JP2010284574A - バイオマス資源の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境負荷が少なく、また固体触媒の回収が容易なバイオマス処理方法を提供する。
【解決手段】 例えば、表面に触媒活性基を有するグラフェン、グラファイト、カーボンなど触媒活性機能と磁性を有する固体触媒を用いて固液混合状態で処理する工程と、前記処理後の処理物から、超電導電磁石13と筐体内11に備えられた磁気フィルタ12を有する磁気分離装置10によって前記固体触媒を分離回収する工程とから、セルロース系バイオマスからバイオエタノールの原料となる糖やバイオマスから得られた油脂からバイオディーゼル燃料を得る。
【選択図】図1

Description

本発明はバイオマスをバイオ燃料などの有価物又は廃棄に適した分解物に変換するバイオマス資源の処理方法に関する。
石油や石炭などの化石資源の枯渇およびこれらの使用に伴う二酸化炭素排出による地球環境の問題などの観点から、農林水産業における各種産物あるいはその廃棄物、または都市において排出される廃棄物に含まれる各種バイオマスの利用が検討されている。
例えば、木材や稲わらなどセルロースを主体とするバイオマスからエタノールを生産することが行われている。また、バイオマスから得られた油脂をバイオディーゼル燃料とすることも試みられている。このようにバイオマスをガソリンや軽油などの代替燃料や直接的にエタノールやメタンガスなどの燃料等に変換し、発熱や発電等に利用可能なエネルギー源として利用すること、あるいは化学合成製品の原材料として利用することが検討されている。
ところで、バイオマスからエタノールを生産するには、例えば、次のような工程が採用される。
(1)バイオマスを前処理してセルロースに変換する工程
(2)セルロースを糖化してグルコース(及び/又はオリゴ糖)に変換する工程
(3)グルコース及び/又はセルロースを発酵によりエタノールに変換する工程
この際、上記(2)セルロースを糖化してグルコース等に変換する工程ではセルラーゼや酸触媒が用いられることが多いが、近年、固体触媒を用いる方法が提案されている(日経サイエンス 2008年9月号 p100〜105:非特許文献1)。この固体触媒は、スルホン酸基が導入されたグラフェンなどの無定形炭素からなり(例えば、非特許文献1や国際公開 WO2005/029509号公報(特許文献1)参照)、酸触媒としての機能を発揮する。この固体触媒をセルロースと接触させると、無定形炭素に結合しているスルホン酸基がセルロースを吸着し、スルホン酸基がセルロースをオリゴ糖乃至グルコースに分解する。従来方法である酸触媒を用いる方法では、処理後の酸触媒の中和や生産物の回収に伴って生じる環境負荷が多大であるという問題があった。また、酵素処理法ではセルラーゼの回収にも多大なエネルギー消費を伴うなどの問題があった。ところが、前記固体触媒を用いると、変換時に生じる多量の廃液処理が不要となる、比較的高濃度でグルコースなどを回収できる、処理後の中和が不要になる、触媒の回収も比較的容易であるという数々の利点がある。
バイオマスからバイオディーゼル燃料を製造するには、バイオマスから得られた油脂をメタノールやエタノールなどの低級アルコールと反応させ、高級脂肪酸の低級アルコールエステルにエステル交換するエステル交換反応が必要である。国際公開 WO2007/000913号公報(特許文献2)には、前記固体触媒を用いて行われることが開示されている。前記固体触媒を用いれば、液体酸若しくは液体塩基を用いることなくエステル交換が可能になるので、交換後の中和処理が不要になる、反応混合液から目的生成物の分離回収が容易になる、触媒の回収も比較的容易であるという利点がある。
国際公開 WO2005/029509号公報 国際公開 WO2007/000913号公報 日経サイエンス 2008年9月号 p100〜105
ところで、目的生成物を取り出すために、反応組成物中から上記固体触媒などの触媒を分離する必要がある。また、固定触媒は繰り返し再利用可能なものであり、固定触媒の中にはグラフェンを用いた固体触媒のように比較的高価なものもある。このため、固体触媒によるバイオマス処理の実用化には、反応組成物から固体触媒を効率よく分離回収する方法が必要とされる。
しかしながら、上記のような固体触媒の回収は比較的容易であるとは言われながらも実際には分離が十分に行えず、これまでのところ、上記固体触媒を効率よく回収する方法がなかった。
本願発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであって、本願発明は固体触媒の回収が容易なバイオマス処理方法を提供することを目的とする。
