JP2010214019A - ノッチシグナルを利用した虚血組織再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】虚血器官や虚血組織の機能的回復に対する有効性の高い虚血組織再生方法および虚血による組織障害の治療方法を提供すること。
【解決手段】虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナル(Notch signal)を活性化することを特徴とする、虚血組織における組織再生方法、並びに、虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナルを活性化することにより組織再生を行うことを特徴とする、虚血による組織障害の治療方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナル(Notch signal)を活性化することを特徴とする、虚血組織における組織再生方法に関する。また本発明は虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナルを活性化することにより組織再生を行うことを特徴とする、虚血による組織障害の治療方法に関する。
虚血性疾患に対する新しい治療法として、自家細胞移植による血管再生治療が注目されている。これまでの数多くの基礎研究によって、骨髄中の間葉系細胞や単核球分画に多能性幹細胞や血管内皮前駆細胞が存在すること、またこれらを虚血組織に投与することで、虚血組織に治療的な組織再生および血管再生がもたらされることが示されている。現在、細胞移植療法は重症下肢虚血をはじめとする様々な虚血性疾患に対して臨床応用されており、その有用性が明らかとなっている。しかし一方で、非応答者(Non-responder)の存在など、治療の限界も分かってきた。例えば、下肢虚血に対するその治療効果は約60〜70%であり、改善の余地がある。
細胞移植による虚血性疾患の治療機序は、当初、移植細胞中の幹細胞や前駆細胞が組織構成細胞へと分化することが、その主たる機序であると考えられてきた。しかし近年、これらの細胞が局所で分化する頻度は極めて低く、治療効果を十分に説明できないことが明らかとなってきた。これに代わって、移植細胞由来の液性因子による治療機序、すなわちパラクリン作用(paracrine effect)が提唱された。すなわち、移植された細胞が局所で多様な増殖因子を豊富に分泌し、その結果として組織保護と血管再生がもたらされるものと、現在では広く考えられている。しかし一方で、移植細胞の組織生着率が極めて低いことが明らかとなり、パラクリン作用のみで治療機序を説明しようとすると、大きな矛盾が生じることが認識され始めている。
本発明者らは、末梢血単核球が骨髄単核球に匹敵する強力な血管再生効果をもつことを見出し、その臨床応用を開始した(非特許文献1および2)。そして、末梢血単核球移植療法が重症下肢虚血症例に対して安全かつ有用な組織再生治療法であることを示してきた。さらに、末梢血単核球移植による血管再生効果がパラクリン作用によるものではなく、従来報告されていない別の機序によることを報告した(非特許文献3)。すなわち、単核球移植により骨格筋組織の内在性再生能力が増強されて虚血組織における筋組織再生が起こり、その再生過程において筋組織が分泌する血管増殖因子が虚血組織に作用して血管新生を誘導し、それにより筋組織の再構築が促進されることを報告した。
ノッチシグナルは、発生過程や幹細胞における細胞運命決定を調節する細胞内情報伝達経路である。ノッチシグナルは、隣接する細胞間での相互作用を介して、造血、血管、神経、および体節など様々な組織や器官の分化過程に関与する。ノッチシグナルは、細胞膜上に存在するノッチ受容体に別の細胞の細胞膜上に存在するノッチリガンドが作用することにより惹起される。ノッチ受容体は機能的細胞外ドメイン(NECD)、膜貫通ドメイン(TM)および細胞内ドメイン(NICD)からなる一回膜貫通蛋白である。NECDへのノッチリガンドの結合によって、ノッチ受容体は様々な酵素による消化を受ける。NECDは腫瘍壊死因子−α変換酵素(Tumor necrosis factor-converting enzyme: TACE)や ADAM 金属プロテアーゼにより消化されてTM-NICDから離脱する。NECD はノッチリガンドと結合したままで、この複合体は、ノッチリガンドを提供した細胞にエンドサイトーシスにより取り込まれ、再使用または分解される。一方、NICDは、細胞膜に存在するγ−セクレターゼにより消化され、TMから離脱する。NICDは核内に移行し、CSL ファミリー(CBF1/Su(H)/Lag-1)転写因子複合体と会合し、次いで、標的遺伝子であるMyc、p21、およびHESファミリーを活性化する。
