JP2010014450A - 位置測定方法、位置測定装置、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
位置測定方法は、ステップS10によって算出された外部標定要素を、特徴点の軌跡の方向や量、特徴点の分布率やオーバーラップ率、および縦視差の少なくともいずれか一つに基づいて評価する外部標定要素評価ステップS11と、ステップS11によって修正された外部標定要素に基づき、1または複数の画像の外部標定要素および特徴点の三次元座標を同時にバンドル調整するバンドル調整ステップS12と、バンドル調整された外部標定要素に基づき、画像中の特徴点の密度が少なくなった領域で新たに検出された特徴点の三次元座標を算出する三次元座標算出ステップS13と、ステップS10からS13までの処理を、最終画像になるまで繰り返す繰り返しステップと、を備える。
【選択図】図3
Description
以下、位置測定方法、位置測定装置およびプログラムの一例について、図面を参照して説明する。
図1は、位置測定装置の全体図であり、図2は、位置測定装置の機能ブロック図である。位置測定装置1は、動画像取得部2、特徴点検出追跡部3、位置測定部4、姿勢測定部5、基準時計部6、計算処理部7を備えている。
次に、位置測定装置の全体の動作について説明する。図3、図4は、位置測定装置の動作を示すフローチャートである。
図5は、後方交会法を説明する説明図である。後方交会法とは、未知点Oから3つ以上の既知点P1、P2、P3へ向かう方向を観測して、それらの方向線の交点として未知点Oの位置を定める方法である。まず、初期値として設定された基準点P1、P2、P3の三次元座標(もしくは、前フレームで求められた三次元座標)に基づいて、後方交会法によって外部標定要素(X0,Y0,Z0,ω,φ,κ)を算出する。以下、後方交会法として用いられる単写真標定、DLT法について説明する。
単写真標定は、1枚の写真の中に写された基準点に成り立つ共線条件を用いて、写真を撮影したカメラの位置O(X0,Y0,Z0)およびカメラの姿勢(ω,φ,κ)を求める。共線条件とは、投影中心、写真像および地上の対象点(Op1P1,Op2P2,Op3P3)が、一直線上にあるという条件である。また、カメラの位置O(X0,Y0,Z0)とカメラの姿勢(ω,φ,κ)は外部標定要素である。
DLT法は、写真座標と対象空間の三次元座標との関係を3次の射影変換式で近似したものである。DLT法の基本式は以下の数13となる。なお、DLT法の詳細については、「村井俊治:解析写真測量、p46−51、p149−155」等を参照する。
図6は、相互標定を説明する説明図である。相互標定は、左右2枚の画像における6点以上の対応点によって外部標定要素を求める。相互標定では、投影中心O1とO2と基準点Pを結ぶ2本の光線が同一平面内になければならいという共面条件を用いる。以下の数6に、共面条件式を示す。
(1)未知パラメータ(κ1,φ1,κ2,φ2,ω2)の初期近似値は通常0とする。
(2)数7の共面条件式を近似値のまわりにテーラー展開し、線形化したときの微分係数の値を数8により求め、観測方程式をたてる。
(3)最小二乗法をあてはめ、近似値に対する補正量を求める。
(4)近似値を補正する。
(5)補正された近似値を用いて、(1)〜(4)までの操作を収束するまで繰り返す。
次に、外部標定要素が評価される。外部標定要素の算出は、基準点や既に三次元座標が求められた特徴点の三次元座標と、特徴点の追跡によって求められた画像座標に基づいている。したがって、外部標定要素の精度は、特徴点の追跡精度に依存する。また、特徴点の追跡精度は、撮影シーンの著しい変化や撮影装置の変動に依存している。このため、撮影シーンの変化や撮影装置の変動によって、誤差が発生したり、もしくは、計算が不能となる。
図7(A)は、前フレームの特徴点の軌跡の方向と、新たに検出した特徴点の軌跡の方向が異なる画像を示す図であり、図7(B)は、前のフレームの特徴点の軌跡の量と、新たに検出した特徴点の軌跡の量が異なる画像を示す図である。
