以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の光電変換装置の構成及びその動作について説明する。
まず本発明の光電変換装置における回路図について説明する。図1に示す光電変換装置100は、光電変換素子101、増幅回路102、第1のスイッチ103、第2のスイッチ104、第1の容量素子105、コンパレータ106(比較回路ともいう)、パルス出力回路107、第2の容量素子108、第3のスイッチ109、定電流回路110、及び第4のスイッチ111を有する。光電変換素子101は、一方の端子(陰極側)に高電源電位(Vdd)が供給され、他方の端子(陽極側)が増幅回路102の入力側に電気的に接続されている。増幅回路102は、光電変換素子101の出力電流を増幅するための回路である。増幅回路102は低電源電位(Vss)が供給されている。また、第1のスイッチ103の一方の端子はリセット電位(第1の電位、充電電位、またはVsetともいう)が供給され、第2の端子は第1の容量素子105の一方の電極、第2のスイッチ104の一方の端子、及びコンパレータ106の反転入力端子に電気的に接続されている。第1の容量素子105の他方の電極には、低電源電位が供給されている。第2のスイッチ104の第2の端子は増幅回路102に電気的に接続されている。コンパレータ106の非反転入力端子には参照電位(第2の電位、参照電位、またはVrefともいう)が供給されている。コンパレータ106の出力端子は、パルス出力回路107の入力端子に電気的に接続されている。パルス出力回路107の出力端子は、第3のスイッチ109の制御端子に電気的に接続されている。第2の容量素子108の一方の電極は、高電源電位に電気的に接続された定電流回路の出力端子、及び第3のスイッチ109の一方の端子、第4のスイッチ111の一方の端子が電気的に接続されている。第2の容量素子108の他方の電極は、低電源電位、及び第4のスイッチ111の他方の端子が電気的に接続されている。第3のスイッチの他方の端子からは、第2の容量素子の一方の電極の電位が、外部出力信号(以下、出力信号、Voutともいう)として出力される。
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
なお本明細書において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間に何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、対象物を介してAとBとが概略同一ノードとなる場合を表すものとする。
具体的には、トランジスタをはじめとするスイッチング素子を介してAとBとが接続され、該スイッチング素子の導通によって、AとBとが概略同電位となる場合や、抵抗素子を介してAとBとが接続され、該抵抗素子の両端に発生する電位差が、AとBとを含む回路の動作に影響しない程度となっている場合など、回路動作を考えた場合、AとBとが同一ノードとして捉えて差し支えない状態である場合を表す。
なお本明細書において、スイッチは、一方の端子と他方の端子との導通または非導通を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。スイッチとしては、電気的スイッチや機械的なスイッチなどがあり、一例として薄膜トランジスタを用いてアナログスイッチ等を構成すればよい。
なお、光電変換素子101は、PINフォトダイオードを用いればよい。また光電変換素子101として、PINフォトダイオードの代わりに、PNフォトダイオードを用いても良い。
なお本実施の形態で説明する増幅回路は、光電変換素子からの出力電流をN倍(Nは正の数)に増幅した電流とする回路のことをいう。増幅回路により増幅された電流の流れる経路に応じて、容量素子では、電荷の充電または容量素子の電荷の放電が行われる。一例として、増幅回路102は、図2(A)に示すようにカレントミラー回路で構成されており、第1のnチャネル型トランジスタ201及び第2のnチャネル型トランジスタ202を有する。第1のnチャネル型トランジスタ201の第1端子は光電変換素子101の陽極に電気的に接続されている。第1のnチャネル型トランジスタ201及び第2のnチャネル型トランジスタ202のゲート端子は互いに電気的に接続されており、第1のnチャネル型トランジスタ201の第1端子は第1のnチャネル型トランジスタ201及び第2のnチャネル型トランジスタ202のゲート端子に電気的に接続されている。第1のnチャネル型トランジスタ201及び第2のnチャネル型トランジスタ202の第2端子は低電源電位(Vss)が供給されている。
なお増幅回路102における第2のnチャネル型トランジスタ202を、図2(B)に示すように電気的に並列に複数配設する構成としてもよい。図2(B)に示すように第2のnチャネル型トランジスタ202−1乃至202−n(nは2以上の自然数)と複数設けることにより、光電変換素子101に光が照射されることで第1のnチャネル型トランジスタ201のソースとドレインの間を流れる電流を、n倍にして第2のnチャネル型トランジスタ202―1乃至202−nの側で流すことができる。そのため、光電変換素子101に照射される入射光量が小さい場合であっても、第2のnチャネル型トランジスタ202―1乃至202−nの側に十分な電流を流すことができる。また第2のnチャネル型トランジスタ201のチャネル幅を長くする、またはチャネル長を短くすることでも十分な電流を流すことができる。
