JP2010132185A - Snowmobile - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、雪上車、特に左右1対のスキー及び走行用のトラックベルトを有する雪上車に関する。 The present invention relates to a snow vehicle, and more particularly to a snow vehicle having a pair of left and right skis and a running track belt.
一般に、雪上車は、車体の前部に配置された左右1対のスキーと、車体の中央部から後部にかけて設けられた走行用のトラックベルトと、このトラックベルトを駆動するエンジン等の駆動源と、を備えている(例えば特許文献1参照)。左右のスキーは、アーム部材やショックアブソーバ等を含むサスペンション機構を介して車体に上下動自在に支持されている。また、この左右のスキーは、ハンドル及びハンドルに連結されたステアリングコラムやリンクロッド等の操舵機構を介して操舵される。駆動源としてのエンジンは車体前部のエンジンルームに収容されている。そして、エンジンのクランク軸は、例えばCVT(無段変速機)を介してトラックベルトに連結されている。 In general, a snow vehicle includes a pair of left and right skis arranged at the front of the vehicle body, a running track belt provided from the center to the rear of the vehicle, and a drive source such as an engine that drives the track belt. (See, for example, Patent Document 1). The left and right skis are supported by the vehicle body through a suspension mechanism including an arm member, a shock absorber, and the like so as to be movable up and down. The left and right skis are steered via a steering mechanism such as a steering column and a link rod connected to the steering wheel and the steering wheel. An engine as a drive source is housed in an engine room at the front of the vehicle body. And the crankshaft of an engine is connected with the track belt via CVT (continuously variable transmission), for example.
このような雪上車では、エンジンの駆動によってトラックベルトを回転させ、トラックベルトと雪面との間にトラクションを発生させて走行が可能となる。また、ハンドルによって左右のスキーを旋回する方向に操作することによって、所望の方向への旋回が可能となる。
従来の雪上車のサスペンション機構は、主に、下端にスキーが連結された支持脚と、一端が支持脚に他端が車体に連結されたアーム部材と、一端がアーム部材に他端が車体に連結されたショックアブソーバと、を有している。 A conventional snow vehicle suspension mechanism mainly includes a support leg having a ski connected to the lower end, an arm member having one end connected to the support leg and the other end connected to the vehicle body, one end being an arm member, and the other end being a vehicle body. And a coupled shock absorber.
このような構造のサスペンション機構を有する雪上車では、旋回時においては、遠心力によって外側のサスペンション機構及びスキーに荷重が偏ることになる。したがって、高速で、かつより小さい旋回半径で旋回を行うためには、例えばライダーが体重を内側に大きく移動させたり、さらには体重を移動させて外側のスキーを浮かせたりする操作が必要になる。 In a snow vehicle having a suspension mechanism having such a structure, the load is biased toward the outer suspension mechanism and the ski due to centrifugal force during turning. Therefore, in order to turn at a high speed and with a smaller turning radius, for example, the rider needs to move the weight greatly inward, or further move the weight to float the outer ski.
しかし、このような運転操作は熟練が必要である。 However, such operation requires skill.
本発明の課題は、旋回性能を向上させ、より高速でかつ小さい旋回半径で旋回が可能な雪上車を提供することにある。 An object of the present invention is to provide a snow vehicle capable of improving turning performance and capable of turning at a higher speed and with a smaller turning radius.
本発明に係る雪上車は、上部にシートを有する車体と、車体に配置された駆動源と、駆動ユニットと、左右1対のスキーと、サスペンション機構と、操舵機構と、を備えている。駆動ユニットは、車体の下部に配置された循環するトラックベルトを含み、駆動源によって駆動される。左右1対のスキーは車体の前部に配置されている。サスペンション機構は、1対のスキーを車体に対して上下方向に移動自在に支持するとともに、1対のスキーのうち一方のスキーが車体に対して上昇するとき他方のスキーが車体に対して下降するように1対のスキーを連動させて車体を傾動可能とする機構である。操舵機構は、車体の上方に旋回自在に設けられたハンドルを有し、1対のスキーを操舵するための機構である。 A snow vehicle according to the present invention includes a vehicle body having a seat at an upper portion thereof, a drive source disposed on the vehicle body, a drive unit, a pair of left and right skis, a suspension mechanism, and a steering mechanism. The drive unit includes a circulating track belt disposed at the lower part of the vehicle body and is driven by a drive source. A pair of left and right skis are arranged at the front of the vehicle body. The suspension mechanism supports a pair of skis so as to be movable in the vertical direction with respect to the vehicle body, and when one of the pair of skis rises with respect to the vehicle body, the other ski descends with respect to the vehicle body. In this way, the vehicle body can be tilted by interlocking a pair of skis. The steering mechanism is a mechanism for steering a pair of skis, having a handle that is pivotably provided above the vehicle body.
この雪上車では、エンジン等の駆動源によって駆動ユニットのトラックベルトが駆動され、雪面を走行することができる。荒れた雪面では、サスペンション機構によって左右のスキーが車体に対して上下方向に移動させられて雪面の凹凸が吸収され、これにより車体の姿勢の安定化が図られる。 In this snow vehicle, the track belt of the drive unit is driven by a drive source such as an engine and can travel on the snow surface. On the rough snow surface, the left and right skis are moved vertically with respect to the vehicle body by the suspension mechanism to absorb the unevenness of the snow surface, thereby stabilizing the posture of the vehicle body.
ここで、本発明におけるサスペンション機構では、左右のスキーがサスペンション機構によって連動されており、一方のスキーが車体に対して上昇するとき他方のスキーが車体に対して下降する。このため、旋回時等において、車体を容易に傾動させることが可能である。したがって、旋回する場合は、旋回する側にライダーが体を倒すことによって車体を内側に傾動させることができる。 Here, in the suspension mechanism of the present invention, the left and right skis are interlocked by the suspension mechanism, and when one ski is raised relative to the vehicle body, the other ski is lowered relative to the vehicle body. For this reason, it is possible to easily tilt the vehicle body when turning. Therefore, when turning, the vehicle body can be tilted inward by the rider tilting the body to the turning side.
