以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1に示すように、遊技機1は、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2を設けており、遊技盤2の遊技領域6の外周部分には、ガラス枠110が備えられている。
ガラス枠110の下部には、遊技球を借りるためのプリペイドカード等を挿入するカードユニット挿入口800aが形成されたカードユニット800に通信的に接続された貸出ボタン26と、遊技球を返却するための返却ボタン27が設けられている。ガラス枠110には、遊技球供給皿25が設置されており、貸出ボタン26を操作すると遊技球供給皿25に遊技球が供給される。
また、ガラス枠110には操作ハンドル3が回動可能に設けられており、人体が操作ハンドル3に接触すると、操作ハンドル3内にあるタッチセンサ3bが、操作ハンドル3に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板106にタッチ信号を送信する。発射制御基板106は、タッチセンサ3bからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド4aの通電を許可する。そして、操作ハンドル3の回転角度が変化すると、操作ハンドル3に直結しているギア(図示せず)が回転し、ギアに連結した発射ボリューム3aのつまみが回転する。この発射ボリューム3aの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射装置を構成する発射用ソレノイド4aに印加される。発射用ソレノイド4aに電圧が印加されると、発射用ソレノイド4aが印加電圧に応じて作動し、操作ハンドル3の回動角度に応じた強さ(所謂、「ストローク」)で、遊技領域6に向けて遊技球を発射する。
上記のようにして発射された遊技球は、レール5a,5b間を上昇して遊技盤2の上部位置に達した後、遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた不図示の複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の一般入賞口7が設けられている。これら各一般入賞口7には、一般入賞口検出センサ7aが設けられており、この一般入賞口検出センサ7aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記遊技領域6であって、上記一般入賞口7の上方には、入賞ゲート8が遊技球を通過可能に設けられている。入賞ゲート8には、遊技球の通過を検出するゲート検出センサ8aが設けられており、このゲート検出センサ8aが遊技球の通過を検出すると、後述する補助遊技抽選が行われる。
また、上記遊技領域6の下部位置には、上記一般入賞口7と同様に、遊技球が入球可能な第1始動口9が設けられている。また、第1始動口9の真下には、第2始動口10が形成されており、この第2始動口10付近には第2始動口10を開閉自在にする第2始動口開閉装置Aが設けられている。第2始動口開閉装置Aは第2始動口開閉ソレノイド11cに接続された一対の可動片10bを有しており、これら一対の可動片10bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片10bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。
なお、第2始動口10が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口10の真上に位置する、遊技球を第1始動口9へ導く受け皿(図示せず)が障害物となって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。一方で、第2始動口10が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片10bが受け皿として機能し、さらには、上記の第1始動口9の受け皿より広い範囲で遊技球を導く態様で作動するので、第1始動口9に比して第2始動口10への遊技球の入球が容易となる。つまり、第2始動口10は、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がほとんどないが、第2の態様にある(補助遊技が実行される)ときには第1始動口9に比して遊技球の入球機会が増すこととなる。
なお、上記第1始動口9および第2始動口10には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出センサ9aおよび第2始動口検出センサ10aがそれぞれ設けられており、これらの検出センサ9a、10aが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たりの抽選が行われる。また、検出センサ9a、10aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
そして、図1に示すように、上記第2始動口10のさらに下方には、大入賞口11を具備する大入賞口開閉装置Bが設けられている。この大入賞口開閉装置Bは、後述する大入賞口開閉ソレノイド11cに接続された大入賞口開閉扉11bを備えており、この大入賞口開閉扉11bによって、通常は大入賞口11が閉状態に維持されて、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、後述する大入賞口開閉ソレノイド11cが通電され、該大入賞口開閉ソレノイド11cによって大入賞口開閉扉11bが開放され、大入賞口11が開状態となる。このように、大入賞口開閉扉11bが開放されると、大入賞口開閉扉11bが、遊技球を大入賞口11内に導くための受け皿として機能し、遊技球が大入賞口11に入球可能となる。大入賞口11には大入賞口検出センサ11aが設けられており、この大入賞口検出センサ11aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば14個の遊技球)が払い出される。なお、大入賞口開閉装置Bが本発明の大入賞口可変装置を構成する。
上記大入賞口11のさらに下方、すなわち、遊技領域6の最下部には、一般入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、および大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するための排出口12が設けられている。
また、上記遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。
具体的には、上記遊技領域6の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる画像表示装置13が設けられており、この画像表示装置13の右側面には、演出用役物装置14,15が設けられている。さらに、遊技盤2の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、上記操作ハンドル3の左側には、演出ボタン17が設けられている。
上記画像表示装置13は、所定期間遊技が行われていない待機中(所謂、客待ち中)にそれようの画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したときには、大当たりの抽選の抽選結果を遊技者に報知する装飾図柄が変動表示される。装飾図柄は、例えば3つの数字で構成され、所定時間スクロール表示され、最終的に配列した状態で停止表示される。装飾図柄のスクロール表示(変動表示)によって、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与え、装飾図柄の停止表示によって、大当たり抽選の抽選結果が遊技者に報知される。この装飾図柄の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
上記演出役物装置14,15は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。本実施形態においては、演出役物装置14は人の顔を模擬し、首を振る様に作動する可動装置で構成されており、一方、演出役物装置15は顔を模擬した演出役物装置14の瞼を模擬し、その瞼が開いたり閉じたりする様に作動する可動装置で構成されている。これら演出役物装置14,15の作動態様や、両演出役物装置14,15の動作の組み合わせによって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
また、演出用照明装置16は、それぞれ複数のライト16aを備えており、各ライト16aの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
また、上記操作ハンドル3の左側には、遊技者が押圧操作可能な演出ボタン17が設けられている。この演出ボタン17は、例えば、上記画像表示装置13に当該演出ボタン17を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン25には、演出ボタン検出SW17aが設けられており、この演出ボタン検出SW17aが遊技者の操作を検出すると、後述する演出制御基板102に演出ボタン操作検出信号を送信し、この操作に応じて特別な演出が実行される。
さらに、図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音出力装置18(図4参照)が設けられており、上記の各演出装置に加えて、音楽、音声、効果音等による音の演出も行われる。
そして、遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示装置22、第2特別図柄保留表示装置23及び普通図柄保留表示装置24が設けられている。
特別図柄表示装置19、20は、始動口9、10に遊技球が入球することを条件に行われる大当たりの抽選の抽選結果を表示するためのものである。つまり、大当たりの抽選の抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、これらの特別図柄表示装置19、20に大当たり遊技の抽選の抽選結果に対応する特別図柄を停止表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。特別図柄表示装置19、20は、例えば7セグメントLEDで構成されており、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに停止表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示される。
より詳細には、始動口9、10に遊技球が入球すると、その後大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選の抽選結果は、所定時間を経過したところで、入球した始動口に対応して特別図柄表示装置19、20に大当たりの抽選の抽選結果に対応する特別図柄が停止表示されることで遊技者に報知される。所定時間が経過するまでの間は、特別図柄表示装置19、20のLEDを点滅させる等によって、あたかも現在大当たりの抽選が行われているような態様で表示(変動表示)される。
また、普通図柄表示装置21は、入賞ゲート8を遊技球が通過したことを契機として行われる補助遊技抽選の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この補助遊技抽選によって当たりに当選するとLEDで構成された普通図柄表示装置21が点灯し、その後、上記始動口開閉装置Aが所定時間、第2の態様に制御される。なお、この補助遊技抽選の抽選結果も、入賞ゲート8を遊技球が通過して即座に報知されるわけではない。すなわち、所定時間が経過するまで普通図柄表示装置21は点滅する。この普通図柄表示装置21の点滅が普通図柄の変動表示を構成し、普通図柄表示装置21の点灯が、補助遊技抽選の抽選結果に対応する普通図柄の停止表示を構成する。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中に、始動口9、10に遊技球が入球して、即座に特別図柄の変動表示を行えない場合には、一定の条件のもとで特別図柄の変動表示が保留される。
保留できる個数には上限が設けられており、その上限値はそれぞれの始動口9、10に対して「4」と設定されている。すなわち、各始動口9、10に対して特別図柄の変動表示の権利を4個まで保留することができ、その保留個数はその保留に係る遊技球が入球した始動口9、10に応じて特別図柄保留表示装置22、23に所定の態様で表示される。
具体的には、第1特別図柄保留個数(U1)(第2特別図柄保留数(U2))が1つの場合には、第1特別図柄保留表示装置22(第2特別図柄保留表示装置23)の左側のLEDが点灯し、第1特別図柄保留個数(U1)(第2特別図柄保留数(U2))が2つの場合には、第1特別図柄保留表示装置22(第2特別図柄保留表示装置23)の2つのLEDが点灯する。また、第1特別図柄保留個数(U1)(第2特別図柄保留数(U2))が3つの場合には、第1特別図柄保留表示装置22(第2特別図柄保留表示装置23)の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1特別図柄保留個数(U1)(第2特別図柄保留数(U2))が4つの場合には、第1特別図柄保留表示装置22(第2特別図柄保留表示装置23)の2つのLEDが点滅する。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示装置22および第2特別図柄保留表示装置23と同様の態様によって、普通図柄保留表示装置24において表示される。
遊技機1の上側には、種々の遊技に関する情報(以下、遊技情報という)を表示する遊技情報表示装置700が設置され、正面視左側には、プリペイドカードが挿入されることによって球貸し(遊技球の貸し出し)を可能にしているカードユニット800が設置されている。
遊技情報表示装置700には、液晶パネルや多数のLEDを格子状に配置したドットマトリックス型のデータ表示部710が設けられ、データ表示部710には遊技情報として大当たり当選回数(図において「大当」)、大当たりのうちで高確率遊技状態に移行した回数(図において「確変」)の本日分、前日分、前々日分が表示されている。また、前回の大当たりから現在までに行われた特別図柄の変動表示の回数(図において「回」)等が表示されている。さらに、データ表示部710の左右には、遊技者が、適宜操作可能な「サービス」ボタン、「呼出」ボタン、「履歴」ボタン、「累計」ボタン等の押しボタンスイッチが配設され、これらの押しボタンスイッチの外側には、ランプ装置が配設されている。
遊技機1の裏面の上部には、遊技球を貯留する貯留タンク30が設置されており、貯留タンク30は、遊技球通路を介して入球に基づく賞球(景品)としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球を遊技者に払い出す、賞球ケース32に覆われた払出装置31に接続されている。払出装置31は、例えばステッピングモータ等の駆動部31b(図3、4参照)が駆動することによって、賞球または貸し球としての遊技球を1個ずつ遊技者に払い出す。
図3に示すように、払出装置31の出力側には近接スイッチ等で構成される払出球計数スイッチ31aが設置されている。払出装置31から1個の遊技球が払い出される毎に、払出球計数スイッチ31aがONされ、1個の遊技球が払い出されたことを示す払出検出信号が出力される。なお、本実施の形態では、払出装置31は、賞球払出しと球貸しとを共に行うように構成されているが、賞球を払い出す賞球払出装置と球を貸し出す貸球払出装置とに分けて構成するようにすることもできる。
(制御手段の内部構成)
次に、図4を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。本実施形態においては、制御手段100は、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、ランプ制御基板104及び画像制御基板105から構成されている。
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出センサやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板に所定のコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板101の入力側には、一般入賞口検出センサ7a、ゲート検出センサ8a、第1始動口検出センサ9a、第2始動口検出センサ10a及び大入賞口検出センサ11aが接続されており、それぞれの遊技球の検出信号が主制御基板101に入力する。
主制御基板101の出力側には、始動口開閉装置Aの一対の可動片10bを動かす始動口開閉ソレノイド10c、及び、大入賞口開閉装置Bの大入賞口開閉扉11bを動かす大入賞口開閉ソレノイド11cが接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各ソレノイドを制御する信号が出力される。また、主制御基板101の出力側には、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、普通図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示装置22、第2特別図柄保留表示装置23及び普通図柄保留表示装置24が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各表示装置を制御する信号が出力される。