哺乳類においては、現在5種類のノッチリガンドと4種類のノッチ受容体が報告されている。ノッチリガンドとして、具体的には、Delta様メンバー(DLL1、DLL3、DLL4)とJaggedファミリー(Jagged-1、Jagged-2)が知られている。また、ノッチ受容体は、ノッチ1、ノッチ2、ノッチ3、およびノッチ4が知られている。
ノッチシグナルが発生過程や幹細胞における細胞運命決定を調節することから、ノッチシグナルを利用した再生医療を示唆する報告がある(非特許文献4)。例えば、ノッチリガンドを生体吸収マトリクスに吸着させて障害骨格筋へ投与する方法が示唆されている。しかしながら、この報告にはその効果を実証したデータは開示されておらず、また、虚血性組織に対する治療の記載もない。また、別の報告には、ノッチリガンド遺伝子を導入した間質細胞(stromal cells)と骨髄由来の血管内皮前駆細胞とをインサート カルチャー システム(insert culture system)を用いて共培養し、血管内皮前駆細胞内のノッチシグナルを増強させた後に当該血管内皮前駆細胞を投与することにより、虚血組織の再生が増強されたことが開示されている(非特許文献5)。
ミナミノ(Minamino T.)ら、「Peripheral-blood or bone-marrow mononuclear cells for therapeutic angiogenesis?」、ランセット(Lancet)、2002年、第360巻、p.2083-2084。 タテノ(Tateno K.)ら、「Application of hematopoietic cells to therapeutic angiogenesis」、カレント ファーマシューティカル デザイン(Current Pharmaceutical Design)、2006年、第12巻、p. 557-563。 タテノ(Tateno K.)ら、「Critical Roles of Muscle-Secreted Angiogenic Factors in Therapeutic Neovascularization」、サーキュレーション リサーチ(Circulation Research)、2006年、第98巻、p.1197-1202。 カールソン(Carlson M.E.)ら、「Notch signaling pathway and tissue engineering」、フロンティアズ イン バイオサイエンス(Frontiers in Bioscience)、2007年、第12巻、p.5143-5156。 クウォン(Kwon S-M.)ら、「Specific Jagged-1 Signal From Bone Marrow Microenvironment Is Required for Endothelial Progenitor Cell Development for Neovascularization」、サーキュレーション(Circulation)、2008年、第118巻、p.157-165。
虚血器官や虚血組織の機能的回復に対する細胞移植療法の有効性は確立されつつある。しかしながら、治療に反応しない患者の割合は、老齢者例を含め、少なくない。
本発明の課題は、新規な虚血組織再生方法および虚血による組織障害の治療方法を提供することである。
本発明者らは、末梢血単核球が骨髄単核球に匹敵する強力な血管再生効果をもつことを見出し、そして、末梢血単核球移植療法が重症下肢虚血症例に対して安全かつ有用な組織再生治療法であることを示してきた(非特許文献1および2)。
本発明者らは上記課題を解決すべく、筋組織再生をもたらす筋芽細胞の活性化に重要であり、かつ単核球に豊富に含まれる候補分子について鋭意研究を行った。その結果、単核球移植は虚血組織内のノッチシグナルを増強すること、並びにノッチシグナルの阻害剤であるγ−セクレターゼ阻害剤(以下、GSIと略称することがある)の投与により筋芽細胞の増殖とこれに引き続くサイトカイン・ケモカインの産生および活性型マクロファージの浸潤が抑制されること、さらにそれにより単核球移植による虚血組織再生および血管再生が著しく阻害されることを明らかにした。これら知見から本発明者らは、単核球に豊富に含まれるノッチリガンドにより筋芽細胞のノッチシグナルが増強されることが、末梢血単核球移植による組織再生の主たる機序であると考えた。本発明は、これら知見により達成したものである。
