JP2010246222A - 高圧電源装置 - Google Patents

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Nobuaki Imamura
宣明 今村
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Abstract

【課題】薄型の高圧電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置は、トランスモジュール100a,b,c,dと、サブトランス170とを備える。各トランスモジュール100(a,b,c,d)は、1次コイル107(a,b,c,d)と、2次コイル108(a,b,c,d)とを含む。サブトランス170は、1次コイル(導線181および185)と、2次コイル(導線183)と、整流平滑回路(ダイオードD9およびコンデンサC5)とを含む。サブトランス170の1次コイルは、トランスモジュール100の1次コイル107と並列に接続されている。サブトランス170の2次コイル(導線183)は、整流平滑回路を介して、トランスモジュール100の2次コイル108と直列に接続されている。サブトランス170の1次コイルと2次コイルとの間の磁気結合度は、トランスモジュール100の1次コイル107と2次コイル108との間の磁気結合度よりも大きい。
【選択図】図12

Description

本発明は、高圧電源装置に関する。特に、本発明は、電界放出ディスプレイ(FED;Field Emission Display)などの薄型ディスレイ向けの高圧電源装置に関する。
従来、高圧トランスとしては、ブラウン管TVに用いられていたフライバックトランスが一般的に知られている。例えば、特許文献1(特開平6−6975号公報)には、複数のトランスを直列接続した高圧電源回路が開示されている。
特開平6−6975号公報
ブラウン管TV向けのフライバックトランスは、ブラウン管自体がかなりの大きさ(体積)を有するため、TVの筐体とブラウン管の隙間に収まる程度の大きさであればよかった。したがって、従来、フライバックトランスは、小型化や薄型化をあまり求められてこなかった。ところが、近年開発されているFED等の薄型ディスプレイにフライバックトランスを利用する場合には、フライバックトランスを薄型化する必要がある。
ところで、高圧電源の場合、スイッチング素子のターンオフ時に生じるヒゲ状のスパイク電圧が問題となる。このヒゲ状のスパイク電圧は、トランスの漏れインダクタンスと寄生容量とが原因で生じる。したがって、トランスの1次コイルと2次コイルとの間の磁気結合度が高ければ高いほど発生しにくい。しかしながら、薄型のトランスにおいて、磁気結合特性を高めるのは困難である。したがって、薄型の高圧電源において、スパイク電圧は不可避の問題である。
スパイク電圧が、スイッチング素子の耐圧を超えるとスイッチング素子が壊れる。ところが、大きなスパイク電圧に耐え得るスイッチング素子は、高コストである。また、このようなスイッチング素子は、低効率でもある。例えば、一般的に高耐圧のFET(Field Effect Transistor)は、オン抵抗が大きい。
スパイク電圧を含めたドレイン電圧をFET定格以下に抑えるためには、トランスの昇圧比を大きくするためにトランスを大型化したり、トランス個数を増やしたりする、という方法がある。しかし、これらの方法は、高圧電源の薄型化あるいは小型化の要求に反する。
そこで、薄型の高圧電源においては、スパイク電圧を削減することが好ましい。スパイク電圧を削減する方法の1つに、上述の特許文献2に記載されているように、トランスの1次巻線側回路に設けたスナバ回路(RC回路)で、スパイク電圧を消費する方法がある。しかし、高圧電源において、電源の薄さを保ったまま、スナバ回路をスパイク電圧の削減に適した位置に設置するのは困難である。また、この場合は、スパイク電圧が全て損失となってしまうため、回路効率が低下するという問題もある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、薄型の高圧電源装置を提供することを課題とする。
本発明の1つの局面に従うと、高圧電源装置であって、複数の高圧トランスモジュールを備える。各高圧トランスモジュールは、第1の1次コイルと、第1の1次コイルの周囲に巻かれた第1の2次コイルと、第1の2次コイルの少なくとも一端に接続された整流ダイオードと、第1の1次コイル、第1の2次コイルおよび整流ダイオードを収納するケースとを含み、第1の1次コイル、第1の2次コイルおよび整流ダイオードを含んだケース内は樹脂封止されている。高圧電源装置は、隣り合う2つの高圧トランスモジュールを直列接続するリードと、各第1の1次コイルの第1の端に接続された駆動電源と、各第1の1次コイルの第1の端と異なる第2の端に接続されたスイッチと、第2の端に、スイッチと並列に接続される共振コンデンサと、高圧トランスモジュールの第1の2次コイルの高圧側端子から出力する電圧を検出する第1の電圧検出手段と、第1の電圧検出手段の出力に応じてスイッチをPWM制御するPWM制御手段と、サブトランスとをさらに備える。サブトランスは、第2の1次コイルを含み、第2の1次コイルの第1の端は、駆動電源に接続され、第2の1次コイルの第1の端と異なる第2の端は、スイッチに接続され、第2の2次コイルと、整流平滑回路とをさらに含み、第2の2次コイルは、整流平滑回路を介して第1の2次コイルの低圧側端子に接続される。第2の1次コイルと第2の2次コイルとの間の磁気結合度は、第1の1次コイルと第1の1次コイルとの間の磁気結合度に比べて大きい。
