JP2010203244A - 内燃機関の冷却構造 - Google Patents

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JP2010203244A JP2009046897A JP2009046897A JP2010203244A JP 2010203244 A JP2010203244 A JP 2010203244A JP 2009046897 A JP2009046897 A JP 2009046897A JP 2009046897 A JP2009046897 A JP 2009046897A JP 2010203244 A JP2010203244 A JP 2010203244A
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Shuichi Kitahara
秀一 北原
Teruo Kobayashi
輝夫 小林
Kiyonori Komiyama
清紀 小宮山
Katsuhisa Yasukawa
勝久 安川
Kazuki Maeyama
一樹 前山
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Abstract

【課題】冷却水のクロスフローの流通方式と縦流しの流通方式との間で相互に流用(共用)して汎用性を向上させること。
【解決手段】ウォータージャケット20の気筒列方向に沿った一端側に挿入される第1仕切り部材30a、30bと、前記気筒列方向に沿った他端側に挿入される第2仕切り部材30c、30cとによってクロスフローの流通方式が設定され、前記ウォータージャケット20の気筒列方向に沿った一端側にのみ第2仕切り部材30c、30cを挿入することにより、縦流しの流通方式が設定され、前記第1及び第2仕切り部材30a〜30cの着脱によって、前記クロスフローの流通方式と前記縦流しの流通方式との間で相互に変更可能に設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、車両のエンジン等の内燃機関の冷却構造に関する。
従来から、例えば、水冷式多気筒内燃機関を構成するシリンダブロック及びシリンダヘッドには、内部を空洞化したウォータージャケットが形成され、前記ウォータージャケット内に冷却水を流通させることにより、燃焼室周りや点火プラグ周りのシリンダブロック及びシリンダヘッドの所定部位を適宜冷却している。
このウォータージャケットに対する冷却水の流通方向としては、大別して2種類の方式が知られている。例えば、特許文献1には、シリンダブロックに設けられたウォータージャケットに前記シリンダブロックの一端側から冷却水を送給し、直列気筒の左右両側で気筒列方向に沿って並行に冷却水を流通させ、その途中の数箇所で気筒列方向と略直交するシリンダヘッドのウォータージャケットに冷却水を持ち上げて前記シリンダヘッドにも左右両側で並行に冷却水を流通させた後、前記シリンダブロックの他端側で前記シリンダブロックを通過した後の冷却水をシリンダヘッドのウォータージャケットへ持ち上げて、シリンダブロックと同様に直列気筒の左右両側で並行に冷却水を流通させる、所謂、クロスフロー(横流し)の流通方式が開示されている。
また、特許文献2には、シリンダブロックの一端側から冷却水を送給し、直列気筒の左右片側のシリンダブロックのウォータージャケットを一筆書きのように1周した後、シリンダヘッドのウォータージャケットへ冷却水を流通させる、所謂、縦流しの流通方式が開示されている。さらに、前記特許文献2には、シリンダブロックのウォータージャケット内に対して、冷却水入口と冷却水出口とを仕切るために、ピン状に形成された仕切り部を嵌挿することが開示されている。
特開昭60−125716号公報 特開2002−161743号公報
ところで、このようなシリンダブロック及びシリンダヘッドのウォータージャケットに対する冷却水の流通方式は、内燃機関であるエンジンの特性に応じて選択されるものであるが、各種エンジンにおいてウォータージャケットの形状がそれぞれ異なることから、クロスフローの流通方式と縦流しの流通方式との間で相互に流用(共用)することが困難であった。
すなわち、前述したように、クロスフローの流通方式と縦流しの流通方式とでは、冷却水の流通経路(ウォータージャケット形状)が顕著に異なっているため、一方の流通方式を他方の流通方式に流用することが困難であり、クロスフロー用のエンジンと縦流し用のエンジンとの2種類をそれぞれ別個に製造する必要がある。このため、金型もクロスフローのエンジン用金型と、縦流しのエンジン用金型との2種類を準備する必要があり、製造コストが高騰するという問題がある。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、ウォータージャケットに対する冷却水のクロスフローの流通方式と縦流しの流通方式との間で相互に流用(共用)して汎用性を向上させると共に、製造コストを低減させることが可能な内燃機関の冷却構造を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、直列に並ぶ複数のシリンダボアの周囲に設けられるウォータージャケットと、前記ウォータージャケット内に挿入されて前記ウォータージャケットを周方向に分離する分離部材とを有する内燃機関の冷却構造であって、前記分離部材は、前記ウォータージャケットの気筒列方向に沿った一端側と、前記気筒列方向に沿った他端側とにそれぞれ着脱自在に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、ウォータージャケットに対して着脱自在に挿入される分離部材を設け、前記分離部材の配置を適宜選択することにより、ウォータージャケットに対する冷却水のクロスフローの流通方式と縦流しの流通方式との間で相互に流用(共用)して汎用性を向上させることができる。