即ち、本発明は以下に関する:
1.虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナルを活性化することにより組織再生を行うことを特徴とする、虚血による組織障害の治療方法、
2.組織内に存在する細胞が、組織内に存在する筋芽細胞である上記治療方法、
3.虚血組織が下肢虚血組織である上記治療方法、
4.虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナルを活性化することを特徴とする、虚血組織における組織再生方法、
5.組織内に存在する細胞が、組織内に存在する筋芽細胞である上記組織再生方法、
6.虚血組織が下肢虚血組織である上記組織再生方法。
本発明によれば、虚血器官や虚血組織の機能的回復に対する有効性の高い虚血組織再生方法および虚血による組織障害の治療方法を提供できる。本発明に係る方法は虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナルを活性化することを特徴とする。
本発明に係る方法は、虚血による組織障害を伴う疾患、例えば虚血性疾患や下肢虚血による組織障害の治療に有用である。
ノッチシグナル阻害剤であるγ−セクレターゼ阻害剤(γ-secretase inhibitor:GSI)により、虚血組織における末梢血単核球移植による血流改善効果が抑制されたことを示す図である。末梢血単核球(PB-MNC)投与群ではリン酸緩衝生理食塩水(PBS)投与群と比較して、血流の改善が認められたが、PB-MNCと共にGSIを投与した群ではこのような改善は認められなかった。縦軸は非虚血後肢の血流に対する虚血後肢の血流の比(Blood flow ratio)を示す。(実施例1) ノッチシグナル阻害剤であるGSIにより、虚血組織における末梢血単核球移植による筋組織再生増強効果が抑制されたことを示す図である。末梢血単核球(PB-MNC)投与群ではPBS投与群と比較して、筋再生領域(Regenerating area)の増加が認められたが、PB-MNCと共にGSIを投与した群ではこのような増加は認められなかった。(実施例1) ノッチシグナル阻害剤であるGSIにより、虚血組織における末梢血単核球移植による筋芽細胞増殖が抑制されたことを示す図である。末梢血単核球(PB-MNC)投与群ではPBS投与群と比較して筋芽細胞の増加が認められたが、PB-MNCと共にGSIを投与した群ではこのような増加は認められなかった。筋芽細胞の定量はM−カドヘリン染色により実施した。縦軸は、M−カドヘリン陽性細胞(M-cadherin+)、すなわち筋芽細胞の数を示す。(実施例1) ノッチシグナル阻害剤であるGSIにより、末梢血単核球移植による虚血組織内の増殖因子産生増強効果が抑制されたことを示す図である。末梢血単核球(PB-MNC)投与群では血小板由来増殖因子(PDGF)、インターロイキン-1β(IL-1β)、幹細胞増殖因子(SCF)などの増殖因子の産生増加が、虚血組織の境界部分および中心部分(border/core)で認められたが、PB-MNCと共にGSIを投与した群ではこのような増加は認められなかった。また、虚血組織から離れた部分(remote)では増殖因子の産生増加は認められなかった。(実施例1) ノッチシグナル阻害剤であるGSIにより、末梢血単核球移植による虚血組織内へのマクロファージ浸潤が抑制されたことを示す図である。末梢血単核球(PB-MNC)投与群では虚血組織内へのマクロファージ浸潤の増加が認められたが、PB-MNCと共にGSIを投与した群ではこのような増加は認められなかった。縦軸は高倍率視野における細胞数(Cells/HPF)を示す。(実施例1) ノッチ−1組織特異的欠損マウス(Notch-1 conditional KO mouse)では、虚血組織において末梢血単核球移植による血流改善が認められなかったことを示す図である。ノッチ1組織特異的欠損マウスの虚血組織では、野生型マウス由来の末梢血単核球(PB-MNC)を移植しても血流が改善されなかった。一方、野生型マウス(Wild)の虚血組織では末梢血単核球移植により血流が改善された。縦軸は非虚血後肢の血流に対する虚血後肢の血流の比(Blood flow ratio)を示す。