JP2010161539A - 画像読取装置 - Google Patents

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【課題】1回の撮像で広範囲の輝度のデータを取得して当該データの処理を行うことのできる画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置には、単位画素毎に、感度の異なる複数の光センサが設けられる。それら複数の光センサへの露光が行われた後、光センサ読取制御回路200は、各光センサについての輝度データを取得する(ステップS210)。さらに、光センサ読取制御回路200は、各光センサについての露光がオーバー露光であるか否かを判定する(ステップS220,S230,S240)。上記判定については、(光センサの)感度の高い順に行われる。光センサについての露光がオーバー露光ではないと判定されると、当該光センサについての輝度データが、撮像画像を再現するための画像データを構成すべきデータとして選択される(ステップS225,S235,S245)。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像読取装置に関し、より詳しくは表示用のパネル内に光センサを内蔵した画像読取装置に関する。
近年、液晶表示装置等の表示装置に関し、画素毎に光センサを設けた構成の光センサ内蔵型表示装置が提案されている。このような光センサ内蔵型表示装置においては、一般に内部に光源が設けられており、光源から照射された光は、装置のパネル表面に置かれている被写体(紙、人の指、物体など)で反射する。そして、その反射光を光センサが検知し、反射光の強さ(輝度)に応じた電荷が光センサに蓄積される。光センサ内蔵型表示装置には、画像を読み取る際の解像度に応じた数の光センサが設けられており、それら光センサに蓄積された電荷を読み出すことにより、被写体に表されている画像が認識される。
ところで、人の視覚感度は対数関数に従うことが経験的に知られている。このため、人の視覚感度を考慮して画像の読み取りを行うためには、広範囲の輝度の情報を取得できる光センサが画像読取装置に設けられることが好ましい。ところが、1つの光センサでそのような広範囲の輝度の情報を取得することは困難である。そこで、従来においては、最初の撮像でオーバー露光(露光超過)となったときには露光時間を短くして再度撮像が行われ、最初の撮像でアンダー露光(露光不足)となったときには露光時間を長くして再度撮像が行われている。これについて、図27を参照しつつ説明する。図27は、或る1つの光センサに着目したときの露光時間と(当該光センサに蓄積される)電荷量との関係を示す図である。符号Q1で示す線は、比較的高輝度の光が光センサに与えられたときの電荷量の変化を示しており、符号Q2で示す線は、比較的低輝度の光が光センサに与えられたときの電荷量の変化を示している。また、符号QHはオーバー露光となる電荷量の閾値を示し、符号QLはアンダー露光となる電荷量の閾値を示している。ここで、露光時間がTAに設定されているときに比較的低輝度の光が光センサに与えられると、図27から把握されるようにアンダー露光となる。このとき、露光時間を例えばTBにして、再度撮像が行われる。また、露光時間がTBに設定されているときに比較的高輝度の光が光センサに与えられると、図27から把握されるようにオーバー露光となる。このとき、露光時間を例えばTAにして、再度撮像が行われる。このように、複数回の撮像を行うことによって、広範囲の輝度の情報の取得が行われている。
なお、本願発明に関連して、以下のような先行技術が知られている。特開2004−193762号公報には、各画素が電気的に分離された第1の光電変換素子と第2の光電変換素子とを含む構成とすることにより固体撮像装置の光ダイナミックレンジを拡大する技術が開示されている。特開昭63−180825号公報には、高感度センサと低感度センサとを備える構成とすることにより広い照度範囲の光を光電変換する技術が開示されている。また、光センサより得られたデータを補正する技術については、特開平9−307774号公報に開示されている。
特開2004−193762号公報 特開昭63−180825号公報 特開平9−307774号公報
上述のように、従来技術によれば、広範囲の輝度の情報を取得するためには複数回の撮像が必要となる。
また、特許文献1には、2つのセンサのデータを合成する旨や飽和露光量が相対的に小さいセンサのデータについて或るレベルを超える成分を切り取る旨の記載がなされているが、それらに関する具体的な実現方法が開示されていない。
特許文献1によると、飽和露光量SEは感度Rに逆比例して飽和出力電圧Vsatに比例するので、次式(11)が成立する。
SE=Vsat/R ・・・(11)
また、感度は露光量に対する発生電荷量であって、次式(12)が成立する。
R0=R1+R2 ・・・(12)
なお、R0はセンサ全体での感度、R1は主ホトダイオードの感度、R2は副ホトダイオードの感度である。
さらに、飽和出力電圧は最大蓄積電荷量に比例し、次式(13)が成立する。
Vsat0=Vsat1+Vsat2 ・・・(13)
なお、Vsat0はセンサ全体での飽和出力電圧、Vsat1は主ホトダイオードの飽和出力電圧、Vsat2は副ホトダイオードの飽和出力電圧である。
ここで、センサ全体,主ホトダイオード,副ホトダイオードについての露光量をS0,S1,S2とし、それらに蓄積されている電荷をQ0,Q1,Q2とし、それらに与えられている電圧をV0,V1,V2とし、それらの飽和露光量をSE0,SE1,SE2とし、それらの感度をR0,R1,R2とし、それらの静電容量値をC0,C1,C2とすると、以下の式が成立する。
S0=S1+S2 ・・・(14)
Q0=Q1+Q2 ・・・(15)
電荷は静電容量値と電圧との積となるので、次式(16)〜(18)が成立する。
Q0=C0×V0
=(C1+C2)×V0 ・・・(16)
Q1=C1×V1 ・・・(17)
Q2=C2×V2 ・・・(18)
上式(15)〜(18)より次式(19)が成立する。
(C1+C2)×V0=C1×V1+C2×V2 ・・・(19)
上式(19)より次式(20)が成立する。
V0=(C1/(C1+C2))×V1+(C2/(C1+C2))×V2
・・・(20)
上式(20)より、センサ全体,主ホトダイオード,および副ホトダイオードの飽和出力電圧について、上式(13)で示されるような関係は成立しないものと考えられる。
また、主ホトダイオードと副ホトダイオードとが並列に配置されたものがセンサ全体になると考えられ、次式(21)が成立する。
SE0=SE1+SE2 ・・・(21)
飽和した時点においては、次式(22)が成立する。
Vsat0/R0=(Vsat1/R1)+(Vsat2/R2)
=(R2×Vsat1+R1×Vsat2)/(R1+R2)
・・・(22)
特許文献1には上式(13)が成立するように記載されているが、上式(22)に示される関係から上式(13)を満足させる具体的な実現方法が開示されていない。
さらに、特許文献2に開示された構成によれば、高感度センサ,低感度センサの他に照度検出手段(センサ)が必要になるところ、当該照度検出手段によって、上記高感度センサが検出可能な輝度範囲と上記低感度センサが検出可能な輝度範囲とを含む範囲の輝度の検出がなされることになる。そうすると、高感度センサと低感度センサとを備えることなく上記照度検出手段によって広範囲の輝度が検出されることになるので、広範囲の輝度を検出するという観点では何ら課題の解決がなされていない。また、特許文献2には、高感度センサと低感度センサとの間で検出データを切り換える方法に関して具体的な開示がなされていない。特許文献2の第4図を参酌すると、高感度センサのデータと低感度センサのデータとはエミッタ電流または符号106で示す端子の電圧で選択されることになるが、高感度センサと低感度センサとは電気的に接続されている。このため、選択信号によってどのようにして検出データの切り換えが行われるのかを把握することができない(具体的な記載がなされていない)。実際には高感度センサについての充電電流と低感度センサについての充電電流との読み出しが行われなければ、輝度の高低が判別されないものと考えられる。
また、特許文献3に開示された技術によると、基準用白紙の読み取りが光センサにより1度行われ、ガンマ補正値が決定される。そして、そのガンマ補正値を用いて、真に読み込みが行われるべきネガフィルムのデータが得られる。この技術の目的として、データの分布であるヒストグラムを分散させ明暗のコントラストを上げること、データ全体の露光条件を白側へ極力移動させ黒側の暗電流ノイズの影響を小さくするS/N比を上げること、および、照明光の不安定要素を吸収することが挙げられ、流れ図によって処理手順が示されている。しかし、真に読み込みが行われるべき対象物を代表するものが基準用白紙とされなければ、ガンマ補正値でコントラストと暗電流ノイズの影響低下を両立する解決策として成り立たない。たとえば、基準用白紙の読み取りでガンマ補正値が決定され、本データの対象物が黒紙であった場合に、全体的に黒データが分散され、黒色から薄灰色のデータとなるが、暗電流ノイズのデータも分散されてノイズが強調される結果となり矛盾する結果となる。すなわち、特許文献3には課題の解決策が記載されていない。また、特許文献3に記載されているプリスキャンによりアンダー露光やオーバー露光を調査することは照明光の不安定要素を吸収する方法として効果的であるが、特許文献3に記載のガンマ補正が行われても、アンダー露光もオーバー露光も解決されない。これは、光センサと受光量に起因する問題(課題)であって、換算で解決される問題では無い。受光量についての解決策が必要されるが、それに関する具体的な記載はなされていない。また、プリスキャンにより受光量データの中心値をガンマ補正することは効果的であるが、コントラストを上げることと暗電流ノイズの影響を抑えることに対しての解決策とはならない。このように、特許文献3には、課題の具体的な解決策が記載されていない。
