JP2010003018A - 工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法 - Google Patents

工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010003018A
JP2010003018A JP2008159687A JP2008159687A JP2010003018A JP 2010003018 A JP2010003018 A JP 2010003018A JP 2008159687 A JP2008159687 A JP 2008159687A JP 2008159687 A JP2008159687 A JP 2008159687A JP 2010003018 A JP2010003018 A JP 2010003018A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
tool
turning angle
path
turning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008159687A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kamimura
浩 上村
Tatsuhiko Suzuki
建彦 鈴木
Katsunari Hanzawa
克成 半沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisan Industry Co Ltd, Fujitsu Ltd filed Critical Aisan Industry Co Ltd
Priority to JP2008159687A priority Critical patent/JP2010003018A/ja
Publication of JP2010003018A publication Critical patent/JP2010003018A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】4軸制御において深い縦壁部分を含んだ加工面であっても、高速かつ高精度な切削を実現するための工具経路を算出する。
【解決手段】工具経路算出装置130は、設計データ120から3軸等高線経路を取得する(ステップS131)。そして、旋回2軸のうち、変動軸の初期旋回角度変化率を決定し(ステップS132)、変動軸の旋回角中心を算出する(ステップS133)。この算出結果から、さらに工具ベクトルを算出し(ステップS134)、経路軸コードを算出して(ステップS135)、NCデータ140を出力する。
【選択図】図1

Description

この発明は、同時5軸制御工作機械のうちの旋回1軸を予め定めた旋回角に固定して、残りの4軸の同時制御を行う4軸制御による工具経路を算出する工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法に関する。
近年の機械部品の高精度化の要求を背景に、機械加工技術の分野では、ボールエンドミルによって平行3軸や旋回2軸などを数値制御(NC:Numerical Control)する多軸工作機械が開発され、高精度な機械加工を実現している。
機械部品の要求精度について説明すると、たとえば、インジェクションモールドと呼ばれる樹脂の射出成形用金型では、スライドのための摺動部の加工精度として、±1/100mmという高い加工精度が求められることがある。なお、図17は、加工部Pの平面度を示す説明図である。ここで要求される平面度とは、図17の加工部Pを幾何学的平行二平面で挟んだとき、平行2平面の間隔が最小となる場合の二平面の間隔fを意味する。
まず、深彫りの縦壁の加工の基本的な問題点について述べる。平面度(たとえば図17のf)のような精度要求がなされた場合であっても、加工部が深くなければ、通常の同時平行3軸加工によって、加工部Pを成形することができる。また、図18は、加工部と工具との関係を示す説明図である。図18のように、加工面がポケット状の部分を含んでおり、加工部Pが深い縦壁の場合には工具長Lが長くなるので、隅部Cの最小半径以下の工具直径Dをもつ工具を用いること、工具直径Dに対する工具長Lの比L/Dが大きくなり、工具折損、ビビリといわれる振動が発生するなどの不具合が発生してしまう。特に、L/Dの値が4を超えるとこの問題が顕著に表れることが知られている。この時は工具直径Dを大きくせざるを得なくなってしまうが、ワークの隅に削り残しを生ずる。以下、この問題への対応方法について述べる。
(同時3軸加工+放電加工)
上述のような不具合を回避するための第1の加工法としては、同時3軸加工と放電加工との併用加工が挙げられる。この併用加工では、まず、加工部Pの隅半径より大きな工具半径Dをもつ工具を用いてポケットの壁を同時3軸加工で切削する。その後に、加工部Pの隅部Cを放電加工することによって加工が完了する。
(割り出し加工)
また、第2の加工法として、割り出し加工法がある。割り出し加工では、多軸工作機械を用い、まず、加工軸を一定角度傾斜して一つの面を平行3軸加工によって切削する。その後、加工軸を異なる角度に傾斜させてもう一つの面を切削して加工を完了する。この加工法では、ワークを傾けることによって工具長Lを平行3軸制御の工作機を用いた加工より短くできるので、工具直径Dを小さくすることができるという特徴がある。
(5軸加工と4軸加工)
さらに、第3の加工法として、同時5軸加工法という技術も提供されている。しかしながら、実際に同時5軸加工法を実行しようとすると機械的および制御的な誤差が大きく、平面度±0.01mmの精度を得るのは困難である。また、第4の加工方法として、5軸制御可能な工作機械の一方の旋回軸を一定の傾斜角度に固定し、残りの4軸について同時制御を行う加工法が考えられる(たとえば、下記特許文献1参照。)。
(等高線を利用した4軸同時加工)
また、実際に工具軸制御を行う場合に、加工面を切削するボールカッタの球中心の移動軌跡を工具経路として設定する。このとき、加工対象の縦壁部分の加工を行う場合には、基準平面に平行線として投影される走査線を工具経路とする走査線加工よりも、高さが一定の加工である等高線を工具経路とする等高線加工の方がよい結果を得られることが知られている。図19は、等高線加工による工具経路の一例を示す説明図である。図19では、加工対象となる部品1900の縦壁部分を加工する際には、工具経路1901のように連続した等高線とする。工具経路1901に沿って切削することによって、対となる縦壁を別々に加工した場合の時間経過による寸法変化の不安定さを防止することができる。
(案内面を利用した4軸加工)
また、4軸加工では工具軸ベクトルの選択に自由度がある。ここで、図20は、案内面基準を利用した加工処理を示す説明図である。たとえば、図20に示すように、投影工具軸ベクトルが等高線経路の接線方向と常に直交するように制御することも可能である。しかしながら、この制御法ではコーナ部分の加工の際に発生するような等高線経路の曲率半径が小さい箇所では、工具軸が激しく変動するため、加工精度が低下してしまう。このような加工精度低下を防止策として、案内面による工具軸ベクトル制御を採用することができる。図21は、案内図による工具軸方向制御の一例を示す説明図である。図21の部品1900では、案内面2001に直交する方向に工具軸ベクトルを配置するように工具軸が制御さ、精度の高い加工を行うことができる。
特開2002−157007号公報
しかしながら、上述した加工法を利用した場合、深彫りの開口ポケット部に含まれる平面を、加工効率よく、かつ、高い寸法精度で加工することは困難であった。たとえば第1の加工法では、同時3軸加工と放電加工との併用によって隅部の加工可能にはなるが、切削加工とは異質の工程である放電加工を追加することによって、扱う設備タイプが異なる加工処理が加わるため、加工工程に乱れが生じてしまう。また、放電加工用に放電電極を用意しなければならない。このように、工程管理や設備の上で利用者にかかる負担が大きいという問題がある。
また、割り出し加工法を用いる第2の加工法は、上述の放電加工を追加する加工法と比較して異質の工程を必要としない点において合理的である。しかしながら、図18のようなポケット状の加工部Pを加工する場合に、1回の割り出しでは加工部Pの左右の縦壁部分を削ることができない。したがって、一つの軸を旋回させる必要があり、このときバックラッシュなどの機械的誤差が発生するおそれがあり、高い寸法精度が得られないという問題があった。たとえ、1回の割り出しによって縦壁部分を加工できる場合であっても、切削途中で加工面に微小な段差が生じてしまうという問題がある。