(実施例2) ノッチ−1組織特異的欠損マウス(Notch-1 conditional KO mouse)では、虚血組織において末梢血単核球移植による筋組織再生増強効果が認められなかったことを示す図である。ノッチ1組織特異的欠損マウス(N1-CKO)の虚血組織では、野生型マウス由来の末梢血単核球(PB-MNC)を移植しても筋再生領域(Regenerating area)の増加は認められなかった。一方、野生型マウス(Wild)の虚血組織では末梢血単核球移植により筋再生領域が増加した。(実施例2) ノッチリガンドJagged-1の組織特異的欠損マウス(Jagged-1 conditional KO mouse)由来の末梢血単核球(PB-MNC)は、虚血組織における血流改善効果を示さなかったことを示す図である。野生型マウス由来の末梢血単核球(Wild)を移植した虚血組織では、PBSを投与したもの(−)と比較して、血流改善が認められたが、Jagged-1組織特異的欠損マウス由来の末梢血単核球(J1-CKO)を移植した虚血組織では血流改善は認められなかった。縦軸は非虚血後肢の血流に対する虚血後肢の血流の比(Blood flow ratio)を示す。(実施例3) ノッチリガンドJagged-1の組織特異的欠損マウス(Jagged-1 conditional KO mouse)由来の末梢血単核球(PB-MNC)は、虚血組織における筋組織再生効果を示さなかったことを示す図である。野生型マウス由来の末梢血単核球(Wild)を移植した虚血組織では、PBSを投与したもの(−)と比較して、筋再生領域の増加が認められたが、Jagged-1組織特異的欠損マウス由来の末梢血単核球(J1-CKO)を移植した虚血組織ではこのような増加は認められなかった。縦軸は、組織再生領域(Regenerating area)を示す。(実施例3) ノッチリガンドを遺伝子導入したBa/F3細胞を移植した虚血組織では、ノッチ受容体の活性化により該受容体から離脱するノッチ受容体細胞内ドメインが検出されたことを示す図である。図中、Jagged-1は、Jagged-1遺伝子を導入したBa/F3細胞を示す。また、NICDはノッチ受容体細胞内ドメインを意味する。遺伝子非導入細胞(Mock)を移植した虚血組織では、NICDは検出されなかった。実験の陽性コントロールであるトポイソメラーゼ(TOPO-I)は、遺伝子導入細胞を移植した虚血組織および遺伝子非導入細胞を移植した虚血組織のいずれにおいても認められた。(実施例4) ノッチリガンドを遺伝子導入したBa/F3細胞を移植した虚血組織では、遺伝子非導入細胞を移植した虚血組織と比較して、顕著な血管新生効果が認められたことを示す図である。図中、Jagged-1は、Jagged-1遺伝子を導入したBa/F3細胞を移植した虚血組織を示し、Mockは遺伝子非導入細胞を移植した虚血組織を示す。縦軸は非虚血後肢の血流に対する虚血後肢の血流の比(Blood flow ratio)を示す。(実施例4) ノッチリガンドを遺伝子導入したBa/F3細胞を移植した虚血組織では、遺伝子非導入細胞を移植した虚血組織と比較して、顕著な筋組織再生効果が認められたことを示す図である。図中、Jagged-1は、Jagged-1遺伝子を導入したBa/F3細胞を移植した虚血組織を示し、Mockは遺伝子非導入細胞を移植した虚血組織を示す。縦軸は、組織再生領域(Regenerating area)を示す。(実施例4)
本発明は、虚血組織における組織再生方法および虚血による組織障害の治療方法に関する。本発明に係る組織再生方法は、虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナルを活性化することを特徴とする。また、本発明に係る虚血による組織障害の治療方法は、虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナルを活性化することにより組織再生を行うことを特徴とする。
虚血とは臓器や組織の血流が様々な原因により局所的に低下した状態をいう。虚血に陥った場合、正常な循環の回復、すなわち再灌流が短時間のうちにおこらなければ組織の崩壊が生じる。虚血が解除され再灌流が開始しても、充分な灌流が回復しないためにさらに障害が進行することがある。虚血はその原因により、血管内または血管自体の変化による閉塞性虚血、および、血管痙攣による痙攣性虚血に分けることができる。虚血により十分な血液の供給が保たれず臓器や組織に損傷が与えられる病気は虚血性疾患と呼ばれ、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、下肢虚血を示す閉塞性動脈硬化症、バージャー病などを例示できる。また、糖尿病は虚血性疾患ではないが、虚血性心疾患や閉塞性動脈硬化症を合併することが知られている。
