JP2010270344A - アルミニウムの表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】後処理が面倒になる化学物質を使用せずに、封孔処理に関して優れた耐久性を確保できる処理方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム製の部材の表面に陽極酸化皮膜を形成してから、この陽極酸化皮膜の表面にプラズマ処理を施した後、この表面に撥水性及び撥油性を有する化学物質の分子を吸着させて、この表面に単分子皮膜を形成する。前記部材の表面をプラズマ処理した後、30分以内にこの表面に単分子皮膜を形成する為の処理を開始する。前記単分子皮膜を形成する化学物質の分子は、機能部位にフッ化炭素基を、反応部位にメトキシシリル基を、それぞれ有する。
【選択図】なし
【解決手段】アルミニウム製の部材の表面に陽極酸化皮膜を形成してから、この陽極酸化皮膜の表面にプラズマ処理を施した後、この表面に撥水性及び撥油性を有する化学物質の分子を吸着させて、この表面に単分子皮膜を形成する。前記部材の表面をプラズマ処理した後、30分以内にこの表面に単分子皮膜を形成する為の処理を開始する。前記単分子皮膜を形成する化学物質の分子は、機能部位にフッ化炭素基を、反応部位にメトキシシリル基を、それぞれ有する。
【選択図】なし
Description
この発明は、表面に陽極酸化皮膜(アルマイト皮膜)を形成したアルミニウム若しくはアルミニウム合金(本明細書及び特許請求の範囲では、これらを合わせて単に「アルミニウム」とする)製部材の耐久性向上を図るべく、上記陽極酸化皮膜の封孔処理を行う表面処理方法の改良に関する。具体的には、この封孔処理を、有害物質を発生させる様な化学物質を使用せずに行える、優れた耐環境性を有する表面処理方法を実現するものである。
本発明の表面処理方法の対象となるアルミニウム製部材の1例として、ディスクブレーキのキャリパがある。ディスクブレーキのキャリパは、車輪のホイールの内側に設置されるものではあるが、近年に於けるアルミニウム製或いはマグネシウム合金製でスポークが細いホイールの普及により、外部から目視される機会が増えている。この為、特許文献1、2に記載された、図1の(A)(B)に示す様な、意匠的処理を施したキャリパ1A、1Bを備えたディスクブレーキが考えられている。この様なキャリパ1A、1Bは、アルミニウムのダイキャスト成形により造る場合が多く、表面を着色する場合も多い。そして、表面を着色する方法のうち、低コストで行える方法として、アルミニウム材を陽極としてシュウ酸等の溶液中で電気分解を行い、このアルミニウム材の表面に陽極酸化皮膜を形成する方法(アルマイト処理)を採用する場合も多い。
この様にして得られるアルミニウム材表面の陽極酸化皮膜は、一般的な使用状態であれば、十分な耐蝕性を有するが、前記キャリパ1A、1Bの様な、厳しい条件下で使用される部材に関して言えば、十分な耐久性を得られるとは言えない。即ち、前記陽極酸化皮膜は多孔性である為、腐食性の液体が付着する条件下では、この陽極酸化皮膜の下層に存在する(母材である)アルミニウムと前記液体とが接触する可能性がある。一方、前記キャリパ1A、1Bは、車両の走行に伴って路面から舞い上がった各種異物を含む雨水が付着する為、正に、前記腐食性の液体が付着する様な厳しい条件下で使用されるものと言える。従って、前記厳しい条件下で使用される前記キャリパ1A、1B等のアルミニウム製部材の表面に陽極酸化皮膜を形成した場合、この陽極酸化皮膜に存在する多数の小孔を塞ぐ為の、封孔処理を行う事が重要になる。
アルミニウム材表面の陽極酸化皮膜に封孔処理を施す方法として従来から一般的には、酢酸ニッケル浴による方法が広く行われている。この酢酸ニッケル浴による封孔処理は、優れた耐久性を確保できる反面、封孔処理に伴って発生するガスや排液が有害である為、これらに就いての無害化処理が面倒で、コストが嵩む。この様な事情に鑑みて、特許文献3〜8には、酢酸ニッケルを使用せずにアルミニウム材表面の陽極酸化皮膜に封孔処理を施す、各種方法が記載されている。但し、前記各特許文献3〜8に記載された、改良された封孔処理方法は、酢酸ニッケルを使用した場合程は、優れた耐久性を確保できない。
