JP2010273644A - 防塵防虫用ネット - Google Patents

防塵防虫用ネット Download PDF

Info

Publication number
JP2010273644A
JP2010273644A JP2009131262A JP2009131262A JP2010273644A JP 2010273644 A JP2010273644 A JP 2010273644A JP 2009131262 A JP2009131262 A JP 2009131262A JP 2009131262 A JP2009131262 A JP 2009131262A JP 2010273644 A JP2010273644 A JP 2010273644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
net
adhesive
mesh
dustproof
insect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009131262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4425324B1 (ja
Inventor
善雄 ▲高▼田
Yoshio Takada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PORINESU KK
Original Assignee
PORINESU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PORINESU KK filed Critical PORINESU KK
Priority to JP2009131262A priority Critical patent/JP4425324B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4425324B1 publication Critical patent/JP4425324B1/ja
Publication of JP2010273644A publication Critical patent/JP2010273644A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】低コストかつ廃棄物量の低減を図ることのできる防塵防虫用ネットを提供する。
【解決手段】防塵防虫用ネット10は、比較的小さな網目を有する基本網20と比較的大きな網目を有する粘着網30とによって構成される。粘着網30を構成する糸状体は発泡樹脂で形成され、当該糸状体には凸部が形成される。基本網20と粘着網30のうち粘着網30のみに糊が塗布され、粘着網30を構成する糸状体の凸部の頂点部分において粘着網30と基本網20とが糊によって互いに接着される。
【選択図】図2