また、5軸制御を用いる第3の加工法は先に述べたように要求する加工精度が得られない。さらに第4の加工法、すなわち、図21によって説明したような案内面2001を用いた等高経路4軸加工法の場合、工具軸の向きの激しい変動は防止できるが、必ずしも工具干渉を防止する最善の工具軸方向が設定されているとは限らない。その結果として、5軸のうち一方の旋回軸を一定の傾斜角度に固定するが、この旋回軸の傾斜角を、任意の角ではなく、所定角以上の角度に設定せざるを得ない事態がしばしば発生する。
すなわち、等高経路4軸を用いた第4の加工法では、工具軸の向きの変動を抑え、最善の工具軸方向を設定するための案内面の設定には経験と勘に基づく技能が必要であった。加えて、技能を持った者が設定する場合であっても、少なからぬ試行錯誤の工数が必要となる。何故ならば、利用者は、案内曲面の形状と加工対象を見ながら工具ベクトルがどのように変化するであろうかと予想しながら案内曲面の生成および修正を実行しなければならないためである。
このように、4軸加工を行う場合の工具経路生成は、利用者の技能に依存しており、深い縦壁を含むポケット部分の高精度加工には有利であるにもかかわらず、広く適用されるには至っていないという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、4軸制御において、深い縦壁部分を含んだ加工面であっても、高速かつ高精度な切削を実現する工具経路を算出する工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法は、同時5軸制御工作機械の旋回2軸の一方を、旋回角Aに固定した固定旋回軸とし、他方を、変動可能な旋回角Cからなる変動旋回軸とし、当該変動旋回軸と他の平行3軸との4軸制御を行う際の工具経路を算出する工具経路算出処理であって、工具先端の球の中心で表された等高線経路より構成点列を取得する処理と、取得された構成点列の中の構成点において、前記変動旋回軸の旋回に応じた旋回角Cの差分角ΔCを、前記球の中心の位置の変位Δlで除した値より旋回角変化率を定める場合に、前記旋回角変化率の中心を前記旋回角Cの変化率中心に決定する処理と、前記旋回角Aおよび旋回角Cに関する初期工具軸に直交するワーク座標系の基準平面へ投影された工具軸ベクトルを投影工具軸ベクトルとした場合に、前記変化率中心決定手段によって決定された旋回角Cの変化率中心に基づいて、前記等高線経路の接線に直交する投影工具軸ベクトルから、前記構成点ごとに、予め与えた許容旋回角変化率以内の投影工具軸ベクトルを算出する処理と、算出された投影工具軸ベクトルから前記旋回角Cの経路軸コードを算出する処理と、前記構成点ごとに算出された経路軸コードを前記加工対象の工具経路として出力する処理を含むことを要件とする。
この工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法によれば、指定した旋回角変化率以下で縦壁部分を切削できる工具経路が出力される。
この工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法によれば、4軸制御において、たとえば深彫りの縦壁を含む開口ポケットに対する高能率、高精度加工に適した4軸同時制御工具経路を簡易にかつ高速に生成する手段を提供できるようになるという効果を奏する。さらに、工数削減が可能になったのみならず、4軸加工が可能限界を把握できるようになり、場合によっては、従来諦めていた対象への同時4軸加工が適用可能になる。また、旋回角Aを変更して対応するべきであるという判断が可能になるという効果も併せもつ。
以下に添付図面を参照して、この工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(工具経路算出処理の概要)
まず、本実施の形態にかかる工具経路算出処理の概要について説明する。図1は、本実施の形態にかかる工具経路算出処理の概要を示す説明図である。図1の精密加工システム
100は、利用者が加工部品設計装置110によって加工したい部品を設計し、5軸工作機械160によって実際の部品を製造するまでの工程を表している。
各工程を順番に説明すると、まず、加工部品設計装置110によって、加工対象品の設計を行う。加工部品設計装置110には、CAD(Computer Aided Design)システムが搭載されており、このCADシステムによって任意の部品を設計することができる。また加工部品設計装置110において加工対象品の設計が完了すると、加工対象品の設計データ120が出力される。
次に、CAM(Computer Aided Manufacturing)システムが搭載された工具経路算出装置130によって5軸工作機械160が加工対象品を製造する際の工具経路を算出する。工具経路算出装置130による算出結果である工具経路は、NCデータ140として出力され、シミュレータが搭載されたシミュレーション装置150によって、算出した工具経路によって加工対象品の切削シミュレーションを行い、設計データ120どおりに加工できるか、工具経路に不都合は無いかを判断する。
そして、シミュレーション装置150の結果に問題があれば、発生した問題に応じて、加工部品設計装置110や工具経路算出装置130にフィードバックを行い設計データ120もしくはNCデータ140を修正する。シミュレーション装置150によってNCデータ140に問題が無いと判断された場合は、このNCデータ140を利用して5軸工作機械160に加工対象品を製造させる。なお、5軸工作機械160として、具体的にはフライス盤やマシニングセンターが挙げられる。また、5軸工作機械160では、加工対象品として、たとえば、金型や、タービンブレードなどの精密機械部品が製造される。
従来、5軸工作機械160の工具経路の設定は高度な知識や経験を要していたが、精密加工システム100の場合、工具経路算出装置130によって最適な工具経路を自動的に算出することができる。
工具経路算出装置130における工具経路算出処理を説明すると、まず、設計データ120から3軸等高線経路を取得する(ステップS131)。そして、旋回2軸のうち、変動軸の初期旋回角の角度変化率を決定し(ステップS132)、変動軸の旋回角中心を算出する(ステップS133)。この算出結果から、さらに工具ベクトルを算出し(ステップS134)、旋回角を再計算することによって経路軸コードを算出して(ステップS135)、NCデータ140を出力する。
以上説明したように、本実施の形態にかかる工具経路算出処理は、工具軸ベクトルが急激に変化することを回避するために、加工対象を参照して案内曲面の形状を制御するパラメータとして、あらたに工具軸の旋回角変化率中心を算出する。この旋回角変化率中心に基づいた、許容旋回角変化率によって等高線工具経路の工具軸ベクトルを定める。
上述のような設定によって、工具と加工対象の干渉と旋回角の急激な変化を回避し、たとえば、深彫りの縦壁に対する高能率、高精度加工に適した4軸制御における工具経路を簡易に素早く生成することができる。4軸制御における工具経路が容易に算出可能となったことで、加工時の工数削減が可能になったのみならず、従来、熟練者にしか利用できなかった4軸制御による加工処理を広く一般に適用させることが可能となった。
なお、上述した本実施の形態にかかる工具経路算出処理は、広範囲な機械加工処理に応用可能である。その中でも特に、深彫りの開口ポケット内の縦壁加工に適している。具体的には、相互の位置関係と摺動直線性が重要な、高い精度が要求される摺動縦壁平面を含む開口ポケットの高能率な加工に顕著な効果を発揮する。なお、ここで述べている開口ポケットへの加工とは、図19に示したような単位経路の両端が閉じない加工を意味する。したがって、本実施の形態にかかる工具経路算出処理の最大の狙いは、深彫りの高精度の縦壁の摺動平面を含む開口ポケット加工への適応である。しかしながら、本実施の形態にかかる工具経路算出処理の応用分野はこれに限定されるものではない。
(工具経路算出装置のハードウェア構成)
次に、本実施の形態にかかる工具経路算出装置130のハードウェア構成について説明する。図2は、工具経路算出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2において、工具経路算出装置130は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、磁気ディスクドライブ204と、磁気ディスク205と、光ディスクドライブ206と、光ディスク207と、ディスプレイ208と、I/F(インターフェース)209と、キーボード210と、マウス211と、スキャナ212と、プリンタ213と、を備えている。また、各構成部はバス200によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU201は、工具経路算出装置130の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク207に記憶されたデータを工具経路算出装置130に読み取らせたりする。また、光ディスク207として、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical)、メモリーカードなどを採用することができる。
