JP2010182186A - システム同定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数応答と時間応答の両方が同時に実際の制御系と合うように制御系のモデルを決定することが可能なシステム同定方法を提供する。
【解決手段】制御系の制御特性を表すモデルを求めるシステム同定方法であって、制御系の周波数応答を測定するステップ(S101)と、制御系の時間応答を測定するステップ(S101)と、制御系のモデルに基づき周波数応答を求めるステップ(S102)と、制御系のモデルに基づき時間応答を求めるステップ(S102)と、測定した周波数応答とモデルに基づく周波数応答とから第1の評価値を求めるステップ(S103)と、測定した時間応答とモデルに基づく時間応答とから第2の評価値を求めるステップ(S103)と、第1の評価値と第2の評価値とを重み付けした第3の評価値を求めるステップ(S103)と、第3の評価値に基づいてモデルを最適化するステップ(S104〜S106)と、を含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、制御系(システム)の制御特性を表すモデルのパラメータを同定するシステム同定方法に関する。
例えば、回路パターンを基板に露光する露光装置においては、基板が所定の目標軌道に沿って移動するよう、極めて高い位置精度で基板(=制御対象物)を駆動することが求められる。このような制御対象物の駆動をモデルに基づく制御アルゴリズムによって行う場合には、制御対象物を駆動した際に制御対象物を含む制御系がどのような挙動を示すか(制御特性)を知っておく必要がある。つまり、フィードフォワード制御では、予め実際の制御系の構造や物理的パラメータを表現したモデルを作成しておき、このモデルを利用することによって、制御対象物に所望の動作をさせるための制御系への入力を決定する。このようにフィードフォワード制御を行う上で必須となる、実際の制御系を表すモデルを作成する作業は、システム同定と呼ばれる。フィードフォワード制御の精度を向上させるには、システム同定を精密に行うことが重要となる。モデルに基づく制御アルゴリズムとしては、目標軌道情報を積極的に活用し応答性を高めるフィードフォワード制御や、現代制御手法に属する極配置法、最適制御法によるフィードフォワード制御が代表的である。
システム同定の方法は、基本的に、仮定したモデルから導かれる制御系の応答が実際の制御系から得られる応答(測定結果)と近似するようにモデルを最適化する、という方法をとる。図8は、ある制御系において、その周波数応答のみに着目してシステム同定を行った例を示している。同図(A)は制御系の伝達関数の振幅の周波数応答、同図(B)は制御系の伝達関数の位相の周波数応答である。この図(A),(B)から分かるとおり、制御系の周波数応答がモデル(点線)と実際(実線)とでほぼ完全に一致するように、モデルの最適化が実現されている。しかしながらその一方で、このシステム同定の結果得られたモデルにおける時間応答は、同図(C)に示されるように、実際の時間応答と誤差が極めて大きくなっている。
また、図9は、図8と同じ制御系において、その時間応答のみに着目してシステム同定を行った例を示している。この例では、制御系の時間応答がモデルと実際とでほぼ一致するようにモデルが最適化されている(同図(C))が、その反面、制御系の周波数応答には共振周波数のずれが発生している(同図(A),(B))。
特許第3115121号公報
上述のように、従来のシステム同定方法を用いた場合、周波数応答が実際と合うようにモデルを決定すると時間応答に差が生じ、反対に時間応答が実際と合うようにモデルを決定すると周波数応答に差が生じてしまうという問題がある。そのため、このように決定したモデルを利用してフィードフォワード制御を行ったとしても、良好な精度で制御を行うことができなかった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、周波数応答と時間応答の両方が同時に実際の制御系と合うように制御系のモデルを決定することが可能なシステム同定方法を提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、制御対象物とその駆動装置とを含む制御系の制御特性を表すモデルを求めるシステム同定方法であって、前記制御系の周波数応答を測定するステップと、前記制御系の時間応答を測定するステップと、前記制御系のモデルに基づき周波数応答を求めるステップと、前記制御系のモデルに基づき時間応答を求めるステップと、前記測定した周波数応答と前記モデルに基づく周波数応答とから第1の評価値を求めるステップと、前記測定した時間応答と前記モデルに基づく時間応答とから第2の評価値を求めるステップと、前記第1の評価値と前記第2の評価値とを重み付けした第3の評価値を求めるステップと、前記第3の評価値に基づいて前記モデルを最適化するステップと、を含むシステム同定方法である。