なお、nチャネル型トランジスタまたはpチャネル型トランジスタのようなトランジスタは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ドレイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことができる。ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難な場合もある。そこで、本実施の形態においては、ソース及びドレインとして機能する領域のそれぞれを、第1端子、第2端子と表記するものとする。またゲートとして機能する端子については、ゲート端子と表記するものとする。
なお、nチャネル型トランジスタまたはpチャネル型トランジスタのようなトランジスタとして、様々な形態のトランジスタを用いることができる。例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶(マイクロクリスタル、セミアモルファスとも言う)シリコンなどに代表される非単結晶半導体膜を有する薄膜トランジスタ(TFT)などを用いることができる。TFTを用いる場合、比較的に低温のプロセスで作製することができるため製造装置を大きくでき、大型基板上に製造できる。そのため、一度の製造工程で多くの取り数を得ることができ、低コストで製造することができる。さらに、比較的に低温のプロセスで作製するため、耐熱性の弱い基板を用いることができる。そのため、透光性を有する基板(例えば、絶縁表面を有するガラス基板)上にトランジスタを製造でき、透光性を有する基板上のトランジスタを用いて光の透過を利用した装置に用いることができる。
なお第1のスイッチ103、第2のスイッチ104、第3のスイッチ109、及び第4のスイッチ111の導通または非導通の制御については、一部の信号を共通して入力しても良いし、スイッチ毎に信号を入力して制御してもよい。
なお第1の容量素子105は、第1のスイッチ103がオンになることでリセット電位Vsetにより充電がなされ、その後第2のスイッチ104がオンになり、増幅回路102に流れる電流に応じて放電するものである。そのため、増幅回路102の第2のnチャネル型トランジスタの電荷の放電される際の時間を考慮して、第1の容量素子105の静電容量は電荷を充電できる容量を備えておくことが望ましい。また、リセット電位Vsetとしては、高電源電位Vdd以下で、低電源電位Vssよりも大きい値に設定することが好ましい。なお、リセット電位Vsetを高電源電位Vddとする場合には、高電源電位Vddが固定電位であることが望ましい。
またコンパレータ106の非反転入力端子に供給される参照電位Vrefは、第1のスイッチ103がオンになることでリセット電位Vsetによる充電がなされ、その後増幅回路102による放電がなされた際の第1の容量素子105の一方の電極の電位と、比較されることで出力端子より出力信号Voutを出力するための電位である。参照電位Vrefとしては、リセット電位Vsetよりも小さく、低電位電源Vssより大きい値に設定することが好ましい。コンパレータ106から出力される信号は、Hレベルの信号またはLレベルの信号となる。
なおパルス出力回路107は、コンパレータ106が出力される信号がH信号からL信号、またはL信号からH信号と変化するタイミングによって、一定の幅をもった矩形波のパルスを出力するための回路である。パルス出力回路107より出力されるパルスは、第3のスイッチ109の第1の端子と第2の端子との導通または非導通を制御するものである。パルス出力回路107は、単安定マルチバイブレータ回路(ワンショットマルチバイブレータ回路ともいう)を用いて構成すればよい。
なお第2の容量素子108は、第4のスイッチ111がオンになることで充電された電荷による電位の上昇をリセットし、その後定電流回路110により電荷の充電をするものである。そのため、定電流回路110により充電される際の時間を考慮して、第2の容量素子108の静電容量は電荷を充電できる容量を備えておくことが望ましい。
次に図2で説明した光電変換装置に加え、アナログ信号をデジタル信号に変換するための回路を加えたブロック図の構成について図3を用いて説明する。図3に示すデジタル出力型のフォトIC300は、図2で示した光電変換装置100に加え、アナログ/デジタル変換回路301(以下AD変換回路という)、アドレスメモリ302、I2C(Inter Integrated circuit)インターフェース回路303を有する。また、I2Cインターフェース回路303は、他の装置とのデータ通信のためのシリアルデータライン(SDA)と、他の装置との間のデータ通信を制御及び同期化するためのシリアルクロックライン(SCL)と、からなるI2Cバスによって外部装置と電気的に接続されている。SDAとSCLからなるI2Cバスは、各装置に設けられるアドレスメモリに割り振られた固有のアドレスによって、マイクロコンピュータ311からの制御を行うためのバス規格である。なお他の装置が液晶表示装置である場合には、一例として、アドレスメモリ321、I2Cインターフェース回路322、ロジック部323を有するディスプレイドライバー312、アドレスメモリ331、I2Cインターフェース回路332、ロジック部333を有するLEDドライバー313がI2Cバスに電気的に接続される構成となる。他の装置がEL素子を具備する表示装置の場合には、バックライトであるLEDの制御を行うLEDドライバーは必ずしも必要ない。
