JP2009522553A - 体重状態または素因の診断方法 - Google Patents

体重状態または素因の診断方法 Download PDF

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Abstract

動物の体重状態または体重状態の素因を診断する方法であって、本方法は、動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを決定し、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することによってなされ;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を個別的または集合的に示す。

Description

発明の背景
発明の分野
[0001] 本発明は、動物の体重状態(body weight condition)または素因を診断する方法に関する。さらに方法は、動物のボディコンディションスコアを計算することにも関する。
従来技術の説明
[0002] 肥満症の罹患率は、ヒトおよびヒト以外の個体群の両方において増加し続けている。ヒトにおける肥満症の割合は、増加の一途をたどっている。さらにある研究によれば、米国の家庭用ペットの25%〜40%が過体重または肥満であることが示されており、この傾向は、過体重に関連するペットの疾患の着実な増加、および、獣医にかかるコストの増加をもたらすことを意味する。
[0003] 過体重になることは、様々な障害または病気を発症させる危険因子となり得る。例えば、肥満症は、数ある状態のなかでも心疾患、変性関節病、糖尿病および癌への関連を示している。さらに、過体重の動物は、動き難くなったり、全体的な生活の質が低下したりすることによって相当な問題を感じる可能性がある。過体重状態を予防することは、生涯にわたり影響を持ち続ける可能性があり、さらにこのような状態の発生に関する危険因子を知ることによって、全般的な健康状態を最適化するための改善された予防および治療プログラムが得られる可能性がある。
[0004] 例えば血漿レプチンなどの様々なバイオマーカーが、食物摂取および体脂肪に関連を示している。Shiiya等(2002)J.Clin.Endocrinol.Metab.87(1):240〜244では、肥満のヒトの血漿グレリン濃度は、痩せたヒトの血漿グレリン濃度よりも低かったことが報告されている。
[0005] 過体重状態が健康に及ぼす影響が認識されているにもかかわらず、このような状態を治療することは、数ある中でも、根本的な生理学メカニズム、または、このような状態を維持する生理学的なシステムにおいて生じる変化に関する認識不足のために引き続き課題である。従来技術による体重測定は有用であるが、それにより得られた情報はおおざっぱであり、肥満症のような体重状態に関連する根本的な生理学的または生化学的プロセスへの見識はわずかしか得られない可能性がある。さらに、このような従来技術は、正常な体重を有する動物において、肥満症またはその他の体重状態に対する素因を検出または診断することに関しては効果が限られている。例えば、動物の「ボディコンディションスコア」(BCS)は、動物の身体組成を分類する手段として一般的に用いられている。動物のBCS決定は、動物の健康管理の専門家によって動物の体の大きさおよび形状を外見および触感により解析することに基づく。この方法によれば、例えば「1」のBCSは、極度に痩せた動物を示し、「2」は、痩せた動物を示し、「3」のBCSは、その動物にとって最適なボディコンディションを示し、「4」は、太った動物を示し、「5」のBCSは、肥満の動物を示す。動物のBCSの決定は、当業者にはよく知られており、数種の方法が当業者に知られており、例えば米国特許第6,691,639号、および、表題“Small Animal Clinical Nutrition”の第4版,第13章(ISBN0−945837−05−4)という参考文献で開示された方法がある。BCS決定は広く用いられているが、この方法は、かなり主観的な解析であるため理想的とは言えず、人によって同じ動物に対して全く異なるBCSを決定してしまうことは珍しくない。従って、動物の体重状態または素因を診断する有効な方法、加えて、このような動物のボディコンディションスコアを正確に決定する有効な方法への必要性が未だ存在する。
[0006] ここで我々は、驚くべきことに、動物から得られたバイオマーカーデータに基づいて動物のボディコンディションスコアを定量する方法を発見し、本明細書において報告する。このようなバイオマーカーデータはまた、動物の体重状態および/または素因を診断するために用いてもよいし、加えて、動物における肥満症に関連する健康障害またはそれに対する素因を診断するために用いてもよい。
発明の要約
[0007] 本発明は、動物における体重状態またはそれに対する素因を診断する方法を提供する。本方法は、動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを決定し、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することを含み、ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を個別的または集合的に示す。
[0008] 本発明はさらに、動物のボディコンディションスコアを定量する方法を提供し、本方法は、(a)動物の体重、および、少なくとも1種のバイオマーカーの血清レベルを解析すること;および、(b)工程(a)から得られたデータを、本明細書において説明される本発明のアルゴリズムI〜IVのいずれかに適用することを含む。
[0009] さらに、動物のための処方計画(regimen)を選択する方法を提供する。本方法は、(a)動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを決定し、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することによって、体重状態またはそれに対する素因を診断すること;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を個別的または集合的に示し;および、(b)このようにして診断された体重状態または素因にとって適切な処方計画を決定することを含む。
[0010] さらにその上、動物の体重状態または素因の発症を検出する方法を提供する。本方法は、所定期間中の複数のタイムポイントそれぞれにおいて、動物由来の組織または生体液サンプル中のバイオマーカーの観察レベルを決定することによって、該期間にわたり該動物における少なくとも1種のバイオマーカーをモニターし、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することを含み;ここで、いずれかのタイムポイントにおいて、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を個別的または集合的に示している場合、発症が検出される。
[0011] さらにその上、動物の体重状態または素因を管理するための処方計画の有効性を評価する方法を提供する。本方法は、処方計画が施される期間中の複数のタイムポイントそれぞれにおいて、動物由来の組織または生体液サンプル中のバイオマーカーの観察レベルを決定することによって、その期間にわたり該動物における少なくとも1種のバイオマーカーをモニターし、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することを含み;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を管理することにおける処方計画の有効性を個別的または集合的に示す。
さらにその上、キットを提供し、本キットは:(a)動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを検出するための1種またはそれより多くの試薬;および、(b)(i)バイオマーカーの参照レベル;および、(ii)観察レベルを参照レベルと比較するアルゴリズムを含む、使用者にとってアクセス可能な1種またはそれより多くの情報伝達媒体を含み;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、該動物の体重状態または素因を個別的または集合的に示す。
[0012] さらにその上、動物における肥満症に関連する健康状態またはそれに対する素因を診断する方法を提供し、本方法は、動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを決定し、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することを含み;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を個別的または集合的に示す。本方法は特に、変形性関節症を診断するのに有用であり、この場合のバイオマーカーは、アルカリホスファターゼ、オステオカルシン、アミノ末端架橋テロペプチド、II型の軟骨合成、軟骨オリゴマーのマトリックスタンパク質、または、カルボキシ末端架橋テロペプチドである。好ましくは、バイオマーカーは、アルカリホスファターゼ、または、II型の軟骨合成である。
本発明のさらなる目的、特徴および利点は、当業者にはよく知られていると予想される。
発明の詳細な説明
[0013] 本発明によれば、動物由来の組織または生体液サンプル中の所定のバイオマーカーのレベルが、驚くべきことに、動物のボディコンディションスコア計算にとって有効である可能性があることが見出された。加えて、バイオマーカーデータはまた、動物における体重状態の診断方法にも使用できる。このようなバイオマーカーのレベルは、食前の状態から食後の状態にかけて変動する可能性がある。しかしながら、例えば痩せた動物や肥満の動物のように、異なる体重状態を有する動物はそれぞれ、このような変動の形態および/または程度において差を示し、それに加えて絶食状態の場合のバイオマーカーの絶対レベルにおいても差を示す。それゆえに、1種またはそれより多くのバイオマーカーのプロファイルは、体重状態を示す可能性がある。さらに、このようなプロファイルは、状態が未だ現れていないような場合であっても体重状態の素因を示し、さらに、動物における肥満症に関連する健康障害またはそれに対する素因を診断するためにも使用できる。従って、このようなプロファイルは、動物の体重、および、動物が有する体重状態に関連する可能性がある、または動物が罹りやすい健康上の結果を管理することにおいて有用である。
