JP2010160715A - 車両用電子制御ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】実行頻度が異なる演算処理を複数のCPUで実行する計算システムにおいて、CPU間で処理負荷を適切に分散できる車両用電子制御ユニットを提供すること。
【解決手段】CPUの処理負荷が基準値を超えたことを判定する手段と、参考処理時間情報を処理毎に記憶する手段と、処理を各CPUが実行した実行回数を処理毎にカウントする手段と、処理負荷が前記基準値を超えた第1のCPUの実行時間累計と、実行時間累計を合計した総実行時間を算出し、総実行時間に対する実行時間累計の割合を処理毎に算出する手段と、第2のCPUの参考処理時間情報に対する第1のCPUの参考処理時間情報の処理毎割合を処理毎に求めその合計から換算係数を算出する手段と、総実行時間に換算係数を乗じて、第2のCPUに移動される移動候補を含め、第2のCPUの見積もり実行時間を算出する手段と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】CPUの処理負荷が基準値を超えたことを判定する手段と、参考処理時間情報を処理毎に記憶する手段と、処理を各CPUが実行した実行回数を処理毎にカウントする手段と、処理負荷が前記基準値を超えた第1のCPUの実行時間累計と、実行時間累計を合計した総実行時間を算出し、総実行時間に対する実行時間累計の割合を処理毎に算出する手段と、第2のCPUの参考処理時間情報に対する第1のCPUの参考処理時間情報の処理毎割合を処理毎に求めその合計から換算係数を算出する手段と、総実行時間に換算係数を乗じて、第2のCPUに移動される移動候補を含め、第2のCPUの見積もり実行時間を算出する手段と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用電子制御ユニットに関し、特に、車両用電子制御ユニットが有する複数のCPUで処理負荷を分散できる車両用電子制御ユニットに関する。
1つの計算装置が複数のCPUやCPUコア(以下、単にCPUという)を有している場合に、CPU間で処理負荷を分散することで、計算装置全体の処理効率を向上できる場合がある。処理負荷を分散する場合、CPUの処理負荷を監視してある程度の偏りが生じると処理負荷の高いCPUから低いCPUに演算処理(タスク)を移動することが多い。しかし、CPUの処理能力が異なる場合、単に演算処理をCPU間で移動しただけでは余裕があると思われた分散先のCPUで過負荷となるおそれがある。
このような点について、CPUの処理能力に応じて処理負荷を分散する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、各CPUのデフォルトの処理能力と、処理時間に基づき算出した処理能力をそれぞれテーブルに記憶しておき、これらのテーブルを参照して処理負荷を分散する画像処理装置が開示されている。
特開2006−163674号公報
しかしながら、特許文献1に記載された画像処理装置は、各演算処理が均等に発生することを前提にしているため、演算処理が割り込みなどにより不規則に発生する計算装置では処理負荷の分散が不適切となるという問題がある。例えば、制御系に実装される計算システムは、割り込みが随時発生するため各演算処理の実行頻度が異なっていることの方が多い。この場合、実行頻度の少ない演算処理の処理時間に基づき算出した処理能力と、実行頻度の多い演算処理の処理時間に基づき算出した処理能力と、を同等に扱うと次のような不都合がある。例えば、処理負荷が低く処理能力も低いCPUに実行頻度の多い演算処理が移動する可能性があり、この場合、演算処理の移動先のCPUが過負荷となるおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑み、実行頻度が異なる演算処理を複数のCPUで実行する計算システムにおいて、CPU間で処理負荷を適切に分散できる車両用電子制御ユニットを提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、複数のCPUがそれぞれ複数の処理を実行する車両用電子制御ユニットにおいて、いずれかのCPUの