このように旋回時に車体を傾動させることにより、左右のスキーをともに雪面にしっかりと接地させたまま、車両全体の重心を旋回方向の内側に位置させることができる。このため、旋回時において、高速でかつ小さい旋回半径で走行が可能となる。 By tilting the vehicle body during turning in this way, the center of gravity of the entire vehicle can be positioned inside the turning direction while both the left and right skis are firmly in contact with the snow surface. For this reason, at the time of turning, it is possible to travel at a high speed and with a small turning radius.
また、旋回時において、旋回する側にライダーが体を倒すことは、ライダーにとって2輪車を運転している感覚と同様である。したがって、雪上車の運転経験の浅いライダーにとっても容易に車体を傾動させることができ、旋回操作が容易になる。 Further, when turning, the rider leaning on the turning side is similar to the rider's feeling of driving a two-wheeled vehicle. Therefore, even a rider who has little experience in driving a snow vehicle can easily tilt the vehicle body, and the turning operation is facilitated.
以上のような本発明の雪上車によれば、旋回性能が向上し、より高速でかつ小さい旋回半径で旋回が可能となる。 According to the snow vehicle of the present invention as described above, turning performance is improved, and turning is possible at a higher speed and with a smaller turning radius.
[全体構成]
図1〜図3に、本発明の一実施形態による雪上車の外観を示す。この雪上車は、フレーム及びカバー等を有する車体1と、この車体1の内部に配置された駆動源としてのエンジン2と、エンジン2によって循環駆動されるトラックベルト3を含む駆動ユニット4と、を有している。また、車体1の前部には左右1対のスキー5,6が設けられ、この1対のスキー5,6はそれぞれ左右のサスペンション機構7,8によって車体1に支持されている。さらに、この雪上車には、車体1の前部上方に設けられたハンドル9を含む操舵機構10が設けられている。
[overall structure]
1 to 3 show the appearance of a snow vehicle according to an embodiment of the present invention. This snow vehicle includes a
[車体]
車体1は、フレームを有するとともに、前方にフロントカバー15を有し、またフロントカバー15の下方側部に左右の側カバー16,17を有している。また、車体1の上部にはライダーが着座するためのシート18が配置されている。そして、このシート18とハンドル9との間において、車体1の内部には、前述のようにエンジン2がフレーム上に搭載され、また燃料タンク等の構成部材が配置されている。さらに、シート18の下方には、左右の足載部19,20が互いに隔離されて設けられている。すなわち、この雪上車は鞍乗タイプの車両となっている。
[Body]
The
[駆動ユニット]
駆動ユニット4は、エンジン2のクランク軸に連結されたCVT(無段変速機:図示せず)を有している。CVTは周知の構造であり、駆動プーリ、従動プーリ及びこれらのプーリに掛け渡されたベルトを有している。また、従動プーリには被駆動輪が装着され、この被駆動輪にチェーンを介して走行駆動用の駆動ホイールが連結されている。そして、駆動ホイールにトラックベルト3が巻き掛けられている。なお、トラックベルト3の詳細については後述する。
[Drive unit]
The drive unit 4 has a CVT (continuously variable transmission: not shown) connected to the crankshaft of the
[スキー]
左右のスキー5,6は同様の構成であり、一方のスキー5を図4及び図5に拡大して示している。なお、図4はスキーを正面(前方)から見た図、図5はスキーを底面から見た図である。このスキー5は、幅方向(左右方向=車幅方向)の中央に、下方に突出するキール5aを有している。すなわち、中央のキール5a部分が最も下方に位置し、幅方向の両端部はキール5aに対して上方に位置している。そして、キール5a及び幅方向の両端部5bは、所定の幅を有する平坦面となっている。また、キール5aと幅方向の両端部5bとの間には曲線部5cが形成されている。キール5a及び両端部5bには、スキー5の長手方向に沿って所定の長さのランナー24a〜24cが固定されている。キール5aに固定されたランナー24aは、その両側に設けられたランナー24b,24cよりも長い。また、各ランナー24a〜24cの長手方向のほぼ中央部には、下方に突出する超硬合金で形成された所定の長さのチップ25a〜25cが固定されている。
[Skiing]
The left and
[サスペンション機構]
左右のサスペンション機構7,8はそれぞれ対応するスキー5,6を車体1に対して上下方向に移動自在に支持するものであり、車体1の前部に設けられている。なお、トラックベルト3が設けられた駆動ユニット4にもリヤ側のサスペンション機構が設けられているが、リヤ側のサスペンション機構は従来から用いられている周知の構成と同様であるので、ここでは説明を省略する。
[Suspension mechanism]
The left and
ここで、左右のサスペンション機構7,8は左右対称に構成されているので、共通の部材については、一方のサスペンション機構7についてのみ説明し、左右の機構に同様の符号を付す。
Here, since the left and
図6に、サスペンション機構に関連する部分を抽出して示している。このサスペンション機構7は、ダブルウィッシュボーンタイプの機構であり、連結部材28と、アッパアーム29と、ロアアーム30と、ショックアブソーバ31と、両サスペンション機構7,8に共通の揺動部材32と、から構成されている。これらの部材のうち、揺動部材32を除く各部材は、他方のサスペンション機構8にも全く同様の配置で設けられている。
FIG. 6 shows an extracted portion related to the suspension mechanism. The
連結部材28は、車体内側が開く断面コ字状の本体部材34と、本体部材34の下端に固定された取付部材35とを有している。本体部材34は、アルミニウムの押出部材から形成されており、下方が車両前方側に傾斜するように配置されている。この本体部材34は、車幅方向の外側に配置された車幅方向に垂直な第1面34aと、第1面34aの前後端のそれぞれから車体1側に向けて延びる第2面34b及び第3面34c(第3面34cは他方のサスペンション機構8に表れている)と、を有している。これらの第2面34b及び第3面34cは、互いに平行で、かつスキー5,6の揺動軸X(後述する)に対しても平行である、また、取付部材35は本体部材34とは逆に、下方が上方に比較して車両後方側に位置するように配置されており、下端部には車幅方向に貫通する孔が形成されている。そして、この貫通孔を貫通するピン36の両端がスキー5に固定されており、これによりスキー5がピン36の軸芯(揺動軸)X回りに揺動自在となっている。
