JP2010018129A - 緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体 - Google Patents

緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体 Download PDF

Info

Publication number
JP2010018129A
JP2010018129A JP2008179614A JP2008179614A JP2010018129A JP 2010018129 A JP2010018129 A JP 2010018129A JP 2008179614 A JP2008179614 A JP 2008179614A JP 2008179614 A JP2008179614 A JP 2008179614A JP 2010018129 A JP2010018129 A JP 2010018129A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floating body
tension
tension mooring
inclination
moving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008179614A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yamaguchi
弘志 山口
Masamitsu Kanda
雅光 神田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd filed Critical Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP2008179614A priority Critical patent/JP2010018129A/ja
Publication of JP2010018129A publication Critical patent/JP2010018129A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/727Offshore wind turbines

Abstract

【課題】風力発電装置等の設備を緊張係留された浮体の台座上に設けた緊張係留浮体において、アンカーの不等沈下による緊張係留索のアンバランスによる台座の傾斜や、季節風や潮流等の変化による長期的な台座の傾斜を容易に復元できる緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体を提供する。
【解決手段】一部又は全体が台座となる浮体12を複数本の緊張係留索13で水底2に設置されたアンカー14に係留すると共に、前記緊張係留索13に張力を作用させて位置固定した緊張係留浮体1の傾斜調整方法において、移動用重錘15a又は浮力体を移動機構15bにより水平方向に関する位置を移動することにより、前記浮体12の傾斜を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、風力発電装置等の台座として使用される緊張係留浮体(TLP:テンションレグプラットホーム)の水平面に対する比較的小さな傾斜を簡便かつ容易に調整できる緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体に関する。
風力発電に関して、海岸の大陸棚に緊張係留浮体を設けて、この浮体を風力発電装置の台座(プラットホーム)とする提案がなされ始めている(例えば、特許文献1、2参照)。
この風力発電装置の台座となる浮体は、複数本のコラムを有し、このコラム毎に取り付けられた1本又は複数本のテンドンと呼ばれる緊張係留索で海底や湖底や川底等の水底に設けられたアンカーに係留されている。
しかしながら、アンカーを設置した水底の部分の不等沈下、アンカーの下部の潮流等による掘削による不等沈下、水底の地震による地殻変動による不等沈下が生じると、これによってアンカーの相対的な深さが変化して、緊張係留索に作用する張力が設置当初と異なってアンバランスとなり、台座が傾斜してしまう。また、季節的な風と潮流の向きや大きさの変化に対応して、台座に長期的な傾斜が生じる場合もある。
この台座が傾斜した場合には、この傾斜を元に戻す必要があるが、従来技術においては、緊張係留索の張力を調整しているため、各緊張係留索毎に張力調整機構が必要となっていた。この緊張係留索の張力調整に際しては、台座上に、風力発電装置や切削装置等の稼動設備がある場合は、張力調整時に大きな傾斜が生じる万一の可能性を考慮して稼動設備を一旦停止する必要が生じるという問題がある。また、張力調整機構がコラムの下端等の水中にある場合には、水中作業が必要となるため、作業性が悪いという問題がある。
