JP2010250409A - 無線通信機及び無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】文字等の情報を、カード等の収容ケースの外面に、視認し易いように印字等することができ、自発電タイプで情報の通信が可能な無線通信機及び無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線通信システム100は、無線送信機1及び無線受信機2から構成される。無線送信機1は、通信モードと待機モードとを交互に繰り返す無線モジュール50と、無線モジュール50に電力を供給する電源部40を備える。電源部40は、二次電池42、太陽電池41、並びに、太陽電池41から二次電池42への電力供給及び二次電池42から無線モジュール50への電力供給を制御する充電回路43を備える。充電回路43は、待機モードの期間中に太陽電池41から二次電池42へ電力を供給する。そして、これらの電源部40及び無線モジュール50が、所定の不透明度を有する収容ケース10に収容されている。
【選択図】図1

Description

本発明はセキュリティ分野等で用いられる無線通信機及び無線通信システムに関する。
従来、クレジットカードやキャッシュカード等のカードにIC(集積回路)を組み込み、ICに特定の情報を記憶させて、非接触方式で読み取り/書き込み装置との間で情報を送受信又は更新する非接触型ICカードシステムが運用されている。例えば、特許文献1には、太陽光エネルギーを電力に変換する太陽電池と、この太陽電池によって充電される二次電池と、この二次電池とICとの間に設けられたスイッチと、磁界を受けて誘電起電力を生じさせる薄型コイルを備え、薄型コイルに生じる誘導起電力を受けてスイッチをオンさせることにより、二次電池からICに電源電圧を供給するICカードが開示されている。
また、クレジットカードやキャッシュカードとは別に、データ処理装置等の操作者のネームプレートに情報を送信する機能を持たせた非接触型のカードシステムも一般に知られている。例えば、特許文献2には、薄型電池と電子回路と発信素子とを含む通信装置を内蔵したネームプレート装置から発信された識別信号を受信し、その識別信号に応じた識別コードが予め記憶された識別コードと一致する場合に、データ処理装置の操作を許可するように構成した入力許可システムが記載されている。
特開平11−134456号公報 特許第2575712号公報
しかし、上記特許文献2に記載されたようなネームプレート装置に、上記特許文献1に記載されたICカードに用いられる太陽電池及び二次電池のような発電及び電力供給装置を搭載した場合、発電の観点からは、ネームプレートのカバーが透明であるものが有利であるが、氏名やその他の文字情報を印字して本来のネームプレートとしての機能を確保するには、ネームプレートのカバーが不透明で、内部に搭載した装置等が視認できない方が好ましい。ただし、後者の場合、太陽電池による発電が不十分となって電力を供給できなくなり、通信装置として機能しなくなってしまうおそれがある。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、文字や画像等の情報を、カードやプレートといった収容ケースの外面に、十分に視認し易いように印字(提示)や印刷することができ、しかも、電池交換の必要がない自発電タイプで情報の通信が十分に可能な無線通信機、及び無線通信システムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明による無線通信機は、発電素子、及び蓄電装置を有する電源部と、信号処理回路、高周波回路、及びアンテナを有する無線モジュールと、それらの電源部及び無線モジュールが収容され、且つ、所定の不透明度を有する収容ケースとを備えるものである。
ここで、「所定の不透明度」とは、収容ケースの内部に電源部及び無線モジュールが収容されていることを、外部から視認して判別できないながらも、収容ケースの外面上における照度が50Lux以上のときに、収容ケースに収容された電源部の発電素子の表面において5Luxの照度を確保できる透光性を示す。
このように構成された無線通信機においては、収容ケースの内部に収容された電源部及び無線モジュールが、収容ケースを透かして外部から視認できないので、収容ケースの外面に印字された文字情報や印刷された画像情報等の情報を明瞭に判読したり判別したりすることができる。
