JP2010112799A - 近赤外分光法による乳房炎診断のための体細胞数閾値探索方法及び装置 - Google Patents
近赤外分光法による乳房炎診断のための体細胞数閾値探索方法及び装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】乳房炎り患等について確度の高い判断方法を非破壊的な態様で迅速に行う方法及び装置を提供する。
【解決手段】体細胞数等に基づいて乳房炎等にり患しているか否か診断する方法であって、体細胞数等が既知である牛等について、2つの閾値によるグループ化を行い、グループごとに可視光及び/又は近赤外光のスペクトル分析によりSIMCAモデルを構築し、構築したSIMCAモデルを体細胞数が未知の牛等に適用して、乳房炎等にり患しているか、健康か、中間の状態かを判断する。
【選択図】図1
【解決手段】体細胞数等に基づいて乳房炎等にり患しているか否か診断する方法であって、体細胞数等が既知である牛等について、2つの閾値によるグループ化を行い、グループごとに可視光及び/又は近赤外光のスペクトル分析によりSIMCAモデルを構築し、構築したSIMCAモデルを体細胞数が未知の牛等に適用して、乳房炎等にり患しているか、健康か、中間の状態かを判断する。
【選択図】図1
Description
本発明は、乳房炎又は病気り患の有無を可視光及び/又は近赤外光を用いて診断する方法及び装置に関する。
乳房炎は乳牛にとって最も深刻な疾病の1つである。乳房炎り患による治療費用及び乳量の減少や重症の感染の場合の乳牛廃棄による収入減により毎年巨額の経済的損失が発生している。
乳房炎有無の診断法としては、牛乳に診断液を加え、凝集と色調で判定するPLテスト(CMT変法)がある。簡便に用いることができるため多用されているが、定性的な検査法であり乳房炎のり患の正確な程度を診断することは困難である。現在、乳房炎の有無を診断する方法で最も良く用いられているのは体細胞数(SCC:Somatic Cell Count)を計測するものである。
体細胞には上皮細胞や血液細胞等が含まれるが、乳房炎に感染するとリンパ球と好中球を主体とした白血球の増加により合計体細胞数が増加するので、体細胞数の増減により乳房炎感染の有無を推定することが可能である。乳房炎には臨床症状を現す臨床型乳房炎と外観には異常が認められない潜在性乳房炎があるが、体細胞数の計測により潜在性乳房炎も発見することができる。このため、体細胞数の計測は最も一般的で信頼性の高い乳房炎診断法の1つとして確立されている。
体細胞数と乳房炎の関係については、IDF(国際酪農連盟)が、生乳1ml中の体細胞数が50万以上のものを乳房炎と定義している。しかし最近では、食の安全の観点から乳質改善の要請が高まり、体細胞数が31万以上の生乳について引き取りの際にペナルティを課す等の動きが加速している。
体細胞数を計測する方法としては、乳汁中の染色された体細胞を蛍光顕微鏡で自動計測して、体細胞数を演算・表示する蛍光光学式体細胞数測定機によるものが知られている。しかし、採取した生乳に染色液や緩衝液を加えてから計測するものであり、迅速性の点、薬品を添加する点、非破壊態様でない等の改善すべき点がある。
この点を改善した発明として、本発明の発明者による可視光及び/又は近赤外光を用いて乳房炎の有無を診断する方法が提案されている(特許文献1)。この発明は、乳房炎り患の有無について既知の牛群を牛乳のスペクトルデータに基づいて乳房炎牛と健康牛のグループ分けを行ってSIMCAモデルを構築し、次に、乳房炎り患の有無について未知の牛群のスペクトルデータを取得して、取得したデータに基づいていずれのグループに属するかを判断するものである。
又、本発明の発明者により、乳房炎り患の有無について既知の牛群の牛乳のスペクトルデータから体細胞数の逆演算モデルを構築し、次に、乳房炎り患の有無について未知の牛群のスペクトルデータを取得して、取得したデータに基づいて体細胞数を予測する発明も提案されている(特許文献2)。
これらの発明により、牛乳のスペクトルデータを用いて非破壊的な態様で、迅速に乳房炎り患の有無を判断しうることとなった。しかし、体細胞数の計測は乳房炎り患の有無を直接的に反映したものではなく、感染菌の侵入、増殖に対抗して増加する白血球を中心とした物質の数値を計測するものである。そして、感染菌の増殖に対して白血球の増加はタイムラグを伴うので、体細胞数の計測値はその時点での感染菌の増殖レベルとは必ずしも一致しない。又、早期発見、早期治療の観点から、基準となっている体細胞数を下回る牛についても、今後の乳房炎進行のリスクの大小を判断する必要もある。このため、乳房炎感染の有無について1つの体細胞数のみを基準として判断する従来の判断方法では十分といえず、複数の体細胞数を考慮すべきである。
又、前述のように、体細胞数の増加は乳房炎り患を間接的かつ時間的ギャップを伴って反映するものなので、複数の体細胞数の基準値は各々単一の数値で設定されるのではなく、ある程度の範囲の中で考慮する必要がある。さらに、体細胞数には個体牛間の相違、朝夕等の計測時間による相違、季節による相違、前搾り時と後搾り時による相違等様々な条件によるバラつきが報告されている。よって、これらの範囲や条件の中で好適な複数の基準値を求めるための探索手段が必要である。
本発明は、これらの問題を解決するために、乳房炎であるか、健康であるか又は中間の状態であるかについて、条件や状況に応じたより確度の高い判断を非破壊的な態様で、迅速に行うことを目的とする。又、乳房炎に留まらず、本発明に係る方法又は装置を用いることにより、生体の疾病について、病気であるか、健康であるか又は中間の状態であるかについても同様に判断することを目的とする。