尚、本発明に関連する技術を記載した文献として、非特許文献1がある。この非特許文献1には、プラズマ処理を印刷や接着の前処理として使用する事、更には、プラズマ処理による撥水加工を実現できる事が記載されている。但し、前記非特許文献1には、どの様にして撥水加工をするかは記載されていないし、プラズマ処理を、アルミニウム部材表面の陽極酸化皮膜の封孔処理に使用する事を示唆する記述は存在しない。
プラズマ処理装置、プラズマ技術とは、[online]、株式会社日放電子ホームページ、[平成21年2月27日検索]、インターネット<URL:http://www.nippoe.co.jp/jigyo/sangyo2.html>
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、酢酸ニッケルの如き後処理が面倒になる化学物質を使用せずに、封孔処理に関して、この酢酸ニッケルを使用した場合と同等以上の耐久性を確保できる、アルミニウムの表面処理方法を実現すべく発明したものである。
本発明のアルミニウムの表面処理方法のうち、請求項1に記載したアルミニウムの表面処理方法は、アルミニウム製の部材の表面に陽極酸化皮膜を形成してから、この陽極酸化皮膜の表面にプラズマ処理を施した後、この表面に撥水性及び撥油性を有する化学物質の分子を吸着させて、この表面に単分子皮膜を形成する。
この様な請求項1に記載したアルミニウム表面の処理方法を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記部材の表面をプラズマ処理した後、30分以内(更に好ましくは5分以内)に、この表面に単分子皮膜を形成する為の処理を開始する。
この様な請求項1に記載したアルミニウム表面の処理方法を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記部材の表面をプラズマ処理した後、30分以内(更に好ましくは5分以内)に、この表面に単分子皮膜を形成する為の処理を開始する。
又、本発明のアルミニウムの表面処理方法のうち、請求項3に記載したアルミニウムの表面処理方法は、アルミニウム製の部材の表面に陽極酸化皮膜を形成してから、この陽極酸化皮膜の表面にカップリング剤を付着させる処理を行った後、この表面に撥水性及び撥油性を有する化学物質の単分子皮膜を吸着させる。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記カップリング剤として、シラン系、チタネート系、アルミネート系のうちから選択され、官能基に水酸基を多く含有するものを使用する。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記カップリング剤として、シラン系、チタネート系、アルミネート系のうちから選択され、官能基に水酸基を多く含有するものを使用する。
更に、上述した各発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記単分子皮膜を形成する化学物質の分子として、撥水性、撥油性を発揮する機能部位にフッ化炭素基を、アルミニウム性部材の表面に付着する反応部位にメトキシシリル基を、それぞれ有するものを使用する。
上述の様に構成する本発明のアルミニウムの表面処理方法によれば、アルミニウム製部材の表面の陽極酸化皮膜が活性化し、この陽極酸化皮膜に対し、単分子皮膜を形成する化学物質の分子が吸着し易くなる。
即ち、請求項1に記載した発明の場合には、プラズマ処理により前記陽極酸化皮膜の表面が活性化する事で、この陽極酸化皮膜の表面に前記化学物質の分子が、高密度でしかも十分に強固に吸着し、前記陽極酸化皮膜の表面に前記単分子皮膜を、水や油等の進入を許容する程の隙間を開ける事なく形成する。
尚、プラズマ処理に伴って活性化した前記陽極酸化皮膜の表面は、時間の経過と共に次第に不活性の状態に戻る。そこで、請求項2に記載した発明の様に、前記単分子皮膜を形成する為の処理を、前記吸着プラズマ処理した後、30分以内(更に好ましくは5分以内)に開始すれば、良質の(高密度でしかも十分に強固な)前記単分子皮膜を形成できる。