別言すれば、本発明による無線通信機は、収容ケースの光透過率が10%〜50%であってもよい。ここで、「光透過率」の測定方法は、まず、電流計に接続した任意の太陽電池(発光素子)から30cm離間して配置した白色光源を発光させ、その太陽電池の起電力によって発生する電流値を測定する(基準電流値)。次に、その太陽電池を覆うように、その太陽電池の前面(白色光源に対向する面)に収容ケースの材料片を配置し、同じ発光量で白色光源を発光させて、基準電流値の測定時と同じ電圧で同様にして電流値を測定する(対象電流値)。そして、基準電流値に対する対象電流値を百分率で表した値をその収容ケースの「光透過率」とする。なお、「収容ケースの光透過率」とは、収容ケースにおいて、発電素子を覆っている部分の光透過率を示し、すなわち、その部分の光透過率が10%〜50%であればよく、収容ケースにおける他の部分の光透過率は異なっていてもよい。また、その発電素子を覆っている部分に印字や印刷を施す場合においては、「収容ケースの光透過率」とは、その印字や印刷を施した後の(状態での)光透過率を示す。
本発明者の研究によれば、この光透過率が10%未満であると、無線モジュールからの無線送信ができないことが判明し、一方、この光透過率が50%を超えると、収容ケースの内部が透けて視認できてしまい、収容ケースの外面の表示(印字や印刷)の判読や判別に支障をきたすことが確認された。
また、本発明による無線通信システムは、本発明の無線通信機を送信機又は受信機として備えて有効に構成されるものであり、すなわち、発電素子、及び蓄電装置を有する電源部と、信号処理回路、高周波回路、及びアンテナを有する第1の無線モジュールと、それらの電源部及び第1の無線モジュールが収容され、且つ、所定の不透明度を有する収容ケースとを備える送信機又は受信機と、信号処理回路、高周波回路、及びアンテナを有する第2の無線モジュールを備える受信機又は送信機とを有する。
本発明の無線通信機及び無線通信システムによれば、発電素子を有する電源部及び無線モジュールが所定の不透明度を有する収容ケースの内部に収容されているので、文字や画像等の情報を、カードやプレートといった収容ケースの外面に、十分に視認し易いように印字や印刷することができ、しかも、電池交換の必要がない自発電タイプで情報の通信が十分に可能となる。
本発明による無線通信機及び無線通信システムの好適な一実施形態の構成を示す機能ブロック図である。 本発明による無線通信機及び無線通信システムの好適な一実施形態に係わる間欠通信のタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
図1は、本発明による無線通信機及び無線通信システムの好適な一実施形態の構成を示す機能ブロック図である。無線通信システム100は、無線送信機1(無線通信機、送信機)と無線受信機2(受信機)とから構成される。
無線送信機1は、例えばカードやプレート状をなす収容ケース10の内部に、電源部40及び無線モジュール50(第1の無線モジュール)が収容されたものである。電源部40は、太陽電池41(発電素子)、二次電池42(蓄電装置)、及び充電回路43を備えている。また、無線モジュール50は、アンテナ20、及び送信モジュール30を備えている。この送信モジュール30は、信号処理回路31と高周波回路32を有するものである。
信号処理回路31は、CPUとメモリICといった半導体装置から構成されており、消費電力を抑えるための制御やIDナンバー(識別番号)の出力処理等を行う。メモリICには、IDナンバーと、通信フォーマットとが予め記憶されている。IDナンバーは、無線送信機を一意に識別するために割り当てられたユニークな識別情報である。通信フォーマットは、所定の通信プロトコル(例えば、400MHz帯特定省電力無線用の通信プロトコル)に準拠している。メモリICとしては、不揮発性メモリや揮発性メモリ等の各種のメモリを適用できる。
また、CPUは、IDナンバーと共に通信フォーマットをメモリICから読み出し、所定の転送レート(例えば、9600bps)で変調された所定のインターフェース形式(例えば、UARTシリアルインターフェース形式)の変調信号を高周波回路32へ断続的且つ定期的に出力する。CPUとしては、例えば、8ビットマイコン等を用いることができる。
さらに、信号処理回路31は、消費電力を抑えるための制御として、図2にタイミングチャートを示すような間欠通信を実施する。かかる間欠通信では、所定の送信サイクル(例えば、15秒周期)のうち通信モードとして動作する送信期間(例えば、15msec)だけIDナンバーが所定の通信フォーマットで出力され、それ以外の待機モード(スリープモード)として動作するスリープ期間(例えば、1485msec)では、信号処理回路31及び高周波回路32の動作は待機状態に移行する。信号処理回路31及び高周波回路32は、通信モードと待機モードとを交互に繰り返すことにより、二次電池42の消費電力を抑えている。
