JP2010121875A - 太陽熱パネルおよび太陽熱パネルの施工方法 - Google Patents

太陽熱パネルおよび太陽熱パネルの施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽熱パネルにおいて、ジョイント導出管を太陽熱パネルから突出させず、ジョイント導出管との接触を未然に防止することで作業の安全性を向上させ、かつ、太陽熱パネル間の連結作業を容易とし、施工を簡易にすることで作業者の安全性を飛躍的に高めることの構成を備える、太陽熱パネルおよび太陽熱パネルの施工方法を提供する。
【解決手段】太陽熱パネルにおけるジョイント導出管120の先端は、ジョイント導出管120の存在するタンク本体110の平面上に飛び出さないように、窪み110gの内部に収容されるように設けられている。これにより、ジョイント導出管120が突起物とならず、作業者への接触・ひっかかりを回避する。
【選択図】図4

Description

本発明は、太陽熱温水器に用いられる太陽熱パネル関するものであり、より詳しくは、太陽熱パネル内を熱媒が流れ、かつ、複数の太陽熱パネルを使用するタイプの、太陽熱パネルおよび太陽熱パネルの施工方法に関する。
一般に太陽熱パネルとは、太陽光を集熱器と呼ばれる装置で熱として吸収し、その熱を給湯や暖房に利用するものである。太陽電池と同様に自然エネルギーを利用する機器であり、地球温暖化防止のためには普及促進されるべきものである。
現在、多く使用されている「自然循環型」太陽熱パネルは、集熱器の上部に貯湯タンクを積載するものである。集熱器で温められた熱媒と貯湯タンク内の熱媒の温度差により、集熱器と貯湯タンクとの間を熱媒が自然に循環するため都合が良いが、貯湯タンクが集熱器から飛び出し、屋根等に配置するには、意匠性に大きな課題がある。
意匠性改善のために開発されたのが、集熱器と貯湯タンクとを物理的に分離し、集熱器は屋根の上、貯湯タンクは別のスペースに設置する「強制循環型」である。熱媒はポンプにより集熱器と貯湯タンクとの間を強制的に循環させられる。この「強制循環型」の太陽熱パネルでは屋根に積載されるのは薄い集熱器のみとなるため、意匠性が大幅に改善される。しかし、多くは銀色に輝く集熱器とタンク等であるので、まだなお意匠性に課題が残る。また、貯湯タンクのスペースを地上などに確保する必要があるのも課題である。
一方、一つの屋根に太陽電池パネルと太陽熱パネルとを併設する提案もなされてきている。その一例として、特許文献1では屋根上に固定した複数の支持部材の間に太陽熱コレクタ(集熱器)を配置し、その上から、併設する太陽電池パネルと同一サイズの透明パネルを固定する発明が開示されている。これは「強制循環型」太陽熱温水器の意匠性をより向上させた例と言える。
また、ジョイント導出管の連結容易性に関する提案もなされている。その一例として、下記特許文献2では、給水装置へのワンタッチジョイント継手を簡素化、効率化とした配管装置の発明が開示されている。これは施工性を向上させた例と言える。
特開平05−324092号公報 特開2000−120118号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される集熱器においては、太陽熱パネルの意匠性の向上を図ったものの、施工性が考慮されておらず、施工に困難性が伴うおそれがある。また、上記特許文献2に開示されるジョイント導出管の構成は、ジョイント継手の接続容易性の向上を図っている。しかし、屋根の上における太陽熱パネルの施工作業には、特有の危険性が存在するため、そのままジョイント導出管の構成を太陽熱パネルに適用したのでは、施工作業に危険性が伴うおそれがある。
この発明が解決しようとする課題は、複数の太陽熱パネルを備えた太陽熱パネル間の連結において、複雑な連結作業を屋根の上で行なう場合には、施工作業に危険を伴う点にある。