[0014] 本明細書において対象のバイオマーカーは、参照レベルと観察レベルとの比較が体重状態または素因を示すものである。いくつかの実施態様によれば、参照レベルは、正常な体重を有する健康な動物から得られたサンプルから確立したものでもよいし、または、公表値であってもよい。一般的に、参照レベルは、同じ種の動物で確立され、さらに可能であれば同じ品種または品種の型で確立される。さらに、一般的には、参照レベルは、その動物に類似した年齢群の動物で確立されることが好ましい。このような参照レベルの決定は、動物の「正常な」体重を決定することを含めて、当業者にはよく知られていると思われる。このケースにおいて、観察レベルが参照レベルと実質的に異なる(例えば、それよりも高い、または、低い)場合、体重状態または素因を示す可能性がある。このような差は、必ずしもその限りではないが、統計学的に有意である可能性がある。
[0015] あるいは、参照レベルは、特定の体重状態または素因を有することがわかっている動物で確立してもよく、このケースにおいて、観察レベルが参照レベルに類似している場合、その状態または素因を示す可能性がある。
[0016] バイオマーカーのレベルは、特定の既存の体重状態(例えば、正常な体重、過体重、肥満)に関連する、根本的な遺伝学的、生化学または生理学的な因子、メカニズムもしくは経路に関する情報を提供することができるが、この方法で必ずしも情報が得られるというわけではない。場合によっては、本発明を実施するにあたり、バイオマーカーのレベルと、観察された体重状態または素因との間の統計学的相関で十分な可能性がある。しかしながら、バイオマーカーが、遺伝学的、生化学または生理学的な関連性の情報を提供するような場合、体重に関する物理的な測定のみに依存した従来の方法を超える利点がとりわけ大きくなる可能性がある。
[0017] 動物は、ヒトでもよいし、または、ヒト以外の動物でもよい。様々な実施態様において、動物は脊椎動物であり、例えば魚類、鳥類、爬虫類または哺乳動物である。哺乳動物のなかでも、例えば、食肉目の種類の動物でもよく、このような動物としては、これらに限定されないが、イヌおよびネコの種が挙げられる。一実施態様において、動物は、ウシ、ウマ、ブタ、または、ボディコンディションスコアおよび/または体重状態の決定が重要なその他の家畜の形態である。
[0018] 一実施態様において、動物は、コンパニオンアニマルである。本明細書において「コンパニオンアニマル」とは、人間の飼い主によってペットとして飼われるあらゆる種に属するそれぞれの動物であるか、または、ペットとして広く飼い慣らされている様々な種に属するあらゆる個々の動物であり、例えば、イヌ(Canis familiaris)、および、ネコ(Felis domesticus)が挙げられ、それぞれの動物がもっぱらペットとして飼われているのか、部分的にペットとして飼われているのかは関係がない。従って、本明細書における「コンパニオンアニマル」は、ペットとしてのイヌおよびネコと同様に、働くイヌ、げっ歯類動物を殺すために飼われている農場のネコを含む。いくつかの実施態様において、動物は、イヌである。その他の実施態様において、動物は、ネコである。
[0019] また本明細書において、本発明の方法をヒトに適用することも考慮され、例えばヒトの「ボディコンディションスコア」(より一般的には「肥満指数」またはBMIと称される)を定量してもよい。BMIは一般的に動物の体重(キログラム)をその身長(メートル)の二乗で割った値を意味するため、本明細書において開示されたBMI計算のためのアルゴリズムの変換が必要とされる場合がある。これは、当業者によって容易に達成することができる。
[0020] 本発明に従って参照サンプルに対するバイオマーカー解析に基づき診断された「体重状態」は、例えば、動物が、標準体重に達しない、正常な体重を有する、過体重である、または、肥満であるかどうかの確認になり得る。一般的に言えば、体重は、単に重さの問題ではなく、通常は体脂肪の量または割合に関連する。例えばBurkholder&Toll(2000)in Hand等(編集),Small Animal Clinical Nutrition,第4版,第13章,402〜430頁を参照。
[0021] 本明細書で用いられる「体重の素因」は、体重の増加、減少または維持に関する傾向、および/または、それに付随する健康またはその他の生理学的状態における変化を受けることに関する動物の傾向(すなわち性質)を意味する。従って、体重の素因の例としては、体重を増加させやすい性質および肥満症に対する素因、またはそれらの欠如が挙げられる。
[0022] 本明細書で用いられる動物の「ボディコンディションスコア」(BCS)は、動物の身体組成を分類する手段を意味する。動物のBCSの決定は、従来、動物の健康管理の専門家による動物の体の大きさおよび形状の外見および触感の解析に基づいてなされてきた。この従来の方法によれば、「1」のBCSは、極度に痩せた動物を示し、「2」は、痩せた動物を示し、「3」のBCSは、その動物の最適なボディコンディションを示し、「4」は、太った動物を示し、「5」のBCSは、肥満の動物を示す。従来の動物のBCSの決定は当業者によく知られており、数種の方法が当業者既知であり、例えば米国特許第6,691,639号、および、表題“Small Animal Clinical Nutrition”の第4版,第13章(ISBN0−945837−05−4)という参考文献で開示された方法が挙げられる。
[0023] 一実施態様において、本発明の方法によれば、動物が成長期の間、例えばイヌまたはネコの場合は約1歳以下の期間に、体重の素因が診断される。
[0024] 過体重または肥満の状態は、多数の病気および障害に繋がる原因になる可能性もあるし、または、それらを悪化させる要因にもなり得る。このような肥満症に関連する病気および健康障害としては、例えば、代謝の変調、内分泌障害、機能的な変調、変形性関節疾患および整形外科学的な疾患、心臓血管疾患、癌、睡眠障害、繁殖障害、および、それらの組み合わせが挙げられる。また過体重状態は、動き難くなったり、または、生活の質が低下したりすることによる顕著な問題を引き起こす可能性もある。それゆえに、一実施態様において、本発明の実施によって診断された体重状態または素因は、動物における肥満症に関連する健康障害の危険を高める要因の一つである。
[0025] このような過体重または肥満症に関連する健康障害としては、例えば、高脂血症、異常脂質血症、インスリン耐性、グルコース不耐性、肝リピドーシス、麻酔の合併症、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、糖尿病、インスリノーマ、下垂体色素嫌性細胞腺腫、下垂体機能不全症、視床下部病変、関節ストレス、筋骨格の痛み、呼吸困難、高血圧、異常分娩、運動不耐性、高熱不耐性、免疫機能の低下、変形性関節疾患および整形外科学的な疾患(例えば、変形性関節症)、心臓血管疾患、高血圧、呼吸困難、腎臓機能の変化、膵臓炎、移行細胞癌、疲労、睡眠障害、繁殖障害、および、それらの組み合わせが挙げられる。
[0026] 用語「バイオマーカー」は、組織または生体液サンプル中で定量的に同定することができ、特定の表現型または生理学的状態に対する相関を示す物質を意味する。例えば、バイオマーカーとしては、サイトカイン、例えば、炎症性サイトカイン;ペプチドもしくはタンパク質、例えば、ペプチドYY、神経ペプチドY、グルカゴン様ペプチド1(GLP−I)、アルカリホスファターゼ、グレリン;核酸、例えば、ペプチドまたはタンパク質バイオマーカーに対応するmRNA転写物、生化学的代謝産物、例えばグルコース;神経伝達物質;アゴニスト;アンタゴニスト;またはその他のバイオマーカー、例えばチロキシン、甲状腺刺激ホルモン、インスリン様増殖因子−1、レプチン、アンギオテンシンIおよびII、C反応性タンパク質、高密度リポタンパク質1および2、低密度リポタンパク質、超低密度リポタンパク質、カイロミクロン、テストステロン、エストラジオール、コルチゾール、オステオカルシン、アミノ末端架橋タンパク質、II型の軟骨合成、または、軟骨オリゴマーのマトリックスタンパク質が挙げられる。様々な実施態様において、以下のバイオマーカー:グルコース、GLP−1、グレリン、レプチン、アディポネクチン、レジスチン、レジスチン様分子、C反応性タンパク質、甲状腺刺激ホルモン、および、インスリンのうち少なくとも1種のレベルが決定される。特に有用なバイオマーカーとしては、グルコース、GLP−1、C反応性タンパク質、甲状腺刺激ホルモン、および、グレリンが挙げられる。
[0027] 本明細書における用語「肥満症バイオマーカー」は、組織または生体液サンプル中で定量的に同定することができ、さらに、肥満症への相関を示すことができる物質を意味する。肥満症バイオマーカーの例としては、これらに限定されないが、コレステロール、トリグリセリド、グルカゴン様タンパク質−1、インスリン様増殖因子−1、グレリン、レプチン、GLP−1、アンギオテンシンIおよびII、高密度リポタンパク質−1、高密度リポタンパク質−2、低密度リポタンパク質、ならびに、超低密度リポタンパク質が挙げられる。
[0028] 本明細書で用いられる用語「関節炎バイオマーカー」は、組織または生体液サンプル中で定量的に同定することができ、さらに、体の関節への損傷を特徴とする状態(例えば、関節炎または変形性関節症)への相関を示すことができる物質を意味する。関節炎バイオマーカーの例としては、これらに限定されないが、オステオカルシン、アミノ末端架橋テロペプチド、アルカリホスファターゼ、カルボキシ末端架橋テロペプチド、II型の軟骨合成および軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質が挙げられる。
[0029] 本明細書で用いられる用語「甲状腺バイオマーカー」は、組織または生体液サンプル中で定量的に同定することができ、さらに、甲状腺疾患または障害への相関を示すことができる物質を意味する。甲状腺バイオマーカーの例としては、これらに限定されないが、甲状腺刺激ホルモン、および、チロキシンが挙げられる。
[0030] 本発明の方法による体重状態または素因の診断は、1種より多くのバイオマーカーの決定を含んでいてもよい。ある種のケースにおいては、一種のバイオマーカーによって、体重状態または素因を示すことができ;その他のケースにおいては、2種またはそれより多くのバイオマーカーのレベルを含むバイオマーカーのプロファイルによって、集合的に上記状態または素因が示される。その他のケースにおいて、少なくとも1種のバイオマーカー、およびその他の血中の化学物質、例えばナトリウム、カリウム、塩化物、リン、ビリルビン、クレアチニン、または、血清中の尿素窒素のレベルを含むプロファイルが、上記状態または素因を集合的に示す。