ディスプレイ208は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ208は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
I/F209は、通信回線を通じてインターネットなどのネットワーク214に接続され、このネットワーク214を介して他の装置に接続される。そして、I/F209は、ネットワーク214と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F209には、たとえば、モデムやLAN(Local Area Network)アダプタなどを採用することができる。
キーボード210は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス211は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
スキャナ212は、画像を光学的に読み取り、工具経路算出装置130内にCAMシステムに利用する画像データなどを取り込む。なお、スキャナ212は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ213は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ213には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
(工具経路算出装置の機能的構成)
次に、工具経路算出装置130の機能的構成について説明する。図3は、工具経路算出装置の機能的構成を示すブロック図である。図3において、工具経路算出装置130は、取得・初期値設定部310と、算出部320と、出力部330と、を備えている。さらに、算出部320は、変化率中心決定部321と、投影工具軸算出部322と、経路軸コード算出部323と、変換部324と、工具経路調整部325と、を備えている。これら各機能310〜330は、工具経路算出装置130の記憶部に記憶された当該機能310〜330に関するプログラムをCPUに実行させることにより、または、入出力I/Fにより、当該機能を実現することができる。
また、各機能310〜330からの出力データは上記記憶部に保持される。また、図2中矢印で示した接続先の機能は、接続元の機能からの出力データを記憶部から読み込んで、当該機能に関するプログラムをCPUに実行させるものとする。
本実施の形態にかかる工具経路算出装置130は、同時5軸制御工作機械の旋回2軸の一方を定数の旋回角Aに固定した固定旋回軸とし、変数の旋回角Cに変動可能な変動旋回軸とし、当該変動旋回軸と他の3軸との4軸制御を行う場合の工具経路を算出する。
したがって、まず、取得・初期値設定部310によって、加工対象品の等高線経路データ190が表す工具先端の球の中心の軌跡から等高線経路を構成する構成点列を取得し、旋回角が設定されていなければ、変動旋回軸の旋回角Cを初期旋回角C*を設定する。等高線経路データ190には、設計対象品の工具経路を作成するための構成点情報が含まれている。この構成点情報は、工具先端の球の位置情報であり、(x,y,z)の3次元の座標によって表されている。この(x,y,z)の座標は、同時5軸制御工作機械の旋回2軸以外の3軸の設定値となる。
次に、算出部320の各構成について説明する。まず、変化率中心決定部321は、取得・初期値設定部310によって取得された構成点列の中の構成点において、変動旋回軸の旋回に応じて設定された初期旋回角C*の差分角ΔCを、工具先端の球の中心の位置の変位Δlで除した値を旋回角変化率とした場合に、旋回角変化率の中心を初期旋回角C*の変化率中心に決定する。すなわち、初期旋回角C*の差分角をΔCとし、工具の球の中心の位置の変位Δlとした場合に、旋回角変化率はΔC/Δlであり、このΔC/Δlの中心を、旋回角Cの変化率中心とする。
このとき、変動旋回軸の旋回に応じて設定された初期旋回角C*の差分角ΔCは、隣接する他の構成点と間の差分角を算出して求めてもよいし、弦長または弧長パラメータtを用いた微分計算によって求めてもよい。
微分計算について詳しく説明すれば、構成点の列Q={Pi|i∈[1,n]}より曲線Cの形状を曲線の弦長または弧長を用いたパラメータに関する、NURBSやB−splineなどを用いた関数として表現する。たとえば、B−spline関数によって構成点501の列を滑らかに補間するには、B−spline基底というn次多項式の基底関数を用いて構成点間を補間することができる。このとき、基底関数にかかる係数として制御点を求める必要があり、これらNURBS、B−spline関数などの一連の技術はB−spline曲線理論として広く用いられている(たとえば、「CADGのための曲線・曲面理論」,G.Farin著、木村文彦監修、山口泰監訳、共立出版社、1991年)微分計算による場合の旋回角変化率は、曲線Cをパラメータtで表現した前記関数をパラメータtで微分することによって計算することができる。
なお、基準平面は、ワーク座標系において定義され、旋回角Aおよび旋回角Cの関する初期工具軸(通常、旋回角Aおよび旋回角Cともに0となる。たとえば、後述の図6のCwp)に直交する平面をさす。例をあげると、後述する図9および図12におけるxy平面がこれに該当する。そして、変化率中心決定部321は、旋回角変化率を、上述したワーク座標系の基準平面への等高線経路を投影した投影等高線経路の曲率(曲率半径の逆数)となるよう設定して旋回角変化率の中心を算出してもよい。なお、基準平面とは、旋回角Aおよび旋回角Cに関する初期工具軸(通常AおよびCともに0となる)に直交する平面をさす。
また、変化率中心決定部321は、工具の球の中心の軸角度の変位Δl、前記工具先端の旋回に応じた球の中心の前記投影等高線経路に沿った変位Δl’とし、この変位を用いて旋回角変化率を設定してもよい。すなわち、旋回角変化率はΔC/Δl’となる。
さらに、変化率中心決定部321は、投影等高線経路において、旋回角変化率が変動する区間の中から同一の前記旋回角変化率が算出された二点間の中央点を旋回角変化率中心としてもよい。このとき、変化率中心決定部321は、中央点を、投影等高線経路の経路長さに基づいて算出する。
次に、投影工具軸算出部322は、基準平面へ投影された工具軸ベクトルを投影工具軸ベクトルとした場合に、変化率中心決定部321によって決定された旋回角Cの変化率中心に基づいて、等高線経路の接線に直交する投影工具軸ベクトルから、予め与えられた許容旋回角変化率K以内の投影工具軸の変化量を算出する。
経路軸コード算出部323は、投影工具軸算出部322によって算出された投影工具軸の変化量から旋回角Cの経路軸コードを算出する。旋回角Cの経路軸コードとは、変動軸の変位角情報である。
また、出力部330は、構成点ごとに経路軸コード算出手段によって算出された経路軸コードを加工対象品の工具経路として出力する。すなわち、(x,y,z)の座標に旋回角Aおよび旋回角Cの経路軸コードが加わった工具経路がNCデータ140として出力される。ただし、旋回角Aは固定値である。なお、図6に例示されているチルトロータリー型の5軸工作機械の場合は、旋回角Aおよび旋回角Cに対応するNCデータのディメンジョンワードのアドレスキャラクタは、“A”および“C”である。ここでは分かりやすさを考慮して、旋回角の記号を、図6に示す工作機械の種類に対応する工具軸のアドレスキャラクタに合わせた表記を行ったが、必ずしも工具軸はこれに限定されるものではない。
なお、工具経路算出装置130は、以上説明した各機能部に加えて、実際に加工を行う5軸制御工作機械160のワーク座標系を考慮してさらに最適な工具経路となるように調整する機能部を備えている。
変換部324は、設計データ120に含まれたプログラム基準座標計をワーク座標系に変換する。そして、工具経路調整部325は、変換部324によって変換されたワーク座標系において、工具経路の連続する2つの構成点の前記旋回角Cの差分角からなる円弧を構成した場合に、前記円弧の中心からの弦と弧長との長さの差が、要求された平面度以下となるように工具経路の構成点を適宜補間調整する。
このように、変換部324および工具経路調整部325によって、工具経路の調整処理を行うことによって、実際にNCデータ140を用いて加工を行う5軸制御工作機械160が固有に備えている制御機構の補正機能に依存することなく、平面度の高い切削をおこうことができる。なお、変換部324は、工具経路調整部325を利用する場合に限定されず、座標系の変換にのみ利用してもよい。
(工具経路算出手順)