本発明により、体細胞数に基づいて乳房炎にり患しているか否か診断する方法であって、
(1)体細胞数が既知である牛群の各牛について、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を各牛の生乳に入射し、生乳からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出した後、該透過光、反射光及び/又は透過反射光の検出強度と前記波長とからなるスペクトルデータについて、
(2)体細胞数の多少に基づき乳房炎と判断される上の閾値と健康と判断される下の閾値の2つの閾値の設定により、前記牛群について乳房炎牛と健康牛とグレイ牛の3つのグループに分類し、各グループ又は乳房炎牛と健康牛の2つのグループに属する牛の内一部又は全部の牛を抽出して、
(3)抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の牛についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、
(4)前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの牛又はすでに抽出された牛の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、
(5)該評価を反映したSIMCAモデルを決定し、
体細胞数が未知な牛について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、乳房炎牛と健康牛とグレイ牛のいずれに分類されるかを決定することを特徴とする乳房炎り患診断方法が提供される。
(1)体細胞数が既知である牛群の各牛について、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を各牛の生乳に入射し、生乳からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出した後、該透過光、反射光及び/又は透過反射光の検出強度と前記波長とからなるスペクトルデータについて、
(2)体細胞数の多少に基づき乳房炎と判断される上の閾値と健康と判断される下の閾値の2つの閾値の設定により、前記牛群について乳房炎牛と健康牛とグレイ牛の3つのグループに分類し、各グループ又は乳房炎牛と健康牛の2つのグループに属する牛の内一部又は全部の牛を抽出して、
(3)抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の牛についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、
(4)前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの牛又はすでに抽出された牛の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、
(5)該評価を反映したSIMCAモデルを決定し、
体細胞数が未知な牛について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、乳房炎牛と健康牛とグレイ牛のいずれに分類されるかを決定することを特徴とする乳房炎り患診断方法が提供される。
本発明では、波長400nm〜2500nmの全範囲にわたり、又は、その範囲中の一部の波長か一部の波長を組み合わせた波長について、体細胞数が既知である牛から搾乳した生乳に光を入射する。乳房炎診断に有効な波長を選択し、選択された波長を組み合わせた波長群の可視光及び/又は近赤外光を用いることが好適である。検出される光の強度は反射光、透過光、透過反射光はいずれによるものでも良く、それらを組み合わせたものでも良い。選択された波長の組み合わせ等についての検出された強度はスペクトルデータとして用いられる。
取得されたスペクトルデータは体細胞数の多少に対応して整理され、グループ分けされ、それぞれのグループについてSIMCAモデルが構築され、評価後SIMCAモデルの決定がなされる。このグループ分けには2つの閾値が用いられる。体細胞数の多い閾値を超える体細胞数を有するグループに属する牛は乳房炎牛と判断され、体細胞数の少ない閾値を下回る体細胞数を有するグループに属する牛は健康牛と判断される。その結果、2つの閾値の中間の体細胞数を有するグループに属する牛は、乳房炎牛にも健康牛にも該当しないグレーゾーン牛すなわちグレイ牛と判断される。診断の目的によっては、診断誤差を考慮して、乳房炎牛及び/又は健康牛の判断のみを行い、グレイ牛は積極的な分類としてではなく、その他としての意味合いのみを持つ。
構築されたSIMCAモデルの有効性については、各々のグループに属する牛のスペクトルデータをSIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて構築されたSIMCAモデルを評価することにより検証される。この場合、評価は、各々のグループに属する抽出されなかった残りの全部又は一部の牛による外部評価が好適であるが、各々のグループに属するすでに抽出された牛の全部又一部の牛による内部評価によって行うこともできる。
又、前記2つの閾値の一方又は双方を変動させ、変動させるごとに、2つの閾値により分類された前記3つのグループ又は2つのグループの各グループごとのスペクトルデータに基づいた前記SIMCAモデルを構築、評価、決定し、該決定されたSIMCAモデルに基づいて前記体細胞数が既知である牛群についての前記分類を行い、分類結果を既知の体細胞数に基づいた分類結果に対する正答率及び/又は感度及び/又は特異度を基準として評価することにより、最適な2つの閾値の組み合わせを決定することを特徴とする前記記載の乳房炎り患診断方法が提供される。