処理負荷が基準値を超えたことを判定する手段と、各CPUによる処理の参考処理時間情報を処理毎に記憶する手段と、処理を各CPUが実行した実行回数を処理毎にカウントする手段と、処理負荷が基準値を超えた第1のCPUの参考処理時間情報に実行回数を乗じた処理毎の実行時間累計と、実行時間累計を合計した総実行時間を算出し、総実行時間に対する実行時間累計の割合を処理毎に算出する手段と、第2のCPUの参考処理時間情報に対する第1のCPUの参考処理時間情報の処理毎割合を処理毎に求め、処理毎割合の合計から換算係数を算出する手段と、総実行時間に換算係数を乗じて、第2のCPUに移動される移動候補を含め、第2のCPUで実行される複数の処理を実行した場合の見積もり実行時間を算出する手段と、見積もり実行時間に基づき第1のCPUから第2のCPUに処理を移動してよいか否かを判定する手段と、を有することを特徴とする。
実行頻度が異なる演算処理を複数のCPUで実行する計算システムにおいて、CPU間で処理負荷を適切に分散できる車両用電子制御ユニットを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、負荷分散システム100の全体的な構成を模式的に説明する図の一例である。負荷分散システム100は、電子制御ユニット10、CPU負荷分散判定装置20、及び、負荷見積もり装置30とを有する。この負荷分散システム100では、電子制御ユニット10がCPU_AからCPU_Bに処理Aを移動する際、負荷見積もり装置30が移動先のCPU_Bの「見積もり実行時間」を算出することを特徴とする。
見積もり実行時間とは、CPU_Bにその処理を移動したと仮定した場合に、CPU_Bの総実行時間を見積もった値である。総実行時間はCPU_Bにおいて実行しうる処理(以下、見積もり対象処理という)の実行時間を合計したものである。この見積もり実行時間と閾値とを比較することで、CPU負荷分散判定装置20は、CPU_AからCPU_Bに処理を移動してよいか否かを判定できる。
図1では、電子制御ユニット10、CPU負荷分散判定装置20、及び、負荷見積もり装置30をそれぞれ別体に記載したが、電子制御ユニット10がCPU負荷分散判定装置20及び負荷見積もり装置30の少なくとも一方の機能を兼用することができる。また、CPU負荷分散判定装置20と負荷見積もり装置30は、いずれも車載されたコンピュータを実体とし、典型的には電子制御ユニットとして実装される。なお、CPU負荷分散判定装置20及び負荷見積もり装置30を一つの電子制御ユニット又は車外のコンピュータで実現してもよい。
〔電子制御ユニット10〕
電子制御ユニット10は、CPU_AとCPU_Bの2つのCPUを有する。なお、CPU_AとCPU_Bのアーキテクチャは異なっており、両者が同じ処理を実行しても処理時間が異なっている。
電子制御ユニット10は、CPU_AとCPU_Bの2つのCPUを有する。なお、CPU_AとCPU_Bのアーキテクチャは異なっており、両者が同じ処理を実行しても処理時間が異なっている。
電子制御ユニット10は、例えばエンジンECU(Electronic Control Unit)、パワートレイン系ECU、ブレーキECU及びナビゲーションECU等が知られているが、これらを集約したECU等、電子制御ユニット10はどのような車載装置を制御するものでもよい。なお、電子制御ユニット10は、CPU_A、CPU_Bの他に、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、RAM、ROM、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及び入出力端子等を備えたコンピュータを実体とする。入出力端子には、各種のセンサ、アクチュエータ、スイッチ素子等が接続されている。
〔CPU負荷分散判定装置20〕
CPU負荷分散判定装置20は、CPU_AとCPU_Bの処理負荷を監視している。CPU負荷分散判定装置20は、CPU_A、CPU_Bの処理負荷を、CPU使用率やタスクキューに登録された処理数から算出する。CPU_AのCPU使用率は、所定時間(例えば、数十ミリ秒から数秒程度)におけるCPU_Aが処理を実行した時間の割合である。CPU_Bについても同様に算出できる。すなわち、CPU_Aが処理していないアイドル状態では処理負荷が十分に低いとして、CPU使用率から処理負荷の指標を算出することができる。
