JP2010102045A - モード同期半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】時間ジッタが小さいパルスレーザ光を出力できるモード同期半導体レーザを提供すること。
【解決手段】化合物半導体からなる基板上に、ささやき回廊モード共振器が外周部を有し、該外周部の内側を光が周回するように構成した化合物半導体製のささやき回廊モード共振器と、前記ささやき回廊モード共振器に直接、もしくは間接的に接続し、光増幅利得を有する化合物半導体製の光増幅部と、前記ささやき回廊モード共振器に直接、もしくは間接的に接続し、該ささやき回廊モード共振器に光を入出力する化合物半導体製の光導波路とを有し、前記ささやき回廊モード共振器と前記光増幅部と光導波路がモノリシックに集積され、モード同期によりパルスレーザ光を発振するモード同期の手段を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モード同期半導体レーザに関するものである。
超高速光通信においては、信号光源としてレーザが用いられているが、その特性としては、繰り返し周波数が安定しており、パルス幅が狭いことが重要となる。特に、OTDM(Optical Time Division Multiplexing)伝送において、テラビットを超える伝送容量を実現する場合には、信号光のパルス幅が1ps以下となるため、時間ジッタがそれよりも十分小さい短パルス光源が求められている。
パルス幅が短く、時間ジッタの小さい光パルス列を発生させる装置として、モード同期レーザがある。モード同期とは、発振するレーザ光の縦モードのモード間位相がランダムではなく、互いに位相が共調しながら発振することによって、一定の繰り返し周期のタイミングでの短光パルスが発生する現象である。
モード同期の方式には、強制モード同期、受動モード同期、ハイブリッドモード同期、および再生モード同期などがある。図12、13は、各モード同期の方式の原理を説明する説明図である。強制モード同期とは、図12(a)に示すように、半導体レーザ501の端面501aと外部反射鏡502によって外部共振器503を形成し、電源504から半導体レーザ501の活性層501bへ供給する駆動電流を変調電流とし、その変調周波数を外部共振器503の縦モード間隔に等しい周波数c/2Lとすることによって、強制的にモード同期を行う方式である。ただし、ここでcは光速であり、Lは外部共振器503の共振器長である。また、符号505は外部共振器503を往復する光パルスを示している。半導体レーザ501の活性層501bの長さは、外部共振器503の共振器長Lに対して十分に短いものとする。
また、受動モード同期とは、図12(b)に示すように、図12(a)と同様に、半導体レーザ506の端面506aと外部反射鏡502によって外部共振器507を形成するが、電源508から半導体レーザ506の活性層506bへ供給する駆動電流を一定の電流とし、外部共振器507の一部に可飽和吸収体506cを配置する方式である。可飽和吸収体とは、入射光強度の増加に応じて吸収係数が減少するような特性をもつ材料からなるものである。図12(b)では一例として半導体レーザ506内に形成した可飽和吸収体506cを用いている。可飽和吸収体506cが外部共振器507中に存在すると、可飽和吸収体506cは、光パルス509がそこを通過するとそれに同期して光路が開き、光パルス509が通り過ぎると光路が閉じるような光シャッタとして働くので、結果としてモード同期が行なわれ、光パルス509が外部共振器507中を往復する時間間隔、すなわち周波数としてはc/2Lの光パルス列が発生することになる。
また、ハイブリッドモード同期とは、図12(c)に示すように、強制モード同期と受動モード同期とを併用した方式である。具体的には、半導体レーザ506の活性層506bへ一定の駆動電流を供給しつつ、逆バイアスを印加すると透過率が増加するような半導体製の可飽和吸収体506cに、電源504から外部共振器507の縦モード間隔に相当する周波数c/2Lの交流信号を印加する。符号510は外部共振器507を往復する光パルスを示している。
また、再生モード同期とは、図13に示すように、半導体レーザ601から出射し、光ファイバ602を伝搬したレーザ光を、光検出器603で受光して電気信号に変換し、この電気信号を電気アンプ604で増幅し、さらに、電気フィルタ605を用いて、増幅した電気信号から基本発振周波数、もしくはその整数倍の周波数の信号を取り出して、半導体レーザ601の駆動電流に重畳する方式である。この方式は、共振器606の共振器長(半導体レーザ-光ファイバ-光検出器のループ長)を、光パルスの繰り返し周波数に正確に整合できるという利点がある。なお、τは共振器606における光の遅延時間を示している。また、このような再生モード同期方式のレーザは、電気フィルタ605の後段にカプラ607を設け、上記周波数の信号をRF(Radio Frequency)信号として出力することによって、電磁波発振器として用いることができる。また、このような再生モード同期を実現している共振器を、光-マイクロ波発振器(Optoelectronic Oscillator:OEO)と呼ぶこともある(たとえば特許文献1、2、非特許文献1参照)。
一方、従来、ささやき回廊モード(Whisper Gallery Mode:WGM)共振器とよばれる微小球、円柱状、リング状の共振器が知られている(たとえば特許文献2、3、非特許文献2〜5参照)。WGM共振器の共振モードは、たとえば微小球の場合、その外周部の内側における全内面反射によって、該球体の表面の赤道部分のまわりに近い内側領域に閉じこめられて周回する光フィールドを意味する。図14は、WGM共振器の構成を例示的に説明する説明図である。図14(a)に示すWGM共振器701は微少球であり、その外周701aの内側の赤道部分に近い領域を光702が閉じ込められて周回する。また、図14(b)に示すWGM共振器703は円柱状であり、その外周703aの内側の領域を光704が閉じ込められて周回する。また、図14(c)に示すWGM共振器705は内周部705bを有するリング状であり、その外周705aの内側の領域を光706が閉じ込められて周回する。