[0031] あらゆる組織または生体液サンプルが、対象のバイオマーカーの源になり得る。しかしながら、ほとんどの場合において、最小の侵襲で得ることができる生体液サンプルが好ましい。生体液としては、例えば、全血、血清、血漿、髄液、歯肉溝滲出液、尿、リンパ液、筋肉内の流体、鼻の分泌物、および、唾液が挙げられる。
[0032] バイオマーカーのレベルは、当業界既知の分析を用いて決定することができる。分析は、必ずではないが、市販の分析製品であってもよい。一般的に、分析は、バイオマーカーのタイプ、および、サンプルのタイプに基づいて選択される。例えばGLP−1またはグレリンのようなタンパク質のバイオマーカーの血清レベルを決定するためには、例えば、ポリペプチド上の1種またはそれより多くのエピトープに対するモノクローナル抗体の反応性を利用した市販のモノクローナルベースのイムノアッセイ、または、競合結合分析を用いることができ;および、血清のグルコースレベルを決定するためには、フェリシアニド、ヘキソキナーゼ、または、グルコースオキシダーゼを用いた手順に基づく分析を用いることができる。
[0033] いくつかの実施態様において、観察レベルおよび/または参照レベルは、1種またはそれより多くの分析を用いて決定され、該分析は、独立して、酵素免疫検査法(EIA)、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、免疫蛍光分析(IFA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ウェスタンブロット分析、生化学分析、酵素的分析、および、比色分析からなる群より選択される。様々な標識および結合技術が当業者既知であり、様々な生化学、核酸およびアミノ酸分析で用いることができる。
[0034] 組織または生体液サンプルは、例えば療養施設の場で回収することができ、すなわち、健康管理の専門家(例えば、医師、獣医師、医療助手、医師の助手、看護師など)が評価および診断のために動物を診察できる場合で回収することができる。療養施設の場の非限定的な例としては、病院、医師または獣医師の診察室、および、獣医診療所が挙げられる。あるいは、サンプルは、動物が飼われている動物舎、農場、畜舎またはバラックで回収することができる。
[0035] 対象のバイオマーカーの1種またはそれより多くに関するサンプルの解析は、サンプルが採取される場で行うことができ、例えば療養施設の場で行うことができる。本明細書で説明されるキットは、このような解析において用いることができる。あるいは、サンプルは、第二の施設に送ることもできる。用語「第二の施設」は、臨床サンプルを評価するための商業的な研究所のような実験室を意味しており、療養施設の場から離れたところ(すなわち、異なる場所)にあってもよい。
[0036] いくつかの実施態様において、観察レベルを、1種またはそれより多くのバイオマーカーの参照レベルと比較することは、療養施設の場、または、第二の施設で行われる。
[0037] サンプルが単一のタイムポイントで採取される場合、これは、動物の給餌サイクルのどの段階で行ってもよく、例えば食事の直前にに行ってもよいし(食前)、または、食事の後の適切なインターバルで行ってもよい(食後)。しかしながら、一般的に、診断が単一のサンプルに基づくと予想される場合、このようなサンプルは、前記動物が絶食状態のときに採取されることが好ましく、例えば食前のタイムポイントで採取される。
[0038] 任意に、サンプルは、給餌サイクル中の複数のタイムポイントで採取される。このケースにおいて、少なくとも1回の食前サンプル(一般的に1回のみ)、および、少なくとも1回の食後サンプル(一般的に1回より多く)を採取してもよい。適切なタイムポイントは、例えば、0分(食前)、食後の10、30、60、120および360分である。
[0039] サンプル(例えば血清サンプル)中のバイオマーカーレベルは、補正しなくてもよいし、または、動物の体重に応じて補正してもよい。補正されていないレベルは、例えば、mg/L、μg/L、または、ng/Lのように重量/体積での濃度単位で表すことができ、または、μmol/L、nmol/L、または、pmol/Lのようにモル濃度単位で表すこともできる。補正されたレベルは、類似の単位(ただし除数として体重(BW)を使用)で表すことができ、例えばmg/L/kg体重、pmol/L/kg体重などで表すことができる。
[0040] 一実施態様において、動物はイヌであり、バイオマーカーは、血清中のグルコースを含む。この実施態様によれば、絶食した動物において観察された体重補正済みの血清グルコースレベルが、正常な体重を有するイヌの体重補正済みの参照レベルよりも少なくとも約10%低いと、前記動物の体重を増加させやすい素因を示す。
[0041] その他の実施態様において、動物はイヌであり、バイオマーカーは、血清中のGLP−1を含む。この実施態様によれば、絶食した動物において観察された体重補正済みの血清GLP−1レベルが、正常な体重を有する動物の体重補正済みの参照レベルよりも少なくとも約20%低いと、前記動物の体重を増加させやすい素因を示す。
[0042] さらにその他の実施態様において、動物はイヌであり、バイオマーカーは、血清中のグレリンを含む。この実施態様によれば、絶食した動物において観察された体重補正済みの血清グレリンレベルが、正常な体重を有するイヌの体重補正済みの参照レベルよりも少なくとも約20%低いと、前記動物の体重を増加させやすい素因を示す。
[0043] さらにその他の実施態様において、本発明は、動物のボディコンディションスコアを定量する方法に関し、本方法は、(a)前記動物の体重、ならびに、グルコース、ナトリウム、塩化物、C反応性タンパク質および甲状腺刺激ホルモンの血清レベルを解析すること;および、(b)工程(a)から得られたデータを以下のアルゴリズムに適用することを含む:
ボディコンディションスコア=3.62352+(0.17443×体重(kg))+(0.01621×グルコース(mg/dL))+(0.06496×ナトリウム(mmol/L))−(0.12439×塩化物(mmol/L))−(0.05575×C反応性タンパク質(ng/mL))+(1.72392×甲状腺刺激ホルモン(ng/mL))。
具体的な実施態様において、動物はイヌである。
[0044] さらにその他の実施態様において、本発明は、動物のボディコンディションスコアを定量する方法に関し、本方法は、(a)前記動物において、体重、ならびに、尿素窒素、ナトリウムおよび塩化物の血清レベルを解析すること;および、(b)工程(a)から得られたデータを以下のアルゴリズムに適用することを含む:
ボディコンディションスコア=3.64120+(0.18614×体重(kg))−(0.05289×血清の尿素窒素(mg/dL))+(0.08935×ナトリウム(mmol/L))−(0.14088×塩化物(mmol/L))。
具体的な実施態様において、動物はイヌである。
[0045] さらにその他の実施態様において、本発明は、動物におけるボディコンディションスコアを定量する方法に関し、本方法は、(a)前記動物の体重、および、ナトリウム、カリウム、塩化物、リン、ビリルビンおよびグレリンの血清レベルを解析すること;および、(b)工程(a)から得られたデータを以下のアルゴリズムに適用することを含む:
ボディコンディションスコア=−3.20078+(0.4259×体重(kg))−(0.05508×ナトリウム(mmol/L))+(0.69884×カリウム(mmol/L))+(0.09472×塩化物(mmol/L))−(0.15372×リン(mg/dL))+(1.31580×総ビリルビン(mg/dL))−(0.35136×グレリン(ng/mL))。
具体的な実施態様において、動物はネコである。
[0046] さらにその他の実施態様において、本発明は、動物におけるボディコンディションスコアを定量する方法に関し、本方法は、(a)前記動物の体重、および、血中尿素窒素:クレアチニン比、カリウム、塩化物、リン、および、総ビリルビンの血清レベルを解析すること;および、(b)工程(a)から得られたデータを以下のアルゴリズムに適用することを含む:
ボディコンディションスコア=−7.34191+(0.48335×体重(kg))+(0.03578×血中尿素窒素:クレアチニン)+(0.58860×カリウム(mmol/L))+(0.04683×塩化物(mmol/L))−(0.16894×リン(mg/dL))+(0.86613×総ビリルビン(mg/dL))。
具体的な実施態様において、動物はネコである。
[0047] 上述のようなボディコンディションスコア、体重状態または素因を診断すれば、上記状態または素因にとって適切な処方計画を選択することができる。このような処方計画は、あらゆる適切な伝達手段によって伝えられた情報に基づいて、動物または動物の治療奉仕者によって選択してもよいし、または、健康管理の専門家によって指示されてもよい。このような処方計画は、1種またはそれより多くの食物、運動および薬物療法を含んでいてもよい。
[0048] いくつかの実施態様において、処方計画は、上記動物が摂取するための組成物を含む。例えば、このような組成物は、栄養組成物、例えば食品組成物、サプリメント、おやつ(treat)、または、玩具であってもよく、ここで、いくつかの(ただし全てではない)サプリメント、おやつおよび玩具の一部は、そのものが食品組成物であることを特記する。食品組成物は、例えば動物に摂取させてもよいし、または、給餌によって動物に投与してもよい。動物がコンパニオンアニマルである場合、本発明の方法において有用な食品組成物は、一般的に、このような動物へ給餌するのに栄養学的に適切であり、さらに、診断された体重状態または素因に適している組成物(本明細書においては「ペットフード」と称される)である。ペットフードは、イヌもしくはネコ、もしくはそれらの所定の部分母集団、例えば大型品種のイヌ、子犬または子猫、若年期のイヌまたはネコ、成長したイヌまたはネコ、年長のイヌまたはネコ、および、老齢のイヌまたはネコに合った特殊な栄養必要量により具体的に適合させることができる。
[0049] 処方計画の一部を形成する食品組成物は、動物にとって実質的に栄養学的に完全な食物を提供する組成物であってもよい。「栄養学的に完全な食物」とは、食事に関して健康な動物の正常な健康状態の維持に十分な栄養素を含む食物である。
[0050] あるいは、本組成物は、サプリメント、すなわち総合的に食物の栄養バランスまたは性能を改善するためにその他の食品組成物と共に用いられる組成物であってもよい。このようなサプリメントとしては、サプリメントとして希釈されない状態でその他の食品に供給される食品組成物、動物の食糧の他の部分と共に動物が自由に選択することができ、別々に摂取可能な食品組成物、または、動物の普段の食物で希釈および混合された状態で供給され、実質的に栄養学的に完全な食物を生産するための食品組成物が挙げられる。あるいはサプリメントは、食品組成物以外の形態であってもよく、例えば粉末、液体、シロップ、丸剤などの製薬のような投薬形態であってもよい。