撮影シーンの変化や撮影装置の変動が大きい場合、特徴点が追跡不能となり、画像内の点の配置が偏ることがある。図8(A)は、特徴点の分布率が0の画像を示す図であり、図8(B)は、特徴点の分布率が負の画像を示す図であり、図8(C)は、特徴点の分布率が正の画像を示す図である。
縦視差とは、ステレオ撮影された2枚の画像における対応点のy座標の差のことをいう。すなわち、ステレオ画像の基線方向に直交する方向の座標値の差のことである。ステレオ画像は、2枚の画像を撮影したカメラの光軸が平行であり、かつ、基線方向に直交する方向が平行な画像対である。したがって、2枚の画像の対応点のy座標は等しいため、ステレオ画像の縦視差は通常0画素となる。
外部標定要素を評価した後、1枚または複数の画像、または全画像における外部標定要素および特徴点の三次元座標を同時にバンドル調整する。バンドル調整は、対象空間の点、画像上の点、投影中心の3点を結ぶ光束(バンドル)が同一直線上になければならないという共線条件に基づき、各画像の光束1本毎に観測方程式を立て、最小二乗法によって同時調整する方法である。共線条件式は以下の数12のようになる。
バンドル調整された外部標定要素に基づいて、特徴点の密度が少なくなった領域で新たに検出された特徴点の三次元座標を算出する。算出方法は、前方交会法、もしくは、DLTが挙げられる。なお、図4に示すように、ステップS13の三次元座標の算出は、バンドル調整(ステップS12)に先立って処理してもよい。
新たに検出した特徴点の三次元座標が算出された後、現在処理している画像が最終画像であるか否かを判定する。現在処理している画像が最終画像でない場合には、ステップS10に戻って、次画像の外部標定要素を算出する。以後、ステップS10〜ステップS14までを最終画像まで繰り返す。現在処理している画像が最終画像である場合には、処理を終了する。
第1の実施形態によれば、特徴点の軌跡の方向や量、特徴点の分布率、オーバーラップ率、および縦視差の少なくともいずれか一つに基づいて、撮影シーンの変化や撮影装置の変動が判断される。撮影シーンの変化や撮影装置の変動は、特徴点の追跡を困難し、画像から算出された外部標定要素の精度を劣化させる。したがって、撮影シーンの変化や撮影装置の変動が相対的に大きい場合には、画像から算出された外部標定要素の信頼性が低いと評価し、撮影シーンの変化や撮影装置の変動が相対的に小さい場合には、画像から算出された外部標定要素の信頼性が高いと評価する。
以下、第1の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態は、重み付きバンドル調整を行うものである。
GPSの位置データ、姿勢センサの姿勢データの精度は、画像の撮影タイミングとGPSの位置データや姿勢センサの姿勢データの取得タイミングとの差に基づいた誤差と、GPSの位置データ、姿勢センサの姿勢データの固有の精度とに基づく。
外部標定要素および特徴点の三次元座標の精度は、第1の実施形態における、特徴点の軌跡の方向や量、特徴点の分布率、オーバーラップ率、および縦視差の少なくともいずれか一つに基づき求められる。すなわち、特徴点の軌跡の方向の変化は、2つのベクトルa、ベクトルbのなす角θであり(数10)、特徴点の軌跡の量の変化は、2つのベクトルa、ベクトルbの差|a−b|であるため(数11)、精度σは、θまたは|a−b|となる。
重み付きバンドル調整における各補正量は、以下の関数Gを最小にする値として求めることができる。例えば、w2がカメラによる三次元座標の重み、w3およびw4が外部標定要素の重み、となる。
第2の実施形態によれば、外部標定要素および特徴点の三次元座標に加えて、位置測定部4の位置データや姿勢測定部5の姿勢データも同時にバンドル調整される。この際、各データは、重みが付けられてバンドル調整されるため、精度の悪いデータは軽く、精度の良いデータは重く扱われる。このため、外部標定要素および特徴点の三次元座標の誤差が低減する。
以下、第1〜第3の実施形態の変形例について説明する。第4の実施形態は、追跡(トラッキング)された対応点のうち相対的に誤差の大きい点(誤対応点)を除去し、外部標定要素や特徴点の三次元座標の算出精度を向上させるものである。