対象牛群や採取条件等による適切な基準値を決定するために、閾値を変動させて、変動による有効性の変化を対比しつつ閾値を決定する動的なアプローチが有効である。正答率とは、 (陽性を正しく陽性と判定した数+陰性を陰性と正しく判定した数)÷試験全数をいい、本発明においては、決定されたSIMCAモデルに基づいて分類された乳房炎牛及び健康牛合計数の、決められた閾値の体細胞数により分類された乳房炎牛及び健康牛合計数に対する割合をいう。同様に、感度とは、決定されたSIMCAモデルに基づいて分類された乳房炎牛数の決定された閾値の体細胞数に基づいて分類された乳房炎牛数に対する割合を、特異度とは、決定されたSIMCAモデルに基づいて分類された健康牛数の決定された閾値の体細胞数に基づいて分類された健康牛数に対する割合をいう。
又、前記2つの閾値の一方又は双方を変動させることに基づいて構築、評価、決定されたSIMCAモデルにより前記体細胞数が既知である牛群についての前記分類を行い、乳房炎牛との分類結果についての高い感度を決定づける上下の閾値の組み合わせを高感度二重閾値とし、及び/又は健康牛との分類結果についての高い特異度を決定づける上下の閾値の組み合わせを高特異度二重閾値として決定することを特徴とする前記記載の乳房炎り患診断方法が提供される。
又、前記牛のスペクトルデータを分房乳の生乳への入射に基づいて取得することを特徴とする前記のいずれかに記載の乳房炎り患診断方法が提供される。通常、牛の体細胞数を計測する場合は、飼育する全牛の合乳(バルク乳)又は個体乳単位で計測する場合が多い。しかし、乳房炎は搾乳中や搾乳後に細菌が乳頭口から乳頭管を通って乳房内に侵入することにより分房単位で発生する。分房単位の計測は前絞乳を採取して可視光又は近赤外光を照射すること等により行うことができる。
又、前記のいずれかに記載の方法に係る診断装置であって、該診断装置は、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を前記生乳に入射する入射手段と、前記生乳からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出するための検出手段と、検出手段からの信号を取り込んだ検出強度と前記波長とからなる前記スペクトルデータについて、体細胞数の多少に基づき乳房炎と判断される上の閾値と健康と判断される下の閾値の2つの閾値の設定により、前記牛群について乳房炎牛と健康牛とグレイ牛の3つのグループに分類し、各グループ又は乳房炎牛と健康牛の2つのグループに属する牛の内一部又は全部の牛を抽出して、抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の牛についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの牛又はすでに抽出された牛の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、該評価を反映したSIMCAモデルを決定することにより、体細胞数が未知な牛について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、乳房炎牛と健康牛とグレイ牛のいずれに分類されるかを決定するためのデータ処理手段を備えることを特徴とする乳房炎り患診断装置が提供される。
又、体組織又は体液についての分析数値に基づいて病気にり患しているか否か診断する方法であって、
(1)前記分析数値が既知である生体群の各個体について、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を各個体の前記体組織又は体液に入射し、該体組織又は体液からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出した後、該透過光、反射光又は透過反射光の検出強度と前記波長とからなるスペクトルデータについて、
(2)前記体組織又は体液の分析数値の多少に基づき病気と判断される上の閾値と健康と判断される下の閾値の2つの閾値の設定により、前記生体群について病気個体と健康個体とグレイ個体の3つのグループに分類し、各グループ又は病気個体と健康個体の2つのグループに属する生体群の内一部又は全部の個体を抽出して、
(3)抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の個体についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、
(4)前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの個体又はすでに抽出された個体の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、
(5)該評価を反映したSIMCAモデルを決定し、
前記分析数値が未知な個体について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、病気個体と健康個体とグレイ個体のいずれに分類されるかを決定することを特徴とする病気り患診断方法が提供される。
(1)前記分析数値が既知である生体群の各個体について、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を各個体の前記体組織又は体液に入射し、該体組織又は体液からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出した後、該透過光、反射光又は透過反射光の検出強度と前記波長とからなるスペクトルデータについて、