CPU負荷分散判定装置20は、CPU_AとCPU_Bの処理負荷を監視している。CPU負荷分散判定装置20は、CPU_A、CPU_Bの処理負荷を、CPU使用率やタスクキューに登録された処理数から算出する。CPU_AのCPU使用率は、所定時間(例えば、数十ミリ秒から数秒程度)におけるCPU_Aが処理を実行した時間の割合である。CPU_Bについても同様に算出できる。すなわち、CPU_Aが処理していないアイドル状態では処理負荷が十分に低いとして、CPU使用率から処理負荷の指標を算出することができる。
タスクキューはOS(Operating System)のスケジューラがCPU_A、CPU_B毎に実行する処理を登録するリスト状のメモリ領域である。CPU_Aが実行する処理のリストであるCPU_Aのタスクキューの処理数、及び、CPU_Bが実行する処理のリストであるCPU_Bのタスクキューの処理数をそれぞれ監視すれば、処理負荷の指標とすることができる。CPU負荷分散判定装置20は、CPU使用率やタスクキューに登録された処理数を、処理負荷を算出する所定の算出式に代入して、サイクル時間毎にCPU_AとCPU_Bの処理負荷を算出する。
また、CPU負荷分散判定装置20は、CPU_A(又はCPU_B)の処理負荷が基準値を超えると、基準値を超えていない方のCPU_B(又はCPU_A)に処理を移動できるか否かを判定する。判定のため、CPU負荷分散判定装置20は、負荷見積もり装置30に見積もり実行時間の算出を要求する。以下、CPU_Aの処理負荷が基準値を超え、CPU_Bに処理を移動できるか否かを判定するものとする。
なお、移動対象となる処理は、CPU_Aで実行していて、かつ、CPU_Bで実行していない処理である。CPU_Aが複数の処理を実行している場合、CPU負荷分散判定装置20は、移動候補の処理を決定する。移動候補の処理の決定にはいくつか方法がある。CPU_Aの処理負荷を低減することが目的なので、例えば、実行頻度の大きい処理を移動候補に決定することができる。また、実行時間累計の大きい処理を移動候補に決定することができる。実行頻度と実行時間累計は、次述する負荷見積もり装置30により算出されており、負荷分散システム100で共有することができる。また、単に、CPU_Aが現在は実行してない処理を移動候補にしてもよい。
CPU負荷分散判定装置20は、移動候補の処理について、負荷見積もり装置30に見積もり実行時間の算出を要求する。負荷見積もり装置30は、移動候補の処理を含めた見積もり対象処理の見積もり実行時間を算出する。
負荷見積もり装置30がCPU_Bの見積もり実行時間を算出すると、CPU負荷分散判定装置20は、CPU_Bの見積もり実行時間と閾値を比較して、処理AをCPU_Bに移動することができるか否かを判定する。CPU_Bの見積もり実行時間が、後述するCPU_Aの総実行時間よりも小さければ、CPU_Aの処理負荷も低減でき、CPU_Bの処理負荷も過負荷とはならないと考えられる。したがって、例えばこの閾値は、CPU_Aの総実行時間とすることができる。また、CPU_Bに若干の高負荷を許容してCPU_Aの総実行時間×α(>1)を閾値にしてもよいし、CPU_Bの余裕を考慮してCPU_Aの総実行時間×β(<1)を閾値にしてもよい。
また、CPU_Aの総実行時間に基づき閾値を決定するのでなく、CPU_Bの見積もり実行時間と処理負荷の換算テーブルを予め定めておき、処理AをCPU_Bに移動することができるか否かを判定してもよい。この場合、CPU負荷分散判定装置20は、換算テーブルを参照して変換した処理負荷が上記の基準値を超えるか否かにより、処理AをCPU_Bに移動することができるか否かを判定する。
〔負荷見積もり装置30〕
負荷見積もり装置30は、CPU_Bの「見積もり実行時間」を算出する。
図2は、見積もり実行時間の算出を模式的に説明する図の一例である。図2の括弧内の数字は、以下の見積もり実行時間の算出手順の順番を示すものである。
負荷見積もり装置30は、CPU_Bの「見積もり実行時間」を算出する。