なお、A/D変換回路301は、連続量である電位の値Voutを量子化して、デジタル信号に変換するための回路である。A/D変換回路301としては、一例として、並列比較方式A/D変換回路、パイプライン方式A/D変換回路、逐次比較方式A/D変換回路、デルタシグマ方式A/D変換回路、二重積分方式A/D変換回路があり、任意で選択すればよい。A/D変換回路301で変換されたデジタル信号は、I2Cインターフェース回路303を介して、LEDドライバー313等の他の外部装置に送られる。LEDドライバー313は、フォトIC300で得られた照度に関するデジタル信号に応じて、表示装置のバックライトであるLEDを制御するための信号を生成し、出力するものである。
なお図示していないが、フォトIC300は、クロック生成回路、レギュレータ回路、分周回路等を具備する。クロック生成回路は、フォトICの各回路を動作するクロック信号を生成するための回路である。レギュレータ回路はフォトICの各回路を動作する電源電圧等の電位を作るための回路である。分周回路は、フォトICの各回路に所定のタイミングの信号を供給するための信号を出力するために、クロック信号を分周するための回路である。
また図3に示したデジタル出力型のフォトIC300について、別の構成を図4に示す。図4で示すフォトIC400は、光電変換装置100に加え、AD変換回路301、アドレスメモリ302、I2Cインターフェース回路303、LEDドライバー401を有する。また、I2Cインターフェース回路303は、SDAと、SCLと、からなるI2Cバスによってディスプレイドライバー312と電気的に接続されている。図4に示す構成が、図3と異なる点はフォトIC400の内部にロジック部333を有するLEDドライバー401とする点にある。LEDドライバー401をフォトIC400の内部に設ける構成とすることにより、A/D変換回路301で生成されたデジタル信号を直接LEDドライバー313で受け取り、I2Cインターフェース回路303より出力することができるため、回路の共通化を図ることができるため、小型化及び高付加価値化を図ることができる。
なお図3、図4において、各回路のインターフェースは、一例として、デジタルシリアルインターフェースの一つであるI2Cインターフェースを用いる構成について示した。なおI2Cバス以外に、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus)、シリアル周辺インターフェース(Serial Peripheral Interface)等のバス規格を用いることが可能である。
次に図1で示したデジタル出力型の光電変換装置100の具体的な動作について、図5、図6、図7(A)、及び図7(B)を用いて説明する。図5には、第1のスイッチ103(図5中SW1と記す)、第2のスイッチ104(図5中SW2と記す)、第3のスイッチ109(図5中SW3と記す)、及び第4のスイッチ111(図5中SW4と記す)のオンまたはオフを切り替えた際の第1の容量素子105の一方の電極の電位Vcap1、コンパレータ106の出力信号の電位CPout、パルス出力回路107の出力信号の電位Pout、及び第2の容量素子108の電位Vcap2についてのタイミングチャートについて示したものである。なお、Vcap1、CPout、Pout、第3のスイッチについては、光電変換素子101に光が照射された際の光電流ILの大きさを大(以下、Large:Lと略記する)、中(以下、Middle:Mと略記する)、小(以下、Small:Sと略記する)の3段階に分けて説明する。また図6は、第1のスイッチ103がオン、第2のスイッチ104がオフ、第4のスイッチ111がオンとなった際の第1の容量素子105及び第2の容量素子108に蓄積される電荷について説明する図である(図5中期間Aと記す)。また図7(A)は、第1のスイッチ103がオフ、第2のスイッチ104がオン、第4のスイッチ111がオフとなった際の第1の容量素子105及び第2の容量素子108に蓄積される電荷、及び流れる電流の経路について説明する図である(図5中期間Bと記す)。また図7(B)は、第1のスイッチ103がオフ、第2のスイッチ104がオン、第3のスイッチ109がオン、第4のスイッチ111がオフになる際の第1の容量素子105及び第2の容量素子108に蓄積される電荷、及び電流の経路について説明する図である(図5中期間Cと記す)。
なお、図5中では説明のため、各スイッチはHレベルの信号でオンとなり、Lレベルの信号でオフとなるものであるとする。また、パルス出力回路107は、入力される信号がLレベルからHレベルに切り替わった際に一定の幅をもった矩形波のパルスを出力するものであるとする。
まず図6に示した、第1のスイッチ103がオン、第2のスイッチ104がオフ、第4のスイッチ111がオンの状態である期間Aにおいて説明する。期間Aにおいて、容量素子105の一方の電極の電位Vcap1(以下、Vcap1と略記)は、光電流ILの大きさに関わらずリセット電位Vsetとなるものである。また期間Aにおいて、コンパレータ106の出力信号の電位CPout(以下、CPoutと略記)は光電流ILの大きさに関わらず、リセット電位Vsetが参照電位Vrefを上回るため、Lレベルの信号が出力されるものである。また期間Aにおいて、パルス出力回路107の出力信号の電位Pout(以下、Poutと略記)は、光電流ILの大きさに関わらず、CPoutに変化がないため、Lレベルの信号が出力されるものである。また期間Aにおいて、第3のスイッチ109(以下、SW3と略記)のオンまたはオフは、光電流ILの大きさに関わらず、PoutがLレベルであるため、オフになっている。また期間Aにおいて、第2の容量素子108の一方の電極の電位Vcap2(以下、Vcap2と略記)は、第4のスイッチ111がオンになっているため、低電源電位Vssとなる。