(2)前記体組織又は体液の分析数値の多少に基づき病気と判断される上の閾値と健康と判断される下の閾値の2つの閾値の設定により、前記生体群について病気個体と健康個体とグレイ個体の3つのグループに分類し、各グループ又は病気個体と健康個体の2つのグループに属する生体群の内一部又は全部の個体を抽出して、
(3)抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の個体についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、
(4)前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの個体又はすでに抽出された個体の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、
(5)該評価を反映したSIMCAモデルを決定し、
前記分析数値が未知な個体について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、病気個体と健康個体とグレイ個体のいずれに分類されるかを決定することを特徴とする病気り患診断方法が提供される。
上述の2つの閾値を用いたグループ分けに基づく病気、健康、グレイの分類法は乳房炎診断に限定されず、体組織又は体液についての分析数値を基準として病気についての診断に用いることができる。
又、前記2つの閾値の一方又は双方を変動させ、変動させるごとに、2つの閾値により分類された前記3つのグループ又は2つのグループの各グループ毎のスペクトルデータに基づいた前記SIMCAモデルを構築、評価、決定し、該決定されたSIMCAモデルに基づいて前記体組織又は体液についての分析数値が既知である生体群についての前記分類を行い、分類結果を既知の体組織又は体液についての分析数値に基づいた分類結果に対する正答率及び/又は感度及び/又は特異度を基準として評価することにより、最適な2つの閾値の組み合わせを決定することを特徴とする前記記載の病気り患診断方法が提供される。
又、上述のいずれかに記載の方法に係る診断装置であって、該診断装置は、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を前記体組織又は体液に入射する入射手段と、該体組織又は体液からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出するための検出手段と、検出手段からの信号を取り込んだ検出強度と前記波長とからなる前記スペクトルデータについて、前記分析数値の多少に基づく2つの閾値の設定により、前記生体群について病気個体と健康個体とグレイ個体の3つのグループに分類し、各グループ又は病気個体と健康個体の2つのグループに属する生体群の内一部又は全部の個体を抽出して、抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の個体についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの個体又はすでに抽出された個体の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、該評価を反映したSIMCAモデルを決定することにより、前記分析数値が未知な個体について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、病気個体と健康個体とグレイ個体のいずれに分類されるかを決定するためのデータ処理手段を備えることを特徴とする病気り患診断装置が提供される。
本発明に係る診断方法では、2つの閾値を設けることによる分類によって、乳房炎にり患している牛と健康な牛とを高い確度で仕分けすることが可能である。又、中間の状態であるグレイ牛と仕分けすることにより、その後の追跡調査を含めて推移を監視することができる。
よって、より安全性の高い牛乳の提供や乳房炎の早期発見、早期治療を行うことも可能となる。又、動的に仕分けすることにより、様々な状況、条件に基づいた、より適切な仕分けを行うことが可能となる。又、最も適切な仕分けエリアを探索することにより、最も高い確度で乳房炎診断を行うことが可能である。又、分房乳の反射光等の強度検出に基づいて診断することにより最も精度の高い判断を行うことができる。乳房炎が1つの分房から他の分房へ感染する速度やは感染ルートは必ずしも明確ではない。しかし、感染にはある程度の時間を要する。したがって、個体乳の計測では、1つの分房のみが乳房炎に感染している場合、体細胞数の平均値が薄まるので、本発明に係る診断方法によっても、乳房炎であると判断されないおそれがある。分房乳単位で計測を行うことにより、より精度高く判断を行うことができる。
よって、より安全性の高い牛乳の提供や乳房炎の早期発見、早期治療を行うことも可能となる。又、動的に仕分けすることにより、様々な状況、条件に基づいた、より適切な仕分けを行うことが可能となる。又、最も適切な仕分けエリアを探索することにより、最も高い確度で乳房炎診断を行うことが可能である。又、分房乳の反射光等の強度検出に基づいて診断することにより最も精度の高い判断を行うことができる。乳房炎が1つの分房から他の分房へ感染する速度やは感染ルートは必ずしも明確ではない。しかし、感染にはある程度の時間を要する。したがって、個体乳の計測では、1つの分房のみが乳房炎に感染している場合、体細胞数の平均値が薄まるので、本発明に係る診断方法によっても、乳房炎であると判断されないおそれがある。分房乳単位で計測を行うことにより、より精度高く判断を行うことができる。