図2は、見積もり実行時間の算出を模式的に説明する図の一例である。図2の括弧内の数字は、以下の見積もり実行時間の算出手順の順番を示すものである。
(1)負荷見積もり装置30は、予めCPU毎に各基本演算の処理時間を算出しておく。図では、負荷見積もり装置30は基本演算A、B、C…(以下、区別しない場合、基本演算nという)の処理時間を算出する。ここで基本演算nとは、処理から基本的な演算内容を抽出した演算をいう。基本演算nは処理とほぼ同義であるが、CPU_A、CPU_Bが実行する実際の処理と区別するため、負荷見積もり装置30における説明では基本演算nと称す。なお、基本演算Aは処理Aに、基本演算Bは処理Bに、基本演算Cは処理Cに…それぞれ対応する。
また、処理時間は実行時間と同程度であるが、実行時間が、基本演算nをCPU_A、CPU_Bが実際に実行する際に消費した時間であるのに対し、処理時間は基本演算nのベンチマーク処理をCPU_A、CPU_Bが実行した際に消費した時間である。ベンチマーク処理は例えば基本演算nの典型的な処理、基本演算n内の全ての分岐を通過する処理、全てのステップを経る処理等、基本演算nから生成された人工的な処理である。さらに、補正係数を乗じるなどして処理能力値を決定してもよい。
負荷見積もり装置30は、例えば実際にCPU_AとCPU_Bがベンチマーク処理を実行した処理時間を、タイマなどを利用して測定する。なお、各基本演算nの処理時間は負荷見積もり装置30を車載する前に測定しておくことができるので、別のコンピュータが測定してもよい。以下、基本演算Aの処理時間を基本演算A時間、基本演算Bの処理時間を基本演算B時間、基本演算Cの処理時間を基本演算C時間…と称す。基本演算A時間等は、負荷見積もり装置30のEEPROMやROM等のメモリに記憶される。
(2)負荷見積もり装置30は、CPU_Bについて基本演算毎の換算係数を算出する。換算計数は次式で算出される。
換算係数A=CPU_Bの基本演算A時間÷CPU_Aの基本演算A時間
換算係数B=CPU_Bの基本演算B時間÷CPU_Aの基本演算B時間
換算係数C=CPU_Bの基本演算C時間÷CPU_Aの基本演算C時間
すなわち、基本演算n毎に、CPU_BとCPU_Aの処理時間の比が算出される。基本演算nについて、CPU_Bの方が処理能力が高ければ換算係数は1より小さくなり、低ければ換算係数は1より大きくなる。
換算係数A=CPU_Bの基本演算A時間÷CPU_Aの基本演算A時間
換算係数B=CPU_Bの基本演算B時間÷CPU_Aの基本演算B時間
換算係数C=CPU_Bの基本演算C時間÷CPU_Aの基本演算C時間
すなわち、基本演算n毎に、CPU_BとCPU_Aの処理時間の比が算出される。基本演算nについて、CPU_Bの方が処理能力が高ければ換算係数は1より小さくなり、低ければ換算係数は1より大きくなる。
(3)負荷見積もり装置30は、基本演算n毎に重み付け割合を算出する。重み付け割合とは、CPU_Aの総実行時間に対する各基本演算nの実行時間の割合である。重み付け割合を算出するため、負荷見積もり装置30は、各基本演算nの処理時間を測定する。すなわち、基本演算A時間等を用いればよいのでベンチマーク処理の際に取得できる。また、基本演算A時間等の代わりに、電子制御ユニットが実際に基本演算nを実行した際の実行時間を用いてもよい。いずれの値を用いてもCPU_Aが基本演算nを1回実行する時間が得られる。
また、負荷見積もり装置30は、各基本演算nの実行回数をカウントする。実行回数は、電子制御ユニット10が実際に処理を実行した回数である。
したがって、次式から各基本演算n毎に実行時間累計が得られる。
実行時間累計A=基本演算Aを1回実行する時間×基本演算Aの実行回数
実行時間累計B=基本演算Bを1回実行する時間×基本演算Bの実行回数
実行時間累計C=基本演算Cを1回実行する時間×基本演算Cの実行回数
したがって、上記の総実行時間は次式で現すことができる。
総実行時間=実行時間累計A+実行時間累計B+実行時間累計C+…
また、各基本演算nの重み付け割合は次式で現すことができる。
基本演算Aの割合〔%〕=100×実行時間累計A/総実行時間
基本演算Bの割合〔%〕=100×実行時間累計B/総実行時間
基本演算Cの割合〔%〕=100×実行時間累計C/総実行時間