また、本発明は、前記ウォータージャケットを流通する冷却水が気筒列方向に沿って流通する縦流しの流通方式と、前記冷却水がシリンダヘッドを介して気筒列方向と直交する方向に流通するクロスフローの流通方式とを有し、前記ウォータージャケットの気筒列方向に沿った一端側と、前記気筒列方向に沿った他端側とにそれぞれ前記分離部材を挿入することにより、前記クロスフローの流通方式が設定され、前記ウォータージャケットの気筒列方向に沿った一端側にのみ前記分離部材を挿入することにより、前記縦流しの流通方式が設定され、前記分離部材の着脱によって、前記クロスフローの流通方式と前記縦流しの流通方式との間で相互に変更可能に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、ウォータージャケットに対して着脱自在に挿入される分離部材を設け、前記分離部材の配置を適宜選択することにより、クロスフローの流通方式が採用された内燃機関(シリンダブロック)と、縦流しの流通方式が採用された内燃機関(シリンダブロック)を得ることができる。換言すると、従来技術では、クロスフローの流通方式と縦流しの流通方式とにおいて、冷却水の流通経路となるウォータージャケットの形状が顕著に異なっているため、一方の流通方式を他方の流通方式に流用(転用)することが困難であり、クロスフロー用のエンジン(シリンダブロック)と縦流し用のエンジン(シリンダブロック)との2種類を準備する必要があったのに対し、本発明では、ウォータージャケットの形状をそのまま共通とし、ウォータージャケットに対する分離部材の配置を相違させることにより、クロスフローの流通方式と縦流しの流通方式との両方を簡便に設定することができる。
また、本発明では、一旦、冷却水の流通方式をクロスフロー又は縦流しのいずれか一方に設定した後、分離部材の種類及び配置を交換することにより、他方の流通方式に簡便に変更することができる。
さらに本発明は、前記分離部材が、前記ウォータージャケットへ冷却水を導入する冷却水入口に対する前記シリンダボアの周方向に沿った両側と、前記冷却水入口に対して点対称の位置とにそれぞれ着脱自在に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、分離部材は、ウォータージャケットへ冷却水を導入する冷却水入口に対するシリンダボアの周方向に沿った両側と、前記冷却水入口に対して点対称の位置とにそれぞれ設けることにより、クロスフローの流通方式と縦流しの流通方式とにそれぞれ対応することができ、シリンダブロックを共用化して製造コストを低減することができる。
さらにまた、本発明は、前記冷却水入口と連通するウォータージャケットの外側壁に、シリンダボアの径方向外側に向かって窪む係合用凹部が形成され、前記ウォータージャケットの気筒列方向に沿った一端側に配設される前記分離部材の少なくとも一部は、前記係合用凹部と係合するように設けられることを特徴とする。
本発明によれば、分離部材は、冷却水入口に臨む係合用凹部を利用してウォータージャケットの所定部位に係合されるため、冷却水の吐出圧力が比較的に強い冷却水入口近傍部位であっても、確実に分離部材を固定することができる。
またさらに本発明は、内燃機関が、Vバンクに沿って複数のシリンダボアが形成されたV型エンジンからなり、ウォータージャケットの気筒列方向の他端側には、前記ウォータージャケットの外側壁が切り欠かれることによって前記Vバンク間の凹部と連通する連通孔が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、エンドミル等の切削加工手段によってウォータージャケットの外側壁を切り欠いて連通孔を形成することにより、クロスフローの流通方式用の冷却水出口を簡便に形成することができる。この場合、前記冷却水入口及び前記連通孔を、気筒列中心線に対してVバンク間側に設けることにより、冷却水通路を短縮して通路抵抗を低減することができる。なお、前記切り欠かれるウォータージャケットの外側壁が、他の部位と比較して薄肉に形成された薄肉部からなることにより、切削加工を容易に遂行することができる。
本発明によれば、ウォータージャケットに対する冷却水のクロスフローの流通方式と縦流しの流通方式との間で相互に流用(共用)して汎用性を向上させると共に、製造コストを低減させることが可能な内燃機関の冷却構造を得ることができる。
本発明の実施形態に係る内燃機関の冷却構造が適用されたV型エンジンにおいて、冷却水の縦流し用の冷却回路をフロント側からみた斜視図である。 図1に示す縦流し用の冷却回路をリア側から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関の冷却構造が適用されたV型エンジンにおいて、冷却水のクロスフロー用の冷却回路をフロント側からみた斜視図である。 図3に示すクロスフロー用の冷却回路をリア側から見た斜視図である。 クロスフローの流通方式が採用された場合であって、シリンダブロックのウォータージャケットに対して4つの仕切り部材が装着された状態を示す平面図である。 (a)は、ウォータージャケットに対して一方の第1仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図、(b)は、他方の第1仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図、(c)は、第2仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図である。 (a)は、クロスフロー専用の一方の第1仕切り部材の平面図、(b)は、前記一方の第1仕切り部材の正面図である。 (a)は、クロスフロー専用の他方の第1仕切り部材の平面図、(b)は、前記他方の第1仕切り部材の正面図である。 (a)は、クロスフロー及び縦流し共用の第2仕切り部材の平面図、(b)は、前記第2仕切り部材の一部断面正面図である。 (a)は、クロスフローの流通方式において、インレットポートから導入された冷却水を初めに外側のウォータージャケットから流通させた場合の流通経路を示す説明図、(b)は、クロスフローの流通方式において、インレットポートから導入された冷却水を初めに内側のウォータージャケットから流通させた場合の流通経路を示す説明図である。 縦流しの流通方式が採用された場合であって、シリンダブロックのウォータージャケットに対して2つの仕切り部材が装着された状態を示す平面図である。 (a)は、ウォータージャケットに対して一方の第2仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図、(b)は、他方の第2仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図である。 クロスフローの流通方式を採用した場合にシリンダブロックのウォータージャケットに対して第1及び第2仕切り部材がそれぞれ着脱自在に装着される状態を示す説明図である。 縦流しの流通方式を採用した場合にシリンダブロックのウォータージャケットに対して第2仕切り部材のみが着脱自在に装着される状態を示す説明図である。 ウォータージャケット内に装着された第1仕切り部材の軸方向に沿った一部省略縦断面図である。 シリンダブロックの外側壁の一部が切り欠かれて連通孔が形成された状態を示す平面図である。 (a)は、図16のB−B線に沿った縦断面図、(b)は、図16のD−D線に沿った縦断面図である。 シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるガスケットに形成される孔部と、ウォータージャケット内に挿入される仕切り部材とを関係を示す平面図である。 クロスフローの流通方式を採用した際、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるガスケットの平面図である。 本発明の他の実施形態に係る内燃機関の冷却構造を直列4気筒エンジンに適用した場合であって、(a)は、クロスフローの流通方式の場合における仕切り部材の配置を示した平面図、(b)は、縦流しの流通方式の場合における仕切り部材の配置を示した平面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の冷却構造が適用されたV型エンジンにおいて、冷却水の縦流し用の冷却回路をフロント側からみた斜視図、図2は、図1に示す縦流し用の冷却回路をリア側から見た斜視図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る内燃機関の冷却構造が適用されたエンジン(内燃機関)10は、Vバンク12に沿って6つの気筒(シリンダボア14a〜14f)が相互に対向配置されたV型6気筒エンジンからなり、図示しない車両のエンジンルーム内に縦置きに設置される。このエンジン10は、例えば、アルミニウム合金製のシリンダブロック16と、前記シリンダブロック16の上側に組み付けられる、例えば、アルミニウム合金製のシリンダヘッド18と、前記シリンダヘッド18の上側に装着されるヘッドカバー19(図2参照)とによって構成される。
なお、本実施形態では、V型6気筒エンジンを例に挙げて以下説明するが、これに限定されるものではなく、後記する他の実施形態に示されるように、例えば、直列エンジン等にも適用することができると共に、気筒数も問わない。
また、以下の説明において、図示しない車両のフロント側を図中において「FR側」と示し、図示しない車両のリア側を図中において、「RR側」と示している。さらに、図1及び図2中では、ラジエータ(R/A)で放熱された冷水からなる冷却水の流通経路を太線の実線で示し、例えば、燃焼室近傍を流通して加熱されることによって温水となった冷却水の流通経路を細線の実線で示している。この点は、後記する図3及び図4も同様である。さらにまた、上下方向とは、シリンダボア14a〜14fの軸線に沿ったシリンダヘッド18側を上側として以下に説明する。
前記シリンダブロック16及びシリンダヘッド18の内部には、冷却水が流通するウォータージャケット20、22がそれぞれ設けられる。また、シリンダブロック16の一端側(フロント側)には、前記ウォータージャケット20に対して冷却水を供給する冷却水入口として機能する左右一対のインレットポート24が設けられ、前記一対のインレットポート24には、それぞれ、ウォーターポンプ26の一対の吐出ポートが接続される。
前記シリンダブロック16のウォータージャケット20は、平面視して、気筒列方向に沿ったシリンダボア14a〜14fの略外周を囲繞するように連続し且つ周回するように形成される。前記シリンダブロック16の上下方向において、前記ウォータージャケット20の上端部は、開口して形成されると共に、前記ウォータージャケット20の下端部(底部)は、シリンダブロック16の内部で閉塞するように形成される。前記シリンダボア14a〜14fには、円筒体からなるシリンダライナ28(図17参照)が装着されている。なお、前記ウォータージャケット20の上端部開口は、シリンダブロック16とシリンダヘッド18との間に介装されるガスケット(後記する)によってシールされる。
前記シリンダブロック16のウォータージャケット20の溝内には、前記ウォータージャケット20を分断(分離)する仕切り部材(分離部材)が上方から着脱自在に装着(挿入)される。この場合、前記仕切り部材は、後記するクロスフロー専用の2本の第1仕切り部材30a、30bと、縦流し及びクロスフロー共用の2本の第2仕切り部材30c、30cとから構成される。前記仕切り部材30a〜30c(総称して仕切り部材30ともいう)の配置及び形状等については、後記で詳細に説明する。
次に、冷却水の縦流しの流通方式とクロスフローの流通方式とを順次説明する。
先ず、図1及び図2に示される冷却回路に基づき、縦流しの流通方式における冷却水の流通経路について説明する。