次に、工具経路算出装置130における工具経路算出の手順を説明する。図4は、工具経路算出の手順を示すフローチャートである。工具経路算出装置130は、設計データ120を取得すると、まず、加工面に接触する工具球中心を算出する(ステップS401)。そして、ステップS401の算出結果を用いて工具軸方向を決定し(ステップS402)、設計データ120が表す設計対象の等高線経路の構成点を編集し(ステップS403)最適な工具経路を出力する。
なお、図1にて説明したように、工具経路を算出するためには、加工対象の設計データ120を取得する必要がある。したがって、本実施の形態では、加工部品設計装置110に搭載されたCADシステムによって生成された設計データ120を利用する。当然のことながら、既存の設計データや、外部のCADシステムによって生成された設計データを利用してもよい。
以下、図4のフローチャートの各処理の詳細な内容について説明する。なお、図4のフローチャートのステップS401の処理である工具球中心の計算の出力は等高線経路データ190(投影軸が接線直交ベクトルに一致する初期旋回角C*が設定されていることもあるし、設定されていないこともある)であって、等高線経路計算によって計算することができる。たとえば、初期工具軸に直交する平面上に加工面への距離が工具の球半径に等しい点を求めればよい。この手法は、従来から等高線加工経路として知られているため、算出方法の詳細についての説明は省略する。なお、等高線経路データ190は既存の等高線経路データや、外部のCAMシステムによって生成された等高線経路データを利用してもよい。
(工具軸決定処理)
次に、図4のフローチャートのステップS402の工具軸方向の決定について説明する。まず、工具経路算出装置130に入力された等高線経路データ190は、工具の球中心の位置情報(x、y、zによる座標値)によって構成されている。この位置情報を構成点と呼び、この構成点から等高線経路が入力される。
図5は、入力データに応じた等高線経路の一例を示す説明図である。図5のように、設計データから構成点501が特定され、これら構成点501を結ぶことによって等高線経路500が、高さZの座標値一定の構成点の列Q={Pi|i∈[1,n]}によって表現される。
図6は、5軸制御工作機械の一例を示す説明図である。ここでは、一例として図6のような傾斜テーブル上に回転テーブルを配置する隣接する構成点と間の形式(いわゆるチルトロータリー型)の5軸制御工作機械を利用し、旋回角Aは固定旋回軸、旋回角Cは変動旋回軸として以下説明する。変動旋回軸としてC軸を選択したのは、C軸のイナーシャの方がA軸のイナーシャより小さいので、機械的な制御精度が高くなるからである。なお、図6において、Cpはプログラム基準座標系を表し、Cmは工作機座標系を表し、Cwpはワーク座標系を表し、Ctrは傾斜回転台座標系を表している。この形式以外の5軸制御工作機械が存在するが、ここに記した方法と同様の手法で経路計算が可能である。
次に、工具軸方向の決定処理の手順について説明する。図7は、工具軸の算出手順を示すフローチャートである。図7のフローチャートにおいて、まず、固定旋回軸の角度計算を行い(ステップS701)、続いて、変動旋回軸の角度計算を行う(ステップS702)。以下に各ステップの詳細な処理について説明する。
<固定旋回軸角度計算>
(ステップS701)まず、固定旋回軸の角度計算について説明する。図8は、固定旋回軸の角度算出の手法を示す説明図である。固定旋回軸、すなわち図6の旋回角Aを決定するためには、まず工具801とホルダ802とを固定する。そして、固定した工具801とホルダ802とが加工対象と干渉しない最小の傾斜角を求められたものが固定旋回軸の角度となる。
たとえば、アンダーカットがない通常の形状に対しては、簡易的に工具801を包絡する円錐の半頂角Θを求めておき、A=Θ+α(α>0)としてもよい。図6の5軸制御工作機械の場合、数値制御工作機械用のせん孔テープの可変ブロックフォーマットのディメンジョンワードのアドレスキャラクタは”A”である。したがって、ディメンジョンワー
ドとしては、たとえばA20が与えられる。なお、ディメンジョンワードはワーク座標系に対して記述されるのがコーディング規則である。
<変動旋回軸角度計算>
(ステップS702)次に、変動旋回軸角度計算を行うが、変動旋回軸角度計算の工程の詳細を説明する前に、まず投影軸を用いた変動旋回軸角度計算式について説明する。図9は、旋回角Cを示す座標図である。図9の旋回角Cは、ワーク座標系におけるy軸からの時計回りの偏角である。上述した固定旋回軸の旋回角Aが固定されると、次に、投影工具軸ベクトルvtが定まれば、変動旋回軸(図6の5軸工作機械にあっては旋回角C)は、下記(1)式によって変換することができる。
Figure 2010003018
なお、上記(1)式は次のようにして導くことができる。すなわち、図6の5軸工作機械において、一般的に下記(2)式が成立する。(2)式の左辺の行列は、プログラム基準座標系における点座標である。また、(2)式の右辺の右端の行列は、ワーク座標系における点座標である。図6の5軸工作機械の場合は、特にプログラム基準座標系に対して工具軸は一定方向(0,0,1)であるため、さらに下記(3)式が成立し、結果として工具ベクトルを表す下記(4)式を導くことができる。したがって、(4)式によって導かれた工具ベクトルによって容易に(1)式の旋回角Cを求めることができる。
Figure 2010003018
(変動旋回軸角計算の概略)
図10は、変動旋回角の算出手順の概略を示すフローチャートである。変動旋回軸角度計算は、まず特殊な旋回角を初期旋回角C*として一旦生成し、これを修正することによってなされる。そのステップは次のとおりである。
まず、ステップS1001は、投影軸が等高線経路の接線に直交する初期旋回角C*を計算ステップである。初期旋回角C*が計算されていない場合のみ実行される。続いて、ステップS1002は、旋回角変化中心を計算するステップである。最後に、ステップS2103は、旋回角変化中心と旋回角変化率を用いた変化率による旋回角計算ステップである。以下、これらについてそれぞれ説明する。
<初期旋回角C*
まず、初期旋回角C*について説明する。初期旋回角C*は、変動旋回角Cを決定する前に仮に設定した旋回角である。初期旋回角C*は、汎用のCAMシステムの機能を用いて設定することもできるし、3軸の等高線経路に後述の接線直交ベクトルから計算することもできる。
次に、工具経路算出装置130に搭載されているCAMシステムの機能によって実現されている初期旋回角C*の設定方法について説明する。まず、案内面基準を利用した加工処理を示す従来技術の説明に利用した図20を参照して説明する。図20に示すように、加工面に対して面直方向に工具軸ベクトルを設定した経路を生成して、指定する方法もある。この方法で4軸等高線加工の経路を生成すれば、投影軸が後述の接線直交ベクトルである経路が得られる。工具干渉に関しては、投影軸が接線直交ベクトルである方が有利である。
また、図11−1は、CAMシステムに搭載されるリード角制御を示す説明図であり、図11−2は、チルト角制御を示す説明図である。これらの機能を使用することによっても、初期旋回角C*を設定することができる。
また、(x,y,z)の3軸の等高線経路を入力として、CAMシステムが提供する上記の機能を用いなくても、工具経路の接線に直交する方向を用いて下記(5)式によって4軸制御の旋回角Cを計算することができる。図12は、Tを接線ベクトルとするときの接線直交ベクトルNを示す座標図である。なお、(5)式において、C* 0は、接線直交ベクトルによる旋回角Cを表している。これを総ての経路構成点{Pi|i∈[1,N]}に関して実行することによって、総ての初期旋回角{C* i|i∈[1,N]}を算出することができる。
Figure 2010003018
<接線直交ベクトルに対する旋回軸角度計算>
次に、接線直交ベクトルに対する旋回軸角度計算について説明する。図12の座標に示したように、等高線経路の構成点における接線Tに直交するベクトルを接線直交ベクトルNとする。そして、旋回角変化の中心となる構成点P0における接線直交ベクトルNに対して上記(5)式を適用して、旋回角変化の中心である旋回角変化中心における接線直交ベクトルによる初期旋回角C* 0を算出する。そして、上記構成点P0において、旋回角C0を接線直交ベクトルによる初期旋回角C* 0に一致させる。
すなわち、上述の処理によって、旋回角変化中心における旋回角Cを設定したことになる。なお、通常は接線直交ベクトルによる初期旋回角C* 0を上記(5)式によって求めることができる。以下、上述の初期旋回角C* 0を用いることによって急激に変動する初期旋回角C* iの変動を許容範囲内に抑えた工具経路Ciを生成することができる。
<旋回角の算出手順>
次に、変動軸の旋回角の算出手順について説明する。図13は、変動旋回角の算出手順の詳細を示すフローチャートである。図13のフローチャートに示す各ステップは、図10を用いて説明したステップを更にブレークダウンしたものである。