このように各基本演算n毎に重み付け割合を算出することで、実行頻度の大きい基本演算nにおけるCPU_AとCPU_Bの処理能力の比を、CPU_Bの総実行時間に大きく反映させ、逆に、実行頻度の小さい基本演算nにおけるCPU_AとCPU_Bの処理能力の比を、CPU_Bの見積もり時間に小さく反映させることができる。すなわち、単に、基本演算n毎のCPU_AとCPU_Bの処理能力の比により基本演算nを移動するか否かを判定するのでなく、各基本演算n毎の実行頻度に応じて見積もられるCPU_Bの見積もり実行時間に基づき、処理を移動できるか否かを判定できる。
実行時間累計A=基本演算Aを1回実行する時間×基本演算Aの実行回数
実行時間累計B=基本演算Bを1回実行する時間×基本演算Bの実行回数
実行時間累計C=基本演算Cを1回実行する時間×基本演算Cの実行回数
したがって、上記の総実行時間は次式で現すことができる。
総実行時間=実行時間累計A+実行時間累計B+実行時間累計C+…
また、各基本演算nの重み付け割合は次式で現すことができる。
基本演算Aの割合〔%〕=100×実行時間累計A/総実行時間
基本演算Bの割合〔%〕=100×実行時間累計B/総実行時間
基本演算Cの割合〔%〕=100×実行時間累計C/総実行時間
このように各基本演算n毎に重み付け割合を算出することで、実行頻度の大きい基本演算nにおけるCPU_AとCPU_Bの処理能力の比を、CPU_Bの総実行時間に大きく反映させ、逆に、実行頻度の小さい基本演算nにおけるCPU_AとCPU_Bの処理能力の比を、CPU_Bの見積もり時間に小さく反映させることができる。すなわち、単に、基本演算n毎のCPU_AとCPU_Bの処理能力の比により基本演算nを移動するか否かを判定するのでなく、各基本演算n毎の実行頻度に応じて見積もられるCPU_Bの見積もり実行時間に基づき、処理を移動できるか否かを判定できる。
(4)負荷見積もり装置30は、基本演算n全体の換算係数を算出する。
基本演算n全体の換算係数(以下、全体換算係数という)は、CPU_Aにより見積もり対象処理を実行した場合の総実行時間から、基本演算nの移動によりCPU_Bで実行することになる見積もり対象処理の総実行時間への変換係数となる。図示するように、全体換算係数は次式で算出される。
基本演算n全体の換算係数(以下、全体換算係数という)は、CPU_Aにより見積もり対象処理を実行した場合の総実行時間から、基本演算nの移動によりCPU_Bで実行することになる見積もり対象処理の総実行時間への変換係数となる。図示するように、全体換算係数は次式で算出される。
全体換算係数=換算係数A×基本演算Aの割合
+換算係数B×基本演算Bの割合
+換算係数C×基本演算Cの割合…
この全体換算係数は、基本演算n毎のCPU_AとCPU_Bの処理能力の比に、基本演算nの実行頻度に応じた重み付けを考慮した値となるので、CPU_Bに基本演算nを移動した場合にCPU_Bによる総実行時間を精度よく見積もることを可能にする。
+換算係数B×基本演算Bの割合
+換算係数C×基本演算Cの割合…
この全体換算係数は、基本演算n毎のCPU_AとCPU_Bの処理能力の比に、基本演算nの実行頻度に応じた重み付けを考慮した値となるので、CPU_Bに基本演算nを移動した場合にCPU_Bによる総実行時間を精度よく見積もることを可能にする。
(5)負荷見積もり装置30は、見積もり実行時間を算出する。
以上からCPU_Bの見積もり実行時間は次式から算出される。
CPU_Bの見積もり実行時間=総実行時間×全体換算係数
以上からCPU_Bの見積もり実行時間は次式から算出される。
CPU_Bの見積もり実行時間=総実行時間×全体換算係数
〔動作手順〕
図3は、負荷分散システム100の動作手順を示すフローチャート図の一例である。図3のフローチャート図は、例えば内燃機関を搭載した車両ではイグニッションがオンになるとスタートし、電気自動車やハイブリッド車ではメインシステムが起動するとスタートする。
図3は、負荷分散システム100の動作手順を示すフローチャート図の一例である。図3のフローチャート図は、例えば内燃機関を搭載した車両ではイグニッションがオンになるとスタートし、電気自動車やハイブリッド車ではメインシステムが起動するとスタートする。