ラジエータ(R/A)から送給された冷却水は、先ず、サーモスタットケーシング32に導入された後、Vバンク12間の凹部34内に配設されたウォーターギャラリカバー36及びシリンダブロック16のポート38を経由してウォーターポンプ26に導入される。前記ウォーターポンプ26の左右一対の吐出ポートに接続された左右一対のインレットポート24から導入された冷却水は、シリンダブロック16の内側(吸気側、以下、IN側という)のウォータージャケット20を気筒列方向に沿ってそれぞれ流通した後、Uターンしてシリンダブロック16の外側(排気側、以下、EX側という)のウォータージャケット20を気筒列方向に沿ってそれぞれ流通する。
シリンダブロック16の左右のウォータージャケット20をそれぞれ周回(1周)した冷却水は、左右一対のシリンダヘッド18にそれぞれ送給され、各シリンダヘッド18のウォータージャケット22に沿って流通した後、前記左右一対のシリンダヘッド18の端部からウォーターアウトレット部材40に冷却水がそれぞれ導入される。このウォーターアウトレット部材40に接続されるウォーターギャラリカバー36及びポート42を介してラジエータ(R/A)に冷却水が導入され、上記のような経路に沿って冷却水が循環する。
図3は、本発明の実施形態に係る内燃機関の冷却構造が適用されたV型エンジンにおいて、冷却水のクロスフロー用の冷却回路をフロント側からみた斜視図、図4は、図3に示すクロスフロー用の冷却回路をリア側から見た斜視図である。
続いて、図3及び図4に示される冷却回路に基づき、クロスフローの流通方式における冷却水の流通経路について説明する。
図3及び図4に示されるように、ラジエータ(R/A)から送給された冷却水は、先ず、サーモスタットケーシング32に導入された後、Vバンク12間の凹部34内に配設されたウォーターギャラリカバー36及びシリンダブロック16のポート38を経由してウォーターポンプ26に導入される。前記ウォーターポンプ26の左右一対の吐出ポートに接続された左右一対のインレットポート24から導入された冷却水は、シリンダブロック16の外側(EX側)のウォータージャケット20を気筒列方向に沿ってそれぞれ流通すると同時に、左右一対のシリンダヘッド18にもそれぞれ送給される。
左右一対のシリンダヘッド18に送給された冷却水は、前記シリンダヘッド18のウォータージャケット22に沿って気筒列方向と直交する方向に流通した後、シリンダブロック16の内側(IN側)のウォータージャケット20に戻される。このように冷却水は、シリンダブロック16及びシリンダヘッド18にそれぞれ形成されたウォータージャケット20、22の気筒列方向及び気筒列方向と直交する方向に沿って送給された後、インレットポート24から最も離間した奥側のシリンダボア14c、14fにシリンダヘッド18からの戻りの冷却水がVバンク12間の凹部34の隔壁に形成された連通孔44を通じてVバンク12間の凹部34内に導入される。さらに、前記Vバンク12間の凹部34内に導入された冷却水は、さらに、ウォーターギャラリカバー36及びポート42を介してラジエータ(R/A)に導入され、上記のような経路に沿って冷却水が循環する。
次に、ウォータージャケットを分断する仕切り部材の配置及び形状について説明する。
図5は、クロスフローの流通方式が採用された場合であって、シリンダブロックのウォータージャケットに対して4つの仕切り部材が装着された状態を示す平面図、図6(a)は、ウォータージャケットに対して一方の第1仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図、図6(b)は、他方の第1仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図、図6(c)は、第2仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図である。
先ず、クロスフローの場合における仕切り部材30の配置を図5に基づいて説明する。
クロスフローの流通方式では、図5に示されるように、4つの仕切り部材30が用いられ、この4つの仕切り部材30は、クロスフロー専用であってそれぞれ異形状からなる2つの第1仕切り部材30a、30bと、クロスフロー及び縦流し共用であってそれぞれ同形状からなる2つの第2仕切り部材30c、30cによって構成される。
なお、第1仕切り部材30a、30bは、ウォータージャケット20の気筒列方向に沿った一端側に着脱自在に設けられる分離部材として機能するものであり、第2仕切り部材30c、30cは、ウォータージャケット20の気筒列方向に沿った他端側に着脱自在に設けられる分離部材として機能するものである。
専用の一方の第1仕切り部材30aは、図5及び図6(a)に示されるように、一方のインレットポート24に近接するウォータージャケット20の一端側(FR側)に挿入され、前記インレットポート24に臨む部位に形成された係合用凹部44によって保持される。専用の他方の第1仕切り部材30bは、図5及び図6(b)に示されるように、他方のインレットポート24に近接するウォータージャケット20の一端側に挿入され、前記インレットポート24に臨む部位に形成されると共に、ウォータージャケット20を構成するシリンダブロック16の内壁に上下方向に沿って形成された断面円弧状の係止溝46によって保持される。なお、前記係合用凹部44に代替して、断面円弧状の係止溝46を形成するようにしてもよい。
この場合、専用の第1仕切り部材30a、30bは、インレットポート24に臨む係合用凹部44又は係止溝46を利用してウォータージャケット20の所定部位に保持されるため、冷却水の吐出圧力が比較的に強いインレットポート24近傍部位であっても、確実に第1仕切り部材30a、30bを保持(固定)することができる。