特表2006−510524号公報 特表2008−516113号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、風力発電装置等の設備を緊張係留された浮体の台座上に設けた緊張係留浮体において、アンカーの不等沈下による緊張係留索のアンバランスによる台座の傾斜や、季節風や潮流等の変化による長期的な台座の傾斜を容易に復元できる緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の緊張係留浮体の傾斜調整方法は、一部又は全体が台座となる浮体を複数本の緊張係留索で水底に設置されたアンカーに係留すると共に、前記緊張係留索に張力を作用させて位置固定した緊張係留浮体の傾斜調整方法において、重錘又は浮力体を移動機構により水平方向に関する位置を移動することにより、前記浮体の傾斜を調整することを特徴とする。
この方法によれば、緊張係留索(テンドン)の張力を調整するための緊張係留索の繰り出し及び巻き上げの必要がなく、調整用重錘の移動又は浮力体の移動により、容易に台座(デッキ)の傾斜を調整することができる。この傾斜調整では重錘又は浮力体の移動のみであるので、傾斜調整時に、風力発電装置や井戸切削のプラント等の稼動を停止する必要がなくなる。なお、この傾斜の調整方法は、従来技術の張力調整に比べて小傾斜の調整及復元に適している。また、台座の傾斜は張力計による各緊張係留索の張力の大きさの変化や、傾斜計によるデッキ傾斜のモニタリング機能で検出する。
上記の緊張係留浮体の傾斜調整方法において、前記移動機構が単数又は複数の前記重錘又は前記浮力体を前記浮体の中心に関しての放射方向に移動させて前記浮体の傾斜を調整する。この方法によれば、重錘又は浮力体を放射方向に移動させることにより、傾斜を調整するので、移動機構及び制御が単純化される。この方法は、浮体からコラムを支持する部分が放射状に配置されている場合に適している。
あるいは、上記の緊張係留浮体の傾斜調整方法において、前記移動機構が単数又は複数の前記重錘又は前記浮力体を水平方向に関して交差する2方向に移動させて前記浮体の傾斜を調整する。この方法によれば、交差する2方向、例えば、直交するX軸方向と、Y軸方向に移動させる機構及び制御が単純化される。この方法では単数の重錘又は浮力体を平面的に移動させる場合には大きな移動用の面積が必要となるが、複数の重量物又は浮力体をX方向に移動する重錘又は浮力体とY方向に移動する重錘又は浮力体と別体とすることで、2つの移動軸に関するスペースを確保するだけでよくなる。
あるいは、上記の緊張係留浮体の傾斜調整方法において、前記移動機構が単数又は複数の前記重錘又は前記浮力体を前記浮体の中心を囲む環状の移動経路を移動させて前記浮体の傾斜を調整する。この方法は、浮体の中心(重心又は浮心)の近傍部分に重錘又は浮力体を配置できず、これらの配置場所が周囲になる場合に適している。傾斜の調整量が一定である場合には重錘又は浮力体は単数でもよいが、3個以上であれば、各方向に対する傾斜及び傾斜の大きさに対応できる。
上記の緊張係留浮体の傾斜調整方法において、前記重錘又は前記浮力体の水平方向に関する移動をバラスト水の移動により行う。この移動は、バラストタンク内の注排水によっても行うことができるが、この場合には、各バラストタンク内のバラスト水を注排水するためのラインとポンプが必要になる。一方、各バラストタンク内のバラスト水を移動させるだけであれば、ポンプが一台で済み、また、移動用の配管ラインも単純となり、制御も容易となる。
また、上記の緊張係留浮体の傾斜調整方法において、前記浮体が風力発電装置を搭載する場合には、風力発電装置では、風力の作用点が水面から著しく高くなるので転倒しやすく、傾斜による影響が大きい上に、この傾斜が風力発電の効率にも影響するので、本発明の効果がより大きくなる。
上記の目的を達成するための本発明の緊張係留浮体は、一部又は全体が台座となる浮体を複数本の緊張係留索で水底に設置されたアンカーに係留すると共に、前記緊張係留索に張力を作用させて位置固定した緊張係留浮体において、重量物又は浮力体を水平方向に関する位置を移動することにより前記浮体の傾斜を調整する移動機構を備えて構成される。
