JP2010281378A - Fixed constant velocity universal joint - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用され、駆動側と従動側の二軸間で作動角変位を許容しながら回転トルクを伝達する固定式等速自在継手に関する。 The present invention relates to a fixed type constant velocity universal joint that is used in a power transmission system of automobiles and various industrial machines and transmits rotational torque while allowing operating angular displacement between two axes of a driving side and a driven side.
自動車及びこれに準ずる各種車両においては、エンジンからの駆動力をホイールに伝達する動力伝達経路に、二軸間で角度変位や軸方向変位があった場合でも等速で回転動力を伝達することが可能な等速自在継手を配設することが行われている。等速自在継手には、プランジング運動(軸方向変位)を行わない固定式等速自在継手とプランジング運動を行う摺動式等速自在継手がある。固定式等速自在継手としては、バーフィールド型(BJ)やアンダーカットフリー型(UJ)が広く知られている。 In automobiles and similar vehicles, rotational power can be transmitted at a constant speed even when there is angular displacement or axial displacement between the two axes in the power transmission path that transmits the driving force from the engine to the wheels. Possible constant velocity universal joints are arranged. The constant velocity universal joint includes a fixed constant velocity universal joint that does not perform plunging motion (axial displacement) and a sliding constant velocity universal joint that performs plunging motion. As a fixed type constant velocity universal joint, a bar field type (BJ) and an undercut free type (UJ) are widely known.
例えば、UJタイプの固定式等速自在継手は、図29と図30に示すように内球面1に複数のトラック溝2が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外側継手部材としての外輪3と、外球面4に外輪3のトラック溝2と対をなす複数のトラック溝5が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内側継手部材としての内輪6と、外輪3のトラック溝2と内輪6のトラック溝5との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪3の内球面1と内輪6の外球面4との間に介在してボール7を保持するケージ8とを備えている。ケージ8には、ボール7が収容されるポケット9が周方向に沿って複数配設されている。
For example, a fixed type constant velocity universal joint of UJ type is an outer joint member in which a plurality of
また、外輪3のトラック溝2は、奥側が円弧部2aとされ、開口側が直線部2bとされる。内輪6のトラック溝5は、奥側が直線部5aとされ、開口側が円弧部5bとされる。内輪6のトラック溝5の曲率中心O1および外輪3のトラック溝2の曲率中心O2は、継手中心Oに対して等距離F、Fだけ軸方向に逆向きにオフセットされている。
Further, the
近年においては、コンパクト化を図るために、図30に示すようにボールを8個としたものがある。この場合、ケージのポケット中心位置におけるケージ肉厚をTCAGEとするとともに、作動角が0°のときのボールのピッチ円半径をPCRBALLとし、この比であるTCAGE/PCRBALLを0.11〜0.19程度とされる。 In recent years, in order to reduce the size, there are some which have eight balls as shown in FIG. In this case, the cage wall thickness at the center of the cage pocket is T CAGE , the pitch circle radius of the ball when the operating angle is 0 ° is PCR BALL , and the ratio T CAGE / PCR BALL is 0.11. About 0.19.
また、従来のUJ型等速自在継手には、図31に示すように、小型軽量化のために、上記内外輪3,6の各トラック溝2,5の曲率中心O1,O2とトルク伝達ボール7の中心Qを結ぶ直線と、トルク伝達ボール7の中心Qと継手中心Oを結ぶ直線とが成すトラック溝のオフセット角θTRACKを、4°≦θTRACK≦6°の範囲に設定するものがある。
Also, in the conventional UJ type constant velocity universal joint, as shown in FIG. 31, the center of curvature O1, O2 of each of the
このようなものでは、外輪3の内球面1の曲率中心O10(ケージ8の外球面8aの曲率中心)及び内輪6の外球面4の曲率中心O20(ケージ8の内球面8bの曲率中心)も、それぞれ継手中心Oを挟んで軸方向に等距離だけオフセットされている。そして、ケージ8の内外球面8a,8bの曲率中心O10,O20とトルク伝達ボール7の中心Qを結ぶ直線と、トルク伝達ボール7の中心Qと継手中心Oを結ぶ直線とが成すケージ8のオフセット角θCAGEを、0°<θCAGE<1°の範囲に設定している。このように、ケージ8は、そのオフセット角θCAGEが非常に小さく設定されているため、略均一な厚さに成形される。
In such a case, the center of curvature O10 of the inner
近年、固定式等速自在継手の更なる小型軽量化のため、ケージ8の厚さを更に薄くすることが試みられている。図30に示す等速自在継手において、TCAGE/PCRBALLを0.11〜0.19に保ったまま、更なるコンパクト化、つまりピッチ円半径を小さくしようとすれば、ケージ8の肉厚が必然的に薄くなる。このように薄くなれば、ポケット9間の柱部、及びポケット9の側枠(軸方向に対面する窓枠)の剛性が低下する。すなわち、継手が高作動角をとった状態で回転する場合、ケージ8の継手開口側の端部に大きな負荷がかかるため、その部分の強度は確保しなければならない。しかしながら、高作動角時において、等速自在継手としての強度を確保することが困難である。
In recent years, attempts have been made to further reduce the thickness of the
また、前記図31に示す継手の構成において、ケージ8の厚さを薄く設定すると、ケージ8が均一に薄く成形されるため、ケージ8の継手開口側の端部の強度を十分に確保することが困難であった。また、このケージ8の小型軽量化に伴う継手開口側の端部の強度低下は、特に小型車・軽自動車用等に適用する小サイズの固定式等速自在継手に顕著に認められる。
In addition, in the joint configuration shown in FIG. 31, if the
そこで、コンパクト化を図った新しいタイプの固定式等速自在継手として、特許文献1に記載のように、6個ボールタイプものが提案されている。
Therefore, as described in
ところで、図32〜図34に示すように、内輪6の内径面に雌セレーション(雌スプライン)11が形成され、この雌セレーション11に、シャフト13に形成された雄セレーション(雄スプライン)12が嵌合する。これによって、シャフト13と内輪6とがトルク伝達可能に連結される。
32 to 34, a female serration (female spline) 11 is formed on the inner surface of the
また、雄スプライン12には、図32に示すように、谷部12aをそのままシャフト13の外周面に抜いたタイプ(切抜けタイプ)と、図33に示すように、雄スプライン12の谷部12aの終端側を滑らかに拡径させたタイプ(切上げタイプ)とがある(特許文献2)。ここで、終端側とは、内輪6へのシャフト13の挿入時に、内輪6に最初に嵌合するシャフト端面を始端側とした場合の反対側をいう。
Further, as shown in FIG. 32, the
図32では、1箇所のみにシャフト13の抜け止め手段Wが設けられている。すなわち、この抜け止め手段Wは、雄セレーション12に形成された周方向溝15と、内輪6の雌セレーション11に設けられる周方向溝14と、この周方向溝14、15に係合する止め輪16とを備える。
In FIG. 32, the retaining means W for the
図33では、抜け止め手段Wと位置決め手段W1とが設けられている。この場合の抜け止め手段Wは、内輪6の雌セレーション11の始端に設けられる切欠部17と、雄セレーション12に形成された周方向溝15と、切欠部17と周方向溝15とに係合する止め輪16とを備える。また、位置決め手段W1は、内輪6の終端側に設けられる端面18と、シャフト13の外径面に設けられた当接端面19とで構成される。
In FIG. 33, a retaining means W and a positioning means W1 are provided. The retaining means W in this case is engaged with the
図34においては、雄スプライン12を図30と同様の切抜けタイプとしている。抜け止め手段Wも図33と同様、雌セレーション11の切欠部17と、雄セレーション12に形成された周方向溝15と、切欠部17と周方向溝15とに係合する止め輪16とを備える。しかしながら、位置決め手段W1は、シャフト13に装着されたストッパ20で構成される。すなわち、このストッパ20が内輪6の端面6aに当接する。
In FIG. 34, the
特許文献1に記載のような構造とすることによって、等速自在継手のコンパクト化を実現できる。しかしながら、小さいピッチ円直径(PCD)に大きなボールを配置することになり、内部部品(内側継手部材、ボール、ケージ等からなる組立体)の強度バランスが今までの等速自在継手と異なることになる。すなわち、従来と同じシャフトを適用した場合、雌セレーション11を形成したことによって、内輪6の肉厚(特に、継手開口側)が薄くなる。このため、他部品である外輪3やケージ8に比べて内輪6の強度がバランス的に劣ることになる。
By adopting the structure as described in
また、雄スプラインが切抜けタイプでは、特許文献2に記載されているように、静的強度および疲労強度で劣る。このため、静的強度および疲労強度を考慮すれば、図32に示すような切上げタイプが好ましい。
Further, when the male spline is a cut-off type, as described in
しかしながら、切上げタイプを用いた場合であっても、内輪6を、鍛造成形にて構成した場合、図35に示すように、トラック溝5に沿ってファイバーフローが形成される。このファイバーフローは、雌スプライン11側に切れた状態となる。このため、切上げタイプであっても、静捩り強度や疲労強度試験等において、ファイバーフローの切断部が疲労起点等となって、強度低下を招くことになる。また、トルク伝達面積を稼ぐため、雌セレーション(雌スプライン)が、比較的、内輪開口側(スプライン終端側)にまで形成されることになる。雌セレーションがスプライン終端側まで形成されていることも、強度低下を招く要因となっている。
However, even when the round-up type is used, when the
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、内輪(内側継手部材)やケージの強度を確保しつつ、小型軽量化を図り得ることが可能であり、また高角度強度および耐久性を向上させることができる固定式等速自在継手を提供しようとするものである。 Therefore, in view of such circumstances, the present invention can reduce the size and weight while ensuring the strength of the inner ring (inner joint member) and the cage, and can improve the high angle strength and durability. It is intended to provide a fixed type constant velocity universal joint.