また、共用の一方の第2仕切り部材30cは、一方のインレットポート24(又は一方の第1仕切り部材30a)と略点対称の位置からなるウォータージャケット20の他端側に挿入され、共用の他方の第2仕切り部材30cは、他方のインレットポート24(又は他方の第1仕切り部材30b)と点対称の位置からなるウォータージャケット20の他端部側に挿入される。共用の第2仕切り部材30c、30cは、ウォータージャケット20内に挿入された際、断面円弧状の係止溝46によって保持される。
この場合、「点対称」とは、インレットポート24が設けられている気筒列方向の一端側に対して前記気筒列方向の他端側であって、インレットポート24が気筒列中心線C(平面視して各シリンダボア列の中心を通る直線)から偏位(オフセット)している距離と同一距離だけ気筒列中心線から反対側に偏位(オフセット)していることをいう。
本実施形態では、例えば、ドリル等の穿孔手段によってシリンダブロック16の側面からインレットポート24を穿孔した場合、インレットポート24が臨む部位に係合用凹部44を設けることにより、断面鋭角状のドリル先端部がウォータージャケット20の内壁に到達することがなく、縮径されたドリル先端部で形成された縮径状孔部によってウォータージャケット20に連通する冷却水の導入通路が絞られることを回避することができる。
図7(a)は、クロスフロー専用の一方の第1仕切り部材の平面図、図7(b)は、前記一方の第1仕切り部材の正面図である。前記クロスフロー専用の一方の第1仕切り部材30aは、図7に示されるように、正面視してピン状部材からなり、装着された際にウォータージャケット20の上下方向に沿って延在する柱状部48と、前記柱状部48の上端及び中間部位から略直交する方向に突出すると共に、平面視してインレットポート24に近接して形成された係合用凹部44の形状に対応する形状からなる水平部50とを有する。
インレットポート24に近接して形成された係合用凹部44に対して前記一方の第1仕切り部材30aの水平部50がそれぞれ係着されることにより、前記一方の第1仕切り部材30aがウォータージャケット20内の所定位置に位置決めされる。また、前記一方の第1仕切り部材30aの柱状部48がウォータージャケット20を構成する一方と他方の隔壁間で挟持されて前記柱状部48と前記隔壁とが当接してシールされることにより、ウォータージャケット20を周方向に分断することができる。
前記第1仕切り部材30aの少なくとも一部が、前記係合用凹部44と係合するように設けられる。この場合、インレットポート24から導入された冷却水は、係合用凹部44によって保持される一方の水平部50と他方の水平部50との上下方向に沿った離間空間を通じてウォータージャケット20側に流通するように設けられる。
なお、インレットポート24に近接して形成される係合用凹部44は、例えば、シリンダブロック16をアルミニウム合金等の金属製材料を用いて鋳造成形する際、図示しない複数の金型を型開きする際の鋳抜き穴によって形成される。
図8(a)は、クロスフロー専用の他方の第1仕切り部材の平面図、図8(b)は、前記他方の第1仕切り部材の正面図である。前記クロスフロー専用の他方の第1仕切り部材30bは、図8に示されるように、正面視してピン状部材からなり、ウォータージャケット20の上下方向に沿って延在する柱状部52と、前記柱状部52の上端及び中間部位から略直交する方向に突出すると共に、平面視してインレットポート24に近接して形成された断面円弧状の係止溝46に対応する形状からなる断面円弧状突起部54が形成された水平部56とを有する。
インレットポート24に近接して形成された断面円弧状の係止溝46に対して前記他方の第1仕切り部材30bの水平部56の断面円弧状突起部54がそれぞれ係着されることにより、前記他方の第1仕切り部材30bがウォータージャケット20内の所定位置に位置決めされる。また、前記他方の第1仕切り部材30bの柱状部52がウォータージャケット20を構成する一方と他方の隔壁間で挟持されて前記柱状部52と前記隔壁とが当接してシールされることにより、ウォータージャケット20を周方向に分断することができる。この場合、インレットポート24から導入された冷却水は、係止溝46によって保持される一方の水平部56と他方の水平部56との上下方向に沿った離間空間を通じてウォータージャケット20側に流通するように設けられる。
図9(a)は、クロスフロー及び縦流し共用の第2仕切り部材の平面図、図9(b)は、前記第2仕切り部材の一部断面正面図である。前記共用の第2仕切り部材30cは、図9に示されるように、正面視してピン状部材からなり、ウォータージャケット20の上下方向に沿って延在する柱状部58と、前記柱状部58の上端部及び下端部から略直交する方向に折曲すると共に、平面視して断面円弧状の係止溝46と係合する湾曲部60が設けられた水平部61とを有する。
ウォータージャケット20の他端側に形成された断面円弧状の係止溝46に対して前記第2仕切り部材30cの湾曲部60が係着されることにより、前記第2仕切り部材30cがウォータージャケット20内の所定位置に位置決めされる。また、前記第2仕切り部材30cの柱状部58がウォータージャケット20を構成する一方と他方の隔壁間で挟持されて前記柱状部58と前記隔壁とが当接してシールされることにより、ウォータージャケット20を周方向に分断することができる。
なお、専用の第1仕切り部材30a、30b及び共用の第2仕切り部材30cは、例えば、図9(b)に示されるように、金属製の芯材62と、前記芯材62をゴム等で被覆した弾性材64とから構成され、前記弾性材64はウォータージャケット20の湾曲形状や係止溝46等に対応して弾性変形するように設けられる。
図10(a)は、クロスフローの流通方式において、インレットポートから導入された冷却水を初めに外側のウォータージャケットから流通させた場合の流通経路を示す説明図、図10(b)は、クロスフローの流通方式において、インレットポートから導入された冷却水を初めに内側のウォータージャケットから流通させた場合の流通経路を示す説明図である。