したがって、本発明の目的は、太陽熱パネルにおいて、ジョイント導出管を突出させずジョイント導出管との接触を防ぐことで安全性を向上させ、かつ、太陽熱パネル間の連結作業を容易とし、施工作業を簡易にすることで作業者の安全性を飛躍的に高めることの構成を備える、太陽熱パネルおよび太陽熱パネルの施工方法を提供することにある。
この発明に基づいた太陽熱パネルにおいては、屋根の上に設置される太陽熱パネルであって、集熱器を兼ねる貯湯タンクを内蔵する太陽熱パネル本体と、上記貯湯タンクを構成するタンク本体に連通するジョイント導出管とを備えている。上記ジョイント導出管は、上記タンク本体に設けられた窪みに収容されるように設けられている。
また、上記太陽熱パネルにおいては、上記ジョイント導出管が収容される窪みは、上記タンク本体の下面または側面の少なくといずれかの面に設けられる。
また、上記太陽熱パネルにおいては、上記ジョイント導出管が収容される窪みは、上記タンク本体の角部近傍領域に設けられる。
この発明に基づいた太陽熱パネルの施工方法においては、上述した構成を備える第1の太陽熱パネルと第2の太陽熱パネルとを、屋根の上に設置するための太陽熱パネルの施工方法であって、上記第1の太陽熱パネルの上記ジョイント導出管と、上記第2の太陽熱パネルの上記ジョイント導出管との連結に、物理的な柔軟性を持つ導管部連結部材を用いる。
また、上記太陽熱パネルの施工方法においては、上記第1の太陽熱パネルを上記屋根の上に位置決め固定した後、上記第2の太陽熱パネルを上記屋根の上に位置決め固定する前に、上記第1の太陽熱パネルの上記ジョイント導出管と、上記第2の太陽熱パネルの上記ジョイント導出管とを上記導管部連結部材により連結する。
この発明に基づいた太陽熱パネルによれば、太陽熱パネルにおけるジョイント導出管の先端は、ジョイント導出管の存在するタンク本体の平面上に飛び出さないように、窪みの内部に収容されるように設けられている。これにより、ジョイント導出管が突起物とならず、作業者への接触・ひっかかりを回避する。
その結果、太陽熱パネルにおいて、ジョイント導出管がタンク本体から突出することによる作業者との接触を未然に防止することが可能となり、連結作業の安全性を向上させ、かつ、太陽熱パネル間の連結作業を容易とし、施工作業を簡易にすることで作業者の安全性を飛躍的に高めることができる。
この発明に基づいた太陽熱パネルの施工方法によれば、第1の太陽熱パネルのジョイント導出管と、第2の太陽熱パネルのジョイント導出管とを導管部連結部材により連結する構成としたことから、第1の太陽熱パネルを屋根の上に位置決め固定した後、第2の太陽熱パネルを屋根の上に位置決め固定する前に、導管部連結部材によるジョイント導出管同士の連結が可能となる。
その結果、太陽熱パネルの施工が容易となり、複数の太陽熱パネルの施工を効率良く行なうことが可能となる。また、ジョイント導出管と導管部連結部材との連結に、ワンタッチジョイント継手機構を採用することで、太陽熱パネル間の接続に必要な力作業と工具を必要とする作業の工程を減らせることができるため、作業者の安全性を飛躍的に高めることが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
また、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の構成を適宜組み合わせることは、当初から予定されている。
本発明に基づいた実施の形態における太陽熱パネル1の構造について、図1から図6を参照して説明する。なお、図1は、本実施の形態における太陽熱パネル1の全体構造の概略を示す斜視図であり、図2は、実施の形態における屋根に設けられる支持部材の配置を示す図であり、図3は、実施の形態における複数台の太陽熱パネル1の屋根上への施工例を示す図であり、図4は、実施の形態における太陽熱パネルの内部構造を示す部分横断面図であり、図5は、実施の形態における太陽熱パネルに設けられる凸部材の配置を示す図であり、図6は、実施の形態における貯湯タンクの構造を示す平面図である。
(太陽熱パネル1)