まず、追跡された対応点がランダムにサンプリングされる(ステップS20)。次に、サンプリングされた点ごとに、後方交会法(単写真標定またはDLT)によって算出された外部標定要素と追跡された対応点の三次元座標に基づいて、対応点の画像座標(x’,y’)を算出する。例えば、単写真標定の場合、数6の共線条件式に外部標定要素(X0,Y0,Z0,ω,φ,κ)と対応点の三次元座標(X,Y,Z)を代入することで、画像座標(x’,y’)が逆算される(ステップS21)。
まず、前後の画像における対応点がランダムにサンプリングされる(ステップS30)。次に、図6に示すように、サンプリングされた対応点(P1,P2)の実空間上の点Pの三次元座標は、相互標定の共面条件式(数6)によって、点線で示されるステレオ画像上に再投影される(ステップS31)。
特徴点の追跡結果には、多くの誤対応点が含まれている。したがって、誤対応点に基づいて算出された外部標定要素や特徴点の三次元座標は、精度が劣る。しかしながら、誤対応点を除去することで、外部標定要素や特徴点の三次元座標の算出精度が向上し、誤差が低減する。
Claims (15)
- 初期画像中の既知点または外部で測定された撮影位置および/または撮影姿勢に基づき、撮影位置と撮影姿勢とからなる外部標定要素の初期値を算出する初期値算出ステップと、
前記初期値算出ステップで用いられた初期画像に続く動画像中の既知点または既に三次元座標が与えられた特徴点に基づいて、外部標定要素を算出する外部標定要素算出ステップと、
前記外部標定要素算出ステップによって算出された外部標定要素を、特徴点の軌跡の方向、特徴点の軌跡の量、特徴点の分布率、特徴点のオーバーラップ率、および縦視差の少なくともいずれか一つに基づいて評価する外部標定要素評価ステップと、
前記外部標定要素評価ステップによって修正された外部標定要素に基づき、1または複数の画像における外部標定要素および特徴点の三次元座標を同時にバンドル調整するバンドル調整ステップと、
前記バンドル調整された外部標定要素に基づき、特徴点の密度が少なくなった領域で新たに検出された特徴点の三次元座標を算出する三次元座標算出ステップと、
前記外部標定要素算出ステップから前記三次元座標算出ステップまでの処理を、最終画像になるまで繰り返す繰り返しステップと、を備えることを特徴とする位置測定方法。 - 前記特徴点の軌跡の方向もしくは特徴点の軌跡の量は、前画像の特徴点に対応する現画像の対応点の軌跡と、現画像で新たに検出された特徴点の軌跡との差に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の位置測定方法。
- 前記特徴点の分布率もしくは特徴点のオーバーラップ率は、画像中心を原点とした特徴点のX座標および/またはY座標の合計値によって算出されることを特徴とする請求項1に記載の位置測定方法。
- 前記外部標定要素評価ステップは、前記特徴点の軌跡の方向、特徴点の軌跡の量、特徴点の分布率、特徴点のオーバーラップ率、および縦視差の中から選ばれた複数の値を掛け合わせた値に基づいて、外部標定要素を評価することを特徴とする請求項1に記載の位置測定方法。
- 前記バンドル調整ステップは、外部から与えられる撮影位置および/または撮影姿勢の重み、外部標定要素および特徴点の三次元座標の重みを算出し、各データを重み付けしてバンドル調整することを特徴とする請求項1に記載の位置測定方法。
- 前記外部から与えられる撮影位置および/または撮影姿勢の重みは、画像の撮影タイミングと外部から与えられる撮影位置および/または撮影姿勢の取得タイミングとの差に基づいて算出されることを特徴とする請求項5に記載の位置測定方法。
- 前記外部標定要素および特徴点の三次元座標の重みは、特徴点の軌跡の方向、特徴点の軌跡の量、特徴点の分布率、特徴点のオーバーラップ率、および縦視差の少なくともいずれか一つに基づいて算出されることを特徴とする請求項5に記載の位置測定方法。
- 前記バンドル調整ステップは、新たに検出された特徴点の三次元座標を算出する前、または、新たに検出された特徴点の三次元座標を算出した後に行われることを特徴とする請求項5に記載の位置測定方法。
- 特徴点の追跡によって算出された対応点の画像座標と、前記対応点の三次元座標を画像上に投影した画像座標との残差に基づいて、誤対応点を除去する誤対応点除去ステップと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の位置測定方法。