次に、図7(A)に示した、第1のスイッチ103がオフ、第2のスイッチ104がオン、第4のスイッチ111がオフの状態である期間Bにおいて説明する。期間Bにおいて、Vcap1は、光電流ILの大きさに応じて、リセット電位Vsetから減少していく。Vcap1の減少の程度は、光電流ILが大きい程大きく、光電流ILが小さければ減少も緩やかとなる。なお図7(A)では、第1の容量素子105より流れる電流の大きさについて、図2(B)で説明したように、光電流ILがn倍された大きさであるものとして説明している。また期間Bにおいて、CPoutは、光電流ILの大きさに応じてVcap1が減少するものの参照電位Vrefを下回ることはないため、Lレベルの信号が出力されることとなる。また期間Bにおいて、Poutは、光電流ILの大きさに応じてCPoutがLレベルからHレベルに切り替わらないため、Lレベルの信号が出力されるものとなる。また期間Bにおいて、SW3のオンまたはオフは、光電流ILの大きさに関わらず、PoutがLレベルであるため、オフになっている。また期間Bにおいて、Vcap2は、第4のスイッチ111がオフになっているため、期間Bに引き続き、定電流回路からの電流iconsに応じて、時間に比例し上昇していく。
次に、図7(B)に示した、第1のスイッチ103がオフ、第2のスイッチ104がオン、第4のスイッチ111がオフの状態である期間Cにおいて説明する。期間Cにおいて、Vcap1は、光電流ILの大きさに応じて、リセット電位Vsetから減少していき、参照電位Vrefとなる。Vcap1の減少の程度は、光電流ILが大きい程大きいため、Vcap1が参照電位Vref以下になるまでの減少のスピードも大きい。また。Vcap1の減少の程度は、光電流ILが小さければVcap1の減少も緩やかとなる。また期間Cにおいて、CPoutは、光電流ILの大きさに応じてVcap1が参照電位Vrefを下回ることにより、Hレベルの信号に切り替わることとなる。また期間Cにおいて、Poutは、光電流ILの大きさに応じて、CPoutにLレベルからHレベルに切り替わるため、一定の幅をもった矩形波のパルスを出力することとなる。また期間Cにおいて、SW3のオンまたはオフは、光電流ILの大きさに応じて、一定の幅をもった矩形波のHレベルのパルスがPoutより出力されるため、オンとなる。また期間Cにおいて、Vcap2は、第4のスイッチ111がオフになっているため、定電流回路からの電流iconsに応じて、時間に比例し上昇していき、SW3がオンになることでVoutとして出力されることとなる。なお、光電流ILが「L」程度であるときVcap2の電圧値が小さくなり(VS)、光電流ILが「M」程度であるときVcap2の電圧値が中程度であり(VM)、光電流ILが「S」程度であるときVcap2の電圧値が大きくなる(VS)。
上述のように本実施の形態の構成では、光電流ILが小さい場合であっても増幅回路102によって光電流を増幅することができるため、低照度領域の照度の検出を行うことができる。
また、光電流ILに応じて変化するVcap1の減少幅は、照度と光電流ILとの関係が比較的線形性を有するため、光電流ILが小さければ、緩やかとなる。そのため、Vcap1に応じて変化するCPout、Pout、Vcap2について、光電変換素子に照射される光の照度に対応する値の間隔を大きくすることができ、低照度領域の光の大きさを検出する上で分解能を向上させることができる。
なお、低照度領域とは、0.1ルクス以上6400ルクス以下の領域のことをいう。
なお、期間Bで、光電変換素子101に光が照射されず光電流ILが検出できない場合、Vcap1は電流n×ILが生じないため、ほとんど減少しない。そのため、時間に応じて上昇するVcap2が飽和する。この場合、飽和するVcap2を照度の検出下限とすることが好ましい。
次に、本発明の構成による有利な点について数式を交えて説明する。上述したように、Vcap1がコンパレータ106を反転させる電圧は、Vrefとなる。また第1の容量素子105の静電容量をC1とする。また増幅回路102における光電流ILの増幅率とn倍し、第2のスイッチをオンしてVcap1がリセット電位Vsetから参照電位Vrefになるまでの時間をtとすると、数式 C1×Vref=IL×n×t ・・・(1)との関係を有する。
またVcap2は、第4のスイッチをオフにしてから定電流回路110からの定電流iconsによって上昇していく。時間tが経過すると共に、第3のスイッチ109がオンになりVoutとして出力され、数式 C2×Vcap2=icons×t ・・・(2)との関係を有する。
数式(1)、(2)について解くと、数式 Vcap2=(C1/C2)×(icons×Vref/n)×(1/IL) ・・・(3)との関係を有する。数式(3)より、VoutとなるVcap2は、光電流ILに反比例する関係が得られる。すなわち、照度を横軸、Vcap2を縦軸とした際に、照度の増加に伴い、Vcap2の電圧値は減少する右下がりのグラフとなる。
また、図5において、照度の大きさを光電流ILの大きさを引き合いにして示したが、光電流ILの大きさは、Vcap2の電圧値VL、VM、VSに対応する。図8に横軸に照度、縦軸にVcap2の電圧値とした際の関係をグラフにして示す。図8に示すように、照度の増加に伴い、Vcap2の電圧値は減少する右下がりのグラフとなる。
上記照度と出力電圧となるVcap2の関係が右下がりのグラフに対して、照度の増加によって出力電圧も増加する右上がりのグラフだと、照度が大きすぎると出力電圧が飽和してしまう。また、右上がりのグラフで低照度領域の分解能を高くしようとすると、低照度領域で対応する出力電圧の間隔をあけてとる必要があるため、照度のダイナミックレンジは広く取れないといったことになる。これに対し、右下がりのグラフの関係を有する本実施の形態で示す構成では、低照度であると出力電圧が飽和するため、低照度領域の分解能を高めたとしてもダイナミックレンジを広く取ることができる。そのため、本実施の形態で示す構成においては、特に低照度領域で分解能も高く、確度の高い出力電圧を出力することができるとともに、広いダイナミックレンジを取る事ができる。