図1を参照して、本実施の形態における太陽熱パネル1は、集熱器を兼ねる貯湯タンク108(図4参照)を内蔵する太陽熱パネル本体100と、この太陽熱パネル本体100の側面を取り囲むように設けられる枠部材200とを備えている。なお、本実施の形態においては、太陽熱パネル1は、後述する支持部材としての横桟25、縦桟26、および係合部材210を含むものとする。
図2を参照して、屋根28に設けられる支持部材としては、縦方向および横方向に所定のピッチで配置される縦桟26と、縦桟26の上に固定され、横方向に伸びる横桟25とを有している。通常、太陽熱パネル1の中央部に縦桟26が配置されるように太陽熱パネル1は配置される。横桟25の両端部においては、横桟25の片持ち支持を回避するために、縦桟26が設けられている。図3に、屋根28の上に、上記横桟25を利用して、太陽熱パネル1を複数台施工した場合を示す。施工手順については、後述する。
(太陽熱パネル本体100の詳細構造)
次に、図4から図6を参照して、太陽熱パネル本体100の詳細構造について説明する。太陽熱パネル本体100は、貯湯タンク108を有し、貯湯タンク108の周囲は、エラストマーを使用した緩衝材105および発泡スチロール等からなる断熱材112を介在させて枠部材200が設けられている。枠部材200には、表面にアルマイト処理を施したアルミニウム製の部材(パネルの各辺に対応する4つの部材で構成されており、組み上げた時のサイズ:1165mm×990mm×46mm)が用いられている。
貯湯タンク108は、透明体109および集熱器一体型のタンク本体110で構成されている。透明体109は、タンク本体110の上面側の開口部110b覆う第1透明体109aと、第1透明体109aの上の所定位置に配置される複数の凸部材109bと、凸部材109bの上に載置され、第1透明体109aに対して所定の間隙を隔てて配置される第2透明体109cとを有している。
第1透明体109aには樹脂材料の一例として、ポリカーボネートが用いられ、第2透明体109cには強化ガラスが用いられている。また、強化ガラスの裏面側には、紫外線を遮蔽する特性を持つフィルム102が貼着されている。これにより、樹脂材料からなる構成部材の光劣化の抑制を可能とし、長期信頼性の向上に寄与させることができる。
凸部材109bは断面形状が台形で高さが約5mmである。図5に示すように、凸部材109bは所定の間隔で相互に平行となるように配置されている。凸部材109bを第1透明体109aと第2透明体109cとの間に介在させることで、空気層からなる断熱層を形成することができる。凸部材109bの高さが空気の層の厚みを決定することになるが、断熱の観点からは、上述したように約5mm前後が好ましい。これにより、貯湯タンク108の断熱性能を向上させることができる。
再び、図4を参照して、タンク本体110は、第1透明体109aと同じ樹脂材料であるポリカーボネートで一体成型されている。なお、長期信頼性の向上への寄与の観点から、ガラス繊維強化プラスチックや炭素繊維強化プラスチックを用いることで、タンク本体110の強度を増加させることも可能である。また、その内部には、内壁110cで仕切られ、熱媒である水を貯める導管部115が18列形成されている。1列の導管部115の幅は約50mm、深さは約70mmである。
なお、タンク本体110と第1透明体109aとを同じ樹脂材料で成型することで、熱膨張率が同じであることから、長期間の温度サイクルに対して部材間の応力が発生しにくく、長期信頼性の向上に寄与させることができる。
図6に示すように、導管部115の平面視におけるパターンは、サーペンタイン(serpentine)形状(蛇行形状)であり、18列の導管部115は全て直列に繋がっている。なお、この形状は一例であり、導管部115については、適宜最適な数量・形状が選択される。