このシステム同定方法によれば、周波数応答を示す第1の評価値と時間応答を示す第2の評価値を重み付けした第3の評価値に基づいてモデルを最適化するので、周波数応答と時間応答の両方が同時に実際の制御系と合うようにシステム同定を行うことができる。
また、本発明は、上記のシステム同定方法において、前記第1の評価値は前記測定した周波数応答と前記モデルに基づく周波数応答との差であり、前記第2の評価値は前記測定した時間応答と前記モデルに基づく時間応答との差であり、前記第3の評価値が最小となるように前記モデルを表すパラメータを順次更新し最適化を行うものである。
また、本発明は、上記のシステム同定方法において、前記パラメータを更新したことによる前記第1の評価値の変化量を求めるステップと、前記パラメータを更新したことによる前記第2の評価値の変化量を求めるステップと、前記第1の評価値の変化量と前記第2の評価値の変化量とに応じて前記重み付けの係数を変更するステップと、を含むものである。
このシステム同定方法によれば、第1及び第2の評価値の変化量に応じて重み付けの係数が変更されるので、モデル更新に伴う第3の評価値の収束性がよくなり、モデルが決定されるまでに要する計算時間を短縮することができる。
また、本発明は、上記のシステム同定方法において、前記制御対象物を前記駆動装置により第1の駆動パターン又は第2の駆動パターンで駆動する場合にそれぞれ求められる前記第3の評価値を重み付けした第4の評価値を求めるステップと、前記第4の評価値に基づいて前記モデルを最適化するステップと、を含むものである。
このシステム同定方法によれば、第1の駆動パターンで駆動する場合と第2の駆動パターンで駆動する場合の両方に適したモデルを求めることができる。
本発明によれば、周波数応答と時間応答の両方が同時に実際の制御系と合うようにシステム同定を行うことが可能である。
システム同定を行う対象の制御系を示す図である。 本発明の一実施形態によるシステム同定方法を実施するシステム同定装置の構成を示すブロック図である。 周波数応答の比較による第1評価値を算出する一例を示す図である。 時間応答の比較による第2評価値を算出する一例を示す図である。 本発明の一実施形態によるシステム同定方法の手順を示すフローチャートである。 周波数応答と時間応答を重み付けする本発明によるシステム同定の結果の一例を示す図である。 本発明の他の実施形態によるシステム同定方法の手順を示すフローチャートである。 周波数応答のみに着目してシステム同定を行った、従来のシステム同定方法による結果の例を示す図である。 時間応答のみに着目してシステム同定を行った、従来のシステム同定方法による結果の例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
本発明の一実施形態として、例えば図1に示す制御系200のシステム同定を行うことを想定する。図1において、制御系200は、回転モータ202の駆動によりボールねじのねじ軸203を回転させてボールねじのナット部204をねじ軸203の軸方向に移動させ、これによってナット部204に取り付けられた位置決めテーブル201の位置決めを行うステージ装置を構成している。例えば、この制御系200は、位置決めテーブル201上に半導体基板やガラス基板を載置し、回転モータ202に指令値を与えることで基板を目標位置へ移動させ回路パターンを基板に露光する露光装置に組み込むことが可能である。なお、位置決めテーブル201単体、又は、基板等が載置された位置決めテーブル201が、制御系200の制御対象物である。
ここで、回転モータ202を駆動させることによって位置決めテーブル201を位置決めする動作に関与する力学的な物理量として、制御系200には以下のものが存在していると考えることとする。換言すれば、上記の制御系200を、以下の各パラメータによって特徴付けられるモデルにモデル化する。