本発明に係る診断装置により、適切な乳房炎診断を行うことができる。又、他の病気の診断についても、病気、健康、グレイに分類することができる。体液等に可視光又は近赤外光を入射させ、反射光等を検出することにより、非侵襲の態様で病気診断を行うことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明に係る可視光及び/又は近赤外光によるスペクトル検出装置の概念図である。スペクトル検出装置は光源1と分光器2と受光部3により構成される。光源1としてはハロゲンランプが用いられているが、LED等他の光源を用いることも可能である。分光器は、集光レンズ21、26、スリット22、25、反射鏡23、回析格子24等により構成されている。分光器は回析格子を用いるタイプには限定されない。ハロゲンランプ11により投光された光は反射鏡23で反射された後、回析格子24の角度制御により所望の波長の光のみ選択され、スリット25、集光レンズ26を経由して該選択された波長の光が集光される。回析格子の角度は図示していないモータにより制御される。本実施形態では分光器で波長選択を行ってから近赤外光等が試料に入射される構成(前分光方式)となっているが、光源からの光を試料に入射し、反射光等を分光器で分光して強度を検出する構成(後分光方式)とすることも可能である。
受光部3は積分球31と試料ホルダー34により構成されている。積分球31には入射部32、透明板33、光検出器36がある。又、試料ホルダー34にはキュベットセル35が載置されると共に、試料を保温するためのヒータ37と温度センサ38が備えられている。キュベットセルは石英製で、中には乳牛から採取した試料(前搾り分房乳の乳汁)が満たされている。分光器で選択された波長の光は、入射部から透明ガラスを通じて試料に入射する。入射光は試料の吸光度に応じて吸収され、積分球内に反射されて光検出器36により強度が検出され、図示しないデータ処理部に選択された波長と検出強度が保存される。試料である乳汁としては、飼育する全牛の合乳(バルク乳)個体乳、分房乳いずれでも良く、限定されるものではないが、乳房炎診断の精度の観点から個体乳が好ましく、分房乳がより好ましい。本実施形態では、測定光が試料を通過した後に試料容器の内部で反射して再度試料内を通過する光を光検出器で検出する透過反射型の構成としているが、試料により反射される光を検出する反射型や試料を透過する光を検出する透過型の構成も可能である。
検出精度を担保するために外乱光の影響を排除する必要がある。図示していないが、入射部32と別の入射部を設けることにより積分球内で反射した試料に入射しない光の強度を検出することができる。選択された光について、入射部32から入り、乳汁の吸光度に応じて吸収され、積分球内に反射されて光検出器36により検出された光の強度から別の入射部から入り試料に入射せず積分球内で反射した光の強度を引算することにより、外乱光の影響を排除した検出を行うことができる。又、別の方法により外乱光の影響を排除することもできる。
野外で測定する場合は太陽光が外乱光となって検出精度を低下させるが、太陽光は直流光なので、光源光について交流変調、パルス変調、周波数変調などの変調を行い、受光部においてバンドパスフィルタ等のフィルタにより太陽光のみをカットすることにより外乱光の影響を排除することができる。
野外で測定する場合は太陽光が外乱光となって検出精度を低下させるが、太陽光は直流光なので、光源光について交流変調、パルス変調、周波数変調などの変調を行い、受光部においてバンドパスフィルタ等のフィルタにより太陽光のみをカットすることにより外乱光の影響を排除することができる。
図2、図3は、前絞分房乳の可視光及び近赤外光による生スペクトルを示すグラフである。縦軸は吸光度を表し、光反射率の逆数を対数変換した数値で示している。横軸は波長でナノメートル単位で示している。図2は可視光及び近赤外光領域のスペクトルを示し、複数の曲線は、各々、分光器により400nmから1098nmの波長領域を走査して2nmビッチで得られたスペクトルである。同一サンプルのスペクトルは3回取得される場合が多いが、特に限定されない。ここでは、複数の試料についてのデータを重ねて表示している。図3は、近赤外光領域のスペクトルであり、1100nmから2498nmの波長領域を走査して、2mmピッチで得られたデータである。1300nm〜1500nmと1800nm〜2050nm近辺に急激なピークが見られるが、水の分子運動に起因するものである。
次に、図4に基づいて体細胞数による2つの閾値に基づく,SIMCA法を用いた乳房炎診断について説明する。分房乳の乳汁中の体細胞数はFossomatic fluoro―optical counterによって既に測定されている。先ず、取得された分房乳ごとのスペクトルデータ及び既知である分房乳ごとの体細胞数データを読み込む(S401)。体細胞数の少ない順に対象分房乳を並べると共に当該分房乳ごとのスペクトルデータを関連づける。次に、健康と判断される体細胞数の閾値と乳房炎と判断される体細胞数の閾値を暫定的に選択する(403)。この閾値は、体細胞数に基づく乳房炎診断において一般的に用いられる基準を適用することができる。又、特定の状況における必要性に応じて変更することも可能である。