さらに、主制御基板101の出力側には遊技情報出力端子板108が接続されており、出力ポートを介して、所定の遊技に関する情報(以下、遊技情報という)が変換された外部信として出力される。遊技情報出力端子板108には遊技情報表示装置700及び遊技店のホールコンピュータが接続されており、上記の所定の遊技情報(外部信号)が遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータに送信される。所定の遊技情報が遊技情報表示装置700で出力(表示)されることで、遊技者は遊技機(台)選びの判断材料が提供されることになる。一方、所定の遊技情報がホールコンピュータに接続された表示装置やプリンターで出力(表示・印刷)されることで、遊技店は各遊技機の稼働状況を把握することができる。
なお、本実施の形態では、遊技情報出力端子板108と遊技情報表示装置700とが接続され、遊技情報表示装置700とホールコンピュータとが接続されているが、接続態様はこれに限られるものでなく、遊技情報出力端子板108とホールコンピュータとが接続され、ホールコンピュータと遊技情報表示装置700とが接続される態様でも、接続遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータの双方に直接接続される態様でもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。また、演出制御基板102の入力側には、演出ボタン検出SW17aが接続されており、演出ボタン17の操作が行われたことを示す演出ボタン検出信号が演出制御基板102に入力する。
サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出SW17aやタイマからの入力信号に基づいて、ROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、コマンドをランプ制御基板104または画像制御基板105に送信する。RAM102cは、CPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と遊技球の払い出し制御とを行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101及び発射制御基板106に対して、双方向に通信可能に接続されている。
払出CPU103aの入力側には、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ31aが接続されており、これらからの払出球検知信号とタイマからの入力信号とに基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
払出制御基板103の出力側には、貯留タンク30から所定数の遊技球を遊技者に払い出すための払出装置31の払出駆動部31bが接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された賞球要求信号に基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置31を制御して所定の遊技球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、払出CPU103aはカードユニット(遊技球貸出装置)800が払出制御基板103に接続されているか否かを確認し、カードユニット800が接続されていれば、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
発射制御基板106は、払出制御基板103から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3bからのタッチ信号及び発射ボリューム3aからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド4aを通電制御し、遊技球を発射させる。
本実施の形態では、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。
ランプ制御基板104は、上記各基板と同様に、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えており、遊技盤2に設けられた演出用照明装置16を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出役物装置14,15を作動させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板104は、副制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板105は、少なくとも画像表示装置13に表示される動画や静止画等の画像を制御する画像制御部105Bと、音出力装置18から出力される音を制御する音声制御部105Cと、画像制御部105B及び音制御部105Cを統括制御する統括部105Aとを有する。
画像制御基板105の統括部105Aは、演出制御基板102から送信される演出コマンドを受信し、演出制御部105Aの統括制御CPU105Aaが画像表示装置13に表示される画像の制御及び音出力装置18から出力される音の制御を行う。統括CPU105Aaは、統括CPU105Aaの実行する制御プログラムが記憶されているプログラムROM105Abが接続されており、演出制御CPU105Aaの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。
統括CPU105Aaは、画像制御部105Bの画像CPU105Ba、及び、音制御部105Cの音声CPU105Caに接続され、画像CPU105Baは画像表示装置13に表示させる画像に対応する画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示装置13の駆動回路に送信する。一方、音Caは音出力装置18から出力させる音に対応する音信号を生成し、生成した音信号を音出力装置18の駆動回路に送信する。
画像CPU105Baには、画像CPU105Baの実行する制御プログラムが記憶されている画像ROM105Bbが接続されており、画像CPU105Baの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。画像CPU105Baは、画像表示装置13に表示する、例えば背景、キャラクター、装飾図柄等の画像に係る画像データも予め記憶されている。また、画像CPU105Baは、生成した画像信号を展開して記憶させるRAM105Bcにも接続されている。
なお、画像CPU105Baは、画像表示装置13に対して、背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、装飾図柄画像、キャラクター画像は、画像表示装置13の表示画面上において重畳表示される。すなわち、装飾図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先して画像RAM105Bcに記憶させる。
一方、音CPU105Caにも、音CPU105Caの実行する制御プログラムが記憶されている音声ROM105Cbが接続されており、音声105Caの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。音105Caには、音出力装置18から出力される音の音データも予め記憶されている。また、音CPU105Caは、生成した音信号を展開して記憶する音声RAM105Ccにも接続されている。
遊技情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部信号を遊技店のホールコンピュータ及び遊技情報表示装置700に伝達するための中継的な基板である。本実施形態においては、遊技情報出力端子板108は出力側で遊技情報表示装置700にのみ直接接続されており、遊技情報表示装置700を介してホールコンピュータに接続されている。遊技情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続され、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
なお、本実施の形態では遊技情報出力端子板108は遊技情報表示装置700を介してホールコンピュータに接続されているが、遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータの双方に接続される構成でもよい。また、遊技情報出力端子板108はホールコンピュータを介して遊技情報表示装置700に接続される構成でもよい。
払出情報出力端子板109は、払出制御基板103において生成された、賞球払出個数を示す賞球要求信号及び貸し球払出個数を示す球貸要求信号をホールコンピュータに出力するための中継的な基板である。本実施形態においては、払出情報出力端子板109も遊技情報表示装置700を介してホールコンピュータに接続されている。払出情報出力端子板109は、払出制御基板103と配線接続され、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
なお、本実施の形態では払出情報出力端子板109は遊技情報表示装置700を介してホールコンピュータに接続されているが、払出情報出力端子板109から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータの双方に接続される構成でもよい。また、払出情報出力端子板109はホールコンピュータを介して遊技情報表示装置700に接続される構成でもよい。
電源基板107は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており(図示せず)、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
次に、図5〜図7を参照して、メインROM101bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図5(a−1)(a−2)は、大当たり判定テーブルの一例を示す図である。
図5(a−1)は、第1始動口9への入球を契機に行われる大当たり判定において参照されるテーブル(図において第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブル)であり、図5(a−2)は、第2始動口10への入球を契機に行われる大当たり判定において参照されるテーブルである(図において第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブル)。
いずれの大当たり判定テーブルも、後述する大当たりの当選確率が相対的に低い遊技条件(以下、低確率という)のときに参照される大当たり判定テーブルと、大当たりの当選確率が相対的に高い遊技条件(以下、高確率という)のときに参照される大当たり判定テーブルとで構成されている。つまり、大当たりの当選確率に関する遊技状態に基づいて大当たり判定テーブルが異なる。選択された大当たり判定テーブルに抽出された大当たり判定用乱数値を照合して、「大当たり」、「小当たり」又は「ハズレ」のいずれであるかが判定される。図5(a−1)のテーブルと図5(a−2)のテーブルとでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たりの当選確率は同一である。
たとえば、図5(a−1)に示す低確率における第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブル(以下、低確率第1大当たり判定テーブルという)によれば、897〜899の3つの大当たり判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率における第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブル(以下、高確率第1大当たり判定テーブルという)によれば870〜899の30個の大当たり判定用乱数値が大当たりと判定される。また、いずれの第1大当たり判定テーブルを用いても大当たり判定用乱数値が0〜2であった場合には「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
本実施の形態において、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜899であるから、低確率時に大当たりと判定される確率は1/300であり、高確率時に大当たりと判定される確率は1/30である。また、小当たりと判定される確率は、低確率と高確率時ともに1/300となる。
図5(b−1)〜(b−4)は、特別図柄判定テーブルの一例を示す図である。
特別図柄判定テーブルも遊技球が入球する始動口9、10ごとに設けられ、図5(b−1)は、第1始動口9への入球を契機に行われる大当たり判定の結果が「大当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル(図において大当たり時の第1特別図柄表示装置用の特別図柄判定テーブル)であり、図5(b−2)は、第2始動口10への入球を契機に行われる大当たり判定の結果が「大当たり」である場合の図柄判定において参照されるテーブル(図において大当たり時の第2特別図柄表示装置用の図柄判定テーブル)である。また、図5(b−3)は、遊技球が入球する始動口の種類にかかわらず、大当たり判定の結果が「小当たり」である場合の特別図柄判定において参照される特別図柄判定テーブルである。選択された特別図柄判定テーブルに、抽出された特別図柄判定用乱数値を照合して、特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定する。
そして、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、特別遊技の種類(図において大入賞口作動態様)や特別遊技終了後の遊技条件に関連付けられた遊技条件データが決定される。
図6(a)は、大当り遊技終了後の遊技条件を決定するために参照される遊技条件データの決定テーブルであり、特別図柄の種類(停止図柄データ)と、遊技条件データとの関係を表したものである。図6(b)は、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技の残り変動回数(X)の設定、時短遊技フラグの設定、時短遊技の残り変動回数(J)の設定を行うためのテーブルであり、遊技条件データと、大当り遊技終了後の遊技条件の種類及びその遊技条件に係る特別図柄の変動表示の残りの実行回数との関係を表したものである。図6(c)のテーブルは、大当たり遊技を構成するラウンド遊技が行われる回数やラウンド遊技番号に対応付けられる1回のラウンド遊技における大入賞口11の開放時間等で構成される特別遊技の種類(大入賞口11の作動態様)を決定するためのテーブルであり、特別図柄の種類(停止図柄データ)と、特別遊技の種類との関係を表したものである。
図7に示すテーブルは、図6(c)で決定された特別遊技の種類毎に設定された大入賞口11の作動制御を行う際に用いられる大入賞口11の作動態様決定テーブルである。具体的には、ラウンド遊技回数(R)、各ラウンド遊技における大入賞口11の開放回数(K)、各大入賞口開放における大入賞口11の開放時間(s)、大入賞口11の閉鎖時間(s)が格納されている。
ここで、図7(b)の短当たり用作動態様決定テーブルと図7(c)の小当たり用作動態様決定テーブルとは、ラウンド遊技回数(R)について相違するものの、大入賞口11の開放回数(大入賞口開閉扉11bの開閉動作の回数)は同一の15回であり、開放時間(0.1秒)及び閉鎖時間(1.0秒)も同一であるから、遊技者は外見(大入賞口11の作動態様)から小当たり遊技であるのか短当たり遊技であるのか見分けることはできない。これにより、遊技者に小当たりであるのか短当たりであるのかということを推測させる楽しみを付与させることができる。ただし、まったく同じ開放時間や閉鎖時間を設定することに限られず、遊技者が小当たりであるのか短当たりであるのかを判別不能な差異であれば構わない。
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技条件について説明する。本実施形態においては、「低確率」又は「高確率」、且つ、「時短」又は「非時短」の遊技条件にて遊技が進行する。つまり、「低確率」且つ「時短」である場合と、「低確率」且つ「非時短」である場合とが存在することとなる。なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期(電源投入時(復旧時))の遊技条件は、「低確率」且つ「非時短」に設定されており、この2つの遊技条件が組み合わされた遊技状態を本実施形態においては「通常遊技条件」と称する。
本実施形態において「低確率」というのは、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/300に設定された遊技条件をいう。ここでいう大当たりの当選とは、後述する「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利を獲得することである。これに対して「高確率」というのは、上記大当たりの当選確率が1/30に設定された遊技条件をいう。したがって、「高確率」では、「低確率」よりも、「長当たり遊技」または「短当たり遊技」、すなわち大当たり遊技を実行する権利の獲得が容易となる。よって、遊技球の始動口への入球頻度が一定であれば、単位時間当たりにおける「大当たり」に当選し得る可能性が高くなるので、獲得できる賞球個数も多くなる。つまり、高確率は低確率より遊技利益が大きく、遊技者にとって有利である。