また、高周波回路32は、チップインダクタ、チップコンデンサ、チップ抵抗等の受動部品、及び、トランジスタ等の半導体装置といった能動部品から構成される。この高周波回路32は、信号処理回路31からの変調信号を受信し、通信フォーマットに従って、無線送信機1のIDナンバーを含む送信信号(例えば、300MHz帯の2値FSK変調信号)に変調する。アンテナ20は、高周波回路32によって生成された送信信号を電磁波に変換して放射する。アンテナ20から放射される電磁波は、例えば、基本周波数315MHzの微弱無線規格を遵守する仕様に設計されている。
太陽電池41は、光エネルギー(太陽光又は照明光等の光エネルギー)を直流電力に変換する発電素子である。無線送信機1の各部(アンテナ20、送信モジュール30、及び電源部40)を収容する収容ケース10は、例えば白色ポリカーボネート等の樹脂材料からなっており、上述した所定の不透明度を有しており、無線送信機1の各部を外部から視認することはできないながらも、光エネルギーが太陽電池41に吸収されるように構成されている。なお、発電素子は、太陽電池41に限られるものではなく、例えば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光発電素子であればよく、補助的に、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する振動発電素子、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子、電磁エネルギーを電気エネルギーに変換する電磁誘導発電素子等がともに搭載されてもよい。
二次電池42は、信号処理回路31及び高周波回路32へ供給される電力を蓄電する蓄電装置である。二次電池42は、例えば、リチウムイオン電池であり、定格で例えばDC3Vの電圧を出力する。この定格電圧の二次電池42では、信号処理回路31及び高周波回路32での最低動作電圧レベルにもよるが、約1.8V〜3.3V程度の範囲で電力が消費される。なお、蓄電装置は、二次電池42に限定されるものではなく、例えば、キャパシタ等でもよい。
充電回路43は、太陽電池41から二次電池42への電力供給、及び二次電池42から送信モジュール30への電力供給を制御する。充電回路43は、二次電池42から太陽電池41への電流の逆流を防止する機能や、二次電池42の端子電圧を監視し、過充電時には二次電池42への充電を停止し、過放電時には二次電池42の過放電を停止する機能を有する。具体的には、充電回路43は、二次電池42が十分に充電されるまで、送信サイクルを長くしたり、或いは無線通信を一時停止したりする。また、充電回路43に、送信モジュール30への過電流の流入を防止する保護機能を付加してもよい。
充電回路43は、信号処理回路31から出力される制御信号CTLの論理値に基づいて上述の電力供給を制御する。送信モジュール30は、上述の如く、通信モードと待機モードとを交互に繰り返す間欠通信を常時実施する。そして、通信モードとして動作する送信期間中には、送信モジュール30は、二次電池42から送信モジュール30へ動作電力(無線伝送に必要な電力)が供給され且つ太陽電池41から二次電池42へ充電電力が供給されないように制御信号CTLの論理値を制御し、待機モードとして動作するスリープ期間中には、送信モジュール30は、二次電池42から送信モジュール30へ待機電力(待機中に消費される電力)が供給され且つ太陽電池41から二次電池42へ充電電力が供給されるように制御信号CTLの論理値を制御する。
このような制御により、通信モードの期間中に送信モジュール30によって消費された二次電池42の電力を、待機モードの期間中に太陽電池41から二次電池42へ補充することができる。また、待機モード期間中の二次電池42のインピーダンスは、通信モード期間中の二次電池42のインピーダンスよりも低いので、二次電池42を常時充電し続けるよりも容易に充電できるという利点を有する。
なお、通信モードで15mAの電流が消費され、待機モードで1.0μAの電流が消費される場合を想定すると、デューティ0.1%の間欠通信によって消費される平均消費電流は16μAとなる。ここで、太陽電池41の受光照度と発電電流との関係を示す実験データを取得したところ、オフィス内での通常使用時(例えば、胸ポケットに無線通信機10を収納したとき)では、100Lux程度の照度が得られ、この程度の照度によって得られる太陽電池41の発電電流は約16μAである。適度な照度が得られる環境下に無線通信機10を配置しておくことより、無線通信機10の消費電力(通信モード中に消費される動作電力と待機モード中に消費される待機電力との合計電力)は、太陽電池41によって十分に補うことが可能である。これにより、電池交換を不要とし、通信時間に制限がない無線通信機10を提供できる。