本願発明では、触媒活性機能と磁性を有する固体触媒を用いてバイオマス資源を固液混合状態で処理する工程と、前記処理後の処理物から磁気分離によって前記固体触媒を分離回収する工程とからバイオマス資源を処理することにしている。
本発明によれば、固体触媒を用いて処理されたバイオマス資源の処理物から効率よく固体触媒のみを取り出すことができる。
本発明の一実施形態である処理方法を示す概略説明図である。
本発明のバイオマス資源の処理方法は、触媒活性機能と磁性を有する固体触媒を用いて固液混合状態でバイオマス資源を処理する工程と、前記処理後の処理物から磁気分離によって前記固体触媒を分離回収する工程を有する。
本発明においてバイオマス資源とは広い意味で用いられ、1次資源であるバイオマスのみならずバイオマスから得られた中間産物を含む概念で用いられる。この1次資源であるバイオマスは、サトウキビやトウモロコシなどの農産物、ワラやヤシ殻、籾殻など農産物の廃棄物、魚介類や藻類などの水産物及びそれらの廃棄物、牛や豚、鶏などの動物やこれらの肉、生ゴミ、食品廃棄物、パームやヤトロファなど草、木に代表される各種植物、これらの加工品である伐採材等の木材やかんなくずなど多岐に渡る。1次資源であるバイオマス資源は、例えばセルロール系バイオマス、すなわちセルロースを含み、糖に分解してアルコールを生成する目的で利用されるバイオマスと、油糧系バイオマス、すなわち油脂を含み、油脂から例えばバイオディーゼル燃料などの高級脂肪酸を生成する目的で利用されるバイオマスに大別される。もっとも、本願においては、1次資源として用いられるバイオマス資源は、セルロール系バイオマスと油糧系バイオマスに限定されるものではない。
2次資源であるバイオマス資源とは、1次資源のバイオマス資源を原材料として処理された処理物を意味する。例えば、前記セルロース系バイオマス資源を用いた場合に得られるセルロースを含む処理物や油糧系バイオマス資源を用いた場合に得られる油脂が該当する。
本発明の処理で用いられるバイオマス資源は、上記1次資源のバイオマス資源又は2次資源のバイオマス資源の何れであってもよい。すなわち、本発明の処理方法は、これら1次資源又は2次資源のバイオマス資源を出発原料として、固体触媒を用いて種々の処理を行う場合に適用される。
当該処理としては、例えば2次資源であるセルロースを加水分解する処理や2次資源である油脂をエステル交換する処理が例示される。これらの処理は、バイオマス資源を含む液状の組成物に固体触媒を混合した固液混合状態で行われる。本発明はこうした固液混合状態で処理された処理物から、固体触媒を効率良く回収することを目的としている。例えば、セルロース系バイオマスの加水混合物に固体触媒を加えて固体触媒と接触させることや、セルロース系バイオマスの前処理により得られたセルロースを含む溶液と固体触媒と接触させることが例示される。従って、本発明における固液混合状態とは、固体触媒のみが固形物であることを意味するのではなく、液中に、バイオマス資源そのものやバイオマス資源の残渣(未反応物)などが固体として存在してもよいことを意味する。
これらの処理に用いられる固体触媒は触媒活性機能と磁性の双方の性質を有する。この固体触媒として、表面に触媒活性基を有する固体触媒又は磁性体と触媒の複合体のいずれか一方又はその双方が用いられる。表面に触媒活性基を有する固体触媒としては、例えば非特許文献1に開示されている表面に硫酸基を有するグラフェンや表面に硫酸基を有するグラファイト、特許文献1や2に開示されている表面に硫酸基を有する無定形炭素(カーボン)が例示される。また、非特許文献1や特許文献1などには、これらのグラフェン等は磁性を有することが記載されていないが、本発明者らはこれらのグラフェン等が有する極めて弱い磁性を有利に利用できる方法を見いだした。つまり、これらのグラフェン等のうち、超電導磁石が生じる磁場により吸着可能なものを適宜選択して用いることで、グラフェン等が有する磁性を活用できる。
特表2002−507055号公報には、鉄やコバルトなどの強磁性金属、鉄−コバルト合金などの金属アロイのコアを有する金属粒子の表面がグラファイト炭素の層で被覆された粒子が開示されている。こうした磁性を有する粒子の表面に硫酸基を結合させた複合体、コバルトやニッケル、モリブデンなどの触媒活性を有する金属を結合させた複合体も固体触媒として好適に用いられる。
また、コバルトやニッケル、金、白金、銀など物質そのものが触媒活性及び磁性の双方の性質を有する物質も固体触媒として好適に用いられる。
