JP2010022285A - 細胞の破壊方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流磁界を外部から加えることで生物細胞を効果的に破壊する方法を提供することである。
【解決手段】高透磁率の超微粒子強磁性フェライトを溶液に対して注入した後、外部から交流磁界またはパルス磁界を印加して、超微粒子強磁性フェライト周辺の微小領域に強い空間的に不均一な磁束密度の時間的変化を生じさせることで、細胞内外の荷電子に誘導起電力による力が加わり細胞膜周辺に強い電界が発生して、細胞膜などの細胞構成有機物を破壊し死滅させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、細菌や生体細胞の電磁作用による効果的な破壊、詳しくは高透磁率の磁性体超微粒子と外部交流磁界によって細胞周辺に局部的に発生する強力な電磁誘導作用により細胞組織を破壊する技術に関する。
従来、交流磁界や強磁性体が微生物に対して殺菌効果のあることは知られているが、紫外線やオゾンのような特別の装置も不要なためこうした殺菌方法が従来から提案されていた。
また、交流磁界を用いる殺菌方法では殺菌の制御は可能であるが、発生する磁界の範囲が細胞の大きさに比べて格段に大きく、印加磁界として強力で非常に高い周波数が必要で現実には実施が困難であり効果が十分であるとは言い難い。また下記特許文献1および2には、磁性粉末と磁界の作用による殺菌方法が提案されているが、これらは主に磁性粉末が外部磁界によって凝集、離散を繰り返すことによる機械的な効果による殺菌方法とされ、そのため殺菌効果が十分でないか殺菌時間が著しく長くなって実用的ではないという問題があり、さらに下記特許文献3に示されるような強磁性体の磁化された超微粒子粉末を用いる方法では磁化された超微粒子が残留した場合にはその粒子近傍を移動することで殺菌が行われるため、殺菌の精密な制御が困難であるという問題があった。
また、発明者らは殺菌のみならずマウスの癌組織に対して強磁性の超微粒子粉末を溶解した生体液を注入して細胞を破壊するという実験も行ったが、この方法では癌細胞が破壊されると同時に正常細胞も破壊されてしまうという問題があった。
特許公開平4−099473号広報 特許公開平8−13009号公報 特許公開2002−302409号公報
解決しようとする問題点は、従来の電磁気的な殺菌方法である磁性体の微小粒子の機械的な作用による殺菌方法や、細胞破壊をもっぱら強磁性超微小粒子粉末混合後の磁性粒子と細胞との流動接近によって行うという殺菌方法が、短時間に任意のタイミングで行えるものではなく、また強磁性超微粒子粉末が溶液中や生体中に残留することで余分な殺菌や処置後の生体への影響が懸念される点である。
本発明は、高透磁率の磁性体超微子を対象となる溶液または生体部位に注入しておき、溶液外あるいは生体部位の外から交流磁界を印加した場合に、磁性体超微粒子周辺に非常に微小な磁束密度の不均一分布の時間変化が発生することにより細胞周辺に強力な誘導電流(うず電流)を発生させて細胞組織を破壊することを主要な特徴とする。
本発明の細胞破壊方法によれば、磁性体微粒子粉末を対象の溶液や生体部位に混合あるいは注入した後、任意の時点で外部から交流磁界を印加することで細胞破壊や殺菌を開始でき、交流磁界を取り去れば殺菌や細胞破壊が瞬時に行われなくなるので、殺菌や細胞の破壊のタイミングを精密にコントロールでき、仮に磁性体微粒子が残留したとしても処理後の細胞破壊の心配がないという利点がある。
高透磁率の超微粒子強磁性フェライトを対象の溶液や生体部位に混合あるいは注入する工程と、その後の任意の時点で交流またはパルス磁界発生装置を用いて外部から必要な強度の磁界強度変化を印加する工程を分割することで、細胞の破壊を任意の時点で行え、交流磁界を取り去れば細胞の破壊が停止し影響がなくなるという今までにない優れた細胞の破壊方法を実現した。
また、高透磁率の磁性体超微粒子は以下に説明するように、周囲の液体との透磁率の差によって磁束密度の不均一分布を発生させることで、細胞膜を横切るようななるべく狭い範囲のうず電流を発生させるために、その粒子径は細胞の大きさ以下、なるべくは1/10程度までにすることが効果的である。