The connecting
アッパアーム29及びロアアーム30は、それぞれ車体1側(内側)が開き、車体1から離れる側(外側)が互いに接続されたV字状の部材で構成されている。各アーム29,30の内側端部は、車体1のフレームに対して、車体前後方向の軸回りに回動自在に装着されている。また、アッパアーム29の外側端部は球面軸受37を介して連結部材28の上端部に支持され、ロアアーム30の外側端部は球面軸受38を介して連結部材28の上下方向のほぼ中間部に支持されている。
The
なお、アッパアーム29は、通常のダブルウィッシュボーンタイプのアッパアームに比較して内側の開き角度が小さくなっており、ショックアブソーバ31の車体後方側に配置されている。このようなアッパアーム29の形状及び配置により、サスペンション機構7の上部において、車体前方側に他の部材を配置するためのスペースが確保されている。一方、ロアアーム30の内側部分の開き角度はアッパアーム29に比較して大きく、内側部分には2つの部材30a,30bを連結する補強アーム30cが設けられている。そして、平面視でロアアーム30の2つの部材30a,30bの間にショックアブソーバ31が位置している。
The
球面軸受37,38は、図7に示すように、球状の軸受本体37a,38aと、この軸受本体37a,38aから車体前後方向に延びる取付用軸37b、38bと、を有している。そして、この取付用軸37b、38bが連結部材28の本体34の第2面34b及び第3面34cに固定されている。
As shown in FIG. 7, the
このように、アッパアーム29及びロアアーム30の外側端を、球面軸受37,38を介して連結部材28に装着し、しかも球面軸受37,38の取付用軸37b、38bが車体前後方向に沿うようにして連結部材28に装着されているので、連結部材28は図6の矢印A方向に旋回可能で、かつ各アーム29,30は上下方向に自由に移動することが可能である。特に、連結部材28が、車体1側に開放する断面コ字状に形成されているので、各アーム29,30の上下方向のストロークについては規制がなく、サスペンション機構7,8のストロークを大きく確保することができる。
In this way, the outer ends of the
ショックアブソーバ31は、下端がロアアーム30の外側端に連結され、上端が揺動部材32に連結されている。各連結部は、車体前後方向に延びるピンにより連結されており、したがってショックアブソーバ31の上下の連結端部は、このピンの軸芯回りに回動することが可能である。
The
揺動部材32は、図8に拡大して示すように、ほぼ逆三角形に形成され互いに間隔をあけて配置された前後のプレート40,41と、これらのプレート40,41の上部を連結する上プレート42と、から構成されている。なお、図8は、揺動部材32及びそれに関連する構成部分を抽出して示したものである。前後のプレート40,41のそれぞれの下端部には、同じ位置に孔40a,41aが形成されており、ロッド43がこれらの孔40a,41aを貫通している。ロッド43は、車体前後方向に延び、後端が車体1のフレームに固定されている。したがって、揺動部材32は、ロッド43を支点として上部が左右方向(車幅方向)に揺動可能である。また、このロッド43はアッパアーム29及びロアアーム30の車体1との連結点の上下方向のほぼ中心に位置している。なお、ショックアブソーバ31の上端は、揺動部材32における逆三角形の上部の両頂点近傍において、前後のプレート40,41の間に挿入されて回動自在に装着されている。
As shown in an enlarged view in FIG. 8, the
ここで、前述のように、アッパアーム29の開き角度は比較的小さく、前方にスペースが確保されているので、このアッパアーム29の前方のスペースに、ショックアブソーバ31の上部及びショックアブソーバ31が連結された揺動部材32が配置されている。
Here, as described above, since the opening angle of the
以上のように、本実施形態のサスペンション機構7,8では、ショックアブソーバ31の上端部が揺動部材32に装着され、車体1に直接には装着されていない。そして、左右のショックアブソーバ31の上端が装着された揺動部材32は、車体1に対して左右方向に揺動が可能である。したがって、図10に示すように、例えば左旋回時等において、左側のスキー5が車体1に対して相対的に上昇するとき、右側のスキー6は車体1に対して下降するように、左右のスキー5,6が連動することになる。これにより、車体1を容易に傾動させることが可能となる。
As described above, in the
ここで、車体1が最大限傾動した状態(図10参照)においても、揺動部材32の揺動支点(ロッド43)はアッパアーム29及びロアアーム30の車体1との連結点(すなわちサスペンション機構の上端)よりも下方に位置している。
Here, even when the
なお、図10に破線で示すように、ロッド43の回りにはトーションスプリング44が設けられている。このトーションスプリング44は、図10に示すような車体1の傾動状態では、一端が揺動部材32に係止され、他端が車体1のフレームに係止されている。そして、車体1と揺動部材32とは、このトーションスプリング44によって、車体1が図2に示すような直立姿勢(以下、中立位置とも記す)になるように付勢されている。言い換えれば、トーションスプリング44は車体1の傾動に対して抵抗力を与えており、傾動復元用の部材として機能させることもできる。
As shown by a broken line in FIG. 10, a
[傾動ストッパ機構及び傾動ロック機構]
前述のように、本実施形態のサスペンション機構7,8では車体1の傾動が可能である。しかし、過大な傾動を許すと、足載部19,20や車体1の一部が雪面に接触する等の不具合がある。また、雪上車を駐車している場合や、乗降時には傾動を禁止した方が便利である。そこで、車体1の傾動を一定の角度に規制するための傾動ストッパ機構48と、傾動を禁止する傾動ロック機構49と、が設けられている。
[Tilt stopper mechanism and tilt lock mechanism]
As described above, the
傾動ストッパ機構48は、図8〜図10に示すように、揺動部材32に設けられた樹脂製のストッパブロック50と、車体1に形成された当接部51と、から構成されている。ストッパブロック50は、揺動部材32を構成する上プレート42の上面において、左右両端部に固定されている。また、当接部51は、車体1の車幅方向の中央部に設けられた当接ブロック52に形成されている。具体的には、当接ブロック52は、側面視逆U字状に形成されており、上部内壁面に正面視逆三角形状の当接部51が形成されている。そして、この当接ブロック52の内部に揺動部材32が配置されている。
As shown in FIGS. 8 to 10, the tilting
したがって、図10に示すように、車体1が傾動して車体1に対して揺動部材32が相対的に揺動したとき、その上部に固定されたストッパブロック50が当接部51に当接し、揺動部材32の揺動が規制される。すなわち、車体1の傾動が規制される。
Therefore, as shown in FIG. 10, when the
傾動ロック機構49は、図8及び図9に示すように、車体前後方向に延びるロッド54と、ロッド54の駆動機構55と、揺動部材32を構成する前後のプレート40,41に形成された孔40b,41b(図10に表れている)と、から構成されている。ロッド54は、車体1に設けられたベース部材56に対して、車体前後方向に進退自在に支持されており、図8に示すロック解除位置(前方に移動した位置)と、図9に示すロック位置(後方に移動した位置)とを取り得る。駆動機構55は、ベース部材56の下部に設けられたモータ57と、モータ57によって回転するピニオンギア58と、ロッド54に形成されピニオンギア58が噛み合うラック59と、から構成されている。また、孔40b,41bは、車体1が傾動していない中立位置(直立姿勢)のときに、ロッド54が挿通可能な位置に形成されている。なお、モータ57はハンドル9に設けられたロックボタン(図示せず)を操作することにより、正逆回転が可能である。