Description

本発明は、工場等において塵埃や虫等の異物の作業場への侵入・飛来を防止するための防塵および防虫用のネット(網)に関する。
従来より、例えば食品や精密機器を扱う工場において作業場への塵埃や虫等の侵入・飛来を防止するためのものとして、あるいは、廃棄物の処理工場等において作業場で生じた塵埃の外部への飛散を防止するためのものとして、あるいはまた、農場において果樹等への虫の付着を防止するためのものとして、防塵用ネットや防虫用ネット(以下、両者をまとめて「防塵防虫用ネット」ともいう。)が使用されている。
例えば、特開2007−6722号公報には、網の片面または両面の一部または全面に粘着剤を塗布するとともに網脚の太さおよび網目の大きさを適宜のサイズにすることにより虫類の効率的な捕獲を図っている防虫用ネットの発明が開示されている。また、同公報には、粘着剤に虫誘因効果を有する微香を付すことや網を赤黄系色または青紫系色に着色することによって虫類捕獲の効果を更に高めることができる旨、記載されている。
また、特開2004−314008号公報には、複数の網脚間を熱可塑性のモノフィラメント(単繊維)で水平状、斜め状またはX字状に連結するとともにモノフィラメントに粘着剤を塗布することにより塵埃の捕捉量の増大を図っている防塵用ネットの発明が開示されている。
さらに、特開2002−129854号公報には、太い補強繊維と細い高密度化繊維とを数本ごとの間隔で配置することにより通気性を保持しつつ効果的な防虫防塵を図っている防塵防虫用ネットの発明が開示されている。
特開2007−6722号公報 特開2004−314008号公報 特開2002−129854号公報
上述のように、特開2007−6722号公報あるいは特開2004−314008号公報に開示された防塵防虫用ネットには粘着剤が塗布されている。このような防塵防虫用ネットにおいて粘着剤の粘着力が低下したときや多量の塵あるいは虫が粘着剤に付着したときには、防塵防虫用ネットの取り替えや洗浄が必要となる。この点に関し、上述した従来技術における防塵防虫用ネットにおいては、ネット全体の取り替えや洗浄が必要となり、高コストとなる。また、ネットを取り替える毎に古い方のネットが廃棄されると、廃棄物の量が大きくなるので、環境面からも好ましくない。さらに、粘着剤の塗布が行われる領域においては当該領域に含まれる全ての網脚に粘着剤が塗布されることになるので、多量の粘着剤を要し、高コストとなることが懸念される。以上のように高コストである点や廃棄物の量が大きくなる点については、特にネットの取り替えが頻繁に行われる工場においては顕著となる。さらにまた、特開2002−129854号公報に開示された防塵防虫用ネットについても、複数本の太い糸と複数本の細い糸とによって1枚のネットが形成されているので、一部のみを取り替えることはできない。
そこで本発明は、低コストかつ廃棄物量の低減を図ることのできる防塵防虫用ネットを提供することを目的とする。
第1の発明は、複数の糸状体が網目を形成するように格子状に配置された第1の網と、前記第1の網よりも網目の面積が大きくなるように複数の糸状体が格子状に配置された第2の網とからなる防塵防虫用ネットであって、
前記第2の網の太さは、前記第1の網の太さよりも大きく、
前記第1の網と前記第2の網とは、前記第2の網のみに塗布された接着剤によって互いに貼り合わせられていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記第2の網を構成する複数の糸状体は、発泡樹脂で形成されていることを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記第2の網を構成する複数の糸状体について、少なくとも前記第1の網と対峙する側には、所定の間隔で凸部が形成され、
前記第1の網を構成する糸状体と前記第2の網を構成する糸状体とが前記凸部において前記接着剤によって接着されていることを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明において、
前記第2の網を複数枚備え、
それぞれの第2の網の網目が互いに縦方向および横方向に所定の距離だけずれた状態となるように、前記複数枚の第2の網が貼り合わせられていることを特徴とする。
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明において、
前記接着剤は、溶剤型接着剤であることを特徴とする。
第6の発明は、複数の糸状体が網目を形成するように格子状に配置された第1の網と、前記第1の網よりも網目の面積が大きくなるように複数の糸状体が格子状に配置された第2の網とからなる防塵防虫用ネットの製造方法であって、
前記第2の網に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記接着剤塗布工程で前記第2の網に塗布された接着剤によって前記第1の網と前記第2の網とを互いに貼り合わせる貼り合わせ工程と
を含み、
前記接着剤塗布工程では、前記第2の網のうち各時点において接着剤が塗布されるべき領域である塗布対象領域が当該各時点において接着剤に浸されている状態で、前記塗布対象領域が前記第2の網の両面側に配置された押圧手段によって押圧されることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、防塵防虫用ネットは比較的小さな網目を有する第1の網と比較的大きな網目を有する第2の網とによって構成され、それら双方の網のうち第2の網のみに接着剤が塗布されている。このため、防塵防虫用ネットを構成する網全体に接着剤を塗布する構成と比較して、必要な接着剤の量を顕著に少なくすることができる。また、接着剤の接着力が低下したときなど、第2の網のみを取り替えて、第1の網については継続的に使用することができる。これにより、防塵防虫用ネット全体としての耐用期間を長期化することができ、全体としてのコスト低減や廃棄物量の削減が実現される。
上記第2の発明によれば、発泡樹脂で第2の網が形成されているので、同体積の発泡性以外の樹脂で形成されている網と比較すると、網の重量が顕著に低減される。このため、第2の網の取り替えが行われる際、廃棄されるべき網の重量を小さくすることができる。
