JP2010194324A - 得られた結果物を保護するために光作用剤を用いる、感光性メーキャップでメーキャップする方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】メーキャップにおいて、下に位置する角質性物体へのフォトクロミック剤の移動によって皮膚にしみが生じることがないようにする。
【解決手段】人の角質性物体を感光性メーキャップでメーキャップする本発明の方法では、・波長λの放射線の影響下において変色可能なフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミックの第1の組成物を角質性物体に塗布し、・第1の組成物を放射線に当ててフォトクロミック剤を変色させて感光性メーキャップの外見を創出し、・放射線への暴露前又は暴露後に、熱的に安定なフォトクロミック組成物を少なくとも一時的に且つ少なくとも部分的に、光防護層によって被覆し、暴露は、感光性メーキャップの外見を創出するために熱的に安定なフォトクロミック組成物を放射線に当てる前に光防護層が被着されるときに光防護層を介して実施される。
【選択図】図1
【解決手段】人の角質性物体を感光性メーキャップでメーキャップする本発明の方法では、・波長λの放射線の影響下において変色可能なフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミックの第1の組成物を角質性物体に塗布し、・第1の組成物を放射線に当ててフォトクロミック剤を変色させて感光性メーキャップの外見を創出し、・放射線への暴露前又は暴露後に、熱的に安定なフォトクロミック組成物を少なくとも一時的に且つ少なくとも部分的に、光防護層によって被覆し、暴露は、感光性メーキャップの外見を創出するために熱的に安定なフォトクロミック組成物を放射線に当てる前に光防護層が被着されるときに光防護層を介して実施される。
【選択図】図1
Description
本発明は、人間の角質性物体、特に皮膚、唇、及び外皮、例えば爪又は毛を感光性メーキャップでメーキャップする方法に関する。
メーキャップする際、着色物質を用い、これを身体又は顔面に塗るのが通例である。
最終的な結果は、用いられる製品の品質、特に用いられる成分及び調合技術で左右されるだけでなくユーザの腕前(器用さ)によっても左右される。
ユーザの中には、腕前を磨こうという希望を持って、かくしてメーキャップの結果を向上させようという希望を持って練習を行う人がいる。ユーザの中には、練習に取り組んでも上手くならないだろうと思って又は練習に打ち込む時間がなくて、そうしない人もいる。
感光性メーキャップを用いると満足の行くメーキャップ効果を得ることができるということが分かった。結果の正確さは、特別な腕前又は練習を必要としないで、ユーザが従来のメーキャップで通常得られる正確さよりも優れている。
さらに、感光性メーキャップは、メーキャップに通常許容される色効果よりも優れた色効果を生じさせることができる。これは、従来のメーキャップパターン又はテキスト、記号、ロゴ等を真似た任意のパターンであって良い。
感光性メーキャップは、光線、例えばUV放射線により変色する(色が変化する)ことができ、少なくとも1時間にわたって照射に関連づけられた外観の変化を保つ少なくとも1種類の熱的に安定なフォトクロミック組成物の使用に基づいている。
感光性メーキャップの外見を作るため、少なくとも1つの熱的に安定なフォトクロミック組成物が、少なくとも1つの層の形態で、処理されるべきゾーンに塗られる。
熱的に安定なフォトクロミック組成物を塗ったとき、これは、非変色状態にあり、これは、用いられる成分に応じて、着色されている場合があり又は無色の場合がある。
熱的に安定なフォトクロミック組成物の層の照射は、非一様な仕方で照射することにより選択的に実施できる。かくして、或る領域は、変色される必要がなく、他の領域は様々な程度に変色されると共に/或いは幾つかの領域が様々な程度まで変色される場合があり、それにより、色の様々な強度が得られる。
用いられる光エネルギーは、比較的低いままであり、皮膚を日焼けさせることはない。
感光性メーキャップによる一メーキャップ方法が、欧州特許出願公開第0938887号明細書に記載されており、この方法は、皮膚に塗られる熱的に安定なフォトクロミック剤を用いており、かかる欧州特許出願公開を参照により引用する。この欧州特許出願公開は、ジアリールエテン及びフルギドから選択されたフォトクロミック剤を記載している。
感光性メーキャップに対する更なる技術改良が要望されている。
得られる感光性メーキャップは、持ちが比較的短時間であり、色の鮮明度は、経時的に、ときには極めて早く低下する傾向がある。
これは、UV放射線により照射されなかった領域が周囲光の影響下において経時的に変化するということに基づいている。かくして、UV放射線に暴露されたゾーンと非暴露ゾーンのコントラストは、弱くなる。これは、UV放射線によって照射されたゾーンも又そのゾーンの色を失いがちであるということにも起因している。
仏国特許出願公開第2780275号明細書は、2種類の組成物、即ち、フォトクロミック組成物及びUVスクリーンを含む組成物を備えたシステムを記載している。このUVスクリーン組成物は、スクリーン印刷効果により熱的に安定なフォトクロミック組成物上にパターンを生じさせるために第2の層として塗布される。かくして、UVスクリーンは、熱的に安定なフォトクロミック剤について生じる感光性メーキャップの鮮明度の低下の問題を解決することはない。
本発明の例示の実施形態は、人の角質性物体を感光性メーキャップでメーキャップする方法であって、
・波長λの放射線の影響下において変色可能なフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミックの第1の組成物を角質性物体に塗布し、
・第1の組成物を放射線に当ててフォトクロミック剤を変色させて感光性メーキャップの外見を創出し、
・放射線への暴露前又は暴露後に、熱的に安定なフォトクロミック組成物を少なくとも一時的に且つ少なくとも部分的に、光防護層によって被覆し、フォトクロミック剤を変色させるための放射線への暴露は、感光性メーキャップの外見を創出するために、熱的に安定なフォトクロミック組成物を放射線に当てる前に、光防護層が被着されるときに光防護層を介して実施されることを特徴とする方法を提供する。
・波長λの放射線の影響下において変色可能なフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミックの第1の組成物を角質性物体に塗布し、
・第1の組成物を放射線に当ててフォトクロミック剤を変色させて感光性メーキャップの外見を創出し、
・放射線への暴露前又は暴露後に、熱的に安定なフォトクロミック組成物を少なくとも一時的に且つ少なくとも部分的に、光防護層によって被覆し、フォトクロミック剤を変色させるための放射線への暴露は、感光性メーキャップの外見を創出するために、熱的に安定なフォトクロミック組成物を放射線に当てる前に、光防護層が被着されるときに光防護層を介して実施されることを特徴とする方法を提供する。
光防護層は、例えば、放射線に対するスクリーンを形成する光作用剤を含む第2の組成物から成るのが良い。
光防護層は、例えば、第2の組成物を塗布することにより形成され、それにより、第1の組成物中に不活性状態又は前駆物質状態で存在する光作用剤が放射線を遮るために活性状態になるのが良い。
光防護層は、例えば、少なくとも一部が透明である被膜から成るのが良い。
放射線は、UV放射線であるのが良く、光防護層、特に光作用剤は、特に320nm(ナノメートル)〜400nm及び/又は400nm〜440nmのUV及び/又は近UVを遮るのが良い。光防護層は、例えば、太陽UV放射線に関し、2を超え、良好には5又は10を超える遮蔽力Fを提供するのが良い。
本発明により、感光性メーキャップの耐久性が向上する。創出されたパターンのコントラストの劣化は延期される。
光防護層は、熱的に安定なフォトクロミック組成物を完全に覆っても良く、この組成物を越えて延びていても良い。感光性メーキャップのパターンは、光防護層とは独立していても良い。
本発明の例示の実施形態では、感光性メーキャップの外見を創出し、次に光防護層を塗る。光防護層、例えば光防護組成物又は衣服を第1の組成物の乾燥後に被着させても良い。
本発明の例示の別の実施形態では、熱的に安定なフォトクロミック組成物を塗布し、次に光防護層を塗布し、次に感光性メーキャップの外見を創出する。かかる状況下において、照射は、光防護層による放射線の吸収を補償するよう強力である。
好ましくは、両方の状況において、光防護層を被着させ、その後に、感光性メーキャップを施した人を屋外光に当てる。
光防護層の遮蔽力は、一様である必要はなく、非一様な遮蔽力は、有利には、熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させる放射線への暴露中に美的効果を作るために利用できる。これらの効果は、例えばフォトクロミック剤の色の強度の変化であるのが良い。かくして、光作用剤は、二重の役割、即ち、1つ又は2つ以上の美的効果の生成に寄与するという役割と非変色ゾーンを保護するという役割を果たす。かかる状況下において、感光性メーキャップの外見は、光防護層の存在と感光性メーキャップの外見を創出するために処理されているゾーン上に投影されたイメージの両方に関連した外観を備えるパターンを有するのが良い。
光防護層を一様な層又は非一様な層の形態で被着させることができる。非一様な層の場合、厚さ又は濃度の変化に起因する遮蔽力の変化は、有利には、上述したように美的効果を創出するために利用できる。
例えば第2の層の保持力を向上させるため又はこれとは対照的に第2の層が取れやすくするために、場合によっては中間層を熱的に安定なフォトクロミック組成物の層と光防護組成物の層との間に介在して設けるのが良い。
フォトクロミック剤は、熱的に安定性があるのが良い。
光作用剤は、光散乱剤であっても良く、着色若しくは無色であっても良く、それどころか蛍光であっても良い。
光防護層は、フォトクロミック剤をその非変色状態に戻す傾向のある第2の放射線を遮るよう配置されているのがよい。
光防護層は、剥離可能な粘着性被膜を形成するのが良く、それにより、これを取れやすくする。
第1及び第2の層は、互いに相補するイオン性を備えると共に/或いは互いに相補する表面張力を有するのが良い。
本発明では、光作用剤を含む単一の層又は複数の互いに異なる光作用剤を含む複数の層を被着させることが可能である。
例えば、UV放射線及び可視光に関し、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層のための保護を提供する単一の層を被着させることが可能である。
また、UV保護のための特定の層及びUV及び/又は可視光に関して追加の保護のための追加の層を被着させることが可能であり、追加の層は、例えば着色剤又は熱的に不安定なフォトクロミック剤を含む。
また、UV保護のための層及びUVに関して追加の保護を提供する蛍光化合物を含む追加の層を被着させることが可能である。
特定の一状況では、熱的に安定なフォトクロミック組成物の第1の層及び熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させる放射線に対してスクリーンを形成する光作用剤を含む第2の光防護層を有する多層フィルムを被着させる。フィルムは、自立性であっても良く、移着によって被着されても良い。
本発明の例示の他の実施形態は又、キットであって、
・波長λの放射線への暴露によって変色可能な熱的に安定なフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミックの第1の組成物と、
・第1の組成物に塗布可能に少なくとも一部が透明であり、波長λの放射線を遮蔽する光作用剤を含む光防護の第2の組成物又は衣服と、
・感光性メーキャップの外見を創出するための照射器とを単一の包装材内に収容して有することを特徴とするキットを提供する。
・波長λの放射線への暴露によって変色可能な熱的に安定なフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミックの第1の組成物と、
・第1の組成物に塗布可能に少なくとも一部が透明であり、波長λの放射線を遮蔽する光作用剤を含む光防護の第2の組成物又は衣服と、
・感光性メーキャップの外見を創出するための照射器とを単一の包装材内に収容して有することを特徴とするキットを提供する。
フォトクロミック剤は、ジアリールエテン及びフルギドから選択されるのが良く、フォトクロミック剤は、UV放射線への暴露によって変色可能であり、光作用剤は、特に、太陽UV放射線に関しての遮蔽力Fが2、3又は4以上であるスクリーンをUVに対して形成する。
キットは、ユーザに周囲照明中における上述の放射線の強度を知らせることができるようにするシステムを有するのが良い。それにより、例えば光防護組成物を選択することが可能である。
熱的に安定なフォトクロミック組成物
本発明によれば、感光性メーキャップの外見は、適当な熱的に安定なフォトクロミック組成物を用いて作られる。
本発明によれば、感光性メーキャップの外見は、適当な熱的に安定なフォトクロミック組成物を用いて作られる。
本発明の熱的に安定なフォトクロミック組成物は、感光性メーキャップによる外見を作るのに適した1種類又は2種類以上の熱的に安定なフォトクロミック剤を含み、即ち、かかるフォトクロミック剤は、光の照射の影響を受けて外観を変更する。
本発明において用いられる熱的安定性の1種類又は複数種類のフォトクロミック剤は、例えば、非可逆的フォトクロミック剤、即ち、外観の変化が得られると、これが永続的になる非可逆的フォトクロミック剤であっても良い。
用いられる1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤に応じて、感光性メーキャップによる外見は、適当な放射線例えばUV及び/近UVへの暴露による上述の1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤が次第に変色することによって作られ、又は既に変色状態にある1種類又は2種類以上の熱的に安定なフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミック組成物から開始することによって作られ、かかるフォトクロミック剤は、適当な放射線、例えば近UVを超える可視光の適用により非変色状態になる。
感光性メーキャップは、所望のメーキャップ結果を正確に得るために、1種類又は2種類の熱的に安定なフォトクロミック剤の変色と1種類又は2種類以上の熱的に安定なフォトクロミック剤の消色(色が元に戻ること、復色)の両方を例えば連続して又は交互に行うことができる。
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤が非変色状態で、角質性物体への塗布前に包装器具内に収納されるのが良い。この形態では、熱的に安定なフォトクロミック組成物は、1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤が非変色状態で角質性物体に塗布されるのが良く、次に、放射線を適用して1種類又は複数種類のフォトクロミック剤を変化させるのが良い。
変形例では、フォトクロミック組成物は、1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤が非変色状態で角質性物体に塗布され、次に、かかるフォトクロミック剤は、変色状態にされ、しかる後、放射線を選択的に当てて1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤を例えば局所的に非変色状態にする。その目的は、例えば、1種類又は2種類以上のパターンを作ると共に/或いは所望の色を得ることにある。
別の変形例では、熱的に安定なフォトクロミック組成物は、熱的に安定なフォトクロミック剤が変色状態で包装器具内に納められる。次に、熱的に安定なフォトクロミック組成物を1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤が変色状態で塗り、これらフォトクロミック剤は、1つ又は2つ以上のパターンを形成すると共に/或いは所望の色を得るために選択された仕方で非変色状態にされる。
熱的に安定なフォトクロミック組成物を角質性物体に塗る際に、1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤が既に変色状態にある熱的に安定なフォトクロミック組成物を用いようとする場合、選択的に、熱的に安定なフォトクロミック組成物を光の照射に当てるのに適した光源を、例えば、熱的に安定なフォトクロミック組成物を収容した入れ物のエンクロージャ内に又は分配オリフィス若しくは塗布部材のところに有する包装器具を用いることが可能であり、光の照射は、1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤を変色させるのに適した波長のものである。
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、例えば変色状態では色を生じさせることができる、例えば、非変色状態では無色である熱的に安定なフォトクロミック剤、又は変色状態ではそれぞれ互いに異なる色を生じさせる一方で、非変色状態では別の色を有し又は無色である熱的に安定なフォトクロミック剤の混合物を有するのが良い。
一例として、黄色、青色及び赤紫色の熱的に安定なフォトクロミック剤の混合物とこれよりも多い比率の例えば変色状態では黄色である熱的に安定なフォトクロミック剤の組み合わせを有する熱的に安定なフォトクロミック組成物を用いることが可能であり、比率は、例えば、熱的に安定なフォトクロミック剤の全てが変色状態にあるとき、皮膚の色合いに近い色合いが得られるよう選択される。かくして、本発明の一実施例では、黄色、赤紫色及び青色の熱的に安定なフォトクロミック剤の混合物が、それぞれ約50%、35%及び15%の相対的比率で用いられる。
熱的に安定なフォトクロミック組成物が複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤を有する場合、互いに異なる主波長の放射線への暴露によって変色可能な熱的に安定なフォトクロミック剤を用いることが可能であり、その結果、熱的に安定なフォトクロミック組成物が暴露される放射線の波長を選択することにより、別の色は変色させず1つの色を変色させることができる。また、それぞれの主波長に暴露されると、消色可能な熱的に安定なフォトクロミック組成物中の熱的に安定なフォトクロミック剤を用いることが可能であり、このことは、熱的に安定なフォトクロミック組成物を消色させるために用いられる光の特性を選択することにより、別の色は消色させず所与の色を消色させることができることを意味している。
熱的に安定なフォトクロミック剤の熱的安定性の測定
フォトクロミック剤が熱的に安定しているかどうかを判定する試験は、次の通りである。当初非変色状態で色Eiの試験されるべきフォトクロミック剤を1J/cm2(一平方センチメートル当たりのジュール)でUV放射線を用いて1分間照射し、次に、例えばMINOLTA CM 2002(d/8,SCI、D65,2°観察者)からの分光比色計を用いてその最終の色Efを判定し、次の色の差、即ち、
がCIELAB色空間で得られ、これは、最大変色度に対応している。次に、この化合物を60分間25℃で真っ暗闇の中に放置し、次にその色Erを上述の方法の使用により判定する。ΔEi,rの新しい値が最大変色度に相当するΔEi,fの値の少なくとも50%である場合、化合物は、熱的に安定性があると考えられる。好ましくは、熱的に安定なフォトクロミック剤は、いったん変色されると、得られるメーキャップは、1時間を超え、好ましくは4時間を超える間視覚的に観察できるように選択される。
フォトクロミック剤が熱的に安定しているかどうかを判定する試験は、次の通りである。当初非変色状態で色Eiの試験されるべきフォトクロミック剤を1J/cm2(一平方センチメートル当たりのジュール)でUV放射線を用いて1分間照射し、次に、例えばMINOLTA CM 2002(d/8,SCI、D65,2°観察者)からの分光比色計を用いてその最終の色Efを判定し、次の色の差、即ち、
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、熱的に可逆性のフォトクロミック化合物、例えばドープした酸化チタン、スピロピラン、スピロオキサジン又はクロメンを含まないのが良い。ただし、これら化合物の或る特定の形態は、熱的に安定なフォトクロミック剤の定義に含まれる。
本発明の1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤は、有利には、最初の照射線I1下において、このフォトクロミック剤又はこれらフォトクロミック剤は、着色状態になり、実質的に無色又はかすかに着色状態から始まって変色され、次に第1の照射とは異なる第2の照射線I2下において、このフォトクロミック剤又はこれらフォトクロミック剤は、実質的に無色又はかすかに着色状態に戻るようなものである。本発明の例示の実施形態では、照射線I1は、UV放射線(290nm〜400nm)、特にUVA(320nm〜400nm)及び/又は良好には近UV(400nm〜440nm)のUVBであり、照射線I2は、可視光における放射線、例えば白色光である。
熱的に安定なフォトクロミック剤
用いることができるフォトクロミック剤の好ましい例は、ジアリールエテン族に属する化合物及びフルギド族に属する化合物であり、しかしながら、このリストは、限定的ではない。当業者であれば、熱的に安定なフォトクロミック剤の例を記載した欧州特許出願公開第0938887号明細書を参照されたい。
用いることができるフォトクロミック剤の好ましい例は、ジアリールエテン族に属する化合物及びフルギド族に属する化合物であり、しかしながら、このリストは、限定的ではない。当業者であれば、熱的に安定なフォトクロミック剤の例を記載した欧州特許出願公開第0938887号明細書を参照されたい。
これらラジカルR1,R2は、互いに独立していて、弗素化又はペル弗素化される場合があるC1〜C16アルキルラジカル及びニトリルから選択されるのが良い。
これら化合物は又、特に次の化学式をもつ弗素化又はペル弗素化される場合がある5つ又は6つの炭素原子を含む環(cycle)を形成することができ、
或いは、特に次の化学式をもつ5炭素原子を含む無水物環を形成する。
この化学式において、Xは、酸素元素又は−NR3ラジカルであるのが良く、この場合、R3は、C2〜C16アルキル及び/又はヒドロキシアルキルラジカルを表している。
ラジカルA,Bは又、同種でも異種でも良く、特に、次の構造式をもつ5原子環又は5原子若しくは6原子の二環を表す場合がある。
・X及びYは、同種でも異種でも良く、酸素原子、硫黄原子、硫黄の酸化形態、窒素原子又はセレニウム原子である場合がある。
・Z及びWは、同種でも異種でも良く、炭素又は窒素元素を表す場合がある。
・ラジカルR3〜R12は、同種でも異種でも良く、水素、線状又は枝分かれC1〜C16アルキル又はアルコキシ基、ハロゲン、線状又は枝分かれ弗素化又はペル弗素化C1〜C4基、カルボキシル基、C1〜C16アルキルカルボキシル基、C1〜C16モノ又はジアルキル‐アミノ基、ニトリル基、フェニル基、ナフタレン基又は複素環(ピリジン、キノリン、チオペン)を表す場合があり、これらは、上述のラジカル上に置換可能である。
・Z及びWは、同種でも異種でも良く、炭素又は窒素元素を表す場合がある。
・ラジカルR3〜R12は、同種でも異種でも良く、水素、線状又は枝分かれC1〜C16アルキル又はアルコキシ基、ハロゲン、線状又は枝分かれ弗素化又はペル弗素化C1〜C4基、カルボキシル基、C1〜C16アルキルカルボキシル基、C1〜C16モノ又はジアルキル‐アミノ基、ニトリル基、フェニル基、ナフタレン基又は複素環(ピリジン、キノリン、チオペン)を表す場合があり、これらは、上述のラジカル上に置換可能である。
基A,Bは、1つ又は2つ以上の二重結合により環から分離できる。
二重結合と残りの基A,Bとの間の結合部に対してオルトの位置には、水素以外の基、例えばCH3、CN又はCOOEtが常に存在しなければならず、即ち、基R3又はR5、R4、R7及びR8は、水素以外でなければならない。
ジアリールエテンの一例は、変色状態では色が青色であるジアリールエテンであり、ヤマダ・ケミカル(Yamada Chemical)社(日本国所在)によりDAE‐MPという商品名で市販されており、化学名及び化学式は、次の通り、即ち、1,2‐ビス(2‐メチル‐5‐フェニル‐3‐チェニル)‐3,3,4,4,5,5‐ヘキサフルオロシクロペンテンであり、化学式は、次の通りである。
ジアリールエテンの別の例は、変色状態では黄色のジアリールエテンであり、化学式は、次の通りである。
これは、ヤマダ・ケミカルズ(日本国)によりDAE‐2BTという商品名で市販されており、化学式は、1,2‐ビス(3‐メチルベンゾ(b)チオペン‐2‐イル)ペルフルオロシクロペンテンである。
フルギドは、次の化学式で表せる。
この化学式において、
・基Aは、上述の意味を有している。
・基R13〜R15は、同種又は異種であって良く、C1〜C16線状又は枝分かれアルキル基を表し、又は、基R13,R14は、3個〜12個の炭素原子を含む環、例えばシクロプロパン又はアダマンチレン(adamantylene)を形成することができる。
・基Aは、上述の意味を有している。
・基R13〜R15は、同種又は異種であって良く、C1〜C16線状又は枝分かれアルキル基を表し、又は、基R13,R14は、3個〜12個の炭素原子を含む環、例えばシクロプロパン又はアダマンチレン(adamantylene)を形成することができる。
他の熱的に安定なフォトクロミック剤
これらのフォトクロミック化合物は、外観が変化し、例えば光の照射によって制御されるメカニズムを介して無色または淡く着色した形から着色した形へと変化する化合物である。
これらのフォトクロミック化合物は、外観が変化し、例えば光の照射によって制御されるメカニズムを介して無色または淡く着色した形から着色した形へと変化する化合物である。
かかるメカニズムは、例えば、無色の形から着色した形へと変化することにより、光が外観の変化を引き起こすという意味において、直接的であるのが良い。これは、例えば、光分解性機能又は光解離機能を持つ化合物に当てはまる。
好ましくは、光分解性機能又は光解離機能が角質性物体に対して不活性である化合物が用いられる。
好ましくは、光分解性機能又は光解離機能が高分子又はその他の固体若しくはバルク構造によって固定化又は保持されている化合物が用いられる。
一例として、シー・ピー・マッコイ(C. P. McCoy )他,「ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc. )2007,第129巻,p.9572に記載されているような3‐5‐ジメトキシベンゾイン基及び着色生成物が用いられるのが良い。
上述のメカニズムは、光により初めは無色である化合物が例えば別の形態に変化し、次いで第3の作用が、改質されたものの依然として無色である化合物を異なる外観をもつ、例えば着色した形態へと変換するという意味において間接的であるのが良い。
かかるメカニズムは、第3の作用が光によって改質されなかった化合物及び改質された化合物に対して異なる作用を及ぼす場合、例えば、未改質の化合物は転換されて外観が変化し着色され、一方例えば改質された化合物はその外観を例えば無色に保つ場合にも間接的である。