As shown in FIGS. 8 and 9, the
以上のような構成により、車体1が中立位置の状態で、駆動機構55によってロッド54を車体後方に移動させれば、ロッド54は揺動部材32に形成された孔40b,41bに挿入されてロック位置に移動し、揺動部材32の揺動が禁止される。すなわち、車体1の傾動がロックされる。
With the configuration as described above, if the
ここで、雪上車を停止させ、外力が作用していない場合、前述のように、トーションスプリング44の傾動復元機能によって、車体1は中立位置に向けて付勢される。さらに、トーションスプリング44の付勢力が大きくなるように設定することにより、車体1を中立位置に位置するようしてもよい。したがって、通常は、ロッド54はスムーズにロック位置に移動可能である。しかし、何らかの理由で車体1が傾き、雪上車を停止させた状態でも中立位置に復元しない場合がある。このように、車体1が中立位置に復元しない場合は、ロッド54が設けられた位置と、揺動部材32に形成された孔40b,41bの位置とが整合しない。このような状態で、すなわち、ロッド54が揺動部材32のプレート40に当たって移動できない状態でモータ57を回転させると、モータ57等の故障の原因になる。
Here, when the snow vehicle is stopped and no external force is applied, the
そこで、この傾動ロック機構49には、モータ57の回転力を吸収するための機構が設けられている。具体的には、モータ57とピニオンギア58との間に、モータ57の回転をピニオンギア58に伝達するためのスプリング(図示せず)が設けられている。このスプリングは、モータ57が回転しているにもかかわらずピニオンギア58が何らかの原因で回転できないような場合は、モータ57の回転をスプリングが縮むことによって吸収する。すなわち、ロッド54の位置と孔40b,41bの位置とが整合しない場合は、モータ57の回転力はいったんスプリングが圧縮されることによって吸収される。そして、その後、車体1が中立位置に復元し、ロッド54の位置と孔40b,41bの位置が合ったときに、ロッド54は、スプリングに蓄えられていた力によってロック位置に移動され、孔40b,41bに入り込む。
Therefore, the
以上のような傾動ストッパ機構48又は傾動ロック機構49により、車両の重心が所定の領域から外れないように車体1の傾動を規制する自立装置が構成されている。より具体的には、傾動ストッパ機構48又は傾動ロック機構49により車体1の傾動が規制され、このため、車両の重心は、図11に示すように、トラックベルト3の接地部の後端Bと、左右のスキー5,6の接地点Fl,Fr(スキー5,6とサスペンション機構7,8の連結点の平面視投影点)と、を結んだ三角形の領域内に収まる。
The
なお、以上の各点B,Fl,Frは車体1が中立位置の場合の点を示しているが、車体1が傾動した場合も同様である。例えば車体1が右側に傾動した場合は、トラックベルト3の接地部の後端は旋回側に移動して図11のB’点に位置し、旋回方向外側のスキー5は車体1から離れる側に移動してFl’点に位置し、旋回方向内側のスキー6は車体1に近づく側に移動してFr’点に位置する。このような場合においても、車両の重心は、トラックベルト3の接地部の後端B’と、左右のスキー5,6の接地点Fl’,Fr’と、を結んだ三角形の領域内に収まる。
The above points B, Fl, and Fr indicate points when the
[操舵機構]
図12に操舵機構10を示している。この操舵機構10は、ハンドル9と、上下の支軸62,63と、1対のタイロッド64,65と、ハンドル9の操作を1対のタイロッド64,65に伝達するためのリンク機構66と、タイロッド64,65が連結された1対の連結部材28と、を有している。1対の連結部材28は、前述のように、サスペンション機構7,8を構成する部材であるが、この操舵機構10を構成する部材でもある。
[Steering mechanism]
FIG. 12 shows the
ハンドル9は車体1に対して旋回自在な支持部材67の上部に固定されている。この支持部材67の下端に上支軸62が固定されており、上支軸62は下方に向かって延びている。
The
リンク機構66は、上支軸62の回転を下支軸63に伝達するための機構であり、第1ロッド68及び第2ロッド69と、2つのロッド68,69を連結するとともに回動する回動部材70と、アーム71と、を有している。第1ロッド68は、一端が上支軸62の下端に、他端が回動部材70に、それぞれ回動自在に連結されている。また、第2ロッド69は、一端が回動部材70に、他端がアーム71の先端に、それぞれ回動自在に連結されている。回動部材70は車体1の一部に回動自在に支持されている。アーム71の基端は下支軸63の上端に固定されている。
The
下支軸63は上下方向に延びて設けられており、下端がL形ブラケット72に固定されている。そして、このL形ブラケット72に左右のタイロッド64,65の一端が回動自在に連結されている。
The
左右のタイロッド64,65は、それぞれの他端が左右の連結部材28に連結されている。具体的には、まず、連結部材28には上下方向のほぼ中間部に取付部材74が固定されている。取付部材74は、L字形状であり、前後方向に延びる第1取付部74aと、この第1取付部74aの後端から車幅方向の内側に延びる第2取付部74bと、を有している。第1取付部74aは連結部材28の第1面34aに固定されている。また、第2取付部74bは連結部材28の第3面34cの後面と隙間をあけて配置されており、この隙間に、タイロッド64,65の他端が球面軸受75により支持されている。この球面軸受75の取付用軸は、各アーム29,30を連結部材28に支持する球面軸受37,38と同様に、車体1の前後方向に延びている(図7参照)。
The left and
このような操舵機構10では、図13に示すように、左右の連結部材28のアッパアーム29及びロアアーム30の外側端部を支持している球面軸受37,38の中心を結んだ線Zが、操舵軸となっている。そして、図13に示すように、操舵軸Zがスキー5,6と連結部材28との連結点である揺動軸X(ピン36の軸芯)よりも前方を通過している。言い換えれば、操舵軸Zがスキー5,6と連結部材28との連結点(揺動軸X)の平面視投影点である接地点Gよりも前方に位置している。
In such a
[トラックベルト]
前述のように、トラックベルト3は駆動ユニット4の駆動ホイールに巻き掛けられている。図14に示すように、トラックベルト3は、環状のベルト基部82と、このベルト基部82に外方に突出して形成された複数のパドル83と、ベルト基部82の内側に形成された駆動用の複数の係止片84と、を有している。複数のパドル83のそれぞれは、ベルト幅方向(車幅方向)に延びるように設けられ、ベルト循環方向に所定の間隔で形成されている。
[Track belt]
As described above, the
図14では、代表的な2つのパドル形態を示しているが、各パドル83は、ベルト幅方向に並んで形成された複数の突起を有しており、図15に示すように、4種類のパターンを有している。
FIG. 14 shows two typical paddle configurations, but each
