JP2010035052A - ワイヤレスlan及び携帯電話端末等のパッシブリピータ - Google Patents

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Abstract

【課題】電子化にマッチし、移動体通信に適したアンテナ設計手法を提供する。
【解決手段】狭帯域のLC共振を持つパッシブリピータを配して、ワイヤレスLANの通信、携帯電話端末での通話の送受信とテレビ受信の改善を行い、また同軸ケーブルを使わない無損失伝送や無電源の緊急電話通信などを行うこと。鋭い共振を持つパッシブリピータにより、電波通信が自在に行われるようになり、また発達したICチップと容易に組み合わせることができる。
【選択図】図22

Description

本発明は携帯電話、ワイヤレスLAN等の無線通信機器全般のパッシブリピータに関するものである。
携帯電話の送受信チャンネルおよびテレビ受信チャンネルのアンテナは、当初全て基本に忠実な、比較的広帯域で動作する、1/4波長モノポール(ホイップアンテナ)であった。しかし誘電体を用いて波長を短縮し、比較的狭帯域で動作する埋め込み型チップアンテナを用いて、利得を犠牲にするが利便性とデザインが重視されたものにほぼ例外なく置き換わった。この置き換えによる感度低下を補うために、携帯電話チャンネルに於いては、基地局の送出電力が増強されるか、基地局を構成するセルが細分化されるか、アクティブリピータを用いて電波の弱い場所を増強する措置が都市部で取られ、その半面過疎地域は置き去りにされた。図1は可伸張のホイップアンテナと誘電体チップアンテナの例を示す。

図2は携帯端末機のシャーシ、メインPCB、誘電体チップアンテナ、人体頭部、手の相対位置関係を示す。

図3は指向性のコンピュータシミュレーションの結果を示す。

図4は誘電体チップアンテナの周波数応答を示す。
また携帯電話端末のテレビ受信に於いては、韓国の170−220MHzを使ったTDMB方式、日本のUHF帯を使ったISDB方式、VHF/UHF帯を使った欧州のDVB−H方式がある。日本では埋め込み型誘電体チップアンテナでは十分な利得が得られず、従来のアナログ放送で使用していて一般の地上波デジタルでも既に十分な役割を果たしている300m級の放送塔を廃止し、600m級の新放送塔を主として携帯電話受信のために建設するということになっている。これは各家庭が八木=宇田アンテナの向きを変更せざるを得ず、大きな社会的なコストを発生する。
IEEE802.11に準拠したワイヤレスLANは見通し範囲の通信を前提にしているが、障害物がある場合や壁などで遮蔽されている場合を想定して、過大な電力で動作するようにしている。このため集合住宅では、鉄筋を持つ構造壁やアルミ箔を表面に貼った断熱防音材を越えて、隣家からの圏内電波が幾つも見えるのが通例である。家の中は何処でもつながり、家の外には漏らさないという本来の目的は置き去りにされ、幾らでも電磁波を増強する競争がなされ、電力の無駄遣いやセキュリティの低下だけではなく、人体への影響が危惧される同じ周波数の電子レンジの漏洩電磁波を遥かに上回る電磁波が、ワイヤレスLANや携帯通信では許容されているのが現状である。現状のワイヤレスLANは図5に示すように、半径100m以内の隣家を巻き込む形になっており、無策をセキュリティと称してID判別しており、電波と電力が浪費されている。また100mの通信範囲を500mと偽ることも行われている。また電界強度と通信得度がトレードオフとなる過ちも犯している。

ワイヤレスLANは図6に示すように、本来1戸の住宅の形に合わせたサービス空間の形成という概念であり、家の中で閉じた通信空間を作り出すのは、パッシブリピータを配するのが唯一の方策であるが、過去に高い共振のQ値を持つ有用なパッシブリピータが商品化されたことはなかった。

特開2005−72659
本発明でパッシブリピータを広めようとすることの明確でゆるぎない目的は、21世紀の社会に於ける電気銅の使用と再利用出来ない乾電池の使用を20世紀の使用量の1/5以下に減じる幅広い計画の一部を構成することである。またあらゆる分野で電力の消費を抑え、また製品の寿命を100年とすることである。
携帯電話の送受信チャンネルおよびテレビ受信チャンネルのアンテナは、本来ホイップアンテナを改良することでもなく、誘電体チップアンテナを用いることでもなく、狭帯域LC共振微小アンテナを用いるのが最良の設計である。本発明はしかし、パッシブリピータを用いて、既に消費者が持っている携帯端末の埋め込み型波長短縮誘電体アンテナの不利益を救済するか、パッシブリピータを二次放射器とする送受信アンテナに関するものに請求が限定される。
また電波環境が必然的に劣化する家屋の中で、携帯電話がかろうじて繋がる場所を試行錯誤で見つけるのではなく、明確に携帯電話の電波が強められたスポットを部屋の中に作り出すことが望ましい。従来はそのための方法が発見されておらず、ただ電波法で規制されなければならないアクティブリピータが商品化されていて、10万円〜30万円の価格であり、寸法も大きく、電源供給が必要で、家庭用に使われることはない。これは100〜200円程度の価格で、無電源でなければならない。一部携帯事業会社が家庭用増幅器を無償配布する例もあるが、通常はただひたすら基地局の電力増強か、基地局数の増設かを行なう方が低コストであり、その分基地局付近の住民の人体への影響が懸念されているのが現状である。
ワイヤレスLANに於いては、見通し範囲以外の通信は良好でない。このため、通信端末を動かして見たり、少しでもいいものに買い換えて見たり、微弱なために通信速度が大幅に低下するのに甘んじるのが通例である。大抵の場合はワイヤレスLANを捨て、直接LANケーブルで接続するのが唯一の最適な解決方法であり、セキュリティの問題もなくなり、何のためにワイヤレスLANを購入したのか疑問になる。この問題が解決する手法が提供されなければならない。即ち現行のワイヤレスLANは後先を考えず、極めて無責任に存在していると言える。
端末から見た指向性がアダプティブではなく固定の携帯電話アンテナの理想形は明瞭である。

1)微小アンテナが鋭く共振して必要帯域だけで応答を持つようにPCBパターンとして小さく設計され、微小アンテナの給電点は1mm角以下の送受信チップで終端されていて、給電ケーブルがなく、従ってインピーダンスマッチングの終端抵抗がなく、そのために送受信の利得が、従来のアンテナ理論の究極値より3dB高いものである。

しかし、この理想形は本発明では言及されない。本発明では、次善の策が請求される。

2)必要帯域で共振する一次放射器がPCBパターンとして送受信チップに直結され、従ってインピーダンスマッチングの終端抵抗がなく、PCBパターンから浮き上がった、鋭い共振特性を持つ二次共振器が実際の送受信を行うものである。

これが本発明のタイプBである。これら2つの方法と比べてコストと性能面で劣るのが誘電体チップアンテナの採用である。既に消費者が持っている誘電体チップアンテナの性能を回復するのが

3)鋭い共振特性を持つ二次共振器としてのパッシブリピータを携帯電話機の表面に貼り付けること。

これが本発明のタイプAである。しかし、誘電体チップアンテナと送受信ICの間は給電ケーブルで結ばれ、ダイプレクサかスプリッターを介し、終端抵抗を持っているので、性能の改善は数dBに留まる。

