JP2010092443A - Ilsのllzコースの補正方法及びllzコースを補正する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】LLZアンテナのセンシティブエリア内に、LLZコース変動の発生原因となる電波障害エリアが存在する空港に設置されたILSのLLZコースの補正方法及び補正する装置を提供する。
【解決手段】電波障害エリアが滑走路面より上方に位置する障害物等のような凸状の電波散乱体や滑走路面より下方に凹設した工事現場のような凹状の電波散乱体である場合、電波障害エリアの凸状の電波散乱体を、LLZアンテナから見て遮蔽可能な高さ及び幅を有する遮蔽フェンスを、LLZアンテナと電波障害エリアとの間であって、且つ、LLZアンテナと平行に立設し、電波障害エリアの凹状の電波散乱体の上部エッジを、LLZアンテナと平行に形成する。
【選択図】図26
【解決手段】電波障害エリアが滑走路面より上方に位置する障害物等のような凸状の電波散乱体や滑走路面より下方に凹設した工事現場のような凹状の電波散乱体である場合、電波障害エリアの凸状の電波散乱体を、LLZアンテナから見て遮蔽可能な高さ及び幅を有する遮蔽フェンスを、LLZアンテナと電波障害エリアとの間であって、且つ、LLZアンテナと平行に立設し、電波障害エリアの凹状の電波散乱体の上部エッジを、LLZアンテナと平行に形成する。
【選択図】図26
Description
この発明は、計器着陸装置(以下、ILSと記す)におけるローカライザ装置(以下、LLZと記す)に関し、特に、LLZアンテナのセンシティブエリア内に、LLZコース変動の発生原因となる電波障害エリアが存在する空港に設置されたILSのLLZコースの補正方法及び補正する装置に関する。
ILSは、視界不良の場合に使用する着陸システムであり、垂直方向の進入コース情報を与えるグライドパス装置(以下、GPと記す)と、水平方向の進入コース情報を与えるLLZと、空港からの距離情報を与える3つのマーカ装置とにより構成されている。
そのうち航空機に水平方向の進入コース情報を与えるLLZコースは、LLZアンテナから放射される直接波により作成されている。そのため、ILSでは、地面からの反射波や障害物からの反射波、回折波等は、LLZコースに大きな影響を与えるので、LLZアンテナの前方には、広いセンシティブエリアを設けることにより、可能なかぎりLLZコースの変動を少なくしている。
ここで、LLZアンテナの給電比は、キャリヤ成分、サイドバンド成分ともに左右対称である。この内、サイドバンド成分は、左右が逆位相に給電されている。このため、LLZアンテナアレーからの左右の放射信号は、a+jbとa−jbで表される複素共役の関係となっている。従って、遠方のLLZコース上で左右の信号が合成されると、虚数部が消去され、(a+jb)+(a−jb)=2aとなる。
そこで、進入機がLLZコースから外れると、微少虚数部は直線的に増加し、2a±Δbとなるので、進入機の機上受信機の指示値は、+DDM、又は−DDMを表示する。そこで、パイロットは、DDM=0μAとなるように操縦する。なお、Δは微少成分を表し、DDMは変調度の差を表し、機上受信機の出力指示値である。
特願2004−293745号公報
特願2001−271091号公報
LLZのセンシティブエリアには、航空機が離着陸する滑走路とその周辺区域が含まれる。そのため、このセンシティブエリア内で、離着陸する航空機や滑走路の延長工事、増設工事、保守工事その他周辺区域における道路工事等の各種の工事等が行われると、これらの工事により、電波障害が発生し、そのため、LLZコース変動が発生する。従って、工事現場等の電波障害エリアがあると、LLZコースにコース誤差が発生するという問題があり、航空機の円滑な離着陸を阻害する要因となっていた。そして、発明者の考察によれば、電波障害エリアの形状には、滑走路面より上方に突出した障害物等(移動する障害物も含む)による凸状の電波散乱体である電波障害エリアと、LLZアンテナに対して斜め方向の斜面を有する凸状の電波散乱体である電波障害エリアと、滑走路面より下方に掘り下げた工事現場等による凹状の電波散乱体を有する電波障害エリアとが存在する。
例えば、成田国際空港では、図1に示すように、平行滑走路の整備をする場合や、南風が吹く時に運用される誘導路の場合には、出発機(航空機)2は、LLZアンテナ3の前方の誘導路1を横断する配置となっている。そのため、LLZアンテナ3の前方の誘導路1(新B7誘導路)末端を横断するジャンボ機等の航空機(出発機)2により、LLZの電波が遮蔽され、LLZコースのコース誤差が発生し、平行滑走路(B滑走路)4の処理能力を低下させる原因となっていた。
又、図26(a)に示すように、稚内空港における土木工事のように、滑走路末端のオーバーラン(以下、ORと記す)よりLLZアンテナ寄りで、埋設した道路工事部分等がある場合や、図26(b)に示すように、滑走路の延長工事が行われる場合、滑走路のORより滑走路側に不陸工事部分(滑走路面より窪みとなる凹状の電波散乱体がある場所)がある場合、この工事により発生する電波障害は大きく、それだけLLZコースのコース誤差が大きくなるという問題があった。
又、LLZ用地先端が、LLZアンテナと平行でない斜め方向の斜面を持つ場合、コースベントを生じることが飛行検査やシミュレーションで確認されている。この原因としては、LLZ放射電波の内、直接波の一部が斜面のエッジで回析波を発生するためである。これは、斜面がLLZアンテナと平行でないため、送受信点間の回析点の位置が、r’、r”・・・と相違するため、後述する数式(7)に示すように、回析成分により(a+jb)Dshejr’/r’と(a−jb)Dshejr”/r”となり、受信点では虚数部が消去されないため、コースベントを発生する原因となっていた。なお、Dshejr’/r’とDshejr”/r”は、数式(7)に示すUTD解析関数である。
又、陸上空港は、平野部に限らず、積雪地帯や山岳地帯等のように気候の変動が激しい地域にも設けられており、それぞれILSが設置されている。又、近年、海上にも空港が建設されており、鋼製の大型浮体構造物(メガロフロート)が海上空港として使用されており、陸上空港と同様に、ILSが設置されている。
積雪地帯にある空港の場合には、ILSの最終進入コースがLLZのセンシティブエリア内の積雪によってコース偏位するという問題がある。そのため、センシティブエリア内の積雪に対して、除雪作業、圧雪作業が行われている。
このように、センシティブエリア内の反射面の積雪を圧雪にすることは、降雨後の積雪の含水量が増加することに伴うコース偏位の減少に有効である。しかしながら、CAT3では、厳しいコースアライメント(DDM≦±4μA)が要求される。例えば、2008年に発明者が行った積雪実験では、LLZアンテナ前方の反射面の積雪をシミュレーションに則って圧雪状態に管理したところ、2007年度に比べてLLZコースの偏位の発生を抑圧することが出来た。しかしながら、積雪実験後の降雨により、コースアライメントは、−4μA<DDM<−5μAになり、規定値を外れる結果となった。従って、規定値を十分に下回る有効な除雪は、困難であるという問題が発生した。その結果、LLZコース偏位が発生するという問題があった。
そこで、発明者は、滑走路中心線から左右等距離の2点における積雪縦断面の誘電率を測定した。その結果、積雪縦断面の雪質は、滑走路中心線から左右非対称であることが確認された。これは、滑走路中心線から左右の積雪縦断面の反射係数が異なることを意味している。次いで、発明者は、その発生要因を検討するために、滑走路中心線から左右等距離の2点における積雪縦断面の誘電率を測定した。その結果、積雪縦断面の雪質は、滑走路中心線から左右非対称であることが確認された。これは、滑走路中心線から左右の積雪縦断面の反射係数が異なることを意味している。
そこで、発明者は、LLZアンテナ前方に、50m、100mの左側積雪面の反射係数を、Γleft=1と仮定するとともに、5μAのコース偏位が生じる右側の反射係数を試算した。その結果は、Γright≒0.98となった。このように、微少な反射係数のずれが、重要なコース偏位を発生させる要因であることが判明した。
このように、積雪縦断面における誘電率が滑走路中心線に対して左右非対称となる原因としては、多層構造の積雪断面を沈降するわずかな水分と停留状態の相違によるものである。このように、積雪の含水量のわずかな違いによって、積雪縦断面における誘電率は、滑走路中心線に対して左右非対称となるという問題があった。
滑走路中心線から見てLLZアンテナからの放射電波は、左右で複素共役であるから、積雪縦断面における誘電率の左右のズレによって、反射係数が変化する。そのため、遠方におけるLLZコース信号は2a±Δbとなり、虚数部の残余成分ΔbによるLLZコース偏位が発生するという問題があった。
請求項1に係る発明は、LLZアンテナのセンシティブエリア内に、LLZコース変動の発生原因となる電波障害エリアが存在する空港に設置されたILSのLLZコースの補正方法において、電波障害エリアは、滑走路面より上方に位置する凸状の電波散乱体及び滑走路面より下方に位置する凹状の電波散乱体の両方あるいはいずれか一方が存在し、電波障害エリアの凸状の電波散乱体を、LLZアンテナから見て遮蔽可能な高さ及び幅を有する遮蔽フェンスを、LLZアンテナと電波障害エリアとの間であって、且つ、LLZアンテナと平行に立設し、電波障害エリアの凹状の電波散乱体の上部エッジを、LLZアンテナと平行に形成するようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、電波障害エリアの凹状の電波散乱体が、断面凹溝形状である場合、この凹溝形状の両側の上部エッジ面を、いずれもLLZアンテナと平行になるように形成するようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1〜請求項2にそれぞれ記載の発明において、遮蔽フェンスとLLZアンテナとの平行度及びLLZアンテナと電波障害エリアの凹状の電波散乱体の上部エッジとの平行度は、いずれも90°±2.5°の範囲内に形成するようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1、請求項3にそれぞれ記載の発明において、電波障害エリアの凸状の電波散乱体が、積雪である場合、電波障害エリア内の積雪を遮蔽フェンスの高さより低くなるように圧雪また除雪するようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1、請求項3、請求項4にそれぞれ記載の発明において、電波障害エリアの凸状の電波散乱体が、LLZアンテナに対して斜め方向の斜面を有する場合、この斜め方向の斜面をLLZアンテナと平行に形成することようにしたものである。
請求項6に係る発明は、LLZのセンシティブエリア内に、LLZコース変動の発生原因となる電波障害エリアが存在する空港に設置されたILSのLLZコースを補正する装置において、滑走路面より上方に位置する凸状の電波散乱体及び滑走路面より下方に位置する凹状の電波散乱体の両方あるいはいずれか一方が存在する前記電波障害エリアと、電波障害エリアの凸状の電波散乱体を、LLZアンテナから見て遮蔽可能な高さ及び幅を有するとともに、LLZアンテナと電波障害エリアとの間であって、且つ、前記LLZアンテナと平行に立設した遮蔽フェンスと、電波障害エリアの凹状の電波散乱体の上部エッジを、前記LLZアンテナと平行に形成する手段とを有することを特徴とするILSのLLZコースを補正する装置である。
請求項7に係る発明は、請求項5に記載の発明において、電波障害エリアの凸状の電波散乱体が、積雪である場合、電波障害エリア内の積雪を遮蔽フェンスの高さを、圧雪面また除雪面又は滑走路両端の路肩の積雪バンクより高くして積雪面又は積雪バンクを遮蔽する手段を有することを特徴とするILSのLLZコースを補正する装置。
請求項8に係る発明は、請求項6、請求項7に記載の発明において、電波障害エリアの凸状の電波散乱体が、LLZアンテナ斜め方向の斜面を有する場合、この斜面をLLZアンテナと平行に形成する手段を有することを特徴とするILSのLLZコースを補正する装置である。
請求項1及び請求項6に係る発明は、上記のようにしたので、例え、LLZアンテナのセンシティブエリア内に、滑走路面より突出した障害物のような電波障害エリアが存在したとしても、又、地面を掘り下げて凹状の電波散乱体となるような不陸工事が行われたとしても、電波障害が発生することはなく、従って、LLZコースのコース誤差が発生することもない。その上、凹状の電波散乱体である不陸工事部分20を埋め戻す必要もなく、そのままの状態で運用を再開することが可能である。
又、図26(b)に示すように、LLZアンテナ方向に滑走路を延長するような工事の場合には、遮蔽フェンスを立設することが出来ないが、不陸工事部分20の上部エッジ面をLLZアンテナと平行に形成しておけば、LLZコースのコース誤差を除去することが出来る。
請求項2に係る発明は、上記のようにしたので、請求項1と同様な効果があるとともに、さらに、工事などにより滑走路面より地面を掘り返すことがあったとしても、凹状の電波散乱体の両側の上部エッジをLLZアンテナと平行になるように形成すればよいので、工事による凹状の電波散乱体の形状や深さなどに関係なく、必要な工事を行うことができる。
請求項4に係る発明は、上記のようにしたので、請求項1、請求項6と同様な効果があるとともに、積雪地帯においても、この発明を適用することにより、LLZコースのコース誤差を除去することが出来る。その上、センシティブエリア内の積雪を、必要以上に除雪したり圧雪したりする必要がなく、空港の保守費用を大幅に削減することが出来る。
請求項5及び請求項8に係る発明は、上記のようにしたので、請求項1、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7と同様な効果があるとともに、凸状の電波散乱体がLLZアンテナに対して斜面を有する場合であっても、同様な効果が得られる。
請求項7に係る発明は、上記のようにしたので、請求項6に係る発明と同様な効果があるとともに、除雪あるいは圧雪した後に、降雨等の天候変化があった場合であっても、LLZコースにコース誤差が生じることはない。
LLZアンテナのセンシティブエリア内に、LLZコースの変動の発生原因となる電波障害エリアが存在する空港に設置されたILSにおいて、電波障害エリアが滑走路面より上方に位置する障害物等のような凸状の電波散乱体や滑走路面より下方に凹設した工事現場のような凹状の電波散乱体である場合、電波障害エリアの凸状の電波散乱体を、LLZアンテナから見て遮蔽可能な高さ及び幅を有する遮蔽フェンスを、LLZアンテナと電波障害エリアとの間であって、且つ、LLZアンテナと平行に立設し、さらに、電波障害エリアの凹状の電波散乱体の上部エッジを、LLZアンテナと平行に形成する。又、凸状の電波散乱体が積雪の場合には、遮蔽フェンスの高さをHfence≧Hf>1.6mにして積雪より高く、又は積雪バンクが見通せなくなる高さに設定する。又、凸状の電波散乱体がLLZアンテナに対して斜面を有する場合には、斜面をLLZアンテナと平行に形成する。
発明者は、空港に設置されているLLZアンテナの前方には、広いセンシティブエリアを設けることにより、可能なかぎりLLZコースの変動を少なくしている。そこで、発明者は、図1に示すように、LLZアンテナ3の前方を横断するジャンボ機等の出発機2により、LLZの放射電波が遮蔽されることによるLLZコースのコース誤差をなくすために、各種の実験を行い、その実験データを解析した。その際、電波障害エリアとしては、滑走路面より上方に位置する凸状の電波散乱体と滑走路面より下方に位置する凹状の電波散乱体が存在すると考えられる。即ち、LLZアンテナ3の前方を横断するジャンボ機等の出発機2の場合には、凸状の電波散乱体に相当し、後述するように、地面を掘り下げた工事現場、即ち、滑走路面より下方に凹設した工事現場等の滑走路面ではない不陸工事部分等は、凹状の電波散乱体に相当すると考えられる。この実施例1では、後述するように、凸状の電波散乱体に対しては、LLZアンテナ3の前方に遮蔽フェンス5を立設する方法が最も電波障害をなくすのに有効であることを見出した。以下、これについて説明する。
図1は既存のLLZアンテナ3、新設のLLZアンテナ8の設置位置及び既設のB6誘導路6と新設の新B7誘導路1の形状を示す図で、横軸は滑走路末端からの距離(m)、縦軸は滑走路中心線(m)からの距離を示す。図2はLLZアンテナ3、進入機9、タキシング航空機の位置関係を示す図で、図中、Vsはタキシング航空機の位置ベクトル、VanはLLZアンテナ3の位置ベクトル、Vqは着陸進入中の航空機(進入機)9の位置ベクトルである。図3は電波遮蔽による現状のLLZの進入コース11のコース誤差を解析するための概念図、図4はジャンボ機2の電波遮蔽による静的・動的シミュレーションのブロック図である。
図5は、B滑走路4末端から234mの位置に設置されている現用のLLZアンテナ3を配置した時の電波遮蔽による進入コース特性を示す図で、図5(a)は静的シミュレーションにおけるB滑走路4上の航空機2と進入機9との位置関係を示す図、図5(b)はB6誘導路6を通過する航空機2aの機体によるコース誤差のシミュレーション結果を示す図、図5(c)は、ジャンボ機(航空機)2が新B7誘導路1を通過する航空機2bの機体によるコース誤差のシミュレーション結果を示す図である。
図6は、B滑走路4末端から1000mに新たに設置されたLLZアンテナ8を配置した時の電波遮蔽による進入コース特性を示す図で、図6(a)は静的シミュレーションにおけるB滑走路4上の航空機2と進入機9との位置関係を示す図、図6(b)はB6誘導路6を走行する航空機2の機体によるコース誤差のシミュレーション結果を示す図、図6(c)は、ジャンボ機2が新B7誘導路1を走行する航空機2bの機体によるコース誤差のシミュレーション結果を示す図である。
図7、図8、図9は、機体走行時の電波遮蔽の影響を見るために、既存のB6誘導路6、B7誘導路7及び新設の新B7誘導路1上をそれぞれ走行しているときの動的シミュレーション結果を示す図で、図7(a)、図8(a)、図9(a)は、いずれも動的シミュレーションにおけるB滑走路4上の航空機2と進入機9との位置関係を示す図、図7(b)、図8(b)、図9(b)は、それぞれB6誘導路6、B7誘導路7及び新設の新B7誘導路1上を走行する機体によるコース誤差の動的シミュレーション結果を示す図である。
図10は、ジャンボ機2によるLLZ電波の遮蔽状態を示す図、図11は、後述する隠蔽フェンス5を使用しないカウンタポイズ(以下、CPと記す)12の時の電波遮蔽による進入コース特性を示す図で、図11(a)は、B滑走路4上の航空機2と進入機9との位置関係を示す解析概念図、図11(b)は、CP12を設置した場合のジャンボ機2の尾翼と胴体の進入コースへの影響を示す図である。なお、13はグライドパスアンテナ(以下、GPアンテナと記す)である。
図12は、CP12上に遮蔽フェンス5を敷設したときの進入コース特性を示し、図12(a)は、胴体用の隠蔽フェンス付CPにより、ジャンボ機2の胴体に放射される電波が減衰することを示す解析の概念図である。図12(b)、(c)、(d)は、ジャンボ機2によるコースベンドの計算結果を示すもので、図12(b)はB6誘導路6の場合、図12(c)はB7誘導路7の場合、図12(d)は新B7誘導路1の場合をそれぞれ示している。
図13は、CP12の種別を示し、13図(a)はグランドプレーン型のCP12a、図13(b)は、地面反射型のCP12bを示す。図14は、現用LLZアンテナ3とグランドプレーン型CP12aの垂直面指向特性を示すもので、図14(a)は、現用LLZアンテナ3の場合、図14(b)は、グランドプレーン型CP12aの場合、図14(c)は、地面反射型CP12bの場合を示している。
図15は、グランドプレーン型CP12aの遮蔽フェンスの高さHcdを変えた時の進入コース特性を示すもので、隠蔽フェンス5の高さを、それぞれHcd=0.05m、0.5m、0.75m、1.0m、1.25m、1.5mとした時の電波遮蔽によるコース誤差の計算結果をそれぞれ示している。
図16は、グランドプレーン型のCP12aの高さHilを変えた時の進入コース特性を示す図、図17は、地面反射型CP12bの高さHilを変えた時の進入コース特性を示す図である。
図18は、グランドプレーン型CP12aの遮蔽フェンス5までの距離X0を変えたときの進入コース特性を示す図、図19は、地面反射型CP12bの遮蔽フェンス5までの距離X0を変えたときの進入コース特性を示す図である。
図20は、グランドプレーン型のCP12aの形状を示す図で、図20(a)は、従来型のグランドプレーン型のCPの場合、図20(b)は、最終型のグランドプレーン型のCPの場合、図20(c)は、箱形の遮蔽フェンスの側面図である。図21は、新B7誘導路1をジャンボ機2が走行した時のクリアランス特性を示す図である。
図22は、グランドプレーン型のCP12aにおけるB6誘導路6のジャンボ機2の遮蔽による動的シミュレーション結果を示し、図22(a)は、動的シミュレーションにおける滑走路上の航空機2と進入機9の位置関係を示し、図22(b)はB6誘導路6の動的シミュレーション結果を示す図である。図23は、グランドプレーン型のCP12aにおけるB7誘導路7のジャンボ機2の遮蔽による動的シミュレーション結果を示し、図23(a)は、動的シミュレーションにおける滑走路上の航空機2と進入機9の位置関係を示し、図23(b)は、B7誘導路7の動的シミュレーション結果を示す図である。図24は、グランドプレーン型のCP12aにおける新B7誘導路1のジャンボ機2の遮蔽による動的シミュレーション結果を示し、図24(a)は、動的シミュレーションにおける滑走路上の航空機2と進入機9の位置関係を示し、図24(b)は、新B7誘導路1の動的シミュレーション結果を示す図である。図25は、グランドプレーン型CP12aと地面反射型CP12bを用いたときの動的シミュレーション結果を示す図である。
まず、LLZのLLZアンテナ方式には、航空機に水平方向の進入コース情報を与えるLLZコースを作成するために、1周波24素子LLZアンテナ方式や2周波24素子LPDA(Log Periodic Dipole Array)アンテナ方式が採用されている。1周波24素子LLZアンテナ方式は、地方空港で使用されており、2周波24素子LPDA(Log
Periodic Dipole Array)アンテナ方式は、主ビームの幅を狭くした方式で、空港周辺の影響が少ない方式で、国際空港等で使用されている。
Periodic Dipole Array)アンテナ方式は、主ビームの幅を狭くした方式で、空港周辺の影響が少ない方式で、国際空港等で使用されている。
現在、図1に示すように、成田国際空港のB滑走路4のLLZアンテナ3は、16L−LLZアンテナである24素子2周波LLZアンテナを使用している。
図1に示す16L−現用LLZアンテナは、滑走路末端からXib=234mに設置されている。既存の北側にあるB滑走路4に新たに接続される誘導路1は、図1に示す新B’誘導路1である。
図1に示す16L−現用LLZアンテナは、滑走路末端からXib=234mに設置されている。既存の北側にあるB滑走路4に新たに接続される誘導路1は、図1に示す新B’誘導路1である。
まず、発明者は、新B7誘導路1を走行する航空機2(2b)の電波遮蔽に関する解析では、新B7誘導路1の他に、新B7誘導路1付近を通る既設のB6誘導路6、B7誘導路7についても解析し、既設誘導路との相違を明らかにした。また、新たに設置した新設LLZアンテナ8の設置位置を、図1に示すように、滑走路末端からXib=1000mに移動し、現在使用している現用LLZアンテナ3の設置位置と移動した位置におけるLLZの電波遮蔽の影響を比較した。なお、この解析では、LLZアンテナアレーの中心を座標原点としている。
成田国際空港では、LLZアンテナ前方の地形構造は、ほぼ平坦であるが、滑走路末端が2mほど高くなり、着陸点付近は下がり勾配となっている。しかしながら、今回の実験では、その解析を容易にするために、LLZアンテナ前方の地面を平坦と仮定する。なお、滑走路を通過する航空機としては、現在就航している航空機では最大であるボーイング747型(ジャンボ機)について考えた。
次に、新B7誘導路1を滑走する航空機2bの機体による電波遮蔽について解析する。
新B7誘導路1を走行する航空機2bの機体のタクシー速度は、Vx=8.4m/sec、進入機9の速度は、Va=84m/secである。航空機2bの機体が走行する新B7誘導路1の座標は、10mおきのデータ列で表記している。このため、sec’=1.2secで正規化し、Vx=10m/sec’およびVa=100m/sec’として解析する。
ジャンボ機の位置とその機体方向は、機体ノーズの座標を(Xb,Xy)、尾翼後端の座標を(Xb2,Yb2)とすると、下記数式(1)であらわされる。
新B7誘導路1を走行する航空機2bの機体のタクシー速度は、Vx=8.4m/sec、進入機9の速度は、Va=84m/secである。航空機2bの機体が走行する新B7誘導路1の座標は、10mおきのデータ列で表記している。このため、sec’=1.2secで正規化し、Vx=10m/sec’およびVa=100m/sec’として解析する。
ジャンボ機の位置とその機体方向は、機体ノーズの座標を(Xb,Xy)、尾翼後端の座標を(Xb2,Yb2)とすると、下記数式(1)であらわされる。
ここで、Atは座標原点に対する誘導路を走行する航空機2の機体の方向、Ixは誘導路1のジャンボ機2の走行位置で、10m間隔の整数値、Lw2=70は航空機の機体後端までの長さである。なお、電波遮蔽の解析では、座標原点をLLZアンテナ3とする座標系を用いている。
又、ジャンボ機2bの機体による電波遮蔽の解析では、LLZアンテナ3に対するジャンボ機2bの機体の方向は、横向きか斜めになる。このため、図2に示すように、ジャンボ機2bの胴体を平板(A、B、C、D)10でモデル化した。
まず、着陸進入中の進入機9で受信される信号について解析する。
LLZの受信信号は、進入コース11を降下する進入機9で受信され、LLZアンテナ3からのローカライザ情報を含む信号は、下記数式(2)で表される。
LLZの受信信号は、進入コース11を降下する進入機9で受信され、LLZアンテナ3からのローカライザ情報を含む信号は、下記数式(2)で表される。
ここで、Etは着陸進入中の進入機9で受信される信号、Ecarはディレクショナル系キャリヤ信号、Esbはディレクショナル系サイドバンド信号、Eclはクリアランス系クリアランス信号であり、mcarはキャリヤ成分の変調度、msbはサイドバンド成分の変調度、mclはクリアランス成分の変調度であり、ρlは90Hzの変調信号、ρuは150Hzの変調信号である。
又、ここで、LLZアンテナ3前方をタキシング中の航空機2が横切るとき、着陸進入中の進入機9で受信される信号は、上述のLLZアンテナ3からの信号とその地面反射波に加え、航空機による遮蔽・散乱電波の合成となり、下記数式(3)となる。
ここで、Eiはローカライザ情報を含む直接波、Erefは地面反射波で、それぞれ下記数式(4)及び数式(5)となる。
ここで、kは波数、Edifは回折波、k=2π/λで与えられる(ただしλは波長)。Ecar,Esb,Eclは、数式(3)に与えられている。一方、dd,drはLLZアンテナ3からのLLZ信号を受信した進入機9までの距離で、図2に示すように、3D Descriptionで表示されている。
次いで、ジャンボ機2の機体による遮蔽散乱成分の解析方法について説明する。
まず、LLZアンテナ3の前方を横切る航空機2による遮蔽散乱成分ddifについて、UTD(Uniform geometrical Theory of Diffraction:一様幾何光学回折理論)を用いて計算する。
まず、LLZアンテナ3の前方を横切る航空機2による遮蔽散乱成分ddifについて、UTD(Uniform geometrical Theory of Diffraction:一様幾何光学回折理論)を用いて計算する。
図2は、タキシング中の航空機によるLLZ電波の遮蔽を表現する配置図である。この配置図では、タキシング中の航空機は最も簡単なモデルとして地上に置いた1枚の有限導体板10とみなす。有限導体板10による回折現象をUTDにより予測計算するとき、下記(イ)〜(ハ)に示す3成分を考慮する必要がある。
(イ)直接波成分(幾何光学成分)
(ロ)地面反射波成分(幾何光学成分)
(ハ)回折波成分
(イ)直接波成分(幾何光学成分)
(ロ)地面反射波成分(幾何光学成分)
(ハ)回折波成分
これらのうち、上記(イ)、(ロ)項は、図2に示す 3D Description に「直接波」及び「地面反射波」として表示されている成分で、上記数式(4)及び数式(5)で与えられている。ただし、UTD解析では、これらの成分は有限導体平板10で遮蔽されるときは、ゼロとする必要があるため、数式(4)、(5)にこの条件を考慮すると、下記数式(4−1)、(5−1)とする必要がある。
(ハ)の回折波成分については、1枚の有限導体板10を構成する3辺
エッジAB, DA, BC(残りの1辺は地面に接している)からの回折波成分を考慮する必要がある。図2には、XY
Plane(1)〜YZ Planeにおいて考慮すべき全ての回折波成分を表示しており、これらを電波の伝搬路毎にすべて記載すると以下の8種類となる。
(1)LLZアンテナ−エッジAB −進入機
(2)LLZアンテナ−地面反射−エッジAB
−進入機
(3)LLZアンテナ−エッジAB −地面反射−進入機
(4)LLZアンテナ−地面反射−エッジAB
−地面反射−進入機
(5)LLZアンテナ−エッジBC −進入機
(6)LLZアンテナ−地面反射−エッジBC
−進入機、または、アンテナ−エッジBC −地面反射−進入機(アンテナ、エッジ及び進入機の位置関係で左記のいずれかとなる)
(7)LLZアンテナ−エッジDA −進入機
(8)LLZアンテナ−地面反射−エッジDA
−進入機、または、アンテナ−エッジDA −地面反射−進入機(アンテナ、エッジ及び進入機の位置関係で左記のいずれかとなる)
エッジAB, DA, BC(残りの1辺は地面に接している)からの回折波成分を考慮する必要がある。図2には、XY
Plane(1)〜YZ Planeにおいて考慮すべき全ての回折波成分を表示しており、これらを電波の伝搬路毎にすべて記載すると以下の8種類となる。
(1)LLZアンテナ−エッジAB −進入機
(2)LLZアンテナ−地面反射−エッジAB
−進入機
(3)LLZアンテナ−エッジAB −地面反射−進入機
(4)LLZアンテナ−地面反射−エッジAB
−地面反射−進入機
(5)LLZアンテナ−エッジBC −進入機
(6)LLZアンテナ−地面反射−エッジBC
−進入機、または、アンテナ−エッジBC −地面反射−進入機(アンテナ、エッジ及び進入機の位置関係で左記のいずれかとなる)
(7)LLZアンテナ−エッジDA −進入機
(8)LLZアンテナ−地面反射−エッジDA
−進入機、または、アンテナ−エッジDA −地面反射−進入機(アンテナ、エッジ及び進入機の位置関係で左記のいずれかとなる)
以上の回折波成分のうち、一例として、(2)LLZアンテナ−地面反射−エッジAB
−進入機と伝搬する回折波は、下記数式(6)で計算できる。
−進入機と伝搬する回折波は、下記数式(6)で計算できる。
(数6)
Edif(2)=−Ud(b2,ρ1,φi2,φo1,β0)・・・・・(6)
Edif(2)=−Ud(b2,ρ1,φi2,φo1,β0)・・・・・(6)
ここで、変数b2,ρ1,φi2,φo1,β0は、図2に示すXY
Plane(1),XZ Plane(1)に与えられている。数式(6)の関数Ud(b2,ρ1,φi2,φo1,β0)は、下記数式(7)となる。
Plane(1),XZ Plane(1)に与えられている。数式(6)の関数Ud(b2,ρ1,φi2,φo1,β0)は、下記数式(7)となる。
ここで,Ds,hはUTD回折関数と呼ばれ、下記数式(8)で与えられる。
なお、この関数中の添字s,hは、金属板上での境界条件を考慮するもので、金属板に入射する電波が水平偏波と見なせるときはs、垂直偏波のときはhとする。LLZアンテナ3からの放射波は水平偏波であるため、図2に示すエッジABにおける回折波の計算では、数式(9)の符号はマイナスとなる。
次いで、ジャンボ機2の尾翼による遮蔽散乱成分の解析について説明する。
ジャンボ機の胴体による遮蔽散乱成分は、上記の(ハ)の8項で解析することができる。ジャンボ機の尾翼による遮蔽散乱成分は、同様に、尾翼のエッジAB、垂直尾翼のエッジBCおよび垂直尾翼のエッジDAによる8項で計算することができる。
ジャンボ機の胴体による遮蔽散乱成分は、上記の(ハ)の8項で解析することができる。ジャンボ機の尾翼による遮蔽散乱成分は、同様に、尾翼のエッジAB、垂直尾翼のエッジBCおよび垂直尾翼のエッジDAによる8項で計算することができる。
受信機復調信号について、最終的に受信指示値のDDM信号は、受信機の復調回路で次のように処理が行われて、クロスポインターでDDMが指示される。
ここで、Ad1、Ad2はキャリヤに対するサイドバンド成分の比で表される90Hzと150Hzの変調成分である。ak1、ak2は2周波の復調係数で、バターワースカーブをアキマの多項式で補完して求めた係数である。dadはディレクショナル系のコース幅乗数(サイドバンド成分とキャリヤ成分の比)、dacはクリアランス系のコース幅乗数、Edrcrはディレクショナル系のキャリヤ成分、Edrsbはディレクショナル系のサイドバンド成分、Eclcrクリアランス系のキャリヤ成分、Eclsbクリアランスサイドバンド成分である。Eds90はディレクショナル系の90Hz変調成分、Eds150はディレクショナル系の150Hz変調成分、Etlcrはキャリヤの合成信号である。
次いで、図3に示すように、LLZアンテナ3の高さがHat=60mの現用LLZアンテナ3のときの電波遮蔽の影響について解析する。解析方法としては、下記(a)、(b)について解析する。
(a)静的シミュレーション:横断するジャンボ機2が停止しているときの進入コースのコース誤差。
(b)動的シミュレーション:ジャンボ機2が一定速度Vxで滑走路を横断しているときに、進入機がVaで進入したときの進入コース11のコース誤差。
(a)静的シミュレーション:横断するジャンボ機2が停止しているときの進入コースのコース誤差。
(b)動的シミュレーション:ジャンボ機2が一定速度Vxで滑走路を横断しているときに、進入機がVaで進入したときの進入コース11のコース誤差。
図4は、静的及び動的シミュレーションの解析方法のブロック図を示すもので、静的シミュレーションでは、B滑走路4を横断するジャンボ機2の機体の位置を固定し、LLZアンテナ3から進入機9までの距離をXshp=0.8〜15NMとして進入コースの電波遮蔽の影響を解析する。動的シミュレーションでは、電波遮蔽の影響がB滑走路4を横断する200mほどの区間で生じるため、進入コース11に生じるコース誤差の持続時間が短時間になる。
図4に示す解析方法により解析した結果について、まず、静的シミュレーションの結果について説明する。
(1)LLZアンテナを滑走路末端から234mに配置されている現行のLLZアンテナ3の設置位置の場合:
図5(a)は、B滑走路4を横断する航空機2の機体位置(番号Ixで示す)と進入機9との関係を示すもので、既設のB6誘導路6、B7誘導路7及び新設の新B7誘導路1によって番号Ixの位置が異なってくる。図5(b)は、B6誘導路6を通過する機体によるコース誤差のシミュレーション結果を示すもので、Ix=40から48の位置に機体がある場合、電波遮蔽によってコース変動が著しく発生している。図5(c)は、新B7誘導路1を通過する機体によるコース誤差のシミュレーション結果を示すもので、Ix=20、Ix=24から28の位置に機体がある場合、電波遮蔽によりコース変動が著しい。
(1)LLZアンテナを滑走路末端から234mに配置されている現行のLLZアンテナ3の設置位置の場合:
図5(a)は、B滑走路4を横断する航空機2の機体位置(番号Ixで示す)と進入機9との関係を示すもので、既設のB6誘導路6、B7誘導路7及び新設の新B7誘導路1によって番号Ixの位置が異なってくる。図5(b)は、B6誘導路6を通過する機体によるコース誤差のシミュレーション結果を示すもので、Ix=40から48の位置に機体がある場合、電波遮蔽によってコース変動が著しく発生している。図5(c)は、新B7誘導路1を通過する機体によるコース誤差のシミュレーション結果を示すもので、Ix=20、Ix=24から28の位置に機体がある場合、電波遮蔽によりコース変動が著しい。
(2)LLZアンテナを滑走路末端から1000mの位置に新たに設置した場合(新設LLZアンテナ8):
図6(a)は、B滑走路4を横断する航空機2の機体位置(番号Ixで示す)と進入機9との関係を示している。
図6(b)は、B6誘導路6上の停止位置を変えて計算したときの静的シミュレーション結果を示すもので、Xshp>4.0NMにおいて、コース誤差は規定値を満足している。図6(c)は、B7誘導路7上の停止位置を変えて計算したときの静的シミュレーション結果を示すもので、Xshp>6.2NMにおいてコース誤差は規定値を満足している。図6(d)は、新B7誘導路1上の停止位置を変えて計算したときの静的シミュレーション結果を示すもので、機体の位置がIx=20、26のときに、コース誤差が規定値から大きく逸脱することが判明した。
図6(a)は、B滑走路4を横断する航空機2の機体位置(番号Ixで示す)と進入機9との関係を示している。
図6(b)は、B6誘導路6上の停止位置を変えて計算したときの静的シミュレーション結果を示すもので、Xshp>4.0NMにおいて、コース誤差は規定値を満足している。図6(c)は、B7誘導路7上の停止位置を変えて計算したときの静的シミュレーション結果を示すもので、Xshp>6.2NMにおいてコース誤差は規定値を満足している。図6(d)は、新B7誘導路1上の停止位置を変えて計算したときの静的シミュレーション結果を示すもので、機体の位置がIx=20、26のときに、コース誤差が規定値から大きく逸脱することが判明した。
次いで、機体走行時の電波遮蔽の影響を見るために、既存のB6誘導路6、B7誘導路7及び新設の新B7誘導路1上を走行しているときの動的シミュレーション結果をそれぞれ図7、図8、図9に示す。進入機9が、Xshp=15NM,12NM,9NM,6NM,3NMの位置を飛行したときに、ジャンボ機2が滑走路を横断したときのコース誤差を解析する。
図7は、B6誘導路6を走行したときの動的シミュレーション結果を示すもので、機体の電波遮蔽によるコース誤差は、DDM<5μAと少なくなる。図8は、B7誘導路7を走行したときの動的シミュレーション結果を示すもので、機体の電波遮蔽によるコース誤差は、DDM<10μAと少なくなる。図9は、新B7誘導路1を走行したときの動的シミュレーション結果を示すもので、機体の電波遮蔽によるコース誤差は、13>DDM>−7μAになる。
発明者は、各種条件のもとに行った上記シミュレーションの結果について検討し、下記のような結論に達した。
既存のB6誘導路6、B7誘導路7と比べて新設の新B7誘導路1の静的シミュレーション結果では、コース誤差が増加することが確認された。
また、動的シミュレーションを行うと、新B7誘導路1のコース誤差は、既存のB6誘導路6、B7誘導路7の結果に比べて大きくなり、コース誤差の変化は、図9に示すように、+から−にインパルス状になり、且つ、+と−の極大値の時間差Δtが、Δt<6secと短いことからもオートパイロットが外れるセンスのリバーサルに相当する変動になり得る。このため、新B7誘導路新1を航空機2が横断している時のコース誤差による機体制御系の応答(オートパイロット)の逸脱が生じないように、適当な措置をLLZアンテナ3に講じなければならないことが判明した。
既存のB6誘導路6、B7誘導路7と比べて新設の新B7誘導路1の静的シミュレーション結果では、コース誤差が増加することが確認された。
また、動的シミュレーションを行うと、新B7誘導路1のコース誤差は、既存のB6誘導路6、B7誘導路7の結果に比べて大きくなり、コース誤差の変化は、図9に示すように、+から−にインパルス状になり、且つ、+と−の極大値の時間差Δtが、Δt<6secと短いことからもオートパイロットが外れるセンスのリバーサルに相当する変動になり得る。このため、新B7誘導路新1を航空機2が横断している時のコース誤差による機体制御系の応答(オートパイロット)の逸脱が生じないように、適当な措置をLLZアンテナ3に講じなければならないことが判明した。
上記のように、既存のLLZアンテナ3の設置方法にすると、ジャンボ機2の電波遮蔽により規定値を逸脱するコース誤差が発生することが確認された。ジャンボ機2の電波遮蔽によるコース誤差の軽減方法としては、LLZアンテナ3を高く設置する方法があるが、低仰角でのロービングの発生と、ジャンボ機2の電波遮蔽によるコース誤差の低減には限度がある。
そこで、発明者は、図10に示すように、ジャンボ機2の電波遮蔽の影響を低減する方法として、電波伝搬の直線性を利用するもので、ロービング発生の抑制とコース誤差の軽減に効果がある方法を見出した。即ち、CP12先端に、ジャンボ機2の胴体を遮蔽する隠蔽フェンス5を配置して、ジャンボ機2の胴体を見通せなくすると、遮蔽フェンス5で生じる回折波によって垂直面指向特性の電界の勾配が急峻になり、ジャンボ機2の胴体に照射される電波が減衰し、コース誤差をより軽減することが可能になる。胴体用の隠蔽フェンス5を用いても消去できないのは、ジャンボ機の尾翼の影響である。しかし、胴体に比べて尾翼の面積が小さいのでその影響は小さくなる。次に解析方法について述べる。
まず、ジャンボ機2の胴体用の隠蔽フェンス付CPの場合:
図11は、ジャンボ機2の胴体用の隠蔽フェンス付CP12の基本形状を示すもので、CP12は地面からHilの高さとし、格子状金網を天井部分に張る構造である。CP12の後方にLLZアンテナ8を高さHat=2mに設置し、CP12の先端に隠蔽フェンス5を高さHcdに敷設した。
図11は、ジャンボ機2の胴体用の隠蔽フェンス付CP12の基本形状を示すもので、CP12は地面からHilの高さとし、格子状金網を天井部分に張る構造である。CP12の後方にLLZアンテナ8を高さHat=2mに設置し、CP12の先端に隠蔽フェンス5を高さHcdに敷設した。
次に、解析方法について、説明する。段落(0062)〜(0074)において述べたと同様な解析方法である。上記段落(0062)〜(0074)では、航空機の胴体で生じる8種類の回折波を考えたが、ここでは、隠蔽フェンス上部で発生する下記の4種類の回折波を計算すれば良く、これによりCP12によるコース特性が求められる。
(1)LLZアンテナ−フェンス上部−進入機
(2)LLZアンテナ−格子状金網の反射−フェンス上部−進入機
(3)LLZアンテナ−フェンス上部−地面反射−進入機
(4)LLZアンテナ−格子状金網の反射−フェンス上部−地面反射−進入機
(1)LLZアンテナ−フェンス上部−進入機
(2)LLZアンテナ−格子状金網の反射−フェンス上部−進入機
(3)LLZアンテナ−フェンス上部−地面反射−進入機
(4)LLZアンテナ−格子状金網の反射−フェンス上部−地面反射−進入機
まず、隠蔽フェンス5がないCP12によるコース誤差について解析する。図11(a)は、CP12の高さをHil=8m、LLZアンテナ3からCP12の先端までの長さを、X0=40mとし、ジャンボ機2が横断したときの解析の概念図を示し、その計算結果を図11(b)に示す。図6に比べると改善が著しいが、航空機2が滑走路横断中で、Ix=20の位置になると、コース誤差がDDM≒±40μAになり規定値を逸脱する。従って、この程度では十分とは言えない。
次に、隠蔽フェンス5付きのCP12を用いたときのコース誤差について解析する。図12は、胴体用の隠蔽フェンス付CPにより、ジャンボ機2の胴体に放射される電波が減衰することを示す解析の概念図である。図12(b)、(c)、(d)に、ジャンボ機2によるコースベンドの計算結果を示すもので、図12(b)は、B6誘導路6、図12(c)は、B7誘導路7で、図12(d)は、新B7誘導路新1の場合を示している。ここで、CP12の高さをHil=8m、LLZアンテナ3から遮蔽フェンス5までの距離X0=60m、LLZアンテナ3の高をHat=2m、隠蔽フェンス5の高をHcd=2mとする。
図12(b)、(c)、(d)の計算結果は、5.7〜15MNの範囲において、全てCAT1の許容値を満足している。図12(d)と図12(b)を比べるとコース誤差が改善され、Xshp>3.6NMにおいてコース誤差が規定値を満足している。
ここで、CP12の形状について検討する。図13は、発明者等が考案した2方式のCP12を示す。図13(a)は、格子状金網を天井部分に張ったCP12の基本構造で、グランドプレーン型CP12aである。図13(b)は、天井部分の格子状金網を用いない構造で、地面反射型CP12bである。なお、2方式のCP12の隠蔽特性については後述する。
CP12の2方式の構造上の相違は、図13(a)では、上辺と側辺に梁・鎹を取付けられるので強度の分散が図れる方式であるが、図13(b)では、二面構造で、シンプルではあるが、風圧荷重を受けるため基礎部分の強度を相当強固にしなくてはならなくなる。また、定期保守の際の高所作業としては、図13(a)の方が容易であり安全である。
次に、CP12(12a、12b)の最小面積に関して検討する。
図14は、現用LLZアンテナ3とグランドプレーン型CP12aの垂直面指向特性を示すもので、図14(a)は、現用LLZアンテナ3の場合である。アンテナ高Hatによって垂直面の指向特性が変化する。Hat=6mにすると、仰角θV=13度にロービングが生じる。なお、LLZアンテナ3のロービングが発生する仰角は、θV≧7度であれば許容される。
図14は、現用LLZアンテナ3とグランドプレーン型CP12aの垂直面指向特性を示すもので、図14(a)は、現用LLZアンテナ3の場合である。アンテナ高Hatによって垂直面の指向特性が変化する。Hat=6mにすると、仰角θV=13度にロービングが生じる。なお、LLZアンテナ3のロービングが発生する仰角は、θV≧7度であれば許容される。
図14(b)は、グランドプレーン型CP12aの場合である。Hil=8mとし、Hcd=1m、1.5m、2mにしたときの指向特性を求めたものである。θV≧7度のロービング発生条件を満足している。ロービング発生角は、θV=7.3度になるが、電界の落込みが少なく、十分な電界を有しているのが特徴である。図中の不連続は、進入コース方向に比べて2倍以上の高仰角であり、CP12上の反射波を省略したために生じたもので、コース特性には寄与しない。CP上の反射波を計算すれば図14(c)に示すように連続になる。
図14(c)は、地面反射型CP12bの場合である。図14(b)と同様に、ロービング発生角は、θv=7.3度であるが、電界の落込みが少なく、十分な電界を有している。
次に、隠蔽フェンス5の高さHcdに対する進入コース特性について検討する。図15は、隠蔽フェンス5の高さを、Hcd=0.05m、0.5m、0.75m、1.0m、1.25m、1.5mとし、電波遮蔽によるコース誤差の計算結果をそれぞれ示すもので、Hcd≧0.75mになるとコース誤差は何れも規定値の1/2に減少することが判明した。
又、CP12の高さHilに対する進入コース特性について検討する。図16は、グランドプレーン型CP12aの場合であり、図17は、地面反射型CP12bの場合である。何れもCP12の高さHilをパラメータとして、電波遮蔽によるコース誤差を計算した結果を示している。Hilの最適値はHcd=8mになり、コース誤差は規定値の1/2に減少することが判明した。
次に、CP12先端までの距離X0に対する進入コース特性について検討する。CP12のLLZアンテナ3から遮蔽フェンス5までの距離X0をパラメータとして、ジャンボ機のコース誤差を解析する。グランドプレーン型CPの解析結果を、図18に示すもので、コース誤差はX0=40m〜60mで改善される。地面反射型CPの解析結果を、図19に示すもので、コース誤差はX0=50mで最小になることが判明した。
CP先端の横幅とクリアランス特性について検討する。クリアランス特性は、進入コースに会合する前に航空機が円周状に飛行する領域であって、指示器をフルスケール(DDM≧175A)で表示させる。クリアランス領域を方位角θ35=±35度とすると、その角度で擬似コースが生じないことが重要である。このため、CP12の半値横幅をWsとすると、数式(10)が成立する。
ここで、図20(a)は、クリアランス特性を得るため、CP先端の遮蔽フェンス5を、2×Wsの横幅にした場合のCP予想図である。図21にクリアランス特性の計算結果を示す。
まず、隠蔽フェンス5を付けないCP12の場合として、ジャンボ機2が滑走路を横断すると、図21に示すように、遮蔽フェンスなしのCP12の場合、曲線P(IX=28)と曲線Q(IX=9)に示すように、偏位感度が直線でないベンドが発生するようになる。これに対して隠蔽フェンス5付のCP12にすると、曲線R(IX=28)で示すようにジャンボ機2の機体の遮蔽の影響が減少して偏位感度が直線になり、クリアランス特性も良好になる。図20(b)、(c)は、最終設置様式のCP形状図を示すもので、隠蔽効果を図20(a)よりも更に期待できる箱型フェンスを使用する場合である。箱型フェンスを用いると、箱の上部でクリーピングウエーブが発生し、隠蔽フェンス5に比べて垂直面の減衰特性が改善されることが知られている。
まず、隠蔽フェンス5を付けないCP12の場合として、ジャンボ機2が滑走路を横断すると、図21に示すように、遮蔽フェンスなしのCP12の場合、曲線P(IX=28)と曲線Q(IX=9)に示すように、偏位感度が直線でないベンドが発生するようになる。これに対して隠蔽フェンス5付のCP12にすると、曲線R(IX=28)で示すようにジャンボ機2の機体の遮蔽の影響が減少して偏位感度が直線になり、クリアランス特性も良好になる。図20(b)、(c)は、最終設置様式のCP形状図を示すもので、隠蔽効果を図20(a)よりも更に期待できる箱型フェンスを使用する場合である。箱型フェンスを用いると、箱の上部でクリーピングウエーブが発生し、隠蔽フェンス5に比べて垂直面の減衰特性が改善されることが知られている。
次いで、CP12の最小面積について、検討する。B滑走路4の進入端(TH)からXshp=1kmにCP12を設置する場合、OCS(無障害物表面)を考慮すると、CP12の高さは、Hil<12mになる。また、垂直面指向特性におけるロービングの規制条件は、仰角Qu>7度である。以上を考慮して、コース誤差が最小になるCP12の最小面積を求めると、特に、図14から図19より、グランドプレーン型CPの場合、Hat=2m、Hil=8m、X0=40m、Ws=106m、Hcd=2.0mになる。一方、地面反射型CPの場合、Hat=2m、Hil=8m、X0=50m、Ws=106m、Hcd=2.0mになる。
次いで、最小面積を使用したCP12を用いた場合のジャンボ機2の電波遮蔽による動的シミュレーションを実施する。LLZアンテナ3から着陸点までの距離はXshp=1.7NMである。これを考慮すると、滑走路の横断許可が下りる範囲は、Xshp>4NMであろうと考えられる。従って、動的シミュレーションの解析結果は、4NM以遠のコース誤差について着目すればよいことが判明した。
そこで、まず、(1)グランドプレーン型CP12aのコース誤差について検討する。図22は、B6誘導路6とし、CP12の高さHilをパラメータとしたときの動的シミュレーション結果を示すもので、Hil=8mになるとコース誤差が減少し、6μA>DDM>−6μAになる。図23は、B7誘導路7とし、CP12の高さHilをパラメータとしたときの動的シミュレーション結果を示すもので、Hil=8mになるとコース誤差が減少し、7μA>DDM>−10μAになる。図24は、新B7誘導路1とし、CPの高さHilをパラメータとしたときの動的シミュレーション結果を示す。Hil=6m〜12mにおけるとコース誤差は、3μA>DDM>−3μAになる。
次いで、(2)グランドプレーン型CPと地面反射型CPのコース誤差について検討する。図25は、グランドプレーン型CP12aと地面反射型CP12bを用いたときの動的シミュレーション結果を示す。ここで、新B7誘導路1とし、CP12の形状をグランドプレーン型CP12aの場合、Hat=2m、Hil=8m、X0=40m、地面反射型CP12bの場合、CP形状をHat=2m、Hil=8m、X0=50mとする。図に示すようにコース誤差は両CPとも、DDM≦±3μAに改善される。
グランドプレーン型CP12aと地面反射型CP12bを用いたときのジャンボ機の電波遮蔽による影響について検討した。その結果、新B7誘導路1にすると、静的シミュレーションでは、コース誤差が両方式とも±141μA(規定値±30μA)になる。また、動的シミュレーションでは、コース誤差が、3μA>DDMは変調度>−3μAになり規定値に対して余裕があることが確認された。
さらに、発明者は、電波無響室において、スケールモデルを作成して、同様な実験を行った。その結果、上記したと同様に、遮蔽フェンス5による効果が得られた。但し、その詳細な説明は省略する。
実施例1では、ジャンボ機のような凸状の電波散乱体の場合には、遮蔽フェンスが非常に効果的であるが、LLZ用地先端が、LLZアンテナと平行でない斜め方向の斜面を持つ場合についての実施例である。この実施例では、段落(0009)においても述べたように、LLZ用地先端が、LLZアンテナと平行でない斜め方向の斜面を持つ場合には、コースベントが発生する。そこで、発明者は種々解析し、この原因としては、LLZ放射電波の内、直接波の一部が斜面のエッジで回析波を発生するためであることを解明した。即ち、送受信点間の回析点の位置が、滑走路中心線に対して左右対称の・・・r’、r”・・・にある場合、後述する数式(7)に示すように、r’とr”のエッジによる回析成分は、(a+jb)Dshejr’/r’と(a−jb)Dshejr”/r”となり、受信点では虚数部が消去されないため、コースベントを発生する原因となっていた。なお、Dshejr’/r’とDshejr”/r”は、数式(7)に示すUTD解析関数である。
このように原因を解明した結果、発明者は、LLZアンテナ前方斜め方向の斜面を、LLZアンテナと平行に形成した。その結果、両側のエッジで発生する回析波は等しくなり、受信点では左右のLLZ放射電波の虚数部が相殺され、DDM=0μAにすることが出来た。
実施例1及び実施例2で述べたように、LLZアンテナ3のセンシティブエリア内に、このLLZアンテナ3から放射されるLLZコースの変動の発生原因となる電波障害エリアが存在する空港、例えば、成田国際空港では、新B7誘導路1は電波障害エリア内にあり、誘導路を走行するジャンボ機の機体は、滑走路面より上方に位置する凸状の電波散乱体(ジャンボ機)となる。この場合には、LLZアンテナ3の前方に、ジャンボ機を遮蔽する遮蔽フェンス5を立設することにより、非常に効果的であることが判明した。
しかしながら、例えば、図26(a)、(b)に示すように、LLZのセンシティブエリア内で土木工事が行われる場合、滑走路延長に伴う土木工事の地点と工事エリアの形状による電波障害が発生する。この電波障害エリアにおける不陸工事部分は、凹状の電波散乱体に相当する。このように、電波障害エリアが凹状の電波散乱体(不陸工事部分)である場合には、実施例1で述べた遮蔽フェンスを立設するのみの方法では、凹状の電波散乱体’によるLLZ放射電波の電波障害を除去する効果がない。特に、図26(b)に示すように、滑走路の延長工事が行われる場合、滑走路のOR14より滑走路側に不陸工事部分(滑走路面より窪みとなる凹状の電波散乱体がある場所)20aがある場合、遮蔽フェンスを立設することが出来ない。従って、この実施例2では、LLZのセンシティブエリア内で土木工事等を行う場合、即ち、電波障害エリアが凹状の電波散乱体である場合について、LLZコースのコース誤差が生じないようにする方法について説明する。
図26は、LLZセンシティブエリア内で土木工事が行われる場合を示すもので、図26(a)はオーバーラン(滑走路末端)とLLZアンテナとの間で、図中、国道工事部分と記載されているように、滑走路面より下方に掘り下げた凹状の電波散乱体20がある場合、図26(b)は、滑走路延長工事において、不陸工事部分20aがある場合を示す図である。図27(a)、(b)は、凹状の電波散乱体20a(不陸工事部分)の平面図と側面図を示す。図28は、不陸工事部分20aのエッジ方向とその位置による電界強度の変化を示す。
図29は、不陸工事部分(凹状の電波散乱体)20aのエッジの回折波と直接波による寄与分を示す図、図30は、不陸工事部分20aの切り口の方向をA1=20又はA1=1とし、かつ、不陸工事部分20aの位置を変化した場合を示すもので、図30(a)は、例えば、稚内空港の不陸工事を模擬した場合、図30(b)は、不陸工事部分20aの位置を滑走路側に大幅に移動した場合の解析結果を示す図、図31は、不陸工事部分20aの切り口の方向を、A1=5,10,20,40,100にしたときの進入コースの解析結果を示す図である。
図32(a)は、不陸工事部分20が折れ線状の場合、図32(b)は滑走路の中心より片側のみである場合の解析結果を示す図、図33は、不陸工事部分の後方エッジの高さが段違いになっている場合の解析結果を示す図である。
図26(a)に示すように、工事範囲が滑走路のOR14よりLLZアンテナ23に近い場合には、図示のように、OR14から1/50勾配の進入平面を逸脱しない程度の高さを有する遮蔽フェンス25を用いれば、実施例1で述べたように、工事範囲を電波的に遮蔽することができ、LLZコースのコース誤差が発生することはない。
これに対して、図26(b)に示すように、工事範囲が滑走路のOR14より滑走路側の工事の場合には、航空機の離着陸地点に影響するため、実施例1で述べたような遮蔽フェンス5を敷設することが出来ない。又、遮蔽フェンスを用いない施工方法の場合もある。
そこで、発明者は、遮蔽フェンス5を使用しない不陸工事の際のLLZの進入コース特性について解析を試みた。まず、LLZの進入コース11は、3度のローアプローチをして着陸後は滑走路24上を走行しロールアウトするものとする。滑走路24は平坦とし縦断勾配は無視するとの条件のもとに、滑走路24の土木工事による不陸工事部分20の解析を行った。
図27(a)、(b)は、不陸工事部分(凹状の電波散乱体)20aの平面図と側面図を示す。図27(b)に示すように、不陸工事部分20aでは、LLZアンテナからの放射電波は、地面反射波Eref2が、不陸工事部分20aの前端エッジ21によって生じる回折波Ecp11+Ecp12が、後端エッジ22によって生じる回折波Edp11+Edp21がそれぞれ発生する。また、式11は図27(b)の不陸工事部分20aの前後エッジの回折点の座標を示す。
ここで、X0は、LLZアンテナから不陸工事部分20a前端までの距離、X02は、不陸工事部分20a後端までの距離、Hdpは、不陸工事部分20aの深さ、不陸工事部分20aのエッジの向きφaをパラメータとする。
図28は、不陸工事部分20aによる電界強度の変化を示すもので、不陸工事部分20aのエッジの方向をA1=20又はA1=1とし、不陸工事部分20aまでの距離をX0=10m、200m、1kmとする。図28に示すように、A1=20の場合、電界の変化が微少で殆ど重なっている。これに対して、A1=1にすると、図28に示すように、電界の変動が増加して、X0=200mでは2NM付近に、X0=1kmでは5NM付近に電界の波状的な変動が生じるようになる。
次いで、発明者は、LLZの進入コース(LLZコース)に対する不陸工事部分20における反射波と回折波がどのように関係するかを実験した。図29は、不陸工事部分20の切り口の方向をA1=20とA1=1としてコース特性を計算した場合である。ここで、不陸工事部分20aの位置をX0=100mとする。
図29に示すように、曲線Aは、Eidn(Nc)=Eid+Eref+Eref2で表示される直接波、地面反射波および不陸工事部分の掘削部分の反射波の計算結果であるが、A1=20とA1=1の場合、いずれもDDM=0μAとなる。
曲線Bは、Eidn(Nc)=Eid+Eref+Eref2+Ecp11+Ecp12で表示される直接波、反射波に前端エッジの回折波を考慮した場合であるが、A1=1の時、LLZコースのコースベンドが、1.5NM付近で発生する。
さらに、曲線Cは、Eidn(Nc)=Eid+Eref+Eref2+Ecp11+Ecp12+Edp11+Edp12で表示される後端エッジの回折波を考慮した実環境相当の場合あるが、A1=1の時、LLZコースのコースベンドが1.5NM付近で一段と増加する。なお、曲線Cにおいて、(Eid+Eref+Eref2)は、直接波+反射波であり、(Ecp11+Ecp12)は、エッジ0の回析波であり、(Edp11+Edp21)は、エッジ02の回析波である。
上記したように、コース変動は不陸工事部分20aのエッジ21、22の回折現象によるものであることが確認された。しかし、不陸工事部分20aの切り口の方向をA1=20(87°)にすれば、コース変動が急激に減少することが確認された。
次いで、発明者は、不陸工事部分20aの位置を移動した場合について、実験した。
図30は、不陸工事部分20aの切り口の方向をA1=20又はA1=1とし、かつ、不陸工事部分20a位置を変化した場合を示すもので、図30(a)は、稚内空港の不陸工事部分20a模擬した場合、図30(b)は、不陸工事部分20aを滑走路側に大幅に移動したときの解析結果である。
図30は、不陸工事部分20aの切り口の方向をA1=20又はA1=1とし、かつ、不陸工事部分20a位置を変化した場合を示すもので、図30(a)は、稚内空港の不陸工事部分20a模擬した場合、図30(b)は、不陸工事部分20aを滑走路側に大幅に移動したときの解析結果である。
図30(a)、(b)に示すように、A1=20にするとDDMの変動が生じなくなる。これに対してA1=1にすると、著しいコースベンドが発生し、X1=1kmにすると波状的な変動が10NM付近にまで発生することが確認された。
さらに、発明者は、不陸工事部分20aのエッジ21、22の傾きによる変動を見るために、不陸工事部分20のエッジ21、22の傾きを変化させた場合について実験した。
図31は、不陸工事部分の切り口の方向を、A1=5,10,20,40,100にしたときの進入コースの解析結果を示している。
図31は、不陸工事部分の切り口の方向を、A1=5,10,20,40,100にしたときの進入コースの解析結果を示している。
この実施例では、不陸工事部分20aの位置を稚内空港の予定位置に相当するX0=10m、X02=110mに設定した。図31に示すように、A1を増加して不陸工事部分の切り口をLLZアンテナ3と平行にするとDDMの変動が減少し、A1=100の場合、進入コースの上下偏位が著しく減少することが判明した。
又、滑走路中心線の左右のエッジの方向が異なる場合について、実験した。
図32(a)は、不陸工事部分20aの切り口の方向は、滑走路中心線の左右の方向でA1=1またはA1=4にした場合を示している。図30(a)に示すA1=1の場合とDDMの変動が概ね一致することが判明した。
図32(a)は、不陸工事部分20aの切り口の方向は、滑走路中心線の左右の方向でA1=1またはA1=4にした場合を示している。図30(a)に示すA1=1の場合とDDMの変動が概ね一致することが判明した。
又、滑走路中心線に対して片側のみの工事の場合について、実験した。
図32(b)は、不陸工事部分20滑走路中心線の片側のみ工事する場合を示している。この場合、DDMの変動は、図30(b)のA1=1と比べると概ね一致する。このように、片側のみ工事する場合も、そのエッジ方向をA1>20にすればコース変動が急減することが判明した。
図32(b)は、不陸工事部分20滑走路中心線の片側のみ工事する場合を示している。この場合、DDMの変動は、図30(b)のA1=1と比べると概ね一致する。このように、片側のみ工事する場合も、そのエッジ方向をA1>20にすればコース変動が急減することが判明した。
図33は、不陸工事部分20の切り口が滑走路の縦断勾配によって段違いになった場合の解析結果を示すもので、不陸工事部分20の位置を、X0=100m、X02=300mとする。図中、実線はA1=1の場合を示し、DDMの変動が著しい。しかしながら、鎖線はA1=20の場合を示し、DDMの変動が少ない。不陸工事部分20の前後の段差は、曲線がH02=0mの場合、曲線BがH02=1mの場合、曲線CがH02=2mの段差が生じている場合である。この場合も、鎖線で示すように、A1=20にすると、コース変動が急減する。以上述べた種々の解析の結果、不陸工事部分20の前後の切り口の方向を、LLZアンテナ3と平行にすれば進入コースの変動の最小化の条件であることが確認された。
このように、発明者は、各種条件の不陸工事部分20(20a)について実験し、以下のような結論に達した。
(1)稚内空港の不陸工事部分20aでは、図26(b)に示すフェンスを用いない場合について検討した。
(2)不陸工事部分20の切り口を滑走路中心線に対して左右対称にする場合が有効であるが、片側のみある場合についても解析した。その結果、コース変動が著しく増加することが確認された。
(3)OR(オーバーラン)14よりLLZアンテナ3側に不陸工事部分20(20a)が存在するとコース偏位が発生し、OR14より滑走路側で工事するとコースベンドが発生する。
(4)不陸工事部分20の切り口をLLZアンテナ3と平行にすると進入コース(LLZコース)11の変化が著しく減少することを解析的に確認した。これが不陸工事部分20(20a)における進入コース11の劣化防止の必要条件である。従って、不陸工事部分20の切り口をLLZアンテナ3と平行にすれば、不陸工事部分20(20a)を埋め戻すことなく、その状態で運用を再開することが可能であることが判明した。
(1)稚内空港の不陸工事部分20aでは、図26(b)に示すフェンスを用いない場合について検討した。
(2)不陸工事部分20の切り口を滑走路中心線に対して左右対称にする場合が有効であるが、片側のみある場合についても解析した。その結果、コース変動が著しく増加することが確認された。
(3)OR(オーバーラン)14よりLLZアンテナ3側に不陸工事部分20(20a)が存在するとコース偏位が発生し、OR14より滑走路側で工事するとコースベンドが発生する。
(4)不陸工事部分20の切り口をLLZアンテナ3と平行にすると進入コース(LLZコース)11の変化が著しく減少することを解析的に確認した。これが不陸工事部分20(20a)における進入コース11の劣化防止の必要条件である。従って、不陸工事部分20の切り口をLLZアンテナ3と平行にすれば、不陸工事部分20(20a)を埋め戻すことなく、その状態で運用を再開することが可能であることが判明した。
上記したように、積雪地帯における空港の場合には、積雪や降雨等によりLLZコース偏位が発生するという問題がある。この実施例では、この積雪や降雨等により、ILSの最終進入コースがLLZのセンシティブエリア内のこの積雪や降雨等により、発生するコース偏位を解決するための実施例である。
一般に、センシティブエリア内の積雪に対して、除雪作業、圧雪作業が行われているが、センシティブエリア内の反射面の積雪を圧雪にすることは、降雨後の積雪の含水量が増加することに伴うコース偏位の減少に有効である。しかしながら、CAT3では、厳しいコースアライメント(DDM≦±4μA)が要求される。例えば、2008年に発明者が行った積雪実験では、LLZアンテナ前方の反射面の積雪をシュミレーションに則って圧雪状態に管理したところ、2007年度に比べてLLZコースの偏位の発生を抑圧することが出来た。しかしながら、積雪実験後の降雨により、コースアライメントは、−4μA<DDM<−5μAになり、規定値を外れる結果となった。従って、規定値を十分に下回る有効な除雪は、困難であるという問題が発生した。
そこで、発明者は、発生原因を検討するために、滑走路中心線から左右等距離の2点における積雪縦断面の誘電率を測定した。その結果、積雪縦断面の雪質は、滑走路中心線から左右非対称であることが確認された。これは、滑走路中心線から左右の積雪縦断面の反射係数が異なることを意味している。
次いで、発明者は、LLZアンテナ前方に、50m、100mの左側積雪面の反射係数を、Γleft=1と仮定するとともに、5μAのコース偏位が生じる右側の反射係数を試算した。その結果は、Γright≒0.98となった。このように、微少な反射係数のずれが、重要なコース偏位を発生させる要因であることを解明した。