すなわち、パターンAのパドル(以下、パドルAと記す)は、ベルト幅方向中央部に形成された第1突起83a1と、ベルト幅方向の一端部に形成された第2突起83a2と、逆側の他端部に形成された第3突起83a3と、を有している。第1突起83a1は、台形状に形成され、3つの突起のうちも最もその高さが高い。第2突起83a2は、側部(ベルト幅方向の端部)に行くほど高さが低くなっている三角形状に形成されており、最も高い部分でも第1突起83a1の接地部(台形の上辺部分)よりも低い。また、第3突起83a3は、第2突起83a2と同様に、側部(ベルト幅方向の端部)に行くほど高さが低くなっており、最も高い部分でも第2突起83a2の頂点部分よりも高さが低い。 That is, the paddle of pattern A (hereinafter referred to as paddle A) is opposite to the first protrusion 83a 1 formed at the center in the belt width direction and the second protrusion 83a 2 formed at one end in the belt width direction. And a third protrusion 83a 3 formed at the other end of the side. The first protrusion 83a 1 is formed in a trapezoidal shape and has the highest height among the three protrusions. The second protrusion 83a 2 is formed in a triangular shape having a height that decreases toward the side (end in the belt width direction), and the grounding portion (trapezoidal shape) of the first protrusion 83a 1 is the highest. Lower than the upper side). Similarly to the second protrusion 83a 2 , the third protrusion 83a 3 has a height that decreases toward the side (end in the belt width direction), and the highest part is the apex of the second protrusion 83a 2 . The height is lower than the part.
パターンBのパドル(以下、パドルBと記す)は、第1〜第3突起83b1〜83b3を有しており、パドルBは、パドルAと左右対称に形成されている。すなわち、パドルBの第1突起83b1はパドルAの第1突起83a1と同じ形状であり、パドルBの第2突起83b2はパドルAの第3突起83a3と左右対称の形状であり、パドルBの第3突起83b3はパドルAの第2突起83a2と左右対称の形状である。 The paddle of pattern B (hereinafter referred to as paddle B) has first to third protrusions 83b 1 to 83b 3 , and paddle B is formed symmetrically with paddle A. That is, the first protrusion 83b 1 of the paddle B has the same shape as the first protrusion 83a 1 of the paddle A, the second protrusion 83b 2 of the paddle B has a symmetrical shape with the third protrusion 83a 3 of the paddle A, The third protrusion 83b 3 of the paddle B is symmetrical to the second protrusion 83a 2 of the paddle A.
パターンCのパドル(以下、パドルCと記す)は、第1〜第3突起83c1〜83c3を有している。このパドルCは、パドルBと第2及び第3突起の配置、形状が同じであり、第1突起に相当する突起が異なっている。すなわち、パドルCの第2突起83c2及び第3突起83c3は、それぞれパドルBの第2突起83b2及び第3突起83c3と同じ形状である。また、パドルCでは、ベルト幅方向の中央部には突起が形成されておらず、一端側に偏倚して第1突起83c1が形成されている。具体的には、パドルCの第1突起83c1は、ベルト幅中央と一端側に設けられた第2突起83c2との間に配置されており、略台形状で、上辺部分が側部に行くに従って高さが低くなっている。但し、第1突起83c1の上辺部分の最も低い部分は、第2突起83c2の最も高い部分よりも高くなっている。さらに、この第1突起83c1の上辺部分(ベルト幅方向に延びる先端外周部)には、2つの切欠き83c11が形成されている。 The paddle of pattern C (hereinafter referred to as paddle C) has first to third protrusions 83c 1 to 83c 3 . In this paddle C, the arrangement and shape of the second and third protrusions are the same as those of the paddle B, and the protrusions corresponding to the first protrusions are different. That is, the second protrusion 83c 2 and the third protrusion 83c 3 of the paddle C have the same shape as the second protrusion 83b 2 and the third protrusion 83c 3 of the paddle B, respectively. Further, the paddle C, not formed protrusions in the central portion of the belt width direction, the first protrusion 83c deviate to one end 1 is formed. Specifically, the first protrusion 83c 1 of the paddle C is disposed between the center of the belt width and the second protrusion 83c 2 provided on one end side, is substantially trapezoidal, and the upper side portion is on the side portion. The height is getting lower as you go. However, the lowest portion of the first upper portion of the projection 83c 1 is higher than the second highest portion of the protrusion 83c 2. Further, the first to the upper side portion of the protrusion 83c 1 (tip outer peripheral portion extending in the belt width direction), two notches 83c 11 are formed.