上記の緊張係留浮体において、前記移動機構を、単数又は複数の前記重錘又は前記浮力体を前記浮体の中心に関しての放射方向に移動させて前記浮体の傾斜を調整する移動機構で形成する。あるいは、上記の緊張係留浮体において、前記移動機構を、単数又は複数の前記重錘又は前記浮力体を水平方向に関して交差する2方向に移動させて前記浮体の傾斜を調整する移動機構で形成する。
あるいは、上記の緊張係留浮体において、前記移動機構を、単数又は複数の前記重錘又は前記浮力体を前記浮体の中心を囲む環状の移動経路を移動させて前記浮体の傾斜を調整する移動機構で形成する。
あるいは、上記の緊張係留浮体において、前記移動機構を、前記重錘又は前記浮力体の水平方向に関する移動をバラスト水の移動により行う移動機構で形成する。
上記の移動機構の構成によれば、上記の緊張係留浮体の傾斜調整方法と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の緊張係留浮体において、前記浮体が風力発電装置を搭載する場合には、風力発電装置では、風力の作用点が水面から著しく高くなるので転倒しやすく、傾斜による影響が大きい上に、この傾斜が風力発電の効率にも影響するので、本発明の効果がより大きくなる。
本発明の緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体によれば、緊張係留索の張力を調整するための緊張係留索の繰り出し及び巻き上げの必要がなくなり、調整用重錘の移動又は浮力体の移動の移動により、容易に台座の傾斜の調整ができるようになる。また、緊張係留索の張力調整は重錘又は浮力体の移動のみであるので、傾斜調整時に風力発電装置やその他のプラント等の稼動を停止する必要がなくなる。
以下、図面を参照して本発明に係る緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体の実施の形態について説明する。ここでは、風力発電装置を台座に搭載した緊張係留浮体を例にして説明するが、本発明はこれに限定されず、風力発電装置以外の井戸切削装置その他のプラントや計測装置等を搭載する緊張係留浮体にも適用できる。
図1及び図2に示すように、本発明に係る第1の実施の形態の緊張係留浮体(テンションリグプラットホーム)1は、風力発電システム10を搭載した上部構造物11とこの上部構造物11を支持するための浮体(フローティング)12と、この浮体12を係留するためのテンドンと呼ばれる緊張係留索13と、この緊張係留索13を海底や湖底や河底などの水底2に固定するためのアンカー14とを備えて構成される。
風力発電システム10は、風車10aを支持する回転軸10bとこの回転軸10bを固定する支柱10cと図示しない発電装置や蓄電装置や送電装置等を有して構成される。
浮体12は、上部構造物11の重量を浮力で支持して、風車10aを水上の予め設定した高さに維持するものであり、図1及び図2では、円柱や多角柱で形成される筒状体(台座:プラットホーム)12aとその下側から4方又は三方に水平に放射状に延びる脚部(ポンツーン)12bとからなる。図1では脚部12bが4つの構造を、図2では脚部12bが3つの構造とアンカーが一体化したプレート状のアンカー14を示す。この筒状体12aと脚部12bは中空構造とし、浮力を生じるように構成される。この筒状体12aはその上部の一部が水面3の上に突出し、支柱10cを支持している。これらの浮体12は、鋼やプレストレスコンクリート(PC)等で形成される。
また、脚部12bの先端側の係留部12cに緊張係留索13の上端部が固定される。この緊張係留索13の本数は単数本でも複数本でもよい。この脚部12bの先端側の係留部12cが、筒状体12aの中心から離れることにより、筒状体12aの傾斜に関するモーメントレバーが大きくなるので、緊張係留索13による浮体12と上部構造物11の傾斜を小さい張力で調整できるようになる。
緊張係留索13は、鋼製の鎖(チェーン)やケーブル等で形成され、常時張力(テンション)が加わっている状態にして、その下端部をアンカー14に係留されて設置され、浮体12と上部構造物11の浮力に抗して、浮体12を水中に引き込んでいる。
アンカー14はコンクリート等で形成される錘であり、水底2に沈められ自重により固定される重力式アンカーが使用される。なお、アンカリングにより水底2の地盤に固定されるアンカーを使用してもよい。このアンカー14は緊張係留索13を介して浮体12を予め設定されて位置に係留するためのものであり、緊張係留索13の下端部が固定される。
この緊張係留浮体1の大きさは、例えば、発電量が2MWを想定した場合は、大陸棚の水深100mから200m程度の所に設置される場合には、風車10aの回転直径が80m程度で、風車10aの回転軸10bは水面3の上が75m程度となり、浮体12の筒状体12aの直径は7m程度で高さは40m程度であり、係留部12cを通る円の直径は60m程度である。