1/4波長モノポールは最良の形ではない。何故なら、従来のアンテナ理論では、給電ケーブルの反対側に、反射を抑え特性インピーダンスでダイプレクサなどを正しく動作させるための終端抵抗を持っていて、既に送受信利得が3dB劣化しているのを、利得の0dBの基準にしているからである。
これらの20世紀のアンテナ工学の概念の限界は、オリバーヘビサイドの電波伝搬の観念に端を発している。そこではアンテナが電場から取り出せる有能電力が、等価断面積を通過する放射エネルギーの1/4であるという現実に基づいている。このヘビサイドが抱いた概念は、放射器からの距離の二乗に反比例したエネルギーの流れが、粒子か波動という形で、無限遠に向かって続いていると言うものである。この概念は、現実の現象を説明できず、21世紀には修正され、あるいは破棄される。

ヘビサイドに続いたアインシュタインなどの学者が、光や電磁波が量子であるという考えを与えたが、電波通信に於いて量子の介在による量子化雑音なるものを取り扱える物理学者はおらず、この矛盾も20世紀には放置されていた。空気中の電波伝搬は完全な連続値動作(アナログ)であり、それを受信した増幅器にショット雑音のような電荷の担い手が単位電荷qで行われるための量子的な雑音が存在するが、電波伝搬は完全無欠な直線性の上に成り立っている。

20世紀のアンテナ工学では、アンテナの放射インピーダンスと、給電ケーブルの特性インピーダンスと、増幅器の終端インピーダンスを一致させるのが理想的な系であるとされた。従ってVSWR(電圧低定在波比)を1に近づけるのが理想とされている。このVSWRは、屋上の八木アンテナでテレビ信号を受信し、家の中に引き込んでテレビのチューナに接続する場合には極めて重要である。何故なら、正しい終端(インピーダンスマッチング)を行なわなければ、20m以上になる給電ケーブル間を往復する反射波のためにテレビの受信がほぼ不可能になるからである。しかしこのヘビサイドに端を発する観念は、テレビ受像機のチューナが受け取る電圧を1/2にしている。携帯電話ではアンテナと送受信のフロントエンドは近くにあり、給電ケーブルは必要ではない。従って終端によって受信電圧が1/2になり、受信のS/Nが3dB低下するのに甘んじる必要はない。

一方送信時には、アンテナの放射抵抗とインピーダンスマッチした終端抵抗を介してアンテナを駆動しているために、送信電力と同じ電力が携帯端末の中で消費され熱となっている。携帯電話の送信に於いては、TX(送信)のフロントエンドは送信アンテナの放射抵抗を直接負荷抵抗として駆動すればよく、終端抵抗を暖めるのは、極寒時に手と携帯端末がくっつくのを防ぐ以外は必要ない。
産業の発展と地球環境維持のための、電波通信の基本原理として認識されなければならないことは、19世紀のオリバーヘビサイド以来、今日までエネルギーの放射として確立されたアンテナ理論の間違った部分を正確に理解することである。先ず、図7に示す周囲長が波長に比べて十分に短い微小ループアンテナを例に取る。

放射抵抗は、通常ビオ=サバールの法則から導出され、現在世界の学者の誰もが疑いなく共通認識している数式1で表される。


また誘導性のリアクタンス分は、同じく世界の学者の誰もが疑問を持たない数式2で表される。


同じく世界の学者の誰もが疑問を持たない、微小アンテナは単に狭帯域であるという場合の、共振のQ値は数式3で表される。


到来電界Eに対する開放端子電圧は、同じく世界の学者の誰もが疑問を持たない、数式4で表される。


この誘導性のリアクタンス分を、同調容量で打ち消して取り出せる有能電力は世界の学者の半数はすでに正しく認識済みである数式5で表される。この式から、微小ループアンテナの有能電力がループの半径には無関係であることが分かる。


この事実は衝撃的である。何故ならば、19世紀から今日まで、放射とはエネルギーが無限遠に向けて距離の二乗に反比例するエネルギー密度として流れ、受信アンテナとは、この密度に等価断面積を乗じてエネルギーを取り出すと言うのが、アンテナ工学の根本だからである。世界の学者の全員が等しく理解していることに、パラボラアンテナの直径が100mであっても、40cmであっても取り出せる雑音の有能電力は一定であり、kTBであるという事実がある。理想的な設計ではTは絶対温度2.7度である。パラボラアンテナは幾ら直径を大きくしても、指向性は鋭くなるが、雑音電力は不変である。微小ループアンテナの有能電力がループの直径とは無関係であることと、パラボラアンテナの雑音有能電力がkTBで一定であることは同根である。

受信アンテナの放射抵抗を雑音源とした場合のS/Nは数式6で表され、これもループアンテナの半径には無関係であるが、アンテナを専門とする世界の学者の一割程度がこの余りにも簡単な事実をすでに考察し、認識している。


このことから、アンテナの寸法を大きくすることは、性能上なんの利点ももたらさないことが分かる。半波長ダイポールの微小ダイポールに対する特徴は、リアクタンスを打ち消す装荷容量が不要で、共振が比較的広帯域であるに過ぎない。このことは世界のアンテナを専門とする学者の100%近くがすでに理解している。しかし、この広帯域性は、受信アンテナとして不要な信号を増幅器に与えて大きなトラブルを発生し、送信アンテナとしてあってはならない高調波を素通りさせ、よいことは何もない。しかし、アンテナ工学の研究の徒は未だに大多数が広帯域アンテナを目指している。

誘導性の受信ループアンテナに容量を装荷してアンテナを共振させた場合の共振電圧は、数式7で表され、ループの半径が小さい方が逆に大きな共振電圧が得られることが分かる。


この、小さいループアンテナの方が増幅器の雑音に対して有利であることは、残念ながら、世界のアンテナを専門とする権威の、数名しか認識していない。これがアンテナ工学という学問が他の分野と比べて立ち遅れている背景であり、その大元の間違いがオリバーヘビサイドのエネルギーの放射の流れの観念である。
遠くからの到来電界Eの中に置かれた、共振容量を装荷された微小ループに流れる共振電流は数式8で表される。


この共振電流による再放射の距離Rに於ける遠方界は数式9で表され、ループアンテナの半径には無関係になる。アンテナの希望周波数に於ける再放射能力は、銅損が放射抵抗に対して無視できる範囲で、アンテナの寸法に依らないことを理解しているアンテナ工学の権威は、従来いなかった。


このことから、波長の6倍程度の間隔で二次放射器を縦列に並べて行けば、減衰なく電波を導いて行けることが分かる。厳密な設計としては、二次放射器間の結合を考慮して最適化されなければならない。
微小ループアンテナだけでなく、図8に示す微小ダイポールアンテナも、全く同様の性質を持っている。

数式10は微小ダイポールの放射抵抗である。


数式11は微小ダイポールのリアクタンスである。


数式12は微小ダイポールのQ値である。


数式13は微小ダイポールの到来電界Eに対する開放端子電圧である。


数式14はインダクタンスを装荷して、リアクタンス分を打ち消し、放射抵抗と同じ抵抗値で終端した場合の有能電力である。誘起電圧の大きさから言えば、微小ダイポールは長さ2l、幅(波長/4Pi)の矩形ループと同等であるが、位相が90度異なる。有能電力は数式14で現されるが、微小ダイポールの大きさに無関係である。