即ち、請求項1に記載した発明の場合には、プラズマ処理により前記陽極酸化皮膜の表面が活性化する事で、この陽極酸化皮膜の表面に前記化学物質の分子が、高密度でしかも十分に強固に吸着し、前記陽極酸化皮膜の表面に前記単分子皮膜を、水や油等の進入を許容する程の隙間を開ける事なく形成する。
尚、プラズマ処理に伴って活性化した前記陽極酸化皮膜の表面は、時間の経過と共に次第に不活性の状態に戻る。そこで、請求項2に記載した発明の様に、前記単分子皮膜を形成する為の処理を、前記吸着プラズマ処理した後、30分以内(更に好ましくは5分以内)に開始すれば、良質の(高密度でしかも十分に強固な)前記単分子皮膜を形成できる。
又、請求項3に記載した発明の場合には、カップリング剤の介在により、前記陽極酸化皮膜の表面に前記化学物質の分子が、高密度でしかも十分に強固に吸着し、前記陽極酸化皮膜の表面に前記単分子皮膜を、水や油等の進入を許容する程の隙間を開ける事なく形成する。
特に、請求項4に記載したカップリング剤を使用すれば、前記陽極酸化皮膜の表面と前記化学物質の分子との親和性を良好にして、この陽極酸化皮膜の表面に形成される前記単分子皮膜を、より高密度でより強固なものにできる。
特に、請求項4に記載したカップリング剤を使用すれば、前記陽極酸化皮膜の表面と前記化学物質の分子との親和性を良好にして、この陽極酸化皮膜の表面に形成される前記単分子皮膜を、より高密度でより強固なものにできる。
更に、請求項5に記載した化学物質により前記単分子皮膜を形成すれば、反応部位のメトキシシリル基の働きにより、この化学物質の分子と前記陽極酸化皮膜の表面との親和性を更に良好にして、この陽極酸化皮膜の表面に形成される前記単分子皮膜を、更に高密度で、更に強固なものにできる。又、機能部位のフッ化炭素基の働きにより、撥水性及び撥油性を良好にできる。
請求項1、2、5に記載した発明の効果を確認する為に行った実験に就いて説明する。この実験では、次に述べる様にして、請求項1、2、5のうちの少なくとも請求項1に記載した発明の技術的範囲に属するもの3種類(本発明品1〜3)と、本発明の技術的範囲からは外れるもの2種類(比較品1〜2)との、合計5種類の試料を造った。
[本発明品1]
テストピースとなるアルミニウム板として、AC4C材(鋳物用アルミニウム合金地金4種C、JIS H 2211)を使用した。このアルミニウム板を硫酸により脱脂してから水洗した後、このアルミニウム板に、下記の条件で陽極酸化処理を施し、表面全体に陽極酸化皮膜を形成した。
電解液 : 硫酸20%水溶液
電圧 : 15V
電流密度 : 2A/dm2
浴温 : 15℃
処理時間 : 40分
この様な条件で、前記アルミニウム板の表面に、厚さが25μmで表面硬度がHv430の陽極酸化皮膜を形成した。
この様にして得られた陽極酸化皮膜の表面に、大気圧で低温プラズマ処理を30秒間施してから5分経過した後、前記アルミニウム板を、溶媒としてのメチルアルコール中に、単分子皮膜を形成する為の化学物質としての、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロデシルトリメトキシシランを5%溶かした溶液中に、2時間浸漬した。その後、この溶液中から取り出した前記アルミニウム板を、24時間放置して乾燥させ、テストピースとした。
[本発明品1]
テストピースとなるアルミニウム板として、AC4C材(鋳物用アルミニウム合金地金4種C、JIS H 2211)を使用した。このアルミニウム板を硫酸により脱脂してから水洗した後、このアルミニウム板に、下記の条件で陽極酸化処理を施し、表面全体に陽極酸化皮膜を形成した。
電解液 : 硫酸20%水溶液
電圧 : 15V
電流密度 : 2A/dm2
浴温 : 15℃
処理時間 : 40分
この様な条件で、前記アルミニウム板の表面に、厚さが25μmで表面硬度がHv430の陽極酸化皮膜を形成した。
