JP2010195654A - 酸化チタン粒子分散液及びその製造方法、並びに光触媒構造体 - Google Patents

酸化チタン粒子分散液及びその製造方法、並びに光触媒構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化チタン粒子が凝集及び沈降せず安定であり、光触媒活性の高い酸化チタン粒子分散液及び該酸化チタン粒子分散液の製造方法、並びに該酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持してなり、該酸化チタン粒子が剥離や脱落しにくく、高光触媒活性を有する光触媒構造体の提供。
【解決手段】錯体化したチタン化合物を水性溶媒と混合して加水分解した溶液を、30℃〜150℃で加熱した後、副反応物及び残存原料を除去して得られる酸化チタン粒子分散液である。該酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持してなる光触媒構造体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化チタン粒子が凝集及び沈降せず安定であり、光触媒活性の高い酸化チタン粒子分散液及び該酸化チタン粒子分散液の製造方法、並びに該酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持してなり、該酸化チタン粒子が剥離や脱落しにくく、高光触媒活性を有する光触媒構造体に関する。
酸化チタン(チタニア)粒子の光触媒活性を利用して、有機物を分解し、親水性や防汚性を維持することは広く知られており、その関連の商品も世の中で広く使用されている。
光触媒機能による、脱臭、抗菌、抗黴、付着汚れ分解、有害物質の分解などの環境浄化機能を発現させるため、チタニア粒子は不織布や織布等の多孔質基体の表面に担持させることが必要である。なおかつ、粒子表面で化学反応を効果的に起こさせるためには、チタニア粒子をできるだけ無垢な状態で存在させることが重要であり、かつ多孔質基体に凝集や脱落のない状態で担持させることが重要である。
例えば、特許文献1には、ガラス繊維のような無機繊維から構成される繊維集合体の表面に酸化チタンの連続膜を形成させた光触媒複合材が開示されている。更に、繊維集合体を50℃〜200℃で予熱して四塩化チタンを含む気体と水蒸気の存在下で接触させることが開示されている。この特許文献1は、あくまで連続膜の酸化チタンであり、微粒子を付着させて比表面積を大きくして光触媒活性を高くするものとは異なるものである。
また、特許文献2には、光触媒構造体を形成するための酸化チタン薄膜形成組成物として、酸化チタンゾルと安定化チタンアルコキシドとを含有することが開示されている。また、光触媒構造体として、ガラス等の耐熱性基体に前記組成物を担持することが開示されている。この特許文献2では、安定化チタンアルコキシドを耐熱性基体上で加熱して酸化チタンとなるようにしているが、もともと存在させた酸化チタンゾルと合一し、凝集したあるいは粗大な粒子に変化するという欠点がある。
また、特許文献3には、硫酸チタニル水溶液に種子結晶(二酸化チタンの結晶核)を添加して加水分解し、含水酸化チタンを得た後、加熱して結晶水を除去し、粉砕することで二酸化チタン微粒子とする製造方法について開示されている。しかし、この特許文献3の方法では、粒径の小さい酸化チタン粒子は得られにくく、主として凝集状態である二次及び三次粒子となる。
また、特許文献4には、酸化チタンゾル、反応が終結した酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の酸化物、増粘剤のニトロセルロース、及び溶媒のエチル(又はブチル)カルビトールからなる光触媒膜形成用インキについて開示されている。また、印刷法により光触媒膜を形成する方法が開示されている。この特許文献4は、ガラスや金属板などの液浸透性がない表面にインキを塗設するための方法であり、増粘させることが必要である。更に、増粘剤を塗設後除去するために250℃〜800℃という高温条件が必要となっている。
したがって酸化チタン粒子が凝集及び沈降せず安定であり、光触媒活性の高い酸化チタン粒子分散液及び該酸化チタン粒子分散液の製造方法、並びに該酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持してなり、該酸化チタン粒子が剥離や脱落しにくく、高光触媒活性を有する光触媒構造体は、未だ提供されていないのが現状である。