給電点が増幅器ICチップで終端された受信アンテナに必要なのは、有能電力ではなく、数式15に示す共振電圧であり、アンテナの大きさが小さい方が共振電圧は小さい。


数式16は微小ダイポールの到来電界Eに対する共振電流である。


数式17は微小ダイポールの共振電流による遠方界としての再放射である。

図9は微小ループによる極座標表示された電磁界であり、ビオサバールの法則から解かれ、数式18、数式19、数式20として表される。




従って、パッシブリピータの遠方界増倍率は、数式9を使ってもとめられた数式21で表される。


図10は微小ループの中心の電磁界増倍を示す。

微小ループの中心の電磁界増倍率は数式22で表される。

図11は微小ダイポールによる極座標表示された電磁界であり、ビオサバールの法則から解かれ、数式23、数式24、数式25として表される。




パッシブリピータの遠方界増倍率は数式26で表される。

微小ループも、微小ダイポールも、近傍の電磁界を、鋭い狭帯域の共振により、到来電磁界の数倍〜数百倍に増倍するマグニファイヤーの機能を持っている。特に図12に示すループアンテナでは、巻き数を増やして更に近傍の磁界を高めることができる。またプログレッシブなスパイラル巻きにすればその中心部の電磁界は更に大きくなる。

誘起電流はループの中央に数式28の磁界H2を生じる。


数式28は中心磁界の増倍率である。


このようにしてパッシブリピータの中央部の電磁界は百倍ほどに増倍されている。

非放射性の共振容量は図13に示すように分割して装荷してもよい。
携帯電話端末の送信モードを基準に考えた場合、一次放射器と二次放射器は放射抵抗の80%以上を共有している。従って、アンテナ素子の銅損が無視できる設計がなされていれば、二次放射器を介しての得失は無視できる。一次放射器と二次放射器を比較すると、一次放射器は周辺の部品と電磁的に結合している割合が多い。この点に関する二次放射器の役割は、一次放射器と周辺の部品の結合を遥かに超える密な一次放射器と二次放射器の共振結合を支配的なアドミタンスとして割り込ませ、相対的に一次放射器と周辺の部品の結合の占める割合を減じることである。

送受信帯域幅が許容する限度に於いて、できるだけ高いQ(即ち狭帯域)が送受信アンテナの性能を高める。高いQはしかし、アンテナ素子と人体の接近による共振周波数のずれをもたらす。本発明が及ぶ範囲では、パッシブリピータが自己共振周波数を校正する手続きを持たないので、人体の接近を前提とした最適化が行われなければならない。これは既に誘電体チップアンテナの適用に於いて行われていることである。
これまでアンテナは広い帯域を持つことが利点であり理想であると教育され、企業においても軍用技術分野に於いても例外なくそれが押し通されて来た。そのため半導体技術が進歩してもアンテナ工学はその恩恵を受けることができなかった。しかし現実には、携帯電話に於いては与えられた下りチャンネルの帯域幅は20MHz程度であり、周波数帯が800MHzの場合の比帯域は0.025程度に過ぎない。またUHFの550MHz帯に割り当てられた9チャンネル分の占有大域幅は54MHzであり、比帯域は0.1に過ぎない。

携帯端末の誘電体を用いた埋め込み型チップアンテナで初めてこの広帯域アンテナの常識が覆され、小さいアンテナは単純に狭帯域になるだけだという理解が進んで既に定着している。アンテナが狭帯域でQ値が高ければ、高調波が十分に減衰し、送信アンテナはA級ではなくD級で駆動する事が出来、送信電力効率は大幅に改善する。

携帯端末の送受信アンテナのケーブル終端抵抗などの無意味な抵抗を無くし、アンテナとICを直結し、放射抵抗以外の抵抗損失の割合が減れば、アンテナの違いによる得失はない。この大きな改善を阻んでいるのは、高周波測定器が全てケーブルの特性インピーダンスで終端するようになっていて、研究室での測定状態がそのまま商品化されるあらである。

残された改善の余地は指向性利得を上げることだけである。携帯端末の大きさで、指向性利得を工夫することは困難である。指向性を改善するのは携帯端末から離れて配するパッシブリピータである。
パッシブリピータの基本的なアイキテクチャー(技法)に微小ループの直列リレーがある。八木宇田アンテナの導波器列にも同様の観念があるが、両者には決定的な差がある。八木宇田構造の導波器は半波長より短く、流れる電流は到来電界に対して90度進んでいる。これに対してパッシブリピータは、共振周波数であるために、流れる電流は到来電界と同相である。ループに流れる電流はループの内側で到来磁界を打ち消し(レンツの法則)、外側で到来磁界を強めるように流れる。図14のようなインラインに共振リングを並べると、電磁界が単純に増倍される。
パッシブリピータのもう一つのアイキテクチャーとして、電波レンズがある。遠方から到来する電界Eに対してターゲットされたスポットの電界を、二次放射器のフェーズドアレーで数倍に高めることができる。レンズ形配置では外側の共振周波数を少し高くして、スポットの場所に焦点を結ぶことができる。
パッシブリピータ列は無損失で電磁波を特定方向にのみ送ることを可能にする。その性質は同軸ケーブルと類似する。図16に示すように、たとえば微小共振ループから構成されたパッシブリピータを半波長以下の間隔で並べると、電磁波の遠方界はその列に沿った方向にのみ光速で進行し、それ以外の方向の放射はゼロになる。同軸ケーブルと同じように、多少の屈曲は許容される。

同軸ケーブルと違うのは、同軸ケーブルでは分岐器を用いなければ信号や電力を取り出すことができないが、パッシブリピータ列ではそのまま近傍界からそれらを取り出すことができる点である。パッシブリピータ列の電気銅の使用量は、同軸ケーブルの1/10程度である。

パッシブリピータ列の振る舞いは、オリバーヘビサイドのポインティングベクトルによる放射エネルギーの理解が適切でないことを示している。1Kmの長さのパッシブリピータ列で信号が左から右へ伝送される場合、放射抵抗を持つのは左端の入力部のパッシブリピータだけであって、途中の全てのパッシブリピータリピータからの放射(伝送)には放射抵抗が伴わない。宇宙の無限遠に向けてエネルギーが放射されているという観念は間違っている。また受信アンテナがその等価断面積でこのエネルギーを受け取っているというのも間違っている。ビオ=サバールの法則・概念にはこのようなエネルギーの粒子的放散という概念は存在しなかった。

同軸ケーブルの途中のある長さの区間の役割は、左から右へ進行波が通過することであり、そこには特性インピーダンスが定義されるけれども、その区間に放射抵抗に相当するものは存在しない。受け取るものが存在しないときに放射エネルギーを定義しても意味はない。パッシブリピータを取り扱うときに、従来のヘビサイドの理解は不適切であり、設計者を発展性のない世界に閉じ込める。ヘビサイドの理解では同軸ケーブルの説明もできない。

本発明の目的である、21世紀の社会に於ける電気銅の使用と再利用出来ない乾電池の使用を20世紀の1/10に減じる幅広い計画の一部を構成することは、本発明だけでなく、電波応用に限らない全ての社会構造に於いて、確実に達成できる見込みである。その根幹をなす技術は、産業革命以来の歪められた物理学を正しいものに引き戻したものである。

