JP2010096508A - 計測流路ユニット検査方法および計測流路ユニット検査装置 - Google Patents

計測流路ユニット検査方法および計測流路ユニット検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】計測流路ユニットの製品検査時の工数や人員を削減できる計測流路ユニット検査方法および計測流路ユニット検査装置を提供すること。
【解決手段】検査すべき計測流路ユニット10が装着され、検査時にガスが流される検査流路21aと、装着される前記計測流路ユニット10の下流側に設けられ、検査流路21aに外部から連通すると共にガスの流れ方向に直交する方向における同じ平面の異なる位置になるように形成された複数の圧力検出穴21f1〜21f6とを有する検査流路本体21と、計測流路ユニット10を装着可能なように露出された検査流路21aの一部を覆うカバー3とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスメータの筐体に収容されて流速センサによる流速の計測が行われるガス流路を形成する計測流路ユニットの製品検査を行うための計測流路ユニット検査方法および計測流路ユニット検査装置に関するものである。
近年、流速センサが検出した被測定流体としてのガスの流速からガス流量をマイクロコンピュータを利用して演算する電子式ガスメータ100(図13参照)が普及している。この電子式ガスメータ100の筐体101には、ガスボンベ等のガス供給源からのガスが供給されるガス流入口102と、ガス燃焼器具が接続されるガス流出口103と、ガス流入口102およびガス流出口103間を連通するガス流路が設けられている。そして、このガス流路を流れるガスの流速を流速センサによって計測している。
通常、このガス流路は、メータ製造の便宜上、複数に分割されたパーツが組み付けられて構成される。これら複数のパーツのうち、流速センサによる流速計測を行うためのパーツである流体計測装置は、上流側のガス供給圧力や下流側のガス使用状況の影響による流速計測特性の変化を軽減するために、ガス流路が一直線状に形成されていることが多い。
このため、流体計測装置は、筒状に形成されて内側に形成される計測流路を流れるガスの流速を超音波センサやフローセンサ等の流速センサで計測するための計測流路ユニット10を備えている。
図14は、たとえば超音波センサ用の構造を有する計測流路ユニットを示す。計測流路ユニット10は、断面略矩形状の計測流路を形成すべく合成樹脂で一体形成された下壁10a、上壁10b、左側壁10cおよび右側壁10dと、左側壁10cおよび右側壁10dに支持されて計測流路を多層に分割する複数の仕切板11を備えている。計測流路ユニット10は、計測流路の入口開口部10iから流入して出口開口部10jが流出するガスの計測流路が仕切板11で多層の流路に分割されていることから、多層ユニットとも呼ばれている。
上壁10bの上面には、位置決め用の凸部10eが形成され、下壁10aの下面には、位置決め用の凸部10fが形成されている。左側壁10cおよび右側壁10dには、計測流路に連通すると共にガスの流れ方向に離間した開口部がそれぞれ設けられ、これらの開口部は、メッシュホルダ10gのホルダ開口部に貼り付けられたメッシュ板10hで塞がれている。
流速センサとしての超音波センサは、図示しないが、左側壁10cおよび右側壁10dにそれぞれ設けられた開口部およびメッシュ板10hを介して超音波の授受を行うように、左側壁10cおよび右側壁10dの外部であって互いに対向する位置に、2個配置されている。
特開2008−051562号公報
上述の計測流路ユニットは、製品検査時(外注製品の場合は受入検査時)に、製品の各部分の寸法を検査員が測定し、規格の範囲内に収まっていれば合格品、外れていれば不合格品としていた。しかしながら、測定箇所が多く、製品検査時に多くの工数、人員を必要としていた。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑み、計測流路ユニットの製品検査時の工数や人員を削減できる計測流路ユニット検査方法および計測流路ユニット検査装置を提供することを目的としている。