特許第3945255号公報 特開平9−248467号公報 特許第3976851号公報 特許第3317668号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、酸化チタン粒子が凝集及び沈降せず安定であり、光触媒活性の高い酸化チタン粒子分散液及び該酸化チタン粒子分散液の製造方法、並びに該酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持してなり、該酸化チタン粒子が剥離や脱落しにくく、高光触媒活性を有する光触媒構造体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、チタン錯化合物を、水と混合して加水分解した透明溶液とし、30℃〜150℃で加熱して重縮合によりナノ粒子化した後、不要な副反応物及び残存原料を除去して得られた酸化チタン粒子分散液を多孔質基体に含浸させた光触媒構造体により、効果的に解決できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 錯体化したチタン化合物を水性溶媒と混合して加水分解した溶液を、30℃〜150℃で加熱した後、副反応物及び残存原料を除去して得られることを特徴とする酸化チタン粒子分散液である。
<2> 酸化チタンに、Sn、Zr、Si、Zn、及びAlから選択される少なくとも1種の金属酸化物を1モル%〜10モル%含有させて複合化した前記<1>に記載の酸化チタン粒子分散液である。
<3> 錯体化したチタン化合物を水性溶媒と混合して加水分解した溶液を、30℃〜150℃で加熱した後、副反応物及び残存原料を除去することを特徴とする酸化チタン粒子分散液の製造方法である。
<4> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持してなることを特徴とする光触媒構造体である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、酸化チタン粒子が凝集及び沈降せず安定であり、光触媒活性の高い酸化チタン粒子分散液及び該酸化チタン粒子分散液の製造方法、並びに該酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持してなり、該酸化チタン粒子が剥離や脱落しにくく、高光触媒活性を有する光触媒構造体を提供することができる。
また、本発明の酸化チタン粒子分散液は、従来に比べて環境負荷が非常に少ない条件で製造することができ、該分散液を長期間保存しても全く凝集が起こらず、透明で安定なものである。
(酸化チタン粒子分散液及び酸化チタン粒子分散液の製造方法)
本発明の酸化チタン粒子分散液は、錯体化したチタン化合物を水性溶媒と混合して加水分解した溶液を、30℃〜150℃で加熱した後、副反応物及び残存原料を除去して得られる。
本発明の酸化チタン粒子分散液の製造方法は、錯体化したチタン化合物を水性溶媒と混合して加水分解した溶液を、30℃〜150℃で加熱した後、副反応物及び残存原料を除去する。
本発明の酸化チタン粒子分散液は、酸化チタン粒子が凝集及び沈降せず安定であり、光触媒活性が高いという特徴を有する。
以下、酸化チタン粒子分散液及び酸化チタン粒子分散液の製造方法について説明する。
−錯体化したチタン化合物−
前記錯体化したチタン化合物であるチタン錯化合物は、チタンの塩化物、チタンの硫酸塩、チタンのアルコキシド等の化合物に配位子を結合させて錯化合物としたものである。これらの中でも、チタンのアルコキシドに配位子を結合させた錯化合物が特に好ましい。
前記チタンの塩化物としては、例えば塩化チタンなどが挙げられる。
前記チタンの硫酸塩としては、例えば硫酸チタンなどが挙げられる。
前記チタンのアルコキシドとしては、例えばチタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラt−ブトキシドなどが挙げられる。
本発明においては、前記錯体化したチタン化合物を用いることにより、安定かつ小粒径で、結晶化度の高い酸化チタン粒子が得られる。
前記配位子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば酢酸、アセチルアセトン、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などが挙げられる。これらの中でも、錯化合物が安定化し過ぎず、適度な条件で加水分解し、酸化チタン粒子を得ることができる点から酢酸が特に好ましい。
前記配位子の添加量は、チタンに対して0.5倍〜10倍モルが好ましく、1倍〜8倍モルがより好ましく、1倍〜6倍モルが更に好ましい。
前記錯体化したチタン化合物における錯体化されていることを分析する方法としては、例えばラマン分光法、X線回折法、電子常磁性共鳴法(EPR)、核磁気共鳴法(NMR)などが挙げられる。
−水性溶媒−
前記水性溶媒とは、溶媒全体の50%以上が水である水を主体とした溶媒を意味し、水が80%以上のものが更に好ましい。