好ましくは、第2の2次コイルは、最も低圧側の第1の2次コイルの低圧側端子に接続される。
好ましくは、第2の1次コイルの巻数の第2の2次コイルの巻数に対する比は、第1の1次コイルの巻数の第1の2次コイルの巻数に対する比よりも大きい。
さらに好ましくは、第2の1次コイルは、共通の軸の周囲に異なる径で巻かれた内側コイルおよび外側コイルを有し、第2の2次コイルは、内側コイルと外側コイルとの間に巻かれている。
好ましくは、高圧トランスモジュールは、2次側に倍電圧整流回路を有する。
好ましくは、第1の2次コイルは、セクション巻きされている。
好ましくは、整流ダイオードは、第1の2次コイルの第1の端にアノードが接続される第1のダイオードと、第1の2次コイルの第1の端と異なる第2の端にカソードが接続される第2のダイオードとを含む。
好ましくは、スイッチは、複数のスイッチ素子を含み、各スイッチ素子は、少なくとも1つの第1の1次コイルの第2の端に接続されており、PMW制御手段は、第1の電圧検出手段の出力に応じて、複数のスイッチ素子を同期してPWM制御する。
好ましくは、高圧電源装置は、サブトランスの2次側に接続され、第2の2次コイルに発生する電圧を検出する第2の電圧検出手段と、第2の電圧検出手段の出力と所定の基準値とを比較し、比較結果を出力する比較器とをさらに備える。
さらに好ましくは、高圧電源装置は、第2の電圧検出手段の出力が基準値を上回るとき、PWM制御手段の動作を停止させる保護回路をさらに備える。
本発明に係る高圧電源装置は、複数の高圧トランスモジュールと、サブトランスとを備える。高圧トランスモジュールの2次コイルは、直列接続されている。サブトランスの1次コイルは、各高圧トランスモジュールの1次コイルと並列に、駆動電源およびスイッチに接続される。サブトランスの2次コイルは、高圧トランスモジュールの2次コイルの低圧側端子に整流平滑回路を介して接続される。サブトランスのコイルの磁気結合度は、高圧トランスモジュールのコイルの磁気結合度に比べて大きい。この結果、本発明に係る高圧電源装置は、薄型にできる。
本実施の形態に係る電源装置の構成の概略図である。 トランスモジュールの内部部品の上面図である。 トランスモジュールの内部部品の側断面図である。 トランスモジュールの第1の製造工程を示す図である。 トランスモジュールの第2の製造工程を示す図である。 トランスモジュールの第3の製造工程を示す図である。 トランスモジュールの第4の製造工程を示す図である。 サブトランスの構成を説明するための図である。 サブトランスの上面図である。 サブトランスの正面図である。 サブトランスの1次コイルおよび2次コイルの作成方法を説明するための図である。 第1の実施の形態に係る電源装置の回路図である。 高圧トランスの斜視図である。 高圧トランスの側断面図である。 第2の実施の形態に係る電源装置の回路図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部分には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1の実施の形態]
(概略的構成)
図1は、本実施の形態に係る電源装置1の構成の概略図である。図1を参照して、電源装置1は、基板10と、4つのトランスモジュール100a,100b,100c,100dと、リード130a,130b,130c,130d,150,160と、分圧ユニット140と、サブトランス170とを備える。トランスモジュール100a,100b,100c,100d、サブトランス170および分圧ユニット140は、基板10上に配置されている。
トランスモジュール100a,100b,100c,100dは、各々、供給された電圧を昇圧する。以下、区別の必要がないときは、トランスモジュール100a,100b,100c,100dを総称して、トランスモジュール100とよぶ。また、トランスモジュール100の各部品についても、区別の必要がないときは、各部品を示す符号から添え字a,b,c,dを省略する。
図1を参照して、各トランスモジュール100は、電圧入力端子101と、電圧出力端子102と、ケース104と、フェライト110とを含む。また、トランスモジュール100は、トランス106(図1には示さず)を含む。トランス106は、ケース104内に格納されている。各トランスモジュール100は、同様の構成をもつ。そのため、図中では、適宜、トランスモジュール100の部品を示す符号を省略している。
トランス106およびフェライト110について、図2および図3を参照して説明する。図2は、トランスモジュール100の内部部品の上面図である。図3は、トランスモジュール100の内部部品の側断面図である。トランス106は、図3を参照して、1次コイル107と、1次コイル107の周囲に積層巻きされた2次コイル108とを含む。フェライト110は、1次コイル107を貫通するように配置されている。
電圧入力端子101には、駆動電源200(図1には示さず)あるいは他のトランスモジュール100から電圧が供給される。電圧出力端子102は、昇圧された電圧を出力する。
リード130a,b,cは、各々、隣り合う2つのトランスモジュール100を接続する。例えば、リード130bは、トランスモジュール100bの電圧出力端子102bと、トランスモジュール100cの電圧入力端子101cとを接続する。
