JP2010053190A - エネルギーガス製造方法及びエネルギーガス貯蔵材料 - Google Patents

エネルギーガス製造方法及びエネルギーガス貯蔵材料 Download PDF

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Abstract

【課題】より低温において、より多量のエネルギーガスを製造することが可能なエネルギーガス製造方法、及び、このようなエネルギーガスを簡単に取り出すことが可能なエネルギーガス貯蔵材料を提供すること。
【解決手段】炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得るMG処理工程と、前記MG処理物を不活性雰囲気下で加熱する加熱工程とを備えたエネルギーガス製造方法、及び、このようなMG処理により得られるエネルギー貯蔵材料。MG処理工程は、前記混合物にさらに遷移金属又はその化合物を加えて混合粉砕するものが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、エネルギーガス製造方法及びエネルギーガス貯蔵材料に関し、さらに詳しくは、バイオマス、プラスチック廃材などの炭素水素酸素含有化合物から水素、メタン、一酸化炭素などのエネルギーガスを製造する方法、及び、このようなエネルギーガスを放出することが可能なエネルギーガス貯蔵材料に関する。
バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたものをいう。また、バイオ燃料とは、バイオマスの持つエネルギーを利用した燃料(例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、ジエチルエーテル、水素ガス、メタンガス、合成ガスなど)をいう。バイオ燃料の原料は、トウモロコシ、サトウキビ、食用油、木材、糞尿、おがくず、トウモロコシの茎など多岐にわたり、食料や飼料に用いることができない有機廃棄物も利用することができる。
バイオ燃料の内、アルコール状態にあるものは、ディーゼルエンジンの燃料に利用することができ、一部の国々では一般的に使用されている。また、バイオ燃料と石油燃料の合成油は、バイオマス利用燃料と呼ばれ、ガソリンの代替燃料として米国を中心にその利用が検討されている。
また、バイオマスからガス燃料又は固体燃料を得る方法についても、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、セルロースにCa(OH)2及びNi(OH)2を加えて混合粉砕し、混合粉砕物を加熱する水素発生方法が開示されている。
同文献には、このような方法により、400℃付近で水素を選択的に得ることができる点が記載されている。
また、特許文献1には、セルロースと鉄粉との混合物をミリング処理する水素の製造方法が開示されている。
同文献には、このような方法により、常温・常圧で水素を製造することができる点が記載されている。
また、特許文献2には、ヒノキ材と水酸化マグネシウムをすり鉢で混合し、混合物を窒素気流下、290℃まで加熱し、290℃で1時間保持する固体燃料の製造方法が開示されている。
同文献には、水酸化マグネシウム共存下でヒノキ材を290℃で1時間保持すると、水酸化マグネシウムによってヒノキ材に含まれるセルロースの水酸基が脱水縮合するので、発熱量の大きい固体燃料が得られる点が記載されている。
また、特許文献3には、米松と水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム又は水酸化バリウムとの混合物を乳鉢で混合し、混合物を空気中で加熱する固体燃料の製造方法が開示されている。
同文献には、米松に水酸化ナトリウムを添加して空気中で加熱すると、燃焼反応を起こさずに熱分解だけが進行し、発熱量の高い固体燃料が得られる点が記載されている。
また、特許文献4には、杉材、Ca(OH)2、及び水をオートクレーブに導入し、650℃、3〜25気圧で10分間保持する水素製造方法が開示されている。
同文献には、
(1)このような方法により得られるガスの成分は、ほとんど水素である点、及び、
(2)反応温度650℃では、バイオマスによる水の水素への変換率は、6気圧近傍で最大となる点、
が記載されている。
さらに、特許文献5には、セルロース、水、ニッケル金属触媒を加圧反応容器に入れ、容器内を350℃に加熱し(水の飽和蒸気圧:170気圧以上)、60分間保持する水素の製造方法が開示されている。
同文献には、このような方法により水素を製造することができる点、及び、金属触媒の増加に伴い水素の生成量が増加する点が記載されている。
張 其武 他、"メカノケミカル処理と加熱法を組み合わせたセルロースからの水素発生"、化学工学会第39回秋季大会講演予稿集 特開2006−312690号公報 特開2007−217467号公報 特開2008−037931号公報 特開2005−041733号公報 特開平8−059202号公報
2030年頃に石油の採掘のピークを迎え、発展途上国の経済発展により、世界的規模で石油依存のエネルギーが不足することが予測されている。そのため、数十年後には、化石資源以外からのエネルギー源の確保やその安定貯蔵が重要な課題になると考えられる。その候補の1つとして、水素をベースにしたエネルギーの積極的な利用がある。水素エネルギーは、化石資源以外からも作ることが可能であるため、その期待が大きい。
特許文献4、5に開示されているように、微粉化したバイオマス原料に水蒸気や酸素を添加し、高温高圧下で反応させると、原料がガス化し、比較的純度の高い水素ガスを得ることができる。
しかしながら、この方法は、高温高圧下で反応させる必要があるため、大規模な装置や排ガス浄化装置が必要となる。また、原料の一部を燃焼させて必要な熱を得ているので、プロセス全体の効率が低いという問題がある。さらに、反応条件によっては、タールを発生させる場合もある。
これに対し、非特許文献1に開示されているように、バイオマス原料にCa(OH)2、Ni(OH)2などの添加物を加えてメカノケミカル処理する方法は、大規模な装置を用いることなく、常圧下において比較的純度の高い水素を製造することができる。
しかしながら、相対的に多量の水素を得るには、メカノケミカル処理物を400℃程度の高温に加熱する必要がある。また、添加物の種類によっては、水素以外のガスを含む混合ガスが得られるので、用途によってはガスの分離が必要となる場合がある。バイオマス原料を初めとする各種資源を効率よく利用するためには、より低温において、より多量のエネルギーガスを選択的に取り出すことが可能な技術が望まれる。
本発明が解決しようとする課題は、より低温において、より多量のエネルギーガスを製造することが可能なエネルギーガス製造方法、及び、このようなエネルギーガスを簡単に取り出すことが可能なエネルギーガス貯蔵材料を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、単一又は複数のエネルギーガスを同時に又は選択的に製造することが可能なエネルギーガス製造方法、及び、このようなエネルギーガスを簡単に取り出すことが可能なエネルギーガス貯蔵材料を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、タールを発生させることなく、かつ、水蒸気改質を用いることなく、単一又は複数のエネルギーガスを同時に又は選択的に製造することが可能なエネルギーガス製造方法、及び、このようなエネルギーガスを簡単に取り出すことが可能なエネルギーガス貯蔵材料を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るエネルギーガス製造方法の1番目は、
炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得るMG処理工程と、
前記MG処理物を不活性雰囲気下で加熱する加熱工程と
を備えている。
前記アルカリ土類金属又はその化合物は、Caを含むものが好ましい。
また、前記MG処理工程は、前記混合物にさらに遷移金属又はその化合物を加えて混合粉砕するものが好ましい。
本発明に係るエネルギーガス製造方法の2番目は、
炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得るMG処理工程と、
前記MG処理物を不活性雰囲気下で加熱する加熱工程と
を備えている。
前記MG処理工程は、前記混合物にさらに遷移金属又はその化合物を加えて混合粉砕するものが好ましい。
本発明に係るエネルギーガス製造方法の3番目は、
炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物(水酸化物を除く)との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得るMG処理工程と、
前記MG処理物を不活性雰囲気下で加熱する加熱工程と
を備えている。
前記アルカリ土類金属又はその化合物は、Caを含むものが好ましい。
さらに、本発明に係るエネルギーガス製造方法の4番目は、
炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物と、遷移金属又はその化合物との混合物(アルカリ土類金属又はその化合物がCa(OH)2であり、遷移金属又はその化合物がNi(OH)2であるものを除く)を混合粉砕し、MG処理物を得るMG処理工程と、
前記MG処理物を不活性雰囲気下で加熱する加熱工程と
を備えている。
前記アルカリ土類金属又はその化合物は、Caを含むものが好ましい。
本発明に係るエネルギーガス貯蔵材料の1番目は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物との混合物を混合粉砕することにより得られるものからなる。
前記エネルギーガス貯蔵材料は、前記混合物にさらに遷移金属又はその化合物を加えて混合粉砕することにより得られるものが好ましい。
本発明に係るエネルギーガス貯蔵材料の2番目は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物との混合物を混合粉砕することにより得られるものからなる。
前記エネルギーガス貯蔵材料は、前記混合物にさらに遷移金属又はその化合物を加えて混合粉砕することにより得られるものが好ましい。
本発明に係るエネルギーガス貯蔵材料の3番目は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物(水酸化物を除く)との混合物を混合粉砕することにより得られるものからなる。
さらに、本発明に係るエネルギーガス貯蔵材料の4番目は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物と、遷移金属又はその化合物との混合物(アルカリ土類金属又はその化合物がCa(OH)2であり、遷移金属又はその化合物がNi(OH)2であるものを除く)を混合粉砕することにより得られるものからなる。
炭素水素酸素含有化合物を混合粉砕し、MG処理物を加熱してエネルギーガスを取り出す場合において、混合粉砕時にアルカリ金属又はその化合物、及びアルカリ土類金属又はその化合物から選ばれるいずれかひとつ以上を共存させると、単一又は複数のエネルギーガスを取り出すことができる。しかも、その際に水蒸気改質を用いる必要が無く、タールの発生を伴うこともない。
また、添加剤の種類及び添加量を最適化すると、エネルギーガス(特に、水素ガス)の発生温度を低温下させ、あるいは、複数のエネルギーガスを選択的に取り出すことができる。
さらに、混合粉砕時に遷移金属又はその化合物を共存させると、エネルギーガス(特に、水素ガス)の発生温度をさらに低温下させることができる。
以下、本発明の一実施の形態について、詳細に説明する。
[1. エネルギーガス製造方法(1)]
本発明の第1の実施の形態に係るエネルギーガス製造方法は、MG処理工程と、加熱工程とを備えている。
[1.1 MG処理工程]
MG処理工程は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物と、必要に応じて添加される遷移金属又はその化合物との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得る工程である。
[1.1.1 炭素水素酸素含有化合物]
炭素水素酸素含有化合物(以下、「CHO化合物」という)とは、C、H及びOで構成されるすべての有機化合物をいう。すなわち、CHO化合物には、再生可能な生物由来の有機資源(いわゆる、バイオマス)だけでなく、一般的にはバイオマスに分類されない有機化合物やその廃棄物なども含まれる。また、CHO化合物には、天然物やその廃棄物だけでなく、人工的に合成、抽出又は精製された有機化合物、化石燃料に由来する有機化合物やその廃棄物なども含まれる。
CHO化合物としては、具体的には、
(1)農業、畜産業、水産業又は林業で生産される生産物及びその廃棄物(例えば、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモなどの農産物及び食料用途や家畜の飼料として用いられる部分以外の植物の部分、家畜排泄物、木材及びその廃材、おがくず、落ち葉など)
(2)食品加工業、厨房などから排出される食品廃棄物(例えば、コーヒー出し殻など)、
(3)古紙、
(4)油類、脂肪類、天然高分子、合成高分子などの有機物及びその廃棄物(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)など)、
(5)下水汚泥、
などがある。
CHO化合物は、湿潤状態にあるものでも良いが、分解反応を円滑に進行させるためには、乾燥状態にあるものが好ましい。従って、湿潤状態にあるCHO化合物を出発原料に用いるときには、乾燥した後、後述するMG処理に供するのが好ましい。
[1.1.2 アルカリ金属又はその化合物]
アルカリ金属又はその化合物(以下、これらを総称して「アルカリ添加剤」という)は、CHO化合物をCO2、H2、CH4などに分解する作用があると考えられている。また、ある種のアルカリ添加剤には、さらに分解生成したCO2を炭酸塩の形で固定する作用があると考えられている。
アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)は、純金属又はアルカリ金属を含む合金の状態で用いても良く、あるいは化合物の状態で用いても良い。
アルカリ添加剤としては、例えば、
(1)アルカリ金属からなる純金属、又は、2種以上のアルカリ金属を含む合金、
(2)LiCoO2、LiNiO、LiFeO、LiMn24、K2CrO4、K3[Fe(CN)6]、K4[Fe(CN)6]、K4Nb617などのアルカリ金属を含む酸化物若しくは錯塩、
(3)LiOH、NaOH、KOHなどの水酸化物、
(4)Li2CO3、Na2CO3、K2CO3などの炭酸塩、
(5)CH3COOLi、CH3COONa、CH3COOKなどの酢酸塩、
(6)C755Li、C755Na、C755Kなどの安息香酸塩、
(7)HCOOLi、HCOONa、HCOOKなどのギ酸塩、
などがある。上述したアルカリ添加剤は、いずれか1種を用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの中でも、Li及び/又はKを含む金属、合金又は化合物は、エネルギーガス(特に、水素)の発生温度を低下させる作用が大きい。
アルカリ添加剤の添加量は、CHO化合物の種類、後述する他の添加剤の種類や量などに応じて、最適な添加量を選択する。一般に、アルカリ添加剤の添加量が少なすぎると、エネルギーガス(特に、水素ガス)の発生温度が高くなる。一方、アルカリ添加剤の添加量が多くなりすぎると、原料全体に占めるCHO化合物の割合が小さくなり、エネルギーガスの放出量が少なくなる。また、アルカリ添加剤の過剰添加は、エネルギーガスの発生温度をかえって高くする場合もある。
例えば、セルロース(C6(H2O)5)をLiOH共存下で分解させる場合において、セルロースに含まれる炭素をすべてLi2CO3に変換するには、1モルのセルロースに対して12モルのLiOHが必要となる。換言すれば、CHO化合物に含まれる1モルの炭素に対して、2モルのLiが必要となる。しかしながら、CHO化合物に含まれる炭素のすべてを炭酸塩に誘導固定する必要はなく、用途により部分的に可燃性ガスであるCOとして取り出しても良い。また、後述するアルカリ土類金属又はその化合物にも炭酸塩を固定する作用を持つものがあるので、CHO化合物に含まれる炭素のすべてをアルカリ金属炭酸塩として固定する必要もない。
CHO化合物から効率よくエネルギーガス(特に、水素ガス)を取り出すためには、アルカリ添加剤の添加量は、CHO化合物に含まれる炭素1モル当たり0.5〜2モルとするのが好ましい。
[1.1.3 アルカリ土類金属又はその化合物]
アルカリ土類金属又はその化合物(以下、これらを総称して「アルカリ土類添加剤」という)は、アルカリ添加剤と同様に、CHO化合物をCO2、H2、CH4などに分解する作用があると考えられている。また、ある種のアルカリ土類添加剤には、さらに分解生成したCO2を炭酸塩の形で固定する作用があると考えられている。
アルカリ土類金属(Be、Mg、Ca、Sr、Ba)は、純金属又はアルカリ土類金属を含む合金の状態で添加しても良く、あるいは化合物の状態で添加しても良い。
アルカリ土類添加剤としては、例えば、
(1)アルカリ土類金属からなる純金属、又は、2種以上のアルカリ土類金属の合金、
(2)Mg−Zn、Mg−Ce、Ca−Znなどのアルカリ土類金属と他の金属との合金、
(3)Mg(OH)2、Ca(OH)2、Ba(OH)2などの水酸化物、
(4)MgCO3、CaCO3、BaCO3などの炭酸塩、
(5)(CH3COO)2Mg、(CH3COO)2Ca、(CH3COO)2Baなどの酢酸塩、
(6)MgO、CaO、BaOなどの酸化物、
(7)MgC24、CaC24、BaC24などのシュウ酸塩、
(8)(HCOO)2Mg、(HCOO)2Ca、(HCOO)2Baなどのギ酸塩、
などがある。上述したアルカリ土類添加剤は、いずれか1種を用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの中でも、Caを含む金属、合金、又は化合物は、水素ガスと他のエネルギーガス(CO、CH4など)の発生温度を分離させ、水素ガスを選択的に取り出すのを容易化する作用がある。
アルカリ土類添加剤の添加量は、CHO化合物の種類、他の添加剤の種類や量などに応じて、最適な添加量を選択する。一般に、アルカリ土類添加剤の添加量が少なすぎると、エネルギーガス(特に、水素ガス)の発生温度が高くなる。一方、アルカリ土類添加剤の添加量が多くなりすぎると、原料全体に占めるCHO化合物の割合が小さくなり、エネルギーガスの放出量が少なくなる。また、アルカリ土類添加剤の過剰添加は、エネルギーガスの発生温度をかえって高くする場合もある。
例えば、セルロース(C6(H2O)5)をCa(OH)2共存下で分解させる場合において、セルロースに含まれる炭素をすべてCaCO3に変換するには、1モルのセルロースに対して6モルのCa(OH)2が必要となる。換言すれば、CHO化合物に含まれる1モルの炭素に対して、1モルのCaが必要となる。しかしながら、CHO化合物に含まれる炭素のすべてを炭酸塩に誘導固定する必要はなく、用途により部分的に可燃性ガスであるCOとして取り出しても良い。また、前述したアルカリ添加剤にも炭酸塩を固定する作用を持つものがあるので、CHO化合物に含まれる炭素のすべてをアルカリ土類金属炭酸塩として固定する必要もない。
CHO化合物から効率よくエネルギーガス(特に、水素ガス)を取り出すためには、アルカリ土類添加剤の添加量は、CHO化合物に含まれる炭素1モル当たり0.25〜1モルとするのが好ましい。
[1.1.4 遷移金属又はその化合物]
遷移金属又はその化合物(以下、これらを総称して「遷移金属添加剤」という)は、CHO化合物を分解して各種エネルギーガスを発生させる反応に対する触媒的機能を有すると考えられている。従って、遷移金属添加剤は、必ずしも必要ではないが、アルカリ添加剤及び/又はアルカリ土類添加剤と併用すると、各種エネルギーガスの発生を促進させることができる。
本発明において、「遷移金属」とは、第3〜11族元素(21Sc〜29Cu、39Y〜47Ag、57La〜79Au、89Ac〜111Rg)をいう。遷移金属は、金属又は合金の状態で添加しても良く、あるいは、化合物の状態で添加してもよい。
遷移金属添加剤は、第1遷移元素(21Sc〜29Cu)を含むものが好ましい。また、第1遷移元素の中でも、Mn、Fe、Co、Ni及びCuのいずれか1以上の元素を含む金属、合金又は化合物は、触媒的機能が高い。特に、Ni化合物は、CHO化合物中にナノレベルの状態で高分散しやすいので、添加剤として特に好適である。
遷移金属添加剤としては、具体的には、
(1)Ni、Ni−Cu、Ni−Fe、Ni−Mo、Ni−Cr、Ni−Cr−Fe、Ni−Mo−Cr、Ni−Si、Fe−Ni−Co、Ni−Zn、Ni−Tiなどの金属、又は合金、
(2)酢酸ニッケル((CH3COO)2Ni)、酢酸コバルト(II)((CH3COO)2Co)、酢酸銅(II)((CH3COO)2Cu)、酢酸鉄(II)(C46FeO4)、酢酸銅(I)(C23CuO2)などの酢酸塩、
(3)臭化ニッケル(II)(NiBr2)、臭化コバルト(II)(CoBr2)、臭化銅(CuBr、CuBr2)、臭化鉄(II)無水(FeBr2)などのハロゲン化物、
(4)ギ酸ニッケル(II)((HCOO)2Ni)、ギ酸銅(II)((HCOO)2Cu)などのギ酸塩、
(5)乳酸ニッケル(C610NiO6)、乳酸鉄(II)(Fe(CH3CHOHCOO)2)などの乳酸塩、
(6)シュウ酸ニッケル(NiC24)、シュウ酸鉄(FeC24)、シュウ酸銅(CuC24)などのシュウ酸塩、
(7)水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、水酸化銅(II)(Cu(OH)2)、水酸化コバルト(Co(OH)2)などの水酸化物、
(8)酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(Fe34)、酸化銅(CuO)、酸化コバルト(CoO)などの酸化物、
(9)炭酸ニッケル(NiCO3)、炭酸コバルト(CoCO3)などの炭酸塩、
などがある。
上述した各種の遷移金属添加剤は、いずれか1種を用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
遷移金属添加剤の添加量は、CHO化合物の種類、他の添加剤の種類や量などに応じて、最適な添加量を選択する。一般に、遷移金属添加剤の添加量が少なすぎると、十分な触媒的機能が得られない。一方、遷移金属添加剤の添加量が多くなりすぎると、原料全体に占めるCHO化合物の割合が小さくなり、エネルギーガスの放出量が少なくなる。
次の(1)式及び(2)式に、遷移金属添加剤の一種であるNi(OH)2共存下におけるセルロース(C6(H2O)5)の分解反応の一例を示す。
6(H2O)5+6Ca(OH)2+0.5Ni(OH)2
11.5H2+6CaCO3+0.5Ni ・・・(1)
6(H2O)5+12LiOH+Ni(OH)2
6Li2CO3+Ni+H2O+11H2 ・・・(2)
遷移金属添加剤共存下における水素発生機構の詳細は不明であるが、セルロース(C6(H2O)5)の分解反応が(1)式に従って進むと仮定すると、1モルのセルロースに対して0.5モルのNi(OH)2が必要となる。また、セルロース(C6(H2O)5)の分解反応が(2)式に従って進むと仮定すると、1モルのセルロースに対して1モルのNi(OH)2が必要となる。
しかしながら、CHO化合物に含まれる炭素のすべてを炭酸塩に誘導固定する必要はなく、用途により部分的に可燃性ガスであるCOとして取り出しても良い。また、遷移金属化合物だけでなく、金属状態の遷移金属又はその合金であっても、CHO化合物の分解反応に対する触媒的機能を持つ。
CHO化合物から効率よくエネルギーガス(特に、水素ガス)を取り出すためには、遷移金属添加剤の添加量は、CHO化合物に含まれる炭素1モル当たり0.02〜1モルとするのが好ましい。
[1.1.5 MG処理]
MG処理とは、CHO化合物と各種添加剤との混合物を機械的に混合粉砕(Mechanical Grinding)することをいう。混合粉砕方法は、特に限定されるものではなく、各種の固体原料を粉体にする粉砕方法を用いることができる。混合粉砕方法としては、具体的には、遊星ボールミル、振動ボールミル、回転ボールミルなどの各種粉砕機を用いて原料を混合粉砕する方法がある。
MG処理は、少なくともCHO化合物以外の添加剤が数十nm以下に高分散された状態となるまで行うのが好ましい。さらに、MG処理は、CHO化合物と他の添加剤の双方が数十nm以下に高分散された状態となるまで行うのが好ましい。
一般に、粉砕時に原料に加えられるエネルギー(例えば、加速度、粉砕時間など)が大きくなるほど、微細に粉砕された原料が均一に混合されたMG処理物が得られるので、メカノケミカル反応が進行しやすくなる。
MG処理条件は、原料混合物の組成に応じて最適なものを選択する。
例えば、混合物が遷移金属添加剤を含まない場合、相対的にエネルギーの弱いMG処理であっても十分な効果が得られる。これは、アルカリ添加剤及びアルカリ土類添加剤が、主としてCHO化合物中の炭素を炭酸塩として固定する作用を有しているためと考えられる。
この場合、MG処理は、CHO原料及び各種添加剤の大きさが50nm以下となるように行うのが好ましい。CHO原料及び各種添加剤の大きさは、小さいほど良く、互いが高分散していることが望ましい。
例えば、遊星ボールミルを用いてMG処理を行う場合において、遷移金属添加剤を含まないときには、加速度は、3G以上が好ましい。加速度は、さらに好ましくは、5G以上である。
また、回転数は、200rpm以上が好ましい。回転数は、さらに好ましくは、400rpm以上である。
さらに、粉砕時間は、0.5hr以上が好ましい。粉砕時間は、さらに好ましくは、1hr以上である。
一方、原料に遷移金属添加剤を添加する場合、相対的にエネルギーの強いMG処理を行い、遷移金属添加剤をCHO化合物中にできるだけ均一かつ微細に分散させるのが好ましい。これは、遷移金属添加剤がCHO化合物の分解反応に対する触媒的機能を有しているためと考えられる。
この場合、MG処理は、CHO原料及び各種添加剤の大きさが50nm以下となるだけでなく、遷移金属添加剤の大きさが10nm以下となるように行うのが好ましい。遷移金属添加剤の大きさは、さらに好ましくは5nm以下である。
特に、MG処理物をTEM観察したときに、遷移金属添加剤が確認できない程度まで、強混合粉砕を行うのが好ましい。換言すれば、遷移金属添加剤の大きさが5nm以下となるまでMG処理を行うのが好ましい。遷移金属添加剤として遷移金属の化合物(特に、水酸化物)を用いると、このような均一・微細な分散がさらに容易化する。
例えば、遊星ボールミルを用いてMG処理を行う場合において、遷移金属添加剤を含むときには、加速度は、5G以上が好ましい。加速度は、さらに好ましくは、8G以上である。
また、回転数は、400rpm以上が好ましい。回転数は、さらに好ましくは、700rpm以上である。
さらに、粉砕時間は、2hr以上が好ましい。粉砕時間は、さらに好ましくは、5hr以上である。
[1.2 加熱工程]
加熱工程は、MG処理工程で得られたMG処理物を不活性雰囲気下で加熱する工程である。
加熱は、MG処理物に含まれる可燃性ガスを容易に取り出しやすくする(高効率にガスを収集する)ために、不活性雰囲気下(例えば、Ar中、N2中など)で行う。
加熱温度は、MG処理物の組成やMG処理条件に応じて最適な温度を選択する。また、アルカリ土類添加剤として、Caを含むものを用いたときには、異なるエネルギーガスが、それぞれ異なる温度で発生しやすい。そのため、加熱温度を段階的に変化させると、比較的純度の高いガスを分離して取り出すことができる。
なお、本発明において「エネルギーガス」とは、H2、CH4、COなどのC、H又はOを含む可燃性ガスをいう。
[2. エネルギーガス製造方法(2)]
本発明の第2の実施の形態に係るエネルギーガス製造方法は、MG処理工程と、加熱工程とを備えている。
[2.1 MG処理工程]
MG処理工程は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物と、必要に応じて添加される遷移金属又はその化合物との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得る工程である。
本実施の形態において、添加剤として、アルカリ土類金属又はその化合物(アルカリ土類添加剤)を用いない。この点が第1の実施の形態とは異なる。
[2.1.1 炭素水素酸素含有化合物(CHO化合物)]
CHO化合物の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[2.1.2 アルカリ金属又はその化合物(アルカリ添加剤)]
アルカリ添加剤は、特に限定されるものではないが、特に、Li及び/又はKを含む金属、合金又は化合物が好ましい。これらは、エネルギーガス(特に、水素)の発生温度を低下させる作用が大きい。
アルカリ添加剤に関するその他の点は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[2.1.2 遷移金属又はその化合物(遷移金属添加剤)]
遷移金属添加剤は、必要に応じて添加することができる。アルカリ添加剤のみでもCHO化合物から可燃性ガスを分離する作用はあるが、アルカリ金属添加剤と遷移金属添加剤とを共存させると、CHO化合物から可燃性ガスを分離する作用がさらに促進される。
遷移金属添加剤は、特に限定されるものではないが、特に、第1遷移元素(21Sc〜29Cu)を含むものが好ましい。また、第1遷移元素の中でも、Mn、Fe、Co、Ni及びCuのいずれか1以上の元素を含む金属、合金又は化合物は、触媒的機能が高い。特に、Ni化合物は、CHO化合物中にナノレベルの状態で高分散しやすいので、添加剤として特に好適である。
遷移金属添加剤に関するその他の点は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[2.1.3 MG処理]
MG処理の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[2.2 加熱工程]
加熱工程は、MG処理工程で得られたMG処理物を不活性雰囲気下で加熱する工程である。
加熱工程の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[3. エネルギーガス製造方法(3)]
本発明の第3の実施の形態に係るエネルギーガス製造方法は、MG処理工程と、加熱工程とを備えている。
[3.1 MG処理工程]
MG処理工程は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物(水酸化物を除く)との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得る工程である。
本実施の形態において、添加剤として、アルカリ土類金属又はその化合物(但し、水酸化物を除く)のみを用いる。この点が第1の実施の形態と異なる。
[3.1.1 炭素酸素水素含有化合物(CHO化合物)]
CHO化合物の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[3.1.2 アルカリ土類金属又はその化合物(アルカリ土類添加剤)]
アルカリ土類添加剤は、水酸化物以外であれば良い。また、水酸化物を除くアルカリ土類添加剤の中でも、Caを含むものが好ましい。これらは、水素ガスと他のエネルギーガス(CO、CH4など)の発生温度を分離させ、水素ガスを選択的に取り出すのを容易化する作用がある。
アルカリ土類添加剤に関するその他の点は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[3.1.2 MG処理]
MG処理の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[3.2 加熱工程]
加熱工程は、MG処理工程で得られたMG処理物を不活性雰囲気下で加熱する工程である。
加熱工程の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[4. エネルギーガス製造方法(4)]
本発明の第4の実施の形態に係るエネルギーガス製造方法は、MG処理工程と、加熱工程とを備えている。
[4.1 MG処理工程]
MG処理工程は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物と、遷移金属又はその化合物との混合物(アルカリ土類金属又はその化合物がCa(OH)2であり、遷移金属又はその化合物がNi(OH)2であるものを除く)を混合粉砕し、MG処理物を得る工程である。
本実施の形態において、添加剤として、アルカリ金属又はその化合物(アルカリ添加剤)を用いない。この点が、第1の実施の形態と異なる。
[4.1.1 炭素酸素水素含有化合物(CHO化合物)]
CHO化合物の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[4.1.2 アルカリ土類金属又はその化合物(アルカリ土類添加剤)]
アルカリ土類添加剤は、特に限定されるものではないが、Ca及びその化合物が好ましい。これらは、水素ガスと他のエネルギーガス(CO、CH4など)の発生温度を分離させ、水素ガスを選択的に取り出すのを容易化する作用がある。
なお、後述する遷移金属添加剤がNi(OH)2である場合、アルカリ土類添加剤とは、Ca(OH)2以外のものを言う。
アルカリ土類添加剤に関するその他の点は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[4.1.3 遷移金属又はその化合物(遷移金属添加剤)]
遷移金属添加剤は、特に限定されるものではないが、特に、第1遷移元素(21Sc〜29Cu)を含むものが好ましい。また、第1遷移元素の中でも、Mn、Fe、Co、Ni及びCuのいずれか1以上の元素を含む金属、合金又は化合物は、触媒的機能が高い。特に、Ni化合物は、CHO化合物中にナノレベルの状態で高分散しやすいので、添加剤として特に好適である。
なお、前述したアルカリ土類添加剤がCa(OH)2である場合、遷移金属添加剤とは、Ni(OH)2以外のものを言う。
遷移金属添加剤に関するその他の点は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[4.1.4 MG処理]
MG処理の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[4.2 加熱工程]
加熱工程は、MG処理工程で得られたMG処理物を不活性雰囲気下で加熱する工程である。
加熱工程の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
[5. エネルギーガス貯蔵材料(1)]
本発明の第1の実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物と、必要に応じて添加される遷移金属又はその化合物との混合物を混合粉砕(MG処理)することにより得られるものからなる。
混合物に遷移金属添加剤が含まれる場合、これらは、CHO化合物中に均一かつ微細に分散しているのが好ましい。具体的には、MG処理物に含まれる遷移金属添加剤の大きさは、5nm以下が好ましい。このようなMG処理物は、原料混合物を強混合粉砕することにより得られる。また、遷移金属添加剤として遷移金属の化合物(特に、水酸化物)を用いると、このような均一・微細な分散がさらに容易化する。
このようなMG処理物を不活性雰囲気下で加熱すると、CHO化合物や添加剤の種類、組成等に応じて種々の温度で種々のエネルギーガスが生成する。
特に、アルカリ金属添加剤として、Li及び/又はKを含むものを用いると、より低温においてエネルギーガス(特に、水素ガス)を取り出すことが可能となる。
また、アルカリ土類添加剤としてCaを含むものを用いると、各エネルギーガスがそれぞれ異なる温度で発生する。そのため、より低温においてエネルギーガスを取り出すことができるだけでなく、エネルギーガスを分離して取り出すのが容易化する。さらに、ある特定の温度である特定のエネルギーガスを放出した後、残渣をさらに高い温度で加熱すると、別のエネルギーガスを放出させることができる。また、履歴の異なる2種以上の残渣をさらに混合し、所定の温度に加熱しても良い。
さらに、遷移金属添加剤は、CHO化合物の分解反応に対する触媒的機能を有しているので、これらを添加したときには、これらを含まないMG処理物に比べて、より低温でエネルギーガス(特に、水素ガス)を取り出すことができる。
CHO化合物、アルカリ添加剤、アルカリ土類添加剤、遷移金属添加剤、及びMG処理に関するその他の点は、上述した通りであるので、説明を省略する。
[6. エネルギーガス貯蔵材料(2)]
本発明の第2の実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物と、必要に応じて添加される遷移金属又はその化合物との混合物を混合粉砕(MG処理)することにより得られる。
混合物に遷移金属添加剤が含まれる場合、これらは、CHO化合物中に均一かつ微細に分散しているのが好ましい。具体的には、MG処理物に含まれる遷移金属添加剤の大きさは、5nm以下が好ましい。このようなMG処理物は、原料混合物を強混合粉砕することにより得られる。また、遷移金属添加剤として遷移金属の化合物(特に、水酸化物)を用いると、このような均一・微細な分散がさらに容易化する。
本実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料に関するその他の点は、第1の実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料と同様であるので、説明を省略する。
[7. エネルギーガス貯蔵材料(3)]
本発明の第3の実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物(水酸化物を除く)との混合物を混合粉砕(MG処理)することにより得られる。
本実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料に関するその他の点は、第1の実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料と同様であるので、説明を省略する。
[8. エネルギーガス貯蔵材料(4)]
本発明の第4の実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料は、炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物と、遷移金属又はその化合物との混合物(アルカリ土類金属又はその化合物がCa(OH)2であり、遷移金属又はその化合物がNi(OH)2であるものを除く)を混合粉砕(MG処理)することにより得られる。
遷移金属添加剤は、CHO化合物中に均一かつ微細に分散しているのが好ましい。具体的には、MG処理物に含まれる遷移金属添加剤の大きさは、5nm以下が好ましい。このようなMG処理物は、原料混合物を強混合粉砕することにより得られる。また、遷移金属添加剤として遷移金属の化合物(特に、水酸化物)を用いると、このような均一・微細な分散がさらに容易化する。
本実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料に関するその他の点は、第1の実施の形態に係るエネルギーガス貯蔵材料と同様であるので、説明を省略する。
[9. エネルギーガス製造方法及びエネルギーガス貯蔵材料の作用]
CHO化合物をMG処理し、MG処理物を加熱してエネルギーガスを取り出す場合において、MG処理時にアルカリ添加剤、及びアルカリ土類添加剤から選ばれるいずれかひとつ以上を共存させると、MG処理物を単に加熱するだけで、単一又は複数のエネルギーガスを取り出すことができる。しかも、その際に高エネルギー、高価な装置等を必要とする水蒸気改質を用いる必要がなく、タールの発生を伴うこともない。
これは、
(1)アルカリ添加剤及び/又はアルカリ土類添加剤がCHO化合物に含まれる炭素を炭酸塩として固定し、これと同時にCHO化合物の分解が起こり、可燃性ガスであるH2、CH4、COなどが生成するため、
(2)アルカリ添加剤及びアルカリ土類添加剤は強塩基であるため、その潮解性により空気中の二酸化炭素と反応して炭酸塩を作り、その際に溶解熱が発生し、CHO化合物の分解反応を促進させるため、あるいは、
(3)強塩基がCHO化合物(特に、タンパク質)を溶かし、CHO化合物の分子内の水素結合を切断し、あるいは、分子内の水素結合の位置を変え(変性)、これによってCHO化合物の分解反応が促進されるため、
と考えられる。
また、添加剤の種類及び添加量を最適化すると、エネルギーガス(特に、水素ガス)の発生温度を低温下させ、あるいは、複数のエネルギーガスを選択的に取り出すことができる。特に、アルカリ土類添加剤の中でも、Caを含むものは、H2ガスをより低温で発生させ、COガスやCO2ガスをより高温で発生させる作用がある。そのため、混合物にCa系添加剤を添加すると、単に加熱するだけで比較的高純度のH2ガスを取り出すことができる。
さらに、MG処理時に遷移金属添加剤を共存させると、エネルギーガス(特に、水素ガス)の発生温度をさらに低温下させることができる。これは、遷移金属添加剤に、CHO化合物の分解反応に対する触媒的機能があるためと考えられる。
例えば、CHO化合物に対して、LiOH、Ca(OH)2及びNi(OH)2を添加してMG処理すると、Ca(OH)2及びNi(OH)2のみを添加した場合に比べて、水素発生開始温度を100〜150℃低下させることができる。具体的には、200℃前後の極めて低温の熱源でH2、CH4の取り出しが可能となる。
また、アルカリ添加剤として、K又はその化合物を用いると、遷移金属添加剤を用いなくても、水素発生開始温度を200℃前後まで低下させることができる。
(実施例1、比較例1〜6)
[1. 試料の作製]
セルロース、LiOH、Ca(OH)2及びNi(OH)2を、モル比で1/3/3/1となるように配合し、遊星ボールミルでMG処理した(実施例1)。MG処理は、フリッチェ製遊星ボールミル装置P5を用いて、回転数400rpmで8時間行った。
同様に、セルロース、Ca(OH)2及びNi(OH)2を、モル比で1/6/1となるように配合し、遊星ボールミルでMG処理した(比較例1)。MG処理条件は、実施例1と同一とした。
さらに、セルロース/Ca(OH)2混合物(モル比=1/6、比較例2)、Ca(OH)2のみ(比較例3)、Ca(OH)2/Ni(OH)2混合物(モル比=6/1、比較例4)、LiOH/Ca(OH)2混合物(モル比=1/1、比較例5)、及び、LiOH/Ca(OH)2/Ni(OH)2混合物(モル比=3/3/1、比較例6)についても、実施例1と同一条件下でMG処理を行った。
[2. 試験方法]
[2.1 質量分析]
質量分析装置を用いてMG処理物を加熱し、発生ガスの定性分析を行った。質量分析は、(株)大倉理研製の自動昇温脱離分析装置(TP−5000、RG−102P)を用いて、MS計測条件と自動シーケンス条件を設定し、自動測定により行った。
[2.2 TEM観察及びXRD]
加熱前後のMG処理物のTEM観察とXRD(X線回折)を行った。
[3. 結果]
図1(a)及び図1(b)に、それぞれ、実施例1のMG処理物及び比較例1のMG処理物のマススペクトルを示す。
図1より、
(1)Ca(OH)2を添加した実施例1及び比較例1のいずれも、温度の上昇に伴い、H2、CO、及びCO2の順にガスが発生し、CH4はH2とほぼ同一の温度で発生する、
(2)実施例1のMG処理物のH2発生開始温度、CH4発生開始温度、CO発生開始温度、及びCO2発生開始温度は、いずれも、比較例1に比べて100〜200℃低くなる、
(3)実施例1のMG処理物のH2発生開始温度は、約200℃である、
ことがわかる。
図2(a)〜(e)に、それぞれ、比較例2〜6のMG処理物のマススペクトルを示す。セルロース/Ca(OH)2混合物を加熱すると、図2(a)に示すように、100〜300℃で徐々にH2Oが発生し、約400℃で急激にH2Oが発生する。前者は、セルロースの脱水に対応すると考えられる。一方、後者は、図2(b)に示すように、Ca(OH)2の脱水に対応すると考えられる。
Ca(OH)2に対してNi(OH)2又はLiOHのいずれか一方を添加すると、図2(c)及び図2(d)に示すように、2つのH2O発生ピークが現れる。低温側のピークはNi(OH)2又はLiOHの脱水に対応すると考えられる。また、高温側のピークは、Ca(OH)2の脱水に対応すると考えられる。
また、Ca(OH)2にNi(OH)2及びLiOHの双方を添加すると、図2(e)に示すように、約200℃、約300℃、及び600〜700℃にH2O発生ピークが現れる。これらのピークは、それぞれNi(OH)2、LiOH、及びCa(OH)2の脱水に対応すると考えられる。
図2より、2種以上の水酸化物の混合物をMG処理し、加熱すると、単一の水酸化物のMG処理物に比べて、H2O発生ピークが低温側又は高温側にシフトしたり、あるいは、マススペクトル形状が変化する場合があることがわかる。
セルロースにCa(OH)2のみを添加したMG処理物であっても、加熱により水素が発生するが、図2(a)に示すように、その水素発生量は相対的に少ない。
一方、セルロースにCa(OH)2/Ni(OH)2を添加すると、図1(b)に示すように、約400℃に明瞭な水素の発生ピークが現れる。しかも、Ca(OH)2/Ni(OH)2のみを加熱した場合(図2(c))に比べて、H2Oのマススペクトルが著しく変化し、100〜200℃におけるH2O発生量が増大する。これは、Ni(OH)2がセルロースの分解反応に対する触媒として機能しているためと考えられる。
さらに、セルロースにLiOH/Ca(OH)2/Ni(OH)2を添加すると、図1(a)に示すように、約300℃に水素の発生ピークが現れる。しかも、LiOH/Ca(OH)2/Ni(OH)2のみを加熱した場合(図2(e))に比べて、H2Oのマススペクトルが著しく変化し、100〜200℃におけるH2O発生量が増大する。これは、Ca(OH)2及びNi(OH)2に加えて、さらにLiOHを共存させることによって、セルロースの分解反応がさらに促進されたためと考えられる。
図3(a)に、比較例1で得られたMG処理物の加熱前のTEM写真を示す。また、図3(b)に、比較例1で得られたMG処理物の加熱後(加熱温度:500℃)のTEM写真を示す。
図3より、
(1)MG処理後において、セルロースは非晶質(図示はしないが、XRDで確認)となり、Ni(OH)2は非晶質セルロース内に分散しており、Ca(OH)2は非晶質セルロースの周囲に分散している、
(2)非晶質セルロース内に分散しているNi(OH)2は、TEMで観察できないほど高度に分散しており、その大きさは5nm以下である、
(3)MG処理物を加熱すると、セルロースは完全に消失し、CaCO3(一部、CaOを含む)内に約5nmのNiナノ粒子が分散した状態となる、
ことがわかる。
なお、図示はしないが、実施例1で得られた加熱前後のMG処理物も比較例1とほぼ同様の状態であった。
(実施例2、3)
[1. 試料の作製]
セルロース/LiOH/Ca(OH)2/Ni(OH)2のモル比を1/1/1/1(実施例2)又は1/6/6/1(実施例3)とした以外は、実施例1と同様の手順に従い、MG処理を行った。
[2. 試験方法]
得られたMG処理物について、実施例1と同様の手順に従い、加熱時に発生するガスの定性分析を行った。
[3. 結果]
図4に、水素のみのマススペクトルを示す。なお、図4には、実施例1で得られたMG処理物(モル比=1/3/3/1)の結果も併せて示した。
図4より、
(1)モル比によらず、いずれのMG処理物も、約300℃に水素の発生ピークがある、
(2)LiOH及びCa(OH)2のモル比が小さくなるほど、水素のピーク強度が増大する、
ことがわかる。
(実施例4〜7)
[1. 試料の作製]
セルロース/アルカリ金属化合物/Ca(OH)2/Ni(OH)2をモル比で1/3/3/1となるように配合し、遊星ボールミルでMG処理した。MG処理条件は、実施例1と同一とした。アルカリ金属化合物には、CH3COOLi(実施例4)、Li2CO3(実施例5)、NaOH(実施例6)、又は、KOH(実施例7)を用いた。
[2. 試験方法]
得られたMG処理物について、実施例1と同様の手順に従い、加熱時に発生するガスの定性分析を行った。
[3. 結果]
図5及び図6に、各種アルカリ金属化合物を含むMG処理物の水素及びメタンのマススペクトルを示す。なお、図5及び図6には、実施例1で得られたMG処理物(アルカリ金属化合物=LiOH)の結果も併せて示した。
図5及び図6より、
(1)アルカリ金属化合物の種類によらず、300℃前後においてMG処理物から水素及びメタンを発生させることができる、
(2)水素及びメタンの発生能は、K>Li>Naの順となる、
(3)水素の発生能は、LiOH>CH3COOLi>Li2CO3の順となる、
(4)メタンの発生能は、CH3COOLi>LiOH>Li2CO3の順となる、
ことがわかる。
(実施例8〜10)
[1. 試料の作製]
セルロース/Ca化合物/Ni(OH)2をモル比で1/6/1となるように配合し、遊星ボールミルでMG処理した。MG処理条件は、実施例1と同一とした。Ca化合物には、(CH3COO)2Ca(実施例8)、CaO(実施例9)、又は、CaCO3(実施例10)を用いた。
[2. 試験方法]
得られたMG処理物について、実施例1と同様の手順に従い、加熱時に発生するガスの定性分析を行った。
[3. 結果]
図7に、各種Ca化合物を含むMG処理物の水素及びメタンのマススペクトルを示す。なお、図7には、比較例1で得られたMG処理物(Ca化合物=Ca(OH)2)の結果も併せて示した。
図7より、
(1)Ca化合物の種類によらず、400℃前後においてMG処理物から水素及びメタンを発生させることができる、
(2)水素の発生能は、(CH3COO)2Ca≒Ca(OH)2>CaO>CaCO3の順となる、
(3)メタンの発生能は、CaO≒Ca(OH)2>(CH3COO)2Ca>CaCO3の順となる、
ことがわかる。
(実施例11〜18)
[1. 試料の作製]
セルロース/Ca(OH)2/遷移金属添加剤をモル比で1/6/1となるように配合し、遊星ボールミルでMG処理した。MG処理条件は、実施例1と同一とした。遷移金属添加剤には、Ni(NO3)2(実施例11)、(CH3COO)2Ni(実施例12)、NiCl2(実施例13)、(HCOO)2Ni(実施例14)、NiBr2(実施例15)、PtLiCoO2(実施例16)、Co(OH)2(実施例17)、又は、Cu(OH)2(実施例18)を用いた。
[2. 試験方法]
得られたMG処理物について、実施例1と同様の手順に従い、加熱時に発生するガスの定性分析を行った。
[3. 結果]
図8〜11に、各種遷移金属添加剤を含むMG処理物のマススペクトルを示す。なお、図8〜10には、比較例1で得られたMG処理物(遷移金属添加剤=Ni(OH)2)の結果も併せて示した。
図8〜11より、
(1)遷移金属添加剤の種類によらず、400℃前後においてMG処理物から水素及びメタンを発生させることができる、
(2)水素及びメタンの発生能は、特にNi化合物が大きい、
ことがわかる。
(実施例19、比較例7)
[1. 試料の作製]
PE(ポリエチレン)/Ca(OH)2/Ni(OH)2をモル比で6/6/1、6/9/1、又は、6/11/1となるように配合し、遊星ボールミルでMG処理した(比較例7)。
同様に、PVC(ポリ塩化ビニル)/CaO/Ni(OH)2をモル比で1/3/0.1、1/3/0.5、1/3/1、又は、1/3/2となるように配合し、遊星ボールミルでMG処理した(実施例19)。
[2. 試験方法]
得られたMG処理物について、実施例1と同様の手順に従い、加熱時に発生するガスの定性分析を行った。
[3. 結果]
図12及び図13に、各MG処理物のマススペクトルを示す。
図12及び図13より、セルロースに代えてPE又はPVCを用いた場合であっても、Ca(OH)2又はCaOとNi(OH)2を添加したMG処理物から、水素、CH4、COなどのエネルギーガスを選択的に取り出すことができることがわかる。
(実施例20〜21)
[1. 試料の作製]
セルロース/LiOH/Ca(OH)2をモル比で1/3/3となるように配合し、遊星ボールミルでMG処理した(実施例20)。同様に、セルロース/KOH/Ca(OH)2をモル比で1/3/3となるように配合し、MG処理した(実施例21)。MG処理条件は、実施例1と同一とした。
[2. 試験方法]
得られたMG処理物について、実施例1と同様の手順に従い、加熱時に発生するガスの定性分析を行った。
[3. 結果]
図14に、各MG処理物のマススペクトルを示す。
図14より、
(1)LiOH又はKOHとCa(OH)2とを共存させると、遷移金属化合物を添加しなくても、水素やCOなどのエネルギーガスを選択的に取りだすことができる、
(2)アルカリ金属化合物としてKOHを用いると、遷移金属化合物を添加しなくても、水素発生開始温度を200℃未満にすることができる、
ことがわかる。
(実施例22〜24)
[1. 試料の作製]
セルロース/LiOH/Ca(OH)2のモル比を1/1/1(実施例22)、2/1/1(実施例23)、又は、4/1/1(実施例24)とした以外は、実施例20と同一条件下で、MG処理を行った。
[2. 試験方法]
得られたMG処理物について、実施例1と同様の手順に従い、加熱時に発生するガスの定性分析を行った。
[3. 結果]
図15(a)、図15(b)及び図16に、それぞれ、各MG処理物の水素、メタン及びCOのマススペクトルを示す。
図15及び図16より、
(1)モル比によらず、いずれのMG処理物も、250〜550℃の温度範囲で水素及びメタンが発生する、
(2)モル比によらず、いずれのMG処理物も、550〜750℃の温度範囲でCOが発生する、
ことがわかる。
(実施例25〜28)
[1. 試料の作製]
セルロース/LiOH/Ni(OH)2の配合比を1/1/1(実施例25)、1/3/1(実施例26)、1/6/1(実施例27)、又は、1/12/1(実施例28)とした以外は、実施例1と同様の手順に従い、MG処理を行った。
[2. 試験方法]
得られたMG処理物について、実施例1と同様の手順に従い、加熱時に発生するガスの定性分析を行った。
[3. 結果]
図17及び図18に、実施例25〜28で得られたMG処理物のマススペクトルを示す。
図17及び図18より、
