JP2010001587A - Spinning machine and spinning method - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は紡績機に関するものであり、詳細には空気紡績装置へ繊維束を導入する構成に関するものである。 The present invention relates to a spinning machine, and more particularly, to a configuration for introducing a fiber bundle into an air spinning device.
紡績機に用いられるドラフト装置において、繊維束のニップ力を向上させるためにドラフトローラの表面を加工する構成が従来から知られている。この種のドラフトローラを開示したものに、例えば特許文献1がある。
2. Description of the Related Art Conventionally, in a draft device used in a spinning machine, a configuration in which the surface of a draft roller is processed to improve the nip force of a fiber bundle is known. For example,
特許文献1は、以下のように構成されるドラフトローラを空気式精紡機に備えた構成を開示する。即ち、ドラフトローラは、円柱体の外周面上で、綾目が平行四辺形の網状領域を、前記円柱体の外周面に対する凹部に形成している。この網状領域の全体形状は、第一環状帯の群と第二環状帯の群とを交差させた構成となっている。第一環状帯は、同一の幅を有し、前記円柱体の軸線に対して同一の角度で、前記軸線に沿って同一の長さの間隔で平行に配置される。第二環状帯は、同一の幅を有し、前記軸線に対して同一の角度で、前記軸線に沿って同一の長さの間隔で平行に配置される。特許文献1はこの構成により、ドラフトローラの耐久性低下を防止することができるとしている。
しかしながら、特許文献1で示すような空気紡績装置によって生成された糸は、他の方式の精紡機(例えばリング紡績機)で生成される糸に比べて糸強力が低い傾向にあり、後の巻取工程等で糸切れが頻発してしまう場合があった。この点、特許文献1は、ドラフトローラの耐久性低下を防止できるものの、糸強力を向上させる観点において改善の余地があった。
However, yarns produced by an air spinning device as shown in
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気紡績装置に導入される繊維束の収束性を高めて糸強力を向上させることができる紡績機を提供することにある。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object thereof is to provide a spinning machine capable of improving the yarn strength by improving the convergence of the fiber bundle introduced into the pneumatic spinning device. .
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。 The problems to be solved by the present invention are as described above. Next, means for solving the problems and the effects thereof will be described.
本発明の第1の観点によれば、以下のように構成される紡績機が提供される。即ち、紡績機は、旋回気流の旋回方向に応じて繊維束を一側に偏らせながら下流側に導く導入路を有する空気紡績装置と、ドラフト処理を行った繊維束を前記空気紡績装置に導入するドラフト装置と、を備える。前記ドラフト装置は、前記繊維束をニップして前記導入路に向けて送り出すドラフトローラ対を有する。前記ドラフトローラ対の少なくとも一方のドラフトローラの表面には溝が形成されており、この溝は、相手側のドラフトローラから見たときに、前記導入路において前記繊維束が偏る側と同じ側の溝の端部が繊維束搬送方向上流側となるように傾けられている。 According to a first aspect of the present invention, a spinning machine configured as follows is provided. That is, the spinning machine introduces an air spinning device having an introduction path that guides the fiber bundle to the downstream side while biasing the fiber bundle to one side according to the swirling direction of the swirling airflow, and the fiber bundle subjected to the drafting treatment is introduced into the air spinning device. A draft device. The draft device includes a draft roller pair that nips the fiber bundle and feeds the fiber bundle toward the introduction path. A groove is formed on the surface of at least one draft roller of the pair of draft rollers, and this groove is on the same side as the side where the fiber bundle is biased in the introduction path when viewed from the other draft roller. The groove is inclined so that the end of the groove is on the upstream side in the fiber bundle conveyance direction.