トランスモジュール100a,b,c,dは、リード130a,b,cによって、直列接続されている。その結果、トランスモジュール100dは、各トランスモジュールの出力電圧を合計した高電圧を出力することができる。
リード130dは、トランスモジュール100dと分圧ユニット140とを接続する。
分圧ユニット140は、トランスモジュール100dが出力する電圧を分圧する。分圧された電圧は、トランスモジュール100dが出力する電圧値の測定のために用いられる。
なお、分圧ユニット140は、電源装置1が最終的に出力する電圧を検出できる検出装置であればよい。例えば、トランスモジュール100a,b,cの出力電圧から、トランスモジュール100dの電圧が予測できるならば、トランスモジュール100a,b,cに接続されていてもよい。ただし、本実施の形態のように、最も高圧側のトランスモジュール100dに検出装置を接続するのが、検出精度の面で好ましい。
図1に示すように、各トランスモジュール100の電圧入力端子101および電圧出力端子102は、基板10に平行である。すなわち、電圧入力端子101および電圧出力端子102の軸は、基板10に平行である。
この構成によれば、電圧入力端子101および電圧出力端子102を基板10に差し込む構成に比べ、リード130a,130b,130c,130dと、基板10上の他の電子部品との距離を長くすることができる。したがって、この構成によれば、寄生振動による発熱を低減できる。
リード150は、トランスモジュール100aと駆動電源200(図1には示さず)とを接続する。リード160は、トランスモジュール100dから出力された高電圧を出力する。
サブトランス170は、巻線部180と、第1のフェライトコア191と、第2のフェライトコア192とを含む。サブトランス170は、トランスモジュール100a〜100dの4分の1程度のサイズである。サブトランス170は、電源装置100に含まれるスイッチング素子のオンオフ時に、トランスモジュール100の出力電圧に発生するスパイク電圧を取り除く。サブトランス170の詳細については、後述する。
(トランスモジュール)
トランスモジュール100の構成について、図4から7を参照してより詳しく説明する。図4から7は、各々、トランスモジュールの製造工程を示す図である。便宜上、図4〜7に示す製造工程を、それぞれ、第1〜第4の製造工程とよぶ。図4〜7は、それぞれ、第1〜第4の製造工程において組み立てられた、トランスモジュール100を構成する部品を、基板10に接続される側から見た斜視図である。
図4を参照して、第1の製造工程において、トランス106と、第1の部品112とが接続される。第1の部品112は、接地用の端子113を含む。
本実施の形態において、トランス106としては、電源装置1の薄型化のために、セクショントランスを用いる。つまり、トランス106の巻線部180は、1次コイルが巻かれる1次巻線部と、2次コイルが巻かれる2次巻線部とを有する。1次巻線部と2次巻線部とは、分離壁などによって互いに絶縁されている。2次巻線部は、複数のセクションに分割されており、各セクションに、2次コイルが巻かれる。つまり、2次コイルは、セクション巻きされている。
図5を参照して、第2の製造工程において、トランス106および第1の部品112に、さらに、第2の部品114と、フェライト110とが接続される。第2の部品114は、電圧入力端子101および電圧出力端子102が接続可能なコネクタとして機能する。
図6を参照して、第3の製造工程において、トランス106および第1の部品112(端子113を除く)を覆うようにケース104が設置される。ケース104内には、封止樹脂が充填される。その結果、ケース104内の各回路部品は、外部から絶縁される。
図7を参照して、第4の製造工程において、第2の部品114に、電圧入力端子101および電圧出力端子102が接続される。
(サブトランス)
サブトランス170の構成について、以下、詳しく説明する。
図8は、サブトランス170の構成を説明するための図である。図8Aおよび図8Bは、それぞれ、サブトランス170の作成過程を示すための図である。図8Cは、サブトランス170の外観の斜視図である。
サブトランス170は、図8Aに示す部品172を含む。部品172の巻線部180には、1次コイルと2次コイルとが巻かれる。サブトランス170の1次コイルおよび2次コイルの詳細については、後述する。
図8Bには、コイルを巻いた部品172を示している。コイルを巻いた部品172に、第1のフェライトコア191および第2のフェライトコア192を部品172にはめ込んで、サブトランス170が完成する(図8Cを参照)。
ここで、部品172とコイルとの関係について、図9および図10を参照して説明する。図9は、サブトランス170の上面図である。図10は、サブトランス170の正面図である。ただし、図9および図10には、第1のフェライトコア191および第2のフェライトコア192を示していない。
図9および図10を参照して、サブトランス170の部品172は、図9および図10の左右方向に貫通する穴を有する。この穴には、第1のフェライトコア191および第2のフェライトコア192が差し込まれる。
図10を参照して、部品172には、部品172にから近い順に、穴の周囲に、導線181、導線183、および、導線185が、巻かれる。本実施の形態では、導線181、導線183、および、導線185の材質は同じであるとする。導線181と導線183との間、ならびに、導線183と導線185との間は絶縁されている。また、導線185の表面は、外界から絶縁されている。
