JP2010268050A - 通信端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】 無線アクセス区間を含むIP電話システムにおけるIP電話端末として用いられ、良好な通信品質を確保すると共に、通信リソースを効率的に使用することができる通信端末を提供する。
【解決手段】 無線アクセス区間で用いられる複数の無線端末及び無線基地局の遅延量を遅延情報テーブルに記憶しておき、制御部が、運用開始時に、外部から選択された無線端末及び無線基地局の遅延量を遅延情報テーブルから読み出し、当該遅延量の和をネットワーク遅延量として算出し、ネットワーク遅延量が閾値よりも大きい場合、第1の符号化方式及び第1のパケットサイズを指示し、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合、第1の符号化方式より符号化速度の小さい第2の符号化方式及び第1のパケットサイズを指示するか、又は、第1の符号化方式及び第1のパケットサイズより大きい第2のパケットサイズを指示する通信端末としている。
【選択図】 図1
【解決手段】 無線アクセス区間で用いられる複数の無線端末及び無線基地局の遅延量を遅延情報テーブルに記憶しておき、制御部が、運用開始時に、外部から選択された無線端末及び無線基地局の遅延量を遅延情報テーブルから読み出し、当該遅延量の和をネットワーク遅延量として算出し、ネットワーク遅延量が閾値よりも大きい場合、第1の符号化方式及び第1のパケットサイズを指示し、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合、第1の符号化方式より符号化速度の小さい第2の符号化方式及び第1のパケットサイズを指示するか、又は、第1の符号化方式及び第1のパケットサイズより大きい第2のパケットサイズを指示する通信端末としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、無線アクセス区間を含むIP電話システムでIP電話端末装置として用いられる通信端末において用いられるIP電話端末装置に係り、特に遅延時間を低減して通話品質の劣化を防ぐと共に無線リソースの有効利用を図ることができる通信端末に関する。
[先行技術の説明]
IP電話は、IPネットワークを用いた電話システムであり、ネットワークコストが安価であるため料金が低く、またVoIP(Voice over IP)による音声とデータの統合が可能であることから普及が進んでいる。IP電話システムとしては、ネットワーク中にWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線アクセスを含むシステムも知られている。
IP電話は、IPネットワークを用いた電話システムであり、ネットワークコストが安価であるため料金が低く、またVoIP(Voice over IP)による音声とデータの統合が可能であることから普及が進んでいる。IP電話システムとしては、ネットワーク中にWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線アクセスを含むシステムも知られている。
無線アクセス区間を含むIP電話システムの一例として、WiMAXを用いたIP電話システムの構成について図6を用いて説明する。図6は、WiMAXによる無線アクセスを含むIP電話システムの概略構成ブロック図である。
図6に示すように、IP電話システムは、電話機(1)11と、VoIP−TA(Voice over IP Terminal Adaptor)(1)12と、WiMAX13と、ルータ(1)18と、IPネットワーク19と、ルータ(2)20と、VoIP−TA(2)21と、電話機(2)22とから構成されている。
更に、WiMAX13は、WiMAX端末(WiMAX SS)14と、WiMAX基地局(WiMAX BS)15と、ASN−GW(Access Service Network-Gate Way)16と、CSN(Connectivity Serving Network)17とを備えている。
図6に示すように、IP電話システムは、電話機(1)11と、VoIP−TA(Voice over IP Terminal Adaptor)(1)12と、WiMAX13と、ルータ(1)18と、IPネットワーク19と、ルータ(2)20と、VoIP−TA(2)21と、電話機(2)22とから構成されている。
更に、WiMAX13は、WiMAX端末(WiMAX SS)14と、WiMAX基地局(WiMAX BS)15と、ASN−GW(Access Service Network-Gate Way)16と、CSN(Connectivity Serving Network)17とを備えている。
各構成部分について説明する。
電話機11,22は、一般のアナログ電話機であり、音声とアナログ音声信号の相互変換を行う。
VoIP−TA12,21は、音声符号化/復号化、パケット組み立て/分解、セキュリティ機能を有し、アナログ音声信号とIPパケットの変換を行う。
アナログ電話機とVoIP−TAの機能を備えた構成をIP電話端末と呼び、電話機11とVoIP−TA12でIP電話端末10aを構成し、電話機22とVoIP−TA21でIP電話端末10bを構成している。
電話機11,22は、一般のアナログ電話機であり、音声とアナログ音声信号の相互変換を行う。
VoIP−TA12,21は、音声符号化/復号化、パケット組み立て/分解、セキュリティ機能を有し、アナログ音声信号とIPパケットの変換を行う。
アナログ電話機とVoIP−TAの機能を備えた構成をIP電話端末と呼び、電話機11とVoIP−TA12でIP電話端末10aを構成し、電話機22とVoIP−TA21でIP電話端末10bを構成している。
WiMAX端末14はIPパケットを変調して無線信号として送信し、受信した無線信号からIPパケットを取り出してVoIP−TA12に出力する無線端末である。
WiMAX基地局は複数のWiMAX端末と無線送受信を行うと共に、ネットワーク側のASN−GW16とIPパケットの送受信を行う無線基地局である。
WiMAX端末14とWiMAX基地局15では、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;直交周波数分割多元接続)による無線通信を行う。
WiMAX基地局は複数のWiMAX端末と無線送受信を行うと共に、ネットワーク側のASN−GW16とIPパケットの送受信を行う無線基地局である。
WiMAX端末14とWiMAX基地局15では、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;直交周波数分割多元接続)による無線通信を行う。
ASN−GW16は、無線リソース管理やモバイルWiMAXにおけるハンドオーバを行ってWiMAX基地局15を管理する。
CSN17は、AAA(認証・承認・課金)機能とDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能を備え、IP電話端末にIP接続サービスを提供する。
ルータ18,20は、入力されたIPパケットのヘッダに応じてパケットを送出する。
尚、ここではIPネットワーク側のIP電話端末10b側は有線で接続される構成を示したが、IP電話端末10a側と同様に、WiMAXを介して接続する構成としてもよい。