虚血組織とは、血流が低下した状態にある組織をいう。虚血組織においては、血流の低下に伴って組織の崩壊が認められる。
組織再生とは、虚血により障害を生じた組織を、虚血部位において再構築することを意味する。具体的には、例えば、虚血により障害を生じた骨格筋や心筋などの筋組織、あるいは血管組織を、虚血部位において再構築することを意味する。
虚血による組織障害の治療とは、虚血により障害を生じた組織を再生し、その組織の機能を回復させる処置をいう。
ノッチシグナルとは、細胞膜上に存在するノッチ受容体の活性化により細胞内に生じる情報伝達経路をいう。ノッチ受容体の活性化とは、ノッチ受容体が細胞内にシグナルを伝達しない状態から、何らかの刺激を受けてシグナルを伝達する状態に変化することをいう。ノッチ受容体の活性化は、生理的にはノッチリガンドが該受容体に作用することにより生じる。一般的には、細胞の細胞膜上に発現されたノッチリガンドがノッチ受容体に作用することにより、該受容体の活性化が惹き起こされることが知られている。ノッチ受容体は機能的細胞外ドメイン(NECD)、膜貫通ドメイン(TM)および細胞内ドメイン(NICD)からなる一回膜貫通蛋白である。ノッチ受容体の活性化により、NICDは、細胞膜に存在するγ−セクレターゼにより消化され、TMから離脱する。NICDは核内に移行し、CSL ファミリー(CBF1/Su(H)/Lag-1)転写因子複合体と会合し、次いで、標的遺伝子であるMyc、p21、HES ファミリーを活性化する。ノッチシグナルは、ノッチ受容体の活性化によるこのような一連の情報伝達過程を包含する。
ノッチシグナルを活性化するとは、ノッチシグナルを発生させること、ノッチシグナルを促進すること、および/またはノッチシグナルを増強することをいう。ノッチシグナルの活性化は、例えば、ノッチリガンドを用いてノッチ受容体を活性化することにより実施できる。ノッチリガンドは、哺乳動物ではデルタ様メンバーであるDLL1、DLL3、およびDLL4とJagged ファミリーであるJagged-1およびJagged-2が知られている。好ましくは、Jagged-1を例示できる。ノッチ受容体の活性化に用いるノッチリガンドは細胞などの固体に担持されていることが必要である。ノッチリガンドを細胞膜上に発現している細胞として、単核球、好ましくは末梢血単核球を例示できる。ノッチリガンドを有さない細胞にノッチリガンド遺伝子を発現させて用いることもできる。また、ノッチリガンドを有する細胞にさらにノッチリガンド遺伝子を導入することによりノッチリガンドの発現を増強させて用いることもできる。細胞へのノッチリガンドの導入は、公知の遺伝子工学的手法により実施できる。あるいは、ノッチリガンドの代わりに、ノッチ受容体に結合してノッチ受容体を活性化し得る抗体を使用してノッチシグナルの活性化を実施することもできる。
本発明においてノッチシグナルの活性化は虚血組織内で実施される。好ましくは、虚血組織内に存在する筋芽細胞のノッチシグナルを活性化する。筋芽細胞は、未分化な、骨格筋細胞、心筋細胞、または平滑筋細胞を意味する。未分化とは、形態的および機能的な特定の特徴を有さない状態をいう。すなわち、未分化な、骨格筋細胞、心筋細胞、または平滑筋細胞とは、形態的および機能的に骨格筋細胞、心筋細胞、または平滑筋細胞としての特定の特徴を有さない細胞であって、何らかの刺激、例えばノッチシグナルの活性化などにより、これら細胞の形態および機能を獲得し得る細胞をいう。
虚血組織において該組織内に存在する細胞、好ましくは筋芽細胞のノッチシグナルを活性化することにより、虚血組織において筋組織の再生が起こり、その再生過程において筋組織が分泌する血管増殖因子が虚血組織に作用して血管新生を誘導し、それにより筋組織の再構築が促進される。
虚血組織内のノッチシグナルの活性化は、例えば、ノッチリガンドを細胞膜上に発現している細胞を虚血組織内に局部注射で投与することにより実施できる。虚血組織内への細胞の投与は、従来実施されている細胞移植療法で用いられている方法に準じて実施できる。
本発明における組織再生は、筋組織再生、血管組織再生、またはその両方を意味する。