図11を参照して、サブトランス170の1次コイルおよび2次コイルについて説明する。図11は、サブトランス170の1次コイルおよび2次コイルの作成方法を説明するための図である。図11Aから図11Fは、各々、1次コイルおよび2次コイルの作成過程を示す図である。
図11Aを参照して、まず、部品172に、導線181を巻く。導線181は、均等整列巻される。巻かれた導線181は、部品172の端で折り返されない。部品172の一端から巻き始めた導線181は、巻かれ終わると、他端の端子に接続される。
図11Bを参照して、導線181が巻かれた後、導線181を覆うように、絶縁テープ182を巻く。なお、絶縁テープ182のかわりに、他の絶縁材で導線181を覆ってもよい。
図11Cを参照して、絶縁テープ182の周りに、導線183を巻く。導線183は、導線181と同様に巻かれる。すなわち、導線183は、導線181と同じ巻き方向に、同じ回数、均等整列巻される。また、巻かれた導線183は、部品172の端で折り返されない。部品172の一端から巻き始めた導線183は、巻かれ終わると、他端の端子に接続される。
図11Dを参照して、導線183が巻かれた後、導線183を覆うように、絶縁テープ184を巻く。なお、絶縁テープ184のかわりに、他の絶縁材で導線183を覆ってもよい。
図11Eを参照して、絶縁テープ184の周りに、導線185を巻く。導線185は、導線181と同様に巻かれる。すなわち、導線185は、導線181と同じ巻き方向に、同じ巻き回数、均等整列巻される。また、巻かれた導線185は、部品172の端で折り返されない。部品172の一端から巻き始めた導線185は、巻かれ終わると、他端の端子に接続される。
図11Fを参照して、導線185が巻かれた後、導線185を覆うように、絶縁テープ186を巻く。なお、絶縁テープ184のかわりに、他の絶縁材で導線185を覆ってもよい。例えば、トランスモジュール100と同様に、導線185が巻かれた部品172全体を樹脂封止してもよい。ただし、絶縁テープ186を用いる方が、サブトランス170を安価に、かつ、簡易に作成できる。サブトランス170に発生する電圧はトランスモジュール100に発生する電圧に比べて低いため、絶縁テープにより、十分にサブトランス170を外部から絶縁できる。
導線181および導線185は、駆動電源200に接続される。導線181および導線185は、サブトランス170の1次コイルとして機能する。また、導線183は、トランスモジュール100の2次コイルに接続される。導線183は、サブトランス170の2次コイルとして機能する。
つまり、本実施の形態に係るサブトランス170は、共通の軸の周囲に異なる径で巻かれた内側コイル(導線181)および外側コイル(導線185)が1次コイルとして機能する。2次コイルである導線183は、導線181と導線185との間に巻かれている。
本実施の形態において、サブトランス170の、1次コイルの巻数の2次コイルの巻数に対する比(巻数比)は、トランスモジュール100の巻数比に比べて高い。これは、サブトランス170の磁気結合度を、トランスモジュール100の磁気結合度よりも大きくするためである。
また、導線181、導線183、および導線185を、同じ回数、折り返しなしで、均等整列巻きするのも、1次コイルと2次コイルとの間の磁気結合を強めるためである。導線181、導線183および導線185の材質を同じにしているのも、1次コイルと2次コイルとの間の磁気結合を強めるためである。サブトランス170は、トランスモジュール100に比べ、大きな磁気結合度を持つため、スパイク電圧を効率的に取り除くことができる。
ただし、サブトランス170のコイルの巻き方は、上述のものに限られるわけではない。サブトランス170のコイルは、サブトランス170の磁気結合度が、トランスモジュール100に比べて高くなるように巻かれていればよい。ただし、本実施の形態のように巻き方は、サブトランス170の作成が容易である。
また、サブトランス170の1次インダクタンスは、トランスモジュール100の1次インダクタンスに比べて大きく(概略2倍以上に)設定されている。これは、サブトランス170が、スパイク電圧の吸収を主目的としているためである。サブトランス170は、大きな1次インダクタンスをもつため、サブトランス170に流れる1次電流は少なく、トランスとしての出力パワーも小さい。したがって、サブトランス170は、小型化可能である。
特に、サブトランス170は、最も低圧側のトランスモジュール100aの低圧側端子(電圧入力端子101a)に接続されるため、大きな耐圧を必要としない。したがって、サブトランス170は、1次−2次コイル間で大きな絶縁距離をとる必要がなく、より磁気結合を上げられる。また、小型化が容易となる。樹脂モールドで覆う必要もなく、安価に作成できる。
なお、基板の設計等によっては、サブトランス170は、トランスモジュール100aに限られず、他のトランスモジュール100の低圧側端子に接続しても構わない。この場合でも、サブトランス170は、トランスモジュール100の2次側電圧に発生するスパイク電圧を除去できる。ただし、電源装置1の小型化あるいはサブトランス170の作成の容易化(さらには製造コストの削減)のためには、本実施の形態のように、サブトランス170は、最も低圧側のトランスモジュール100aの低圧側端子に接続することが好ましい。
(回路構成)