CSN17は、AAA(認証・承認・課金)機能とDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能を備え、IP電話端末にIP接続サービスを提供する。
ルータ18,20は、入力されたIPパケットのヘッダに応じてパケットを送出する。
尚、ここではIPネットワーク側のIP電話端末10b側は有線で接続される構成を示したが、IP電話端末10a側と同様に、WiMAXを介して接続する構成としてもよい。
[動作の概略:図6]
上記構成のIP電話システムにおいて、電話機11から入力されたアナログ音声信号は、VoIP−TA12でIPパケットに変換され、WiMAX端末14に送出される。IPパケットは、WiMAX端末14でOFDM変調されて無線信号として送信され、WiMAX基地局15で受信・復号されIPパケットが抽出される。
そして、IPパケットは、ASN−GW16、CSN17、ルータ18を介してIPネットワーク19に出力され、着信側のルータ20を介してVoIP−TA21に送出されてアナログ音声信号に変換され、電話機22から音声として出力されるようになっている。
上記構成のIP電話システムにおいて、電話機11から入力されたアナログ音声信号は、VoIP−TA12でIPパケットに変換され、WiMAX端末14に送出される。IPパケットは、WiMAX端末14でOFDM変調されて無線信号として送信され、WiMAX基地局15で受信・復号されIPパケットが抽出される。
そして、IPパケットは、ASN−GW16、CSN17、ルータ18を介してIPネットワーク19に出力され、着信側のルータ20を介してVoIP−TA21に送出されてアナログ音声信号に変換され、電話機22から音声として出力されるようになっている。
[WiMAX基地局の構成:図7]
次に、WiMAX基地局15の構成について図7を用いて説明する。図7は、WiMAX基地局15の構成ブロック図である。
図7に示すように、WiMAX基地局15は、IPネットワークに接続するネットワークインタフェース70と、MAC(Media Access Control;メディアアクセス制御)部71と、PHY(Physical Layer;物理層)部72と、RF(Radio Frequency;無線)部73と、アンテナ74とを備えており、OFDMAによる無線通信とIPネットワークとを接続する。
次に、WiMAX基地局15の構成について図7を用いて説明する。図7は、WiMAX基地局15の構成ブロック図である。
図7に示すように、WiMAX基地局15は、IPネットワークに接続するネットワークインタフェース70と、MAC(Media Access Control;メディアアクセス制御)部71と、PHY(Physical Layer;物理層)部72と、RF(Radio Frequency;無線)部73と、アンテナ74とを備えており、OFDMAによる無線通信とIPネットワークとを接続する。
[WiMAX端末の構成:図8]
WiMAX端末14の構成について図8を用いて説明する。図8は、WiMAX端末14の構成ブロック図である。
図8に示すように、WiMAX端末14は、加入者側のVoIP−TAに接続する加入者側インタフェース80と、MAC部81と、PHY部82と、RF部83と、アンテナ84とを備えており、WiMAX基地局15と、加入者側のIP電話端末とを接続する。
WiMAX端末14の構成について図8を用いて説明する。図8は、WiMAX端末14の構成ブロック図である。
図8に示すように、WiMAX端末14は、加入者側のVoIP−TAに接続する加入者側インタフェース80と、MAC部81と、PHY部82と、RF部83と、アンテナ84とを備えており、WiMAX基地局15と、加入者側のIP電話端末とを接続する。
[従来のVoIP−TAの構成及び動作:図9]
次に、従来のVoIP−TAの構成について図9を用いて説明する。図9は、従来のVoIP−TAの構成ブロック図である。
VoIP−TA12,21は、送信側の構成として、A/D変換部31と、音声符号化部32と、IPパケット組み立て部33と、IPSec暗号部34とを備え、受信側の構成として、IPSec復号部35と、揺らぎ吸収バッファ36と、IPパケット分解部37と、音声復号部38と、D/A変換部39とを備えている。
次に、従来のVoIP−TAの構成について図9を用いて説明する。図9は、従来のVoIP−TAの構成ブロック図である。
VoIP−TA12,21は、送信側の構成として、A/D変換部31と、音声符号化部32と、IPパケット組み立て部33と、IPSec暗号部34とを備え、受信側の構成として、IPSec復号部35と、揺らぎ吸収バッファ36と、IPパケット分解部37と、音声復号部38と、D/A変換部39とを備えている。
そして、送信時には、電話機から入力されたアナログ音声信号は、A/D変換部31でデジタル信号に変換され、音声符号化部32で所定の音声符号化が為され、IPパケット組み立て部33で音声符号化データにヘッダが付加されてIPパケットが生成され、IPSec暗号部34で暗号化されて、IPパケットがWiMAX端末に送出される。
受信時には、WiMAX端末から送信され受信したIPパケットは、IPSec復号部35で暗号復号され、揺らぎ吸収バッファ36で遅延揺らぎ(ジッタ)が吸収され、IPパケット分解部37でIPパケットから音声符号化データが抽出され、音声復号部38で音声復号されてデジタル音声信号となり、D/A変換部39でアナログ音声信号に変換されて電話機に出力される。
[音声データのIPパケット化:図10]
次に、VoIP−TAのIPパケット組み立て部33における音声データのIPパケット化について図10を用いて説明する。図10は、音声データのIPパケット化を示す模式説明図である。
図10に示すように、IPパケット組み立て部33では、所定の長さの音声符号化データに対して、UDP/RTPヘッダ(20byte)と、IPヘッダ(20byte)を付加して、IPパケット(音声符号化データ+UDP/RTPヘッダ+IPヘッダ)を生成するようになっている。
次に、VoIP−TAのIPパケット組み立て部33における音声データのIPパケット化について図10を用いて説明する。図10は、音声データのIPパケット化を示す模式説明図である。
図10に示すように、IPパケット組み立て部33では、所定の長さの音声符号化データに対して、UDP/RTPヘッダ(20byte)と、IPヘッダ(20byte)を付加して、IPパケット(音声符号化データ+UDP/RTPヘッダ+IPヘッダ)を生成するようになっている。
[伝送遅延]
ところで、IP電話で、通常の電話番号0AB〜J(東京であれば03-xxxx-xxxxなど)を用いるサービスを行うためには、エンドトゥエンド遅延時間が150msより小さいことが要求される。
また、「IP電話の通話品質測定ガイドライン第3版」((株)テレコムサービス協会 VoIP推進協議会)によれば、ネットワークと端末とを合わせたエンドトゥエンド遅延は、以下のように算出される。
エンドトゥエンド遅延時間=ネットワークの平均遅延時間+端末の送話遅延時間+端末の受話遅延時間
ところで、IP電話で、通常の電話番号0AB〜J(東京であれば03-xxxx-xxxxなど)を用いるサービスを行うためには、エンドトゥエンド遅延時間が150msより小さいことが要求される。
また、「IP電話の通話品質測定ガイドライン第3版」((株)テレコムサービス協会 VoIP推進協議会)によれば、ネットワークと端末とを合わせたエンドトゥエンド遅延は、以下のように算出される。
エンドトゥエンド遅延時間=ネットワークの平均遅延時間+端末の送話遅延時間+端末の受話遅延時間