これにより、ドラフトローラ対を通過した繊維束が収束して導入路内に導かれるので、糸強力を向上させることができる。また、ドラフトローラの回転によって発生する随伴気流の向きも繊維束の送り出し方向に沿わせることができるので、微小な浮遊繊維を導入路内へ導いて繊維束に合流させることができ、ファイバロスを効果的に低減できる。 Thereby, since the fiber bundle which passed the draft roller pair converges and is guided into the introduction path, the yarn strength can be improved. In addition, since the direction of the accompanying airflow generated by the rotation of the draft roller can be made to follow the feeding direction of the fiber bundle, minute floating fibers can be guided into the introduction path and merged with the fiber bundle, thereby reducing the fiber loss. It can be effectively reduced.
前記の紡績機においては、それぞれが前記ドラフト装置と前記空気紡績装置とを有する複数の紡績ユニットを備え、前記ドラフト装置は前記紡績ユニットごとに駆動源を備えることが好ましい。 Preferably, the spinning machine includes a plurality of spinning units each having the draft device and the pneumatic spinning device, and the draft device includes a drive source for each spinning unit.
これにより、繊維束の収束性を高めるとともに、紡績ユニットごとの状況に合わせてドラフトローラを駆動することができるので、高品質な糸を生産することができる。また、ドラフトローラの駆動によって発生するスラスト方向の荷重を紡績ユニットごとに分散できるので、軸受等への負担を軽減できる。 Thereby, while improving the convergence of a fiber bundle, a draft roller can be driven according to the situation for every spinning unit, so that high-quality yarn can be produced. Moreover, since the load in the thrust direction generated by driving the draft roller can be distributed to each spinning unit, the burden on the bearings and the like can be reduced.
本発明の第2の観点によれば、以下の紡績方法が提供される。即ち、この紡績方法においては、旋回気流の旋回方向に応じて繊維束を一側に偏らせながら下流側に導く導入路を有する空気紡績装置に、ドラフトローラ対を有するドラフト装置によってドラフト処理を行った繊維束を導入する。そして、この紡績方法は、以下に示す第1ステップと第2ステップとを含む。第1ステップでは、前記ドラフト装置で前記繊維束をドラフトする。第2ステップでは、ドラフトローラ対によって前記繊維束をニップして前記導入路に向けて送り出す。前記ドラフトローラ対のうち少なくとも一方のドラフトローラの表面には溝が形成されており、この溝は相手側のドラフトローラから見たときに、前記導入路において前記繊維束が偏る側と同じ側の溝の端部が繊維束搬送方向上流側となるように傾けられて構成される。 According to the second aspect of the present invention, the following spinning method is provided. That is, in this spinning method, a drafting process is performed by a drafting device having a draft roller pair on an air spinning device having an introduction path that guides the fiber bundle to the downstream side while biasing the fiber bundle to one side according to the swirling direction of the swirling airflow. Introduced fiber bundles. The spinning method includes the following first step and second step. In the first step, the fiber bundle is drafted by the draft device. In the second step, the fiber bundle is nipped by the draft roller pair and sent out toward the introduction path. A groove is formed on the surface of at least one of the draft roller pairs, and the groove is on the same side as the side where the fiber bundle is biased in the introduction path when viewed from the other draft roller. It is configured to be inclined so that the end of the groove is on the upstream side in the fiber bundle conveyance direction.
この方法により、ドラフトローラ対を通過した繊維束が収束して導入路内に導かれるので、糸強力を向上させることができる。また、ドラフトローラの回転によって発生する随伴気流の向きを繊維束の送り出し方向に沿わせることができるので、微小な浮遊繊維を導入路内へ導いて繊維束に合流させることができ、ファイバロスを効果的に低減できる。 By this method, the fiber bundle that has passed through the draft roller pair converges and is guided into the introduction path, so that the yarn strength can be improved. In addition, since the direction of the accompanying air flow generated by the rotation of the draft roller can be made to follow the feeding direction of the fiber bundle, minute floating fibers can be guided into the introduction path and merged with the fiber bundle, thereby reducing the fiber loss. It can be effectively reduced.