そこで本発明は、1回の撮像で広範囲の輝度のデータを取得して当該データの処理を行うことのできる画像読取装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、画像を読み取る対象である被写体が撮像時に配置されるべきパネル部と、前記パネル部の内部に設けられ受光素子と該受光素子の受けた光量に応じた電荷が蓄積される容量とを含む光センサと、前記容量に蓄積された電荷に基づいて前記被写体の撮像画像を表す画像データを生成する画像読取処理部とを備えた画像読取装置であって、
前記パネル部は、前記撮像画像の最小単位となる単位画素毎に、感度の異なる複数の前記光センサを有し、
前記画像読取処理部は、
各光センサの容量に蓄積された電荷を読み出して当該各光センサの輝度データとして取得する電荷読み出し部と、
予め定められた第1の閾値と前記輝度データの値とを比較するデータ比較部と、
前記データ比較部による比較結果に基づいて、単位画素毎に、前記画像データを構成すべきデータを前記複数の光センサの輝度データから選択するデータ選択部と
を有し、
前記データ選択部では、前記第1の閾値よりも前記輝度データの値が小さい光センサのうち最も感度の高い光センサの輝度データが、前記画像データを構成すべきデータとして選択されることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記データ比較部は、単位画素毎に、前記複数の光センサの感度の高い順に前記第1の閾値と各光センサの輝度データの値とを比較することを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記データ選択部は、
単位画素に設けられている前記複数の光センサ全ての輝度データの値が前記第1の閾値以上であれば、取り得る輝度のうちの最大の輝度であることを示す最大輝度データを、当該単位画素についての前記画像データを構成すべきデータとして選択し、
単位画素に設けられている前記複数の光センサ全ての輝度データの値が予め定められた第2の閾値以下であれば、取り得る輝度のうちの最小の輝度であることを示す最小輝度データを、当該単位画素についての前記画像データを構成すべきデータとして選択することを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明において、
前記画像読取処理部は、各単位画素について前記データ選択部によって選択されたデータである被選択データを、前記撮像画像全体についての複数の前記被選択データの値に基づいて、階調値を示すデータに変換するデータ変換部を更に有することを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、
前記第1の閾値よりも値の小さい輝度データのうちの値の最大値を変換用最大値とし、前記第2の閾値よりも値の大きい輝度データのうちの値の最小値を変換用最小値としたときに、
前記データ変換部は、前記変換用最大値と前記変換用最小値との差に対する前記被選択データの値と前記変換用最小値との差の比と、前記変換用最大値に対応付けられている階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との差に対する前記被選択データの変換後のデータの階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との差の比とが等しくなるように、前記被選択データを変換することを特徴とする。
第6の発明は、第4の発明において、
前記第1の閾値よりも値の小さい輝度データのうちの値の最大値の対数を変換用最大値とし、前記第2の閾値よりも値の大きい輝度データのうちの値の最小値の対数を変換用最小値とし、前記撮像画像全体についての輝度データの値の対数分布の重心となる値を変換用重心値としたときに、
前記データ変換部は、
前記被選択データの値の対数が前記変換用最小値以上かつ前記変換用重心値以下であれば、前記変換用重心値と前記変換用最小値との差に対する前記被選択データの値の対数と前記変換用最小値との差の比と、前記変換用重心値に対応付けられている階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との差に対する前記被選択データの変換後のデータの階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との差の比とが等しくなるように、前記被選択データを変換し、
前記被選択データの値の対数が前記変換用重心値以上かつ前記変換用最大値以下であれば、前記変換用最大値と前記変換用重心値との差に対する前記被選択データの値の対数と前記変換用重心値との差の比と、前記変換用最大値に対応付けられている階調値と前記変換用重心値に対応付けられている階調値との差に対すると前記被選択データの変換後のデータの階調値と前記変換用重心値に対応付けられている階調値との差の比とが等しくなるように、前記被選択データを変換し、
前記変換用重心値に対応付けられている階調値は、前記変換用最大値に対応付けられている階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との中央値であることを特徴とする。
第7の発明は、前記データ変換部は、前記撮像画像全体についての輝度データの値の対数の平均値を前記変換用重心値とすることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、パネル部には単位画素毎に感度の異なる複数の光センサが設けられている。そして、各光センサの容量に蓄積されている電荷が輝度データとして電荷読み出し部によって読み出され、データ比較部によって第1の閾値と輝度データとが比較される。ここで、光センサがオーバー露光となる電荷の値を第1の閾値とすることによって、各光センサでの露光がオーバー露光であるか否が把握される。そして、オーバー露光ではない光センサのうちの最も感度の高い光センサの輝度データが、被写体の撮像画像を表す画像データを構成すべきデータとしてデータ選択部によって選択される。上述のように単位画素毎に設けられている複数の光センサの感度はそれぞれ異なっているので、或る一定期間だけ露光が行われたときにオーバー露光となる光センサが存在していても、オーバー露光とはならない比較的感度の低い光センサが含まれていれば、上記画像データを生成するための輝度データは取得される。また、或る一定期間だけ露光が行われたときにアンダー露光となる光センサが存在していても、アンダー露光とはならない比較的感度の高い光センサが含まれていれば、上記画像データを生成するための輝度データは取得される。以上より、広範囲の輝度値を含む画像の読み取りを1度の撮像で行うことのできる画像読取装置が実現される。
上記第2の発明によれば、或る単位画素についてオーバー露光とはならなかった光センサが複数存在するときに、それら複数の光センサのうち最も感度の高い光センサについてのみ上記第1の閾値と輝度データとの比較が行われる。このため、上記第1の閾値と輝度データとの比較を行う処理の回数が最小化され、処理速度が向上する。
上記第3の発明によれば、複数の光センサ全てがオーバー露光となった単位画素の輝度については、取り得る輝度のうちの最大の輝度として処理され、複数の光センサ全てがアンダー露光となった単位画素の輝度については、取り得る輝度のうちの最小の輝度として処理される。
上記第4の発明によれば、各単位画素についての複数の輝度データのうちデータ選択部によって選択されたデータは、撮像画像全体の輝度を考慮しつつ、階調値を示すデータに変換される。このため、撮像画像が全体的に暗い場合や全体的に明るい場合にも、被写体の撮像画像を表す画像データについて、ある程度のコントラストが確保される。
上記第5の発明によれば、オーバー露光のデータとアンダー露光のデータとを除いたときに、輝度値全体の範囲に対する変換前のデータの輝度値の位置(割合)と階調値全体の範囲に対する変換後のデータの階調値の位置(割合)とが等しくなるように、各単位画素についてデータ選択部によって選択された輝度データが階調値のデータに変換される。このため、比較的簡単な構成で、撮像画像を再現するための画像データが生成される。
上記第6の発明によれば、各単位画素についてデータ選択部によって選択された輝度データが、人の視覚感度を考慮しつつ階調値のデータに変換される。このため、人の感覚に適合した画像の再現が可能な画像データが生成される。
