JP2010068378A - 広角ビームアレーアンテナ - Google Patents

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Tadashi Takano
Yasuhiro Kazama
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Abstract

【課題】単一のアンテナで、低利得及び高利得の各アンテナの機能を実現する。
【解決手段】複数の放射素子7を含むアレーアンテナにおいて、各放射素子7に移相・振幅調整器19を設ける。移相・振幅調整器19により、放射素子7を励振する位相と振幅を所望の値に設定する。位相・振幅調整器19を調整して、位相のみ、あるいは位相と振幅を変化させることにより、アンテナビーム幅を任意に変化させることができる。例えば、位相分布を球面波状とすること、あるいは複数の平面波に対応する位相分布とすることにより、ビーム幅を広げることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、通信、レーダ、宇宙活動等に用いるアンテナに関する。
一般に、アンテナから放射される電磁波のビーム幅が広いということは、アンテナ利得が低いことと等価である。
図1は、広いビームと狭いビームの使い方を示す説明図であり、(a)は広いビーム(広角ビーム)、(b)は狭いビームを示す。
図1に示すように、送信機1に接続されたアンテナ2から、移動中の相手4に向けて電磁波を放射する場合を考える。図1(a)に示すアンテナ2は、例えば、ダイポールアンテナなどの指向性の弱いアンテナであり、ビームの使用境界3が広い。一方、図1(b)に示すアンテナ2は、例えば、パラボラアンテナなどの指向性の強いアンテナであり、ビームの使用境界3が狭い。
通信やレーダシステムにおいて、初めに、移動中の相手4を捕捉する段階で、図1(a)に示すような幅の広い広角ビームを用いる。相手4を捕捉した後で、図1(b)に示すような狭いビームに切り替える(すなわち、利得の高いアンテナに切り替える)。これにより、高い通信速度や計測精度を得ることができる。
図2は、本発明の前提として検討した高利得用アレーアンテナの構成例を示す図であり、(a)は集中増幅型、(b)は分散増幅型(能動型)を示す。図2に示すように、高利得アンテナは、増幅器1’、反射板6、複数の放射素子7などから構成される。送信機1から送信された信号(マイクロ波)は、増幅器1’で増幅されアンテナに給電される。このアンテナは複数の放射素子7を備えているため、マイクロ波は電力分配される(マイクロ波電力分配5)。このアンテナの場合は、アンテナ面を横切る座標8、位相又は振幅を表す座標9に対して、一様な位相分布10を有する。また、アンテナ面を横切る座標8、位相又は振幅を表す座標9に対して、一様な振幅分布11を有する。図2(a)は、増幅器1’が1つの場合、図2(b)は、増幅器が複数かつ放射素子ごとに分散したものである。
従来の広角ビームアンテナとしては、低利得アンテナ(LGA;Low Gain Antenna)のダイポールアンテナや、パッチアンテナ等が用いられてきた。したがって、パラボラアンテナや多素子アレーアンテナ(図2)のような高利得アンテナ(HGA;High Gain Antenna)が含まれているシステムにおいては、それとは別に低利得アンテナを装着することになる(図3)。
図3は、高利得アンテナの他に低利得アンテナを装着した人工衛星の構成例を示す図である。図3に示すように、衛星構体12は、パラボラアンテナなどの高利得アンテナ13、パッチアンテナなどの低利得アンテナ14,14’,14’’を備えている。低利得アンテナ14,14’,14’’は、全方向に対して電波を送受信できるように3箇所に分散して配置されている。
したがって、複数の低利得アンテナを装着することは、余分なアンテナを積むことになり、結果としてシステムの重量が増し、システムの設計も複雑になり得策ではない。また、大形の高利得アンテナに遮へいされないように、低利得アンテナを設置する事が難しい場合も多い。
また、複数のダイポールアンテナ素子やパッチアンテナ素子を配列したアレーアンテナを高利得アンテナとして用いる場合、図4のようにその放射素子を切り離して低利得アンテナとして用いることもできる。図4は、高利得アレーアンテナの1放射素子を低利得アンテナとして用いる場合の構成例を示す図である。図4に示すように、図2に示した複数の放射素子7のうち、1つを活用する。
しかし、送信機が単一で大型の場合、全送信電力を分割して各素子に供給しているため、その素子分の電力しか供給されず、全放射電力が著しく少なくならざるを得ない。もし、分割される前の電力を、当該放射素子に集中させようとすると、マイクロ波供給回路を全面的に組み変えることになる。
また、図2(b)のような能動型アレーアンテナのように、各放射素子に電力増幅器(HPA)が装着されている場合、全放射電力を大きく保つには、当該放射素子の電力増幅器を全放射電力分だけ増力しなければならない。これは増幅器のダイナミックレンジを極端に広くすることになり、得策ではない。
また、アンテナ近傍にある散乱体の影響という点では、ダイポールアンテナ等は寸法が小さいため、影響を受け易い。そのため、衛星では、ダイポールアンテナ等の低利得アンテナの周辺にわざわざスペーサを入れて、低利得アンテナを設置しているのが現状である。
そこで、本発明の1つの目的は、単一のアンテナで、低利得及び高利得の各アンテナの機能を実現できる技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、本発明による広角ビームアレーアンテナは、複数の放射素子を含むアレーアンテナであって、前記放射素子のそれぞれは移相器を備え、前記移相器により前記放射素子のそれぞれの位相が設定され、前記複数の放射素子全体で球面波状の位相分布を有するものである。
また、本発明による広角ビームアレーアンテナは、複数の放射素子を含むアレーアンテナであって、前記放射素子のそれぞれは移相器を備え、前記アレーアンテナの後方または前方の等価的な位相中心に対して、前記アレーアンテナ全体を見込む角度が特定のビーム幅に等しくなるように、前記移相器により前記放射素子のそれぞれの位相が設定されるものである。
また、本発明による広角ビームアレーアンテナは、前記等価的な位相中心から放射される球面波を、複数の平面波で近似することにより特定のビーム幅を実現するように、前記移相器により前記放射素子のそれぞれの位相が設定されるものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)単一のアンテナで、低利得及び高利得の各アンテナの機能を実現できる。
(2)アンテナに備えられる増幅器のダイナミックレンジを大きくしなくて済み、システム設計が容易になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
図5は、本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナの概念を示す図である。図5において、10は各素子の位相、15はアレーアンテナ、15’は位相中心、16は波面、17はアレー見込み角θmを示す。
本発明のアレーアンテナでは、各放射素子と送信機との接続形態は変えない。その代わり、各放射素子に移相器と可変利得増幅器あるいは減衰器を挿入し、放射素子を励振する位相と振幅を所望の値に設定する。まず、高利得アンテナで一様になっていた位相分布を、所望のビーム幅に対応させて、図5のように球面波状に変える。更にサイドローブ等のパターン形状を改善したい場合、振幅分布にテーパをつけた形状に変える。
位相分布がアンテナ面上で一様であれば、その放射パターンは次式のアレー係数で表される。
AF={sin(N・k・d・sinθ)/2}/{N・sin(k・d・sinθ)/2}}
≒sin(N・Ψ/2)/(N・Ψ/2)
ここに、Ψ=k・d・sinθ≒k・d・θ
上式は、いわゆるsincパターン(典型的なアンテナ放射パターン)である。なお、上式において、AFはアレー係数、Nは素子数、kは波数、dは放射素子の間隔である。
図6は、本発明の一実施の形態において、一様位相分布からの位相のずれΔφの算出方法を示す図である。なお、図6において、一様位相分布からの位相差をPQとすると、位相のずれΔφ=k・PQ=(2π/λ)・PQとなる。図7は、広角ビームアレーアンテナの放射パターンの形成方法を示す図であり、(a)は本発明の前提として検討した一様位相分布からの放射(Rpc=∞)、(b)は本発明の一実施の形態における球面波状位相分布からの放射を示す。
各素子の位相10が、図5のように球面波状の位相分布を与えられると、アレーアンテナ15全体の放射パターンは各素子からの放射波の和で与えられる。これは図7(b)のようになり、ビームの第1ヌル29はほぼ見込み角θmだけ広がる。
図8は、本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナの構成を示す図であり、(a)は集中増幅型、(b)は分散増幅型を示す。図8に示すように、本実施の形態による広角ビームアレーアンテナは、増幅器1’、マイクロ波電力分配5、反射板6、複数の放射素子7、位相・振幅調整器19などから構成される。送信機1から送信された信号(マイクロ波)は、増幅器1’で増幅されアンテナに給電される。このアンテナの場合は、各放射素子7に設けられた位相・振幅調整器19により、放射素子7ごとに位相・振幅が調整される。図8(a)は、増幅器1’が1つの場合、図8(b)は、増幅器が複数かつ放射素子7ごとに分散したものである。
図9は、本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナにおいて、位相・振幅調整器19の構成を示す図である。図9に示すように、本実施の形態による位相・振幅調整器19は、位相器(PS)20、可変利得増幅器又は可変減衰器(A)21などから構成される。位相器20により、各放射素子7の位相が調整される。また、アレーアンテナ15の後方または前方の等価的な位相中心に対して、アレーアンテナ15全体を見込む角度が特定のビーム幅に等しくなるように、移相器20により放射素子7のそれぞれの位相が設定される。
また、可変利得増幅器又は可変減衰器21により、各放射素子7の振幅が調整される。また、可変利得増幅器又は可変減衰器21により放射素子7のそれぞれの利得が設定され、必要に応じて複数の放射素子7のうち周辺部の放射素子の利得は、中心部の放射素子の利得より低く設定される。なお、位相・振幅調整器19は、位相器20のみであっても、本発明の所定の効果は得られる。すなわち、振幅の調整を省いて、位相分布のみの調整であってもよい。なお、可変利得増幅器又は可変減衰器21は、その動作に電力を必要とするため、できれば省いた方が良い。図8及び図9のような構成により、球面波状等の所望の位相分布を得ることができる。
次に、図10〜図19により、本実施の形態による広角ビームアレーアンテナのシミュレーション結果を説明する。
図10は、本発明の前提として検討した一様位相分布での放射パターンを示す図である。図10に示すように、一様位相分布でのビーム幅(半値幅)は約0.1度である。
図11は、本実施の形態による広角ビームアレーアンテナの球面波状位相分布(最大角度:20度)を示す図である。図11は、等方性放射体(反射板なし)、放射素子数が1001素子、素子間隔がλ/2、位相分布が球面波状、等価半径がRp、周波数が2.45GHzの場合のシミュレーション結果を示している。なお、縦軸の位相は、図6のPQの値(m)を表している。また、横軸の素子番号は、中央の放射素子が1個、左右にそれぞれ500個ずつ、合計1001個の放射素子を表している。
図12は、図11に対応する放射パターンを示す図である。図12に示すように、球面波状位相分布の場合は、ビーム幅が約40度と拡がっている。
図13は、本実施の形態による広角ビームアレーアンテナの球面波状位相分布(最大角度:60度)を示す図である。図13も図11と同様に、等方性放射体(反射板なし)、放射素子数が1001素子、素子間隔がλ/2、位相分布が球面波状、等価半径がRp、周波数が2.45GHzの場合のシミュレーション結果を示している。
図14は、図13に対応する放射パターンを示す図である。図14に示すように、球面波状位相分布の場合は、ビーム幅がさらに約120度と拡がっている。
図15は、本実施の形態による広角ビームアレーアンテナにおいて、最大角度を変化させた時のアンテナ特性を示す図である。図15において、縦軸は利得又は最大見込み角実測値を示し、横軸は最大見込み角を示す。図15に示すように、最大見込み角は計算値(横軸)と実測値(縦軸)とがよく一致している。また、ボアサイト(角度0度、正面)における放射利得は、最大見込み角が増加するに従い、減少している。このことは、図12及び図14を比較しても分かる。また、ビームエッジ(ピークの値)における放射利得は、最初は最大見込み角が増加するに従い減少しているが、約50度から逆に増加している。このことは、図12及び図14を比較してもある程度分かる。このように、ボアサイトとビームエッジとで放射利得の差が多き過ぎるのが、好ましくない場合がある。そこで、次に述べる複数平面波の位相分布を組み合わせることにより、ピークを抑制することができる。
図16は、本実施の形態による広角ビームアレーアンテナの複数平面波の位相分布(3平面波、角度;−40度、0度、40度)を示す図である。図16は、等方性放射体(反射板なし)、放射素子数が21素子、素子間隔がλ/2、位相分布が平面波の組み合わせ、周波数が2.45GHzの場合のシミュレーション結果を示している。なお、縦軸の位相は、図6のPQの値を表している。また、横軸の素子番号は、中央の放射素子が1個、左右にそれぞれ10個ずつ、合計21個の放射素子を表している。
図17は、図16に対応する放射パターンを示す図である。図17に示すように、3つの平面波を組み合わせることにより、ビームエッジにおけるピークの値を抑制することができる。
図18は、本実施の形態による広角ビームアレーアンテナの複数平面波の位相分布(5平面波、角度;−40度、−20度、0度、20度、40度)を示す図である。図18も図16と同様に、等方性放射体(反射板なし)、放射素子数が21素子、素子間隔がλ/2、位相分布が平面波の組み合わせ、周波数が2.45GHzの場合のシミュレーション結果を示している。
図19は、図18に対応する放射パターンを示す図である。図19に示すように、5つの平面波を組み合わせることにより、ビームエッジにおけるピークの値を抑制することができる。
なお、以上の説明において、3平面波及び5平面波の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数であればいくつでもよい。複数の平面波を組み合わせることにより、放射パターンの調整が可能となる。
以上説明したように、本実施の形態の広角ビームアレーアンテナによれば、図8(a)の集中増幅器の場合、位相・振幅調整器19を調整して、位相のみ、あるいは位相と振幅を変化させることにより、アンテナビーム幅を任意に変化させることができる。この時、アレーアンテナの各素子へのマイクロ波給電系を組み替える必要はない。位相・振幅調整器19は、図9のように構成できる。移相器20により位相を、可変利得増幅器又は可変減衰器21により振幅を各々変える。
また、図8(b)の分散増幅型の場合、アレーアンテナ全体の放射電力は高利得アンテナの値と同じなので、各増幅器1’の性能は変えなくて良い。この時、アレーアンテナの各素子へのマイクロ波給電系を組み替える必要は無い。
