JP2010145293A - 回転状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】重金属汚染の影響による、検出精度の低下が抑止された回転状態検出装置を提供する。
【解決手段】半導体基板の厚さ方向に電流を流す少なくとも2つの電流端子と、厚さ方向に流れる電流と鎖交する磁束によって生じたホール電圧を検出する2つの電圧端子と、を有する縦型ホール素子と、該縦型ホール素子の出力信号に基づいて、回転体の回転状態を検出する検出部と、を備え、縦型ホール素子は、半導体基板に少なくとも3つ形成され、その内の2つの縦型ホール素子は、それぞれの縦型ホール素子における電圧端子間を結ぶ線分のなす角度θが0°より大きく180°より小さくなるように形成されており、検出部は、角度θを形成する2つの縦型ホール素子の出力信号を用いてアークタンジェント演算を行う演算部と、残りの縦型ホール素子の出力信号をパルス信号に変換する変換部と、を有する
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体基板に、回転体の回転に伴う磁束の変化に応じた電気信号を出力する磁電変換素子が形成されたセンサチップと、磁電変換素子の出力信号に基づいて、回転体の回転状態を検出する検出部と、を備える回転状態検出装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるように、同一の半導体基板に、磁束の変化に応じた電気信号を出力する磁電変換素子として、縦型ホール素子と磁気抵抗素子とが形成された回転センサ(回転状態検出装置)が提案されている。
特許文献1に示される回転状態検出装置は、被検出体の回転に伴う抵抗値変化に位相差を有する第1及び第2磁気抵抗素子と、該第1及び第2磁気抵抗素子それぞれから得られる出力信号をアークタンジェント演算するアークタンジェント演算手段と、縦型ホール素子の出力信号をパルス化するパルス化手段と、アークタンジェント演算によって得た信号とパルス化によって得た信号とを合成することで、0°〜360°の角度においてリニアな出力を得る合成手段と、を有している。このように、上記した回転状態検出装置は、磁気抵抗素子の出力信号から得られる信号と、縦型ホール素子の出力信号から得られる信号とに基づいて、回転体の回転角度と回転数を検出する。
特開2008−185406号公報
ところで、特許文献1に示される回転状態検出装置では、半導体基板上に磁気抵抗素子を形成している。磁気抵抗素子は、半導体基板に重金属(Ni−Co系,Ni−Fe系など)を蒸着することで形成されるため、半導体基板が重金属によって汚染される虞がある。半導体基板が重金属によって汚染されると、半導体基板に結晶欠陥が生じ、酸化膜耐圧の劣化やリーク電流の増加が引き起こされ、半導体基板に形成された縦型ホール素子の特性に悪影響が生じる虞がある。これにより、回転体の回転状態の検出精度が低下する虞がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、重金属汚染の影響による、検出精度の低下が抑止された回転状態検出装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、半導体基板に、回転体の回転に伴う磁束の変化に応じた電気信号を出力する磁電変換素子が形成されたセンサチップと、磁電変換素子の出力信号に基づいて、回転体の回転状態を検出する検出部と、を備える回転状態検出装置であって、磁電変換素子は、半導体基板の厚さ方向に電流を流す少なくとも2つの電流端子と、厚さ方向に流れる電流と鎖交する磁束によって生じたホール電圧を検出する2つの電圧端子と、を有する縦型ホール素子であり、縦型ホール素子は、半導体基板に少なくとも3つ形成されており、その内の2つの縦型ホール素子は、それぞれの縦型ホール素子における電圧端子間を結ぶ線分のなす角度θが0°より大きく180°より小さくなるように形成されており、検出部は、角度θを形成する2つの縦型ホール素子の出力信号を用いてアークタンジェント演算を行う演算部と、残りの縦型ホール素子の出力信号をパルス信号に変換する変換部と、を有することを特徴する。
このように本発明によれば、磁束の変化に応じた電気信号を出力する磁電変換素子として縦型ホール素子を採用している。そして、それぞれの電圧端子間を結ぶ線分のなす角度θが0°より大きく180°より小さくなるように形成された、2つの縦型ホール素子の出力信号を、演算部によってアークタンジェント演算することで回転体の回転角度を検出するようになっている。また、残りの縦型ホール素子の出力信号を変換部によってパルス信号に変換し、該パルス信号をカウントすることで回転体の回転数を検出するようになっている。したがって、回転角度と回転数を検出することができる回転状態検出装置でありながら、半導体基板に磁気抵抗素子とホール素子が形成された回転状態検出装置とは異なり、重金属汚染の影響による、回転体の回転状態の検出精度の低下が抑止された回転状態検出装置となっている。