なお、図10中において、太線からなる実線は、インレットポート24から導入された冷水の冷却水を示し、破線は、シリンダヘッド18側のウォータージャケット22に上げられた冷却水が燃焼室等で加熱されて温水となった冷却水がシリンダブロック16側のウォータージャケット20に戻されて流通する状態を示している。
第1仕切り部材30a、30b及び第2仕切り部材30c、30cからなる4本のピン状部材がウォータージャケット20内に配置されたクロスフローの流通方式を採用し、インレットポート24から導入された冷却水を先に外側(EX側)のウォータージャケット20から流通させた場合(図10(a)参照)には、先に内側(IN側)のウォータージャケット20から流通させた場合(図10(b)参照)と比較して、冷却水流路長が略距離Aだけ短縮されて圧力損失(通路抵抗)を低減することができる利点がある。
なお、本実施形態では、図3及び図4に示されるように、クロスフローの流通方式において冷却水を先に外側(EX側)のウォータージャケット20から流通させた場合を例示しているが、これに限定されるものではなく、図10(b)に示されるように、先に内側(IN側)のウォータージャケット20から流通させるようにしてもよい。
図11は、縦流しの流通方式が採用された場合であって、シリンダブロックのウォータージャケットに対して2つの仕切り部材が装着された状態を示す平面図、図12(a)は、ウォータージャケットに対して一方の第2仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図、図12(b)は、他方の第2仕切り部材が装着された状態を示す部分拡大平面図である。
縦流しの流通方式を採用する場合、図11に示されるように、クロスフローと共用の2本の第2仕切り部材30c、30cのみが用いられる。図面に向かって左側に配置された一方の第2仕切り部材30cは、ウォータージャケット20の気筒列方向に沿った一端側であって、一方のインレットポート24から僅かに離間して気筒列中心線Cをわたった外側(EX側)の部位に挿入される(図12(a)参照)。また、図面に向かって右側に配置された他方の第2仕切り部材30cは、同様に、ウォータージャケット20の一端側であって、他方のインレットポート24から僅かに離間して気筒列中心線Cをわたった外側(EX側)の部位に挿入される(図12(b)参照)。
このように縦流しの流通方式では、インレットポート24を有するウォータージャケット20の気筒列方向に沿った一端側のみに共用の第2仕切り部材30c、30cが装着される。従って、インレットポート24から導入された冷却水は、シリンダブロック16のウォータージャケット20に沿って1周した後、前記第2仕切り部材30c、30cを間にしてインレットポート24と反対側の部位からシリンダヘッド18側のウォータージャケット22へ流出される。
なお、シリンダブロック16のウォータージャケット20からシリンダヘッド18のウォータージャケット22へと流出される部位は、前記第2仕切り部材30c、30cを間にしたインレットポート24と反対側の部位の他に、例えば、ウォータージャケット20中の中間部位や隣接するシリンダボア14a〜14f間の部位からも流出される。
なお、両方の第2仕切り部材30c、30cは、それぞれ、ウォータージャケット20の内壁に形成された係止溝46によって所定位置に保持される。
図13は、クロスフローの流通方式を採用した場合にシリンダブロックのウォータージャケットに対して第1及び第2仕切り部材がそれぞれ着脱自在に装着される状態を示す説明図、図14は、縦流しの流通方式を採用した場合にシリンダブロックのウォータージャケットに対して第2仕切り部材のみが着脱自在に装着される状態を示す説明図である。
図13及び図14から了解されるように、本実施形態では、ウォータージャケット20に対して着脱自在に装着される複数の仕切り部材30を設け、前記複数の仕切り部材30の配置を適宜選択することにより、クロスフローの流通方式が採用されたエンジン(シリンダブロック16)と、縦流しの流通方式が採用されたエンジン(シリンダブロック16)を得ることができる。
換言すると、従来技術では、クロスフローの流通方式と縦流しの流通方式とにおいて、冷却水の流通経路となるウォータージャケット20の形状が顕著に異なっているため、一方の流通方式を他方の流通方式に流用(転用)することが困難であり、クロスフロー用のエンジン(シリンダブロック)と縦流し用のエンジン(シリンダブロック)との2種類を準備する必要があったのに対し、本実施形態では、ウォータージャケット20の形状をそのまま共通とし、複数の仕切り部材30の配置を相違させることにより、クロスフローの流通方式と縦流しの流通方式との両方を簡便に設定することができる。
また、冷却水の流通方式をクロスフロー又は縦流しのいずれか一方に設定した後、仕切り部材30の種類及び配置を交換することにより、他方の流通方式に簡便に変更することができる。この結果、本実施形態では、ウォータージャケット20に対する冷却水のクロスフローの流通方式と縦流しの流通方式との間で相互に流用(共用)して汎用性を向上させることができる。
この場合、図13に示される一方の第1仕切り部材30aと図14に示される一方の第2仕切り部材30cとは、冷却水入口(一方のインレットポート24)に対するシリンダボア14dの周方向の両側に配設された分離部材として機能するものであり、図13に示される他方の第1仕切り部材30bと図14に示される他方の第2仕切り部材30cとは、冷却水入口(他方のインレットポート24)に対するシリンダボア14aの周方向の両側に配設された分離部材として機能するものである。
なお、本実施形態では、クロスフロー専用の第1仕切り部材30a、30bと、クロスフロー及び縦流し共用の第2仕切り部材30c、30cとの2種類の仕切り部材30を用いて説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、全ての仕切り部材30を共通化してクロスフロー及び縦流し共用の仕切り部材のみとしてもよい。この場合、仕切り部材の部品点数が減少して、製造コストを低減化することができると共に、部品管理が容易となる利点がある。