上記第7の発明によれば、比較的簡単な構成で、人の視覚感度を考慮しつつ、輝度データから階調値のデータへの変換が行われる。
本発明の一実施形態に係る画像読取装置における最適値選択処理の処理手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る画像読取装置の概略構成図である。 上記実施形態において、光センサ読取回路,光センサ読取選択回路,およびパネル部内の詳細な構成を示す回路図である。 上記実施形態において、画素形成部の詳細な構成を示す回路図である。 上記実施形態において、画像読取処理に関する機能構成を示す機能ブロック図である。 上記実施形態に係る画像読取装置の断面図である。 上記実施形態において、カラーフィルタ基板およびTFTアレイ基板における1画素分の領域の構造を示す模式図である。 上記実施形態において、光センサの構造について説明するための模式図(斜視図)である。 上記実施形態において、光センサの構造について説明するための模式図(平面図)である。 上記実施形態において、各色用の光センサの補助容量に蓄積される電荷量の変化を示すグラフである。 上記実施形態において、各色用の光センサの補助容量に蓄積される電荷量の変化を示すグラフである。 上記実施形態において、画像読取処理について説明するための信号波形図である。 上記実施形態において、画像読取処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態において、読取電圧と補正後電圧との関係を示す図である。 上記実施形態において、比較換算処理について説明するための図である。 上記実施形態において、最適値選択処理について説明するための図である。 上記実施形態において、最適値選択処理について説明するための図である。 上記実施形態において、最適値選択処理について説明するための図である。 上記実施形態において、最適値選択処理について説明するための図である。 上記実施形態において、最適値選択処理について説明するための図である。 上記実施形態において、最適値選択処理について説明するための図である。 上記実施形態における効果について説明するための図である。 上記実施形態の第1の変形例における光センサの構造を示す模式図(斜視図)である。 上記実施形態の第2の変形例における比較換算処理について説明するための図である。 上記実施形態の第3の変形例について説明するための図である。 上記実施形態の第3の変形例について説明するための図である。 或る1つの光センサに着目したときの露光時間と電荷量との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<1.全体構成および動作概要>
図2は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置の概略構成図である。この画像読取装置は、パネル部10と制御回路20と読み書き回路30と選択回路40とを備えている。なお、この画像読取装置においては、主に、パネル部10の表面に置かれた紙,物体等(被写体)に表されている画像を読み取る画像読取処理と、外部から送られる画像信号等に基づいてパネル部10に画像を表示する画像表示処理とが行われる。すなわち、この画像読取装置は、機能的には、画像を読み取る画画像読取機能と、画像を表示する画像表示機能とを有している。以下、画像読取処理で処理される画像のことを「読取画像」といい、画像表示処理で処理される画像のことを「表示画像」という。
パネル部10には、複数本(m本)のゲートバスライン(走査信号線)GL1〜GLmと、複数本(n本)のソースバスライン(映像信号線)SL1〜SLnと、共通電極(図2では不図示)と、保持容量電極(図2では不図示)と、露光時間制御ラインCRと、読取用基準電圧ライン(図2では不図示)と、複数本(m本)の読取選択ラインSR1〜SRmと、複数本(n本)の読取データラインDR1〜DRnと、複数個(m×n個)の画素形成部11とが含まれている。各画素形成部11には画像読取処理のための光センサと画像表示処理のための表示部190とが含まれており、光センサは光感知部110と電荷蓄積部120とによって構成されている。本実施形態ではm×n個の画素形成部によってm行×n列の画素マトリクスが形成されているところ、図2には3行×6列分についての構成のみを示している。なお、以下においては、画素マトリクスを形成する行,列のことを単に「行」,「列」という。また、本実施形態においては赤色用,緑色用,および青色用の3つの副画素によって1つの画素(単位画素)が形成されるところ、図2における1つの画素形成部11は1つの副画素を形成している。また、列に着目すると、図2に示すように、赤色用,緑色用,および青色用の列を1グループとして、それらが繰り返し配置されている。
制御回路20は、この画像読取装置の全体の動作を制御する。制御回路20には、画像読取処理のための光センサ読取制御回路200と、画像表示処理のための表示制御回路290とが含まれている。読み書き回路30は、読取画像に対応するデータのパネル部10からの読み出しと、表示画像に対応するデータのパネル部10への書き込みとを行う。読み書き回路30には、画像読取処理のための光センサ読取回路300と、画像表示処理のためのソースドライバ(映像信号線駆動回路)390とが含まれている。選択回路40は、画像読取処理および画像表示処理の際に、処理対象の行を順次に選択する。選択回路40には、画像読取処理のための光センサ読取選択回路400と、画像表示処理のためのゲートドライバ(走査信号線駆動回路)490とが含まれている。
光センサ読取制御回路200は、光センサ読取選択回路400と光センサ読取回路300と露光時間制御ラインCRとに画像読取処理のための制御信号を与える。詳しくは、光センサ読取制御回路200は、光センサ読取選択回路400に入力パルス信号INP,シフトクロック信号CK,およびイネーブル信号ENAを与え、光センサ読取回路300に読取線リセットパルス信号RSTを与え、露光時間制御ラインCRに露光時間制御パルス信号CTLを与える。なお、これら各信号についての説明は後述する。また、光センサ読取制御回路200は、光センサ読取回路300から後述するアナログ電圧AVを受け取り、読取画像を再現するためのデータ処理を行う。
光センサ読取回路300は、各画素形成部11の電荷蓄積部120に蓄積されている電荷を読取データラインDR1〜DRnを介して読み出し、その電荷量に応じたアナログ電圧AVを光センサ読取制御回路200に与える。なお、光センサ読取回路300は、電荷蓄積部120に蓄積されている電荷を読み出す際、光センサ読取制御回路200から与えられる読取線リセットパルス信号RSTに基づいて、読取データラインDR1〜DRnに蓄積されている電荷を予め放電させる。光センサ読取選択回路400は、光センサ読取制御回路200から与えられる入力パルス信号INP,シフトクロック信号CK,およびイネーブル信号ENAに基づいて、画像読取処理が行われる際に読取選択ラインSR1〜SRmを順次に選択する。
表示制御回路290は、ゲートドライバ490とソースドライバ390とに画像表示処理のための制御信号を与える。詳しくは、表示制御回路290は、ゲートドライバ490にゲート制御信号群GSを与え、ソースドライバ390にソース制御信号群SSを与える。ソースドライバ390は、表示制御回路290から与えられるソース制御信号群SSに基づいて、ソースバスラインSL1〜SLnに映像信号を印加する。ゲートドライバ490は、表示制御回路290から与えられるゲート制御信号群GSに基づいて、画像表示処理が行われる際にゲートバスラインGL1〜GLmを順次に選択する。
以上のようにして、各読取選択ラインSR1〜SRmに対応する行に含まれる画素形成部11の電荷蓄積部120に蓄積されている電荷が順次に読み出されることにより、パネル部10の表面に置かれた被写体に表されている画像の読み取りが行われる。また、各ゲートバスラインGL1〜GLmに走査信号G(1)〜G(m)が印加され、各ソースバスラインSL1〜SLnに映像信号が印加されることにより、パネル部10に画像が表示される。
<2.詳細な構成>
<2.1 回路構成>
図3および図4を参照しつつ、本実施形態に係る画像読取装置の詳細な回路構成について説明する。図3は、光センサ読取回路300,光センサ読取選択回路400,およびパネル部10内の詳細な構成を示す回路図である。また、図4は、画素形成部11の詳細な構成を示す回路図である。
図4に示すように、表示部190には、対応する交差点を通過するゲートバスラインGLにゲート電極が接続されるとともに当該交差点を通過するソースバスラインSLにソース電極が接続されたTFT(以下、「表示用TFT」という。)192と、その表示用TFT192のドレイン電極に接続された画素電極198と、上記複数個の画素形成部11に共通的に設けられた共通電極COMおよび保持容量電極HLと、画素電極198と共通電極COMとによって形成される液晶容量194と、画素電極198と保持容量電極HLとによって形成される保持容量196とが含まれている。なお、液晶容量194と保持容量196とによって画素容量が形成されている。