記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明の計測流路ユニット検査方法は、検査すべき計測流路ユニットが装着された検査流路にガスが流されたときの前記計測流路ユニットの下流側の前記検査流路の異なる位置の静圧、または上流側と下流側の異なる位置の差圧、または下流側の異なる位置の流速を測定し、測定された複数の静圧値、差圧値または流速値を比較し、その比較結果に基づいて前記計測流路ユニットの製品合否を判定することを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明の計測流路ユニット検査装置は、検査すべき計測流路ユニットが装着され、検査時にガスが流される検査流路と、装着される前記計測流路ユニットの下流側に設けられ、前記検査流路に外部から連通すると共にガスの流れ方向に直交する方向における同じ平面の異なる位置になるように形成された複数の圧力検出穴とを有する検査流路本体と、前記計測流路ユニットを装着可能なように露出された前記検査流路の一部を覆うカバーとを備えていることを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、請求項2記載の計測流路ユニット検査装置において、前記複数の圧力検出穴における圧力を測定する圧力測定手段をさらに備えていることを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、請求項3記載の計測流路ユニット検査装置において、前記圧力測定手段で測定された複数の圧力値を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて前記計測流路ユニットの製品合否を判定する判定手段とをさらに備えていることを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、検査すべき計測流路ユニットが装着され、検査時にガスが流される検査流路と、装着される前記計測流路ユニットの上流側および下流側に設けられ、外部から前記検査流路に連通すると共にガスの流れ方向に直交する方向における同じ平面の異なる位置になるように形成された複数の圧力検出穴とを有する検査流路本体と、前記計測流路ユニットを装着可能なように露出された前記検査流路の一部を覆うカバーとを備えていることを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、請求項5記載の計測流路ユニット検査装置において、前記検査流路本体は、第1、第2及び第3のボディに3分割されており、前記第1のボディは、前記検査流路の一部と、供給されるガスを縮流させる縮流部と、該縮流部と前記検査流路を連通する入口部とを有し、前記第2のボディは、前記検査流路の一部と、前記上流側に設けられた複数の圧力検出穴とを有し、前記第3のボディは、前記検査流路の一部と、前記下流側に設けられた複数の圧力検出穴と、前記検査流路を流れるガスを放出する出口部を有することを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の計測流路ユニット検査装置において、前記上流側の複数の圧力検出穴と下流側の複数の圧力検出穴を用いて、前記検査流路の異なる位置の複数の差圧を測定する圧力測定手段をさらに備えていることを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項8記載の発明は、請求項7記載の計測流路ユニット検査装置において、前記圧力測定手段で測定された複数の差圧値を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて前記計測流路ユニットの製品合否を判定する判定手段とをさらに備えていることを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項9記載の発明は、検査すべき計測流路ユニットが装着され、検査時にガスが流される検査流路と、装着される前記計測流路ユニットの下流側に設けられ、ガスの流れ方向に直交する方向における同じ平面の異なる位置の流速を検出する複数の流速検出手段とを有する検査流路本体と、前記計測流路ユニットを装着可能なように露出された前記検査流路の一部を覆うカバーとを備えていることを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項10記載の発明は、請求項9記載の計測流路ユニット検査装置において、前記流速検出で検出された複数の流速値を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて前記計測流路ユニットの製品合否を判定する判定手段とをさらに備えていることを特徴とする。
記課題を解決するためになされた請求項11記載の発明は、請求項2から10のいずれか1項に記載の計測流路ユニット検査装置において、前記検査流路本体に接続され、前記検査流路にガスを導入するガスフィーダとを備え、前記ガスフィーダは、互いに逆方向からガスを導入させて衝突させる2つのガス導入口と、衝突させたガスを衝突方向と異なる方向に導出して前記検査流路に供給する緩衝室とを有することを特徴とする。