特表2005−522887号公報 特開平8−101411号公報 特表2004−503816号公報 X.S.Yao and L.Maleki, "Optoelectronic microwave oscillator", J. Opt. Soc. Am. B, vol.13, no.8, pp.1725-1735, Aug. 1996. A.B.Matsko et al., "Active mode locking with whispering-gallery Modes", J. Opt. Soc. Am. B, Vol.20, No.11, pp.2292-2296(2003) M.L.Gorodetsky et al., "Ultimate Q of optical microsphere resonators", Opt. Lett. 21, pp.453-455(1996) D. Rabus et al., "High-Q channel-dropping filters using ring resonators with integrated SOAs", IEEE Photon. Technol. Lett. 14, pp.1442-1444(2002) S.H.Kim et al., "Two-dimensional photonic crystal hexagonal waveguide ring laser", Applied Physics Letter Vol.81 pp.2499-2501(2002)
ところで、モード同期レーザの重要な特性である光パルスの時間ジッタは、主にそのモード同期レーザのレーザ共振器のQ値に大きく依存する。ここで、Q値は、式(1)で表される。
Figure 2010102045
なお、foscは光パルスの繰り返し周波数、ngはレーザ共振器内の群屈折率、Loptは共振器長、cは光速、δはレーザ共振器の損失定数、τdelayはレーザ共振器の光の遅延時間である。モード同期レーザの光パルスの時間ジッタは、このQ値が高いほど小さくなり、すなわち特性が良くなる。
しかしながら、従来の典型的な繰り返し周波数40Gb/sのモード同期半導体レーザは、その共振器長Loptが1.1mm程度と短いため、Q値は小さい。このため、この半導体レーザの時間ジッタは、繰り返し周波数40GHzの場合において0.2ps前後となる。一方、上述したように、Tb/s以上の伝送容量のOTDM伝送を実現する場合には、信号光のパルス幅が1ps以下となるため、従来のモード同期半導体レーザを用いた場合には、半導体レーザの時間ジッタと信号光のパルス幅が同程度の大きさとなるため、エラーレートの増加等の原因となり、好ましくない。したがって、Tb/s以上のOTDM伝送用の光源として、時間ジッタがより小さい半導体レーザが求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、時間ジッタが小さいパルスレーザ光を出力できるモード同期半導体レーザを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモード同期半導体レーザは、化合物半導体からなる基板上に、ささやき回廊モード共振器が外周部を有し、該外周部の内側を光が周回するように構成した化合物半導体製のささやき回廊モード共振器と、前記ささやき回廊モード共振器に直接、もしくは間接的に接続し、光増幅利得を有する化合物半導体製の光増幅部と、前記ささやき回廊モード共振器に直接、もしくは間接的に接続し、該ささやき回廊モード共振器に光を入出力する化合物半導体製の光導波路とを有し、前記ささやき回廊モード共振器と前記光増幅部と光導波路がモノリシックに集積され、モード同期によりパルスレーザ光を発振するモード同期の手段を有する。
また、本発明に係るモード同期半導体レーザは、化合物半導体からなる基板上に、ささやき回廊モード共振器が光増幅利得を有する活性層を備えるとともに外周部を有し、該外周部の内側を光が周回するように構成した化合物半導体製のささやき回廊モード共振器を有し、前記ささやき回廊モード共振器に直接、もしくは間接的に接続し、該ささやき回廊モード共振器に光を入出力する化合物半導体製の光導波路とささやき回廊モード共振器がモノリシックに集積され、モード同期によりパルスレーザ光を発振するモード同期の手段を有する。
また、本発明に係るモード同期半導体レーザは、上記の発明において、前記モード同期の手段は、前記パルスレーザ光の一部を受光し電気信号に変換する化合物半導体製の光検出部と、前記光検出部に接続し、前記電気信号に含まれる前記パルスレーザ光の遅延時間により定まる基本発振周波数の成分または該基本発振周波数の高調波の成分を、電極構造を介して印加することにより駆動するレーザ光を変調する光変調部とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係るモード同期半導体レーザは、上記の発明において、前記モード同期の手段は、前記パルスレーザ光の一部を受光し電気信号に変換する化合物半導体製の光検出部と、前記光検出部に接続し、前記電気信号に含まれる前記パルスレーザ光の遅延時間により定まる基本発振周波数の成分または該基本発振周波数の高調波の成分で電極構造を介して前記パルスレーザの注入電流を変調することを特徴とする。
また、本発明に係るモード同期半導体レーザは、上記の発明において、前記光変調部は、可飽和吸収体からなることを特徴とする。
また、本発明に係るモード同期半導体レーザは、上記の発明において、前記光変調部は、マッハツェンダ変調器からなることを特徴とする。
また、本発明に係るモード同期半導体レーザは、上記の発明において、前記活性層を備えるささやき回廊モード共振器は、ハイメサ形状を有するとともに、該ハイメサ形状の側面における少なくとも前記活性層の表面に、該活性層のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する保護層が形成されたことを特徴とする。
また、本発明に係るモード同期半導体レーザは、上記の発明において、前記ささやき回廊モード共振器の外周部は円状であり、前記光導波路は該外周部の接線方向に沿って光を入出力するように配置されることを特徴とする。
また、本発明に係るモード同期半導体レーザは、上記の発明において、前記ささやき回廊モード共振器は、半導体積層方向に垂直な面内において2次元的な屈折率の周期構造を形成するフォトニック結晶内において、光を導波すべき線欠陥部を設けて形成しており、該線欠陥部はループ形状であることを特徴とする。
また、本発明に係るモード同期半導体レーザは、上記の発明において、さらに、前記電気信号に含まれる前記基本発振周波数の成分または前記高調波の成分を出力する出力端子を備え、外部に電磁波を取り出せることを特徴とする。