請求項2に記載のように、角度θは、90°である構成が好ましい。これによれば、角度θを形成する2つの縦型ホール素子から出力される出力信号は、90°の位相差を有することとなるので、正弦波と余弦波の出力信号を得ることができる。したがって、角度θが90°ではない場合とは異なり、アークタンジェント演算によって得られる信号の角度補正を行う補正回路を設けなくとも良い。これにより、回転状態検出装置の構成を簡素化することができる。
請求項3に記載のように、縦型ホール素子は、半導体基板に4つ形成されており、検出部は、変換部によってパルス信号に変換された2つのパルス信号を比較する比較部を有する構成が好ましい。これによれば、回転体の回転方向(正転方向、逆転方向)も検出することができる。
請求項4又は請求項5に記載のように、比較部は、2つのパルス信号における一方のパルス信号の立ち上がり(立ち下がり)と、他方のパルス信号の立ち上がり(立ち下がり)を比較する構成を採用することができる。
パルス信号を出力する2つの縦型ホール素子は形成位置が異なるので、それぞれに印加される磁束の強さも異なる。これにより、一方の縦型ホール素子のほうが、他方の縦型ホール素子よりも速く(若しくは遅く)ホール電圧が上昇(若しくは下降)する。したがって、上記したように、2つのパルス信号における一方のパルス信号の立ち上がり(立ち下がり)と、他方のパルス信号の立ち上がり(立ち下り)を比較することで、回転体の回転方向(正転、逆転)を検出することができる。
請求項6に記載のように、縦型ホール素子を構成する少なくとも2つの電流端子と2つの電圧端子は、少なくとも2つの電流端子のなす直線と、2つの電圧端子のなす直線とが、略垂直となるように、半導体基板上に配置されている構成を採用することができる。
請求項7に記載のように、検出部は、アークタンジェント演算によって得られた信号の角度補正を行う補正回路を有する構成が良い。これによれば、角度θが90°からずれた場合においても、アークタンジェント演算から得られた信号の角度補正を行うことができる。
アークタンジェント演算は、請求項8に記載のように、角度θを形成する2つの縦型ホール素子の出力信号の商を取り、逆関数をとる演算である。
請求項9に記載のように、回転体は、有底筒状のロータボディと、該ロータボディの内面に取り付けられた磁石と、を有し、センサチップは、磁石から生じる磁束が、半導体基板の厚さ方向に対して略垂直となるように、ロータボディの内部に配置された構成となっている。
請求項10に記載のように、回転状態検出装置を、車載用に採用することができる。これにより、エンジンのカム角やクランク角を検出することができる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る回転状態検出装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、回転体と半導体基板の配置位置を示す平面図である。図3は、縦型ホール素子の概略構成を示す平面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、角度θを説明するための平面図である。なお、図2に示す破線矢印は磁束の印加方向を示している。また、図1、図2、図5においては、便宜上、縦型ホール素子30を簡略化して平面矩形状に示している。該平面矩形状の長手方向が、後述する縦型ホール素子30を構成する電圧端子32a,32bを結ぶ方向を示しており、以下においては、この方向を電圧検出方向と示す。
図1に示すように、回転状態検出装置100は、要部として、半導体基板11に4つの縦型ホール素子30が形成されたセンサチップ10と、縦型ホール素子30の出力信号に基づいて、被検出体である回転体200の回転状態(回転角度、回転数、回転方向)を検出する検出部50と、を有している。
図2に示すように、回転体200は、有底筒状のロータボディ201と、ロータボディ201の内面に取り付けられた磁石202と、を有している。センサチップ10は、磁石202から生じる磁束が、半導体基板11の厚さ方向に対して略垂直となるように、ロータボディ201の内部に配置される。