本実施の形態に係る電源装置1の回路構成について、図12を参照して説明する。図12は、電源装置1の回路図である。なお、図12中には、回路の各要素に対応させて、図1等に示した電源装置1の部品の符号も図示している。
図12を参照して、1次コイル107a,107b,107c,107dの図12中で下側の端には、駆動電源200が接続されている。1次コイル107aおよび107bの図12中で上側の端は、スイッチ素子Q1の1つの端子に接続されている。1次コイル107cおよび107dの上側の端は、スイッチ素子Q2の1つの端子に接続されている。なお、本実施の形態では、スイッチ素子Q1およびQ2は、FET(Field Effect Transistor)である。
以下、各1次コイル107の端のうち、駆動電源200が接続されている端(すなわち、図12中で下側の端)を「電源側の端」とよぶ。各1次コイル107の端のうち、スイッチ素子Q1あるいはQ2が接続されている端(すなわち、図12中で上側の端)を「スイッチ側の端」とよぶ。
スイッチ素子Q1およびQ2は、PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)回路400からの信号に応じて、開閉する。なお、スイッチ素子Q1およびQ2の1次コイル107に接続されていない端子は、グランドに接続されている。
1次コイル107aおよび107bのスイッチ側の端には、スイッチ素子Q1の他に、共振コンデンサC12が接続されている。共振コンデンサC12の、1次コイル107aおよび107bに接続されていない電極には、ダイオードD19のカソードおよびダイオードD20のアノードが接続されている。ダイオードD19のアノードは、接地されており、ダイオードD20のカソードは、駆動電源200に接続されている。ダイオードD19およびD20は制御の安定性を確保するためのダイオードであり、必要に応じて設けても設けなくてもよい。設けない場合は、共振コンデンサC12の、1次コイル107aおよび107bに接続されていない電極はそのまま接地される。また、本実施の形態においては明示していないが、スイッチ素子Q1およびQ2の寄生ダイオード成分がダンパーダイオードとして機能しており、これを別途外付けのダイオードで実現してもよい。
さらに、ダイオードD19のカソードには、ダイオードD20のアノードが接続されている。ダイオードD20のカソードは、駆動電源200に接続されている。
1次コイル107cおよび107dには、コンデンサC11、ダイオードD18およびダイオードD21が接続される。コンデンサC11、ダイオードD18およびダイオードD21は、それぞれ、スイッチ素子Q1、コンデンサC12、ダイオードD19およびダイオードD20に対応する。そのため、これらについての説明は繰り返さない。
すなわち、トランスモジュール100の1次側には、2つのトランスモジュールをFET1個でドライブする回路ブロックが2つ構成されている。各回路ブロックでは、FETごとの共振回路が構成されている。
2次コイル108a,108b,108c,108dの図12中で上側(高圧側)の端には、それぞれ、ダイオードD1,D3,D5,D7のアノードが接続されている。ダイオードD1,D3,D5,D7は、高圧ダイオードである。
2次コイル108a,108b,108c,108dの図12中で下側(低圧側)の端には、それぞれ、ダイオードD14,D15,D16,D17のカソードが接続されている。ダイオードD14,D15,D16,D17は、高圧ダイオードである。
トランスモジュール100a(,b,c)の高圧側の端子とトランスモジュール100b(,c,d)の低圧側の端子とは、リード130a(,b,c)によって接続される。トランスモジュール100aの低圧側の端子は、グランドに接続されている。トランスモジュール100dの高圧側の端子は、分圧ユニット140に接続される。
また、トランスモジュール100a(,b,c,d)の2次側には、コンデンサC1(,C2,C3,C4)およびダイオードD2(,D4,D6,D8)による倍電圧整流回路が構成されている。したがって、電源装置1は、より高い電圧を出力できる。
分圧ユニット140は、コンデンサC10と、コンデンサC13と、抵抗R5と、抵抗R6とを含む。コンデンサC10およびコンデンサC13は、直列接続されている。抵抗R5および抵抗R6は、直列接続されている。抵抗R5と抵抗R6との間(あるいはコンデンサC10とコンデンサC13との間)の電圧が、増幅回路300にかかる。
増幅回路300は、分圧ユニット140からの検出電圧を増幅し、PWM回路400に与える。
PWM回路400は、スイッチ素子Q1およびスイッチ素子Q2をPWM制御する。すなわち、PWM回路400は、増幅回路300からの入力電圧および鋸歯状波の振幅を比較し、入力電圧の大きさに応じたパルス幅のデュ−ティ比をもつパルスを出力する。PWM回路400の出力信号は、NOT回路で反転され、スイッチ素子Q1およびスイッチ素子Q2に与えられる。
PWM回路400は、スイッチ素子Q1およびスイッチ素子Q2を同一信号でPWM制御する。各トランスの励磁期間を揃えることで、同等トランスを使用していることから、各トランスの出力電圧を同じくして電圧バランスを揃えるためである。
なお、スイッチ素子Q1およびスイッチ素子Q2のかわりに、単一のスイッチ素子を用いてもよい。しかし、高電力容量タイプでトランスモジュール100の個数が多い場合、単一のスイッチ素子では熱損失が大きくなり、ヒートシンクの大型化が避けられない。その結果、薄型化に逆行してしまうため、本実施の形態のように、複数のスイッチ素子を用いることが好ましい。