この緊張係留浮体1の設置は、浮体12のバラストタンクにバラスト水を注入したり、バラストを積んで、浮体12を設置状態の時よりも、浮体12の浮力を小さくして沈めた状態で、予め設定水域に設置されたアンカー14の上に移動する。移動後、緊張係留索13の下端をアンカー14に結合し、上端を浮体12の脚部12bの係留部12cに結合する。結合後、上部構造物11とこれを支持する浮体12の傾斜に注意しながら、バラスト水を排出したり、バラストを取り除いたりして、浮体12の浮力を予め設定された浮力とし、上部構造物11の傾斜と各々の緊張係留索13の張力を、緊張係留索13の長さを変更して調整する。
この設置では、緊張係留浮体1は波浪中においても上下動揺や回転運動をしないように緊張係留索13に予め設定した初期張力を付与して係留する。この初期張力は浮力Fと重量Wの差となるが、想定される海象条件下では緊張係留索13の張力T1〜T4(図2ではT1〜T3)のいずれもゼロになって弛緩することがないように、浮力Fと緊張係留索13の長さを調整して設定される。また、横移動可能な範囲も許容範囲に入るように初期張力は設定される。
そして、本発明では、脚部12bのそれぞれの内部に移動用重錘15aと移動用重錘15aを脚部12bが延びている放射方向に移動させる移動装置15bからなる傾斜調整装置15を設ける。この傾斜調整装置15は、傾斜計(図示しない)によって浮体12又は上部構造物11の傾斜角を測定したり、各緊張係留索13の張力T1〜T4を張力計(図示しない)により計測したりして、これらの計測値に基づいて、移動用重錘15aを移動して浮体12上部構造物11の傾斜を設置当初の状態に戻す。
この傾斜の調整は、波の周期に基づくような短期的な傾斜に対しては行わず、アンカー14を設置した水底2の部分の不等沈下、アンカー14の下部の潮流等による砂の流出等による不等沈下、水底2の地震による地殻変動による不等沈下に対応した傾斜や、季節的な風と潮流の向きや大きさの変化に対応した長期的な傾斜に対して行う。このような傾斜は波周期よりも長い期間における傾斜角の平均値や張力の平均値などから容易に検出することができる。
不等沈下等に起因して浮体12が傾斜した場合には、傾斜して上方に移動した脚部12bの移動用重錘15aを先端側に移動し、傾斜して下方に移動した脚部12bの移動用重錘15aを筒状体12a側に移動する。これにより、上部構造物11と浮体12の傾斜を最初に設置した状態に戻す。なお、緊張係留索13の長さ調整を行わないので、アンカー14の不等沈下の影響は浮体12の位置移動により吸収される。
図1の4つの脚部12bを持つ場合において、脚部12bの方向の傾斜だけを考慮した場合を図3に示す。緊張係留索13が2本の場合で考えると、浮体12と上部構造11の全体の重量をW、移動用重錘15aの重量をwとし、浮体12の浮力をFとし、移動用重錘15aの移動量(オフセット量)をSxとし、緊張係留索13の間隔を2Bとすると、緊張係留索13の張力をT1、T3とし、その差ΔTは、ΔT=T1−T3となる。上下方向の釣り合いは、T1+T3=F0−wとなる。ここで、余剰浮力F0はF0=F−Wである。従って、2T1=F0−w+ΔTとなり、また、浮体12が傾斜しないためには、転倒モーメントがゼロとなって釣り合うことにより、w×Sx+B×T3=B×T1となり、w×Sx=B×(T1−T3)=B×ΔTであるから、Sx=B×ΔT/wとなり、上記のSxだけ、移動用重錘15aを移動すれば、緊張係留索13の張力がアンバランスであっても、転倒モーメントの釣り合いが取れることになる。従って、浮体12は傾斜しない。また、緊張係留索13の張力T2、T4に関しても同様な考え方で浮体12の傾斜を調整できる。
次に、第2の実施の形態について説明する。図4に示すように、本発明に係る第2の実施の形態の緊張係留浮体1Aは、第1の実施の形態の緊張係留浮体1とほぼ同様に形成されるが、浮上している四角形状の上部構造体12Aaと、一部が水中に一部が空中にあるコラム12Abと、このコラム12Abの下側を連結している下部構造体12Acとからなる浮体12Aを有して形成される。この場合には浮体12Aの下部構造体12Acの4つの角部に係留部12cを設けて、緊張係留索13の上端を係留する。
この緊張係留浮体1Aの大きさは、例えば、発電量が2MWを想定した場合は、大陸棚の水深100mから200m程度の所に設置される場合には、風車10aの回転直径が80m程度で、風車10aの回転軸10bは水面3の上が75m程度となり、浮体12Aの四角形状は25m×25m程度である。