タンク本体110の下面側には、凹部領域からなる窪み110gが成形され、この窪み110gの内部には、直径約7mmのジョイント導出管120が収容されるように設けられている。また、ジョイント導出管120の中ほどには0リング121が取り付けられている。なお、ジョイント導出管120が収容されるとは、ジョイント導出管120の先端部が、窪み110gからタンク本体110の表面に突出していないことを意味する。
下面側に設ける窪み110gの位置は、作業性を考慮するとタンク本体110の角部(コーナ部)近傍であることが好ましい。この窪み110gは、導管部115に沿って線状に設けられても構わないし、ジョイント導出管120を取り囲むように円筒形状に設けても構わない。窪み110gの容積は、後述する導管部連結部材23のアタッチメント21が収容可能な大きさとなる。
タンク本体110の表面には、光選択吸収材料として黒クロムメッキを施してある。より詳細には、まず、カーボンブラックを含む塗料をタンク本体110の集熱部表面(内壁110cおよび湾曲状の底面110d)にコーティングし、加熱により塗料を乾燥させると同時にカーボンブラックを樹脂へ固着させた後、カーボンブラックを導電材料として黒クロムメッキを施した。本実施の形態におけるタンク本体110は、その表面全面により、集熱器を構成している。
このように、タンク本体110にカーボンブラックを含有させることで、その光吸収特性から太陽光の吸収を促進しつつ紫外線によるタンク本体110の劣化を防ぐことが可能となる。また、タンク本体110の集熱部に含有されたカーボンブラックを導電材料として黒クロムメッキが施されていることにより、材料の光選択吸収特性から太陽光からの可視光線をよく吸収しつつ、自身からの赤外線放射を抑制でき、集熱部としての効率を向上させることができる。
図5および図6に示すように、タンク本体110および第1透明体109aの外周部の全周には、それぞれ、ボルトネジ113を通す直径約3mmのボルト穴116,117を16箇所設けられている。
再び、図4を参照して、第1透明体109aは、タンク本体110にボルトネジ113およびナット114を用いて、固定されている。また、ボルト穴116,117の内周側のタンク本体110の表面には、溝132を設けてあり、この溝132にリング状のシール材111が収められている。
貯湯タンク108の周囲は、エラストマーを使用した緩衝材105および発泡スチロール等からなる断熱材112を介在させて枠部材200が設けられている。枠部材200は4本の部材から構成され、貯湯タンク108を四方から取り囲み、ビス(図示省略)で固定され、太陽熱パネル1が完成する。
(太陽熱パネル1の屋根28への固定)
次に、上記構成からなる太陽熱パネル1の屋根28への固定について、図7から図11を参照して説明する。図7は、太陽熱パネル1を屋根28に載置する際の状態を模式的に示した分解斜視図であり、図8は、太陽熱パネル1を屋根28に載置した状態での横断面図であり、図9は、太陽熱パネル1を屋根28に載置した状態での縦断面図であり、図10は、太陽熱パネル1の連結に用いられる導管部連結部材23の構造を示す図であり、図11は、隣接配置された太陽熱パネル1同士の導管部連結部材23を用いた連結状態を示す模式図である。
図7および図8を参照して、屋根28に設けられる支持部材としては、縦方向および横方向に所定のピッチで配置される縦桟26と、縦桟26の上に固定され、横方向に伸びる横桟25とを有している。通常、太陽熱パネル1の中央部に縦桟26が配置されるように太陽熱パネル1は配置される。横桟25の両端部においては、横桟25の片持ち支持を回避するために、縦桟26が設けられている。
最初に縦桟26を屋根28にネジ止めし、次に縦桟26の上に横桟25を、固定金具やネジで固定する。また、横桟25の上面には、太陽熱パネル1の枠部材200に設けられた係合領域部202に係合するための鉤状の係合爪211を先端に備える係合部材210が、立設されている(図9参照)。
図8に示すように、太陽熱パネル1の貯湯タンク108の下端面と屋根28との間には、支持パネル29が施設され、屋根28の上に支持パネル29が載置され、支持パネル29の上に貯湯タンク108が載置される。この支持パネル29は、好ましくは断熱性能を有し、例えば、発泡断熱材料または真空断熱材料が用いられる。