本発明の第1の固定式等速自在継手は、内球面に軸方向に延びた複数のトラック溝を形成した外側継手部材と、外球面に軸方向に延びた複数のトラック溝を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との対で形成されるボールトラックに配置される複数のトルク伝達ボールと、前記外側継手部材の内球面と前記内側継手部材の外球面との間に介在すると共に前記トルク伝達ボールを保持するケージを備え、作動角をとった状態において2次モーメントが発生する固定式等速自在継手において、前記内側継手部材の内径面に、挿入されるシャフトの雄セレーションと嵌合する雌セレーションが形成されるとともに、前記雌セレーションは継手開口側において省略され、その省略部に、底面が前記雌セレーションの大径よりも大きな円筒形状となる周方向切欠部を形成し、かつ、2次モーメント発生時におけるシャフトの外径面と周方向切欠部の底面との干渉を緩和する隙間を、シャフトの外径面と周方向切欠部の底面との間に設けたものである。 The first fixed type constant velocity universal joint of the present invention includes an outer joint member in which a plurality of track grooves extending in the axial direction is formed on the inner spherical surface, and an inner side in which a plurality of track grooves extending in the axial direction are formed on the outer spherical surface. A joint member, a plurality of torque transmission balls disposed on a ball track formed by a pair of a track groove of the outer joint member and a track groove of the inner joint member, an inner spherical surface of the outer joint member, and the inner joint A fixed type constant velocity universal joint that includes a cage that is interposed between the outer spherical surface of the member and holds the torque transmitting ball and that generates a secondary moment when the operating angle is taken, wherein the inner diameter surface of the inner joint member In addition, a female serration that fits with the male serration of the shaft to be inserted is formed, the female serration is omitted on the joint opening side, and the bottom surface of the omitted portion is A circumferential notch that has a cylindrical shape larger than the large diameter of the serration is formed, and a clearance that alleviates interference between the outer diameter surface of the shaft and the bottom surface of the circumferential notch when a secondary moment is generated, It is provided between the outer diameter surface and the bottom surface of the circumferential notch.
本発明の第2の固定式等速自在継手は、内球面に軸方向に延びた複数のトラック溝を形成した外側継手部材と、外球面に軸方向に延びた複数のトラック溝を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と前記内側継手部材のトラック溝との対で形成されるボールトラックに配置される複数のトルク伝達ボールと、前記外側継手部材の内球面と前記内側継手部材の外球面との間に介在すると共に前記トルク伝達ボールを保持するケージを備え、作動角をとった状態において2次モーメントが発生する固定式等速自在継手において、前記内側継手部材の内径面に、挿入されるシャフトの雄セレーションと嵌合する雌セレーションが形成されるとともに、前記雌セレーションは継手開口側において省略され、その省略部に、底面が前記雌セレーションの大径よりも大きな円筒形状となる周方向切欠部を形成し、かつ、前記シャフトの外径面に周方向切欠部の底面に接触する接触部位を設けるとともに、2次モーメント発生時における前記周方向切欠部の底面に対する接触部位の接触範囲を底面全体よりも小さくしたものである。 The second fixed type constant velocity universal joint of the present invention includes an outer joint member in which a plurality of track grooves extending in the axial direction is formed on the inner spherical surface, and an inner side in which a plurality of track grooves extending in the axial direction are formed on the outer spherical surface. A joint member, a plurality of torque transmission balls disposed on a ball track formed by a pair of a track groove of the outer joint member and a track groove of the inner joint member, an inner spherical surface of the outer joint member, and the inner joint A fixed type constant velocity universal joint that includes a cage that is interposed between the outer spherical surface of the member and holds the torque transmitting ball and that generates a secondary moment when the operating angle is taken, wherein the inner diameter surface of the inner joint member In addition, a female serration that fits with the male serration of the shaft to be inserted is formed, the female serration is omitted on the joint opening side, and the bottom surface of the omitted portion is Forming a circumferential notch that has a cylindrical shape larger than the large diameter of the serration, and providing a contact portion that contacts the bottom surface of the circumferential notch on the outer diameter surface of the shaft, and at the time of generating a secondary moment The contact range of the contact part with respect to the bottom face of the circumferential notch is made smaller than the entire bottom face.
本発明の第1及び第2の固定式等速自在継手によれば、雌セレーションは継手開口側において省略され、その省略部に周方向切欠部を形成したので、ファイバーフローの継手開口側切断部におけるセレーションを無くすことができる。このため、内側継手部材の継手開口側における応力緩和を図ることができる。 According to the first and second fixed type constant velocity universal joints of the present invention, the female serration is omitted on the joint opening side, and the circumferential cutout is formed in the omitted part. Serrations can be eliminated. For this reason, stress relaxation on the joint opening side of the inner joint member can be achieved.
第1の固定式等速自在継手によれば、2次モーメント発生時におけるシャフトの外径面と周方向切欠部の底面との干渉を緩和する隙間を設けたので、2次モーメント発生時に周方向切欠部の底面に対する干渉が緩和され、内側継手部材の強度低下を回避することができる。また、第2の固定式等速自在継手によれば、2次モーメント発生時における前記周方向切欠部の底面に対する接触部位の接触範囲を底面全体よりも小さくしたので、内側継手部材の強度低下を回避することができる。 According to the first fixed type constant velocity universal joint, a clearance is provided to reduce interference between the outer diameter surface of the shaft and the bottom surface of the circumferential notch when a secondary moment is generated. Interference with the bottom surface of the notch is alleviated, and a decrease in strength of the inner joint member can be avoided. Further, according to the second fixed type constant velocity universal joint, the contact range of the contact portion with respect to the bottom surface of the circumferential notch when the secondary moment is generated is made smaller than the entire bottom surface, so that the strength of the inner joint member is reduced. It can be avoided.
内側継手部材の継手開口側にシャフトの位置決め手段を設けるとともに、内側継手部材の継手奥側にシャフトの抜け止め手段を設けるのが好ましい。位置決め手段によって、シャフトを内側継手部材に対して安定した嵌入量を確保することができる。抜け止め手段によって使用時等のシャフトの抜けを規制できる。 It is preferable that a shaft positioning means is provided on the joint opening side of the inner joint member, and a shaft retaining means is provided on the joint back side of the inner joint member. The positioning means can secure a stable insertion amount of the shaft with respect to the inner joint member. The removal of the shaft during use can be regulated by the retaining means.
前記トルク伝達ボールの数を6個とするとともに、前記トルク伝達ボールのピッチ円直径(PCDBALL)と前記トルク伝達ボールの直径(DBALL)との比r1(=PCDBALL/DBALL)を、3.0≦r1≦3.3の範囲に設定するようにできる。これによって、等速自在継手としての強度・耐久性を確保することができる。 The number of the torque transmission balls is six, and the ratio r1 (= PCD BALL / D BALL ) between the pitch circle diameter (PCD BALL ) of the torque transmission balls and the diameter (D BALL ) of the torque transmission balls, The range can be set to 3.0 ≦ r1 ≦ 3.3. Thereby, the strength and durability as a constant velocity universal joint can be ensured.
ピッチ円直径とボールの直径との比が3.0未満であると、ボールの直径が大きい場合は内側継手部材の肉厚が薄くなりすぎて、強度の点で懸念が生じ、ボールのピッチ円直径が小さい場合は内側継手部材(内輪)・外側継手部材(外輪)とボール間の面圧が大きくなり、耐久性の点で懸念が生じる。逆に、3.3を越えると、ボールの直径が小さい場合はボールの負荷容量が小さくなり、耐久性の点で懸念が生じ、ボールのピッチ円直径が大きい場合は、外側継手部材外径が大きくなり、コンパクト化が達成できない。 If the ratio of the pitch circle diameter to the ball diameter is less than 3.0, if the ball diameter is large, the inner joint member becomes too thin, which raises concerns about strength. When the diameter is small, the surface pressure between the inner joint member (inner ring) / outer joint member (outer ring) and the ball increases, which raises concerns about durability. On the contrary, if the ball diameter exceeds 3.3, when the ball diameter is small, the load capacity of the ball is small, and there is a concern in terms of durability. When the pitch circle diameter of the ball is large, the outer diameter of the outer joint member is small. It becomes large and cannot be made compact.
前記外側継手部材の外径(DOUTER)と前記トルク伝達ボールの直径(DBALL)との比r2(=DOUTER/DBALL)を、4.6≦r2≦4.8の範囲に設定することができる。外側継手部材の外径とボールの直径との比が4.6未満であると、ボールの直径が大きい場合は外側継手部材の肉厚が薄くなりすぎて、強度の点で懸念が生じ、外側継手部材の外径が小さい場合は内側継手部材・外側継手部材とボール間の面圧が大きくなり、耐久性の点で懸念が生じる。逆に、4.8を越えると、ボールの直径が小さい場合はボールの負荷容量が小さくなり、耐久性の点で懸念が生じ、外側継手部材の外径が大きい場合はコンパクト化が達成できない。
The ratio r2 (= D OUTER / D BALL ) between the outer diameter (D OUTER ) of the outer joint member and the diameter (D BALL ) of the torque transmitting ball is set in the range of 4.6 ≦
継手作動角が0°の状態における、前記ケージの内外球面の曲率中心と前記トルク伝達ボールの中心を結ぶ直線と、前記トルク伝達ボールの中心と継手中心とを結ぶ直線とが成すケージのオフセット角θCAGEを、2.7°≦θCAGE≦5.7°の範囲に設定することができる。 Cage offset angle formed by a straight line connecting the center of curvature of the inner and outer spherical surfaces of the cage and the center of the torque transmission ball and a straight line connecting the center of the torque transmission ball and the center of the joint when the joint operating angle is 0 ° θ CAGE can be set in a range of 2.7 ° ≦ θ CAGE ≦ 5.7 °.