縦型ホール素子30は、ホール効果によって、回転体200の回転に伴う磁束の変化に応じた電気信号(ホール電圧Vh)を出力するものである。本実施形態に係る各縦型ホール素子30は、図3に示すように、半導体基板11の厚さ方向に電流を流す、直線上に配置された3つの電流端子31a,31b,31cと、ホール電圧Vhを検出する、直線上に配置された2つの電圧端子32a,32bと、を有する。電流端子31a,31b,31cと電圧端子32a,32bは、電流端子31a,31b,31cのなす直線と、電圧端子32a,32bのなす直線とが、略垂直となるように、半導体基板11上に配置されている。ホール電圧Vhは、電圧端子32a,32bを介して、検出部50に出力される。
図4に示すように、本実施形態に係る半導体基板11は、P導電型のベース基板12と、該ベース基板12の表面にエピタキシャル成長によって形成されたN導電型(N+)のエピタキシャル層13とを有している。エピタキシャル層13の表層には、複数のN導電型(N+)の高濃度領域33が形成され、エピタキシャル層13の内部には、表面11aからベース基板12に達するように、高濃度領域33間に直接電流が流れることを防ぐP導電型(P+)の分離領域34と、縦型ホール素子30と隣接する素子との寄生効果を防ぐためのP導電型(P+)の区画領域35が形成されている。そして、ベース基板12とエピタキシャル層13との境界には、高濃度領域33間を流れる電流をバイパスするN導電型(N+)の埋め込み領域36が形成されている。縦型ホール素子30は、半導体基板11、電流端子31a,31b,31c、電圧端子32a,32b、高濃度領域33、分離領域34、区画領域35、埋め込み領域36によって構成される。
図4の矢印で示すように、一方の高濃度領域33(電流端子31a)から他方の高濃度領域33(電流端子31b,31c)へ流れる電流は、先ず、一方の高濃度領域33から埋め込み領域36へ流れ、埋め込み領域36を介して他方の高濃度領域33へ流れるようになっている。このように、電流は、高濃度領域33から埋め込み領域36の方向、及び埋め込み領域36から高濃度領域33の方向に流れる。すなわち、電流は、厚さ方向に流れるようになっている。この厚さ方向に流れる電流に、回転体200に設けられた磁石202の磁束が鎖交すると、磁束の印加される方向及び電流の流れる方向(厚さ方向)に対して垂直な方向にホール電圧が生じる。したがって、電圧端子32a,32bからは、ホール電圧Vhにおける電圧検出方向の成分が検出される。
上記したように、センサチップ10は、磁石202から生じる磁束が、半導体基板11の厚さ方向に対して略垂直となるように、ロータボディ201の内部に配置されている。したがって、半導体基板11の厚さ方向に流れる電流と磁石202から発生する磁束は、絶えず垂直に鎖交する関係となっているので、半導体基板11の厚さ方向に電流が流れている場合、磁束の印加方向に依らず、半導体基板11にはホール電圧Vhが絶えず生じていることとなる。しかしながら、ホール電圧Vhが生じる方向は、磁束の印加方向によって決定されるので、電圧端子32a,32bから出力されるホール電圧Vhは、該ホール電圧Vhにおける電圧検出方向の成分のみであり、回転体200の回転角度(磁石202の回転角度)に依存する。したがって、例えば、図5に示すように、4つの縦型ホール素子30のうち、2つの縦型ホール素子30a,30bを、2つの縦型ホール素子30a,30bそれぞれの電圧検出方向(図5に示す一点鎖線)がなす角度θが90°となるように形成した場合、縦型ホール素子30a,30bから出力される出力信号には、90°の位相差が生じる。したがって、例えば、縦型ホール素子30aから正弦波が出力される場合、縦型ホール素子30bから余弦波が出力される。
一方、残りの2つの縦型ホール素子30c,30dは、それぞれの電圧検出方向が略平行となるように、半導体基板11に形成されている。したがって、磁束の印加方向が縦型ホール素子30c,30dの電圧検出方向と略平行の場合、縦型ホール素子30c,30dの出力信号に位相差は生じない。しかしながら、磁束の印加方向が上記した電圧検出方向に対して斜めとなる場合、縦型ホール素子30c,30dは形成位置が異なるので、それぞれに印加される磁束の強さが異なる。これにより、回転体200の回転方向に対して、縦型ホール素子30cのほうが、縦型ホール素子30dよりも速く(若しくは遅く)ホール電圧が上昇(若しくは下降)する。このように、磁束の印加方向が電圧検出方向に対して斜めとなる場合、縦型ホール素子30c,30dそれぞれから出力される出力信号に、信号強度差と位相差が生じる。
検出部50は、2つの縦型ホール素子30a,30bから出力される出力信号を用いてアークタンジェント演算を行うことでリニアな信号を出力する演算部51と、2つの縦型ホール素子30c,30dから出力される出力信号をパルス信号に変換する変換部52と、該変換部52から出力された2つのパルス信号を比較することで、回転体200の回転方向(正転、逆転)を検出する比較部53と、を有している。