図1は、本発明の細胞破壊方法の第1の実施例の説明のための図であって、1,2は磁性体超微粒子、51は外部磁界印加用磁性体コア、52は外部交流磁界印加用コイル、 120,121は細菌あるいは動植物の細胞、125は細胞の細胞膜を示し、容器や溶媒としての水は図示から省いてあるがそれらが存在することは自明である。
図示のように、磁性体超微粒子1,2が死滅させようとする細胞120の近傍にある状態で、外部交流磁界を印加すると印加された外部磁界は透磁率の高い磁性体超微粒子の周りでは磁束密度が著しく高くなり、逆に磁性体超微粒子から離れたところでは磁束密度が増えるものの、磁性体超微粒子の近傍と比べると疎になる。
また、磁性体超微粒子から一定距離以上はなれた位置にある細胞 121も説明のために図示してある。
図2は、図1と同一なものには同一な番号を付した、磁性体超微粒子が存在しないか磁性体超微粒子から一定距離以上はなれたところに存在する細胞近傍を平面的に見た場合の模式図であり、平面的にはほぼ均一な密度の磁力線が紙面の手前側より向こう側に垂直に貫いており、その磁力線が時間的に減少しようとする状態を示している。
この様な状態で磁力線が増減すると、電磁気学でよく知られたようにその磁力線の増減を妨げようとする方向に誘導電流が発生するがこの電流は金属平板中と同じく電解液中などの広がりのある導電性物質の中ではうず電流となり、図2のように磁力線がある状態から減少しようとすると、その周りには 矢印30の方向のうず電流が発生する。
しかし、通常外部から印加できる磁界は細胞の大きさに比較すれば非常に広い範囲にわたって均一であり、水やタンパク質なども透磁率に大きな差は無いので、細胞の周りには平面的にほぼ均一な磁束密度の変化が生じて細胞近傍にはうず電流は殆ど流れず、また細胞膜が後述のように絶縁性を有するためわずかに流れる電流は細胞膜を経ずにより電気抵抗の低いその周りの媒質中を流れてしまう。
これに対して、図3は細胞の近辺に磁性体超微粒子が存在する場合のうず電流の様子を示している。
細胞120の近傍に磁性体超微粒子2が存在することにより、細胞内あるいは細胞近辺には磁束密度の不均一分布が発生し、この不均一な磁界が外部磁界によって時間変化するとその磁束密度を維持しようとして、磁束密度の高い部分の周囲にはうず電流31や32が流れるような変化が起きる(ここでは説明のために模式的に不連続な二つの仮想的な電流を示しているが、これらは通常空間的には連続的な電流である)。
図4はこのような微小領域において空間的に不均一な磁束密度が時間的に変化した場合の細胞120の周囲の電気的な状態を詳しく示した図であり、図1,2,3と同じものには同じ番号を付してある。
よく知られたように、電流が流れるということは電磁気的な力を受けた荷電粒子が物質内を移動することであり、ここまでに説明したような微小領域の不均一な磁束密度の時間軸上の変化は、細胞の周囲に 31,32のような電流を流そうとするが、細胞内は多くのイオン化したタンパク質や金属イオンなどが水分中に存在するために導電性を示す細胞質と、その細胞質周囲は電気的にはほぼ絶縁性を示す脂質と部分的にイオン化したタンパク質などから構成された細胞膜が覆っており、この細胞膜は電気的に細胞の内外を隔てているため、ここで説明したような微小領域の磁束密度の時間変化はこれらの細胞質内のイオンに一方向に力を加えることになって細胞内の陰陽両方のイオン密度に勾配が生ずる。
細胞内に生じた陰陽両方のイオン密度勾配は、磁束密度の時間変化割合と磁束密度の不均一さが大きければ大きいほど勾配が大きなものとなり、細胞膜両側にはそれぞれ図4のように陰、陽イオンがひきつけられて電界が生まれる。
この電界は細胞膜の両端に生ずるが、細胞膜は一般的に10nm程度の非常に薄い膜であり、電気的には絶縁性を有するといっても非常に低い電圧で絶縁破壊を起こすことが考えられる。
こうして、微小磁界の不均一分布が外部から時間的に変化させられることで細胞膜両側に集まったイオンによる電界で細胞膜が破壊して細胞は死滅に至ると考えられる。
図5は第2の実施例を示す模式図で、60は静電磁界を印加するための永久磁石、70は図1では暗黙的であった溶液容器あるいは生体部位を示し、図1と同じものには同じ番号を付してある。