上記第3の発明によれば、第2の網を構成する糸状体に形成された凸部において、第1の網と第2の網とが接着剤によって互いに接着される。このため、第2の網全体が第1の網と接着される構成と比較して、第1の網から第2の網を容易に取り外すことができ、第2の網を取り替える作業が容易になる。
上記第4の発明によれば、防塵防虫用ネットは、接着剤が塗布されていない1枚の網(第1の網)と接着剤が塗布された複数枚の網(第2の網)とによって構成される。ここで、第2の網の枚数については、防塵防虫効果についての使用者の要求の高さに応じて異なる枚数にすることができる。これにより、防塵防虫の効果とコストとのバランスが取れた防塵防虫用ネットを提供することが可能となる。
上記第5の発明によれば、第2の網に塗布された接着剤は溶剤によって除去され得る。このため、接着剤の接着力が低下したときなど第2の網を再利用することが可能となり、コストの低減や廃棄物量の削減を図ることができる。
上記第6の発明によれば、第2の網への接着剤の塗布が行われる際、今から接着剤を塗布しようとする領域(塗布対象領域)が接着剤に浸された状態で、塗布対象領域が押圧手段によって押圧される。このため、従来とは異なり、網の上面側および下面側の双方から当該網への接着剤の塗布が行われる。これにより、第2の網にムラなく接着剤が塗布され、高い防塵防虫効果を奏する防塵防虫用ネットが実現される。
本発明の一実施形態に係る防塵防虫用ネットの概略構成を示す斜視図である。 上記実施形態において、基本網と粘着網との貼り合わせについて説明するための図である。 上記実施形態において、基本網の構成を示す部分拡大図である。 上記実施形態において、基本網の構成の変形例を示す部分拡大図である。 上記実施形態において、粘着網の構成を示す部分拡大図である。 上記実施形態において、粘着網の構成の変形例を示す部分拡大図である。 上記実施形態において、基本網と粘着網とが貼り合わせられた状態を示す防塵防虫用ネットの部分拡大図である。 上記実施形態において、粘着網を構成する縦糸の部分拡大斜視図である。 図8のA−A線断面図である。 上記実施形態において、凸部における粘着網と基本網との接着について説明するための図である。 上記実施形態において、防塵防虫用ネットを製造する手順を示すフローチャートである。 上記実施形態において、糊付装置の構成を示す模式図である。 従来例における糊付装置の構成を示す模式図である。 上記実施形態の変形例において、1枚目の粘着網と2枚目の粘着網との貼り合わせについて説明するための図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<1.防塵防虫用ネットの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る防塵防虫用ネット10の概略構成を示す斜視図である。この防塵防虫用ネット10は、比較的小さな網目を有する網(以下、「基本網」という。)20と、比較的大きな網目を有する網(以下、「粘着網」という。)30とによって構成されている。それら基本網20と粘着網30のうち粘着網30のみに糊(接着剤)が塗布されており、その糊によって基本網20と粘着網30とが互いに貼り合わせられている。すなわち、図2に示すように、比較的小さな網目を有する基本網20と比較的大きな網目を有する粘着網30とが用意され、粘着網30のみに糊付けが施された後、基本網20と粘着網30とを貼り合わせることにより防塵防虫用ネット10が作製される。
図3は、本実施形態における基本網20の構成を示す部分拡大図である。基本網20は、図3において上下方向に延びる複数本の縦糸(糸状体)201と図3において左右方向に延びる複数本の横糸(糸状体)202とによって構成されている。そして、それら複数本の縦糸201と複数本の横糸202とによって基本網20の網目が形成されている。本実施形態においては、縦糸201および横糸202には樹脂糸が採用されている。
図3に示すように、互いに隣接する縦糸201間の距離はLaとなっており、互いに隣接する横糸202間の距離もLaとなっている。すなわち、基本網20の網目の形状は正方形となっている。さらに具体的には、本実施形態においては、上記La(基本網20の網目の一辺の長さ)は4ミリメートルとなっている。また、基本網20についての網の太さ(縦糸201および横糸202の太さ)は、本実施形態においては0.1ミリメートルとなっている。
なお、本実施形態においては基本網20の網目の形状を正方形としているが、網目の形状は正方形以外の形状であっても良い。例えば、図4に示すように、互いに隣接する縦糸211間の距離がLa1,互いに隣接する横糸212間の距離がLa2であって、La2よりもLa1の方が大きくなるような構成であっても良い。また、上記Laや網の太さについての具体的な値についても上述した値に限定されるものではない。
図5は、本実施形態における粘着網30の構成を示す部分拡大図である。粘着網30は、図5において上下方向に延びる複数本の縦糸(糸状体)301と図5において左右方向に延びる複数本の横糸(糸状体)302とによって構成されている。そして、それら複数本の縦糸301と複数本の横糸302とによって粘着網30の網目が形成されている。本実施形態においては、縦糸301および横糸302は発泡性の樹脂(発泡樹脂)によって形成されている。
図5に示すように、互いに隣接する縦糸301間の距離はLbとなっており、互いに隣接する横糸302間の距離もLbとなっている。すなわち、粘着網30の網目の形状は正方形となっている。さらに具体的には、本実施形態においては、上記Lb(粘着網30の網目の一辺の長さ)は20ミリメートルとなっている。また、粘着網30についての網の太さ(縦糸301および横糸302の太さ)は、本実施形態においては1ミリメートルとなっている。
上述の発泡樹脂としては、一般に「フルーツネット」,「フルーツキャップ」などと呼ばれている果物保護用の緩衝剤に用いられている素材すなわち発泡ポリスチレン,発泡ポリエチレン,発泡ポリスチレンと発泡ポリエチレンとの混合物などが採用されている。また、上述の発泡樹脂は、典型的には3〜10倍に発泡されている。