1)消費者が所持する携帯電話の送受信の周波数に合った送信用、受信用のわらしべシールを携帯端末の外側に別々に貼り、携帯電話用地上波デジタルを受信する場合は、さらにその周波数に合ったものを追加し、埋め込み型誘電体チップアンテナの送受信性能を改善する。

2)新規出荷される携帯電話端末の送受信アンテナをPCBパターンのIC放射器と携帯端末の外側に貼るパッシブリピータの組み合わせとすることができる。テレビ受信に於いても同様である。

3)同軸ケーブルに代わって、パッシブリピータ列により、無放射で電磁波を長距離伝送することができる。

4)パッシブリピータにより、家の中で自在に電波伝送空間を創出でき、また家の外には電波が漏洩しないようにできる。

5)パッシブリピータにより、電池を必要としない防災ラジオを作ることができる。

6)トンネルの漏洩ケーブルをパッシブリピータに置き換えることができる。

7)パッシブリピータにより山岳緊急無線や遭難者検出を実現できる。
消費者が既に取得している埋め込み型誘電体チップアンテナを用いた携帯電話端末の送受信の性能は、1/4波長のモノポールか、それをインダクタンスローディングで短縮したホイップアンテナと比べると、2〜4dBの利得低下がある。高いQを持つパッシブリピータを、図17に示すように携帯電話端末の表面に貼ることで、この2〜4dBの利得低下は回復する。

概念として、埋め込み型誘電体チップアンテナはインダクタンスローディングした垂直偏波微小ダイポールアンテナと等価であるから、パッシブリピータで電界を増倍して与えるものである。数式29が増倍率である。


しかし、携帯電話端末の内部で、埋め込み型誘電体チップアンテナと送受信増幅器がダイプレクサなどを介して特性インピーダンスで終端されているための損失は回復することができない。この点は携帯電話端末のフロントエンド部を再設計しなければ、狭帯域パッシブリピータリピータの利点を享受できない。

携帯電話端末でのテレビ受信は、韓国のTDMB方式の一部を除いて水平偏波で送出された電波を受信する。従って何らかの形で実現されている既存の携帯電話端末のテレビ受信アンテナは水平に配置された容量装荷微小ループアンテナと等価であるから、パッシブリピータで磁界を増倍して与える形式になる。数式30が増倍率である。この増倍率がそのままアンテナ利得になるのではなく、結合によってより適切なアンテナとして働くのである。パッシブリピータは図18に示すように、二次放射器として基板やシャーシから浮き上がっているので、より良好なアンテナになる。
携帯端末の新規設計に於いては、PCBパターンアンテナの一次放射器とパッシブリピータとしての二次放射器の組み合わせが、本発明のタイプBである。二次放射器は微小ダイポールであり、その容量性リアクタンスが、装荷インダクタンスと打ち消している。一次放射器は微小ループであり、二次放射器の装荷インダクタンスと結合している。一次放射器の微小ループは、非放射性の装荷容量と共振している。図19にその構造を示す。

携帯端末のテレビ受信の新規設計に於いては、図20に示す水平面の無指向性アンテナの一次放射器とパッシブリピータとしての二次放射器の組み合わせが、本発明のタイプBである。

図21は半径aの二次放射共振ループの中心からhだけ離れた高さに於かれた一次放射器での磁界を表す。

数式30はhだけ離れた場所の磁界強度である。


携帯電話通信チャンネルで、20MHz程度の送信チャンネル帯域と、20MHz程度の受信チャンネル帯域がある場合、パッシブリピータを送受信で分離して、ダイプレクサを不要とするのみならず、それぞれの帯域のパッシブリピータを複同調構成として、TXの信号がRXチャンネルに漏洩する量を減らすことができる。
携帯電話の電波が家の中で減衰するので、比較的電波が受かり易い場所を試行錯誤で見つけて、そこに行って携帯電話を掛けるのではなく、図22に示すように、積極的に掛けたい場所を選んで、その場所に屋外からの電波が強化される携帯スポットを形成することができる。その費用は100〜200円程度であり、ガラス窓に貼っても視界や採光に大きな影響をもたらさない。
日本の関東地方のデジタル放送は、522〜576MHz帯で行なわれる。この帯域を1つのリピータでカバーするためには、リピータのQ値は10程度でなければならない。テレビ放送は大部分水平偏波で行なわれている。OFDMのデジタル受信は極度でないマルチパスを厭わない。家屋の一つの側面はテレビの送信塔に面しており、その面の窓ガラス付近では、テレビ放送を受けられるとする。その窓ガラスに張り付けられるLC共振リピータは放射性の微小ダイポールと、放射性の小さい装荷インダクタンスで構成される。図23に示すように、窓ガラスに貼られるパッシブリピータアレーは、家の中の1点で位相集中するように、外周の共振周波数は高く、内側の共振周波数は低くなっている。アレーで位相集中し、到来電界の数倍の電界強度に高められたその1点に、放射性の水平面ループを持つリピータを配し、水平面を保つかツイストされ、インラインリレーを経て分岐され、一つは据え置きテレビ受像機に、もう一つはノートブックPCで作業する場所に電界スポットを形成する。これらの機器は75オームケーブル入力端に1cm角程度のリピータ片を繋いで、テレビを十分な信号レベルで観賞できる。
ワイヤレスLANに於いて、アクセスポイントやワイヤレスルータなどの基地局に対して、ノートブックPCなどの簡略化された送受信アンテナを持つ組み込み型端末局やUSB接続、或いはPCカードのLANアダプターに、パッシブリピータシールを貼り付ければ、送受信の性能は一般的に向上する。

基地局と端末局がお互いに見通し範囲であるが、距離が遠くて接続が不良の場合は、天井にパッシブリピータ列を図24に示すように配して、端末局で二次放射の位相が一致するようにして、端末局に必要な電界強度を与えることができる。この場合は、パッシブリピータ列は反射凹面鏡の配列にし、行・列を構成するLC共振回路は同じ共振周波数でよい。列の中のコイル間の結合の影響は設計時に考慮されなければならない。

例えばこれを平行に4列配して、凹面鏡となるように外側2列の高さを下げれば、列間の結合は少ないので、端末局の電界強度は1列に比べて、ほぼ4倍となる。

凹面反射鏡配置のNxM個のパッシブリピータアレーを、図25に示すように、基地局から見た端末局の背面に置き、リピータの相互結合を無視した場合、数式21の電界増倍率にNxMを乗じた増倍率を得る。背面のパッシブリピータアレーを凹面鏡配列ではなく平面配列にする場合は、図25の下半分に示す共振周波数オフセットを与える。

基地局と端末局を結ぶ線上に、図26に示すように、電波レンズとしてパッシブリピータアレーを置く。レンズとは外側のリピータの共振周波数が高く、到来電界に対して再放射電界の位相が進み、経路の長さによる位相遅延を補正するものである。外側の位相の遅れは90度までしか与えられず、内側の位相の進みは90度までしかあたえられないので、肉厚構成としてそれ以上の位相変化を与えて、焦点距離を短くしてもよい。