[0051] このような組成物は、おやつであってもよい。特別食としては、例えば、褒美として動物に与えられる組成物、または、食事時間ではない時間中に動物にうまく食べさせるために与えられる組成物が挙げられる。イヌ用の少なくとも多少の栄養価を有する食品組成物であるおやつとしては、例えば、イヌ用ビスケットが挙げられる。あるいはおやつは、実質的に栄養価がないものでもよい。処方計画の一部を形成する組成物は、そのものでおやつを形成していてもよいし、既存のおやつの上にコーティングしてもよいし、または、その両方であってもよい。
[0052] このような組成物は、動物が口で使用できるようにした玩具であってもよい。玩具としては、例えば、イヌ用の人工骨のような噛むことができる玩具が挙げられる。本明細書において有用な組成物は、玩具の表面または玩具の部品の表面上でコーティングを形成していてもよいし、玩具の一部または玩具の全体にわたって包含されていてもよいし、または、その両方でもよい。現在のところ多様な適切な玩具が市販されており、例えば、部分的に消耗品の玩具(例えば、プラスチック部品を含む玩具)、および、完全に消耗品の玩具(例えば、生皮、および、様々な人工骨)が挙げられる。ヒトが私用するための、および、ヒト以外が使用するための玩具が利用可能であり、具体的にはコンパニオンアニマル、農場の動物、および、動物園の動物が使用するための玩具であり、より具体的にはイヌ、ネコ、または、鳥類が使用するための玩具である。
[0053] その他の実施態様において、処方計画は、運動の形態を含む。運動は、動物に適した、および、診断された体重状態または素因に適したあらゆる形態をとることができる。例えば、運動としては、これらに限定されないが、散歩、ジョギング、または、ランニングが挙げられる。
[0054] このような処方計画は、体重状態または素因に必要な、または、それらに適した頻度または期間で継続してもよい。例えば、処方計画は、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約1年、または、それ以外のある程度の期間継続してもよく、この期間は、例えば獣医師またはその他の健康管理の専門家によって、必要であろうか、または、適切であろうかを決定してもよい。
[0055] 本発明はまた、動物の体重状態または素因の発症を検出する方法を提供する。この方法によれば、動物における少なくとも1種のバイオマーカーを所定期間にわたりモニターして、その期間中のいずれかのタイムポイントにおいて、バイオマーカーの参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を個別的または集合的に示した場合、発症が検出される。
[0056] このような方法は、任意に、その期間中の少なくとも一部において動物の体重をモニターすることをさらに含んでいてもよい。体重を決定するためのあらゆる適切な技術を用いることができ、このような技術としては、これらに限定されないが、体重測定、相対的な体重の評価(RBW)、ボディコンディションスコアの評価(BCS)、形態測定、および、それらの組み合わせが挙げられる。体重に関する有用な追加の情報は、任意に、核磁気共鳴映像法(MRI)、コンピューター断層撮影(CT)、中性子放射化、ヒドロデンシトメトリー(hydrodensitometry)、同位体希釈による体内総水分量、体内総カリウム、超音波、生体電気インピーダンス、放射線写真、ソノグラフ、二重エネルギーX線吸光光度定量法(DEXA)、または、それらの組み合わせのような技術により得てもよい。
[0057] バイオマーカーのモニター、ならびに、任意に体重、および/またはその他の関連パラメーターのモニターは、あらゆる便利なインターバルで行ってもよく、例えば、約1時間おき、1日2回、毎日、週2回、毎週、毎月、隔月、1年に2回、または、1年に1回のインターバルで行ってもよい。
[0058] またバイオマーカーのモニターは、動物の体重状態または素因を管理するための処方計画の有効性を評価する有用な方法を提供することもできる。この方法によれば、バイオマーカー、ならびに、任意に体重および/またはその他の関連パラメーターは、処方計画が施される期間にわたりモニターされる。バイオマーカーの参照レベルと比較した観察レベルは、体重状態または素因を管理することにおける処方計画の有効性を個々に、または、集合的に示す可能性がある。
[0059] 本発明のその他の実施態様において、本明細書において説明される方法のいずれかに従った使用に適したキットが提供される。このようなキットは、動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを検出するための1種またはそれより多くの試薬;および、(i)バイオマーカーの参照レベル;および、(ii)観察レベルを参照レベルと比較するアルゴリズムを含む、使用者にとってアクセス可能な1種またはそれより多くの情報伝達媒体を含む。上述の実施態様と同様に、参照レベルと比較した観察レベルが、動物の体重状態または素因を個別的または集合的に示す。
[0060] 本明細書において「使用者にとってアクセス可能な」媒体としては、全ての媒体が挙げられ、例えば紙、ディスク、メモリーチップ、カード、コンピューター、または、ネットワークであり、それらに搭載された説明、情報、アルゴリズムおよび/またはデータは、検索可能なように収容したり、または、保存したりすることができる。このようなアルゴリズムは、一般的に、ソフトウェア用のアルゴリズムである。「使用者にとってアクセス可能な媒体」の一例は、SAS/STAT(登録商標)ソフトウェアであり、これは、ボディコンディションスコアを予想するアルゴリズムを決定するのに回帰手法を使用している。このようなアルゴリズムの例は、以下で説明される実施例で示されるアルゴリズムI〜IVであり、例えば、
アルゴリズムI:
ボディコンディションスコア=3.62352+(0.17443×体重(kg))+(0.01621×グルコース(mg/dL))+(0.06496×ナトリウム(mmol/L))−(0.12439×塩化物(mmol/L))−(0.05575×C反応性タンパク質(ng/mL))+(1.72392×甲状腺刺激ホルモン(ng/mL))
アルゴリズムII:
ボディコンディションスコア=3.64120+(0.18614×体重(kg))−(0.05289×血清尿素窒素(mg/dL))+(0.08935×ナトリウム(mmol/L))−(0.14088×塩化物(mmol/L))
アルゴリズムIII:
ボディコンディションスコア=−3.20078+(0.4259×体重(kg))−(0.05508×ナトリウム(mmol/L))+(0.69884×カリウム(mmol/L))+(0.09472×塩化物(mmol/L))−(0.15372×リン(mg/dL))+(1.31580×総ビリルビン(mg/dL))−(0.35136×グレリン(ng/mL))
アルゴリズムIV:
ボディコンディションスコア=−7.34191+(0.48335×体重(kg))+(0.03578×血中尿素窒素:クレアチニン)+(0.58860×カリウム(mmol/L))+(0.04683×塩化物(mmol/L))−(0.16894×リン(mg/dL))+(0.86613×総ビリルビン(mg/dL))。
[0061] 本キットは、任意に、実験器具を必要としないような自給型のキットであってもよい。本キットは、任意に、組織または生体液サンプル回収装置をさらに含んでいてもよい。本キットは、バイオマーカーのレベルを決定するための1種またはそれより多くの様々な分析を用いることができ、このような分析としては、上記で列挙した分析が挙げられる。標準物質および標準の追加物質を包含させて、周知の技術を用いてサンプル中のバイオマーカーのレベルを定量する際の較正のために用いてもよい。
[0062] いくつかの実施態様において、本キットの1種またはそれより多くの試薬には、レポーター部分または標識が含まれる。このようなレポーター部分または標識は、例えば、ビオチン、発色性の物質、発光または化学発光性の物質、補助因子、酵素、蛍光剤、阻害剤、金属もしくは磁気粒子、放射性核種、基質、または、それらの組み合わせが挙げられ、これらは当業界で知られている方法を用いて検出することができる。例えば、このような方法としては、これらに限定されないが、色素(例えば、酵素反応生成物の比色検出を含む)、発光基、および、蛍光基を検出するのに用いられる分光分析方法;基質の添加による酵素のレポーター基の検出、それに続いて反応生成物の分光分析、分光光度またはその他の解析;放射活性を有する基のシンチレーション計数またはオートラジオグラフ法;および、金属ナノ粒子(例えば、金ナノ粒子)のラマン散乱技術が挙げられる。
[0063] キットの1種またはそれより多くの試薬は、少なくとも1種の抗体(例えばポリクローナルまたはモノクローナル抗体)を含んでいてもよい。このような抗体は、固体支持体に固定されていてもよい。例えば、サンプル中のバイオマーカーのレベルを決定するためにELISAを利用することができる。ELISAには、抗体をポリマーのような固体支持体にカップリングさせることを含んでいてもよい。バイオマーカーを含むサンプルを導入し、バイオマーカーを抗体と相互作用させ、その直後に、シグナル(例えば発色性のシグナル)を生成するプロセスを始動させて光学的に検出可能なシグナルを生じさせることができる。
[0064] 一実施態様において、本キットは、サンプル中のバイオマーカーに特異的に結合する第一の抗体、および、このようにして得られた第一の抗体およびバイオマーカーの複合体に特異的に結合する第二の抗体を含む。第二の抗体は、固体支持体に固定されていてもよい。例えば、第二の抗体が第一の抗体/バイオマーカー複合体に結合すると、第二の抗体は反応を開始させることができ、例えば検出可能な色の変化が生じる。
[0065] 様々な標識および結合技術が当業者に知られている。核酸配列の検出および定量化のための標識されたハイブリダイゼーション、または、PCRプローブを得る技術としては、オリゴでの標識付け、ニックトランスレーション、末端の標識付け、および、標識されたヌクレオチドを用いたPCR増幅が挙げられる。あるいは、mRNAプローブを生産するために、バイオマーカー、または、それらの任意の部分のコード配列をベクターにクローニングしてもよい。このようなベクターは当業界既知であり、市販されており、インビトロでT7、T3またはSP6のような適切なRNAポリメラーゼ、および、標識されたヌクレオチドの添加によってRNAプローブを合成するのに用いることができる。