図4に示すように、光感知部110には、読取用基準電圧ラインBRにアノードが接続された受光素子としてのフォトダイオード116と、露光時間制御ラインCRにゲート電極が接続されるとともにフォトダイオード116のカソードにソース電極が接続されたTFT(以下、「露光制御用TFT」という。)118とが含まれている。電荷蓄積部120には、読取選択ラインSRにゲート電極が接続されるとともに読取データラインDRにドレイン電極が接続されたTFT(以下、「読取制御用TFT」という。)128と、読取制御用TFT128のソース電極に一端が接続されるとともに読取用基準電圧ラインBRに他端が接続された補助容量126とが含まれている。露光制御用TFT118のドレイン電極と読取制御用TFT128のソース電極と補助容量126の一端とは互いに接続されている。なお、読取用基準電圧ラインBRには、典型的にはグラウンド電位が与えられている。
図3に示すように、光センサ読取回路300には、入力端子に読取データラインDRおよび読取用基準電圧ラインBRが接続され制御回路20内の光センサ読取制御回路200に出力端子が接続されたオペアンプ(以下、「読取用オペアンプ」という。)302と、制御回路20内の光センサ読取制御回路200にゲート電極が接続され読取データラインDRにソース電極が接続され読取用基準電圧ラインBRにドレイン電極が接続されたTFT(以下、「読取線リセット用TFT」という。)304とが含まれている。なお、読取用オペアンプ302および読取線リセット用TFT304は各列につきそれぞれ1つずつ設けられている。
図3に示すように、光センサ読取選択回路400には、入力パルス信号INPに含まれるパルスをシフトクロック信号CKのパルスに基づいて順次に転送するためのシフト回路402と、シフト回路402から出力される信号の論理値と制御回路20から出力されるイネーブル信号ENAの論理値との論理積を示す信号を出力するAND回路404とが設けられている。なお、シフト回路402およびAND回路404は各行につきそれぞれ1つずつ設けられている。
以上のような構成において、画像読取処理は次のように行われる。光センサ読取制御回路200から入力パルス信号INPのパルスが出力されると、当該パルスは、1行目に対応して設けられているシフト回路402に入力される。そのパルスは、制御回路20内の光センサ読取制御回路200から出力されるシフトクロック信号CKのパルスに応じて、光センサ読取選択回路400に設けられているm個のシフト回路402において順次に転送される。これにより、画素マトリクスを形成する各行が、画像情報の読み出しを行う行(以下、「読み出し対象行」という。)として順次に選択される。上述のように、光センサ読取選択回路400にはシフト回路402から出力される信号の論理値とイネーブル信号ENAの論理値との論理積を示す信号を出力するAND回路404が設けられているので、読み出し対象行の読取選択ラインSRには、イネーブル信号ENAの論理レベルがハイレベルになっている期間だけ、ハイレベルの信号が与えられる。そして、読取選択ラインSRにハイレベルの信号が与えられている期間には読取制御用TFT128はオン状態となり、読取選択ラインSRにローレベルの信号が与えられている期間には読取制御用TFT128はオフ状態となる。
読取線リセット用TFT304には読取線リセットパルス信号RSTが与えられるところ、読取線リセットパルス信号RSTの論理レベルがハイレベルになると、読取線リセット用TFT304はオン状態となる。このとき、読取制御用TFT128がオフ状態であれば、読取データラインDRに蓄積されている電荷が放電される。また、読取制御用TFT128がオン状態であって、かつ、露光制御用TFT118がオフ状態であれば、補助容量126に蓄積されている電荷が放電される。なお、露光制御用TFT118については、露光時間制御ラインCRに与えられている露光時間制御パルス信号CTLの論理レベルがハイレベルであればオン状態となり、露光時間制御パルス信号CTLの論理レベルがローレベルであればオフ状態となる。
読取制御用TFT128がオフ状態となっている期間に露光制御用TFT118がオン状態にされると、光センサでの露光が行われる。この露光により、補助容量126に電荷が蓄積される。なお、補助容量126に蓄積される電荷量は、フォトダイオード116の受光面が受けた光量に応じた大きさとなる。
光センサでの露光が行われた後、読取線リセット用TFT304および露光制御用TFT118がオフ状態となっている期間に読取制御用TFT128がオン状態にされると、補助容量126に蓄積されている電荷に応じた電圧が読取用オペアンプ302に与えられる。読取用オペアンプ302では電圧の増幅が行われ、増幅後のアナログ電圧AVが制御回路20内の光センサ読取制御回路200に与えられる。そして、光センサ読取制御回路200では、読取用オペアンプ302から出力されたアナログ電圧AVに基づいて、読取画像を再現するためのデータ処理が行われる。
<2.2 機能構成>
次に、画像読取処理に関する機能構成について説明する。なお、画像表示処理については、本発明には直接に関係しないので、以下説明を省略する。図5は、画像読取処理に関する機能構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、この画像読取装置には、画像読取処理のための構成要素として、光センサ読取制御回路200と光センサ読取回路300と光センサ読取選択回路400と光感知部110と電荷蓄積部120とが設けられている。光センサ読取制御回路200には、基準クロック生成回路202とパルスプログラム回路204と露光時間制御パルス信号生成回路206と読取線リセットパルス信号生成回路208とシフトクロック信号生成回路210と入力パルス信号生成回路212とイネーブル信号生成回路214とAD変換回路216と補正部218とインターフェース部220とが含まれている。光センサ読取回路300には、電荷読取部306と読取線リセット素子部308とが含まれている。光感知部110には、センサ部112と露光制御素子部114とが含まれている。電荷蓄積部120には、容量素子部122と読取制御素子部124とが含まれている。なお、電荷読取部306は読取用オペアンプ302に相当し、読取線リセット素子部308は読取線リセット用TFT304に相当する。また、センサ部112はフォトダイオード116に相当し、露光制御素子部114は露光制御用TFT118に相当する。さらに、容量素子部122は補助容量126に相当し、読取制御素子部124は読取制御用TFT128に相当する。
センサ部112は、露光により、光量に応じた電流を生成する。露光制御素子部114は、センサ部112での露光の制御を行う。容量素子部122は、センサ部112での露光によって生じた電流に基づいて、電荷の蓄積を行う。読取制御素子部124は、容量素子部122に蓄積されている電荷の読み出しの制御を行う。
基準クロック生成回路202は、この画像読取装置の動作の基準となる基準クロックを生成する。パルスプログラム回路204は、インターフェース部220から与えられる制御信号と基準クロック生成回路202で生成される基準クロックとに基づいて、露光時間制御パルス信号生成回路206,読取線リセットパルス信号生成回路208,シフトクロック信号生成回路210,入力パルス信号生成回路212,およびイネーブル信号生成回路214の動作を制御する。露光時間制御パルス信号生成回路206は、センサ部112で露光が行われる期間を制御するための露光時間制御パルス信号CTLを生成する。読取線リセットパルス信号生成回路208は、読取データラインDRに蓄積されている電荷を放電させるための読取線リセットパルス信号RSTを生成する。シフトクロック信号生成回路210は、光センサ読取選択回路400内の複数のシフト回路402において入力パルス信号INPに含まれるパルスが順次に転送されるよう、シフトクロック信号CKを生成する。入力パルス信号生成回路212は、1フレーム分の画像読取処理の開始タイミングを示す入力パルス信号INPを生成する。イネーブル信号生成回路214は、読み出し対象行に含まれる読取制御用TFT128のオン/オフ状態を制御するためのイネーブル信号ENAを生成する。AD変換回路216は、電荷読取部306から与えられるアナログ電圧AVをデジタルデータに変換する。補正部218は、AD変換後のデジタルデータに補正を施して、読取画像を再現するための画像データを生成する。インターフェース部220は、外部とのデータの送受信を行う。
電荷読取部306は、読取制御素子部124を介して、容量素子部122に蓄積されている電荷の読み出しを行い、電荷量に応じたアナログ電圧AVを生成する。読取線リセット素子部308は、読取線リセットパルス信号RSTに基づいて、読取データラインDRに蓄積されている電荷の放電の制御を行う。
なお、本実施形態においては、光センサ読取制御回路200と光センサ読取回路300とによって画像読取処理部が実現されている。
<2.3 光センサの構造>
次に、本実施形態における光センサの構造について説明する。図6は、本実施形態に係る画像読取装置の断面図である。この画像読取装置は、液晶パネル(上述のパネル部10に相当)50と該液晶パネル50の背面から光を照射するためのバックライト56とによって構成されている。液晶パネル50は、液晶層53を挟持する1対のガラス基板であるカラーフィルタ基板52およびTFTアレイ基板54と、それら両基板52,54の外側(液晶層53と逆の側)に設けられた偏光板51,55とによって構成されている。なお、この構成については、従来からの一般的な構成であるので、詳しい説明を省略する。