特に、WiMAX等の無線アクセス区間が含まれている場合には、無線アクセス区間における最大揺らぎ時間が、エンドトゥエンド遅延時間に大きな影響を与えることが知られている。また、無線アクセス区間における最大揺らぎ時間には、無線端末(WiMAX端末等)や、無線基地局(WiMAX基地局等)での遅延量が大きく寄与している。
そして、無線アクセス区間に用いられる無線端末(WiMAX端末等)や、無線基地局(WiMAX基地局等)での遅延量は、装置の製造メーカや装置内で使用されるチップの種類によって異なるものである。
[関連技術]
尚、IP電話における遅延を低減する技術としては、特開平11−331222号公報「適応形パケット長を持つ音声伝送のための装置及び方法」(出願人:シーメンス インフォメーション アンド コミュニケイション ネットワークス インコーポレイテッド、特許文献1)がある。
特許文献1では、エンド・ツウ・エンド伝送遅延量を求め、当該エンド・ツウ・エンド伝送遅延量と前もって決められた遅延量許容値とに基づいて、伝送のための許容されるパケット長を計算し、当該許容されるパケット長のパケットを伝送することが記載されている。
しかしながら、特許文献1には、伝送路上に設置されることが予想される複数の装置についてそれぞれの遅延量を予め記憶しておき、当該システムにおいて実際に伝送路上に設置された装置の遅延量を選択して、予想される遅延量を求めることは記載されていない。
尚、IP電話における遅延を低減する技術としては、特開平11−331222号公報「適応形パケット長を持つ音声伝送のための装置及び方法」(出願人:シーメンス インフォメーション アンド コミュニケイション ネットワークス インコーポレイテッド、特許文献1)がある。
特許文献1では、エンド・ツウ・エンド伝送遅延量を求め、当該エンド・ツウ・エンド伝送遅延量と前もって決められた遅延量許容値とに基づいて、伝送のための許容されるパケット長を計算し、当該許容されるパケット長のパケットを伝送することが記載されている。
しかしながら、特許文献1には、伝送路上に設置されることが予想される複数の装置についてそれぞれの遅延量を予め記憶しておき、当該システムにおいて実際に伝送路上に設置された装置の遅延量を選択して、予想される遅延量を求めることは記載されていない。
しかしながら、従来のIP電話端末では、通常は、音声符号化方式やパケットサイズを固定としているため、無線アクセス区間に遅延量の大きい無線端末や無線基地局が用いられた場合には、許容される遅延量を超えてしまい、通信品質が劣化してしまうという問題点があった。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたもので、エンドトゥエンド遅延時間を許容範囲内として良好な通信品質を確保すると共に、通信リソースを効率的に使用することができる通信端末を提供することを目的とする。
無線アクセス区間を含むIP電話システムにおけるIP電話機として用いられる通信端末であって、複数の符号化方式の中から指示された符号化方式で音声データを符号化する音声符号化部と、複数のパケットサイズの中から指示されたパケットサイズで符号化音声データをパケット化するパケット組み立て部と、無線アクセス区間で用いられる可能性がある複数種類の無線端末及び複数種類の無線基地局の一方又は両方と、各装置の遅延量とを対応付けて記憶する遅延情報テーブルと、音声符号化部に符号化方式を指示し、パケット組み立て部にパケットサイズを指示する制御部とを備え、制御部が、外部から特定の無線端末及び無線基地局の一方又は両方が選択されると、選択された装置の遅延量を遅延情報テーブルから読み出し、選択された装置の遅延量又は選択された各装置の遅延量の和をネットワーク遅延量として算出し、ネットワーク遅延量が予め設定された閾値よりも大きい場合には、少なくとも、音声符号化部に対してより符号化速度の大きい符号化方式を指示するか若しくはパケット組み立て部に対してより小さいパケットサイズを指示するか、又はその両方の指示を行い、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、少なくとも、音声符号化部に対してより符号化速度の小さい符号化方式を指示するか若しくはパケット組み立て部に対してより大きいパケットサイズを指示するか、又はその両方の指示を行うことを特徴としている。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、無線アクセス区間を含むIP電話システムにおけるIP電話機として用いられる通信端末であって、複数の符号化方式の中から指示された符号化方式で音声データを符号化する音声符号化部と、複数のパケットサイズの中から指示されたパケットサイズで符号化音声データをパケット化するパケット組み立て部と、無線アクセス区間で用いられる可能性がある複数種類の無線端末及び複数種類の無線基地局の一方又は両方と、各装置の遅延量とを対応付けて記憶する遅延情報テーブルと、音声符号化部に符号化方式を指示し、パケット組み立て部にパケットサイズを指示する制御部とを備え、制御部が、外部から特定の無線端末及び無線基地局の一方又は両方が選択されると、選択された装置の遅延量を遅延情報テーブルから読み出し、選択された装置の遅延量又は選択された各装置の遅延量の和をネットワーク遅延量として算出し、ネットワーク遅延量が予め設定された閾値よりも大きい場合には、音声符号化部に第1の符号化方式を指示すると共に、パケット組み立て部に第1のパケットサイズを指示し、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、音声符号化部に第1の符号化方式より符号化速度の小さい第2の符号化方式を指示すると共に、パケット組み立て部に第1のパケットサイズを指示するか、又は、音声符号化部に第1の符号化方式を指示すると共に、パケット組み立て部に第1のパケットサイズよりパケットサイズの大きい第2のパケットサイズを指示することを特徴としている。
本発明によれば、無線アクセス区間を含むIP電話システムにおけるIP電話機として用いられる通信端末であって、複数の符号化方式の中から指示された符号化方式で音声データを符号化する音声符号化部と、複数のパケットサイズの中から指示されたパケットサイズで符号化音声データをパケット化するパケット組み立て部と、無線アクセス区間で用いられる可能性がある複数種類の無線端末及び複数種類の無線基地局の一方又は両方と、各装置の遅延量とを対応付けて記憶する遅延情報テーブルと、音声符号化部に符号化方式を指示し、パケット組み立て部にパケットサイズを指示する制御部とを備え、制御部が、外部から特定の無線端末及び無線基地局の一方又は両方が選択されると、選択された装置の遅延量を遅延情報テーブルから読み出し、前記選択された装置の遅延量又は前記選択された各装置の遅延量の和をネットワーク遅延量として算出し、ネットワーク遅延量が予め設定された閾値よりも大きい場合には、少なくとも、音声符号化部に対してより符号化速度の大きい符号化方式を指示するか若しくはパケット組み立て部に対してより小さいパケットサイズを指示するか、又はその両方の指示を行い、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、少なくとも、音声符号化部に対してより符号化速度の小さい符号化方式を指示するか若しくはパケット組み立て部に対してより大きいパケットサイズを指示するか、又はその両方の指示を行う通信端末としているので、ユーザが、実際に無線アクセス区間で用いられている無線端末及び無線基地局を選択すれば、ネットワーク遅延量の概算値を容易に算出して、送受信端末において許容される遅延量に応じた符号化速度及びパケットサイズを選択でき、良好な通信品質を保つことができると共に、必要以上に伝送帯域を広げずにすみ、無線リソースを効率的に利用することができる効果がある。