[0066] 本キットは、任意に、(a)バイオマーカーの参照レベルと比較した観察レベルによって示された体重状態または素因の診断;および、(b)該診断に適した処方計画の提示または処方の1種またはそれより多くを含む情報伝達手段をさらに含んでいてもよい。
[0067] 伝達手段は、本キットのその他の構成要素を含むパッケージに付着させてもよいし、または、その中に封入されせてもよい。あらゆる適切な伝達手段の形態が使用可能であり、例えば、ラベル、小冊子、広告または添付文書のような文書、コンピューターで読取り可能なデジタルまたは光学媒体、例えばディスクまたはCD、例えばオーディオテープまたはCDでの音声による提示、または、例えばビデオテープまたはDVDでの目で見える表示が挙げられる。このような伝達手段は、例えばウェブサイト上などの別の場所にあるさらなる情報を参照することができる。
[0068] このような、例えばラベル、小冊子、広告または添付文書のような文書、コンピューターで読取り可能なデジタルまたは光学媒体、例えばディスクまたはCD、例えばオーディオテープまたはCDでの音声による提示、例えばビデオテープまたはDVDでの目で見える表示、および/または、ウェブサイト上の1またはそれより多くのページを含む伝達手段は、それ自体がさらなる本発明のその他の実施態様である。
[0069] 本発明は、様々であってよいため、本明細書において説明される特定の方法論、プロトコールおよび試薬に限定されない。さらに、本明細書において用いられる用語は、単に具体的な実施態様を説明するためであって、本発明の範囲を限定することは目的としない。本明細書および添付の請求項で用いられるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈において他の指定がない限り、複数形の対象物を含む。同様に、「〜を含む(comprise)」、「〜を含む(comprises)」および「〜を含む(comprising)」という言葉は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきである。
[0070] 特に他の指定がない限り、本明細書において用いられる全ての専門用語や科学用語およびあらゆる頭字語は、本発明の分野における当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本発明の実施において、本明細書において説明されるものと類似しているか、または同等であるあらゆる方法および材料を用いることができるが、ここで好ましい方法、装置および材料を説明する。
[0071] 本明細書で述べられた全ての特許、特許出願および公報は、そこで開示された本発明と共に用いられる可能性がある化合物、プロセス、技術、手法、技術、論文、ならびにその他の組成物および方法を説明し開示する目的で法的に許容される程度に、参照により開示に含まれる。しかしながら、先行発明によって、本発明がこのような開示より前になされたものではないとすることを認めるように解釈されるべきではない。
実施例
[0072] 本発明を、それらの好ましい実施態様の以下に記載の実施例によってさらに説明するが、当然ながらこれらの実施例は単に説明のために示されたものであり、特に他の指定がない限り本発明の範囲を限定することは目的としない。
実施例1
痩せた動物および肥満の動物におけるバイオマーカー
[0073] この実施例は、所定のバイオマーカーの参照レベルに対するレベルが、動物の体重状態または素因を示すことができることを説明する。
[0074] 痩せる傾向があるイヌと肥満の傾向があるイヌとの間の血清中の代謝産物における差を決定するための4日間の実験で、20匹のイヌ(10匹の痩せたイヌ、および、10匹の肥満のイヌ)を用いた。痩せた群または肥満の群のクラス分けを、以下の特徴によって決定した:(a)自由にエサを与えた場合、体重を増加させる性質(肥満の傾向がある)、または、体重を維持する性質(痩せる傾向がある);(b)1〜5の範囲のボディコンディションスコアの数値表示(痩せる傾向があるイヌの平均ボディコンディションスコアは約3であり、それに対して肥満の傾向があるイヌの平均ボディコンディションスコアは、約4.1であった);および、(c)体重減少実験における過去の関与(肥満のイヌは過去の関与があり、それに対して痩せたイヌは関与がなかった)。
[0075] 痩せる傾向があるイヌの平均体重は12.06kgであり、肥満の傾向があるイヌの平均体重は16.59kgであった。
[0076] これらのイヌに、4日間にわたり1日1回、体重(BW)の維持に必要な栄養量を満たす、または、それを超過するように配合された維持のための食品を与えた。4日目に、給餌前(食前、0時間)および給餌後(食後)の10、60、120および360分に血清サンプルを採取した。これらのサンプルを、インスリン、トリグリセリド、グルコース、GLP−1およびグレリン濃度に関して、例えば、Sambrook等(2001)のMolecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版.コールドスプリングハーバーラボラトリープレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press),コールドスプリングハーバー,ニューヨーク州;Spector等(1998)のCells:A Laboratory Manual,コールドスプリングハーバーラボラトリープレス,コールドスプリングハーバー,ニューヨーク州;および、Hampton等(1990)のSerological Methods:A Laboratory Manual,APSプレス(APS Press),セントポール,ミネソタ州のような実験マニュアルで見出される標準的手法を用いて解析した。バイオマーカーの血清濃度をBWに関して補正した。表1〜5に、結果を示す。
[0077] 食後の血清インスリン濃度は、痩せる傾向があるイヌと肥満の傾向があるイヌとの間で実質的に差はなかった(表1)。
Figure 2009522553
[0078] また血清トリグリセリド濃度も、痩せる傾向があるイヌと肥満の傾向があるイヌとの間に実質的に差はなかった(表2)。
Figure 2009522553
[0079] 6種のサンプリング時間のほとんど、または、全てにおいて、グルコース(表3)、GLP−1(表4)、および、グレリン(表5)レベルの血清濃度は、痩せる傾向があるイヌと肥満の傾向があるイヌとの間に実質的な差があった。
Figure 2009522553
Figure 2009522553
Figure 2009522553
[0080] 上記表を参照すると、データから、痩せやすい素因を有する動物と肥満の素因を有する動物とを区別するためのバイオマーカーの有用性、具体的には血清グルコース、GLP−1およびグレリンレベルの有用性が示される。
実施例2
イヌにおける体重の素因の予想
[0081] この実験のために、30匹の痩せたイヌ、および、30匹の過体重のイヌの認定を行った。この実験の目的のために、4または5のボディコンディションスコア(BCS)を有するイヌを、過体重と分類した(1〜5の尺度で分類し、ここで1は痩せた、5は肥満/過体重に相当する)。3未満のBCSを有するイヌを、痩せたと分類した。これらのイヌを、ヒルズの規格化された動物管理使用委員会のプロトコール(Hill’s Institutional Animal Care and Use Committee protocol)に従って飼育した。いずれかのマーカーの差において性別が影響するかどうかを決定するために、これらのイヌの50パーセントは雌(15匹の痩せたイヌ、および、15匹の過体重のイヌ)とし、50パーセントは雄(15匹の痩せたイヌ、および、15匹の過体重のイヌ)とした。これらの動物群は比較的肥満症になりやすい傾向があり、全ての動物において、卵巣を除去するか、または去勢した。動物の体重を量り、ボディコンディションスコアを付与して、血液サンプルを採取した。血清を回収し、1mLのアリコートにして−20℃で保存した。
[0082] 血清を、化学スクリーニング(chemical screens)、肥満症マーカー、甲状腺マーカー、および、関節炎マーカーに関して解析した。化学スクリーニングは、ヒルズペット栄養センター(Hill’s Pet Nutrition Center)(カンザス州トピーカ)で行われた。インスリン解析は、ミシガン州立大学(Michigan State University,ミシガン州ランシング)によって行われた。チロキシン、甲状腺刺激ホルモン、グルカゴン様タンパク質−1、インスリン様増殖因子−1、グレリン、レプチン、アンギオテンシンIおよびII、C反応性タンパク質、高密度リポタンパク質1および2、低密度リポタンパク質、超低密度リポタンパク質、カイロミクロン、テストステロン、エストラジオール、コルチゾール、オステオカルシン、アミノ末端架橋タンパク質、2型の軟骨合成、および、軟骨オリゴマーのタンパク質については、MDバイオサイエンシズ社(MD Biosciences,Inc.,ミシガン州セントポール)で行われた。
[0083] SASの一般線形モデルの手順(General Linear Models procedure of SAS)(1989)を用いてデータを解析して、処理手段を決定した。実験単位はイヌであった。P<0.05の場合差が有意であるとみなし、P<0.10の場合に傾向を決定した。
Figure 2009522553
Figure 2009522553
Figure 2009522553
[0084] 平均ボディコンディションスコアは、過体重の群および痩せた群それぞれについて4.7および2.5であった。平均体重は、痩せた群および過体重の群それぞれについて11.2、および、17.3kgであった。血清を、化学スクリーニング、肥満症マーカー、甲状腺マーカー、および、関節炎マーカーに関して解析した。過体重の群は、痩せた群よりも高レベルのアルカリホスファターゼ(P=0.04)、コレステロール(P=0.04)、トリグリセリド(P=0.06)、総タンパク質(P<0.01)、アルブミン(P<0.01)、チロキシン(P=0.05)、カルシウム(P<0.01)、リン(P=0.04)、グルコース(P<0.01)、インスリン(P<0.01)、インスリン様増殖因子−1(P<0.01)、低密度リポタンパク質(P<0.01)、レプチン(P<0.01)、および、2型の軟骨合成(P<0.01)を示した。過体重の群は、痩せた群よりも低いレベルのクレアチニン(P=0.01)、血清の尿素窒素(P<0.01)、塩化物(P<0.01)を示し、過体重の雄は、痩せた群よりも低いレベルのテストステロン(P=0.04)を示した。