ケージのオフセット角θCAGEを、従来のケージのオフセット角(0°<θCAGE<1°)より大きく設定することによって、ケージの継手開口側の端部の肉厚が、他の部分に比べて厚く成形される。ケージのオフセット角が、2.7°未満であると、ケージの継手開口側の端部が薄くなり、十分な強度が確保できない。また、5.7°を越えると、ケージの継手奥側の端部の肉厚が極端に薄くなる。ケージの製造工程において一般的に熱処理を施すが、ケージの肉厚が極端に薄くなると、その肉厚の薄い部分では熱処理による未硬化層が少なくなり、靱性が低下し十分な強度が確保できなくなる。また、ケージの継手開口側の端部と継手奥側の端部とで、肉厚差が大きいと加工性の悪化も懸念される。 By setting the cage offset angle θ CAGE to be larger than the conventional cage offset angle (0 ° <θ CAGE <1 °), the thickness of the end of the cage on the joint opening side is smaller than that of other parts. Molded thick. When the offset angle of the cage is less than 2.7 °, the end portion on the joint opening side of the cage becomes thin, and sufficient strength cannot be secured. If the angle exceeds 5.7 °, the thickness of the end of the cage on the back side becomes extremely thin. Heat treatment is generally performed in the cage manufacturing process. However, if the cage thickness becomes extremely thin, the uncured layer due to the heat treatment decreases in the thin portion, and the toughness decreases and sufficient strength cannot be secured. . Moreover, if the thickness difference between the end portion on the joint opening side of the cage and the end portion on the back side of the joint is large, the workability may be deteriorated.
ケージのポケット中心位置におけるケージ肉厚をTCAGEとするとともに、作動角が0°のときのボールのピッチ円半径をPCRBALLとし、この比であるTCAGE/PCRBALLを0.20以上0.23以下としてもよい。0.20≦tCAGE/PCRBALL≦0.23とすることによって、小型化及びケージ強度の向上を図ることができ、しかも、ボール27のトラック溝のエッジ部への乗り上げを防止できる。
The cage wall thickness at the center of the cage pocket is T CAGE, and the pitch circle radius of the ball when the operating angle is 0 ° is PCR BALL, and this ratio T CAGE / PCR BALL is 0.20 or more and 0.0. It is good also as 23 or less. By satisfying 0.20 ≦ tCAGE / PCRBALL ≦ 0.23, it is possible to reduce the size and improve the cage strength, and to prevent the
tCAGE/PCRBALLが0.20未満となると、外径が大きくなり、コンパクト化が困難になったり、ケージの肉厚が薄くなったり、大角度時の必要継手強度が確保することが困難となる。一方、tCAGE/PCRBALLが0.23を越えると、内径セレーション部(シャフト嵌合部)における内輪(内側継手部材)の肉厚が薄くなり、大角度時(高作動角時)の必要継手強度の確保が困難になったり、内輪及び外輪の球面が小さくなることにより、許容可能なトルクレベルが低下したりする。この結果、ボールが内輪及び外輪のトラック溝のエッジ部に乗り上げ易くなり、耐久性が著しく低下してしまうおそれがある。 When t CAGE / PCR BALL is lower than 0.20, the outer diameter is increased, or compact becomes difficult, or thinner wall thickness of the cage, it is difficult to require joint strength at large angle to ensure Become. On the other hand, if t CAGE / PCR BALL exceeds 0.23, the inner ring (inner joint member) of the inner diameter serration part (shaft fitting part) becomes thinner, and the required joint at a large angle (high operating angle) Ensuring strength is difficult, and the spherical surfaces of the inner and outer rings are reduced, so that the allowable torque level is reduced. As a result, it becomes easy for the ball to ride on the edge portions of the track grooves of the inner ring and the outer ring, and the durability may be significantly reduced.
外側継手部材のトラック溝の曲率中心と内側継手部材のトラック溝の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせるとともに、ケージの外球面の曲率中心とケージの内球面の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージのオフセット量をトラック溝のオフセット量と略同一とするのが好ましい。これによって、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるのを防止できるとともに、開口側のケージの肉厚(径方向厚さ)を大きくすることができる。 The center of curvature of the track groove of the outer joint member and the center of curvature of the track groove of the inner joint member are offset in the axial direction by an equal distance from the joint center, and the center of curvature of the outer spherical surface of the cage and the cage The center of curvature of the inner sphere is preferably offset in the axial direction by an equal distance from the joint center, and the offset amount of the cage is preferably substantially the same as the offset amount of the track groove. As a result, it is possible to prevent the depth of the track groove on the deeper side of the joint from becoming shallow, and to increase the thickness (diameter thickness) of the cage on the opening side.
ところで、内側継手部材をケージに組み込む際は、内側継手部材のトラック溝相互間に配設された外球面の一つを、ケージのポケットに挿入して、内側継手部材をケージ内に収納することになる。このため、内外継手部材の各トラック溝を、周方向不等ピッチに配設すると共に、狭いピッチ内に配設されたケージの柱部を除去したものとすれば、柱部を除去することによって、この除去部に内側継手部材の外球面を落とし込むことができる。 By the way, when incorporating the inner joint member into the cage, one of the outer spherical surfaces disposed between the track grooves of the inner joint member is inserted into the cage pocket, and the inner joint member is accommodated in the cage. become. For this reason, if the track grooves of the inner and outer joint members are arranged at unequal pitches in the circumferential direction and the pillars of the cage arranged in a narrow pitch are removed, the pillars are removed by The outer spherical surface of the inner joint member can be dropped into the removal portion.
また、等速自在継手を組み立てる場合、外側継手部材にケージを組み込むことになる。このため、内外継手部材の各トラック溝相互間のピッチのうち、2つのピッチの位相を60°以下に設定すると共に、残りの4つのピッチの位相を60°以上に設定することによって、組み込み性の向上を図ることができる。すなわち、外側継手部材にケージを組み込む際は、ケージのポケットを、小さい位相のピッチ内に配設された外側継手部材の内球面に対向させて組み込むことになる。この際、小さいピッチ内に配設された内球面の開口側端部の周方向長さが、対向するケージのポケットの幅より小さく設定されることになり、前記内球面がケージの外周面に干渉することなく、ケージを外側継手部材に容易に組み込むことができる。 Moreover, when assembling a constant velocity universal joint, a cage is incorporated in an outer joint member. For this reason, among the pitches between the track grooves of the inner and outer joint members, the phase of two pitches is set to 60 ° or less, and the phase of the remaining four pitches is set to 60 ° or more, so Can be improved. That is, when the cage is incorporated into the outer joint member, the cage pocket is incorporated so as to oppose the inner spherical surface of the outer joint member disposed within a small phase pitch. At this time, the circumferential length of the opening side end portion of the inner spherical surface arranged in a small pitch is set to be smaller than the width of the opposing pocket of the cage, and the inner spherical surface becomes the outer circumferential surface of the cage. The cage can be easily incorporated into the outer joint member without interference.
本発明の固定式等速自在継手では、内側継手部材の継手開口部において応力緩和を図ることができ、内側継手部材の強度を向上させることができる。このため、従来と同じ緒言のシャフトを適用することができ、従来品との共用が可能となって、コストの低減を図ることができる。また、シャフトの外径面と周方向切欠部の底面との干渉を緩和する隙間を設けたり、周方向切欠部の底面に対するシャフトの接触部位の接触範囲を底面全体よりも小さくしたりすることによって、内輪の強度低下を回避することができる。このため、この固定式等速自在継手は、長期にわたって安定したトルク伝達機能を発揮することができる。 In the fixed type constant velocity universal joint of the present invention, stress relaxation can be achieved at the joint opening of the inner joint member, and the strength of the inner joint member can be improved. For this reason, the shaft of the same introduction as the past can be applied, and it can be shared with the conventional product, and the cost can be reduced. In addition, by providing a clearance to mitigate interference between the outer diameter surface of the shaft and the bottom surface of the circumferential notch, or by making the contact range of the contact portion of the shaft with the bottom surface of the circumferential notch smaller than the entire bottom surface It is possible to avoid a decrease in strength of the inner ring. For this reason, this fixed type constant velocity universal joint can exhibit a stable torque transmission function over a long period of time.
位置決め手段によって、シャフトを内側継手部材に対して安定した嵌入量を確保することができ、安定したトルク伝達が可能となる。抜け止め手段によって使用時等のシャフトの抜けを規制でき、等速自在継手として安定した機能を発揮できる。 By the positioning means, a stable insertion amount of the shaft with respect to the inner joint member can be ensured, and stable torque transmission is possible. The shaft can be prevented from coming off during use by the retaining means, and a stable function as a constant velocity universal joint can be exhibited.
また、3.0≦r1≦3.3の範囲に設定することによって、等速自在継手としての強度・耐久性を確保することができ、高精度の等速自在継手を提供することができる。外側継手部材の外径とボールの直径との比を、4.6以上4.8以下とすることによって、一層強度・耐久性を確保することができる。ケージのオフセット角度を、2.7°以上5.7°以下に設定することによって、ケージの継手開口側の端部の肉厚を、他の部分に比べて厚く成形することができ、継手の小型軽量化を図るためにケージを薄く成形しても、ケージの継手開口側の端部は、継手の高作動角回転時に付与される負荷に耐え得る強度を確保することができる。 In addition, by setting the range to 3.0 ≦ r1 ≦ 3.3, the strength and durability as a constant velocity universal joint can be ensured, and a highly accurate constant velocity universal joint can be provided. By setting the ratio between the outer diameter of the outer joint member and the diameter of the ball to be 4.6 or more and 4.8 or less, it is possible to further ensure strength and durability. By setting the cage offset angle to 2.7 ° or more and 5.7 ° or less, the thickness of the end of the cage on the joint opening side can be made thicker than other parts. Even if the cage is thinly formed in order to reduce the size and weight, the end portion on the joint opening side of the cage can ensure the strength to withstand the load applied when the joint is rotated at a high operating angle.