特開2000−254544号公報には、表面に水酸基を有する鉄酸化物粒子が記載されている。当該公報では、当該粒子表面にある水酸基と水道原水中の固形物の表面に存在する水酸基間の結合を利用して、固形物を凝集させることを目的とする。本発明では、この表面に水酸基がある鉄酸化物粒子を固体触媒として利用することができる。この鉄酸化物粒子では、その表面にある水酸基が基質と鉄酸化物粒子との親和性を上げて基質との接触する確率を高め、鉄酸化物の触媒作用が向上することが期待される。また、当該水酸基鉄酸化物の他にも表面に水酸基を導入した触媒活性を有する酸化金属も同様に用いることができる。
さらに、コバルトやニッケル、四酸化三鉄(Fe)などの磁性金属粒子の表面に、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化ケイ素、酸化鉄などの酸化金属や酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カリウムなどの酸化塩をコーティングした粒子なども固体触媒として良好に用いられる。
固体触媒の粒子径は特に制約されるものではないが、比表面積を大きくして触媒活性を高める観点からは微粒子状の固体触媒、具体的には1〜100nmのものが好ましく用いられる。
固体触媒による処理時にマイクロ波による加熱を行うことも有効な方法である。マイクロ波は、周波数300MHzから3THzの電磁波である。磁性体はマイクロ波の照射により振動して発熱する。このために触媒反応効率が上昇し、生産性が向上する。加熱には、電子レンジに使用されている2.45GHzのマイクロ波を使用できるが、ミリ波と呼ばれる周波数が約30GHz〜300GHzの電磁波、例えば28GHzのミリ波など、磁性体が発熱しやすい周波数のマイクロ波を利用するのがよい。
固体触媒を用いてバイオマス資源を処理した後に、当該処理物から固体触媒が分離回収される。本発明においては、この分離回収工程として磁気分離工程が採用される。磁気分離工程としては、例えば特公昭58−53926号公報に記載された方法や特開昭61−257180号公報に記載された方法、特開2000−254544号公報に記載された方法が例示される。特公昭58−53926号公報に記載された方法は、勾配磁場の中に、三次元発泡構造を有する金属多孔体を配置した分離槽を配置し、排水中の金属微粒子を金属多孔体に付着させる方法である。特開昭61−257180号公報に記載された方法は、外周に複数の電磁石が配置された回転体を分離槽の処理液中にその半分程度が浸漬する状態で回転させ、液外において電磁石の電源をオフにすることで磁性物質を脱離させる方法である。特開2000−254544号公報に記載された方法は、超電導磁石を外側に配置した分離槽内にステンレス鋼の細線からウール状に作製された磁気フィルタを配置し、前記超電導電磁石から磁場を生じさせて磁気フィルタに、原水中の固形物と金属粒子との複合体を付着させる方法である。
これらの方法のうち、特公昭58−53926号公報に記載された方法や特開昭61−257180号公報に記載された方法では、硫酸基が結合したグラフェンなどの固体触媒や微粒子状の固体触媒を用いた場合には、大きな磁場を必要とするので装置が大きくなるという欠点がある。この点、特開2000−254544号に記載された方法では、磁場発生手段として超電導磁石が用いられているので、小型で強力な磁場が発生される。従って、磁性の弱い特許文献1等に記載された無定型炭素や非特許文献1に記載されたグラフェン等に硫酸基が結合した固体触媒でも効率よく回収できる。また、回収装置を小型化できるので実用化の上でも好ましい手段である。超電導磁石には酸化物超電導線材を用いるのが好ましい。金属系超電導線材に比較して臨界温度が高いので、温度上昇による臨界電流密度の低下が小さく、クエンチしにくい高い安定性を有し、電磁石の動作が安定する。また、金属系超電導線材に比較して、軽量かつコンパクトな構成とすることができるという利点もある。さらに、高速で減磁できるために、固体触媒の回収時間を短縮できるという利点もある。
しかしながら、特開2000−254544号公報に記載された方法では、三次元網目状の磁気フィルタが用いられているため、目詰まりを起こしやすいという欠点がある。そこで、本発明においては、磁場の発生手段として超電導電磁石を用いることにし、電磁フィルタとして、下記実施例に述べるように、ステンレス鋼、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性体からなる細線がメッシュ状に編み込まれたものを用いるのが好ましいと言える。この電磁フィルタは、空孔、つまり電磁フィルタの網目の大きさを任意に設定することができ、比較的大きな空孔面積を大きくできる。また、目詰まりの程度に応じて、複数の磁気フィルタの空孔を重ね合わせて配置したり、交差するように配置することで、固体触媒の回収率を最良に調整することができるので、固体触媒の分離回収には好都合である。