一例として、ジアゾニウム塩化合物及び結合反応によって反応可能な別の芳香族化合物を用いるジアゾタイプの原理を用いることができる。照射はジアゾニウム塩を破壊する(窒素の放出)。照射を受けなかったジアゾニウム化合物は、次に(例えば、アンモニアの存在下での)pHの単純な変化によってカップリング剤と反応し、アゾ化合物を生成する。このような状況下では、非着色ジアゾニウム塩化合物、例えば、環上にジアゾニウム基をもつがアミン又はヒドロキシル基を持たない芳香族化合物が選択される。カップリング剤は、例えばアニリン又はフェノール誘導体などの単純な芳香族アミンであるのが良い。
使用される1種類又は複数種類のフォトクロミック剤は、変色時に、又は例えば所望の熱安定性を与える化学物質が存在する状態にする特定の作用が行われた後にのみ熱的に安定性であるのが良い。
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、全部で0.001重量%〜20重量%の1種類又は複数種類のフォトクロミック剤、特に1種類又は複数種類の熱的に安定なフォトクロミック剤を含むこともできる。
フォトクロミック組成物は、化粧品用途に適した、特に欧州特許出願公開第0938887号明細書に記載された溶媒から選択される任意の溶媒も含むのが良い。
かかる組成物は、欧州特許出願公開第0938887(A1)号明細書の段落[0029]〜[0041]に記載された成分を含むのが良く、かかる特許文献を参照により引用し、当該内容を本明細書の一部とする。
感受性が低下した熱的に安定なフォトクロミック組成物
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、UV又は近UV放射線に対する組成物の感度を低下させる少なくとも1種類の光作用剤を含むのが良い。
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、UV又は近UV放射線に対する組成物の感度を低下させる少なくとも1種類の光作用剤を含むのが良い。
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、特に、1種類又は2種類以上の光作用剤を下記に規定される組成物の遮蔽力Fが2以上、又はさらに5、10、15又は20になるような十分な量で含むのが良い。
遮蔽力の測定プロトコル
SPF(サンケア指数)を判定するために用いられるプロトコルに類似したプロトコルが用いられ、その差は、皮膚の紅斑応答が考慮に入れられていないということにある。
SPF(サンケア指数)を判定するために用いられるプロトコルに類似したプロトコルが用いられ、その差は、皮膚の紅斑応答が考慮に入れられていないということにある。
識別されるべき遮蔽力の組成物は、1.2mg/cm2(一平方センチメートル当たりのミリグラム)の量でEUROPLAST社から入手できる5cm(センチメートル)×5cm×厚さ3mm(ミリメートル)であり、粗さが4.5±1μmの砂付きポリメチルメタクリレート(PMMA)プレート(UVスクリーンなし)に塗布される。プレートは、10±1μmのワセリン145Bの付着物が施された状態であらかじめ処理されている。組成物を14ドットの組成物の状態で付着させるのが良く、そして指を用いて20秒間塗り広げ、ジグザグにし、そしてプレートを5秒ごとに1/4回転させる。
塗り広げた後、0.6mg/cm2の組成物が存在する。かかる組成物は、20分間乾燥状態に置かれ、次に再び塗り広げられる。
分光放射計(例えば、一体形球を備えたLabsphereUV透過型分析器)が用いられ、この分光放射計は、290nm〜400nmまでの拡散透過率を測定する。透過に関する各値T(λ)を記録する。T(λ)は、放射線波長λが所与の場合、透過光エネルギーを入射光エネルギーで除算して得られた比である。1枚のプレートごとに5つの測定値を取り(プレートを動かして)、これら5つの測定値の平均値を取る。操作は、5枚のプレートに関して行われる。5つの測定値の平均を取る。
太陽UV放射線(290nm〜400nm)に対する遮蔽力Fは、次の2つの積分値の比によって与えられる。
上式において、I(λ)は、太陽スペクトルの各波長の発生を表す関数である。I(λ)は、コリパ・ガイドラインズ・エディション・オブ・2007(COLIPA GUIDELINES Edition of 2007):「ア・メソッド・フォー・ザ・イン・ヴィトロ・デタミナーション・オブ・ユーヴイエー・プロテクション・プロバイデッド・バイ・サンスクリーン・プロダクツ(A METHOD FOR THE IN VITRO DETERMINATION OF UVA PROTECTION PROVIDED BY SUNSCREEN PRODUCTS)」という刊行物において、試験管内SPFを計算するために用いられるI(λ)と同一である。F=1であれば、組成物は、遮蔽を行わない。
「波長λの放射線に対してスクリーンとして働く」という表現は、光作用剤が波長λの放射線を少なくとも2の減衰係数で減衰させるということを意味しており、測定は、吸収スペクトルを測定し、照射光線を波長λ±10nmのゾーンに制限する装置を用いて実施される。比は、次の通りである。
上式において、I(λ)及びT(λ)は、以下に定義されるように、波長λに対する減衰係数をもたらし、T(λ)は、以下に説明するように測定される。
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、放射線を遮る度合いが少ない間隔λ1〜λ2の波長の少なくとも1つの範囲Pを有するのが良く、この範囲における遮蔽力は、平均Fλ1,λ2であり、この場合、F/Fλ1,λ2>2、好ましくはF/Fλ1,λ2>5である。範囲Pの幅は、80nm未満であるのが良く、好ましくは、40nm未満であるのが良い。
Fλ1,λ2は、次のように、即ち、
によって定められ、上述したように測定され、限度290,400をλ1,λ2で置き換え、この場合、λ2>λ1である。
Fλ1,λ2は、次のように、即ち、
適宜、熱的に安定なフォトクロミック組成物は、変色性着色剤、例えば、色が経時的に変わる着色剤を含むのが良く、遅いことが望ましい場合、空気との接触によりゆっくりと着色状態になることができるDHA又はポリフェノールを含むのが良い。熱的に安定なフォトクロミック組成物は、例えば、90%変色状態になるのに30分よりも長くかかる着色剤を含むのが良い。かかる着色剤の利点は、かかる着色剤が例えば周囲光の影響下における感光性メーキャップパターンの劣化を遅らせるために、感光性メーキャップの外見がいったん作られると、遮蔽力を生じさせることにある。
第1の層中に存在する光作用剤の賦活剤として働く第2の層
本発明の例示の一実施形態では、第1の層は、熱的に安定なフォトクロミック組成物で構成され、光作用剤を部分的に又は全体的に失活形態で又は前駆物質として含む。失活形態又は前駆物質状態におけるこの光作用剤は、感光性メーキャップの結果を保護するのに十分な活性度を依然として備えていなかった。
本発明の例示の一実施形態では、第1の層は、熱的に安定なフォトクロミック組成物で構成され、光作用剤を部分的に又は全体的に失活形態で又は前駆物質として含む。失活形態又は前駆物質状態におけるこの光作用剤は、感光性メーキャップの結果を保護するのに十分な活性度を依然として備えていなかった。
感光性メーキャップ後、第2の層を塗ることは、失活状態の光作用剤を賦活し又は前駆物質を、熱的に安定なフォトクロミック組成物を生じさせる放射線に対するスクリーンを形成するのに有効な光作用剤の形態にする。
一例として、層のうちの1つの中における前駆物質の形態をした光作用剤は、ポルフィリン類からの着色剤であるのが良く、溶解状態の塩、例えば亜鉛塩、鉄塩又はマグネシウム塩の他の層中に存在することにより賦活状態にされるのが良い。
方鉛鉱形態
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、用途及びその成分の性状に応じて、種々の方鉛鉱形態で提供されるのが良い。
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、用途及びその成分の性状に応じて、種々の方鉛鉱形態で提供されるのが良い。
本発明の熱的に安定なフォトクロミック組成物は、美容整形上受け入れることができる材料、例えばあらゆる角質性物体、例えば皮膚、爪、毛、睫毛及び眉毛、粘膜、半粘膜並びに身体及び顔面の任意他の皮膚ゾーンと適合性のある材料を含む。特に、かかる材料は、とりわけ、懸濁液、分散液、溶剤に溶けた溶液又は水性アルコール材料(選択的に、増粘され又はゲル化される)、水中油型乳剤、油中水型乳剤又は多層乳剤、ゲル又はフォーム、ゲル乳剤、スプレー、ルーズな、コンパクトな又は注型粉末、無水物ペースト又はフィルムを含み又はそれから成るのが良い。
処理ゾーン
通常メーキャップされる身体のどの部分も、例えば、爪、睫毛、毛、皮膚及び特に顔面の皮膚、例えば頬、額、唇又は目の輪郭、首、胸又は脚は、本発明の感光性メーキャップを受け入れることができる。
通常メーキャップされる身体のどの部分も、例えば、爪、睫毛、毛、皮膚及び特に顔面の皮膚、例えば頬、額、唇又は目の輪郭、首、胸又は脚は、本発明の感光性メーキャップを受け入れることができる。
また、滅多にメーキャップされることのない身体の部分、例えば耳、手又は歯を処理することが可能である。これらゾーンは、従来型メーキャップ製品が塗りやすくはない複雑な形状を有している。感光性メーキャップにより、これらの複雑の形状にもかかわらず、美的結果を得ることができる。
感光性メーキャップは、皮膚の汚れをカモフラージュするために使用できる。
感光性メーキャップは、選択的に、ユーザにより着用される衣服又はアクセサリからパターン、例えば、1個の宝石、財布、眼鏡、靴、家具、携帯型情報端末(PDA)又は携帯電話に施されるパターンを繰り返すことができる。
適宜、かかる衣服又はかかるアクセサリの販売に伴って、アクセサリ又は衣服と協調する感光性メーキャップの外観を作ることができるファイル又はインターネットリンクの提供が行われるのが良い。
ファイル又はインターネットリンクは、衣服又はアクセサリと協調するために設計され又は選択されたイメージを生じさせるのに必要なデータへの接近を可能にする。一例として、かかるファイル又はインターネットリンクは、パターンの全て又は一部を繰り返すことができ又はこれらを完全にすることができる。
塗布モード
本発明を具体化するのに用いられるのに適した組成物を粉末、流体、スプレー又はフィルムの形態で塗ることができる。流体は、互いに異なるレオロジーを有しても良い。組成物は、例えば、角質性物体上にこすり付けられると、広がって塗られる製品のブロックであっても良く、或いは、液体であっても良い。
本発明を具体化するのに用いられるのに適した組成物を粉末、流体、スプレー又はフィルムの形態で塗ることができる。流体は、互いに異なるレオロジーを有しても良い。組成物は、例えば、角質性物体上にこすり付けられると、広がって塗られる製品のブロックであっても良く、或いは、液体であっても良い。
熱的に安定なフォトクロミックの又はオプションとして光防護組成物の層及びそれどころか光防護組成物の層を乾燥又はほぼ乾燥状態の粉末の形態で付着させることができる。
組成物は、選択的に、あらかじめ成形されたフィルムの形態をしていても良い。
好ましくは、多層塗布を利用する場合、第2の層は、好ましくは、既に塗布されている第1の層を劣化させないで塗布される。この目的のため、吹き付けにより第2の層を形成するようになっている組成物を塗布することが好ましい場合がある。
塗布は又、プリンタ、例えばインクジェットプリンタを用いて、或いは、処理されるべきゾーンに接触し、選択的に、かかるゾーン上に動かされる装置を用いて実施できる。1つ又は2つ以上の層を吹き付ける場合、スプレー技術、例えば、推進ガスによる吹き付け、エアブラシ又は静電若しくは圧電吹き付けを利用することができる。塗布は又、移着により、或いは組成物のうちの少なくとも1つを支持した支持シートを用いて、又は形成されるべき種々の層により実施できる。移着は、圧力により、熱により且つ/或いは支持シート及び/又は本発明に従って処理されるべき角質性物体に塗られた溶剤を用いて達成できる。
塗布は、手を用いて又は自動的に、例えばマニプレータアームを用いて実施できる。
各層は、その層に先立つ層を乾燥させた後に塗布されるのが良い。
塗布は、塗布されるべき組成物が装填された塗布部材を有するアプリケータ、場合によっては1回使用アプリケータを用いて実施できる。
組成物は、とりわけ、店頭で、ビューティサロンで又は家庭で塗布できる。
各組成物は、使用前に任意適当な入れ物の中に包装されるのが良い。
組成物、特に熱的に安定なフォトクロミック組成物を、周囲光の強度が感光性メーキャップの外見の質を損なわないことを確認した後に塗布されるのが良い。確認は、周囲光が強すぎる、例えば、0.1mW/cm2又は0.5mW/cm2のフルエンスを持つUV又は近UV放射線を含んでいる場合、ユーザに警告を出す警告装置を用いて実施されるのが良い。かかる装置は、自立型であっても良く又は包装器具若しくは熱的に安定なフォトクロミック組成物の塗布のための器具場合によっては、光防護組成物の包装器具又はその塗布のための器具と一体であっても良い。
適宜、UV放射線のレベルに応じて、複数種類の組成物の中から、警告装置によって送り出される情報は又、熱的に安定なフォトクロミック組成物、光防護組成物及び/又はベース層として役立つ組成物を選択するのに有用な場合がある。
上述したように、必要に応じて、熱的に安定なフォトクロミック組成物は、完全に変色状態で又は非変色状態で塗布できる。
熱的に安定なフォトクロミック組成物及び被覆層、ベース層又は光防護層を形成するようになった組成物は、種々の形態、例えば、クリーム、ゲル、液体、手で又はアプリケータ、例えばロールオンを用いて塗り広げられる組成物の形態であるのが良い。
組成物は、角質性物体と接触する組成物のブロック、例えばリップスティックを動かすことにより塗布できる。さらに、組成物は、エアゾール缶、ポンプボトル又は静電、圧電若しくはエアブラシスプレー器具を用いて吹き付けることによって塗布できる。
組成物は、必要ならばブラシ又は塗料ばけで塗布できる乾燥形態、例えば粉末であっても良い。
フォトクロミック組成物を変色状態で塗布しようとする場合、フォトクロミック組成物は、図16に示されているような包装・塗布器具内に入れられるのが良く、この包装・塗布器具は、組成物を収容した入れ物1000、組成物を変色させるよう例えばUV光又は放射線を放出する光源1010及びアプリケータ手段、例えばアプリケータ塗料ばけ1020を有する。
感光性メーキャップを処理するシステム
感光性メーキャップを処理するシステム1を用いて感光性メーキャップによる外見を作ることができ、このシステム1は、図1に概略的に示されているように少なくとも1つの光源2を備えた照射器3を有する。環境に応じて、イメージャは、例えば熱的に安定なフォトクロミック組成物が含む1種類又は複数種類のフォトクロミック剤が非変色状態から変色状態に移るようにすることにより且つ/或いは熱的に安定なフォトクロミック組成物中に含まれている1種類又は複数種類のフォトクロミック剤が変色状態から非変色状態にするようにすることによりかかる1種類又は複数種類のフォトクロミック剤を消色させるのに役立つことにより熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるのに役立つ場合がある。組成物が当初、非変色状態にあるとき、例えば、熱的に安定なフォトクロミック組成物をUV又は近UV放射線により変色させることができる場合、照射器は、UV又は近UV放射線を放出するのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステム1を用いて感光性メーキャップによる外見を作ることができ、このシステム1は、図1に概略的に示されているように少なくとも1つの光源2を備えた照射器3を有する。環境に応じて、イメージャは、例えば熱的に安定なフォトクロミック組成物が含む1種類又は複数種類のフォトクロミック剤が非変色状態から変色状態に移るようにすることにより且つ/或いは熱的に安定なフォトクロミック組成物中に含まれている1種類又は複数種類のフォトクロミック剤が変色状態から非変色状態にするようにすることによりかかる1種類又は複数種類のフォトクロミック剤を消色させるのに役立つことにより熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるのに役立つ場合がある。組成物が当初、非変色状態にあるとき、例えば、熱的に安定なフォトクロミック組成物をUV又は近UV放射線により変色させることができる場合、照射器は、UV又は近UV放射線を放出するのが良い。
処理されるべきゾーンまで移動する光の経路内に配置され、選択的に、処理されるべきゾーンと接触状態にあるマスク又はネガによってイメージを定めることができる。
照射器は、好ましくは、少なくとも1つのイメージを処理されるべきゾーンZ上の距離を置いたところに形成する1つ又は2つ以上のイメージャ4を有する。
単純化された形態では、1つ又は複数のイメージャは、マスク又はネガ及び処理されるべきゾーン上に投影を行う光学系を用いるのが良い。ネガは、イメージをUV又は近UV光で形成することができるUVネガであるのが良い。
光源2は、任意形式の発光素子、例えば白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ及び/又はエレクトロルミネセンス素子、特に1つ又は2つ以上の発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)又は他のエレクトロルミネセンス技術から成っているのがよい。
以下に詳細に説明するように、照射器3は、一方においてUV又は近UVの放射線を放出し、他方において、可視光、特に近UVを超える可視光を放出するために複数の源を有するのが良い。
有利には、1つ又は複数の光源及び1つ又は複数のイメージャを有する照射器は、UV又は近UV放射線及び可視光を選択的に放出することができる。
可視光のイメージの投影像をUV光のイメージの投影像に変えることは、例えば、光源を変えることにより、可動ミラーを用いることにより、半透明表面を用いることにより、フィルタを追加し又は除去することにより且つ/或いは周波数2倍器又は3倍器を用いることにより達成できる。
以下に詳細に説明するように、可視光を用いることにより、処理されるべきゾーン上に投影されたイメージを、変色を実施する前に且つ/或いは1種類又は複数種類のフォトクロミック剤が変色を可能にするときに、少なくとも部分的に既に変色させたゾーンから感光性メーキャップを落とす前に、見ることができる。
図1で理解できるように、感光性メーキャップを処理するシステムは、ユーザインターフェイス11と関連している場合のあるコンピュータ10を有するのが良く、このユーザインターフェイスは、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、音声認識エンジン、グラフィックスタブレット、ジョイスティック及び/又はタッチパッドを含むが、このリストは、本発明を限定するものではない。
コンピュータ10は、マイクロコンピュータ及びより一般的に言って例えば、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ及び/又はプログラム可能論理アレイを用いて得られるアナログ及び/又はディジタルの任意のコンピュータ処理手段であるのが良い。
コンピュータ10は、1つ又は2つ以上の電気機器の形態で製造でき、電子イメージャが用いられる場合、適宜、イメージャは、コンピュータ処理のうちの全て又は幾つかを実施することができる。コンピュータ10は又、ディスプレイ手段12と関連しているのが良く、このディスプレイ手段は、例えば、LCD、プラズマ、OLED又は陰極線管のカラースクリーンであり、選択的に、タッチスクリーンである。以下に説明するように、このディスプレイ手段12は、処理されたゾーンを処理中に表示するために使用でき、処理を制御すると共に/或いはシミュレーションを表示することができる。
コンピュータ10は又、データ格納手段13、例えば、ハードディスク、磁気テープ、光ディスク及び/又はフラッシュメモリと関連しているのが良く、データ格納手段は、場合によっては、コンピュータ10、照射器3に組み込まれると共に/或いは外部データ格納システムに納められて少なくとも部分的に遠隔に位置していても良い。
コンピュータ10は、例えば感光性メーキャップに関するデータをダウンロードし又は塗られている又は塗られた感光性メーキャップに関するデータを第三者又はサーバに送るのに役立つネットワークインターフェイス14と関連するのが良い。
適宜、コンピュータ10は、有利には、イメージを形成するために用いられる光を生じさせる1つ又は複数の源を制御するのが良く、その結果、イメージは、あらかじめ定められた発光剤で形成されるようになる。
イメージャは、有利には、以下に説明する電子アドレス可能なマトリックスイメージャであり、コンピュータは、既定のイメージを処理されるべきゾーンZ上に投影するためにデータをこのイメージャに送ることができる。
感光性メーキャップを処理するシステムは、イメージを手動で又は自動的に合焦させることができる少なくとも1つの光学及び/又は電子システム及び有利には動きを阻止する手段を備えるのが良い。
ゾーンを照射器に対して依然として処理状態に保つために、感光性メーキャップを処理するシステムは、人を静止状態に保つ手段を有するのが良く、このことは、動きによる結果及びあいまいな結果を回避することができるということを意味している。
イメージが顔面上に形成される場合、感光性メーキャップを処理するシステムは顔面が弛緩状態にあるかどうかを検出すると共にそのイメージャを関数として制御するよう構成されているのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステム1は、平坦な部分を有するのが良く、或いは、身体の一部の形状を辿るのが良く、その部分は、処理されるべきゾーンに当てて配置されるのが良い。
代替的に又は追加的に、感光性メーキャップを処理するシステムは、動きを矯正するシステム、例えば、静止画像カメラ又は映写カメラ中の画像を安定化させるために用いられるのと同一形式のシステムを有するのが良い。
顔面を処理する場合、感光性メーキャップを処理するシステムは、図2で理解できるように、顎載せの形態の処理されるべき個人を動かなくする手段8を有するのが良い。
変形例では、照射器3は、携帯可能であり、かかる照射器は、例えば顔面を照明するために処理されるべき個人により支持されたマウントに取り付けられるのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステム1は、光学収集装置16を有するのが良く、この光学収集装置は、本発明の例示の一実施形態では、データをコンピュータ10に伝送してコンピュータが感光性メーキャップによる外見を提案すると共に/或いはその作製を制御するようになっており、これについては、以下に詳細に説明する。光学収集装置16は、有利には、イメージの投影方向に実質的に平行な視軸を有するのが良い。光学収集装置は、モノピクセル又はマルチピクセルであるのが良く、この光学収集装置は、イメージャにより放出された光を直接受け取ることができ、又は、処理されるべきゾーンZによって反射された光を受け取ることができる。
オプションとしての光学収集装置、照射器、オプションとしてのコンピュータ及びオプションとしてのビュースクリーンは、別々の要素の形態で製作でき、又は、同一のケーシング内に一体化できる。照射器及び光学収集装置は、有利には、同一ケーシング内に一体化されるのが良く、或いは、他の手段によって互いに締結されるのが良い。
ビュースクリーンは、照射器のケーシングの背部に締結されるのが良く又はケーシング内に一体化されるのが良い。適宜、光学収集装置は、クローズアップ収集のための内部照明手段を有する。
照射器のケーシングも又可動であるのが良く、このケーシングは、例えば皮膚に取り付けられても良く、手持ちされても良い。本発明の例示の一実施形態では、照射器のケーシングは、例えば、テーブル上に置かれるのが良い。この場合、かがむことによって顔面をケーシング上に配置されるよう近づけるのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、目及び/又は口が開かれている場合、照射を停止し又は照射を開始しないようにするため、目及び/又は口の開閉を検出する手段を備えるのが良い。光学収集装置16は、この目的のためにコンピュータ10により分析されるイメージを提供することができる。
イメージが顔面上に形成される場合、感光性メーキャップを処理するシステムは、顔面を識別するよう構成されているのが良く、イメージャは、少なくともこの識別の関数として制御されるのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、有利には、ユーザが感光性メーキャップの進捗状況を目で見て又は別のやり方で評価することができるよう設計されている。
この目的のため、感光性メーキャップを処理するシステムは、照射中、処理されているゾーンを直接見ることができる窓を有するのが良く、この観察は、適宜、UVスクリーンにより実施される。直接見ることができる余地を提供することができるようにするため、光は、オフセット位置から放出されるのが良く、光ファイバ又は少なくとも1つの鏡(ミラー)若しくはプリズムが、光を差し向けて放射線を処理されるべきゾーン上に合焦させるために用いられるのが良い。
図3は、感光性メーキャップを処理するシステムの一部を示す略図であり、このシステムは、2つのイメージャ4a,4bを有し、これらイメージャは、それぞれ、処理されるべきゾーンZに向かって紫外線又は可視光を放出する。これらイメージャ4a,4b相互間には、処理中、ゾーンZを観察することができるようにする窓403が設けられている。
観察ゾーンは又、図4で理解できるように、鏡404又は任意他の光学システム、例えば光ファイバ又はプリズムを用いてオフセットしているのが良い。
光学収集装置、例えばビデオカメラ又はディジタルフォトグラフィック装置が設けられている場合、処理されたゾーンZを、照射器上に配置可能であり又はオフセット可能であるスクリーン上で見ることができる。
図5は、鏡18を用いることにより処理されるべきゾーンZに向かって差し向けられた光ビームをオフセットさせることにより照射器3を生じさせる可能性を示している。
図6は、それぞれUV放射線及び可視光を放出する2つの光源2a,2bを備えた照射器3を製作する可能性を示している。図6に示されている照射器は、光源2bの前に配置されたカラーフィルタ302、例えば緑色フィルタ、調節可能なコリメーション光学系303及び可動鏡304を有している。この例における照射器3により、ネガ308を光路中に配置することができる。調節可能なコリメーション光学系303により、ネガのイメージは、照射器3の光出口から或る特定の距離を置いたところに、例えば、約20センチメートルのところに見える。
照射器3は、2つのスイッチ306,307を備えている。第1のスイッチは、光源2a,2bを作動させる。可動鏡は、第2のスイッチの位置が所与の場合、可視光だけを光出口に向かって差し向けるよう配置されている。スイッチを作動させることにより、例えば、マイクロモータ又は電磁石を動作状態にすることにより可動鏡が動き、次に、UV放射線がネガ308の方に向けられる。
上述したように、感光性メーキャップを処理するシステムは、有利には、電子アドレス可能マトリックスイメージャを有する。
電子アドレス可能マトリックスイメージャ
一例を挙げると、アドレス可能マトリックスイメージャは、10×10個以上の画素、好ましくは10×100個以上の画素の解像度でピクセル化画像を投影するのに適している。