次に、選択した閾値により、体細胞数及び関連するスペクトルデータに基づき健康牛と乳房炎牛と2つの閾値の中間に存在するグレイ牛とにクラス分けを行う(S405)。クラス分けされた内、健康牛と乳房炎牛の各々の牛群中から一部の数の牛を抽出する。次に、波長領域400〜2500nmのうちノイズの多い部分を除外した上で解析に最も適切な波長の選択を行う(S407)。本実施形態では1100nm及び2500nm近傍の波長をカットしているが、ノイズの多い波長については、装置の特性に依存する場合があり、特に限定されるものではない。
次に、統計処理を行う。選択された波長は、平均値中心化及び一次微分によって前処理され、データ変換され(S409)てSIMCA法による分類モデルが構築される(S411)。SIMCA法(Soft Independent Modeling of Class Analogy)は確率又は分離性又は類似性に基づいた分類モデルを利用した多変量解析法の1つである。SIMCA法そのものについては既知であり詳細は省略するが、SIMCA法によるクラス分けの概念図を図5に示す。サンプルとSIMCA法により構築されたクラスとの距離を算出し、サンプルがどのクラスに属するか、あるいはどのクラスにも属さないかを判断する。
次に、クラス分けされた牛の内、健康牛と乳房炎牛の各々の牛群中から抽出されなかった残りの牛についてSIMCAモデルを適用することにより、構築されたSIMCAモデルの外部評価法による評価を行う(S413)。具体的には、構築されたSIMCAモデルを非抽出牛に適用して感度と特異度を算出し、算出された感度及び/又は特異度の高低により当該SIMCAモデルの適否が評価されるのである。評価が低い場合にはデータ変換の選択の見直しを行い新たなSIMCAモデルを構築する。データ変換の選択の見直しの他に波長選択の見直しを行う場合もある。なお、選択された体細胞数の閾値に基づいて健康牛と仕分けされた牛群のうち、構築されたSIMCAモデル適用により健康牛と正しく判断された牛の割合が特異度であり、乳房炎牛と仕分けされた牛群のうち、同様に乳房炎牛と正しく判断された牛の割合が感度である。
この作業を繰り返して、感度と特異度が高いモデルをSIMCAモデルとして決定する(S415)。決定されたSIMCAモデルは体細胞数が未知の牛に適用されて、乳房炎診断を行う。なお、前述のように、すでに抽出された牛のスペクトルに基づく評価(内部評価法による評価)も可能である。
次に、図6に基づいて、動的なSIMCA法を用いた体細胞数閾値探索による乳房炎診断について説明する。評価に基づくSIMCAモデルの決定までは上記と同様である。次に、該当閾値におけるSIMCAモデルが決定(S415)したら、健康と判断される体細胞数の閾値と乳房炎と判断される体細胞数の閾値のいずれか又は双方を変動させる(S417)。そして変動させられた閾値に基づいたSIMCAモデルが決定される(415)。この作業を繰り返し、選択された各閾値におけるSIMCAモデルに基づく感度と特異度が対比される(S419)。感度と特異度が最も高いSIMCAモデルに対応する閾値が最適な閾値として決定される(S421)。
図7は動的なSIMCA法を用いて行った2つの体細胞数閾値と感度の関係図、図8は動的なSIMCA法を用いて行った2つの体細胞数閾値と特異度の関係図である。横軸は上(乳房炎側)、縦軸は下(健康側)の体細胞閾値を示している。又、図中の色の濃淡は感度及び特異度の百分率を表している。乳汁中の体細胞数はFossomatic fluoro―optical counterによって測定された。閾値として健康側の探索範囲を1万個〜10万個まで、乳房炎側の探索範囲を10万個〜30万個までとし、各々1万個刻みで計200通りについてSIMCA法を適用した。又、図9は単一の閾値を設定した場合で、動的なSIMCA法を用いて行った体細胞数閾値探索結果である。なお、Sensitivityは感度、Specificityは特異度を意味する。探索範囲は1万個から30万個とし、5万個以上は5万個刻みで探索を行った。図7、図8により、感度、特異度共に高い数値を示したのは、体細胞数5万個以下を健康とし、30万個以上を乳房炎り患とした場合である。この場合、感度81.5%、特異度80、9%という非常に良好な診断精度が示された。一方、単一の閾値を設定した場合には、体細胞数20万個が適切な閾値と判断された。ただし、この場合、感度69.4%、特異度75.2%であった。2つの閾値を設定する場合に比して、単一の閾地を設定する場合の精度は劣ることが判明した。
本発明は、乳牛の最も深刻な病気である乳房炎についての高精度かつ簡便、非侵襲の診断法及び診断装置を提供するもので、産業上広く利用されるものである。
1 光源
11 ハロゲンランプ
2 分光器
21 集光レンズ
22 スリット
23 反射ミラー
24 回析格子
25 スリット
26 集光レンズ
3 受光部
31 積分球
32 入射部
33 透明板
34 試料ホルダー
35 キュベットセル
36 光検出器
37 ヒーター
38 温度センサ
11 ハロゲンランプ
2 分光器
21 集光レンズ
22 スリット
23 反射ミラー
24 回析格子
25 スリット
26 集光レンズ
3 受光部
31 積分球
32 入射部
33 透明板
34 試料ホルダー
35 キュベットセル
36 光検出器
37 ヒーター
38 温度センサ
Claims (8)
- 体細胞数に基づいて乳房炎にり患しているか否か診断する方法であって、
(1)体細胞数が既知である牛群の各牛について、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を各牛の生乳に入射し、生乳からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出した後、該透過光、反射光及び/又は透過反射光の検出強度と前記波長とからなるスペクトルデータについて、
