JP2010027971A - コンパクトで効率のよいマイクロチップレーザ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】これらの結晶は、MgOまたはZnOのようなドーパントを含み、かつ/または高い信頼性を確実にする特定の程度のストイキオメトリを有する。レーザは、Nd:YVO4のような、レーザの偏光制御をももたらす固体ゲイン媒体チップと、基本波近赤外レーザビームを効率よく周波数倍増して可視波長範囲にするためのPPMgOLNまたはPPZnOLTのような周期的に分極された非線形結晶チップとを含む。説明される設計は、低コストの緑色および青色レーザ光源を得るのに特に有利である。
【選択図】図1
Description
可視および紫外スペクトル領域においてコンパクトで効率がよく低コストであるレーザ光源が、さまざまな用途のために長きにわたり所望されてきた。これらの用途には、レーザに基づく投射型ディスプレイ、光学式記憶装置、生物分析器具、半導体検査、および分光学が含まれる。低コストでコンパクトで効率のよいプラットフォームを提供するものである半導体レーザは、近赤外スペクトル領域において最も効率よくレーザ光を発するInGa(Al)Pのような材料系に依拠する。〜650nm(赤色)までの動作が、深刻な技術的挑戦もなく可能であって、いくつかの半導体レーザ設計は、効率および信頼性は低下するものの、〜635nmまでの拡張が可能である。可視領域の短波長側において、近年GaN系が開発されており、紫色レーザ(〜400nmから〜445nm)スペクトル範囲におけるレーザが商業化されている。しかしながら、効率よく信頼性のある態様で>470nmの波長を達成することは、ほとんど克服不可能な挑戦を意味する。こうして、可視スペクトルの大部分(すなわち、〜470nm青色から〜635nm赤色まで)には、現在では効率のよい半導体レーザ解決策がない。
Blue-Green Lasers”, Cambridge University Press (2003))。さらに、低コストであるプラットフォームは、ゲインチップと非線形結晶とを結合してモノリシックなレーザキャビティを形成する、いわゆるマイクロチップ技術を用いることにより得られる。マイクロチップ概念は、最初にムーラディアン(Mooradian)(米国特許第5,365,539号)によって提案されたようである。
線形結晶を用いることにより、そのような多くの限定を克服できると提案した。これらの結晶は、所望の変換波長について高い非線形性をもたらすように設計可能である。したがって、マイクロチップアーキテクチャにおいて実現されたそのようなレーザ設計は、従来のバルクの非線形材料に付随する限定の多くに対処可能である。
に分極されたLiNbO3またはLiTaO3結晶が0.05%のストイキオメトリの範囲にあれば、それらは最大500mWの高出力パワーで安定であるためにドーパントを何ら必要としないことを見出した。ストイキオメトリが0.6%以内である結晶については、約0.1から約0.6モル%のZnOまたはMgOでのドーピングが、ストイキオメトリックな周期的に分極されたLiNbO3またはLiTaO3によって得られるのと実質的に同様の有利な結果を達成する。この発明は、ドーパントとしてMgOまたはZnOを含むか、および/またはこれらの材料に対する高い信頼性を確実にする特定の程度のストイキオメトリを有する、周期的に分極された材料に基づく、コンパクトで効率がよく低コストである周波数倍増レーザを教示する。ZnOまたはMgOでドープされたストイキオメトリックなLiNbO3およびLiTaO3は、それらのコングルエントな対応物とは非常に異なった材料であり、これら材料の変化した強誘電特性は、これら材料が可視スペクトル範囲への周波数変換に要求される短周期の数ミクロン長さ領域へと分極することを非常に困難にしている。周期的に分極され、ZnOまたはMgOでドープされてストイキオメトリックであるLiNbO3およびLiTaO3を生成することにおける技術的挑戦は、最近になって克服され、これらの新しい材料が製造可能であることが示されている。青色、緑色およびより長い波長領域にレーザ変換するのに好適である長周期を有する結晶が生成されており、そのような生成プロセスは同時係属中の同じ譲受人に譲渡されている公開米国特許出願第2005/0,133,477号に記載されており、その開示を引用によりここに援用する。