また、収容ケース10(白色ポリカーボネート製)の厚さ(太陽電池41が対向する面側の厚さ)を種々変化させ、上述した測定方法によってその光透過率を測定するとともに、それら各種の厚さの収容ケース10を用いた無線送信機1からの無線送信の可否、及び、収容ケース10の内部の視認判別性についても実験を実施した。結果を、以下の表1にまとめて示す。これより、収容ケース10の厚さが1.5mmで光透過率が8%の場合、無線送信機1からの無線送信ができず、また、収容ケース10の厚さが0.15mmで光透過率が55%の場合、収容ケース10の内部が透けて視認できてしまい、収容ケース10の外面に印字等の表示を行ったところ、その判読や判別に支障をきたすことが確認された。
Figure 2010250409
一方、無線受信機2は、例えば、携帯電話、パソコン等のコンピュータ機器、パソコンやその他各種OA機器に接続されるカードやUSB端末機器等の無線通信機能を搭載した電子機器であり、筐体60の内部に収容された無線モジュール70(第2の無線モジュール)、及びCPU80を備える。無線モジュール70は、アンテナ71、高周波回路72、及び信号処理回路73を備える。無線送信機1から無線電波として放射された送信信号に含まれるIDナンバーは、アンテナ71にて受信され、高周波回路72にて復調され、信号処理回路73にて復号されて、所定のインターフェース形式(例えば、UARTシリアルインターフェース形式)でCPU80に出力される。
CPU80は、無線モジュール70が受信したIDナンバーに基づいて無線送信機1を認証する。例えば、無線受信機2が携帯電話の場合、無線送信機1を携帯するユーザが移動することにより、無線送信機1と無線受信機2とがある一定の距離以上離れると、無線受信機2はロックし、無線送信機1と無線受信機2とがある一定の距離以内に近づくと、無線受信機2はアンロックする。
このように構成された無線送信機1及び無線通信システム100によれば、太陽電池41を有する電源部40及び無線モジュール50が所定の不透明度を有する収容ケース10の内部に収容されているので、文字や画像等の情報を、カードやプレートといった収容ケース10の外面に、十分に視認し易いように印字や印刷することができる。しかも、電池交換の必要がない自発電タイプで情報の通信が十分に可能となる。具体的には、通信モードの期間中に無線モジュール50によって消費された二次電池42の電力を、待機モードの期間中に太陽電池41から二次電池42へ補充することで、通信時間に制限のない無線通信が可能となる。
以上説明したとおり、本発明の無線通信機及び無線通信システムは、発電素子の発電に支障のない範囲で収容ケース面の情報の判別性及び判読性を向上させることができるので、例えば、セキュリティ用途に用いられる個人のIDカードやネームプレート等の文字や画像情報の表示も有効とされる、種々の無線通信に用いられる物品、機器、装置、システム、各種デバイス等、並びにそれらの生産、製造等に広く且つ有効に利用することができる。
1…無線送信機(無線通信機、送信機)、2…無線受信機(受信機)、10…収容ケース、20…アンテナ、30…送信モジュール、31…信号処理回路、32…高周波回路、40…電源部、41…太陽電池(発電素子)、42…二次電池(蓄電装置)、43…充電回路、50…無線モジュール(第1の無線モジュール)、60…筐体、70…無線モジュール(第2の無線モジュール)、71…アンテナ、72…高周波回路、73…信号処理回路、100…無線通信システム。

Claims (3)

  1. 発電素子、及び蓄電装置を有する電源部と、
    信号処理回路、高周波回路、及びアンテナを有する無線モジュールと、
    前記電源部、及び前記無線モジュールが収容され、且つ、所定の不透明度を有する収容ケースと、
    を備える無線通信機。
  2. 前記収容ケースの光透過率が10%〜50%である、
    請求項1記載の無線通信機。
  3. 発電素子、及び蓄電装置を有する電源部と、
    信号処理回路、高周波回路、及びアンテナを有する第1の無線モジュールと、
    前記電源部、及び前記第1の無線モジュールが収容され、且つ、所定の不透明度を有する収容ケースと、を備える送信機又は受信機と、
    信号処理回路、高周波回路、及びアンテナを有する第2の無線モジュールを備える受信機又は送信機と、
    を有する無線通信システム。
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