本発明は、虚血組織を伴う疾患の治療に有用である。虚血組織を伴う疾患として、糖尿病、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、および狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を例示できる。好ましくは糖尿病、閉塞性動脈硬化症、バージャー病などで認められる下肢虚血組織における組織再生に適用される。
これまでの再生医療における主たる戦略は、組織固有幹細胞をエクス ビボ(ex vivo)で増幅し、適切な基材を用いて傷害組織に移植するものであった。これに対し、本発明は、組織固有幹細胞、例えば筋芽細胞が組織再生過程で中心的な役割を果たし得る点に着目し、これをイン サイチュー(in situ)、すなわち虚血組織内で選択的に活性化させ、内在性の再生機序を増幅しようとする、極めてユニークな治療戦略をとっている。そのため、本発明では組織固有幹細胞を患者から採取する必要がなく、治療における患者の負担を著しく軽減することができる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例によって何ら限定されるものではない。
本発明者らは、末梢血単核球移植によって虚血組織における筋組織再生が起こり、その再生過程において筋組織が分泌する血管増殖因子が虚血組織に作用して血管新生を誘導し、それにより筋組織の再構築が促進されることを報告している(非特許文献3)。そして、筋再生過程に決定的に影響する数種の因子のうち、骨格筋幹細胞の活性化および細胞系列決定、並びに筋芽細胞の増殖への役割がよく分析されているノッチシグナルに着目した。
治療的細胞移植へのノッチシグナルの役割を検証するために、まず、ノッチシグナルを阻害し得るγ−セクレターゼ阻害剤を用いて、虚血組織における細胞移植による血管新生への影響を検討した。
(材料および方法)
1. マウス後肢虚血の作成および末梢血単核球の移植
マウス後肢虚血の作成およびその後の末梢血単核球の移植は公知の方法で実施した(非特許文献3)。一部のマウスには細胞移植治療時に2.4μgのγ−セクレターゼ阻害剤、L-685,458(Chemicon社製)を筋肉内注射により投与した。
2. 単核球移植効果の評価
単核球移植効果の評価は、虚血組織における血流回復および筋再生領域を評価することにより行った。血流回復の評価は、後肢灌流をレーザー ドップラー パーフュージョン イメイザー システム(laser Doppler perfusion imager (LDPI) system、 Moor Instruments社製)を用いて測定することにより実施し、非虚血後肢に対する虚血後肢の血流比で表した。筋再生領域の評価は、マウスをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で全身灌流後に虚血後肢より内転筋を採取し、その凍結切片を作成してヘマトキシリン・エオジン染色並びに他の免疫学的染色を施し、盲検にて観察することにより実施した。筋組織は高倍率下にて、中心部に核がある再生筋原線維により主に構成される組織(C)と、壊死線維を含む組織(N)に分類し、これら組織学的特性を有する領域を低倍率で撮影した後、NIH−イメージ ソフトウエアを用いて測定した。筋再生領域は、C/(C+N)を算出して得られた値で表した。筋芽細胞の定量にはM−カドヘリン染色を用いた。また、マクロファージの定量には抗GR-1抗体(BD biosciences社製)を用いた免疫学的染色を行った。血流回復および筋再生領域の評価は後肢虚血処置後10日目に実施した。他の評価は末梢血単核細胞移植の24時間後に行った。全ての実験工程は、動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(日本学術会議2006年6月1日)および国立大学法人 千葉大学 動物実験実施規程を厳重に順守して行った。
(結果)
1. 単核球移植による虚血組織再生に対するγ−セクレターゼ阻害剤の効果
γ−セクレターゼ阻害剤は、虚血組織における単核球移植による血流改善効果および筋組織再生増強効果を抑制した(それぞれ図1-Aおよび図1-B)。末梢血単核球投与群ではPBS投与群と比較して血流比および筋再生領域の増加が認められたが、末梢血単核球と共にγ−セクレターゼ阻害剤を投与した群では、このような増加は認められなかった。