一例を挙げると、アドレス可能マトリックスイメージャは、10×10個以上の画素、好ましくは10×100個以上の画素の解像度でピクセル化画像を投影するのに適している。
イメージャが電子アドレス可能マトリックスイメージャである場合、処理されるべきゾーン上に形成されるイメージは、オン又はオフの状態にあり、選択的に、各々が既定のグレーレベルの状態にある画素によって形成される。一例として、図2Aは、作られる感光性メーキャップPが唇輪郭から成る図2の細部を示している。図2Aは、投影イメージの種々の画素の配置状態を示しており、作られるべき輪郭に対応した画素だけがスイッチオンされている。熱的に安定なフォトクロミック組成物の変色状態は、画素の状態にマッチしている。
アドレス可能マトリックスイメージャから出た光は、単色又は多色であり、好ましくは、アドレス可能マトリックスイメージャは、UV放射線又は近UV放射線及び更に近UV放射線を超える可視光を選択的に放出することができ、可視領域で放出された光は、場合によっては、白色光又は着色光であり、選択的に、単色光である。
コンピュータ10は、電子イメージャを制御する基準としてのディジタルイメージ、特に、各画素のグレーレベル及びオプションとして更に各画素のところの光の主波長を定めることができる。
アドレス可能マトリックスイメージャを作製するのに幾つかの技術を利用することができる。
テキサス・インストルメンツ(TEXAS INSTRUMENTS)社により発明されたDLP(ディジタル光処理)と呼ばれている技術を利用することが可能であり、このDLPは、電気パルスを用いることにより個々に制御可能な向きの数千個のマイクロミラーで構成されたDMA(ディジタルマイクロミラーデバイス)チップを用いており、これらマイクロミラーは、これらの向きに応じて、入射光ビームをイメージャの光出口に送るために又は送らないようにするために、オプションとして入射光ビームを反射することができる。投影されるべきイメージは、鏡又はミラーのマトリックス上に形成される。各画素のグレーレベル(例えば、256個のレベル)は、マークスペース比の調節によって制御できる。
図7は、この技術を用いて製作されていて、参照符号111で示されたDMDチップを用いる電子イメージャ4の一例を示している。チップは、定盤112に取り付けられるのが良く、この定盤は又、チップを制御するプロセッサ113を含むと共に更にオプションとしてのメモリ114を含むのが良い。図示の例では、チップは、プロセッサ113及びメモリ114として同一定盤上に取り付けた状態で示されているが、これらアイテムは、どこか他の場所に配置されても良い。
図7に示されているイメージャ4は、光源2からの光を受け取り、この光源は、UV放射線及び/又は可視光の両方を放出することができる光源であっても良く、或いは、可視光又はUV放射線を選択的に放出することができる光源であっても良い。
光源2は、例えば、UVスペクトル及び可視スペクトルを放出するハロゲンランプ、放電ランプ又はUV放射線及び白色光を放出することができ又は所与の色の光を放出することができる1つ又は2つ以上のLEDであるのが良い。
図示のように、イメージャ4は、光学系118,119,120を有するのが良く、これら光学系は、それぞれ、光を集光させ、光をDMDチップ上に合焦させ、光を処理されるべきゾーンに差し向ける。
光源2が図示のようにUV光及び可視光の発光スペクトルを有する場合、イメージャ4は、例えば集光光学系118と合焦光学系119との間の光ビームと交差するフィルタホイール130を有するのが良い。フィルタホイール130の位置に応じて、チップは、UV光又は可視光を受け取り、これは、次に、光出口の方に差し向けられる。
図8の変形例における照射器は、光源2からの入射光を例えばそれぞれUV又は近UV光及び可視光の互いに異なる主波長の少なくとも2つのビームに分割するプリズムに取り付けられた複数個のDMDチップを用いている。
DMDチップによって反射された光ビームは、処理されるべきゾーンの方へ投写される。
UV又は近UVビームと関連したDMDチップ及び可視光のビームと関連したチップを制御することにより、UV光のビーム又は可視光のビーム或いは場合によってはこれら両方を一度に処理されるべきゾーン上に投写することができ、変色が比較的ゆっくりと起こる場合、これは、変色を実施するよう作用する光の適正な位置決め状態を視覚的に目で見てモニタすることができるようにするために有用な場合がある。
照射器は又、液晶ディスプレイ(LCD)技術を更に利用することができる。
図9の例では、光源2は、二色性(ダイクロイック)ミラー125に差し向けられ、この二色性ミラーは、互いに異なる主波長の少なくとも2つの光ビームを発生させ、例えば、これらビームのうちの一方は、主波長がUV又は近UV領域にあり、他方の主波長は、可視光領域にある。
ビームは、ミラー125,126によってLCDマトリックススクリーン127の方に差し向けられ、投影されるべきイメージは、これらスクリーン上に形成され、プリズム系128の方に差し向けられた単色イメージを作り、イメージを投影光学系120を介して処理されるべき表面に送ることができる。スクリーン127の不透明度に応じて、放出される光は、可視領域又はUV領域にある。
図10に示されている照射器3は、LCDマトリックススクリーン132及びスクリーン132を照明する光源2を有している。スクリーン上に形成されたイメージは、投影光学系120によって処理されるべきゾーン上に投影される。一例を挙げると、光源2は、UV光又は可視光を選択的に放出することができる。
変形例では、スクリーン132は、図6の例のネガ308に取って代わることができる。
投影システムは又、液晶シリコン上に実装される液晶(LCOS)から技術を利用する場合がある。LCD技術は、光がLCDスクリーンを通過するので半透過型と呼ばれており、DLP技術は、光がDMDチップのマイクロミラーによって反射されるので反射型と呼ばれている。LCOS技術では、DMDチップのミラーに代えて、液晶の層で覆われた反射面が用いられており、かかる液晶の層は、光通過状態と光遮断状態との間で切り替え可能である。液晶がターンオンされたりターンオフされる周波数を変調することにより、画素のグレーレベルを変化させることができる。
一例を挙げると、図7及び図8に構成を用いることができ、かかる構成では、DMDチップに代えてLCOSチップが用いられている。
図10Aは、LCOSチップ型照明器を示している。レンズ系901が、光源2、例えばUVランプと半透明鏡903との間に配置されるのが良い。これは、光源からの光をチップ900に反射させる。チップは、再び光を反射してこれを合焦系120に向け、合焦系は、ピクセル化イメージを処理されるべきゾーン上に投影する。
一般に、アドレス可能マトリックスイメージャにより送り出されたイメージは、個々にアドレス可能であるグレーレベルの画素のマトリックスから成り、各グレーレベルは、例えば、少なくとも4つのビット、好ましくは8つのビットにコード化される。各画素と関連した光も又、適宜コード化されるのが良い。
投影されるべきイメージをVGA、SVGA、複合体、HDML、SVIDEO、YCBCR、光微量信号又は他の規格に準拠したビデオ信号の形態で又はビデオ若しくはディジタルイメージファイル、例えば、.jpeg、.pdf、.ppt等のファイルの形態で電子イメージャに送られるのが良い。これらイメージが単色ではない場合、ファイル中の画像上の既定の色は、例えばUV又は近UVの品質を制御することができる。
電子イメージャは、有利には、イメージを変更することなく、放出された光の性状を変化させることができるように製作され、一例として、イメージの画素は、これらのグレーレベルを保持し、上流側で用いられた源の発光スペクトルだけが変化する。これにより、イメージを処理されるべきゾーン上に視覚化することができ、この場合、単に源の発光スペクトルを変更するだけでゾーンを変色させることができる。
イメージャは、1つ又は2つ以上のフォトクロミック剤を選択的に除去すると共に変色状態における熱的に安定なフォトクロミック組成物から感光性メーキャップの外見を作るために可視光を投写するために使用できる。この場合、イメージャは、例えば、従来型ビデオプロジェクタであって良い。
投影イメージの選択
特に電子アドレス可能イメージャを用いられる場合、感光性メーキャップを処理するシステムは、好ましくは、投影イメージを選択する手段を備えている。これは、イメージのライブラリから選択を行うことにより、場合によっては、かかるライブラリから一連のイメージを表示し、ユーザが表示されたイメージを選択することによって達成できる。イメージをディジタル又は写真の形態で、例えば、データ格納手段に記憶させることができる。イメージライブラリは、感光性メーキャップを処理するシステムに格納されても良く、或いは、ダウンロードされても良い。
特に電子アドレス可能イメージャを用いられる場合、感光性メーキャップを処理するシステムは、好ましくは、投影イメージを選択する手段を備えている。これは、イメージのライブラリから選択を行うことにより、場合によっては、かかるライブラリから一連のイメージを表示し、ユーザが表示されたイメージを選択することによって達成できる。イメージをディジタル又は写真の形態で、例えば、データ格納手段に記憶させることができる。イメージライブラリは、感光性メーキャップを処理するシステムに格納されても良く、或いは、ダウンロードされても良い。
本発明の例示の一実施形態では、感光性メーキャップを受け取るようになった個人又はモデル、例えば著名人又は所与のスタイルの個人から始まって誂えた状態のイメージが用いられ、イメージは、場合によっては、作り上げられた又は作り上げられていない人から引き出される。また、図面、表、スケッチ又は風刺画から引き出したイメージを用いて投影イメージを生じさせることが可能である。
コンピュータは、そのメモリ内に線若しくははけすじ又は単一の点若しくは一連の線、すじ若しくは点の形態の少なくとも1つの絵画的モデルを有するのが良く又はこれをダウンロードするのが良い。
形成されるイメージは、収集したイメージの関数として自動的に決定されるのが良い。これにより、投影されたイメージを顔面の形態学的特徴及び/又は色に適合させることができる。
捕捉した顔面の位置から始まって、コンピュータは、感光性メーキャップの外見を作るようになったイメージを正確に位置決めすることができる。
感光性メーキャップを処理するシステムは、かくして、次のステップ、即ち、
・メーキャップされるべき被写体又は被験者のゾーンの少なくとも1つのイメージを収集するステップと、
・イメージャを収集したイメージの関数として制御するステップとを有する方法の実施において使用されるのが良い。
・メーキャップされるべき被写体又は被験者のゾーンの少なくとも1つのイメージを収集するステップと、
・イメージャを収集したイメージの関数として制御するステップとを有する方法の実施において使用されるのが良い。
一例として、イメージは、顔面又は身体の他の任意の処理されるべきゾーンの全て又は一部を捕捉するようになっているのが良い光学収集装置16を用いて収集できる。
一例として、上瞼に感光性メーキャップの外見を作るために、次のステップ、即ち、
・顔面のイメージを捕捉し、そしてこれから瞼ゾーンを推定するステップと、
・熱的に安定なフォトクロミック組成物が瞼ゾーンにいったん塗られると、瞼ゾーンの領域に作られるべき絵画的モデルを照射するステップとを実施することが可能であり、それ故、結果として得られる感光性メーキャップが正しい場所に作られる。処理されるべきゾーンの位置のところへの照射は、画素の全てが照明されたときに、イメージが極めて広いゾーンをカバーすることができる状況において対応の画素のみを照明することによって実施できる。良好な解像度から利益を得るために、処理されたゾーンは、例えば、イメージの画素の全個数の少なくとも2/3を含むのが良い。
・顔面のイメージを捕捉し、そしてこれから瞼ゾーンを推定するステップと、
・熱的に安定なフォトクロミック組成物が瞼ゾーンにいったん塗られると、瞼ゾーンの領域に作られるべき絵画的モデルを照射するステップとを実施することが可能であり、それ故、結果として得られる感光性メーキャップが正しい場所に作られる。処理されるべきゾーンの位置のところへの照射は、画素の全てが照明されたときに、イメージが極めて広いゾーンをカバーすることができる状況において対応の画素のみを照明することによって実施できる。良好な解像度から利益を得るために、処理されたゾーンは、例えば、イメージの画素の全個数の少なくとも2/3を含むのが良い。
コンピュータは又、絵画的モデルを顔面の形状に適合させるために絵画的モデルの形状を改変することができる。かくして、例えば、唇をメーキャップすることが望ましい場合、以下のステップ、即ち、
・顔面のイメージを捕捉し、これから唇のゾーンを推定するステップと、
・唇の形状を再現されるべき絵画的モデルと比較するステップと、
・絵画的モデルをこれが唇の形状内に内接するように修正するステップと、
・熱的に安定なフォトクロミック組成物が唇にいったん塗られると、これらを照射して修正された絵画的モデルを生じさせるステップとを実施するのが良い。この方法は、身体の他の領域にも適用できる。
・顔面のイメージを捕捉し、これから唇のゾーンを推定するステップと、
・唇の形状を再現されるべき絵画的モデルと比較するステップと、
・絵画的モデルをこれが唇の形状内に内接するように修正するステップと、
・熱的に安定なフォトクロミック組成物が唇にいったん塗られると、これらを照射して修正された絵画的モデルを生じさせるステップとを実施するのが良い。この方法は、身体の他の領域にも適用できる。
かくして、感光性メーキャップを処理するシステムは、以下の4つの機能、即ち、
・顔面又は処理されるべき身体の任意他の領域のイメージを捕捉する機能と、
・顔面又は処理されるべき任意他の部分のイメージを分析することにより、絵画的モデルを受け入れるべき顔面又は身体の部分上に作られるべき絵画的モデルの位置をロックする機能と、
・選択的に、絵画的モデルを顔面の形状に適合させるよう絵画的モデルの形状を修正する機能と、
・感光性メーキャップを作るようになったイメージの投影像を制御する機能とを備えるのが良い。
・顔面又は処理されるべき身体の任意他の領域のイメージを捕捉する機能と、
・顔面又は処理されるべき任意他の部分のイメージを分析することにより、絵画的モデルを受け入れるべき顔面又は身体の部分上に作られるべき絵画的モデルの位置をロックする機能と、
・選択的に、絵画的モデルを顔面の形状に適合させるよう絵画的モデルの形状を修正する機能と、
・感光性メーキャップを作るようになったイメージの投影像を制御する機能とを備えるのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、顔面の3D形状を収集する手段を有するのが良い。感光性メーキャップを処理するシステムは、例えば指を投影することにより凹凸を検出するようになった光学収集装置を有するのが良く且つ/或いは光学収集装置は、光沢を検出するようになっているのが良い。
本発明の例示の一実施形態では、用いられるこの絵画的モデルは、自動的に決定される。この選択は、ランダムな仕方で又は規則を用いて顔面の外観を最適化し、例えば、顔面に関するカラーハーモニー方式又は自然ハーモニー方式で調和させるプログラム化論理を用いることにより行われるのが良い。かくして、例えば、皮膚の白い顔面の場合、そばかすを生じさせることができる。
選択は又、論理を適用して非対称性のある顔面について対称性を確立することにより且つ/或いは光及び影を適用して角張り過ぎている顔面を丸くし又はその逆の関係にし或いは生まれつきの又は魅力のない比率を修正することによって実施できる。
本発明の例示の一実施形態では、感光性メーキャップを処理するシステムは、複数の絵画的モデルを提案し、ユーザが自由に1つを選択するようにする。これら提案は、例えばスクリーン上のディスプレイによって図式的に表現できる。提案された絵画的モデルを感光性メーキャップを受け入れるようになった被験者のイメージ上に重ね合わせることができ又はモデルを線図によって顔面を描くスクリーン上に表示できる。ユーザが絵画的モデルを選択できるようにするインターフェイスを用いるのが良い。一例として、ユーザに提案される絵画的モデルの説明は、感光性メーキャップを処理するシステムが実施するよう提案する行為を説明することにより口頭で与えられる場合がある。
感光性メーキャップを処理するシステムは、処理されるべきゾーン上の皮膚の傷を自動的に検出するよう構成されているのが良く、イメージャは、検出された傷の性状の関数として制御されるのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、傷、例えば、
・しみ、にきび、吹き出物、赤紫色の傷、おでき、
・しわ、ひび割れ、皮膚線条、静脈、
・隆起部分又は凹み部分、例えば傷跡、
・非対称性、
・皮膚の剥離、
・くすんだ又はてかった皮膚、
・毛、
を認識するようになった特定の認識機能を備えるのが良い。
・しみ、にきび、吹き出物、赤紫色の傷、おでき、
・しわ、ひび割れ、皮膚線条、静脈、
・隆起部分又は凹み部分、例えば傷跡、
・非対称性、
・皮膚の剥離、
・くすんだ又はてかった皮膚、
・毛、
を認識するようになった特定の認識機能を備えるのが良い。
傷は、イメージ分析及び/又は凹凸分析によって検出できる。イメージ分析は、3Dイメージ分析であるのが良い。イメージ分析は、色及び/又は光沢の分析を含むのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、上述の傷を見えにくくする目的で絵画的モデルをコンピュータ処理し又は選択することができる機能を更に備えるのが良い。言及することができるこれら絵画的モデルの例は、傷を有するものとして検出された幾つかの部分をぼかすようになった例及び或る特定の部分の輪郭、特に傷跡又は非対称性を変更するようになった例である。
本発明の例示の別の実施形態では、ユーザ又は第三者は、作られるべき絵画的モデルを定めることができる。かくして、ユーザ又は第三者は、感光性メーキャップを処理するためのシステムによって解釈された指令を送ることができる。これら指令は、図式(グラフィカル)であるのが良く、感光性メーキャップを処理するシステムは、タッチスクリーン型のマン‐マシーンインターフェイスを有するのが良い。ユーザは、顔面のイメージ上に又は顔面の線図上にメーキャップラインが作り出されるべきゾーンを指定することによりメーキャップ順序を送る。感光性メーキャップを処理するシステムは、ユーザからの命令を解釈し、これらを顔面のトポグラフィーに適合させ、感光性メーキャップの外見を作るよう構成されているのが良い。
指令は、例えば「唇ゾーンを赤で塗る」という説明であるのが良く、又は、指令は、直感的なものであっても良く、例えば「瞼メーキャップ」である。感光性メーキャップを処理するシステムは、次に、従来方法で又は特別にプログラムされた仕方で、使用されるべきデフォルトの絵画的モデルを解釈するよう働く。
指令は、プログラムされるのが良く、プログラムは、個人別にされるのが良い。
提案された絵画的モデルからの選択を行い又は作られるべき絵画的モデルを決定する人は、メーキャップされている個人又は他の何らかの人、例えば職業メーキャップアーティストであるのが良い。絵画的モデルの選択又は作製は、感光性メーキャップの外見が作られている場所又は遠隔地で実施できる。遠隔地で作用する場合、感光性メーキャップを処理するシステムは、処理のためのゾーンのイメージを通信することができる通信手段、例えば上述のネットワークインターフェイス14を備えるのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、選択的に、雑誌又は他のメディアからメーキャップ外観を捕捉し、次に処理されるべきゾーン上に再現可能な絵画的モデルをこれらから作る手段、例えばスキャナ又はRFIDチップリーダを備えるのが良く、チップは、メーキャップ外見の説明を含み、又は、これをダウンロードすることができるインターネットリンクを有する。このチップは、感光性メーキャップの外見を作るために使用される1種類又は複数種類の組成物を収容した包装材中に収納されるのが良く又は感光性メーキャップにより再現できる特定のパターンを備えた衣服又は他のアクセサリ中に収納されるのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、一連の多くの種類の絵画的モデルをシミュレーションの形態で表示するよう構成されているのが良く、その目的は、人がこれら絵画的モデルの中から再現されるべきモデルを選択することができるようにすることにある。
感光性メーキャップを処理するシステムは、顔面上に直接多くの種類のモデルを迅速に試す可能性を与えることができる。かくして、人は、実際の形態でモデルがその人に合っているかどうかを判定することができる。これらモデルは、可視光で顔面上に投影されるイメージであるのが良く、かかるイメージは、熱的に安定なフォトクロミック組成物又は例えば可視光による照射によって消色できる熱的に安定なフォトクロミック組成物を用いて作られた感光性メーキャップの外見を変色させることはない。
感光性メーキャップを処理するシステムは、有利には、格納手段13内のそのメモリ内に数種類のあらかじめ記録されたモデルを有するのが良く、作ることができた絵画的モデルを記憶することができる。このように、ユーザは、記録された絵画的モデルを用い又は交換することができる。
本発明の例示の一実施形態では、絵画的モデルをいったん選択すると、人の顔面のトポグラフィーへの絵画的モデルの適合及びイメージを投影することによる感光性メーキャップの形成は、自動的に行われる。顔面の捕捉とイメージの作製との間の時間間隔は、比較的短くされ、例えば、1秒未満であるのが良い。
本発明の例示の別の実施形態では、感光性メーキャップを受け入れる人又は第三者は、作業が行われている間、介入することができる。この場合、メーキャップの創出は、前よりも遅いのが良い。感光性メーキャップを処理するシステムは、人又は第三者が例えばスクリーン12上で感光性メーキャップの進捗状況を見ることができるように構成されているのが良く、その目的は、その進捗状況を遅くし又は停止させることにある。
感光性メーキャップを処理するシステムは、選択的に、顔面への絵画的モデルのロック及び適合作業を再開するために顔面を定期的に再捕捉するのが良く、それにより、熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるようなった照射中に人の動きにより生じる恐れのある問題がなくなる。
数種類の部分的感光性メーキャップの外見を連続して作ることが可能である。かくして、感光性メーキャップの外見を作り出している間、各絵画的モデルを決定し、その効果を目で推定し、次に、次の絵画的モデルを選択する等し、それにより、感光性メーキャップが次第に作られるようにする。
上述したように、感光性メーキャップを処理するシステムは、1つ又は2つ以上の専門のプログラムによって顔面又は顔面の一部に最もよく適合する絵画的モデルを評価するよう構成されているのが良い。かくして、感光性メーキャップの外見を作るのに、第1の絵画的モデルを作り、次に、顔面をもう一度評価してこれから作られるべき新たな絵画的モデルを推定する等するのが良い。
顔面の一部分を半自動的に処理し、別の部分を自動的に処理することが可能である。また、顔面の一部を或る特定の時点まで自動的に処理し、次に感光性メーキャップを半自動的に続行すること又はその逆の関係にすることが可能である。
感光性メーキャップを処理するシステムは、例えば上述の光学収集装置を用いてイメージを取り、選択的に、処理されるべきゾーンに対応した部分を抽出し、適宜、このイメージを調整し、それによりいったん投影された結果を改良するよう構成されているのが良い。
用いられる感光性メーキャップを処理するシステムは、好ましくは、ユーザが処理されるべき顔面又は任意他のゾーン上に投影されるイメージから始まって、例えば一次元又は二次元に拡大し又は縮小することによって形状を調整することができるように構成されている。修正は、複雑な場合もある。かくして、例えば、イメージの一部分を調整し、特定のゾーンを引き伸ばし、線のサイズを変更する等することが可能である。このために、イメージを作って編集するために通常ソフトウェア内に存在するツール、例えばPhotoshop(登録商標)を用いることが可能である。適宜、イメージを光学収集装置によりフィードバックで編集することができ、コンピュータは、投影されたイメージの結果を知ってこれを自動的に修正し、ついには、所望の結果がループを実行する感光性メーキャッププログラムを処理するシステムによって得られる。
感光性メーキャップの漸次創出
感光性メーキャップは、次のステップ、即ち、
・熱的に安定なフォトクロミック組成物を処理されるべきゾーンに塗るステップ、
・このゾーンを選択された光で照射して熱的に安定なフォトクロミック組成物を次第に変色させ又は熱的に安定なフォトクロミック組成物を次第に消色(復色)させるステップ、
・所望の外観が達成されると、照射を中断すると共に/或いはその特性を変更するステップ(この外観は、例えば、熱的に安定なフォトクロミック組成物の部分変色又は熱的に安定なフォトクロミック組成物の部分消色(復色)に関連している)を実施することによって創出できる。
感光性メーキャップは、次のステップ、即ち、
・熱的に安定なフォトクロミック組成物を処理されるべきゾーンに塗るステップ、
・このゾーンを選択された光で照射して熱的に安定なフォトクロミック組成物を次第に変色させ又は熱的に安定なフォトクロミック組成物を次第に消色(復色)させるステップ、
・所望の外観が達成されると、照射を中断すると共に/或いはその特性を変更するステップ(この外観は、例えば、熱的に安定なフォトクロミック組成物の部分変色又は熱的に安定なフォトクロミック組成物の部分消色(復色)に関連している)を実施することによって創出できる。
かくして、意図した強度のメーキャップ結果を得ることが容易である。漸次照明中、ユーザ及び/又は感光性メーキャップを処理するシステムは、感光性メーキャップの進捗状況をモニタすることができ、そして、所望の結果がいったん達成されると、その変化を停止させることができる。
同様に、熱的に安定なフォトクロミック組成物が編集を許容する場合、編集を実施して、感光性メーキャップの時点で又は後で感光性メーキャップを一段と洗練するのが良い。
照射は、少なくとも1回中断され、次に再開される場合がある。
照射の主波長及び/又は強度は、所望の外観が達成される前に変更される場合がある。一例として、照射強度を変更することにより、熱的に安定なフォトクロミック組成物の変色又は消色の速度を変化させることができる。主波長を調節することにより、フォトクロミック剤に及ぼされる照射エネルギー及び/又は効果を調節することが可能である。
イメージの全体を漸次処理することができるが、イメージ部分ごとに漸次的に、例えば自動的に、プログラムされた仕方で又はプログラム可能な仕方で処理することも可能である。
感光性メーキャップは、幾つかのパターンを連続して作るために使用できる。所望の外観を達成した少なくとも1つのパターンは、少なくとも1つの他のパターンが依然として照射されている間、照射停止するのが良い。パターンは、例えば、そばかすであり、かかるそばかすは、連続して作られるのが良い。
かくして、図13で理解できるように、特定のプログラムを実行してそばかすを作り出すことができる。プログラムにより、そばかすは、ゾーンの中央からゾーンの外側に向かって(図13A〜図13C)又はまばらな分布状態から密な分布状態に(図14A〜図14C)或いは小さなそばかすの分布状態から大きなそばかすの分布状態まで、或いはランダムな仕方で(図示せず)適当な漸次照明により見えるようになる。
照明は、その開始に続く時点で、大規模な変色を生じさせることがないほど十分弱いものであるのが良い。