また、本発明によれば、無線アクセス区間を含むIP電話システムにおけるIP電話機として用いられる通信端末であって、複数の符号化方式の中から指示された符号化方式で音声データを符号化する音声符号化部と、複数のパケットサイズの中から指示されたパケットサイズで符号化音声データをパケット化するパケット組み立て部と、無線アクセス区間で用いられる可能性がある複数種類の無線端末及び複数種類の無線基地局の一方又は両方と、各装置の遅延量とを対応付けて記憶する遅延情報テーブルと、音声符号化部に符号化方式を指示し、パケット組み立て部にパケットサイズを指示する制御部とを備え、制御部が、外部から特定の無線端末及び無線基地局の一方又は両方が選択されると、選択された装置の遅延量を遅延情報テーブルから読み出し、選択された装置の遅延量又は選択された各装置の遅延量の和をネットワーク遅延量として算出し、ネットワーク遅延量が予め設定された閾値よりも大きい場合には、音声符号化部に第1の符号化方式を指示すると共に、パケット組み立て部に第1のパケットサイズを指示し、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、音声符号化部に第1の符号化方式より符号化速度の小さい第2の符号化方式を指示すると共に、パケット組み立て部に第1のパケットサイズを指示するか、又は、音声符号化部に第1の符号化方式を指示すると共に、パケット組み立て部に第1のパケットサイズよりパケットサイズの大きい第2のパケットサイズを指示する通信端末としているので、ユーザが、実際に無線アクセス区間で用いられている無線端末及び無線基地局を選択すれば、ネットワーク遅延量の概算値を容易に算出して、送受信端末において許容される遅延量に応じた符号化速度及びパケットサイズを選択でき、良好な通信品質を保つことができると共に、必要以上に伝送帯域を広げずにすみ、無線リソースを効率的に利用することができる効果がある。
[発明の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る通信端末は、無線アクセス区間を含むIP電話システムにおけるIP電話端末のVoIP−TAとして用いられ、記憶部に、無線アクセス区間において用いられることが予想される複数の無線端末及び無線基地局の遅延時間を記憶したテーブルを備え、運用開始時に、入力部から、実際に使用されている無線端末及び無線基地局が選択されると、制御部が、選択された無線端末及び無線基地局に対応して記憶されている遅延時間を読み出し、音声符号化方式を同一の場合、当該遅延時間の和が、予め設定されている閾値よりも大きければ、パケット組み立て部に第1のパケットサイズでパケット組み立てを行う指示を出力し、当該遅延時間の和が、閾値以下であれば、パケット組み立て部に第1のパケットサイズより長い第2のパケットサイズでパケット組み立てを行う指示を出力するものであり、端末で許容される遅延時間に応じたパケットサイズとすることができ、良好な通信品質を保持すると共に、遅延時間に余裕がある場合には伝送帯域を狭くして無線リソースを効率的に使用することができるものである。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る通信端末は、無線アクセス区間を含むIP電話システムにおけるIP電話端末のVoIP−TAとして用いられ、記憶部に、無線アクセス区間において用いられることが予想される複数の無線端末及び無線基地局の遅延時間を記憶したテーブルを備え、運用開始時に、入力部から、実際に使用されている無線端末及び無線基地局が選択されると、制御部が、選択された無線端末及び無線基地局に対応して記憶されている遅延時間を読み出し、音声符号化方式を同一の場合、当該遅延時間の和が、予め設定されている閾値よりも大きければ、パケット組み立て部に第1のパケットサイズでパケット組み立てを行う指示を出力し、当該遅延時間の和が、閾値以下であれば、パケット組み立て部に第1のパケットサイズより長い第2のパケットサイズでパケット組み立てを行う指示を出力するものであり、端末で許容される遅延時間に応じたパケットサイズとすることができ、良好な通信品質を保持すると共に、遅延時間に余裕がある場合には伝送帯域を狭くして無線リソースを効率的に使用することができるものである。
また、本発明の実施の形態に係る通信端末は、パケットサイズを一定とした場合、制御部が、選択された無線端末及び無線基地局に対応して記憶されている遅延時間の和が、予め設定されている閾値よりも大きければ、音声符号化部に第1の音声符号化方式で符号化する指示を出力すると共に、当該遅延時間の和が予め設定されている閾値以下であれば、音声符号化部に第1の音声符号化方式より符号化速度の遅い第2の音声符号化方式で符号化する指示を出力するものであり、端末で許容される遅延時間に応じた速度で符号化及びパケット組み立てを行って、通信品質を劣化させず、且つ無線リソースを効率的に使用することができるものである。
[本発明の実施の形態に係る通信端末の構成:図1]
本発明の実施の形態に係る通信端末(本通信端末)の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る通信端末の構成ブロック図である。
本通信端末は、図6に示したようなIP電話システムにおけるIP電話端末のVoIP−TAとして用いられるものであり、図1に示すように、送信側の構成として、A/D変換部41と、音声符号化部42と、IPパケット組み立て部43と、IPSec暗号部44とを備え、受信側の構成として、IPSec復号部45と、揺らぎ吸収バッファ46と、IPパケット分解部47と、音声復号部48と、D/A変換部49とを備えている。
本発明の実施の形態に係る通信端末(本通信端末)の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る通信端末の構成ブロック図である。
本通信端末は、図6に示したようなIP電話システムにおけるIP電話端末のVoIP−TAとして用いられるものであり、図1に示すように、送信側の構成として、A/D変換部41と、音声符号化部42と、IPパケット組み立て部43と、IPSec暗号部44とを備え、受信側の構成として、IPSec復号部45と、揺らぎ吸収バッファ46と、IPパケット分解部47と、音声復号部48と、D/A変換部49とを備えている。
更に、本通信端末の特徴として、ネットワークで用いられる装置の遅延情報を記憶する遅延情報記憶部50と、遅延情報記憶部50からの情報に基づいて音声符号化部42と音声復号部48、IPパケット組み立て部43とIPパケット分解部47に指示を出力する制御部51とを備えている。遅延情報記憶部50に記憶されている情報と、制御部51の処理については後述する。
また、音声符号化部42及び音声復号部48、IPパケット組み立て部43及びIPパケット分解部47の動作も従来とは一部異なっている。
更に、図示は省略するが、ユーザが指示を入力する入力部や、遅延情報テーブルの内容を表示する表示部が設けられている。
また、音声符号化部42及び音声復号部48、IPパケット組み立て部43及びIPパケット分解部47の動作も従来とは一部異なっている。