なお、本実施形態においては粘着網30の網目の形状を正方形としているが、基本網20と同様、網目の形状は正方形以外の形状であっても良い。例えば、図6に示すように、互いに隣接する縦糸311間の距離がLb1,互いに隣接する横糸312間の距離がLb2であって、Lb2よりもLb1の方が大きくなるような構成であっても良い。また、上記Lbや網の太さについての具体的な値についても上述した値に限定されるものではない。
図7は、基本網20と粘着網30とが貼り合わせられた状態を示す防塵防虫用ネット10の部分拡大図である。図7に示すように、粘着網30を構成する各縦糸301間に、基本網20を構成する縦糸201が複数本配置されている。すなわち、比較的太い縦糸301間に、比較的細い縦糸201が複数本配置されている。また、粘着網30を構成する各横糸302間に、基本網20を構成する横糸202が複数本配置されている。すなわち、比較的太い横糸302間に、比較的細い横糸202が複数本配置されている。このようにして、比較的太く粗い網目の中に、比較的細く細かい多数の網目が形成されている。従って、網目の面積に着目すると、基本網20についての網目の面積よりも粘着網30についての網目の面積の方が大きくなっている。なお、本説明における網目の面積とは、互いに隣接する縦糸と互いに隣接する横糸とによって囲まれる領域すなわち4本の糸状体によって囲まれる領域の面積のことをいう。但し、糸状体の太さは限りなく小さいものと仮定する。例えば、基本網20についての網目の面積は「La×La」となる。
また、本実施形態においては、粘着網30を構成する縦糸301および横糸302には所定の間隔で突起物(以下、「凸部」という。)が形成されている。これについて、図8〜図10を参照しつつ説明する。図8は粘着網30を構成する縦糸301の部分拡大斜視図であって、図9は図8のA−A線断面図である。図8および図9に示すように、粘着網30を構成する縦糸301の或る面には凸部33と凹部34が形成されている。これについては、粘着網30を構成する横糸302についても同様である。なお、互いに隣接する凸部33間の距離や凸部33の大きさについては特に限定されない。
粘着網30を構成する糸状体(縦糸301および横糸302)には上述のように凸部33と凹部34が形成されているところ、図10に示すように、上記凸部33の頂点部分において粘着網30と基本網20とが糊によって互いに接着されている(符号51の部分を参照)。なお、本実施形態においては粘着網30を構成する糸状体の或る面にのみ凸部33および凹部34が形成されているが、糸状体全体に凸部33および凹部34が形成されていても良い。例えば、糸状体を縄目状にすることによって形成される凹凸をそれぞれ凹部34,凸部33としても良い。
<2.防塵防虫用ネットの製造方法>
次に、本実施形態における防塵防虫用ネット10の製造方法について説明する。図11は、本実施形態における防塵防虫用ネット10を製造する手順を示すフローチャートである。まず、基本網20の作製(ステップS10)と粘着網30の作製(ステップS12)とが行われる。すなわち、樹脂糸を用いて図3に示したような基本網20が作製され、発泡性の樹脂を用いて図5に示したような粘着網30が作製される。
基本網20と粘着網30とが作製された後、粘着網30への糊付けが行われる(ステップS14)。この糊付けは、版胴を用いた印刷装置を応用した図12に示すような構成の糊付装置40によって行われる。この糊付装置40は、粘着網30を搬送するためのローラー41,42と、粘着網30に圧力を加えながら糊49を塗布するためのローラー43,44と、糊49を溜めておくための容器45とによって構成されている。糊付けが行われる際、ローラー41,42が回転することにより、図12において右から左へと粘着網30が搬送される。その際、粘着網30はローラー43とローラー44との間を通過する。また、図12に示すように、ローラー43とローラー44との間の部分が糊49で浸された状態となるように、容器45内に糊49が溜められている。従って、粘着網30がローラー43とローラー44との間を通過する際、その接触部分(塗布対象領域)に粘着網30の両側(上面側および下面側)から糊が押しつけられるようにして、粘着網30(上記接触部分)への糊付けが行われる。
粘着網30への糊付けが行われた後、基本網20と粘着網30とを貼り合わせる処理が行われる(ステップS16)。このとき、図10に示したように、粘着網30を構成する糸状体の凸部33の頂点部分で粘着網30と基本網20とが互いに糊で接着するように、基本網20と粘着網30とが貼り合わせられる。以上のようにして、防塵防虫用ネット10が完成する。
なお、本実施形態においては、上記ステップS14によって接着剤塗布工程が実現され、上記ステップS16によって貼り合わせ工程が実現され、上記ローラー43,44によって押圧手段が実現されている。
<3.効果>
以上のように、本実施形態によれば、防塵防虫用ネット10は比較的小さな網目を有する基本網20と比較的大きな網目を有する粘着網30とによって構成され、それら双方の網のうち粘着網30のみに糊が塗布されている。このため、防塵防虫用ネット10を構成する網全体に糊を塗布する構成と比較して、必要な糊の量を顕著に少なくすることができる。また、時間の経過に伴って糊の粘着力が低下することや塵埃や虫等の多量の異物が糊に付着することが考えられるが、本実施形態によれば、基本網20については継続的に使用して、粘着網30のみを取り替えることが可能である。このため、防塵防虫用ネット10全体としての耐用期間が長くなり、全体としてのコスト低減や廃棄物量の低減が実現される。
また、本実施形態によれば、粘着網30を構成する糸状体が発泡樹脂で形成されている。この発泡樹脂は3〜10倍に発泡されたものであるので、同体積の発泡性以外の樹脂と比較すると、重量は10分の1から3分の1となる。このため、粘着網30の取り替えが行われる際、廃棄されるべき網の重量を小さくすることができる。このように、環境を考慮した防塵防虫用ネット10が実現される。
さらに、本実施形態によれば、粘着網30を構成する糸状体には凸部33が形成され、当該凸部33の頂点部分において粘着網30と基本網20との接着が行われる。このため、粘着網30全体と基本網20との接着が行われる構成と比較して、基本網20から粘着網30を容易に取り外すことが可能となる。