本発明によれば、モード同期半導体レーザのレーザ共振器の一部にWGM共振器を導入することによって、レーザ共振器内の光子寿命を長くし、それによりレーザ共振器のQ値を高めることができるので、時間ジッタが小さいパルスレーザ光を出力できるモード同期半導体レーザを実現できるという効果を奏する。
以下に、図面を参照して本発明に係るモード同期半導体レーザの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るモード同期半導体レーザの模式的な平面図である。図1に示すように、このモード同期半導体レーザ100は、化合物半導体からなる基板1上に、それぞれが化合物半導体製の、WGM共振器2、光導波路3〜6、およびモード同期手段としての光変調部である可飽和吸収部7がモノリシックに集積されたものである。WGM共振器2、光導波路3〜6、および可飽和吸収部7はハイメサ形状を有しており、その周囲を絶縁材料のポリイミド8によって埋め込まれている。
WGM共振器2は、リング状に形成されており、円状の外周部を有する。光導波路3、5は、互いにほぼ平行に直線状に形成されており、それぞれWGM共振器2に、WGM共振器2の接線方向に沿うように接続している。可飽和吸収部7は、直線状に形成されており、光導波路3と4の間に介挿されている。光導波路4は、直線状に形成されており、その端面4aが誘電体等により例えば反射率が99%程度となるようにHR(High Reflection)コーティングされている。また、光導波路5は、その端面5aが誘電体等により透過率10%程度となるようにコーティングされている。また、光導波路6は、直線状に形成されているとともに、光導波路5と同一線上に配置されている。また、光導波路6は、その端面6aが角度7°の斜め端面に形成されており、もう一方の端面6bは、反射率が極めて小さくなるようにAR(Anti-Reflection)コーティングされている。また、WGM共振器2上には電極9aが形成されており、可飽和吸収部7上には電極9bが形成されている。また、電極9a、9bにはそれぞれリード線10a、10bが接続されている。
WGM共振器2、光導波路3〜6、および可飽和吸収部7のメサ幅はいずれも2μmである。また、WGM共振器2の直径は1.2mmであり、電極9aのサイズは、紙面上の(縦の長さ)×(横の長さ)で表すと、200μm×1.5mmである。また、可飽和吸収部7の長さは75μmであり、電極9bのサイズは75μm×75μmである。また、光導波路4と可飽和吸収部7と光導波路3との合計の長さは1000μmである。また、光導波路5の長さは800μmである。したがって、このモード同期半導体レーザ100のサイズは、2mm×2mmであり、きわめて小型に集積されている。
つぎに、このモード同期半導体レーザ100の断面構造について説明する。図2は、図1におけるA−A´線断面図である。図2に示すように、WGM共振器2は、アクティブ素子であり、裏面にn側電極11が形成された基板1上に、バッファ層12、活性層13、上部クラッド層14、コンタクト層15、p側電極16が順次積層して構成されている。バッファ層12は突出部12aを有し、突出部12aからコンタクト層15までがハイメサ形状を有している。また、このハイメサ形状の側面およびバッファ層12の表面は、保護層17でパッシベーションされている。なお、基板1、バッファ層12は、いずれもn−InPからなる。また、活性層13は、InGaAsPからなり、6層の多重量子井戸性層(multi-quantum well:MQW)の両側にバッファ層12および上部クラッド層14よりも屈折率の大きい光ガイド層を設けた分離閉じ込めヘテロ(separate confinement heterostructure:SCH)構造を有する。また、上部クラッド層14は、p−InPからなる。また、コンタクト層15は、InGaAsPからなる。また、保護層17は、活性層13のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する材料からなり、たとえばInPからなる。また、突出部12aの下面からコンタクト層15の上面までの高さは約3.6μmである。なお、他のアクティブ素子である可飽和吸収部7も、このWGM共振器2と同一の積層構造を有している。
一方、図3は、図1におけるB−B´線断面図である。図3に示すように、光導波路5は、パッシブ素子であり、裏面にn側電極11が形成された基板1上に、バッファ層12、コア層18、上部クラッド層19、SiNx膜20が順次積層して構成されている。バッファ層12は突出部12aを有し、突出部12aからSiNx膜20までがハイメサ形状を有している。また、このハイメサ形状の側面およびバッファ層12の表面は、保護層17でパッシベーションされている。なお、コア層18は、InGaAsPからなる。また、上部クラッド層19は、p−InPからなる。また、突出部12aの下面から上部クラッド層19の上面までの高さは約3.1μmである。また、他のパッシブ素子である光導波路3、4、6も、この光導波路5と同一の積層構造を有している。
つぎに、このモード同期半導体レーザ100をハイブリッドモード同期方式で動作させる場合について説明する。はじめに、リード線10a、電極9aを介して、n側電極11、p側電極16間にDC電圧を印加し、駆動電流を流すと、WGM共振器2の活性層13に電流が注入され、活性層13が1.55μm帯の光を発光する。この光は、活性層13においてWGM共振器2の外周部の内側をWGMモードで周回するとともに、光導波路3、5に入出力し、光導波路3〜5のコア層18、および可飽和吸収部7の活性層13を導波する。
ここで、WGM共振器2、光導波路3〜5、および可飽和吸収部7は、端面4a、5aを端面とするレーザ共振器を構成している。また、WGM共振器2の活性層13は、光増幅利得を有する光増幅部として機能する。その結果、WGM共振器2の活性層13において発生した光は、このレーザ共振器によってレーザ発振する。なお、上述したように、WGM共振器2、光導波路3〜6、および可飽和吸収部7のメサ幅はいずれも2μmであり、かつ、WGM共振器2および可飽和吸収部7の活性層13の厚さ、および光導波路3〜6のコア層18の厚さはいずれも0.3μmであり、かつバッファ層12の突出部12aの厚さは0.5μmである。したがって、レーザ共振器となる光導波路は1.55μm帯の波長において単一横モードの条件をみたしており、上記レーザ発振するレーザ光は単一横モードとなる。また、活性層13の側面には活性層13のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する保護層17が形成されているため、活性層13の側面での表面再結合が防止され、発光効率の低下が防止される。