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、並設された多数の紡績ユニット2を備えた、繊維機械としての紡績機1を示している。
Preferred embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. FIG. 1 shows a
図1に示すように、各紡績ユニット2は、ドラフト装置7と、空気紡績装置9と、糸送り装置11と、巻取装置12と、を主要な構成として備えている。ドラフト装置7は紡績機1本体のケーシング6の上端近傍に設けられており、このドラフト装置7から送られてくる繊維束8を空気紡績装置9で紡績する。空気紡績装置9によって紡績された紡績糸10は糸送り装置11で下方へ送られ、糸の欠陥を検出して糸切断を行い、糸欠陥部分を除去するためのクリアラ(糸欠陥検出器)52を経て、巻取装置12によって巻き取られ、パッケージ51を形成する。クリアラ52は、例えば、糸の太さムラ欠陥を検出する機能や、紡績糸10内に混入した異物を検出する機能や、これらの機能を兼用したものが考えられる。
As shown in FIG. 1, each
この紡績機1には、ブロアボックス80と、原動機ボックス81とが装備される。また、図では省略したが、紡績機1は、紡績ユニット2が並べられる方向に走行自在に設けられた糸継台車と、この糸継台車とは独立に走行自在に設けられた玉揚台車を備える。
The
次に図2を参照して紡績ユニット2の駆動について説明する。図2は紡績ユニットと駆動源との関係を模式的に示した側面図である。ドラフト装置7は、スライバ13を延伸して繊維束8にするためのドラフトローラを備える。前記ドラフトローラは、互いに対向して配置されるトップローラとボトムローラにより構成されている。
Next, the driving of the
図2に示すように、トップローラは、バックローラ14、サードローラ15、エプロンベルト17を装架したミドルローラ16、及びフロントローラ18の4つのローラから構成されている。これらのトップローラ14,15,16,18は、ドラフト装置7が備えるカバー状のドラフト装置クレードル50に取り付けられている。一方、駆動側であるボトムローラは、バックボトムローラ24、サードボトムローラ25、エプロンベルト27を装架したミドルボトムローラ26、及びフロントボトムローラ28の4つのローラから構成されている。それぞれのボトムローラ24,25,26,28はドラフト装置7本体側に取り付けられるとともに、前記トップローラ14,15,16,18に対向するように配置されている。なお、フロントボトムローラ28の詳細については後述する。
As shown in FIG. 2, the top roller is composed of four rollers: a
糸送り装置11は、駆動ローラ61と、この駆動ローラに対向して配置されるニップローラ62と、を備え、空気紡績装置9によって紡績された紡績糸10を巻取装置12側へ送る。巻取装置12は、パッケージ51を従動回転させるための駆動ドラム63を備え、糸送り装置11によって送られてきた紡績糸10をパッケージ51に巻き取る。また、糸送り装置11と巻取装置12との間にはトラバース装置64が配置されており、このトラバース装置64によって、巻取装置12に巻き取られる紡績糸10がトラバースされる。図1に示すように、紡績機1はパッケージ51を把持するための回動可能なクレードル31を備えている。このクレードル31(図2において省略)を図略の回動手段によって回動させることで駆動ドラム63とパッケージ51との接離が可能となっている。
The
次に紡績ユニット2の駆動について説明する。図2に示すように、ボトムローラ24及びサードボトムローラ25はモータ41に接続され、ミドルボトムローラ26はモータ42に接続されている。そして、フロントボトムローラ28はモータ43に接続されている。フロントボトムローラ28を駆動するモータ43は、糸送り装置11の駆動ローラ61及び巻取装置12の駆動ドラム63にも連結されており、フロントボトムローラ28、駆動ローラ61及び駆動ドラム63の加減速が同期状態で制御される。また、トラバース装置64はモータ44に接続されている。そして、これらのモータ41,42,43,44は制御部70に接続されており、この制御部70によって回転数や回転停止等の制御がそれぞれ行われる。これらのモータ41,42,43,44は紡績ユニット2ごとに備えられており、紡績ユニット2ごとに駆動制御を行う単錘駆動が実現されている。