以上説明したように本実施の形態の光電変換装置の構成では、入射光量が小さい場合であっても、容量素子への電荷の蓄積を行い、照度の検出ができる。また本実施の形態の光電変換装置により、低照度領域での照度の分解能を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の光電変換装置の作製方法について図9、図10を用いて詳しく述べる。なお、本実施の形態では、光電変換装置の各回路を構成する素子である薄膜トランジスタ(TFT)と、光電変換素子である縦型接合タイプのPINフォトダイオード(以下、フォトダイオードともいう)とを具備する光電変換装置の一例を示す。なお本発明の光電変換装置は、TFT及びPINフォトダイオードの他に、記憶素子、抵抗、ダイオード、容量、インダクタなども用いることがある。また、本発明の光電変換装置は、縦型接合タイプのPINフォトダイオードの代わりに、縦型接合タイプのPNフォトダイオードを用いていても良い。
まず、透光性を有する基板1401上にフォトダイオード及び薄膜トランジスタを形成する。ここでは基板1401として、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることができる。基板上に形成するトランジスタとして、薄膜トランジスタを用いることにより、基板上に、フォトダイオードと薄膜トランジスタを同一工程で作製することができるため、光電変換装置の量産化がし易いといった利点がある。
次いで、プラズマCVD法で下地絶縁膜1402となる酸化窒化珪素膜(膜厚100nm)を形成し、さらに大気にふれることなく、半導体膜例えば水素を含む非晶質珪素膜(膜厚54nm)を積層形成する。また、下地絶縁膜1402は酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜を用いた積層してもよい。例えば、下地絶縁膜1402として、窒化酸化珪素膜を50nm、さらに酸化窒化珪素膜を100nm積層した膜を形成してもよい。なお、窒化酸化珪素膜や窒化珪素膜は、ガラス基板からのアルカリ金属などの不純物拡散を防止するブロッキング層として機能する。なお、石英基板など不純物の拡散がさして問題とならない基板1401を用いる場合は、必ずしも設ける必要はない。
なお、酸化窒化珪素膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い膜であって、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、珪素が25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれる膜をいう。また、窒化酸化珪素膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い膜であって、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、珪素が25〜35原子%、水素が10〜25原子%の範囲で含まれる膜をいう。但し、酸化窒化珪素または窒化酸化珪素を構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、珪素及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
次いで、上記非晶質珪素膜を公知の技術(固相成長法、レーザ結晶化方法、触媒金属を用いた結晶化方法など)により結晶化させて、結晶構造を有する半導体膜(結晶性半導体膜)、例えば多結晶珪素膜を形成する。ここでは、触媒元素を用いた結晶化方法を用いて多結晶珪素膜を得る。重量換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル溶液をスピナーで添加する。なお、溶液を添加する方法に代えてスパッタ法でニッケル元素を全面に散布する方法を用いてもよい。次いで、加熱処理を行い結晶化させて結晶構造を有する半導体膜(ここでは多結晶珪素膜)を形成する。ここでは熱処理(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(550℃、4時間)を行って多結晶珪素膜を得る。
次いで、多結晶珪素膜表面の酸化膜を希フッ酸等で除去する。その後、結晶化率を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修するためのレーザ光(XeCl:波長308nm)の照射を大気中、または酸素雰囲気中で行う。
レーザ光には波長400nm以下のエキシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調波又は第3高調波を用いる。ここでは、繰り返し周波数10〜1000Hz程度のパルスレーザ光を用い、当該レーザ光を光学系にて100〜500mJ/cm2に集光し、90〜95%のオーバーラップ率をもって照射し、シリコン膜表面を走査させればよい。本実施例では、繰り返し周波数30Hz、エネルギー密度470mJ/cm2でレーザ光の照射を大気中で行なう。
なお、大気中、または酸素雰囲気中で行うため、レーザ光の照射により表面に酸化膜が形成される。なお、本実施例ではパルスレーザを用いた例を示したが、連続発振のレーザを用いてもよく、半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用すればよい。