図7は、上述した液晶パネル50に含まれるカラーフィルタ基板52およびTFTアレイ基板54における1画素(単位画素)分の領域の構造を示す模式図である。TFTアレイ基板54には、赤色用の画素形成部11に配置される光センサ(以下、「赤色用光センサ」という。)544Rと緑色用の画素形成部11に配置される光センサ(以下、「緑色用光センサ」という。)544Gと青色用の画素形成部11に配置される光センサ(以下、「青色用光センサ」という。)544Bとが設けられている。カラーフィルタ基板52には、赤色用光センサ544Rのための開口部(以下、「赤色用開口部」という。)524Rと緑色用光センサ544Gのための開口部(以下、「緑色用開口部」という。)524Gと青色用光センサ544Bのための開口部(以下、「青色用開口部」という。)524Bとが設けられている。また、TFTアレイ基板54には画像表示処理のための開口部542が設けられ、カラーフィルタ基板52にはカラー表示を行うためのカラーフィルタ522が設けられている。なお、図7は上記構成要素を模式的に示したものであって、符号542で示す矩形領域の全体が開口状態となっているのではない。また、図7では画像読取処理の際にパネル部10上に置かれ画像読取の対象となる被写体を符号59で示している。
上述のような構成において、画像読取処理が行われる際、バックライト56から照射された光は被写体59の表面(ひょうめん)(パネル部10と接している面)で反射する。そして、その反射光のうち赤色用開口部524R,緑色用開口部524G,および青色用開口部524Bを通過した光を、赤色用光センサ544R,緑色用光センサ544G,および青色用光センサ544Bがそれぞれ検知する。各光センサは、その検知した反射光によって、被写体59の表面の濃淡を検出する。
本実施形態においては、上記3つの色用の光センサのうち赤色用光センサ544Rの感度が最も高く、青色用光センサ544Bの感度が最も低くなるように、各色用の光センサが形成されている。これについて、以下、詳しく説明する。図8および図9は、各色用の光センサの構造について説明するための模式図である。図8および図9に示すように、緑色用光センサ544Gおよび青色用光センサ544Bについては、受光面はトレンチ(溝)部63によって第1の領域61と第2の領域62とに分離されている。そして、第1の領域61の受けた光によって生じた電流に基づく電荷のみが補助容量126に蓄積されるように構成されている。なお、このようなトレンチ部63を有する光センサの詳しい構造については、例えば特開2004−193762号公報に開示されている。また、上述したように、各光センサは光感知部110と電荷蓄積部120とによって構成されており、光感知部110にはフォトダイオード116と露光制御用TFT118とが設けられ、電荷蓄積部120には補助容量126と読取制御用TFT128とが設けられている(図4参照)。以上のような構成において、例えば、緑色用光センサ544Gの感度が赤色用光センサ544Rの感度の10分の1となり、かつ、青色用光センサ544Bの感度が緑色用光センサ544Gの感度の10分の1となるように、緑色用光センサ544Gおよび青色用光センサ544Bの第1の領域61が形成される。
図10は、各色用の光センサに対して一定期間(T1)だけ所定の強さの光による露光が行われたときの、補助容量126に蓄積される電荷の量の変化を示すグラフである。なお、図10において、符号QRで示すラインは赤色用光センサ544Rの補助容量126に蓄積される電荷の量の変化を示し、符号QGで示すラインは緑色用光センサ544Gの補助容量126に蓄積される電荷の量の変化を示し、符号QBで示すラインは青色用光センサ544Bの補助容量126に蓄積される電荷の量の変化を示している。図10に示すように、露光開始時点から期間T1経過後に補助容量126に蓄積されている電荷量については、赤色用光センサ544Rが最も多くなり、青色用光センサ544Bが最も少なくなる。
図11は、所定の強さの光による露光が行われたときの、補助容量126に蓄積される電荷の量の変化を示すグラフである。なお、QHは補助容量126が飽和状態となる電荷量を示している。図11に示すように、赤色用光センサ544Rの補助容量126が露光開始時点から最も早く飽和状態となり、青色用光センサ544Bの補助容量126が露光開始時点から最も遅く飽和状態となる。
以上のように、本実施形態においては、1つの画素につき感度の異なる3つの光センサが設けられている。なお、本実施形態においては、赤色用光センサ544Rの感度が最も高く、青色用光センサ544Bの感度が最も低くなっているが、感度の高さの順序については特に限定されない。また、光センサの構造に関し、最も感度の高いセンサについても、受光面がトレンチ部63によって第1の領域61と第2の領域62とに分離される構造であっても良い。さらに、本実施形態においては副画素毎に光センサが設けられているが、赤色用,緑色用,および青色用のうちのいずれか1つの副画素に複数の光センサを備える構成にしても良い。
<3.処理手順>
次に、図12および図13を参照しつつ、本実施形態における画像読取処理の処理手順について説明する。図12は、画像読取処理について説明するための信号波形図である。図12(a)は入力パルス信号INPの波形、図12(b)は露光時間制御パルス信号CTLの波形、図12(c)は読取線リセットパルス信号RSTの波形、図12(d)はシフトクロック信号CKの波形、図12(e)はイネーブル信号ENAの波形をそれぞれ示している。なお、これらの信号は上述したように光センサ読取制御回路200で生成される。
図13は、本実施形態における画像読取処理の手順を示すフローチャートである。まず、光センサ読取制御回路200は、画素マトリクスを形成するm行のうち画像情報(光センサによって検出された、被写体59の表面の濃淡を示す情報)を読み出す行の設定を行う(ステップS100)。この画像情報の読み出しについては、m行すべてに対して行われても良いし、m行のうちの一部の行に対して行われても良い。次に、光センサ読取制御回路200は、入力パルス信号INPのパルスが画像情報の読み出しを行う開始行(以下、「読み出し開始行」という。)のシフト回路402に転送されているか否かを判定する(ステップS110)。判定の結果、当該パルスが読み出し開始行のシフト回路402に転送されていればステップS120に進み、当該パルスが読み出し開始行のシフト回路402に転送されていなければステップS115に進む。ステップS115では、光センサ読取制御回路200は、イネーブル信号ENAの論理レベルをローレベルにした状態でシフトクロック信号CKのパルスを生成する。
ここで、読み出し開始行が2行目に設定されているものと仮定する。このとき、図12の時点t0においては、入力パルス信号INPのパルスは1行目のシフト回路402に与えられた状態となっている。すなわち、入力パルス信号INPのパルスは読み出し開始行のシフト回路402には未だ転送されていない。そこで、時点t1に、光センサ読取制御回路200は、イネーブル信号ENAの論理レベルをローレベルにした状態でシフトクロック信号CKのパルスを生成する。これにより、入力パルス信号INPのパルスが読み出し開始行に転送された状態となる。
ステップS120では、読み出し対象行の選択が行われる。具体的には、光センサ読取制御回路200は、読み出し対象行のシフト回路402に入力パルス信号INPのパルスが与えられている状態で、シフトクロック信号CKのパルスを生成する(図12の時点t2)。これにより、読み出し対象行のシフト回路402からハイレベルの信号が出力され、当該ハイレベルの信号は、読み出し対象行のAND回路404に与えられる。
次に、読取データラインDR1〜DRnおよび読み出し対象行の光センサに蓄積されている電荷の放電が行われる(ステップS130)。具体的には、光センサ読取制御回路200は、イネーブル信号ENAの論理レベルをローレベルにした状態で、読取線リセットパルス信号RSTの論理レベルをハイレベルにする(図12の時点t3)。これにより、読取線リセット用TFT304がオン状態となり、読取データラインDR1〜DRnに蓄積されている電荷が放電される。さらに、光センサ読取制御回路200は、読取線リセットパルス信号RSTの論理レベルをハイレベルにした状態で、イネーブル信号ENAの論理レベルをハイレベルにする(図12の時点t4)。これにより、読取線リセット用TFT304と読取制御用TFT128とがオン状態となり、読み出し対象行の光センサの補助容量126に蓄積されている電荷が放電される。さらに、光センサ読取制御回路200は、読取線リセットパルス信号RSTおよびイネーブル信号ENAの論理レベルをハイレベルにした状態で、露光時間制御パルス信号CTLの論理レベルをハイレベルにする(図12の時点t5)。これにより、露光制御用TFT118がオン状態となり、読み出し対象行の光センサのフォトダイオード116に蓄積されている電荷が放電される。