0.20≦tCAGE/PCRBALL≦0.23とすることによって、小型化及びケージ強度の向上を図ることができ、しかも、ボールのトラック溝のエッジ部への乗り上げを防止できる。すなわち、本発明によれば、コンパクト化(小型化)を可能とするとともに、小型化してもケージの強度を確保でき、さらには、高角捩りトルク負荷時のケージ損傷を防止できて、高角強度の向上を図ることができる。このため、よりコンパクトなフォルムにて継手強度耐久性を従来品(8個ボールの固定式ジョイント)と同等以上に確保することができる。 By satisfying 0.20 ≦ t CAGE / PCR BALL ≦ 0.23, it is possible to reduce the size and improve the cage strength, and to prevent the ball from climbing onto the edge of the track groove. That is, according to the present invention, it is possible to reduce the size (miniaturization), to ensure the strength of the cage even if the size is reduced, and to prevent damage to the cage when a high-angle torsional torque load is applied. Improvements can be made. For this reason, the joint strength durability can be ensured to be equal to or better than the conventional product (8-ball fixed joint) with a more compact form.
ケージのオフセット量をトラック溝のオフセット量と略同一として大きくすることによって、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるのを防止できるとともに、開口側のケージの肉厚(径方向厚さ)を大きくすることができる。このため、高角時のボールがトラックエッジに乗り上げるのを防止でき、エッジに過大な応力が作用することがなくなる。すなわち、高角時の捩りトルク負荷容量の低下を防ぎ、高角耐久寿命の向上(改善)や高角時の内側継手部材と外側継手部材のトラック溝の塑性変形に起因する破損強度の向上(改善)を図ることができる。 By increasing the cage offset amount to be approximately the same as the track groove offset amount, it is possible to prevent the depth of the track groove on the inner side of the joint from being reduced, and to increase the cage thickness (diameter thickness) on the opening side. Can be bigger. For this reason, it is possible to prevent the ball at a high angle from riding on the track edge, and an excessive stress is not applied to the edge. In other words, it prevents the torsional torque load capacity from decreasing at high angles, improves (improves) high-angle durability life, and improves (improves) damage strength due to plastic deformation of the track grooves of the inner joint member and outer joint member at high angles. Can be planned.
内側継手部材のトラック溝及び外側継手部材のトラック溝を円周方向に不等ピッチで配設し、狭いピッチのケージの柱を除去すれば、ケージの外側継手部材(外輪)への組込みが容易となり、しかも、長窓が必然的に形成され、長窓幅が内輪幅より大きくなって、内輪のケージの組込みが容易となる。また、外側継手部材のトラック溝において、2つのピッチの位相を60°以下に設定すると共に、残りの4つのピッチの位相を60°以上に設定することによって、干渉なくケージの組込みができる。 If the track groove of the inner joint member and the track groove of the outer joint member are arranged at unequal pitches in the circumferential direction, and the cage pillars with a narrow pitch are removed, the cage can be easily incorporated into the outer joint member (outer ring). In addition, a long window is inevitably formed, and the long window width becomes larger than the inner ring width, so that the inner ring cage can be easily assembled. In addition, by setting the phase of the two pitches to 60 ° or less and the phase of the remaining four pitches to 60 ° or more in the track groove of the outer joint member, the cage can be assembled without interference.
以下本発明の実施の形態を図1〜図27に基づいて説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to FIGS.
この固定式等速自在継手は、図1と図2に示すように内球面21に複数(6個)のトラック溝22が軸方向に沿って形成された外側継手部材としての外輪23と、外球面24に外輪23のトラック溝22と対をなす複数(6個)のトラック溝25が軸方向に沿って形成された内側継手部材としての内輪26と、外輪23のトラック溝22と内輪26のトラック溝25との間に介在してトルクを伝達する複数(6個)のボール27と、外輪23の内球面21と内輪26の外球面24との間に介在してボール27を保持するポケット(ポケット)29を有するケージ28とを備えている。この場合、図3に示すように、ポケット29は円周方向に沿って等ピッチ(60°ピッチ)で6個配設されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the fixed type constant velocity universal joint includes an
前記外輪23のトラック溝22は、トラック溝底が円弧部となる奥側トラック溝22aと、トラック溝底が外輪軸線と平行なストレート部となる開口側トラック溝22bとからなる。奥側トラック溝22aは、その曲率中心O1を継手中心Oから軸方向に外輪23の開口側にずらしている。また、内輪26のトラック溝25は、トラック溝底が内輪軸線と平行なストレート部となる奥側トラック溝25aと、トラック溝底が円弧部となる開口側トラック溝25bとからなる。開口側トラック溝25bの曲率中心O2を継手中心Oから軸方向に外輪23の奥側トラック溝22aの曲率中心O1と反対側の奥側に等距離kだけ離して設けている。
The
内輪26の孔部60の内径面には、トルク伝達部位である雌セレーション(雌スプライン)61が形成されている。すなわち、図5に示すように、内輪26の孔部60にシャフト65が嵌入され、このシャフト65に設けられた雄セレーション66が、内輪26の雌セレーション61に嵌合する。これによって、シャフト65と内輪26間のトルクが伝達される。なお、雄セレーション66の端部には周方向溝67が形成され、この周方向溝67に止め輪68が装着される。これによって、止め輪68が内輪26の孔部60の内径面の端部(継手奥側端部)の切欠部69に係合して、シャフト65の抜け止め手段Wが構成される。すなわち、抜け止め手段Wは、内輪26の継手奥側に設けられ、シャフト65の周方向溝67と、内輪26の切欠部69と、この周方向溝67及び切欠部69に係合する止め輪68とで構成される。
A female serration (female spline) 61 that is a torque transmission part is formed on the inner diameter surface of the
ところで、この雄セレーション(雄スプライン)66は、雄スプライン66の谷部66aの終端側を滑らかに拡径させたタイプ(切上げタイプ)である。すなわち、雄スプライン66の谷部66aの終端側に立上り部80が設けられるとともに、雄スプライン66の山部66bのセレーション終端側に下傾部81が設けられている。ここで、終端側とは、内輪26へのシャフト65の挿入時に、内輪26に最初に嵌合するシャフト端面を始端側とした場合の反対側をいう。
By the way, this male serration (male spline) 66 is a type (round-up type) in which the end side of the
雌セレーション61は継手開口側(終端側)において省略され、その省略部に、底面83が雌セレーション61の大径よりも大きな円筒形状となる周方向切欠部(大径部)84を形成している。すなわち、雌セレーション61の最大外径寸法をD1とし、周方向切欠部84の内径寸法をD2とした場合、D1<D2となる。また、雌セレーション61の周方向切欠部84側には、テーパ部85を介して、内径寸法D3が周方向切欠部84の内径寸法D2よりも小さい中径部86が連設されている。すなわち、D3<D1<D2としている。
The
このように周方向切欠部(大径部)84を設けることによって、ファイバーフローの継手開口側切断部におけるセレーションを無くすことができる。このため、内輪26の継手開口側での応力緩和を図ることができる。
By providing the circumferential cutout (large diameter portion) 84 in this way, serrations at the joint opening side cutting portion of the fiber flow can be eliminated. For this reason, stress relaxation at the joint opening side of the
また、シャフト65には、雄セレーション66のセレーション終端から継手開口部に向かって拡径するテーパ部87が設けられ、このテーパ部87が内輪26のテーパ部85に当接する。内輪26のテーパ部85と、シャフト65のテーパ部87とで、位置決め手段W1が構成される。
Further, the
すなわち、シャフト65の端部の雄セレーション66を内輪26に嵌入して行けば、シャフト65のテーパ部87が内輪26のテーパ部85に当接するまで嵌入することができる。この当接した状態では、止め輪68が、周方向溝67及び切欠部69に係合する状態となる。
That is, if the
従って、図5に示すように、止め輪68が周方向溝67及び切欠部69に係合するとともに、内輪26のテーパ部85とシャフト65のテーパ部87とが当接している状態では、シャフト65は内輪26に対して軸心方向の移動が規制される。すなわち、シャフト65が内輪26に対して矢印E1方向に移動する方向の外力が作用した場合、シャフト65のテーパ部87が内輪26のテーパ部85に当接しているので、この矢印E1方向の移動が規制される。また、シャフト65が内輪26に対して矢印E2方向に移動する方向の外力が作用した場合、止め輪68が切欠部69に係合しているので、この矢印E2方向の移動が規制される。
Therefore, as shown in FIG. 5, the retaining
ところで、図1に示すような固定式等速自在継手において、作動角をとった場合、曲がった方向に、入力トルクと出力トルクとで同トルクをもって伝達することになり、このため、2次モーメントと呼ばれるモーメントが発生する。すなわち、図7に示すように、等速自在継手への入力トルクをM1とし、出力トルクの反力をM2とすると、等速自在継手のモーメントの釣り合いにより、トルク伝達に関与しないモーメントM3が作用しなければならない。M3を入力軸(外輪軸)、出力軸(内輪軸)にそれぞれ垂直な成分に分けて、これをM4とM5とすると、このM4とM5が2次モーメントである。 By the way, in the fixed type constant velocity universal joint as shown in FIG. 1, when the operating angle is taken, the input torque and the output torque are transmitted with the same torque in the bent direction, and therefore, the secondary moment is transmitted. A moment called is generated. That is, as shown in FIG. 7, assuming that the input torque to the constant velocity universal joint is M1 and the reaction force of the output torque is M2, the moment M3 that is not involved in torque transmission acts due to the moment balance of the constant velocity universal joint. Must. When M3 is divided into components perpendicular to the input shaft (outer ring shaft) and the output shaft (inner ring shaft), respectively, and these are M4 and M5, M4 and M5 are secondary moments.