水以外の溶媒としては、親水性溶媒が好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、などが挙げられる。
錯体化したチタン化合物を水性溶媒と混合して透明な加水分解溶液を得るために、チタン錯化合物溶液に対し、質量で1倍〜10倍の水性溶媒を用いることが好ましく、1倍〜5倍がより好ましい。前記水性溶媒の割合が高すぎると、加水分解が進みすぎることがあり、白濁や沈殿が起き易くなることがある。一方、前記水性溶媒の割合が低すぎると、加水分解が一部しか起こらないため、原料が残りやすくなり、透明で安定な酸化チタン粒子分散液が得られなくなることがある。
−加熱方法−
前記加熱温度は、30℃〜150℃が好ましく、40℃〜120℃がより好ましく、50℃〜90℃が特に好ましい。特に好ましい範囲において、環境に優しい温水浴を熱源にできる。前記加熱温度が、30℃未満であると、大部分が水酸化チタンで留まり、酸化チタンが得られにくいことがあり、150℃を超えると、反応が早すぎて、酸化チタンの粒径が大きくなりすぎたり、多くが凝集物となってしまうことがある。
前記加熱は、特に制限はなく、通常使用されるウォーターバスやオイルバス中で加熱することができる。
前記加熱時間は、特に制限はなく前記加熱温度によって異なるが、10分〜180分であることが好ましく、20分〜120分がより好ましい。前記加熱時間が、短すぎると、酸化チタン粒子になりにくくなることがあり、長すぎると、酸化チタン粒子の凝集及び沈殿が発生しやすくなることがある。
−pH−
前記透明溶液を加熱時のpHは、0〜4が好ましく、0〜2がより好ましく、1〜3が更に好ましい。
また、最終酸化チタン粒子分散液のpHは、弱酸性であるpH3〜5であることが好ましい。
−副反応物及び残存原料の除去−
反応後の副反応物、残存原料、及び不要なイオンの除去は、最終分散液のpHを安全なところにするためにも必要である。
前記副反応物や残存原料の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば限外ろ過、透析、ゲルろ過、デカンテーション、遠心分離、マイクロフィルタリングなどが挙げられる。これらの中でも、電気透析が効率的である。
前記酸化チタン粒子は、酸化チタン以外の金属酸化物を添加して複合化させてもよい。
前記酸化チタンに複合化させることができる金属酸化物としては、Sn、Zr、Si、Zn、及びAlから選択される少なくとも1種の金属酸化物であることが好ましい。
前記金属酸化物のチタンに対する添加量は、1モル%〜10モル%が好ましく、1モル%〜5モル%がより好ましい。該金属酸化物の添加により、より凝集しにくく安定な酸化チタン粒子水分散液が得られる。
本発明の酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子の一次平均粒径は、1nm〜30nmが好ましく、1nm〜20nmがより好ましく、1nm〜10nmが更に好ましい。前記一次平均粒径が、30nmを超えると、分散液が白濁し、沈降が起きることがあり、1nm未満であると、結晶構造がはっきりせずアモルファスに近いものとなり、経時でゲル化などの変化が起こるようになる。
前記一次平均粒径は、例えば、X線回折装置で測定された回折パターンの半値幅からの計算や電子顕微鏡(TEM)撮影像の直径からの統計計算などにより測定することができる。
前記酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子が一次粒子であるか、凝集した二次粒子であるかの分析は、例えば分散液の透過率を測定する方法、レーザ光を用いた動的光散乱法による粒径測定器で粒径を測定することにより判別することができる。
本発明の酸化チタン粒子分散液には、必要に応じて、各種の添加剤、例えば界面活性剤、重合性化合物、酸化防止剤、硫化防止剤、腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤などを含有することができる。
(光触媒構造体)
本発明の光触媒構造体は、本発明の前記酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持してなる。
−多孔質基体−
前記多孔質基体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば綿、羊毛、麻、パルプ等の天然繊維;レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維等の化学繊維を使用した不織布又は織布などが挙げられる。なお、人工的に作製したハニカム構造のポリマー膜なども用いることができる。