Next, driving of the
以上の構成で、ドラフト装置7に送られたスライバ13は、速度をそれぞれ異ならせながら回転駆動されるドラフトローラによって延伸され、繊維束8となって空気紡績装置9へ送られる。
With the above configuration, the
次に図3を参照して空気紡績装置9について説明する。図3は空気紡績装置9の縦断面図である。空気紡績装置9は、フロントローラ18及びフロントボトムローラ28から送られてくる繊維束8を挿通させながらその繊維束8に旋回流を作用させる紡績ノズル19と、この紡績ノズル19に先端部が挿入される中空ガイド軸体(スピンドル)20と、を主に備えて構成される。
Next, the
紡績ノズル19は、ニードル22を内部に保持するニードルホルダ23と、このニードルホルダ23が取り付けられるノズル部ケーシング53と、を備える。ニードルホルダ23は、繊維束8を案内するための導入路21を有し、ニードル22は、この導入路21に沿って搬送される繊維束8の流路上であってニードルホルダ23の中心部分に保持されている。なお、ニードルホルダ23の詳細については後述する。
The spinning
ニードルホルダ23より下流側の位置において、ノズル部ケーシング53にはテーパ孔54が設けられる。そして、このテーパ孔54に、当該テーパ孔54とほぼ等しいテーパ角を有する中空ガイド軸体20の先端部が、同軸状で且つ所定の隙間を隔てて挿入されている。中空ガイド軸体20の先端面とニードルホルダ23との間には紡績室33が形成され、この紡績室33には前記ニードル22が突出されている。このニードル22の先端は中空ガイド軸体20の先端面と対向している。また、前記テーパ孔54と前記中空ガイド軸体20の先端部との間には旋回流発生室32が形成される。
A
ノズル部ケーシング53には、出口端が紡績室33に開口される複数の旋回流発生ノズル35が設けられる。これら旋回流発生ノズル35はノズル部ケーシング53に形成された孔からなり、紡績室33の接線方向に且つ糸送り下流側に傾斜して設けられている。旋回流発生ノズル35は図示しない圧空源から圧空の供給を受けてその圧縮空気(圧空)を紡績室33に噴射し、例えば繊維束8の進行方向に対して反時計回りの旋回流を紡績室33に発生させる。この旋回流は中空ガイド軸体20の前記先端部周囲の旋回流発生室32に沿って螺旋状に下流側に流れ、ノズル部ケーシング53に形成された排気室55から排出される。
The
中空ガイド軸体20の内部には、その軸心に沿って糸通路29が形成されており、この糸通路29内を糸が通過できるように構成している。
A
この構成で、ドラフト装置7のドラフトローラから排出された繊維束8は、導入路21から紡績室33に導入されて、更に各々の繊維はその先端が、中空ガイド軸体20に導かれる。繊維の後端は旋回流発生ノズル35によって発生した吸引エアによって反転させられ、同時に旋回流発生ノズル35による旋回流の作用を受ける。これにより、反転させられた繊維が旋回流発生室32内で振り回され、加撚される。なお、この撚りはドラフトローラ側へ伝播しようとするが、その伝播はニードル22によって阻止されるので、フロントローラ18から送り出される繊維束8が上記の撚りによって撚り込まれることがない。このように、ニードル22は撚り伝播防止手段をなしている。上記のように加撚された繊維は、大部分が巻付き繊維となる実撚り状の糸に順次生成され、糸通路29を通過し図略の出口孔から排出される。そして、図2に示す糸送り装置11を経て巻取装置12に巻き取られる。
With this configuration, the
次に図4を参照して本実施形態のニードルホルダ(繊維導入部材)23について説明する。図4はニードルホルダの様子を概略的に示した斜視図である。 Next, the needle holder (fiber introduction member) 23 of this embodiment will be described with reference to FIG. FIG. 4 is a perspective view schematically showing the state of the needle holder.
