JP2010124911A - 磁気共鳴イメージング装置。 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】バンドアーチファクトを低減する磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【解決手段】フェーズサイクリング法で被検体7の頭部7aからデータを収集する場合に、0-0-0-0、0-180-0-180、0-90-180-270、0-270-180-90のパルスシーケンスS1〜SP4を繰り返し実行する。このとき、各パルスシーケンスS1〜SP4において、RFパルスRF1のフリップ角A1=20°、RFパルスRF2のフリップ角A2=30°とし、フリップ角A1=20°のRFパルスRF1と、フリップ角A2=30°のRFパルスRF2を交互に送信する。この結果、静磁場不均一による信号強度のゆらぎを低下させることが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、被検体のスピンをSSFP状態にして、フェーズサイクリング法により被検体からデータを収集する磁気共鳴イメージング装置に関する。
勾配磁場によって発生する横磁化の位相シフトを、繰返し時間(TR:Repetition Time)の間に(すなわち、次のRFパルスを送信する前に)巻き戻すグラジエントエコー系のSSFPパルスシーケンスは、一般にFISP(Fast Imaging with Steady-state Precession)やFIESTA(Fast Imaging
Employing STeady-state Acquisition)と呼ばれている。SSFP(Steady-State Free Precession)とは、定常状態自由歳差運動を意味する。被検体のスピンをSSFP状態にしてスキャンを行うと、短いスキャン時間で、強度が強くコントラストの高い信号を得ることができるという利点があるが、一方で、磁場不均一の影響を受けやすく、バンドアーチファクト(Band Artifact)と呼ばれる帯状の低信号領域が発生するという問題がある。そこで、バンドアーチファクトを低減する方法として、フェーズサイクリング(Phase Cycling)法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004-121466号公報
しかし、特許文献1の方法でも、信号強度の低下する部分があり、バンドアーチファクトを低減することができない場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑み、バンドアーチファクトを低減する磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
上記の問題を解決する本発明の磁気共鳴イメージング装置は、
被検体のスピンをSSFP状態にして、フェーズサイクリング法により被検体からデータを収集する磁気共鳴イメージング装置であって、
RFパルスを送信する送信コイルと、
勾配磁場を印加する勾配コイルと、
上記送信コイルが繰返し時間ごとにRFパルスを送信するとともに、上記勾配コイルが、勾配磁場により生じる横磁化の位相シフトを上記繰返し時間の間に巻き戻すために、上記勾配磁場とは反対の極性の勾配磁場を印加するように、上記送信コイルおよび上記勾配コイルを制御する制御手段と、
を有し、
上記制御手段は、
第1のフリップ角を有するRFパルスと、第2のフリップ角を有するRFパルスが交互に送信されるように、上記送信コイルを制御する。
フリップ角の異なるRFパルスを交互に送信することにより、バンドアーチファクトを低減することができる。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の磁気共鳴イメージング装置1の概略図である。
磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI(Magnetic
Resonance Imaging)装置と呼ぶ)1は、コイルアセンブリ2と、テーブル3と、受信コイル4と、制御装置5と、入力装置6とを有している。