トランスモジュール100には、サブトランス170が接続されている。サブトランス170は、1次コイル(導線181および導線185)と、2次コイル(導線183)と、2次コイルに接続されているダイオードD9と、コンデンサC5とを含む。
サブトランス170の1次コイルは、トランスモジュール100の1次コイル107と並列に結線されている。すなわち、1次コイルの一端は、駆動電源200に接続されている。また、1次コイルの他端は、スイッチQ1およびスイッチQ2に接続されている。
サブトランス170の2次コイルは、トランスモジュール100の2次コイル108の低圧側に、直列に、整流平滑回路(ダイオードD9およびコンデンサC5)を介して、結線されている。すでに説明したとおり、サブトランス170は、最も低圧側のトランスモジュール100aの低圧側端子に接続される。
この回路の動作を説明する。スイッチ素子Q1およびQ2は、PWM回路400の出力信号に応じて、オンオフ動作を行なう。スイッチ素子Q1(あるいはQ2のオン時には、1次コイル107aおよび107b(あるいは1次コイル107cおよび107d)に電磁エネルギーが蓄積される。スイッチ素子Q1(あるいはQ2)がオンからオフに切り替わると、1次コイル107と共振コンデンサC12(あるいはC11)との間のLC共振により、各1次コイル107にフライバックパルスが発生する。発生したフライバックパルスは、2次コイル108により昇圧される。2次コイル108により昇圧された電圧が、電源装置1から出力される。
共振コンデンサC11またはC12に接続された、ダイオードD18またはダイオードD19を含む回路は、フライバックパルス期間以外の不要振動を減らす。すなわち、これらの回路は、ダイオードクランプ回路として機能する。
図12に示すように、電源装置1においては、各トランスモジュール100の入力側および出力側にダイオードを入れている。そのため、トランスモジュール100同士を接続するリード130b,c,dの交流的な電位を0V(AC=0V)とすることができる。したがって、本実施の形態に係る電源装置1によれば、リード130b、c、dと基板10との間での外部放電(コロナ放電)の発生を抑えることができる。
よって、電源装置1では、トランスモジュール100と基板10、あるいはTV等の製品内部の導電部(シールド等も含む)との間の距離を、従来の電源装置に比べ、より短くできる。つまり、電源装置1を、薄型化(低背化)することが可能である。また、電源装置1を用いれば、FEDパネルと電源装置1をより近づけた、より薄型のFEDを製作することができる。
参考のため、従来の高圧トランス500を図13および図14に示す。図13は、高圧トランス500の斜視図である。図14は、高圧トランス500の側断面図である。高圧トランス500は、樹脂ケース510と、巻線部520と、封止樹脂550とを備える。封止樹脂550は、樹脂ケース510内に充填されており、巻線部520などの回路部品を外部から絶縁している。巻線部520は、低圧巻専用ボビン520a、低圧巻線520b、高圧巻専用ボビン520c、および、高圧巻線520dを含む。
この高圧トランス500は、単体で、高圧を得るように設計されている。そのため、巻線部520が大型である。本実施の形態に係る電源装置1では、各トランスモジュール100を、高圧トランス500に比べ、小型にできる。
サブトランス170の出力は平滑され、DCとなっている。サブトランス170の出力に接続されるトランスモジュール100aは、入力側にダイオードD14が入れられている。それにより、仮想接地点がサブトランス170のコイル中心に移り、トランスの分布容量が低減される。その結果、電源装置1は、寄生振動の高調波の周波数をより高くすることができ、発熱等による電力の損失を減らせる。また、2次側コイル端に発生するACパルスレベルが1/2となるため、外部放電の発生を抑えることができる。
さらに、電源装置1では、トランスモジュール100の入出力側にダイオードが付けられている。そのため、入出力の片側だけにダイオードが付けられている電源装置に比べ、電源装置1のダイオードの耐圧は半分でよい。ダイオードによる損失が分散されるので、電源装置1のトランスモジュール100の温度上昇は、抑制される。
さらに、いずれのトランスモジュール100も、入力側と出力側とにダイオードを有するという同一の構成を有する。したがって、電源装置1を製造する際に、どのトランスモジュールを何番目に実装しなければならない、といった制約がない。つまり、電源装置1には、工場での生産性が高いという利点もある。
ただし、電源装置1に求められる薄さなどによっては、各トランスモジュール100の2次コイル108の一端に、整流ダイオードを接続するだけでもよい。しかしながら、リード部でのコロナ放電等を防ぐために、トランスモジュール100は、2次コイル108の両端に整流ダイオードを備えることが好ましい。
サブトランス170は、ダイオードD9とコンデンサC5とを含む整流平滑回路により、スイッチのオンオフ時にドレイン電圧に生じるスパイク電圧を吸収する。つまり、サブトランス170の2次側出力は、ダイオードD9で整流された後、コンデンサC5で平滑され、トランスモジュール100の低圧側に入れられる。