一般的には、数円の経費で、図27に示すように、基地局と端末局の間に数個のパッシブリピータを、目立たぬように、点在させて、リレーするのが適切である。

ワイヤレスLANとは、セキュリティの危険と通信速度の低下の可能性を賭して、ケーブルを無くすものであり、正しく設計されれば銅の資源を節約するものである。また隣近所に無償のインターネット接続を提供するものである。その気持ちを持つならば、隣近所には安定した接続を確保するために、100円程度で買う事ができるワイヤレスリピータを無償で進呈し、決して月額の料金の分担をねだってはならない。その場合インテーネット接続で電話が無料で掛けられ、ライフラインとなることがあるので、できるだけAC電源や電池を使わないようにしまければならない。隣近所は信頼し合い、無線LANの電波を分け合う家に向かって、電界集中する方策を、数百円の経費で、善意で提供しなければならない。

家の中で、構造壁やアルミ箔を張った防音材のために、L字コーナーやクランクがあってワイヤレスLANの接続が成立しないことがある。図28に示すコーナーリピータで電磁波を再放射によって端末局に導くことができる。ワイヤレスLANは垂直偏波であり、LC共振回路のループアンテナは鉛直面に配せられるが、上下方向への再放射は無駄であるから、2つのループを上下に半波長離れて配しその放射を無くすことができる。

コーナーリピータと2つ使って図28に示すクランク路をクリアできる。
家の中で2つの部屋が遮蔽壁で電磁的に隔離されている場合、図30に示すように壁の両側に高い共振のQ値を持つパッシブリピータを置き、壁に小口径の通路を設けて、それらの給電点を並列共振抵抗と等しいインピーダンスの線路で結ぶことによって2つの部屋を単一の電磁空間にすることができる。この場合、それぞれのパッシブリピータと背後の壁の距離を1/4波長とし、且つ背後の壁を波長の程度の大きさのアルミ箔等の良導体で覆えば、効率がよい。この場合半空間にあるパッシブリピータの並列共振抵抗は、自由空間にある場合の2倍程度である。

この共振による部屋の透明化で、遮蔽された隣室の電界は数式31で表され、図31に示すように数倍の電界強度が得られる。

窓の開口率が小さい車や列車の中では、車内の電界が開口率に比例する程度に、電界が弱くなる。車や列車の中では、開口部から数波長以内の距離に座ることが多い。移動体ではパッシブリピータアレーは車内に電界集中スポットを定在させることができない。できることは、電界強度の平均値を大きくすることだけである。高い共振のQ値を持つパッシブリピータをアレーとして、車や列車の窓ガラスに配置することによって、図32に示すように、窓ガラスから数波長以内の座席での電界強度の平均値を、パッシブリピータアレーがない場合に比べて、数倍に増強することができる。

従来のアンテナ工学では、金属はほぼ完全な導体と看做せ、それと真空の2つの要素で理論が構成されていた。しかし同じ導体でも、常伝導と超伝導では伝導率の側面では大きな開きがあるように、金属とパッシブリピータとは、レンツの法則で到来電界を打ち消しても、その打消し能力には格段の開き(共振パッシブリピータのQ値に相当する開き)がある。図33の上部に示すように、電波源から見た金属の背後の電界が無くなる(遮蔽される)のは金属を流れる電流の再放射が電波源からの到来電界を打ち消すからである。即ち、金属中に多くのショートリングができるが、ショートするインピーダンスは放射抵抗ではなく、リアクタンス分である。これに対して共振パッシブリピータでは、ショートリングをショートするのはリアクタンス分を打ち消した放射抵抗であるため、図33の下部に示すように、金属と比べて極めて大きな影響を及ぼす。現在のアンテナ工学は、全て金属の動作の程度でしかアンテナの挙動が考えられていない。

ステルス戦闘機の電波吸収技術も、高々金属の振る舞いを元にしたアンテナ工学の延長線でしかなく、極めて非能率で重量感に溢れる無反射技術であり、20世紀の遺物である。

図34にレンズシートの大きさと行路差の関係を示す。

数式32から焦点距離が長ければ、少ない行路差でよいことが分かる。


図35は共振周波数に傾斜を持たせた平面型電波レンズシートと、竹ひごによるシートの展開と平面性の保持を示す。
従来トンネルでの電波通信は、トンネル外の送受信アンテナと送受信増幅器とトンネル内の漏洩ケーブルが使われていた。本発明はトンネル外の送受信アンテナとパッシブリピータの接続でこれを行うが、受動素子で構成されるため電波法の規制の対象ではなく、また電力供給を必要としない。漏洩ケーブルとパッシブリピータの連結の最大の違いは、漏洩ケーブルの波長短縮率が0.66程度であるのに対して、パッシブリピータの連結では群遅延はリピータのQ値に依存するが、位相遅延に於いては波長短縮率が1.00であるため、電界の放射と電波の伝播が同時に行なわれる点である。図36にトンネル電波通信のためのパッシブリピータの構造を示す。

TEM波で動作する同軸ケーブルで信号を伝送すると、多量の電気銅、ポリエチレン、ポリビニールを使用する。パッシブリピータを一定間隔で配置すると、図16に示すように遠方界は配置方向にしか生じない。同軸ケーブルもパッシブリピータ列も急激でないカーブを形成でき、また信号を数Kmに亘って伝える事ができる。同軸ケーブルは外皮網線の外には電界が漏洩しないが、パッシブリピータ列では近傍界を取り出す事ができ、同軸用のコネクタや分岐器を必要としない。トンネルの漏洩ケーブルと比べると、パッシブリピータの電気銅やプラスチックの使用率は1/10以下である。パッシブリピータ列では個々のLC共振の放射抵抗が打ち消し合っている。同軸ケーブルは直流から1GHzまで等しく動作するが、パッシブリピータ列は特定の周波数でのみ動作する。

現実にはトンネルのパッシブリピータ列を無電池・無電源の無線非常電話として兼用して使うことになる。通常200mの間隔で設置される。
高速道路では、事故が起こった場合、どちらの方向に歩いていけば緊急電話が置いてあるかが路肩のポストに示されている。このシステムは、電池を使わない無線で置き換えることができる。その場合、間隔を短くする事ができ、高速道路の路肩を歩いて、2次的な事故に合う確率を減らせる。図37に無電池の高速道路緊急無線電話装置を示す。

現実には、高速道路のパッシブリピータ列を、緊急電話以外の、交通情報やサービスエリアとの連絡など、多目的に使用できる。
登山者の安全を確保するのに、二つの方法がある。その一つは携帯電話等の基地局との間の通信距離を、通例の数Kmから数百Kmの距離に延長出来て、下界の基地局に向けてSOSのサインを送れるようにする手段を講じることである。二つ目の方法は、入山者を絶えずトレース(追尾)する手段を講じることである。図38に山岳緊急無線のパッシブリピータ応用を示す。

登山者のための携帯電話端末は、不必要な機能はオフして1ヶ月程度の山行きでも充電電池持続が可能な通話専用モードで動作する。端末の重量は120g程度である。本発明によらない従来技術で達成可能なことは、山頂や稜線で下界の基地局が見通せる定点に金属製の80cmx110cm程度の口径のオフセットパラボラアンテナを設置し、その焦点に携帯電話端末を置けば50〜80倍程度の電界増倍率が得られる、即ち通信距離は50〜80倍に延長される。この単純なことが実現されていないのは、携帯電話事業会社が私企業であり、山岳緊急無線電話の必要性と通話頻度が相反して採算上成り立たないからである。これに代わる本発明の方法は、登山者が50〜80倍程度の電界増倍率を持つパッシブリピータアレーシートを携帯することである。50〜80倍の電界増倍率を持つには80cm角の大きさのシートが必要であり、折りたたむとタバコの箱程度の大きさになり、その重量は約25gである。遭難した状態で、このシートをパラボラアンテナ状に形成するのは不可能である。しかし図39に示すように竹ひごで張って平面を形作るのは、2000年以上前から人類が行って来たことであり、1分程度でできる。パッシブリピータアレーシートの外側の共振周波数が段階的に高くなっていると、シートを下界の基地局の方向に正対させた時に、シートの前側と後側の2箇所に電界強度増強スポットが形成される。通常は後側のスポットに携帯端末を置いて通信を試みる。携帯電話の基地局の多くは、放射指向性が下方になるように、垂直位相差スタックでチルトされている。

