JP2010218150A - 発現プロファイル解析システム及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の発現プロファイル解析システムは、遺伝子の発現プロファイルデータを解析するものであり、遺伝子の複数の発現条件毎の、評価対象の評価遺伝子から発現したmRNAのカウント数を発現データとし、評価遺伝子名毎に記憶する記憶部と、評価遺伝子毎に発現データを記憶部から読み出し、発現データにおける発現条件毎のカウント数により対応分析を行う対応分析処理部と、対応分析で得られるn(n:自然数)次元のスコアから、各評価遺伝子をm(m:自然数、m≦n)次元に配置する座標値に変換する座標変換処理部と、遺伝子毎に対応する座標値にプロットして画像表示部に表示する画像処理部を有する。
【選択図】図1
Description
そのため、EST、MPSS、SAGE、CAGEなどにより、疾患患者や病理モデル動物の組織あるいは培養細胞などから取得した大量(数万レベル)の遺伝子の発現を網羅的に解析する処理が行われている。
すなわち、メッセンジャーRNA(以下、mRNA)のカウント数による遺伝子解析においては、遺伝子の発現パターンの特徴から、遺伝子発現プロファイル解析を用いることにより、対象となる全遺伝子のクラスタリングを行っている。
したがって、n個の各遺伝子は、それぞれの特徴ベクトルにより、上記特徴空間におけるn個の座標点の集合となる。
上記発現プロファイル解析とは、上記特徴空間上にプロットされた座標点、すなわち、遺伝子を特徴空間上にて類似したもの同士をグループ化して分類することである。
このように、遺伝発現プロファイルは、機能が未知な遺伝子の機能予測のために用いられる重要なツールとなる。
例えば、各行に評価する遺伝子群、各列にそれぞれサンプル群(標的とする表現型)を並べたものであり、この行と列が遺伝子発現プロファイルである。なお、サンプルとは、より具体的には、異なる複数の調査個体や同一個体でのTime Course実験で計測した表現型などを示す。例えば、100種類の遺伝子の発現量を、50個体で計測したとき、行列Aの要素Aij(i行j列の値、1≦i≦100、1≦j≦50)はi番目の遺伝子についてのj番目の個体が示す発現量を示す。
また、k-means法やSOM(Self Organizing Maps)法では、階層的クラスタリングと比較して、少ない計算機リソースで解析を行うことが可能である。しかし、解析を行う際に、クラスター数をあらかじめ決定する必要があり、恣意的な手法である。
また、多変量解析の1つである主成分分析手法では、高速に計算を実行することが可能であるが、プロファイルに対する解析手法ではないため、得られたスコアから発現プロファイルを比較することができない。
しかしながら、得られたクラスターのViewerも必ずしも研究者にとって分かりやすいものではない(図8参照)。
しかしながら、主成分分析では、高速な解析を行う結果、調査対象の表現型とは無関係なハウスキーピング遺伝子は、各主軸に対して異なるスコア(座標のようなもの)が出力されてしまうため、散布図にプロットした場合にも、検出が困難である。
具体的には、遺伝子発現プロファイル解析では、103を超える膨大な量のデータを処理して解析が行われる。
しかしながら、そのような膨大なデータを、通常の計算機を用いて迅速に計算することは困難である。その結果、解析時間が長くなってしまう。
その結果、例えば、量的形質に関与する遺伝子を検出することは極めて困難である。すなわち、この手法では、検出しようとする表現型が、定性的ではなく定量的である場合、その表現型に関与する遺伝子のうち、極わずかに遺伝子発現量の比が変化した遺伝子を検出することができない。つまり、従来の手法では、標的とする表現型に関与する遺伝子を全て検出しているとはいえない。
また、従来検出されていなかった量的形質に関与する遺伝子の中には、重要な新規遺伝子が含まれている可能性が高い。それゆえ、量的形質に関連する遺伝子の発見に効果的な新規大規模解析ツールの開発が、必要不可欠である。
対応分析により得られるn(n:自然数)次元のスコアから、各評価遺伝子をm(m:自然数、m≦n)次元に配置する座標値に変換する座標変換処理部と、前記遺伝子毎に対応する座標値にプロットして画像表示部に表示する画像処理部とを有することを特徴とする。