マグネットアセンブリ2は、被検体7が収容されるボア21と、超伝導コイル22と、送信コイル23と、勾配コイル24とを有している。送信コイル23はRFパルスを送信し、勾配コイル24は勾配パルスを印加する。
テーブル3は、被検体7が載置されるクレードル31を有している。クレードル31は、z方向および−z方向に移動するように構成されている。クレードル31がz方向に移動することによって、被検体7がボア21に搬送される。クレードル31が−z方向に移動することによって、ボア21に搬送された被検体7は、ボア21から搬出される。
受信コイル4は、被検体7の頭部7aに取り付けられている。受信コイル4が受信したMR(Magnetic Resonance)信号は、制御装置5に伝送される。
制御装置5は、コイル制御手段51および再構成手段52を有している。
コイル制御手段51は、フェーズサイクリング法によって被検体7の頭部7aが撮影されるように、勾配コイル23および送信コイル24を制御する。フェーズサイクリング法によって被検体7の頭部7aを撮影するためのパルスシーケンスについては、後述する(図3参照)。再構成手段52は、受信コイル4で受信したMR信号に基づいて、画像を再構成する。
入力装置6は、オペレータ8の操作に応じて、制御装置5に必要な信号や命令を入力するものである。オペレータ8は、例えば、パルスシーケンスを実行するための命令や、被検体7にスライスを設定するための命令を入力する。入力装置6としては、キーボードやマウスなどを使用することができる。
MRI装置1は、上記のように構成されている。
被検体7を撮影する場合、オペレータ8は、入力装置6を操作して、クレードル31をZ方向に移動させるための命令を入力する。クレードル31がZ方向に移動することにより、被検体7がボア21に搬入される。被検体7がボア21に搬入された後、オペレータ8は、被検体7の頭部7aに対してスライスを設定する。
図2は、被検体7の頭部7aに設定されたスライスの一例を示す図である。
本実施形態では、被検体7の頭部7aに、n枚のスライス1〜nが設定されている。
オペレータ8は、スライス1〜nを設定した後、入力装置6を操作して、フェーズサイクリング法によって被検体7の頭部7aを撮影するための命令を入力する。この命令によって、被検体7の頭部7aが撮影される。
次に、フェーズサイクリング法によって被検体7の頭部7aが撮影するときのタイムチャートについて説明する。
図3は、フェーズサイクリング法によって被検体7の頭部7aが撮影するときのタイムチャートの一例の説明図である。
図3(a)は、被検体の撮影期間Tscanの概略を示す図である。撮影期間Pscanは、スキャン期間Tslice1〜Tslicenを有している。スキャン期間Tslice1〜Tslicenは、それぞれスライス1〜スライスn(図2参照)のスキャンを実行するための期間である。各スキャン期間Tslice1〜Tslicenは、フェーズサイクリングを実行するための4つの期間Tc1〜Tc4を有している。
図3(b)には、スキャン期間Tslice1〜Tslicenのうちのスキャン期間Tslice1の4つの期間Tc1〜Tc4が示されている。図3(b)には、スキャン期間Tslice1の4つの期間Tc1〜Tc4のみが示されているが、他のスキャン期間Tslice2〜Tslicenも、スキャン期間Tslice1と同様に、4つの期間Tc1〜Tc4を有している。次に、4つの期間Tc1〜Tc4について説明する。尚、4つの期間Tc1〜Tc4の説明にあたっては、代表して、期間Tc3を取り上げて説明する。
期間Tc3は、パルスシーケンスが実行される複数の繰返し期間Ts1〜Tsnを有している。
図3(c)は、期間Tc3(図3(b)参照)における繰返し期間を説明する図、図3(d)は、繰返し期間に実行されるパルスシーケンスの一例を示す図である。
期間Tc3(図3(b)参照)は、繰返し期間Ts1〜Ts4が繰り返されるように設定されている。図3(d)には、繰返し期間Ts1〜Ts4に実行されるパルスシーケンスの一例が示されている。
繰返し期間Ts1では、パルスシーケンスS1(図3(c)参照)が実行される。パルスシーケンスS1は、フリップ角A1のRFパルスRF1と、勾配磁場Gz、Gy、およびGxとを有している。RFパルスRF1のフリップ角A1は、例えば20°である。また、パルスシーケンスS1では、RFパルスRF1の位相αは、α=0°である。勾配磁場Gz、Gy、およびGxは、勾配磁場により発生する横磁化の位相シフトが、繰返し時間TRの間に巻き戻されるように、正の勾配磁場と負の勾配磁場が印加されている。