この場合、|M1|=|M2|=Mとすると、M1’’+M2’’=M3の関係から|M1’’|=|M2’’|=Msin(θ/2)となり、M3=2Msin(θ/2)となる。また、図7から分かるように、|M3|=|M4|cos(θ/2)+|M5|cos(θ/2)の関係式が成り立つ。そして、|M4|=|M5|=M’とすると、|M3|=2M’cos(θ/2)となる。また、前記したように、M3=2Msin(θ/2)であるので、M’=|M4|=|M5|=2Msin(θ/2)/2cos(θ/2)となる。このため、My=|M4|=|M5|=tan(θ/2)となる。(My:2次モーメント) In this case, assuming that | M1 | = | M2 | = M, from the relationship of M1 ″ + M2 ″ = M3, | M1 ″ | = | M2 ″ | = Msin (θ / 2) and M3 = 2Msin ( θ / 2). Further, as can be seen from FIG. 7, the relational expression of | M3 | = | M4 | cos (θ / 2) + | M5 | cos (θ / 2) holds. If | M4 | = | M5 | = M ′, then | M3 | = 2M′cos (θ / 2). As described above, since M3 = 2Msin (θ / 2), M ′ = | M4 | = | M5 | = 2Msin (θ / 2) / 2cos (θ / 2). Therefore, My = | M4 | = | M5 | = tan (θ / 2). (My: secondary moment)
このように、2次モーメントMyが発生すれば、このモーメントMyにより、シャフトは折れ曲がる方向と垂直方向にたわむことになる。このため、図6に示すように、周方向切欠部84の底面83に対して、この周方向切欠部84に対応して形成されたシャフト65の大径膨出部70が干渉することになる。すなわち、大径膨出部70の外径面(円筒面)が、周方向切欠部84の底面83に接触する接触部位となる。
As described above, when the secondary moment My is generated, the shaft bends in the direction perpendicular to the bending direction due to the moment My. For this reason, as shown in FIG. 6, the large-
そこで、図8では、周方向切欠部84の底面83に接触するシャフト65側の範囲Hを小さくしている。これによって、周方向切欠部84の底面83に対するシャフト65の干渉範囲(接触範囲)H1を小さくしている。すなわち、図5では、干渉範囲(接触範囲)Hが底面83全体であるのに対して、図8における干渉範囲(接触範囲)H1が底面83よりも狭い範囲となっている。この範囲H1は高角強度に影響しない程度の干渉としている。このため、この干渉を緩和することができて、内輪強度の低下を回避することができる。
Therefore, in FIG. 8, the range H on the
また、図9では、作動角を取らない状態(外輪の軸線と、シャフトの軸線とが一致している状態)において、周方向切欠部84の底面83とシャフト65の大径膨出部70との間に隙間75を設けている。このように、隙間75を設けることによって、2次モーメント発生時に周方向切欠部の底面に対する干渉が緩和され、内側継手部材の強度低下を回避することができる。
In FIG. 9, the
ケージ28は、外球面28aの曲率中心O3と内球面28bの曲率中心O4とを、継手中心(ケージ中心)Oに対して等距離k2だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージ28のオフセット量をトラック溝のオフセット量と略同一として大きくしている。
In the
このため、ケージ28の外球面28aは、外輪23の奥側トラック溝22aの溝底とほぼ同心円弧(曲率半径は相違する同心円弧)を形成することができ、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるのを防止できるとともに、ケージ28の開口側の肉厚(径方向厚さ)を大きくすることができる。
For this reason, the outer
図3に示すように、ケージ28のポケット中心位置におけるケージ肉厚をtCAGEとするとともに、作動角が0°のときのボール27のピッチ円半径をPCRBALLとし、この比であるtCAGE/PCRBALLを0.20以上0.23以下とする。
As shown in FIG. 3, the cage thickness at the pocket center position of the
また、図3に示すように、ボール27のピッチ円直径PCDBALLとボール27の直径DBALLとの比r1を、3.0以上3.3以下とする。すなわち、3.0≦r1≦3.3としている。外輪23の外径DOUTERとボール27の直径DBALLとの比r2を、4.6以上4.8以下とする。すなわち、4.6≦r2≦4.8としている。
In addition, as shown in FIG. 3, the ratio r1 between the pitch circle diameter PCD BALL of the
ここで、ピッチ円半径PCRBALLとは、ボール中心が描く円の軌跡の半径であり、ピッチ円直径PCDBALLとは、ボール中心が描く円の軌跡の直径である。すなわち、ピッチ円直径PCDBALLは、外輪23のトラック溝22の曲率中心O1、又は、内輪26のトラック溝25の曲率中心O2と、トルク伝達ボール7の中心Qとを結ぶ線分の長さPCRの2倍と定義する(PCDBALL=PCR×2)。
Here, the pitch circle radius PCR BALL is the radius of the locus of the circle drawn by the ball center, and the pitch circle diameter PCD BALL is the diameter of the locus of the circle drawn by the ball center. That is, the pitch circle diameter PCD BALL is the length PCR of the line segment connecting the center of curvature O1 of the
図4に示すように、作動角が0°のときにおいて、ケージ28の外球面28aの曲率中心O3とボール中心Qとを結んだ直線L3と、継手中心Oとボール中心Qとを結んだ直線Lとの成す角度θ3、及びケージ28の内球面28bの曲率中心O4とボール中心Qとを結んだ直線L4と、継手中心Oとボール中心Qとを結んだ直線Lとの成す角度θ4をそれぞれ2.7°以上5.7°以下に設定している。なお、角度θ3及びθ4は、ケージオフセット角(θCAGE)と呼ぶ。また、作動角が0°とは、外輪23の軸線と内輪の軸線とが一致する状態である。すなわち、2.7°≦θCAGE≦5.7°に設定される。
As shown in FIG. 4, when the operating angle is 0 °, a straight line L3 connecting the center of curvature O3 of the outer
このように、上記ケージのオフセット角θCAGEを、図27に示す従来のケージのオフセット角(0°<θCAGE<1°)より大きく設定することによって、ケージ28の継手開口側の端部の肉厚が、他の部分に比べて厚く成形される。これにより、継手の小型軽量化を図るためにケージ28を薄く成形しても、ケージ28の継手開口側の端部は、継手の高作動角回転時に付与される負荷に耐え得る強度を確保することができる。
Thus, by setting the offset angle θ CAGE of the cage larger than the offset angle (0 ° <θ CAGE <1 °) of the conventional cage shown in FIG. The wall thickness is formed thicker than other parts. As a result, even if the
ケージのオフセット角θCAGEが、θCAGE<2.7°であると、ケージ28の継手開口側の端部が薄くなり、十分な強度が確保できない。また、5.7°<θCAGEである場合は、ケージ28の継手奥側の端部の肉厚が極端に薄くなる。ケージの製造工程において一般的に熱処理を施すが、ケージ28の肉厚が極端に薄くなると、その肉厚の薄い部分では熱処理による未硬化層が少なくなり、靱性が低下し十分な強度が確保できなくなる。また、ケージ28の継手開口側の端部と継手奥側の端部とで、肉厚差が大きいと加工性の悪化も懸念される。
When the offset angle θ CAGE of the cage is θ CAGE <2.7 °, the end portion on the joint opening side of the
また、作動角が0°のときにおいて、外輪23のトラック溝22の曲率中心O1とボール中心Qとを結んだ直線L1と、継手中心Oとボール中心Qとを結んだ直線Lとの成す角度θ1、及び内輪26のトラック溝25の曲率中心O2とボール中心Qとを結んだ直線L2と、継手中心Oとボール中心Qとを結んだ直線Lとの成す角度θ2をそれぞれ前記オフセット角(θCAGE)と略同一に設定される。なお、角度θ1及び角度θ2は、トラックオフセット角(θTRACK)と呼ぶ。この実施形態では、外輪23のトラック溝22の曲率中心O1をケージ28の外球面28aの曲率中心O3よりも反継手中心側に配置するとともに、内輪26のトラック溝25の曲率中心O2を、ケージ28の内球面28bの曲率中心O4よりも反継手中心側に配置している。このため、この実施形態では、トラックオフセット角(θTRACK)がケージオフセット角(θCAGE)よりも僅かに大きく設定されている。
In addition, when the operating angle is 0 °, an angle formed by a straight line L1 connecting the curvature center O1 of the
本発明では、ボールの数が6個であるので、比較的大きなボールを使用することができる。このため、ボール1個の許容できるトルク容量が確保でき、小さいPCDに配置、つまり外径をコンパクトにすることができる。ケージ28のポケット間の柱部の肉厚も厚くすることができるので、高作動角時の強度を確保できる。
In the present invention, since the number of balls is six, a relatively large ball can be used. For this reason, an allowable torque capacity of one ball can be secured, and the ball can be arranged in a small PCD, that is, the outer diameter can be made compact. Since the thickness of the column portion between the pockets of the
雌セレーション61は継手開口側において省略され、その省略部に周方向切欠部84を形成したので、ファイバーフローの継手開口側切断部におけるセレーションを無くすことができる。このため、内輪26の継手開口側における応力緩和を図ることができ、内輪26の強度を向上させることができる。従って、従来と同じ緒言のシャフトを適用することができ、従来品との共用が可能となって、コストの低減を図ることができる。
The
シャフト65の外径面と周方向切欠部84の底面83との干渉を緩和する隙間を設けたり、周方向切欠部84の底面83に対するシャフト65の接触部位の接触範囲を底面全体よりも小さくしたりすることによって、内輪26の強度低下を回避することができる。このため、この固定式等速自在継手は、長期にわたって安定したトルク伝達機能を発揮することができる。
A clearance is provided to mitigate interference between the outer diameter surface of the
位置決め手段Wによって、シャフト65を内輪26に対して安定した嵌入量を確保することができ、安定したトルク伝達が可能となる。抜け止め手段W1によって使用時等のシャフト65の抜けを規制でき、等速自在継手として安定した機能を発揮できる。
By the positioning means W, a stable insertion amount of the