一方、上記レーザ発振と同時に、リード線10b、電極9bを介して、n側電極11と可飽和吸収部7のp側電極間に、逆バイアスとしてのDC電圧および、シンセサイザで発生させた所定の周波数のRF電圧信号を印加する。すると、可飽和吸収部7の光シャッタ効果によって、上記レーザ共振器においてハイブリッドモード同期が実現される。その結果、光導波路5の端面5aからはパルスレーザ光が出力する。このパルスレーザ光は、光導波路6の端面6aに入射し、もう一方の端面6bからモード同期半導体レーザ100の外部に出力する。なお、端面6aは斜め端面であるため、端面6aで反射した光が光導波路5へ戻ることが防止されている。
このモード同期半導体レーザ100においては、レーザ共振器の一部にWGM共振器2が導入されているので、小型でありながら、出力されるパルスレーザ光の時間ジッタがきわめて小さいものとなる。すなわち、上述したように、モード同期レーザの光パルスの時間ジッタは、Q値が高いほど小さくなる。一方、このWGM共振器2は、光がその外周部の内側をWGMモードで周回するので、Q値がきわめて高くなるため、時間ジッタがきわめて小さいものとなるのである。なお、WGM共振器のQ値は主に表面の凸凹による散乱、吸収損、および体積などによって決定する。WGM共振器のQ値と損失、直径との関係については、非特許文献3に記載されている。なお、本実施の形態1に係るWGM共振器2は、InP系の半導体材料を用いたリング型のWGM共振器であるが、この場合、直径1.2mmの場合にQ値は130,000程度ときわめて大きい(非特許文献4参照)。
なお、WGM共振器2の光子寿命をτWGM,delayとすると、τWGM, delayは下記の式(2)で与えられる。
Figure 2010102045
なお、QWGMはWGM共振器2のQ値、foptは光の周波数である。式(2)を用いると、波長が1.55μm帯の光については、Q値が130,000程度の場合、光子寿命τWGM, delayは100ps程度となる。
一方、可飽和吸収部7に印加すべきRF信号の周波数をfrepとすると、frepは以下の式(3)で与えられる。
Figure 2010102045
なお、Nは整数であり、LoptはWGM共振器2以外の部分、すなわち光導波路3〜6および可飽和吸収部7の合計の共振器長である。式(3)を用いると、本実施の形態1に係るモード同期半導体レーザ100の場合、frepを4.19GHzの整数倍に設定する必要がある。
次に、このモード同期半導体レーザ100と従来の半導体レーザの性能比較を行う。このモード同期半導体レーザ100のQ値を式(4)に示す。
Figure 2010102045
なお、δはレーザ共振器の損失定数である。すなわち、Q値は、光子寿命τWGM, delayに比例する。光導波路3〜6および可飽和吸収部7の部分の光子寿命は、19.2psであるから、このモード同期半導体レーザ100のレーザ共振器の全体の光子寿命は、式(4)の係数2を加味して、19.2ps×2+100ps×2=238psとなる。一方、従来の共振器長が1.1mmである半導体レーザでは、光子寿命は23.4psである。したがって、損失定数が同じだとすると、このモード同期半導体レーザ100は従来の半導体レーザよりも約1桁もQ値が高いことがわかる。
一方、モード同期レーザにおいて、パルス光の時間ジッタΔτとQ値とは、近似的に以下の式(5)に示す関係を満たす。
Figure 2010102045
なお、τは光パルスの繰り返し時間間隔である。式(5)に示すように、時間ジッタΔτとQ値とは反比例の関係にあることがわかる。したがって、このモード同期半導体レーザ100は従来の半導体レーザよりも約1桁も時間ジッタが小さいことがわかる。
以上説明したように、本実施の形態1に係るモード同期半導体レーザ100は、従来の半導体レーザよりも時間ジッタがきわめて小さいパルスレーザ光を出力できるものとなり、Tb/s以上のOTDM伝送用の光源として好適なものとなる。
なお、上記では、本実施の形態1に係るモード同期半導体レーザ100をハイブリッドモード同期方式で動作させる場合について説明した。しかしながら、モード同期半導体レーザ100は、可飽和吸収部7に電圧を印加しないことによって、受動モード同期方式で動作させることもできる。なお、受動モード同期方式で動作させても、このモード同期半導体レーザ100は、時間ジッタがきわめて小さいパルスレーザ光を出力できる。
また、本実施の形態1に係るモード同期半導体レーザ100は、変調部としての可飽和吸収部7をマッハツェンダ変調器等の変調器に置き換えることによって、強制モード同期方式で動作させることもできる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2に係るモード同期半導体レーザについて説明する。本実施の形態2に係るモード同期半導体レーザは、再生モード同期方式で動作させるものである。
図4は、本実施の形態2に係るモード同期半導体レーザの模式的な平面図である。図4に示すように、このモード同期半導体レーザ200は、図1に示すモード同期半導体レーザ100において、光導波路6を削除し、光導波路5を光導波路22に置き換え、電極9bを電極9eに置き換え、さらに、光導波路21、電極9c、9d、およびリード線10c、および再生モード同期手段の一部としての光検出部23を付加した構造を有している。さらに、光導波路4の端面4aを、透過率10%程度となるようにコーティングしている。
光導波路21、22、光検出部23はハイメサ形状を有している。また、光導波路22は、光導波路3とほぼ平行に直線状に形成されており、WGM共振器2に、WGM共振器2の接線方向に沿うように接続している。光検出部23は、直線状に形成されており、光導波路22に接続している。また、光導波路21は、直線状に形成されているとともに、光導波路4と同一線上に配置されている。また、光導波路21は、その端面21aが角度7°の斜め端面に形成されており、もう一方の端面21bは、ARコーティングされている。電極9eは、可飽和吸収部7上のWGM共振器2に近い領域に形成されている。また、電極9cは、光検出部23上のWGM共振器2に近い領域に形成されている。また、電極9dは、可飽和吸収部7上のWGM共振器2から遠い領域から、光検出部23上のWGM共振器2から遠い領域にわたり、さらに紙面右側の基板1の端部まで延伸するように形成されている。また、電極9e、9cにはそれぞれリード線10b、10cが接続されている。
光導波路21、22、光検出部23のメサ幅はいずれも2μmである。また、光検出部23の長さは100μmである。また、電極9c、9eのサイズはいずれも45μm×75μmである。また、電極9dのサイズは30μm×2mmである。また、光導波路22の長さは800μmである。したがって、このモード同期半導体レーザ200のサイズは、5mm×5mmであり、きわめて小型に集積されている。
なお、光検出部23は、アクティブ素子であり、図2に示すWGM共振器2と同様の断面構造を有しており、フォトダイオードとして機能する。また、光導波路21、22は、パッシブ素子であり、図3に示す光導波路5と同様の断面構造を有している。
つぎに、このモード同期半導体レーザ200を再生モード同期方式で動作させる場合について説明する。はじめに、リード線10a、電極9aを介して、WGM共振器2のn側電極−p側電極間にDC電圧を印加し、駆動電流を流すと、WGM共振器2の活性層に電流が注入され、この活性層が1.55μm帯の光を発光する。ここで、WGM共振器2、光導波路3、4及び22は、WGM共振器2をリング共振器とし、端面4aと端面22aを共振器の端面とするレーザ共振器を構成している。また、WGM共振器2の活性層13は、光増幅利得を有する。その結果、WGM共振器2の活性層13において発生した光は、このレーザ共振器によってレーザ発振する。なお、レーザ共振器となる光導波路はいずれも1.55μm帯の波長において単一横モードの条件をみたしており、上記レーザ発振するレーザ光は単一横モードとなる。なお、WGM共振器2を周回するレーザ光の一部は、光導波路22へと出力する。
一方、上記レーザ発振と同時に、リード線10c、電極9cを介して、光検出部23のn側電極−p側電極間に、逆バイアスとしてのDC電圧を印加する。すると、光検出部23は、光導波路22の端面から上記レーザ光を受光し、受光した光を電気信号に変換する。この電気信号は、パルスレーザ光の遅延時間によって定まる基本発振周波数およびその整数倍の周波数である高調波の変調信号を含むものである。この変調信号を含む電気信号は、電極9dを経由して可飽和吸収部7に搬送される。
他方、可飽和吸収部7には、リード線10b、電極9eを介して、n側電極−p側電極間に、逆バイアスとしてのDC電圧が印加されているが、これに加えて、上記変調信号を含む電気信号が電極9dを経由して印加される。その結果、可飽和吸収部7は、上記変調信号の周波数で駆動する光シャッタとして機能するため、上記レーザ共振器において再生モード同期が実現される。その結果、光導波路4の端面4aからはパルスレーザ光が出力する。このパルスレーザ光は、光導波路21の端面21aに入射し、もう一方の端面21bからモード同期半導体レーザ200の外部に出力する。
このモード同期半導体レーザ200は、再生モード同期方式を用いているため、強制モード同期もしくはハイブリッドモード同期と異なり、外部から発振器を用いてRF信号を供給する必要は無く、自励発振によって生成された電気信号により、光出力を変調させている。このとき自励発振によって生成された電気信号の時間ジッタは、従来の水晶発振器をベースとした電気の発振器と比較して2桁程度良い。すなわち、従来の発振器では、たとえば振動子を10MHzで発振させて、これを逓倍することにより高い周波数の電気信号を発生させているため、時間ジッタが悪くなる。一方、このモード同期半導体レーザ200は、低周波数の信号を逓倍させることなく、直接高い周波数で発振させているため、時間ジッタが小さい。
したがって、このモード同期半導体レーザ200は、WGM共振器2の高いQ値によって時間ジッタが小さくなるのに加え、さらに自励発振による時間ジッタの低減効果を得られるので、時間ジッタがきわめて小さいパルスレーザ光を出力できる。
ところで、このモード同期半導体レーザ200は、リング型レーザであるから、その発振周波数をfoscとすると、光の遅延時間が電気の遅延時間よりも十分に小さいとした場合、foscは以下の式(6)で与えられる。
Figure 2010102045
なお、各々の変数は式(3)と同様である。すなわち、直線型レーザの場合である式(3)と比較して、式(6)は分母の係数2が取り除かれた形となっている。
また、このモード同期半導体レーザ200は、電極9dから基本発振周波数およびその高調波の成分を含む電気信号をRF出力として出力することができる。したがって、このモード同期半導体レーザ200は、電磁波発振器としても用いることができる。このモード同期半導体レーザ200は、従来の電磁波発振器と比較すると共振器の一部に電磁ノイズの影響を受けにくい光遅延路を用いているため、時間ジッタの小さい高純度な電気信号を発生させることができる。
このように、このモード同期半導体レーザ200は、電磁波発振器としても優れているため、CsやRb等の原子と組み合わせることにより周波数標準器として用いることができる。このような高純度な標準器はGPS(Global Positioning System)などに応用することができる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3に係るモード同期半導体レーザについて説明する。本実施の形態3に係るモード同期半導体レーザは、実施の形態2と同様に再生モード同期方式で動作させるものであるが、WGM共振器がパッシブ素子であり、光増幅部としての半導体レーザ部を別途備えており、電磁波発振器として用いるものである点が異なる。
図5は、本実施の形態3に係るモード同期半導体レーザの模式的な平面図である。図5に示すように、このモード同期半導体レーザ300は、図4に示すモード同期半導体レーザ200において、光導波路21、ポリイミド8、電極9a、リード線10aを削除し、WGM共振器2をWGM共振器30に置き換え、光導波路4を光導波路31に置き換え、さらに、半導体レーザ部32、ポリイミド33、電極9f、およびリード線10fを付加した構造を有している。