本発明の前記酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持させる量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば0.1g/m〜5.0g/mが好ましく、0.3g/m〜3.0g/mがより好ましい。
−光触媒構造体の作製方法−
本発明の光触媒構造体は、前記多孔質基体に、本発明の前記酸化チタン粒子分散液を含浸させ、加熱及び加圧して、酸化チタン粒子を多孔質基体に担持させる。なお、酸化チタン粒子は、多孔質基体の表面だけでなく、内部にまで担持されている。
前記含浸方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばディップコート、ロッドコート、エアドクターコート、ブレードコート、押出しコート、エアナイフコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャストコート、スプレーコート、などが挙げられる。
前記加熱温度は、30℃〜150℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましい。前記加熱温度が、高すぎると、光触媒構造体を維持できなくなることがあり、低すぎると、酸化チタン粒子が担持されにくく剥離や脱落が発生することがある。
前記加圧は、酸化チタン粒子が凝集せず脱落しない条件としては、0.1MPa〜2MPaが好ましい。
−用途−
本発明の酸化チタン粒子分散液を多孔質基体に担持させてなる光触媒構造体は、例えば室内空気清浄機用フィルター、ルームエアコン用フィルター、衣類、寝装材、カーテン、マット、壁装材、テント、車内内装材、キッチン用品及び風呂用品から選ばれる用途に好適に使用できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−酸化チタンナノ粒子分散液(a)の作製−
約24℃に冷却し、攪拌している酢酸(和光純薬工業株式会社製)8ml中にチタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製)14mlを添加し、透明な錯体溶液を調製した(I液)。次いで、室温で、蒸留水36mlに酢酸2mlを添加して均一溶液を調製した(II液)。I液を、室温で攪拌しているII液中にゆっくりと添加し、透明溶液になるまで放置した(I液+II液)。次に、蒸留水60mlに酢酸2mlを添加した均一溶液を50℃に加熱し、この中に、I液+II液を10分かけて添加した。添加後30分50℃で保持し、その後80℃に上げて、20分攪拌保持した。この液を室温まで冷却し1晩放置し、沈殿のない透明で安定な酸化チタンナノ粒子分散液を得た。これを加水しながら、電気伝導度1mS/cmになるまで限外ろ過にかけ、水量を調節して3質量%の酸化チタンナノ粒子分散液(a)を得た。
(実施例2)
−酸化チタンナノ粒子分散液(b)の作製−
実施例1において、I液の酢酸量を16mlにした以外は、実施例1と同様にして、沈殿のない透明で安定な3質量%の酸化チタンナノ粒子分散液(b)を得た。
(実施例3)
−酸化チタンナノ粒子分散液(c)の作製−
実施例1において、I液の酢酸をアセチルアセトン(和光純薬工業株式会社製)10mlにした以外は、実施例1と同様にして、沈殿のない透明で安定な3質量%の酸化チタンナノ粒子分散液(c)を得た。
(実施例4)
−酸化チタンナノ粒子分散液(d)の作製−
実施例1において、II液中に塩化スズ(IV)・5水和物(SnCl・5HO、和光純薬工業株式会社製)を1.3g添加した溶液とした以外は、実施例1と同様にして、沈殿のない透明で安定な3質量%の酸化チタンナノ粒子分散液(d)を得た。
(実施例5)
−酸化チタンナノ粒子分散液(e)の作製−
実施例1において、II液中に塩化酸化ジルコニウム・8水和物(ZrClO・8HO、和光純薬工業株式会社製)を0.8g添加した溶液とした以外は、実施例1と同様にして、沈殿のない透明で安定な3質量%の酸化チタンナノ粒子分散液(e)を得た。
(比較例1)
−酸化チタンナノ粒子分散液(f)の作製−
約24℃に冷却し、攪拌しているイソプロパノール(和光純薬工業株式会社製)8ml中にチタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製)14mlを添加した後、濃塩酸(和光純薬工業株式会社製)2mlをゆっくり添加して、透明な部分加水分解物溶液を得た(III液)。次いで、室温で、蒸留水36mlに濃塩酸1mlを添加して均一溶液を調製した(IV液)。III液を、室温で攪拌しているIV液中にゆっくりと添加し、透明溶液になるまで放置した(III液+IV液)。蒸留水60mlに濃塩酸1mlを添加した均一溶液を50℃に加熱し、この中に、III液+IV液を10分かけて添加した。添加後30分間50℃で保持し、その後80℃に上げて、20分間攪拌保持した。この液を室温まで冷却した。これを加水しながら、電気伝導度1mS/cmになるまで限外ろ過にかけ、水量を調節して3質量%の酸化チタン粒子分散液(f)を得た。