上記したように、縦型ホール素子30a,30bから出力される出力信号間には90°の位相差がある。したがって、演算部51にて、これら2つの出力信号の商をとり、逆関数をとる、周知のアークタンジェント演算を行うことで、リニアな信号を出力することができる。このリニアな信号に基づいて、回転角度を検出することができる。
また、変換部52にて変換された2つのパルス信号のうちの一方を出力し、このパルス信号をカウントすることで、回転数を検出することができる。
また、上記したように、回転体200の回転方向に対して、2つの縦型ホール素子30c,30dの出力信号(パルス信号)には、信号強度差と位相差が生じる。したがって、一方のパルス信号の立ち上がり(立ち下がり)と他方のパルス信号の立ち上がり(立ち下がり)タイミングは異なるので、比較部53にて、一方のパルス信号の立ち上がり(立ち下がり)エッジにおける他方の立ち上がり(立ち下がり)エッジの電圧を比較部53で比較することで、回転体200の回転方向(正転、逆転)を検出することができる。
次に、本実施形態に係る回転状態検出装置100の作用効果を説明する。上記したように、本実施形態では、磁束の変化に応じた電気信号を出力する磁電変換素子として縦型ホール素子30を採用している。そして、それぞれの電圧検出方向がなす角度θが90°となるように形成された2つの縦型ホール素子30a,30bの出力信号を演算部51によってアークタンジェント演算することで回転体200の回転角度を検出し、残りの縦型ホール素子30c,30dの出力信号を変換部52によってパルス信号に変換し、該パルス信号をカウントすることで回転体200の回転数を検出している。したがって、本実施形態に係る回転状態検出装置100は、回転角度と回転数を検出することができる回転状態検出装置でありながら、半導体基板に磁気抵抗素子とホール素子が形成された回転状態検出装置とは異なり、重金属汚染の影響による、回転体の回転状態の検出精度の低下が抑止された回転状態検出装置となっている。
また、本実施形態では、検出部50が、信号強度差と位相差を有する2つのパルス信号における、一方のパルス信号の立ち上がり(立ち下がり)エッジにおける他方の立ち上がり(立ち下がり)エッジの電圧を比較する比較部53を有している。これにより、回転体200の回転方向(正転、逆転)も検出することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態では、縦型ホール素子30a,30bが、それぞれの電圧検出方向のなす角度θが90°となるように、半導体基板11に形成された例を示した。しかしながら、2つの電圧検出方向がなす角度θの値としては上記例に限定されず、0°より大きく180°より小さい値であれば採用することができる。しかしながら、例えば、角度θを45°とした場合、縦型ホール素子30a,30bから出力される出力信号には、45°の位相差が生じることとなる。したがって、この場合、アークタンジェント演算を行うだけでは、リニアな信号を出力することができず、このアークタンジェント演算から得られた信号を補正する補正回路を必要とする。そのため、検出部50の構成が複雑となり、コストがアップする、という問題が生じる。したがって、角度θの値としては、90°が好ましい。
本実施形態では、縦型ホール素子30c,30dが、それぞれの電圧検出方向が略平行となるように、半導体基板11に形成された例を示した。しかしながら、半導体基板11における任意の位置に2つの縦型ホール素子を形成した場合、それぞれの形成位置が異なるので、それぞれに印加される磁束の強さや方向も異なり、回転体200の回転方向に対して、一方の縦型ホール素子のほうが、他方の縦型ホール素子30dよりも速くホール電圧が上昇(若しくは下降)する。すなわち、それぞれから出力される出力信号には、信号強度差と位相差が生じることとなり、それぞれのパルス信号を比較部53で比較することで、回転体200の回転状態を検出することができる。したがって、縦型ホール素子30c,30dの形成位置は、上記例に限定されず、任意に決定することができる。