WGM共振器30、光導波路31、半導体レーザ部32はハイメサ形状を有している。また、WGM共振器30は、WGM共振器2と同様にリング状に形成されており、円状の外周部を有する。また、その直径、メサ幅もWGM共振器2と同様であるが、WGM共振器2とは異なりパッシブ素子であり、図3に示す光導波路5と同様の断面構造を有している。また、光導波路31は、可飽和吸収部7に接続するように形成されている。また、半導体レーザ部32は、光導波路31に接続するように形成されている。また、ポリイミド33は、可飽和吸収部7、光検出部23、および半導体レーザ部32を埋め込むように形成されている。また、電極9fは、半導体レーザ部32上に形成されている。また、電極9fにはリード線10fが接続されている。
光導波路31のメサ幅は2μmである。また、半導体レーザ部32のサイズは300μm×2μmである。また、電極9fのサイズは300μm×75μmである。
また、半導体レーザ部32は、分布帰還型(Distributed Feed-Back:DFB)レーザであり、図2に示すWGM共振器2と同様の断面構造を有しているが、さらに上部クラッド層14に回折格子が形成されている。また、光導波路31は、パッシブ素子であり、図3に示す光導波路5と同様の断面構造を有している。
つぎに、このモード同期半導体レーザ300を再生モード同期方式で動作させる場合について説明する。はじめに、リード線10f、電極9fを介して、半導体レーザ部32のn側電極−p側電極間にDC電圧を印加し、駆動電流を流すと、半導体レーザ部32の活性層に電流が注入され、この活性層が1.55μm帯の光を発光する。発光した光は、光検出器23で電気信号に変換され、RF信号として出力される。このとき発生するRF信号は可飽和吸収部7、光導波路3、22、WGM共振器30、光検出部23、電極9dから成るリング型共振器から生成される。
一方、光検出部23は、モード同期半導体レーザ200と同様に、光導波路22の端面から上記レーザ光を受光し、受光した光を、パルスレーザ光の遅延時間によって定まる基本発振周波数およびその高調波の変調信号を含む電気信号に変換する。この電気信号は電極9dを経由して可飽和吸収部7に搬送される。
他方、可飽和吸収部7は、モード同期半導体レーザ200と同様に、逆バイアスとしてのDC電圧が印加されるとともに、上記変調信号の周波数で駆動する光シャッタとして機能するため、再生モード同期が実現される。ここで、このモード同期半導体レーザ300の場合は、パルスレーザ光の出力端子は特に設けられていないが、電極9dから基本発振周波数およびその高調波の成分を含む電気信号をRF出力として出力することができる。したがって、このモード同期半導体レーザ300は、時間ジッタの小さい高純度な電気信号を発生させる電磁波発振器として用いることができる。
なお、このモード同期半導体レーザ300もリング型レーザであるから、その発振周波数は上述した式(6)で与えられる。
(製造方法)
つぎに、実施の形態1〜3に係るモード同期半導体レーザの製造方法について説明する。図6は、実施の形態1〜3に係るモード同期半導体レーザ100〜300の製造方法を説明する模式図である。
はじめに、図6(a)に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)結晶成長装置を用い、成長温度600℃において、基板1上に、バッファ層12、活性層13、p−InPからなるクラッド層35を順次結晶成長する。
ただし、実施の形態3に係るモード同期半導体レーザ300を製造する際には、半導体レーザ部32を形成する領域のみ、クラッド層35に回折格子を作製する。回折格子の作製方法については例えば特開2002−305350号公報に記載されている。
次に、図6(b)に示すように、アクティブ素子(WGM共振器2、可飽和吸収部7、光検出部23、半導体レーザ部32などの発光、光増幅部、光検出器部)を形成する領域SAにSiNxからなるマスクM1を形成し、それ以外のパッシブ部分となる領域SPのクラッド層35、活性層13をエッチングにより除去する。次に、図6(c)に示すように、エッチングにより除去した領域SPの部分にInGaAsPからなる光導波路のコア層18、p−InPからなるクラッド層36をバットジョイント成長により形成する。その後、図6(d)に示すように、領域SA、SPパッシブ領域の両方に、p−InPからなるクラッド層37、コンタクト層15を結晶成長する。つぎに、図6(e)に示すように、領域SPのみコンタクト層15をエッチングにより除去する。
その後、SiNx膜をマスクとして、幅2μmのハイメサ形状をドライエッチングにより形成する。このドライエッチングでは、クラッド層37、クラッド層35およびクラッド層36、活性層13およびコア層18を貫通し、バッファ層12の上側一部に至る深さまでエッチングを行う。従ってエッチング直後では、活性層13の側面は露出した状況となっている。
次に、メサエッチングに用いたSiNx膜をそのまま結晶成長マスクとして使用し、ハイメサ形状のメサ脇に保護層17を結晶成長する。なお、保護層17の厚さは、活性層13の側壁の部分で0.1μm厚となるようにする。また、保護層17の導電性はp型とし、保護層17の材料をInPとする場合は、Zn等のp型ドーパントのドープ量は5×1017cm-3程度とする。
図7は、図6(e)のC−C´線断面図であり、図8は、図6(e)のD−D´線断面図である。なお、図7、図8において、符号20はSiNx膜を示している。また、図7、図8は、それぞれ図2、図3に対応するものであり、クラッド層35、37が上部クラッド層14を構成し、クラッド層36、37が上部クラッド層19を構成する。
その後、ポジ型のポリイミドを絶縁材料として、各アクティブ素子に対して電極構造を形成する。図9は、電極形成方法を説明する模式図である。なお、図9は、例として図1のA−A´線断面の部分を示している。
はじめに、図9(a)に示すように、ポジ型のレジストR1を塗布後、酸素プラズマを用いたRIE(Reactive Ion Etching)により、メサトップの頭出しを行なう。つぎに、図9(b)に示すように、さらにネガ型のレジストR2を塗布後、フォトリソグラフィーを行い、メサ部に幅4μm程度の窓W1の窓明けを行なう。つぎに、図9(c)に示すように、RIEによりSiNx膜20を除去し、Au/AuZn構造のp側電極16を蒸着する。その後、図9(d)に示すように、リフトオフにより、p側電極16を所望の形状とする。
つぎに、図9(e)に示すように、ポジ型のポリイミド8を塗布し、へき開する箇所には露光しておく。つぎに、図9(f)に示すように、ポリイミド8のフォトリソグラフィーを行い、150℃、30分でキュアし、その後さらに350℃、60分でキュアする。つぎに、図9(g)に示すように、リフトオフにより、Ti/Pt/Au構造の電極9aを形成する。最後に、図9(h)に示すように、基板1の裏面を研摩し、蒸着によりAuGeNi/Au構造のn側電極11を形成する。その後所定箇所をへき開して、モード同期半導体レーザが完成する。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4に係るモード同期半導体レーザについて説明する。本実施の形態4に係るモード同期半導体レーザは、実施の形態3と同様に電磁波発振器として用いるものであるが、WGM共振器がフォトニック結晶内の線欠陥部として形成されている点が異なる。
図10は、本実施の形態4に係るモード同期半導体レーザの模式的な平面図である。図10に示すように、このモード同期半導体レーザ400は、図5に示すモード同期半導体レーザ300において、WGM共振器30をフォトニック結晶部40に置き換え、光導波路3、22を、それぞれ光導波路48、47に置き換えた構造を有している。
フォトニック結晶部40は、上述した他のパッシブ素子と同様に、基板1上に、バッファ層、コア層、上部クラッド層、SiNx膜が順次積層した構造を有している。さらに、フォトニック結晶部40には、空気円孔41が三角格子状に配列されている。この空気円孔41は、少なくともコア層の下面よりも深くまで形成されている。その結果、この空気円孔41は、半導体積層方向に垂直な面内において、2次元的な屈折率の周期構造を形成しており、フォトニック結晶を構成している。
さらに、空気円孔41が構成するフォトニック結晶内には、光を導波すべき線欠陥部として、六角形のリング状の線欠陥WGM共振器42、および直線状の線欠陥光導波路43、44が形成されている。線欠陥光導波路43、44はそれぞれ線欠陥WGM共振器42に接続するように形成されている。また、線欠陥光導波路43と光導波路47とを接続するように、ハイメサ形状の光導波路45が形成されている。同様に、線欠陥光導波路44と光導波路48とを接続するように、ハイメサ形状の光導波路46が形成されている。
このフォトニック結晶部40においては、線欠陥WGM共振器42がWGM共振器となり、線欠陥光導波路43、44が線欠陥WGM共振器42に光を入出力する光導波路として機能する。符号45は、線欠陥WGM共振器42の直径aWGMを示している。ここではaWGMは1.2mmである。
以下、このフォトニック結晶部40の構造パラメータについて説明する。図11は、フォトニック結晶部40の模式的な平面図である。図11において、符号49、50、51はそれぞれ空気円孔41の半径r、三角格子の格子定数a、線欠陥部の両側に位置する空気円孔41の中心間距離で定義される導波路幅Wを示している。ここでは、aが775nm、半径rが0.29a、空孔深さが0.58a、Wが1.08aに設定されている。
このモード同期半導体レーザ400の動作原理は、モード同期半導体レーザ300と同様であり、時間ジッタの小さい高純度な電気信号を発生させる発振器として用いることができる。また、特に、このモード同期半導体レーザ400は、WGM共振器としてフォトニック結晶の線欠陥導波路を利用し、構造パラメータを上記のようにしているため、線欠陥導波路における低群速度効果により、さらに大幅に時間ジッタが低減される。
すなわち、たとえば清田らの論文「フォトニック結晶線欠陥導波路の低群速度効果を用いたレーザと光増幅器」、古河電工時報第118号(平成18年7月発行)に記載されるように、フォトニック結晶内に形成された線欠陥導波路においては、導波する光の規格化波数k/(2π/a)がブリルアンゾーンの端である0.5に近づくにつれて、群屈折率nが非常に大きくなる。たとえば、フォトニック結晶部40において、aを775nmとし、上記構造パラメータの設定とすると、波長1.55μmにおいて、群屈折率nとして100程度の数値が得られる。したがって、この線欠陥WGM共振器42においては、その直径が実施の形態1のWGM共振器2と同様の1.2mmであるものの、遅延時間としては、WGM共振器2の31倍、つまり3.1nsとすることができる。したがって、WGM部分のQ値としても31倍とすることができ、従来の半導体レーザの約270倍のQ値を得ることができる。つまり、このモード同期半導体レーザ400は、従来の半導体レーザの約1/270の時間ジッタを実現するモード同期半導体レーザとなる。
なお、このフォトニック結晶部40は、以下のようにして製造できる。すなわち、はじめに、図6(c)の状態において、領域SPにエッチングマスクとしてSiN膜を成膜する。つぎに、このSIN膜に、電子線リソグラフィを用いて形成した、線欠陥部を含むフォトニック結晶の円孔パターンを転写する。その後に、ICP−RIE(Inductive Coupled Plasma-RIE)を用いて円孔パターン下の半導体のエッチングを行い、空気円孔41を形成する。なお、モード同期半導体レーザ400のその他の部分については、モード同期半導体レーザ100〜300と同様の方法で製造できる。
なお、上記実施の形態3、4に係るモード同期半導体レーザ300、400において、別途光出力用の光導波路を設ければ、パルスレーザ光を出力する通常のモード同期半導体レーザとしても利用できる。
また、上記実施の形態4において、フォトニック結晶部40はパッシブ素子であるが、コア層を活性層に置き換えてアクティブ素子として、実施の形態1、2に係るモード同期半導体レーザ100、200のWGM共振器2に置き換えて用いることもできる。
また、上記実施の形態4において、フォトニック結晶部40はパッシブ素子であるが、コア層を活性層に置き換えてアクティブ素子として、実施の形態1、2に係るモード同期半導体レーザ100、200のWGM共振器2に置き換えて用いることもできる。
また、上記各実施の形態において、WGM共振器2、半導体レーザ部32は電流注入により光増幅を行なうものであるが、別途励起レーザを設け、電流注入の代わりに光励起によって光増幅を行なってもよい。
また、上記各実施の形態において、活性層13はMQW−SCH構造を有するものであるが、バルク層としてもよい。また、上記各実施の形態では、化合物半導体としてInP系の半導体材料を用いているが、GaAs系等の他の半導体材料を用いても良く、特に限定はされない。
また、各WGM共振器の形状は、円や六角形のリング状に限らず、楕円や他の多角形のリング状または筒状等としてもよい。