この様にして得られた陽極酸化皮膜の表面に、大気圧で低温プラズマ処理を30秒間施してから5分経過した後、前記アルミニウム板を、溶媒としてのメチルアルコール中に、単分子皮膜を形成する為の化学物質としての、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロデシルトリメトキシシランを5%溶かした溶液中に、2時間浸漬した。その後、この溶液中から取り出した前記アルミニウム板を、24時間放置して乾燥させ、テストピースとした。
[本発明品2]
プラズマ処理の終了から単分子皮膜を形成する為の処理の開始迄の時間を30分とした以外、前記本発明品1の場合と同じ条件でテストピースを作成した。
[本発明品3]
プラズマ処理の終了から単分子皮膜を形成する為の処理の開始迄の時間を60分とした以外、前記本発明品1の場合と同じ条件でテストピースを作成した。
[比較品1]
本発明品1と同じ条件で表面全体に陽極酸化皮膜を形成したのみで、プラズマ処理も単分子皮膜の形成も行わないものをテストピースとした。
[比較品2]
本発明品1と同じ条件で表面全体に陽極酸化皮膜を形成した後、プラズマ処理を行わずに、本発明品1と同じ条件で単分子皮膜を形成したものをテストピースとした。
プラズマ処理の終了から単分子皮膜を形成する為の処理の開始迄の時間を30分とした以外、前記本発明品1の場合と同じ条件でテストピースを作成した。
[本発明品3]
プラズマ処理の終了から単分子皮膜を形成する為の処理の開始迄の時間を60分とした以外、前記本発明品1の場合と同じ条件でテストピースを作成した。
[比較品1]
本発明品1と同じ条件で表面全体に陽極酸化皮膜を形成したのみで、プラズマ処理も単分子皮膜の形成も行わないものをテストピースとした。
[比較品2]
本発明品1と同じ条件で表面全体に陽極酸化皮膜を形成した後、プラズマ処理を行わずに、本発明品1と同じ条件で単分子皮膜を形成したものをテストピースとした。
それぞれを上述の様にして作成した5種類のテストピースに関して、撥水性、撥油性、耐蝕性を知る為の試験を行った。このうちの撥水性の試験は、水平に置いたテストピースの上面に6μLの水を滴下し、その液滴の接触角を測定した。接触角は3点法により測定した。又、撥油性に関しては、水に代えてn−ヘキサデカンを使用し、撥水性と同様の試験を行った。濡れの分野で周知の様に、接触角が大きい程濡れにくい(優れた撥水性或いは撥油性を有する、濡れ0=接触角180度、完全濡れ=接触角0度)。更に、耐蝕性に関しては、JIS規格に準じた連続塩水噴霧試験を施し、開始後72時間及び240時間経過後に判定を行った。この様にして行った実験の結果を、次の表1に示す。
この様な実験の結果から明らかな通り、請求項1に記載した発明の場合には、優れた撥水性及び撥油性、並びに、優れた耐蝕性を得られる。更に、プラズマ処理の終了から単分子皮膜を形成する為の処理の開始迄の時間が短い程、撥水性、撥油性、耐蝕性、何れの面からも優れた効果を得られる事も分かる。尚、前記表1中の「N%錆発生」とは、表面積でN%の範囲に錆が発生した事を表している。
請求項3〜5に記載した発明の効果を確認する為に行った実験に就いて説明する。この実験では、次に述べる様にして、請求項3〜5に記載した発明の技術的範囲に属するもの1種類(本発明品)と、本発明の技術的範囲からは外れるもの1種類(比較品)との、合計2種類の試料を造った。
[本発明品]
前述した実施例1に於ける本発明品1の場合と同じ条件で、アルミニウム板の表面に、厚さが25μmで表面硬度がHv430の陽極酸化皮膜を形成した。
この様にして得られた陽極酸化皮膜を形成した前記アルミニウム板を、カップリング剤であるビニルトリメトキシシランを溶剤であるエチルアルコールに溶かした3%溶液中に5分間浸漬して、前記陽極酸化皮膜の表面に前記ビニルトリメトキシシランを付着させた。次いで、前記アルミニウム板を、溶媒としてのメチルアルコール中に、単分子皮膜を形成する為の化学物質としての、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロデシルトリメトキシシランを5%溶かした溶液中に2時間浸漬した。その後、この溶液中から取り出した前記アルミニウム板を、24時間放置して乾燥させ、テストピースとした。