更に、図示は省略するが、ユーザが指示を入力する入力部や、遅延情報テーブルの内容を表示する表示部が設けられている。
各構成部分について説明する。
A/D変換部41は、電話機からのアナログ音声信号をデジタル信号に変換する。
音声符号化部42は、本通信端末の特徴として、複数の音声符号化方式で音声符号化を行う機能を備え、制御部50からの指示によって指定された音声符号化方式で音声符号化を行う。音声符号化方式については後述する。
A/D変換部41は、電話機からのアナログ音声信号をデジタル信号に変換する。
音声符号化部42は、本通信端末の特徴として、複数の音声符号化方式で音声符号化を行う機能を備え、制御部50からの指示によって指定された音声符号化方式で音声符号化を行う。音声符号化方式については後述する。
また、IPパケット組み立て部43は、本通信端末の特徴として、複数のパケットサイズのパケット生成を行う機能を備え、制御部50からの指示によって指定されたパケットサイズでパケット組み立てを行う。具体的なパケットサイズについては後述する。
IPSec暗号部44は、IPパケットを暗号化して送信する。
IPSec復号部45は、受信したIPパケットを暗号復号する。
揺らぎ吸収部46は、暗号復号されたIPパケットの遅延揺らぎを吸収するバッファである。
IPパケット分解部47は、制御部50からの指示によって指定されたパケットサイズでパケット分解を行う。
音声復号部48は、制御部50からの指示によって指定された音声符号化方式に対応する音声復号を行う。
D/A変換部49は、デジタル音声データをアナログ音声信号に変換して電話機に出力する。
IPSec復号部45は、受信したIPパケットを暗号復号する。
揺らぎ吸収部46は、暗号復号されたIPパケットの遅延揺らぎを吸収するバッファである。
IPパケット分解部47は、制御部50からの指示によって指定されたパケットサイズでパケット分解を行う。
音声復号部48は、制御部50からの指示によって指定された音声符号化方式に対応する音声復号を行う。
D/A変換部49は、デジタル音声データをアナログ音声信号に変換して電話機に出力する。
[音声符号化方式]
音声符号化部42では、ここではITU-T G.711(PCM)(以下、「G.711PCM方式」とする)とITU-T G.729(CS-ACELP)(以下、「G.729CS-ACELP方式」とする)とを備えているものとする。
それぞれの音声符号化方式の特徴について説明する。
G.711PCM方式は、符号化速度が速く(64kbps)、符号化遅延が小さく(0.125ms)、音声品質が高い。
また、G.729CS-ACELP方式は、符号化速度が遅く(8kbps)、符号化遅延が大きい(符号化フレーム長は10ms)。
音声符号化部42では、ここではITU-T G.711(PCM)(以下、「G.711PCM方式」とする)とITU-T G.729(CS-ACELP)(以下、「G.729CS-ACELP方式」とする)とを備えているものとする。
それぞれの音声符号化方式の特徴について説明する。
G.711PCM方式は、符号化速度が速く(64kbps)、符号化遅延が小さく(0.125ms)、音声品質が高い。
また、G.729CS-ACELP方式は、符号化速度が遅く(8kbps)、符号化遅延が大きい(符号化フレーム長は10ms)。
[音声信号のパケット化における遅延時間と伝送帯域]
次に、音声信号をパケット化する際の遅延時間と伝送時に必要な伝送帯域について説明する。
遅延時間及び伝送帯域は、音声符号化部42における音声符号化方式によって決定される符号化速度と、パケット組み立て部43におけるパケットサイズによって決定される。
次に、音声信号をパケット化する際の遅延時間と伝送時に必要な伝送帯域について説明する。
遅延時間及び伝送帯域は、音声符号化部42における音声符号化方式によって決定される符号化速度と、パケット組み立て部43におけるパケットサイズによって決定される。
符号化速度を一定とすると、パケットサイズが大きい場合(パケット生成周期が長い場合)には、遅延時間は長く、伝送帯域は狭い。一方、パケットサイズが小さい場合(パケット生成周期が短い場合)には、遅延時間は短く、伝送帯域は広くなる。
パケットサイズを一定とすると、符号化速度が遅い場合(パケット生成周期が長い)、遅延時間は長く、伝送帯域は狭い。一方、符号化速度が速い場合(パケット生成周期が短い)、遅延時間は短く、伝送帯域は広くなる。
本通信端末では、このことを利用して、通信端末が運用されるネットワークの遅延量に応じて、送信端末及び受信端末での遅延時間を許容時間内として良好な通信品質を保持すると共に伝送帯域を浪費しないよう、符号化速度とパケットサイズとの組み合わせを選択して符号化及びパケット化を行うことにより、IP電話システムで安定した通信を実現することができるようにしている。
[遅延情報テーブル:図2]
次に、遅延情報記憶部50に記憶されている遅延情報テーブルについて図2を用いて説明する。図2は、遅延情報テーブルの模式説明図である。
図2に示すように、遅延情報テーブルは、無線アクセス区間で用いられる複数種類の無線端末(図6の例では「WiMAX端末14」)及び複数種類の無線基地局(図6の例では「WiMAX基地局15」)について、各々の装置のメーカ・型式と遅延時間(遅延量)とを対応付けて記憶しているものである。遅延量としては、実験的に求めたものや、メーカから提供された情報が考えられる。また、メーカ・型式の他にもバージョン情報に応じた遅延量を記憶するようにしてもよい。
尚、ここでは無線アクセス区間としてWiMAXを用いたものを例として説明するが、他の無線アクセス方式であってもよい。
次に、遅延情報記憶部50に記憶されている遅延情報テーブルについて図2を用いて説明する。図2は、遅延情報テーブルの模式説明図である。
図2に示すように、遅延情報テーブルは、無線アクセス区間で用いられる複数種類の無線端末(図6の例では「WiMAX端末14」)及び複数種類の無線基地局(図6の例では「WiMAX基地局15」)について、各々の装置のメーカ・型式と遅延時間(遅延量)とを対応付けて記憶しているものである。遅延量としては、実験的に求めたものや、メーカから提供された情報が考えられる。また、メーカ・型式の他にもバージョン情報に応じた遅延量を記憶するようにしてもよい。
尚、ここでは無線アクセス区間としてWiMAXを用いたものを例として説明するが、他の無線アクセス方式であってもよい。
上述したように、無線アクセス区間の無線端末及び無線基地局における遅延時間はネットワーク遅延時間への寄与分が大きい。
そこで、本通信端末では、予め様々な無線端末及び無線基地局の遅延量を記憶しておき、通信端末の運用開始時に、実際にネットワークで用いられている無線端末及び無線基地局の遅延量を遅延情報テーブルから読み出して、これらの遅延量の和をネットワーク遅延量の概算値として求め、それに基づいて音声符号化方式又はパケットサイズを切り替えて運用するようにしている。
そこで、本通信端末では、予め様々な無線端末及び無線基地局の遅延量を記憶しておき、通信端末の運用開始時に、実際にネットワークで用いられている無線端末及び無線基地局の遅延量を遅延情報テーブルから読み出して、これらの遅延量の和をネットワーク遅延量の概算値として求め、それに基づいて音声符号化方式又はパケットサイズを切り替えて運用するようにしている。
尚、ここでは、無線アクセス区間で用いられる無線端末及び無線基地局について遅延量を記憶するようにしているが、この他にもルータやゲートウェイ等の遅延量を記憶しておき、無線端末と無線基地局に加えてこれら各装置の遅延量の和をネットワーク遅延量の概算値とするようにしてもよい。