また、本発明においては、分離回収時にもマイクロ波による照射を行うことも有効である。マイクロ波の照射を受けて磁性体は振動する。このために、基質が固体触媒から分離されやすくなり、固体触媒の回収が容易になる。照射には、電子レンジに使用されている2.45GHzのマイクロ波を使用できるが、ミリ波と呼ばれる周波数が約30GHz〜300GHzの電磁波、例えば28GHzのミリ波など、磁性体が振動しやすい周波数の電磁波を使用するのがよい。
このように本願発明においては、バイオマス資源を固体触媒を用いて処理する場合に、触媒活性機能と磁性の双方の性質を有する固体触媒を用いることにし、その後に処理後の反応組成物から磁場分離手段を用いて固定触媒を磁気分離手段によって分離することにしている。これによると、磁気分離手段を用いて固体触媒のみを効率よく分離回収することができるので、固体触媒を有効に再利用することができる。特に、超電導磁石による磁場を発生させることによって、磁性が非常に弱い固体触媒や微粒子状の固体触媒であっても、効率よく分離回収することができる。この結果、バイオマス資源の利用の実用化が促進される。
次に以下の実施例に基づき本発明についてより具体的に説明する。
図1は本発明の一実施例である処理システムの概略説明図である。本発明のバイオマス資源の処理方法は、バイオマス資源と固体触媒とを接触させて処理を行う第1の工程と、当該第1の工程で得られた処理物から磁気分離手段を用いて固体触媒を分離回収する第2の工程を有する。図1に示すバイオマス資源の処理システムは、固体触媒とバイオマス資源とを接触させる反応槽1と、反応槽1における処理物から固体触媒を取り出す磁気分離装置10を有している。
反応槽1では、セルロース系バイオマスから前処理により得られたセルロースが表面に硫酸基を有するグラファイト粒子により糖化される。セルロースは、例えば木材や草、トウモロコシなどの1次資源であるセルロース系バイオマスに加水、加熱して得られる。そして、加熱処理後の液中に固体触媒が混合される。もっとも、1次資源であるバイオマス資源に含まれていたリグニンや処理されなかったバイオマス資源といった種々の夾雑物を除去した後に、固体触媒を混合してもよい。
セルロース濃度や固体触媒の使用量、反応温度、反応時間などの反応条件は適宜設定される。具体的に述べるとすれば、セルロースの濃度は処理液中10〜50%、好ましくは20〜40%程度に調整される。固体触媒であるグラファイト粒子の粒子径は平均粒子径として1〜100nmのものが好ましく用いられる。固体触媒はセルロースに対して1:100〜100:1(質量比)の範囲を目安として混合される。反応温度は、常温〜100℃、好ましくは30〜60℃である。
次に反応が終了した処理液は送液管2を通じて磁気分離装置10に送られる。図1に示す磁気分離装置10は、一定の間隔で並列された複数の磁気フィルタ12を有する筐体(分離槽)11と磁場発生手段を有する。
筐体11には磁気フィルタ12を洗浄するためのフィルタ洗浄器15が取り付けられている。フィルタ洗浄器15は筐体11にある磁気フィルタ出口11aと磁気フィルタ入口11bとそれぞれ搬送路16a,16bで接続されている。フィルタ洗浄器15は磁気フィルタ12に圧縮空気を吹き付けて磁気フィルタ12に付着した固体触媒を除去し、固体触媒を回収する。磁気フィルタ12は空気圧又はモータの利用により搬送路16a,16b中を搬送される。
磁気フィルタ12は、ステンレス鋼、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性体からなる細線がメッシュ状に編み込まれたものである。耐久性を考慮すると、このうちステンレス鋼製の細線が好ましく用いられる。細線は単線若しくは撚り線の何れでもよい。細線の直径は好ましくは10〜1000nmである。また、磁気フィルタ12の空孔が小さくなりすぎると目詰まりを起こしやすく、空孔が大きくなりすぎると固定触媒の補足率が悪くなる。磁気フィルタ12の空孔の大きさの目安として、その平均面積を0.5〜100mmとするのが好ましい。
筐体11の外周には超電導線を巻回したコイルを備えた環状の電磁石13が配置されている。超電導線には例えば高温超電導線材(例えばBi−2223系銀シース線材やRe系薄膜線材)が用いられる。この電磁石13は冷媒を用いない冷凍機冷却型の磁場発生装置又は液体窒素等の冷媒を用いた冷媒冷却型の磁場発生装置として構成される。図示する電磁石13は、コイルを超電導温度に保つ冷却容器20内に収容されている。