また、上記「発現プロファイルデータ」とは、個々の試料、例えば、組織、細胞等において発現されている複数の遺伝子のmRNAの発現パターンを指し、言い換えれば遺伝子の種類と、そのそれぞれの発現量(若しくは発現条件毎のカウント値)から構成されるデータの集合体を意味する。また、以下では、個々の発現プロファイルデータを、単に、発現データ、遺伝子発現データとして説明する。また、発現条件毎のカウント値とした場合、発現条件を構成する各条件のカウント値を示し、発現条件の発現パターンとした場合、発現条件を構成する条件毎のカウント値の形成するパターンを示す。
また、本実施形態における発現プロファイルシステムは、EST(Expressed Sequence Tag)、MPSS(Massively Parallel Signature Sequencing)、SAGE(Serial Analysis of Gene Expression)及びCAGE(Cap Analysis Gene Expression)などによって得られた膨大な量の遺伝子における各発現条件のmRNAの発現数である発現プロファイルデータを効率よく、迅速に処理することを可能とするシステムである。本実施形態において、上記発現条件とは、遺伝子の由来(いずれの動物、この動物のいずれの生体部分など)、発現時の環境などの発現量を比較するパラメータを示している。
すなわち、発現プロファイル実験、特に大量の発現データを用いて得られる発現条件毎のカウント値による対応分析により、任意の表現型に関与する遺伝子を解析し、その表現型に関与する遺伝子を推定することができる。
また、近年、次世代高速シーケンサーを用いた大規模な発現解析が広く用いられ初めている。これらのESTや次世代高速シーケンサーから得られた情報の蓄積は遺伝子の発現パターンの詳細な解析と有用遺伝子の推定を可能とする。その一方で、このような大規模データから有用情報を引き出すためには、多くの研究者が利用する汎用的計算機でも処理可能な統計解析手法とツールの開発がなされなければ、蓄積した基盤情報の活用ができなくなる。
この図において、発現プロファイル解析システムは、対応分析処理部1、座標変換処理部2、画像処理部3、画像表示部4、類似発現条件検索部5、データ表示部6及び記憶部7を有している。本実施形態においては、各遺伝子の発現条件(ライブラリ)毎のmRNAの発現した数のカウント値を発現データとして用いている。したがって、この発現データとして用いる発現条件毎のmRNAのカウント値は、上記EST、MPSS、SAGE及びCAGEのいずれで得られた数値でもよい。
対応分析処理部1は、各遺伝子の発現データである発現条件毎の上記mRNAのカウント値を記憶部7から順次読み込み、読み込んだ発現条件毎の発現データであるカウント値からなる発現パターンにより対応分析を行う。
本実施形態において、対応分析処理部1は、記憶部7の発現データテーブルから読み込んだ遺伝子の発現データを用いて、表現型(形質など)の違いを説明できる1つ、もしくは、複数の主軸を求める。
すなわち、対応分析は、発現パターン、すなわち、多次元(複数の発現条件)データである発現データの本質的な情報量(遺伝子の発現条件毎のカウント数の集合である発現パターン)を損なわないように、単に比較を行う次元を縮約する主成分分析とは異なり、個々のデータの量や大きさではなく、データ行列のプロファイル(発現条件における発現量、すなわち、カウント値のパターン)を解析対象としている。
この結果、発現パターンが同一の発現プロファイルを有する遺伝子は空間の同一の座標に配置(プロット)される(発現条件のカウント値の分布が同様であることあるいは類似の程度を示す)こととなり、膨大な量の発現データから発現のプロファイルが近い遺伝子あるいは遺伝子群を抽出することが容易に行える。
上述した対応分析における分布の同等性(同様であるかまたは類似しているか)は、後述する発現パターンの分類指標となるダミー遺伝子(例えば、機能分類を行うため、その機能を有することが明確であり分類の基準となる発現パターンを有する既知遺伝子)を、上記発現データテーブルへ付加することを可能としている。(このダミー遺伝子を付加することによる、プロファイルされた遺伝子群(あるいは遺伝子)の分布における位置に意味を持たせることについては後述する)。
そして、対応分析処理部1は、p種類の発現条件に対応したn次元(ただし、n≦p)上の最大p角形の空間(以下解析空間、また1次元であれば直線上)におけるn個の固有値を用いて、遺伝子配置用の行スコアと、発現条件(ライブラリ)配置用の列スコアとを算出する。