[0085] これらの段階的回帰による詳細なバイオマーカーデータの解析から、体重、グルコース、ナトリウム、塩化物、C反応性タンパク質、および、甲状腺刺激ホルモンは、ボディコンディションスコアを決定するのに特に有用なパラメーターであることが示される。例えば、ボディコンディションスコアは、以下の方程式を用いて定量することができる:
ボディコンディションスコア=3.62352+(0.17443×体重(kg))+(0.01621×グルコース(mg/dL))+(0.06496×ナトリウム(mmol/L))−(0.12439×塩化物(mmol/L))−(0.05575×C反応性タンパク質(ng/mL))+(1.72392×甲状腺刺激ホルモン(ng/mL))。
[0086] 加えて、ボディコンディションスコアは、慣例的な獣医学的な分析で得ることができるバイオマーカーデータを用いて定量することができる。例えば、段階的回帰によるバイオマーカーレベルの解析から、動物の体重、ならびに、尿素窒素、ナトリウムおよび塩化物の血清レベルは、ボディコンディションスコアを決定するのに特に有用であることが示される。それゆえに、ボディコンディションスコアは、前記データを以下のアルゴリズムに適用することによって決定してもよい:
ボディコンディションスコア=3.64120+(0.18614×体重(kg))−(0.05289×血清の尿素窒素(mg/dL))+(0.08935×ナトリウム(mmol/L))−(0.14088×塩化物(mmol/L))。
実施例3
体重減少実験におけるイヌのバイオマーカーレベル
[0087] 体重減少実験に20匹のイヌを用いた。これらのイヌを、規格化された動物管理使用委員会のプロトコールに従って飼育した。全てのイヌは、(総重量の)37%より高い体脂肪率を有する状態で実験を開始し、3ヶ月の体重減少実験中それを維持した。イヌに、2種の処理のうち一方を割り当てた(表3−1)。各食品は、粗挽きにされ、米国飼料検査官協会(Association of American Feed Control Officials)のイヌのための栄養ガイドに従って配合され、成長した個体の維持に必要な条件を満たすようにバランスをとった。全てのイヌに、二重エネルギーX線吸光光度定量法(DXA;DXA−QDR−4500,ホロジック社(Hologic, Inc.,マサチューセッツ州ウォルサム)によるスキャンを施した。0、1、2および3ヶ月目に血液サンプルを採取した。血清を回収し、1mlのアリコートにして−20℃で保存した。加えて、イヌに生活の質を良くするための玩具を与え、日常的な毛づくろいを受けさせ、その他のイヌおよび人々と交流する機会を毎日与えた。
[0088] 血清を、化学スクリーニング、肥満症マーカー、甲状腺マーカー、および、関節炎マーカーに関して解析した。化学スクリーニングは、ヒルズペット栄養センター(カンザス州トピーカ)で行われた。インスリン解析は、ミシガン州立大学(ミシガン州ランシング)によって行われた。チロキシン、甲状腺刺激ホルモン、グルカゴン様タンパク質−1、インスリン様増殖因子−1、グレリン、レプチン、アンギオテンシンIおよびII、C反応性タンパク質、高密度リポタンパク質1および2、低密度リポタンパク質、超低密度リポタンパク質、カイロミクロン、テストステロン、エストラジオール、コルチゾール、オステオカルシン、アミノ末端架橋タンパク質、2型の軟骨合成、および、軟骨オリゴマーのマトリックスタンパク質については、MDバイオサイエンシズ社(ミシガン州セントポール)で行われた。
Figure 2009522553
フードA=Hill‘s(登録商標) Canine Prescription Diet(登録商標)r/d(登録商標)の缶詰タイプ。成分:水、豚肉由来副産物、ダイズ粉製品(soybean mill run)、米、ブタ肝臓、粉末セルロース、大豆ミール、トリ肝臓フレーバー、植物油、酸化鉄、タウリン、L−カルニチン、無機物質(炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、塩、酸化亜鉛、硫酸第一鉄、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ベータ−カロチン、ビタミン(塩化コリン、ビタミンD3サプリメント、ビタミンEサプリメント、アスコルビン酸、チアミン硝酸塩、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、葉酸、ビオチン、ビタミンB12サプリメント)。
**フードB=Hill‘s(登録商標)Canine Prescription Diet(登録商標)r/d(登録商標)のドライタイプ。成分:コーンミール、ピーナッツの殻28.2%(繊維源)、トリ由来副産物の粉末、ダイズミール、ダイズ粉製品、トリ肝臓フレーバー、乾燥卵製品、植物油、タウリン、L−カルニチン、BHT、BHAおよびエトキシキンで保存、無機物質(塩、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ベータ−カロチン、ビタミン(塩化コリン、ビタミンAサプリメント、ビタミンD3サプリメント、ビタミンEサプリメント、L−アスコルビル−2−ポリリン酸塩(ビタミンC源)、ナイアシン、チアミン硝酸塩、パントテン酸カルシウム、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、葉酸、ビオチン、ビタミンB12サプリメント)。
[0089] 結果から、フードAが供給されたイヌは、90日目に、0日目と比較して有意な体重減少(−4924g;P<0.01)、非脂肪組織の損失(−721g;P<0.01)、および、脂肪の減少(−4167g;P<0.01)を示したことが示される。フードBが供給されたイヌは、90日目に、0日目と比較して有意な体重減少(−3466g;P<0.01)、および、脂肪の減少(−3363g;P<0.01)を示した。イヌにフードBを供給した場合、非脂肪組織に関する差は観察されなかった。表3−2を参照。
[0090] 表3−3に、血清の化学スクリーニングおよび電解質を示した。フードAが供給されたイヌは、グロブリン(P<0.01)、総タンパク質(P<0.01)、アルカリホスファターゼ(P=0.03)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(P=0.02)、アルブミン(P<0.01)、コレステロール(P<0.01)、トリグリセリド(P<0.01)、リン(P<0.01)、ナトリウム(P<0.01)、ナトリウム:カリウム(P=0.02)における減少、ならびに、カルシウム(P=0.02)、カリウム(P=0.05)および塩化物(P<0.01)における増加を示した。フードBが供給されたイヌは、アルブミン(P<0.01)、総タンパク質(P<0.01)、コレステロール(P<0.01)、ナトリウム(P<0.01)、ナトリウム:カリウム(P<0.01)における減少、ならびに、カルシウム(P<0.01)、塩化物(P<0.01)、カリウム(P<0.01)、マグネシウム(P<0.01)、および、血清の尿素窒素(P=0.03)における増加を示した。以下の表3−2および3−3を参照。
Figure 2009522553
Figure 2009522553
[0091] 本明細書において開示された実験の目的は、痩せたイヌと過体重のイヌとの間でどのバイオマーカーが異なるのかを決定することである。痩せた動物と過体重の動物との間の生物学的なマーカーにおける差を同定することによって、獣医師は、ボディコンディションスコアを断定的に定量するすることができるだけでなく、体重状態またはそれに対する素因を診断することができ、加えて肥満症に関連する健康障害またはそれに対する素因診断することができる。これらのマーカーは、獣医師が、体重を減少させることと共に血液解析によって体重減少のための処方計画を管理するために利用することができる。
[0092] 実施例2で説明されているように、過体重の群は、高レベルのグルコース、インスリン、インスリン様増殖因子−1、および、グルカゴン様タンパク質−1を示しており、これはインスリン耐性の徴候を示している。この結果は驚くべきことではなく、なぜなら糖尿病およびインスリン耐性は、肥満症に付随することが一般的であるためである。実施例3のデータは、体重減少を経験したイヌは、グルコースおよびインスリンにおける減少を示しており、これは、体重減少は、肥満症に伴うグルコース障害を矯正することができることを示す。
[0093] 過体重のイヌは、高レベルのトリグリセリド、コレステロール、低密度リポタンパク質、カイロミクロンを示し、低レベルの高密度リポタンパク質−1は、異常脂質血症に共通する徴候である。イヌを用いた実験で、異常脂質血症はインスリン耐性に関連することが多いことが実証された。インスリン耐性は、高脂血症の発症において中心的な役割を果たす。血液トリグリセリド濃度における増加は、トリグリセリド高含有のリポタンパク質の生産の増加、および、それらの異化の減少に起因する。インスリン作用の異常は、脂肪細胞において脂肪分解が増加し、それにより脂肪酸の放出が増加し、肝臓において脂肪酸がトリグリセリドに戻り再蓄積されることに起因する可能性がある。
[0094] 実施例3において、体重減少の処方計画が施されているイヌは、コレステロールおよびトリグリセリドの減少を示したが、これは、異常脂質血症の徴候は、食品および体重減少によって矯正することができることを示す。これは、その他の公開されたイヌの体重減少実験と一致する。Diez等の“Evolution of blood parameters during weight loss in experimental obese beagle dogs”J.Anim.Physiol.a.Anim.Nutr.2004;88:166〜171では、過体重のビーグル犬に、高タンパク質(47.5%のタンパク質、および、10.9%の未精製の繊維)の食物、または、高繊維(23.8%のタンパク質、および、23.3%の未精製の繊維)の食物のいずれかをそれらの体重プログラム中に供給している。これらのビーグル犬に2種の体重減少のための食品のいずれかを供給したところ、これらの犬において、トリグリセリドおよびコレステロール両方の減少が観察され、すなわちこれは、観察されたこのような変化は、食物に関連する変化ではなく、体重減少に直接的に関連する変化であることを示す。本発明の実験およびDiez等において観察された体重減少に起因するトリグリセリドおよびコレステロールの減少は、獣医師が慣例的な化学スクリーニング中に測定することができることである。肥満症の問題に関してコレステロールおよびトリグリセリドを測定すること、および、体重減少をモニターすることは、ペットの所有者に不快感を与えることなく肥満症の重要性について検討するための方法となり得る。ここで重要なことは、Diez等および本発明の実験の実験において、トリグリセリドおよびコレステロールの上昇はいずれも、イヌに関して公開された正常な範囲内であることに留意することである。従って、異常に高いトリグリセリドおよびコレステロール値を検出することは、肥満症の優れた指標にはなり得ず、正常な範囲内で上昇したレベルにより重点を置くべきである。