本発明によれば、計測流路ユニット10の製品検査時における製品の合格/不合格を、従来のように寸法測定に頼る必要がないため人的な寸法測定精度に依存することなく、圧力または流速の測定・比較により判定できるので、製品検査時の工数、人員等を削減し、検査時間を短縮することができる。また、計測流路ユニット10を作成する金型に経時的変化が発生した場合、経時的変化を容易に発見することができる。また、検査装置を2列、3列と並列に設置することで、検査の数を2倍、3倍に増やすことが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)図1は、本発明の計測流路ユニット検査方法を実施する計測流路ユニット検査装置の第1の実施形態を示す概略斜視図である。計測流路ユニット用査装置1は、本体2、カバー3、ガスフィーダ4、ガス排出路5、台6および固定板7を含んで構成されている。本体2、カバー3、ガスフィーダ4およびガス排出路5の各パーツは、詳細には以下のように構成されている。
本体2は、図2および図3に示すように、断面略矩形状の検査流路21aが形成されたアルミ製(金属製)の検査流路本体21からなる。ガスフィーダ4が接続される検査流路本体21の一方の端部(すなわち、上流側の端部)には、円形の径が次第に小さくなるテーパを有するすり鉢状の縮流部21bと、この縮流部21bと検査流路21aを連通する入口部21cが形成されている。なお、テーパは、逆四角錐となるようなテーパでも良い。一方の端部の端面には、ガスフィーダ固定用ネジ穴21iと平行ピン挿入孔21kが形成されている。
ガス排出路5が接続される検査流路本体21の他方の端部(すなわち、下流側の端部)には、検査流路21aと連通し、検査流路21aを流れるガスをガス排出路5へ放出する出口部21dが形成されている。他方の端部の端面には、ガスフィーダ固定用ネジ穴21jと平行ピン挿入孔21lが形成されている。
検査流路21aを形成する検査流本体21の底部には、中間に間隔をおいて位置決め溝21eが形成されている。また、一方の端部に近い場所の底部には、流れ方向に間隔をおいて複数(この例では4個)の圧力検出穴21f1が形成され、他方の端部に近い場所の底部には、流れ方向に間隔をおいて複数(この例では3個)の圧力検出穴21f2が形成されている。
圧力検出穴21f1が形成されている場所の左側壁には、複数の圧力検出穴21f1に対応する個数(この例では4個)の圧力検出穴21f3が流れ方向に間隔をおいて形成され、圧力検出穴21f2が形成されている場所の左側壁には、複数の圧力検出穴21f2に対応する個数(この例では3個)の圧力検出穴21f4が流れ方向に間隔をおいて形成されている。
圧力検出穴21f1が形成されている場所の右側壁には、複数の圧力検出穴21f1に対応する個数(この例では4個)の圧力検出穴21f5が流れ方向に間隔をおいて形成され、圧力検出穴21f2が形成されている場所の右側壁には、複数の圧力検出穴21f2に対応する個数(この例では3個)の圧力検出穴21f6が流れ方向に間隔をおいて形成されている。
検査流路21aを形成する検査流路本体21の上面には、カバー3でシールするためのゴム製シール部材であるO(オー)リングをはめる嵌合溝21gと、複数のカバー固定用ネジ穴21hが形成されている。検査流路本体21の底面には、固定板7へ固定するための固定用穴21mが形成されている。
カバー3はアルミ製で、図4に示すように、計測流路ユニット10を装着可能なように露出された検査流路21aの一部、たとえば検査流路本体21の上部、を覆って検査流路21aの上部内壁となる寸法を有し、上面における一方の端部に近い場所に、複数(この例では4個)の圧力検出穴3a1が形成され、他方の端部に近い場所に、複数(この例では3個)の圧力検出穴3a2が形成されている。圧力検出穴3a1および3a2は、カバー3を検査流路本体21に固定した際に検査流路本体21の底部に形成された圧力検出穴21f1および21f2に対応する位置に形成されている。また、カバー23の上面には、検査流路本体21のカバー固定用ネジ穴21hに対応する箇所に固定用穴ネジ穴3bが形成されている。カバー3の背面には、中間に間隔をおいて位置決め溝3cが形成されている。
ガスフィーダ4はアルミ製で、図5に示すように、両側面にガス導入口4aおよび4bが形成され、正面にガス導入口4aおよび4bと連通する断面円形状の緩衝室4cが形成されている。ガスフィーダ4の正面には、複数の固定用ネジ穴4dと複数の平行ピン挿入孔4eが形成されている。また、緩衝室4cの内周縁には、ごみ等の進入を防止する金網等のメッシュ部材(図示しない)を取り付けるための円形の取付溝4gが設けられている。また、検査流路本体21の入口部21bと接続した時のシール用Oリング(図示しない)を取り付けるための取付け溝4fが設けられている。図示しないガス供給源からのガスがガス導入口4aおよび4bに導入されると、ガスの流れの動圧が検査流路21aに影響を及ぼさないようにするために、ガスは緩衝室4c内で衝突した後、流れ方向が導入口4aおよび4bと直交する方向に変えられて緩衝室4cから導出される。
ガス排出路5はアルミ製であり、図6に示すように、検査流路本体21の出口部21dに対応するガス排出部5aと、複数の固定用ネジ穴5bと複数の平行ピン挿入孔5cが形成されている。また、ガス排出部5aの一方の表面には、ごみ等の進入を防止する金網を取り付けるための取付溝5eが設けられている。また、検査流路本体21の出口部21dに接続した時のシール材としてのOリング(図示しない)を取り付けるための取付け溝5dが設けられている。
上述のように構成されている各パーツは、次のように組み付けられる。すなわち、ガスフィーダ4の緩衝室4cが本体2の検査流路本体21の縮流部21bと連通するように合わせられ、ガタをなくすために図示しない平行ピンが平行ピン挿入孔21kおよび4eに挿入されて位置決めされた後、固定用ネジ穴4dおよびガスフィーダ固定用ネジ穴21iにネジが挿入されて締め付けられることにより、本体2とガスフィーダ4が気密に組み付けられる。
また、本体2の検査流路本体21の出口部21dがガス排出路5のガス排出部5aと連通するように合わせられ、ガタをなくすために図示しない平行ピンが平行ピン挿入孔21lおよび5cに挿入されて位置決めされた後、固定用ネジ穴5bおよびガス排出路固定用ネジ穴21jにネジが挿入されて締め付けられることにより、本体2とガス排出路5が気密に組み付けられる。
ガスフィーダ4、本体2およびガス排出路5の各パーツが組み付けられた際、図1に示すように、ネジで締める時にガタができないように、各パーツは固定板7に固定される。
このように組み付けられた計測流路ユニット検査装置1は、検査時に次のように使用される。
まず、図7に示すように、カバー3を取り付けていない状態の検査流路本体2の検査流路21aの中に、検査すべき計測流路ユニット10が装着される。この装着の際、計測流路ユニット10の位置決め用の凸部10fが、計測流路ユニット10の位置決め溝21eに嵌合される。
次に、図8に示すように、嵌合溝21gにシール部材であるOリング(図示しない)が嵌合された検査流路本体21の上面に、カバー3が取り付けられる。カバー3は、位置決め溝3cに計測流路ユニット10の位置決め用の凸部10eが嵌合された後、固定用ネジ穴3bおよびカバー固定用ネジ穴21hにネジが挿入されて締め付けられることにより、検査流路本体21に組み付けられる。なお、検査流路21aへの計測流路ユニット10の装着の際、計測流路ユニット10の外周にゴム等の弾性部材からなるOリング12をはめて検査流路21a内でガタつかないように固定している。
また、計測流路ユニット10の装着により、計測流路ユニット10の上流側と下流側は、計測流路ユニット10の内側の計測流路だけを介して連通するが、計測流路ユニット10の外側を通って連通することがないようにされている。
このように計測流路ユニット10が検査流路21aに装着され、カバー3が取り付けられた状態では、圧力検出穴3a1、21f1、21f3および21f5は、それぞれガスの流れ方向に設けられている4個の穴が、1つずつ、ガスの流れ方向に直交する方向における同じ平面の異なる位置にある。そして、図9に示すように、装着された計測流路ユニット10の上流側に形成されている圧力検出穴3a1、21f1、21f3および21f5は、ガスの流れ方向に複数個設けられている中から、ガスの流れ方向に直交する方向において同じ平面に位置している1個のみがそれぞれ選択され、同様に、装着された計測流路ユニット10の下流側に形成されている圧力検出穴3a2、21f2、21f4および21f6は、ガスの流れ方向に複数個設けられている中から、ガスの流れ方向に直交する方向において同じ平面に位置している1個のみがそれぞれ選択され、選択された各圧力検出穴に圧力検出手段としての圧力計PM1,PM2、PM3およびPM4の圧力検出プローブ(図示しない)が接続される。選択された1個以外の圧力検出穴はすべて、ガス漏れが生じないように適当な手段によって塞がれる。
複数個の中から1個の圧力検出穴を選択する際には、検査流路21aの上流側におけるガスの流れの影響が少ない位置で圧力検出を行うために、検査流路21aの上部、下部、左側部および右側部における4つの圧力ができるだけ等しい位置で圧力検出ができるようにするのが好適である。そのため、検査流路21aの上流側には、検査流路21aに計測流路ユニット10を装着した時、その先端から上流方向に、たとえば、5mm,15mm,25mm,35mmの距離となる位置の4点に、圧力検出穴21f1、21f3、21f5および3a1が設けられている。
一方、検査流路21aの下流側では、装着された計測流路ユニット10の先端からの距離がある程度以上大きくなると、流れが一様になって、検査流路21aの検査流路21aの上部、下部、左側部及び右側部における4つの圧力に差がなくなり、計測流路ユニット10の歪みや変形による圧力の違いが検出できなくなる。そのため、検査流路21aの下流側においては、検査流路21aに計測流路ユニット10を装着した時、その先端から下流方向に、たとえば、5mm,15mm,25mmの距離となる位置の、上流側の4点より少ない3点に、圧力検出穴21f2、21f4、21f6および3a2が設けられている。
なお、各圧力検出穴の数は、検査装置1の設計段階で経験的に設定されており、もし上述の個数でも良好な圧力検出ができない場合は、さらに個数を追加しても良い。
次に、ガス供給源から導入したガスが、ガスフィーダ4、検査流路21a、計測流路ユニット10およびガス排出路5を介して流れている間に、選択されたガス検出穴を使用して検査流路21a内のガスの流れの静圧を圧力計PM1,PM2、PM3およびPM4で測定する。
圧力計PM1は、計測流路ユニット10の上流側の圧力検出穴3a1から検出される圧力と下流側の圧力検出穴3a2から検出される圧力の差(すなわち、差圧)ΔP1を測定する。この差圧ΔP1は、計測流路ユニット10内の多層流路の上壁10b側の圧力損失に相当する。
また、圧力計PM2は、計測流路ユニット10の上流側の圧力検出穴21f1と下流側の圧力検出穴21f2の差圧ΔP2を測定する。この差圧ΔP2は、計測流路ユニット10内の多層流路の下壁10a側の圧力損失に相当する。
また、圧力計PM3は、計測流路ユニット10の上流側の圧力検出穴21f3と下流側の圧力検出穴21f4の差圧ΔP3を測定する。この差圧ΔP3は、計測流路ユニット10内の多層流路の左側壁10c側の圧力損失に相当する。
また、圧力計PM4は、計測流路ユニット10の上流側の圧力検出穴21f5と下流側の圧力検出穴21f6の差圧ΔP4を測定する。この差圧ΔP4は、計測流路ユニット10内の多層流路の右側壁10d側の圧力損失に相当する。
次に、上述のように上流側と下流側の異なる位置で測定された差圧ΔP1、ΔP2、ΔP3およびΔP4を比較する。差圧ΔP1とΔP2が等しく、ΔP3とΔP4が等しければ、計測流路ユニット10は合格品と判定され、いずれかもしくは両方が等しくなければ、不合格品と判定される。
理想的な合格品では、差圧ΔP1、ΔP2、ΔP3およびΔP4のすべてが等しくなる。たとえば、計測流路ユニット10の下壁10aや上壁10bに歪み、変形等があれば、差圧ΔP1とΔP2は等しくなくなり、不合格品と判定される。また、計測流路ユニット10の左側壁10cや右側壁10dに歪み、変形等があれば、差圧ΔP3とΔP4は等しくなくなり、不合格品と判定される。なお、比較される差圧の差が、予め設定された合否判定差圧しきい値未満であれば合格、合否判定差圧しきい値以上であれば不合格と判定するようにしても良い。
図10は、上述の検査方法を説明するための流量対差圧特性を示すグラフである。図10においては、一例として圧力計PM1およびPM2で測定された計測流路ユニット10の上壁10b側(カバー3側)の差圧ΔP1の特性と、計測流路ユニット10の下壁10a側(検査流路21aの底部側)の差圧ΔP2の特性が示されている。図10から、流量Qが5000(L(リットル)/h(アワー))〜7000(L/h)の高流量範囲で差圧ΔP1とΔP2が等しくなくなり、流量が大きくなるにつれてその差ΔPD1(=ΔP1−ΔP2)が増大する傾向にあることが分かる。したがって、上述の高流量範囲のガスを検査流路21aに流した時の各差圧の比較を行い、その比較結果に基づいて計測流路ユニット10の製品合格/不合格を判定することができる。
このように、第1の実施形態によれば、計測流路ユニット10の製品検査の合格/不合格を、従来のように寸法測定に頼る必要がないため人的な寸法測定精度に依存することなく、差圧の測定・比較により判定できるので、受け入れ検査時の工数、人員等を削減し、検査時間を短縮することができる。また、計測流路ユニット10を作成する金型に経時的変化が発生した場合、経時的変化を容易に発見することができる。また、検査装置を2列、3列と並列に設置することで、検査の数を2倍、3倍に増やすことが可能になる。
また、圧力検出穴が上流側に4個、下流側に3個のように複数個設けられているので、圧力検出位置を選択可能である。このような圧力検出穴を上流側、下流側とも更に増やすことにより、最適な圧力検出位置を選択することができる。さらに、圧力検出位置を二列、三列と並列に増やすことで、各位置の差圧の傾向、分布の精度を上げることが可能となる。
なお、圧力計PM1〜PM4で測定された差圧の比較と、その比較結果による合格/不合格判定は、検査員が行っても良いし、または、差圧の比較手段と、比較手段の比較結果に基づき合格/不合格判定を行う判定手段とを、CPU等を用いて電気的に構成して、自動的に合否判定されるようにしても良い。
(第2の実施形態)第2の実施形態では、本体2を複数のパーツに分割した構成を有する。たとえば、図11に示すように、本体2を第1のボディ2A、第2のボディ2Bおよび第3のボディ2Cの3つに分割する。第1のボディ2Aは、第1の実施形態における検査流路本体21の縮流部21b、入口部21cおよび検査流路21aの一部を備えた構成とする。第2のボディ2Bは、第1の実施形態における検査流路本体21の圧力検出穴21f1、21f3、21f5、位置決め溝21eを含む検査流路21aの中間部と同じ構成とする。第3のボディ2Cは、第1の実施形態における検査流路本体21の出口部21dおよび圧力検出穴21f2,21f4,21f6を含む検査流路21aの一部を備えた構成とする。各ボディの組み付け時は、組み付け時のズレ、ガタをなくすため平行ピンで位置決めされる。さらに、第1のボディ2A、第2のボディ2Bおよび第3のボディ2Cに貫通穴を2個設け、長い2本のボルトで両側から締め付け固定する。
このように構成した場合は、計測流路ユニット10の長さ寸法に応じて長さの異なる第2のボディ2Bを複数用意して交換可能とすることができ、計測流路ユニット10の長さ寸法が変更された場合でも、検査装置全体を作成し直す必要が無くなる。
(第3の実施形態)上述の第1の実施形態では、差圧の比較によって合否判定を行っているが、第3の実施形態として、計測流路ユニット10の下流側の下壁10a、上壁10b、左側壁10cおよび右側壁10d付近の静圧のみを、それぞれ、圧力検出穴3a2、21f2、21f4および21f6を使用することにより圧力計PM1〜PM4で測定して、測定された4つの静圧値を比較することにより合否判定しても良い。
たとえば、上壁10b付近の静圧、すなわち、圧力検出穴3a2から検出された静圧値P10b と、下壁10a付近の静圧、すなわち、圧力検出穴21f2から検出された静圧値P21f2を比較し、両静圧値に差が見られるかどうかを検討し、差があれば不合格、差がなければ合格とする。また、たとえば、左側壁10c付近の静圧、すなわち、圧力検出穴21f4から検出された静圧値P21f4 と、右側壁10d付近の静圧、すなわち、圧力検出穴21f6から検出された静圧値P21f6を比較し、両静圧値に差が見られるかどうかを検討し、差があれば不合格、差がなければ合格とする。
図12は、上述の検査方法を説明するための流量対静圧特性を示すグラフである。図12においては、一例として測定された計測流路ユニット10の上壁10b側(カバー3側)の静圧P10b の特性と、計測流路ユニット10の下壁10a側(検査流路21aの底部側)の静圧P21f2の特性が示されている。図12から、流量Qが5000(L(リットル)/h(アワー))〜7000(L/h)の高流量範囲で静圧P10b とP21f2が等しくなくなり、流量が大きくなるにつれてその差ΔPS1(=P21f2−P10b )が増大する傾向にあることが分かる。したがって、上述の高流量範囲のガスを検査流路21aに流した時の各静圧の比較を行い、その比較結果に基づいて計測流路ユニット10の製品合格/不合格を判定することができる。なお、比較される静圧の差が、予め設定された合否判定静圧しきい値未満であれば合格、合否判定静圧しきい値以上であれば不合格と判定するようにしても良い。
また、圧力計PM1〜PM4で測定された静圧値の比較と、その比較結果による合格/不合格判定は、検査員が行っても良いし、または、静圧値の比較手段と、比較手段の比較結果に基づき合格/不合格判定を行う判定手段とを、CPU等を用いて電気的に構成して、自動的に合否判定されるようにしても良い。
(第4の実施形態)第4の実施形態として、第1の実施形態と同様に差圧の比較で合否判定を行った後、さらに第3の実施形態と同様に下流側の静圧値の比較で再度合否判定しても良く、この場合は、より合否判定精度を上げることができる。この場合も、比較および合否判定は、上述のように検査員または電気的構成によって行うことができる。
(第5の実施形態)上述の第3の実施形態では、圧力測定によって合否判定を行っているが、第5の実施形態として、第3の実施形態における静圧測定と同じ位置のガスの流速をフローセンサ等の流速センサを用いた流速測定手段で測定し、各位置の流速を比較することにより合否判定しても良い。
たとえば、上壁10b付近の流速V10b と、下壁10a付近の流速V21f2を比較し、両流速に差が見られるかどうかを検討し、差があれば不合格、差がなければ合格とする。また、たとえば、左側壁10c付近の流速V21f4 と、右側壁10d付近の流速V21f6を比較し、両流速値に差が見られるかどうかを検討し、差があれば不合格、差がなければ合格とする。なお、比較される流速値の差が、予め設定された合否判定流速しきい値未満であれば合格、合否判定流速しきい値以上であれば不合格と判定するようにしても良い。
また、流速計で測定された流速値の比較と、その比較結果による合格/不合格判定は、検査員が行っても良いし、または、流速値の比較手段と、比較手段の比較結果に基づき合格/不合格判定を行う判定手段とを、CPU等を用いて電気的に構成して、自動的に合否判定されるようにしても良い。
以上の通り、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
たとえば、上述の第2の実施形態において、縮流部21b部分をさらに別パーツとして取付可能としても良い。この場合、縮流部21bのテーパで縮流する角度を変更したい時、縮流部21b部分のパーツを別の角度のものに取り替えるだけで対応することができる。
本発明の計測流路ユニット検査方法を実施する計測流路ユニット検査装置の第1の実施形態を示す概略斜視図である。(第1の実施形態) 計測流路ユニット用検査装置における検査流路本体の構成例を示す図であり、(A)〜(E)は、それぞれ、上面図、正面図、底面図、左側面図および右側面図である。(第1の実施形態) 図2(A)におけるA−A線断面図である。(第1の実施形態) 計測流路ユニット検査装置におけるカバーの構成例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。(第1の実施形態) 計測流路ユニット検査装置におけるガスフィーダの構成例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は(A)におけるB−B線断面図、(C)は右側面図である。(第1の実施形態) 計測流路ユニット検査装置におけるガス排出路の構成例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は(A)におけるC−C線断面図である。(第1の実施形態) 検査流路本体への計測流路ユニットの装着状態を示す概略斜視図である。(第1の実施形態) 検査流路本体への計測流路ユニットの装着状態を示す概略断面図である。(第1の実施形態) 計測流路ユニット検査装置における検査方法を説明する説明図である。(第1の実施形態) 第1の実施形態における検査方法を説明するための流量対差圧特性を示すグラフである。(第1の実施形態) 第2の実施形態における検査流路本体の構成例を示す正面図である。(第2の実施形態) 第3の実施形態における検査方法を説明するための流量対静圧特性を示すグラフである。(第3の実施形態) ガスメータの要部断面図である。 計測流路ユニットの構成例を示す斜視図である。
符号の説明
1 計測流路ユニット用検査装置
10 計測流路ユニット
2A 第1のボディ
2B 第2のボディ
2C 第3のボディ
21 検査流路本体
21a 検査流路
21b 縮流部
21c 入口部
21d 出口部
21f1〜21f6 圧力検出穴
3 カバー
3a1,3a2 圧力検出穴
4 ガスフィーダ
4a ガス導入口
4b ガス導入口
4c 緩衝室
PM1〜PM4 圧力計(圧力検出手段)

Claims (11)

  1. 検査すべき計測流路ユニットが装着された検査流路にガスが流されたときの前記計測流路ユニットの下流側の前記検査流路の異なる位置の静圧、または上流側と下流側の異なる位置の差圧、または下流側の異なる位置の流速を測定し、測定された複数の静圧値、差圧値または流速値を比較し、その比較結果に基づいて前記計測流路ユニットの製品合否を判定することを特徴とする計測流路ユニット検査方法。
  2. 検査すべき計測流路ユニットが装着され、検査時にガスが流される検査流路と、装着される前記計測流路ユニットの下流側に設けられ、前記検査流路に外部から連通すると共にガスの流れ方向に直交する方向における同じ平面の異なる位置になるように形成された複数の圧力検出穴とを有する検査流路本体と、
    前記計測流路ユニットを装着可能なように露出された前記検査流路の一部を覆うカバーと