(ステップS1301)図13のフローチャートにおいて、まず、経路構成点Piに対して初期旋回角C*iと弦長パラメータtiとを算出する。このとき、弦長パラメータtiは、任意の点を始点にした弧長パラメータもしくは、その近似である弦長パラメータtiを算出してもよい。
ここで、急激な旋回角の変化を防止するために、旋回角変化を定量化する手法について説明する。図14は、経路構成点間の旋回角変化率と曲率とを示す説明図である。図14のように各構成点1400に対してその前後の点を参照して許容旋回角変化率Kを、旋回角の差ΔCを旋回による経路構成点の変位Δl(=弦長パラメータの差分)で除した値、すなわちK=ΔC/Δlとして定義する。
また、上記のKによって定義した旋回角変化率の極限においては下記(6)式に示すように曲率(=曲率半径の逆数)に等しくなるため、曲率または曲率半径を用いて計算することができる。たとえば、計算対象構成点の前後の3点を通過する放物線をLagrangeの多項式を用いて2次式で表現して微分幾何学で知られている曲率を求める下記(7)式によって計算することもできる。
Figure 2010003018
また、上述の工程によってすべての構成点に旋回角変化率Kを対応させることができる。たとえば、点列の弦長をパラメータとすれば旋回角変化率Kのグラフを考えることができる。ここで簡単な例を挙げて説明する。図15−1は、円弧を含む経路構成点の一例を示す説明図である。また、図15−2は、図15−1の経路構成点における旋回角変化を示す図表である。
<旋回角変化中心>
図15−1に表した加工区間0→Rの例では、構成点列が円弧を含み、旋回角変化グラフは図15−2のようになる。たとえば白抜き矢印Cは、旋回角変化率の中心を表している。このCにおける弦長(もしくは弧長)パラメータtは、t0=1/2(tp+tq)によって求めることができる。
なお、図15−2に示した例では、許容旋回角変化率Kを旋回角変化率にもつ構成点を、旋回角変化中心を計算する区間の端点としているが、許容旋回角変化率Kを旋回角変化率にもつ工具経路上の点を区間の端点とすることもできる。また、ここでは区間の端点を、許容旋回角変化率Kを用いて計算したが、これに限らず、たとえば1よりも小さい係数を乗じてもよい。さらに、図15−2に示した例は弦長パラメータに均等に旋回角を変化させる前提で、弦長または経路長さにおける中点を旋回角変化中心としているが、必ずしもこれに限るものではない。すなわち、予め定めた旋回角変化分布に対応する中心を計算する方法も採用することができる。
このときの旋回角変化率の中心は、旋回角変化率の絶対値が許容旋回角変化率Kを越える区間は旋回角を補正する必要がある。したがって、以下、旋回角変化率の絶対値がKを越える区間を、「旋回角変化率超過区間」とする。
(ステップS1302)図13のフローチャートに戻り、次に、旋回角変化率超過区間の端点を検索する。このステップS1302では、K=ΔC/Δlに基づいて、あるいは上記(7)式によって表される曲率が、閾値である許容旋回角変化率Kを越える旋回角変化率超過区間を求め、その端点の弦長(もしくは弧長)パラメータtp,tqを求める。
なお、ここでは、旋回角変化率超過区間内に存在する旋回角変化中心C0を中心にして初期旋回角に至るまでの区間を、「旋回角強制変化区間」とする。また場合によっては、二つの旋回角強制変化区間が重なることがある。このような場合には、旋回角強制変化区間の最も離れた二つの端点を用いて旋回角変化中心C0を算出する。
(ステップS1303)図13のフローチャートに戻り、次に、旋回角変化中心P0と弦長パラメータt0を算出する。具体的には、上述した図15−2によって説明したように、t0=1/2(tp+tq)によって旋回角変化中心P0と弧長(もしくは弦長)パラメータt0を求める。なお、この例では、旋回角の変化をパラメータに対して均等にしているが、必ずしもこれに限る必要はなく予め定めた旋回角変化分布を用いてもよい。
(ステップS1304)そして、ステップS1303によって求めた旋回角変化中心P0における旋回角C0を設定する。具体的には、ステップS1302によって算出した旋回角変化率超過区間の端点の弦長(もしくは弧長)パラメータt0の中央値から、旋回角変化中心の旋回角C0を補間によって算出する。このとき、弦長パラメータt0の場合は線形補間によるので計算は単純である。したがって、以下、弦長(もしくは弧長)パラメータt0の増加方向について、補正すべき旋回角Ciの算出を説明するが、減少方向についても単純に方向を逆転させた算出によって求めることができる。
(ステップS1305)その後、旋回角変化中心P1における弦長(もしくは弧長)パラメータt1を設定する。この処理は、旋回角Ciを変更する範囲を特定するための準備である。旋回角範囲の特定方法は、ここに示す方法以外多数存在し、これはその一つの例である。なお、P1における許容旋回角変化率に基づく旋回角と初期旋回角C*の差分の符号を求めるために,P1における弦長(もしくは弧長)パラメータt1を設定している。
(ステップS1306)そして、旋回角変化中心P1の許容旋回角変化率Kによる旋回角C'1を算出する。一般に、構成点Piにおける許容旋回角変化率Kによる旋回角C'iは、C'i=C0+K(ti−t0)として求めることができる。すなわち、ステップS1306では、構成点P1における許容旋回角変化率Kに基づく旋回角C'1をC'1=C0+K(ti−t0)によって算出する。
(ステップS1307)次に、C'1−C* 1の符号σ1を取得しC'1をC* 1に設定する。すなわち、構成点Piにおける許容旋回角変化率Kに基づく旋回角C'1と初期旋回角C* 1の差分の符号σ1を計算して、C'1を旋回角度C* 1とする。この後、弦長パラメータtを変化させ許容旋回角変化率Kによる旋回角C'iを、差分C'i−C* iの符号σiがσ1と同一である間は,旋回角CとしてC'iを採用するためのステップS1308に移行する。
(ステップS1308)そして、Piにおけるパラメータtiを設定する。
(ステップS1309)その後、Piにおける許容旋回角変化率Kに基づいたC'iを算出する。このステップS1309では、上述したようにC'i=C0+K(ti−t0)を利用する。
(ステップS1310)そして、(C'i−C* i)*σ1が0よりも大きいか否かを判断する。ステップS1310において、(C'i−C* i)*σ1が0よりも大きかった場合は(ステップS1310:Yes)、(ステップS1311)C'iをCiに設定する。一方、(C'i−C* i)*σ1が0以下であった場合は(ステップS1310:No)、ループから離脱し、そのまま一連の処理を終了する。
(ステップS1312)次に、変数iの値をすべて利用したか否かを判断する、ここで、また設定していない変数iがあると判断された場合には(ステップS1312:No)、変数iをインクリメントして(ステップS1313)、ステップS1308の処理に戻る。一方、変数iの設定が終了すると(ステップS1312:Yes)、ループから離脱し、そのまま一連の処理を終了する。
以上説明した旋回角C算出処理では、利用するパラメータのうち、増加方向に関して説明をおこなったが、パラメータ減少方向に関してもパラメータ変化の向きを変えて同様の処理を行うことによって、急激に変動する初期旋回角C*の変動を許容範囲内に抑えた工具経路を生成することができる。
(旋回角C補間法)
上述の処理によって、少なくとも二つの構成点Pにおける変動旋回軸(たとえば、図7の5軸工作機械にあっては旋回角C)が決定された場合に、この2点の旋回角Cを内挿あるいは外挿補間することによって2点間の必要な工具経路を決定することができる。
2点間の旋回角の内挿補間は、通常、旋回角Cに対する線形補間が採用される。このとき、切削する加工対象品が開ポケットであれば単位経路は開いている。したがって、単位経路の両端点において旋回角Cが指定されない場合は、端点に最も近い指定点から端点までの間は外挿補間するが、端点に最も近い指定点における旋回角Cに等しい回転角とすることもでき、また、工具経路の進行方向vpに対する角度を一定とする手法を採用することもできる。このような手法を採用することによって、旋回角Cの急激な変化といった慣性力による精度低下の原因を排除した工具経路を提供することができる。
また、図6のような5軸工作機械で旋回運動を行う場合、工具経路を構成する各構成点は、工具が通過することが保証される。このとき構成点間の途中経路において、工具は円弧運動をおこなっている。しかしながら,通常の5軸工作機械は、工具経路の構成点間において、円弧補間を指定しない限り自動的に直線近似機能を保有している。