[比較品]
本発明品と同じ条件で表面全体に陽極酸化皮膜を形成したのみで、カップリング剤処理も単分子皮膜の形成も行わないものをテストピースとした。
それぞれを上述の様にして作成した2種類のテストピースに関して、前述の実施例1の場合と同様の、撥水性、撥油性、耐蝕性を知る為の試験を行った。この様にして行った実験の結果を、次の表2に示す。
[本発明品]
前述した実施例1に於ける本発明品1の場合と同じ条件で、アルミニウム板の表面に、厚さが25μmで表面硬度がHv430の陽極酸化皮膜を形成した。
この様にして得られた陽極酸化皮膜を形成した前記アルミニウム板を、カップリング剤であるビニルトリメトキシシランを溶剤であるエチルアルコールに溶かした3%溶液中に5分間浸漬して、前記陽極酸化皮膜の表面に前記ビニルトリメトキシシランを付着させた。次いで、前記アルミニウム板を、溶媒としてのメチルアルコール中に、単分子皮膜を形成する為の化学物質としての、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロデシルトリメトキシシランを5%溶かした溶液中に2時間浸漬した。その後、この溶液中から取り出した前記アルミニウム板を、24時間放置して乾燥させ、テストピースとした。
[比較品]
本発明品と同じ条件で表面全体に陽極酸化皮膜を形成したのみで、カップリング剤処理も単分子皮膜の形成も行わないものをテストピースとした。
それぞれを上述の様にして作成した2種類のテストピースに関して、前述の実施例1の場合と同様の、撥水性、撥油性、耐蝕性を知る為の試験を行った。この様にして行った実験の結果を、次の表2に示す。
本発明のアルミニウムの表面処理方法は、以上に説明したアルミニウム製キャリパの表面処理に限らず、アルミニウム製サッシ等、雨水等の異物が付着する可能性のある条件下で使用される、各種アルミニウム製部材の表面の耐蝕性を向上させる為の処理として利用できる。
1A、1B キャリパ
Claims (5)
- アルミニウム製の部材の表面に陽極酸化皮膜を形成してから、この陽極酸化皮膜の表面にプラズマ処理を施した後、この表面に撥水性及び撥油性を有する化学物質の分子を吸着させて、この表面に単分子皮膜を形成するアルミニウムの表面処理方法。
- 前記部材の表面をプラズマ処理した後、30分以内にこの表面に単分子皮膜を形成する為の処理を開始する、請求項1に記載したアルミニウムの表面処理方法。
- アルミニウム製の部材の表面に陽極酸化皮膜を形成してから、この陽極酸化皮膜の表面にカップリング剤を付着させる処理を行った後、この表面に撥水性及び撥油性を有する化学物質の単分子皮膜を吸着させるアルミニウムの表面処理方法。
- 前記カップリング剤として、シラン系、チタネート系、アルミネート系のうちから選択され、官能基に水酸基を含有するものを使用する、請求項3に記載したアルミニウムの表面処理方法。
- 前記単分子皮膜を形成する化学物質の分子が、機能部位にフッ化炭素基を、反応部位にメトキシシリル基を、それぞれ有するものである、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したアルミニウムの表面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009120498A JP2010270344A (ja) | 2009-05-19 | 2009-05-19 | アルミニウムの表面処理方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016514636A (ja) * | 2013-03-26 | 2016-05-23 | ディスクマ アクチェンゲゼルシャフト | 疎水性を有する型 |
-
2009
- 2009-05-19 JP JP2009120498A patent/JP2010270344A/ja not_active Withdrawn
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