T: 回転モータ202が発生するトルク
J: 回転モータ202が駆動する際の慣性モーメント
C: ねじ軸203の回転における粘性抵抗
BE:ボールねじの逆効率
SP:ギア比
:ナット部204と位置決めテーブル201間の粘性抵抗
:ナット部204と位置決めテーブル201間の剛性
M: 位置決めテーブル201(載置された基板等を含む)の質量
X: 位置決めテーブル201の位置
これらの物理量を用いると、回転モータ202のトルクTから位置決めテーブル201の速度X’への伝達関数は次式のように表すことができる。
Figure 2010182186
但し、各係数は次のとおりである。
Figure 2010182186
制御系200のシステム同定を行うとは、制御系200における動作を支配する上記モデルの各パラメータの値を決定することである。各パラメータ値が決定されることで、式(1)の伝達関数が特定され、この伝達関数を用いて制御系200のフィードフォワード制御を行うことが可能となる。
図2は、本発明の一実施形態によるシステム同定方法を実施するシステム同定装置の構成を示すブロック図である。図2において、システム同定装置は、入力生成部101と、測定部102と、モデル記憶部103と、第1評価値計算部104と、第2評価値計算部105と、第3評価値計算部106と、モデル更新部107とを備えている。また、第1評価値計算部104は、周波数応答算出部1041と比較部1042を備え、第2評価値計算部105は、時間応答算出部1051と比較部1052を備え、第3評価値計算部106は、重み付け部1061,1062と加算部1063を備えている。
入力生成部101は、制御系200のシステム同定をするための入力データを生成する。この入力データは、時間とともに変化する回転モータ202のトルクTを指定するデータであり、制御系200の周波数応答を調べるための周波数応答用入力データと、制御系200の時間応答を調べるための時間応答用入力データの2つを含む。周波数応答用入力データとしては、例えば、パルス幅やパルス間隔の異なる多数のパルスからなる波形のデータが適している。また、時間応答用入力データとしては、例えば、実際に位置決めテーブル201の位置決め制御をする場合と同様の、緩やかに時間変化する波形データが適している。
周波数応答用入力データと時間応答用入力データは、それぞれ別個に制御系200へ与えられる。制御系200の回転モータ202は、周波数応答用入力データに従ってトルクを発生させ、これを受けて、位置決めテーブル201が周波数応答用入力データに応じパルス的に駆動される。また、制御系200の回転モータ202は、時間応答用入力データに従ってトルクを発生させ、これを受けて、位置決めテーブル201が時間応答用入力データに応じ緩やかに駆動される。
測定部102は、位置決めテーブル201の位置Xを測定する位置センサを含み、上記の周波数応答用入力データと時間応答用入力データそれぞれに対する位置決めテーブル201の位置の時間変化を測定する。この測定は、1回のシステム同定につき1回行えばよい(図5のフローチャートを参照)。周波数応答用入力データに対する測定の場合、測定部102は、測定結果から上式(1)の左辺で表される制御系200の伝達関数の周波数応答(図3(A),(B)の実線を参照)を求め、求めた周波数応答を第1評価値計算部104へ出力する。一方、時間応答用入力データに対する測定の場合、測定部102は、測定結果即ち制御系200の時間応答(図4の実線を参照)を第2評価値計算部105へ出力する。
モデル記憶部103は、制御系200のモデルの各パラメータを記憶する。より詳しくは、モデル記憶部103は各パラメータの初期値として予め設定された値を記憶しているとともに、システム同定の途中経過及び最終結果の各パラメータとしてモデル更新部107によって更新された各パラメータの値を記憶する。
第1評価値計算部104の周波数応答算出部1041は、制御系200の上式(1)で表される伝達関数を記憶しており、入力生成部101によって生成された周波数応答用入力データのトルクTとモデル記憶部103に記憶されている各パラメータとから、式(1)の伝達関数を用いて制御系200の周波数応答(図3(A),(B)の点線を参照)を計算により求める。この計算は、システム同定を行っている間、モデル記憶部103のパラメータが更新される度に行う(図5のフローチャートを参照)。