ところが、実際に5軸工作機械の直線補間機能に任せると良好な平面度が得られないことが少なくない。これは直線補間の制御が工作機固有の制御機構に依存しているためである。実際に、工具経路を構成する点間距離を段階的に変更したNCデータで切削した平面の精度が必ずしも高くない事例は多い。また、構成点間の距離が大きい上ほど平面度が悪い傾向にある。したがって、5軸工作機械を用いて高い平面度を得るためには、工具経路を構成する点の距離を適切に調整する必要がある。
(構成点調整処理)
次に、5軸工作機械を用いて高い平面度を得るための構成点調整処理について説明する。図16は、構成点調整処理における許容値設定を示す説明図である。図16において、連続する二つの構成点P0,1を見込む角を変動旋回軸の旋回角の差分ΔCとする円弧と、連続する工具経路構成点を結ぶ線分との最大の離れδを、利用者が要求する平面度の許容値以下に保つための工具経路の構成点調整について、以下詳しく説明する。
(平面度による制御)
一般的に、平面度は、上述の誤差Δ’のみで決まるのではなく、回転軸のずれ、段取り精度、カッタ精度などの和として定まる。したがって、連続する工具経路構成点を結ぶ線分との最大の離れδは、平面度が関与する幾何公差の許容差を基に定めることができる。
平面度の公差が±0.01mm程度になると、たとえば、最大の離れδを平面度の公差幅の1/10程度に設定するのが実用的である。また、平面度の代わりに、面の輪郭度、平行度、直角度、傾斜度、位置度、対称度など、平面度に関与する幾何公差を用いてもよい。
(構成点間距離の計算方法)
具体的にNCデータの構成点を計算するためには、まず点P0,1間は、下記(8)式と、半径Rで円弧によって補間されるとすると下記(9)式となる。したがって、下記(10)式となる。一方、旋回角の変位ΔCに対する誤差Δは、下記(11)式および(12)式によって表される。すなわち、(10)式および(12)式によってRを消去すると、下記(13)式が求まる。
Figure 2010003018
すなわち、線分P0〜P1の等n分点の誤差Δ’は下記(14)式となるため、下記(15)式が与えられる。したがって、n個(小数点以下切り捨て)の構成点を挿入することによって、構成点間の線分の誤差を調整することができる。この誤差Δ’を、連続する工具経路構成点を結ぶ線分との最大の離れδとして構成点を設定することができる。
Figure 2010003018
以上説明したように、本実施の形態にかかる工具経路算出装置130では、旋回角変化率中心に基づいた、許容旋回角変化率によって等高線工具経路の工具軸ベクトルを定めることが可能になった。この工具軸ベクトルを用いた工具経路によって、工具干渉と旋回角の急激な変化を回避するこが可能となった。これは、深彫りの縦壁に対する加工効率、加工精度の向上を意味する。また、工具経路算出装置130では、4軸制御における工具経路を容易に算出できる。したがって、利用者の熟練度を問わずに、広く4軸制御を適用させることが可能となった。
なお、本実施の形態にかかる工具経路算出装置では、特に、深彫りの開口ポケット内の平面加工や、相互の位置関係と摺動直線性が重要な高い精度が要求される摺動平面(矢印)を含む開口ポケットの加工に適している。
なお、本実施の形態で説明した工具経路算出方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。
また、本実施の形態で説明した工具経路算出装置130は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けIC(以下、単に「ASIC」と称す。)やFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。具体的には、たとえば、上述した工具経路算出装置130の機能310〜330をHDL記述によって機能定義し、そのHDL記述を論理合成してASICやPLDに与えることにより、工具算出装置130を製造することができる。
本実施の形態にかかる工具経路算出処理の概要を示す説明図である。 工具経路算出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 工具経路算出装置の機能的構成を示すブロック図である。 工具経路算出の手順を示すフローチャートである。 入力データに応じた等高線経路の一例を示す説明図である。 5軸制御工作機械の一例を示す説明図である。 工具軸の算出手順を示すフローチャートである。 固定旋回軸の角度算出の手法を示す説明図である。 旋回角Cを示す座標図である。 変動旋回角の算出手順の概略を示すフローチャートである。 CAMシステムに搭載されるリード角制御を示す説明図である。 CAMシステムに搭載されるチルト角制御を示す説明図である。 接線直交ベクトルNを示す座標図である。 変動旋回角の算出手順の詳細を示すフローチャートである。 経路構成点間の旋回角変化率と曲率とを示す説明図である。 円弧を含む経路構成点の一例を示す説明図である。 図15−1の経路構成点における旋回角変化を示す図表である。 構成点調整処理における許容値設定を示す説明図である。 加工部Pの平面度を示す説明図である。 加工部と工具との関係を示す説明図である。 等高線加工による工具経路の一例を示す説明図である。 案内面基準を利用した加工処理を示す説明図である。 案内図による工具軸方向制御の一例を示す説明図である。
符号の説明
100 精密加工システム
110 加工部品設計装置
120 設計データ
130 工具経路算出装置
140 NCデータ
150 シミュレーション装置
160 5軸工作機械
310 取得・初期値設定部
320 算出部
321 変化率中心決定部
322 投影工具軸算出部
323 経路軸コード算出部
324 変換部
325 工具経路調整部
330 出力部

Claims (8)

  1. 同時5軸制御工作機械の旋回2軸の一方を旋回角Aに固定した固定旋回軸とし、他方を変動可能な旋回角Cからなる変動旋回軸とし、当該変動旋回軸と他の平行3軸との4軸制御を行う際の工具経路を算出する工具経路算出装置において、
    工具先端の球の中心で表された等高線経路より構成点列を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された構成点列の中の構成点において、前記変動旋回軸の旋回に応じた旋回角Cの差分角ΔCを、前記球の中心の位置の変位Δlで除した値より旋回角変化率を定める場合に、前記旋回角変化率の中心を前記旋回角Cの変化率中心に決定する変化率中心決定手段と、
    前記旋回角Aおよび旋回角Cに関する初期工具軸に直交するワーク座標系の基準平面へ投影された工具軸ベクトルを投影工具軸ベクトルとした場合に、前記変化率中心決定手段によって決定された旋回角Cの変化率中心に基づいて、前記等高線経路の接線に直交する投影工具軸ベクトルから、前記構成点ごとに、予め与えた許容旋回角変化率以内の投影工具軸ベクトルを算出する投影工具軸算出手段と、
    前記投影工具軸算出手段によって算出された投影工具軸ベクトルから前記旋回角Cの経路軸コードを算出する経路軸コード算出手段と、
    前記構成点ごとに前記経路軸コード算出手段によって算出された経路軸コードを前記加工対象の工具経路として出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする工具経路算出装置。
  2. 前記変化率中心決定手段は、前記旋回角変化率を前記基準平面への前記等高線経路を投影した投影等高線経路の曲率となるよう設定し、当該旋回角変化率の中心を算出することを特徴とした請求項1に記載の工具経路算出装置。
  3. 前記変化率中心決定手段は、前記球の中心の変位に代わり、前記工具先端の前記球の中心の前記投影等高線経路に沿った経路長さの差分によって旋回角Cの差分角ΔC’を除した値を旋回角変化率とすることを特徴とした請求項1または2に記載の工具経路算出装置。
  4. 前記変化率中心決定手段は、前記投影等高線経路において、前記旋回角変化率が変動する区間の中から予め設定した前記旋回角変化率が算出された二点間の中央点を旋回角変化率中心とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の工具経路算出装置。
  5. 前記変化率中心決定手段は、前記中央点を、前記投影等高線経路の経路長さに基づいて算出することを特徴とする請求項4に記載の工具経路算出装置。
  6. プログラム基準座標系で表現された工具運動をワーク座標系に変換する変換手段と、
    前記変換手段によって変換されたワーク座標系において、前記工具経路の連続する2つの構成点の前記旋回角Cの差分角からなる円弧を構成した場合に、前記円弧の中心からの弦と弧との間の距離が、要求された平面度以下となるように前記工具経路の構成点を調整する工具経路調整手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の工具経路算出装置。