パターンDのパドル(以下、パドルDと記す)は、第1〜第3突起83d1〜83d3を有しており、パドルDは、パドルCと左右対称に形成されている。すなわち、パドルDの第1突起83d1はパドルCの第1突起83c1と左右対称の形状であり、パドルDの第2突起83d2はパドルCの第3突起83c3と左右対称の形状であり(パドルAの第2突起83a2とは同形状)、パドルDの第3突起83d3はパドルCの第2突起83c2と左右対称の形状である(パドルAの第3突起83a3とは同形状)。
The paddle of the pattern D (hereinafter referred to as the paddle D) has first to
そして、すべてのパターンのパドルにおいては、中央部の高さが側部に対して高くなっている。正確には、各パドルは、ベルトの摩擦摺動面及び循環方向に対する垂直方向断面の形状において、摩擦摺動面からの高さが、中央部が側部に対して高くなっている。また、1つのパドルを構成する各突起の外周部(ベルト幅方向に延びる先端外周部)を結ぶ線は、図14に示すように、所定の半径Rを有する円弧状になっており、接地側において中央部が下側(図14では上側)に膨らむ山形になっている。 And in the paddles of all patterns, the height of the central part is higher than the side part. Precisely, each paddle has a height from the friction sliding surface higher than the side portion in the shape of a cross section perpendicular to the friction sliding surface and circulation direction of the belt. Further, as shown in FIG. 14, the line connecting the outer peripheral portions of the protrusions constituting one paddle (tip outer peripheral portion extending in the belt width direction) has an arc shape having a predetermined radius R, In FIG. 14, the central portion has a mountain shape that swells downward (in FIG. 14, upward).
なお、各パドルの突起において、斜線で示した部分は、厚み(ベルト循環方向の長さ)が斜線を施していない部分に比較して薄い部分であり、先端に行くほど徐々に厚みが薄くなっている。 In the protrusions of each paddle, the hatched portion is a portion where the thickness (length in the belt circulation direction) is thinner than the portion not shaded, and the thickness gradually decreases toward the tip. ing.
また、トラックベルト3の循環方向に隣り合うパドルのベルト幅方向に延びる先端外周部の形状は異なっており、同じ形状のパドルが循環方向に不等間隔で繰り返されている。具体的には、図16に示すように、各パドルは、循環方向に、A→C→D→B→D→C→A→C→D→B→D→Cのように、「A→C→D→B→D→C」を1つのグループとして、このグループが循環方向に繰り返されている。
Moreover, the shape of the outer peripheral part of the front end extending in the belt width direction of the paddle adjacent to the circulation direction of the
[動作]
この雪上車を駐車する場合は、ハンドル9に設けられたロックボタン(図示せず)を操作することにより、傾動ロック機構49をオンすることが可能である。すなわち、ライダーがロックボタンを操作すると、モータ57が一方向に回転するとともに、このモータ57に連結されたピニオンギア58が回転する。このピニオンギア58の回転により、ピニオンギア58に噛み合うラック59、すなわちロッド54が車体後方に移動する。そして、ロッド54が揺動部材32の前後のプレート40,41の孔40b,41bに入り込む。このように、ロッド54がロック位置に移動することにより、車体1の傾動が禁止される。
[Operation]
When this snow vehicle is parked, the
なお、雪上車を停止させた場合、トーションスプリング44の傾動復元機能によって、車体1は中立位置に付勢され、特にトーションスプリング44の付勢力を大きく設定することにより、車体1を中立位置に位置させることができる。したがって、通常は、ロッド54はスムーズにロック位置に移動可能である。しかし、雪上車を停止させた状態でも車体1が中立位置に復元しない場合は、傾動ロック機構49に設けられたスプリングによる回転力吸収機構によってモータ57の回転力が吸収される。そして、車体1が中立位置に復元すると、ロッド54はスプリングに蓄えられていた力によってロック位置に移動される。
When the snow vehicle is stopped, the
次に、ライダーが乗車する場合は、ライダーは例えば左側の足載部19に一方の足を載せ、シート18を跨ぐようにして乗車する。このとき、前述のように傾動ロック機構49によって車体1の傾動が禁止されているので、ライダーが足載部19に足を載せても車体1は中立位置に維持され、容易に乗車することができる。
Next, when the rider gets on, for example, the rider puts one foot on the
なお、傾動ロック機構49がロック解除されている状態でも、ライダーは足載部19に一方の足を載せ、シート18を跨ぐようにして乗車することができる。すなわち、傾動ロック機構49がロック解除されている場合は、ライダーが足載部19に足を載せると、車体1は左側に傾く。しかし、車体1の傾動は傾動ストッパ機構48によって、所定の角度に規制される。そして、この傾動ストッパ機構48によって傾動が規制された状態においても、車両の重心は図11に示す領域内にある。したがって、ライダーは安全に乗車することができる。
Even in a state where the
以上の状況は、ライダーが雪上車から降車する場合も同様であり、車体を安定させた状態で降車が可能となる。 The above situation is the same when the rider gets off from a snow vehicle, and can get off with the vehicle body stabilized.