第1評価値計算部104の比較部1042は、測定部102によって得られた制御系200の周波数応答と、周波数応答算出部1041で算出された制御系200の周波数応答とを比較し、その比較結果に基づく第1評価値を算出する。図3に、第1評価値を算出する一例を示す。図3は、測定部102及び周波数応答算出部1041においてそれぞれ求められた制御系200の振幅(同図(A))と位相(同図(B))の周波数応答を表しており、実線が測定部102の測定結果、点線が周波数応答算出部1041の算出結果に対応している。この例では、比較部1042は、所定の評価範囲Δf(例えば10Hz〜200Hz)の範囲内における周波数応答の測定結果と算出結果の差に相当する、図3に斜線で示す部分の面積を計算し、その値を第1評価値とする。なお、図3の縦軸は対数表示であるが、ここで言う面積とは縦軸を実数表示とした上で計算する面積とする。
第2評価値計算部105の時間応答算出部1051は、上述の周波数応答算出部1041と同様に制御系200の周波数応答を求め、更にその求めた周波数応答を逆フーリエ変換する等の方法を用いて制御系200の時間応答を求める。この計算は、周波数応答算出部1041と同様、システム同定を行っている間、モデル記憶部103のパラメータが更新される度に行う(図5のフローチャートを参照)。
第2評価値計算部105の比較部1052は、測定部102によって得られた制御系200の時間応答と、時間応答算出部1051で算出された制御系200の時間応答とを比較し、その比較結果に基づく第2評価値を算出する。図4に、第2評価値を算出する一例を示す。図4は、測定部102及び時間応答算出部1051においてそれぞれ求められた制御系200の時間応答を表しており、実線が測定部102の測定結果、点線が時間応答算出部1051の算出結果に対応している。この例では、比較部1052は、所定の評価範囲(例えば時刻0秒〜0.6秒)の範囲内における時間応答の測定結果と算出結果の差に相当する、図4に斜線で示す部分の面積を計算し、その値を第2評価値とする。なお、図4の縦軸はボールねじのねじ軸203の回転角速度を表しているが、ここで言う面積とは縦軸を位置決めテーブル201の位置X又は速度X’に変換した上で計算する面積とする。
第3評価値計算部106の重み付け部1061は、第1評価値計算部104によって計算された第1評価値に所定の重み付け係数を乗じ、重み付け部1062は、第2評価値計算部105によって計算された第2評価値に所定の重み付け係数を乗ずる。重み付け係数は、例えば予め定めた固定値としてもよいし、システム同定の過程で変更してもよい。後者の変更例については後述する。加算部1063は、重み付けをされた第1評価値と第2評価値とを加算し、第3評価値としてモデル更新部107へ出力する。
モデル更新部107は、第3評価値に基づいて、モデル記憶部103の各パラメータを更新する。具体的には、例えば第1評価値と第2評価値を図3,図4のように面積の値で定義したとすると、モデル更新部107は、第3評価値が所定の閾値より小さいか否かを判断し、その判断の結果、第3評価値が所定の閾値より小さくない場合には、各パラメータの値がまだ収束していないことを意味するので、パラメータの更新を行って更新後のパラメータをモデル記憶部103に記憶させる。一方、上記判断の結果、第3評価値が所定の閾値より小さい場合には、各パラメータの値が収束したことを意味するので、モデル更新部107はパラメータの更新を行わず、このときモデル記憶部103に記憶されている(つまり直前に更新された)パラメータがシステム同定の最終結果のパラメータとなる。このように第3評価値に基づきパラメータの更新をしていくことで、第1評価値と第2評価値が同時に考慮されることとなり、制御系200のモデルのパラメータが周波数応答と時間応答の両方について同時に最適化されることとなる。
なお、各パラメータを更新する方法としては、一般的なパラメータ最適化手法を適用するものとする。例えば、まず、各パラメータを仮想的にそれぞれ単位量ずつ個別に変化させた時の第3評価値の変化量を調べ、次に、それを基にして、第3評価値が最も大きく変化するように実際に更新する各パラメータの変化量を決定する、という方法を用いればよい。