図15は、ウォータージャケット内に装着された第1仕切り部材の軸方向に沿った一部省略縦断面図である。図15に示されるように、クロスフロー流通方式又は縦流し流通方式のいずれの冷却水の流通方式を選択した場合であっても、専用の第1仕切り部材30a、30b及び共用の第2仕切り部材30c、30cの下部は、ウォータージャケット20の底面20aまで到達しないように挿入される。
すなわち、ウォータージャケット20内の所定部位に挿入される専用の第1仕切り部材30a、30b及び共用の第2仕切り部材30c、30cがウォータージャケット20の底面20aまで到達してウォータージャケット20を完全に遮断した場合には、前記ウォータージャケット20内の下部において冷却水の澱みが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、専用の第1仕切り部材30a、30b及び共用の第2仕切り部材30c、30cのそれぞれの下部と、ウォータージャケット20の底面20aとの間に間隙66を形成し、前記間隙66によってインレットポート24側からポート42側に冷却水を流通させる連通路を設けることにより、前記冷却水の澱みの発生を防止することができる。
換言すると、前記間隙66を形成することにより、仕切り部材30の下端部近傍における冷却水流れの滞留を好適に抑制することができる。なお、図15では、一方の第1仕切り部材30aを例示しているが、他の仕切り部材30も同様にウォータージャケット20の底面20aとの間で間隙66が形成される。
次に、クロスフローの流通方式を採用した場合にウォータージャケット20を構成するシリンダブロック16の外側壁に対して切削加工される加工孔について説明する。図16は、シリンダブロックの外側壁の一部が切り欠かれて連通孔が形成された状態を示す平面図、図17(a)は、図16のB−B線に沿った縦断面図、図17(b)は、図16のD−D線に沿った縦断面図である。
クロスフローの流通方式では、シリンダブロック16の一端部(FR側)のインレットポート24から導入された冷却水がシリンダブロック16のウォータージャケット20の外側(EX側)を通って気筒列方向に流通すると共に、シリンダヘッド18側に導入された冷却水がシリンダブロック16のウォータージャケット20の内側(IN側)に戻って気筒列方向に流通する(図3及び図4参照)。従って、インレットポート24から最も離間するシリンダボア14c、14fに近接するウォータージャケット20の他端側に到達した冷却水がVバンク12間の凹部34を介して導出する必要がある。
そこで、本実施形態では、鋳造成形品からなるシリンダブロック16に対して、例えば、図示しないエンドミル等の切削加工手段を用いてVバンク12間の凹部34内の外側壁の一部を切削加工し、冷却水出口として機能する連通孔68を形成する(図17参照)。この連通孔68を介してウォータージャケット20とVバンク12間の凹部34とが連通し、前記ウォータージャケット20から流出された冷却水は、Vバンク12間の凹部34に沿って流通してポート42(図3参照)から導出される。
また、本実施形態では、図16に示されるように、ウォータージャケット20の気筒列方向に沿った一端側に冷却水入口(インレットポート24)が設けられ、前記ウォータージャケット20の気筒列方向に沿った他端側であって、インレットポート24から最も離間するシリンダボア14c、14fの気筒列方向に対する側方に冷却水出口(連通孔68)が設けられる。
さらに、本実施形態が適用されたV型エンジン10では、冷却水入口(インレットポート24)及び連通孔68が気筒列中心線Cに対して一方のVバンク12と他方のVバンク12との間に設けられることにより、冷却水入口よりも上流側で、連通孔68よりも下流側の冷却水通路を短縮することができる(図10a参照)。
さらにまた、図示しないエンドミル等の切削加工手段によって切削加工されるVバンク12間の外側壁(冷却水出口用壁部)は、図16に示されるように、他の部位と比較して薄肉に形成された薄肉部80からなり、前記エンドミル等によって簡便に切り欠くことができるため、冷却水出口(連通孔68)を容易に形成することができる。
なお、本実施形態では、クロスフローの流通方式を採用する場合、外側壁の一部を切削加工することによってウォータージャケット20の冷却水出口(連通孔68)を形成しているが、これを縦流しの流通方式に変更する場合、前記切削加工によって形成された連通孔68を、図示しない閉塞部材(例えば、盲栓部材)で閉塞することによって簡便に変更することができる。
図18は、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるガスケットに形成される孔部と、ウォータージャケット内に挿入される仕切り部材とを関係を示す平面図である。
ウォータージャケット20内に挿入される仕切り部材30は、図18に示されるように、シリンダボアの中心を通る気筒列中心線Cから偏位したウォータージャケット20内に挿入される。その際、気筒列中心線C上に仕切り部材30を挿入した場合、ガスケット70の気筒列中心線C上に孔部を設けることが困難であるため、図18に示されるE部の冷却水が澱むおそれがある。そこで、本実施形態では、ガスケット70の孔部の位置を変更することがなく、気筒列中心線Cから偏位した部位に仕切り部材30を挿入することにより、前記澱みの発生を防止することができる。
図19は、クロスフローの流通方式を採用した際、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるガスケットの平面図である。図19に示されるように、クロスフロー用のガスケット70a、70bには、複数の略楕円形状孔部72aや略三角形状孔部72bが気筒列中心線Cに沿って略対称位置に配置される。