次に、光センサへの露光が行われる(ステップS140)。具体的には、光センサ読取制御回路200は、露光時間制御パルス信号CTLの論理レベルをハイレベルにした状態で、読取線リセットパルス信号RSTおよびイネーブル信号ENAの論理レベルをローレベルにする(図12の時点t6)。これにより、露光制御用TFT118はオン状態、読取制御用TFT128はオフ状態となり、読み出し対象行の光センサのフォトダイオード116が受けた光量に応じて当該光センサの補助容量126に電荷が蓄積される。そして、露光開始時点から予め設定された期間の経過後、光センサ読取制御回路200は、露光時間制御パルス信号CTLの論理レベルをローレベルにする(図12の時点t7)。これにより、露光制御用TFT118はオフ状態となり、読み出し対象行の光センサへの露光は終了する。
次に、光センサへの露光により蓄積された電荷の読み出しが行われる(ステップS150)。具体的には、光センサ読取制御回路200は、イネーブル信号ENAの論理レベルをハイレベルにする(図12の時点t8)。これにより、読取制御用TFT128はオン状態となり、読み出し対象行の光センサの補助容量126に蓄積されている電荷に応じた電圧が読取用オペアンプ302に与えられる。なお、補助容量126に蓄積されている電荷量Qは、補助容量126の静電容量値をCとし、補助容量126に印加されている電圧をVとすると、次式(1)で算出される。
Q=C×V ・・・(1)
読取用オペアンプ302では、電圧の増幅が行われ、増幅後のアナログ電圧AVが光センサ読取制御回路200内のAD変換回路216に与えられる。
次に、メモリ(不図示)へのデータの転送が行われる(ステップS160)。具体的には、AD変換回路216によって、アナログ電圧AVがデジタルデータに変換される。そして、そのデジタルデータは輝度データとしてメモリに格納される。なお、パネル部10から取得されるデータにばらつき(例えば行毎あるいは列毎のばらつき)がある場合に、図14に示すような「読取電圧と補正後電圧とを対応づけた補正用換算データ」に基づいてデータの補正が施されるようにしても良い。
次に、光センサ読取制御回路200は、読み出し対象行が画像情報の読み出しを行う最後の行(以下、「読み出し終了行」という。)であるか否かを判定する(ステップS170)。判定の結果、読み出し対象行が読み出し終了行であればステップS180に進み、読み出し対象行が読み出し終了行でなければステップS120に戻る。これにより、画像情報を読み出す行としてステップS100で設定された行の数に等しい回数だけ、ステップS120からステップS170までの処理が繰り返される。
ステップS180では、光センサ読取制御回路200は、イネーブル信号ENAの論理レベルをローレベルにした状態で、シフトクロック信号CKのパルスを生成する。これにより、入力パルス信号INPのパルスが後続行のシフト回路402に与えられる。次に、光センサ読取制御回路200は、入力パルス信号INPのパルスがm行目のシフト回路402に与えられているか否かを判定する(ステップS190)。判定の結果、当該パルスがm行目のシフト回路402に与えられていればステップS200に進み、当該パルスがm行目のシフト回路402に与えられていなければステップS180に戻る。なお、ステップS200に進んだ時点においては、画像情報の読み出しが行われるべき全ての行についての輝度データがメモリに転送されていることになる。また、メモリには、1画素につき3つの輝度データが格納されることになる。
ステップS200では、光センサ読取制御回路200によって最適値選択処理が行われる。最適値選択処理についての詳しい説明は後述する。最適値選択処理が終了すると、画像読取処理は終了する。なお、本実施形態においては、ステップS150,S160によって電荷読み出し部が実現されている。
図1は、最適値選択処理(図13のステップS200)の手順を示すフローチャートである。最適値選択処理の開始後、まず、光センサ読取制御回路200は、1画素分(単位画素分)の3つの輝度データをメモリから読み出す(ステップS210)。なお、ここでは、赤色用光センサ544Rの露光に基づく輝度データのことを「赤色輝度データRD」といい、緑色用光センサ544Gの露光に基づく輝度データのことを「緑色輝度データGD」といい、青色用光センサ544Bの露光に基づく輝度データのことを「青色輝度データBD」という。すなわち、ステップS210では、1画素分についての赤色輝度データRDと緑色輝度データGDと青色輝度データBDとがメモリから読み出される。
次に、光センサ読取制御回路200は、赤色輝度データRDに基づいて、赤色用光センサ544Rについての露光がオーバー露光であるか否かを判定する(ステップS220)。これについては、補助容量126が飽和状態となる電荷量(図11のQH)(第1の閾値)に上式(1)で算出される電荷量が等しくなっていれば、オーバー露光であると判定され、そうでなければ、オーバー露光ではないと判定される。判定の結果、オーバー露光であればステップS230に進み、オーバー露光でなければステップS225に進む。なお、ステップS220においては、「上式(1)で算出される電荷量が、補助容量126が飽和状態となる電荷量以上であるか否か」によってオーバー露光であるか否かの判定が行われても良い。
ステップS225では、光センサ読取制御回路200によって第1データ処理が行われる。第1データ処理では、赤色輝度データRDの値が予め定められた値(第2の閾値)以下であれば、現在処理が行われている画素(以下、「処理対象画素」という。)の輝度値は「0」(最小輝度データに相当)とされ、赤色輝度データRDの値が予め定められた値よりも大きければ、処理対象画素の輝度値は赤色輝度データRDの値とされる。但し、例外的に、緑色輝度データGDと青色輝度データBDとを用いた所定の計算によって赤色輝度データRDの値が異常である旨の判定がなされたときには、処理対象画素の輝度値は緑色輝度データGDの値とされる。ステップS225の終了後、ステップS260に進む。
ステップS230では、光センサ読取制御回路200は、緑色輝度データGDに基づいて、緑色用光センサ544Gについての露光がオーバー露光であるか否かを判定する。判定の結果、オーバー露光であればステップS240に進み、オーバー露光でなければステップS235に進む。ステップS235では、光センサ読取制御回路200によって第2データ処理が行われる。第2データ処理では、緑色輝度データGDの値が処理対象画素の輝度値とされる。但し、例外的に、青色輝度データBDを用いた所定の計算によって緑色輝度データGDの値が異常である旨の判定がなされたときには、処理対象画素の輝度値は青色輝度データBDの値とされる。ステップS235の終了後、ステップS260に進む。
ステップS240では、光センサ読取制御回路200は、青色輝度データBDに基づいて、青色用光センサ544Bについての露光がオーバー露光であるか否かを判定する。判定の結果、オーバー露光であればステップS250に進み、オーバー露光でなければステップS245に進む。ステップS245では、光センサ読取制御回路200によって第3データ処理が行われる。第3データ処理では、青色輝度データBDの値が処理対象画素の輝度値とされる。ステップS245の終了後、ステップS260に進む。
ステップS250では、光センサ読取制御回路200によって第4データ処理が行われる。第4データ処理では、オーバー露光である旨を示す値(最大輝度データに相当)が処理対象画素の輝度値とされる。
次に、撮像画像全体の輝度を考慮して各画素についての階調値を決定する処理(比例換算処理)が行われる(ステップS260)。ステップS260では、次のようにして各画素の階調値が決定される。オーバー露光である旨を示す値が輝度値とされている画素については、取り得る階調値のうちの最大値が当該画素の階調値とされる。輝度値が「0」とされている画素については、取り得る階調値のうちの最小値が当該画素の階調値とされる。オーバー露光である旨を示す値以外の値のうちの最大値(変換用最大値)が輝度値とされている画素については、取り得る階調値のうちの最大値から1を減じた値が当該画素の階調値とされる。「0」以外の値のうちの最小値(変換用最小値)が階調値とされている画素については、取り得る階調値のうちの最小値から1を加算した値が当該画素の画素値とされる。上記以外の画素については、変換用最大値と変換用最小値との差に対する輝度データの値と変換用最小値との差の比と、変換用最大値に対応付けられている階調値と変換用最小値に対応付けられている階調値との差に対する輝度データの変換後のデータの階調値と変換用最小値に対応付けられている階調値との差の比とが等しくなるように、輝度データの階調値への変換が行われる。
例えば、上記変換用最大値が「1000」かつ上記変換用最小値が「10」であって、輝度データが「0」から「255」までの256階調値のデータに変換されるときには、以下のようにして各画素の階調値が決定される。オーバー露光である旨を示す値が輝度値とされている画素については、階調値は「255」とされる。輝度値が「0」とされている画素については、階調値は「0」とされる。オーバー露光である旨を示す値以外の値のうちの最大値が輝度値とされている画素については、階調値は「254」とされる。「0」以外の値のうちの最小値が階調値とされている画素については、階調値は「1」とされる。上記以外の画素については、輝度値をXとすると、階調値Yは次式(2)で算出される。