次に走行する場合は、ロックボタンを操作して傾動ロック機構49を解除し、エンジンをスタートさせる。または、エンジンをスタートさせて傾動ロック機構49を解除する。傾動ロック機構49の解除操作を行うと、モータ57が先とは逆方向に回転し、これによりピニオンギア58及びラック59を介してロッド54が前方のロック解除位置に移動する。これにより、揺動部材32は車体1に対して自由に傾動が可能となる。
When traveling next time, the
このような状態でアクセルレバーを操作することにより、トラックベルト3が回転し、車両は前方に進むことになる。なお、車体1が傾動した状態のままでも、ハンドル9をある程度自由にしておけば、車体1の傾動により車体傾斜方向に操舵力が発生し、アクセルレバーを操作して前進することによって車体傾斜方向に旋回が始まる。そして、旋回が始まれば遠心力によって車体は自然と起き上がり、ほぼ中立位置に復帰する。
By operating the accelerator lever in such a state, the
直線走行中におけるサスペンション機構7,8の動作は従来とほぼ同様であり、アッパアーム29及びロアアーム30が連結部材28及びスキー5,6とともに車体1に対して上下動することにより、またショックアブソーバ31が伸縮することにより、雪面の凹凸を吸収して車体1の姿勢を安定させている。
The operations of the
次に、例えば、走行中に左旋回する場合は、ライダーが体を左側に倒すことにより、図10に示すように、車体1が左側に傾く。このようにして車体1が左側に傾くと、左右のスキー5,6の接地部Gには車体1が傾いた方向と逆方向にスキー5,6を押す力が作用する。そして、この力が作用するスキー5,6の接地部Gは操舵軸Zの後方に位置しているので(図13参照)、スキー5,6は車体1が傾いた方向に操舵されることになる。このため、旋回をスムーズに行うことができ、高速でかつ小さい半径で旋回できる。なお、このような旋回時において車体1が傾いている場合でも、サスペンション機構7,8は通常通りに機能する。
Next, for example, in the case of turning left during traveling, the rider tilts his / her body to the left, and the
また、この雪上車では、車体1がいずれか一方に傾いた場合でも、左右のスキー5,6はともに雪面に接地する。さらに、スキー5,6は中央にキール5aを有し、左右両端部は中央部よりも高い位置に位置している。このため、スキー5,6は、旋回時には中央部と一方の端部によって雪面に接地し、雪面をしっかりととらえることができる。また、トラックベルト3が山形に形成されているので、車体1が傾いた場合でも、トラックベルト3の接地点がスムーズに移動し、かつその移動量も小さい。このため、旋回時や荒れた雪面での走行においてもスムーズな走行が可能になる。
In this snow vehicle, both the left and
なお、車体1が傾いた場合は車体1と揺動部材32とが相対的に揺動することになるが、傾動角度が大きい場合は、揺動部材32に設けられたストッパブロック50が、車体1側の当接部51に当接する。このため、揺動部材32の揺動、すなわち車体1の傾動が規制され、それ以上の傾動が禁止される。
When the
また、この実施形態では、トラックベルト3のパドル83が4つのパターンを有しており、かつそれらが循環方向に不等間隔で繰り返されている。このため、雪面の状況により、あるパターンのパドルでは雪面に対して十分なトラクションが得られない場合であっても、次々と別のパターンのパドルが雪面を掻くことになり、スリップが抑制される。
In this embodiment, the
[特徴]
本件実施形態の特徴をまとめると、以下の通りである。
[Characteristic]
The characteristics of the present embodiment are summarized as follows.
(1) 旋回時において、車体1を容易に傾けることができるので、左右のスキー5,6はいわゆるセルフステアリングによって旋回方向に操舵され、またこのとき左右のスキー5,6はともに雪面に接地しているので、従来の雪上車に比較して小さい半径で、かつ高速で旋回することが可能になり、旋回性能が良好になる。
(1) Since the
(2) この雪上車では、トラックベルト3のパドル83が山形に形成されているので、車体1を傾動させた場合や、雪面が荒れている場合であっても、パドル83と雪面との接地部が大きく移動することがない。このため、車体を傾動させることを可能とした雪上車でありながら、走行中の車体1の姿勢を保ち易い。また、パドル83の先端外周部は曲線状になっているので、接地点の左右方向への移動がより小さくなり、走行中の姿勢をより保ち易い。
(2) In this snow vehicle, since the
(3) トラックベルト3のパドル83には切欠きが形成されているので、雪面が凍結しているような場合でも良好なトラクションを得ることができ、またトラックベルト3の横滑りを抑えることができる。
(3) Since the notch is formed in the
(4) トラックベルト3において、循環方向に隣り合うパドルの形状が異なっており、同じパターンのパドルが循環方向に不等間隔で繰り返されている。このため、雪面の状況が変化しても、パドルによって適切に雪面を掻くことができ、安定した走行性能を得ることができる。
(4) In the
(5) 揺動部材32を中立位置に保持するのに十分な付勢力を有するトーションスプリング44を設けた場合、車体1に外力が作用していない自由状態では車体1をまっすぐな姿勢に保持することができる。
(5) When the
(6) この雪上車では、旋回時等において容易に車体1を傾けることができるが、この車体1が傾いた状態においても、サスペンション機構7,8は通常通りに機能する。すなわち、車体1が傾いた状態においても、左右のスキー5,6はまったく支障なく上下動が可能であり、雪面の凹凸を吸収するように構成されている。このため、車体1を容易に傾動可能としたことによって乗り心地が悪化することはない。
(6) In this snow vehicle, the
(7) サスペンション機構7,8を構成するアッパアーム29は、通常のダブルウィッシュボーンタイプのアッパアームに比較して内側の開き角度が小さく、前方に他の部材を配置するためのスペースが確保されている。このため、車体1を傾動可能にするための揺動部材32をコンパクトに配置でき、車体1を傾動可能にしているにもかかわらず、サスペンション機構7,8全体の占有スペースを小さくできる。
(7) The
[他の実施形態]
(a) 図17にサスペンション機構の他の実施形態を示す。この実施形態による左右のサスペンション機構90,91は、前記実施形態と同様に、ダブルウィッシュボーンタイプの機構であり、それぞれ連結部材92と、アッパアーム93と、ロアアーム94と、を有している。また、このサスペンション機構90,91は、左右のロアアーム94を連動させるために連結されたショックアブソーバ95を有している。
[Other Embodiments]
(a) FIG. 17 shows another embodiment of the suspension mechanism. The left and
連結部材92及びアッパアーム93は、前記実施形態における連結部材28及びアッパアーム29と同様の構成である。また、各アーム93,94が連結部材92に球面軸受96,97を介して支持されている構成も前記実施形態と同様である。
The connecting
左右のロアアーム94のそれぞれは、下方に配置された1対の第1部材94aと、1本の第2部材94bと、1対の第3部材94cと、を有している。第1部材94aは、車体1側(内側)が開き、車体1から離れる側(外側)が互いに接続されたV字状の部材である。この第1部材94aの内側端部は、車体1のフレームに対して、車体前後方向の軸回りに回動自在に装着されている。また、第1部材94aの外側端部は球面軸受97を介して連結部材92の上下方向のほぼ中間部に支持されている。第2部材94bは、外側端部が第1部材94aの外側端部に固定され、外側端部から車体1側に向かって斜め上方に向かって延びている。そして、1対の第1部材94aのそれぞれの内側部分と第2部材94bの内側端部との間を連結するように第3部材94cが設けられている。
Each of the left and right
ショックアブソーバ95は、両端がそれぞれ左右のロアアーム94を構成する第2アーム94bの内側端部に、車体前後方向の軸回りに回動自在に装着されている。そして、このショックアブソーバ95は車体1には支持されておらず、車体1に対して自由に移動可能である。
The
このようなサスペンション機構では、前記実施形態と同様に、車体1を容易に傾動させることができる。したがって、旋回性能が良好になる。また、この実施形態のサスペンション機構では、1本のショックアブソーバによって、ショックの吸収と左右のサスペンション機構90,91の連動が実現されているので、前記実施形態に比較して構成が簡単になる。
In such a suspension mechanism, the
(b) トラックベルト3のパドル83における形状、配列等については、前記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。
(b) The shape, arrangement, and the like of the
(c) 前記実施形態では、パドル形状を、ベルト幅方向に並んで形成された複数の突起により構成されるようにした。しかし、パドル形状は、このような形状に限定されるものではなく、外周に複数の切欠き83c11が形成された単一の突起により構成してもよい。この場合、パドル毎の異なる形状は、ベルト幅方向の中央部から両方の端部にいく部分における輪郭形状が異なるようにすればよい。 (c) In the above embodiment, the paddle shape is configured by a plurality of protrusions formed side by side in the belt width direction. However, the paddle shapes are not intended to be limited to such a shape, it may be constituted by a single projection having a plurality of notches 83c 11 are formed on the outer periphery. In this case, the different shape for each paddle may be such that the contour shape in the portion going from the center in the belt width direction to both ends is different.