本実施形態では、半導体基板11が、P導電型(P−)のベース基板12とN導電型(N−)のエピタキシャル層13とを有する例を示した。しかしながら、図6に示すように、半導体基板11が、P導電型(P−)のベース基板12を有する構成としても良い。この場合、縦型ホール素子30は、半導体基板11の表面11a側の表層に形成されたN導電型(N−)のウェル領域37と、該ウェル領域37の表層に形成された複数のN導電型(N+)の高濃度領域33と、該高濃度領域33間に形成され、高濃度領域33間を直接電流が流れることを防ぐ分離領域34と、縦型ホール素子30と隣接する素子との寄生効果を防ぐためのP導電型(P)の区画領域35と、を備え、2つの電流端子31a,31bを有する。この場合、電流は、分離領域34を迂回するように流れ、厚さ方向に流れるようになっている。なお、図6は縦型ホール素子の変形例を示す断面図である。
第1実施形態に係る回転状態検出装置の概略構成を示すブロック図である。 回転体と半導体基板の配置位置を示す平面図である。 縦型ホール素子の概略構成を示す平面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 角度θを説明するための平面図である。 縦型ホール素子の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10・・・センサチップ
30・・・縦型ホール素子
50・・・検出部
100・・・回転状態検出装置
200・・・回転体

Claims (10)

  1. 半導体基板に、回転体の回転に伴う磁束の変化に応じた電気信号を出力する磁電変換素子が形成されたセンサチップと、前記磁電変換素子の出力信号に基づいて、前記回転体の回転状態を検出する検出部と、を備える回転状態検出装置であって、
    前記磁電変換素子は、前記半導体基板の厚さ方向に電流を流す少なくとも2つの電流端子と、厚さ方向に流れる電流と鎖交する磁束によって生じたホール電圧を検出する2つの電圧端子と、を有する縦型ホール素子であり、
    前記縦型ホール素子は、前記半導体基板に少なくとも3つ形成されており、その内の2つの縦型ホール素子は、それぞれの前記縦型ホール素子における前記電圧端子間を結ぶ線分のなす角度θが0°より大きく180°より小さくなるように形成されており、
    前記検出部は、前記角度θを形成する2つの前記縦型ホール素子の出力信号を用いてアークタンジェント演算を行う演算部と、残りの前記縦型ホール素子の出力信号をパルス信号に変換する変換部と、を有することを特徴とする回転状態検出装置。
  2. 前記角度θは、90°であることを特徴とする請求項1に記載の回転状態検出装置。
  3. 前記縦型ホール素子は、前記半導体基板に4つ形成されており、
    前記検出部は、前記変換部によってパルス信号に変換された2つの前記パルス信号を比較する比較部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転状態検出装置。
  4. 前記比較部は、2つの前記パルス信号における一方のパルス信号の立ち上がりと、他方のパルス信号の立ち上がりを比較することを特徴とする請求項3に記載の回転状態検出装置。
  5. 前記比較部は、2つの前記パルス信号における一方のパルス信号の立ち下がりと、他方のパルス信号の立ち下がりを比較することを特徴とする請求項3に記載の回転状態検出装置。
  6. 前記縦型ホール素子を構成する少なくとも2つの前記電流端子と2つの前記電圧端子は、少なくとも2つの前記電流端子のなす直線と、2つの前記電圧端子のなす直線とが、略垂直となるように、前記半導体基板上に配置されていることを特徴とする請求項3〜5いずれか1項に記載の回転状態検出装置。
  7. 前記検出部は、アークタンジェント演算によって得られた信号の角度補正を行う補正回路を有することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の回転状態検出装置。
  8. 前記演算部は、前記アークタンジェント演算として、前記角度θを形成する2つの前記縦型ホール素子の出力信号の商を取り、逆関数をとることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の回転状態検出装置。
  9. 前記回転体は、有底筒状のロータボディと、該ロータボディの内面に取り付けられた磁石と、を有し、
    前記センサチップは、前記磁石から生じる磁束が、前記半導体基板の厚さ方向に対して略垂直となるように、前記ロータボディの内部に配置されていることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の回転状態検出装置。
  10. 前記回転状態検出装置は、車載用であることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載の回転状態検出装置。
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