次に、上記構成のシステム同定装置がシステム同定を行う処理の流れを説明する。図5は、本発明の一実施形態によるシステム同定方法の手順を示すフローチャートである。
まず、測定部102は、入力生成部101が生成した周波数応答用入力データ及び時間応答用入力データに従って制御系200の周波数応答と時間応答の測定を行う(ステップS101)。周波数応答の測定結果は第1評価値計算部104へ、時間応答の測定結果は第2評価値計算部105へ、それぞれ入力される。
次いで、周波数応答算出部1041は、ステップS101と同じ周波数応答用入力データとモデル記憶部103に記憶されているパラメータとを用いて制御系200の周波数応答を算出し、時間応答算出部1051は、ステップS101と同じ時間応答用入力データとモデル記憶部103に記憶されているパラメータとを用いて制御系200の時間応答を算出する(ステップS102)。
そして、第1評価値計算部104は、ステップS101で測定された周波数応答とステップS102で算出された周波数応答とから第1評価値を計算し、第2評価値計算部105は、ステップS101で測定された時間応答とステップS102で算出された時間応答とから第2評価値を計算する。更に、第3評価値計算部106は、第1評価値と第2評価値とから第3評価値を計算する(ステップS103)。
次いで、モデル更新部107は、ステップS103で計算された第3評価値が所定の閾値より小さいか否かを判断する(ステップS104)。第3評価値が所定の閾値より小さくない場合、モデル更新部107は、制御系200のモデルの各パラメータを更新し、更新したパラメータをモデル記憶部103に記憶させる(ステップS105)。その後、再びステップS102〜ステップS104が繰り返される。このとき、ステップS102では、更新されたパラメータを用いて(周波数応答用入力データと時間応答用入力データは最初と同じものを用いる)周波数応答と時間応答を計算し直し、ステップS103では、この再計算した周波数応答と時間応答から新たな第1〜第3評価値を計算する。
一方、ステップS104の判断において第3評価値が所定の閾値より小さい場合は、制御系200のモデルのパラメータはこの時モデル記憶部103に記憶されているパラメータに確定し、システム同定の処理が完了する(ステップS106)。
図6は、以上説明したように周波数応答と時間応答を重み付けする、本発明によるシステム同定の結果の一例を示す図である。同図(A),(B)に示されるように、制御系の周波数応答がモデル(点線)と実際(実線)とでほぼ一致するとともに、また同図(C)に示されるように、制御系の時間応答がモデル(点線)と実際(実線)とでほぼ一致する結果が得られている。
次に、第3評価値を計算する際に用いる重み付け係数をシステム同定の過程で変更する実施形態を説明する。図7は、当該実施形態によるシステム同定方法の手順を示すフローチャートである。このフローチャートには新たにステップS201〜ステップS203が追加されている。
図7において、最初に、ステップS201〜ステップS203の実行を省略してステップS101、ステップS102、ステップS103a、ステップS103b、ステップS104を順に実行する。この処理は図5のフローチャートと同じであり、このときステップS103bの第3評価値の計算では重み付け係数の初期値が使用される。
ここで、ステップS104の判断において第3評価値が所定の閾値より小さくなかったとする。このとき、図5のフローチャートと同様にステップS105が実行されてパラメータが更新され、再びステップS102からの処理が繰り返される。
ステップS102以降の処理を2回目以降に実行する際には、ステップS103aの後にステップS201〜ステップS203を実行してからステップS103bを実行する。即ち、ステップS103aにおいて新しい(ここでは2回目)第1評価値と第2評価値を計算した後、第3評価値計算部106は、この新しい第1評価値と古い(ここでは最初の)第1評価値の差分(第1評価値の変化量)が、新しい第2評価値と古い第2評価値の差分(第2評価値の変化量)より大きいか否かを判断する(ステップS201)。つまり、値「新しい第1評価値−古い第1評価値」と値「新しい第2評価値−古い第2評価値」の大小関係を判断する。