あるいは、無線端末のみ、無線基地局のみについて遅延量を記憶しておき、無線端末又は無線基地局の一方の遅延量の値をそのままネットワーク遅延量の概算値としてもよい。
あるいは、無線端末のみ、無線基地局のみについて遅延量を記憶しておき、無線端末又は無線基地局の一方の遅延量の値をそのままネットワーク遅延量の概算値としてもよい。
[制御部51の動作]
制御部51について説明する。
制御部51は、CPU等で構成され、本通信端末の運用開始時に、ネットワークで用いられている無線端末及び無線基地局の遅延量の和をネットワーク遅延量の概算値を求め、それによって本通信端末で許容される遅延量に応じて、音声符号化方式とパケットサイズの組み合わせを決めて、音声符号化部42に音声符号化方式を設定し、IPパケット組み立て部43にパケットサイズを設定する。
制御部51について説明する。
制御部51は、CPU等で構成され、本通信端末の運用開始時に、ネットワークで用いられている無線端末及び無線基地局の遅延量の和をネットワーク遅延量の概算値を求め、それによって本通信端末で許容される遅延量に応じて、音声符号化方式とパケットサイズの組み合わせを決めて、音声符号化部42に音声符号化方式を設定し、IPパケット組み立て部43にパケットサイズを設定する。
まず、運用開始時に、ユーザによって入力部から遅延情報表示の指示が入力されると、制御部51は、遅延情報記憶部50の遅延情報テーブルに記憶されている複数の無線端末のメーカ・型式を読み取って表示し、ユーザによって実際に無線アクセス区間で用いられている特定の無線端末のメーカ・型式が選択されると、当該無線端末に対応して記憶されている遅延量を読み取って保持する。
同様に、制御部51は、指示に応じて、遅延情報記憶部50の遅延情報テーブルから複数の無線基地局のメーカ・型式を読み取って表示し、選択されると、当該無線基地局に対応して記憶されている遅延量を読み取って保持する。
尚、遅延情報テーブルにメーカ・型式に加えてバージョン情報が記憶されている場合には、選択されたメーカ・型式・バージョン情報に応じた遅延量を読み取る。
同様に、制御部51は、指示に応じて、遅延情報記憶部50の遅延情報テーブルから複数の無線基地局のメーカ・型式を読み取って表示し、選択されると、当該無線基地局に対応して記憶されている遅延量を読み取って保持する。
尚、遅延情報テーブルにメーカ・型式に加えてバージョン情報が記憶されている場合には、選択されたメーカ・型式・バージョン情報に応じた遅延量を読み取る。
そして、制御部51は、無線端末の遅延量と無線基地局の遅延量とを合計して、ネットワーク遅延量の概算値(以下、単に「ネットワーク遅延量」とする)を求め、当該ネットワーク遅延量を予め記憶されている閾値と比較する。
また、遅延情報記憶部50にルータやゲートウェイの遅延量も合わせて記憶されている場合には、算出されるネットワーク遅延量は、より実際の値に近くなる。
また、遅延情報記憶部50にルータやゲートウェイの遅延量も合わせて記憶されている場合には、算出されるネットワーク遅延量は、より実際の値に近くなる。
閾値は、制御部51が、送受信端末において許容される遅延量の大小を判断する際の基準となる値であり、本通信端末において用いられる符号化方式及びパケットサイズを考慮して、例えば、要求されるエンドトゥエンド遅延量を150msとした場合の基準値として、シミュレーション又は実験によって求められた値である。具体的な閾値の例としては5msが考えられる。
遅延情報記憶部50に無線端末の遅延量又は無線基地局の遅延量のいずれか一方しか記憶されていない場合には、閾値はより小さい値になると考えられる。
遅延情報記憶部50に無線端末の遅延量又は無線基地局の遅延量のいずれか一方しか記憶されていない場合には、閾値はより小さい値になると考えられる。
そして、ネットワーク遅延量が閾値よりも大きい場合には、通信端末で許容される遅延量は小さくなるため、伝送帯域が広くなっても、遅延量を小さくするよう符号化速度とパケットサイズの組み合わせを設定する必要がある。
反対に、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、通信端末で許容される遅延量が比較的大きいので、符号化速度やパケット生成周期を遅くして、伝送帯域を狭くするよう符号化速度とパケットサイズの組み合わせを設定する。
本通信端末では、図3,4に示した3種類の組み合わせの中から制御部51が選択して設定するようになっている。
反対に、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、通信端末で許容される遅延量が比較的大きいので、符号化速度やパケット生成周期を遅くして、伝送帯域を狭くするよう符号化速度とパケットサイズの組み合わせを設定する。
本通信端末では、図3,4に示した3種類の組み合わせの中から制御部51が選択して設定するようになっている。
更に、本通信端末では、ユーザからの設定等により、符号化速度を一定にするか、パケットサイズを一定にするかが設定される。制御部51は、ネットワーク遅延量に基づいて、符号化速度一定又はパケットサイズ一定の条件で、音声符号化部42及び音声復号部48に音声符号化方式を指示し、IPパケット組み立て部43及びIPパケット分解部47にパケットサイズを指示する。
[符号化速度が一定の場合:図3]
符号化速度が一定の場合のパケット組み立てについて図3を用いて説明する。図3は、符号化速度が一定の場合のパケット組み立てを示す模式説明図である。
図3に示すように、符号化速度が一定の場合、つまり、音声符号化方式が一定の場合、制御部51は、パケットサイズを切り替えてIPパケット組み立て部43及びIPパケット分解部47に設定する。
符号化速度が一定の場合のパケット組み立てについて図3を用いて説明する。図3は、符号化速度が一定の場合のパケット組み立てを示す模式説明図である。
図3に示すように、符号化速度が一定の場合、つまり、音声符号化方式が一定の場合、制御部51は、パケットサイズを切り替えてIPパケット組み立て部43及びIPパケット分解部47に設定する。
符号化速度一定とする場合には、音声符号化方式を符号化速度の速いG.711 PCM方式とし、制御部51は、音声符号化部43及び音声復号部48に対してG.711 PCM方式を設定する。符号化速度は、64kbps(8byte/s)である。
そして、制御部51は、図3(a)に示すように、ネットワーク遅延量が閾値よりも大きい場合には、小さいパケットサイズを設定する。つまり、G.711 PCM方式とパケットサイズ小の組み合わせとする(組み合わせA)。
IPパケット組み立て部43は、符号化音声データ20byteに対して、UDP/RTPヘッダ20byteとIPヘッダ20byteを付加して60byteのパケットを生成する。1パケットを生成するのに要する時間(パケット生成周期)は、2.5msであり、遅延量を小さくできるが、伝送帯域は広くなる。
そして、制御部51は、図3(a)に示すように、ネットワーク遅延量が閾値よりも大きい場合には、小さいパケットサイズを設定する。つまり、G.711 PCM方式とパケットサイズ小の組み合わせとする(組み合わせA)。
IPパケット組み立て部43は、符号化音声データ20byteに対して、UDP/RTPヘッダ20byteとIPヘッダ20byteを付加して60byteのパケットを生成する。1パケットを生成するのに要する時間(パケット生成周期)は、2.5msであり、遅延量を小さくできるが、伝送帯域は広くなる。