さらにまた、本実施形態によれば、粘着網30への糊付けが行われる際、粘着網30のうち糊が塗布されるべき領域(塗布対象領域)が糊に浸された状態で、塗布対象領域が粘着網30の両面から押圧される。この点に関し、従来においては、図13に示すように、網の片面側に配置されたローラー94に容器95内の糊99を付着させ、ローラー94と(網から見てローラー94とは他面側に配置された)ローラー93との間で塗布対象領域への押圧が施されることにより網への糊の塗布が行われている。このように、従来においては網の片面側から当該網への糊の塗布が行われているのに対し、本実施形態においては網の両面側から当該網への糊の塗布が行われる。このため、本実施形態によれば、従来よりもムラなく糊を網に塗布することが可能となり、高い防塵防虫効果を奏する防塵防虫用ネット10が実現される。
<4.変形例>
上記実施形態においては防塵防虫用ネット10は1枚の基本網20と1枚の粘着網30とによって構成されていたが、本発明はこれに限定されず、1枚の基本網20と複数枚の粘着網30とによって防塵防虫用ネット10が構成されていても良い。これについて以下に説明する。
一般に防塵防虫用ネットは防塵対策や防虫対策を必要とする工場で使用されるが、各工場毎に防塵防虫の効果に対する要求度合は異なっている。例えば、ごく微細な浮遊物までもを遮断したい工場もあれば、多少の浮遊物の侵入については許容できる工場もある。そこで、防塵防虫の効果に対する要求度合に応じて粘着網30の枚数を決定するようにすれば良い。そして、それら複数枚の粘着網30のそれぞれの網目が互いに縦方向(縦糸301の延びる方向)および横方向(横糸302の延びる方向)に所定の距離だけずれた状態となるように、当該複数枚の粘着網30が貼り合わせられるようにすれば良い。例えば、粘着網の枚数が2枚のとき、図14に示すように、1枚目の粘着網37および2枚目の粘着網38のそれぞれの網目が互いに斜め方向にずれた状態となるように双方の網の貼り合わせが行われると良い。
以上のように、本変形例によれば、防塵防虫対策を必要とするユーザーの要求度合に応じて粘着網30の枚数を変えることによって、防塵防虫の効果とコストとのバランスが取れた防塵防虫用ネット10を提供することが可能となる。
<5.その他>
上記実施形態においては、基本網20の網目の一辺の長さは4ミリメートル,基本網20の網目の太さは0.1ミリメートル,粘着網30の網目の一辺の長さは20ミリメートル,粘着網30の網目の太さは1ミリメートルとなっているが、本発明はこれに限定されない。但し、通気性が充分に確保されるよう、基本網20の網目の一辺の長さは2〜6ミリメートルの範囲内,基本網20の網目の太さは0.1〜0.3ミリメートルの範囲内,粘着網30の網目の一辺の長さは10〜30ミリメートルの範囲内,粘着網30の網目の太さは0.5〜1.5ミリメートルの範囲内とされることが好ましい。また、基本網20および粘着網30の双方について、各網目の一辺の長さをL,各網目の太さをDとしたときに、L/Dの値が15を超えることが好ましい。
また、上記実施形態においては、基本網20を構成する糸状体は樹脂糸で形成され、粘着網30を構成する糸状体は発泡性の樹脂で形成されているが、本発明はこれに限定されず、それら糸状体が他の素材によって形成されていても良い。
さらに、粘着網30に塗布する接着剤として溶剤型の接着剤を採用した構成であっても良い。この構成によると、粘着網30に塗布された接着剤を溶剤によって除去することができるので、接着剤の粘着力が低下したときなど当該粘着網30を再利用することが可能となる。これにより、コスト低減や廃棄物量の低減が実現される。
<6.従来技術との対比>
最後に、本発明と従来技術との相違点、当該相違点に基づく本発明の有利な効果について説明する。特開2007−6722号公報あるいは特開2004−314008号公報に記載の防塵防虫用ネットには、本発明に係る防塵防虫用ネットと同様、粘着剤(接着剤)が塗布されている。しかしながら、それら従来技術における防塵防虫用ネットはいずれも1枚の網によって構成されている。このため、粘着剤の粘着力の低下や多量の塵埃や虫等の粘着剤への付着によって防塵防虫用ネットの防塵防虫効果が低下したときには、ネット全体の取り替えが必要となる。従って、高コストとなるとともに廃棄物の量が大きくなり、環境面からも好ましくない。
これに対して、本発明に係る防塵防虫用ネットは、比較的小さな網目を有する第1の網(基本網20)と比較的大きな網目を有する第2の網(粘着網30)とによって構成され、第2の網のみに接着剤が塗布されている。このため、防塵防虫効果が低下したときに、第2の網のみを取り替えて、第1の網を継続して使用することが可能である。従って、コストが低減するとともに、廃棄物の量も小さくなる。また、比較的大きな網目を有する第2の網のみに接着剤が塗布されていることから、従来技術の構成と比較して必要な糊の量を顕著に少なくすることができ、コストが低減される。
特開2002−129854号公報に記載の防塵防虫用ネットについては、複数本の太い糸と複数本の細い糸とによって構成されているという点で本発明に係る防塵防虫用ネットと共通している。しかしながら、当該従来技術における防塵防虫用ネットには接着剤が塗布されていないので、塵埃や虫等が接着剤に付着することによる防塵防虫効果というものは得られない。また、特開2007−6722号公報あるいは特開2004−314008号公報に記載の防塵防虫用ネットと同様に1枚の網によって構成されているので、防塵防虫効果が低下したときに一部のみを取り替えることはできない。
これに対して、本発明に係る防塵防虫用ネットには接着剤が塗布されているので、接着剤に塵埃や虫等が付着することによって効果的に防塵防虫が行われる。また、防塵防虫効果が低下したときには上述のように第2の網のみを取り替えることができるので、コストが低減するとともに、廃棄物の量も小さくなる。
10…防塵防虫用ネット
20…基本網
30…粘着網
33…凸部
34…凹部
40…糊付装置
41〜44…ローラー
49…糊
201…(基本網の)縦糸
202…(基本網の)横糸
301…(粘着網の)縦糸
302…(粘着網の)横糸
La…基本網の網目の一辺の長さ
Lb…粘着網の網目の一辺の長さ