なお、図19中において、網点が付された略楕円形状孔部72a及び略三角形状孔部72bは、シリンダブロック16のウォータージャケット20とシリンダヘッド18とのウォータージャケット22とを連通させる孔部であって、シリンダブロック16のウォータージャケット20からシリンダヘッド18のウォータージャケット22へ冷却水が送られる孔部を示す。また、網線が付された略楕円形状孔部72a及び略三角形状孔部72bは、前記とは反対にシリンダヘッド18のウォータージャケット22からシリンダブロック16のウォータージャケット20へ冷却水が戻される孔部を示している。
次に、本発明の他の実施形態に係る内燃機関の冷却構造を他のエンジンに適用した場合を以下に示す。図20は、本発明の他の実施形態に係る内燃機関の冷却構造を直列4気筒エンジンに適用した場合であって、図20(a)は、クロスフローの流通方式の場合における仕切り部材の配置を示した平面図、図20(b)は、縦流しの流通方式の場合における仕切り部材の配置を示した平面図である。なお、前記実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図20(a)に示されるように、クロスフローの流通方式では、インレットポート24に近接するウォータージャケット20の一端側にクロスフロー専用の第1仕切り部材30aが着脱自在に挿入されると共に、前記インレットポート24から最も離間するウォータージャケット20の他端側にクロスフロー及び縦流し共用の第2仕切り部材30cが着脱自在に挿入される。このように、直列4気筒エンジン10aでは、気筒列方向に沿ったウォータージャケット20の一端側及び他端側にそれぞれ第1仕切り部材30a及び第2仕切り部材30cが挿入される。
図(b)に示されるように、縦流しの流通方式では、インレットポート24に近接するウォータージャケット20の一端側にクロスフロー及び縦流し共用の第2仕切り部材30cが着脱自在に挿入される。なお、第1仕切り部材30a及び第2仕切り部材30cの構成並びに作用効果は、前記実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
10、10a エンジン(内燃機関)
12 Vバンク
14a〜14f シリンダボア
16 シリンダブロック
18 シリンダヘッド
20、22 ウォータージャケット
24 インレットポート(冷却水入口)
30、30a〜30c 仕切り部材(分離部材)
44 係合用凹部
68 連通孔
C 気筒列中心線

Claims (7)

  1. 直列に並ぶ複数のシリンダボアの周囲に設けられるウォータージャケットと、前記ウォータージャケット内に挿入されて前記ウォータージャケットを周方向に分離する分離部材とを有する内燃機関の冷却構造であって、
    前記分離部材は、前記ウォータージャケットの気筒列方向に沿った一端側と、前記気筒列方向に沿った他端側とにそれぞれ着脱自在に設けられることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
  2. 請求項1記載の内燃機関の冷却構造において、
    前記ウォータージャケットを流通する冷却水が気筒列方向に沿って流通する縦流しの流通方式と、前記冷却水がシリンダヘッドを介して気筒列方向と直交する方向に流通するクロスフローの流通方式とを有し、
    前記ウォータージャケットの気筒列方向に沿った一端側と、前記気筒列方向に沿った他端側とにそれぞれ前記分離部材を挿入することにより、前記クロスフローの流通方式が設定され、
    前記ウォータージャケットの気筒列方向に沿った一端側にのみ前記分離部材を挿入することにより、前記縦流しの流通方式が設定され、
    前記分離部材の着脱によって、前記クロスフローの流通方式と前記縦流しの流通方式との間で相互に変更可能に設けられることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
  3. 請求項1記載の内燃機関の冷却構造において、
    前記分離部材は、前記ウォータージャケットへ冷却水を導入する冷却水入口に対する前記シリンダボアの周方向に沿った両側と、前記冷却水入口に対して点対称の位置とにそれぞれ着脱自在に設けられることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
  4. 請求項3記載の内燃機関の冷却構造において、
    前記冷却水入口と連通するウォータージャケットの外側壁には、シリンダボアの径方向外側に向かって窪む係合用凹部が形成され、前記ウォータージャケットの気筒列方向に沿った一端側に配設される前記分離部材の少なくとも一部は、前記係合用凹部と係合するように設けられることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
  5. 請求項1記載の内燃機関の冷却構造において、
    前記内燃機関は、Vバンクに沿って複数のシリンダボアが形成されたV型エンジンからなり、前記ウォータージャケットの気筒列方向の他端側には、前記ウォータージャケットの外側壁が切り欠かれることによって前記Vバンク間の凹部と連通する連通孔が設けられることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
  6. 請求項5記載の内燃機関の冷却構造において、
    前記冷却水入口及び前記連通孔は、気筒列中心線に対して前記Vバンク間側に設けられることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
  7. 請求項5記載の内燃機関の冷却構造において、
    前記切り欠かれる前記ウォータージャケットの外側壁は、他の部位と比較して薄肉に形成された薄肉部からなることを特徴とする内燃機関の冷却構造。
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