図4に示すように、ニードルホルダ23は、その全体が略円柱形状となるように、セラミック等により一体的に形成される。ニードルホルダ23は、軸方向が繊維束8の搬送方向と略一致するように配置されており、ニードルホルダ23の下流側端部にニードル22の先端部が突出した状態で保持されている。
As shown in FIG. 4, the
ニードルホルダ23は、上流側のドラフト装置7から繊維束8を受け入れて下流側の紡績室33に案内するための導入路21を有している。導入路21はニードルホルダ23を貫通するように形成されており、この導入路21に送られた繊維束8は、その向きをニードルホルダ23の内壁によって案内(規制)されながら下流側へ移動する。
The
導入路21の入口部分90は、フロントローラ18とフロントボトムローラ28とによる繊維束8のニップ点に対面し、輪郭が矩形状に形成されている。この入口部分90はニードル22が保持される中心部分より外側であって、ニードルホルダ23端面の上部に配置される。
The
一方、導入路21の出口部分91は、紡績室33の中空ガイド軸体20に対面している。図4に示すように、本実施形態の出口部分91は、縦長状に形成される縦長部分92と、この縦長部分92の端部に接続されるとともに、ニードル22側へ水平方向に突出する横長部分93とによって、輪郭が略L字状となるように形成されている。
On the other hand, the
入口部分90と出口部分91とを接続する通路は、入口部分90から導入された繊維束8を収束させながら下流側の紡績室33に送るように形成されている。この導入路21は第1通路85と第2通路86とを備えている。
The passage connecting the
第1通路85は、最初に繊維束8が導入される通路であり、入口部分90近傍に形成される。第1通路85は下流側に進むにつれて狭まる扇状に形成されており、案内された繊維束8を導入路21の一側に偏らせながら第2通路86へ案内する。第2通路86は、第1通路85を搬送されてきた繊維束8を、ニードル22の保持部分に近づくように案内しながら最終的に出口部分91に導く。
The
導入路21に案内された繊維束8は、第1通路85、第2通路86を通過することで、図4の矢印に示すように、ニードル22の突出方向を軸方向とした螺旋を描くように案内される。この導入路21内での繊維束8の旋回方向は、紡績室33内の旋回気流の旋回方向に対応している。この状態で繊維束8は、下流側の紡績室33に案内されて旋回流によって空気紡績される。
The
次に図5を参照してニードルホルダ23への繊維束8の導入について説明する。図5はフロントボトムローラ28とニードルホルダ23の配置関係を模式的に示した平面図である。
Next, the introduction of the
フロントローラ18(図5において省略)は適宜のゴム部材によって構成される一方、フロントボトムローラ28は金属製とされている。図5に示すように、フロントボトムローラ28の表面部分には、フロントボトムローラ28の回転軸線に対して傾きを有する溝30が所定のピッチで形成されている。このフロントローラ18とフロントボトムローラ28とによって、繊維束8がドラフトされるとともに導入路21へ案内される。なお、フロントローラ18とフロントボトムローラ28とによる繊維束8のニップ点から導入路21までの距離は、繊維長に応じて適切に設定されている。
The front roller 18 (not shown in FIG. 5) is made of an appropriate rubber member, while the
本実施形態のフロントボトムローラ28は、図5に示すように、溝30が軸方向に対して傾いて形成されているので、繊維束8は回転方向から軸方向一側に若干傾くことになる。この結果、繊維束8は直進せず、向きを一側に偏らせた状態でニードルホルダ23へ案内される。
As shown in FIG. 5, in the
図5に示すように、平面視において、導入路21内の入口部分90近傍で繊維束8が偏る側と同じ側(図5において右側)の溝30の端部が、繊維束8の搬送方向の上流側となるように、当該溝30の傾斜方向が設定されている。これによって、繊維束8をニップするニップ点では、導入路21内の繊維束8を偏らせる側に繊維束8を押し出す力が作用する。この結果、繊維束8が予め偏った状態で導入路21に導入されるので、収束性が向上して、繊維束8から剥離する繊維を少なくすることができる。
As shown in FIG. 5, the end of the
また、フロントボトムローラ28の周囲には、フロントボトムローラ28自体の回転に起因する随伴気流が発生している。この随伴気流は、溝30の傾きによって繊維束8を送り出す方向と同じ方向に発生している。フロントローラ18及びフロントボトムローラ28近傍の短繊維等の浮遊繊維は、この随伴気流によって導入路21内の一側に運ばれる。随伴気流によって導入路21内に運ばれた浮遊繊維は導入路21内の一側に運ばれ、同じく一側に偏らせた状態で送り出される繊維束8に取り込まれる。これにより、従来は空気中に飛散してしまっていた繊維を、繊維束8に合流させた上で下流側の紡績室33へ案内することができる。