Claims (6)

  1. 複数の糸状体が網目を形成するように格子状に配置された第1の網と、前記第1の網よりも網目の面積が大きくなるように複数の糸状体が格子状に配置された第2の網とからなる防塵防虫用ネットであって、
    前記第2の網の太さは、前記第1の網の太さよりも大きく、
    前記第1の網と前記第2の網とは、前記第2の網のみに塗布された接着剤によって互いに貼り合わせられていることを特徴とする、防塵防虫用ネット。
  2. 前記第2の網を構成する複数の糸状体は、発泡樹脂で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の防塵防虫用ネット。
  3. 前記第2の網を構成する複数の糸状体について、少なくとも前記第1の網と対峙する側には、所定の間隔で凸部が形成され、
    前記第1の網を構成する糸状体と前記第2の網を構成する糸状体とが前記凸部において前記接着剤によって接着されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の防塵防虫用ネット。
  4. 前記第2の網を複数枚備え、
    それぞれの第2の網の網目が互いに縦方向および横方向に所定の距離だけずれた状態となるように、前記複数枚の第2の網が貼り合わせられていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の防塵防虫用ネット。
  5. 前記接着剤は、溶剤型接着剤であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の防塵防虫用ネット。
  6. 複数の糸状体が網目を形成するように格子状に配置された第1の網と、前記第1の網よりも網目の面積が大きくなるように複数の糸状体が格子状に配置された第2の網とからなる防塵防虫用ネットの製造方法であって、
    前記第2の網に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記接着剤塗布工程で前記第2の網に塗布された接着剤によって前記第1の網と前記第2の網とを互いに貼り合わせる貼り合わせ工程と
    を含み、
    前記接着剤塗布工程では、前記第2の網のうち各時点において接着剤が塗布されるべき領域である塗布対象領域が当該各時点において接着剤に浸されている状態で、前記塗布対象領域が前記第2の網の両面側に配置された押圧手段によって押圧されることを特徴とする、製造方法。
JP2009131262A 2009-05-29 2009-05-29 防塵防虫用ネット Expired - Fee Related JP4425324B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009131262A JP4425324B1 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 防塵防虫用ネット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009131262A JP4425324B1 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 防塵防虫用ネット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4425324B1 JP4425324B1 (ja) 2010-03-03
JP2010273644A true JP2010273644A (ja) 2010-12-09