また、図3(b)に示すように、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、大きいパケットサイズを設定する。つまり、G.711 PCM方式とパケットサイズ大の組み合わせとする(組み合わせB)。
すなわち、IPパケット組み立て部43は、符号化音声データ160byte毎にヘッダを付加して200byteのパケットを生成する。パケット生成周期は20msであり、遅延量は大きくなるが、伝送帯域は狭くできる。
すなわち、IPパケット組み立て部43は、符号化音声データ160byte毎にヘッダを付加して200byteのパケットを生成する。パケット生成周期は20msであり、遅延量は大きくなるが、伝送帯域は狭くできる。
つまり、制御部51は、符号化速度が一定の場合には、算出したネットワーク遅延量に基づいて、IPパケット組み立て部43及びIPパケット分解部47に対して、ネットワーク遅延量が閾値より大きければ、パケットサイズを60byte(パケットサイズ小)とする指示を出力し、ネットワーク遅延量が閾値以下であれば、パケットサイズを200byte(パケットサイズ大)とする指示を出力する。
IPパケット組み立て部43及びIPパケット分解部47は、制御部51からの指示に従って、指定されたパケットサイズでパケット組み立て/分解を行う。
IPパケット組み立て部43及びIPパケット分解部47は、制御部51からの指示に従って、指定されたパケットサイズでパケット組み立て/分解を行う。
[パケットサイズが一定の場合:図4]
パケットサイズが一定の場合のパケット組み立てについて図4を用いて説明する。図4は、パケットサイズが一定の場合のパケット組み立てを示す模式説明図である。
図4に示すように、パケットサイズが一定の場合には、制御部51は、符号化速度、つまり音声符号化方式を切り替えて音声符号化部42及び音声復号部48に設定する。
パケットサイズが一定の場合のパケット組み立てについて図4を用いて説明する。図4は、パケットサイズが一定の場合のパケット組み立てを示す模式説明図である。
図4に示すように、パケットサイズが一定の場合には、制御部51は、符号化速度、つまり音声符号化方式を切り替えて音声符号化部42及び音声復号部48に設定する。
パケットサイズを一定にする場合、制御部51はIPパケット組み立て部43及びIPパケット分解部47に対して、小さいパケットサイズの60byteを設定する。ここでは、IPパケット組み立て部43は、符号化方式に関わらず、符号化音声データ20byte毎にヘッダを付加して60byteのパケットを生成する。
そして、図4(a)に示すように、ネットワーク遅延量が閾値よりも大きい場合には、制御部51は、符号化速度を速くするよう、G.711PCM方式を設定する。つまり、G.711 PCM方式とパケットサイズ小の組み合わせとする(組み合わせA)。尚、図4(a)は、図3(a)と同一の組み合わせである。
G.711PCM方式では、符号化音声データ速度は64kbps(8byte/s)であり、IPパケット組み立て部43で20byteの符号化音声データにヘッダを付加して60byteのパケットを生成するパケット生成周期は2.5msである。この組み合わせでは、遅延量を小さくできるが、伝送帯域は広くなる。
G.711PCM方式では、符号化音声データ速度は64kbps(8byte/s)であり、IPパケット組み立て部43で20byteの符号化音声データにヘッダを付加して60byteのパケットを生成するパケット生成周期は2.5msである。この組み合わせでは、遅延量を小さくできるが、伝送帯域は広くなる。
また、図4(b)に示すように、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、制御部51は、符号化速度の遅いG.729CS-ACELP方式を設定する。つまり、G.729CS-ACELP方式とパケットサイズ小の組み合わせとする(組み合わせC)。
G.729CS-ACELP方式では、符号化速度は8kbps(1byte/s)であり、(a)と同じ60byteのパケットを生成するパケット生成周期は20msとなって、遅延量は大きくなるが、伝送帯域は狭くできる。
G.729CS-ACELP方式では、符号化速度は8kbps(1byte/s)であり、(a)と同じ60byteのパケットを生成するパケット生成周期は20msとなって、遅延量は大きくなるが、伝送帯域は狭くできる。
つまり、制御部51は、パケットサイズが一定の場合には、算出したネットワーク遅延量に基づいて、音声符号化部42及び音声復号部48に対して、ネットワーク遅延量が閾値より大きければ、符号化速度の速いG.711PCM方式とする指示を出力し、ネットワーク遅延量が閾値以下であれば、符号化速度の遅いG.729CS-ACELP方式とする指示を出力する。
音声符号化部42及び音声復号部48は、制御部51からの指示に従って、指定された音声符号化方式で音声符号化/復号化を行う。
音声符号化部42及び音声復号部48は、制御部51からの指示に従って、指定された音声符号化方式で音声符号化/復号化を行う。
尚、ネットワーク遅延量が閾値に比べて十分小さい場合には、符号化速度の遅いG.729CS-ACELP方式と、パケットサイズ大(200byte)の組み合わせ(組み合わせD)とすることも可能である。
[制御部51の処理:図5]
次に、制御部51における処理について図5を用いて説明する。図5は、制御部51における処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、制御部51は、運用開始時に、ユーザによって無線端末及び無線基地局のメーカ・型式が選択(又は入力)されると(100)、制御部51は、遅延情報テーブルから、該当する無線端末及び無線基地局に対応する遅延量を読み取る(102)。
次に、制御部51における処理について図5を用いて説明する。図5は、制御部51における処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、制御部51は、運用開始時に、ユーザによって無線端末及び無線基地局のメーカ・型式が選択(又は入力)されると(100)、制御部51は、遅延情報テーブルから、該当する無線端末及び無線基地局に対応する遅延量を読み取る(102)。
そして、制御部51は、無線端末の遅延量と無線基地局の遅延量との和を求めてネットワーク遅延量を算出し(104)、予め設定されている閾値と比較する(106)。
そして、処理106において、ネットワーク遅延量が閾値よりも大きい場合には、制御部51は、パケットサイズ一定(小)であれば大きい符号化速度を設定し、符号化速度一定(速度大)であれば小さいパケットサイズを設定する(108)。すなわち、ネットワーク遅延量が閾値より大きければ、制御部51は、「符号化速度大+パケットサイズ小」の組み合わせを設定する。
そして、処理106において、ネットワーク遅延量が閾値よりも大きい場合には、制御部51は、パケットサイズ一定(小)であれば大きい符号化速度を設定し、符号化速度一定(速度大)であれば小さいパケットサイズを設定する(108)。すなわち、ネットワーク遅延量が閾値より大きければ、制御部51は、「符号化速度大+パケットサイズ小」の組み合わせを設定する。