    を備えていることを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
  3. 請求項2記載の計測流路ユニット検査装置において、
    前記複数の圧力検出穴における圧力を測定する圧力測定手段をさらに備えていることを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
  4. 請求項3記載の計測流路ユニット検査装置において、
    前記圧力測定手段で測定された複数の圧力値を比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に基づいて前記計測流路ユニットの製品合否を判定する判定手段とをさらに備えていることを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
  5. 検査すべき計測流路ユニットが装着され、検査時にガスが流される検査流路と、装着される前記計測流路ユニットの上流側および下流側に設けられ、外部から前記検査流路に連通すると共にガスの流れ方向に直交する方向における同じ平面の異なる位置になるように形成された複数の圧力検出穴とを有する検査流路本体と、
    前記計測流路ユニットを装着可能なように露出された前記検査流路の一部を覆うカバーと
    を備えていることを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
  6. 請求項5記載の計測流路ユニット検査装置において、
    前記検査流路本体は、第1、第2及び第3のボディに3分割されており、
    前記第1のボディは、前記検査流路の一部と、供給されるガスを縮流させる縮流部と、該縮流部と前記検査流路を連通する入口部とを有し、
    前記第2のボディは、前記検査流路の一部と、前記上流側に設けられた複数の圧力検出穴とを有し、
    前記第3のボディは、前記検査流路の一部と、前記下流側に設けられた複数の圧力検出穴と、前記検査流路を流れるガスを放出する出口部を有する
    ことを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
  7. 請求項5または6記載の計測流路ユニット検査装置において、
    前記上流側の複数の圧力検出穴と下流側の複数の圧力検出穴を用いて、前記検査流路の異なる位置の複数の差圧を測定する圧力測定手段をさらに備えていることを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
  8. 請求項7記載の計測流路ユニット検査装置において、
    前記圧力測定手段で測定された複数の差圧値を比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に基づいて前記計測流路ユニットの製品合否を判定する判定手段とをさらに備えていることを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
  9. 検査すべき計測流路ユニットが装着され、検査時にガスが流される検査流路と、装着される前記計測流路ユニットの下流側に設けられ、ガスの流れ方向に直交する方向における同じ平面の異なる位置の流速を検出する複数の流速検出手段とを有する検査流路本体と、
    前記計測流路ユニットを装着可能なように露出された前記検査流路の一部を覆うカバーと
    を備えていることを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
  10. 請求項9記載の計測流路ユニット検査装置において、
    前記流速検出で検出された複数の流速値を比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に基づいて前記計測流路ユニットの製品合否を判定する判定手段とをさらに備えていることを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
  11. 請求項2から10のいずれか1項に記載の計測流路ユニット検査装置において、
    前記検査流路本体に接続され、前記検査流路にガスを導入するガスフィーダとを備え、
    前記ガスフィーダは、互いに逆方向からガスを導入させて衝突させる2つのガス導入口と、衝突させたガスを衝突方向と異なる方向に導出して前記検査流路に供給する緩衝室とを有することを特徴とする計測流路ユニット検査装置。
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