このとき、図2の発現データテーブルに記載されているダミー遺伝子を、解析対象の遺伝子群に加えることにより、対応分析処理部1は、上記多面体の頂点としての発現条件配置の座標を、上記ダミー遺伝子に基づいて上述した計算処理の結果として算出する。ここで、発現条件配置の座標を、この発現条件に特異的なダミー遺伝子の配置位置である行スコアとしている。すなわち、各発現条件の配置位置には、それぞれの発現条件に特異的に発現するダミー遺伝子が配置されることになる。この結果、解析対象の遺伝子がいずれの発現条件(あるいはいずれの機能)における発現パターンに類似しているかは、その発現条件の分類指標として設定されたダミー遺伝子の発現パターンに類似しているか否かにより推定すること。すなわち、本実施形態においては、機能が既知である既知遺伝子(上述したダミー遺伝子を含む)を対応分析の処理に含めることで、この既知遺伝子の座標と、解析対象の遺伝子との座標の距離により、既知遺伝子と機能が類似した評価遺伝子の抽出処理を行っている。
また、1つの主軸では表現型の変化を説明できず、例えば、表現型の違いの説明に、2つの主軸(第1主軸及び第2主軸)が必要な場合には、第1主軸及び第2主軸における2次元平面によって説明がなされる割合(寄与率)、例えば、70%と30%などとなる。
しかしながら、対応分析の結果、3次元まで算出された場合(主軸が3つ)、各遺伝子の座標は1次元図、2次元図、3次元図で表すことができる。また、累積寄与率は、3次元の場合で全体の100%となり、3次元のプロット図で、表現型の違いを完全に説明することができる。
このため、全次元をもっての視覚化は行うことができない。しかし、例えば、4次元以上の主軸が算出され、第3主軸までの累積寄与率が90%で、それ以降の主軸の寄与率が10%といった場合には、3次元図でも、全体の90%は説明できる。
すなわち、90%の精度での判定が可能となる。この場合、残りの10%に含まれる遺伝子は、図では説明できないので、4次元図を3次元に落とした際に、3次元空間における各頂点を結んだ解析空間から外れる座標となる遺伝子も、いくつか出現する可能性がある。すなわち、n次元として求められた主軸を、m次元(m:自然数、かつm≦n、ここで、n≦p)に削減して表現することもある。例えば、上述したように、4次元は画像表示できないため、寄与率の高い3つの軸からなる3次元に次元を落として表示することになる。
ここで、対応分析処理部1は、記憶部7に対し、各遺伝子に対応して、主軸(主軸1、主軸2、主軸3及び主軸4)毎のスコアを図3に示すスコアテーブルに書き込む。
また、対応分析処理部1は、4次元以上を表示することができないため、表示の次元を最大3次元とし、寄与率の高い主軸の順番に、各次元の寄与率とともに、スコア1、スコア2及びスコア3を座標変換処理部2へ出力する。
例えば、座標変換処理部2は、1次元のみの累積寄与率、すなわち、寄与率が上記設定寄与率を超えている場合、1次元のスコアにて、2次元平面上に描画された2つの頂点を結ぶ直線上にて遺伝子の配置を行う。この直線上において、いずれの頂点により近接しているかにより、それぞれの発現条件に強く起因して発現するかを示すことになる。この場合、発現条件の種類が2を超える(3以上の)場合、複数の発現条件の座標が重なることになる。
また、座標変換処理部2は、1次元と2次元との寄与率の加算結果である累積寄与率が予め設定した設定寄与率を超えない場合、1次元と2次元と3次元とのスコアにて3次元空間に遺伝子の配置を行う。この場合、3次元空間において、各発現条件(特異遺伝子)の配置座標としての頂点からなる多面体の解析空間が形成される。この多面体内の3次元空間内において、多面体のいずれの頂点に、より近接しているかにより、それぞれの発現条件に強く起因して発現するかを示すことになる。ここで、1次元のスコアをx座標の座標値とし、2次元スコアをy座標の座標値とし、3次元スコアをz座標の座標値として用いる。
このようにして、各遺伝子のスコアを、それぞれの次元のスコアの最大値にて除算することにより規格化し、各次元の重みを同様とする処理を行い、画像表示部4の表示空間に表示するため、発現条件のn個の頂点、ここで4個の頂点がある場合、いずれかの頂点の座標を原点とした4つの頂点の座標と、この頂点に囲まれた解析空間における各遺伝子の座標との相対座標の座標値を、画像表示部4の上記表示空間における絶対座標の座標値に変換する。
そして、座標変換処理部2は、記憶部7に対し、図4に示す座標テーブルの構成にて、各遺伝子に対応させて、遺伝子を配置する座標(例えば、座標1:x軸、座標2:y軸、座標3:z軸)の値を書き込む。また、座標変換処理部2は、各発現条件が頂点として配置される座標値を、各発現条件に対応させて記憶部7に書き込む。
この表示処理において、すでに述べたように、各発現条件に対応するそれぞれ頂点には、対応する発現条件にて特異的に発現する遺伝子あるいはダミー遺伝子が配置されることになる。