(2)体細胞数の多少に基づき乳房炎と判断される上の閾値と健康と判断される下の閾値の2つの閾値の設定により、前記牛群について乳房炎牛と健康牛とグレイ牛の3つのグループに分類し、各グループ又は乳房炎牛と健康牛の2つのグループに属する牛の内一部又は全部の牛を抽出して、
(3)抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の牛についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、
(4)前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの牛又はすでに抽出された牛の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、
(5)該評価を反映したSIMCAモデルを決定し、
体細胞数が未知な牛について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、乳房炎牛と健康牛とグレイ牛のいずれに分類されるかを決定することを特徴とする乳房炎り患診断方法。 - 前記2つの閾値の一方又は双方を変動させ、変動させるごとに、2つの閾値により分類された前記3つのグループ又は2つのグループの各グループ毎のスペクトルデータに基づいた前記SIMCAモデルを構築、評価、決定し、該決定されたSIMCAモデルに基づいて前記体細胞数が既知である牛群についての前記分類を行い、分類結果を既知の体細胞数に基づいた分類結果に対する正答率及び/又は感度及び/又は特異度を基準として評価することにより、最適な2つの閾値の組み合わせを決定することを特徴とする請求項1に記載の乳房炎り患診断方法。
- 前記2つの閾値の一方又は双方を変動させることに基づいて構築、評価、決定されたSIMCAモデルにより前記体細胞数が既知である牛群についての前記分類を行い、乳房炎牛との分類結果についての高い感度を決定づける上下の閾値の組み合わせを高感度二重閾値とし、
及び/又は健康牛との分類結果についての高い特異度を決定づける上下の閾値の組み合わせを高特異度二重閾値として決定することを特徴とする請求項2に記載の乳房炎り患診断方法。 - 前記牛のスペクトルデータを分房乳の生乳への入射に基づいて取得することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の乳房炎り患診断方法。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法に係る診断装置であって、該診断装置は、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を前記生乳に入射する入射手段と、
前記生乳からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出するための検出手段と、
検出手段からの信号を取り込んだ検出強度と前記波長とからなる前記スペクトルデータについて、体細胞数の多少に基づき乳房炎と判断される上の閾値と健康と判断される下の閾値の2つの閾値の設定により、前記牛群について乳房炎牛と健康牛とグレイ牛の3つのグループに分類し、
各グループ又は乳房炎牛と健康牛の2つのグループに属する牛の内一部又は全部の牛を抽出して、抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の牛についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、
前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの牛又はすでに抽出された牛の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、
該評価を反映したSIMCAモデルを決定することにより、
体細胞数が未知な牛について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、乳房炎牛と健康牛とグレイ牛のいずれに分類されるかを決定するためのデータ処理手段
を備えることを特徴とする乳房炎り患診断装置。 - 体組織又は体液についての分析数値に基づいて病気にり患しているか否か診断する方法であって、
(1)前記分析数値が既知である生体群の各個体について、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を各個体の前記体組織又は体液に入射し、該体組織又は体液からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出した後、該透過光、反射光及び/又は透過反射光の検出強度と前記波長とからなるスペクトルデータについて、
(2)前記体組織又は体液の分析数値の多少に基づき病気と判断される上の閾値と健康と判断される下の閾値の2つの閾値の設定により、前記生体群について病気個体と健康個体とグレイ個体の3つのグループに分類し、各グループ又は病気個体と健康個体の2つのグループに属する生体群の内一部又は全部の個体を抽出して、
(3)抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の個体についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、