このように、積雪縦断面における誘電率(ひいては反射係数)が、滑走路中心線に対して左右非対称となるのは、多層構造の積雪断面を沈降するわずかな水分と停留状態の相違によるものであることを確かめた。このように、積雪の含水量のわずかな違いによって、積雪縦断面における誘電率が、滑走路中心線に対して左右非対称になるということを解明した。このような実証的な解明は、今回発明者が行う迄、未だ全く行われていなかった。
ここで、滑走路中心線から見てLLZアンテナからの放射電波は、滑走路中心線に対して左右で複素共役であるから、積雪縦断面における誘電率の左右のズレによって、反射係数が変化すると、遠方におけるLLZコース信号は、2a±Δbとなり、虚数部の残余成分ΔbがLLZコース偏位の発生原因であることを解明した。
そこで、発明者は、このようなLLZコース偏位の発生を防止するためには、LLZコース偏位の発生原因である反射波を除去することが望ましい。そこで、発明者は、センシティブエリアの積雪反射面からの反射波を受信点に到達させないため、遮蔽フェンスを用いて反射波を遮断した。
この際、遮蔽フェンスをLLZアンテナと平行に設置しない場合には、遮蔽フェンスによるLLZ放射電波の回析波が、受信点で滑走路中心線に対して左右非対称となる。そのため、虚数部が相殺されなくなり、LLZコース偏位が発生する。そこで、遮蔽フェンスの設置方向をLLZアンテナアレーと平行になるように設置した。
遮蔽フェンスにより、回析波は遮蔽されるが、その一部は遮蔽フェンスの先端エッジによる回析波が生じるが、この回析波のレベルは数%と小さいので、LLZコース偏位に対してはほぼ無視することが出来る。
一般に、センシティブエリア内の積雪に対して、従来から除雪作業、圧雪作業が行われているが、この実施例では、従来のような除雪等の方法を行う必要がなく、積雪面の反射係数の左右非対称性によるコース偏位及び積雪バンクによるコースベントの発生を防止するための実施例である。
図34(a)及び(b)は、青森空港における現状のアンテナシステムを示すもので、図34(a)はLLZアンテナ、地面及び積雪横断勾配側面図を示し、図34(b)は左右非対称の積雪反射波の発生状態を示している。なお、発明者による長期間の観測結果によれば、青森空港における過去の最大積雪深は、1.6mであることが判明している。
図35(a)、(b)は、この発明の実施例を示すもので、図35(a)に示す積雪によるコース偏位の発生原因は、滑走路中心線から左右対称点における積雪の誘電率が若干ずれることによる反射係数の左右非対称によるものである。従って、従来は、除雪を煩雑に実施する必要があったが、図示のように、積雪反射面の中央に遮蔽フェンス35を立設した。遮蔽フェンス35によって積雪反射面で反射する直接波は除去され、遮蔽フェンス35上端で生じる回析波のみとなる。発明者の実験によれば、回析波のレベルは、直接波の1/20程度となり、コース偏位は、無視出来るレベルに減少した。従って、従来のように除雪する必要がない。又、吹雪などで遮蔽フェンス35が吹きだまりで見えなくなる場合であっても、電波の直線性により遮蔽フェンス35の効果には、変更がないことが判明した。なお、遮蔽フェンス35の高さHfは下記数式(12)により求められる。
(数12)
Hf>(Xor−Xf)・tanφor
φor=tan−1(Hant/Xor)・・・・・(12)
Hf>(Xor−Xf)・tanφor
φor=tan−1(Hant/Xor)・・・・・(12)
ここで、XfはLLZアンテナから遮蔽フェンス35迄の距離、XorはORまでの距離、HantはLLZアンテナの高さである。従って、青森空港の場合には、上記のように、過去の最大積雪深は、1.6mであるので、遮蔽フェンスの高さは、Hfence≧Hf>1.6mに設定すれば良い。
図35(b)は、LLZアンテナの前方30m付近に位置する積雪バンクを、見通せないように、遮蔽フェンス35を立設する場合を示している。このようにすると、反射点(Xf、Yf、Zf)の積雪バンク36に対しても直接波が積雪バンクに照射されることがないので、反射波が発生することもなく、コースベントが顕著に減少する。遮蔽フェンス上端の回析波のみが積雪バンクの上部エッジに照射されるので、コースベントの寄与分が2重回析波のみとなるので、実質的に積雪バンクの影響は無視することが出来る。
なお、遮蔽フェンス35によって遮蔽領域が生じるが、この遮蔽領域は直接波が遮蔽された影の領域であるが、この直接波が欠落する遮蔽領域境界の不連続は、回析理論により、遮蔽フェンスの上端による回析波が補完するので、遠方のFFMが遮蔽領域にあったとしても、電界が消失することはない。このように、積雪等の電波散乱体を遮蔽すれば、電波散乱体に照射される電波は回析波のみとなる。従って、コースベントの大きさは遮蔽フェンスと電波散乱体の回析波の積=(微少量)2にすることが出来る。
LLZコースを変動させることなく、LLZセンシティブエリア内に於ける障害物や土木工事、滑走路の延長工事等が行われている空港や積雪地帯の空港等、如何なる空港においてもこの発明を利用することが出来る。
1 誘導路(新B7誘導路)
2、23 航空機(ジャンボ機)(凸状の電波散乱体)
3 LLZアンテナ(既設LLZアンテナ)
4、24 B滑走路
5、25、35 遮蔽フェンス
6 B6誘導路
7 B7誘導路
9 進入機
10 有限胴体版(ジャンボ機の胴体)
11 進入コース
12 カウンタポイズ(CP)
12a グランドプレーン型のCP
12b 地面反射型のCP
20、20a 不陸工事部分(凹状の電波散乱体)
2、23 航空機(ジャンボ機)(凸状の電波散乱体)
3 LLZアンテナ(既設LLZアンテナ)
4、24 B滑走路
5、25、35 遮蔽フェンス
6 B6誘導路
7 B7誘導路
9 進入機
10 有限胴体版(ジャンボ機の胴体)
11 進入コース
12 カウンタポイズ(CP)
12a グランドプレーン型のCP
12b 地面反射型のCP
20、20a 不陸工事部分(凹状の電波散乱体)
Claims (8)
- LLZアンテナのセンシティブエリア内に、LLZコース変動の発生原因となる電波障害エリアが存在する空港に設置されたILSのLLZコースの補正方法において、
前記電波障害エリアは、滑走路面より上方に位置する凸状の電波散乱構造体及び滑走路面より下方に位置する凹状の電波散乱体の両方あるいはいずれか一方が存在し、
前記電波障害エリアの前記凸状の電波散乱体を、前記LLZアンテナから見て遮蔽可能な高さ及び幅を有する遮蔽フェンスを、前記LLZアンテナと電波障害エリアとの間であって、且つ、前記LLZアンテナと平行に立設し、
前記電波障害エリアの凹状の電波散乱体の上部エッジを、前記LLZアンテナと平行に形成すること
を特徴とするILSのLLZコースの補正方法。 - 前記電波障害エリアの凹状の電波散乱体が、断面凹溝形状である場合、この凹溝形状の両側の上部エッジ面を、いずれも前記LLZアンテナと平行に形成すること
を特徴とする請求項1に記載のILSのLLZコースの補正方法。 - 前記遮蔽フェンスと前記LLZアンテナとの平行度及び前記LLZアンテナと前記電波障害エリアの凹状の電波散乱体の上部エッジとの平行度は、いずれも90°±2.5°の範囲内に形成すること
を特徴とする請求項1〜請求項2にそれぞれ記載のILSのLLZコースの補正方法。 - 前記電波障害エリアの凸状の電波散乱体が、積雪である場合、前記電波障害エリア内の積雪を前記遮蔽フェンスの高さより低くなるように圧雪また除雪すること
を特徴とする請求項1、請求項3にそれぞれ記載のILSのLLZコースの補正方法。 - 前記電波障害エリアの凸状の電波散乱体が、LLZアンテナに対して斜め方向の斜面を有する場合、この斜め方向の斜面を前記LLZアンテナと平行に形成すること
を特徴とする請求項1、請求項3、請求項4にそれぞれ記載のILSのLLZコースの補正方法。 - LLZのセンシティブエリア内に、LLZコース変動の発生原因となる電波障害エリアが存在する空港に設置されたILSのLLZコースを補正する装置において、
滑走路面より上方に位置する凸状の電波散乱体及び滑走路面より下方に位置する凹状の電波散乱体の両方あるいはいずれか一方が存在する前記電波障害エリアと、
前記電波障害エリアの前記凸状の電波散乱体を、前記LLZアンテナから見て遮蔽可能な高さ及び幅を有するとともに、前記LLZアンテナと電波障害エリアとの間であって、且つ、前記LLZアンテナと平行に立設した遮蔽フェンスと、
前記電波障害エリアの凹状の電波散乱体の上部エッジを、前記LLZアンテナと平行に形成する手段とを有すること
を特徴とするILSのLLZコースを補正する装置。 - 前記電波障害エリアの凸状の電波散乱体が、積雪である場合、前記電波障害エリア内の積雪を前記遮蔽フェンスの高さを、圧雪面また除雪面又は滑走路両端の路肩の積雪バンクより高くして積雪面又は積雪バンクを遮蔽する手段を有すること
を特徴とする請求項5に記載のILSのLLZコースを補正する装置。 - 前記電波障害エリアの凸状の電波散乱体が、前記LLZアンテナ斜め方向の斜面を有する場合、この斜面をLLZアンテナと平行に形成する手段を有すること
を特徴とする請求項6、請求項7に記載のILSのLLZコースを補正する装置。
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Cited By (3)
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CN112327086A (zh) * | 2020-11-05 | 2021-02-05 | 中国民用航空飞行学院 | 一种民航机场与航空台站电磁环境评估系统 |
CN112345863A (zh) * | 2020-11-05 | 2021-02-09 | 中国民用航空飞行学院 | 基于机场电磁环境的仿真方法 |
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