また、処理106において、ネットワーク遅延量が閾値以下であった場合には、制御部51は、パケットサイズ一定の場合には遅い符号化速度を設定し、符号化速度一定の場合には大きいパケットサイズを設定する(110)。すなわち、ネットワーク遅延量が閾値以下であれば、制御部51は、「符号化速度小+パケットサイズ小」の組み合わせ又は「符号化速度大+パケットサイズ大」の組み合わせを設定する。
このようにして本通信端末の制御部の動作が行われる。
このようにして本通信端末の制御部の動作が行われる。
尚、デフォルトとして、予め、音声符号化部42と音声復号部48に符号化速度大のG.711PCM方式を設定し、IPパケット組み立て部43とIPパケット分解部47にパケットサイズ小の60byteを設定しておき、ネットワーク遅延量が閾値以下であった場合に、制御部51が、ユーザの指示に応じて符号化速度又はパケットサイズのいずれかを、他方に切り替えて設定するようにしてもよい。
また、符号化方式のタイプ(G.711PCM、G.729CS-ACELP等)の識別情報はRTPヘッダに含まれ、パケットサイズはRTPヘッダに続くペイロードデータの長さであるため、これにより、送信側と受信側の通信端末側における整合を取ることが可能である。
また、符号化方式のタイプ(G.711PCM、G.729CS-ACELP等)の識別情報はRTPヘッダに含まれ、パケットサイズはRTPヘッダに続くペイロードデータの長さであるため、これにより、送信側と受信側の通信端末側における整合を取ることが可能である。
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る通信端末によれば、遅延情報記憶部50の遅延情報テーブルに、複数の無線アクセス区間で用いられることが予想される複数種類の無線端末及び無線基地局について、それぞれ固有の遅延量を対応付けて記憶しておき、通信端末の運用開始時に、ユーザからの設定で実際に使用されている無線端末及び無線基地局が選択されると、制御部51が、遅延情報テーブルから当該無線端末及び無線基地局の遅延量を読み取り、それぞれの遅延量の和をネットワーク遅延量として算出し、当該ネットワーク遅延量が、予め設定されている閾値より大きい場合には、音声符号化部42と音声復号部48に符号化速度の速いG.711PCM方式を設定すると共に、IPパケット組み立て部43とIPパケット分解部47に60byteのパケットサイズを設定し、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、音声符号化部42と音声復号部48に符号化速度の遅いG.729CS-ACELP方式を設定して、IPパケット組み立て部43とIPパケット分解部47に60byteのパケットサイズを設定するか、又は、音声符号化部42と音声復号部48に符号化速度の速いG.711PCM方式を設定して、IPパケット組み立て部43とIPパケット分解部47に160byteのパケットサイズを設定するようにしており、全体の遅延量に大きな影響を与える無線アクセス区間で用いられる装置の遅延量からネットワーク遅延量の概算値を容易に算出でき、それに基づいて通信端末で許容される遅延量に応じた符号化速度とパケットサイズの組み合わせを設定することにより、適切な遅延時間及び伝送帯域として、良好な通信品質を保持し、無線リソースを効率的に利用することができる効果がある。
本発明の実施の形態に係る通信端末によれば、遅延情報記憶部50の遅延情報テーブルに、複数の無線アクセス区間で用いられることが予想される複数種類の無線端末及び無線基地局について、それぞれ固有の遅延量を対応付けて記憶しておき、通信端末の運用開始時に、ユーザからの設定で実際に使用されている無線端末及び無線基地局が選択されると、制御部51が、遅延情報テーブルから当該無線端末及び無線基地局の遅延量を読み取り、それぞれの遅延量の和をネットワーク遅延量として算出し、当該ネットワーク遅延量が、予め設定されている閾値より大きい場合には、音声符号化部42と音声復号部48に符号化速度の速いG.711PCM方式を設定すると共に、IPパケット組み立て部43とIPパケット分解部47に60byteのパケットサイズを設定し、ネットワーク遅延量が閾値以下の場合には、音声符号化部42と音声復号部48に符号化速度の遅いG.729CS-ACELP方式を設定して、IPパケット組み立て部43とIPパケット分解部47に60byteのパケットサイズを設定するか、又は、音声符号化部42と音声復号部48に符号化速度の速いG.711PCM方式を設定して、IPパケット組み立て部43とIPパケット分解部47に160byteのパケットサイズを設定するようにしており、全体の遅延量に大きな影響を与える無線アクセス区間で用いられる装置の遅延量からネットワーク遅延量の概算値を容易に算出でき、それに基づいて通信端末で許容される遅延量に応じた符号化速度とパケットサイズの組み合わせを設定することにより、適切な遅延時間及び伝送帯域として、良好な通信品質を保持し、無線リソースを効率的に利用することができる効果がある。
本発明は、遅延時間を低減して通話品質の劣化を防ぐと共に無線リソースの有効利用を図ることができる通信端末に適している。
10a,10b…IP電話端末、 11,22…電話機、 12,21…VoIP−TA、 13…WiMAX、 14…WiMAX端末(無線端末)、 15…WiMAX基地局(無線基地局)、16…ASN−GW、 17…CSN、18,20…ルータ、 19…IPネットワーク、 31,41…A/D変換部、 32,42…音声符号化部、 33,43…IPパケット組み立て部、 34,44…IPSec暗号部、 35,45…IPSec復号部、 36,46…揺らぎ吸収バッファ、 37,47…IPパケット分解部、 38,48…音声復号部、 39,49…D/A変換部、 50…遅延情報記憶部、 51…制御部、 70…ネットワークインタフェース、 71,81…MAC部、 72,82…PHY部、 73,83…RF部、 74,84…アンテナ、 80…加入者側インタフェース
Claims (1)
- 無線アクセス区間を含むIP電話システムにおけるIP電話機として用いられる通信端末であって、
複数の符号化方式の中から指示された符号化方式で音声データを符号化する音声符号化部と、
複数のパケットサイズの中から指示されたパケットサイズで符号化音声データをパケット化するパケット組み立て部と、
前記無線アクセス区間で用いられる可能性がある複数種類の無線端末及び複数種類の無線基地局の一方又は両方と、各装置の遅延量とを対応付けて記憶する遅延情報テーブルと、
前記音声符号化部に符号化方式を指示し、前記パケット組み立て部にパケットサイズを指示する制御部とを備え、
前記制御部が、外部から特定の無線端末及び無線基地局の一方又は両方が選択されると、前記選択された装置の遅延量を前記遅延情報テーブルから読み出し、前記選択された装置の遅延量又は前記選択された各装置の遅延量の和をネットワーク遅延量として算出し、
前記ネットワーク遅延量が予め設定された閾値よりも大きい場合には、少なくとも、前記音声符号化部に対してより符号化速度の大きい符号化方式を指示するか若しくは前記パケット組み立て部に対してより小さいパケットサイズを指示するか、又はその両方の指示を行い、
前記ネットワーク遅延量が前記閾値以下の場合には、少なくとも、前記音声符号化部に対してより符号化速度の小さい符号化方式を指示するか若しくは前記パケット組み立て部に対してより大きいパケットサイズを指示するか、又はその両方の指示を行うことを特徴とする通信端末。
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