また、記憶部7に記憶されている発現データテーブルには、各ダミー遺伝子に対してダミー遺伝子であることを示すダミー遺伝子識別情報が遺伝子名に対応して記憶されている(発現テーブルを形成する際、ユーザが各ダミー遺伝子に対してダミー遺伝子識別情報を設定する)。
そして、画像処理部3は、ダミー遺伝子を配置する際、ダミー遺伝子の表示画像を、他の表示されている遺伝子と異なる色にて表示する。
例えば、発現条件Aと発現条件Cとに対応する頂点を接続する線分上には、発現条件Aと発現条件Cとにおいて発現した遺伝子が配置される。遺伝子の各線分上の配置される位置は、線分上に配置される各遺伝子の発現パターンが、2つの発現条件に対応した頂点に配置されたダミー遺伝子に対し、より発現パターンの類似したダミー遺伝子のいずれかが配置された頂点に対して近い位置の座標に配置される。
すなわち、解析した遺伝子グループにおいては、発現条件A及び発現条件Cのみで発現する遺伝子と、発現条件A及び発現条件Dのみで発現する遺伝子と、発現条件C及び発現条件Dのみで発現する遺伝子としか存在していなかったことになる。
また、発現条件A、発現条件C及び発現条件Dの3種類の発現条件にて発現している遺伝子は、5つの頂点にて形成される多面体における発現条件A、発現条件C及び発現条件Dに対応する頂点が形成する面(平面)上に配置され、この平面上において、より発現パターンの類似する頂点に近い位置に配置される。
さらに、発現条件A、発現条件B、発現条件C及び発現条件Dの4種類の発現条件にて発現している遺伝子は、5つの頂点にて形成される多面体における発現条件A、発現条件B、発現条件C及び発現条件Dに対応する頂点が形成する多面体内の空間(3次元空間)内に配置され、この3次元空間上において、より発現パターンの類似する頂点に近い位置に配置される。
同様に、画像処理部3は、各頂点を結ぶ面上に配置する遺伝子の表示画像の色を、上記線分及び多面体の他の面とに配置される表示画像と異なる色とする。
また、画像処理部3は、各頂点を結ぶ多面体の内部空間に配置される表示画像の色を、上記線分と、多面体の面と、他の多面体の内部空間とに配置される表示画像と異なる色とする。
また、画像処理部3は、ユーザの設定に応じ、画像を任意の方向、例えば、x軸、y軸、z軸を回転軸として、設定した角度に表示されている画像を回転、また左右反転、上下反転の処理を行う。
そして、データ表示部6は、この遺伝子名に対応する遺伝子の情報を、発現データテーブルから読み出し、この遺伝子名の遺伝子の座標の近傍に表示する。
また、データ表示部6は、同様の座標に複数の遺伝子が配置されている場合、その座標の遺伝子がユーザに選択された場合、その座標に配置されている複数の遺伝子名を、座標に基づいて座標テーブルから読み出し、選択された座標の近傍に遺伝子名をリストとして表示する。
そして、上記リストに記載された遺伝子名に、情報を参照したい遺伝子があり、その遺伝子をユーザが選択することにより、データ表示部6は、上記リストにて選択された遺伝子の遺伝子名に対応し、この遺伝子名に対応する遺伝子の情報を、記憶部7の発現データテーブルから読み出し、選択された座標の近傍に読み出した遺伝子の情報を表示する。
この結果、ユーザが選択した遺伝子と類似している遺伝子、すなわち、目的とする発現パターンを示す遺伝子(あるいは遺伝子群)を、ユーザが容易に抽出することができる。
ここで、ダミー遺伝子、あるいは上記線分、上記多面体の面からの統計的に有意な位置として、χ二乗距離を利用することができる。このχ二乗距離を用いることにより、有意水準が1%などの有意な距離を算出することができる。
例えば、1つの発現条件において特異的に発現している遺伝子あるいは遺伝子群は、各頂点からのχ二乗距離内に位置する遺伝子(遺伝子群)として定義できる。
また、生物学的な機能が既知である既知遺伝子と類似の発現パターンを示す遺伝子は、同様の機能を持つ、もしくは、遺伝子の発現制御に関連していると推定できる。
したがって、発現パターンによる(発現条件毎のカウント値による)機能が予め検出されている既知遺伝子を、記憶部7に記憶されている発現データテーブルに加えることにより、対応分析処理部1は、既知遺伝子の座標を、上記発現条件毎のカウント値の発現パターンにより、他の遺伝子と同様にこの既知遺伝子の行スコアを算出する。
そして、類似発現条件検索部5は、既知遺伝子の座標を基準として、予め設定した距離、例えば、上述したχ二乗距離範囲を半径とした球状空間の範囲内にある遺伝子、すなわち、この既知遺伝子と類似の発現パターンを示す(類似した機能を有する)遺伝子を抽出する。