図5に示すように、この第2の実施の形態の緊張係留浮体1Aでは、浮体12Aの上部構造体12Aaの内部に移動用重錘15aと移動用重錘15aを水平方向に関して交差するX方向とY方向の双方に移動させる移動機構15Aを設ける。緊張係留索13が4本の場合には、浮体重量をW、移動用重錘15aの重量をwとし、浮力をFとし、移動用重錘15aの移動量(オフセット量)をSx、Syとし、緊張係留索13の間隔を2Bとすると、緊張係留索13の張力をT1、T2、T3、T4とし、水平面を互いに直交するX軸とY軸で表現し、緊張係留索13をX軸とY軸のそれぞれに対称に配置した場合について説明する。
Y軸回りの張力バランスで、Y軸に関して張力の差をΔTyとした場合に、ΔTyは、ΔTy=(T1+T2)−(T3+T4)となる。上下方向の釣り合いは、F0を余剰浮力とすると、F0=F−Wで、2(T1+T2)=F0−w−ΔTyとなる。また、Y軸回りのモーメントの釣り合いにより、w×Sx+B×(T3+T4)=B×(T1+T2)となる。従って、Sx=B×ΔTy/wとなる。このSx分だけ、移動用重錘15aをX方向に移動すれば、浮体12Aは傾斜しないことになる。
また、X軸回りの張力バランスで、X軸に関して張力の差をΔTxとした場合に、ΔTxは、ΔTx=(T1+T4)−(T2+T3)となる。上下方向の釣り合いは、2(T1+T4)=F0−w−ΔTxとなる。また、X軸回りのモーメントの釣り合いにより、w×Sy+B×(T1+T4)=B×(T2+T3)となる。従って、Sy=B×ΔTx/wとなる。このSy分だけ、移動用重錘15aを移動すれば、浮体12Aは傾斜しないことになる。
この方法によれば、直交するX軸方向と、Y軸方向に移動させる機構及び制御が単純化される。この方法では単数の移動用重錘15aを平面的に移動させる場合には大きな移動用の面積が必要となるが、移動用重錘15aを分割して、X方向に移動する移動用重錘15aとY方向に移動する移動用重錘15aと別体とすることで、2つの移動軸に関するスペースを確保するだけでよくなる。
この傾斜調整装置15Aは、傾斜計(図示しない)によって浮体12A又は上部構造物11の傾斜角を測定したり、各緊張係留索13の張力T1〜T4を張力計(図示しない)により計測したりして、これらの計測値に基づいて、移動用重錘15aを移動して浮体12Aと上部構造物11の傾斜を設置当初の状態に戻す。
次に、第3の実施の形態について説明する。この本発明に係る第3の実施の形態の緊張係留浮体は、第1の実施の形態の緊張係留浮体1又は第2の実施の形態の緊張係留浮体1Aとほぼ同様に形成されるが、移動用重錘の移動機構は、単数又は複数の移動用重錘を浮体12又は浮体12Aの中心を囲む環状のレール(移動経路)を移動させて浮体の傾斜を調整する移動機構で形成する。
3個の移動用重錘を用いて、第1の移動用重錘を上に傾斜した方向に移動し、第2と第3の移動用重錘2個を第1の移動用重錘と環状のレールの中心とを結ぶ第1直線に対して対称に配置しつつ、第1直線と直交して環状のレールの中心を通る直線に対して、傾斜モーメントがゼロになるように、第2と第3の移動用重錘2個を移動する。これにより、浮体12又は浮体12Aの傾斜を設置当初の状態に戻すことができる。
次に、第4の実施の形態について説明する。この本発明に係る第4の実施の形態の緊張係留浮体は、第1の実施の形態の緊張係留浮体1又は第2の実施の形態の緊張係留浮体1Aとほぼ同様に形成されるが、移動用重錘の移動機構は、移動用重錘の水平方向に関する移動をバラスト水の移動により行う。
この構成によれば、バラスト水用タンクとバラスト水の移動用の配管とポンプという比較的簡単な構造となり、移動も開閉弁の開閉とポンプの作動によって比較的容易にできるようになる。特に、水底に設置する際にバラスト水を用いる場合には、これらの設置用のバラストタンクを傾斜調整用のタンクとして使用できる。また、バラスト水の移動であるので、移動元は軽くなり移動先は重くなる。そのため、バラストタンクの位置によっては、固体の移動用重錘の移動に比べて効率よく転倒モーメントに対抗するモーメントを発生することができる。
また、上記の説明では、移動用重錘で説明したが、移動用重錘の替わりに移動用浮力体を用いても同様に浮体12、12Aの傾斜を設置当初の状態に戻すことができる。
上記の第1〜第4の実施の形態の緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体1、1Aによれば、緊張係留索13の張力を調整するための緊張係留索13の繰り出し及び巻き上げの必要がなくなり、移動用重錘15aの移動又は浮力体の移動の移動により、容易に台座となる浮体12又は浮体12Aの傾斜の調整ができるようになる。また、緊張係留索13の張力調整は移動用重錘15a又は移動用浮力体の移動のみであるので、傾斜調整時に風力発電装置やその他のプラント等の稼動を停止する必要がなくなる。