発泡断熱材料としては、発泡性樹脂が挙げられるが、より具体的には発泡スチロールや発泡ウレタンが好適である。真空断熱材料には、グラスファイバーを真空封止したものが一般的であり好適である。また、支持パネル29に変形可能な材質を用いることにより、屋根28の表面の凹凸と貯湯タンク108の下端面との隙間を埋めることができる。
このように、支持パネル29を施設することで、太陽熱パネル1とその中に導入される水の荷重を支持パネル29を介して屋根28で受けることが可能になる。支持パネル29が無ければ、太陽熱パネル1の荷重は枠部材200、横桟25、および、縦桟26を介して一部の屋根28上に掛かるが、支持パネル29を追加することにより、荷重をより広範囲な屋根28に分散できる。
同時に、支持パネル29が貯湯タンク108と屋根28との間の空間を完全に塞げれば、空気の流れを遮断することができ、貯湯タンク108の底面からの放熱を低減することも可能となる。また、支持パネル29に、発泡性樹脂もしくは真空断熱材を用いることで、貯湯タンク108の底面から支持パネル29を介した熱伝導による放熱を低減することができる。
なお、貯湯タンク108の下端面において、横桟25と縦桟26とが位置する領域においては、貯湯タンク108を太陽熱パネル本体100の内部において屋根28に至るまでの空間を略埋めるように設ける必要があるため、貯湯タンク108の下端面には、窪み領域110e(図8参照)および窪み領域110f(図9参照)が設けられている。
この窪み領域110e,110fは、貯湯タンク108と横桟25および縦桟26との物理的干渉を防ぐために施されている。したがって、貯湯タンク108の底面から見た窪み領域110e,110fの深さは、横桟25および縦桟26と干渉しない範囲であればできるだけ浅い方が好ましい。
なお、屋根28の表面が略平坦であり、また、貯湯タンク108の下端面の断熱が問題とならない場合には、支持パネル29を介在させることなく貯湯タンク108の下端面が屋根28に直接接する構成の採用も可能である。
図9に示すように、係合部材210の先端に設けられた係合爪211が、枠部材200に設けられた係合領域部202に係合することにより、太陽熱パネル1は、係合部材210に固定されることになる。なお、図9においては、太陽熱パネル1の下端部における係合状態を図示しているが、太陽熱パネル1の上端部も同様に、係合爪211が、枠部材200に設けられた係合領域部202に係合する。
貯湯タンク108同士の連結には、貯湯タンク108に設けられたジョイント導出管120を利用して、物理的な柔軟性を持つ導管部連結部材23を連結する。この導管部連結部材23は、図10に示すように、導管部連結部材23は、導水管22とその両端部に固定されるアタッチメント21とを有している。
導水管22は、金属メッシュを含んだ樹脂製であり、酸素不透過の架橋ポリエステル管に断熱性の発泡ウレタンをコーティングした上に対紫外線樹脂層で覆われている。導水管22の両側の先端部分にはアタッチメントのステンレスコネクター21が接続されている。導水管22の長さは、接続する太陽熱パネル1同士の間の距離によって自由に設定可能である。アタッチメント21と貯湯タンク108に設けられたジョイント導出管120との連結には、工具などを使用せずに脱着が可能な嵌合式のワンタッチジョイント継手機構が採用されている。
図11に示すように、太陽熱パネル1におけるジョイント導出管120の先端は、ジョイント導出管120の存在するタンク本体110の平面上に飛び出さないように、窪み110gの内部に収容されるように設けられている。これにより、ジョイント導出管120が突起物とならず、作業者への接触・ひっかかりを回避する。また、太陽熱パネル1の意匠性の向上も図っている。
その結果、太陽熱パネルにおいて、ジョイント導出管120がタンク本体110から突出することによる作業者との接触を防ぐことが可能となり、安全性を向上させ、かつ、太陽熱パネル間の連結作業を容易とし、施工を簡易にすることで作業者の安全性を飛躍的に高めることができる。