スパイク電圧を取り除かないとすると、スパイク電圧を含めたドレイン電圧をFET定格以下に抑える必要から、トランスの昇圧比を大きくするためにトランスを大型化したり、トランス個数を増加する必要がある。しかし、電源装置1は、サブトランス170によりスパイク電圧を吸収するため、このような必要がなく、電源装置1を小型化および薄型化できる。
従来、スパイク電圧を除去する方法としては、フライバックトランスに設ける別巻線で、スパイク電圧を回収する方法が一般的であった。ところが、トランスモジュール100は、すでに説明したように、薄型化のため、セクショントランスである。別巻線を2次コイルの外側に配置すると、トランスがセクション構造を持つために、別巻線と1次コイルとの結合に限界がある。そのため、この方法は、効率よくスパイク電圧を低減できない。また、1次コイル側に別巻線を設けると、トランスのサイズが大きくなり、電源装置1の薄型化に逆行する。
本実施の形態に係るサブトランス170は、トランスモジュール100の構造によらず、スパイク電圧を効率よく吸収できる。したがって、電源装置1のトランスモジュール100として、セクション構造の高圧トランスを用いることができ、電源装置1を薄型化できる。
また、サブトランス170は、吸収した電圧成分を、DC化して、高圧出力に加算する。つまり、サブトランス170を用いることで、スナバ回路を用いる場合に比べ、エネルギー損失を軽減できる。また、その結果、電源装置1のトランスモジュールの段数を減らせるので、電源装置1を小型化できる。
さらに、スナバ回路でスパイク電圧を取り除く場合、複数個のFETのそれぞれに対してスナバ回路を設けなければいけない。これに対し、サブトランス170は、複数のFETに対し、1つでよい。したがって、サブトランス170を用いれば、電源装置1を効率よく小型化できる。
また、電源装置1は、PWM制御を行なっている。したがって、電源装置1は、電源装置1に係る負荷が大きくなるほど、ONパルス幅を広げ、ドレイン電圧を高くすることで出力の補正量を増大させている。従来は、負荷の増加時に、スパイク電圧のピークも大きくなる問題が発生していた。サブトランス170は、この問題を解決する。サブトランス170の出力は高圧出力に結線されているため、負荷が大きくなるほどに、サブトランス170によるスパイク電圧の引き抜き(スパイク電圧の吸収能力)は大きくなる。したがって、サブトランス170は、より効率的にスパイク電圧を吸収できる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る電源装置1のサブトランス170の出力に抵抗分割回路を結線した電源装置1について説明する。第2の実施の形態に係る電源装置1の外観、トランスモジュール100、サブトランス170の構成については、第1の実施の形態と同様である。したがって、ここでは、これらの詳しい説明を繰り返さない。
第2の実施の形態に係る電源装置1の回路構成を、図15に示す。図15は、第2の実施の形態に係る電源装置1の回路図である。ここでは、第1の実施の形態に係る電源装置1の回路(図12参照)と異なる部分を説明する。
サブトランス170には、コンデンサC5と並列に、抵抗R8および抵抗R9が接続される。抵抗R8と抵抗R9とは直列に接続されており、抵抗分割回路を構成する。抵抗R8および抵抗R9により分圧されたサブトランス170の出力電圧は、ラッチ回路600に入力する。ラッチ回路600の出力は、PWM制御回路700に含まれるドライブパルスのコンパレータ710に入力する。
ラッチ回路600は、オペアンプ610と、フリップフロップ回路620と、積分回路630とを含む。オペアンプ610は、サブトランス170の出力電圧が所定の基準値(例えば5V)以上に高くなったときに、フリップフロップ回路620に出力する。フリップフロップ回路620は、出力電圧が基準値を上回るときに、コンパレータ710を制御し、PWM制御回路700を停止する。
なお、オペアンプ610は、2つの電圧の大小を比較する比較器の一例である。オペアンプ610のかわりに同等の機能を持つ素子あるいは回路を用いても構わない。また、ここでは、フリップフロップ回路620とコンパレータ710との組み合わせにより、PWM制御回路700を停止しているが、他の方法で、PWM制御を停止してもよい。例えば、サブトランス170の出力電圧が基準値を上回ると、回路を切断するスイッチを、PWM制御回路700を停止する保護回路として用いてもよい。
動作不能のトランスモジュール100が生じた場合や、トランスモジュール100間の結線外れがあった場合(オープン状態)には、高圧出力電圧が下がるためドライブパルス幅は広がるものの、出力電流は流れない。このとき、サブトランス170は無負荷状態となり、サブトランス170の出力電圧が異常に高くなる。したがって、ラッチ回路600は、トランスモジュール100の異常検出回路として機能する。
すでに説明したように、サブトランス170の1次インダクタンスは、トランスモジュール100の1次インダクタンスの略2倍以上と高めに設定されている。そのため、サブトランス170のエネルギー蓄積量は、高圧トランスに比べて少なく、負荷に応じたサブトランス170の出力変化は、大きい。このようなサブトランス170の無負荷状態の出力特性を利用することで、本回路は、鋭敏にオープン状態や、トランスモジュール100の動作不良を検出できる。