本発明の第1の実施の形態における緊張係留浮体の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における緊張係留浮体の他の構成を示す図である。 第1の実施の形態における緊張係留浮体の移動用重錘の移動と傾斜の関係を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態における緊張係留浮体の構成を示す図である。 第2の実施の形態における緊張係留浮体の移動用重錘の移動と傾斜の関係を説明するための図である。
符号の説明
1、1A 緊張係留浮体
2 水底
3 水面
10 風力発電システム
10a 風車
10b 回転軸
10c 支柱
11 上部構造物
12、12A 浮体
12a 筒状体
12b 脚部
12c 係留部
12Aa 上部構造体
12Ab コラム
12Ac 下部構造体
13 緊張係留索
14 アンカー
15 傾斜調整装置
15a 移動用重錘
15b 移動装置(移動機構)
B 緊張係留索の間隔の半分
F 浮力
F0 余剰浮力
Sx、Sy 移動用重錘の移動量
T1〜T4 緊張係留索の張力
W 重量
w 移動用重錘の重量

Claims (7)

  1. 一部又は全体が台座となる浮体を複数本の緊張係留索で水底に設置されたアンカーに係留すると共に、前記緊張係留索に張力を作用させて位置固定した緊張係留浮体の傾斜調整方法において、重錘又は浮力体を移動機構により水平方向に関する位置を移動することにより、前記浮体の傾斜を調整することを特徴とする緊張係留浮体の傾斜調整方法。
  2. 前記移動機構が単数又は複数の前記重錘又は前記浮力体を前記浮体の中心に関しての放射方向に移動させて前記浮体の傾斜を調整することを特徴とする請求項1に記載の緊張係留浮体の傾斜調整方法。
  3. 前記移動機構が単数又は複数の前記重錘又は前記浮力体を水平方向に関して交差する2方向に移動させて前記浮体の傾斜を調整することを特徴とする請求項1に記載の緊張係留浮体の傾斜調整方法。
  4. 前記移動機構が単数又は複数の前記重錘又は前記浮力体を前記浮体の中心を囲む環状の移動経路を移動させて前記浮体の傾斜を調整することを特徴とする請求項1に記載の緊張係留浮体の傾斜調整方法。
  5. 前記重錘又は前記浮力体の水平方向に関する移動をバラスト水の移動により行うことを特徴とする請求項1に記載の緊張係留浮体の傾斜調整方法。
  6. 前記浮体が前記台座に風力発電装置を搭載することを特徴とする請求項1,2,3,4又は5に記載の緊張係留浮体の傾斜調整方法。
  7. 一部又は全体が台座となる浮体を複数本の緊張係留索で水底に設置されたアンカーに係留すると共に、前記緊張係留索に張力を作用させて位置固定した緊張係留浮体において、重量物又は浮力体を水平方向に関する位置を移動することにより前記浮体の傾斜を調整する移動機構を備えたことを特徴とする緊張係留浮体。
JP2008179614A 2008-07-09 2008-07-09 緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体 Withdrawn JP2010018129A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008179614A JP2010018129A (ja) 2008-07-09 2008-07-09 緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008179614A JP2010018129A (ja) 2008-07-09 2008-07-09 緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010018129A true JP2010018129A (ja) 2010-01-28

Family

ID=41703463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008179614A Withdrawn JP2010018129A (ja) 2008-07-09 2008-07-09 緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010018129A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184923A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Penta Ocean Construction Co Ltd ケーソン曳航時の動揺低減装置