寸法が大きいアレーアンテナは、人工衛星に搭載する場合、衛星構体や太陽電池パドル等より外側に張り出すことになる。従って、大きいアレーアンテナから広いビームを出すことができれば、散乱等による悪い影響を受けにくくなる。
もし、当該アレーアンテナが、ビームを振るための位相アレーアンテナであれば、位相・振幅調整の機能が必要である。すなわち元々、図8(b)の構成をしているので、ハードウェアを追加する必要は無い。従って、本発明の効果は、さらに大きい。
また、当該アレーアンテナは、通常狭いビームで電波電力を集中させているシステムにおいて、異常時に電力を分散させるために使うことがある。例えばマイクロ波電力伝送システムの異常対策として、有効である。
例えば、1000素子のアレーを考える。1次元モデルで角度を求め、次に2次元モデルに拡張する。一様分布の場合は、ペンシルビームになる(sincパターン)。このとき、電力半値ビーム幅θ≒λ/D=1/500〔rad.〕=0.115度となる。
ここに、Dはアレーアンテナ全体の寸法である。
球面波状位相分布の場合は、実際は矩形に近いが端で跳ね上がった放射パターンになるが、簡単のため矩形の放射パターンとして計算する。
ここで、2次元的角度の広がりを、角度拡散と定義する。最大角度=20度とすると次の角度拡散値を得る。
角度拡散=(矩形パターンの最大角度×2倍/ペンシルビームの電力半値ビーム幅)2
=(20×2/0.115)2 =1.21×105
例えば、NASAのSPS規準システムでは、23mW/cm2の電力を地表で受ける。異常時に角度拡散の運用を行なえば、エネルギー密度を以下の値に減少できる。
23mW/cm2/1.21×105=1.90×10-4 mW/cm2
現在、電波に対する人体への保護規準は、1mW/cm2である。上の値はそれより4桁も低い値であり、SPSシステムの異常時にも十分低い電力を実現できることになる。
図20は、本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナを人工衛星に応用した場合の一例を示す図である。例えば、マイクロ波電力伝送システムに応用したもので、発電した電力を送信するためのものである。図20に示すように、人工衛星の衛星構体12に、本実施の形態によるアレーアンテナ15を搭載する。また、衛星構体12は、推進器23を備えている。太陽電池パドル22は太陽の方向を向く。アンテナ機械軸方向(衛星構体方向)24は所望の軌道から決まる推進方向であり、各素子の位相を同一にした時、アンテナビーム軸と一致する。従って、通信で重要な方向(アンテナ機械軸方向24)が必ずしも相手局(地球25上の地球局26)に向けられるとは限らない。この場合、本実施の形態による広角ビームアレーアンテナを利用して、アレーアンテナ15を高利得アンテナ(HGA)状態ではなく、低利得アンテナ(LGA)状態にすれば、電波を地球局26方向に放射することができる。ただし、地球局26への到達レベルは、高利得アンテナ状態でアンテナ機械軸方向24へ向ける場合より当然低くなる。この運用法は、人工衛星が何らかのトラブルに陥って、姿勢が乱れた場合、特に有用である。
図21は、本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナをレーダに応用した場合の一例を示す図である。図21に示すように、目標物体が、位置27(低利得アンテナ状態での粗進尾)に有る時、アレーアンテナ15のビームを広くして捕捉する(初期捕捉モード)。補捉した後は、アレーアンテナ15のビームを細くして、位置28(高利得アンテナ状態での精進尾)におけるように、測定精度を良くする(追尾モード)。
また、本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナを、通信システムに用いることもできる。例えば、指向誤差が大きくても通信できるモードと大きい指向誤差は許されないが通信性能を高くできるモードで、位相分布を切り替えて使用する。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、送信アンテナと送信機の場合について説明が、これに限定されるものではなく、送信パターンと受信パターンは基本的に同一になるので、受信アンテナと受信機の場合についても適用可能であり、同様の効果が得られる。
広いビームと狭いビームの使い方を示す説明図であり、(a)は広いビーム(広角ビーム)、(b)は狭いビームを示す。 本発明の前提として検討した高利得用アレーアンテナの構成例を示す図であり、(a)は集中増幅型、(b)は分散増幅型(能動型)を示す。 高利得アンテナの他に低利得アンテナを装着した人工衛星の構成例を示す図である。 高利得アレーアンテナの1放射素子を低利得アンテナとして用いる場合の構成例を示す図である。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナの概念を示す図である。 本発明の一実施の形態において、一様位相分布からの位相のずれΔφの算出方法を示す図である。 広角ビームアレーアンテナの放射パターンの形成方法を示す図であり、(a)は本発明の前提として検討した一様位相分布からの放射(Rpc=∞)、(b)は本発明の一実施の形態における球面波状位相分布からの放射を示す。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナの構成を示す図であり、(a)は集中増幅型、(b)は分散増幅型を示す。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナにおいて、位相・振幅調整器の構成を示す図である。 本発明の前提として検討した一様位相分布での放射パターンを示す図である。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナの球面波状位相分布(最大角度:20度)を示す図である。 図11に対応する放射パターンを示す図である。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナの球面波状位相分布(最大角度:60度)を示す図である。 図13に対応する放射パターンを示す図である。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナにおいて、最大角度を変化させた時のアンテナ特性を示す図である。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナの複数平面波の位相分布(3平面波、角度;−40度、0度、40度)を示す図である。 図16に対応する放射パターンを示す図である。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナの複数平面波の位相分布(5平面波、角度;−40度、−20度、0度、20度、40度)を示す図である。 図18に対応する放射パターンを示す図である。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナを人工衛星に応用した場合の一例を示す図である。 本発明の一実施の形態による広角ビームアレーアンテナをレーダに応用した場合の一例を示す図である。
符号の説明
1 送信機
1’ 増幅器
2 アンテナ
3 ビームの使用境界
4 相手
5 マイクロ波電力分配
6 反射板
7 放射素子
8 アンテナ面を横切る座標
9 位相又は振幅を表す座標
10 位相分布
11 振幅分布
12 衛星構体
13 高利得アンテナ
14,14’,14’’ 低利得アンテナ
15 アレーアンテナ
15’ 位相中心
16 波面
17 アレー見込み角θm
19 位相・振幅調整器
20 位相器
21 可変利得増幅器又は可変減衰器
22 太陽電池パドル
23 推進器
24 アンテナ機械軸方向
25 地球
26 地球局
29 第1ヌル

Claims (8)

  1. 複数の放射素子を含むアレーアンテナであって、
    前記放射素子のそれぞれは移相器を備え、
    前記移相器により前記放射素子のそれぞれの位相が設定され、
    前記複数の放射素子全体で球面波状の位相分布を有することを特徴とする広角ビームアレーアンテナ。
  2. 複数の放射素子を含むアレーアンテナであって、
    前記放射素子のそれぞれは移相器を備え、
    前記アレーアンテナの後方または前方の等価的な位相中心に対して、前記アレーアンテナ全体を見込む角度が特定のビーム幅に等しくなるように、前記移相器により前記放射素子のそれぞれの位相が設定されることを特徴とする広角ビームアレーアンテナ。
  3. 前記複数の放射素子全体で、複数平面波の組み合わせから成る位相分布を有することを特徴とする、請求項2記載の広角ビームアレーアンテナ。
  4. 前記放射素子のそれぞれは、さらに、可変利得増幅器又は可変減衰器を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の広角ビームアレーアンテナ。
  5. 前記放射素子に対応した前記可変利得増幅器又は可変減衰器のそれぞれの利得あるいは減衰量が設定され、前記複数の放射素子のうち周辺部の放射素子の放射は、中心部の放射素子の放射より低いことを特徴とする、請求項4記載の広角ビームアレーアンテナ。
  6. 前記アレーアンテナは人工衛星に搭載され、発電した電力を送信するためのものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の広角ビームアレーアンテナ。
  7. 前記アレーアンテナは通信システムに用いられ、指向誤差が大きくても通信できるモードと大きい指向誤差は許されないが通信性能を高くできるモードで、位相分布を切り替えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の広角ビームアレーアンテナ。
  8. 前記アレーアンテナはレーダに用いられ、初期捕捉モードと追尾モードで位相分布を切り替えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の広角ビームアレーアンテナ。
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