ところで、tCAGE/PCRBALLが0.20未満となると、外径が大きくなり、コンパクト化が困難になったり、ケージの肉厚が薄くなったり、大角度時の必要継手強度が確保することが困難となる。一方、tCAGE/PCRBALLが0.23を越えると、内径セレーション部(シャフト嵌合部)における内輪(内側継手部材)の肉厚が薄くなり、大角度時(高作動角時)の必要継手強度の確保が困難になったり、内輪26及び外輪23の球面が小さくなることにより、許容可能なトルクレベルが低下したりする。この結果、ボール27が内輪26及び外輪23のトラック溝25、22のエッジ部に乗り上げ易くなり、耐久性が著しく低下してしまうおそれがある。
By the way, when t CAGE / PCR BALL is less than 0.20, the outer diameter becomes large, making compactness difficult, the thickness of the cage thin, and ensuring the required joint strength at a large angle. It becomes difficult. On the other hand, if t CAGE / PCR BALL exceeds 0.23, the inner ring (inner joint member) of the inner diameter serration part (shaft fitting part) becomes thinner, and the required joint at a large angle (high operating angle) As a result, it becomes difficult to secure the strength, and the spherical surfaces of the
このため、0.20≦tCAGE/PCRBALL≦0.23とすることによって、小型化及びケージ強度の向上を図ることができ、しかも、ボール27のトラック溝のエッジ部への乗り上げを防止できる。すなわち、本発明によれば、コンパクト化(小型化)を可能とするとともに、小型化してもケージ28の強度を確保でき、さらには、高角捩りトルク負荷時のケージ損傷を防止できて、高角強度の向上を図ることができる。このため、よりコンパクトなフォルムにて継手強度耐久性を従来品(8個ボールの固定式ジョイント)と同等以上に確保することができる。
For this reason, by satisfying 0.20 ≦ t CAGE / PCR BALL ≦ 0.23, it is possible to reduce the size and improve the cage strength, and to prevent the
また、ボール27のピッチ円直径PCDBALLとボール27の直径との比を、3.0以上3.3以下としたことによって、等速自在継手としての強度・耐久性を確保することができ、高精度の等速自在継手を提供できる。ピッチ円直径PCDBALLとボール27の直径との比をr1としたときに、r1<3.0であると、ボール27の直径が大きい場合は内輪26の肉厚が薄くなりすぎて、強度の点で懸念が生じ、ボール27のピッチ円直径が小さい場合は内・外輪26、23とボール間の面圧が大きくなり、耐久性の点で懸念が生じる。逆に、r1>3.3であると、ボール27の直径が小さい場合はボール27の負荷容量が小さくなり、耐久性の点で懸念が生じ、ボール27のピッチ円直径が大きい場合は、外輪23の肉厚が薄くなりすぎて、強度の点で懸念が生じたり、或いは外輪外径が大きくなり、コンパクト化が達成できない。
Further, by setting the ratio of the pitch circle diameter PCD BALL of the
外輪23の外径とボール27の直径との比を、4.6以上4.8以下とするのが好まし
い。これによって、一層強度・耐久性を確保できる。外輪23の外径とボール27の直径との比r2としたときに、r2<4.6であると、ボール27の直径が大きい場合は外輪23の肉厚が薄くなりすぎて、強度の点で懸念が生じ、外輪23の外径が小さい場合は内・外輪26、23とボール27間の面圧が大きくなり、耐久性の点で懸念が生じる。逆に、r2>4.8であると、ボール27の直径が小さい場合はボールの負荷容量が小さくな
り、耐久性の点で懸念が生じ、外輪23の外径が大きい場合は、コンパクト化が達成できない。
The ratio between the outer diameter of the
ケージ28の角度θ3及びθ4を、2.7°以上5.7°以下に設定することによって、ケージ28の継手開口側の端部の肉厚を、他の部分に比べて厚く成形することができ、継手の小型軽量化を図るためにケージ28を薄く成形しても、ケージ28の継手開口側の端部は、継手の高作動角回転時に付与される負荷に耐え得る強度を確保することができる。ケージ28の角度(オフセット角)θ3及びθ4を、2.7°以上5.7°以下に設定することによって、ケージ28の継手開口側の端部の肉厚が、他の部分に比べて厚く成形される。ケージ28のオフセット角θ3、θ4が、2.7°未満であると、ケージ28の継手開口側の端部が薄くなり、十分な強度が確保できない。また、5.7°を越えると、ケージ28の継手奥側の端部の肉厚が極端に薄くなる。ケージの製造工程において一般的に熱処理を施すが、ケージ28の肉厚が極端に薄くなると、その肉厚の薄い部分では熱処理による未硬化層が少なくなり、靱性が低下し十分な強度が確保できなくなる。また、ケージ28の継手開口側の端部と継手奥側の端部とで、肉厚差が大きいと加工性の悪化も懸念される。
By setting the angles θ3 and θ4 of the
また、本発明では、ケージ28のオフセット量kをトラック溝22、25のオフセット量と略同一として大きくしている。このため、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるのを防止できるとともに、開口側のケージ28の肉厚(径方向厚さ)を大きくすることができる。このため、高角時のボール27がトラックエッジに乗り上げるのを防止でき、エッジに過大な応力が作用することがなくなる。すなわち、高角時の捩りトルク負荷容量の低下を防ぎ、高角耐久寿命の向上(改善)や高角時の内輪26と外輪23のトラック溝25、22の塑性変形に起因する破損強度の向上(改善)を図ることができる。
Further, in the present invention, the offset amount k of the
図10は他の実施形態を示し、この場合のケージ28は、周方向間隔が大の一対の長ポケット30と、周方向間隔が小の一対の短ポケット31との4個を有している。そして、一対の長ポケット30を周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケット31を周方向に沿って180度ずらせて、長ポケット30と短ポケット31とを周方向に沿って交互に配置している。このため、ポケット間に設けられる柱部(ケージ柱部)33が4個となる。そして、長ポケット30には2個のボール27を収容するとともに、短ポケット31には1個のボール27を収容する。
FIG. 10 shows another embodiment, and the
長ポケット30に収容される2個のボール27のPCD上のピッチ角eを60度よりも小さくするとともに、その他のボール27のピッチ角dを60度よりも大きくしている。このため、図11に示すように、ケージ28の長ポケット30に対応する外輪23の2つのトラック溝間肩幅寸法fを、ケージ軸方向におけるポケット幅gよりも小さく設定している。すなわち、内輪26及び外輪23の各トラック溝25、22を、周方向不等ピッチに配設すると共に、外輪23のトラック溝相互間に配設された複数の内球面のうち、最小の前記ピッチ内に配設された内球面の開口側端部の周方向長さ(トラック溝間肩幅寸法)fを、ケージ28のポケット幅gより小さく設定している。さらに、図12に示すように、長ポケット30の周方向間隔hよりも内輪26の軸方向長さiを短くしている。
The pitch angle e on the PCD of the two
ところで、長ポケット30には、図11と図12に示すように、長ポケット30の相対面する長辺35a、35bの長手方向中央部に、長ポケット内方側へ張り出す膨出部36、36を設けて、長ポケット30にスリット37を介して連設される2つのボール収容部38、38を形成している。また、膨出部36、36は、その外面がケージ28の外球面28aと同一曲率半径の連続した球面であり、内面がケージ28の内球面28bと同一曲率半径の連続した球面である。なお、この実施形態では、膨出部36の形状がケージ外周側からみて側辺が円弧面とされた台形状である。このため、各膨出部36の突出端面36aは、ケージ周方向に沿って延びる平面であり、所定間隔mをもって対向(対面)している。
By the way, in the
所定間隔mとしては、図12に示すように、組立時に内輪26の肩部47(隣合うトラック溝間の突部)に干渉しない寸法とする。また、膨出部36の大きさや形状としても、作動角を付けて回転したとき等において、ボール収容部38に収容されるボール27の動きを阻害しないようにする必要がある。なお、膨出部36としては、長ポケット30を形成する際に、機械加工や塑性加工で形成することができる。
As shown in FIG. 12, the predetermined interval m is set to a size that does not interfere with the shoulder 47 (protrusion between adjacent track grooves) of the
このように、周方向間隔が大の一対の長ポケット30と、周方向間隔が小の一対の短ポケット31との4個を有し、一対の長ポケット30を周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケット31を周方向に沿って180度ずらせて、長ポケット30と短ポケット31とを周方向に沿って交互に配置したことによって、ケージ28のポケット間の柱部33の数を4つとすることができ、1本あたりの柱部33の周方向長さを長くすることができる。
As described above, there are four pairs of the
これにより、各ケージ柱部33の剛性を大きくすることができるので、小さなPCDに大きなボール27を配置することができ、負荷容量を低下させずにコンパクト化が可能となる固定式等速自在継手として小型化を図ることができ、しかも、高角度時の捩りトルク負荷に対して、ケージ28の破損を防止できる。また、長ポケット30を有することによって、内輪26のケージ28への組込みが容易となる。すなわち、内輪26のケージ28への組み込みは、図12と図13に示すように、内輪26の一の肩部47を一の長ポケット30に落とし込むことになるから、肩部47を落とし込むポケット29に、長ポケット30を用いることによって、その作業性の向上を図ることができる。
As a result, the rigidity of each
長ポケット30に膨出部36、36を設けることによって、この長ポケット30を構成するための枠(窓枠)の剛性を向上できる。これによって、窓枠の剛性不足によるケージ28の変形を防止でき、この継手の作動性を損なわずに済み、長期に亘って安定した作動性を発揮することができる。
By providing the bulging
さらに、継手開口側の長辺35a側の膨出部36によって、作動角をとる際に、外輪23の開口(入口)のインローエッジ部と、ケージ外球面28a側のポケットエッジ部との干渉を遅らせたり、無くしたりすることができ、継手奥側の長辺35bの膨出部36によって、内輪26の外球面24の奥側エッジ部とケージ内球面28b側のポケットエッジ部との干渉を遅らせたり、無くしたりすることができる。このため、ケージ28の外側継手部材の内球面21や内側継手部材の外球面24に案内しやすくなり、継手の作動性が悪化するのを防止でき、窓枠の剛性向上による継手の作動性の悪化防止と相俟って、ケージ28の欠けや割れを有効に防止できる。
Further, when the operating angle is taken by the bulging
このように前記図10等に示す固定式等速自在継手では、内輪26及び外輪23の各トラック溝25,22を、周方向不等ピッチに配設すると共に、外輪23のトラック溝相互間に配設された複数の内球面のうち、最小のピッチ内に配設された内球面の開口側端部の周方向長さfを、ケージ28のポケット29の幅gより小さく設定している。
As described above, in the fixed type constant velocity universal joint shown in FIG. 10 and the like, the
このように構成することによって、外輪23にケージ28を組み込む際は、ケージ28のポケット29を、外輪23の最小のピッチ内に配設された内球面に対向させて組み込むことになる。この場合、最小のピッチ内に配設された内球面の開口側端部の周方向長さが、対向するケージ28のポケット29の幅より小さく設定されているので、内球面がケージ28の外周面に干渉することなく、ケージ28を外輪23に容易に組み込むことができる。
With this configuration, when the
また、内輪26及び外輪23の各トラック溝相互間のピッチのうち、継手中心に対して対称に位置する2つのピッチの位相を60°より小さく設定すると共に、残りの4つのピッチの位相を60°より大きく設定し、前記60°より小さい位相のピッチ内に配設された外輪23の内球面の開口側端部の周方向長さfを、前記ケージ28のポケット29の幅より小さく設定していることになる。