JP2015533110A (ja) * 2012-10-08 2015-11-19 イベルドロラ インヘニエリア イ コンストルクシオン,エセ.ア.ウ. 特に風力発電での利用に供される浮体式テンションレグ・プラットフォーム
KR101572938B1 (ko) * 2014-12-22 2015-12-01 오토렉스 주식회사 부유 구조물의 중력식 계류장치
JP2015227129A (ja) * 2014-06-02 2015-12-17 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 水上風力発電装置用の基礎構造、水上風力発電装置および水上風力発電装置の製造方法
CN105799873A (zh) * 2016-03-18 2016-07-27 湖北海洋工程装备研究院有限公司 一种水上浮体海上组合增浮系统
CN112832323A (zh) * 2021-02-24 2021-05-25 河南省水利勘测设计研究有限公司 浮坞自适应平衡系统及平衡方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184923A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Penta Ocean Construction Co Ltd ケーソン曳航時の動揺低減装置
JP2015533110A (ja) * 2012-10-08 2015-11-19 イベルドロラ インヘニエリア イ コンストルクシオン,エセ.ア.ウ. 特に風力発電での利用に供される浮体式テンションレグ・プラットフォーム
JP2015227129A (ja) * 2014-06-02 2015-12-17 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 水上風力発電装置用の基礎構造、水上風力発電装置および水上風力発電装置の製造方法
KR101572938B1 (ko) * 2014-12-22 2015-12-01 오토렉스 주식회사 부유 구조물의 중력식 계류장치
CN105799873A (zh) * 2016-03-18 2016-07-27 湖北海洋工程装备研究院有限公司 一种水上浮体海上组合增浮系统
CN112832323A (zh) * 2021-02-24 2021-05-25 河南省水利勘测设计研究有限公司 浮坞自适应平衡系统及平衡方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103786837B (zh) 用于支撑近海风力涡轮机的不对称系泊系统
JP5301929B2 (ja) 緊張係留浮体と緊張係留浮体の曳航及び設置方法
DK2993270T3 (en) UNDERWATER STRUCTURE TO ACTIVELY SUPPORT TOWER OF GENERATORS AND SUBSTATIONS OR SIMILAR ELEMENTS IN MARITIME PLANTS
JP6113735B2 (ja) 浮体式風力タービン
US8864419B2 (en) Foundation support system for an offshore wind energy convertor, corresponding to an offshore wind power generating facility
US20170218919A1 (en) Wind tracing, rotational, semi-submerged raft for wind power generation and a construction method thereof
KR101478397B1 (ko) 해안 윈드 터빈을 견인하는 방법 및 장치
CN107021190A (zh) 可自浮安装的张力腿式海上浮动风机基础及其安装方法
RU2675349C1 (ru) Плавающая платформа для использования энергии ветра
JP2010018129A (ja) 緊張係留浮体の傾斜調整方法及び緊張係留浮体
JP2010064648A (ja) 緊張係留浮体及び緊張係留浮体の傾斜調整方法
KR20160044241A (ko) 부유식 풍력발전장치의 하부구조물

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20111004