一方、「非時短」というのは、入賞ゲート8を遊技球が通過したことを条件として行われる補助遊技抽選に対応する普通図柄の変動表示おいて、その変動表示に要する時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選したときに行われる第2始動口10の開放の開放時間(始動口開閉装置Aの作動時間)が0.2秒と短く設定され、基本的には遊技者が適切な操作ハンドル3の操作で(第2始動口10を狙って)遊技球の発射を行っていても、遊技者が所持する遊技球の個数が減少していく遊技状態をいう。入賞ゲート8を遊技球が通過すると、補助遊技抽選が行われるが、遊技者にとってその抽選結果は、当該抽選が開始されてから29秒後に普通図柄の停止表示がおこなわれることによって報知される。そして、抽選結果が当たりであった場合には、その後、始動口開閉装置Aが約0.2秒間、第2の態様に制御される。
これに対して「時短」というのは、上記普通図柄の変動表示に要する時間が3秒と、「非時短」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選して行われる第2始動口10の開放の開放時間が3.5秒と、「非時短」よりも長く設定された遊技条件をいう。なお、本実施形態においては、補助遊技抽選において当たりに当選する確率を90%に設定しており、この当選確率は「非時短」および「時短遊」のいずれの遊技条件であっても変わらない。
したがって、「時短」においては、入賞ゲート8を遊技球が通過する限りにおいて、「非時短」よりも、始動口開閉装置Aが第2の態様に制御されやすくなり、遊技球が始動口10に入球し易くなる。つまり、遊技球の始動口への入球頻度が高くなるので、その分単位時間当たりの大当たりの抽選の実行回数が多くなる。大当たりの当選確率が一定であれば、単位時間当たりの大当たりの抽選の実行回数が多いほど、単位時間当たりにおける「大当たり」に当選し得る可能性も高くなるので、獲得できる賞球個数も多くなる。つまり、時短は非時短より遊技利益が大きく、遊技者にとって有利である。
(「大当たり」の種類の説明)
本実施形態においては、大当たりの抽選において、少なくとも大入賞口11が遊技球が入球可能な態様で開放する大当たり遊技を実行する権利を獲得することを「大当たり」と称する。「大当たり」は大きく分けて「長当たり」、「短当たり」の2種類があるので、大当たりの抽選において、「長当たり」に当選すると長当たり遊技が実行され、「短当たり」に当選すると、短当たり遊技が実行される。
「長当たり遊技」においては、大入賞口11が開放されるラウンド遊技が合計で15回行われ、各ラウンド遊技において大入賞口11の開放時間の合計は最大で30秒に設定されている(図7(a)参照)。各ラウンド遊技における大入賞口11の開放回数は何回でも良いが、本実施の形態においては1回に設定されている。すなわち、「長当たり遊技」のラウンド遊技は全て、大入賞口11が複数の遊技球の入球が容易な態様で開放する第1のラウンド遊技で構成されている。したがって、長当たり遊技が実行されることによって、遊技者は所持する遊技球を容易に増やすことができる。なお、各ラウンド遊技中において大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了する。
「短当たり遊技」においては、大入賞口11が開放するラウンド遊技が合計で15回行われ、全ラウンド遊技を通した、各ラウンド遊技における最大開放時間の合計の合計が長当たり遊技より短く設定されている。各ラウンド遊技における大入賞口11の開放回数は何回でも良いが、本実施の形態では1回に設定されている。
短当たり遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口11の最大開放時間の合計が0.1秒に設定されている(図7(b)参照)。この間に大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、大入賞口11の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することは可能ではあるが困難であるので、遊技球が大入賞口11へ入球する可能性は低い。したがって、遊技者は短当たり遊技が実行されても、所持する遊技球の個数を増やすことは困難である。また、遊技球が入球したとしても、1回のラウンド遊技で入球できる遊技球はせいぜい1個〜2個程度であるので、大入賞口11が開放してから最大開放時間経過する前に閉鎖する可能性は極めて低い。
このように、大入賞口開閉装置Bの作動時間や作動回数、すなわち、大入賞口11の開放時間や開放回数は大当たり遊技の種類によって異なるが、遊技球の大入賞口11への入球によって賞球が得られることから、大入賞口開閉装置Bの作動態様は遊技者に与えられる遊技利益に大きく影響する。すなわち、例えば、長当たり遊技であれば、短当たり遊技に比して大入賞口開閉装置Bの作動時間が長い。よって、その分多くの遊技球を大入賞口11へ入球させて多くの賞球を得ることができ、遊技者が得られる遊技利益が大きくなる。
なお、これらの大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行回数、各ラウンド遊技における大入賞口11の開放時間、開放回数はこれらに限定されない。
本実施形態において「小当たり遊技」というのは、第1始動口9もしくは第2始動口10に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。ただし、大入賞口11に遊技球が入球した場合には、上記と同様に所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
「小当たり遊技」においても、上記「短当たり遊技」と同様、大入賞口11が15回開放する。すなわち、小当たり遊技中の大入賞口11の開放態様は、短当たり遊技の大入賞口11の開放態様と同一又は類似である。なお、大入賞口11の開放態様とは、大入賞口11の開放時間や開閉タイミングのことである。本実施の形態では、大入賞口11の0.1秒開放が15回、1.0秒のインターバルを介して実行される。
なお、「小当たり」というのは、第1始動口9もしくは第2始動口10に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得することである。「小当たり遊技」においても、「短当たり遊技」と同様、大入賞口11が15回開放される(図7(c)参照)。このときの大入賞口11の開放時間、閉鎖時間等による作動態様は、上記「短当たり遊技」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技」と「短当たり遊技」との判別を不能もしくは困難な程度に近似している。「小当たり遊技」においても、大入賞口11に遊技球が入球した場合には、上記と同様に所定個数(例えば14個の遊技球)の遊技球が賞球として払い出される。
「小当たり遊技」には、ラウンド遊技という概念がなく、小当たり遊技全体を通して所定個数(例えば、9個)入球すると、小当たり遊技の途中であっても大入賞口11が閉鎖され、当該遊技が終了する。なお、本実施形態においては、この「大当たり遊技」と「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
ところで、大当たりの抽選で「大当たり」に当選し、大当たり遊技が実行されると、遊技条件が変化する。すなわち、大当たり遊技を挟んで「大当たり」の当選確率に係る大当たりの抽選時の遊技条件から新しい遊技条件に移行する。ここで、「変化する(移行する)」には、「大当たり」に係る大当たりの抽選時と同一の遊技条件になることも含まれる。この場合、遊技条件は変化しないが、残りの特別図柄の変動表示の実行回数は一新される。したがって、この場合は「遊技条件が更新される」と言うこともできる。
上述した通り、遊技条件は2種類の遊技条件(高確率/低確率、且つ、時短/非時短)の組合せであり、大当たり遊技後にいずれの遊技条件に移行するかは、当選した大当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類によって決定される。大当たりの種類を構成する要素として、上述した大当たり遊技の種類(長当たり遊技・短当たり遊技)もある。したがって、これらを総合すると、大当たりの種類は、実行される大当たり遊技の種類と、当該大当たり遊技終了後に移行する遊技条件との組合せに対応する。本実施の形態において、大当たりの種類は図5(b−1)に示す、5種類(特定用特別図柄1〜3、通常用特別図柄1〜2)になる。
このように、「大当たり」は、予め設定された遊技利益に関連付けられて設定されている。遊技利益の種類として、大入賞口開閉装置Bの作動態様や単位時間当たりに大当たりが生起しうる回数がある。大入賞口開閉装置Bの作動態様を構成するものとして、大入賞口開閉装置Bの作動時間や作動回数、すなわち、大入賞口11の開放時間や開放回数があり、遊技球の大入賞口11への入球によって賞球が得られることから、大入賞口開閉装置Bの作動態様は遊技者に与えられる遊技利益に大きく影響する。すなわち、例えば、大入賞口開閉装置Bの作動時間が長く、作動回数が多くなればなるほど、その分多くの遊技球を大入賞口11へ入球させて多くの賞球を得ることができ、遊技利益が大きくなる。
一方、単位時間当たりに大当たりが生起しうる回数を構成するものとして、大当たりの当選確率や単位当たりにおける大当たりの抽選の実行回数がある。大当たりの抽選の実行回数は、さらに、始動口10の開放時間、普通図柄の変動表示に要する時間及び、補助遊技を獲得する確率がある。単位時間当たりに大当たりが生起し得る回数が多いということは、単位時間当たりに行われうる大当たり遊技の実行回数が多いということであるので、その分多くの賞球を得る可能性が高くなり、遊技利益が大きくなる。
一方、「小当たり」に当選した場合には、「小当たり遊技」の終了後に、「高確率」や「時短」等の遊技条件が変化することはない。例えば、「高確率」において「小当たり」に当選した場合には、「小当たり遊技」の終了後も「高確率」が継続する。
なお、本実施形態においては、上記「長当たり遊技」を「出玉有り遊技」と称し、「短当たり遊技」と、後述する「小当たり遊技」とを合わせて「出玉無し遊技」と称する。これは、長当たり遊技では、大入賞口11は、1回の長当たり遊技において、遊技者が所持する遊技球の個数を、長当たり遊技の前から増加させることが容易な程度開放するのに対して、「短当たり遊技」及び「小当たり遊技」では、大入賞口11は、遊技者が所持する遊技球の個数を維持することも困難な程度しか開放しないからである。ここで、遊技の名称に対応させて、「長当たり」を「出玉有り当たり」と称し、「短当たり」及び「小当たり」を「出玉無し当たり」という。
そして、メインCPU101aは、メインRAM101cの所定領域410にフラグを記憶することによって、現在いずれの特別遊技が実行されているかを把握するようにしている。
また、遊技状態がある遊技状態から他の遊技状態に変更するのは、上記特別遊技抽選の結果、「大当たり」に当選した場合である。本実施形態においては複数種類の「大当たり」が設けられており、当選した「大当たり」の種類に応じて、以後の遊技状態が変更する。以下に、本実施形態において設けられた「大当たり」について説明する。
(大当たりの種類の説明)
本実施形態においては、予め設定された遊技利益に基づいて「高確率時短長当たり」、「低確率時短長当たり」、「高確率時短短当たり」、「高確率非時短短当たり」および「低確率時短短当たり」の種類の大当たりが設けられている。
「高確率時短長当たり」というのは、3つの遊技利益を遊技者に付与する大当たりである。この「高確率時短長当たり」に当選すると、1つ目の遊技利益として、上記「長当たり遊技」が実行され、遊技者は所持していた遊技球の数を増加させることができるほど多量の賞球を獲得することが可能となる。そして、この「長当たり遊技」が終了すると、2つ目・3つ目の遊技利益として、「高確率」にて遊技が進行するとともに、「時短」にて遊技が進行する。また、時短になると、遊技球が第2始動口10に入球し易くなり、第2始動口10に遊技球が入球すると所定個数の賞球を獲得することができることから、遊技者が所持する遊技球の数の減少を抑えることができる。
「低確率時短長当たり」というのは、2つの遊技利益を遊技者に付与する大当たりである。この「低確率時短長当たり」に当選すると、1つ目の遊技利益として、上記「長当たり遊技」が実行され、上述したように遊技者は多量の賞球を獲得することが可能となる。また、「長当たり遊技」が終了すると、2つ目の遊技利益として、「時短」にて遊技が進行する。
「高確率時短短当たり」というのは、2つの遊技利益を遊技者に付与する大当たりである。この「高確率時短当たり」に当選すると、「短当たり遊技」が実行され、この「短当たり遊技」の終了後に、1つ目・2つ目の遊技利益として、「高確率」かつ「時短」にて遊技が進行する。
「高確率非時短短当たり」というのは、1つの遊技価値を遊技者に付与する大当たりである。上記「高確率時短短当たり」と同様に、「短当たり遊技」が実行され、「短当たり遊技」が終了した後、1つの遊技利益として「高確率」にて遊技が進行する。
「低確率時短短当たり」というのは、1つの遊技利益を遊技者に付与する大当たりである。この「低確率時短短当たり」に当選すると、1つ目の遊技利益として、この「短当たり遊技」の終了後に「時短」にて遊技が進行する。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図9を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
電源基板107により電源が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU101aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、電源投入に応じて、メインROM101bから起動プログラムを読み込むとともに、サブRAM101cの各記憶領域を初期化する処理を行う。
次いで、ステップS11において、メインCPU101aは、メインROM101bに記憶された、特定の大当たり当選確率に関する情報及びモード別の大当たり当選確率(図8参照)を有する特定大当たり当選確率コマンドを演出制御基板102に送信する。
ステップS20において、メインCPU101aは、変動パターン用乱数値、リーチ判定用乱数値等で構成される演出乱数の更新を行う。
ステップS30において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数、特別図柄判定用初期値乱数、当たり判定用初期値乱数等で構成される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図10を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU101aは、特別図柄の変動時間カウンタの更新処理、普通図柄の変動時間カウンタの更新処理、大入賞口開閉装置B(特別電動役物)の作動時間の更新処理、始動口開閉装置A(普通電動役物)の作動時間の更新処理などの特別遊技タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS120において、メインCPU101aは、大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数カウンタを+1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
ステップS130において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数カウンタ、特別図柄用初期値乱数カウンタ、当たり判定用初期値乱数カウンタを+1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU101aは、所定の検出スイッチが新たに有効にONされているか否か判定する入力制御処理を行う。詳しくは、図11を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU101aは、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20、第1特別図柄保留表示装置21、第2特別図柄保留表示装置22、大入賞口開閉装置Bの制御(特別図柄系制御)を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図12〜図19を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置21、普通図柄保留表示装置24、始動口開閉装置Aの制御(普通図柄系制御)を行うための普図普電制御処理を行う。詳しくは、図20〜図22用いて後述する。
ステップS500において、メインCPU101aは、払出制御処理を行う。
この処理において、メインCPU101aは、大入賞口11、第1始動口9、第2始動口10、一般入賞口7に対応する賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えている場合、それぞれの入賞口に対応する賞球個数を示す賞球要求信号を払出制御基板103に送信する。詳しくは、図23、図24を用いて後述する。
ステップS600において、メインCPU101aは、外部信号を遊技情報表示装置700等の外部装置に出力するための外部信号出力制御データ、始動口開閉ソレノイド10cや大入賞口開閉ソレノイド11cを駆動させるための駆動制御データ(始動口開閉ソレノイド駆動データ、大入賞口開閉ソレノイド駆動データ)、及び、図柄表示装置19〜21や保留表示装置22〜24に所定の図柄を表示させるための表示制御データ(特別図柄表示データ、普通図柄表示データ、特別図柄保留表示データ、普通図柄保留表示データ)のデータ作成処理を行う。詳しくは、図25、図26を用いて後述する。