図40に示すようにインラインマグニファイヤーを直線的に張って、数百Km離れた基地局に向ける方法もある。この場合は巻き取りであり、シートの重さは25g程度である。

多くの登山路は国有林であり、国の義務において下界の基地局がどの方向にあるのかを表示して置かねばならない。携帯電話事業会社に課せられる義務は、数百Kmの見通し通信距離からのレイテンシー(周回遅延)を受け入れ、またSOSサインと受け取った場合は、基地局はその山岳地点に向けて絞られた送受信電波ビームで交信を行うことである。また海上の遭難に於いても同様の策を講じることが望まれる。

二つ目の方法は、登山者の入山に際して。登山カードでの登録だけではなく、恐らく究極の安全のために各自が肌身に所持するであろう電子指紋を、里程のポールが読み取る方法である。山岳、登山路には商用電線は敷設されない。それは登山の目的を逸脱しているからである。商用電源は麓の入山口まで来ている。麓から山頂までの山岳登山路に、また分岐路に、有線の通信線路ではない無線のパッシブリピータ列が敷設される。その山頂までのパッシブリピータ列の要所にステーションが設けられる。登山者はこのステーションから無線・無電源の緊急電話でSOS通話ができる。ステーショは太陽電池等を補助電源とすることができ、ステーションから分かれたストレッチも含めて、登山者が持つ電子指紋を下界からのコントロールでディップサーチを行い、全登山者を常時把握し、また把握されないか静止していることを事故のサインとしての情報とすることができる。遭難の発生を検知して捜索隊が派遣された場合、登山路から大きく外れると電子指紋の検出が困難になる。遭難した登山者がパッシブリピータアレーシートを広げて特定の方向に向ければ、捜索隊はこれを発見することが可能になる。

山での事故の要因は、土砂崩れ、雪崩、クレパス、沢の増水、落石、浮石、落雷、春の雨、霙、滑落、転落、登山路逸脱、怪我で動けない、骨折、発作、急病、熊との闘いなどである。図41に山岳緊急無線のネットワーク系統図を示す。
乾電池で動作する防災ラジオが、いざ災害が起こると多くの場合、電池が液漏れしていて使えないという事が調査で明らかにされ、問題である。防災ラジオに七つ道具のような便利さを求めても、そういうものが役に立つかどうか、時代で検証されたわけではなく分からない。そもそも予期せず起こる大災害時に必要なものに、乾電池を使うことが間違っている。携帯電話は毎日使うものであるから、通常は充電されているので、災害時にラジオとして利用するのが好ましい。その補助的な役割として、昔の鉱石ラジオを改良したものが役に立つであろう。その改良されたものを図42に示す。

防災ラジオとは、他の連絡方法や情報入手ができず、最後の手段として九死に一生を得る際に利用できるものでなくてはならない。災害が特定の地域に起こったときに、図43に示すように、その被災地域に向けたラジオ放送の送信出力の指向性を増強すべきであろう。防災ラジオは少なくとも100年間は、何時でもすぐに使えるものでなければならない。

防災ラジオはまた、図44に示すように、電界増強スポットでの通信ステーションでは、イヤフォンがマイクロフォンとなって、半二重の通信が可能なものでなくてはならない。また電子指紋などでの行方不明者のディップサーチによる検知ができる手段と併用されなければならない。
産業革命の影響を強く受けたヘビサイドの電波伝搬とエネルギー放射の概念のミスリードを正し、ビオ=サバールの原点まで理論を引き戻すのが21世紀の電気理論の再出発点である。真の物理世界の認識は地球環境救済の幾つかの決定的な解を与えてくれる。20世紀の最後の四半世紀に電子工学の大きな発展がありながら、電波工学が停滞した元凶はヘビサイドのエネルギー放射観念である。すべての科学者がこの束縛から解放されなければならない。

先ず数式5と数式14に示されるように、有能電力はアンテナの大きさとは無関係である。大抵の物理学者は、図45のエビデンス1に示すように、大きなパラボラアンテナは大きなエネルギーを受け取ると信じている。パラボラアンテナとは送受信に於いて、位相集中を起こすものであって、エネルギーなるものを受け取っている訳ではない。大きなパラボラアンテナは、NAを大きくして位相集中の起こるスポット径を小さくし、そこにホーンフィードを置いているだけである。

次にヘビダイドとそれに続く電気工学者と物理学者は、放射される電磁波を、たとえば図45のエビデンス2に示すように、パラボラアンテナのような明確な等価断面積を持つ受信アンテナで受け取り、それに開口率なる曖昧な量を掛けて、指向性利得とした。エネルギーがこの断面で切り取られても、その後方は影とはならず電界が生じることを、電波の回折とか電波の回り込みと称して、数値解析は放棄した。ところがヘビサイドから50年ほど経過して、八木=宇田アンテナが日本で考案され、素子の後方は影になるのではなく、電界が逆に3〜5倍強調される場所に放射器を置くことが利用された。八木は電力伝送が送電線を使わず空中を伝播する電波で行うことができるのではないかと考えたが、十分な理論を打ち立てられなかった。八木=宇田はヘビサイドの理論を覆すことができたが、そこまでの能力はなく、ヘビサイドの理論を受け入れたままで、八木=宇田アンテナは初期の設計のまま何の発展もなく、テレビ放送の受信では唯一の手段として使われた。

20世紀に於いては放射抵抗の意味を正しく理解した物理学者は登場しなかった。唯一ウィルソン等が、放射抵抗の等価雑音温度が絶対温度2.7度であることを発見した。しかし、ヘビサイドの観念には何等修正を加えなかった。図45のエビデンス3に示すように、微小ループは無限遠への放射に於いて、放射抵抗を持っている。しかしこの微小ループ1に対向して距離dだけ離れた同じ半径の微小ループ2を置くと、微小ループ1から放射されたエネルギーの一部を微小ループ2が吸収する。dをゼロに近づけると、微小ループ1から放射されたエネルギーの全部を微小ループ2に吸収させることができ、無限遠には電磁波は届かない。即ち微小ループ1はソースであり、微小ループ2がドレインである。電波伝搬とは元来、ソースとドレインの関係を言うのであり、ドレインが存在しない場合に、電磁波は無限遠に向かって波及するのである。送信アンテナアレーが、ある点に位相集中し、受信アンテナアレーが同じ点に位相集中すれば、八木が夢見た98%の効率を持つ電力空間伝送が容易に実現できる。98%の伝送効率とは即ち、無限遠空間を2つのアンテナが同じ位相で共有することであり、決して無限遠に向けてエネルギーが放射されるわけではない。ヘビサイドのエネルギー放射とポインティングベクトルの観念はその一部が誤りであるのではなく、その全体が誤謬である。磁界と電界は単一のものを別の見方をしているのであり、それを掛けても電力にはならない。