図1は、この発明の好ましい実施例を示す。ポンプダイオードレーザ1は、ゲイン材料(素子)8による効率のよい吸収のために、ビーム2をたとえば800から900nmの間の波長で、たとえば〜808nmまたは885nmの波長で放出する。ビーム2はしばしば非点収差を有し、ポンプビーム2をビーム4に変換するのにビーム整形光学素子3が有利に用いられて、ビーム4はゲイン媒体8の表面7上に所望の直径の円形の断面を形成する。この種のポンピング構成は当該技術分野において公知であって、これはゲイン素子におけるポンプ領域を、効率のよい非線形周波数倍増のために単一空間モード(またはTEM00)でなければならないものである、キャビティ内(intracavity)循環ビームに効率よくオーバーラップさせることができる。ゲイン素子8上のポンプスポットについての好適な直径は、100から300ミクロンの範囲内である。ビーム整形光学素子はマイクロレンズ、屈折率分布型レンズ、またはそのような光学素子の組合せであってもよい。単純性およびコンパクト性を優先して効率性を犠牲にできる場合は、ビーム整形光学素子3をなくしてもよい。アセンブリ3の別の部分はダイオードレーザ1のスペクトル放出を狭めるのに用いられる体積ブラッググレーティングであり得る。ポンプレーザのスペクトル出力を狭めることは、レーザシステムの効率性にとって有利である。そのようなスペクトルを狭めるための方法は、たとえば以下の論文に記載されている。L・グレボフ「ダイオードレーザスペクトルパラメータの最適化および安定化」(L. Glebov.“Optimizing and
Stabilizing Diode Laser Spectral Parameters,”Photonics Spectra, January 2005)。
、素子6はゲイン素子8に結合されてヒートシンクとして作用する。表面5および7はたとえば808nmのポンプレーザ波長での高い透過率のためにコーティングされる。表面7のコーティングはまた、1064nmのような基本波レーザ波長での高い反射率をも提供し、固体レーザキャビティの第1のミラーとして作用する。コーティングは、固体材料8によりサポートされる所望の波長で、たとえば1342nmで、レーザ光を発するよう選択されてもよい。この例においては、このミラー7または第2のキャビティミラー12のレーザ遷移主波長(Nd:YVO4ポンプレーザの場合においては1064nm)での反射率を低減するよう注意しなければならない。素子6として用いるのに好適である光学的に透明なヒートシンク材料のいくつかの例は、サファイア、ドープされていないYVO4およびドープされていないYAGを含む。これらの素子のうち、サファイアは、その高い熱伝導率と、Nd:YVO4に対する良好な熱膨張率の適合とにより、最も効率的である。このレーザ設計の低パワーバージョン(<1Wの吸収ポンプパワー)においては、ゲイン素子を銅または別の高い熱伝導率を有する金属の搭載部上に搭載することなどの、従来的なヒートシンク方法も受入可能であって、この発明の範囲に含まれる。
性が非線形係数の二乗でスケーリングするので、KTP(緑色波長への変換には〜3.5pm/V)またはLBO(〜1pm/V)のような従来的な材料の代わりにPPMgOLNのような材料を使用すると、従来的なバルク材料を使用した場合よりも、コンパクトで消費電力が少なく高いパワー出力のシステムを構築することが可能になる。たとえばKTPと比較して周期的に分極された材料を使用することのさらなる利点は、第2高調波発生プロセスのために基本波ビームの偏光が1回しか必要でないことである。(SHGを緑色波長範囲に変換するために最も広く用いられている結晶である)KTPにおいては、結晶において基本波長で2つの直交する偏光が励起されなければならない(これはいわゆるタイプII位相整合SHGを構成する)。これはキャビティ内レーザビームの偏光解消のおそれ、したがってパワーと効率との両方が失われるおそれをもたらす。