連続発振のレーザを用いる場合には、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射すればよい。
次いで、上記レーザ光の照射により形成された酸化膜に加え、オゾン水で表面を120秒処理して合計1〜5nmの酸化膜からなるバリア層を形成する。このバリア層は、結晶化させるために添加した触媒元素、例えばニッケル(Ni)を膜中から除去するために形成する。ここではオゾン水を用いてバリア層を形成したが、酸素雰囲気下の紫外線の照射で結晶構造を有する半導体膜の表面を酸化する方法や酸素プラズマ処理により結晶構造を有する半導体膜の表面を酸化する方法やプラズマCVD法やスパッタ法や蒸着法などで1〜10nm程度の酸化膜を堆積してバリア層を形成してもよい。また、バリア層を形成する前にレーザ光の照射により形成された酸化膜を除去してもよい。
次いで、バリア層上にスパッタ法にてゲッタリングサイトとなるアルゴン元素を含む非晶質珪素膜を10nm〜400nm、ここでは膜厚100nmで成膜する。ここでは、アルゴン元素を含む非晶質珪素膜は、シリコンターゲットを用いてアルゴンを含む雰囲気下で形成する。プラズマCVD法を用いてアルゴン元素を含む非晶質珪素膜を形成する場合、成膜条件は、モノシランとアルゴンの流量比(SiH4:Ar)を1:99とし、成膜圧力を6.665Paとし、RFパワー密度を0.087W/cm2とし、成膜温度を350℃とする。
その後、650℃に加熱された炉に入れて3分の熱処理を行い触媒元素を除去(ゲッタリング)する。これにより結晶構造を有する半導体膜中の触媒元素濃度が低減される。炉に代えてランプアニール装置を用いてもよい。
次いで、バリア層をエッチングストッパとして、ゲッタリングサイトであるアルゴン元素を含む非晶質珪素膜を選択的に除去した後、バリア層を希フッ酸で選択的に除去する。なお、ゲッタリングの際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、酸化膜からなるバリア層をゲッタリング後に除去することが望ましい。
なお、触媒元素を用いて半導体膜の結晶化を行わない場合には、上述したバリア層の形成、ゲッタリングサイトの形成、ゲッタリングのための熱処理、ゲッタリングサイトの除去、バリア層の除去などの工程は不要である。
次いで、得られた結晶構造を有する半導体膜(例えば結晶性珪素膜)の表面にオゾン水で薄い酸化膜を形成した後、第1のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体膜(本明細書では「島状半導体領域1403」という)を形成する(図9(A)参照)。島状半導体領域を形成した後、レジストからなるマスクを除去する。
次いで、必要があればTFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ホウ素またはリン)のドーピングを行う。ここでは、ジボラン(B2H6)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用いる。
次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化膜を除去すると同時に島状半導体領域1403の表面を洗浄した後、ゲート絶縁膜1404となる珪素を主成分とする絶縁膜を形成する。ここでは、プラズマCVD法により115nmの厚さで窒素を含む酸化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。
次いで、ゲート絶縁膜1404上に金属膜を形成した後、第2のフォトマスクを用いて、ゲート電極1408、配線1405及び1406、端子電極1407を形成する(図9(B)参照)。この金属膜として、例えば窒化タンタル及びタングステン(W)をそれぞれ30nm、370nm積層した膜を用いる。
また、ゲート電極1408、配線1405、配線1406、及び端子電極1407として、上記以外にもチタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層膜、或いは、これらの窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層膜を用いることができる。
次いで、島状半導体領域1403への一導電型を付与する不純物の導入を行って、TFT1500のソース領域またはドレイン領域1409の形成を行う(図9(C)参照)。本実施の形態では一例として、nチャネル型TFTを形成するので、n型の不純物、例えばリン(P)、砒素(As)を島状半導体領域1403に導入する。pチャネル型TFTを形成する際には、p型の不純物を島状半導体領域1403に導入する。
次いで、CVD法により酸化珪素膜を含む第1の層間絶縁膜(図示しない)を50nm形成した後、それぞれの島状半導体領域に添加された不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化工程は、ランプ光源を用いたラピッドサーマルアニール法(RTA法)、或いはYAGレーザまたはエキシマレーザを裏面から照射する方法、或いは炉を用いた熱処理、或いはこれらの方法のうち、いずれかと組み合わせた方法によって行う。
次いで、水素及び酸素を含む窒化珪素膜を含む第2の層間絶縁膜1410を、例えば10nmの膜厚で形成する。
次いで、第2の層間絶縁膜1410上に絶縁物材料から成る第3の層間絶縁膜1411を形成する(図9(D)参照)。第3の層間絶縁膜1411はCVD法で得られる絶縁膜を用いることができる。本実施の形態においては密着性を向上させるため、第3の層間絶縁膜1411として、900nmの膜厚で形成した窒素を含む酸化珪素膜を形成する。
