエチルアミンの溶液を充填した。継続的に攪拌しながら4時間かけてこの溶液をその2.0リットルフラスコに1滴ずつ添加した。攪拌しながらさらに8時間、95℃で反応を続け、その後、その溶液を室温にし、さらに4時間、攪拌を継続した。
沈殿した材料を濾過によって回収し、3回、各回100mLの試薬グレードのアルコールを使用して、洗浄した。アルコール洗浄された沈殿ケークを100mLのヘプタンで洗浄し、高真空下で2時間乾燥させた。その乾燥生成物の最終重量は、53.2グラムであり、これは収率52.2%に相当した。HPLCを用いて、R(+)−2,6−ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール(RPPX)の化学純度を98.2%、そのキラル純度を99.5%より高いと判定した。1H NMRおよび13C NMRを用いて、その構造を確認した。
実施例6 − ラセミプラミペキソールp−TSA塩の調製:条件A: 250mLの3つ口フラスコに、マグネティックスターラー、温度プローブ、加熱マントル、クライゼン形連結管、還流冷却器および100mL添加漏斗を装備した。そのフラスコに、5グラムのラセミ2,6−ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール、続いて80mLのn−プロパノールを充填した。継続的に攪拌しながら、その混合物を15分かけて95℃の温度に加熱して、透明溶液を生成した。添加漏斗に、28mLのn−プロパノール中の10.12グラムのトシル酸プロピルおよび8.2mLのジイソプロピルエチルアミンの溶液を充填した。継続的に攪拌しながら2時間かけてこの溶液をその250mLフラスコに1滴ずつ添加した。攪拌しながらさらに6時間、95℃で反応を続け、その後、その溶液を室温にし、さらに6時間、攪拌を継続した。
沈殿した材料を濾過によって回収し、2回、各回25mLの試薬グレードのアルコールを使用して、洗浄した。アルコール洗浄された沈殿ケークを25mLのヘプタンで洗浄し、高真空下で1時間乾燥させた。その乾燥生成物の最終重量は、5.12グラムであり、これは収率45%に相当した。HPLCを用いて、ラセミ2,6−ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール(ラセミプラミペキソール)の化学純度を97.1%と判定し、そのキラル純度は、R(+)とPPXの1:1混合物を示した。1H NMRを用いて、その構造を確認した。
実施例7 − RPPXp−TSA塩の調製:条件C:12リットル3つ口フラスコに、オーバーヘッドスターラー、温度プローブ、加熱マントル、クライゼン形連結管、冷却器および500mL添加漏斗を装備した。そのフラスコに、250グラムのR(+)−2,6−ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール(R(+)ジアミン)、続いて2Lのジメチルホルムアミド(DMF)を充填した。継続的に攪拌しながら、その混合物を65℃の温度に加熱した。添加漏斗に、500mL DMF中の386.6グラムのトシル酸プロピル(1.25モル当量)および322mLのジイソプロピルエチルアミン(1.25モル当量)の溶液を充填した。2.0時間かけてこの溶液をその12リットルフラスコに添加した。HPLCでの分析によって反応をモニターした。
その反応を65℃でさらに5時間継続させ、その後、その溶液を徐々に室温に冷却し、一晩攪拌した。その溶液を2LのMTBEで希釈し、さらに0.5時間攪拌した。沈殿した材料を濾過によって回収し、500mLのMTBEで洗浄し、続いてそれぞれ500mLの試薬アルコールで3回洗浄した。洗浄された沈殿ケークを高真空下で乾燥させた。
その乾燥生成物の最終重量は、317.6グラムであり、これは、収率56%に相当した。HPLCを用いて、R(+)2,6−ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール(PPX)の化学純度を98.4%と、およびそのキラル純度を99.8%より高いと判定した。1H NMRおよび13C NMRを用いて、その構造を確認した:1H NMR(300 MHz,DMSO−d6)δ8.5(br.s,2H),7.5(d,2H),71.2(d,1H),6.8(s,2H),3.4(m,1H),2.95(m,3H),2.6(m,2H,DMSOピークと同化),2.3(s,3H),2.15(m,1H),1.8(m,1H),1.55(m,2H),0.9(t,3H);13C NMR(300 MHz,DMSO−d6)δ167.0,145.5,144.6,138.4,128.6,125.8,110.7,53.9,46.5,25.8,25.6,24.5,21.2,19.6,11.3.
実施例8−RPPX p−TSA塩のRPPX二塩酸塩への転化:RPPX p−TSA塩(50グラム;0.13mol)を150mLの無水エタノールに入れ、継続的に攪拌しながら0℃と5℃の間に冷却した。温度を0℃と5℃の間で維持しながら、その反応物に濃HCl(33mL)をゆっくりと添加し、その混合物をさらに15分間攪拌した。MTBE(200mL)をその混合物に添加し、さらに1.5時間、その温度で攪拌を継続した。その後、その反応混合物を濾過し、MTBE/エタノール溶液(2:1、2×洗浄量50mL)で2回洗浄し、真空下、30℃で一晩乾燥させた。最終生成物は、34グラムのRPPX二塩酸塩(収率92%を示す)であり、HPLCによって判定して97.3%の化学純度であった。
実施例9−RPPX p−TSA塩のRPPX二塩酸塩への転化:RPPX p−TSA塩(10グラム;0.026mol)を200mLのIPACに溶解し、継続的に攪拌しながら15℃に冷却した。そのスラリーを1時間、HClガスでバブリングした。その後、その混合物を濾過し、IPACで洗浄し、一晩、真空下、室温で乾燥させた。最終生成物は、6.8グラムのRPPX二塩酸塩(収率92%を示す)であり、HPLCによって判定して97%の化学純度であった。
実施例10−RPPX p−TSA塩のRPPX遊離塩基への転化:RPPX p−TSA塩(25グラム;0.065mol)を200mLのDCMに溶解し、混合してスラリーにした。10mLの水を添加し、その混合物を12mLの6N NaOHで11−12のpHに塩基性化した。2相に分け、水性相を200mLのDCMで抽出した。併せた有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、Celite(商標)で濾過し、濃縮した。残留物を100mLのMTBEに溶解し、数時間攪拌した。その後、固体を濾過し、MTBEで洗浄し、真空下、35℃で乾燥させた。最終生成物は、9.1グラムのRPPX二塩酸塩(収率66%を示す)であり、HPLCによって判定して98%の化学純度であった。
実施例11−RPPX p−TSA塩のRPPX遊離塩基への転化:遊離塩基形成を200グラム規模で行った。オーバーヘッドスターラー、温度計および添加漏斗を装備した5Lの3つ口、丸底フラスコに、200g(0.522mol)のRPPX p−TSA塩および1Lの水を充填した。その混合物を攪拌し、10℃に冷却した。そのスラリーを、200mLの6N NaOHの15分間にわたるゆっくりとした添加によって、約11−12のpHに塩基性化した。その反応混合物を500mLのブライン(水に溶解した塩化ナトリウム)で希釈し、3×1Lのジクロロメタンで抽出した。併せた有機相を1.0Lのブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。残留物を1Lの1:1 IPAC:ヘプタンでトリチュレートし、得られたスラリーを1時間攪拌し、濾過し、そのフィルターケークを、IPCA:ヘプタンの1:1混合物(2×250mL)で洗浄した。そのフィルターケークを回収し、40℃、高真空下で24時間乾燥させて、94.1グラムのRPPX(85.5%)を白色の固体として得た。その化学純度は、HPLCによって検査して100% AUCであり、そのキラル純度は、HPLCによって検査して100% AUCであった。1H NMRおよび13C NMRを用いて、その構造を確認した:1H NMR (300MHZ,DMSO−δ6)δ6.6(S,2H),2.8(m,2H),2.5(m,2H,DMSOピークと同化),2.2(m,1H),1.9(m,1H),1.5−1.3(m,4H),0.85(t,3H);13C NMR(300MHz,DMSO−d6) δ166.2,144.8,113.6,54.2,49.1,30.0,29.6,25.2,23.5,12.3.
実施例12 − RPPX遊離塩基のRPPX二塩酸塩への転化:RPPXの遊離塩基(4.8グラム;0.022mol)を200mLのIPACに溶解し、15℃に冷却した。そのスラリーを1時間、HClガスでバブリングした。その後、その混合物を濾過し、IPACで洗浄し、真空下、室温で一晩乾燥させた。最終生成物は、6.4グラム(収率100%を示す)のRPPX二塩酸塩であり、HPLCによって判定して97%の化学純度であった。
実施例13 − RPPX遊離塩基のRPPX二塩酸塩への転化:RPPXの遊離塩基(50グラム;0.13mol)を500mLのIPACに溶解した。継続的に攪拌しながら、その混合物に25℃の温度で78mLの濃HClをゆっくりと充填した。その混合物を一晩、周囲温度(約25℃)で攪拌し、濾過し、真空下、40℃で乾燥させた。最終生成物は、68グラム(収率95%を示す)のRPPX二塩酸塩であった。
実施例14 − アキラル酸付加を用いるRPPXの光学精製:R(+)エナンチオマーについてエナンチオマー的に濃縮されたプラミペキソール(約300mg)を75℃で10mLの選択された溶媒(表8の例を参照のこと;エタノールまたはアセトニトリル)に溶解した。すべてのサンプルにおいて完全な溶解が観察された。酸付加は、p−TSA(溶媒はエタノールである;2.97mLの0.5M酸)およびMSA(溶媒は、アセトニトリルである;1.49mLの1.0M酸)については1.05モル当量で行い、ならびにフマル酸(溶媒は、アセトニトリルである;5.84mLの0.5M酸)およびリン酸(溶媒は、アセトニトリルである;2.90mLの1.0M酸)については2.05モル当量で行った。それらの反応混合物を25℃/時の速度で室温に冷却し、室温でさらに19時間攪拌した。このトリチュレーション段階によって得られた固体を濾過によって単離し、高真空下、室温で乾燥させた。これらの生成物を、HPLC、1H NMR、熱重量分析、示差走査熱分析、X線粉末回折(XPRD)、フーリエ変換赤外分光分析および吸湿分析によって分析した。XPRDパターンは、p−TSA、MSAおよびフマル酸塩形態のRPPXは結晶質であるが、リン酸塩形態のRPPXは非晶質であることを示した。
実施例15 − ラセミジアミンの工業規模分割:ジャケットの付いていない72L反応器に、ラセミ2,6 ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール(rac−ジアミン)(4.5kg;26.6mol)および58.5Lの水を添加し、懸濁液として約60℃〜65℃の温度に加熱した。4.5Lの水中の1当量の(D)−(−)−酒石酸(3991グラム;26.6mol)を添加し、その後、その得られた溶液を約70℃〜75℃の温度に加熱し、この温度を約1時間維持することによって、前記エナンチオマーの分割を達成した。その混合物を放置して約20℃〜25℃の温度に冷却し、さらに15分間攪拌し、その後、その混合物を濾過し、固体を3回、水で洗浄した(各洗浄 6.3L)。
そのジアミンのR(+)エナンチオマーを含有する湿潤固体をその反応器に充填し、続いて54Lの水を充填し、その混合物を2時間、約70℃〜75℃の温度に加熱した。その混合物を放置して約20℃〜25℃の温度に冷却し、17時間攪拌した。その後、その混合物を濾過し、固体を2回、水で洗浄した(各洗浄 4.5L)。それらの湿潤固体をジャケット付き反応器に移し、その反応器に8.1Lの水を充填した。その混合物を約0℃〜5℃の温度に冷却し、1.625Lの濃HClを注意深く充填し、続いて1.155Lの50%NaOHを充填して、約9−10のpHを達成した。添加中、温度を約0℃〜5℃で維持し、さらなる時間、その温度で攪拌した。その後、その得られた混合物を濾過し、固体を2回、冷(0℃〜5℃)水で洗浄した(各洗浄 1.125L)。それらの固体をジャケット付き反応器に移し、もう1度、0℃〜5℃の4.5Lの水で再スラリー化した。固体を濾過し、温風(40℃〜45℃)のもとで乾燥させて、1940グラムの生成物(R(+)ジアミン)を、白色の固体として、R(+)エナンチオマーについて86%の収率で得た。
前記ジアミンのS(−)エナンチオマーを含有する最初の分割段階の母液を濃縮して、S(−)エナンチオマーについて95.5%の収率を有するジアミンを得た。
実施例16−トシル酸プロピルの工業規模調製:100Lのガラス製、ジャケット付き反応器に1−プロパノール(2.098kg;34.9mol)およびトリエチルアミン(4.585kg;45.3mol;1.3当量)およびDCM(20.1L)を充填した。その混合物を約5℃〜15℃の温度に冷却し、DCM(10.5L)中の塩化p−トルエンスルホニル(6kg;31.47mol;0.9当量)の溶液を30分かけて注意深く充填した。添加が完了したら、その混合物を約18℃〜22℃の温度に温め、12時間攪拌した。その反応混合物を1H NMR(CDCl3中)によってアッセイし、完了と考えた。25℃未満の温度を維持しながら、HCl(6N;2.98L)を注意深く充填した。水性相を除去し、有機相を2回、水で洗浄し(各洗浄 21L)、MgSO4で乾燥させ、Celite(登録商標)で濾過した。その後、それらの濾過した固体をDCM(4L)で洗浄し、濃縮して残留物を得た。その残留物をヘプタンに溶解し、再び濃縮して、最終トシル酸プロピル生成物(6.385kg、収率95%)を得た。
本発明は、RPPXのドーパミン受容体親和性が、以前に認識されていたものより実際にははるかに低いという証拠を提供する。本明細書に提示するビーグル犬を使用した試験において、PPXエナンチオマーとRPPXエナンチオマーの間の機能的分離(10,000−20,000倍)が、以前に予想されたものよりはるかに大きいことが明らかになった。これらのデータは、少しの既知量のPPXでの純粋なRPPXの組成物の汚染が、その組成物のMTDの予測可能なシフトを生じさせることも示している。これらのデータは、以前に仮定された理論上のMTD限界を伴わずに、および用量漸増の必要なしに、RPPXを、この化合物のより作用強度の低い神経保護能力をより完全におよび予想外に活用することができるレベルで、投与できることを明示している。本出願は、RPPXの純粋な組成物を、以前にはこの薬物を利用できなかった急性および慢性神経変性疾患において、ならびに用量漸増を伴わずに十分な強度でおよびより高い理論MTDで直ちに、使用するための方法を提示する。加えて、RPPXの純粋な組成物を既知量のPPXと混合して、S(−)エナンチオマーの寄与によってのみ決まるドーパミン受容体アゴニスト作用を生じさせることができることを示すデータは、ドーパミン受容体アゴニスト治療と神経保護の両方の対象となる神経変性疾患、例えばPD、において使用するための既知量の純粋な(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマーの混合物を含む組成物の使用に備える。
実施例17 − RPPX p−TSA塩の工業規模調製:条件C: ジャケットの付いていない72リットル反応器に1.84kg(10.87mol)のR(+)−2,6 ジアミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチアゾール(R(+)ジアミン)、続いて14.7Lのジメチルホルムアミド(DMF)を充填した。継続的に攪拌しながら、その混合物を65℃と68℃の間の温度に加熱した。3.455LのDMF中の2926グラムのトシル酸プロピルおよび1761グラムのジイソプロピルエチルアミンの溶液を、2時間かけてゆっくりと添加した。その反応を67℃でさらに4時間継続させ、その後、その溶液を徐々に室温(18℃〜22℃)に冷却し、さらに15時間攪拌した。30分の時間をかけて14.72LのMTBEでその溶液を希釈し、さらに1時間攪拌した。沈殿した材料を濾過によって回収し、7.32LのMTBEで洗浄し、続いてそれぞれ3.68Lのエタノールで3回洗浄し、そして9.2Lのヘプタンで洗浄した。洗浄された沈殿ケークを高真空下、30℃〜35℃で乾燥させた。その乾燥生成物の最終重量は、2090グラムであり、これは収率50%に相当した。
実施例18 下記は、50mgおよび150mgの単回用量を健常ボランティアに投与する試験KNS−760704−CL001からの平均データに適合したコンパートメントモデルに基づく様々なレジメンに従って投与した後に定常状態で得られるであろうKNS−760704の血漿中濃度−時間プロフィールの具体例としてのシミュレーションを提供するものであり、この場合の目標は、実質的に一次型の放出を伴うマトリックスタイプの製剤中の塩としての300mgのRPPX(224mgの塩基と等価)の1日1回の投与での1μM(211ng/mL)のトラフ濃度であった。
吸収速度を系統的に変動させた後に得られた予測定常状態血漿中濃度−時間プロフィールを図6に示す。300mg用量で得ることができる最高Cmin、185ng/mL(0.9μM)を有するこのプロフィールは、0.02時−1の見掛けの一次吸収速度定数(インビトロ放出速度と「等しい」と仮定)を用いて得た。投入速度が遅いほど、24時間の期間で投入できる薬物の量は減少するため、血漿中濃度が低下する結果となった。図7は、対応する放出プロフィールを含む。レベルAインビトロ/インビボ相関を仮定すると、これは、この製剤についてのインビトロ溶解プロフィールも表すこととなる。溶解試験で通常用いられる時間で放出されたパーセントを下の表17に示す。
このモデリングから、211ng/mL(1μM)目標トラフよりわずかに下または上の、185ng/mLのCminおよび219ng/mLのCmaxが予測され、比較的平坦な曲線が得られる。このモデリングは、特定の徐放性製剤の単なる1例を提供するものである。本明細書に記載するような他の製剤を調合して、他の目標CminおよびCmax測定値を得る/維持することができる。例えば、KNS−760704−CL002では12時間ごとに即放性150mg製剤を投与した後の約479ng/mLの実測Cmaxより十分に低い、約211ng/mLのCminおよび約320ng/mLのCmaxを生じさせることができる400mgを含む製剤。
本発明の一定の好ましい実施形態を参照して本発明を相当詳細に説明したが、他の変形形態も可能である。従って、添付の特許請求の範囲の精神および範囲を、本明細書の中に含まれている説明および好ましい変型に限定すべきではない。