[0095] また過体重の群において、関節炎(すなわち跛行)に関するいかなる徴候も示さなかったとしても、関節炎マーカーレベルの増加を示した。過体重の群において全ての関節炎マーカーが高かったが、アルカリホスファターゼ値とII型の軟骨合成値だけが統計学的に有意であった。アルカリホスファターゼとII型の軟骨合成の両方における増加は、過体重のイヌにおける変形性関節症の早期における指標になる可能性がある。イヌが骨、胆管および/または肝臓障害を有する場合、アルカリホスファターゼ値が高いことが一般的である。この実験における高いアルカリホスファターゼ値は骨に関連する可能性があり、これはなぜなら、アラニンアミノトランスフェラーゼが2つの群の間で差がなく、アルブミン値が過体重の群において比較的高いため、起こり得るあらゆる肝臓障害が除外されるためである。
[0096] II型の軟骨合成は、一般的に、軟骨損傷が起こると増加する。軟骨基質は、2種の主成分、すなわちII型の軟骨、および、プロテオグリカンアグリカンからなる。軟骨線維は、組織の完全性を維持するための引張強度を提供する。アグリカンは軟骨線維と織り交ぜられており、軟骨基質の圧縮剛性に寄与する。II型の軟骨の損傷およびアグリカンの損失は、変形性関節症における関節軟骨損傷の基本的な特徴である。このような損傷は、軟骨細胞および滑膜細胞によって分泌されたタンパク質分解酵素に関連があるとされてきた。マトリックスメタロプロテイナーゼファミリー(すなわちMMP−13)は、II型の軟骨の三重らせんの一次切断に関与する。実施例3において、体重減少を経験したイヌはアルカリホスファターゼの減少を示したが、これは、肥満症を管理することによって、関節炎の発症を助長する場合もあるし、予防可能でもあることを示す。これはなぜなら、これらの食品によって関節炎を減少させる/治療することに関して有益な物質(すなわちn−3脂肪酸、グルコサミン、および/または、コンドロイチン)が関節に与えられなかったためであり、アルカリホスファターゼレベルは、体重を減少させるだけで低くなったことは明らかになる。これは、動物の体重を減少させると、関節に加えられる負荷が減少したためと考えられる。従って、本明細書において、例えばアルカリホスファターゼおよびII型の軟骨合成のような関節炎バイオマーカーのレベルは、動物における変形性関節症への素因を予測するためのバイオマーカーとして使用することができることがさらに考慮される。
[0097] 実施例2および3の両方において、レプチン、グレリンおよびGLP−1の食欲抑制および刺激に関して既知の作用のために、それらの濃度も測定した。過体重の群は、高レベルのレプチン、それと共により低いレベルのグレリンを示した。これらの結果は、Jeusette等の“Influence of obesity on plasma lipid and lipoprotein concentrations in dogs”,Am.J.Vet.Res.2005;66:81〜86、および、Sagawa等の“Correlation between plasma leptin concentration and body fat content in dogs”Am.J.Vet.Res.2002;63(1):7〜10と一致していた。両方の実験において、レプチン濃度は、過体重のビーグル犬における体脂肪の質量に直接的に関連していた。本発明の実験において、体重減少中の脂肪質量の減少に伴ってレプチン濃度が減少した。またJeusette等も過体重のイヌにおいてグレリン濃度の減少を観察しており、これは、過剰なエネルギー貯蔵によって起こったグレリンのダウンレギュレートの結果であると考えられている。本明細書において開示されたように、イヌに上記ドライフードを供給しても、グレリンレベルは体重減少の影響を受けないようである。しかしながら、イヌに体重減少のための缶詰タイプの食品を供給した場合、グレリンレベルは増加しなかった。これは、より多くの缶詰タイプの製品を摂取したために満腹になったためと考えられる。またGLP−1も、胃腸の通過および胃内容排出を抑制する作用を有するため、胃から小腸への栄養素の流動を制御することにおいて役割を果たす。このGLP−1メカニズムは、その作用を食欲に発揮していると考えられる。過体重のイヌは、痩せた群と比較して高いレベルのGLP−1を示した。これらの結果から、これらのホルモンは、過体重のイヌの群において、食物摂取を減少させるように作用する可能性があることが示される;しかしながら、それらの食物摂取に対する作用は、引き出されていない。
[0098] これらの実験の結果から、イヌにおいて肥満症は、その他の病態に直接的に関連することが示される。実施例2におけるマーカーから、過体重のイヌは、異常脂質血症、関節炎および糖尿病の初期の徴候を示したことが示される。実施例3は、これらの差の多くは、体重減少によって緩和することができることを実証する。
実施例4
ネコにおける体重状態の予想
[0099] この実験のために、30匹の痩せたネコ、および、30匹の過体重のネコの認定を行った。この実験の目的のために、4または5のボディコンディションスコア(BCS)を有するネコを、肥満/過体重と分類した(1〜5の尺度で分類し、ここで1は痩せた、5は肥満に相当する)。3未満のBCSを有するネコを、痩せたと分類した。動物の体重を量り、ボディコンディションスコアを付与して、血液サンプルを採取した。血清を回収し、1mlのアリコートにして−20℃で保存した。
[0100] 血清を、化学スクリーニング、肥満症マーカー、甲状腺マーカー、および、関節炎マーカーに関して解析した。化学スクリーニングは、ヒルズペット栄養センター(カンザス州トピーカ)で行われた。インスリン解析は、ミシガン州立大学(ミシガン州ランシング)によって行われた。チロキシン、甲状腺刺激ホルモン、グレリン、レプチン、アンギオテンシンIおよびII、オステオカルシン、アミノ末端架橋タンパク質、骨に特異的なアルカリホスファターゼ、および、カルボキシ末端架橋テロペプチドについては、MDバイオサイエンシズ社(ミシガン州セントポール)で行われた。
[0101] SASの一般線形モデルの手順(1989)を用いてデータを解析して、処理手段を決定した。実験単位はネコであった。P<0.05の場合差が有意であるとみなし、P<0.10の場合に傾向を決定した。
Figure 2009522553
[0102] 平均ボディコンディションスコアは、過体重の群および痩せた群それぞれについて4.2および2.5であった。平均体重は、過体重の群および痩せた群それぞれについて5.8±0.2、および、3.2±0.2kgであった。血清を、化学スクリーニング、肥満症マーカー、甲状腺マーカー、および、関節炎マーカーに関して解析した。過体重の群は、より高レベルのアルカリホスファターゼ(P=0.07)、トリグリセリド(P=0.05)、総タンパク質(P<0.01)、アルブミン(P<0.01)、カリウム(P=0.03)、マグネシウム(P<0.01)、ナトリウム:カリウム(P=0.02)、グルコース(P=0.02)、レプチン(P<0.01)、および、チロキシン(P=0.02)を示した。過体重の群は、より低いレベルの甲状腺刺激ホルモン(P=0.02)、および、グレリン(P=0.06)を示した。
[0103] これらの段階的回帰による詳細なバイオマーカーデータの解析から、体重、ならびに、ナトリウム、カリウム、塩化物、リン、ビリルビンおよびグレリンの血清レベルは、ネコにおいてボディコンディションスコア(すなわち体重状態)を定量するのに特に有用なパラメーターであることが示される。例えば、ボディコンディションスコアは、以下の方程式を用いて定量することができる:
ボディコンディションスコア=−3.20078+(0.4259×体重(kg))−(0.05508×ナトリウム(mmol/L))+(0.69884×カリウム(mmol/L))+(0.09472×塩化物(mmol/L))−(0.15372×リン(mg/dL))+(1.31580×総ビリルビン(mg/dL))−(0.35136×グレリン(ng/mL))。
[0104] 加えて、ボディコンディションスコアは、慣例的な獣医学的な分析で得ることができるバイオマーカーデータを用いて定量することができる。例えば、段階的回帰によるバイオマーカーレベルの解析から、体重、および、血中尿素窒素、クレアチニン、カリウム、塩化物、リンおよびビリルビンの血清レベルは、ネコにおいてボディコンディションスコアを決定するのに特に有用であることが示される。それゆえに、ボディコンディションスコアは、前記データを以下のアルゴリズムに適用することによって決定してもよい:
ボディコンディションスコア=−7.34191+(0.48335×体重(kg))+(0.03578×血中尿素窒素:クレアチニン)+(0.58860×カリウム(mmol/L))+(0.04683×塩化物(mmol/L))−(0.16894×リン(mg/dL))+(0.86613×総ビリルビン(mg/dL))。
[0105] 本明細書において本発明の典型的な好ましい実施態様を開示し、特定の用語を用いたが、これらは一般的で説明的な意味でのみ用いられ、請求項に記載の本発明の範囲を限定することは目的としない。上記の教示の観点から、極めて多くの本発明の改変および変更が可能である。従って当然ながら、本発明は、添付の請求項の範囲内であれば、具体的に説明したもの以外の方法で実施することができる。

Claims (38)

  1. 動物の体重状態または体重状態の素因を診断する方法であって、該方法は、動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを決定し、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することを含み;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を個別的または集合的に示す、上記方法。
  2. 前記動物が、イヌまたはネコである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記動物が約1歳以下であり、前記参照レベルと比較した観察レベルが、前記動物の残りの寿命における体重状態の素因を個別的または集合的に示す、請求項1に記載の方法。
  4. 前記状態または素因が、肥満症であるか、または、体重を増加させやすい性質である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記状態または素因が、肥満症に関連する健康障害に対する前記動物の危険を高める、請求項1に記載の方法。