ステップS700において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、駆動制御データに基づいて信号を出力させるポート出力処理を行う。また、第1特別図柄表示装置19、第2特別図柄表示装置20及び普通図柄表示装置21の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した表示制御データに基づいて信号出力する図柄表示装置出力処理を行う。さらに、メインRAM101cの送信バッファにセットされているコマンドを他の基板に送信するコマンド送信処理も行う。詳しくは、図27〜図28を用いて後述する。
ステップS800において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
図11を用いて、入力制御処理を説明する。
まず、ステップS201において、メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ7aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が一般入賞口7に入賞したか否かを判定する。有効な検出信号があればステップS202において、一般入賞口賞球カウンタを「1」加算して更新し、有効な検出信号がなければ、ステップS203に処理を移す。
次に、ステップS203において、メインCPU101aは、入賞ゲート検出センサ8aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が入賞ゲート8に入賞したか否かを判定する。有効な検出信号がなければステップS207に進み、有効な検出信号があればステップS204に進む。
そして、ステップS204において普通図柄保留カウンタのカウンタ値が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値が4以上であればステップS207に進み、カウンタ値が4より小さければ、普通図柄の変動表示を実行する権利が得られるので、ステップS205において普通図柄保留カウンタのカウンタ値を「1」加算して更新し、ステップS206において、当たり判定用乱数を取得すると共に、普通図柄保留記憶装置に記憶する。このとき、普通図柄保留表示装置24に表示される普通図柄保留数(G)を更新するために、その保留数を示す普通図柄保留表示データをRAM101cの所定領域にセットする。なお、当たり判定用乱数が本発明の補助遊技データを構成する。また、入力制御処理のステップS206を行うメインCPU101aが補助遊技データ取得手段を構成する。
次いで、ステップS207において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ9aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が第1始動口9に入賞したか否かを判定する。有効な検出信号がなければステップS213に進み、有効な検出信号があればステップS208において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新する。
そして、ステップS209において第1特別図柄保留カウンタのカウンタ値(U1)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値が4以上であればステップS213に進み、カウンタ値が4より小さければ、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られるので、ステップS210において特別図柄全体保留カウンタのカウンタ値(U)を「1」加算して更新し、テップS211において第1特別図柄保留カウンタのカウンタ値(U1)を「1」加算して更新する。
次いで、ステップS212において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ乱数等の所定の乱数を取得すると共に、特別図柄保留記憶装置に記憶する。このとき、第1特別図柄保留表示装置21に表示される第1特別図柄保留数(U1)を更新するために、その保留数を示す第1特別図柄保留表示データをRAM101cの所定領域にセットする。
次いで、ステップS213において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ10aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が第2始動口10に入賞したか否かを判定する。有効な検出信号がなければステップS219に進み、有効な検出信号があればステップS214において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新する。
そして、ステップS215において第2特別図柄保留カウンタのカウンタ値(U2)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値が4以上であればステップS219に進み、カウンタ値が4より小さければ、特別図柄の変動表示を実行する権利が得られるので、ステップS216において特別図柄全体保留カウンタのカウンタ値(U)を「1」加算して更新し、ステップS217において第2特別図柄保留カウンタのカウンタ値(U2)を「1」加算して更新する。
次いで、ステップS218において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ乱数等の所定の乱数を取得すると共に、特別図柄保留記憶装置に記憶する。このとき、第2特別図柄保留表示装置22に表示される第2特別図柄保留数(U2)を更新するために、その保留数を示す第2特別図柄保留表示データをRAM101cの所定領域にセットする。
次に、ステップS219において、メインCPU101aは、大入賞口検出センサ11aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、遊技球が大入賞口11に入賞したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該入力制御処理を終了しに、有効な検出信号があればステップS220において、大入賞口賞球カウンタのカウンタ値を「1」加算して更新し、ステップS221において、大入賞口ラウンド入球カウンタ値(C)のを「1」加算して更新する。
図13を用いて、特図特電制御処理を説明する。
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄変動処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄停止処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば大当たり遊技処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば小当り遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS350)に処理を移す。詳しくは、図13〜図19を用いて後述する。
図14を用いて、特別図柄変動処理を説明する。
まず、ステップS310−1において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=0であるか否かを判定する。特図特電処理データ=0でなければ、特別図柄変動処理を終了し、特図特電処理データ=0であればステップS310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば、ステップ310−7に処理を移し、特別図柄の変動表示中でなければ、ステップ310−3に処理を移す。
ステップS310−3において、メインCPU101aは、特別図柄の変動中ではない場合には、特別図柄保留カウンタのカウンタ値、すなわち特別図柄保留数(U)が1以上であるかを判断する。特別図柄保留数(U)が1以上でない場合には、ステップS319の客待ち設定処理に処理を移し、特別図柄保留数(U)が「1」以上であると判断した場合にはステップS310−4に処理を移す。
ここで、図14を用いて、客待ち設定処理を説明する。まず、ステップS319−1において、メインCPU101aは、客待ちフラグがONされているか否かを判定する。ここで当該フラグがONされていると判定されれば、当該客待ち設定処理を終了し、当該フラグがONされていないと判定されれば、ステップS319−2に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS319−2において、客待ちコマンドを送信バッファにセットし、ステップS319−3において、客待ちフラグをメインRAM101cの客待ちフラグ記憶領域にONする。
ステップS310−4において、メインCPU101aは、特別図柄保留カウンタのカウンタ値(U)、及び、当該処理に係る始動口の種類に対応する特別図柄保留カウンタのカウンタ値(U1orU2)から「1」を減算して更新する。
ステップS310−5において、メインCPU101aは、これから特別図柄の変動表示が実行されることから、客待ちフラグをOFFし、ステップS310−6において、特別図柄保留記憶装置に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、特別図柄保留記憶領域にある第0記憶部〜第8記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。例えば、第1記憶部に記憶されているデータは第0記憶部にシフトされ、第0記憶部に記憶されているデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値等が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データも停止図柄データ記憶領域から消去する。
データがシフトされることによって特別図柄保留数(U1oru2)が「1」減るので、特別図柄保留カウンタ値(U1orU2)を「1」減算すると共に、特別図柄保留表示装置22、23の表示内容を変更するために、特別図柄保留表示データをRAM101cの所定領域にセットする。
ステップS311において、メインCPU101aは、上記ステップS310−6においてシフトされた特別図柄保留記憶領域の第0記憶部にあるデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する。
ここで、図15を用いて、大当り判定処理を説明する。
ステップS311−1において、メインCPU101aは、特別図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶されている始動口の種類、すなわち、いずれの始動口への入球に基づく大当たり判定処理かを判断する。
ステップS311−1において第1始動口9と判断した場合、ステップS311−2において、メインCPU101aは、「第1特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブル」を選択する。一方、ステップS311−1において第2始動口10と判断した場合、ステップS311−3において、メインCPU101aは、「第2特別図柄表示装置用の大当たり判定テーブル」を選択する。
次に、ステップS311−4において、メインCPU101aは、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。
ステップS311−4において、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていると判断した場合には、ステップS311−5において、メインCPU101aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルに基づいて「高確率の第1第1大当たり判定テーブル」又は「高確率の第2大当たり判定テーブル」を選択する。一方、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判断した場合には、ステップS311−6において、メインCPU101aは、ステップS311−2又はステップS311−3で選択したテーブルに基づいて「低確率の第1大当たり判定テーブル」又は「低確率の第2大当たり判定テーブル」を選択する。
ステップS311−7において、メインCPU101aは、上記ステップS310−5においてシフトされた特別図柄保留記憶領域の第0記憶部にある特別図柄判定用乱数値を、上記ステップS311−5またはステップS311−6で選択された「高確率の大当たり判定テーブル」または「低確率の大当たり判定テーブル」に基づいて判定する。
ステップS311−8において、メインCPU101aは、上記ステップS311−7における大当たり判定の結果、大当たりと判定されたか否かを判定する。大当りと判定された場合には、ステップS311−9に処理を移し、大当りと判定されなかった場合には、ステップS311−17に処理を移す。
ステップS311−9において、メインCPU101aは、再び特別図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶されている始動口の種類、すなわち、いずれの始動口への入球に基づく大当たり判定処理かを判断する。
ステップS311−9において第1始動口9と判断した場合、ステップS311−10において、メインCPU101aは、「大当たり時の第1特別図柄表示装置用の特別図柄判定テーブル」を選択する。一方、ステップS311−9において第2始動口10と判断した場合、ステップS311−11において、メインCPU101aは、「大当たり時の大当たり時の第2特別図柄表示装置用の特別図柄判定テーブル」を選択する。
ステップS311−12において、メインCPU101aは、上記ステップS311−5またはステップS311−6で選択された「高確率大当たり判定テーブル」または「低確率大当たり数判定テーブル」を参照して、上記ステップS310−5においてシフトされた特別図柄保留記憶領域の第0記憶部にある特別図柄判定用乱数値を判定して、ステップS311−13において特別図柄の種類を決定して、決定した特別図柄の停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
なお、決定された特別図柄の停止図柄は、後述するように図16の特別図柄停止処理において「大当たり」か「小当たり」を決定するのに用いられ、図17の大当たり遊技処理や図18の小当たり遊技処理において大入賞口11の作動態様を決定するのに用いられ、図19の大当たり遊技終了処理において大当たり終了後の遊技条件を決定するために参照される遊技条件データを決定するのにも用いられる。また、図26の外部情報データ生成処理において大当たり当選を示す外部情報1及び高確率遊技状態へ移行することを示す外部情報2を生成する際にも用いられる。
ステップS311−14において、メインCPU101aは、演出制御基板102に特別図柄に対応するデータを送信するため、大当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
ステップS311−15において、メインCPU101aは、停止図柄データに基づいて、大当たり終了後の遊技条件を決定するために参照される遊技条件データを決定する。
具体的には、図6(a)に示す遊技条件データの決定テーブルを参照して、停止図柄データに基づいて、遊技条件データが決定される。
ステップS311−16において、メインCPU101aは、ステップS311−15において決定された遊条件データを遊技条件データ記憶領域にセットする。
ステップS311−17において、メインCPU101aは、上記テップS311−8において大当りと判定されなかった場合には、小当たりと判定されたか否かの判定を行う。小当りと判定された場合には、ステップS311−18に処理を移し、小当りと判定されなかった場合には、ステップS311−21に処理を移す。
ステップS311−18において、メインCPU101aは、上記ステップS310−5においてシフトされた特別図柄保留記憶領域の第0記憶部にある特別図柄判定用乱数値を判定して、特別図柄の種類を決定する。
具体的には、図5(b−3)の小当たり時の図柄決定テーブルを参照して、小当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類を決定する。なお、本実施形態においては、「小当たり」の種類として「小当たり1」と「小当たり2」とが設けられている。ただし、いずれの「小当たり」に当選しても、その後に実行される小当たり遊技の内容は全く同一であり、「小当たり1」と「小当たり2」とでは、特別図柄表示装置19,20に停止表示される特別図柄のみが異なる。
ステップS311−19において、メインCPU101aは、決定された特別図柄の種類を示す停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS311−20において、メインCPU101aは、演出制御基板102に特別図柄に対応するデータを送信するため、小当たり用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
ステップS311−21において、メインCPU101aは、ハズレ用の特別図柄を決定して、決定したハズレ用の停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS311−22において、メインCPU101aは、演出制御基板102に特別図柄に対応するデータを送信するため、ハズレ用の特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
上記のようにして大当たり判定処理が終了したら、図13に示す特別図柄変動処理に説明を戻して、ステップS312の説明を行う。ステップS312においては、メインCPU101aは、変動パターン選択処理を行う。
変動パターン選択処理は、変動パターン用乱数値及びリーチ判定用乱数値を取得して、大当たり判定結果、特別図柄判定結果、変動パターン用乱数値及びリーチ判定用乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。