この問題はアインシュタイン等がニルスボーアに反論したEPRパラドックスにも関っている。放射が四方に行われ、西で作用をし、また東で作用したものの間には因果関係が特に存在しない。因果関係を押し付けているのは、エネルギーの保存則である。
ベルナーハイゼンベルグは、光は量子的で不確定な電子軌道遷移を起こすと考えた。しかし量子的な軌道遷移が起これば、現在広く行われている直線性が保証された、そして量子雑音のない電波通信を行うことはできない。最大限にハイゼンベルグを擁護するなら、光の振動数は高く電子軌道遷移を起こすが、電波は如何に強くとも決して電子軌道遷移を起こさないと説明するしかない。電子軌道遷移を引き起こさないならば、電磁波は人体に加熱以外の何の変化ももたらさないことになる。しかし、現実には電磁波は何らかの影響を人体に与えることは分かっている。電波応用の発展が停滞して来た要因は、ヘビサイドの間違いだけではなく、その後の20世紀に入ってからの量子論での間違いも要因になっている。これらの間違いは21世紀では解消され、電波応用は人類に与えられた究極的な手段として大きく変貌するのである。
携帯電話送受信、携帯電話テレビ受信、ワイヤレスLANの見通し外通信、高速道路非常電話、トンネルの漏洩ケーブル、山岳緊急電話、防災無電池ラジオ等に利用できる。
は携帯電話端末のホイップアンテナと誘電体チップアンテナである。 は携帯端末アンテナの動作環境を示す。 は携帯端末の誘電体埋め込み型アンテナの指向性例を示す。 は携帯端末誘電体アンテナの周波数応答を示す。 は20世紀のワイヤレスLANのパワー論理である。 は21世紀のワイヤレスLANのスマートシェーピングを示す。 は高いQの微小ループアンテナの動作原理である。 は高いQの微小ダイポールアンテナの動作原理である。 は高いQの微小ループからの近傍界・遠方界放射を示す。 は微小マグニファイヤーループの中心増倍率である。 は高いQの微小ダイポールからの近傍界・遠方界放射である。 は多数回巻きマグニファイヤーループLC共振回路である。 は共振容量分散ループである。 はインライン電波ガイドである。 は電波レンズである。 はパッシブリピータ列による無損失・無放射電波伝送である。 は垂直偏波円指向性誘電体アンテナと近接結合二次放射微小モノポールシールである。 はTV受信水平偏波埋め込みアンテナと後付け二次放射シールである。 は二次放射器を前提とした垂直偏波無指向性PCBアンテナの新規設計である。 はTV受信のための水平偏波無指向性PCBアンテナと二次放射器を示す。 は水平偏波無指向性PCBアンテナと二次放射器の近傍結合を示す。 は家の中の携帯電話通信スポットの形成である。 は家の中のテレビ受信スポットの形成である。 は天井からの再放射によるワイヤレスLANのストレートリピータである。 は背面からの再放射によるワイヤレスLANの反射リピータである。 は電波レンズによるワイヤレスLANのレンズストレートリピータである。 は万国旗リレーによるワイヤレスLANのパッシブリピータである。 はワイヤレスLANのL字コーナーのテレパス形成である。 はワイヤレスLANのクランク廊下のテレパス形成を示す。 は電波遮蔽壁を透明にするパッシブリピータを示す。 は電波遮蔽壁からの距離と二次放射電界による電界増倍率を示す。 はパッシブリピータによる開口率増倍を示す。 は金属板とパッシブリピータの違いである。 はパッシブリピータレンズシートである。 は竹ひご電波レンズシートの展開・保持機構である。 はトンネル内給電のリピータ列である。 は高速道路の緊急電話のリピータ列である。 は山岳緊急無線を示す。 は山岳緊急携帯通話用電波レンズ/凹面鏡シートを示す。 はインラインパッシブリピータによるマグニファイヤーロールである。 は山岳緊急無線ネットワーク系統を示す。 は防災鉱石ラジオを示す。 は被災地向け電力位相集中を示す。 は位相集中鉱石ラジオ無線ステーションを示す。 はヘビサイドの放射概念の間違いを示す。

Claims (19)

  1. IEEE802.11に準ずるワイヤレスLANのパッシブリピータ(受動的再放射器)であり、無線接続される2つのトランシーバが形成する電波空間に、10以上のQ値を持つ放射性のLC共振回路を1つ以上置いて、見通し範囲の通信距離を延長し、或いは見通し範囲でないL字壁やクランク壁を介しての通信や、異なった階の間の通信を、電波を再放射で仲介することにより可能にすること。
  2. 主としてマルチパスを厭わないOFDM方式のデジタルテレビ放送受信に於いて、10以上のQ値を持つLC共振回路からなるパッシブリピータを複数個配して、電界集中スポットを家の中に形成し、その場所ではテレビを屋外に設置された据付アンテナから引き込まれた同軸ケーブルに接続するのではなく、テレビに付属するか、テレビと共に移動できる室内アンテナで受信できるようにすること。
  3. 建物の中で携帯電話が通じない場所に、パッシブリピータとしての10以上のQ値を持つLC共振回路を2つ以上N個配して、再放射を位相集中させたスポットを生成し、その場所に行けば携帯電話の送受信が可能なようにすること。またその際にN個の再放射の位相合致を行なうために、携帯電話端末のRSSI(信号レベルメーター)を見ながら最適配置を構成出来るようにすること。
  4. 端末機のシャーシ部を接地面と想定した1/4波長の標準モノポールに準ずる−2〜0dBの利得のホイップアンテナを廃し、利得を犠牲にし、利便性とデザインを重視した、利得−5〜−2dB程度の機内組み込み型誘電体チップアンテナを導入した携帯電話端末に於いて、携帯電話送受信の割り当て周波数バンドで共振し、また地上波デジタルの携帯方式(日本のISDBワンセグ方式、欧州のDVB−H、韓国のTDMB等)の占有帯域(日本の東京地方では522MHz〜576MHzの比較的狭い帯域)で共振する、パッシブリピータを、1〜3cm角程度のシールで実現し、埋め込みチップアンテナの近くの携帯端末機の表面に、それぞれ携帯電話帯域用、また地上波デジタルの携帯方式用として貼り付け、受信した電波を再放射して、埋め込みチップアンテナに増倍した電磁界を与えて−2〜+2dB程度の総合的な利得を回復し、送信に於いては可逆性から同様の改善が与えられることにより、携帯電話の埋め込みチップアンテナでは送受信性能を改善し、また携帯テレビの受信性能を改善し、またこのシールに意匠を施す事。
  5. 組み込み型誘電体チップアンテナを使用せず、新規に設計される携帯電話端末の送受信機構に於いて、機器内にマウントされるかPCBパターンで構成される送受信アンテナ単独で動作するのではなく、端末の最外部に取り付けられたLC共振回路からなるパッシブリピータを二次放射器として動作させることを前提にして構築された送受信システム。
  6. パッシブリピータの近傍での電磁界増強能力が、その放射素子部分の大きさには関係せず、主に狭帯域性を示すQ値に比例する事を利用して、携帯電話の場合は上り通信(TX)と下り通信(RX)にそれぞれの帯域に制限した狭い周波数帯域の共振を持つ別々のパッシブリピータを持ち、またテレビ受信に於いては有用な帯域を分割して2つ以上のパッシブリピータを割り当てること。また携帯電話の送受信に於いて、送信と受信を周波数分離する場合、スプリッターやダイプレクサを用いず、送信と受信それぞれ、2つ以上のLC共振アンテナからなる複同調として、全二重または半二重通信方式に於いて、送信信号が受信増幅器に漏洩する量を十分に減らすこと。
  7. パッシブリピータをハンカチ様の薄い布や紙やテーブルクロスに埋め込み、それぞれ異なった共振周波数のパッシブリピータを複数埋め込むか、向きを変える形で埋め込むか、互いに干渉して電磁界増強が減殺しない形で間隔をあけて埋め込むかして、その上か近傍に携帯端末を置いたときに、満遍なく送受信の電波が強まるようにすること。
  8. 電波の反射が顕著でない環境で、テレビの送信タワーや携帯の基地局から遠いが明らかにそれらの方向が分かる場合に、パッシブリピータを、狭帯域で鋭い指向性を持つフェーズドアレーを構成するように複数個配置して、電磁波をより一層増強するようにした、丸めてポケットにしまって持ち歩けるようにしたシートを構成すること。
  9. テレビの特定の局の周波数に鋭く共振し、それ以外の局の周波数では減衰し、共振した特定の局が選ばれるようにした、パッシブリピータ。
  10. パッシブリピータの放射性素子を微小のループアンテナとして、PET(ポリエチレンテレフタレート)や再生紙などの上に、印刷か蒸着かエッチングなどで一回巻きか、スパイラル数回巻きの誘導性コイルを形成し、そのコイルの巻き始めと巻き終わりを非放射性の個別部品の共振容量でジャンパーを兼ねて接続して高い共振のQ値を得るか、パッシブリピータの放射性素子を微小のループアンテナとして、PET(ポリエチレンテテフタレート)や再生紙などのフィルムの両面か片面に形成し、スルーホールやジャンパーを用いずに、フィルムの両面で対向する電極間の非放射性の容量で結合することによって高い共振のQ値を得ること。
  11. パッシブリピータの放射性素子を微小のダイポールとし、それを中央部で装荷するコイルを比較的非放射性の小さい形状にしたものを、10以上のQ値のリアクタンス共振の主要部とし、それらをスルーホールやジャンパーを用いないフィルムの両面で形成する対向電極間容量で結合すること。
  12. 10以上のQ値を持つパッシブリピータの放射性素子を、同一平面上のパターンで形成した、微小の放射性ダイポール(容量性)と微小の放射性ループ(インダクター)で構成すること。
  13. 有用な重ね合わせの枚数を2とする、スライド式のパッシブリピータで、容量値かインダクタンス値を可変にする機構を設け、より狭い帯域幅がより大きな電波の増倍率を作るが、共振周波数は可変となるようにしたもの。
  14. 窓の開口率が小さく、窓以外は電波を通さない構造の家、車、電車などの中では、屋外と比べて電波が平均的に弱くなる場合に於いて、窓ガラスにパッシブリピータを多く張って、平均的に屋外と同等かそれ以上の携帯通信やデジタルテレビ鑑賞の電波増強が行えるようにして、電波伝搬に於ける窓の等価的な開口率を高めること。
  15. 構造壁によって電磁的に隔てられた2つの部屋の間を、穴を介して、両端にパッシブリピータを持つ線路で結び、2つの部屋を隔てる壁を電磁的に透明にし、また電波増強を行うこと。またパッシブリピータを壁から1/4波長離して、壁に平面の金属反射鏡(アルミ箔)か凹面の金属反射鏡(金属成型)を貼って、電界増倍率を大きく取ること。
  16. 電波の届かないトンネルで、漏洩同軸ケーブルによる電波再放射サービスに代わって、パッシブリピータ列を構成し、リピータ列を伝わった波長短縮がなく減衰の殆どない進行波で、トンネルの続く方向以外の遠方界を無くし、走行する車への近傍界で、改善された電波サービスを行い、また電気銅の使用を大幅に少なくすること。
  17. 有線で1Km程度の間隔で配置されている高速道路路側帯緊急電話(非常電話)をパッシブリピータ列で無電源の無線で構成すること。また現在1620KHzで行われている道路情報放送を、緊急電話と同じ狭帯域のパッシブリピータ列からの近傍界で行うこと。また走行する車からのサービスエリアへの料理メニュー注文などに使うこと。また急病の発生などを、高速道路で停車しなくても伝えられるようにすること。
  18. 山岳緊急無線電話として、携帯電話端末を所持する場合は、不必要な機能はオフして1ヶ月程度の山行きでも充電電池持続が可能な、通話専用モードを設け、パッシブリピータアレーを携行して、数十〜数百倍の電界強度増倍率とし、下界の基地局が見通せる場所まで登れば、数Kmの見通し通信距離が数百Kmの見通し通信距離となるようにし、またそのような距離のレイテンシーを受け入れること。またSOSサインと受け取った場合は、基地局はその山岳地点に向けて絞られた送受信電波ビームで交信を行うこと。また海上の遭難に於いても同様の策を講じること。また山岳登山路をパッシブリピータ列で繋いでステーションを要所に設け、登山口から山頂までを商用電源を持つ里山基地局から50W程度の無線出力で駆動すること。登山口で登山カードの提出と同時に、電子指紋登録された登山者は、パッシブリピータ列で常時追尾される。登山路から逸脱した場合は、異常とみなされる。ステーションでは登山者が携帯する無電池の無線装置で音声の送受信を行える。携帯する無電地の無線装置はパニックボタンでSOS信号とIDを自動的に送信する。各ステーションはストレッチを持ち、電子指紋検出網を広げる。下界の里山基地局からのコントロールでディップサーチを行い、全登山者の電子指紋が常時把握され、また把握されないか静止していることを事故のサインとしての情報とする。各ステーションは太陽電池と手動発電機を補助電源として、より高度な通信を行うことができる。緊急の場合、下界からの電波を電力源として、ステーション間の通信を行うことができる。下界の基地局は天候の予測を定時に伝え、ステーションは現場の天候を基地局に報告できる。基地局は緊急連絡や協力要請をステーションのLED点滅で知らせることができるようにすること。
  19. 防災ラジオ放受信に電池に依存しない鉱石ラジオを使用するが、鉱石とは点接触ゲルマニウムダイオードではなく、電波キャリアを整流して駆動するシリコンICを使うこと。また鉱石ラジオはイヤフォンだけでなく、マイク機能を持ち送信を行なえるようにすること。広域の放送局、或いは地域の基地局は、被災地に向けて位相集中した電波ビームを形成し、また双方向通信ができるようにすること。被災者はパッシブリピータアレーを広げて、特定方向の感度を百倍程度高められるようにすること。また電波が百倍程度増強される無線ステーションを設けること。また行方不明者の捜索のために、防災ラジオのシリコンICに個人IDを書き込んで置くこと。また地域の基地局は、送信位相集中を選別スキャンして、位置情報として使えるようにすること。
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JP2008197051A Pending JP2010035052A (ja) 2008-07-30 2008-07-30 ワイヤレスlan及び携帯電話端末等のパッシブリピータ

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