なお、直径が10〜10μm程度の微小球体を使用してコンパクトなWGM共振器が製造されている。このような共振器の寸法は光の波長よりはるかに大きいので、該WGM共振器の曲率が有限であることによる光の損失は小さくすることができる。その結果、このような共振器を用いて、高いQ値を達成することができる。このようなWGM共振器において、光損失の主原因としては、WGM共振器を構成する誘電材料の光吸収及び該球体の不均一性(例えば該球体表面の凹凸)による光散乱がある。寸法が1mm未満のある種の微小球体が、光波に対して非常に高いQ値を示すことが立証されており、石英の微小球体の場合Q値が109を超える。したがって、光エネルギーは、WGMモードにカップルされると、長い遅延時間で、該球体の赤道において又はその近くで巡回することができる。
実施の形態1に係るモード同期半導体レーザの模式的な平面図である。 図1におけるA−A´線断面図である。 図1におけるB−B´線断面図である。 実施の形態2に係るモード同期半導体レーザの模式的な平面図である。 実施の形態3に係るモード同期半導体レーザの模式的な平面図である。 実施の形態1〜3に係るモード同期半導体レーザの製造方法を説明する模式図である。 図6(e)のC−C´線断面図である。 図6(e)のD−D´線断面図である。 電極形成方法を説明する模式図である。 実施の形態4に係るモード同期半導体レーザの模式的な平面図である。 フォトニック結晶部40の模式的な平面図である。 モード同期の方式の原理を説明する説明図である。 モード同期の方式の原理を説明する説明図である。 WGM共振器の構成を例示的に説明する説明図である。
符号の説明
1 基板
2、30 WGM共振器
3〜6、21、22、31、45〜48 光導波路
4a〜6a、6b、21a、21b、22a 端面
7 可飽和吸収部
8、33 ポリイミド
9a〜9f 電極
10a〜10f リード線
11 n側電極
12 バッファ層
12a 突出部
13 活性層
14、19 上部クラッド層
15 コンタクト層
16 p側電極
17 保護層
18 コア層
20 SiNx膜
23 光検出部
31 光導波路
32 半導体レーザ部
35〜37 クラッド層
40 フォトニック結晶部
41 空気円孔
42 線欠陥WGM共振器
43、44 線欠陥光導波路
49 半径
50 格子定数
51 導波路幅
100〜400 モード同期半導体レーザ
M1 マスク
R1、R2 レジスト
SA、SP 領域
W1 窓

Claims (10)

  1. 化合物半導体からなる基板上に、
    ささやき回廊モード共振器が外周部を有し、該外周部の内側を光が周回するように構成した化合物半導体製のささやき回廊モード共振器と、
    前記ささやき回廊モード共振器に直接、もしくは間接的に接続し、光増幅利得を有する化合物半導体製の光増幅部と、
    前記ささやき回廊モード共振器に直接、もしくは間接的に接続し、該ささやき回廊モード共振器に光を入出力する化合物半導体製の光導波路とを有し、前記ささやき回廊モード共振器と前記光増幅部と光導波路がモノリシックに集積され、モード同期によりパルスレーザ光を発振するモード同期の手段を有するモード同期半導体レーザ。
  2. 化合物半導体からなる基板上に、
    ささやき回廊モード共振器が光増幅利得を有する活性層を備えるとともに外周部を有し、該外周部の内側を光が周回するように構成した化合物半導体製のささやき回廊モード共振器を有し、
    前記ささやき回廊モード共振器に直接、もしくは間接的に接続し、該ささやき回廊モード共振器に光を入出力する化合物半導体製の光導波路とささやき回廊モード共振器がモノリシックに集積され、モード同期によりパルスレーザ光を発振するモード同期の手段を有するモード同期半導体レーザ。
  3. 前記モード同期の手段は、
    前記パルスレーザ光の一部を受光し電気信号に変換する化合物半導体製の光検出部と、
    前記光検出部に接続し、前記電気信号に含まれる前記パルスレーザ光の遅延時間により定まる基本発振周波数の成分または該基本発振周波数の高調波の成分を、電極構造を介して印加することにより駆動するレーザ光を変調する光変調部とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のモード同期半導体レーザ。
  4. 前記モード同期の手段は、
    前記パルスレーザ光の一部を受光し電気信号に変換する化合物半導体製の光検出部と、
    前記光検出部に接続し、前記電気信号に含まれる前記パルスレーザ光の遅延時間により定まる基本発振周波数の成分または該基本発振周波数の高調波の成分で電極構造を介して前記パルスレーザの注入電流を変調することを特徴とする請求項1または2に記載のモード同期半導体レーザ。
  5. 前記光変調部は、可飽和吸収体からなることを特徴とする請求項3に記載のモード同期半導体レーザ。
  6. 前記光変調部は、マッハツェンダ変調器からなることを特徴とする請求項3に記載のモード同期半導体レーザ。
  7. 前記活性層を備えるささやき回廊モード共振器は、ハイメサ形状を有するとともに、該ハイメサ形状の側面における少なくとも前記活性層の表面に、該活性層のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する保護層が形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のモード同期半導体レーザ。
  8. 前記ささやき回廊モード共振器の外周部は円状であり、前記光導波路は該外周部の接線方向に沿って光を入出力するように配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のモード同期半導体レーザ。
  9. 前記ささやき回廊モード共振器は、半導体積層方向に垂直な面内において2次元的な屈折率の周期構造を形成するフォトニック結晶内において、光を導波すべき線欠陥部を設けて形成しており、該線欠陥部はループ形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のモード同期半導体レーザ。
  10. さらに、前記電気信号に含まれる前記基本発振周波数の成分または前記高調波の成分を出力する出力端子を備え、外部に電磁波を取り出せることを特徴とする請求項3〜9のいずれか一つに記載の電磁波発振器用のモード同期半導体レーザ。
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