Further, among the pitches between the track grooves of the
このような場合、ケージ28を外輪23に容易に組み込むことができる。また、ポケット29の幅より小さい周方向長さの内球面(開口側端部)が、継手中心に対して対称に配置されるので、一層組み込みやすいものとなる。
In such a case, the
前記実施形態の長ポケット30は図14(a)に記載のように、膨出部36、36がいわゆる台形形状であったが、図14(b)、図14(c)、図14(d)のような形状であってもよい。すなわち、図14(b)の膨出部36、36は、膨出部36の突出端面36aのコーナ部がアール状とされ、図14(c)の膨出部36、36は、基部コーナ部がなだらかでない台形状とされ、図14(d)の膨出部36、36は矩形状とされている。
In the
この図14(b)、図14(c)、図14(d)のような形状の長ポケット30を有するケージ28であっても、図14(a)のケージ28と同様の作用効果を奏する。
Even the
また、図15に示すように、一対の膨出部36、36のうちいずれか一方を省略してもよい。図15(a)では膨出部36を継手開口部側の長辺35a側にのみ設け、図15(b)では膨出部36を継手開口部側の長辺35b側にのみ設けている。
Moreover, as shown in FIG. 15, you may abbreviate | omit either one of a pair of bulging
図15(a)に示すものでは、外輪23の開口(入口)のインローエッジ部と、ケージ外球面28a側のポケットエッジ部との干渉を遅らせたり、無くしたりすることができ、図15(b)に示すものでは、内輪26の外球面24の奥側エッジ部とケージ内球面28b側のポケットエッジ部との干渉を遅らせたり、無くしたりすることができる。
In the case shown in FIG. 15A, the interference between the inlay edge portion of the opening (inlet) of the
また、図16と図17に示すように、長ポケット30に膨出部36を設けない長円孔としてもよい。このようなものでは、膨出部36に基づく作用効果を享受できないが、内輪26のケージ28への組込性向上や軽量性向上を達成できる。
Further, as shown in FIGS. 16 and 17, an oblong hole in which the bulging
ところで、長ポケット30を有するケージ28を製造する場合、周方向に沿って60°ピッチでポケットが形成された既存のケージにおいて、周方向に隣合うポケット間の柱部を除去すればよい。すなわち、ケージ中心に関して180°反対方向の一対の柱部を除去すればよい。この除去方法としては、例えば、プレス加工やミーリング加工等で行うことができる。図14や図15に示すケージ28の場合、除去すべき柱部の一部を残しているが、図16と図17に示すケージ28では除去すべき柱部の全体(全部)を除去している。なお、長ポケット30を形成する場合、大ピッチ内に配設された柱部を除去してもよいが、ケージ28の強度を確保するためには、小ピッチ内に配設される柱部を除去して、大ピッチ内に配設された太い柱部を残す方が望ましい。
By the way, when the
このように、このケージ28としては、既存のケージにおいて、柱部を除去することによって簡単に成形することができ、しかも、この柱部の除去としては、プレス加工であっても、ミーリング加工であってもよく、これらの種々の塑性加工にて安定して成形することができる。
As described above, the
ケージ28に2個の前記トルク伝達ボール27を保持可能な長ポケット30を形成すると共に、長ポケット30の周方向長さhを、内輪26の幅iより大きく設定したものであれば、内輪26をケージ28に組み込む際の組み込み性の向上を図ることができる。
If a
図18〜図20に示すように、内輪26の一つのトラック溝25(25A)の奥側端部(継手奥側の末端縁部)に切欠部45を設けてもよい。この場合の切欠部45は、奥側端と内輪端面46とのコーナ部に形成されるテーパ面にて構成される。なお、この切欠部45は傾斜部から構成されている。この場合、機械加工による成形であっても、塑性加工による成形であってもよい。
As shown in FIGS. 18-20, you may provide the
ところで、内輪26をケージ28に組み込むに際しては、ケージ28の軸線に対して内輪26をその軸線が垂直になるように配置した状態(ケージ28に対して内輪26を90°回転させた状態)とする。その状態で、図21に示すように、その内輪26の外球面24の一部(周方向に隣合うトラック溝25間の突部47A)をケージ28のポケット29(長ポケット30)に落とし込む。すなわち、切欠部45が形成されたトラック溝25Aを、ポケット30よりも薄肉側の側枠部48に嵌合させて、トラック溝25Aよりも反時計廻り側の突部47Aをケージ28のポケット30に落とし込んで、切欠部45の底を中心に矢印X方向に内輪26を回転させることになる。この際、この回転半径Cを、切欠部45を有さない回転半径B(従来品の回転半径)よりも小さくすることができる。ここで、この回転半径Cは、切欠部45の底中心部と、このトラック溝25Aと180度反対のトラック溝25Bの一方の開口縁50との間の寸法である。
By the way, when the
このため、図21にケージ28のインロー径をAとし、内輪26の回転半径を従来品をBとし、本発明品をCとしたときには、B>Cであるので、(A−B)<(A−C)となる。これにより、従来品よりも本発明品のインロー径Aを小さくすることができ、薄肉側の側枠部48の厚さを大きくすることができる。
Therefore, in FIG. 21, when the inlay diameter of the
内輪26がケージ28に嵌入された後は、内輪26をケージ28に対して90°回転させて、ケージ28の軸線に内輪26の軸線を一致させて正規の姿勢に配置する。これによって、内輪26をケージ28内に組み込むことができる。
After the
トラック溝25の奥側端部に切欠部45を設けたので、ケージ28に組み込む際に、この切欠部45を起点として、内輪26を回転させることができ、内輪26の回転半径を小さくすることができる。このためケージ28のインロー内径と、内輪26との間でより大きなスペースを確保することができ、その分、ケージ28のインロー径Aを小さく設定できる。すなわち、切欠部45を形成した内輪26のトラック溝25を、ケージ28の入口部に跨がせた状態では、図22に示すように、切欠部45が入口部(インロー部)に接近ないし接触している。つまり、切欠部45を有さない従来の内輪に比べて、切欠部45を有する内輪26は、さらに下方に落とし込んで挿入することができる。これにより、内輪26の上端面と、入口部との間の隙間Sを大きく確保することができるので、組み付けが容易となる。
Since the
これによって、ケージ28のインロー側の断面積を拡大させることができ、ケージ28の薄肉の側枠部48の剛性の向上を図ることができると共に、球面接触面積を確保することができるので、接触面圧の増加を防止し、発熱や耐久性の低下を回避することができ、さらにはケージ28の変形や強度の低下も回避できる。すなわち、内輪26の負荷容量や球面面積を減少させることなく、ケージ28の剛性を向上させることができる。また、ケージ28の内球面28bの面積も拡大できるので、内輪26の外球面24との接触面積を拡大でき、剛性向上に加え、耐久性の安定化という利点もある。
As a result, the cross-sectional area on the inlay side of the
切欠部45の大きさとしては、ケージ28への内輪26の組み込み時における内輪26の回転半径を小さくできる範囲で変更できるが、大きすぎると、内輪26が強度不足となったり、トラック溝25のボール転動範囲が小さくなったりし、また、小さすぎると、回
転半径をあまり小さくできない。
The size of the
次に図23から図25は、全トラック溝25の奥側端部に切欠部45を形成したものである。このため、この内輪26であっても、前記図18から図20に示す内輪26と同様、組み込む際に、この切欠部45を起点として、内輪26を回転させることができ、内輪26の回転半径を小さくすることができる。このため、この図23から図25に示す内輪26は、図18に示す内輪26と同様の作用効果を奏する。
Next, in FIGS. 23 to 25, a
特に、全トラック溝25の奥側端部に切欠部45を形成しているので、この内輪26をケージ28に組み込む際に、いずれの突部(肩部)47をポケット30に挿入してもよい。このため、組み込み性の向上を図ることができる利点がある。
In particular, since the
ところで、前記各実施形態では、切欠部45を、開口側トラック溝25b側から内輪端面46側に向かって順次縮径するテーパ面にて形成していたが、切欠部45としては図26(a)および図26(b)に示す形状であってもよい。図26(a)に示す切欠部45は凹アール状とされ、図26(b)に示す切欠部45は凸アール状とされている。
By the way, in each of the above-described embodiments, the
この図26(a)および図26(b)に示す切欠部45であっても、組み込む際に、この切欠部45を起点として、内輪26を回転させることができ、内輪26の回転半径を小さくすることができる。また、図27(a)および図27(b)に示すように、この切欠部45はトラック溝端の一部(図例では底部)に形成されていても良い。
Even when the
切欠部45としては、図示省略するが、図18から図20に示すもの、図26(a)および図26(b)に示すもの、又は図27(a)および図27(b)に示すもの以外、例えば段差部等で構成してもよい。このような段差部等の切欠部45であっても、切欠部45としての機能を発揮する。
Although not shown, the
次に、図28は別の実施形態を示し、この場合、内輪26および外輪23のトラック溝底が円弧部とテーパ部とを備えたものである。すなわち、トラック溝底が円弧部となる奥側トラック溝22cと、トラック溝底が奥側から開口側に向かって外径側へ傾斜する開口側トラック溝22dとからなる。奥側トラック溝22cは、その曲率中心O1を継手中心Oから軸方向に外輪23の開口側にずらしている。また、内輪26のトラック溝25は、トラック溝底が開口側から奥側に向かって外径側へ傾斜する奥側トラック溝25cと、トラック溝底が円弧部となる開口側トラック溝25dとからなる。開口側トラック溝25bの曲率中心O2を継手中心Oから軸方向に外輪23の奥側トラック溝22aの曲率中心O1と反対側の奥側に等距離kだけ離して設けている。
Next, FIG. 28 shows another embodiment. In this case, the track groove bottoms of the
この場合も、ケージ28の外球面28aの曲率中心O3とケージ28の内球面28bの曲率中心O4とを、継手中心Oに対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージ28のオフセット量kをトラック溝22、25のオフセット量k2と略同一とし
ている。
Also in this case, the center of curvature O3 of the outer
また、この内輪26においても、雌セレーション61は継手開口側において省略され、その省略部に、底面83が雌セレーション61の大径よりも大きな円筒形状となる周方向切欠部84を形成している。なお、図28の固定式等速自在継手の他の構成は前記図1に示す固定式等速自在継手と同様であり、同一部材には図1と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。この場合、図8に示すように、周方向切欠部84の底面83に対するシャフト65の干渉範囲(接触範囲)H1を小さくするようにしたり、図9に示すように、周方向切欠部84の底面83とシャフト65の大径膨出部70との間に隙間75を設けたりしてもよい。
Also in the
このため、図28に示す固定式等速自在継手においても、図1に示す固定式等速自在継手と同様の作用効果を奏する。図1においては、内輪26および外輪23のトラック溝底が円弧部とストレート部とを備えたアンダーカットフリー型を採用することによって、継手作動角の高角化を図ることができる。これに対して、図26に示す固定式等速自在継手に示すように、トラック溝底が円弧部とテーパ部とを備えたものであれば、より一層の高角化が可能である。
For this reason, the fixed type constant velocity universal joint shown in FIG. 28 has the same effects as the fixed type constant velocity universal joint shown in FIG. In FIG. 1, the joint operating angle can be increased by adopting an undercut free type in which the track groove bottoms of the