また、γ−セクレターゼ阻害剤は、虚血組織における末梢血単核球移植による筋芽細胞の増殖を抑制した(図2)。末梢血単核球投与群ではPBS投与群と比較して筋芽細胞の増加が認められたが、末梢血単核球と共にγ−セクレターゼ阻害剤を投与した群では、このような増加は認められなかった。また、γ−セクレターゼ阻害剤の投与は筋間質細胞の増殖にはほとんど影響しなかった(データ未記載)。このことから、治療的細胞移植において、筋芽細胞のノッチシグナルが決定的な役割を有すると考えることができる。
2. 単核球移植による虚血組織内の増殖因子産生に対するγ−セクレターゼ阻害剤の効果
γ−セクレターゼ阻害剤は、末梢血単核球移植による虚血組織内の増殖因子産生増強効果を抑制した(図3)。末梢血単核球投与群では血小板由来増殖因子(PDGF)、インターロイキン-1β(IL-1β)、幹細胞増殖因子(SCF)などの増殖因子の産生増加が、虚血組織の境界部分および中心部分(border/core)で認められたが、末梢血単核球と共にγ−セクレターゼ阻害剤を投与した群ではこのような増加は認められなかった。また、虚血組織から離れた部分(remote)では、増殖因子の産生増加は認められなかった。本結果は、虚血組織における単核球移植効果にはノッチシグナルが不可欠であることを裏付けるものである。
3. 単核球移植による虚血組織内のマクロファージ浸潤に対するγ−セクレターゼ阻害剤の効果
γ−セクレターゼ阻害剤は、末梢血単核球移植による虚血組織内へのマクロファージ浸潤を抑制した(図4)。末梢血単核球投与群では虚血組織内へのマクロファージ浸潤の増加が認められたが、末梢血単核球と共にγ−セクレターゼ阻害剤を投与した群では、このような増加は認められなかった。マクロファージは組織再生を促進することが知られている。本結果は、γ−セクレターゼ阻害剤が、治療的細胞移植による、虚血組織再生の促進を抑制することを示す。
上記のようにγ−セクレターゼ阻害剤が、虚血組織における末梢血単核球移植による血管新生および組織再生の増強を抑制したことから、虚血組織における単核球移植による血管新生および組織再生にノッチシグナルが主要な役割を示すことが明らかになった。
虚血組織への末梢血単核球移植の効果におけるノッチシグナルの重要性をさらに検証するために、ノッチ−1組織特異的ノックアウトマウス(Notch-1 conditional KO mouse)を用いた実験を実施した。
(材料および方法)
1. ノッチ−1組織特異的ノックアウトマウス
ノッチ−1組織特異的ノックアウトマウスは、Notch-1 loxPマウスとCaggs-Cre ERマウス(Jackson Laboratories)との交配により作成した。ノッチ−1遺伝子の組織特異的ノックアウトは、ポリイノシン・ポリシチジン(polyinosinic・poly(C):pIpC)により誘導した。
2. 後肢虚血の作成、末梢血単核球移植、および移植効果の評価
後肢虚血の作成は実施例1と同様の方法で実施した。末梢血単核球は、ノッチ−1組織特異的ノックアウトマウスの同腹の野生型マウスから採取し、野生型マウスの虚血後肢およびノッチ−1組織特異的ノックアウトマウスの虚血後肢に移植した。末梢血単核球移植効果の評価は実施例1と同様の方法で実施した。
(結果)
ノッチ−1組織特異的ノックアウトマウスは、その同腹の野生型マウスと比較して、虚血組織における著しい血流低下および筋障害を示した。ノッチ−1組織特異的ノックアウトマウスの虚血組織では、末梢血単核球移植によっても血流改善および筋再生領域の増加は認められなかった(それぞれ図5-Aおよび図5-B)。これに対し、その同腹の野生型マウスの虚血組織では末梢血単核球移植により血流が改善され、また、筋再生領域も増加した。
本結果は、ノッチシグナルが治療的筋再生および血管新生に不可欠であることを明白に示すものである。
実施例1および実施例2の結果から、虚血組織における末梢血単核球移植による組織再生のメカニズムにはノッチシグナルが不可欠であることが示された。すなわち、組織再生に重要な複数の機序、例えば筋芽細胞の増殖、増殖因子産生、マクロファージの浸潤などが、ノッチシグナルにより増強されることが、細胞移植による組織再生の主たるメカニズムであると考えることができる。
末梢血単核球細胞移植によって虚血組織内のノッチシグナルが増強することは実施例1および実施例2の結果から明らかであるが、それがノッチリガンドの提供によるものであるのか、あるいは増殖因子の提供など他の機序によるものかについて検討した。
(材料および方法)
1. ノッチリガンド組織特異的ノックアウトマウス