磁気フィルタ12は前記電磁石13の磁界中に置かれる。超電導線に電流が流れることにより生じた磁界により、磁気フィルタ12の細線の回りに強い磁場が形成される。この結果、筐体11を通過する処理液中の固体触媒が磁気フィルタ12に付着して、固体触媒のみが分離される。固体触媒が除去された処理液は回収管3から回収される。一方、固体触媒が付着した磁気フィルタ12は、搬送路16aを通じて磁気フィルタ洗浄器15に搬送され固体触媒が取り除かれる。その後、磁気フィルタ12は、その後、搬送路16bを通じて筐体11に戻され、再使用される。取り除かれた固体触媒は、磁気フィルタ洗浄器15の底部に備えられた回収管17から集められる。
また、図1に示すシステムを用いて、1次資源であるヤトロファやパームなどから絞り取った油脂(2次資源)と表面に硫酸基を有するグラファイト粒子とによりエステル交換を行えるのは言うまでもない。このエステル交換における反応条件、例えば、油脂に加える低級アルコールの量(相対量)や固体触媒の使用量、反応温度、反応時間も適宜設定されうる。具体的に述べるとすれば、油脂と低級アルコールの量比は、油脂の脂肪酸構成や低級アルコールの炭素数により異なるが、概ね1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1である。固体触媒であるグラファイト粒子の粒子径は平均粒子径として1〜100nmのものが好ましく用いられる。固体触媒は油脂に対して1:100〜100:1(質量比)の範囲を目安として混合される。反応温度は、常温〜100℃、好ましくは50〜80℃である。
もっとも、上記実施の形態や実施例は例示であって、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲及びこれと均等に含まれるすべての変更が本発明に含まれることが意図されるのは言うまでもない。
本発明のバイオマス資源の処理方法は、触媒活性機能と磁性の双方の性質を有する固体触媒を用いてバイオマス資源を処理し、その後磁気分離手段によって固体触媒を分離回収する方法である。従って、極めて磁性の弱い固体触媒や超微粒子である固体触媒の再利用が容易になり、バイオマス資源の再利用の実用化に大いに貢献できる。
1 反応槽
2 送液管
10 磁気分離装置
11 筐体
12 磁気フィルタ
13 電磁石
15 磁気フィルタ洗浄器
16a,16b 磁気フィルタの搬送路

Claims (11)

  1. 触媒活性機能と磁性を有する固体触媒を用いてバイオマス資源を固液混合状態で処理する工程と、
    前記処理後の処理物から磁気分離によって前記固体触媒を分離回収する工程を有することを特徴とするバイオマス資源の処理方法。
  2. 前記固体触媒の平均粒子径が1〜100nmである請求項1に記載のバイオマス資源の処理方法。
  3. 前記固体触媒は、表面に触媒活性基を有する固体触媒又は磁性体と触媒の複合体である請求項1又は2に記載のバイオマス資源の処理方法。
  4. 前記固体触媒は、表面に触媒活性基を有するグラフェン、グラファイト、カーボン、金属ナノ粒子、酸化金属、酸化塩の何れかである請求項3記載のバイオマス資源の処理方法。
  5. 前記固体触媒は、表面に硫酸基を有するグラフェンである請求項4記載のバイオマス資源の処理方法。
  6. 前記固体触媒は、表面に水酸基を有する酸化鉄である請求項4記載のバイオマス資源の処理方法。
  7. 前記磁気分離工程は、磁場により磁化される磁気フィルタに吸着させる工程である請求項1〜6の何れか1項に記載のバイオマス資源の処理方法。
  8. 前記磁場は超電導磁石により発生される請求項7に記載のバイオマス資源の処理方法。
  9. 前記バイオマス資源の処理工程は、セルロースを固定触媒と接触させて糖化する工程を有する請求項1〜8の何れかに記載のバイオマス資源の処理方法。
  10. 前記バイオマス資源の処理工程は、固体触媒を用いてバイオマスから得られた油脂と低級アルコールを反応させる工程を有する請求項1〜8の何れかに記載のバイオマス資源の処理方法。
  11. 触媒活性機能と磁性を有する固体触媒を用いてバイオマス資源を固液混合状態で処理する反応槽と、
    前記反応槽で処理された処理液から前記固体触媒を磁気手段により分離する磁気分離装置を備えたバイオマス資源の処理システム。
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