  7. 同時5軸制御工作機械の旋回2軸の一方を旋回角Aに固定した固定旋回軸とし、他方を変動可能な旋回角Cからなる変動旋回軸とし、当該変動旋回軸と他の平行3軸との4軸制御を行う際の工具経路をコンピュータに算出させる工具経路算出プログラムにおいて、
    前記コンピュータを、
    工具先端の球の中心で表された等高線経路より構成点列を取得する取得手段、
    前記取得手段によって取得された構成点列の中の構成点において、前記変動旋回軸の旋回に応じた旋回角Cの差分角ΔCを、前記球の中心の位置の変位Δlで除した値より旋回角変化率を定める場合に、前記旋回角変化率の中心を前記旋回角Cの変化率中心に決定する変化率中心決定手段、
    前記旋回角Aおよび旋回角Cに関する初期工具軸に直交するワーク座標系の基準平面へ投影された工具軸ベクトルを投影工具軸ベクトルとした場合に、前記変化率中心決定手段によって決定された旋回角Cの変化率中心に基づいて、前記等高線経路の接線に直交する投影工具軸ベクトルから、前記構成点ごとに、予め与えた許容旋回角変化率以内の投影工具軸ベクトルを算出する投影工具軸算出手段、
    前記投影工具軸算出手段によって算出された投影工具軸ベクトルから前記旋回角Cの経路軸コードを算出する経路軸コード算出手段、
    前記構成点ごとに前記経路軸コード算出手段によって算出された経路軸コードを前記加工対象の工具経路として出力する出力手段、
    として機能させることを特徴とする工具経路算出プログラム。
  8. 同時5軸制御工作機械の旋回2軸の一方を旋回角Aに固定した固定旋回軸とし、他方を変動可能な旋回角Cからなる変動旋回軸とし、当該変動旋回軸と他の平行3軸との4軸制御を行う際の工具経路を算出する工具経路算出方法において、
    工具先端の球の中心で表された等高線経路より構成点列を取得する取得工程と、
    前記取得工程によって取得された構成点列の中の構成点において、前記変動旋回軸の旋回に応じた旋回角Cの差分角ΔCを、前記球の中心の位置の変位Δlで除した値より旋回角変化率を定める場合に、前記旋回角変化率の中心を前記旋回角Cの変化率中心に決定する変化率中心決定工程と、
    前記旋回角Aおよび旋回角Cに関する初期工具軸に直交するワーク座標系の基準平面へ投影された工具軸ベクトルを投影工具軸ベクトルとした場合に、前記変化率中心決定工程によって決定された旋回角Cの変化率中心に基づいて、前記等高線経路の接線に直交する投影工具軸ベクトルから、前記構成点ごとに、予め与えた許容旋回角変化率以内の投影工具軸ベクトルを算出する投影工具軸算出工程と、
    前記投影工具軸算出工程によって算出された投影工具軸ベクトルから前記旋回角Cの経路軸コードを算出する経路軸コード算出工程と、
    前記構成点ごとに前記経路軸コード算出工程によって算出された経路軸コードを前記加工対象の工具経路として出力する出力工程と、
    を含むことを特徴とする工具経路算出方法。
JP2008159687A 2008-06-18 2008-06-18 工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法 Withdrawn JP2010003018A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008159687A JP2010003018A (ja) 2008-06-18 2008-06-18 工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008159687A JP2010003018A (ja) 2008-06-18 2008-06-18 工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010003018A true JP2010003018A (ja) 2010-01-07

Family

ID=41584712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008159687A Withdrawn JP2010003018A (ja) 2008-06-18 2008-06-18 工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010003018A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011183528A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Mitsubishi Electric Corp 自動プログラミング装置、およびその動作プログラム
CN102508461A (zh) * 2011-12-26 2012-06-20 北京进取者软件技术有限公司 一种插值若干给定控制点方向的五轴路径生成方法
WO2012107594A1 (en) 2011-02-11 2012-08-16 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl) High speed pocket milling optimisation
JP2013030102A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Shin Nippon Koki Co Ltd 数値制御装置
WO2013166412A1 (en) * 2012-05-03 2013-11-07 Celeritive Technologies, Inc. High performance multi-axis milling
KR20140024294A (ko) * 2011-02-28 2014-02-28 솔리드캠 리미티드 컴퓨터 툴 경로 생성
US8880212B2 (en) 2008-10-07 2014-11-04 Celeritive Technologies, Inc. High performance milling
US9946245B2 (en) 2011-07-25 2018-04-17 Celeritive Technologies, Inc. Non-concentric milling
US10620607B2 (en) 2011-02-28 2020-04-14 Solidcam Ltd. Computerized tool path generation
CN112363457A (zh) * 2020-11-11 2021-02-12 西北农林科技大学 一种九轴联动双刀加工的双刀轴矢量同步规划方法
CN114460903A (zh) * 2022-01-14 2022-05-10 泉州华中科技大学智能制造研究院 基于五轴联动机床的异形注塑件合模线加工方法及装置
WO2022149569A1 (ja) * 2021-01-08 2022-07-14 ファナック株式会社 工作機械を備える加工システム、加工システムにおけるパラメータを修正するパラメータの修正方法、加工プログラムを修正するプログラム修正システム、およびプログラムの修正方法
CN114850549A (zh) * 2022-04-28 2022-08-05 成都航空职业技术学院 一种基于四轴联动加工中心加工叶片的方法
CN115139224A (zh) * 2022-06-17 2022-10-04 中国第一汽车股份有限公司 一种基于simulink的四轴工具控制方法
WO2023159972A1 (zh) * 2022-02-22 2023-08-31 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种五轴转角特征高效加工刀轨生成方法

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8880212B2 (en) 2008-10-07 2014-11-04 Celeritive Technologies, Inc. High performance milling
JP2011183528A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Mitsubishi Electric Corp 自動プログラミング装置、およびその動作プログラム
WO2012107594A1 (en) 2011-02-11 2012-08-16 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl) High speed pocket milling optimisation
US10324445B2 (en) 2011-02-28 2019-06-18 Solidcam Ltd. Object fabricated from a workpiece machined using a computer controlled machine tool along an asymmetric spiral tool path