率のために、コーティングされることが好ましい。説明される配置の縦および横ダイメンションは、レーザ設計の分野において公知であるように高い効率性のために最適化される。我々は、532nm(緑色)波長で数百ミリワットのパワーを得るために、非線形結晶長さが5mmを超える必要がないことを見出した。光ビーム11は、基本波長でのキャビティ内レーザビームを示す。ビームは、ゲイン素子8から遠ざかる方向に伝搬するキャビティモードを図示する。後方に伝搬するキャビティモードは、この前向きに伝搬するビームとオーバーラップするので、図示されていない。同様に、第2高調波ビームは前方向と後ろ方向との両方において発生される。後ろ向きに発生される第2高調波ビームは光学表面9で反射されて、前向きに発生される第2高調波ビームと再び合成され、単一のビーム13がレーザキャビティから出射する。
側においても用い得ることに留意されたい。
4. T・ジョージス(T. Georges)「レーザダイオードポンピングされたモノリシックな固体レーザ装置および該装置の適用方法)(“Laser diode-pumped monolithic solid-state laser device and method of application of said device”)、国際特許出願WO2005/036,703号。
9. ステパン・エサイアン「周期的に分極されたニオブ酸リチウムおよびタンタル酸リチウムの非線形光学素子の製造方法」(“Method for the fabrication of periodically poled lithium niobate and lithium tantalite nonlinear optical components”)米国特許出願第2005/0,133,477号。
Claims (29)
- 周波数倍増された可視または近紫外出力をもたらすコンパクトで効率のよいマイクロチップレーザであって、選択された波長でのポンプビームを提供するポンプレーザと、レーザキャビティの形成におけるレーザマイクロチップとを含み、マイクロチップレーザはさらに、
a) コーティングされた表面によって規定される2つのミラーと、
b) 半導体ダイオードレーザによってポンピングされ、前記2つのミラーの間に配置される固体ゲイン素子と、
c) やはり2つのミラーの間に配置される、バルクの周期的に分極された非線形周波数倍増結晶とを含み、前記結晶は、PPMgOLN、PPMgOLT、PPZnOLN、PPZnOLT、ストイキオメトリックなPPSLN、またはストイキオメトリックなPPSLTを含む、レーザ。 - 前記ゲイン素子は、その結晶軸の1つに沿って、より大きなゲインを有する結晶である、請求項1に記載のレーザ。
- 前記ゲイン素子は、Nd:YVO4、Nd:GdVO4、またはNd:YGdVO4、Nd:YAG、Nd:YLF、Yb:ガラス、Yb:YAG、またはNd:ガラスである、請求項1に記載のレーザ。
- 前記ポンプビームは、マイクロレンズまたは傾斜屈折率レンズを介してゲイン素子に与えられる、請求項1に記載のレーザ。
- 前記ポンプビームは、ビーム整形光学素子を用いることなくゲイン素子に直接与えられる、請求項1に記載のレーザ。
- ポンプレーザは、体積ブラッググレーティングを利用してスペクトル的に狭められる、請求項1に記載のレーザ。
- 前記非線形結晶は、PPMgOLN、PPMgOLT、PPMgOSLN、PPMgOSLT、PPZnOLN、PPZnOSLNまたはPPZnOLT、PPZnOSLTであり、MgOまたはZnOドーパントは、0.1から7モル%の量で存在し、LNおよびLTはコングルエントであるか、または0.6%以内のストイキオメトリである、請求項1に記載のレーザ。