ステップS313において、メインCPU101aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを送信バッファにセットする。この変動パターン指定コマンドには、少なくとも「大当たり」「小当たり」「ハズレ」の大当たりの判定結果に係る情報と、特別図柄の変動時間および演出の態様(リーチ有り演出かリーチ無し演出か)とに係る情報を有している。
ステップS314において、メインCPU101aは、変動開始時の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを送信バッファにセットする。
ステップS315において、メインCPU101aは、変動時間カウンタに上記ステップS312において決定した変動パターンに基づく変動時間(カウンタ値)を変動時間カウンタにセットする。なお、変動時間カウンタは上記S110において4ms毎に減算処理されていく。
ステップS316において、メインCPU101aは、特別図柄表示装置19または20において特別図柄の変動表示を行うために特別図柄変動表示データをセットする。つまり、作動させる特別図柄表示装置の種類、変動表示の態様(本実施の形態では、7セグメントにおいて「―」を点滅させる態様であって、例えば0.5秒点灯と0.5秒消灯を繰り返す)、変動時間等による情報を有する特別図柄変動表示用データをセットする。ここで、変動時間は、ステップS312において決定された変動パターンに基づく変動時間となる。ステップS317において、これから特別図柄の変動表示が実行されることを演出制御基板102に認識させるために、特別図柄作動開始コマンドを送信バッファにセットする。
ステップS310−7において、メインCPU101aは、ステップS316においてセットされた変動時間が経過したか否か(変動時間カウンタ=0か?)を判断する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
次いで、メインCPU101aは、ステップS310−7において、セットされた時間を経過したと判断した場合には、当該特別図柄の変動表示を終了すると共に、ステップS310−8において当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(大当たり判定処理)において、上記ステップS311−13、S311−19、S311−21でセットされた特別図柄に基づき特別図柄表示装置19,20に停止表示するために特別図柄停止表示データをセットする。これにより、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
ステップS310−9において、これで特別図柄の変動表示が終了することを演出制御基板102に認識させるために、特別図柄作動終了コマンドを送信バッファにセットする。ステップS318において、メインCPU101aは、特図特電処理データに1をセットし、図16に示す特別図柄停止処理に処理を移す。
図15を用いて、特別図柄停止処理を説明する。
まず、ステップS320−1において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=1であるか否かを判定する。特図特電処理データ=1でなければ、特別図柄停止処理を終了し、特図特電処理データ=1であればステップS320−2に処理を移す。
ステップS320−2において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合である。時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS320−3に処理を移し、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS320−6に処理を移す。
ステップS320−3において、メインCPU101aは、現在の遊技条件が時短である場合には、時短の残り変動回数(J)記憶領域に記憶されている(J)から「1」を減算した演算値を、新たな残り変動回数(J)として記憶する。
ステップS320−4において、メインCPU101aは、残り変動回数(J)=0か否かを判定する。残り変動回数(J)=0であれば、ステップS320−5に処理を移し、残り変動回数(J)=0でなければ、ステップS320−6に処理を移す。
ステップS320−5において、メインCPU101aは、残り変動回数(J)=0の場合には、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記残り変動回数(J)が「0」になるということは、時短における特別図柄の変動表示が所定回数行われ、時短が終了することを意味する。
ステップS320−6において、メインCPU101aは、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合には、ステップS320−7に処理を移し、高確率遊技フラグ記憶領域にフラグがOFFされている場合には、ステップS320−10に処理を移す。
ステップS320−7において、メインCPU101aは、現在の遊技条件が高確率である場合には、高確率の残り変動回数(X)記憶領域に記憶されている(X)から「1」を減算した演算値を、新たな残り変動回数(X)として記憶する。
ステップS320−8において、メインCPU101aは、残り変動回数(X)=0であるか否かを判定する。残り変動回数(X)=0であると判定された場合には、ステップS320−9に処理を移し、残り変動回数(X)=0でないと判定された場合には、ステップS320−10に処理を移す。
ステップS320−9において、メインCPU101aは、残り変動回数(X)=0の場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFする。なお、上記残り変動回数(X)が「0」になるということは、高確率遊技状態における特別図柄の変動表示が所定回数行われ、高確率が終了することを意味する。
ステップS320−10において、メインCPU101aは、現在の遊技条件を確認し、遊技状態指定コマンドを送信バッファにセットする。
ステップS320−11において、メインCPU101aは、大当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが大当たり図柄(停止図柄データ=01〜08)であるか否かを判定する。ここで、大当たり図柄と判定された場合には、ステップS320−15に処理を移し、大当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS320−12に処理を移す。
ステップS320−12において、メインCPU101aは、小当たりであるか否かを判定する。具体的には停止図柄データ記憶領域に記憶されている停止図柄データが小当たり図柄(停止図柄データ=09、10)であるか否かを判定する。ここで、小当たり図柄と判定された場合には、ステップS320−13に処理を移し、小当たり図柄と判定されなかった場合には、ステップS320−14に処理を移す。
ステップS320−15において、メインCPU101aは、遊技条件や実行回数をリセットする。具体的には、高確率フラグ記憶領域、高確率の残り変動回数(X)記憶領域、時短フラグ記憶領域、時短の残り変動回数(J)記憶領域にあるデータをクリアする
ステップS320−13において、メインCPU101aは、特図特電処理データに3をセットし、図18に示す小当たり遊技処理に処理を移す。
ステップS320−14において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図13に示す特別図柄変動処理に処理を移す。
ステップS320−16において、メインCPU101aは、特図特電処理データに2をセットし、図17に示す大当たり遊技処理に処理を移す。
図17を用いて、大当たり遊技処理を説明する。
まず、ステップS330−1において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=2であるか否かを判定する。特図特電処理データ2でなければ、大当たり遊技処理を終了し、特図特電処理データ=2であればステップS330−2に処理を移す。
ステップS330−2において、メインCPU101aは、オープニングコマンドが既に送信されているか否かを判断する。オープニングコマンドが送信されていないと判断した場合には、ステップS330−3に処理を移し、オープニングコマンドが送信されたと判断した場合には、ステップS330−6に処理を移す。
ステップS330−3において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、いずれの大当たりであるかを判断し、大当たりの種類に応じたオープニングコマンドを送信バッファにセットする。
ステップS330−4において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、いずれの大当たりであるかを判断し、大当たりの種類に応じたオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS330−5において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、いずれの大当たりであるかを判断し、大当たりの種類に応じた大入賞口開閉装置(特別電動役物)作動態様決定テーブルを選択すると共に、メインRAM101cの所定領域にセットする。
具体的には、停止図柄データに応じて、長当たり用大入賞口開閉装置作動態様判定テーブル(図7(a))又は短当たり用大入賞口開閉装置作動態様判定テーブル(図7(b))のいずれかをRAM101cの所定領域にセットする。
ステップS330−6において、メインCPU101aは、既にオープニングコマンドが送信されていると判断した場合には、現在オープニング中であるか否かを判断する。現在オープニング中であると判断した場合には、ステップS330−7に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には、S330−14に処理を移す。
ステップS330−7において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判断し、特別遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判断する。また、後述するように、ステップ330−14において大入賞口閉鎖中と判断され、ステップS330−7において設定された閉鎖時間が経過したか否かも判断される。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判断される。
その結果、設定時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行し、設定時間を経過している場合にはステップS330−8に処理を移す。
メインCPU101aは、ステップS330−8において、開放回数(K)=0か否かを判定する。その結果、開放回数(K)=0ではないと判断した場合には、ステップS330−11に処理を移す。
ステップS330−8において開放回数(K)=0と判断した場合には、これからラウンド遊技が開始されるということであるので、メインCPU101aは、ステップS330−9において、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。なお、現在オープニング中であり、かつ、設定されたオープニング時間を経過したと判断した場合には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域には「1」を記憶することとなる。
ステップS330−10において、メインCPU101aは、ラウンド遊技が開始する旨の情報を演出制御基板102に送信すべく、ラウンド開始コマンドをセットする。なお、大当たり遊技において演出制御基板102がラウンド開始コマンドを受信すると、例えば「第5ラウンド」といった具合に演出用の表示が行われる。
ステップS330−11において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に、記憶されている現在の開放回数(K)に「1」を加算して記憶する。
ステップS330−12において、メインCPU101aは、大入賞口開閉扉11bを動かして大入賞口11を開放するために、大入賞口開閉ソレノイド11c通電開始データをセットする。
ステップS330−13において、メインCPU101aは、上記ステップ330−5において決定された大入賞口開閉装置作動態様判定テーブル(図7(a)、(b))を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、大入賞口11の開放時間を開放タイマカウンタにセットする。なお、開放タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS330−14において、メインCPU101aは、大入賞口11が閉鎖中であるか否かを判断する。大入賞口11が閉鎖中と判断された場合には、上記ステップS330−7において、予め設定された閉鎖時間を経過したか否かを判断する。また、大入賞口11が閉鎖中でないと判断された場合には、ステップS330−15に処理を移す。
ステップS330−15において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS330−27に処理を移し、エンディング時間を経過したか否かが判断され、現在エンディング中でないと判断した場合には、ステップS330−15に処理が移される。
ステップS330−16において、メインCPU101aは、設定された開放時間を経過したか否か(開放タイマカウンタ=0となったか否か)を判断する。
その結果、設定された開放時間を経過した場合には、ステップS330−20に処理を移し、設定された開放時間を経過していない場合には、ステップS330−19に処理を移す。
ステップS330−17において、大入賞口ラウンド入球カウンタ(C)のカウンタ値が所定個数(例えば、9個)に達したか否かを判定する。
その結果、所定個数に達していないと判断した場合、当該大当たり遊技処理を終了し、所定個数に達していると判断した場合、ステップS330−18に処理を移す。
ステップS330−18において、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止して大入賞口11を閉鎖するために、大入賞口開閉ソレノイド通電停止データをセットする。
ステップS330−19において、メインCPU101aは、開放回数(K)が1ラウンドあたりの最大開放回数であるか否かを判定する。具体的には、図6(a)、(b)、に示すように、本実施の形態では、いずれの大当たり遊技(長当たり遊技、短当たり遊技)のときにも、1ラウンド遊技あたりの最大開放回数は1回となっているので、大入賞口11が1回開放すると、そのラウンド遊技は終了することになる。ここで、開放回数(K)が1ラウンドあたりの最大開放回数でなければ、ステップS330−20に処理を移し、開放回数(K)が1ラウンドあたりの最大開放回数であれば、ステップS330−21に処理を移す。
ステップS330−21において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域をクリアし、ステップS330−22において、ラウンド大入賞口入球カウンタをクリアし、そのカウンタ値(C)を「0」にする。
ステップS330−23において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判断する。ラウンド遊技回数(R)が最大である場合には、ステップS330−24に処理を移し、ラウンド遊技回数(R)が最大でない場合には、ステップS330−20に処理を移す。
ステップS330−20において、メインCPU101aは、上記ステップ330−5においてセットされた大入賞口作動態様決定テーブル(図7(a)、(b))を参照して、現在のラウンド遊技回数(R)及び開放回数(K)に基づいて、大入賞口11の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
ステップS330−24において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
ステップS330−25において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、いずれの大当たりであるかを判断し、大当たりの種別に応じたエンディングコマンドを演出制御基板102に送信するために送信バッファにセットする。
ステップS330−26において、メインCPU101aは、停止図柄データに応じて、いずれの大当たりであるかを判断し、大当たりの種別に応じたエンディング時間をエンディングタイマカウンタにセットする。なお、エンディングタイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS330−27において、メインCPU101aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断し、設定時間を経過したと判断した場合には、ステップS330−28において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=4をセットし、図16に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。一方、設定時間を経過していないと判断した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