(d) 前記実施形態では、本発明に適用されるサスペンション機構として、アッパアームとロアアームとを有するダブルウィッシュボーンタイプを例にとって説明したが、サスペンション機構はこの構成に限定されるものではなく、ストラット式、マルチリンク式等、種々のサスペンション形式のものを本発明に適用することができる。 (d) In the above embodiment, the description has been given by taking the double wishbone type having the upper arm and the lower arm as an example of the suspension mechanism applied to the present invention. However, the suspension mechanism is not limited to this configuration, and is a strut type. Various suspension types such as a multi-link type can be applied to the present invention.
1 車体
2 エンジン
3 トラックベルト
4 駆動ユニット
5,6 スキー
7,8,90,91 サスペンション機構
9 ハンドル
10 操舵機構
18 シート
28,92 連結部材
29,93 アッパアーム
30,94 ロアアーム
31,95 ショックアブソーバ
32 揺動部材
82 ベルト基部
83 パドル
83c11 切欠き
DESCRIPTION OF
Claims (8)
前記車体に配置された駆動源と、
前記車体の下部に配置された循環するトラックベルトを含み、前記駆動源によって駆動される駆動ユニットと、
前記車体の前部に配置された左右1対のスキーと、
前記1対のスキーを前記車体に対して上下方向に移動自在に支持するとともに、前記1対のスキーのうち一方のスキーが前記車体に対して上昇するとき他方のスキーが前記車体に対して下降するように前記1対のスキーを連動させて前記車体を傾動可能とするサスペンション機構と、
前記車体の上方に旋回自在に設けられたハンドルを有し、前記1対のスキーを操舵するための操舵機構と、
を備えた雪上車。 A vehicle body with a seat on the top;
A drive source disposed on the vehicle body;
A drive unit including a circulating track belt disposed at a lower portion of the vehicle body and driven by the drive source;
A pair of left and right skis arranged at the front of the vehicle body;
The pair of skis are supported so as to be movable in the vertical direction with respect to the vehicle body, and when one of the pair of skis rises with respect to the vehicle body, the other ski descends with respect to the vehicle body. A suspension mechanism that allows the vehicle body to tilt by interlocking the pair of skis,
A steering mechanism for steering the pair of skis, the steering wheel having a handle rotatably provided above the vehicle body;
Snow vehicle equipped with.
前記1対のスキーのそれぞれが接続された1対の連結部材と、
一端が前記連結部材に連結されるとともに他端が前記車体に連結され、前記1対のスキーのそれぞれを前記車体に対して上下動自在に支持する1対のアーム部材と、
前記1対のアーム部材のそれぞれに連結され、前記車体の傾動と連動することなく前記1対のスキーに作用する衝撃を吸収する衝撃吸収機構と、
を有する、
請求項1に記載の雪上車。 The suspension mechanism is
A pair of coupling members to which each of the pair of skis is connected;
A pair of arm members, one end of which is connected to the connecting member and the other end is connected to the vehicle body, and each of the pair of skis is supported so as to be movable up and down with respect to the vehicle body;
An impact absorbing mechanism that is coupled to each of the pair of arm members and absorbs an impact acting on the pair of skis without interlocking with tilting of the vehicle body;
Having
The snow vehicle according to claim 1.
前記車体に設けられ、車体前後方向に延びる軸心回りに揺動する揺動部材と、
それぞれの一端が前記1対のアーム部材に連結され、他端が前記揺動部材に連結された1対の衝撃吸収部材と、
を有する、請求項2に記載の雪上車。 The shock absorbing mechanism is
A swing member provided on the vehicle body and swinging about an axis extending in the longitudinal direction of the vehicle body;
A pair of impact absorbing members each having one end connected to the pair of arm members and the other end connected to the swing member;
The snow vehicle according to claim 2, comprising:
前記パドルのベルト幅方向に延びる先端外周部は曲線部分を含んでいる、
請求項4に記載の雪上車。 The track belt includes an annular belt base, and a plurality of paddles that protrude outwardly from the belt base and extend in the belt width direction and are formed at predetermined intervals in the belt circulation direction.
The tip outer peripheral portion extending in the belt width direction of the paddle includes a curved portion,
The snow vehicle according to claim 4.
前記パドルのベルト幅方向に延びる先端外周部には切欠きが形成されている、
請求項4又は5に記載の雪上車。 The track belt includes an annular belt base, and a plurality of paddles that protrude outwardly from the belt base and extend in the belt width direction and are formed at predetermined intervals in the belt circulation direction.
A notch is formed in the outer periphery of the tip extending in the belt width direction of the paddle.
The snow vehicle according to claim 4 or 5.
前記複数のパドルのうち循環方向に隣り合うパドルの形状は異なっている、
請求項4又は5に記載の雪上車。 The track belt includes an annular belt base, and a plurality of paddles that protrude outwardly from the belt base and extend in the belt width direction and are formed at predetermined intervals in the belt circulation direction.
Of the plurality of paddles, adjacent paddles have different shapes in the circulation direction.
The snow vehicle according to claim 4 or 5.
請求項5に記載の雪上車。 Each of the plurality of paddles has a different shape at the outer peripheral end portion extending in the belt width direction, and the same shape paddles are repeated at unequal intervals in the circulation direction.
The snow vehicle according to claim 5.
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