Further, an accompanying air flow is generated around the
上記の効果は、本願発明者が行った以下の実験の結果からも裏付けられている。この実験は、フロントボトムローラ28の溝30の向きを様々に変えて実際に紡績を行い、糸強力を測定することで行った。
The above effect is supported by the results of the following experiments conducted by the inventors of the present application. This experiment was performed by actually spinning the
上記に説明した本発明のドラフト装置7を用いた場合(フロントボトムローラ28において、導入路21内で繊維束8を偏らせる側と同じ側の溝30の端部が上流側に傾くように溝30を形成した場合)の実験結果は、紡績糸の糸強力を示すRKMが14.08、糸強力のバラツキを示すCV%(標準偏差を平均値で除したもの)は9.43%となった。一方、表面に形成される溝が軸方向と平行になるように形成されたフロントボトムローラを使用した場合、RKMが13.08、CV%が11.51%となった。
When the
また、フロントボトムローラ28に形成される溝の傾く向きを本実施形態とは反対にしたものは、RKMが13.64、CV%が12.19%となった。この結果から、導入路21が繊維束8を偏らせる側に向けて繊維束8を送り出すように溝30の傾く向きを設定することで、糸強力が向上するとともに、そのバラツキも低下することがわかる。
Further, when the inclined direction of the groove formed on the
以上に示すように、本実施形態の紡績機1は、旋回気流の旋回方向に応じて繊維束8を一側に偏らせながら下流側に導く導入路21を有する空気紡績装置9と、ドラフト処理を行った繊維束8を空気紡績装置9に導入するドラフト装置7と、を備える。ドラフト装置7は、繊維束8をニップして導入路21に向けて送り出すフロントローラ18及びフロントボトムローラ28を有する。フロントボトムローラ28の表面には溝30が形成されており、この溝30は、フロントローラ18側から見たときに、導入路21において繊維束8が偏る側と同じ側の溝30の端部が繊維束搬送方向上流側となるように傾けられている。
As described above, the spinning
これにより、ドラフトローラ対を通過した繊維束8が収束して導入路21内に導かれるので、糸強力を向上させるとともに糸強力のバラツキも抑えることができる。また、フロントボトムローラ28の回転によって発生する随伴気流の向きを繊維束8の送り出し方向に沿わせることができるので、微小な浮遊繊維を導入路21内へ導いて繊維束8に合流させることができ、ファイバロスを効果的に低減できる。
Thereby, since the
また、本実施形態の紡績機1は、それぞれがドラフト装置7と空気紡績装置9とを有する複数の紡績ユニット2を備える。そして、ドラフト装置7は紡績ユニット2ごとに駆動源(モータ41,42,43)を備える。
The spinning
これにより、繊維束8の収束性を高めるとともに、紡績ユニット2ごとの状況に合わせてドラフトローラを駆動でき、高品質な紡績糸10を生産することができる。また、ドラフトローラの駆動によって発生する負荷を紡績ユニット2ごとに分散できるので、軸受部材等への負担を軽減できる。特に、本実施形態のようにフロントボトムローラ28の溝30が軸方向に対して傾いて形成される場合、繊維束8を偏らせる力の反力をフロントボトムローラ28が受けるので、当該フロントボトムローラ28にスラスト方向の荷重が作用する。従って、仮に複数の紡績ユニット2(フロントボトムローラ28)で共通のローラ軸を使用した場合、スラスト荷重が重畳されて大きなスラスト力となり、駆動軸を支持する軸受に大きな負荷が掛かるおそれがある。この点、本実施形態ではスラスト荷重の重畳は生じないので、軸受の破損を効果的に防止できる。
As a result, the convergence of the
また、本実施形態では以下の第1ステップと第2ステップとを含む紡績方法によって紡績が行われる。即ち、第1ステップでは、ドラフト装置7によって繊維束8をドラフトする。第2ステップでは、フロントボトムローラ28とフロントローラ18とのドラフトローラ対によって繊維束8をニップして導入路21に向けて送り出す。フロントボトムローラ28の表面には溝30が形成されており、この溝30は、フロントローラ18から見たときに、導入路21において繊維束8が偏る側と同じ側の溝30の端部が繊維束搬送方向上流側となるように傾けられて構成される。