図18を用いて、大当たり遊技終了処理を説明する。まず、ステップS360−1において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=4であるか否かを判定する。特図特電処理データ=4でなければ、大当たり遊技終了処理を終了し、特図特電処理データ=4であればステップS360−2に処理を移す。
ステップS360−2において、メインCPU101aは、上記ステップS311−10において遊技条件データ記憶領域にセットされた遊技条件データをロードする。
ステップS360−3において、図6(b)に示す遊技条件決定テーブルを参照し、図6(a)に示す遊技条件データの決定テーブルを参照し、上記S360−2においてロードした遊技条件データに基づいて、高確率遊技フラグ記憶領域に高確率フラグをセットさせるか否かの処理を行う。
例えば、遊技条件データは、前部と後部で構成されており、前部は当該大当たり遊技終了後に高確率に移行するか否か、後部は当該大当たり終了後に時短に移行するか否かの情報を示す。具体的には、前部が「01H」の場合は高確率に移行することを表し、「00H」の場合は低確率に移行することを表している。一方、後部が「01H」の場合は時短に移行することを表し、「00H」の場合は非時短に移行することを表している。
ステップS360−4において、図6(b)に示す遊技条件決定テーブルを参照し、上記S360−2においてロードした遊技条件データに基づいて、高確率の残り変動回数(X)記憶領域に所定の回数をセットする。例えば、遊技条件データが01H01Hであれば、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域に10000回をセットする。
ステップS360−5において、図6(b)に示す遊技条件決定テーブルを参照し、上記S360−2においてロードした遊技条件データに基づいて、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットさせるか否かの処理を行う。遊技条件データが01H01H又は00H01Hであれば、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグをセットする。
ステップS360−6において、図6(b)に示す遊技条件決定テーブルを参照し、上記S360−2においてロードした遊技条件データに基づいて、時短遊技の残り変動回数(J)記憶領域に所定の回数をセットさせる。例えば、遊技条件データが01H01Hであれば、時短の残り変動回数(J)記憶領域に10000回をセットする。
ステップS360−7において、メインCPU101aは、遊技状態・遊技条件を確認し、遊技状態指定コマンドを送信バッファにセットする。
ステップS360−8において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図13に示す特別図柄変動処理に処理を移す。
図17を用いて、小当たり遊技処理を説明する。
まず、ステップS350−1において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=3であるか否かを判定する。特図特電処理データ=3でなければ、小当たり遊技処理を終了し、特図特電処理データ=3であればステップS350−2に処理を移す。
ステップS350−2において、メインCPU101aは、オープニングコマンドが既に送信されているか否かを判断する。オープニングコマンドが送信されていないと判断した場合には、ステップS350−3に処理を移し、オープニングコマンドが送信されたと判断した場合には、ステップS350−6に処理を移す。
ステップS350−3において、メインCPU101aは、小当たり用オープニングコマンドを送信バッファにセットする。
ステップS350−4において、メインCPU101aは、オープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS350−5において、メインCPU101aは、小当たり用大入賞口作動態様決定テーブル(図7(c))を決定する。
ステップS350−6において、メインCPU101aは、既にオープニングコマンドが送信されていると判断した場合には、現在オープニング中であるか否かを判断する。現在オープニング中であると判断した場合には、ステップS350−7に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には、S350−11に処理を移す。
ステップS350−6において、現在オープニング中であると判断した場合には、ステップS350−7において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。すなわち、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判断し、オープニングタイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判断する。また、後述するように、ステップ350−11において大入賞口11の閉鎖中と判断され、ステップS350−7において設定された閉鎖時間が経過したか否かも判断される。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判断される。
その結果、設定時間を経過していない場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行し、設定時間を経過している場合にはステップS350−8に処理を移す。
ステップS350−8において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に、記憶されている現在の作動回数(K)に「1」を加算して記憶する。
ステップS350−9において、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を開始するために、大入賞口開閉ソレノイド通電開始データをセットする。
ステップS350−10において、メインCPU101aは、上記ステップ350−5において決定された小当たり用大入賞口作動態様決定テーブル(図7(c))を参照して、開放回数(K)に基づいて、大入賞口11の開放時間を開放タイマカウンタにセットする。なお、開放タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS350−11において、メインCPU101aは、大入賞口11が閉鎖中であるか否かを判断する。閉鎖中と判断された場合には、上記ステップS350−7において、閉鎖時間を経過したか否かを判断する。また、大入賞口11の閉鎖中でないと判断された場合には、ステップS350−12に処理を移す。
ステップS350−12において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判断する。現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS350−22において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断され、現在エンディング中でないと判断した場合には、ステップS350−13に処理が移される。
ステップS350−13において、メインCPU101aは、設定された開放時間を経過したか否か(開放タイマカウンタ=0となったか否か)を判断する。
その結果、設定された開放時間を経過した場合には、ステップS350−15に処理を移し、設定された開放時間を経過していない場合には、ステップS350−14に処理を移す。
ステップS350−14において、ラウンド入球カウンタ(C)のカウンタ値が所定個数(9個)に達したか否かを判定する。
その結果、所定個数に達していないと判断した場合、当該大当たり遊技処理を終了し、所定個数に達していると判断した場合、ステップS350−15に移る。
ステップS350−15において、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止するために、大入賞口ソレノイド通電停止データをセットする。これにより、大入賞口11が閉鎖することになる。
ステップS350−16において、メインCPU101aは、開放回数(K)が1ラウンドあたりの最大開放回数であるか否かを判定する。ここで、開放回数(K)が1ラウンドあたりの最大開放回数でなければ、ステップS350−17に処理を移し、開放回数(K)が最大開放回数であれば、ステップS350−18に処理を移す。
具体的には、図7(c)に示すように、本実施の形態では、「小当たり」のときは、最大開放回数は15回となっている。
ステップS350−17において、メインCPU101aは、上記ステップ350−5において決定された小当たり用大入賞口作動態様決定テーブル(図7(c))を参照して、開放回数(K)に基づいて、閉鎖時間を閉鎖タイマカウンタセットする。なお、閉鎖タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS350−16において、開放回数(K)が最大に達したと判断した場合には、ステップS350−18において、メインCPU101aは、開放回数(K)記憶領域に記憶された開放回数(K)をリセットする。
ステップS350−19において、メインCPU101aは、ラウンド入球カウンタ(C)をクリアする。
ステップS350−20において、メインCPU101aは、小当たり遊技終了の情報を演出制御基板102に送信するためにエンディングコマンドを送信バッファにセットする。
ステップS350−21において、メインCPU101aは、メインRAM101cのエンディングタイマカウンタに、エンディングに要する時間すなわちエンディング時間に対応するカウンタをセットする。なお、エンディングタイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS350−22において、メインCPU101aは、エンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定し場合には、ステップS350−23において特図特電処理データに0をセットし、図13に示す特別図柄変動処理に処理を移す。一方、ステップS350−22において、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、そのまま小当たり遊技処理を終了する。
図20を用いて、普図普電制御処理を説明する。
まず、ステップS401において普図普電処理データの値をロードし、ステップS401においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば普通図柄変動処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データタ=1であれば普通電動役物制御処理(ステップS420)に処理を移す。詳しくは、図21、図22を用いて後述する。
図20を用いて、普通図柄変動処理を説明する。
まず、ステップS410−1において、メインCPU101aは、普図普電処理データ=0であるか否かを判定する。普図普電処理データ=0でなければ、普通図柄変動処理を終了し、特図特電処理データ=0であればステップS410−2に処理を移す。
ステップS410−2において、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する。
ステップS410−3において、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示中でない場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶された普通図柄の保留数(G)が1以上であるかを判断する。保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動処理を終了する。
ステップS410−4において、メインCPU101aは、ステップS410−3において、普通図柄の保留数(G)が「1」以上であると判断した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
ステップS410−5において、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第0記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。ここで、データのシフト(当該保留の消化)にともなって保留図柄保留表示装置24の表示内容を変更するために、具体的には現時点の普通図柄保留数(G)を表示するために普通図柄保留表示データをRAM101cの所定領域にセットする。
ステップS410−6において、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶された当たり乱数値の判定を行う。なお、複数の当たり乱数が記憶されている場合には、当該当たり乱数が記憶された順に読み出されるようにしている。そして、メインROM101bには、この当たり乱数の判定を行うテーブルが設けられており、当たり乱数判定プログラムは、読み出した乱数を上記のテーブルに照らし合わせて当たりか否かの判定を行う。例えば、上記テーブルによれば、「0」〜「250」の当たり乱数のうち、「0」〜「224」までの乱数が当たりと判定され、その他の乱数はハズレと判定される。つまり、本実施形態においては、普通図柄の当選確率が90%程度に設定されている。
ステップS410−7において、メインCPU101aは、上記ステップS206における当たり乱数の判定の結果を参照して、当たりと判定された場合には、ステップS410−8において当たり図柄がセットされ、ハズレと判定された場合にはステップS410−9においてハズレ図柄がセットされる。
ここでいう当たり図柄とは、上記普通図柄表示装置21において最終的にLEDによる点灯のことであり、ハズレ図柄とは最終的なLEDの消灯のことである。また、当たり図柄のセットとは、普通図柄表示装置21においてLEDを点灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることであり、ハズレ図柄のセットとは、普通図柄表示装置21においてLEDを消灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることである。
ステップS410−10において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされているか否かを判断する。時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされている場合というのは、遊技状態が時短遊技状態にあるときであり、上記フラグがONされていない場合というのは、遊技状態が非時短遊技状態にあるときである。
そして、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていると判断した場合には、ステップS410−11において普通図柄の変動時間カウンタに3秒に対応するカウンタをセットし、時短遊技フラグ記憶領域にフラグがONされていないと判断した場合には、ステップS410−12において普通図柄の変動時間カウンタに29秒に対応するカウンタをセットする。このステップS410−11またはステップS410−12の処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。なお、変動時間カウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS410−13において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置21において普通図柄の変動表示を行うために普通図柄変動表示データをセットする。つまり、変動表示の態様(本実施の形態では、LEDを所定の間隔で点滅させる態様であって、例えば0.2秒点灯と0.2秒消灯を繰り返す)、変動時間等による情報を有する普通図柄変動表示用データをセットする。ここで、変動時間は、ステップS410−11、又はステップS410−12においてセットされた変動時間となる。
ステップS410−14において、メインCPU101aは、演出制御基板102に対して普通図柄表示装置21が作動ことを示す情報を送信するため、普通図柄作動開始コマンドを送信バッファにセットし、普通図柄変動処理が終了する。
ステップS410−15において、メインCPU101aは、上記ステップS410−2において普通図柄の変動表示中であると判断した場合、設定された変動時間を経過したか否かを判断する。すなわち、セットされた変動時間カウンタが4ms毎に減算処理されていき、変動時間カウンタが0となっているか判定する。その結果、設定された変動時間を経過していないと判断した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、普通図柄変動処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
ステップS410−16において、メインCPU101aは、設定された変動時間を経過したと判断した場合には、普通図柄表示装置21における普通図柄の変動表示を終了させると共に、上記ステップS410−8、又は、S410−9でセットされた普通図柄に基づき普通図柄表示装置21に停止表示させるために普通図柄停止表示データをセットする。
メインCPU101aは、ステップS410−17において、演出制御基板102に対して普通図柄表示装置21の作動が終了することを示す情報を送信するため、普通図柄作動終了コマンドを送信バッファにセットする。
次いで、メインCPU101aは、ステップS410−18において設定されていた普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定し、設定されていた普通図柄が当たり図柄であった場合には、ステップS410−19において普図普電処理データ=1をセットし、普通電動役物制御処理に処理を移し、設定されていた普通図柄がハズレ図柄であった場合には、そのまま普通図柄変動処理を終了する。
図22を用いて、普通電動役物制御処理を説明する。
まず、ステップS420−1において、メインCPU101aは、普図普電処理データ=1であるか否かを判定する。普図普電処理データ=1でなければ、普通電動役物制御処理を終了し、普図普電処理データ=1であればステップS420−2に処理を移す。
ステップS420−2において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがONされているか否かを判断する。
ステップS420−3において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがONされていると判定した場合、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、普電開放時間カウンタに3.5秒に対応するカウンタをセットする。
ステップS420−4において、メインCPU101aは、時短遊技フラグ記憶領域に時短遊技フラグがONされていないと判定した場合には、普電開放時間カウンタに0.2秒に対応するカウンタをセットする。
ここで、普電開放時間というのは、第2始動口10の一対の可動片10bを第2の態様に制御する時間のことである。また、普電開放時間カウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
ステップS420−5において、メインCPU101aは、始動口開閉ソレノイド10cに通電を開始するために、始動口開閉ソレノイド通電開始データをセットする。
ステップS420−6において、メインCPU101aは、演出制御基板102に始動口開閉ソレノイド10cが作動している情報を送信するため、普通電動役物作動開始コマンドを送信バッファにセットする。
ステップS420−7において、メインCPU101aは、設定された普電開放時間を経過したか否かを判断する。すなわち、普電開放時間カウンタが4ms毎に減算処理されていき、普電開放時間カウンタ=0となったか否かを判定する。
ステップS420−8において、メインCPU101aは、設定された普電開放時間を経過したと判定されている場合には、始動口開閉ソレノイド10cの通電を停止するために、始動口開閉ソレノイド通電終了データをセットする。このデータに基づいて、第2始動口10は第1の態様に復帰し、再び遊技球の入球が不可能または困難となり、実行されていた補助遊技が終了することとなる。
ステップS420−9において、メインCPU101aは、普図普電処理データ=0をセットし、図21の普通図柄変動処理に処理を移すようにする。
ステップS420−10において、メインCPU101aは、演出制御基板102に始動口開閉ソレノイド10cの作動が終了した情報を送信するため、普通電動役物作動終了コマンドを送信バッファにセットする。この処理を終えると、普通電動役物制御処理は終了する。
図23、図24を用いて、払出制御処理を説明する。
まず、ステップS510において、メインCPU101aは、大入賞口賞球カウンタ>0か否かを判定する。その結果、大入賞口賞球カウンタ>0と判断された場合、メインCPU101aは、ステップS511において、賞球要求信号を構成する大入賞口払出信号を払出制御基板103に出力し、ステップS512において大入賞口カウンタを「1」減算し、当該払出処理を終了する。「大入賞口払出信号」は、大入賞口11への入球に対応する賞球個数(例えば、14個)(図24参照)についての情報を有しており、払出制御基板103は、大入賞口払出信号(賞球要求信号)に基づいて所定個数(14個)の賞球を払い出す。なお、ステップS510において、大入賞口賞球カウンタ>0ではないと判断された場合、すなわち、大入賞口賞球カウンタ=0と判断された場合、メインCPU101aは、ステップS513に処理を移す。
次いで、ステップS513において、メインCPU101aは、一般入賞口賞球カウンタ>0か否かを判定する。その結果、一般入賞口賞球カウンタ>0と判断された場合、メインCPU101aは、ステップS514において、賞球要求信号を構成する一般入賞口払出信号を払出制御基板103に出力し、ステップS515において一般入賞口カウンタを「1」減算し、当該払出処理を終了する。「一般入賞口払出信号」は、一般入賞口7への入球に対応する賞球個数(例えば、10個)(図24参照)についての情報を有する。なお、ステップS513において、一般入賞口賞球カウンタ>0ではないと判断された場合、すなわち、一般入賞口賞球カウンタ=0と判断された場合、メインCPU101aは、ステップS516に処理を移す。
次いで、ステップS516において、メインCPU101aは、始動口賞球カウンタ>0か否かを判定する。その結果、始動口賞球カウンタ>0と判断された場合、メインCPU101aは、ステップS517において、賞球要求信号を構成する始動口払出信号を払出制御基板103に出力し、ステップS518において始動口賞球カウンタを「1」減算し、当該払出処理を終了する。「始動口払出信号」は、始動口9、10への入球に対応する賞球個数(例えば、3個)(図24参照)についての情報を有する。
なお、ステップS516において、始動口賞球カウンタ>0ではないと判断された場合、すなわち、始動口賞球カウンタ=0と判断された場合、メインCPU101aは、当該払出制御処理を終了する。また、本実施の形態では、第1始動口9、第2始動口10へ遊技球が入球したことによって払い出される賞球個数は同一であるので、各始動口への入球に基づく賞球に対応する賞球カウンタが共有されているが、賞球個数が異なる場合には、始動口の種類に対応する賞球カウンタが設けられているようにしてもよい。
図25を用いて、データ作成処理を説明する。
ステップS611において、メインCPU101aは、普通電動役物制御処理でセットされた始動口開閉ソレノイド駆動データ(始動口開閉ソレノイド通電開始データ、始動口開閉ソレノイド通電終了データ)に基づいて、始動口開閉ソレノイド10cを駆動制御して第2始動口10を開放状態または閉鎖状態にするためにポート出力される駆動信号に対応する駆動制御データを作成する。
ステップS612において、メインCPU101aは、大当たり遊技処理又は小当たり遊技処理でセットされた大入賞口開閉ソレノイド駆動データ(大入賞口開閉ソレノイド通電開始データ、大入賞口開閉ソレノイド通電終了データ)に基づいて、大入賞口開閉ソレノイド11cを駆動制御して大入賞口11を開放状態または閉鎖状態にするためにポート出力される駆動信号に対応する駆動制御データを作成する。
ステップS613において、メインCPU101aは、特別図柄変動処理でセットされた特別図柄表示データ(特別図柄変動表示データ、特別図柄停止表示データ)に基づいて、特別図柄表示装置19、20を表示制御してLEDを点灯若しくは消灯又は点滅させるために、ポート出力される特別図柄表示信号に対応する特別図柄表示制御データを作成する。
ステップS614において、メインCPU101aは、普通図柄変動処理でセットされた普通図柄表示データ(普通図柄変動表示データ、普通図柄停止表示データ)に基づいて、普通図柄表示装置21を表示制御して普通図柄表示装置21を点灯若しくは消灯又は点滅するためにポート出力される普通図柄表示信号に対応する表示制御データを作成する。
ステップS615において、メインCPU101aは、入力制御処理、特別図柄変動処理及び普通図柄変動処理においてセットされた、特別図柄保留表示データ及び普通図柄保留表示データに基づいて、第1保留表示装置22、第2保留表示装置23、普通図柄保留表示装置24を表示制御して、LEDを点灯若しくは消灯又は点滅させるためにポート出力される保留表示信号に対応する表示制御データを作成する。
ステップS620において、メインCPU101aは、一般的な遊技情報(大当たり当選回数、大当たりのうちで高確率遊技状態に移行した回数、前回の大当たり遊技終了後以降、現在までに行われた特別図柄の変動表示回数)を遊技情報表示装置700に表示するために外部情報出力制御データを作成する。具体的には、CPU101aは、RAM101cの所定領域に記憶された特図特電処理データや停止図柄データに基づいて、一般的な外部情報を遊技情報表示装置700に表示するためにポート出力される外部信号に対応する外部情報出力制御データを作成する。
図26を用いて、外部情報データ作成処理を説明する。
ステップS621において、メインCPU101aは、特図特電処理データ記憶領域に記憶されている特図特電処理データをロードして、特図特電処理データ=2であるか否かを判定する。
ステップS621において、特図特電処理データ=2と判断した場合、ステップS622において、メインCPU101aはこれから大当たり遊技が実行されることを示す外部情報信号1を遊技情報出力端子板108に出力するために、外部情報信号1ONデータを作成する。一方、ステップS621において、特図特電処理データ=2ではないと判断した場合、ステップS623において、メインCPU101aはこれから大当たり遊技が実行されることを示す外部情報信号1を遊技情報出力端子板108に出力させないために、外部情報信号1OFFデータを作成する。
ステップS624において、メインCPU101aは、特図特電処理データ記憶領域に記憶されている特図特電処理データをロードして、特図特電処理データ=4であるか否かを判定する。特図特電処理データ≠4と判断した場合、ステップS627進む。
ステップS624において、特図特電処理データ=4と判断した場合、ステップS625において、メインCPU101aは、遊技条件データをロードして、「01H01H」又は「01H00H」であるか否かを判定する。すなわち、高確率に移行するか否かを判定する。
ステップS625において、遊技条件データが「01H01H」又は「01H00H」であると判断した場合、メインCPU101aは、ステップS626において、高確率状態に移行することを示す外部情報信号2を遊技情報出力端子板108に出力するために、外部情報信号2ONデータを作成する。一方、ステップS625において、遊技条件データが「01H01H」及び「01H00H」ではないと判断した場合、メインCPU101aは、ステップS627において、高確率状態に移行することを示す外部情報信号2を遊技情報出力端子板108に出力させないために、外部情報信号2OFFデータを作成する。
ステップS628において、メインCPU101aは、特図特電処理データ記憶領域に記憶されている特図特電処理データをロードして、特図特電処理データ=1であるか否かを判定する。
ステップS628において、特図特電処理データ=1と判断した場合、ステップS629において、メインCPU101aは特別図柄の変動表示が実行されたことを示す外部情報信号3を遊技情報出力端子板108に出力するために、外部情報信号3ONデータを作成する。一方、ステップS628において、特図特電処理データ≠1と判断した場合、ステップS630において、メインCPU101aは特別図柄の変動表示が実行されたことを示す外部情報信号3を遊技情報出力端子板108に出力させないために、外部情報信号3OFFデータを作成する。
図27を用いて、出力制御処理を説明する。
ステップS710において、メインCPU101aは、ポート出力処理を行う。詳しくは、図28を用いて後述する。
ステップS780において、メインCPU101aは、特別図柄表示装置19、20及び普通図柄表示装置21の各LEDを点灯させるために、上記ステップS613〜615で作成した表示制御データに基づいて表示信号(特別図柄表示信号、普通図柄表示信号、保留表示信号)を出力する処理を行う。
ステップS790において、メインCPU101aは、メインRAM101cの送信バッファにセットされているコマンドを演出制御基板102に送信するコマンド送信処理を行う。
図28を用いて、ポート出力処理を説明する。
ステップS711において、メインCPU101aは、上記S611で作成した始動口開閉ソレノイド10c用の駆動制御データに基づいて駆動信号を第2始動口開閉ソレノイド10cに向けて出力するとともに、ステップS712において、メインCPU101aは、上記S612で作成した大入賞口開閉ソレノイド11c用の駆動制御データに基づいて駆動信号を大入賞口開閉ソレノイド11cに向けて出力させるポート出力処理を行う。さらに、ステップS713において、メインCPU101aは、ステップS620において作成した外部信号出力制御データに基づいて外部信情報号1〜3を遊技情報出力端子板108に向けてポート出力処理を行う。
(演出制御基板のメイン処理)
次に、演出制御基板102のメイン処理を説明する。
図29に示すように、電源基板107により電源が供給されると、サブCPU102aにシステムリセットが発生し、サブCPU102aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS1010において、サブCPU102aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、電源投入に応じて、サブROM102bから起動プログラムを読み込むとともに、サブRAM102cの各記憶領域を初期化する処理を行う。
次いで、ステップS1011において、サブCPU102aは、特定大当たり当選確率指定コマンド受信処理を行う。具体的には、サブRAM102cの特定大当たり当選確率記憶領域に、図8に示す各特定大当たり当選確率及びモード別の大当たり当選確率を記憶する。
ステップS1020において、サブCPU102aは、種々の演出確定乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS1020の処理を繰り返し行う。
(演出制御基板のタイマ割込処理)
図30を用いて、演出制御基板102のタイマ割込処理を説明する。
演出制御基板102に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1100において、サブCPU102aは、サブCPU102aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1110において、サブCPU102aは、各種の演出時間カウンタの更新処理における演出時間タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS1120において、サブCPU102aは、種々の演出確定乱数の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数カウンタを+1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
ステップS1200において、サブCPU102aは、コマンド受信処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、主制御基板101から送信された各種のコマンドをサブRAM102cの所定領域に記憶する。なお、以前に送信されたコマンドが記憶されているときは、以前のコマンドを上書して、新たに送信されてきたコマンドを記憶する。詳しくは、図31〜図34を用いて後述する。
ステップS1300において、サブCPU102aは、演出ボタン処理を行う。詳しくは、図35を用いて後述する。
ステップS1400において、サブCPU102aは、演出確定コマンド送信処理(出力制御処理)を行う。この処理において、ステップS1200、ステップS1300でセットされる各種の演出確定コマンドに基づく演出を行うために、各種の演出確定コマンドをランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信する。
ステップS1500において、サブCPU102aは、ステップS1100で退避した情報をサブCPU102aのレジスタに復帰させる。
図31を用いて、コマンド受信処理を説明する。まず、サブCPU102aは、ステップS1201において、特別図柄作動開始コマンドの有効な受信があったか否かを判定する。ここで、有効な受信がなかったと判定されれば、ステップS1204に処理を移す。有効な受信があったと判定されれば、サブCPU102aは、ステップS1202において、特別図柄の変動表示に対応する特図変動演出を行うために特図変動演出選択処理を行う。詳しくは、図32を用いて、後述する。
次いで、サブCPU102aは、客待ちフラグをOFFする。客待ちフラグとは、後述するように、主制御基板101から客待ちコマンドが送信されてから所定期間経過したときにONされるフラグであり、所定期間特別図柄の変動表示が行われていない、所謂客待ち状態であることを示す。ここで、特別図柄作動開始コマンドが受信されたということは、これから特別図柄の変動表示が行われることであり、客待ち状態が解かれたので、その状況に対応すべく客待ちフラグをOFFする。
サブCPU102aは、ステップS1204において、特別図柄作動終了コマンドの有効な受信があったか否かを判定する。ここで、有効な受信がなかったと判定されれば、ステップS1206に処理を移す。有効な受信があったと判定されれば、サブCPU102aは、ステップS1205において、特図変動演出終了処理を行う。詳しくは、図33を用いて、後述する。
サブCPU102aは、ステップS1206において、オープニングコマンドの有効な受信があったか否かを判定する。ここで、有効な受信がなかったと判定されれば、ステップS1208に処理を移す。有効な受信があったと判定されれば、サブCPU102aは、ステップS1207において、大当たり遊技または小当たり遊技に係る主要な演出を行うために特別遊技演出選択処理を行う。
サブCPU102aは、ステップS1208において、ラウンド開始コマンドの有効な受信があったか否かを判定する。ここで、有効な受信がなかったと判定されれば、ステップS1210に処理を移す。有効な受信があったと判定されれば、サブCPU102aは、ステップS1209において、大当たり遊技に係るラウンド番号を表示する演出を行うためにラウンド開始演出選択処理を行う。