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、前記実施形態では、曲率中心O1と曲率中心O3とは僅かにずれた位置に配置されるとともに、曲率中心O2と曲率中心O4とは僅かにずれた位置に配置されているが、曲率中心O1と曲率中心O3とが同一位置であっても、曲率中心O2と曲率中心O4とが同一位置であってもよい。また、曲率中心O1と曲率中心O3とがずれたり、曲率中心O2と曲率中心O4とがずれたりする場合、そのずれ量は、任意に設定できるが、オフセット量kとずれ量(k−k2)との比は(k−k2)/k≦0.3と設定するのが好ましい。(k−k2)/k>0.3になると、図29に示す従来の固定式等速自在継手と差異が無くなって、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるとともに、開口側のケージ28の肉厚を大きくできなくなり、ジョイントの必要強度を下回る。
As described above, the embodiment of the present invention has been described. However, the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications are possible. For example, in the embodiment, the curvature center O1 and the curvature center O3 are slightly different. Although the center of curvature O2 and the center of curvature O4 are disposed at positions slightly deviated from each other, the center of curvature O2 is provided even if the center of curvature O1 and the center of curvature O3 are the same position. And the center of curvature O4 may be at the same position. Further, when the curvature center O1 and the curvature center O3 are shifted, or when the curvature center O2 and the curvature center O4 are shifted, the shift amount can be arbitrarily set, but the offset amount k and the shift amount (k−k2). Is preferably set as (k−k2) /k≦0.3. When (k−k2) / k> 0.3, there is no difference from the conventional fixed type constant velocity universal joint shown in FIG. 29, the depth of the track groove on the inner side of the joint becomes shallower, and the
また、長ポケット30の周方向間隔hとしても、内輪26へのケージ28の組込み性の向上が図れて、しかも、柱部33の剛性が低下しない範囲で種々設定できる。さらに、トラック溝間肩幅寸法fやケージ28のケージ軸方向におけるポケット幅g等も、ケージ28の外輪23への組込み性等を考慮して設定できる。なお、膨出部36の突出端面36aを平面とすることなく、曲面であってもよい。
Further, the circumferential interval h between the
図28に示す固定式等速自在継手において、ケージ28に図14〜図17に示すような長ポケット30を有するものを用いてもよい。また、内輪26に図18や図23に示すような切欠部45を有する内輪26を用いてもよい。
In the fixed type constant velocity universal joint shown in FIG. 28, a
図10等に示すように、内輪26のトラック溝25及び外輪23のトラック溝22を円周方向に不等ピッチで配設する場合、ボール27の円周方向に不等ピッチで配設されることになる。このため、前記実施形態では、60°未満で配設される2個のボールを一つの長ポケット30に収容させていた。すなわち、60°未満で配設される2個のボール間の柱部を省略した形状となっている。これに対して、この柱部を省略しないようなものであってもよく、この場合、図1に示すように柱部が6個形成されることになり、ケージ全体の強度が向上するとともに、剛性が大となる。
As shown in FIG. 10 and the like, when the
21 内球面
22 トラック溝
23 外輪
24 外球面
25 トラック溝
26 内輪
27 トルク伝達ボール
28 ケージ
28a 外球面
28b 内球面
29 ポケット
33 柱部
61 雌セレーション
65 シャフト
66 雄セレーション
83 底面
84 周方向切欠部
W 抜け止め手段
W1 位置決め手段
21 inner
Claims (10)
前記内側継手部材の内径面に、挿入されるシャフトの雄セレーションと嵌合する雌セレーションが形成されるとともに、前記雌セレーションは継手開口側において省略され、その省略部に、底面が前記雌セレーションの大径よりも大きな円筒形状となる周方向切欠部を形成し、かつ、2次モーメント発生時におけるシャフトの外径面と周方向切欠部の底面との干渉を緩和する隙間を、シャフトの外径面と周方向切欠部の底面との間に設けたことを特徴とする固定式等速自在継手。 An outer joint member having a plurality of track grooves extending in the axial direction on the inner spherical surface, an inner joint member having a plurality of track grooves extending in the axial direction on the outer spherical surface, and the track grooves and the inner surfaces of the outer joint member A plurality of torque transmitting balls disposed on a ball track formed in pairs with a track groove of a joint member; and the torque transmission between the inner spherical surface of the outer joint member and the outer spherical surface of the inner joint member In a fixed type constant velocity universal joint that has a cage to hold a ball and generates a secondary moment when the operating angle is taken,
A female serration that fits with the male serration of the shaft to be inserted is formed on the inner diameter surface of the inner joint member, the female serration is omitted on the joint opening side, and a bottom surface of the female serration is formed in the omitted portion. A clearance that reduces the interference between the outer diameter surface of the shaft and the bottom surface of the circumferential notch when a secondary moment is generated is formed in the outer diameter of the shaft. A fixed type constant velocity universal joint provided between the surface and the bottom surface of the circumferential notch.
前記内側継手部材の内径面に、挿入されるシャフトの雄セレーションと嵌合する雌セレーションが形成されるとともに、前記雌セレーションは継手開口側において省略され、その省略部に、底面が前記雌セレーションの大径よりも大きな円筒形状となる周方向切欠部を形成し、かつ、前記シャフトの外径面に周方向切欠部の底面に接触する接触部位を設けるとともに、2次モーメント発生時における前記周方向切欠部の底面に対する接触部位の接触範囲を底面全体よりも小さくしたことを特徴とする固定式等速自在継手。 An outer joint member having a plurality of track grooves extending in the axial direction on the inner spherical surface, an inner joint member having a plurality of track grooves extending in the axial direction on the outer spherical surface, and the track grooves and the inner surfaces of the outer joint member A plurality of torque transmitting balls disposed on a ball track formed in pairs with a track groove of a joint member; and the torque transmission between the inner spherical surface of the outer joint member and the outer spherical surface of the inner joint member In a fixed type constant velocity universal joint that has a cage to hold a ball and generates a secondary moment when the operating angle is taken,
A female serration that fits with the male serration of the shaft to be inserted is formed on the inner diameter surface of the inner joint member, the female serration is omitted on the joint opening side, and a bottom surface of the female serration is formed in the omitted portion. A circumferential cutout portion having a cylindrical shape larger than the large diameter is formed, and a contact portion that contacts the bottom surface of the circumferential cutout portion is provided on the outer diameter surface of the shaft, and the circumferential direction when a secondary moment is generated A fixed type constant velocity universal joint characterized in that a contact range of a contact portion with respect to a bottom surface of a notch portion is made smaller than that of the entire bottom surface.
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