Y=1+(X−10)×(254−1)/(1000−10) ・・・(2)
図15は、比例換算処理について説明するための図である。図15には、アンダー露光のデータ(輝度値が「0」のデータ)とオーバー露光のデータとを除く輝度データの分布の一例が示されている。輝度データが図15に示すように分布しているとき、符号K1で示す輝度値は階調値「1」に変換され、符号K2で示す輝度値は階調値「254」に変換される。符号K1で示す輝度値以上で符号K2で示す輝度値以下の輝度値については、上式(2)で算出される階調値に変換される。
ステップS260が終了すると、最適値選択処理は終了する。なお、ステップS210からステップS250までの処理は、画像情報の読み出しが行われた行に含まれる全ての画素について行われる。これについては、並列処理で行われるようにしても良いし、ループ処理で繰り返し行われるようにしても良い。
なお、本実施形態においては、ステップS220,ステップS230,およびステップS240によってデータ比較部が実現され、ステップS225,ステップS235,ステップS245,およびステップS250によってデータ選択部が実現され、ステップS260によってデータ変換部が実現されている。
ここで、或る強さの光による露光が継続して行われた場合に赤色用光センサ544R,緑色用光センサ544G,および青色用光センサ544Bの補助容量126に蓄積される電荷に対応する電圧(当該電荷に基づいて読取用オペアンプ302に与えられる電圧)がそれぞれ図16(a),(b),および(c)に示すように変化するとき、上記ステップS220からステップS250までの処理で処理対象画素の輝度値がどのように決定されるかについて説明する。なお、図16において、符号VHはオーバー露光に対応する電圧であって、符号VLはアンダー露光に対応する電圧である(図17〜図21も同様)。また、図16において、符号VR,VG,およびVBで示す線はそれぞれ赤色用光センサ544R,緑色用光センサ544G,および青色用光センサ544Bの補助容量126に蓄積される電荷に基づく電圧の変化を示している(図17〜図21も同様)。
図17に示すように、赤色輝度データRD,緑色輝度データGD,および青色輝度データBDに対応する電圧値がいずれも所定の基準電圧値VLよりも小さいときには、第1データ処理が行われ、処理対象画素の輝度値は「0」とされる。図18に示すように、赤色輝度データRDに対応する電圧値が基準電圧値VL以上であって、かつ、赤色用光センサ544Rについての露光がオーバー露光でないときには、第1のデータ処理が行われ、赤色輝度データRDの値が処理対象画素の輝度値とされる。図19に示すように、赤色用光センサ544Rについての露光がオーバー露光であって、かつ、緑色輝度データGDに対応する電圧値が基準電圧値VL以上であって、かつ、緑色用光センサ544Gについての露光がオーバー露光でないときには、第2のデータ処理が行われ、緑色輝度データGDの値が処理対象画素の輝度値とされる。図20に示すように、赤色用光センサ544Rについての露光と緑色用光センサ544Gについての露光とがオーバー露光であって、かつ、青色輝度データBDに対応する電圧値が基準電圧値VL以上であって、かつ、青色用光センサ544Bについての露光がオーバー露光でないときには、第3のデータ処理が行われ、青色輝度データBDの値が処理対象画素の輝度値とされる。図21に示すように、赤色用光センサ544R,緑色用光センサ544G,および青色用光センサ544Bについての露光がいずれもオーバー露光であるときには、第4のデータ処理が行われ、オーバー露光である旨を示す値が処理対象画素の輝度値とされる。
<4.効果>
本実施形態によれば、パネル部10には単位画素毎に感度の異なる3つの光センサ(赤色用光センサ544R,緑色用光センサ544G,および青色用光センサ544B)が設けられている。画像読取処理の際には、それら3つの光センサの補助容量126に蓄積されている電荷が読み出され、読み出された電荷の量に基づいて、各光センサについての露光がオーバー露光であるか否かの判定が行われる。そして、各画素について、オーバー露光ではない光センサのうちの最も感度の高い光センサの補助容量126に蓄積されている電荷に基づいて、階調値が決定される。ここで、各画素に設けられている3つの光センサの感度は上述のようにそれぞれ異なっている。このため、露光開始時点からオーバー露光となるまでの時間(期間)は光センサ毎に異なる。これについて図22を参照しつつ説明する。図22は、光の輝度と各光センサがオーバー露光するまでの時間との関係を示す図である。図22に示すように、赤色用光センサ544Rが比較的短い時間でオーバー露光となるような輝度(符号Z1で示す輝度)であっても、緑色用光センサ544Gや青色用光センサ544Bについてはそのような短い時間ではオーバー露光とはならない。また、緑色用光センサ544Gが比較的短い時間でオーバー露光となるような輝度(符号Z2で示す輝度)であっても、青色用光センサ544Bについてはそのような短い時間ではオーバー露光とはならない。このように、或る一定期間だけ露光が行われたときにオーバー露光となる光センサが存在していても、オーバー露光とはならない比較的感度の低い光センサが含まれていれば、輝度データの取得は正常に行われる。一方、或る一定期間だけ露光が行われたときにアンダー露光となる光センサが存在していても、アンダー露光とはならない比較的感度の高い光センサが含まれていれば、輝度データの取得は正常に行われる。以上のように、1度の撮像で広範囲の輝度データを取得することが可能となる。
また、各光センサについての露光がオーバー露光であるか否かの判定については、光センサの感度の高い順に行われる。このため、或る画素においてオーバー露光ではない光センサが複数存在するときに、それら複数の光センサのうち最も感度の高い光センサについてのみ「オーバー露光であるか否か」の判定が行われる。このため、最適値選択処理において当該判定処理が行われる回数が最小化され、処理速度が向上する。
さらに、各画素についての複数の輝度データのうち第1〜第3データ処理のいずれかによって選択されたデータは、撮像画像全体の輝度を考慮しつつ、比例換算処理によって階調値を示すデータに変換される。このため、撮像画像が全体的に暗い場合や全体的に明るい場合にも、当該撮像画像を再現するための画像データについて、ある程度のコントラストが確保される。
<5.変形例>
<5.1 第1の変形例>
上記実施形態においては、感度の異なる複数のセンサを用意するために、緑色用光センサ544Gおよび青色用光センサ544Bの受光面がトレンチ部63によって第1の領域61と第2の領域62とに分離され、かつ、第1の領域61の面積が緑色用光センサ544Gと青色用光センサ544Bとで異なるように形成されていたが、本発明はこれに限定されない。図23に示すように、開口部の大きさを色毎に異ならせることによって光センサの感度が色毎に異なるようにしても良い。例えば、緑色用光センサ544Gの感度が赤色用光センサ544Rの感度の10分の1となり、かつ、青色用光センサ544Bの感度が緑色用光センサ544Gの感度の10分の1となるように、赤色用開口部524R,緑色用開口部524G,および青色用開口部524Bが形成されれば良い。
<5.2 第2の変形例>
上記実施形態においては、オーバー露光以外の輝度データのうちの最大値とアンダー露光以外の輝度データのうちの最小値とに基づいて比例換算処理が行われていたが、本発明はこれに限定されない。比例換算処理によって、例えば次のようにして各画素の階調値が決定されても良い。オーバー露光である旨を示す値が輝度値とされている画素については、取り得る階調値のうちの最大値が当該画素の階調値とされる。輝度値が「0」とされている画素については、取り得る階調値のうちの最小値が当該画素の階調値とされる。オーバー露光である旨を示す値以外の値のうちの最大値が輝度値とされている画素については、取り得る階調値のうちの最大値から1を減じた値が当該画素の階調値とされる。「0」以外の値のうちの最小値が階調値とされている画素については、取り得る階調値のうちの最小値から1を加算した値が当該画素の画素値とされる。上記以外の画素については、輝度データの値の対数の平均値を変換用重心値とし、オーバー露光である旨を示す値以外の値のうちの最大値の対数を変換用最大値とし、「0」以外の値のうちの最小値の対数を変換用最小値として、以下のように階調値が決定される。輝度データの値の対数が変換用最小値以上かつ変換用重心値以下であれば、変換用重心値と変換用最小値との差に対する輝度データの値の対数と変換用最小値との差の比と、変換用重心値に対応付けられている階調値と変換用最小値に対応付けられている階調値との差に対する輝度データの変換後のデータの階調値と変換用最小値に対応付けられている階調値との差の比とが等しくなるように、輝度データの階調値への変換が行われ、輝度データの値の対数が変換用重心値以上かつ変換用最大値以下であれば、変換用最大値と変換用重心値との差に対する輝度データの値の対数と変換用重心値との差の比と、変換用最大値に対応付けられている階調値と変換用重心値に対応付けられている階調値との差に対すると輝度データの変換後のデータの階調値と変換用重心値に対応付けられている階調値との差の比とが等しくなるように、輝度データの階調値への変換が行われる。なお、変換用重心値については、取り得る階調値の中央値に対応付けられる。