図5においては細胞は容器あるいは生体部位70に封入されており、その外部には静磁界を印加するための永久磁石60が配置されている。
実施例1と同様に、まず図示されない注入手段によって高透磁率の超微粒子強磁性フェライトを細胞を含む溶液あるいは生体部位に注入すると、それらの磁性体超微粒子は永久磁石の磁力によって容器の永久磁石近傍にだけ分布させることが可能となる。
次に、この状態から交流磁界印加用のコイル52に交流あるいはパルス電源を接続すると、実施例1で説明したと同様の時間的に変化する磁界が発生して、さらに磁性体超微粒子の周辺では磁束密度の不均一分布が生ずるので、超微粒子の近傍の細胞120は前記の説明通り破壊される。
一方、永久磁石の磁界から離れた部位の細胞近傍には磁性体超微粒子は存在しないので、これらの細胞121は破壊されない。
このように、溶液や生体部位の一部だけに対して静磁界印加手段を配置することによってさらに精密な部位の選択的な破壊方法が可能となる。
このように、破壊対象となる細胞を含む溶液または生体部位に高透磁率の超微粒子強磁性フェライトを注入した後、任意の時点で外部から交流磁界を加えることにより微小領域に生ずる電磁界効果によって細胞膜を破壊して細胞を死滅に導くことがコントロール可能となり、交流磁界が取り去られた後の磁性体超微粒子はその他の細胞組織に対して不活性となるので、殺菌あるいは癌組織部位に照準を合わせた破壊方法が実現する。
高透磁率の磁性体超微粒子と交流磁界印加による細胞破壊方法を示す説明図である。(実施例1) 交流磁界印加だけでは細胞破壊が起こりづらいことを示す説明図である。 高透磁率の磁性体超微粒子の近傍の細胞とその周辺に発生する不均一分布磁界とその時間変化によるうず電流を示す説明図である。 微小領域に生じたうず電流効果によって細胞膜周辺に起きるイオンの偏移を示す説明図である。 交流磁界印加装置に加えて、静磁界印加手段を加えた実施例を示す説明図である。(実施例2)
符号の説明
1,2 高透磁率の磁性体超微粒子
35 陰イオン
36 陽イオン
30,31,32 模式的なうず電流
50 交流磁界印加用電磁石
51 交流磁界印加用コイル
60 静磁界印加用永久磁石
70 容器
120,121 細胞


Claims (4)

  1. 細菌、生体などの細胞の破壊方法に関して、破壊する細胞を含む溶液あるいは生体部位に対して、高透磁率の超微粒子強磁性フェライトを含む溶液を注入した後に、その部位全体に対して外部から印加する交流またはパルス磁界により、上記超微粒子強磁性フェライトと細胞を含む周辺媒質との透磁率の差によって生じる空間的な磁束密度の不均一性と磁界の時間的変化から発生する誘導電流経路が少なくとも被破壊対象の細胞の細胞膜を経由するようになし、該誘導電流により細胞構成物質である脂質やタンパク質などの有機物を通電破壊することで細胞機能を失わせ細胞を死滅に至らしめることを特徴とする細胞破壊方法。
  2. 上記請求項1の高透磁率の超微粒子強磁性フェライトは、共沈法によって生成されるカルシウム亜鉛フェライトあるいは銅フェライトなど高透磁率特性を有する酸化物の粒度が1μm以下の粒径の磁性体超微粒子の粉末であることを特徴とする請求項1の細胞破壊方法。
  3. 上記請求項1の交流磁界は、磁力作用点において実効1000ガウス以上の磁束密度で1KHzないしは10MHzの交流磁界であることを特徴とする請求項1の細胞破壊方法。
  4. 上記請求項1において高透磁率の超微粒子強磁性フェライトを含んだ溶液の注入の後、外部から交流磁界を加える前後に必要時間だけ静磁界を印加しておくことで、注入された上記磁性体超微粒子が静磁界によって対象部位以外に拡散しないように引き付けておくことを特徴とする請求項1の細胞破壊方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112980673A (zh) * 2021-02-01 2021-06-18 重庆大学 高频脉冲磁场诱导细胞磁穿孔装置及方法

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