Family

ID=42072701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009131262A Expired - Fee Related JP4425324B1 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 防塵防虫用ネット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4425324B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021045561A1 (ko) * 2019-09-05 2021-03-11 유한회사 클리어창 미세먼지 차단을 위한 방진망

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102817547B (zh) * 2012-07-20 2015-06-03 高满洪 鼻式通气孔窗屏及其制作方法
CN113915977B (zh) * 2021-11-04 2022-09-09 安徽金锡机械科技有限公司 一种热泵谷物烘干系统及烘干机

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021045561A1 (ko) * 2019-09-05 2021-03-11 유한회사 클리어창 미세먼지 차단을 위한 방진망

Also Published As

Publication number Publication date
JP4425324B1 (ja) 2010-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4425324B1 (ja) 防塵防虫用ネット
EP0169698A2 (en) Improvements in filtering screens
NO331151B1 (no) Vibrasjonssikt
CN102264970A (zh) 工业织物及其制造方法
US20030148076A1 (en) Composite fabric for shoes
KR20190003075U (ko) 미세먼지 차단용 방충망
RU2008106912A (ru) Способ получения композитного листа
CN107675857A (zh) 一种人工仿古地板
DK1111114T4 (da) Tekstilgitter med formindsket tykkelse
JP5164768B2 (ja) 果実保護笠用シート
ITPD20070200A1 (it) Rinforzo fibroso del tipo rinforzo per materiale composito
CA2513413A1 (en) Filtering screen
KR20180086846A (ko) 통기성 방수시트, 통기성 방수시트 제조방법 및 통기성 방수시트를 이용한 방수시공 방법
JP2009221793A (ja) タイルユニット及びその施工方法
CN205635463U (zh) 一种涂层贴膜屏幕
JP6823805B2 (ja) 被覆部材及び被覆方法
US11498311B2 (en) Barrier material
JP2001159047A (ja) コンクリート構造物の補強・保全用繊維織物及び補強・保全用繊維織物を用いたコンクリート構造物の不整面施工工法
CN102574035B (zh) 一种由网制成的带波纹的过滤器
KR101200159B1 (ko) 스텐 콤비 스크린 마스크
JPH06297617A (ja) ファイバー含有ハニカム構造素材とその製造方法
KR20210073935A (ko) 방진필터
JP2004218106A (ja) 補強グリッド及びその空穴率を変更する方法
KR20220139770A (ko) 유리 타일 조립체의 제조 방법
JPH0315590Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20171218

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees