JP2010035180A - 送信装置 - Google Patents

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正悟 中尾
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Abstract

【課題】MIMOシステムのプリアンブルの構成を切り替える。
【解決手段】記憶部116は、従来システムで規定されたプリアンブル信号と、MIMOシステムで規定されたプリアンブル信号を記憶する。監視部112は、MIMOシステムに対応せずに従来システムに対応した通信装置の存在を監視する。伝送路特性取得部114は、受信装置との間の無線伝送路の特性を導出する。選択部110は、監視部112での監視結果にもとづいて、パケットフォーマットを選択する。さらに選択部110は、伝送路特性取得部114で導出した無線伝送路の特性にもとづいて、LTSの配置を選択する。
【選択図】図5

Description

本発明は、送信技術に関し、特にパケット形式の信号を送信し、パケット形式の信号を受信する送信装置に関する。
ワイヤレス通信において、一般的に限りある周波数資源の有効利用が望まれている。周波数資源を有効利用するための技術のひとつが、アダプティブアレイアンテナ技術である。アダプティブアレイアンテナ技術は、複数のアンテナでそれぞれ送受信される信号の振幅と位相を制御して、アンテナの指向性パターンを形成する。すなわち、アダプティブアレイアンテナを備えた装置は、複数のアンテナで受信した信号の振幅と位相をそれぞれ変化させ、変化した複数の受信信号をそれぞれ加算して、当該振幅と位相との変化量(以下、「ウエイト」という)に応じた指向性パターンのアンテナで受信される信号と同等の信号を受信する。また、ウエイトに応じたアンテナの指向性パターンによって信号が送信される。
アダプティブアレイアンテナ技術において、ウエイトを算出するための処理の一例は、最小二乗誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error)法にもとづく方法である。MMSE法において、ウエイトの最適値を与える条件としてウィナー解が知られており、さらにウィナー解を直接解くよりも計算量が少ない漸化式も知られている。漸化式としては、例えば、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムが使用される。一方、データの伝送速度の高速化と伝送品質の改善を目的として、データをマルチキャリア変調して、マルチキャリア信号を伝送する場合がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−210099号公報
アダプティブアレイアンテナ技術を利用して、データの伝送速度を高速化するための技術にMIMO(Multiple Input Multiple Output)システムがある。当該MIMOシステムは、送信装置と受信装置がそれぞれ複数のアンテナを備えており、それぞれのアンテナに対してひとつのチャネルを設定する。すなわち、送信装置と受信装置との間の通信に対して、最大アンテナ数までのチャネルを設定して、データ伝送速度を向上させる。さらに、このようなMIMOシステムにマルチキャリア信号を伝送する技術を組み合わせれば、データの伝送速度はさらに高速化される。一方、送信装置から送信された信号が受信装置で正確に受信されるために、一般的に送信信号は、既知信号であるプリアンブルを含む。一般的に、プリアンブル信号は固定のパターンで規定されている。しかしながら、無線伝送路の特性やパケット利用効率を考慮して、プリアンブル信号のパターンが変化すれば、無線伝送路の特性等に対して、フレキシブルな無線通信システムを実現できる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、プリアンブル信号の形式を変化させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の送信装置は、第1の無線通信システムでの第1の既知信号の後段に、第1の無線通信システムとは異なった第2の無線通信システムでの第2の既知信号を配置したパケットフォーマットが規定されており、当該パケットフォーマット、および当該パケットフォーマットの一部分が抽出されるように規定された別のパケットフォーマットのいずれかを使用しながら、パケット信号を生成する生成部と、生成部において生成したパケット信号を送信する送信部と、を備える。
この態様によると、所定のパケットフォーマットと、パケットフォーマットの一部分が抽出されるように規定された別のパケットフォーマットのいずれかを切り替えるので、第1の無線通信システムとの互換性、あるいはパケット利用効率の向上を実現できる。
生成部において規定されているパケットフォーマットから抽出された一部分には、第2の既知信号のうち、伝送路推定に使用すべき部分が少なくとも含まれていてもよい。この場合、パケットフォーマットの一部分が抽出されるように規定された別のパケットフォーマットを使用しても、第2の無線通信システムに対応した無線装置にパケット信号を受信させることができる。
生成部において規定されているパケットフォーマットに含まれた第1の既知信号は、複数のアンテナのそれぞれの間において互いに関連を有するように規定されており、第2の既知信号は、複数のアンテナのそれぞれに対応づけられながら規定されていてもよい。この場合、第1の既知信号を複数のアンテナから送信しても、第1の無線通信システムに対応した無線装置に第1の既知信号を受信させることができる。
生成部において規定されているパケットフォーマットに含まれた第1の既知信号は、複数の系列のそれぞれに対して、互いに関連を有するように規定されており、第2の既知信号は、複数の系列のそれぞれに対応づけられながら規定されていてもよい。この場合、第1の既知信号を複数の系列として送信しても、第1の無線通信システムに対応した無線装置に第1の既知信号を受信させることができる。
本発明の別の態様は、送信方法である。この方法は、第1の無線通信システムでの第1の既知信号の後段に、第1の無線通信システムとは異なった第2の無線通信システムでの第2の既知信号を配置したパケットフォーマットが規定されており、当該パケットフォーマット、および当該パケットフォーマットの一部分が抽出されるように規定された別のパケットフォーマットのいずれかを使用しながら、パケット信号を生成する。
本発明の別の態様も、送信方法である。この方法は、第1の無線通信システムでの第1の既知信号の後段に、第1の無線通信システムとは異なった第2の無線通信システムでの第2の既知信号を配置したパケットフォーマットが規定されており、当該パケットフォーマット、および当該パケットフォーマットの一部分が抽出されるように規定された別のパケットフォーマットのいずれかを使用しながら、パケット信号を生成するステップと、生成したパケット信号を送信するステップと、を備える。
生成するステップにおいて規定されているパケットフォーマットから抽出された一部分には、第2の既知信号のうち、伝送路推定に使用すべき部分が少なくとも含まれていてもよい。生成するステップにおいて規定されているパケットフォーマットに対応した第1の無線通信システムと第2の無線通信システムは、マルチキャリア信号を使用していてもよい。生成するステップにおいて規定されているパケットフォーマットに含まれた第1の既知信号は、複数のアンテナのそれぞれに対して、互いに関連を有するように規定されており、第2の既知信号は、複数のアンテナのそれぞれに対応づけられながら規定されていてもよい。
生成するステップにおいて規定されているパケットフォーマットに含まれた第1の既知信号は、複数の系列のそれぞれに対して、互いに関連を有するように規定されており、第2の既知信号は、複数の系列のそれぞれに対応づけられながら規定されていてもよい。第2の無線通信システムに対応せずに第1の無線通信システムに対応した通信装置の存在を監視するステップをさらに備え、生成するステップは、監視結果にもとづいて、パケットフォーマットと別のパケットフォーマットのいずれかを選択しながら、パケット信号を生成してもよい。
本発明のさらに別の態様は、受信装置である。この装置は、第1の無線通信システムでの第1の既知信号の後段に、第1の無線通信システムとは異なった第2の無線通信システムでの第2の既知信号を配置したパケットフォーマットが規定されており、当該パケットフォーマット、および当該パケットフォーマットの一部分が抽出されるように規定された別のパケットフォーマットのいずれかを使用する送信装置から、パケット信号を受信する受信部と、受信部において受信したパケット信号での第2の既知信号のうち、伝送路推定に使用すべき部分をもとに、伝送路特性を推定する推定部と、推定部によって推定された伝送路特性をもとに、パケット信号に含まれたデータを処理する処理部と、を備える。
この態様によると、受信すべきパケット信号が複数種類のパケットフォーマットに対応していても、そのようなパケット信号を受信できる。
受信部において受信すべきパケット信号について、パケットフォーマットに含まれる信号のパターンと、別のパケットフォーマットに含まれる信号のパターンとの関係を予め記憶しており、当該関係をもとに、受信部において受信したパケット信号に対するパケットフォーマットを特定する特定部をさらに備え、推定部と処理部は、特定部において特定されたパケットフォーマットに応じて、処理を実行してもよい。この場合、受信したパケット信号から、当該パケット信号に対するパケットフォーマットを自動的に特定するので、パケットフォーマットの種類を通知するためのシーケンスを省略できる。
本発明のさらに別の態様は、受信方法である。この方法は、第1の無線通信システムでの第1の既知信号の後段に、第1の無線通信システムとは異なった第2の無線通信システムでの第2の既知信号を配置したパケットフォーマットが規定されており、当該パケットフォーマット、および当該パケットフォーマットの一部分が抽出されるように規定された別のパケットフォーマットのいずれかを使用する送信装置から、パケット信号を受信する受信方法であって、受信したパケット信号での第2の既知信号のうち、伝送路推定に使用すべき部分をもとに、伝送路特性を推定し、推定した伝送路特性をもとに、パケット信号に含まれたデータを処理する。
本発明のさらに別の態様もまた、送信装置である。この装置は、第1の無線通信システムで規定された第1の既知信号と、第1の無線通信システムとは異なった第2の無線通信システムで規定された第2の既知信号を記憶する記憶部と、第2の既知信号が先頭部分に配置されたパケットフォーマットと、第2の既知信号の前段に第1の既知信号をさらに配置したパケットフォーマットのいずれかを選択する選択部と、選択部で選択したパケットフォーマットで信号を伝送する送信部と、を備える。
この態様によると、第1の既知信号の有無を切り替えるので、第2の無線通信システムにおいて、第1の無線通信システムとの互換性と、パケット利用効率の向上を選択できる。
本発明のさらに別の態様もまた、送信装置である。この装置は、複数のキャリアを使用して信号を伝送すべき第1の無線通信システムで規定された第1の既知信号と、第1の無線通信システムで信号を伝送するためのキャリア数と同一のキャリア数を使用しつつ複数のアンテナから並行に信号を伝送すべき第2の無線通信システムで規定された第2の既知信号を記憶する記憶部と、第2の既知信号が先頭部分に配置されたパケットフォーマットと、第2の既知信号の前段に第1の既知信号をさらに配置したパケットフォーマットのいずれかを選択する選択部と、選択部で選択したパケットフォーマットで信号を伝送する送信部と、を備える。
この態様によると、第1の既知信号の有無を切り替えるので、第2の無線通信システムにおいて、第1の無線通信システムとの互換性と、パケット利用効率の向上を選択できる。
記憶部に記憶された第2の既知信号は、第2の無線通信システムで信号を送信すべきアンテナの数に応じて複数の種類規定されていてもよい。アンテナ数に応じて、第2の既知信号のパターンを変更するので、通信品質を改善できる。
選択部は、第2の既知信号が先頭部分に配置されたパケットフォーマットを選択する場合に、信号を伝送すべきアンテナの数がひとつになれば、複数の種類規定された第2の既知信号のうちのひとつを配置してもよい。アンテナ数が複数からひとつになっても、複数のアンテナのうちのひとつに対応した第2の既知信号を使用するので、第1の無線通信システムへの切り替えが不要になる。
選択部は、第2の既知信号の前段に第1の既知信号をさらに配置したパケットフォーマットを選択する場合に、第1の既知信号と第2の既知信号の間に、第2の既知信号が配置されている旨を示した情報を配置してもよい。第1の既知信号の後ろに第2の既知信号が配置されている旨を示した情報を挿入するので、第1の無線通信システムの通信装置に対して、後段の信号の内容を知らせることができる。
第2の無線通信システムに対応せずに第1の無線通信システムに対応した通信装置の存在を監視する監視部をさらに備え、選択部は、監視部での監視結果にもとづいて、パケットフォーマットを選択してもよい。第1の既知信号の有無の切り替えを第1の無線通信システムの端末装置の有無にもとづいて実行するので、切り替えを実行しても他の通信装置に影響を与えない。
本発明の別の態様もまた、送信装置である。この装置は、所定のパケットフォーマットで規定された信号を複数のアンテナから並列に送信する送信部と、パケットフォーマットの先頭部分に配置すべき既知信号を記憶する記憶部と、既知信号をパケットフォーマットの先頭部分に配置する際に、既知信号が複数のアンテナから同一のタイミングで送信されるような配置と、既知信号が複数のアンテナから異なったタイミングで送信されるような配置のいずれかを選択する選択部と、を備える。
この態様によると、複数のアンテナから送信すべき既知信号の配置を変更するので、信号の伝送品質とパケットの利用効率を選択できる。
信号を送信すべき無線伝送路の特性を導出する導出部と、選択部は、導出した無線伝送路の特性にもとづいて、既知信号の配置を選択してもよい。複数のアンテナから送信すべき既知信号の構成の変更を無線伝送路の品質にもとづいて実行するので、無線伝送路の品質に適した既知信号の構成を選択できる。
本発明のさらに別の態様もまた、送信方法である。この方法は、複数のキャリアを使用して信号を伝送すべき第1の無線通信システムで規定された第1の既知信号と、第1の無線通信システムで信号を伝送するためのキャリア数と同一のキャリア数を使用しつつ複数のアンテナから並行に信号を伝送すべき第2の無線通信システムで規定された第2の既知信号が規定されており、第2の既知信号が先頭部分に配置されたパケットフォーマットと、第2の既知信号の前段に第1の既知信号をさらに配置したパケットフォーマットのいずれかを選択して、信号を伝送する。
本発明のさらに別の態様もまた、送信方法である。この方法は、第1の無線通信システムで規定された第1の既知信号と、第1の無線通信システムとは異なった第2の無線通信システムで規定された第2の既知信号を記憶するステップと、第2の既知信号が先頭部分に配置されたパケットフォーマットと、第2の既知信号の前段に第1の既知信号をさらに配置したパケットフォーマットのいずれかを選択するステップと、選択するステップで選択したパケットフォーマットで信号を伝送するステップとを備える。
本発明のさらに別の態様もまた、送信方法である。この方法は、複数のキャリアを使用して信号を伝送すべき第1の無線通信システムで規定された第1の既知信号と、第1の無線通信システムで信号を伝送するためのキャリア数と同一のキャリア数を使用しつつ複数のアンテナから並行に信号を伝送すべき第2の無線通信システムで規定された第2の既知信号を記憶するステップと、第2の既知信号が先頭部分に配置されたパケットフォーマットと、第2の既知信号の前段に第1の既知信号をさらに配置したパケットフォーマットのいずれかを選択するステップと、選択するステップで選択したパケットフォーマットで信号を伝送するステップとを備える。
記憶するステップに記憶された第2の既知信号は、第2の無線通信システムで信号を送信すべきアンテナの数に応じて複数の種類規定されてもよい。選択するステップは、第2の既知信号が先頭部分に配置されたパケットフォーマットを選択する場合に、信号を伝送すべきアンテナの数がひとつになれば、複数の種類規定された第2の既知信号のうちのひとつを配置してもよい。選択するステップは、第2の既知信号の前段に第1の既知信号をさらに配置したパケットフォーマットを選択する場合に、第1の既知信号と第2の既知信号の間に、第2の既知信号が配置されている旨を示した情報を配置してもよい。
第2の無線通信システムに対応せずに第1の無線通信システムに対応した通信装置の存在を監視するステップをさらに備え、選択するステップは、監視するステップでの監視結果にもとづいて、パケットフォーマットを選択してもよい。記憶するステップに記憶された第2の既知信号は、信号のパターンが異なった複数の部分を含み、選択するステップは、複数のアンテナから同一のタイミングで複数の部分の少なくともひとつをそれぞれ伝送するような第2の既知信号の配置と、複数のアンテナから異なったタイミングで複数の部分の少なくともひとつをそれぞれ伝送するような第2の既知信号の配置を選択してもよい。信号を伝送すべき無線伝送路の特性を導出するステップと、選択するステップは、導出した無線伝送路の特性にもとづいて、第2の既知信号の配置を選択してもよい。
本発明のさらに別の態様もまた、送信方法である。この方法は、複数のアンテナから並列に送信すべき信号のパケットフォーマットの先頭部分に配置すべき既知信号に対して、既知信号が複数のアンテナから同一のタイミングで送信されるような配置と、既知信号が複数のアンテナから異なったタイミングで送信されるような配置のいずれかを選択する。
本発明のさらに別の態様もまた、送信方法である。この方法は、所定のパケットフォーマットで規定された信号を複数のアンテナから並列に送信するステップと、パケットフォーマットの先頭部分に配置すべき既知信号を記憶するステップと、既知信号をパケットフォーマットの先頭部分に配置する際に、既知信号が複数のアンテナから同一のタイミングで送信されるような配置と、既知信号が複数のアンテナから異なったタイミングで送信されるような配置のいずれかを選択するステップとを備える。信号を送信すべき無線伝送路の特性を導出するステップと、選択ステップは、導出した無線伝送路の特性にもとづいて、既知信号の配置を選択してもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、プリアンブル信号の形式を変化させることができる。
本発明の実施例に係るマルチキャリア信号のスペクトルを示す図である。 本発明の実施例に係るパケットフォーマットの構成を示す図である。 本発明の実施例に係る通信システムの概念を示す図である。 図3の送信装置の構成を示す図である。 図4の制御部の構成を示す図である。 図6(a)−(b)は、図5の選択部で選択されるパケットフォーマットを示す図である。 図7(a)−(b)は、図5の選択部で選択されるLTSのフォーマットを示す図である。 図5の選択部で選択する際に使用される関係であって、送信用アンテナの数と送信用アンテナから送信されるSTSのパターンの関係を示す図である。 図3の受信装置の構成を示す図である。 図9の第1無線部の構成を示す図である。 図10の相関部の構成を示す図である。 図9の第1処理部の構成を示す図である。 図3の送信装置での送信処理の手順を示すフローチャートである。 図3の送信装置での送信処理の手順を示す別のフローチャートである。 図15(a)−(c)は、本発明の変形例に係るパケットフォーマットの構成を示す図である。 本発明の別の変形例に係る送信装置の構成を示す図である。 図17(a)−(c)は、図16の送信装置から送信される信号でのパケットフォーマットを示す図である。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、複数のアンテナを備えた送信装置と、複数のアンテナを備えた受信装置によって構成されるMIMOシステムに関する。また、本実施例に係るMIMOシステムは、マルチキャリア、具体的にはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式によって信号を伝送し、さらに伝送される信号はパケット形式で規定されている。パケットフォーマットの先頭部分にはプリアンブル信号が配置されており、信号を受信した受信装置は、プリアンブル信号にもとづいてAGC(Automatic Gain Control)の設定、タイミング同期、キャリア再生等を実行する。MIMOシステムでは、送信装置の複数のアンテナから独立した信号が伝送され、受信装置はアダプティブアレイ信号処理によって受信した信号を分離して、所望の信号を復調する。
一方、送信装置の周辺にMIMOシステムに対応していない受信装置が存在する場合がある(以下、MIMOシステムに対応していないシステムを「従来システム」という)。従来システムは、MIMOシステムと同様にOFDM変調方式によって信号を伝送するが、MIMOシステムと異なり、送信装置と受信装置間でひとつのチャネルを設定して信号を伝送する。ここで、MIMOシステムだけに対応したプリアンブル信号を付加すれば、MIMOシステムでのパケットフォーマットにおける信号冗長度を小さくできるが、従来システムでは、そのようなプリアンブル信号を認識できないので、信号の到来を認識できない場合がある。その際、従来システムがCSMAを使用していれば、キャリアセンスが正確に実行されなくなる。その結果、信号が送信されていないと判断して自らが信号を送信してしまうので、信号の衝突の発生確率が増加する。
それに対して、MIMOシステムにおいても、MIMOシステムだけに対応したプリアンブル信号の前段に従来システムに対応したプリアンブル信号を付加すれば、従来システムの受信装置もプリアンブル信号を認識できる。その結果、前述のような問題が生じにくくなる。しかしながら、ふたつのシステムに対応したプリアンブル信号を付加するので、MIMOシステムのパケットフォーマットにおける信号冗長度が大きくなる。これらを解決するために、本実施例にかかる送信装置は、従来システムに対応した受信装置が周辺に存在していれば、従来システムに対応したプリアンブル信号をパケットフォーマットの先頭に付加する。一方、従来システムに対応した受信装置が周辺に存在していなければ、従来システムに対応したプリアンブル信号をパケットフォーマットの先頭に付加しない。
図1は、本発明の実施例に係るマルチキャリア信号のスペクトルを示す。これは、従来システムで送信されるマルチキャリア信号と、MIMOシステムのひとつのアンテナから送信されるマルチキャリア信号に相当する。ここで、従来システムは、IEEE802.11a規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)であるとする(以下、IEEE802.11a規格に準拠した無線LANも「従来システム」という)。OFDM方式における複数のキャリアのひとつをサブキャリアと一般的に呼ぶが、ここではひとつのサブキャリアを「サブキャリア番号」によって指定するものとする。IEEE802.11a規格では図示のごとく、サブキャリア番号「−26」から「26」までの53サブキャリアが規定されている。なお、サブキャリア番号「0」は、ベースバンド信号における直流成分の影響を低減するために、ヌルに設定されている。なお、それぞれのサブキャリアは、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QSPK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMで変調されている。
一方、MIMOシステムでは、サブキャリア番号「−28」から「28」までのサブキャリアが使用される。そのため、使用されるサブキャリア数は、「56」であり、さらにサブキャリア番号「0」は、前述のごとく、ヌルに設定される。
図2は、本発明の実施例に係るパケットフォーマットの構成を示す。これは、従来システムの通話チャネルに相当する。OFDM変調方式では、一般にフーリエ変換のサイズとガードインターバルのシンボル数の合計をひとつの単位とする。このひとつの単位を本実施例ではOFDMシンボルとする。なお、従来システムでは、フーリエ変換のサイズが64(以下、ひとつのFFT(Fast Fourier Transform)のポイントを「FFTポイント」と呼ぶ)、ガードインターバルのFFTポイント数が16であるため、OFDMシンボルは80FFTポイントに相当する。
パケット信号は、先頭から「4OFDMシンボル」の「プリアンブル」、「1OFDMシンボル」の「シグナル」、任意の長さの「データ」を配置する。プリアンブルは、受信装置においてAGCの設定、タイミング同期、キャリア再生等のために送信される既知信号である。シグナルは制御信号であり、データは送信装置から受信装置に伝送すべき情報である。さらに、図示のごとく、「4OFDMシンボル」の「プリアンブル」は、「2OFDMシンボル」の「STS(Short Training Sequence)」と「2OFDMシンボル」の「LTS(Long Training Sequence)」に分離される。STSは、10個の信号の単位「t1」から「t10」によって構成されており、ひとつの単位「t1」等は、16FFTポイントになっている。このようにSTSは、時間領域の単位を16FFTポイントとしているが、周波数領域では、前述の図1に示した53サブキャリアの中の12サブキャリアを使用している。なお、STSは、特にAGCの設定、タイミング同期に使用される。一方、LTSは、ふたつの信号の単位「T1」と「T2」と、2倍の長さのガードインターバル「GI2」によって構成されており、ひとつの単位「T1」等は、64FFTポイントになっており、「GI2」は、32FFTポイントになっている。LTSは、特にキャリア再生に使用される。
図1に示したような周波数領域の信号は、S−26,26と示され、添え字がサブキャリア番号を示す。このような表記を使用すれば、従来システムのSTSは、次のように示される。
Figure 2010035180
「1+j」は、QPSK変調されたSTSの信号点を示す。
図3は、本発明の実施例に係る通信システム100の概念を示す。通信システム100は、送信装置10、受信装置12を含む。さらに、送信装置10は、送信用アンテナ14と総称される第1送信用アンテナ14a、第2送信用アンテナ14bを含み、受信装置12は、受信用アンテナ16と総称される第1受信用アンテナ16a、第2受信用アンテナ16bを含む。
送信装置10は、所定の信号を送信するが、第1送信用アンテナ14aと第2送信用アンテナ14bから異なった信号を送信する。受信装置12は、第1受信用アンテナ16aと第2受信用アンテナ16bによって、第1送信用アンテナ14aと第2送信用アンテナ14bから送信された信号を受信する。さらに、受信装置12は、アダプティブアレイ信号処理によって、受信した信号を分離して、第1送信用アンテナ14aと第2送信用アンテナ14bから送信された信号を独立して復調する。ここで、第1送信用アンテナ14aと第1受信用アンテナ16aとの間の伝送路特性をh11、第1送信用アンテナ14aから第2受信用アンテナ16bとの間の伝送路特性をh12、第2送信用アンテナ14bと第1受信用アンテナ16aとの間の伝送路特性をh21、第2送信用アンテナ14bから第2受信用アンテナ16bとの間の伝送路特性をh22とすれば、受信装置12は、アダプティブアレイ信号処理によって、h11とh22のみを有効にして、第1送信用アンテナ14aと第2送信用アンテナ14bから送信された信号を独立して復調できるように動作する。
ここで、従来システムのプリアンブル信号、例えばSTSを図3の第1送信用アンテナ14aと第2送信用アンテナ14bからそれぞれ送信した場合の課題を説明する。第1送信用アンテナ14aから送信される信号をS1(t)、第2送信用アンテナ14bから送信される信号をS2(t)、ノイズをn1(t)及びn2(t)とすれば、第1受信用アンテナ16aで受信する信号をX1(t)、第2受信用アンテナ16bで受信する信号をX2(t)は、次のように示される。
Figure 2010035180
第1受信用アンテナ16aで受信した信号の16FFT単位での強度は、次のように示される。
Figure 2010035180
ここで、ΣS*1(t)S2(t) = Xc,ΣS*i(t)nj(t) = 0,|nj(t)| ≒ 0の関係を使用すれば、強度は次のように示される。
Figure 2010035180
送信される信号S1(t)とS2(t)が同一であり、さらにh11=−h21の場合は、受信した信号の強度が0になるので、受信装置12のAGCは正確に動作しない。さらに、一般的にはデータ区間ではXcが0とみなせる程度に小さくなるので、データ区間の受信電力は|h11|+|h22|となる。従って、データ区間とSTS区間の受信電力の差は、数4の右辺第3項で示されるように、2Re[h11h*21X*c]となる。これから分かるように、STS区間のXcが大きい場合には、STS区間の電力とデータ区間の電力が大きく異なるため、AGCが正常に動作しない。従って、MIMOシステムに対して、従来システムのSTSと別のSTSが必要となり、かつ、それらの相互相関値は低い方が望ましい。
次に、前述したようなMIMOシステムに適したSTS等のプリアンブル信号をパケットフォーマットの先頭部分に付加した場合の問題点を説明する。MIMOシステムに適したプリアンブル信号を付加したパケット信号が送信装置10から送信された場合、受信装置12は当該パケット信号を受信できる。一方、図示しない従来システムの受信装置も、MIMOシステムに適したプリアンブル信号を付加したパケット信号を受信する。しかしながら、受信装置が予め保持している従来システムでのプリアンブル信号は、パケット信号に付加されたプリアンブル信号と異なるので、両者の間で相関処理を実行しても、相関値が所定の値よりも大きくならない。その結果、受信装置は、パケット信号を検出できない。また、受信装置と送信装置が一体で通信装置を構成していれば、前述の動作は、通信装置でパケット信号が検出されなかったことに相当するので、通信装置は信号を送信する。これは、通信装置においてキャリアセンスが正確に実行されていないことに相当し、そのために信号の衝突が生じやすくなる。
図4は、送信装置10の構成を示す。送信装置10は、データ分離部20、変調部22と総称される第1変調部22a、第2変調部22b、第N変調部22n、無線部24と総称される第1無線部24a、第2無線部24b、第N無線部24n、制御部26、第N送信用アンテナ14nを含む。また、第1変調部22aは、誤り訂正部28、インターリーブ部30、プリアンブル付加部32、IFFT部34、GI部36、直交変調部38を含み、第1無線部24aは、周波数変換部40、増幅部42を含む。
データ分離部20は、送信すべきデータをアンテナ数に応じて分離する。誤り訂正部28は、誤り訂正のための符号化をデータに行う。ここでは、畳込み符号化を行うものとし、その符号化率は予め規定された値の中から選択する。インターリーブ部30は、畳込み符号化したデータをインターリーブする。プリアンブル付加部32は、パケット信号の先頭にプリアンブル信号を付加する。ここで、プリアンブル付加部32が付加するプリアンブル信号は複数の種類規定されており、制御部26からの指示にもとづいていずれかを選択するが、その詳細は後述する。
IFFT部34は、FFTポイント単位でIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を行い、複数のサブキャリアキャリアを使用した周波数領域の信号を時間領域の信号に変換する。GI部36は、時間領域のデータに対して、ガードインターバルを付加する。図2に示したように、プリアンブル信号とデータ信号に対して付加するガードインターバルは異なっている。直交変調部38は、直交変調する。周波数変換部40は、直交変調された信号を無線周波数の信号に周波数変換する。増幅部42は、無線周波数の信号を増幅するパワーアンプである。最終的に、複数の送信用アンテナ14から信号が並行に送信される。なお、本実施例では、送信用アンテナ14の指向性は無指向性であるとし、送信装置10はアダプティブアレイ信号処理を行っていないものとする。制御部26は、送信装置10のタイミング等を制御し、またプリアンブル付加部32で付加すべきプリアンブル信号を選択する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図5は、制御部26の構成を示す。制御部26は、選択部110、監視部112、伝送路特性取得部114、記憶部116を含む。
記憶部116は、従来システムで規定されたプリアンブル信号と、MIMOシステムで規定されたプリアンブル信号を記憶する。すなわち、記憶部116は、従来システムでのプリアンブル信号の後段に、MIMOシステムでのプリアンブル信号を配置したパケットフォーマットを記憶している。前述のごとく、従来システムとMIMOシステムは、マルチキャリア信号を使用している。また、MIMOシステムは、複数の送信用アンテナ14から並行に信号を伝送する。さらに、MIMOシステムで規定されたプリアンブル信号は、信号を送信すべき送信用アンテナ14の数に応じて複数の種類規定されている。複数の種類規定されたプリアンブル信号に関しては、後述する。MIMOシステムのプリアンブル信号も、図2に示した従来システムのプリアンブル信号と同様に、STSとLTSを含むように規定されている。ここで、STSとLTSは、信号のパターンが異なっている。
監視部112は、MIMOシステムに対応せずに従来システムに対応した通信装置の存在を監視する。ここで、送信装置10と図示しない受信装置が一体的に通信装置、例えばMIMOシステムに対応した基地局装置を構成しているものとする。受信装置は、受信した信号のうち、従来システムの通信装置から受信した信号を検索する。すなわち、受信したパケット信号のパケットフォーマットが図2に示した従来システムのパケットフォーマットに該当するかを判定する。監視部112は、所定の期間にわたって受信装置が従来システムで規定されたパケット信号を検出しなかった場合に、従来システムに対応した通信装置が存在しないと判定する。一方、所定の期間の中に受信装置が従来システムで規定されたパケット信号を検出した場合に、従来システムに対応した通信装置が存在すると判定する。
伝送路特性取得部114は、受信装置12との間の無線伝送路の特性を導出する。無線伝送路の特性は、所定の方法で測定される。ひとつの方法は、図3の受信装置12が測定することであり、別の方法は、送信装置10を含んだ通信装置が測定することである。前者は送信装置10から受信装置12へ向かう無線伝送路の特性に相当し、後者は受信装置12から送信装置10へ向かう無線伝送路の特性に相当する。また、前者の場合、受信装置12を含んだ通信装置が、送信装置10を含んだ通信装置に測定結果を通知するものとする。ここで、無線伝送路の特性は、受信電力、遅延プロファイル、遅延スプレッド、誤り率等を含むものとする。
選択部110は、監視部112での監視結果にもとづいて、パケットフォーマットを選択する。ここで、パケットフォーマットは2種類規定されている。図6(a)−(b)は、選択部110で選択されるパケットフォーマットを示す。図6(a)は、MIMOシステムに対応したプリアンブル信号が先頭部分に配置されたパケットフォーマットである(以下、「専用フォーマット」という)。ここでは、送信用アンテナ14のうち第1送信用アンテナ14aと第2送信用アンテナ14bから信号を送信するものとし、第1送信用アンテナ14aから送信される信号のパケットフォーマットを上段に示し、第2送信用アンテナ14bから送信される信号のパケットフォーマットを下段に示す。第1送信用アンテナ14aからは、プリアンブル信号として「STS1」と「LTS1」が送信され、第2送信用アンテナ14bからは、プリアンブル信号として「STSa」と「LTSa」が送信される。ここで、「STS1」と「STSa」、および「LTS1」と「LTSa」は、互いにパターンの異なった信号である。これらの信号の詳細は後述する。
図6(b)は、MIMOシステムに対応したプリアンブル信号の前段に従来システムに対応したプリアンブル信号をさらに配置したパケットフォーマットである(以下、「混在フォーマット」という)。ここで、従来システムに対応したプリアンブル信号のSTSとLTSは、「従来用STS」と「従来用LTS」とそれぞれ示される。なお、従来用STSのパターンは、図2で説明したとおりである。また、MIMOシステムのプリアンブル信号に対応した部分は、図6(a)と同一である。ここで、従来システムに対応したプリアンブル信号とMIMOシステムに対応したプリアンブル信号との間には、「シグナル」が配置されている。「シグナル」には、MIMOシステムに対応したプリアンブル信号が配置された旨を示した情報が含まれている。そのため、従来システムの通信装置が当該パケット信号を受信しても、「シグナル」の内容から当該パケット信号を破棄してもよい。また、プリアンブル信号が配置された旨を示した情報は、パケット信号の長さであってもよく、つまり何らかの信号がある時間継続することが判断できればよい。混在フォーマットにおいて、「従来用STS」、「従来用LTS」、「シグナル」の部分のサブキャリア数は、後段の部分のサブキャリア数と異なっている。
専用フォーマットは、冗長な信号成分が少ないのでパケットの利用効率を向上できる。一方、混在フォーマットは、従来システムに対応したパケット信号が付加されているので、従来システムに対応した通信装置で検出される。監視部112が従来システムに対応した通信装置を検出していなければ、選択部110は専用フォーマットを選択し、監視部112が従来システムに対応した通信装置を検出していれば、選択部110は混在フォーマットを選択する。
すなわち、選択部110は、監視部112での監視結果にもとづいて、専用フォーマットと混在フォーマットのいずれかを選択しながら、パケット信号を生成する。ここで、専用フォーマットは、混在フォーマットの一部分が抽出されるように規定されたパケットフォーマットであるといえる。さらに、抽出された一部分には、MIMOシステムでのプリアンブル信号のうち、伝送路推定に使用すべき部分が少なくとも含まれている。ここで、伝送路推定に使用すべき部分は、図6(a)−(b)での「LTS1」と「LTSa」に相当する。
さらに選択部110は、伝送路特性取得部114で導出した無線伝送路の特性にもとづいて、LTSの配置を選択する。図7(a)−(b)は、選択部110で選択されるLTSのフォーマットを示す。図7(a)−(b)は、専用フォーマットで記載しているが、混在フォーマットであってもよく、その場合は、MIMOシステムのプリアンブル信号の部分が図示されたものである。図7(a)は、複数の送信用アンテナ14から同一のタイミングでLTSをそれぞれ伝送する場合(以下、このようなフォーマットを「連続フォーマット」という)であり、第1送信用アンテナ14aから「LTS1」が送信され、第2送信用アンテナ14bから「LTSa」が送信される。図7(b)は、複数の送信用アンテナ14から異なったタイミングでLTSをそれぞれ伝送する場合(以下、このようなフォーマットを「分離フォーマット」という)であり、図示のごとく「LTS1」と「LTSa」の送信されるタイミングがずれている。
連続フォーマットは、冗長な信号成分が少ないのでパケットの利用効率を向上できる。一方、分離フォーマットは、「LTS1」と「LTSa」が異なったタイミングで送信され、信号間の干渉が低減されるので、後述の受信装置12でなされる伝送路特性の推定や、応答ベクトル、ウエイトベクトルの推定が正確になり、通信品質が向上する。伝送路特性取得部114で取得した無線伝送路の特性、例えば誤り率がしきい値よりも悪化していなければ、選択部110は連続フォーマットを選択し、誤り率がしきい値よりも悪化していれば、選択部110は分離フォーマットを選択する。
図8は、選択部110で選択する際に使用される関係であって、送信用アンテナの数と送信用アンテナから送信されるSTSのパターンの関係を示す。なお、LTSに関してここでは説明を省略するが、同様に選択されるものとする。ここでは、図の縦の方向に送信用アンテナ14の本数が示してあり、図の横方向に送信用アンテナ14の本数に応じて、使用すべき送信用アンテナ14およびそれに対応したSTSを示している。すなわち、送信用アンテナ14の数が「1」の場合、第1送信用アンテナ14aから従来用STSが送信される。なお、選択部110は、専用フォーマットの場合に、信号を伝送すべき送信用アンテナ14の数がひとつになれば、MIMOシステムで規定された「STS1」を送信してもよい。これによって、従来システムに対応したプリアンブル信号への切り替えを省略できる。
また、送信用アンテナ14の数が「2」の場合、第1送信用アンテナ14aから「STS1」が送信され、第2送信用アンテナ14bから「STSa」が送信される。さらに、送信用アンテナ14の数が「3」の場合、第1送信用アンテナ14aから「STS1」が送信され、第2送信用アンテナ14bから「STS2」が送信され、第3送信用アンテナ14cから「STSb」が送信される。ここで、前述した問題点を解消すべく「STS1」、「STSa」、「STS2」、「STSb」は相互相関値が小さくなるような値で規定されている。
さらに、送信用アンテナ14の数が「2」の場合の第2送信用アンテナ14bから送信される「STSa」と、送信用アンテナ14の数が「3」の場合の第3送信用アンテナ14cから送信される「STSb」間のパターンの違いによって、信号を送信している送信用アンテナ14の本数を受信装置12に知らしめる機能を有する。そのため、受信装置12が受信した信号から「STSa」と「STSb」を識別可能な程度に、これらのSTSは異なっている。すなわち、「STSa」と「STSb」間の相互相関値は、小さくなるように規定されている。
なお、送信用アンテナ14の数は、制御部26で決定される。制御部26は、伝送路特性取得部114で取得した無線伝送路の特性に応じて、送信用アンテナ14の数を決定する。すなわち、無線伝送路の特性がよければ、送信用アンテナ14の数を増加させる。また、制御部26は、送信すべき情報の容量にもとづいて送信用アンテナ14の数を決定してもよい。例えば、送信すべき情報の容量が大きければ、送信用アンテナ14の数を増加させる。
図9は、受信装置12の構成を示す。受信装置12は、第N受信用アンテナ16n、無線部50と総称される第1無線部50a、第2無線部50b、第N無線部50n、処理部52と総称される第1処理部52a、第2処理部52b、第N処理部52n、復調部54と総称される第1復調部54a、第2復調部54b、第N復調部54n、データ結合部56、制御部58を含む。また信号として、無線受信信号200と総称される第1無線受信信号200a、第2無線受信信号200b、第N無線受信信号200n、ベースバンド受信信号202と総称される第1ベースバンド受信信号202a、第2ベースバンド受信信号202b、第Nベースバンド受信信号202n、合成信号204と総称される第1合成信号204a、第2合成信号204b、第N合成信号204nを含む。
受信装置12は、受信用アンテナ16を介して、図4の送信装置10からパケット信号を受信する。無線部50は、無線周波数の無線受信信号200からベースバンドのベースバンド受信信号202間の周波数変換処理、増幅処理、AD変換処理等を行う。ここでは、無線受信信号200の無線周波数は、5GHz帯に対応するものとする。さらにタイミング検出のために相関処理も行う。処理部52は、ベースバンド受信信号202に対してアダプティブアレイ信号処理を行い、送信された複数の信号に相当する合成信号204を出力する。復調部54は、合成信号204を復調する。すなわち、処理部52は、受信したパケット信号でのMIMOシステムに対応したプリアンブル信号のうち、伝送路推定に使用すべき部分、すなわち、図6(a)、(b)に示された「LTS1」等をもとに、伝送路特性を推定する。また、処理部52は、推定された伝送路特性をもとに、パケット信号に含まれたデータを処理する。さらに、ガードインターバルの除去、FFT、デインターリーブ、復号も実行する。データ結合部56は、図4のデータ分離部20に対応して、復調部54からそれぞれ出力された信号を結合する。制御部58は、受信装置12のタイミング等を制御する。
図10は、第1無線部50aの構成を示す。第1無線部50aは、LNA部60、周波数変換部62、直交検波部64、AGC66、AD変換部68、相関部70を含む。
LNA部60は、第1無線受信信号200aを増幅する。周波数変換部62は、処理対象とする信号に対して無線周波数の5GHz帯と、中間周波数間の周波数変換を行う。AGC66は、信号の振幅をAD変換部68のダイナミックレンジ内の振幅にするために、利得を自動的に制御する。なお、AGC66の初期の設定では、受信した信号のうちのSTSを使用し、STSの強度が予め規定した値に近づくように制御する。AD変換部68は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。直交検波部64は、中間周波数の信号を直交検波して、ベースバンドのデジタル信号を生成し、第1ベースバンド受信信号202aとして出力する。なお、一般的にベースバンドの信号は同相成分と直交成分のふたつの成分を含んでいるので、ふたつの信号線によって示されるべきであるが、ここでは図の明瞭性からベースバンド信号をひとつの信号線によって示す。以下も同様である。
相関部70は、第1ベースバンド受信信号202aからSTSを検出するために、第1ベースバンド受信信号202aと予め記憶したSTSで相関処理を実行し、相関値を出力する。MIMOシステムにおいて、STSは送信用アンテナ14のひとつ単位で設定されているので、相関部70は複数のSTSに対して相関処理をそれぞれ実行し、複数の相関値を出力する。相関値は、図示しない信号線によって、図9の制御部58に入力される。制御部58は、複数の相関部70から入力した複数の相関値にもとづいてパケット信号の受信開始を判断し、その旨を処理部52、復調部54等に通知する。また、複数の信号を復調するために、各信号に対する処理部52と復調部54の割当てを決定し、処理部52、復調部54等に通知する。
図11は、相関部70の構成を示す。相関部70は、従来STS用相関部330、STSa用相関部332、STSb用相関部334、選択部336を含む。
STSa用相関部332は、STSaを時間領域に変換した信号系列を予め記憶しており、記憶した信号系列と受信した信号系列の相関値を計算する(以下、「2アンテナ用相関値」という)。STSb用相関部334は、STSbを時間領域に変換した信号系列を予め記憶しており、記憶した信号系列と受信した信号系列の相関値を計算する(以下、「3アンテナ用相関値」という)。
従来STS用相関部330は、前述した従来用STSを時間領域に変換した信号系列、あるいは従来用STSの一部のサブキャリア信号を時間領域に変換した信号系列を予め記憶している。さらに、従来STS用相関部330は、記憶した信号系列と受信した信号の相関値を計算する(以下、「1アンテナ用相関値」という)。なお、従来STS用相関部330が記憶した信号系列は、MIMOシステムに対応したSTS、例えば、図8のSTS1に相当するものであってもよい。
選択部336は、2アンテナ用相関値、3アンテナ用相関値、1アンテナ用相関値の大きさを比較して、最大の相関値を選択する。図示しない推定部は、選択した相関値にもとづいて、データを送信している送信用アンテナ14の数を決定する。すなわち、2アンテナ用相関値が大きければ送信用アンテナ14の数を「2」に決定し、3アンテナ用相関値が大きければ送信用アンテナ14の数を「3」に決定し、1アンテナ用相関値が大きければ送信用アンテナ14の数を「1」に決定する。
図12は、第1処理部52aの構成を示す。第1処理部52aは、合成部80、受信応答ベクトル計算部82、参照信号記憶部84を含む。合成部80は、乗算部86と総称される第1乗算部86a、第2乗算部86b、第N乗算部86n、加算部88を含む。また信号として、受信ウエイト信号206と総称される第1受信ウエイト信号206a、第2受信ウエイト信号206b、第N受信ウエイト信号206n、参照信号208を含む。
参照信号記憶部84は、LTS1等を記憶する。また、従来STS用相関部330で選択されたSTSに応じて、LTSも選択されるものとする。
受信応答ベクトル計算部82は、送信信号に対する受信信号の受信応答特性として受信ウエイト信号206を、ベースバンド受信信号202、参照信号208から計算する。受信ウエイト信号206の計算方法は任意のものでよいが、一例として次に示すように、相関処理にもとづいて実行される。なお、受信ウエイト信号206と参照信号208は、第1処理部52a内からだけではなく、図示しない信号線によって、第2処理部52b等からも入力されるものとする。第1ベースバンド受信信号202aをx1(t)、第2ベースバンド受信信号202bをx2(t)と示し、第1送信用アンテナ14aに対応する参照信号208をS1(t)、第2送信用アンテナ14bに対応する参照信号208をS2(t)と示せば、x1(t)とx2(t)は、次の式で示される。
Figure 2010035180
ここで、雑音は無視する。第1の相関行列R1は、Eをアンサンブル平均として、次の式で示される。
Figure 2010035180
参照信号208間の第2の相関行列R2も次の式のように計算される。
Figure 2010035180
最終的に、第2の相関行列R2の逆行列と第1の相関行列R1を乗算し、次の式で示される受信応答ベクトルが求められる。
Figure 2010035180
受信ウエイト信号206は、受信応答ベクトルから導出される。なお、受信ウエイト信号206は、LMSアルゴリズムなどの適応アルゴリズムによって導出されてもよい。
乗算部86は、ベースバンド受信信号202を受信ウエイト信号206で重み付けし、加算部88は乗算部86の出力を加算して、合成信号204を出力する。
図13は、送信装置10での送信処理の手順を示すフローチャートである。監視部112は、従来システムに対応した通信装置が存在するか否かを監視する。従来システムに対応した通信装置が存在すれば(S10のY)、選択部110は混在フォーマットを選択する(S12)。一方、従来システムに対応した通信装置が存在しなければ(S10のN)、選択部110は、専用フォーマットを選択する(S14)。さらに、選択部110は、記憶部116から送信用アンテナ14の数に応じたSTSとLTSを選択し(S16)、選択したフォーマット内に配置する。送信装置10は、パケット信号を送信する(S18)。
図14は、送信装置10での送信処理の手順を示す別のフローチャートである。伝送路特性取得部114は、無線伝送路の特性、例えば誤り率を取得する。無線伝送路の特性が良好であれば(S50のY)、すなわち誤り率がしきい値よりも低ければ、選択部110は連続フォーマットを選択する(S52)。一方、無線伝送路の特性が良好でなければ(S50のN)、選択部110は、分離フォーマットを選択する(S54)。さらに、選択部110は、記憶部116から送信用アンテナ14の数に応じたSTSとLTSを選択し(S56)、選択したフォーマット内に配置する。送信装置10は、パケット信号を送信する(S58)。
以上、説明した実施例の変形例を説明する。変形例に係る送信装置は、図4の送信装置10と同様のタイプであり、受信装置は、図9の受信装置12と同様のタイプである。そのため、送信装置の構成の説明は、省略する。図15(a)−(c)は、本発明の変形例に係るパケットフォーマットの構成を示す。図15(a)は、図6(b)の変形例であり、混在フォーマットの変形例である。図15(a)の「STS1」、「STSa」以降は、図6(b)と同一である。しかしながら、図15(a)において、「従来用STS」、「従来用LTS」、「シグナル」が、第2送信用アンテナ14bにも割り当てられる。その際、例えば、第2送信用アンテナ14bに割り当てられる「従来用STS」等には、CDD(Cyclic Delay Diversity)がなされている。
すなわち、第2送信用アンテナ14bに割り当てられる従来用STSには、第1送信用アンテナ14aに割り当てられる従来用STSに対して、タイミングシフトがなされている。ここで、図示のごとく、CDDがなされた「従来用STS」は、「従来用STS+CDD」と示される。なお、「従来用STS」等が、第3送信用アンテナ14cに割り当てられる場合も同様である。以上のように、従来フォーマットに含まれた「従来用STS」、「従来用LTS」は、複数の送信用アンテナ14のそれぞれの間において互いに関連を有するように規定されている。ここで、「関連」とは、前述のごとく、CDDである。また、「STS1」、「STSa」等は、複数の送信用アンテナ14のそれぞれに対応づけられながら規定されている。
図15(b)は、図15(a)の混在フォーマットに対応した専用フォーマットを示す。図15(b)の専用フォーマットは、図15(a)の混在フォーマットの一部分が抽出されるように規定されている。ここで、一部分は、「STS1」、「STSa」、「LTS1」、「LTSa」、「シグナル」、「データ1」、「データ2」に相当する。すなわち、従来システムに対応したプリアンブル信号およびシグナルが、省略されている。なお、図15(b)は、図6(a)と同様の構成となる。図15(c)も、図15(a)の混在フォーマットに対応した専用フォーマットを示しており、図15(b)の変形例に相当する。図15(c)の専用フォーマットは、図15(a)の混在フォーマットのうち、図15(b)とは別の一部分の抽出によって規定されている。
ここで、一部分は、「従来用STS」、「従来用STS+CDD」、「LTS1」、「LTSa」、「シグナル」、「データ1」、「データ2」に相当する。すなわち、「従来用LTS」、「従来用LTS+CDD」、「シグナル」、「シグナル+CDD」、「STS1」、「STSa」が、省略されている。なお、受信側は、専用フォーマットとして、図15(b)に示されたパケットフォーマット、図15(c)に示されたパケットフォーマットのうちのいずれかが使用されるかを予め認識しているものとする。
また、受信すべきパケット信号が、混在フォーマットであるか、専用フォーマットであるかを特定するために、図11の相関部70は相関処理を実行してもよい。その際、相関部70は、混在フォーマットに含まれる信号のパターンと、専用フォーマットに含まれる信号のパターンとの関係を予め記憶している。例えば、混在フォーマットが図15(a)のように規定されており、専用フォーマットが図15(b)のように規定されている場合、相関部70は、混在フォーマットに含まれる信号のパターンとして、「従来用STS」を記憶し、専用フォーマットに含まれる信号のパターンとして、「STS1」等を記憶する。すなわち、前述の「関係」は、それぞれのパケットフォーマットの差異を区別できる信号のパターンに相当する。
相関部70は、受信したパケット信号に対して、「従来用STS」との相関処理と、「STS1」との相関処理を並列に実行する。さらに、前者の相関値が大きければ、相関部70は、受信したパケット信号が混合フォーマットであると特定し、後者の相関値が大きければ、相関部70は、受信したパケット信号が専用フォーマットであると特定する。また、図9の処理部52、復調部54等は、相関部70において特定されたパケットフォーマットに応じて、処理を実行する。
さらに別の変形例を説明する。これまでの実施例および変形例では、複数の送信用アンテナ14のそれぞれに対応づけられたパケットフォーマットを説明した。別の変形例では、複数の系列のそれぞれに対応づけられたパケットフォーマットを説明する。送信装置は、MIMOシステムに対応したプリアンブル信号を複数の系列に配置し、データを複数の系列に配置する。一方、混在フォーマットの規定において、送信装置は、複数の系列のうちの少なくともひとつに、従来システムに対応したプリアンブル信号を配置する。送信装置は、MIMOシステムに対応したプリアンブル信号、データにステアリング行列を乗算することによって、これらを配置した系列の数を複数の送信用アンテナ14の数まで増加させる。また、送信装置は、混在フォーマットのパケット信号を生成する際に、従来システムに対応したプリアンブル信号に対してCDDを実行する。以下、ステアリング行列の乗算や、CDDを実行した複数の系列のパケット信号も、「複数の系列のパケット信号」という。
なお、前述のステアリング行列には、系列単位に、循環的なタイムシフトを実行するために、CDDを実行させる成分が含まれている。また、CDDでのタイムシフト量は、複数の系列のパケット信号を単位にして異なっている。以上の処理のごとく、送信装置は、複数の系列のパケット信号を変形させ、変形させた複数の系列のパケット信号を複数の送信用アンテナ14からそれぞれ送信する。
図16は、本発明の別の変形例に係る送信装置300の構成を示す。送信装置300は、誤り訂正部28、インターリーブ部30、変調部314、プリアンブル付加部32、空間分散部318、無線部24と総称される第1無線部24a、第2無線部24b、第3無線部24c、第4無線部24d、送信用アンテナ14と総称される第1送信用アンテナ14a、第2送信用アンテナ14b、第3送信用アンテナ14c、第4送信用アンテナ14d、制御部26を含む。
誤り訂正部28は、誤り訂正のための符号化をデータに行う。ここでは、畳込み符号化を行うものとし、その符号化率は予め規定された値の中から選択する。インターリーブ部30は、畳込み符号化したデータをインターリーブする。さらに、インターリーブ部30は、データを複数の系列に分離してから出力する。ここでは、ふたつの系列に分離する。ふたつの系列のデータは、互いに独立したデータといえる。
変調部314は、ふたつの系列のデータのそれぞれに対して、変調を実行する。プリアンブル付加部316は、変調されたデータに対してプリアンブル信号を付加する。プリアンブル付加部316によって付加されるプリアンブル信号に応じて、複数の系列のパケット信号は、従来フォーマットあるいは専用フォーマットに対応する。ここで、プリアンブル信号が付加されたパケットフォーマットは、図6(a)−(b)や、図15(a)−(c)に対応する。なお、図15(a)−(c)に対応する場合、この段階において、CDDはなされていないものとする。
空間分散部318は、複数の系列のパケット信号のうち、MIMOシステムに対応したプリアンブル信号とデータに対してステアリング行列をそれぞれ乗算することによって、複数の送信用アンテナ14の数まで増加させたプリアンブル信号とデータとを生成する。ここで、空間分散部318は、乗算を実行する前に、入力したプリアンブル信号とデータの次数を複数の系列の数まで拡張する。入力したプリアンブル信号とデータの数は、「2」であり、ここでは、「Nin」によって代表させる。そのため、入力したプリアンブル信号とデータは、「Nin×1」のベクトルによってそれぞれ示される。また、複数の送信用アンテナ14の数は、「4」であり、ここでは、「Nout」によって代表させる。空間分散部318は、入力したプリアンブル信号とデータの次数をNinからNoutに拡張させる。すなわち、「Nin×1」のベクトルを「Nout×1」のベクトルに拡張させる。その際、Nin+1行目からNout行目までの成分に「0」を挿入する。
また、ステアリング行列Sは、次のように示される。
Figure 2010035180
ステアリング行列は、「Nout×Nout」の行列である。また、Wは、直交行列であり、「Nout×Nout」の行列である。直交行列の一例は、ウォルシュ行列である。ここで、lは、サブキャリア番号を示しており、ステアリング行列による乗算は、サブキャリアを単位にして実行される。さらに、Cは、以下のように示され、CDDのために使用される。
Figure 2010035180
ここで、δは、シフト量を示す。すなわち、空間分散部318は、増加させた複数の系列のそれぞれに対応したシフト量によって、循環的なタイムシフトを系列単位に実行する。また、シフト量は、系列を単位にして異なった値に設定される。なお、前述のごとく、空間分散部318は、従来システムに対応したプリアンブル信号とシグナルに対して、CDDを実行する。CDDは、複数の送信用アンテナ14のそれぞれに対して、シフト量を変えながら実行される。
例えば、「従来用STS」に対してCDDが実行されることによって、「従来用STS」、「従来用STS+CDD1」、「従来用STS+CDD2」、「従来用STS+CDD3」が生成される。ここで、「CDD1」、「CDD2」、「CDD3」では、互いにシフト量が異なるものとする。このように、従来システムに対応したプリアンブル信号は、複数の系列のそれぞれの間において互いに関連を有するように規定されている。以上の処理の結果、空間分散部318は、複数の系列のバースト信号を変形させる。
無線部24は、送信用アンテナ14と同一の数だけ設けられる。無線部24は、変形された複数の系列のパケット信号を送信する。その際、無線部24は、変形された複数の系列のパケット信号を複数の送信用アンテナ14に対応させながら送信する。なお、無線部24は、複数の送信用アンテナ14のうちの一部からパケット信号を送信してもよい。
図17(a)−(c)は、送信装置300から送信される信号でのパケットフォーマットを示す。図17(a)は、図15(a)と同様に、混在フォーマットに相当する。従来システムに対応したプリアンブル信号である「従来用STS」、「従来用LTS」および「シグナル」には、前述のごとく、「CDD1」、「CDD2」、「CDD3」のように規定されたシフト量をもとに、CDDがなされている。「STS1’」から「STS4’」は、空間分散部318によって、図6(b)での「STS1」、「STSa」等から変形された信号に相当する。すなわち、「STS1’」から「STS4’」は、「STS1」、「STSa」等に対して、ステアリング行列を乗算した信号に相当する。また、「LTS1’」、「シグナル1’」、「データ1’」等も同様である。
図17(b)は、図17(a)の混在フォーマットに対応した専用フォーマットを示す。図17(b)の専用フォーマットは、図17(a)の混在フォーマットの一部分が抽出されるように規定されている。ここで、一部分は、図15(b)と同様に規定される。すなわち、従来システムに対応したプリアンブル信号が、省略されている。図17(c)も、図17(a)の混在フォーマットに対応した専用フォーマットを示しており、図17(b)の変形例に相当する。図17(c)の専用フォーマットは、図17(a)の混在フォーマットのうち、図17(b)とは別の一部分の抽出によって規定されている。ここで、一部分は、図15(c)と同様に規定される。
本発明の実施例によれば、従来システムでのプリアンブル信号をパケット信号の先頭部分に付加するので、従来システムの通信装置にパケット信号を受信させることができる。また、従来システムとの互換性を維持できる。また、従来システムの通信装置にパケット信号の存在を知らしめることができる。また、従来システムの通信装置による信号の送信を防止できるので、信号の衝突確率を改善できる。また、従来システムのプリアンブル信号の有無を切り替えるので、従来システムとの互換性と、パケット利用効率の向上を選択できる。また、従来システムのプリアンブル信号の有無の切り替えを従来システムの端末装置の有無にもとづいて実行するので、他の通信装置に影響を与えない。
また、アンテナ数に応じて、プリアンブル信号のパターンを変更するので、通信品質を改善できる。また、アンテナ数が複数からひとつになっても、複数のアンテナのうちのひとつに対応したプリアンブル信号を使用するので、従来システムへの切り替えが不要になる。また、従来システムのプリアンブル信号の後ろにシグナルを挿入するので、従来システムの通信装置に対して、後段の信号の内容を知らせることができる。また、複数のアンテナから送信すべきプリアンブル信号の構成を変更するので、信号の伝送品質とパケットの利用効率を選択できる。複数のアンテナから送信すべきプリアンブル信号の構成の変更を無線伝送路の品質にもとづいて実行するので、無線伝送路の品質に適したプリアンブルの構成を選択できる。
また、混在フォーマットのうちの一部分を抽出するように、専用フォーマットを規定するので、抽出する部分を変えることによって、複数種類の専用フォーマットを規定できる。また、データ等の系列の数が送信用アンテナの数よりも少なくても、直交行列による乗算と循環的なタイムシフト処理を実行するので、データ等の系列の数を送信用アンテナの数まで増加できる。また、MIMOシステムに対応したLTSにも、データ系列と同様の処理を実行するので、通信対象となる無線装置のデータ受信の際に、MIMOシステムに対応したLTSを使用させられる。また、受信したパケット信号から、当該パケット信号に対するパケットフォーマットを自動的に特定するので、パケットフォーマットの種類を通知するためのシーケンスを省略できる。また、パケットフォーマットの種類を通知するためのシーケンスを省略できるので、伝送効率を向上できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、従来システムとして、IEEE802.11a規格に準拠した無線LANを例示した。しかしながらこれに限らず例えば、他の通信システムであってもよい。さらに、通信システム100は、MIMOシステムとして説明したが、他の通信システムであってもよい。また、マルチキャリア信号を伝送しなくてもよい。本変形例によれば、さまざまな通信システム100に本発明を適用できる。つまり、従来システムと通信システム100は、同一の無線周波数であるような何らかの互換性を有していればよい。
本発明の実施例において、図15(b)−(c)、図17(b)−(c)のごとく、混在フォーマットの一部分を抽出するように、専用フォーマットが規定されている。すなわち、専用フォーマットとは、混在フォーマットの一部分を抽出したフォーマットとして規定される。また、一部分を抽出する際に、図15(b)において「STS1」等、図15(c)において「LTS1」等のごとく、混合フォーマットに含まれる複数の構成要素のうちから、少なくともひとつの構成要素、例えば「LTS1」等をそのまま抽出するように、専用フォーマットが規定されている。すなわち、所定の構成要素がそのまま専用フォーマットに含まれているか、あるいは全く専用フォーマットに含まれていないかのどちらかの態様となっている。しかしながらこれに限らず例えば、所定の構成要素のうちの一部が抽出されるように、専用フォーマットが規定されていてもよい。
具体的には、「LTS1」等のうち、後半の1/2の部分が専用フォーマットとして抽出されてもよい。また、所定の期間の周期を有する信号が複数連結されることによって、「STS1」が形成されている場合、所定の期間の周期を有する信号のうちの所定個数だけが抽出されるように、専用フォーマットが規定されていてもよい。所定の周期を有する信号が5個連結されることによって、「STS1」が形成されている場合、後ろの2個の信号が、専用フォーマットとして抽出されてもよい。なお、所定の周期を有する信号は、互いに同一のパターンでなくてもよい。以上のことは、「LTS1」等にも適用可能である。本変形例によれば、専用フォーマットを多様に規定できる。また、専用フォーマットに含まれるプリアンブル信号の期間を詳細に調節できる。つまり、専用フォーマットに、受信処理ができるようなプリアンブル信号が含められていればよい。
10 送信装置、 12 受信装置、 14 送信用アンテナ、 16 受信用アンテナ、 20 データ分離部、 22 変調部、 24 無線部、 26 制御部、 28 誤り訂正部、 30 インターリーブ部、 32 プリアンブル付加部、 34 IFFT部、 36 GI部、 38 直交変調部、 40 周波数変換部、 42 増幅部、 100 通信システム、 110 選択部、 112 監視部、 114 伝送路特性取得部、 116 記憶部。

Claims (4)

  1. 非MIMO通信システムで規定された第1の伝送路特性推定用の既知信号の後段に、前記非MIMO通信システムとは異なったMIMO通信システムで規定された第2の伝送路特性推定用の既知信号が配置されたパケットフォーマットと、前記第1の伝送路特性推定用の既知信号が配置されずに、前記第2の伝送路特性推定用の既知信号が配置されたパケットフォーマットとを生成可能であり、いずれか一方のパケットフォーマットの信号を生成する生成部と、
    前記生成部において生成した信号を送信する送信部と、
    を備えることを特徴とする送信装置。
  2. 非MIMO通信システムで規定された第1の伝送路特性推定用の既知信号であって、かつOFDMの第1の伝送路特性推定用の既知信号の後段に、前記非MIMO通信システムとは異なったMIMO通信システムで規定された第2の伝送路特性推定用の既知信号であって、かつOFDMの第2の伝送路特性推定用の既知信号が配置されたパケットフォーマットと、前記第1の伝送路特性推定用の既知信号が配置されずに、前記第2の伝送路特性推定用の既知信号が配置されたパケットフォーマットとを生成可能であり、いずれか一方のパケットフォーマットの信号を生成する生成部と、
    前記生成部において生成した信号を送信する送信部と、
    を備えることを特徴とする送信装置。
  3. 前記生成部は、第1の伝送路特性推定用の既知信号の後段に、第2の伝送路特性推定用の既知信号が配置されたパケットフォーマットの信号を生成する場合に、前記第1の伝送路特性推定用の既知信号と前記第2の伝送路特性推定用の既知信号の間に、シグナルを配置することを特徴とする請求項1または2に記載の送信装置。
  4. 前記MIMO通信システムに対応せずに前記非MIMO通信システムに対応した通信装置の存在を監視する監視部をさらに備え、
    前記生成部は、前記監視部での監視結果に応じたパケットフォーマットの信号を生成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の送信装置。
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