CPU負荷分散判定装置20は、CPU_A又はCPU_Bが高負荷になったか否かを判定する(S10)。高負荷になる前に、過去の処理負荷の推移から高負荷となることを予測してもよい。
CPU負荷分散判定装置20は、移動候補の処理を決定する(S20)。例えば、CPU_Aにおいて実行頻度又は実行時間累計が最も大きい処理を移動候補の処理とする。
ついで、CPU負荷分散判定装置20は、移動候補が決定できたか否かを判定する(S30)。移動候補を決定できない場合とは、例えば見積もり対象処理の全てについて見積もり実行時間を算出したような場合である。移動候補を決定できない場合(S30のNo)、図3の動作手順は終了する。
移動候補を決定できた場合(S30のYes)、CPU負荷分散判定装置20は負荷見積もり装置30に移動候補の処理Aについて見積もり実行時間の算出を要求する(S40)。これにより、負荷見積もり装置30は上記(1)〜(5)を実行してCPU_Bの見積もり実行時間を算出する(S50)。負荷見積もり装置30は、算出したCPU_Bの見積もり実行時間をCPU負荷分散判定装置20に送出する。
そして、CPU負荷分散判定装置20は、見積もり実行時間が閾値未満か否かを判定する(S60)。CPU_Bの見積もり実行時間が閾値未満の場合(S60のYes)、CPU負荷分散判定装置20は電子制御ユニット10に、処理AをCPU_AからCPU_Bに移動することを許可する(S70)。
これにより、例えば電子制御ユニット10のOSが備えるスケジューラは、CPU_Aのタスクキューに登録されている処理Aを、CPU_Bのタスクキューに登録する。そして、スケジューラは、以降は、処理AをCPU_Bのタスクキューに登録すると共に各処理をスケジューリングする。
なお、CPU_Bの見積もり実行時間が閾値未満でない場合(S60のNo)、CPU負荷分散判定装置20は別の処理を移動候補にして図3の処理を繰り返す。この場合、移動候補を決定できなくなるまで(S30のNo)、図3の動作手順を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態の負荷分散システム100は、基本演算n毎のCPU_AとCPU_Bの処理能力の比に、基本演算nの実行頻度に応じた重み付けを考慮してCPU_Bによる総実行時間を算出するので、処理が割り込みなどにより不規則に発生する制御系のシステムでも処理負荷を適切に分散させることができる。
なお、本実施形態では、電子制御ユニット10がCPU_A、CPU_Bを有する場合を説明したが、さらにCPU_Cを有するなど、3以上のCPUを有していてもよい。この場合、移動候補の処理を移動先のCPUを決定するだけで同様に処理Aを移動できるか否かを判定できる。移動先のCPUは、例えば最も処理負荷の小さいCPUとすればよい。
10 電子制御ユニット
20 CPU負荷分散判定装置
30 負荷見積もり装置
100 負荷分散システム
20 CPU負荷分散判定装置
30 負荷見積もり装置
100 負荷分散システム
Claims (1)
- 複数のCPUがそれぞれ複数の処理を実行する車両用電子制御ユニットにおいて、
いずれかのCPUの処理負荷が基準値を超えたことを判定する手段と、
各CPUによる処理の参考処理時間情報を処理毎に記憶する手段と、
各処理を各CPUが実行した実行回数を処理毎にカウントする手段と、
処理負荷が前記基準値を超えた第1のCPUの前記参考処理時間情報に前記実行回数を乗じた処理毎の実行時間累計と、前記実行時間累計を合計した総実行時間を算出し、前記総実行時間に対する前記実行時間累計の割合を処理毎に算出する手段と、
第2のCPUの前記参考処理時間情報に対する第1のCPUの前記参考処理時間情報の処理毎割合を処理毎に求め、処理毎割合の合計から換算係数を算出する手段と、
前記総実行時間に前記換算係数を乗じて、第2のCPUに移動される移動候補を含め、第2のCPUで実行される複数の処理を実行した場合の見積もり実行時間を算出する手段と、
前記見積もり実行時間に基づき第1のCPUから第2のCPUに処理を移動してよいか否かを判定する手段と、
を有することを特徴とする車両用電子制御ユニット。
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