- 前後の画像における対応点の三次元座標をステレオ画像上に投影し、前後のステレオ画像における基線方向に直交する方向の座標値の差に基づいて、誤対応点を除去する誤対応点除去ステップと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の位置測定方法。
- 前記誤対応点除去ステップは、前記バンドル調整ステップの後、または、前記外部標定要素算出ステップの前に行われることを特徴とする請求項9または10に記載の位置測定方法。
- 請求項9または請求項10に記載の誤対応点除去ステップは、撮影状況の変化に基づいて選択されることを特徴とする請求項9または10に記載の位置測定方法。
- 前記誤対応点除去ステップは、LMedS推定によって閾値が推定されることを特徴とする請求項9または10に記載の位置測定方法。
- 初期画像中の既知点または外部で測定された撮影位置および/または撮影姿勢に基づき、撮影位置と撮影姿勢とからなる外部標定要素の初期値を算出する初期値算出ステップと、
前記初期値算出ステップで用いられた初期画像に続く動画像中の既知点または既に三次元座標が与えられた特徴点に基づいて、外部標定要素を算出する外部標定要素算出ステップと、
前記外部標定要素算出ステップによって算出された外部標定要素を、特徴点の軌跡の方向、特徴点の軌跡の量、特徴点の分布率、特徴点のオーバーラップ率、および縦視差の少なくともいずれか一つに基づいて評価する外部標定要素評価ステップと、
前記外部標定要素評価ステップによって修正された外部標定要素に基づき、1または複数の画像における外部標定要素および特徴点の三次元座標を同時にバンドル調整するバンドル調整ステップと、
前記バンドル調整された外部標定要素に基づき、特徴点の密度が少なくなった領域で新たに検出された特徴点の三次元座標を算出する三次元座標算出ステップと、
前記外部標定要素算出ステップから前記三次元座標算出ステップまでの処理を、最終画像になるまで繰り返す繰り返しステップと、を実行させるための位置測定プログラム。 - 対象物と撮影部とが少しずつ相対移動して撮影された動画像を取得する動画像取得部と、
前記動画像取得部によって取得された画像を順次入力して、前記画像から特徴点の検出および追跡を行う特徴点検出追跡部と、
前記動画像取得部の撮影位置を外部から測定する位置測定部と、
前記動画像取得部の撮影姿勢を外部から測定する姿勢測定部と、
前記動画像取得部によって取得された動画像、前記特徴点検出追跡部によって検出および追跡された特徴点、前記位置測定部によって測定された撮影位置、および前記姿勢測定部によって測定された撮影姿勢を入力して、前記動画像の撮影位置および撮影姿勢からなる外部標定要素および前記特徴点の三次元座標を計算する計算処理部と、を備えた位置測定装置であって、
前記計算処理部は、初期画像中の既知点または前記位置測定部によって測定された撮影位置および/または前記姿勢測定部によって測定された撮影姿勢に基づき、撮影位置と撮影姿勢とからなる外部標定要素の初期値を算出する初期値算出部と、
前記初期値算出部で用いられた初期画像に続く動画像中の既知点または既に三次元座標が与えられた特徴点に基づいて、外部標定要素を算出する外部標定要素算出部と、
前記外部標定要素算出部によって算出された外部標定要素を、特徴点の軌跡の方向、特徴点の軌跡の量、特徴点の分布率、特徴点のオーバーラップ率、および縦視差の少なくともいずれか一つに基づいて評価する外部標定要素評価部と、
前記外部標定要素評価部によって修正された外部標定要素に基づき、1または複数の画像における外部標定要素および特徴点の三次元座標を同時にバンドル調整するバンドル調整部と、
前記バンドル調整された外部標定要素に基づき、特徴点の密度が少なくなった領域で新たに検出された特徴点の三次元座標を算出する三次元座標算出部と、を備え、
前記外部標定要素算出部から前記三次元座標算出部までの処理を、最終画像になるまで繰り返すことを特徴とする位置測定装置。
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