US10895861B2 (en) 2011-02-28 2021-01-19 Solidcam Ltd. Automated computer-controlled machine to fabricate an object from a workpiece
US11625019B2 (en) 2011-02-28 2023-04-11 Solidcam Ltd. Computerized tool path generation
KR20140024294A (ko) * 2011-02-28 2014-02-28 솔리드캠 리미티드 컴퓨터 툴 경로 생성
KR101880918B1 (ko) 2011-02-28 2018-07-23 솔리드캠 리미티드 컴퓨터 툴 경로 생성
US10620607B2 (en) 2011-02-28 2020-04-14 Solidcam Ltd. Computerized tool path generation
US9946245B2 (en) 2011-07-25 2018-04-17 Celeritive Technologies, Inc. Non-concentric milling
US10108176B2 (en) 2011-07-25 2018-10-23 Celeritive Technologies, Inc. Non-concentric milling
US10579040B2 (en) 2011-07-25 2020-03-03 Celeritive Technologies, Inc. Non-concentric milling
JP2013030102A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Shin Nippon Koki Co Ltd 数値制御装置
WO2013018340A1 (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 新日本工機株式会社 数値制御装置
CN102508461A (zh) * 2011-12-26 2012-06-20 北京进取者软件技术有限公司 一种插值若干给定控制点方向的五轴路径生成方法
US10022833B2 (en) 2012-05-03 2018-07-17 Celeritive Technologies, Inc. High performance multi-axis milling
WO2013166412A1 (en) * 2012-05-03 2013-11-07 Celeritive Technologies, Inc. High performance multi-axis milling
CN112363457A (zh) * 2020-11-11 2021-02-12 西北农林科技大学 一种九轴联动双刀加工的双刀轴矢量同步规划方法
WO2022149569A1 (ja) * 2021-01-08 2022-07-14 ファナック株式会社 工作機械を備える加工システム、加工システムにおけるパラメータを修正するパラメータの修正方法、加工プログラムを修正するプログラム修正システム、およびプログラムの修正方法
CN114460903A (zh) * 2022-01-14 2022-05-10 泉州华中科技大学智能制造研究院 基于五轴联动机床的异形注塑件合模线加工方法及装置
CN114460903B (zh) * 2022-01-14 2022-12-27 泉州华中科技大学智能制造研究院 基于五轴联动机床的异形注塑件合模线加工方法及装置
WO2023159972A1 (zh) * 2022-02-22 2023-08-31 成都飞机工业(集团)有限责任公司 一种五轴转角特征高效加工刀轨生成方法
CN114850549A (zh) * 2022-04-28 2022-08-05 成都航空职业技术学院 一种基于四轴联动加工中心加工叶片的方法
CN114850549B (zh) * 2022-04-28 2024-02-23 成都航空职业技术学院 一种基于四轴联动加工中心加工叶片的方法
CN115139224A (zh) * 2022-06-17 2022-10-04 中国第一汽车股份有限公司 一种基于simulink的四轴工具控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010003018A (ja) 工具経路算出装置、工具経路算出プログラムおよび工具経路算出方法
Bi et al. Analytical curvature-continuous dual-Bézier corner transition for five-axis linear tool path
JP3749262B2 (ja) 工具移動経路データの作成方法、その作成装置、加工方法、および加工システム
US7251580B2 (en) Method for measuring curved surface of workpiece, program and medium thereof
Tsay et al. Accurate 5-axis machining of twisted ruled surfaces
Chu et al. Tool path planning for five-axis flank milling with developable surface approximation
Li et al. Five-axis trochoidal flank milling of deep 3D cavities
EP2634658B1 (en) Tool path generation method and tool path generation device
Chu et al. Continuity-preserving tool path generation for minimizing machining errors in five-axis CNC flank milling of ruled surfaces
Xu et al. Spiral tool path generation method on mesh surfaces guided by radial curves
Makhanov et al. Advanced numerical methods to optimize cutting operations of five axis milling machines
EP3776111B1 (en) System and method for generating optimal lattice tool paths
Young et al. An integrated machining approach for a centrifugal impeller
Min et al. Six-dimensional B-spline fitting method for five-axis tool paths
JP2007018495A (ja) 数値制御単一刃具による輪郭加工方法
JP4346630B2 (ja) 加工条件取得装置およびそのプログラム
Bo et al. Efficient 5-axis CNC trochoidal flank milling of 3D cavities using custom-shaped cutting tools
CN104317246A (zh) 一种对弱刚性刀具多轴加工路径进行让刀补偿的方法
JP2007279937A (ja) 数値制御単一刃具による輪郭面及び立体の加工方法
JP3030762B2 (ja) Nc工作機械による曲面加工方法
Kudabalage et al. Postprocessor for five-axis machining of STL surfaces based on Nagata interpolation and optimization of rotation angles
Zietarski System integrated product design, CNC programming and postprocessing for three-axis lathes
Chen et al. Removing tool marks of blade surfaces by smoothing five-axis point milling cutter paths
Hu et al. B-spline tool offset of a free-form curve in the shoe last high-speed machining CNC system
JP6896144B2 (ja) 工具経路生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110906