- 前記周期的に分極された非線形結晶は、ストイキオメトリックなLT(PPSLT)またはLN(PPSLN)である、請求項1に記載のレーザ。
- レーザキャビティ構成要素は、別々の素子を接着剤を用いずに化学的に活性化された直接的ボンディングすることにより得られるモノリシックなアセンブリの形態である、請求項1に記載のレーザ。
- 単一周波数の532nmまたは473nm放射発生のための短いキャビティを形成するために、前記周期的に分極された非線形結晶は≦1mmの長さを有し、前記レーザマイクロチップは1.3mm未満の長さを有する、請求項9に記載のレーザ。
- 前記レーザキャビティ構成要素は空間的に分離され、共通のプラットフォームに搭載される、請求項1に記載のレーザ。
- 前記非線形結晶の出力面はレーザキャビティの端部ミラーを形成し、基本波波長での高い反射率と、その第2高調波波長での高い透過率とのためにコーティングされる、請求項1に記載のレーザ。
- 前記非線形結晶の入力面および/またはゲイン素子の入力面は、第2高調波波長での高い反射率のためにコーティングされ、それにより後ろ向きに発生される第2高調波ビームを集光する、請求項1に記載のレーザ。
- 前記ゲイン素子は、高い熱伝導率を有する光学的に透明な材料上に搭載される、請求項1に記載のレーザ。
- 前記光学的に透明な材料はサファイア、ドープされないYVO4、またはドープされないYAGである、請求項14に記載のレーザキャビティ。
- 所望の偏光軸における偏光制御は、Nd:YVO4、Nd:GdVO4またはNd:YGdVO4を含むゲイン媒体を用いることにより達成される、請求項1に記載のレーザ。
- 請求項1に記載のレーザであって、
i) 2つのサポートされる偏光のうちの1つとの間に、より大きな空間的ウォークオフを有する複屈折素子と、
ii) より高い損失を不所望の偏光に与えるアパーチャ、湾曲ミラーまたはレンズとをさらに含む、請求項1に記載のレーザ。 - 偏光制御は、前記ゲイン素子または前記周期的に分極された非線形結晶のいずれかまたはその両方の一部として、キャビティ内ブルースター表面を用いることにより達成される、請求項1に記載のレーザ。
- 2波長用波長板が設けられ、前記2波長用波長板は、キャビティ内の往復において基本波ビーム偏光を変化しないままにさせ、後ろ向きに発生される第2高調波ビームの偏光を90°回転させ、この第2高調波ビームを反射させてこの第2高調波ビームと前向きに発生される第2高調波ビームとを合成する、請求項1に記載のレーザ。
- キャビティ内の傾斜されコーティングされたプレートが、後ろ向きに発生される第2高調波ビームを抽出するよう設けられる、請求項1に記載のレーザ。
- キャビティ内の傾斜されコーティングされたプレートが、第2高調波波長でのポンプレーザの偏光をロックするよう設けられる、請求項20に記載のレーザ。
- キャビティ構成は、偏光制御と、チューニングミラーを介した第2高調波ビームの抽出とのために折返される、請求項1に記載のレーザ。
- 第2高調波光は、前記周期的に分極された非線形結晶の傾斜表面から抽出される、請求項22に記載のレーザ。
- キャビティのミラーのうち少なくとも1つは湾曲している、請求項1に記載のレーザ。
- 前記ポンプレーザは連続波またはパルスレーザである、請求項1に記載のレーザ。
- 前記レーザキャビティはパルスレジームにおいて動作され、受動Qスイッチングまたは受動モードロッキングにより得られ、キャビティ内に可飽和吸収体をさらに含む、請求項
1に記載のレーザ。 - 前記可飽和吸収体はCr4+:YAG、V3+:YAGまたはCo2+:MgAl2O4である、請求項26に記載のレーザ。
- 前記可飽和吸収体は、エピタキシャル成長された半導体構造である、請求項26に記載のレーザ。
- 前記レーザキャビティは、電気光学ポッケルスセルを介して能動Qスイッチングされたレジームにおいて動作される、請求項1に記載のレーザ。
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