これにより、ユーザは、既知遺伝子と近い機能を有する遺伝子の検出を容易に行うことができる。すでに述べた、座標を頂点として用いるダミー遺伝子も、大きな分類においてはこの既知遺伝子に含まれるが、このダミー遺伝子は、ある発現パターンにおいてある一つの発現条件のみにて発現する点で小分類されることになる。
すなわち、座標変換処理部2は、遺伝子の配置を示す行スコアと、発現条件の配置を示す列スコアとを、すでに述べたように図4の座標テーブルに示す座標に変換する。
そして、画像処理部3は、画像表示部4の表示画面上に、上記座標テーブルから順次読み出し、遺伝子及び発現条件の表示画像を表示する。
ここで、画像表示部4の表示画面に表示された画像において、対応分析から得られる座標が近い発現条件と、解析対象の遺伝子との距離が近いほど、互いに関連性が高いことを意味することになる。
例えば、癌疾患患者などの表現型(発現プロファイル)を示す発現条件の近傍に位置する遺伝子(群)は、その表現型に関与している可能性が高い。ここで、類似発現条件検索部5は、関連性が高いと推定される遺伝子(群)として、発現条件の座標からのχ二乗距離範囲(前述)を用いることにより抽出する。
2…座標変換処理部
3…画像処理部
4…画像表示部
5…類似発現条件検索部
6…データ表示部
7…記憶部
Claims (7)
- 遺伝子の発現プロファイルデータを解析する発現プロファイル解析システムであり、
遺伝子の複数の発現条件毎の、評価対象の評価遺伝子から発現したmRNAのカウント数を発現データとして、前記評価遺伝子に対応して記憶する記憶部と、
前記評価遺伝子毎に前記発現データを前記記憶部から読み出し、発現データにおける発現条件毎のカウント数により対応分析を行う対応分析処理部と、
対応分析により得られるn(n:自然数)次元のスコアから、各評価遺伝子をm(m:自然数、m≦n)次元に配置する座標値に変換する座標変換処理部と、
前記遺伝子毎に対応する座標値にプロットして画像表示部に表示する画像処理部と
を有することを特徴とする発現プロファイル解析システム。 - 機能が既知である既知遺伝子を対応分析の処理に含め、当該既知遺伝子と前記評価遺伝子との前記n次元における座標の距離により、前記既知遺伝子と機能が類似した評価遺伝子の抽出処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の発現プロファイル解析システム。
- 各発現パラメータのみで発現した前記既知遺伝子をダミー遺伝子として対応分析の処理に含め、このダミー遺伝子の座標を前記n次元により表示される図形におけるいずれかの発現パラメータのみの発現条件を示す頂点とすることを特徴とする請求項2に記載の発現プロファイル解析システム。
- 前記頂点に配置された前記ダミー遺伝子の座標と、前記評価遺伝子の座標との距離を求め、前記頂点の座標に対して、予め設定された距離内の座標に位置する評価遺伝子を抽出する類似発現条件検索部を
さらに有することを特徴とする請求項2に記載の発現プロファイル解析システム。 - 前記評価遺伝子、前記既知遺伝子に対応する座標を選択することにより、この選択した遺伝子の画像の座標位置に配置されている遺伝子に関する情報を、前記記憶部から読み出して表示するデータ表示部を、さらに有することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の発現プロファイル解析システム。
- 前記座標変換処理部が、対応分析処理部が求める各次元において、行スコアの寄与率が高い次元からその寄与率を積算し、積算結果の累積寄与率を予め設定した閾値と比較することにより、前記頂点からなる図形を、1次元、2次元または3次元のいずれかにて表示することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の発現プロファイル解析システム。
- 遺伝子の発現プロファイルデータを解析する発現プロファイル解析プログラムであり、
遺伝子の複数の発現条件毎の、評価対象の評価遺伝子から発現したmRNAのカウント数を発現データとして、前記評価遺伝子に対応して記憶する記憶部から、対応分析処理部が、前記評価遺伝子毎に前記発現データを読み出し、発現データにおける発現条件毎のカウント数により対応分析を行う対応分析処理と、
座標変換処理部が、対応分析により得られるn(n:自然数)次元のスコアから、各評価遺伝子をm(m:自然数、m≦n)次元に配置する座標値に変換する座標変換処理と、
画像処理部が、前記遺伝子毎に対応する座標値にプロットして画像表示部に表示する画像処理と
をコンピュータに実行させる発現プロファイル解析プログラム。
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