  6. 前記肥満症に関連する健康障害が、高脂血症、異常脂質血症、インスリン耐性、グルコース不耐性、肝リピドーシス、麻酔の合併症、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、糖尿病、インスリノーマ、下垂体色素嫌性細胞腺腫、下垂体機能不全症、視床下部病変、関節ストレス、筋骨格の痛み、呼吸困難、高血圧、異常分娩、運動不耐性、高熱不耐性、免疫機能の低下、変形性関節疾患および整形外科学的な疾患、心臓血管疾患、高血圧、呼吸困難、腎臓機能の変化、膵臓炎、移行細胞癌、疲労、睡眠障害、繁殖障害、および、それらの組み合わせからなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記バイオマーカーが、グルコース、GLP−1、グレリン、C反応性タンパク質、甲状腺刺激ホルモン、および、それらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記観察レベルが、少なくとも2種のバイオマーカーに関して決定される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記組織または生体液サンプルが、前記動物が絶食状態の場合に得られる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記組織または生体液サンプルが、給餌サイクル中の複数のタイムポイントで得られ、該タイムポイントは、少なくとも1つの食前のタイムポイント、および、少なくとも1つの食後のタイムポイントを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記組織または生体液が、全血、血漿または血清である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記観察および参照レベルが、1種またはそれより多くの分析を用いて決定され、該分析は、独立して、酵素免疫検査法、酵素結合免疫吸着検査法、免疫蛍光分析、ラジオイムノアッセイ、ウェスタンブロット分析、生化学分析、酵素的分析、および、比色分析からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  13. (a)前記動物がイヌであり、(b)前記バイオマーカーが血清中のグルコースを含み、および、(c)絶食した動物において観察された体重補正済みの血清グルコースレベルが、正常な体重を有するイヌの体重補正済みの参照レベルよりも少なくとも約10%低い場合、前記動物の体重を増加させやすい素因が診断される、請求項1に記載の方法。
  14. (a)前記動物がイヌであり、(b)前記バイオマーカーが血清中のGLP−1を含み、および、(c)絶食した動物において観察された体重補正済みの血清GLP−1レベルが、正常な体重を有するイヌの体重補正済みの参照レベルよりも少なくとも約20%低い場合、前記動物の体重を増加させやすい素因が診断される、請求項1に記載の方法。
  15. (a)前記動物がイヌであり、(b)前記バイオマーカーが血清中のグレリンを含み、および、(c)絶食した動物において観察された体重補正済みの血清グレリンレベルが、正常な体重を有するイヌの体重補正済みの参照レベルよりも少なくとも約20%低い場合、前記動物の体重を増加させやすい素因が診断される、請求項1に記載の方法。
  16. 動物のための処方計画を選択する方法であって、該方法は、(a)動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを決定し、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することによって体重状態または素因を診断すること;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を個別的または集合的に示し;および、(b)このようにして診断された体重状態または素因にとって適切な処方計画を決定すること、を含む、上記方法。
  17. 前記処方計画が、前記動物が摂取するための組成物を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記処方計画が、前記動物のための運動の形態を含む、請求項16に記載の方法。
  19. 動物の体重状態または素因の発症を検出する方法であって、該方法は、所定期間中の複数のタイムポイントそれぞれにおいて、動物由来の組織または生体液サンプル中のバイオマーカーの観察レベルを決定することによって、該期間にわたり該動物における少なくとも1種のバイオマーカーをモニターし、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することを含み;ここで、いずれかのタイムポイントにおいて、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を個別的または集合的に示している場合、発症が検出される、上記方法。
  20. 体重測定、相対的な体重の評価、ボディコンディションスコアの評価、形態測定、および、それらの組み合わせからなる群より選択される技術によって、動物の体重をモニターすることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 動物の体重状態または素因を管理するための処方計画の有効性を評価する方法であって、該方法は、処方計画が施される期間中の複数のタイムポイントそれぞれにおいて、動物由来の組織または生体液サンプル中のバイオマーカーの観察レベルを決定することにより、その期間にわたり該動物における少なくとも1種のバイオマーカーをモニターし、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することを含み、;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、体重状態または素因を管理することにおける処方計画の有効性を個別的または集合的に示す、上記方法。
  22. キットであって:該キットは、
    (a)動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを検出するための1種またはそれより多くの試薬;および、
    (b)(i)バイオマーカーの参照レベル;および、(ii)観察レベルを参照レベルと比較するアルゴリズムを含む、使用者にとってアクセス可能な1種またはそれより多くの情報伝達媒体を含み;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、該動物の体重状態または素因を個別的または集合的に示す、上記キット。
  23. 前記1種またはそれより多くの試薬が、少なくとも1種のレポーター部分または標識を含む、請求項22に記載のキット。
  24. 前記1種またはそれより多くの試薬が、少なくとも1種の抗体を含む、請求項22に記載のキット。
  25. (a)参照レベルと比較した観察レベルによって示された体重状態または素因の診断;および、(b)該診断に適した処方計画の提示または処方の1種またはそれより多くを含む情報伝達手段をさらに含む、請求項22に記載のキット。
  26. 動物における肥満症に関連する健康障害に対する素因を診断する方法であって、該方法は、動物由来の組織または生体液サンプル中の少なくとも1種のバイオマーカーの観察レベルを決定し、観察レベルと参照レベルとをバイオマーカーに関して比較することを含み;ここで、参照レベルと比較した観察レベルが、個別的または集合的に前記素因を示す、上記方法。
  27. 前記動物が、イヌまたはネコである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記動物が約1歳以下であり、前記参照レベルと比較した観察レベルが、前記動物の残りの寿命における体重状態の素因を個別的または集合的に示す、請求項26に記載の方法。
  29. 前記肥満症に関連する健康障害が、高脂血症、異常脂質血症、インスリン耐性、グルコース不耐性、肝リピドーシス、麻酔の合併症、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、糖尿病、インスリノーマ、下垂体色素嫌性細胞腺腫、下垂体機能不全症、視床下部病変、関節ストレス、筋骨格の痛み、呼吸困難、高血圧、異常分娩、運動不耐性、高熱不耐性、免疫機能の低下、変形性関節疾患および整形外科学的な疾患、心臓血管疾患、高血圧、呼吸困難、腎臓機能の変化、膵臓炎、移行細胞癌、疲労、睡眠障害、繁殖障害、および、それらの組み合わせからなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
  30. 前記バイオマーカーが、グルコース、GLP−1、グレリン、C反応性タンパク質、甲状腺刺激ホルモン、および、それらの組み合わせからなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
  31. 前記観察レベルが、少なくとも2種のバイオマーカーに関して決定される、請求項26に記載の方法。
  32. 前記組織または生体液サンプルが、前記動物が絶食状態の場合に得られる、請求項26に記載の方法。
  33. 前記組織または生体液サンプルが、給餌サイクル中の複数のタイムポイントで得られ、該タイムポイントは、少なくとも1つの食前のタイムポイント、および、少なくとも1つの食後のタイムポイントを含む、請求項26に記載の方法。
  34. 前記組織または生体液が、全血、血漿または血清である、請求項26に記載の方法。
  35. 前記観察および参照レベルが、1種またはそれより多くの分析を用いて決定され、該分析は、独立して、酵素免疫検査法、酵素結合免疫吸着検査法、免疫蛍光分析、ラジオイムノアッセイ、ウェスタンブロット分析、生化学分析、酵素的分析、および、比色分析からなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
  36. 前記過体重に関連する健康障害が、変形性関節症である、請求項26に記載の方法。
  37. 前記バイオマーカーが、アルカリホスファターゼである、請求項26に記載の方法。
  38. 動物のボディコンディションスコアを定量する方法であって、該方法は、(a)動物の体重、および、少なくとも1種のバイオマーカーの血清レベルを解析すること;および、(b)工程(a)から得られたデータを、本発明のアルゴリズムI〜IVのいずれかに適用することを含む、上記方法。
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