また、太陽熱パネル1同士の接続のために導管部連結部材23を使用し、導水管22に柔軟性があり自由に曲げることが可能な材料を用いることで、太陽熱パネル1同士が定められた位置関係にない状態でも問題なく接続することが可能であり、施工作業の改善を図ることができる。
また、様々な長さの導水管22を使用することにより、近接する太陽熱パネル1だけでなく、物理的に離れた場所に設置された太陽熱パネル1同士を接続することも可能となるため、狭い屋根への施工性を向上させることもできる。
また、太陽熱パネル1同士の接続に、工具を使用しないで脱着可能なワンタッチジョイント継手機構を採用した、ジョイント導出管120および導管部連結部材23を使用することにより、取り付け・取り外しが非常に簡単になり、施工性・保守性の簡易化を図ることが可能となる。さらに付随的な効果として、ワンタッチジョイント継手機構を採用したジョイント導出管120および導管部連結部材23は、市場において量産されている工業製品であることから、安価な部材として容易に入手することができ、太陽熱パネルのトータルコストの削減を図ることも可能となる。
(太陽熱パネル1の施工方法)
次に、図3に示した、5台の太陽熱パネル1を横方向に施工する場合の施工方法について説明する。図2および図3を参照して、まず、1枚目の第1の太陽熱パネル1を横桟25の右端に立てかけ、1本目の導管部連結部材23の一方のアタッチメント21を第1の太陽熱パネル1の右側のジョイント導出管120に取り付け、他方のアタッチメント21は上段の横桟25の上方に引き出す。
2本目の導管部連結部材23の一方のアタッチメント21を第1の太陽熱パネル1の左のジョイント導出管120に取り付け、他方のアタッチメント21を1枚目の太陽熱パネル1の左側に引き出す。その後、第1の太陽熱パネル1を、図9に示したうように、係合部材210を用いて位置決め固定する。
次に、2枚目の第2の太陽熱パネル1を第1の太陽熱パネル1の左側に立てかけ、第1の太陽熱パネル1の左側から引き出しておいた導管部連結部材23のアタッチメント21を第2の太陽熱パネル1の右側のジョイント導出管120に取り付ける。3本目の導管部連結部材23を第2の太陽熱パネル1の左側のジョイント導出管120に取り付ける。
同様にして、順次第3、第4、第5の太陽熱パネル1を順次位置決め固定することで、横桟25の間に横方向に沿って第1から第5の太陽熱パネル1が位置決め固定される。1枚目の第1の太陽熱パネル1と5枚目の第5の太陽熱パネル1の側面から、それぞれ導管部連結部材23が引き出されているので、これをそれぞれ水道からの給水配管60、および補助加熱装置への配管61に接続する。
最下段に位置する横桟25は、太陽熱パネル本体100では覆われずそのままでは露出した状態になるため、意匠性を向上させるために、化粧カバー400が、横桟25に設けられた係合部材210を利用して固定されている。以上により、図3に示す、5台の太陽熱パネル1の施工が完了する。
このように、太陽熱パネル1は、水道からの給水配管60と直結されているため、水道の圧力だけを利用して貯湯タンク108に水を導入し、移動させられることから、ポンプが不要となり、初期コスト・ランニングコストの低減を図ることが可能になる。なお、本実施の形態では、太陽熱パネル1は、水道からの給水配管60と直結されている場合を開示しているが、水道と太陽熱パネル1との間に減圧弁を設置しても構わない。
以上、本実施の形態における太陽熱パネル1によれば、従来と同等容量の温水を保持できる貯湯タンク108を、太陽熱パネル1と屋根28との間の空間に収めたことから、意匠性を損なわず、地上のタンク設置スペースを不要にできる。また、屋根28への設置に支持パネル29を用いていることから、太陽熱パネル1とその中に導入される水の荷重を支持パネル29を介して屋根28で受けることが可能になる。