繰返し期間Ts2では、パルスシーケンスS2(図3(c)参照)が実行される。パルスシーケンスS2は、フリップ角A2のRFパルスRF2と、勾配磁場Gz、Gy、およびGxとを有している。RFパルスRF2のフリップ角A2は、RFパルスRF1のフリップ角A1とは異なる値であり、例えば、A2=30°である。また、パルスシーケンスS2では、RFパルスRF2の位相αは、α=90°である。勾配磁場Gz、Gy、およびGxは、勾配磁場により発生する横磁化の位相シフトが、繰返し時間TRの間に巻き戻されるように、正の勾配磁場と負の勾配磁場が印加されている。
繰返し期間Ts3では、パルスシーケンスS3(図3(c)参照)が実行される。パルスシーケンスS3は、パルスシーケンスS1と同様に、フリップ角A1のRFパルスRF1と、勾配磁場Gz、Gy、およびGxとを有している。ただし、パルスシーケンスS3では、RFパルスRF1の位相αは、α=180°である。
繰返し期間Ts4では、パルスシーケンスS4が実行される。パルスシーケンスS4は、パルスシーケンスS2と同様に、フリップ角A2のRFパルスRF2と、勾配磁場Gz、Gy、およびGxとを有している。ただし、パルスシーケンスS4では、RFパルスRF2の位相αは、α=270°である。
期間Tc3(図3(b)参照)では、上記のパルスシーケンスS1〜SP4が繰り返し実行される。したがって、期間Tc3では、RFパルスRF1およびT2の位相αは、α=0°、90°、180°、270°の順に繰り返し変化する。以下では、期間Tc3において、RFパルスRF1およびT2の位相αが、α=0°、90°、180°、270°の順に繰り返し変化することを、「0-90-180-270」と表記する(図3(b)の期間Tc3を参照)。
尚、上記の説明では、期間Tc3について説明されている。しかし、他の期間Tc1、Tc2、およびTc4も、RFパルスRF1およびRF3の位相αが異なる点を除いて、期間Tc3と同様に、パルスシーケンスS1〜S4が繰り返し実行される。例えば、期間Tc1では、RFパルスRF1およびT2の位相αがα=0°に固定された状態で、パルスシーケンスS1〜S4が繰り返し実行される。以下では、期間Tc1において、RFパルスRF1およびRF2の位相αが、α=0°に固定されていることを、「0-0-0-0」と表記する(図3(b)の期間Tc1を参照)。また、期間Tc2では、RFパルスRF1およびRF2の位相αがα=0°、180°の順に変化しながら、パルスシーケンスS1〜S4が繰り返し実行される。以下では、期間Tc2において、RFパルスRF1およびRF2の位相αが、α=0°、180°の順に変化することを、「0-180-0-180」と表記する(図3(b)の期間Tc2を参照)。更に、期間Tc4では、RFパルスRF1およびT2の位相αがα=0°、270°、180°、90°の順に変化しながら、パルスシーケンスS1〜S4が繰り返し実行される。以下では、期間Tc4において、RFパルスRF1およびRF2の位相αが、α=0°、270°、180°、90°の順に変化することを、「0-270-180-90」と表記する(図3(b)の期間Tc4を参照)。
上記のように、各期間Tc1〜Tc4において、フリップ角の異なるRFパルスRF1およびRF2を交互に送信することにより、静磁場不均一による画像のアーチファクトを低減することができる。以下に、この理由について、図3を参照しながら説明する。
期間Tc1〜Tc4において、パルスシーケンスS1〜S4を繰り返し実行すると、被検体7のスピンの磁化Mが一定の値に収束する定常状態となる。本実施形態では、時刻tx(図3(c)参照)において、被検体のスピンの磁化Mが一定の値Mcに収束し、時刻tx以降は、スピンの磁化Mが2TRの時間間隔で収束値Mcに戻る定常状態になったとする。ただし、スピンの磁化Mの横磁化成分Mxyは、RFパルスRF1およびRF2と静磁場不均一との影響を受けて、位相が変化する。
図4は、スピンの磁化Mの横磁化成分Mxyの位相の変化量を概略的に説明する図である。
図4には、ボア21内において、スピンの磁化Mが定常状態になった後に、磁化Mの横磁化成分Mxyの位相が、RFパルスと静磁場不均一の影響によって、1TR後にどれだけ変化するか表す位相変化量Δθが概略的に示されている。位相変化量Δθは、以下の式で表される。
Δθ=Δα+Δβ ・・・(1)
ここで、Δα:RFパルスRF1およびT2による横磁化成分Mxyの位相変化分
Δβ:静磁場不均一による横磁化成分Mxyの位相変化分
ただし、位相変化分Δβは、受信コイル4(図1参照)の中心における位相変化分Δβを基準値(ゼロ)にして表されている。
図4には、位相変化量Δθとして、Δθ=0°、45°、90°、135°、および180°が示されているが、実際は、横磁化成分Mxyの位相θは、RFパルスと静磁場不均一との影響を受けて、−180°〜0°〜180°の間で、様々に変化する。
したがって、被検体7の頭部7aから得られるMR信号の信号強度も、RFパルスと静磁場不均一との影響を受ける。以下に、MR信号の信号強度が、RFパルスおよび静磁場不均一により、どのような影響を受けるかについて説明する。
図5は、スピンの磁化Mが定常状態になった後のMR信号の信号強度と位相変化量Δθとの関係を表すシミュレーション結果である。尚、シミュレーション条件は、以下のとおりである。
(1) RFパルスRF1のフリップ角A1=20°
(2) RFパルスRF2のフリップ角A2=30°
(3) 繰返し時間TR=200ms
(4) 縦緩和時間T1=2000ms、横緩和時間T2=1300ms
尚、T1=2000ms、T2=1300msは、脳脊髄液CSFのT1およびT2の一般的な値である。
図5(a)のグラフG1は、期間Tc1(図3(b)参照)において、スピンの磁化Mが定常状態になった後のMR信号の信号強度と位相変化量Δθとの関係を表すシミュレーション結果である。グラフG1の横軸は、期間Tc1において、定常状態になった後の磁化Mの横磁化成分Mxyの位相が、1TRの間にどれだけ変化したかを表す位相変化量Δθ(式(1)参照)である。
期間Tc1では、RFパルスRF1およびRF2の位相αは、「0-0-0-0」であり、位相αはゼロのままであるので、式(1)の第1項Δαは、Δα=0°となる。したがって、式(1)は、以下のように表される。
Δθ=Δβ ・・・(2)
グラフG1の縦軸は、期間Tc1において、磁化Mの横磁化成分Mxyの位相が位相変化量Δθだけ変化したときのMR信号の信号強度SIである。ただし、ここでは、信号強度SIは、磁化Mの横磁化成分MxyをM0で規格化した値で表している(M0は、Z方向の静磁場による最大の磁化)。
図5(a)のグラフG1を参照すると、位相変化量Δθ=0°付近では、信号強度SIが急激に小さくなる谷Vが発生し、一方、位相変化量Δθ=180°付近では、信号強度SIが急激に大きくなる山Pが発生している。したがって、信号強度SIは、位相変化量Δθの値に応じて変動していることがわかる。期間Tc1では、位相変化量Δθは、式(2)で表されるので、信号強度SIは、静磁場不均一による横磁化成分Mxyの位相変化分Δβにのみ依存することがわかる。
図5(b)のグラフG2は、期間Tc2において、スピンの磁化Mが定常状態になった後のMR信号の信号強度と位相変化量Δθとの関係を表すシミュレーション結果である。グラフG2の横軸は、期間Tc2における位相変化量Δθであり、グラフG2の縦軸は、期間T2におけるMR信号の信号強度SIである。
期間Tc2における位相変化量Δθも、式(1)で表される。ただし、期間Tc2では、RFパルスRF1およびRF2の位相αは、「0-180-0-180」、つまり、位相αは、180°づつ変化するので、式(1)の第1項Δαは、Δα=180°となる。したがって、式(1)は、以下のように表される。
Δθ=180°+Δβ ・・・(3)
グラフG2でも、グラフG1と同様に、静磁場不均一による横磁化成分Mxyの位相変化分Δβが原因で、信号強度SIは変動する。ただし、期間Tc2では、式(3)で表したように、Δα=180°である。したがって、図5(b)に示すグラフG2は、図5(a)に示すグラフG1を180°ずらしたグラフで表される。グラフG2を参照すると、位相変化量Δθ=±180°付近において、信号強度SIが急激に小さくなる谷Vが発生し、一方、位相変化量Δθ=0°付近において、信号強度SIが急激に大きくなる山Pが発生している。したがって、期間T2でも、期間T1と同様に、信号強度SIは、位相変化量Δθの値に応じて変動しているが、谷Vの位置と、山Pの位置が、180°ずれていることがわかる。
図5(c)のグラフG3は、期間Tc3において、スピンの磁化Mが定常状態になった後のMR信号の信号強度と位相変化量Δθとの関係を表すシミュレーション結果である。グラフG3の横軸は、期間Tc3における位相変化量Δθであり、グラフG3の縦軸は、期間Tc3におけるMR信号の信号強度SIである。
期間Tc3における位相変化量Δθも、式(1)で表される。ただし、期間Tc3では、RFパルスRF1およびRF2の位相αは、「0-90-180-270」、つまり、位相αは、90°づつ変化するので、式(1)の第1項Δαは、Δα=90°となる。したがって、式(1)は、以下のように表される。
Δθ=90°+Δβ ・・・(4)
グラフG3でも、グラフG1およびG2と同様に、静磁場不均一による横磁化成分Mxyの位相変化分Δβが原因で、信号強度SIは変動する。ただし、期間Tc3では、式(4)で表したように、Δα=90°である。したがって、図5(c)に示すグラフG3は、図5(a)に示すグラフG1を90°ずらしたグラフで表される。グラフG3を参照すると、位相変化量Δθ=90°付近において、信号強度SIが急激に小さくなる谷Vが発生し、一方、位相変化量Δθ=−90°付近において、信号強度SIが急激に大きくなる山Pが発生している。したがって、期間Tc3でも、期間Tc1と同様に、信号強度SIは、位相変化量Δθの値に応じて変動しているが、谷Vの位置と、山Pの位置が、90°ずれていることがわかる。
図5(d)のグラフG4は、期間Tc4において、スピンの磁化Mが定常状態になった後のMR信号の信号強度と位相変化量Δθとの関係を表すシミュレーション結果である。グラフG4の横軸は、期間Tc4における位相変化量Δθであり、グラフG4の縦軸は、期間Tc4におけるMR信号の信号強度SIである。
期間Tc4における位相変化量Δθも、式(1)で表される。ただし、期間Tc4では、RFパルスRF1およびRF2の位相αは、「0-270-180-90」、つまり、位相αは、−90°づつ変化するので、式(1)の第1項Δαは、Δα=−90°となる。したがって、式(1)は、以下のように表される。
Δθ=−90°+Δβ ・・・(5)
グラフG4でも、グラフG1〜G3と同様に、静磁場不均一による横磁化成分Mxyの位相変化分Δβが原因で、信号強度SIは変動する。ただし、期間T4では、式(5)で表したように、Δα=−90°である。したがって、図5(d)に示すグラフG4は、図5(a)に示すグラフG1を−90°ずらしたグラフで表される。グラフG4を参照すると、位相変化量Δθ=−90°付近において、信号強度SIが急激に小さくなる谷Vが発生し、一方、位相変化量Δθ=90°付近において、信号強度SIが急激に大きくなる山Pが発生している。したがって、期間Tc4でも、期間Tc1と同様に、信号強度SIは、位相変化量Δθの値に応じて変動しているが、谷Vの位置と、山Pの位置が、−90°ずれていることがわかる。
本実施形態では、4つの期間Tc1〜Tc4で得られるデータを加算することにより合成画像を生成している(以下では、4つの期間Tc1〜Tc4で得られるデータを加算することを、4NEX(NEX:加算回数)と呼ぶ)。したがって、本実施形態において得られる合成画像の信号強度は、図5(a)〜(d)の信号強度SIを加算したものになる。
図5(e)は、図5(a)〜(d)の信号強度SIを加算することにより得られる合成信号強度Sgと位相変化量Δθとの関係を表すシミュレーション結果である。
図5(e)のグラフGgは、各グラフG1〜G4よりも、位相変化量Δθに対する信号強度Sgの変動が小さくなっていることがわかる。これは、グラフG1〜G4の信号強度SIを加算すると、グラフG1の谷Vおよび山P(図5(a)参照)が、グラフG2の山Pおよび谷V(図5(b)参照)によって打ち消されるとともに、グラフG3の谷Vおよび山P(図5(c)参照)が、グラフG4の山Pおよび谷V(図5(d)参照)によって打ち消されるためと考えられる。したがって、本実施形態では、静磁場不均一性に強く、バンドアーチファクトの現れにくいMR画像が得られることがわかる。
尚、図5は、フリップ角の異なるRFパルスを交互に送信した場合の信号強度SIと位相変化量Δθとの関係を表している。次に、従来のように、同じフリップ角のRFパルスを送信した場合に、信号強度SIと位相変化量Δθとの関係がどのようになるかについて説明する。
図6は、同じフリップ角のRFパルスを送信した場合の信号強度と位相変化量Δθとの関係を表すシミュレーション結果である。尚、シミュレーション条件は、RFパルスRF1およびT2のフリップ角A1およびA2が両方とも30°である点を除いては、図5におけるシミュレーション条件と同じである。
図6(a)〜(d)のグラフG1’〜G4’は、RFパルスRF1およびT2のフリップ角A1およびA2が両方とも30°に設定された場合の期間Tc1〜Tc4(図3(b)参照)の信号強度と位相変化量Δθとの関係を表すシミュレーション結果である。
図6(a)のグラフG1’を参照すると、位相変化量Δθ=0付近では、信号強度SIが急激に小さくなる谷が発生しており、位相変化量Δθが0°から180°に変化するにつれて、信号強度SIは緩やかに減少している。したがって、図6(a)のグラフG1’と、図5(a)のグラフG1とを比較すると、図6(a)のグラフG1’は、図5(a)のグラフG1に見られる山Pが発生していないことがわかる。
図6(b)、(c)、および(d)のグラフG2’、G3’、およびG4’でも、グラフG1’と同様に、信号強度SIは位相変化量Δθの値に応じて変動する。ただし、期間T2、P3、およびP4では、Δα=180°、90°、−90°であるので(式(3)〜(5)参照)、グラフG2’、G3’、およびG4’は、図6(a)に示すグラフG1’を、それぞれ180°、90°、−90°ずらしたグラフで表される。したがって、グラフG2’、G3’、およびG4’は、谷Vの位置が、グラフG1’に対して、それぞれ180°、90°、−90°ずれていることがわかる。
図6(e)のグラフGg’は、図6(a)〜(d)の信号強度SIを加算することにより得られる合成信号強度Sgの磁場不均一依存性を示すグラフである。
図6(e)のグラフGg’を参照すると、位相変化量Δθが、Δθ=0°、±180°、90°、および−90°に、谷が現れていることがわかる。Δθ=0°における谷は、グラフG1’に現れる谷Vが原因で発生する(図6(a)参照)。Δθ=±180°における谷Vは、グラフG2’に現れる谷Vが原因で発生する(図6(b)参照)。同様に、Δθ=90°および−90°は、それぞれグラフG3’およびG4’に現れる谷Vが原因で発生する(図6(c)および(d)参照)。
図7は、図5(e)のグラフGg(左側)と、図6(e)のグラフGg’(右側)とを並べて示した図である。
図5(e)のグラフGgと、図6(e)のグラフGg’とを比較すると、図5(e)のグラフGgは、図6(e)のグラフGg’よりも、位相変化量Δθに対する信号強度Sgの変動が小さくなっていることがわかる。このことを説明するために、グラフGgおよびGg’について、ゆらぎを考える。ゆらぎFは、以下の式で表される。
F=(Smax−Smin)/Smean ・・・(6)
ここで、Smax:信号強度Sgの最大値、Smin:信号強度Sgの最小値、Smean:信号強度Sgの平均値
図5(e)のグラフGgにおけるゆらぎFは、約0.019であり、一方、図6(e)のグラフGg’におけるゆらぎFは、約0.225である。両者のゆらぎFを比較すると、図5(e)のグラフGgの方が、ゆらぎFが1/10になっており、位相変化量Δθに対する信号強度Sgの変動が小さくなっていることがわかる。したがって、同じフリップ角のRFパルスを送信するよりも、フリップ角の異なるRFパルスを交互に送信するほうが、ゆらぎFを小さくすることができ、静磁場不均一性に強く、バンドアーチファクトの現れにくいMR画像が得られることがわかる。
尚、ゆらぎFは、TRの値や、RFパルスRF1およびRF2のフリップ角A1およびA2の値に応じて、様々に変化する。以下に、TRの値や、RFパルスRF1およびRF2のフリップ角A1およびA2の値に応じて、ゆらぎFがどのように変化するかについて説明する。
図8(a)、(b)および(c)は、それぞれ、TR=5(ms)、100(ms)、および200(ms)におけるゆらぎFのフリップ角依存性を示すグラフH1、H2、およびH3である。グラフの横軸は、RFパルスRF1のフリップ角A1であり、縦軸は、ゆらぎFである。各グラフH1、H2、およびH3には、フリップ角A2が10°、30°、50°、70°、および90°におけるゆらぎFのフリップ角依存性が示されている。
図8(a)〜(c)から、フリップ角A2が10°、30°、50°、70°、90°のどの値であっても、ゆらぎFの最小値をゼロに近づけるには、TRを大きくすればよいことがわかる。例えば、フリップ角A2=30°の場合、TR=5msではゆらぎFの最小値は約0.30であり、TR=100msではゆらぎFの最小値は約0.07であり、TR=200msではゆらぎFの最小値は0.01である。したがって、TRを大きくすることにより、ゆらぎFの最小値がゼロに近づき、バンドアーチファクトの現れにくいMR画像が撮影可能であることがわかる。
また、図8(a)〜(c)から、ゆらぎFを最小にするフリップ角A1は、フリップ角A2とは異なる値になることがわかる。例えば、フリップ角A2=30°の場合、TR=5ms、TR=100ms、およびTR=200msにおいて、ゆらぎFが最小値になるときのフリップ角A1は、それぞれA1=29°、A1=23°、およびA1=21°である。したがって、ゆらぎFを最小にするためには、フリップ角A1を、フリップ角A2とは異なる値にすればよいことがわかる。
尚、本実施形態では、0-0-0-0、0-180-0-180、0-90-180-270、0-270-180-90のフェーズサイクリングを実行しているが、本発明は、このフェーズサイクリングには限定されることはない。
本実施形態では、0-0-0-0、0-180-0-180、0-90-180-270、0-270-280-90の4NEXの場合について説明しているが、本発明は、4NEXには限定されず、例えば、2NEXでも適用可能である。
また、本実施形態では、被検体7の頭部7aの中の脳脊髄液CSFを強調して描出するのに適したタイムチャート(図3参照)について説明されているが、本発明は、脳脊髄液CSF以外の組織を撮影するのにも適用することができる。
更に、本実施形態では、被検体7の頭部7aを撮影する場合について説明されているが、本発明は、頭部以外の他の部位の撮影にも適用できる。
本発明の一実施形態の磁気共鳴イメージング装置1の概略図である。 被検体7の頭部7aに設定されたスライスの一例を示す図である。 フェーズサイクリング法によって被検体7の頭部7aが撮影するときのタイムチャートの一例の説明図である。 スピンの磁化Mの横磁化成分Mxyの位相の変化量を概略的に説明する図である。 スピンの磁化Mが定常状態になった後のMR信号の信号強度の静磁場不均一依存性のシミュレーション結果を表すグラフである。 同じフリップ角のRFパルスを送信した場合の信号強度の静磁場不均一依存性のシミュレーション結果を表すグラフである。 図5(e)のグラフGgと、図6(e)のグラフGg’とを並べて示した図である。 ゆらぎFのフリップ角依存性を示すグラフである。
符号の説明
1 MRI装置
2 コイルアセンブリ
3 テーブル
4 受信コイル
5 制御装置
6 入力装置
7 被検体
7a 頭部
8 オペレータ
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 送信コイル
31 クレードル
51 コイル制御手段
52 再構成手段

Claims (1)

  1. 被検体のスピンをSSFP状態にして、フェーズサイクリング法により前記被検体からデータを収集する磁気共鳴イメージング装置であって、
    RFパルスを送信する送信コイルと、
    勾配磁場を印加する勾配コイルと、
    前記送信コイルが繰返し時間ごとにRFパルスを送信するとともに、前記勾配コイルが、勾配磁場により生じる横磁化の位相シフトを前記繰返し時間の間に巻き戻すために、前記勾配磁場とは反対の極性の勾配磁場を印加するように、前記送信コイルおよび前記勾配コイルを制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、
    第1のフリップ角を有するRFパルスと、第2のフリップ角を有するRFパルスが交互に送信されるように、前記送信コイルを制御する、磁気共鳴イメージング装置。
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