In the present embodiment, spinning is performed by a spinning method including the following first step and second step. That is, in the first step, the
この方法により、ドラフトローラ対を通過した繊維束8が収束して導入路21内に導かれるので、糸強力を向上させるとともに糸強力のバラツキを抑えることができる。また、フロントボトムローラ28の回転によって発生する随伴気流の向きを繊維束8の送り出し方向に沿わせることができるので、微小な浮遊繊維を導入路21内へ導いて繊維束8に合流させることができ、ファイバロスを効果的に低減できる。
By this method, since the
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の構成は更に以下のように変更することができる。 Although the preferred embodiment of the present invention has been described above, the above configuration can be further modified as follows.
ニードルホルダ23は、上記実施形態で示した構成に限定されない。即ち、旋回気流の旋回方向に応じて繊維束を一側に偏らせながら下流側に導く導入路を有するものである限り、事情に応じて任意の構成のニードルホルダを適宜採用することができる。例えば、ニードルホルダ23の導入路を、旋回気流の旋回方向に応じて滑らかに捻じられた形状となるように変更することができる。また、上記実施形態のニードルホルダ23は全体がセラミック等によって一体成形されているが、この構成に限らず、金属製の枠部内にセラミックを成形する構成にも本発明を適用できる。
The
また、上記実施形態では、ドラフトローラを駆動するモータ41,42,43が紡績ユニット2ごとにそれぞれ備えられる単錘駆動方式を採用しているが、この構成に限定されない。例えば、紡績ユニット2を8錘ごとのグループに区分して、1つのグループごとに共通の駆動源を備える構成とすることができる。或いは、紡績機1全体でドラフトローラを共通の駆動源によって駆動する全錘駆動方式を採用することもできる。
In the above-described embodiment, the single spindle driving system in which the
また、単一の駆動源で複数の紡績ユニットのドラフトローラを駆動しつつ、ドラフトローラのローラ軸を紡績ユニットごとに分割する構成とすることもできる。例えば、ドラフトローラのローラ軸は紡績ユニットごとに備えることとして、各紡績ユニットのローラ軸を、共通の駆動軸とギア又はベルト等の伝達手段を介して連結する構成が考えられる。これにより、共通の駆動源で駆動したとしても、ドラフトローラの駆動によって発生するスラスト方向の荷重が紡績ユニットごとに分散されるので、過大な負荷が掛かって軸受部材等が破損することを効果的に防止できる。 Further, it is also possible to divide the roller shaft of the draft roller for each spinning unit while driving the draft rollers of a plurality of spinning units with a single drive source. For example, it is conceivable that the roller shaft of the draft roller is provided for each spinning unit, and the roller shaft of each spinning unit is connected to a common drive shaft via a transmission means such as a gear or a belt. As a result, even if driven by a common drive source, the load in the thrust direction generated by the drive of the draft roller is distributed to each spinning unit, so it is effective to apply an excessive load and damage the bearing member and the like. Can be prevented.