(4)前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの個体又はすでに抽出された個体の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、
(5)該評価を反映したSIMCAモデルを決定し、
前記分析数値が未知な個体について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、病気個体と健康個体とグレイ個体のいずれに分類されるかを決定することを特徴とする病気り患診断方法。 - 前記2つの閾値の一方又は双方を変動させ、変動させるごとに、2つの閾値により分類された前記3つのグループ又は2つのグループの各グループ毎のスペクトルデータに基づいた前記SIMCAモデルを構築、評価、決定し、該決定されたSIMCAモデルに基づいて前記体組織又は体液についての分析数値が既知である生体群についての前記分類を行い、分類結果を既知の体組織又は体液についての分析数値に基づいた分類結果に対する正答率及び/又は感度及び/又は特異度を基準として評価することにより、最適な2つの閾値の組み合わせを決定することを特徴とする請求項6に記載の病気り患診断方法。
- 請求項6又は7のいずれかに記載の方法に係る診断装置であって、該診断装置は、波長400nm〜2500nmの全範囲及び/又は選択された1又は複数の範囲にある可視光及び/又は近赤外光を前記体組織又は体液に入射する入射手段と、
該体組織又は体液からの透過光、反射光及び/又は透過反射光の強度を検出するための検出手段と、
検出手段からの信号を取り込んだ検出強度と前記波長とからなる前記スペクトルデータについて、前記分析数値の多少に基づく2つの閾値の設定により、前記生体群について病気個体と健康個体とグレイ個体の3つのグループに分類し、
各グループ又は病気個体と健康個体の2つのグループに属する生体群の内一部又は全部の個体を抽出して、抽出された前記3つのグループ又は2つのグループに属する一部又は全部の個体についての前記スペクトルデータを用いて、SIMCA法によって各々のグループ毎のSIMCAモデルを構築し、
前記各々のグループに属する抽出されなかった残りの個体又はすでに抽出された個体の前記スペクトルデータを前記SIMCAモデルに適用して確率又は分離性又は類似性に基づいて該SIMCAモデルを評価し、
該評価を反映したSIMCAモデルを決定することにより、
前記分析数値が未知な個体について前記決定されたSIMCAモデルを適用することによって、病気個体と健康個体とグレイ個体のいずれに分類されるかを決定するためのデータ処理手段
を備えることを特徴とする病気り患診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008284537A JP2010112799A (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | 近赤外分光法による乳房炎診断のための体細胞数閾値探索方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008284537A JP2010112799A (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | 近赤外分光法による乳房炎診断のための体細胞数閾値探索方法及び装置 |
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ID=42301466
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008284537A Pending JP2010112799A (ja) | 2008-11-05 | 2008-11-05 | 近赤外分光法による乳房炎診断のための体細胞数閾値探索方法及び装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2010112799A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102980660A (zh) * | 2012-11-20 | 2013-03-20 | 北京华夏视科图像技术有限公司 | 光学系统和具有它的离线检测分析装置 |
JP2017096872A (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-01 | サクラ精機株式会社 | 分析方法および分析装置 |
EP3222997A4 (en) * | 2014-11-21 | 2017-11-29 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Quality evaluation method and quality evaluation device |
CN113655055A (zh) * | 2021-08-19 | 2021-11-16 | 湖南翰坤实业有限公司 | 一种病毒监测器、监测方法及系统 |
-
2008
- 2008-11-05 JP JP2008284537A patent/JP2010112799A/ja active Pending
Cited By (5)
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CN102980660A (zh) * | 2012-11-20 | 2013-03-20 | 北京华夏视科图像技术有限公司 | 光学系统和具有它的离线检测分析装置 |
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