例えば、輝度データの値について、オーバー露光である旨を示す値以外の値のうちの最大値の対数が「10」であり、「0」以外の値のうちの最小値の対数が「1」であり、輝度データの値の対数の平均値が「5」であって、輝度データが「0」から「255」までの256階調値のデータに変換されるときには、以下のようにして各画素の階調値が決定される。オーバー露光である旨を示す値が輝度値とされている画素については、階調値は「255」とされる。輝度値が「0」とされている画素については、階調値は「0」とされる。オーバー露光である旨を示す値以外の値のうちの最大値が輝度値とされている画素については、階調値は「254」とされる。「0」以外の値のうちの最小値が階調値とされている画素については、階調値は「1」とされる。上記以外の画素については、輝度値の対数をXとすると、Xが「5」以上であれば、階調値Yは次式(3)で算出され、Xが「5」以下であれば、階調値Yは次式(4)で算出される。
Y=128+(X−5)×(254−128)/(10−5) ・・・(3)
Y=1+(X−1)×(128−1)/(5−1) ・・・(4)
図24は、本変形例における比例換算処理について説明するための図である。図24には、アンダー露光のデータ(輝度値が「0」のデータ)とオーバー露光のデータとを除く輝度値の対数のデータの分布の一例が示されている。輝度値の対数のデータが図24に示すように分布しているとき、対数の値が符号K3で示す値となる輝度値は階調値「1」に変換され、対数の値が符号K4で示す値となる輝度値は階調値「128」に変換され、対数の値が符号K5で示す値となる輝度値は階調値「254」に変換される。なお、符号K4で示す値は上記変換用重心値とする。対数の値が符号K3で示す値以上で符号K4で示す値以下となる輝度値については、上式(3)で算出される階調値に変換される。対数の値が符号K4で示す値以上で符号K5で示す値以下となる輝度値については、上式(4)で算出される階調値に変換される。
人の視覚感度は対数関数に従うことが経験的に知られているところ、本変形例によれば、各単位画素に対応する複数の輝度データのうちの第1〜第3データ処理のいずれかによって選択されたデータは、人の視覚感度を考慮しつつ、階調値を示すデータに変換される。このため、人の感覚に適合した画像の再現が可能な画像データが生成される。
<5.3 第3の変形例>
上記実施形態においては、画像読取処理の際に一度だけ撮像が行われるように構成されていたが、撮像が複数回行われる構成にして更に広範囲の輝度が取得されるようにすることもできる。例えば、露光時間がT11に設定されているときに図25(a)に示すように赤色用光センサ544Rでの露光がアンダー露光となった場合、図25(b)に示すように露光時間をT12にして再度撮像を行うことにより、より小さな輝度のデータの取得が可能となる。また、露光時間がT22に設定されているときに図26(a)に示すように青色用光センサ544Bでの露光がオーバー露光となった場合、図26(b)に示すように露光時間をT21にして再度撮像を行うことにより、より大きな輝度のデータの取得が可能となる。
10…パネル部
11…画素形成部
20…制御回路
30…読み書き回路
40…選択回路
110…光感知部
116…フォトダイオード
118…露光制御用TFT
120…電荷蓄積部
126…補助容量
128…読取制御用TFT
190…表示部
192…表示用TFT
200…光センサ読取制御回路
218…補正部
300…光センサ読取回路
302…読取用オペアンプ
304…読取線リセット用TFT
306…電荷読取部
400…光センサ読取選択回路
544R…赤色用光センサ
544G…緑色用光センサ
544B…青色用光センサ
CK…シフトクロック信号
CTL…露光時間制御パルス信号
ENA…イネーブル信号
INP…入力パルス信号
RST…読取線リセットパルス信号

Claims (7)

  1. 画像を読み取る対象である被写体が撮像時に配置されるべきパネル部と、前記パネル部の内部に設けられ受光素子と該受光素子の受けた光量に応じた電荷が蓄積される容量とを含む光センサと、前記容量に蓄積された電荷に基づいて前記被写体の撮像画像を表す画像データを生成する画像読取処理部とを備えた画像読取装置であって、
    前記パネル部は、前記撮像画像の最小単位となる単位画素毎に、感度の異なる複数の前記光センサを有し、
    前記画像読取処理部は、
    各光センサの容量に蓄積された電荷を読み出して当該各光センサの輝度データとして取得する電荷読み出し部と、
    予め定められた第1の閾値と前記輝度データの値とを比較するデータ比較部と、
    前記データ比較部による比較結果に基づいて、単位画素毎に、前記画像データを構成すべきデータを前記複数の光センサの輝度データから選択するデータ選択部と
    を有し、
    前記データ選択部では、前記第1の閾値よりも前記輝度データの値が小さい光センサのうち最も感度の高い光センサの輝度データが、前記画像データを構成すべきデータとして選択されることを特徴とする、画像読取装置。
  2. 前記データ比較部は、単位画素毎に、前記複数の光センサの感度の高い順に前記第1の閾値と各光センサの輝度データの値とを比較することを特徴とする、請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記データ選択部は、
    単位画素に設けられている前記複数の光センサ全ての輝度データの値が前記第1の閾値以上であれば、取り得る輝度のうちの最大の輝度であることを示す最大輝度データを、当該単位画素についての前記画像データを構成すべきデータとして選択し、
    単位画素に設けられている前記複数の光センサ全ての輝度データの値が予め定められた第2の閾値以下であれば、取り得る輝度のうちの最小の輝度であることを示す最小輝度データを、当該単位画素についての前記画像データを構成すべきデータとして選択することを特徴とする、請求項1または2に記載の画像読取装置。
  4. 前記画像読取処理部は、各単位画素について前記データ選択部によって選択されたデータである被選択データを、前記撮像画像全体についての複数の前記被選択データの値に基づいて、階調値を示すデータに変換するデータ変換部を更に有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の画像読取装置。
  5. 前記第1の閾値よりも値の小さい輝度データのうちの値の最大値を変換用最大値とし、前記第2の閾値よりも値の大きい輝度データのうちの値の最小値を変換用最小値としたときに、
    前記データ変換部は、前記変換用最大値と前記変換用最小値との差に対する前記被選択データの値と前記変換用最小値との差の比と、前記変換用最大値に対応付けられている階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との差に対する前記被選択データの変換後のデータの階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との差の比とが等しくなるように、前記被選択データを変換することを特徴とする、請求項4に記載の画像読取装置。
  6. 前記第1の閾値よりも値の小さい輝度データのうちの値の最大値の対数を変換用最大値とし、前記第2の閾値よりも値の大きい輝度データのうちの値の最小値の対数を変換用最小値とし、前記撮像画像全体についての輝度データの値の対数分布の重心となる値を変換用重心値としたときに、
    前記データ変換部は、
    前記被選択データの値の対数が前記変換用最小値以上かつ前記変換用重心値以下であれば、前記変換用重心値と前記変換用最小値との差に対する前記被選択データの値の対数と前記変換用最小値との差の比と、前記変換用重心値に対応付けられている階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との差に対する前記被選択データの変換後のデータの階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との差の比とが等しくなるように、前記被選択データを変換し、
    前記被選択データの値の対数が前記変換用重心値以上かつ前記変換用最大値以下であれば、前記変換用最大値と前記変換用重心値との差に対する前記被選択データの値の対数と前記変換用重心値との差の比と、前記変換用最大値に対応付けられている階調値と前記変換用重心値に対応付けられている階調値との差に対すると前記被選択データの変換後のデータの階調値と前記変換用重心値に対応付けられている階調値との差の比とが等しくなるように、前記被選択データを変換し、
    前記変換用重心値に対応付けられている階調値は、前記変換用最大値に対応付けられている階調値と前記変換用最小値に対応付けられている階調値との中央値であることを特徴とする、請求項4に記載の画像読取装置。
  7. 前記データ変換部は、前記撮像画像全体についての輝度データの値の対数の平均値を前記変換用重心値とすることを特徴とする、請求項6に記載の画像読取装置。
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