同時に、支持パネル29が貯湯タンク108と屋根28との間の空間を塞ぐことで、空気の流れを遮断することができ、貯湯タンク108の底面からの放熱を低減することも可能となる。その結果、長期信頼性に優れた設置方法を提供することが可能となる。これらに加え、施工性・保守性に優れ、低コストな太陽熱パネルを提供することが可能となる。
さらに、太陽熱パネル1におけるジョイント導出管120の先端は、ジョイント導出管120の存在する太陽熱パネル1の平面上に飛び出さないように、窪み110gの内部に収容されるように設けられている。これにより、ジョイント導出管120が突起物とならず、作業者への接触・ひっかかりを回避する。
さらに、太陽熱パネル1の施工において、接続部を突出させず突出部との接触を防ぐことが可能となり、施工時における作業者の安全性を向上させ、かつ、太陽熱パネル1間の連結作業を容易とし、施工を簡易にすることで作業者の安全性を飛躍的に高めることが可能となる。
なお、上記実施の形態における太陽熱パネル1においては、ジョイント導出管120を収容する窪み110gをタンク本体110の下面側に設けた場合について説明したが、図12に示すように、タンク本体110の側面に窪み110hを形成し、この窪み110h内にジョイント導出管120を収容するように設ける構成の採用も可能である。側面に設ける窪み110hの位置は、作業性を考慮するとタンク本体110の角部(コーナ部)近傍であることが好ましい。
このように、ジョイント導出管120をタンク本体110の側面に設けた場合には、図13に示すように、家屋の二階の屋根28aと一階の屋根28bのような、段差のある屋根28の場合に、その形状に応じて側面からの導管部連結部材23の引き回しを行なうことか可能となり、太陽熱パネル1の施工性の容易性を高めることが可能となる。
また、図14に示すように、タンク本体110の棟側の側面(屋根の傾斜の上部側)に窪み110iを形成し、この窪み110i内にジョイント導出管120を設ける構成の採用も可能である。この窪み110iの位置は、作業性を考慮するとタンク本体110の角部(コーナ部)近傍であることが好ましい。
ジョイント導出管120を太陽熱パネル1の棟側側面に設けることで、太陽熱パネル1の位置決め固定後の導管部連結部材23のジョイント接続が容易となり好ましい。また、下面側(軒先側)よりも導管部連結部材23が下方に位置することから、看者からは見えづらくなり意匠的にも好ましい。
また、図15に示すように、タンク本体110の軒先側の側面(屋根の傾斜の下部側)に窪み110jを形成し、この窪み110j内にジョイント導出管120を設ける構成の採用も可能である。この窪み110jの位置は、作業性を考慮するとタンク本体110の角部(コーナ部)近傍であることが好ましい。
ジョイント導出管120を太陽熱パネル1の軒先側側面に設けることで、メンテナンス時の導管部連結部材23の点検が意匠カバー400を外すだけで行なえる。点検において、導管部連結部材23の取替えが必要な場合には、容易に取り替えることが可能となるので好ましい。導管部連結部材23の導水管22は、意匠カバー400により見えづらくなっており、導水管22が外部に飛び出さず、保護され易い構造のために、導水管22の劣化が起こりにくく好ましい。
なお、太陽熱パネル1の上面側に窪みを設け、この窪み内にジョイント導出管120を設ける構成を採用した場合には、導管部連結部材23のジョイント導出管120への接続作業が容易となる。更に、導管部連結部材23の導水管22に劣化が生じた場合、外部よりの診断が容易であるというメンテナンス性に優れているために好ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態における太陽熱パネルの全体構造の概略を示す斜視図である。 実施の形態における屋根に設けられる支持部材の配置を示す図である。 実施の形態における複数の太陽熱パネルの屋根上への施工例を示す図である。 実施の形態における太陽熱パネルの内部構造を示す部分横断面図である。 