サブCPU102aは、ステップS1210において、エンディングコマンドの有効な受信があったか否かを判定する。ここで、有効な受信がなかったと判定されれば、ステップS1212に処理を移す。有効な受信があったと判定されれば、サブCPU102aは、ステップS1211において、大当り遊技または小当たり遊技のエンディングに係るエンディング演出を行うためにエンディング演出選択処理を行う。
サブCPU102aは、ステップS1212において、客待ちコマンド受信処理を行う。詳しくは、図34を用いて、後述する。
図32を用いて、特図変動演出選択処理を説明する。まず、サブCPU102aは、ステップS1202−1において、演出モードフラグ記憶領域に記憶されている演出モードフラグを参照する。演出モードとは、本実施の形態では、画像表示装置13において行われる演出の演出態様についての最上位の分類(カテゴリー)である。本実施の形態では、演出モードは全部で7種類(Aモード〜Gモード)設定されており、演出モードフラグ「0」〜「6」が、演出モード「A」〜「G」に対応する。演出モードの具体例として、背景、状況、季節、主要なキャラクター等の演出を構成する様々な要素について適宜に設定できる。
次いで、サブCPU102aは、ステップS1202−2において、演出パターンテーブルを選択する。演出パターンとは、演出モードの下位概念的な演出態様の分類である。演出パターンテーブルは、演出モードに対応付けられてサブROM102bに記憶されており、当該変動表示に対応する特別図柄の停止表示内容、すなわち、大当たり、小当たり又はハズレ、さらには大当たりの種類(停止図柄データ)等に基づいて選択される。例えば、サブROM102bには、各演出モード「A」〜「G」について、長当たり演出パターンテーブル、短当たり演出パターンテーブル、ハズレリーチ演出パターンテーブル、ハズレ演出パターンテーブルが格納されている。これは演出図柄停止コマンドに基づいて選択される部分である。
さらに、これらのテーブルには、主制御基板101で決定される変動時間にも対応している。すなわち、長当たり演出パターンテーブルは、予め設定された複数の変動時間(例えば、10秒、30秒、1分)でも分類されている。これは変動パターン指定コマンドに基づいて選択される部分である。
そして、最も詳細な演出パターン、つまり、具体的な演出内容を示す特図変動演出確定コマンドは、演出パターンテーブルとして最も詳細なものにおいて、特図変動演出確定乱数値(例えば、0〜250)と対応付けられている。サブCPU102aが特図変動演出確定乱数の中から1の乱数を無作為に抽出して特図変動演出確定乱数を取得し、その演出テーブルに照合することで、最終的な特図変動演出パターンが決定される。特図変動演出確定コマンドによって、画像表示装置13における装飾図柄パターン・背景パターン、演出用役物装置14,15の動作パターン、演出用照明装置16の照射パターン、音出力装置18から発生する音パターンがそれぞれ決定される。そして、サブCPU102aはステップS1202−4において、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に、特図変動演出が開始することを認識させるために、特図変動演出開始コマンドを送信バッファにセットする。
次いで、サブCPU102aはステップS1202−4において、モード別大当たり当選確率表示フラグがONされているか否かを判定する。モード別大当たり当選確率表示フラグとは、後述する特図変動演出終了処理においてモード別大当たり当選確率表示フラグ記憶領域にONされるフラグであり、そのモードの演出が行われたときの大当たりの当選確率が関連付けられている。
ステップS1202−4において、フラグがONされていないと判定されれば、当該特図変動演出選択処理を終了し、ONされていると判定されれば、ステップS1202−5において、モード別大当たり当選確率表示演出確定コマンドを送信バッファにセットし、ステップS1202−6において、モード別大当たり当選確率表示演出フラグをOFFする。
次に、図33を用いて特図変動演出終了処理について説明する。まず、サブCPU102aは、ステップS1206−1において、サブRAM102cの所定領域に記憶されている停止図柄データに基づいて、当該特別図柄の変動表示に係る大当たりの抽選の抽選結果を判定する。
サブCPU102aは、ステップS1206−1において、その判定結果がハズレ(停止図柄データ=11)であるか否かを判定する。この結果、ハズレであればステップS1206−3に処理を移し、ハズレでなければステップS1206−8に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1206−3において、演出モードフラグを参照し、ステップS1206−4において、演出モードフラグが「F0」であるか否かを判定する。演出モードフラグ「F0」は、特別ではない、電源投入直後に行われる演出モード「A」を表し、他の特別な演出モード「B」〜「G」と違って、この演出モード「A」に残り回数は設定されない。
したがって、サブCPU102aは、ステップS1206−4において、演出モードフラグ「F0」と判定したとき、ステップS1206−12において、特図変動演出終了コマンドを送信バッファにセットし、当該処理を終了する。一方、演出モードフラグ「F0」ではないと判定すれば、残り回数が設定された演出モードに係る1回の特別図柄の変動表示が終了するので、ステップS1206−5において、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値(M)から「1」減算する。
次いで、サブCPU102aは、ステップS1206−6において、演出モード残り回数カウンタのカウンタ値(M)が「0」であるか否かを判定、すなわち、当該演出モードに係る特図変動演出が終了するか否かを判定する。ここで、M=0と判定されれば、演出モードフラグ「F0」をセットし、M≠0と判定されれば、ステップS1206−12において送信バッファに特図変動演出終了コマンドをセットする。
サブCPU102aは、ステップS1206−8において、図36に示す演出モード判定テーブルに基づいて演出モードフラグ変更処理を行う。すなわち、ステップS1206−2において、当該特別図柄の変動表示に係る大当たりの抽選の抽選結果は、ハズレではない、つまり、「大当たり」又は「小当たり」であり、本実施の形態では、大当たり遊技後、または、小当たり遊技後には、演出モード「A」ではない特別な演出モードに変更されうる。そのために、ステップS1206−8において変更する演出モードを決定する。
演出モードは、大当たりの抽選の抽選結果(停止図柄データ)に対応付けられている。図36に示すように、停止図柄データ=「01」、「06」又は「04」、「07」である場合、すなわち、当該特別図柄の変動表示が終了して、長当たり遊技が行われ、長当たり遊技後から、「高確率」且つ「時短」の遊技条件、あるいは、「低確率」且つ「非時短」の遊技条件にて遊技が進行する場合、それぞれに1対1で対応して、演出モード「B」、あるいは、演出モード「C」による特図変動演出が行われる。したがって、上記の停止図柄データ=「01」、「06」、「04」、「07」である場合、大当たりの種類と演出モードとは1対1に対応するので、演出モードから大当たりの種類を推測することが容易である。
これに対して、停止図柄データ=「03」又は「09」、「10」である場合、すなわち、当該特別図柄の変動表示が終了して、短当たり遊技が行われ、短当たり遊技後から「高確率」且つ「非時短」の遊技条件にて遊技が進行するか、又は、当該特別図柄の変動表示が終了して、小当たり遊技が行われる場合、演出モード「D」、「E」のいずれかが行われる。一の演出モード(「D」又は「E」)に対して、2種類の大当たりの種類が設定されているので、演出モードから大当たりの種類を推測することは困難である。
このように、大当たりの種類を推測することを困難にしているのは、短当たり遊技における大入賞口11の作動態様と小当たり遊技における大入賞口11の作動態様が判別困難であるからである。すなわち、大入賞口11の作動態様も当該遊技後の演出モードも判別困難となれば、当該遊技後において遊技者はいずれの「大当たり」に当選したのかわからないので、遊技者はどのような遊技条件で遊技が進行しているのかもわからない。したがって、遊技者は自分が有利なのか不利なのかがわからない状況で遊技をおこなっているので、ドキドキする。このように、遊技者をドキドキさせることで、遊技にメリハリを付け、遊技が単調になるのを防ぐことが可能である。
本実施の形態では、さらに、停止図柄データ=「03」又は「09」、「10」に対して、2つの演出モード「D」、「E」が行われるが、停止図柄データによって、演出モードの割合が異なる。具体的には、演出モード「D」の演出が実行されるということは、20%の確率で、その遊技は停止図柄データ「03」に係る、すなわち、「高確率」且つ「非時短」で遊技が進行しており、80%の確率で、その遊技は停止図柄データ「09」、「10」に係る、すなわち、当該遊技前の遊技条件で遊技が進行している。
それに対して、演出モード「E」の演出が実行されるということは、50%の確率で、その遊技は停止図柄データ「03」に係る遊技条件で遊技が進行しており、50%の確率で、その遊技は停止図柄データ「09」、「10」に係る遊技条件で遊技が進行している。このように、演出モード「D」の演出であれば、実際にどのような遊技条件であるか特定できないが、(停止図柄データ「09」、「10」に係る遊技条件であると)ある程度の推測はできる。しかしながら、演出モード「E」であれば、遊技条件を予測することはほとんどできない。
同様に、停止図柄データ=「02」又は「05」、「08」である場合には、演出モード「F」、「G」のいずれかによる演出が行われる。
次いで、サブCPU102aは、ステップS1206−9において、更新した演出モードが「D」又は「E」であるか否かを判定する。ここで、サブCPU102aが「D」又は「E」ではないと判定したとき、ステップS1206−12において、特図変動演出終了コマンドを送信バッファにセットする。
一方、サブCPU102aが「D」又は「E」ではあると判定したとき、ステップS1206−10において、モード別大当たり当選確率表示演出確定コマンドを送信バッファにセットする。このセットされたモード別大当たり当選確率表示演出確定コマンドが画像制御基板105に送信されることによって、モード別大当たり当選確率表示演出が画像表示装置13にて表示される。モード別大当たり当選確率表示演出とは、具体的には、例えば、演出モード「D」による演出が実行されるときに、当該演出モードにおける見かけの大当たりの当選確率が表示される。「見かけ」というのは、ここで表示される大当たりの当選確率と、内部的に確定されている実際の大当たりの当選確率とは異なるからである。このように、演出モードの変更をもたらす特別図柄の変動表示の終了時にモード別大当たり当選確率表示フラグがONされる。このフラグに基づいて、モード別大当たり当選確率表示演出確定コマンドがセットされるのは、次の特別図柄の変動表示開始時(特図変動演出選択処理時)であるので(図32参照)、モード別大当たり当選確率は、演出モードが変更される最初の特図変動演出が開始する時から表示されることになる。なお、モード別大当たり当選確率表示演出が実行される時間は適宜に定められれば良い。
演出モード「D」の演出が実行されていて、遊技条件、すなわち、大当たりの当選確率がわからないようになっているが、実際には内部的に確定している。しかし、実際の大当たりの当選確率を表示してしまうと、このような演出を行う意味が没却されてしまうからである。そこで、演出モード「D」における大当たりの種類に係る遊技の出現率(20%、80%)と、それぞれの遊技における実際の大当たりの当選確率とを合成した「見かけ」の大当たりの当選確率を表示することで、演出モードの種類が示唆よりは明瞭な遊技利益の度合いを提供することができ、ドキドキ感と安心感とを同時に提供することができる。なお、本実施の形態では、当該演出が実行されるのは、停止図柄データ=「03」又は「09」、「10」のときであるが、停止図柄データ=「02」又は「05」、「08」の場合に行うことも可能である。
次いで、サブCPU102aは、ステップS1206−11において、図36に示す演出モード判定テーブルに基づいて、演出モード残り回数カウンタを更新し、ステップS1206−12において、特図変動演出終了コマンドをセットする。
次に、図34を用いて客待ちコマンド受信処理について説明する。まず、サブCPU102aは、ステップS1213−1において、客待ちコマンドを有効に受信したか否かを判定する。ここで、サブCPU102aは、受信したと判定すると、ステップS1213−3において、客待ち認定時間の計測を開始すると共に、ステップS1213−4において、客待ち認定時間計測フラグを客待ち認定時間計測フラグ記憶領域にONする。そして、ステップS1213−5に処理を移す。
サブCPU102aは、ステップS1213−5において、客待ち認定時間が経過したか否かを判定する。ここで、サブCPU102aは、経過していないと判定すれば、当該処理を終了する。一方、ステップS1213−1において、客待ちコマンドを有効に受信していないと判定したとき、サブCPU102aは、ステップS1213−2において、客待ち認定時間計測フラグがONされているか否かを判定する。ここで、ONされていないと判定すれば、当該処理を終了し、ONされていると判定すれば、ステップS1213−5に処理を移す。
ステップS1213−5において、サブCPU102aが客待ち認定時間が経過したと判定するとき、ステップS1213−6において、客待ち認定時間計測フラグをOFFし、ステップS1213−7において、客待ち演出確定コマンドを送信バッファにセットする。このコマンドが画像制御基板105に送信されることによって、客待ち演出が実行される。
そして、サブCPU102aはステップS1213−8において、客待ちフラグを客待ちフラグ記憶領域にONして、当該処理を終了する。このフラグは、前述したように、次に新たな特別図柄の変動表示が実行されるときにOFFされる。したがって、当該フラグは、現在客待ち状況中であることを示す。
図35を用いて、演出ボタン処理について、説明する。まず、サブCPU102aは、ステップS1301において、演出ボタン検出SW17aからの有効な演出ボタン検出信号があったか否かを判定する。ここで、当該信号がないと判定すれば、サブCPU102aは、当該処理を終了し、当該信号があると判定すれば、ステップS1302において、演出ボタンコマンドを送信バッファにセットする。このコマンドは、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に演出ボタン17の操作が検出されたことを報知するためのコマンドである。
次いで、サブCPU102aは、ステップS1303において、客待ちフラグがONされているか否か、つまり、現在客待ち状況であるか否かを判定する。ここで、客待ちフラグがONされていないと判定されれば、当該処理が終了され、ONされていると判定されれば、ステップS1304において、特定大当たり当選確率表示演出確定コマンドをセットする。このコマンドには、図8に示す、主制御基板101から送信されてきた、特定大当たり当選確率に関する情報が含まれており、このコマンドが画像制御基板105に送信されることで、種々の特定大当たり当選確率が画像表示装置13に表示される。すなわち、特定大当たり当選確率は、客待ち演出が行われているときにのみ表示される。これは、特定大当たり当選確率は、主に利用する遊技機を選択する際に有益となる情報であると共に、遊技の進行に伴う演出中に特定大当たり当選確率が表示されれば、演出効果の低下を招く虞があるからである。さらに、これらの当選確率は演出ボタン17の操作がないと表示されない。したがって、当該確率を表示させるか否かの判断を遊技者に委ねることができる。
図8(a)に示すように、特定大当たり当選確率を構成するものとして、出玉有り大当たり当選確率、高確率大当たり当選確率(当該大当たり遊技後に高確率になる)、少なくとも出玉有り大当たりか高確率大当たりに当選する確率等がある。一般的には、低確率時の大当たりの当選確率と高確率時の大当たりの当選確率とが所定の位置にシール等によって表示されるが、ここで表示される大当たりの当選確率には、実際には遊技者にほとんど利益を付与しない「低確率時短短当たり」も含まれている。したがって、必ずしも遊技者にとって有益な情報が提供されていないといえない。そこで、遊技利益の種類によって関連付けられた特定の大当たりの当選確率を報知することによって、遊技者に有益な情報を提供することができる。さらに、これらを複数設定することによって、様々な価値観を持つ遊技者の様々な要望に対応することもできる。
なお、本実施の形態では、演出ボタン17の操作によって、図8(a)に示す特定大当たり当選確率が全て表示されるが、最初に表示でき得る特定大当たりの種類を表示し、遊技機が具備する所定のカーソル等(図示せず)によって、表示する確率の種類を選択できるようにしても良い。この場合、カーソルで確率の種類を選択し、演出ボタン17を操作することにより選択された確率が表示される。
また、図8(a)に示すように、特定の大当たり当選確率が大当たりの当選確率毎(低確率時と高確率時)に記憶されている。したがって、遊技の進行に伴って特定大当たり当選確率を表示する場合、大当たりの当選確率に関する遊技条件に応じて表示することも可能である。すなわち、現在、大当たりの当選確率が低確率で進行している場合、低確率時の特定大当たり当選確率のみを表示する。この場合、遊技条件に応じて選択された有益な情報が表示されるので、遊技者は遊技状況を把握することができ、安心して遊技を楽しむことができる。ただし、表示する時機としては、上述したような演出モード「D」〜「G」による特図変動演出が行われている時機を避けた方が望ましい。その表示によって、遊技条件が明らかになり、演出効果を低下させるからである。