(比較例2)
−酸化チタンナノ粒子分散液(g)の作製−
比較例1において、III液を下記のものにした以外は、比較例1と同様にして、3質量%の酸化チタン粒子分散液(g)を得た。
III液:エタノール(和光純薬工業株式会社製)8ml中に塩化チタン(和光純薬工業株式会社製)5.2mlを添加した後、濃塩酸(和光純薬工業株式会社製)2mlをゆっくり添加した透明な部分加水分解物溶液(III液)。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜2の酸化チタンナノ粒子分散液について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1に示す。
<分散液の透過率の測定>
各酸化チタンナノ粒子分散液の透過率測定は、分光光度計(U−3310、株式会社日立ハイテクノロジー製)で行い、波長(λ)が500nm及び600nmにおける透過率を求めた。
<平均一次粒径の測定>
平均一次粒径は、X線回折装置(RINT2000、株式会社リガク製)を用いて、X線回折パターンの半値幅から結晶子サイズを求めて、それを平均一次粒径として表示した。
<光触媒構造体の作製及び光触媒活性評価>
実施例1〜5の酸化チタンナノ粒子分散液(a)〜(e)、及び比較例1〜2の酸化チタンナノ粒子分散液(f)〜(g)を、アクリル繊維の不織布に、各々の構造体中の粒子が最終的に1g/m担持するように分散液を含浸させ、圧力が0.3MPaになるように設定したゴムローラーで絞り、80℃で送風乾燥させて光触媒構造体(A)〜(G)を作製した。
次いで、約1.5リットルの反応容器に光触媒構造体(A)〜(G)を設置し、内部が1000ppmの濃度になるようにアセトアルデヒドを注入した後、1.2mW/cmの紫外線照射を行い、アセトアルデヒド濃度の減少により消臭能を測定した。1時間後の分解率により、5(90〜100%)、4(70〜89%)、3(50〜69%)、2(30〜49%)、1(29%以下)のランク付けを行った。
Figure 2010195654
Figure 2010195654
表1の結果から、本発明の酸化チタンナノ粒子分散液(a)〜(e)は、比較例の酸化チタンナノ粒子分散液(f)及び(g)に比べて、透過率が高く、光触媒構造体にした場合の光触媒活性も高いことが分かった。
<酸化チタン分散液の保存性の評価>
酸化チタン分散液の保存性について、室温下で1ヶ月放置した後の状態を評価した。その結果、本発明の(a)〜(e)の分散液は、凝集や沈殿を起こさず、透過率も変わらなかった。
これに対し、比較例1及び2の分散液は、容器の底に沈殿物が発生しており、濁りが増加した。
<酸化チタン粒子の脱落性の評価>
前記酸化チタンを担持させた不織布について、40℃、20%RH(相対湿度)の条件で1ヶ月保存した後の状態を評価した。その結果、本発明の(A)〜(E)の不織布では酸化チタン粒子の剥離や脱落は見られなかった。
これに対し、比較例の(F)及び(G)の不織布では酸化チタン粒子の部分的な剥離や脱落が見られた。
本発明の酸化チタン粒子分散液、及び該酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持させてなる光触媒構造体は、例えば室内空気清浄機用フィルター、ルームエアコン用フィルター、衣類、寝装材、カーテン、マット、壁装材、テント、車内内装材、キッチン用品、風呂用品などに好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 錯体化したチタン化合物を水性溶媒と混合して加水分解した溶液を、30℃〜150℃で加熱した後、副反応物及び残存原料を除去して得られることを特徴とする酸化チタン粒子分散液。
  2. 酸化チタンに、Sn、Zr、Si、Zn、及びAlから選択される少なくとも1種の金属酸化物を1モル%〜10モル%含有させて複合化した請求項1に記載の酸化チタン粒子分散液。
  3. 錯体化したチタン化合物を水性溶媒と混合して加水分解した溶液を、30℃〜150℃で加熱した後、副反応物及び残存原料を除去することを特徴とする酸化チタン粒子分散液の製造方法。
  4. 請求項1から2のいずれかに記載の酸化チタン粒子分散液における酸化チタン粒子を多孔質基体に担持してなることを特徴とする光触媒構造体。
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