実施の形態における太陽熱パネルに設けられる凸部材の配置を示す図である。 実施の形態における貯湯タンクの構造を示す平面図である。 実施の形態における太陽熱パネルを屋根に載置する際の状態を模式的に示した分解斜視図である。 実施の形態における太陽熱パネルを屋根に載置した状態での横断面図である。 実施の形態における太陽熱パネルを屋根に載置した状態での縦断面図である。 実施の形態における太陽熱パネルの連結に用いられる導管部連結部材の構造を示す図である。 実施の形態における太陽熱パネルの導管部連結部材を用いた連結状態を示す模式図である。 実施の形態における太陽熱パネルの他の内部構造を示す部分横断面図である。 実施の形態における複数の太陽熱パネルの他の屋根上への施工例を示す図である。 実施の形態における太陽熱パネルの他の内部構造を示す棟側の部分拡大水平断面図である。 実施の形態における太陽熱パネルの他の内部構造を示す軒先側の部分拡大水平断面図である。
符号の説明
1 太陽熱パネル、21 アタッチメント(ステンレスコネクター)、22 導水管、23 導管部連結部材、25 横桟、26 縦桟、28 屋根、28a 二階の屋根、28b 一階の屋根、29 支持パネル、60 給水配管、100 太陽熱パネル本体、102 フィルム、105 緩衝材、108 貯湯タンク、109 透明体、109a 第1透明体、109b 凸部材、109c 第2透明体、110 タンク本体、110b 開口部、110c 内壁、110d 底面、110e,110f 窪み領域、110g,110h,110i,110j 窪み、111 シール材、112 断熱材、113 ボルトネジ、114 ナット、115 導管部、116,117 ボルト穴、120 ジョイント導出管、121 0リング、132 溝、200 枠部材、202 係合領域部、210 係合部材、211 係合爪、400 意匠カバー。

Claims (5)

  1. 屋根の上に設置される太陽熱パネルであって、
    集熱器を兼ねる貯湯タンクを内蔵する太陽熱パネル本体と、
    前記貯湯タンクを構成するタンク本体に連通するジョイント導出管と、を備え、
    前記ジョイント導出管は、前記タンク本体に設けられた窪みに収容されるように設けられている、太陽熱パネル。
  2. 前記ジョイント導出管が収容される窪みは、前記タンク本体の下面または側面の少なくといずれかの面に設けられる、請求項1に記載の太陽熱パネル。
  3. 前記ジョイント導出管が収容される窪みは、前記タンク本体の角部近傍領域に設けられる、請求項2に記載の太陽熱パネル。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の構成を備える第1の太陽熱パネルと第2の太陽熱パネルとを、屋根の上に設置するための太陽熱パネルの施工方法であって、
    前記第1の太陽熱パネルの前記ジョイント導出管と、前記第2の太陽熱パネルの前記ジョイント導出管との連結に、物理的な柔軟性を持つ導管部連結部材を用いる、太陽熱パネルの施工方法。
  5. 前記第1の太陽熱パネルを前記屋根の上に位置決め固定した後、前記第2の太陽熱パネルを前記屋根の上に位置決め固定する前に、前記第1の太陽熱パネルの前記ジョイント導出管と、前記第2の太陽熱パネルの前記ジョイント導出管とを前記導管部連結部材により連結する、請求項4に記載の太陽熱パネルの施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013170712A (ja) * 2012-02-17 2013-09-02 Yazaki Energy System Corp 太陽熱温水器の集熱器
JP2018531365A (ja) * 2015-10-06 2018-10-25 トラック・グループ・ホールディングス・リミテッドTrac Group Holdings Ltd 太陽熱光捕集器

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