[その他]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電源装置、10 基板、100a,b,c,d トランスモジュール、101 電圧入力端子、102 電圧出力端子、104 ケース、106 トランス、107a,107b,107c,107d 1次コイル、108a,108b,108c,108d 2次コイル、110 フェライト、112 第1の部品、113 端子、114 第2の部品、130a,130b,130c,130d リード、140 分圧ユニット、150,160 リード、170 サブトランス、172 部品、180 巻線部、181 導線、182 絶縁テープ、183 導線、184 絶縁テープ、185 導線、186 絶縁テープ、191 フェライトコア、192 フェライトコア、200 駆動電源、300 増幅回路、400 PWM回路、500 高圧トランス、510 樹脂ケース、520a 低圧巻専用ボビン、520b 低圧巻線、520 巻線部、520c 高圧巻専用ボビン、520d 高圧巻線、550 封止樹脂、600 ラッチ回路、610 オペアンプ、620 フリップフロップ回路、630 積分回路、700 制御回路、710 コンパレータ、C10,C11,C12 コンデンサ、C12 共振コンデンサ、C13 コンデンサ、D1,D3,D5,D7,D14,D15,D16,D17 ダイオード、D18,D19 ダイオード、D20,D21 ダイオード、Q1 スイッチ素子、Q2 スイッチ素子。

Claims (10)

  1. 複数の高圧トランスモジュールを備え、
    各前記高圧トランスモジュールは、
    第1の1次コイルと、
    前記第1の1次コイルの周囲に巻かれた第1の2次コイルと、
    前記第1の2次コイルの少なくとも一端に接続された整流ダイオードと、
    前記第1の1次コイル、前記第1の2次コイルおよび前記整流ダイオードを収納するケースとを含み、
    前記第1の1次コイル、前記第1の2次コイルおよび前記整流ダイオードを含んだ前記ケース内は樹脂封止されており、
    隣り合う2つの前記高圧トランスモジュールを直列接続するリードと、
    各前記第1の1次コイルの第1の端に接続された駆動電源と、
    各前記第1の1次コイルの前記第1の端と異なる第2の端に接続されたスイッチと、
    前記第2の端に、前記スイッチと並列に接続される共振コンデンサと、
    前記高圧トランスモジュールの前記第1の2次コイルの高圧側端子から出力する電圧を検出する第1の電圧検出手段と、
    前記第1の電圧検出手段の出力に応じて前記スイッチをPWM制御するPWM制御手段と、
    サブトランスとをさらに備え、
    前記サブトランスは、
    第2の1次コイルを含み、
    前記第2の1次コイルの第1の端は、前記駆動電源に接続され、前記第2の1次コイルの前記第1の端と異なる第2の端は、前記スイッチに接続され、
    第2の2次コイルと、
    整流平滑回路とをさらに含み、
    前記第2の2次コイルは、前記整流平滑回路を介して前記第1の2次コイルの低圧側端子に接続され、
    前記第2の1次コイルと前記第2の2次コイルとの間の磁気結合度は、前記第1の1次コイルと前記第1の1次コイルとの間の磁気結合度に比べて大きい、高圧電源装置。
  2. 前記第2の2次コイルは、最も低圧側の前記第1の2次コイルの前記低圧側端子に接続される、請求項1に記載の高圧電源装置。
  3. 前記第2の1次コイルの巻数の前記第2の2次コイルの巻数に対する比は、前記第1の1次コイルの巻数の前記第1の2次コイルの巻数に対する比よりも大きい、請求項1または2に記載の高圧電源装置。
  4. 前記第2の1次コイルは、共通の軸の周囲に異なる径で巻かれた内側コイルおよび外側コイルを有し、
    前記第2の2次コイルは、前記内側コイルと前記外側コイルとの間に巻かれている、請求項3に記載の高圧電源装置。
  5. 前記高圧トランスモジュールは、2次側に倍電圧整流回路を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の高圧電源装置。
  6. 前記第1の2次コイルは、セクション巻きされている、請求項1から5のいずれか1項に記載の高圧電源装置。
  7. 前記整流ダイオードは、
    前記第1の2次コイルの第1の端にアノードが接続される第1のダイオードと、
    前記第1の2次コイルの前記第1の端と異なる第2の端にカソードが接続される第2のダイオードとを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の高圧電源装置。
  8. 前記スイッチは、複数のスイッチ素子を含み、
    各前記スイッチ素子は、少なくとも1つの前記第1の1次コイルの前記第2の端に接続されており、
    前記PMW制御手段は、前記第1の電圧検出手段の出力に応じて、前記複数のスイッチ素子を同期してPWM制御する、請求項1から7のいずれか1項に記載の高圧電源装置。
  9. 前記サブトランスの2次側に接続され、前記第2の2次コイルに発生する電圧を検出する第2の電圧検出手段と、
    前記第2の電圧検出手段の出力と所定の基準値とを比較し、比較結果を出力する比較器とをさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の高圧電源装置。
  10. 前記第2の電圧検出手段の出力が前記基準値を上回るとき、前記PWM制御手段の動作を停止させる保護回路をさらに備える、請求項9に記載の高圧電源装置。
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