次に、熱処理(300〜550℃で1〜12時間の熱処理、例えば窒素雰囲気中410℃で1時間)を行い、島状半導体膜を水素化する。この工程は第2の層間絶縁膜1410に含まれる水素により島状半導体膜のダングリングボンドを終端させるために行うものである。ゲート絶縁膜1404の存在に関係なく島状半導体膜を水素化することができる。
また第3の層間絶縁膜1411として、シロキサンを用いた絶縁膜、及びそれらの積層構造を用いることも可能である。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造で構成される。置換基として、少なくとも水素を含む化合物(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フッ素を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む化合物と、フッ素とを用いてもよい。
第3の層間絶縁膜1411としてシロキサンを用いた絶縁膜、及びそれらの積層構造を用いた場合は、第2の層間絶縁膜1410を形成後、島状半導体膜を水素化するための熱処理を行い、次に第3の層間絶縁膜1411を形成することもできる。
次いで、第3のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜1410及び第3の層間絶縁膜1411またはゲート絶縁膜1404を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。そして、レジストからなるマスクを除去する。
なお、第3の層間絶縁膜1411は必要に応じて形成すればよく、第3の層間絶縁膜1411を形成しない場合は、第2の層間絶縁膜1410を形成後に第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜1410及びゲート絶縁膜1404を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。
次いで、スパッタ法で金属積層膜を成膜した後、第4のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、選択的に金属膜をエッチングして、配線1412、接続電極1413、端子電極1414、TFT1500のソース電極またはドレイン電極1415を形成する。そして、レジストからなるマスクを除去する。なお、本実施の形態の金属膜は、膜厚100nmのTi膜と、膜厚350nmのSiを微量に含むAl膜と、膜厚100nmのTi膜との3層を積層したものとする。
また配線1412、接続電極1413、端子電極1414、及びTFT1500のソース電極又はドレイン電極1415を単層の導電膜により形成する場合は、耐熱性及び導電率等の点からチタン膜(Ti膜)が好ましい。またチタン膜に変えて、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジム(Nd)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層膜、或いは、これらの窒化物、例えば、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化モリブデンからなる単層膜を用いることができる。配線1412、接続電極1413、端子電極1414、及びTFT1500のソース電極又はドレイン電極1415を単層膜にすることにより、作製工程において成膜回数を減少させることが可能となる。
以上の工程で、多結晶珪素膜を用いたトップゲート型TFT1500を作製することができる。
次いで、後に形成される光電変換素子(代表的にはアモルファスシリコン)と反応して合金になりにくい導電性の金属膜(チタン(Ti)またはモリブデン(Mo)など)を成膜した後、第5のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、選択的に導電性の金属膜をエッチングして配線1412を覆う保護電極1416、保護電極1417、保護電極1418、及び保護電極1419を形成する(図10(A))。ここではスパッタ法で得られる膜厚200nmのTi膜を用いる。なお、同様に接続電極1413、端子電極1414、TFT1500のソース電極またはドレイン電極1415も導電性の金属膜で覆われる。従って、導電性の金属膜は、これらの電極における2層目のAl膜が露呈されている側面も覆い、導電性の金属膜は光電変換素子へのアルミニウム原子の拡散も防止できる。
ただし、配線1412、接続電極1413、端子電極1414、及びTFT1500のソース電極またはドレイン電極1415を、単層の導電膜で形成する場合、保護電極1416、保護電極1417、保護電極1418、及び保護電極1419は形成しなくてもよい。
次に第3の層間絶縁膜1411上に、p型半導体層1420p、i型半導体層1420i及びn型半導体層1420nを含む光電変換素子1420を形成する。
p型半導体層1420pは、周期表第13属の不純物元素、例えばホウ素(B)を含んだセミアモルファスシリコン膜をプラズマCVD法にて成膜して形成すればよい。
また配線1412及び保護電極1416は光電変換素子1420の最下層、本実施例ではp型半導体層1420pと接している。
p型半導体層1420pを形成したら、さらにi型半導体層1420i及びn型半導体層1420nを順に形成する。これによりp型半導体層1420p、i型半導体層1420i及びn型半導体層1420nを有する光電変換素子1420が形成される。