ノッチリガンド組織特異的ノックアウトマウスは、Jagged-1 loxP マウスとMx-Creマウス(Jackson Laboratories)の交配により作成した。以下、作成したマウスをJagged-1組織特異的ノックアウトマウスと称する。このマウスにおけるJagged-1遺伝子の組織特異的ノックアウトは、ポリイノシン・ポリシチジンにより誘導した。
2. 後肢虚血の作成、末梢血単核球移植、および移植効果の評価
後肢虚血の作成は実施例1と同様の方法で実施した。末梢血単核球は、Jagged-1組織特異的ノックアウトマウスから採取し、野生型マウスの虚血後肢に移植した。また、比較対象として、野生型マウスから末梢血単核球を採取し、野生型マウスの虚血後肢に移植した。末梢血単核球移植効果の評価は実施例1と同様の方法で実施した。
(結果)
Jagged-1組織特異的ノックアウトマウス由来の末梢血単核球は、野生型マウスの虚血組織に移植しても、骨格筋芽細胞増殖(データ未記載)、血流改善(図6-A)、および筋組織再生(図6-B)にほとんど効果を示さなかった。一方、その同腹の野生型マウス由来の末梢血単核球は、野生型マウスの虚血組織に移植すると、骨格筋芽細胞増殖(データ未記載)、血流改善(図6-A)、および筋組織再生(図6-B)に効果を示した。
本結果から、移植細胞上のノッチリガンドは、宿主組織内のノッチシグナル活性化に役割を担っていると考えることができる。
単核球細胞移植による虚血組織内のノッチシグナル増強が、移植細胞上に発現するノッチリガンドによるものであることを、該リガンドを発現させた細胞を用いてさらに検証した。
(材料および方法)
1. 細胞およびノッチリガンドの導入
細胞は、マウス骨髄芽球系細胞株Ba/F3を用いた。Ba/F3細胞は虚血組織に移植しても血流改善効果を示さない。また、Ba/F3細胞はその生存および増殖にインターロイキン3(IL-3)を必要とするため、移植組織において増殖および生存することはできない。したがって、ノッチリガンド遺伝子を導入したBa/F3細胞は、虚血組織にノッチシグナルを伝達した後は速やかに局所から一掃される。このことから、ノッチリガンド遺伝子を導入したBa/F3細胞を用いれば、虚血組織においてノッチリガンドを一過性に提示することができる。細胞に導入するリガンドとしてJagged-1を用いた。Ba/F3細胞へのJagged-1遺伝子導入は、レトロウイルスを用いて汎用の方法により実施した。
2. 後肢虚血の作成、細胞移植、および移植効果の評価
後肢虚血の作成は実施例1と同様の方法で実施した。Jagged-1遺伝子導入細胞および遺伝子非導入細胞はそれぞれ実施例1と同様の方法でマウスの虚血後肢に移植した。末梢血単核球移植効果の評価は実施例1と同様の方法で実施した。
Jagged-1遺伝子導入細胞を移植した虚血組織では、ノッチ受容体の活性化により該受容体から離脱するノッチ受容体細胞内ドメイン(NICD)が検出された(図7-A)。一方、遺伝子非導入細胞を移植した虚血組織では、NICDは検出されなかった。本結果は、Jagged-1遺伝子導入細胞がノッチシグナルを誘発したことを示す。
また、Jagged-1遺伝子導入細胞を移植した虚血組織では、遺伝子非導入細胞を移植した虚血組織と比較して、顕著な血管再生および筋組織再生効果が認められた(それぞれ図7-Bおよび図7-C)。さらに、Jagged-1遺伝子導入細胞の移植と同時にGSIを投与した群では、該細胞のみの移植群で認められた血流改善が認められなかった(データ未記載)。
本結果は、組織再生におけるノッチシグナルの活性化にノッチリガンドが有用であることを示す。

Claims (6)

  1. 虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナル(Notch signal)を活性化することにより組織再生を行うことを特徴とする、虚血による組織障害の治療方法。
  2. 組織内に存在する細胞が、組織内に存在する筋芽細胞である請求項1に記載の方法。
  3. 虚血組織が下肢虚血組織である請求項1または2に記載の方法。
  4. 虚血組織において該組織内に存在する細胞のノッチシグナル(Notch signal)を活性化することを特徴とする、虚血組織における組織再生方法。
  5. 組織内に存在する細胞が、組織内に存在する筋芽細胞である請求項4に記載の方法。
  6. 虚血組織が下肢虚血組織である請求項4または5に記載の方法。
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