JP2010078398A - 消化管運動機能物質のスクリーニング方法 - Google Patents

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貴文 坂井
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千尋 筒井
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加奈子 小池
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崇嗣 谷中
Seiji Sakahara
聖士 坂原
Yuko Ishida
祐子 石田
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Abstract

【課題】本発明は、消化管運動(蠕動運動など)を制御する物質のスクリーニング方法、特に、モチリン応答性の消化管運動を制御する物質のスクリーニング方法の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明は、胃にフォーストランスデューサーなどの胃腸管収縮運動を検出することができる装置を装着したスンクスの胃の収縮運動を、該装置によって変換された電気的シグナルとして検出し、試験物質を該スンクスに投与した後に生じる該電気的シグナルの変化を指標として、胃腸管収縮運動に修飾を与える物質をスクリーニングする方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は、消化管運動(蠕動運動など)を制御する物質のスクリーニング方法に関する。より具体的には、特に、モチリン応答性の消化管運動を制御する物質のスクリーニング方法に関する。
口から摂取された食物は、胃に送りこまれると、胃平滑筋の律動的な収縮運動によって胃液と攪拌され、消化されながら腸へと運ばれ、さらに腸管の蠕動運動によって結腸に到達する。このような消化管の蠕動運動は、胃周辺の筋肉によって引き起こされる収縮が波のように緩やかに伝わっていく生理現象であり、胃の内容物となった食物を移動させる上で重要な役割を果たしている。また、空腹期には、胃より起こり小腸へと伝播する強収縮が見られ、消化管内に残留する未消化物等を大腸へと移動させる。これら消化管の蠕動運動が低下すると、内容物が胃腸管内に滞留し、消化にも時間がかかり、胃もたれ、胸やけなど、胃の不快感を惹起し、さらには、胃腸障害等、重篤な疾患を誘発する可能性もある。
モチリンは、22アミノ酸残基からなるペプチドホルモンで、消化管蠕動運動及び空腹期収縮を引き起こすホルモンであることが知られており、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコなどの比較的大型の哺乳類や鳥類において遺伝子及びアミノ酸配列が同定され、消化管運動作用において、多くの生理学および薬理学的知見が得られている。モチリンは、十二指腸で産生され、その血中濃度が空腹時に周期的に上昇する結果、空腹期の消化管収縮が誘導されると考えられている。近年では、その消化管運動作用に着目した、モチリン又はそのアゴニストを消化管運動亢進薬として利用するための臨床応用研究も盛んに行われている。このように、モチリンに対するアゴニスト又はアンタゴニストには、消化管運動機能をコントロールするが期待されており、消化管運動不全によって惹起される様々な疾患の予防又は治療薬としての期待もかかっている。これまでに、エリスロマイシンがモチリンアゴニストとしての機能を有することが報告されているが(非特許文献1)、臨床応用の段階には至っていない。
以上のように、モチリンに対するアゴニスト又はアンタゴニストは、消化管の運動不全又は異常亢進などの治療において有益であると考えられるが、これらをスクリーニングするために利用可能な系は、イヌをモデル動物として使用するインビボ系などに限られていた(非特許文献2及び3)。しかし、イヌなどの比較的大型な動物の系を用いる限り、細胞生物学、分子生物学的解析における困難性などから、モチリンの作用機序の解明、さらには、消化管運動機能疾患の有効な治療法の飛躍的な発展を期待するのは難しかった。また、イヌのモデル系は、その利用上の不便の他、インビトロにおける胃収縮の系においてモチリンに対し不応答であるなど、ヒト(ヒトの胃は、インビトロ及びインビボにおいてモチリン応答性を示す)とは異なるモチリン応答性を示しており、モデル系としての適格性に問題を生じる可能性が指摘されている。イヌ以外の非ヒト動物では、ウサギの十二指腸がインビトロにおいてモチリンに対する応答性を示すことが知られているが、インビボにおいて、モチリンに対し不応答であり、胃腸管の蠕動運動薬のスクリーニングモデル動物としての利用には問題があった。さらに、有用な実験動物として幅広く使用されているラット、マウスなどの齧歯類は、モチリン自体が産生されていないことから、モチリン応答性消化管運動に関する薬剤のスクリーニングには不適当である。
近年、食虫目に属するスンクス(Suncus Murinus)が小型実験動物として注目されている。スンクスは、薬物刺激などによって嘔吐することから、これまで、主に嘔吐機構の解明に利用されてきた。本発明者らは、実験動物としてスンクスの利用可能性に着目し、スンクスの十二指腸においてモチリンが産生されていることを見出し、モチリン遺伝子の同定を行った。さらに、インビトロの系において、スンクス胃がモチリンの刺激によって収縮することも見出している(非特許文献4及び5)。このように、スンクスにモチリンが存在することが見出されたことによって、消化管運動機能に作用する薬剤等のスクリーニングに対する、動物モデル実験系として、スンクスの利用が期待されている。
Itohら,Am.J.Physiol.,235:G688−694 1984 Itohら,Antimicrob.Agents Chemother.,26:863−869 1984 Omuraら,J Antibiot.,11:1631−1632 1985 日本動物学会第79回大会予稿集(2008年9月5日(金)〜7日(日) 福岡大学七隈キャンパス)、103ページ THE ENDOCRINE SOCIETY'S ANNUAL MEETING (San Francisco, June 15−18,2008) Abstract p534
以上のように、インビトロ及びインビボの2つの系において消化管収縮(例えば、モチリン応答性の胃収縮など)を示す非ヒト動物の系が、ヒトに有効な消化管運動機能制御薬等の開発において強く望まれていたにもかかわらず、現在までのところ、そのような非ヒト動物系を確立することは困難な状況にあった。
本発明は、小型実験動物であるスンクスを用いたインビボにおける消化管運動機能薬のスクリーニング、特に、モチリンのアゴニスト又はアンタゴニストのスクリーニングを可能にする系の提供、及び該スクリーニング系を用いたスクリーニング方法の提供を目的とする。
本発明者らは、インビボにおいて、無麻酔・無拘束状態のスンクスの胃が、空腹期収縮及びモチリンに応答した収縮を行うことを見出し、本発明を完成させた。また、この反応は、インビボ麻酔下でも起こることを確認しており、麻酔下でも同様な効果が期待出来る。
また、薬剤の効果を検討するには生理的状態での実験が不可欠であるが、今まで一般的に使われてきたイヌの実験系はその反応がヒトと一部違うだけでなく、コンパニオンアニマルとしてのイヌの利用や動物愛護の観点からも利用しにくくなっており、モチリン様物質の探索は年ごとに難しくなっている。スンクスはこれらの困難を一気に解消することのできる実験系であり、非常に有用である。また、スンクスは麻酔下、無麻酔下を問わずに消化管収縮作用を検討出来ることから、急性実験によるスクリーニングにも利用可能であり、経済的効率も非常に高い。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(7)に関する。
(1)本発明の第1の態様は、「スンクスを用いて消化管運動制御物質をスクリーニングする方法」である。
(2)本発明の第2の態様は、「胃にフォーストランスデューサーを装着した前記スンクスの胃の収縮運動を、該フォーストランスデューサーによって変換される電気的シグナルとして検出し、試験物質を該スンクスに投与した後に生じる該電気的シグナルの変化を指標とする、上記(1)に記載のスクリーニング方法」である。
(3)本発明の第3の態様は、「前記フォーストランスデューサーの胃への装着後2〜3日で実施することを特徴とする上記(2)に記載のスクリーニング方法」である。
(4)本発明の第4の態様は、「前記スンクスを無麻酔及び無拘束の状態にすることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のスクリーニング方法」である。
(5)本発明の第5の態様は、「前記スンクスが、1時間〜14時間の連続的な絶食状態、及び10時間〜23時間の連続的な摂食可能状態下において飼育されることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法」である。
(6)本発明の6の態様は、「麻酔下で消化管にフォーストランスデューサーを装着させた前記スンクスを用いて、急性実験として行うことを特徴とする上記(1)に記載のスクリーニング方法」である。
(7)本発明の7の態様は、「前記消化管運動制御物質が、モチリンのアゴニスト又はアンタゴニストであることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のスクリーニング方法」である。
本発明のスクリーニング系を用いることで、消化管運動機能物質、特に、モチリンのアゴニスト又はアンタゴニストのスクリーニングが可能となる。
本発明のスクリーニング系は、消化管運動における生理機能を解析する上で、インビトロ及びインビボのいずれにおいても利用可能な非ヒト動物系として、はじめて確立された系である。従って、ヒトの消化管運動機能障害、特に、モチリンの異常(過少又は過剰)分泌に伴う諸疾患の予防又は治療薬のスクリーニングにおいて優れた効果を発揮するものである。
本発明のスクリーニング方法において使用されるスンクス(Suncus Murinus)は、食虫目トガリネズミ科ジネズミ亜科ジャコウネズミ属に属する哺乳動物で、例えば、日本クレア株式会社から購入することができる。
本発明のスクリーニング方法において、スンクスの胃腸管運動を検出するためにスンクスの胃に装着される装置は、スンクスの胃の収縮運動をスンクス生体外において検出することを可能ならしめる装置であれば、当業者において利用可能ないかなる装置であってもよく、例えば、フォーストランデューサー(詳細については、Itohら,Gastroenterol Jpn. 12:276−283 1977などを参照のこと)などを利用することができる。フォーストランスデューサーの装着位置は、胃の収縮運動を検出することができる部位であれば、目的に応じて容易に選択することができるが、例えば、胃体部又は前庭部などが好ましいが他の消化管部位(例えば、小腸および大腸)にも縫着可能である。フォーストランスデューサーの装着前約1〜8時間、スンクスを絶食状態にし、その後、麻酔を行い(例えば、ペントバルビタールの腹腔内投与など)、装着手術を行う。フォーストランスデューサーの装着後、装置の安定並びに被検動物(スンクス)の生理的安定(例えば、胃腸管運動の安定)のため、数日、例えば、2〜3日間飼育後にスクリーニング実験を行うことが望ましい。スクリーニング実験に使用されるスンクスの食餌は、空腹期間の調節を行う必要があるため、連続的な絶食時間と摂食可能時間とを定期的に設定(制限摂食)する必要がある。空腹期間は、実験に使用されるスンクスの各個体によって相違するが、連続的な絶食時間は、例えば、1〜14時間程度、好ましくは、8時間〜12時間程度で、摂食可能時間は、例えば、10〜23時間程度、好ましくは、12〜16時間程度である。
消化管運動制御機能を有することが期待される「試験物質」を被検対象であるスンクスに投与する場合、例えば、静脈投与、特に、カテーテルを介した経頚静脈投与などが好ましいが、それに加えて経口投与、経皮投与、腹腔内投与、経鼻投与及び経肺投与も可能である。試験物質の投与方法は、スクリーニングに用いられるスンクスの体重等に応じて、適宜選択することが望ましいが、例えば、体重100gのスンクスの場合、シリンジポンプなどの溶液を注送する装置などを使用して、所望の濃度に調製した試験物質溶液を、1分間あたり20〜150μl、好ましくは、50〜100μlの液量で、例えば、5〜10分間持続投与してもよい。
試験物質の投与により、例えば、フェーズIIIと称される空腹時の消化管収縮に特徴的な収縮が惹起された場合には、当該被検物質は、消化管運動を促進する物質(例えば、モチリンのアゴニスト)としての機能を果たす物質として評価することができる。あるいは、例えば、投与前に惹起されていたフェーズIIIと称される空腹時の消化管収縮に特徴的な収縮が、試験物質の投与により消失した場合には、消化管運動を抑制する物質(例えば、モチリンのアンタゴニスト)としての機能を果たす物質として評価することができる。本発明のインビボにおける方法により得られた候補物質(消化管運動機能制御に関与することが予測される物質)は、さらに、インビトロ(マグヌス管法)実験系により、既知の消化管運動調節物質(例えばモチリン等)の活性及び作用機序との比較により、その機能と薬理活性を評価することができる。
フォーストランスデューサーによって変換された胃収縮運動の電気的シグナルは、適当な方法により増幅等を行い検出することができる。例えば、得られた電圧変化を増幅器等で増幅し、適当な記録装置を用いて記録することができる。
以下の実施例は、本発明のスクリーニング方法を示すものであるが、本実施例は、あくまでも例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
1.実験方法
フォーストランスデューサーの作製
市販のOHPフィルムを基板に用いてひずみゲージ(共和電業)を貼り、シリコン被覆コード(三洋電線)とハンダ付けにより接続し、基板部分はシリコン接着剤(Applied Silicone Corporation)で防水加工した。コードはコネクターで脱着可能にした(図1を参照のこと)。
フォーストランスデューサーのスンクス胃体部への移植手術とカテーテル留置術
手術前3時間絶食をかけたスンクスをペントバルビタールの腹腔内投与で麻酔した。正中に沿って切開し、トランスデューサーを輪状筋の収縮を記録できるように胃体部の裏側(背側)の漿膜表面に縫着した。コードは皮下を通し、コネクター部分を首付近の背中側から体外へ出した。測定時にはアンプ側コネクターと接続し、非測定時はアンプ側コネクターを外してトランスデューサー側コネクター部分を保護するジャケットを着用させた。カテーテルはヘパリン化生理食塩水で満たし、スンクス右頚静脈に挿入し、同様に首付近の背中側から体外へ出した。
データの測定・解析
スンクスは、手術後制限摂食(P.M.8:00−A.M.10:00,14時間摂食)させ、絶食期に収縮運動を測定した。測定時はスンクスの保護ジャケットを取り外し、アンプ側コネクターと接続した。ひずみゲージによる電圧変化はアンプにて増幅させ、AD変換器(Pico Technology,USB ADC−11/12)とPCのソフトウェア(Pico Technology,Picolog Recorder)を用いて経時的に自動記録した。得られたデータはPCの解析ソフト(Pico Technology,Picolog Player)により解析した。また、フォーストランスデューサーの感度は、予めある重さ(g)当たりの電圧変化(V)で測定しておき、実際にスンクス胃体部より得られた電圧変化(V)は収縮力(g重量)に変換した。
投与
麻酔下又は無麻酔・無拘束下スンクスにおける合成スンクスモチリンの静脈内投与は、留置カテーテルを通して行った。シリンジポンプ(株式会社トップ)を用いて、体重100gのスンクスに1分間あたり50又は100μlで5〜10分間持続投与した。
2.結果
スンクス胃体部の空腹期収縮
フォーストランスデューサーの装着手術後5日目のスンクス胃体部の空腹期収縮を測定した。手術後5日目のスンクスを30分間、絶食状態にし、無麻酔・無拘束状態における胃の収縮運動を測定した(図2)。イヌの場合と同様に、運動休止期(フェーズI、図2(a))、不規則収縮群(フェーズII、図2(b))及び強収縮群(フェーズIII、図2(c))が検出された。ここで、フェーズIIIは、3g以上の連続した収縮群として定義した。スンクス胃体部のフェーズIIIの継続時間は、5〜10分で、70〜100分の間隔で生じており、イヌの場合と同様の結果を示した。ただし、この間隔は個体によって差があり、150分以上の場合もあった。
ウレタン麻酔下のスンクスに対する合成スンクスモチリンの静脈内投与
次に、ウレタンによる麻酔状態におけるスンクスに対し、合成したモチリン(株式会社BEX)を投与し、胃収縮に対する影響を観察した(図3)。
頚静脈カテーテル留置済みスンクスを、首の後ろから強く把持しつつ腹腔内へウレタンを注射することで麻酔し、フォーストランスデューサーを胃体部(裏側)と前庭部に縫着した後、腹腔を閉じ、30分間安静にさせた。その後、合成モチリンをシリンジポンプにより静脈内投与した(1.7μg/kg−分で5分間)。合成モチリンの投与後、1分以内に強収縮が惹起された(図3)。
以下に示す無麻酔・無拘束における実験系は、薬剤の効果を検討する上で不可欠な評価方法であるが、スンクスは麻酔下でもモチリンに反応するため、この性質をうまく使うことで、術後回復期が必要な無麻酔・無拘束実験系の他、急性実験系としての使用も可能である。
無麻酔・無拘束下のスンクスに対する合成スンクスモチリンの静脈内投与
胃体部へのトランスデューサー装着手術と頚静脈カテーテル留置手術を施したスンクス(術後2日目)を制限摂食させ、絶食開始後1時間30分から測定を開始した。フェーズIIIの収縮(図4(a))が生じてから30分後のフェーズIに合成スンクスモチリンをシリンジポンプにより静脈内投与し(170ng/kg−分で5分間)、投与後3分以内で強収縮の惹起が確認された(図4(b))。
同様の実験を胃体部へのトランスデューサー装着手術と頚静脈カテーテル留置手術後3日目のスンクスに対して行った(図5)。手術後3日目のスンクスを制限摂食させ、絶食開始後30分から測定を開始した。フェーズIIIの収縮(図5(a))が生じてから30分後のフェーズIに合成スンクスモチリンをシリンジポンプにより静脈内投与し(1.7及び17ng/kg−分で5分間)、投与(17ng/kg−分)後5分以内で強収縮の惹起が確認された(図5(b))。 ここで、17ng/kgの投与量は(図5)、従来、イヌを使用した実験で使われる濃度とほぼ同じ、イヌで行われていたスクリーニングがスンクスを使用しても十分に実施可能であることが確認できた。また、この10倍量のモチリン(170 ng/kg)でも収縮が惹起出来ることは(図4)、スンクスの系が広い濃度範囲の試験物質の投与に応答可能であることを示すものである。
本発明に係るスクリーニング方法は、消化管運動の不全又は異常亢進に伴う体調不良あるいは疾患に有効は医薬等の開発に大いに貢献をすることが期待される。
図1は、本実施例において使用したフォーストランスデューサーの模式図である。 図2はスンクスの胃体部における空腹期収縮のプロファイルを示す。単位gは、g重量のことである。 図3はウレタン麻酔下のスンクスへの合成スンクスモチリンの静脈内投与と胃体部及び前庭部の収縮のプロファイルを示す。 図4は無麻酔・無拘束下のスンクスへの合成スンクスモチリンの静脈内投与と胃体部の収縮プロファイルを示す。 図5は無麻酔・無拘束下のスンクスへの合成スンクスモチリンの静脈内投与と胃体部の収縮プロファイルを示す。

Claims (7)

  1. スンクスを用いて消化管運動制御物質をスクリーニングする方法。
  2. 胃にフォーストランスデューサーを装着した前記スンクスの胃の収縮運動を、該フォーストランスデューサーによって変換される電気的シグナルとして検出し、試験物質を該スンクスに投与した後に生じる該電気的シグナルの変化を指標とする、請求項1に記載のスクリーニング方法。
  3. 前記フォーストランスデューサーの胃への装着後2〜3日で実施することを特徴とする請求項2に記載のスクリーニング方法。
  4. 前記スンクスを無麻酔及び無拘束の状態にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  5. 前記スンクスが、1時間〜14時間の連続的な絶食状態、及び10時間〜23時間の連続的な摂食可能状態下において飼育されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  6. 麻酔下で消化管にフォーストランスデューサーを装着させた前記スンクスを用いて、急性実験として行うことを特徴とする請求項1に記載のスクリーニング方法。
  7. 前記消化管運動制御物質が、モチリンのアゴニスト又はアンタゴニストであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のスクリーニング方法。
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