この判断において、第1評価値の変化量が第2評価値の変化量より大きい場合、第3評価値計算部106は、第1評価値の重み付け係数を所定量だけ大きい値に変更するとともに、第2評価値の重み付け係数を所定量だけ小さい値に変更する(ステップS202)。また、第1評価値の変化量が第2評価値の変化量より小さい場合、第3評価値計算部106は、第1評価値の重み付け係数を所定量だけ小さい値に変更するとともに、第2評価値の重み付け係数を所定量だけ大きい値に変更する(ステップS203)。なお、ステップS202とステップS203を入れ替えたフローチャートにしてもよい。
その後のステップS103bでは、第3評価値計算部106は、値が変更された重み付け係数を用いて第3評価値を計算する。以降、ステップS102〜ステップS103bを再び実行する際は、同様に、今回の第1評価値及び第2評価値と前回の第1評価値及び第2評価値に基づいて、重み付け係数を順次変更していく。
このように重み付け係数を変更しながら第3評価値を計算することで、第1評価値と第2評価値のうち、パラメータを更新した際により影響が大きい方の第3評価値に占める割合が増大することになるので、第3評価値が所定の閾値以下となる収束性が向上し、制御系のモデルのパラメータが確定するまでに要する計算時間を短縮可能である。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、回転モータ202を異なる2つの駆動パターンで駆動するよう制御する使用形態があったとすると、第1の駆動パターンから求められる第3評価値と第2の駆動パターンから求められる第3評価値とを重み付けした第4評価値を用いて制御系のモデルを最適化することで、2つの駆動パターンの両方に適した制御系のモデルを得ることが可能である。
101…入力生成部 102…測定部 103…モデル記憶部 104…第1評価値計算部 105…第2評価値計算部 106…第3評価値計算部 107…モデル更新部 1041…周波数応答算出部 1042…比較部 1051…時間応答算出部 1052…比較部 1061,1062…重み付け部 1063…加算部 200…制御系 201…位置決めテーブル 202…回転モータ 203…ねじ軸 204…ナット部

Claims (4)

  1. 制御対象物とその駆動装置とを含む制御系の制御特性を表すモデルを求めるシステム同定方法であって、
    前記制御系の周波数応答を測定するステップと、
    前記制御系の時間応答を測定するステップと、
    前記制御系のモデルに基づき周波数応答を求めるステップと、
    前記制御系のモデルに基づき時間応答を求めるステップと、
    前記測定した周波数応答と前記モデルに基づく周波数応答とから第1の評価値を求めるステップと、
    前記測定した時間応答と前記モデルに基づく時間応答とから第2の評価値を求めるステップと、
    前記第1の評価値と前記第2の評価値とを重み付けした第3の評価値を求めるステップと、
    前記第3の評価値に基づいて前記モデルを最適化するステップと、
    を含むシステム同定方法。
  2. 前記第1の評価値は前記測定した周波数応答と前記モデルに基づく周波数応答との差であり、
    前記第2の評価値は前記測定した時間応答と前記モデルに基づく時間応答との差であり、
    前記第3の評価値が最小となるように前記モデルを表すパラメータを順次更新し最適化を行う、
    請求項1に記載のシステム同定方法。
  3. 前記パラメータを更新したことによる前記第1の評価値の変化量を求めるステップと、
    前記パラメータを更新したことによる前記第2の評価値の変化量を求めるステップと、
    前記第1の評価値の変化量と前記第2の評価値の変化量とに応じて前記重み付けの係数を変更するステップと、
    を含む請求項2に記載のシステム同定方法。
  4. 前記制御対象物を前記駆動装置により第1の駆動パターン又は第2の駆動パターンで駆動する場合にそれぞれ求められる前記第3の評価値を重み付けした第4の評価値を求めるステップと、
    前記第4の評価値に基づいて前記モデルを最適化するステップと、
    を含む請求項1から請求項3のいずれか1の項に記載のシステム同定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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