(1)セルロースに対してLiOH及びNi(OH)2のみを添加しても、水素が発生する、
(2)LiOH配合比が多くなるほど、水素発生のピーク温度が上昇する、
ことがわかる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るエネルギーガス製造方法は、可燃性ガス、燃料電池に供給する燃料ガスなどの各種のエネルギーガスを製造する方法として使用することができる。
また、本発明に係るエネルギーガス貯蔵材料は、各種エネルギーガスを簡便な方法により取り出すための材料として用いることができる。
図1(a)及び図1(b)は、それぞれ、セルロース/LiOH/CaCO3/Ni(OH)2からなるMG処理物(実施例1)及びセルロース/Ca(OH)2/Ni(OH)2からなるMG処理物(比較例1)のマススペクトルである。 図2(a)〜(e)は、それぞれ、比較例2〜6のMG処理物のマススペクトルである。 図3(a)は、比較例1で得られたMG処理物の加熱前のTEM写真であり、図3(b)は、比較例1で得られたMG処理物の加熱後(加熱温度:500℃)のTEM写真である。 モル比の異なるMG処理物(実施例1〜3)の水素のマススペクトルである。 図5(a)及び図5(b)は、それぞれ、各種Li化合物を含むMG処理物の水素及びメタンのマススペクトルである。 図6(a)及び図6(b)は、それぞれ、各種アルカリ金属化合物を含むMG処理物の水素及びメタンのマススペクトルである。 図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、各種Ca化合物を含むMG処理物の水素及びメタンのマススペクトルである。 各種Ni化合物を含むMG処理物の水素のマススペクトルである。 各種Ni化合物を含むMG処理物のメタンのマススペクトルである。 図10(a)及び図10(b)は、それぞれ、各種遷移金属化合物を含むMG処理物の水素及びメタンのマススペクトルである。 Cu(OH)2を含むMG処理物のマススペクトルである。 PE/Ca(OH)2/Ni(OH)2からなるMG処理物のマススペクトルである。 PVC/CaO/Ni(OH)2からなるMG処理物のマススペクトルである。 図14(a)は、セルロース/LiOH/Ca(OH)2からなるMG処理物のマススペクトルであり、図14(b)は、セルロース/KOH/Ca(OH)2からなるMG処理物のマススペクトルである。 図15(a)及び図15(b)は、それぞれ、セルロース/LiOH/Ca(OH)2からなるMG処理物の水素及びメタンのマススペクトルである。 セルロース/LiOH/Ca(OH)2からなるMG処理物のCOのマススペクトルである。 図17(a)は、セルロース/LiOH/Ni(OH)2=1/1/1であるMG処理物のマススペクトルであり、図17(b)は、セルロース/LiOH/Ni(OH)2=1/3/1であるMG処理物のマススペクトルである。 図18(a)は、セルロース/LiOH/Ni(OH)2=1/6/1であるMG処理物のマススペクトルであり、図18(b)は、セルロース/LiOH/Ni(OH)2=1/12/1であるMG処理物のマススペクトルである。

Claims (23)

  1. 炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得るMG処理工程と、
    前記MG処理物を不活性雰囲気下で加熱する加熱工程と
    を備えたエネルギーガス製造方法。
  2. 前記アルカリ金属又はその化合物は、Li及び/又はKを含む請求項1に記載のエネルギーガス製造方法。
  3. 前記アルカリ土類金属又はその化合物は、Caを含む請求項1に記載に記載のエネルギーガス製造方法。
  4. 前記MG処理工程は、前記混合物にさらに遷移金属又はその化合物を加えて混合粉砕するものである請求項1に記載のエネルギーガス製造方法。
  5. 前記遷移金属又はその化合物は、Mn、Fe、Co、Ni及びCuから選ばれるいずれか1以上の元素を含む請求項4に記載のエネルギーガス製造方法。
  6. 炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得るMG処理工程と、
    前記MG処理物を不活性雰囲気下で加熱する加熱工程と
    を備えたエネルギーガス製造方法。
  7. 前記アルカリ金属又はその化合物は、Li及び/又はKを含む請求項6に記載のエネルギーガス製造方法。
  8. 前記MG処理工程は、前記混合物にさらに遷移金属又はその化合物を加えて混合粉砕するものである請求項6に記載のエネルギーガス製造方法。
  9. 前記遷移金属又はその化合物は、Mn、Fe、Co、Ni及びCuから選ばれるいずれか1以上の元素を含む請求項8に記載のエネルギーガス製造方法。
  10. 炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物(水酸化物を除く)との混合物を混合粉砕し、MG処理物を得るMG処理工程と、
    前記MG処理物を不活性雰囲気下で加熱する加熱工程と
    を備えたエネルギーガス製造方法。
  11. 前記アルカリ土類金属又はその化合物は、Caを含む請求項10に記載に記載のエネルギーガス製造方法。
  12. 炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物と、遷移金属又はその化合物との混合物(アルカリ土類金属又はその化合物がCa(OH)2であり、遷移金属又はその化合物がNi(OH)2であるものを除く)を混合粉砕し、MG処理物を得るMG処理工程と、
    前記MG処理物を不活性雰囲気下で加熱する加熱工程と
    を備えたエネルギーガス製造方法。
  13. 前記アルカリ土類金属又はその化合物は、Caを含む請求項12に記載に記載のエネルギーガス製造方法。
  14. 前記遷移金属又はその化合物は、Mn、Fe、Co、Ni及びCuから選ばれるいずれか1以上の元素を含む請求項12に記載のエネルギーガス製造方法。
  15. 炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物との混合物を混合粉砕することにより得られるエネルギーガス貯蔵材料。
  16. 前記混合物にさらに遷移金属又はその化合物を加えて混合粉砕することにより得られる請求項15に記載のエネルギーガス貯蔵材料。
  17. 前記混合粉砕後のMG処理物に含まれる前記遷移金属又はその化合物の大きさは、5nm以下である請求項16に記載のエネルギーガス貯蔵材料。
  18. 炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ金属又はその化合物との混合物を混合粉砕することにより得られるエネルギーガス貯蔵材料。
  19. 前記混合物にさらに遷移金属又はその化合物を加えて混合粉砕することにより得られる請求項18に記載のエネルギーガス貯蔵材料。
  20. 前記混合粉砕後のMG処理物に含まれる前記遷移金属又はその化合物の大きさは、5nm以下である請求項19に記載のエネルギーガス貯蔵材料。
  21. 炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物(水酸化物を除く)との混合物を混合粉砕することにより得られるエネルギーガス貯蔵材料。
  22. 炭素水素酸素含有化合物と、アルカリ土類金属又はその化合物と、遷移金属又はその化合物との混合物(アルカリ土類金属又はその化合物がCa(OH)2であり、遷移金属又はその化合物がNi(OH)2であるものを除く)を混合粉砕することにより得られるエネルギーガス貯蔵材料。
  23. 前記混合粉砕後のMG処理物に含まれる前記遷移金属又はその化合物の大きさは、5nm以下である請求項22に記載のエネルギーガス貯蔵材料。
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