1 紡績機
2 紡績ユニット
7 ドラフト装置
8 繊維束
9 空気紡績装置
18 フロントローラ
21 導入路
23 ニードルホルダ
28 フロントボトムローラ(ドラフトローラ)
30 溝
41,42,43 モータ(駆動源)
DESCRIPTION OF
30
Claims (3)
前記ドラフト装置は、前記繊維束をニップして前記導入路に向けて送り出すドラフトローラ対を有し、
前記ドラフトローラ対の少なくとも一方のドラフトローラの表面には溝が形成されており、この溝は、相手側のドラフトローラから見たときに、前記導入路において前記繊維束が偏る側と同じ側の溝の端部が繊維束搬送方向上流側となるように傾けられていることを特徴とする紡績機。 An air spinning device having an introduction path that guides the fiber bundle toward the downstream side while biasing the fiber bundle to one side according to the swirling direction of the swirling airflow, and a draft device that introduces the fiber bundle that has been drafted into the air spinning device. In the spinning machine provided,
The draft device has a pair of draft rollers that nip the fiber bundle and feed it toward the introduction path,
A groove is formed on the surface of at least one draft roller of the pair of draft rollers, and this groove is on the same side as the side where the fiber bundle is biased in the introduction path when viewed from the other draft roller. A spinning machine characterized in that the end of the groove is inclined so as to be on the upstream side in the fiber bundle conveying direction.
それぞれが前記ドラフト装置と前記空気紡績装置とを有する複数の紡績ユニットを備え、
前記ドラフト装置は前記紡績ユニットごとに駆動源を備えることを特徴とする紡績機。 The spinning machine according to claim 1,
Each comprising a plurality of spinning units having the draft device and the pneumatic spinning device,
The spinning machine according to claim 1, wherein the draft device includes a drive source for each spinning unit.
前記ドラフト装置で前記繊維束をドラフトする第1ステップと、
少なくとも一方のドラフトローラの表面に溝が形成されており、この溝は相手側のドラフトローラから見たときに、前記導入路において前記繊維束が偏る側と同じ側の溝の端部が繊維束搬送方向上流側となるように傾けられて構成されるドラフトローラ対によって、前記繊維束をニップして前記導入路に向けて送り出す第2ステップと、
を含むことを特徴とする紡績方法。 A spinning method for introducing a fiber bundle that has been drafted by a draft device having a draft roller pair into an air spinning device having an introduction path that guides the fiber bundle to the downstream side while biasing the fiber bundle to one side according to the swirling direction of the swirling airflow In
A first step of drafting the fiber bundle with the draft device;
A groove is formed on the surface of at least one of the draft rollers. When viewed from the other draft roller, the groove has an end portion of the groove on the same side as the side where the fiber bundle is biased in the introduction path. A second step of niping the fiber bundle and feeding it toward the introduction path by a draft roller pair configured to be inclined upstream in the transport direction;
A spinning method characterized by comprising:
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008162389A JP2010001587A (en) | 2008-06-20 | 2008-06-20 | Spinning machine and spinning method |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013522485A (en) * | 2010-03-16 | 2013-06-13 | マスチネンファブリック ライター アーゲー | Draft device with guide table for guide apron |
CN112342648A (en) * | 2019-08-07 | 2021-02-09 | 村田机械株式会社 | Air spinning device and fiber guide member |
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2008
- 2008-06-20 JP JP2008162389A patent/JP2010001587A/en active Pending
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JP2013522485A (en) * | 2010-03-16 | 2013-06-13 | マスチネンファブリック ライター アーゲー | Draft device with guide table for guide apron |
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CN112342648B (en) * | 2019-08-07 | 2023-09-08 | 村田机械株式会社 | Air spinning device and fiber guiding member |
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