十分にゆっくりとした変色を可能にするため、一秒当たりの照射エネルギーEは、0.5E0以下であり、好ましくは0.2E0であるのが良く、E0は、熱的に安定なフォトクロミック組成物の80%を変色させるのに必要な一秒当たりのエネルギーである。E≦0.2E0であることが可能である。非変色状態と比較して色変化ΔEが達成可能な最大色変化の80%に相当する場合、熱的に安定なフォトクロミック組成物の80%が変色したと見なされる。
同様に、熱的に安定なフォトクロミック組成物を消色させようとする場合、一秒当たりの照射エネルギーE′は、0.5E′0以下であるのが良く、E′0は、熱的に安定なフォトクロミック組成物の80%を消色させるのに要する一秒当たりのエネルギーである。E′≦0.2E′0であることが可能である。
感光性メーキャップを処理するシステムは、処理されるべきゾーンの色を分析するよう構成されているのが良く、次に、この分析結果は、照射を動的に制御するのに役立つ場合がある。一例として、熱的に安定なフォトクロミック組成物の塗布後且つ所望の外観が達成される前に色を分析するのが良い。これにより、例えば、感光性メーキャップを所望の外観が達成されたときに自動的に停止させることができる。色は、例えば、処理されたゾーン上に形成されているイメージの画素の色を分析することによって計測できる。
感光性メーキャップを処理するシステムは、イメージの既定の領域の分析を実施するよう構成されているのが良く、照射は、観察された種々の領域の照射の強度を対応の領域中の色の関数として調節することによって制御できる。照射をアドレス可能マトリックスイメージャにより実施する場合、処理されたゾーンの多数の画素の照射を正確にモニタするのが良い。
照射は、一定であっても良く可変であっても良い。特に、照射は、「ブリングアップ(bring-up)」時間と呼ばれている所与の時間の間、かなり強力であるのが良く、次に「微調整段階」については弱められるのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、照射を間欠的に送り出すようプログラムされているのが良く、一例は、一定照射に続き例えば30秒以下の期間の間停止させること等である。ユーザは、満足したときにプロセスを停止することができる。
ユーザが介入して照射を停止させ、次にこれを再開させる場合、照射は、ユーザが色の変化を見ることができるようにするほど十分ゆっくりであるのが良く、照射は、例えば、CIE LAB色空間中において毎秒Eの3又はこれよりも少ないユニットの速度で、例えば、毎秒Eの約2ユニットで変化する。
照射の強度が調整可能である場合、感光性メーキャップを処理するシステムは、照射の減少又は増大速度及び/又は大きさを調節する制御部材、例えばボタン、センサ、ジョイスティック、音声制御インターフェイス又はコントロールパッドを備えるのが良く、かかる制御部材は、特にイメージャの上流側で照射の強度に作用することができる。
本発明の具体化例に応じて、ユーザは、結果を考慮すると共に/或いは観察するために照射を所望通りに停止させ又は絞り戻すのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムによる照射プログラムの実行の関数として照射を実施する手立てを講じるのが良く、ユーザは、その実行中プログラムを中断し又は一時停止することができ又は1つのプログラムから別のプログラムに変更することができる。このプログラムにより、経時的な照射の変化を例えばユーザによりそれ自体定め又は特定することができ、その目的は、照射の増大又は減少速度を調節することにある。
照射強度の増大又は減少は、イメージの形状又は広がりの変化を必ずしも生じさせるわけではない。かくして、照射を調整するため、生じた光束を調節する電気及び/又は光学システム、例えば、少なくとも1つのフィルタ、ダイヤフラム及び/又は偏光子及び/又は源を制御するために電力を変化させる装置を用いることが可能である。照射強度は又、イメージの画素のグレーレベルで左右される場合がある。
感光性メーキャップを処理するシステムは、漸次照明プログラムを作られるべき感光性メーキャップの関数として自動的に決定するよう構成されているのが良い。一例として、所与のゾーン上の感光性メーキャップがかなり低い飽和度の色を作ることから成る場合、感光性メーキャップを処理するシステムは、弱い照明を特定するプログラムを提案すると共に/或いは適用するのが良い。別のゾーン上における感光性メーキャップが強烈な色を作り出すことから成る場合、感光性メーキャップを処理するシステムは、最初は強力に照明し、次に強力度を小さくして照明するプログラムを提案すると共に/或いは適用してユーザが感光性メーキャップの結果を微調整することができるようにするのが良い。当初実施される照明は、次に適用されるフルエンスの少なくとも2倍のフルエンスで実施されるのが良い。
照射強度を決定するため、感光性メーキャップを処理するシステムは、最終の感光性メーキャップの外見を作り、これから照明プログラムを推定するためにルールを適用するために塗布されるべき投与量の計算を利用するのが良い。一例として、XJの投与量が必要であるとの計算が行われた場合、このシステムは、Xの80%を迅速に(例えば、1秒で)塗布し、次に、例えば最後の20%を毎秒5%の割合で塗布するのが良い。
上述したように、感光性メーキャップを処理するシステムは、皮膚又は他の角質性物体の色を照射の開始時かメーキャップ中かのいずれかに測定することができる光学収集装置を備えるのが良い。光学収集装置は、この情報を用いて漸次照明をコンピュータ処理し又は調整することができる。一例として、光学収集装置は、照明を減少させ又は停止させることが必要な時点を突き止めるためにこの情報を使用することができる。
光学収集装置の1つ又は複数のセンサは、単一画素又は多画素測定では、それぞれ、単色又は多色であるのが良い。
感光性メーキャップの進捗状況を表す情報は種々の仕方で、例えば、創出されている感光性メーキャップの色を表す値又はプロセスの完了度を表す値を例えば割合として表示することによりユーザに送られるのが良い。計測された色を表す色も又、スクリーン上に表示されるのが良い。
バックトラッキング(後戻り)
感光性メーキャップを処理するシステムは、1種類又は複数種類のフォトクロミック剤を非変色状態に戻すのに適した照明を用いることにより感光性メーキャップの1つ又は2つ以上の部分が消え又は後戻りするようにするために感光性メーキャップの強度を次第に減少させるよう働くのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、1種類又は複数種類のフォトクロミック剤を非変色状態に戻すのに適した照明を用いることにより感光性メーキャップの1つ又は2つ以上の部分が消え又は後戻りするようにするために感光性メーキャップの強度を次第に減少させるよう働くのが良い。
このように、ユーザは、先に行ったステップを遡って調べて最終結果を良好に調節することができる。感光性メーキャップを処理するシステムは、有利には、ユーザが所望時にバックトラッキングを停止させ、感光性メーキャップを再開させる等をすることができるように構成されている。
例えばジアリールエテン及びフルギドから選択された或る特定のフォトクロミック剤に関し、UV照明のうちの全て又は何割かに代えて可視光照明、例えば白色光を用いることにより感光性メーキャップを後戻りさせることができる。
感光性メーキャップを処理するシステムは、好ましくは、この可視光による照明が少なくともUV照明と同一の表面上に及ぶよう構成されている。
多種類のフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミック組成物の場合
熱的に安定なフォトクロミック組成物はそれぞれ互いに異なる波長で最大感度を有する複数種類のフォトクロミック剤を含む場合、これらフォトクロミック剤のうちの1つ又は2つ以上を波長の調節により選択的に変色させることができる。
熱的に安定なフォトクロミック組成物はそれぞれ互いに異なる波長で最大感度を有する複数種類のフォトクロミック剤を含む場合、これらフォトクロミック剤のうちの1つ又は2つ以上を波長の調節により選択的に変色させることができる。
また、既に変色状態にあり、それぞれ互いに異なる波長で最も良く消色される複数の互いに異なるフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミック組成物を用いることが可能である。適宜、これらフォトクロミック剤を同一のUV光で変色させることができるが、かかるフォトクロミック剤は、波長の関数として変化する可視領域において互いに異なる消色速度を有し、その結果、波長を選択することにより別のフォトクロミック剤ではなく、1つのフォトクロミック剤の消色が優先して行われるようにする。同様に、フォトクロミック剤がUV光によって変色可能である場合、これらフォトクロミック剤は、UV領域における波長に応じて種々の速度で変色可能であり、このUV波長を調節することにより、1つのフォトクロミック剤の変色が他のフォトクロミック剤に優先して行われるようにするのが良い。
感光性メーキャップの変化のシミュレーション
本発明の例示の一実施形態では、感光性メーキャップを処理するシステムは、感光性メーキャップにおける変化を観察するシステムに加えて又はこれに取って代わって、感光性メーキャップの外見の変化をシミュレートするシステムを備えている。
本発明の例示の一実施形態では、感光性メーキャップを処理するシステムは、感光性メーキャップにおける変化を観察するシステムに加えて又はこれに取って代わって、感光性メーキャップの外見の変化をシミュレートするシステムを備えている。
かくして、感光性メーキャップ前及び/又は感光性メーキャップ中、ユーザは、このシミュレーションを観察することができ、そしてこれを用いて感光性メーキャップを遅くするか停止させるか或いは後戻りさせるかどうかを決定することができる。
感光性メーキャップを処理するシステムは、熱的に安定なフォトクロミック組成物を塗布した後及び所望の外観が達成される前、感光性メーキャップの結果をシミュレートすることが可能にするよう構成されているのが良い。シミュレーションの進捗状況は、これが熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるよう作用するにせよ、これとは逆にこれを消色させるようにするにせよ、いずれにせよ、処理されるべきゾーン上の照射の進捗状況に関連づけられるのが良い。感光性メーキャップの外観の変化のシミュレーションは、用いられる照射がこれを可能にする場合、スクリーン上に表示されると共に/或いは処理されたゾーン上に投影されるのが良い。シミュレーションは、少なくとも短い期間にわたり、観察者が処理をどのように続行するかを決断するのに十分長い期間にわたり、熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させ又は消色させることはない光で投影されるのが良い。
ツールの使用
感光性メーキャップを処理するシステムが電子イメージャを有する場合、この電子イメージャは、ユーザにより操作されるツールの関数として制御されるのが良く、コンピュータは、ツールの動きの関数として投影されたイメージ及び/又は照射強度を加減することができる。ツールは、処理されるべきゾーンの前若しくはこのゾーン上に又は処理されるべきゾーンを観察するスクリーンの前に若しくはかかるスクリーン上に位置決めされるべき部分を含むのが良い。ツールは又、処理されるべきゾーンを観察するためのスクリーン上における又は処理されるべきゾーン上に形成されるイメージ内におけるポインタの運動を制御するのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムが電子イメージャを有する場合、この電子イメージャは、ユーザにより操作されるツールの関数として制御されるのが良く、コンピュータは、ツールの動きの関数として投影されたイメージ及び/又は照射強度を加減することができる。ツールは、処理されるべきゾーンの前若しくはこのゾーン上に又は処理されるべきゾーンを観察するスクリーンの前に若しくはかかるスクリーン上に位置決めされるべき部分を含むのが良い。ツールは又、処理されるべきゾーンを観察するためのスクリーン上における又は処理されるべきゾーン上に形成されるイメージ内におけるポインタの運動を制御するのが良い。
感光性メーキャップを処理するシステムは、ユーザが漸次照射により処理されるべき特定のゾーンを制御し、そしてこの目的のために、ディスプレイ手段を利用することができるよう構成されているのが良く、ディスプレイ手段は、例えば、タッチスクリーンを含むのが良く、ユーザは、このタッチスクリーンを介してスクリーンの特定の領域を押すことによって照射の進捗状況を制御することができる。より好ましくは、タッチスクリーンは、ユーザにより及ぼされた圧力の強度に敏感であり、感光性メーキャップを処理するシステムは、スクリーンに及ぼされた圧力を分析し、処理されるべきゾーンに対応した領域上における光の強度及び/又は照射持続時間を制御することにより、この圧力を感光性メーキャップの強度に変換する。かくして、例えば、タッチスクリーンに及ぼされた高い圧力は、増大した色強度に変換される。
本発明の例示の一実施形態では、感光性メーキャップを処理するシステムは、タッチスクリーン上に又はその前に配置されたツールを検出することができ、ユーザは、このツールを用いて感光性メーキャップの外見を調節することができる。
一例として、ユーザは、各々識別手段、例えば、バーコード又はRFIDチップを備えた利用可能な数種類のツールを所持することができ、その結果、感光性メーキャップを処理するシステムによってツールを識別することができるようになる。ユーザが特定のツールを取った場合、このツールが認識され、感光性メーキャップを処理するシステムによって各ツールを特定の形式のメーキャップに関連づけることができる。
一例として、ユーザは、漸変太さ及び/又は色の漸変強度のメーキャップのライン又はそれどころかメーキャップの互いに異なる色に相当した複数種類のツールを有する。ユーザは、選択したツールを取り、メーキャップ外見を変更するためにこのツールをディスプレイ手段上に表示されたイメージ上を動かすことができる。メーキャップシミュレーションは、観察スクリーン上に見える場合があり、ユーザによる任意所要の確認後、ディスプレイ手段上に見えるメーキャップ外見を、照射器を制御することにより実施される感光性メーキャップによって自動的に作ることができる。
イメージの内容の調節及び/又は修正
本発明の例示の一実施形態では、感光性メーキャップの層を可視光で投影されたのと同一のシミュレーションイメージで変色させる。この目的のため、感光性メーキャップを処理するシステムは、処理されるべきゾーン、例えば顔面にイメージを送るよう構成されているのが良く、このイメージは、シミュレーションを表し、イメージをユーザに委ねてこのイメージを顔面上にロックし、又はこれを修正する。次に、イメージがいったん正しく調節されて定められると、同一の光学系又は並列光学系を用いてUV光又は近UV光で形成されている点についてだけ先のイメージとは異なるイメージを送る。具体的に言えば、マスク、ネガ又はイメージを構成するために用いられたアドレス可能画素のマトリックスは、光源を可視光からUV光に変化させるときに、変更される必要はない。この目的のため、UV光源及び可視光源を備えた感光性メーキャップの処理システムは、1つ又は2つのイメージャと共に用いられるのに適している。
本発明の例示の一実施形態では、感光性メーキャップの層を可視光で投影されたのと同一のシミュレーションイメージで変色させる。この目的のため、感光性メーキャップを処理するシステムは、処理されるべきゾーン、例えば顔面にイメージを送るよう構成されているのが良く、このイメージは、シミュレーションを表し、イメージをユーザに委ねてこのイメージを顔面上にロックし、又はこれを修正する。次に、イメージがいったん正しく調節されて定められると、同一の光学系又は並列光学系を用いてUV光又は近UV光で形成されている点についてだけ先のイメージとは異なるイメージを送る。具体的に言えば、マスク、ネガ又はイメージを構成するために用いられたアドレス可能画素のマトリックスは、光源を可視光からUV光に変化させるときに、変更される必要はない。この目的のため、UV光源及び可視光源を備えた感光性メーキャップの処理システムは、1つ又は2つのイメージャと共に用いられるのに適している。
イメージがスライドから得られる場合、スライドは、可視光源とUV光源の両方でイメージを作ることができるようにするよう設計されているのが良い。この目的のため、スライドは、UV光と可視光の両方を濾波する材料で構成されているのが良い。
イメージが電子イメージャのアドレス可能画素の少なくとも1つのマトリックスで得られる場合、次の幾つかの形態が可能である。
・2つの光源、即ち、UV光源及び可視光源並びに単一のマトリックス。
・それぞれUV光源及び可視光源の2つの光源並びにそれぞれUV光及び可視光の2つのマトリックス。イメージは、例えばXプリズムで組み合わされ又は処理されたゾーンのいずれかの側部に位置する場所から投影される。
・UV光と可視光の両方を放出する光源及び例えばダイクロイックミラー、可動ミラー又は出て行く放射線を選択するフィルタを備えたUV又は可視光イメージャ。
・UV光と可視光の両方を放出する光源及びそれぞれUV光及び可視光のための2つのマトリックス。
・2つの光源、即ち、UV光源及び可視光源並びに単一のマトリックス。
・それぞれUV光源及び可視光源の2つの光源並びにそれぞれUV光及び可視光の2つのマトリックス。イメージは、例えばXプリズムで組み合わされ又は処理されたゾーンのいずれかの側部に位置する場所から投影される。
・UV光と可視光の両方を放出する光源及び例えばダイクロイックミラー、可動ミラー又は出て行く放射線を選択するフィルタを備えたUV又は可視光イメージャ。
・UV光と可視光の両方を放出する光源及びそれぞれUV光及び可視光のための2つのマトリックス。
投影されたイメージを輪郭に又は数個の基準点に制限することができる。この場合に作られる感光性メーキャップは、これら点又はこの輪郭内に内接されるのが良い。
一例として、唇を処理する場合、2つの基準点を用いるのが良い。ユーザは、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層を塗布する。2つの箇所を感光性メーキャップ効果を生じさせることができない可視波長、例えば、450nm〜800nmの波長、好ましくは500nm〜700nmの波長で投影する。ユーザは、これら2つの箇所を唇の2つの角上に位置決めする。位置決めをいったん行うと、UV照射により、これら2つの箇所相互間に含まれる唇のイメージが形成される。
UV照明中、可視イメージを基準点にトリミングし、減少させ又は制限することができ、又はこれが可視光による投影段階中に持っていたのと同一の状態のままにするのが良い。
顔面上に処理テンプレートを作り、次にこのテンプレートを用いてゾーンを処理するための感光性メーキャップの使用
例えばジアリールエテン及びフルギドから選択されたフォトクロミック剤をゾーンに塗布して作られたイメージが少なくとも20秒間、好ましくは少なくとも1分間持続するのに十分な熱的安定性が得られるようにする。テンプレートは、図11に示されているように、点及び/又は基準線から成るイメージであるのが良く、図11は、感光性メーキャップにより作られたゾーンA,B,Cを画定する線を示している。必要ならば、ユーザにこのゾーンに作られるべき組成物及び/アプリケータについて知らせる指標、例えば英数字指標を同じ仕方で作る。
例えばジアリールエテン及びフルギドから選択されたフォトクロミック剤をゾーンに塗布して作られたイメージが少なくとも20秒間、好ましくは少なくとも1分間持続するのに十分な熱的安定性が得られるようにする。テンプレートは、図11に示されているように、点及び/又は基準線から成るイメージであるのが良く、図11は、感光性メーキャップにより作られたゾーンA,B,Cを画定する線を示している。必要ならば、ユーザにこのゾーンに作られるべき組成物及び/アプリケータについて知らせる指標、例えば英数字指標を同じ仕方で作る。
ユーザは、このようにして作られたテンプレートの関数としてメーキャップ外見又は他の処理を作るのが良い。この目的のため、ユーザは、従来型メーキャップツールを用いることができる。ユーザは又、感光性メーキャップにより得られたテンプレートを用いてケア製品を塗布することができる。
一例として、例えばイメージ分析及び/又は例えば皮膚の状態に敏感な1つ又は2つ以上のセンサを用いて特定のケアを必要とするゾーンの診断を行い、実施されるべき処理のマップを作り、このマップを記憶させるのが良い。次に、感光性メーキャップを処理するシステムは、ケアを必要とするゾーンが少なくとも一時的に変色する顔面上にテンプレートが現われるようにするために用いられる。次に、ユーザは、1種類又は複数種類のケア製品を現われたゾーンに塗布することができる。
顔面上への基準点の位置決め、次に基準点を認識し、メーキャップ外見を作るのに役立つ機器の使用
ユーザは、感光性メーキャップにより基準点を顔面上に位置決めすることができる。
ユーザは、感光性メーキャップにより基準点を顔面上に位置決めすることができる。
基準点を処理されるべきゾーン上にいったん配置すると、基準点を読み取る手段を備えた機器を用いるのが良く、機器は又、好ましくは、必要ならばこれら基準点を解釈することができる。
一具体化例では、機器は、多画素センサ、内部照明及びアプリケータ手段、例えばインクジェット印刷ヘッドを備えるのが良い。
基準点は、例えば線を表す。ユーザは、機器を皮膚上で動かし、この機器は、表面を光学的に分析するよう構成されている。一例として、処理されるべきゾーンが機器によって定められていると仮定すると、機器が最初に線と交差したことが機器によって判定されると、機器は、着色物質を付着させ始め、次に機器が線に2回目に交差すると、機器は、着色物質の付着を停止する。
基準点は、これらを互いに結ぶと、形状を表すことができる。機器は、これら点及び対応の形状を認識することができる手段を備えるのが良い。機器は、この形状を作るために着色物質を付着させるのが良い。この目的のため、機器は、幾何学的補正を実施することにより基準点と一致するようにするモデルから開始することができる。
付着された着色物質は、曲線又は曲線に内接する表面を定めることができる。
線及び/又は表面の曲率は、均一であり、ランダムに不均一であり又は幾何学的に不均一であり、即ち、繰り返しパターンを有する。
処理されるべきゾーン上に存在する基準点は、コードを定めることができる。機器は、これら基準点に対応したコードを解釈し、認識されたコードで決まる仕方で選択されると共に/或いは塗布される組成物を塗布する手段を備えるのが良い。
一例として、或る特定の基準点は、第1のパターンを備え、他の基準点は、これとは異なるパターンを備える。機器は、検出されたパターンの関数として2種類の互いに異なる組成物を通し又は同一組成物を互いに異なる濃度で塗布する。
光防護組成物
上述したように、所望の外観がいったん達成されると、光防護組成物を熱的に安定なフォトクロミック組成物に塗布するのが良い。この光防護組成物は、熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるために用いられる放射線がUV放射線である場合、UV放射線に対するスクリーンとしての役目を果たすことができる。
上述したように、所望の外観がいったん達成されると、光防護組成物を熱的に安定なフォトクロミック組成物に塗布するのが良い。この光防護組成物は、熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるために用いられる放射線がUV放射線である場合、UV放射線に対するスクリーンとしての役目を果たすことができる。
必要ならば、光防護組成物は又、フォトクロミック剤を適宜消色させる恐れを制限する目的で、可視光における少なくとも1つの既定の波長のスクリーンとしての役目を果たすことができる。
フォトクロミック組成物に太陽光線(290nm〜400nm)について2〜20、好ましくは4〜10の遮蔽力Fをフォトクロミック組成物に提供する1種類又は2種類以上の光作用剤を用いるのが良い。
適宜、光防護組成物は、光沢化組成物、油性又は軟化性組成物、つや消し組成物、クリームチーク、パウダチーク、つや出し剤又は仕上げ組成物であるのが良い。
光作用剤
変色に役立つ放射線、特にUV又は近UVに対するスクリーンを形成する光作用剤
上述の1種類又は複数種類の光作用剤は、スクリーン及び散乱粒子又はUV、特にUVA及び/又はUVBの透過を制限する他の作用剤から選択されるのが良い。
変色に役立つ放射線、特にUV又は近UVに対するスクリーンを形成する光作用剤
上述の1種類又は複数種類の光作用剤は、スクリーン及び散乱粒子又はUV、特にUVA及び/又はUVBの透過を制限する他の作用剤から選択されるのが良い。
この作用剤又はこれら作用剤は、特に粒子形態且つナノメートル尺度の無機スクリーン及び有機スクリーンから選択されるのが良い。
1種類又は複数種類の光作用剤は、親水性であっても疎水性であっても良い。
有機フィルタは、アントラニレート誘導体、ケイ皮誘導体、サリチル酸誘導体、ショウノウ、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロネート誘導体、イミダゾリン、ビス‐ベンゾアゾニル誘導体、ベンゾキサゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ベータ‐ジフェニルアクリレート誘導体、p‐アミノ安息香酸誘導体、国際公開第93/04665号パンフレットに記載されているポリマースクリーン及びシリコーンスクリーン、アルファ‐アルキルスチレン、4,4‐ジアリルブタジエン及びこれらの混合物に由来するダイマー(二量体)から選択されるのが良い。
親水性スクリーンは、欧州特許出願公開第0678292号明細書に記載された親水性スクリーンから選択されたものであるのが良く、例えば、3‐ベンジリデン2‐ショウノウ、特にMexoryl SX(登録商標)である。
挙げることができる親水性スクリーンの例は、仏国特許出願公開第2326405号明細書、仏国特許出願公開第2440933号明細書、欧州特許出願公開第0114607号明細書に記載されているジベンゾイルメタン誘導体、ギボーデン(Givaudan)社製のParsol(登録商標)1789、メルク(Merck)社製のEusolexである。また、オクトクリレンと呼ばれていて、BASF社からUvinul N 539という商品名で入手できる2‐エチルヘキシル a‐シアノ‐b,b‐ジフェニルアクリレートを挙げることができる。
また、メルク社からEusolex EX 6300という商標名で市販されているp‐メチルベンジリデンショウノウを挙げることができる。
以下に挙げる物質から選択されたスクリーンも又、光作用剤として使用でき、かかる物質としては、ベンゾフェノン‐3(オキシベンゾン)、ベンゾフェノン‐4(スルイソベンゼン)、ベンゾフェノン‐8(ジオキシベンゾン)、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(BEMT又はTinosorb S)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート(Uvinul +)、エチルヘキシルメトキシシナメート、エチルヘキシルサリチレート、エチルヘキシルトリアゾン、メチルアントラニレート(メラヂメート)、(4‐)メチル‐ベンジリデンショウノウ(Parsol 5000)、メチレンビス‐ベンゾトリアゾルイルテトラメチルブチルフェノール(Tinosorb M)、パラ‐アミノ安息香酸(PABA)、フェニルベンジミダゾールスルホン酸(Ensulizole)、ポリシリコーン15(Parsol SLX)、トリエタノールアミンサリチレートが挙げられる。
用いられる光作用剤は、又、スクリーンとして用いるのに適した散乱粒子、例えばチタン又は酸化亜鉛ナノ顔料(ピグメント)によって形成でき、種々の表面処理剤は、選択された媒体で決まる。ナノ顔料の代表的な平均寸法は、5nm〜1000nmである。
かかる光作用剤の重量を基準とした全濃度は、塗布に先立って光防護組成物の重量に対して、0.001%〜30%に収まるのが良く、又は、乾燥又は準乾燥配合成分を含む。
好ましくは、320nm〜400nm、好ましくは320nm〜420nmの放射線に対するスクリーンとしての役目を果たすスクリーン又は組み合せが組成物に用いられる。
1種類又は複数種類のフォトクロミック剤に向かう可視光及び赤外光の伝搬を制限するようになった光作用剤
UV放射線に対してスクリーンとしての役目を果たす光作用剤は、非変色ゾーンを保護するのに役立つが、UV放射線によって変色可能な熱的に安定なフォトクロミック組成物を用いる場合、可視光を遮る1種類又は2種類以上の光作用剤も又、変色ゾーンを保護するために熱的に安定なフォトクロミック組成物に塗布されるのが良く、これら2種類、即ち、UV光の遮蔽と可視光の遮蔽を組み合わせると有利な場合がある。
UV放射線に対してスクリーンとしての役目を果たす光作用剤は、非変色ゾーンを保護するのに役立つが、UV放射線によって変色可能な熱的に安定なフォトクロミック組成物を用いる場合、可視光を遮る1種類又は2種類以上の光作用剤も又、変色ゾーンを保護するために熱的に安定なフォトクロミック組成物に塗布されるのが良く、これら2種類、即ち、UV光の遮蔽と可視光の遮蔽を組み合わせると有利な場合がある。
多くの着色剤又は顔料を用いることができる。特に、皮膚の色に近い色を持つ着色剤、例えば、黄色着色剤、橙色着色剤又は黄色、橙色、黄土色、茶色又は栗色の色相を生じさせることができる混合物、又は好ましくは少量で用いられ若しくは例えば色相にパステルカラーの外観、例えばピンク又はベージュ‐ピンクを与えるよう白色又は黄色散乱剤と混合される赤色着色剤を用いることが好ましい。白色の皮膚には僅かにピンクの色相、白色の皮膚には僅かに黄色の色相及び黒色と呼ばれる皮膚については栗色又は茶色の色相を持つ着色剤を用いることが好ましい。
単独で又は混合物として、着色剤は、皮膚の色度に近い色度を有するのが良い。これら着色剤は、好ましくは40未満の彩度C*(HVC*システムにおいて)を有する。
1種類又は複数種類の着色剤は、次の中から選択されるのが良く、即ち、
・色指数において基準CI11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000、47005で分類される黄色顔料、
・色指数において基準CI11725、15510、45370、71105で分類される橙色顔料、及び
・色指数において基準CI12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915、75470で分類される赤色顔料である。
・色指数において基準CI11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000、47005で分類される黄色顔料、
・色指数において基準CI11725、15510、45370、71105で分類される橙色顔料、及び
・色指数において基準CI12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915、75470で分類される赤色顔料である。
光防護組成物において、有機顔料の顔料ペースト、例えば、次の商品名でHOECHST社によって市販されている製品を用いることができ、即ち、
・JAUNE COSMENYL IOG: Pigment 5 t YELLOW 3 (CI11710)、
・JAUNE COSMENYL G: Pigment YELLOW 1 (CI11680)
・ORANGE COSMENYL GR: Pigment ORANGE 43 (CI71105)。
・JAUNE COSMENYL IOG: Pigment 5 t YELLOW 3 (CI11710)、
・JAUNE COSMENYL G: Pigment YELLOW 1 (CI11680)
・ORANGE COSMENYL GR: Pigment ORANGE 43 (CI71105)。
レーキ(レーキレッド)、特に次の名称、即ち、D&C Red 21 (CI 45 380)、D&C Orange 5 (CI 45370)、D&C Red 27 (CI 45 410)、D&C Orange 10 (CI 45 425)、D&C Red 3 (CI 45 430)、D&C Red 7 (CI 15 850:1)、D&C Red 4 (CI 15 510)、D&C Red 33 (CI 17 200)、D&C Yellow 5 (CI 19 140)、D&C Yellow 6 (CI 15 985)、D&C Yellow 10 (CI 77 002)で知られているレーキを用いるのが良い。
着色剤は、イオン性であっても中性であっても良い。
天然着色剤及び顔料は、これらが天然錯イオンと良好に混合するので特に有利であり、これらのうちの何割かは、経時的にこれらの色を失う。これら着色剤は、例えば、植物又は人工的に作られた天然分子からの抽出物であり、かかる抽出物は、例えば、メラニン、アントシアン、ポリフェノール、ポルフィリン及びクルクミンから選択される。
着色剤は、例えば、インドール及び/又はフェノール誘導体の酸化重合によって得られた顔料、例えば仏国特許第2679771号明細書に記載された顔料であるのが良い。
UVスクリーンを補完するイオン性を備えた着色剤及び顔料、例えば、陰イオン性官能基を備えた着色剤、例えば或る特定の食べ物用着色剤及び陽イオン性フィルタが特に有利である。
また、IRフィルタ又は反応時に着色状態になる化合物、例えばDHAを用いることが可能である。
また、変色着色剤、例えば経時的に、可能ならばゆっくりと変色する色の着色剤、例えばDHA又は空気との接触時に次第に着色状態になる傾向があるポリフェノールを用いることが可能である。これにより、光防護組成物の遮蔽力が次第に生じるようにすることができる。熱的不安定性フォトクロミック剤は、非常に強力な照明中、その色を呈し、或る特定の仕方で、下に位置する感光性メーキャップの視認性を制限することができる。しかしながら、熱的不安定性フォトクロミック剤は、非常に強力な照明がいったん停止されると、迅速にその無色形態を再び取るので、この現象は、一時的又は過渡的である。
好ましくは、真っ暗闇の中において25℃で60秒経つと、これらの色の少なくとも半分を失う熱的不安定性フォトクロミック剤が用いられる。特に、無機熱的不安定性フォトクロミック剤が好ましい。
入射光を反射することができる光作用剤
特にUV光又は可視光を減衰させるために用いられる光作用剤は、金属ミラーを形成する光作用剤又は多層干渉構造又は回折格子を利用した光作用剤であるのが良い。
特にUV光又は可視光を減衰させるために用いられる光作用剤は、金属ミラーを形成する光作用剤又は多層干渉構造又は回折格子を利用した光作用剤であるのが良い。
単独で又は上述した光作用剤の補完手段として用いられるのに適した光作用剤は、入射光を反射することができる光作用剤である。反射は、反射層と光波の伝搬媒体との間のインターフェイスのところで生じる。反射層を形成する材料の屈折率は、1.5を超えるのが良く、場合によっては、1.8を超えるのが良い。
光作用剤は、金属を含み又は金属によって形成されるのが良い。一例として、銀の層が、銀塩を還元することにより又は銀ナノ粒子の分散剤を塗布することにより光防護組成物の塗布の際に形成される。
光防護組成物の反射度は、5%を超えるのが良く、場合によっては10%を超えるのが良い。好ましくは、かかる反射度は、感光性組成物の結果を損なわないようにするために、50%未満である。一例として、光防護組成物は、サンプルに応じて寸法が10nm〜60nmであり、重合体系により安定化される銀のナノ粒子、例えば日本塗料(Nippon Paint)社製の銀のナノ粒子の分散液(これは、水性であるかエタノール製であるかのいずれかである)から成るのが良い。乾燥時、この安定化は、かかるナノ粒子が互いに接触するのを阻止することはなく、これら接触によって、銀ミラーで得られる反射能にほぼ等しい反射能を最終材料に与えるのに十分な導電率を保証する。
多層干渉構造を有する光作用剤を用いることが可能である。
この干渉構造は、この構造の種々の層によって反射された光波の弱め合う干渉現象によって光を濾波する。
多層構造は、好ましくは、可視光において高い透過率を有するよう選択され、その結果、かかる多層構造は、可視領域において目立った色を生じさせることはなく、しかも、所望の透過性を有するようになる。
多層構造は、低屈折率層と高屈折率層が交互に位置して形成されたものであるのが良い。一例を挙げると、高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は、0.1以上であり、好ましくは0.15以上であり、より好ましくは0.6以上である。
上述の多層構造における層の数は、好ましくは、少なくとも2、より好ましく4又は6であり、それどころか少なくとも12であり、それにより、入射光に対する敏感性が低く、所要の選択性を備えた構造の形成が容易になる。多層構造は、選択的に、対称であるのが良く、又、光がこの多層構造に入るための主面がどれであるかにかわわらず、入射光の濾波を適宜可能にする。
高屈折率材料は、鉱物、例えば、アナターゼ又はルチル形態の二酸化チタン、酸化鉄、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、オキシ塩化ビスマス及びこれらの混合物であるのが良く、或いは、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、PVN(ポリ(2‐ビニルナフタレン))、PVK(ポリ(N‐ビニルカルバゾール))、PF(フェノルホルムアルデヒド樹脂)、PSU(ポリスルホン樹脂)、PaMes(ポリ(アルファ‐メチルスチレン)、PVDC(ポリ(ビニリデンクロリド))、MeOS(ポリ(4‐メトキシスチレン))、PS(ポリスチレン)、BPA(ビスフェノール‐Aポリカーボネート)、PC(ポリカーボネート樹脂)、PVB(ポリ(ビニルベンゾエート))、PET(ポリ(エチレンテレフタレート))、PDAP(ポリ(ジアリルフタレート))、PPhMA(ポリ(フェニルメタクリレート))、SAN(スチレン/アクリロニトリルコポリマー)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PVC(ポリ(ビニルクロリド))、NYLON(登録商標)、POM(ポリ(オキシメチレン))又はポリホルムアルデヒド)、PMN(ポリ(メチルアクリレート))等及びこれらの混合物から選択された有機物であるのが良い。
低屈折率材料は、例えば二酸化珪素、弗化マグネシウム、酸化アルミニウム及びこれらの混合物から選択された鉱物又は例えば種々のポリマー、例えばポリメチルメタクリレート若しくはポリスチレン、ポリウレタン及びこれらの混合物から選択された有機物であるのが良い。
多層構造を有する干渉粒子を作るため、当業者は、特に、薄層成膜を取り扱っている多くの刊行物、例えば、「オーバーコーティッド・マイクロスファーズ・フォー・スペシフィック・オプティカル・パワーズ(Overcoated Microspheres for Specific Optical Powers)」、アプライド・オプティクス(Applied Optics)、2002年6月1日、第41巻第6号を参照すると共にFLEXPRODUCTSという発明の名称の特許文献を参照するであろう。
光作用剤は、回折構造、例えば、光を回折するよう実質的に繰り返し表面パターンを有する格子であるのが良い少なくとも1つの回折格子を有するのが良い。
格子の周期及び場合によってはその深さは、とりわけ、格子の回折特性を定める。回折格子のマークスペース比は、1であるように選択されるのが良い。
好ましくは、少なくとも一方向における回折格子の周期は、有利には、光防護組成物に着色効果を生じさせる恐れを減少させるのに十分低い。この場合、格子の周期は、有利には、可視領域、特に400nm〜780nmの光を回折することはないよう選択される。
可視領域における回折次数を回避するのに役立つ格子の最大周期は、次の関係式によって少なくとも近似的に決定できる。
上式において、θは、格子の平面の垂線に対して測定された入射角であり、Ψは、透過角であり、Λは、格子の周期であり、mは、回折次数であり、n1,n2は、それぞれ、入射及び透過の際の媒体の屈折率である。n1,n2は、第一近似では1.5であるように見なされるのがよい。θ=0℃の場合、最大周期は、Λ/n1=400/1.5、即ち、約267nmである。入射角を制限することなく、周期は、1/2未満である。かくして、好ましくは、270nm以下、好ましくは140nm以下の格子の周期が選択される。
格子の深さd及びその周期Λは、例えばUVA領域において透過率最小値を得るために連続試験により選択されるのが良い。格子の特性のコンピュータ処理は、例えばグレーチング・ソルヴァー・デヴェロプメント・カンパニー(GRATING SOLVER DEVELOPMENT COMPANY)製のGSOLVERソフトウェアを用いてベクトル的に実施されるのが良い。
回折格子を作製するのに用いられる層又は種々の層は、選択的に、有機又は無機性状の基板上に被着又は塗布されるのが良く、この基板は、そのままで用いられても良く、又は、次に溶解処理を受けても良い。
かくして、1つ又は複数の格子の構造は、材料のバルク中にエッチングされるか、或いは、材料の被着又は塗布後に、形状が球形又は層状の有機又は無機基板上にエッチングされるのが良い。
エッチングは、色彩効果を減少させるために可視領域の光の回折が最小限に抑えられるよう実施されるのが良い。エッチングの周期性及びその厚さは、UV放射線を減衰させる際のシステムの効率を定める。
干渉フィルタは、選択的に、平行ではない方向、例えば、2つの実質的に直角な方向に延びる2つの回折格子から成るのが良く、これら回折格子は、特に、UV領域における円偏光入射光の吸収量(吸光量)を増大させると共にフィルタ入射角の遮蔽性能の依存性を減少させることができる。
2つの回折格子は、互いに実質的に等しい周期Λ1,Λ2を有するのが良く、特に、これら両方は、270nm以下であり、好ましくは140nm以下である。
2つの回折格子の深さも又、これらが表面凹凸を有する場合、互いに実質的に等しいものであるのが良く、この表面凹凸は、格子の指数の周期的変化を生じさせることができる。
格子の周期は、一定であっても漸変であっても良く、深さは、一定であっても良く漸変であっても良い。格子は、直線方向に延びてもよく、曲線方向に延びても良い。
回折格子は、互いに異なる屈折率を有する重ね合わされた層から成るのが良い。回折格子は、誘電体から少なくとも部分的に作られるのが良い。
種々のパターンを1つ又は複数の格子に用いることができ、これらパターンは、例えば、断面が長方形若しくは三角形のギザギザであって良く、或いは、正弦波状起伏部若しくは段付きのギザギザを有しても良い。
回折構造は、粒子の主面の少なくとも一部分上に、好ましくは、粒子の2つの主面上に形成されるのが良い。
回折構造は、1つ又は複数の格子を覆う保護且つ非回折層から成るのが良い。
干渉効果を有し、基板に取り付けられていない顔料、例えば液晶(ベッカー(Wacker)社製のHelicones HC)並びに干渉ホログラフィー(スペクトラトレック(Spectratrek))社製のGeometric Pigments又はSpectra f/x)を挙げることができる。
組成物は、UVA及び/又はUVBを遮蔽する干渉要素、例えば、周期及び/又は深さが互いに異なる回折格子を有する粒子の混合物から成るのが良い。
入射光の波長を変換することができる光作用剤
光防護組成物は、蛍光化合物を含むのが良い。
光防護組成物は、蛍光化合物を含むのが良い。
「蛍光」化合物という用語は、UVスペクトル中の光、場合により可視光を吸収し、吸収したエネルギーをスペクトルの紫外又は可視部分で放出される波長の長い蛍光に変換する化合物を意味する。
かかる化合物は、透明及び無色であり、可視光を吸収しないでUV放射線のみ吸収し、吸収したエネルギーを例えばスペクトルの可視部分で放出される20nm以上の波長若しくは好ましくは50nm以上の波長又はさらに100nm以上の波長である波長が長い蛍光に変換することができる蛍光増白剤であるのが良く、かくして蛍光増白剤によって生じる色の印象は、主として波長が400nm〜500nmの青色の純粋な蛍光によってのみ生じるものとすることもできる。
かかる化合物は、溶液又は粒子の状態であるのが良い。
蛍光化合物は、次の化学式、すなわち、
を有するジケトピロロピロールとすることもでき、式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C6〜C30アリール基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、アミノ基、アシルアミノ基、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ基、ジヒドロキシ(C1〜C6)アルキルアミノ基、(C1〜C6)アルキルヒドロキシ(C1〜C6)アルキルアミノ基、(C1〜C6)アルコキシ基、(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、(C1〜C6)カルボキシアルコキシ基、ピペリジノスルホニル基、ピロリジノ基、(C1〜C6)アルキルハロゲノ(C1〜C6)アルキルアミノ基、ベンゾイル(C1〜C6)アルキル基、ビニル基、ホルミル基、ヒドロキシル基、線状、枝分かれ又は環状C1〜C6アルコキシ、1〜22個の炭素原子を含みそれ自体が任意で1つ以上のヒドロキシル基、アミノ基、C1〜C6アルコキシ基で置換される線状、枝分かれ又は環状アルキルから選択される1つ以上の基で置換することもできるC6〜C30アリールラジカル、任意でヒドロキシル基、アミノ基、線状、枝分かれ又は環状C1〜C6アルコキシ基から選択される1つ以上の基で置換され、任意でアリール基、カルボキシル基、スルホ基、ハロゲン原子で置換され、1〜22個の炭素原子を含むアルキルラジカルを表し、かかるアルキルラジカルには場合によりヘテロ原子が割り込む。
蛍光化合物は、以下の化学式、すなわち、
を持つナフタルイミドとすることもでき、式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C6〜C30アリール基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、アミノ基、アシルアミノ基、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ基、ジヒドロキシ(C1〜C6)アルキルアミノ基、(C1〜C6)アルキルヒドロキシ(C1〜C6)アルキルアミノ基、(C1〜C6)アルコキシ基、(C1〜C6)アルコキシカルボニル基、(C1〜C6)カルボキシアルコキシ基、ピペリジノスルホニル基、ピロリジノ基、(C1〜C6)アルキルハロゲノ(C1〜C6)アルキルアミノ基、ベンゾイル(C1〜C6)アルキル基、ビニル基、ホルミル基、ヒドロキシル基、線状、枝分かれ又は環状C1〜C6アルコキシ、1〜22個の炭素原子を含みそれ自体が任意で1つ以上のヒドロキシル基、アミノ基、C1〜C6アルコキシ基で置換される線状、枝分かれ又は環状アルキルから選択される1つ以上の基で任意で置換されるC6〜C30アリールラジカル、任意でヒドロキシル基、アミノ基、線状、枝分かれ又は環状C1〜C6アルコキシ基から選択される1つ以上の基で置換され、任意でアリール基、カルボキシ基、スルホ基、ハロゲン原子で置換され、場合により、これら5つのアルキルラジカルにヘテロ原子が割り込む、1〜22個の炭素原子を含むアルキルラジカルを表し、置換基に結合する炭素原子を伴う置換基R1、R2、R3は、芳香族又は非芳香族のC6〜C30又は全部で5〜30個の結合及び1〜5個のヘテロ原子を含む複素環式の環を形成してもよく、かかる環は任意で縮合してもよく、任意でカルボニル基が挿入されてC1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシC1〜C4アルキル、アミノ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ、ハロゲン、フェニル、カルボキシ、及びトリ(C1〜C4)アルキルアンモニオ(C1〜C4)アルキルから選択される1つ以上の基で置換されてもされなくてもよい。
蛍光化合物は、例えば、
のようなスチルベン誘導体とすることもでき、この化学式中、Rは、メチルラジカル又はエチルラジカルを表し、R′は、メチルラジカルを表し、X‐は、塩素、ヨウ素、硫酸、メトサルフェート、酢酸、過塩素酸タイプのアニオンを表す。
挙げることができるこの種の化合物の一例は、Rがエチルラジカル、R′がメチルラジカル、X‐がヨウ素に相当するUBICHEM社により販売されている感光色素NK‐557である。
挙げることができるこの種の化合物の一例は、Rがエチルラジカル、R′がメチルラジカル、X‐がヨウ素に相当するUBICHEM社により販売されている感光色素NK‐557である。
ジシアノピラジン誘導体(日本塗料提供)、ナフトラクタム、アザラクトン誘導体、ローダミン、及びキサンテンを挙げることもできる。
かかる化合物をコア又は表面上に含む、ミネラル(MgO、TiO2、ZnO、Ca(OH)2など)又は有機(ラテックスなど)色素若しくは粒子を用いることもできる。
蛍光化合物は、例えば、量子ドットと呼ばれる微小粒子の形で、蛍光作用を有する半導体化合物とすることもできる。
量子ドットは、光による励起下で400nm〜700nmの範囲の波長で放射を発することができる発光半導体ナノ粒子である。これらのナノ粒子は、例えば、米国特許第6225198号又は第5990479号、本明細書に引用されている論文、及び以下の論文、即ち、ダブッシ・ビー・オー(Dabboussi B.O.)他,「(CdSe)ZeSコア‐シェル・クォンタム・ドッツ:シンセシス・アンド・キャラクタリゼーション・オブ・ア・サイズ・シリーズ・オブ・ハイリー・ルミネセント・ナノクリスタライト((CdSe)ZeS core-shell quantum dots: synthesis and characterization of a size series of highly luminescent nanocrystallites)」,ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー・ビー(Journal of Physical Chemistry B),第101巻,1997年,p.9463〜9475及びペン及びジャオガン(Peng, Ziaogang)他,「エピタキシャル・グロース・オブ・ハイリー・ルミネセントCdSe/CdSコア/シェル・ナノクリスタルズ・ウィズ・フォトスタビリティ・アンド・エレクトロニック・アクセシビリティ(Epitaxial Growth of Highly Luminescent CdSe/CdS Core/shell Nanocrystals with photostability and Electronic Accessibility)」,ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of the American Chemical Society),第119巻、第30号,p.7019〜7029に記載の方法に従って製造することもできる。
好ましい蛍光化合物は、例えば、オレンジ色及び黄色を発する化合物である。
好ましくは、本発明において光作用剤として用いられる1種類又は複数種類の蛍光化合物は、500nm〜650nmの波長、好ましくは550nm〜620nmの波長に最大反射率を有する。
蛍光物質の例は、以下の族に属する化合物、すなわち、単独又は組み合わせの状態で用いられるナフタルイミド、カチオン性又は非カチオン性クマリン、キサンテノジキノリジン(具体的には、スルホローダミンなど)、アザキサンテン、ナフトラクタム、アズラクトン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、アゾ、アゾメチン又はメチンタイプの蛍光ポリカチオン性色素剤である。
より具体的には、以下を挙げることができる。
使用される蛍光化合物は、アリールが任意で置換することができるピリジニウム、又は任意で置換することができる例えばイミジゾリニウム(imidizolinium)などの別のカチオン基であるアミノフェニルエテニルアリール化合物である。
一例として、蛍光化合物は、ピリジニウム核のアルキルラジカルがメチル又はエチルラジカルに相当すると同時にそのベンゼン環がメチルラジカルに相当する2‐[2‐(4‐ジアルキルアミノ)フェニルエテニル]‐1アルキルピリジニウムなどが用いられてもよい。
光作用剤は、いくつかの蛍光基を同一分子に含むことも可能である。例としては二量体であり、例えば、
であり、式中、同一又は異なっていてもよいR1、R2が
・水素原子、
・1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、任意で少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基が割り込むと共に/或いは当該の基で置換されると共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で置換される線状又は枝分かれアルキルラジカル、
・アリール基が6つの炭素原子を含み、アルキルラジカルが1〜4個の炭素原子を含み、アルキルラジカルが1〜4個の炭素原子を含む1つ以上の線状又は枝分かれアルキルラジカルで任意で置換され、少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基が割り込むと共に/或いはかかる基で置換されると共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で任意で置換されるアリール又はアリールアルキルラジカルに相当し、
・R1及びR2は、複素環を形成するために任意で窒素原子と結合されてもよく、また1つ以上の他のヘテロ原子を含み、複素環は、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む少なくとも1つの線状又は枝分かれアルキルラジカルで任意で置換され、少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基が割り込むと共に/又はかかる基で置換されると共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で任意で置換され、
・R1又はR2は、窒素原子及び当該の窒素原子を有するフェニル基の炭素原子の1つを含む複素環に任意で関与してもよく、
・任意で同一とすることもできるR3、R4は、水素原子又は1から4つの炭素原子を含むアルキルラジカルに相当し、
・任意で同一とすることもできるR5成分は、水素原子、ハロゲン原子又は1から4つの炭素原子を含む線状若しくは枝分かれアルキルラジカルに相当し、少なくとも1つのヘテロ原子が任意で割り込み、
・任意で同一とすることもできるR6成分は、水素原子、ハロゲン原子、1から4つの炭素原子を含み、少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基で任意で置換され及び/又は当該の基が割り込むと共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で置換される線状又は枝分かれアルキルラジカルに相当する。
光作用剤は、いくつかの蛍光基を同一分子に含むことも可能である。例としては二量体であり、例えば、
・水素原子、
・1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、任意で少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基が割り込むと共に/或いは当該の基で置換されると共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で置換される線状又は枝分かれアルキルラジカル、
・アリール基が6つの炭素原子を含み、アルキルラジカルが1〜4個の炭素原子を含み、アルキルラジカルが1〜4個の炭素原子を含む1つ以上の線状又は枝分かれアルキルラジカルで任意で置換され、少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基が割り込むと共に/或いはかかる基で置換されると共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で任意で置換されるアリール又はアリールアルキルラジカルに相当し、
・R1及びR2は、複素環を形成するために任意で窒素原子と結合されてもよく、また1つ以上の他のヘテロ原子を含み、複素環は、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む少なくとも1つの線状又は枝分かれアルキルラジカルで任意で置換され、少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基が割り込むと共に/又はかかる基で置換されると共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で任意で置換され、
・R1又はR2は、窒素原子及び当該の窒素原子を有するフェニル基の炭素原子の1つを含む複素環に任意で関与してもよく、
・任意で同一とすることもできるR3、R4は、水素原子又は1から4つの炭素原子を含むアルキルラジカルに相当し、
・任意で同一とすることもできるR5成分は、水素原子、ハロゲン原子又は1から4つの炭素原子を含む線状若しくは枝分かれアルキルラジカルに相当し、少なくとも1つのヘテロ原子が任意で割り込み、
・任意で同一とすることもできるR6成分は、水素原子、ハロゲン原子、1から4つの炭素原子を含み、少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基で任意で置換され及び/又は当該の基が割り込むと共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で置換される線状又は枝分かれアルキルラジカルに相当する。
Xは、次を表す。
・1〜14個の炭素原子を含む直線状若しくは枝分かれルキルラジカル、又は2〜14個の炭素原子を含み、少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基で任意で割り込むと共に/或いはかかる基で置換されると共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で置換されるアルケニルラジカル、
・1から14の炭素原子を含む少なくとも1つの直線状又は枝分かれアルキルラジカルで任意で置換され、少なくとも1つのヘテロ原子で任意で置換され、1から4の炭素原子を含み、少なくとも1つのヘテロ原子で任意で置換される少なくとも1つの直線状又は枝分かれアミノアルキルラジカルを有し、又は少なくとも1つのハロゲン元素を有する5又は6つの結合を含む複素環ラジカル、
・1〜4個の炭素原子を含むアルキルラジカルにより任意で縮合、分離又は分離されなくてもよく、1種類又は複数種類のアリールラジカルが少なくとも1つのハロゲン原子、又は1から10の炭素原子を含み少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を有する基で任意で置換されると共に/或いは割り込まれる少なくとも1つのアルキルラジカルで任意で置換される芳香族又はジ芳香族ラジカル、
・ジカルボニルラジカル、
・場合により1つ以上のカチオン電荷を有する官能基X、
・0又は1に等しい。
・1〜14個の炭素原子を含む直線状若しくは枝分かれルキルラジカル、又は2〜14個の炭素原子を含み、少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を含む基で任意で割り込むと共に/或いはかかる基で置換されると共に/或いは少なくとも1つのハロゲン原子で置換されるアルケニルラジカル、
・1から14の炭素原子を含む少なくとも1つの直線状又は枝分かれアルキルラジカルで任意で置換され、少なくとも1つのヘテロ原子で任意で置換され、1から4の炭素原子を含み、少なくとも1つのヘテロ原子で任意で置換される少なくとも1つの直線状又は枝分かれアミノアルキルラジカルを有し、又は少なくとも1つのハロゲン元素を有する5又は6つの結合を含む複素環ラジカル、
・1〜4個の炭素原子を含むアルキルラジカルにより任意で縮合、分離又は分離されなくてもよく、1種類又は複数種類のアリールラジカルが少なくとも1つのハロゲン原子、又は1から10の炭素原子を含み少なくとも1つのヘテロ原子及び/又は少なくとも1つのヘテロ原子を有する基で任意で置換されると共に/或いは割り込まれる少なくとも1つのアルキルラジカルで任意で置換される芳香族又はジ芳香族ラジカル、
・ジカルボニルラジカル、
・場合により1つ以上のカチオン電荷を有する官能基X、
・0又は1に等しい。
任意で同一のものとすることもできるY‐成分は、nが2以上の整数であり、かつ最大で蛍光化合物中に存在するカチオン電荷の数である有機又はミネラルアニオンに相当する。
その他の二量体は、場合により、例えば、付着点が2つの非カチオン性基の間に形成される二量体など、又は例えば、ピリジニウム基がイミダゾリニウム基などの別のアリールカチオン性基によって置き換えられている二量体などである。
ジシアノピラジン・ファミリーが本発明において関心があるオレンジ色の蛍光化合物を提供することもできる。
オレンジの蛍光色素が用いられてもよい。その一例は、SunChemical社により販売されているSubrite‐SG2515黄色オレンジ色素である。
光防護組成物の塗布
ユーザは、光防護組成物を、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層全体を塗布し又はこれとは対照的に、図12に示されているように或る特定のゾーンだけにわたって局所的に処理済みゾーンの全体に塗布することができる。この図では、感光性メーキャップは、熱的に安定なフォトクロミック組成物PCが光防御性組成物PPで完全に覆われた状態で作られている。光防護組成物は、例えば、熱的に安定なフォトクロミック組成物で覆われたゾーンのエッジに局所化されるのが良く、それにより、感光性メーキャップが熱的に安定なフォトクロミック組成物の層よりも広がりの度合いが低い場合、感光性メーキャップパターンが熱的に安定なフォトクロミック組成物によって包囲される。
ユーザは、光防護組成物を、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層全体を塗布し又はこれとは対照的に、図12に示されているように或る特定のゾーンだけにわたって局所的に処理済みゾーンの全体に塗布することができる。この図では、感光性メーキャップは、熱的に安定なフォトクロミック組成物PCが光防御性組成物PPで完全に覆われた状態で作られている。光防護組成物は、例えば、熱的に安定なフォトクロミック組成物で覆われたゾーンのエッジに局所化されるのが良く、それにより、感光性メーキャップが熱的に安定なフォトクロミック組成物の層よりも広がりの度合いが低い場合、感光性メーキャップパターンが熱的に安定なフォトクロミック組成物によって包囲される。
光防護組成物層は又、角質性物体、例えば皮膚に結合されるべき軟質フィルムの形態を取ることも可能である。フィルムの物質は、光作用剤としての役目を果たすことができると共に/或いはフィルムは、フィルムの物質中に分散された少なくとも1つの光作用剤を含むのが良い。フィルムは又、例えばインプレッション又は多層干渉構造の形態をした光作用剤を含む被膜を支持することができる。
ユーザは、かかるフィルムを熱的に安定なフォトクロミック組成物層の全体に被着させることができ又はフィルムを切断して変色ゾーンを覆っていない非変色ゾーンのみを覆うようにすることができる。
感光性メーキャップの内容、例えばその輪郭から始まって、保護フィルムを適当な形状に切断する自動切断システムを用いることができる。この場合、ユーザは、切断された保護フィルムを非変色ゾーン上に置く。
本発明の例示の別の実施形態では、光防護組成物は、少なくとも1つの光作用剤を支持した支持シートを処理されるべきゾーンに塗布することにより移着によって被着される。ユーザは、シートを熱的に安定なフォトクロミック組成物で覆われた角質性物体に接触させ、次に、摩擦又は他の手段、例えば熱若しくは溶剤を用いて1種類又は複数種類の光作用剤が熱的に安定なフォトクロミック組成物層上に移着されるようにする。
本発明の例示の一実施形態では、光防護組成物層は、可逆的であり、即ち、ユーザは、熱的に安定なフォトクロミック組成物の第1の層を除去しないで、この光防護組成物層を除去することができる。
この目的のため、第1の層は、これが耐水性であり又は水と界面活性剤の混合物に対して耐性があるように処方されているのが良く、第2の層は、これが非耐水性であり又は水と界面活性剤の混合物に対して耐性がないように処方されているのが良い。
また、剥離可能な第2の層を作ることが可能である。この目的のため、第1の層への被着又は塗布前又は後に、粘着性被膜を形成する第2の層を用いるのが良い。第2の層は、これが剥離可能である場合、例えばエラストマー材料から成る。
本発明の例示の一実施形態では、第2の層は、例えば表面張力の低い化合物、例えばシリコーン又は弗素化化合物を利用している熱的に安定なフォトクロミック組成物により、第1の層への付着性が低い。本発明の別の例示の実施形態では、光防護組成物層の除去を容易にする中間の非粘着性層が、第1の層と第2の層との間に介在して設けられる。
特に防護性組成物層が可逆的である場合、光防護組成物層は、非常に高い遮蔽力F、例えば20以上を有するのが良い。
1種類又は複数種類の光作用剤を含む単一の層又は数種類の互いに異なる光作用剤を含む数個の層を塗布するのが良い。
一例として、熱的に安定なフォトクロミック組成物層がUV光及び可視光から保護されるようにする単一の層を塗布するのが良い。
また、特定のUV保護層及びUV領域及び/又は可視領域における追加の保護のための追加の層を塗布することが可能であり、この追加の層は、例えば着色剤又は熱的不安定性フォトクロミック剤から成る。
また、1つのUV保護層及びUV領域において追加の保護を保証する蛍光性化合物から成る追加の層を用いることが可能である。
特定の考えられる手段では、熱的に安定なフォトクロミック組成物の第1の層及び熱的に安定なフォトクロミック組成物のための変色放射線に対してスクリーンを形成する光作用剤を含む光防護組成物の第2の層から成る多層フィルムが被着される。このフィルムは、自立型であっても良く、移着によって被着されても良い。
熱的に安定なフォトクロミック組成物をそのままの状態で角質性物体に塗布することができ又はベース層、特に以下に説明するベース層上に施しても良い。
第2の組成物を熱的に安定なフォトクロミック組成物層に直接又は上述したようにこれら2つの間の中間層に塗布しても良い。第2の組成物は、それ自体、適宜、追加の層で被覆されるのが良い。
種々の層の成分の選択
本発明の例示の一実施形態では、2つの連続的に塗布された層、例えば、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層及び熱防護性組成物の層又はベース層及び熱的に安定なフォトクロミック組成物の層、又は熱的に安定なフォトクロミック組成物の層及び感光性メーキャップを保護する材料を形成するようになった層は、物理的に捕捉し合うのが良く、第2の層が第1の層上にしっかりとくっつくのを可能にし又は容易にすると共に/或いは第1の層上における第2の層の広がりを可能にし又は容易にする。
本発明の例示の一実施形態では、2つの連続的に塗布された層、例えば、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層及び熱防護性組成物の層又はベース層及び熱的に安定なフォトクロミック組成物の層、又は熱的に安定なフォトクロミック組成物の層及び感光性メーキャップを保護する材料を形成するようになった層は、物理的に捕捉し合うのが良く、第2の層が第1の層上にしっかりとくっつくのを可能にし又は容易にすると共に/或いは第1の層上における第2の層の広がりを可能にし又は容易にする。
互いに捕捉し合うイオン性が存在することが有利な場合がある。かくして、例えば、第1の層は、陽イオンポリマーを含むのが良く、この場合、第2の層は、陰イオン化合物、例えば陰イオンフィルタ、陰イオン着色剤又は陰イオン蛍光性化合物を含む。これとは逆の関係も又可能である。
また、表面張力が捕捉し合うということが有利な場合がある。かくして、第1の層は、例えば、少なくとも1種類の親水性ポリマーを用いることにより好ましくは40mN.m-1(一メートル当たりのミリニュートン)よりも大きい第1の表面張力を有するのが良い。第2の層は、例えば主として油性、シリコーン又は弗素化組成物を用いることにより又は1種類又は2種類以上の表面活性剤が導入された水性組成物を用いることにより第1の層よりも低い第2の表面張力、好ましくは40未満の第2の表面張力を有するのが良い。
第2の成分(溶剤、接着剤等)は、これら成分が第1の層の溶剤とはならないよう選択されるのが良い。
一例として、有機溶剤(エタノール、アセトン、アルキルアセテート、炭素系油(例えば、イソドデカン)、揮発性シリコーン)が、第1の層に選択されるのが良く、水性又は水性アルコール溶剤が第2の層に選択されるのが良く、又この逆の関係が成り立つ。
また、2種類の有機溶剤又は2種類の水性溶剤を2つの層について選択することが可能である。ただし、第1の層の乾燥時、変換が起こることを条件とする。一例として、乳液(ラテックス)を含む第1の層が用いられる。乾燥時、乳液は、凝集し、第1の層を第2の層の塗布に対して不活性にする。また、揮発性塩基、例えばアンモニアとの中和により水溶性になる低水溶性アクリル/アクリレートコポリマーを含む第1の層を用いることが可能である。第1の層の乾燥後、アンモニアは、蒸発し、第1の層を耐水性にする。
ベース層
第1の光防護組成物のベース層を角質性物体に塗布し又は被着させるのが良く、ベース層は、少なくとも一時的に波長λ、特に320nm〜440nmの波長でスクリーンを形成することができる少なくも1種類の光作用剤を含み、ベース層には第2の熱的に安定なフォトクロミック組成物が塗布されているのが良く、この第2の熱的に安定なフォトクロミック組成物は、少なくとも波長λ放射線への暴露により変色可能であり、1種類又は複数種類の光作用剤は、上述した光作用剤から選択されるのが良い。
第1の光防護組成物のベース層を角質性物体に塗布し又は被着させるのが良く、ベース層は、少なくとも一時的に波長λ、特に320nm〜440nmの波長でスクリーンを形成することができる少なくも1種類の光作用剤を含み、ベース層には第2の熱的に安定なフォトクロミック組成物が塗布されているのが良く、この第2の熱的に安定なフォトクロミック組成物は、少なくとも波長λ放射線への暴露により変色可能であり、1種類又は複数種類の光作用剤は、上述した光作用剤から選択されるのが良い。
一例を挙げると、少なくとも光防護組成物が塗布されている間、ベース層として塗布される光防護組成物は、太陽光線に対して少なくとも2、好ましくは5又は10の遮蔽力Fを有する。
かかるベース層を用いることにより、下に位置する角質性物体に向かう熱的に安定なフォトクロミック組成物の1種類又は複数種類のフォトクロミック剤の移動を困難にすることにより皮膚にしみを生じさせるリスクを減少させることができる。
この移動は、第1及び第2の組成物が互いに混和しない場合、一段とゆっくりとなり又はそれどころか阻止される場合があり、2つの相を形成するために、これら組成物のうちの一方は、例えば水性であり、他方は、水性ではなく、又はその逆の関係が成り立つ。
かくして第2の組成物のための成分(溶剤、接着剤等)を選択することが可能であり、この第2の組成物は、熱的に安定なフォトクロミック組成物の溶剤ではなく、又この逆の関係が成り立つ。一例として、有機溶剤は、第2の光防護性組成物について、アルコール又はケトン、例えば特にエタノール又はアセトン、アルキルアセテート、炭素質油、特にイソドデカン又は揮発性シリコーンから、第1の熱的に安定なフォトクロミック組成物については水性溶剤又は水性アルコール溶剤から選択され、又この逆の関係が成り立つ。
また、2つの組成物について2つの有機溶剤又は2つの水性溶剤を選択することも可能であり、その結果、変換が乾燥時に生じるようになる。一例として、ラテックスを含む第1の組成物を用いても良い。乾燥時、この組成物は、凝集して層を熱的に安定なフォトクロミック組成物の塗布に対して不活性にする。
ベース層は、熱的に安定なフォトクロミック組成物よりも広い表面上に形成されるのが良い。これにより、熱的に安定なフォトクロミック組成物の塗布が容易になる。というのは、ユーザは、2種類の塗布された組成物の輪郭を正確に対応させることに心配する必要がもはやないからである。
熱的に安定なフォトクロミック組成物がUV放射線への暴露により変色するのに適している場合、ベース層に含まれている光作用剤は、好ましくは、光安定性指数が80%以下の非光安定性日焼け止めである。
結果的に得られる利点の1つは、ベース層を皮膚に塗布すると、ユーザは、ベース層の広がりが熱的に安定なフォトクロミック組成物の広がりを実質的に越えて延びる場合であっても日焼けから完全に阻止されることはないということにある。太陽光への暴露中、ベース層は、UVを遮るその能力を失う場合があり、それにより、ユーザは、少なくとも、熱的に安定なフォトクロミック組成物によって覆われていないゾーンが次第に日焼けすることができる。日焼け止めに光安定性がある場合、ユーザは、自分の日焼けに痕跡が残るのを恐れてベース層をそれほど広く塗布するのを躊躇する場合がある。
日焼け止めの光安定性を測定するため、日焼け止めをFINSOLVという商品名のC12〜C15アルキルベンゾエート溶剤中で希釈する。スクリーンParsol 1789は、サンテスト(SUNTEST)社製の照射器によって生じさせたUVA放射線への1時間の暴露後における遮蔽力を初期遮蔽力で除算して得られた比として定義される光安定性が30%台の非光安定性スクリーンの一例である。
ベース層は、感光性メーキャップの十分に前に、例えば、15分以上前に、塗布されるのが良く、このことは、ベース層が乾燥するのに十分な時間が得られ、ベース層上に塗布された熱的に安定なフォトクロミック組成物層においてベース層を不溶性にし又はほぼ不溶性にするという作用効果をもたらすことができる。さらに、乾燥時、ベース層は、選択的に、比較的滑らかな表面を形成することができ、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層を一様な厚さで塗ることが容易になる。皮膚が滑らかであれば、第2の層は、薄くて良い場合があり、変色に続き魅力のない視覚的効果をもたらす恐れのある非一様な厚さが回避される。
必要ならば、少なくとも1つの中間層を熱的に安定なフォトクロミック組成物とベース層との間に配置するためにこれをベース層に塗布するのが良い。
この中間層は、ベース層への熱的に安定なフォトクロミック組成物の保持具合を向上させ、又はこれとは対照的に、メーキャップ落とし(除去という場合がある)の際、除去を容易にする作用効果を発揮することができる。中間層は、ポリマー又はワックスの層であるのが良い。
特に、中間層は、熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるために波長λでスクリーンとして機能する必要はない。
さらに、別の組成物の層をベース層の下に塗布して皮膚へのその付着を容易にするのが良い。かくして、ベース層は、皮膚と直接的に接触状態にある必要はない。変形例では、ベース層を直接皮膚に又は他の角質性物体に塗る。
感光性メーキャップの機械的保護
熱的に安定なフォトクロミック組成物の少なくとも1つの層を角質性物体に塗布するのが良く、かかる層は、第2の組成物によって又はエネルギーの追加によって、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層で感光性メーキャップを機械的に保護する材料を形成することができる。
熱的に安定なフォトクロミック組成物の少なくとも1つの層を角質性物体に塗布するのが良く、かかる層は、第2の組成物によって又はエネルギーの追加によって、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層で感光性メーキャップを機械的に保護する材料を形成することができる。
また、少なくとも1つの被覆層を熱的に安定なフォトクロミック組成物の層に被着させることが可能であり、それにより感光性メーキャップの機械的保護を保証する材料を形成することができる。
感光性メーキャップの外見は、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層を選択的に変色させることにより機械的保護を感光性メーキャップに提供する材料を形成する前又は後に作ることができる。
感光性メーキャップの機械的保持具合を向上させることにより、形成されたイメージの劣化を遅らせることができ、経時的なイメージの鮮明さの低下が遅れる。さらに、感光性メーキャップは、こすれや動きに対する感度が低くなる。熱的に安定なフォトクロミック組成物を衣服又は身体の他の領域に移着させるリスクも又、減少する。
かくして、耐久性のある感光性メーキャップを種々のゾーン、例えば衣服で覆われたゾーン、例えば背中、腹、胸、脚又は太もも上に作ることができる。
かかる材料は、溶剤蒸発により又は重合反応若しくは架橋反応により形成でき、かかる反応は、必ずしも完全である必要はない。重合及び/又は架橋による表面硬化は、保持具合を向上させるのに十分であることが分かる。
感光性メーキャップの機械的保護を提供する材料は、有利には、透明である。
かかる材料は、熱的に安定なフォトクロミック組成物の層を覆っているとき、この材料は、日中、少しずつすり減ることにより、感光性メーキャップを保護する磨耗又は消耗層を形成する。
かかる材料が熱的に安定なフォトクロミック組成物層を覆っているとき、この材料は又、追加の光学的効果、例えば誇張又は着色効果を提供することにより、感光性メーキャップの審美感にも寄与する場合がある。
熱的に安定なフォトクロミック組成物が熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるために用いられる波長とは異なる波長で熱的に安定なフォトクロミック組成物の層を照射することにより感光性メーキャップを消色させる可能性を提供する場合、かかる材料は、感光性メーキャップがもしそれが望ましい場合には除去されるのを何らかの仕方で阻止しないで、その保持具合を向上させることができ、ユーザは、この目的のためにメーキャップを完全に落とす必要はない。
感光性メーキャップに機械的保護を提供する材料を形成するため、熱的に安定なフォトクロミック組成物及び/又は被覆層中に重合可能且つ/或いは架橋可能な化合物を用いることが可能である。
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、かかる材料を形成するのに役立つ重合可能且つ/或いは架橋可能化合物の全てを含むことができる。選択的に、熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるために用いられる照射は、重合及び/又は架橋に役立つ。
熱的に安定なフォトクロミック組成物は、潜在的に重合し且つ/或いは架橋することができる第1の作用剤を更に含むのが良い。熱的に安定なフォトクロミック組成物のフォトクロミック剤の変色後又は変色前において、第1の化合物と関連することにより、重合又は架橋を実施することができる第2の化合物を塗布する。照射は又、重合及び/又は架橋を生じさせるのに役立つ場合がある。
例示の他の実施形態では、熱的に安定なフォトクロミック組成物を塗り、感光性メーキャップの外見を作った後に第2の組成物を塗る。
1種類又は複数種類のフォトクロミック剤を変色させるのに役立つ照射前又は照射後のいずれかに被覆層を被着させるのが良い。その平均厚さは、少なくとも2μm(マイクロメートル)であるのが良く、材料がかなり硬質であり又はエラストマーである場合、少なくとも5μmであり、好ましくは、材料がかなり軟らかい弾性率を有する場合、少なくとも10μmである。
角質性物体が感光性メーキャップから成る単一の層で被覆される場合、かかる層の厚さは、好ましくは、5μmを超え、より好ましくは10μmを超える。この厚さは、好ましくは、1mm未満である。
熱的に安定なフォトクロミック組成物が潜在的に架橋することができる化合物の全て又は幾つかを含む場合、第2段階において、第1の組成物の乾燥前又は乾燥後に、架橋を生じさせる又は架橋に必要な第2の化合物を塗布することが可能である。第2の層の厚さ(溶剤の蒸発後で表される)は、好ましくは、第1の層の厚さの少なくとも20%に等しく、好ましくは、第1の層の厚さの50%を超える。第2の層の厚さは、好ましくは、5μmを超える。
熱的に安定なフォトクロミック組成物が潜在的に架橋可能な化合物を含んでいない場合、第2段階において、架橋を生じさせる化合物を含む第2の組成物を塗布することが可能である。第2の層の厚さ(溶剤の蒸発後で表される)は、好ましくは、第1の層の厚さの少なくとも10%に等しく、好ましくは第1の層の厚さの30%を超える。第2の層の厚さは、少なくとも5μmを超え、好ましくは1mm未満である。
かかる材料の生成を可能にする重合及び/又は架橋は、化学的であっても良く物理的であっても良い。
化学的重合及び/又は架橋
「化学的架橋」という用語は、化合物が単独であれ、第2の化合物との反応によってであれ、放射線の作用によってであれ、エネルギーの供給によってであり、いずれにせよ、分子相互間の共有化学結合を形成することができるということを意味している。その結果として、かかる化合物を含む材料の凝集性が向上する。
「化学的架橋」という用語は、化合物が単独であれ、第2の化合物との反応によってであれ、放射線の作用によってであれ、エネルギーの供給によってであり、いずれにせよ、分子相互間の共有化学結合を形成することができるということを意味している。その結果として、かかる化合物を含む材料の凝集性が向上する。
化合物は、単一分子であっても良く、既に数個の分子の組み合わせの結果であっても良く、例えば、オリゴマー又はポリマーであって良い。化合物は、1つ又は2つ以上の反応性官能基を備えるのが良い。
好ましい分子は、架橋後、固体となると共に/或いは変形可能であるが、弾性の材料となる分子である。
化学的官能基は、性質が同一の別の官能基と反応しても良く、別の化学的官能基と反応しても良い。
性質が同一の別の官能基との反応
これらは、例えばエチレン基、具体的にはアクリレート基、アクリル基、メタクリレート基、メタクリル基又はスチレン基である。
これらは、例えばエチレン基、具体的にはアクリレート基、アクリル基、メタクリレート基、メタクリル基又はスチレン基である。
反応するために、これらの分子は一般に、例えば光、熱、触媒の使用、又は光開始剤と場合により光開始剤の作用スペクトルの拡大を意図した光増感剤との組み合わせなど、外的な形の活性化を必要とする。光重合可能及び/又は光架橋可能な組成物は、例えば、加国特許第1306954号明細書及び米国特許第5456905号明細書に記載されている。
欧州特許出願公開第1247515号明細書に記載のようなエチレン基を有するポリマー化合物を使用することも可能である。
エチレン基は、反応を加速し、任意の外的活性化を重複して供給するために吸引基によって活性化されるのが良い。これは、水などの触媒の存在のみが反応を可能にするエチルシアノアクリレートモノマーの典型的な例である。
エチレン基は、例えば電子吸引基によって、穏やかに活性化されるのが良い。利点は、反応が反応の開始と収量を制御する場合に重要である外的活性化を必要とするが光開始剤は必要としない点である。例えば、シアノアクリレートモノマー、具体的には、エステルが有する基が少なくとも2つ、可能な場合には4つの炭素の連続を含む、シアノアクリレートモノマーとすることもできる。
光などの外的活性化を必要とするが、光開始剤は必要としない分子が好ましい。したがって、欧州特許出願公開第1572139号に記載されているような光重合によって反応することができる分子、具体的には以下のような官能基を有する分子が特に好ましい。
1)スチルバゾリウム:
(式中、
・Rが水素原子、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、
・R′が水素原子又はアルキル基を表す。)
2)スチリルアゾリウム:
(式中、Aは、硫黄原子、酸素原子、又はNR′基又はC(R′)2基を示し、R及びR′は、上記で定義された通りである。)
3)カルコン
4)(チオ)ケイ皮酸及び(チオ)ケイ皮酸アミド
5)マレイミド
6)(チオ)クマリン
7)チミン
8)ウラシル
9)ブタジエン
10)アントラセン
11)ピリドン
12)ピロリジノン
13)アクリジジニウム塩
14)フラノン
15)フェニルベンゾキサゾール
16)スチリルピラジン
1)スチルバゾリウム:
・Rが水素原子、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、
・R′が水素原子又はアルキル基を表す。)
2)スチリルアゾリウム:
3)カルコン
4)(チオ)ケイ皮酸及び(チオ)ケイ皮酸アミド
5)マレイミド
6)(チオ)クマリン
7)チミン
8)ウラシル
9)ブタジエン
10)アントラセン
11)ピリドン
12)ピロリジノン
13)アクリジジニウム塩
14)フラノン
15)フェニルベンゾキサゾール
16)スチリルピラジン
性質が同じである別の官能基で行われる反応は、それだけには限定されないが、エチレン基が関与する反応である。
例えば下記のような縮合によって反応することができる化合物も好ましい。
・シロキサン基、具体的には、ジアルコキシ‐又はジヒドロキシ‐シラン基、トリアルコキシ‐又はトリヒドロキシ‐シラン基。アルキルトリアルコキシシラン基又はジアルキルトリアルコキシシラン基、具体的には、アルキル基が、例えば、アミノトリエトキシシラン又はアミノトリエトキシシランなどの分子又はこのような官能基を有する分子などのアミンなど、水溶性化官能基を有するアルキルアルコキシシラン基を用いることもできる。シロキサンを主成分とする小分子(モノマー又はオリゴマー)に加えて、具体的には、仏国特許出願公開第2910315号明細書に記載されている分子量がより大きい化合物が用いられるのが良い。
・チタンを主成分とするゾル‐ゲル
・シロキサン基、具体的には、ジアルコキシ‐又はジヒドロキシ‐シラン基、トリアルコキシ‐又はトリヒドロキシ‐シラン基。アルキルトリアルコキシシラン基又はジアルキルトリアルコキシシラン基、具体的には、アルキル基が、例えば、アミノトリエトキシシラン又はアミノトリエトキシシランなどの分子又はこのような官能基を有する分子などのアミンなど、水溶性化官能基を有するアルキルアルコキシシラン基を用いることもできる。シロキサンを主成分とする小分子(モノマー又はオリゴマー)に加えて、具体的には、仏国特許出願公開第2910315号明細書に記載されている分子量がより大きい化合物が用いられるのが良い。
・チタンを主成分とするゾル‐ゲル
これらの分子により、開始及び反応収量を制御することが可能である。
酸化による反応が可能な化合物、例えば少なくとも2つのヒドロキシル基又は1つのヒドロキシル基及び1つのアミノ基又は1つのヒドロキシル基、例えばカテコール又はジヒドロキシインドールを有する芳香族化合物も又好ましい。酸化剤は、空気からの酸素又は別の酸化剤、例えば過酸化水素であるのが良い。
別の官能基との反応
このような状況で反応する分子は、相補的な2種類の官能基を備えている。これらは、官能基FAを有する分子が官能基FAと反応可能な官能基FBを有する分子と接触する系とすることもできる。
このような状況で反応する分子は、相補的な2種類の官能基を備えている。これらは、官能基FAを有する分子が官能基FAと反応可能な官能基FBを有する分子と接触する系とすることもできる。
これらは、同一構造上に1つ以上の官能基FA及び1つ以上の官能基FBを有する分子であるのが良い。
官能基FAは、例えば、下記から選択されるのが良い。
・エポキシド
・アジリジン
・ビニル及び活性化ビニル、具体的には、アクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル
・クロトン酸及びクロトン酸エステル、ケイ皮酸及びケイ皮酸エステル、ステリン及びその誘導体、ブタジエン
・ビニルエステル、ビニルケトン、マレイン酸エステル、ビニルスルホン、マレイミド
・カルボン酸無水物、塩化物及びエステル
・アルデヒド
・アセタール、ヘミアセタール
・アミナール、ヘミアミナール
・ケトン、アルファ‐ヒドロキシケトン、アルファ‐ハロケトン
・ラクトン、チオラクトン
・イソシアネート
・チオシアネート
・イミン
・イミド、具体的には、コハク酸イミド、グルチミド(glutimide)
・N‐ヒドロキシコハク酸イミドエステル
・イミダート
・チオ硫酸
・オキサジン及びオキサゾリン
・オキサジニウム及びオキサゾリニウム
・C1〜C30アルキル又はC6〜C30アリール又はRXの化学式を有し、X=I、Br、Clであるハロゲン化アラルキル
・不飽和のハロゲン化炭素環又はハロゲン化複素環、具体的には、クロロトリアジン
・クロロピリミジン、クロロキノキサリン、クロロベンゾトリアゾール
・ハロゲン化スルホニル、すなわち、RがC1〜C30アルキルであるRSO2‐Cl又はRSO2‐F
・エポキシド
・アジリジン
・ビニル及び活性化ビニル、具体的には、アクリロニトリル、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル
・クロトン酸及びクロトン酸エステル、ケイ皮酸及びケイ皮酸エステル、ステリン及びその誘導体、ブタジエン
・ビニルエステル、ビニルケトン、マレイン酸エステル、ビニルスルホン、マレイミド
・カルボン酸無水物、塩化物及びエステル
・アルデヒド
・アセタール、ヘミアセタール
・アミナール、ヘミアミナール
・ケトン、アルファ‐ヒドロキシケトン、アルファ‐ハロケトン
・ラクトン、チオラクトン
・イソシアネート
・チオシアネート
・イミン
・イミド、具体的には、コハク酸イミド、グルチミド(glutimide)
・N‐ヒドロキシコハク酸イミドエステル
・イミダート
・チオ硫酸
・オキサジン及びオキサゾリン
・オキサジニウム及びオキサゾリニウム
・C1〜C30アルキル又はC6〜C30アリール又はRXの化学式を有し、X=I、Br、Clであるハロゲン化アラルキル
・不飽和のハロゲン化炭素環又はハロゲン化複素環、具体的には、クロロトリアジン
・クロロピリミジン、クロロキノキサリン、クロロベンゾトリアゾール
・ハロゲン化スルホニル、すなわち、RがC1〜C30アルキルであるRSO2‐Cl又はRSO2‐F
例示として、官能基FAを含む官能基を有する以下の分子を挙げることができる。
・具体的には、例えばISP社によりGantrezの商標で販売されているメチルビニルエーテル及びマレイン酸無水物の共重合体
・具体的には、Polysciences社により販売されているグリシジルポリメタクリレート
・具体的には、Shinetsu社により販売されている(X‐2Z‐173 FX又はDX参照)、グリシジルポリジメチルシロキサン
・例えば、Hercules社によりHercules社提供のDelsette 101、Kymene 450の商標で販売されているエポキシポリアミドアミン
・エポキシデキストラン
・NaIO4による多糖の酸化によって得られるポリアルデヒド多糖類(Bioconjugate Techniques; Harmanson GT, Academic Press, 1996)
・具体的には、例えばISP社によりGantrezの商標で販売されているメチルビニルエーテル及びマレイン酸無水物の共重合体
・具体的には、Polysciences社により販売されているグリシジルポリメタクリレート
・具体的には、Shinetsu社により販売されている(X‐2Z‐173 FX又はDX参照)、グリシジルポリジメチルシロキサン
・例えば、Hercules社によりHercules社提供のDelsette 101、Kymene 450の商標で販売されているエポキシポリアミドアミン
・エポキシデキストラン
・NaIO4による多糖の酸化によって得られるポリアルデヒド多糖類(Bioconjugate Techniques; Harmanson GT, Academic Press, 1996)
官能基FBは、X=O、N、S、COOで、かつn=1又は2であるXHn官能基から選択されるのが良く、特にアルコール、アミン、チオール、及びカルボン酸である。
FBタイプの官能基を有する分子の例は、以下の通りである。
・具体的には、Dendritech社、DSM社、Sigma-Aldrich社によって販売されているPAMAMデンドリマー(Dendritech社提供のSTARBURST、PAMAM DENDRIMER、G(2, 0))
・具体的には、Perstorp社、DSM社によって販売されているヒドロキシル基を有するデンドリマー(例:HBP TMP core 2 Generation PERSTORP)
・具体的には、BASF社によってLupasolの商標で販売されているPEI(ポリエチレン‐イミン)
・PEIチオール
・具体的には、Chisso社により販売されているポリリシン
・HPセルロース、例えばAQUALON社提供のKLUCELEF
・例えば、Carbomer社により販売されているアミノデキストラン
・例えば、BASF社からの国際公開第01/25283号明細書に記載されているアミノセルロース
・PVA(ポリビニルアセタール)、例えばAIRPRODUCTS CHEMICAL社提供のAIRVOL 540
・例えば、Carbomer社によって販売されているアミノPVA
・キトサン
・具体的には、Dendritech社、DSM社、Sigma-Aldrich社によって販売されているPAMAMデンドリマー(Dendritech社提供のSTARBURST、PAMAM DENDRIMER、G(2, 0))
・具体的には、Perstorp社、DSM社によって販売されているヒドロキシル基を有するデンドリマー(例:HBP TMP core 2 Generation PERSTORP)
・具体的には、BASF社によってLupasolの商標で販売されているPEI(ポリエチレン‐イミン)
・PEIチオール
・具体的には、Chisso社により販売されているポリリシン
・HPセルロース、例えばAQUALON社提供のKLUCELEF
・例えば、Carbomer社により販売されているアミノデキストラン
・例えば、BASF社からの国際公開第01/25283号明細書に記載されているアミノセルロース
・PVA(ポリビニルアセタール)、例えばAIRPRODUCTS CHEMICAL社提供のAIRVOL 540
・例えば、Carbomer社によって販売されているアミノPVA
・キトサン
2つの成分、市販されている分子、触媒条件、及び使用条件についての詳細は、仏国特許出願第2910315号に記載されている。
或る特定の可能性においては、皮膚上にすでに存在する分子又は皮膚により分泌される分子が、試薬又は触媒剤として用いられる。一般的には、それは例えばシアノアクリレート反応、又はシロキサンが関与する特定の反応を支援することができる、水である。
別の特定の可能性においては、分子が周囲の空気中に存在する試薬又は触媒剤として用いられる。一般的には、それは乾性油などの特定の油、具体的には、リンシード油、キリ油(又はシナアブラギリの油)、オイチシカ油、ベルノニア油、ケシ油、ザクロ油、カレンデュラ油又はアルキド樹脂などの乾性植物油などの架橋反応に関与する酸素である。反応は、例えば、オクチル酸塩、リノール酸塩又はオクタン酸塩の形での、コバルト塩、マンガン塩、カルシウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩、ストロンチウム塩、鉛塩、リチウム塩、鉄塩、セリウム塩、バリウム塩、又はスズ塩などの触媒を用いることによって加速されるのが良い。
別の特定の可能性においては、転位することによって互いに結合する分子が用いられる。したがって、内部ジスルフィドを有する分子を用いることが可能である。内部ジスルフィドを開き、当該のジスルフィドを反応させることによって、分子間の新しい共有結合を形成することが可能である。
触媒が反応を加速するために用いられるのが良い。一例として、マンガン塩、銅塩、鉄塩、プラチナ塩、チタン酸塩などの金属塩、又は酸化酵素又はラッカーゼなどの酵素が使用可能である。
性質が同じ又は異なる別の官能基と反応する化学的官能基を用いて、いくつかの適用形態が可能である。
一例として、反応する全ての成分が熱的に安定なフォトクロミック組成物中に含まれ又は成分の全てが例えば1つの化合物などの1つ以上の化合物若しくは触媒を除き、熱的に安定なフォトクロミック組成物中に含まれる。熱的に安定なフォトクロミック組成物にはいずれの成分も含まれないものとし、熱的に安定なフォトクロミック組成物の塗布後に、好ましくは光感受性の化粧の外観を形成後に、これらが一度に又は別の時に塗布される。
物理的架橋
耐水性がある最終物を与える分子間の持続的な物理的結合を形成可能な成分が用いられる場合、架橋は物理的なものであってもよい。非共有結合であるこれらの結合は、イオン結合又は水素結合タイプの結合である。
耐水性がある最終物を与える分子間の持続的な物理的結合を形成可能な成分が用いられる場合、架橋は物理的なものであってもよい。非共有結合であるこれらの結合は、イオン結合又は水素結合タイプの結合である。
挙げることができる例は、例えば、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、又はアルミニウム塩などの、2価又は多価タイプの塩との混合物である。
一例として、アルギン酸誘導体などの化合物A及びカルシウム塩などの化合物Bが混合されるのが良い。一例として、アルギン酸誘導体は、熱的に安定なフォトクロミック組成物に含まれている。第2の段階において、例えば、架橋をもたらすために、塩化カルシウムの水溶液がスプレーの形で適用される。
例えば、ポリシロキサン及びポリ尿素ブロック共重合体などの、強力な水素結合を形成することができる分子についても言及することができ、具体的には、以下の化学式を持つ分子である。
式中、
・Rは、1つ以上のフッ素又は塩素原子で置換することもできる1〜20個の炭素原子を含む1価の炭化水素ラジカルを表し、
・Xは、1〜20個の炭素原子を含み、隣接しないメチレン単位を‐O‐ラジカルによって置き換えることもできる、アルキレンラジカルを示し、
・Aは、酸素原子又はアミノラジカル‐NR′‐を示し、
・Zは、酸素原子又はアミノラジカル‐NR′‐を示し、
・R′は、水素又は1〜10個の炭素原子を含むアルキルラジカルを示し、
・Yは、必要であればフッ素又は塩素で置換され、1〜20個の炭素原子を含む2価の炭化水素ラジカルを示し、
・Dは、必要であればフッ素、塩素、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルキルエステルで置換され、1〜700個の炭素原子を含み、隣接しないメチレン単位を‐O‐、‐COO‐、‐OCO‐又は‐OCOO‐ラジカルによって置き換えることもできるアルキレンラジカルを表し、
・nは、1〜4000の数字、
・aは、1以上の数字、
・bは、0〜40の数字、
・cは、0〜30の数字、
・dは、0を超える数字
である。
・Rは、1つ以上のフッ素又は塩素原子で置換することもできる1〜20個の炭素原子を含む1価の炭化水素ラジカルを表し、
・Xは、1〜20個の炭素原子を含み、隣接しないメチレン単位を‐O‐ラジカルによって置き換えることもできる、アルキレンラジカルを示し、
・Aは、酸素原子又はアミノラジカル‐NR′‐を示し、
・Zは、酸素原子又はアミノラジカル‐NR′‐を示し、
・R′は、水素又は1〜10個の炭素原子を含むアルキルラジカルを示し、
・Yは、必要であればフッ素又は塩素で置換され、1〜20個の炭素原子を含む2価の炭化水素ラジカルを示し、
・Dは、必要であればフッ素、塩素、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルキルエステルで置換され、1〜700個の炭素原子を含み、隣接しないメチレン単位を‐O‐、‐COO‐、‐OCO‐又は‐OCOO‐ラジカルによって置き換えることもできるアルキレンラジカルを表し、
・nは、1〜4000の数字、
・aは、1以上の数字、
・bは、0〜40の数字、
・cは、0〜30の数字、
・dは、0を超える数字
である。
官能基の詳細、市販されている分子及び実施条件は、欧州特許出願公開第0759812号明細書に記載されている。
特に耐性のある被膜の生成をもたらす架橋化合物
架橋が化学的であるかどうか又は物理的であるかどうかとは無関係に、架橋化合物は、これらが特に水及び水分に対して可能な限り最善の耐性を示すよう選択されるのが良い。
架橋が化学的であるかどうか又は物理的であるかどうかとは無関係に、架橋化合物は、これらが特に水及び水分に対して可能な限り最善の耐性を示すよう選択されるのが良い。
かくして、特に最も汗をかく身体の部分、例えばバスト又は腋の下を処理するための疎水性の高い被膜を作製することが可能である。
一例として、ポリオール型の第1の反応性成分FA、例えば、セルロース誘導体を用いるのが良く、ペルフルオロアルキルトリエトキシシラン型の第2の反応性成分FBを用いることができる。かかる状況下において、塗布は、二段階で実施される。ポリオールを熱的に安定なフォトクロミック組成物中に導入する。成分FBを含む被膜組成物を熱的に安定なフォトクロミック組成物に塗布する。
別の例では、架橋被膜を作ることができるシステムが採用され、かかる被膜は、疎水性粒子を含む。これら組み合わせの例は、例えば仏国特許出願公開第2910315号明細書に記載されている疎水性粒子と凝縮技術又はヒドロシリル化技術の組み合わせである。用いることができる固体粒子は、鉱物若しくは有機由来のものであっても良く、多孔質若しくは非多孔質のものであって良く、着色若しくは無着色のものであっても良い。固体粒子は、任意の形態学的特徴を有しても良く、好ましくは球形である。粒子は本来的に疎水性であっても良く、これは、例えばPTFE粉末の場合であり、或いは、粒子は、特に、炭化水素、シリコーン、蛍光性化合物又はフルオロシリコーンの被膜によって疎水性にされても良い。
また、皮脂及び脂肪に対して良好な耐性を示す被膜(酸化物又は亜鉛塩を主成分とする)又は伸長又は引き裂きに対して耐性を示すようにされる被膜を作ることが可能である。これら改良物は、最も動く身体の部分、例えば唇、手、腋の下、頸部又は関節の近くに位置する任意のゾーンへの塗布に利用可能である。
耐伸長強度は、例えばエラストマー特性を備えた材料を作る架橋成分を用いることによって得られる。また、非反応性化合物を1種類又は複数種類の組成物中に混ぜ込んで弾性、例えばエラストマーポリマー、例えば除タンパク天然ラテックス又は繊維を提供することが可能である。
考えられる特定の手段の1つは、織布又は不織布に架橋成分を含浸させることである。織布又は不織布を感光性メーキャップ組成物の塗布前、塗布中又は塗布後に皮膚に貼り付けるのが良い。組成物を布中に含浸させることにより、機械的強度が得られる。また、布と次にいったん作られた感光性メーキャップ組成物を互いに組み合わせて接着剤を用いて又は用いないでこれを皮膚に貼り付けることが可能である。
潤滑性活性成分、特に固体潤滑剤、例えば窒化包装又はアルミニウムを組成物中に混ぜ込むのが良い。
また、固体充填剤、特に、親水性であり又は親水性にされた充填剤、例えば金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属カーボネート粒子又は有機粒子を混ぜ込むことが可能である。これら充填剤は、追加の耐研磨性を提供することができる。
磨耗層を形成する被覆層
被覆層は、熱的に安定なフォトクロミック組成物層の上方に機械的保護材料を形成することができ、磨耗又は消耗層としての役目を果たす。
被覆層は、熱的に安定なフォトクロミック組成物層の上方に機械的保護材料を形成することができ、磨耗又は消耗層としての役目を果たす。
この場合、被覆層は、溶剤の蒸発後、有利には粘着性であり、この被覆層を照射前又は後に被着させることができる。
「粘着性」という用語は、被覆層が接触に対して耐性があることを意味している。一例として、表面積が1cm2(平方センチメートル)の平らなプローブを被覆層に近づけてこれが10N/cm2(一平方センチメートル当たりのニュートン)の圧力でこれに接触させ、次に5秒間の接触後にプローブを引っ込めた場合、かかるプローブは、物体を同伴してはならない。かくして、油性化合物は、かかる粘着性という概念からは排除される。
被覆層は、溶剤がいったん蒸発すると、非粘着性である。「非粘着性」という用語は、被覆層が引っ込みに対して耐性を示さないということを意味している。一例を挙げると、表面積が1cm2の平らなプローブを被覆層に近づけてこれが10N/cm2の圧力でこれに接触させ、次に5秒間の接触後にプローブを引っ込めた場合、このプローブは、その引っ込みを達成するために抵抗力を必要としてはならない。かくして、PSA(感圧接着剤)と呼ばれている化合物は、かかる概念から排除される。
被覆層を形成する材料は、500MPa(メガパスカル)よりも小さく且つ100kPa(キロパスカル)よりも大きく、好ましくは200MPa〜1MPaの弾性率を有するのが良い。
その平均厚さは、場合によっては少なくとも1μmであり、材料の弾性率が10MPaを超える場合、少なくとも2μmである。その平均厚さは、場合によっては少なくとも2μmであり、材料の弾性率が10MPa未満である場合、少なくとも5μmである。
被覆層を形成する材料がエラストマーであり、即ち、破断前に少なくとも400%の最大変形率を有すると共に1分間待った後、少なくとも90%の弾性回復率を有する場合、平均厚さは、弾性率が10MPa未満であっても、好ましくは少なくとも1μmである。
「弾性回復率」という用語は、40%引っ張り変形を行い、次に荷重を除いた後、試料の初期長さに戻る度合いを意味している。かくして、試料の初期長さがL0であり40%引っ張り変形及び荷重の除去後の長さがL(t)である場合、荷重を除いてから時刻tのところにおける回復率R(t)は、次式に等しい。
〔数6〕
100×(1−(L(t)−L0)/L0/0.4)
〔数6〕
100×(1−(L(t)−L0)/L0/0.4)
かくして、L(t)=L0であれば、R(t)=100である。
L(t)=1.4×L0であれば、R(t)=0である。
厚さ約200μm、長さ約6cm、幅約1cmの試料を最初に調製することにより回復率試験を実施する。必要ならば、試料を選択的に、支持フィルム上に作り、その機械的衝撃を試料の機械的特性と比較して小さいものであるように判断する。
試料に0.1mm/s(一秒当たりのミリメートル)の速度でその長さの40%の引っ張り変形を施す。次に、荷重を除き、1分間経過させる。
好ましくは、被覆層に熱的に安定なフォトクロミック組成物層に用いた溶剤とは非常に異なる溶剤を塗布する。しかしながら、この条件は、特に熱的に安定なフォトクロミック組成物層に架橋又は凝集性化合物を用いる場合、回避されるのが良い。
一例として、熱的に安定なフォトクロミック組成物層が例えば<40℃のガラス転移温度Tgのラテックス及び水を含む場合、被覆層も又、水を主成分とするのが良い。
熱的に安定なフォトクロミック組成物層が例えば溶剤及び架橋リンク可能な化合物、例えば上述した溶剤及び化合物を含む場合、被覆層は、同一の溶剤を含むのが良い。
被覆層を正しく作るのを助けるようにするため、その塗布に先立って、例えば光又は熱を供給するのが良い。また、例えば付着を助ける樹脂又は任意他の製品、例えば接着剤又は或る特定の粉末、特に、粒径のために上側層が掴むのを助ける接着剤又は或る特定の粉末から作られた中間層を被着させることが可能である。
被覆層の被着後、光又は熱を供給するのが良い。
被覆層は、次第に取れていくことが可能である。かくして、感光性メーキャップ層は、経時的には変化せず、感光性メーキャップの精度は、十分に保たれる。
磨耗層を形成する被覆層の成分
被覆層を形成する際に使用できる化合物は、例えばポリ(メト‐)アクリレート系誘導体、ポリ(メト‐)アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン又は溶解若しくは分散形態のコポリマーであり、例えば、Mexomer、ultrahold Strong DR 25、28-29-30、Gantrez、Amerhold DR 25、amphomer、Luviset Si Pur、AQ 38又はAQ 48から選択される。
被覆層を形成する際に使用できる化合物は、例えばポリ(メト‐)アクリレート系誘導体、ポリ(メト‐)アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン又は溶解若しくは分散形態のコポリマーであり、例えば、Mexomer、ultrahold Strong DR 25、28-29-30、Gantrez、Amerhold DR 25、amphomer、Luviset Si Pur、AQ 38又はAQ 48から選択される。
ポリマーは、これらの硬度を調節するために側基又は末端基を備えるのが良い。一例として、被覆層を形成する材料は、シリコーン機能を備えたアクリレートポリマー、例えばVS80であるのが良い。
ポリマーは、天然ポリマー又は改質天然ポリマー、例えばポリオース系ポリマー、例えばグアーガム、カロウバガム(carouba gum)又はセルロース誘導体、例えばHPMCP(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)又はタンパクであるのが良い。
ポリマーは、炭化水素ポリマーであっても良い。
ポリマーは、シリコーン、例えばシリコーンガムであっても良い。
ポリマーの大部分の固有の性質は、いつでも所要の硬度をもたらすことができないので、可塑剤を追加することが有用な場合がある。
通常用いられる可塑剤、例えばグリコールエーテル(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル)(ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社から入手できるPPG3メチルエーテルとして知られている)又はグリセリンに加えて、或る特定の不揮発性溶剤、例えばプロピレンカーボネート、アルコール、シリコーン又は炭素系油を含有させるのが良い。
可塑剤の量は、ポリマー及びその固有の性質の関数として計算される。代表的な値は、次の通りである(ポリマーの重量に対する%)。
〔表1〕
グリコールエーテル グリセリン
Ultrahold Strong DR 25(BASF)5% 10%
Mexomer (Chimex) 4% 8%
AQ 48 (Eastman Chemicals) 1% 2%
Luviset Si Pur (BASF) 3% 5%
VS 80 (3M) 5% 10%
〔表1〕
グリコールエーテル グリセリン
Ultrahold Strong DR 25(BASF)5% 10%
Mexomer (Chimex) 4% 8%
AQ 48 (Eastman Chemicals) 1% 2%
Luviset Si Pur (BASF) 3% 5%
VS 80 (3M) 5% 10%
磨耗層の有効寿命を延ばすことができるが、磨耗層がその品質を低下することがないようにする鉱物又は有機粒子を組成物中に含有させるのが良い。かかる粒子は、皮膚に突っ張りを生じさせず、剥落又は球状化の現象を生じさせる。かくして、好ましくは、40重量%の粒子の濃度を超えない(凝集可能な粒子は、含まれていない)。
塗布を助ける流動学的作用剤が含まれる場合がある。
また、展着剤、例えば沸点が80℃〜200℃の界面活性剤又は或る特定の溶剤を含むことが可能である。これら溶剤は、組成物の割れを遅くする一方で、経時的に取れていくという利点を有する。
乾燥後における濃度及び厚さ
種々の成分の濃度を調節して塗布される量を考慮して、乾燥後における厚さが上述の仕様と一致するようにするのが良い。
種々の成分の濃度を調節して塗布される量を考慮して、乾燥後における厚さが上述の仕様と一致するようにするのが良い。
一例として、展着のために20mg/cm2の流体組成物を塗布し、組成物が10%乾燥物質を含んでいると仮定すると、約2mg/cm2を被着させることが可能である。密度が約1である場合、これは、約20μmの厚さに相当している。
別の例では、20%乾燥物質を含むエーロゾル組成物の噴霧が4秒間、顔面から30cmのところで実施されると仮定すると、約0.4g(グラム)を400cm2にわたって被着させ、即ち、1cm2当たり1mgを被着させる。相対密度が約1である場合、被着された層の厚さは、約10μmであろう。
かくして、塗布のモード及び方鉛鉱形態に応じて、乾燥物質濃度は、1%〜50%であるのが良い。
被覆組成物は、乾燥状態であるのが良い。
他の成分
上述の成分に加えて、各組成物は、以下のことを可能にし又は容易にする成分を含むのが良く、以下のこととは、角質性物体、特に皮膚上に分布させること、スキンケア、快適さ、例えば臭い又は軟らかさを提供すること、洗浄時に取れやすくすること、例えば、1種類又は2種類以上の界面活性剤の使用、皮膚中への成分、例えばアストリンゼントの侵入を制限すること、又は他の美容的機能、例えば加湿、色、光沢を提供すること及び/又は紫外線遮蔽の衝撃を制限すること、例えば、自己日焼け剤又はビタミンD活性化剤の使用である。
上述の成分に加えて、各組成物は、以下のことを可能にし又は容易にする成分を含むのが良く、以下のこととは、角質性物体、特に皮膚上に分布させること、スキンケア、快適さ、例えば臭い又は軟らかさを提供すること、洗浄時に取れやすくすること、例えば、1種類又は2種類以上の界面活性剤の使用、皮膚中への成分、例えばアストリンゼントの侵入を制限すること、又は他の美容的機能、例えば加湿、色、光沢を提供すること及び/又は紫外線遮蔽の衝撃を制限すること、例えば、自己日焼け剤又はビタミンD活性化剤の使用である。
メーキャップ落とし(除去)
メーキャップを落とす際、ユーザは、非変色状態の熱的に安定なフォトクロミック組成物の跡を残す場合がある。しかしながら、これら落とし残しの跡は、後で、例えば、周囲光中で数時間経過した後、変色するようになる場合がある。その時点においては、ユーザは、メーキャップを再び落とし始めることが困難な場合がある。
メーキャップを落とす際、ユーザは、非変色状態の熱的に安定なフォトクロミック組成物の跡を残す場合がある。しかしながら、これら落とし残しの跡は、後で、例えば、周囲光中で数時間経過した後、変色するようになる場合がある。その時点においては、ユーザは、メーキャップを再び落とし始めることが困難な場合がある。
この問題を解決するため、メーキャップ落とし中又は落とし後において、少なくとも波長λに対してスクリーンを形成し、熱的に安定なフォトクロミック組成物を変色させるよう働く少なくとも1種類の光作用剤を塗布することが有利な場合がある。
かかる光作用剤は、適宜、数回再塗布されるのが良い。
光作用剤は、メーキャップ除去組成物の一部であるのが良い。
「波長λに対してスクリーンを形成する」という表現は、光作用剤が波長λの放射線を1/2以下に減衰させることを意味しており、測定は、照射光を上記において詳細に説明したように中心が波長λの付近にある波長を持つゾーンに制限することにより吸収スペクトルを測定することができる装置を用いて実施される。メーキャップ除去中、好ましくはメーキャップ除去後に、光作用剤を塗布すると、フォトクロミック剤の跡が変色するのを阻止し、角質性物体又は衣服にしみを生じさせる危険性が減少する。
角質性物体は、光作用剤の塗布後、1時間の間に洗浄されてはならない。後で、ユーザが洗浄する際、光作用剤によって保護されたフォトクロミック剤の非変色状態の痕跡をなくすことができる。
光作用剤の塗布と関連したもう1つの利点は、新たな感光性メーキャップの外見が作られたとき、光作用剤は、依然として存在している先の感光性メーキャップの或る特定の非変色部分がこの新たな感光性メーキャップの外見を作るために用いられた放射線への暴露中に変色するのを阻止する。
光作用剤は、メーキャップを落とした後に塗布されるのが良い。光作用剤は又、メーキャップ落としに用いられるメーキャップ落とし組成物の調合物の一部をなすのが良い。
波長λは、UV又は近UVスペクトル(290nm〜400nm)、特に320nm〜440nmの範囲に収まるのが良い。
メーキャップ落とし組成物は、界面活性剤を主成分とする従来のメーキャップ落とし製品であっても良く、或いは、熱的に安定なフォトクロミック組成物からの化合物に適合する特定のメーキャップ落とし製品であっても良く、かかるメーキャップ落とし組成物は、溶剤、例えばエチル又はブチルアセテート、アセトン、エタノール又はこれらの混合物、より一般的に言って、美容的に認可されている有機溶剤(基準に合った許容度、毒性学的特徴及び感触)から選択された任意の溶剤を含むのが良い。これら有機溶剤は、全組成物重量の0%〜98%を占める場合がある。かかる有機溶剤は、親水性有機溶剤、親油性有機溶剤、両親媒性及びこれらの混合物から成る群から選択されるのが良い。挙げることができる親水性有機溶剤の例は、1〜8個の炭素原子を含む線状又は枝分かれ低モノアルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール又はイソブタノール、6〜80個の酸化エチレン成分を含むポリエチレングリコール、ポリオール、例えばプロピレングリコール、イソプレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール又はソルビトール、1〜5個の炭素原子を含むアルキル基のモノ又はジアルキルイソソルビド、グリコールエーテル、例えばジエチレングリコールモノ‐メチル又はモノ‐エチルエーテル及びプロピレングリコールエーテル、例えばジプロピレングリコールメチルエーテルである。
挙げることができる両親媒性有機溶剤の例は、ポリオール、例えばポリプロピレングリコール(PPG)の誘導体、例えばポリプロピレングリコール及び脂肪酸のエステル又はPPG及び脂肪酸、例えばPPG‐23オレイルエーテル又はPPG‐36オレアートである。
挙げることができる親油性有機溶剤の例は、脂肪酸エステル、例えばジイソプロピルアジパート、ジオクチルアジパート、アルキルベンゾアート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ブチルステアレート、ヘキシルラウレート、イソノニルイソノアノエート、2‐エチルヘキシルパルミテート、2‐ヘキシルデシルラウレート、2‐オクチルデシルパルミテート、2‐オクチルドデシルミリステート、ジ‐(2‐エチルヘキシル)スクシネート、ジイソステアリルマレート、2‐オクチルドデシルラクテート、グリセリントリイソステアレート又はジグリセリントリイソステアレートである。
メーキャップ落とし組成物は、次の成分を更に含むのが良い。
・例えばミクロエマルジョンの形態の油、
・1種類又は複数種類のフォトクロミック剤を皮膚上に維持するために用いられる1種類又は複数種類の化合物が例えばカルボポールのようにpH感受性である場合、pH剤、又は
・イオン液体。
・例えばミクロエマルジョンの形態の油、
・1種類又は複数種類のフォトクロミック剤を皮膚上に維持するために用いられる1種類又は複数種類の化合物が例えばカルボポールのようにpH感受性である場合、pH剤、又は
・イオン液体。
単独で又はメーキャップ落とし組成物中の混合物として用いることができ、特に挙げることができる陰イオン界面活性剤の例は、アルカリ塩、アンモニウム塩、アミン塩又は以下の化合物、即ち、アルコイルスルフェート、アルコイルエーテルスルフェート、アルコイルアミドスルフェート及びエーテルスルフェート、アルコイルアリルポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、アルコイルスルホネート、アルコイルアミドスルホネート、アリコイルアリルスルホネート、α‐オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルコイルスルホスクシネート、アルコイルエーテルスルホスクシネート、アルイコイルアミドスルホスクシネート、アルコイルスルホスクシナメート、アルコイルスルホアセテート、アルコイルポリグリセロールカルボキシレート、アルコイルホスフェート/アルコイルエーテルホスフェート、アシルサルコシネート、アルコイルポリペプチデート、アルコイルアミドポリペプチデート、アシルイセチオネート及びアルコイルラウレートのアミノアルコール塩である。
これら化合物の全ての中のアルコイル又はアシルラジカルは、一般に、12〜18個の炭素原子を含む鎖を呈する。
また、石鹸及び脂肪酸塩、例えばオレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、コプラ油酸又は水素化コプラ油酸及び特にアミンの塩、例えばアミノステアレート、8〜20個の炭素原子を含むアシルラジカルのアシルラクチルエート及び次の化学式、即ち、
Alk‐(OCH2−CH2)n−OCH2−COOH
を有する酸又は塩の形態のポリグリコールエーテルのカルボン酸を挙げることができ、かかる化学式において、置換基Alkは、12〜18個の炭素原子を含む直鎖に対応しており、nは、5〜15の整数である。
Alk‐(OCH2−CH2)n−OCH2−COOH
を有する酸又は塩の形態のポリグリコールエーテルのカルボン酸を挙げることができ、かかる化学式において、置換基Alkは、12〜18個の炭素原子を含む直鎖に対応しており、nは、5〜15の整数である。
単独で用いることができ又は混合物として用いることができ、特に挙げることができる非イオン界面活性剤の例は、アルコール、アルコイルフェノール及び8〜18個の炭素原子を含む脂肪酸鎖を有するポリエトキシレート化、ポリプロプオキシレート化又はポリグリセロール化脂肪酸、酸化エチレン及び酸化プロピレンのコポリマー、酸化エチレン及び酸化プロピレンの脂肪酸アルコール上での凝縮物、ポリエトキシレート化脂肪酸アミド、ポリエトキシレート化脂肪酸アミン、エタノールアミド、グリコールを含む脂肪酸のエステル、ソルビタンを含む脂肪酸のエステル(これらは、選択的に、オキシエチレン化されていても良い)、サッカロースを含む脂肪酸のエステル、ポリエチレングリコールを含む脂肪酸のエステル、リン酸トリエステル、グリコース誘導体を含む脂肪酸のエステル、アミン化糖のアルキルポリグリコシド及びアルキルアミド、α‐ジオール、モノアルコール、アルコイルフェノール、グリシドールを含むアミド又はジグリコルアミド又はグリシドールの前駆物質である。
光作用剤を含むメーキャップ落とし組成物は、光作用剤を例えばコアセルベーション効果によりすすぎ洗い時に塗布することができるよう調合されているのが良く、このコアセルベーション効果は、例えば補完するイオン性を含み、場合によっては、塗布を容易にするための両性及び非イオン界面活性剤を含む界面活性剤及びポリマー、例えばPC/PA、TC/TA、TC/PA、TA/PCを用いることによって達成できる。PCは、代表的には、例えば陽イオングアーガム(例えば、Jaguar C13S)のような化合物又は人工化合物、例えばJR400又はイオネンである。TCは、代表的には、第四鎖化合物(特に、トリメチルアンモニウム基)及び脂肪酸鎖化合物(C6〜C13)である。PAは、多陰イオンポリマー、例えばアクリレート若しくはメタクリレートポリマー又はスルホン酸基を含むコポリマー若しくはポリマーであるのが良い。TAは、陰イオン界面活性剤、例えばカルボン酸、スルフェート又はスルホン酸界面活性剤(LES,LS)である。
任意適当な担体、特に、吸収することができる担体、例えば、繊維状メーキャップ落としディスク、例えば織布又は不織布、フェルト、綿毛、フロック加工フィルム、スポンジ又はタオル製のメーキャップ落としディスクを用いてメーキャップ落とし組成物を塗布することができ、メーキャップ落としに用いられる担体は、有利には、メーキャップ落とし作業後に取れるのが有利である。
メーキャップ落とし組成物を入れ物の中に収容し、メーキャップを落とすたびに、取り出すのが良い。変形例では、メーキャップ落とし組成物は、メーキャップ落としに用いられる担体を含浸し、この場合、担体は、場合によっては、例えば密閉包装材中に包装される。メーキャップ落とし組成物を用いた後においては、角質性物体は、すすぎ洗いの必要はない。変形例では、これをすすぎ洗いしても良い。すすぎ洗いは、流れる流水を用いて、例えば、石鹸を追加しないで実施されるのが良い。
提案する実施例(なお、示されている比率は、重量を基準としている)
フォトクロミック組成物A
ジアリールエテン * 0.8%
(1,2‐ビス(2,4‐ジメチル‐5‐フェニル‐3‐チエニル)‐3,3,4,4,5,5,‐ヘキサフルオロシクロペンテン)(これは、ヤマダ・ケミカル(日本国)により番号DAE‐TZで市販されている)
PMMA(メチルメタクリレートポリマー)(これは、ワコー・ピュア・インダストリーズ・リミテッド(Wako Pure Chemical Industries, Ltd)(日本国)によって市販されている): 10%
セルロース 10%
アセトン 適量 100%
フォトクロミック組成物A
ジアリールエテン * 0.8%
(1,2‐ビス(2,4‐ジメチル‐5‐フェニル‐3‐チエニル)‐3,3,4,4,5,5,‐ヘキサフルオロシクロペンテン)(これは、ヤマダ・ケミカル(日本国)により番号DAE‐TZで市販されている)
PMMA(メチルメタクリレートポリマー)(これは、ワコー・ピュア・インダストリーズ・リミテッド(Wako Pure Chemical Industries, Ltd)(日本国)によって市販されている): 10%
セルロース 10%
アセトン 適量 100%
フォトクロミック組成物I
Parsol 1789 5%
エチルアセテート 適量 100%
Parsol 1789 5%
エチルアセテート 適量 100%
この混合物をDME(65/35)で加圧されたエアゾール中に導入した。
光防護組成物II:
蛍光剤 0.4%
2‐[2‐(4‐ジメチルアミノ)フェニルエテニル]‐1メチルピリジニウムエタノール 20%
水 適量 100%
蛍光剤 0.4%
2‐[2‐(4‐ジメチルアミノ)フェニルエテニル]‐1メチルピリジニウムエタノール 20%
水 適量 100%
光防護組成物III:
熱的不安定性フォトクロミック組成物(AgCl+硫酸銅) 0.3%
油/水エマルジョン 適量 100%
熱的不安定性フォトクロミック組成物(AgCl+硫酸銅) 0.3%
油/水エマルジョン 適量 100%
光防護組成物IV:
蛍光オレンジ 0.5%
光増感染料 NK‐557(Ubikem)
エタノール 20%
水 適量 100%
蛍光オレンジ 0.5%
光増感染料 NK‐557(Ubikem)
エタノール 20%
水 適量 100%
ネガ
次のように感光性メーキャップ用のネガを作製するのが良い。各正方形の一辺が約3mmの格子を表すPowerPoint(登録商標)ファイルを作製する。次に、このファイルをレーザプリンタを用いて透明紙上に印刷する。透明紙が印刷されない場合、透明紙により、UVはUVA活性化帯を、約365nmで通過することができる。
次のように感光性メーキャップ用のネガを作製するのが良い。各正方形の一辺が約3mmの格子を表すPowerPoint(登録商標)ファイルを作製する。次に、このファイルをレーザプリンタを用いて透明紙上に印刷する。透明紙が印刷されない場合、透明紙により、UVはUVA活性化帯を、約365nmで通過することができる。
照射器
用いられるUV照射器は、例えば、バイオブロック・サイエンティフィック(Bioblock Scientific )社により番号VL6Lで市販されているウッドランプであり、これは、約365nmで約6Wを約75cm2にわたって送り出す。受け取られ、そして電力計を用いて測定された電力は、装置から3cmのところで1cm2当たり2.25mWである。
用いられるUV照射器は、例えば、バイオブロック・サイエンティフィック(Bioblock Scientific )社により番号VL6Lで市販されているウッドランプであり、これは、約365nmで約6Wを約75cm2にわたって送り出す。受け取られ、そして電力計を用いて測定された電力は、装置から3cmのところで1cm2当たり2.25mWである。
担体
用いられる支持体は、皮膚の肌理を表す白色ポリウレタン材料であり、ビューラックス(Beaulax)社によりBioskin参照番号white061031-2という商品名で市販されている。
用いられる支持体は、皮膚の肌理を表す白色ポリウレタン材料であり、ビューラックス(Beaulax)社によりBioskin参照番号white061031-2という商品名で市販されている。
試験
密室内において周囲光の中で試験を実施した。
密室内において周囲光の中で試験を実施した。
組成物を上方の担体に塗布し、1分間乾燥させた。
ネガを手で持ってこれを担体上に置き、照射器を表面から約3cmのところに近づけた。約2.25tmJ/cm2(一平方センチメートル当たりのミリジュール)のエネルギーに対応して照射をt秒間行った。
格子パターンの品質を観察するよう配慮して感光性メーキャップの品質を目で評価した。
試験1
フォトクロミック組成物Aを担体に塗布し、これを1分間乾燥させ、UV照射器でこのゾーンを照明することにより第1の感光性メーキャップを作り、ネガは、担体上に作られるべきパターンを表していた。
フォトクロミック組成物Aを担体に塗布し、これを1分間乾燥させ、UV照射器でこのゾーンを照明することにより第1の感光性メーキャップを作り、ネガは、担体上に作られるべきパターンを表していた。
照射は、約10秒間続き、22.5mJ/cm2を送り出した。
試験2
第1の感光性メーキャップとほぼ同じ第2の感光性メーキャップを創出したが、これらの違いは、光防護組成物Iをフォトクロミック組成物Aに塗布したことにある。2種類の感光性メーキャップが昼光下においてエージングするようにし、色の鮮明度を目で観察した。数時間後、試験2について非常に鮮明な色が得られた。
第1の感光性メーキャップとほぼ同じ第2の感光性メーキャップを創出したが、これらの違いは、光防護組成物Iをフォトクロミック組成物Aに塗布したことにある。2種類の感光性メーキャップが昼光下においてエージングするようにし、色の鮮明度を目で観察した。数時間後、試験2について非常に鮮明な色が得られた。
試験3:
フォトクロミック組成物Aを担体に塗布し、これを1分間乾燥させ、ネガが担体上に位置している状態でこれにUV照射器で照明することにより感光性メーキャップの外見を創出した。照射は、約10秒間続き、25.5mJ/cm2を送り出した。
フォトクロミック組成物Aを担体に塗布し、これを1分間乾燥させ、ネガが担体上に位置している状態でこれにUV照射器で照明することにより感光性メーキャップの外見を創出した。照射は、約10秒間続き、25.5mJ/cm2を送り出した。
光防護組成物IIをスプレーの形態で塗布した。感光性メーキャップを試験1の手順で得られた感光性メーキャップと比較した。これらは、全く同等であった。しかしながら、昼光下において2時間後、色の鮮明度は、試験1の場合よりも試験3の方が良好であった。
試験4:
フォトクロミック組成物Aを皮膚に塗布し、これを1分間乾燥させ、ネガが担体上に位置している状態でこれにUV照射器で照明することにより感光性メーキャップの外見を創出した。照射は、約10秒間続き、25.5mJ/cm2を送り出した。
フォトクロミック組成物Aを皮膚に塗布し、これを1分間乾燥させ、ネガが担体上に位置している状態でこれにUV照射器で照明することにより感光性メーキャップの外見を創出した。照射は、約10秒間続き、25.5mJ/cm2を送り出した。
光防護組成物IIIをスプレーの形態で塗布した。感光性メーキャップを試験1の手順で得られた感光性メーキャップと比較した。
結果は、全く同等であった。2時間後、2つの感光性メーキャップをテレビジョンスタジオ内における照明に対応して強力に照明されているチャンバ内に配置した。照明を切った後においては、色の鮮明度は、試験1の場合よりも試験4の方が良好であった。
試験5:
フォトクロミック組成物Aを担体に塗布し、これを1分間乾燥させ、パターンを表すネガが担体上に位置している状態でこれにUV照射器で照明することにより感光性メーキャップの外見を創出した。照射は、約10秒間続き、25.5mJ/cm2を送り出した。
フォトクロミック組成物Aを担体に塗布し、これを1分間乾燥させ、パターンを表すネガが担体上に位置している状態でこれにUV照射器で照明することにより感光性メーキャップの外見を創出した。照射は、約10秒間続き、25.5mJ/cm2を送り出した。
光防護組成物IVをスプレーの形態で塗布した。
感光性メーキャップを試験1の手順で得られた感光性メーキャップと比較した。
結果は極めて異なっていた。変色ゾーンと非変色ゾーンの色の差は、試験1の場合よりも小さかった。しかしながら、4時間後、感光性メーキャップは、試験1の場合よりも非常に高いコントラストが得られたことが判明した。
試験6:
フォトクロミック組成物Aを担体に塗布し、これを1分間乾燥させた。遮蔽力Fが約10の光防護組成物Iを塗布した。ネガを担体上に配置した。照射器を約3cmのところに近づけ、225mJ/cm2を送り出すために100秒間照射を行った。感光性メーキャップは、試験1の感光性メーキャップと同じであることが観察された。
フォトクロミック組成物Aを担体に塗布し、これを1分間乾燥させた。遮蔽力Fが約10の光防護組成物Iを塗布した。ネガを担体上に配置した。照射器を約3cmのところに近づけ、225mJ/cm2を送り出すために100秒間照射を行った。感光性メーキャップは、試験1の感光性メーキャップと同じであることが観察された。
本発明は、上述の実施例に限定されることはない。
例えば、透明な衣服、少なくとも部分的に、例えば、非常に細いが、UVを遮ることができるタイツ又はストッキングを用いることが可能である。
しかしながら、光防護組成物の層又は上述の衣服は、フォトクロミック組成物の層上に永続的に存在する必要はない。例えば人が位置している条件のUVレベルが低いものであると考えられる場合、保護を取り除き又は減少させることができる。この目的のため、システムは、人にUV照射レベルについて警告するのが良い。
顔面以外の身体のゾーンを処理することができる。顔面の処理と関連した実施例の全ては、他の領域の処理に同様に有効である。
原文明細書中の“comprising a”(翻訳文では「〜を有する」と訳している場合が多い)という表現は、“comprising at least one”(「〜を少なくとも1つ有する」)と同義であると解釈されるべきである。
2 光源
4 イメージャ
10 コンピュータ
11 ユーザインターフェイス
12 ビュースクリーン
13 データ格納
14 ネットワークインターフェイス
16 光学収集装置
4 イメージャ
10 コンピュータ
11 ユーザインターフェイス
12 ビュースクリーン
13 データ格納
14 ネットワークインターフェイス
16 光学収集装置
Claims (10)
- 人の角質性物体を感光性メーキャップでメーキャップする方法であって、
・波長λの放射線の影響下において変色可能なフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミックの第1の組成物を前記角質性物体に塗布し、
・前記第1の組成物を前記放射線に当ててフォトクロミック剤を変色させて感光性メーキャップの外見を創出し、
・前記放射線への暴露前又は暴露後に、前記熱的に安定なフォトクロミック組成物を少なくとも一時的に且つ少なくとも部分的に、光防護層によって被覆し、前記フォトクロミック剤を変色させるための前記放射線への暴露は、感光性メーキャップの外見を創出するために、前記熱的に安定なフォトクロミック組成物を前記放射線に当てる前に、前記光防護層が被着されるときに前記光防護層を介して実施される、方法。 - 前記光防護層は、前記放射線に対するスクリーンを形成する光作用剤を含む第2の組成物から成る、請求項1記載の方法。
- 前記光防護層は、第2の組成物を塗布することにより形成され、それにより、前記第1の組成物中に不活性状態又は前駆物質状態で存在する光作用剤が前記放射線を遮るために活性状態になる、請求項2記載の方法。
- 前記光防護層は、少なくとも一部が透明である被膜から成る、請求項1記載の方法。
- 前記放射線は、UV放射線であり、前記光防護層は、特に320nm〜400nm及び/又は400nm〜440nmのUV及び/又は近UVを遮り、前記光防護層は、好ましくは、太陽UV放射線に関し、2を超え、良好には3を超え又は5若しくは10を超える遮蔽力Fを示す、請求項1記載の方法。
- 前記光防護層は、前記第1の組成物を前記放射線に当てる前に被着される、請求項1記載の方法。
- 前記光作用剤は、光散乱剤であり、着色され、無色であり、又は蛍光である、請求項2記載の方法。
- 前記光防護層は、剥離可能な粘着性被膜により形成される、請求項1記載の方法。
- キットであって、単一の包装材内に
・波長λの放射線への暴露によって変色可能な熱的に安定なフォトクロミック剤を含む熱的に安定なフォトクロミックの第1の組成物と、
・前記第1の組成物に施用するための、少なくとも一部が透明であり、波長λの前記放射線を遮蔽する光作用剤を含む光防護の第2の組成物又は衣服と、
・感光性メーキャップの外見を創出するための照射器とを収容して有する、キット。 - 前記フォトクロミック剤は、ジアリールエテン及びフルギドから選択され、前記フォトクロミック剤は、UV放射線への暴露によって変色可能であり、前記光作用剤は、特に、太陽UV放射線に関して前記第2の組成物のための遮蔽力Fが2、3又は4以上であるスクリーンをUVに対して形成する、請求項9記載のキット。
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