i型半導体層1420iとしては、例えばプラズマCVD法でセミアモルファスシリコン膜を形成すればよい。またn型半導体層1420nとしては、周期表第15属の不純物元素、例えばリン(P)を含むセミアモルファスシリコン膜を形成してもよいし、セミアモルファスシリコン膜を形成後、周期表第15属の不純物元素を導入してもよい。
またp型半導体層1420p、i型半導体層1420i、n型半導体層1420nとして、セミアモルファス半導体膜だけではなく、アモルファス半導体膜を用いてもよい。
次いで、全面に絶縁物材料(例えば珪素を含む無機絶縁膜)からなる封止層1421を厚さ1μm〜30μmで形成して図10(B)の状態を得る。ここでは絶縁物材料膜としてCVD法により、膜厚1μmの窒素を含む酸化珪素膜を形成する。CVD法による絶縁膜を用いることによって密着性の向上を図っている。
次いで、封止層1421をエッチングして開口部を設けた後、スパッタ法により端子電極1422及び端子電極1423を形成する。端子電極1422及び1423は、チタン膜(Ti膜)(100nm)と、ニッケル膜(Ni膜)(300nm)と、金膜(Au膜)(50nm)との積層膜とする。こうして得られる端子電極1422及び端子電極1423の固着強度は5Nを超え、端子電極として十分な固着強度を有している。
以上の工程で、半田接続が可能な端子電極1422及び端子電極1423が形成され、図10(C)に示す構造が得られる。
なお上記工程で得られる光電変換装置は、基板より個々に切断して複数の光電変換装置を切り出すことで大量生産が可能である。1枚の大面積基板(例えば600cm×720cm)からは大量の光電変換装置(例えば2mm×1.5mm)を製造することができる。
なお、本実施の形態で示す島状半導体領域1403の作製方法としては、上記作製方法に限らず他の作製方法を用いて形成することもできる。一例としては、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板を用いて島状半導体領域1403を形成してもよい。SOI基板としては、公知のSOI基板を用いればよく、その作製方法や構造は特に限定されない。SOI基板としては、代表的にはSIMOX基板や貼り合わせ基板が挙げられる。また、貼り合わせ基板の例として、ELTRAN(登録商標)、UNIBOND(登録商標)、スマートカット(登録商標)等が挙げられる。
SIMOX基板は、単結晶シリコン基板に酸素イオンを注入し、1300℃以上で熱処理して埋め込み酸化膜層(BOX;Buried Oxide)を形成することにより、表面に薄膜シリコン層を形成し、SOI構造を得ることができる。薄膜シリコン層は、埋め込み酸化膜層により、単結晶シリコン基板と絶縁分離されている。また、埋め込み酸化膜層形成後に、さらに熱酸化するITOX(Internal Thermal Oxidation−SIMOX)と呼ばれる技術を用いることもできる。
貼り合わせ基板は、酸化膜層を介して2枚の単結晶シリコン基板(第1単結晶シリコン基板、第2単結晶シリコン基板)を貼り合わせ、一方の単結晶シリコン基板を貼り合わせた面ではない方の面から薄膜化することにより、表面に薄膜シリコン層を形成したSOI基板のことをいう。酸化膜層は、一方の基板(ここでは第1単結晶シリコン基板)を熱酸化して形成することができる。また、2枚の単結晶シリコン基板は、接着剤なしで直接貼り合わせることができる。
なお、貼り合わせ基板としては、2枚の単結晶基板を貼り合わせることに限らず、ガラス基板等の絶縁表面を有する基板と、単結晶基板とを貼り合わせてSOI基板を作製してもよい。
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。
(実施の形態3)
本発明の光電変換装置は、入射光量が小さい場合であっても、容量素子への電荷の蓄積を行い、光の強度の検出を可能とし、構成する定電流源またはスイッチ等の素子数を増加させることなく動作させることができるといった特徴を有している。よって、本発明の光電変換装置を具備する電子機器は、光電変換装置をその構成要素に追加することに伴って、電子機器の生産コストの上昇を抑制し、暗所での光の検出を行うことができる。本発明の光電変換装置は、表示装置、ノート型パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の光電変換装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図11に示す。
図11(A)は表示装置であり、筐体5001、表示部5002、センサ部5003等を有する。本発明の光電変換装置は、センサ部5003に用いることができる。センサ部5003は外光の強度を検知する。表示装置は、検知した外光の強度に合わせて、表示部5002の輝度のコントロールを行うことができる。外光の強度に合わせて表示部5002の輝度のコントロールすることで、表示装置の消費電力を抑えることができる。なお、表示装置には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図11(B)は携帯電話であり、本体5101、表示部5102、音声入力部5103、音声出力部5104、操作キー5105、センサ部5106等を有する。センサ部5106は外光の強度を検知する。携帯電話は、検知した外光の強度に合わせて、表示部5102または操作キー5105の輝度のコントロールを行うことができる。外光の強度に合わせて表示部5102または操作キー5105の輝度のコントロールすることで、携帯電話の消費電力を抑えることができる。
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことができる。